JP2018030057A - 微粒子分離デバイスおよび微粒子の分離方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)能動的粒子分離手法:分離の際に、電場・音場・磁場などの外部エネルギーを必要とする手法
(2)受動的粒子分離手法:分離の際に、水力学的作用のみを用いる手法
能動的粒子分離手法の場合、外部エネルギーを用いることでシステムが複雑化するため、受動的分離手法にて高い分離性能を実現することが望まれる。近年,受動的分離手法の一つとして、deterministic lateral displacement (DLD)法による微粒子分離事例が報告されている(非特許文献2〜4)。DLDは流路に配列する支柱によって流体に生じる流れを利用した粒子分離法であり、DLD流路内において粒子の大きさ、形状、硬さなどの粒子特性に従って異なる軌道を取るため(図6)、粒子径に基づき簡便に粒子を分離できる。本手法を用いて、高分離分解能かつ高処理量の粒子分離を実現した事例(非特許文献3)も報告されているが、DLDは流路の幾何形状によって粒子軌道の変化の境界となる粒子直径(分離直径)が固定されており、汎用性の低下を招いている。
微粒子の流入口および流出口、ならびにマイクロ流路および配列された支柱からなり;
該マイクロ流路は、該配列された支柱間の隙間で形成され;
該支柱は刺激応答性高分子材料からなり、刺激に対する収縮または膨潤による該支柱形状の変化の度合いにより、該マイクロ流路を流れる微粒子の軌道を制御して微粒子の特性にしたがって微粒子を分離するように構成されてなることを特徴とする微粒子分離デバイス。
(2)微粒子をその大きさに基づき分離する上記(1)に記載の微粒子分離デバイス。
(3)微粒子をその形状に基づき分離する上記(1)に記載の微粒子分離デバイス。
(4)微粒子をその硬さに基づき分離する上記(1)に記載の微粒子分離デバイス。
(5)刺激応答性高分子材料が物理的刺激または化学的刺激に応答するハイドロゲルである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の微粒子分離デバイス。
(6)微粒子が、ポリマー微粒子、生物系微粒子、液滴、金属微粒子、および非金属粒子から選ばれる上記(1)から(5)のいずれかに記載の微粒子分離デバイス。
(7)流入された微粒子が水性懸濁液である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の微粒子分離デバイス。
(8)単一の分離直径を有する支柱配列から構成される上記(1)〜(7)のいずれかに記載の微粒子分離デバイス。
(9)複数の分離直径を有する支柱配列から構成される上記(1)〜(7)のいずれかに記載の微粒子分離デバイス。
(10)分離する微粒子を、配列された支柱間の隙間で形成されたマイクロ流路に流入させ、ついでマイクロ流路を通過させた後にマイクロ流路から流出させる微粒子の分離方法であり、
該支柱は刺激応答性高分子材料からなり、刺激に対する収縮または膨潤による該支柱形状の変化の度合いにより、該マイクロ流路を流れる微粒子の軌道を制御して微粒子の特性にしたがって微粒子を分離するように構成されてなることを特徴とする微粒子の分離方法。
(11)微粒子をその大きさに基づき分離する上記(10)に記載の微粒子の分離方法。
(12)微粒子をその形状に基づき分離する上記(10)に記載の微粒子の分離方法。
(13)微粒子をその硬さに基づき分離する上記(10)に記載の微粒子の分離方法。
(14)刺激応答性高分子材料が物理的刺激または化学的刺激に応答するハイドロゲルである上記(10)〜(13)のいずれかに記載の微粒子の分離方法。
(15)微粒子が、ポリマー微粒子、生物系微粒子、液滴、金属微粒子および非金属粒子から選ばれる(10)〜(14)のいずれかに記載の微粒子の分離方法。
(16)流入された微粒子が水性懸濁液である上記(10)〜(15)のいずれかに記載の微粒子の分離方法。
(17)単一の分離直径を有する支柱配列から構成される上記(10)〜(16)のいずれかに記載の微粒子の分離方法。
(18)複数の分離直径を有する支柱配列から構成される上記(10)〜(16)のいずれかに記載の微粒子の分離方法。
実施例1
マイクロ流路デバイスは、温度応答性高分子の一種であるポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(poly-N-isopropylacrylamide:PNIPAM)のフォトレジストで作製したDLD支柱及び,それを密封するためのポリジメチルシロキサン (polydimethylsiloxane:PDMS)流路から構成される。PNIPAMによるDLD支柱は、支柱直径(Dp) 20μm,支柱間隙間(d) 30μm、支柱配列の傾き(θ) 0.05 rad)のフィルムマスクを用いて、フォトリソグラフィによりガラス基板上に作製した。DLD支柱を密封するためのPDMS流路は,Si基板にエポキシ樹脂「EPON SU-8」をベースにしたネガ型フォトレジスト「SU-8」を用いて作製した鋳型からPDMSにパターンを転写することにより作製した。ガラス基板上に作製したDLD支柱とPDMS流路の位置合わせを行った後、貼り合わせてDLDマイクロ流路デバイスを形成した(図1)。図1は、温度応答性高分子を用いたDLDマイクロ流路デバイスの概要図を示す。
DLD流路の温度が24℃(室温)の場合は,直径6μmのビーズのみ支柱配列の傾きに沿う軌道(置換モード:displacement mode)を取り、直径3μmのビーズは流れと同一方向に進む軌道(ジグザグモード:zigzag mode)を取る様子が確認された(図5(a))。一方、顕微鏡用温度管理ステージ(東海ヒット社製)を用いてDLD流路の温度を35℃に変化させた場合は、直径6μmと3μmのビーズともに流体の流れと同一方向に進む軌道であるジグザグモードを取る様子が確認された(図5(b))。DLD流路の温度制御を行うことでビーズ分離のオン・オフ(ON・OFF)制御が可能であることを確認した。
Claims (18)
- 流入された微粒子をその特性にしたがって分離するための微粒子分離デバイスであり、
微粒子の流入口および流出口、ならびにマイクロ流路および配列された支柱からなり;
該マイクロ流路は、該配列された支柱間の隙間で形成され;
該支柱は刺激応答性高分子材料からなり、刺激に対する収縮または膨潤による該支柱形状の変化の度合いにより、該マイクロ流路を流れる微粒子の軌道を制御して微粒子の特性にしたがって微粒子を分離するように構成されてなることを特徴とする微粒子分離デバイス。 - 微粒子をその大きさに基づき分離する請求項1に記載の微粒子分離デバイス。
- 微粒子をその形状に基づき分離する請求項1に記載の微粒子分離デバイス。
- 微粒子をその硬さに基づき分離する請求項1に記載の微粒子分離デバイス。
- 刺激応答性高分子材料が物理的刺激または化学的刺激に応答するハイドロゲルである請求項1〜4のいずれか1項に記載の微粒子分離デバイス。
- 微粒子が、ポリマー微粒子、生物系微粒子、液滴、金属微粒子、および非金属粒子から選ばれる請求項1〜5のいずれか1項に記載の微粒子分離デバイス。
- 流入された微粒子が水性懸濁液である請求項1〜6のいずれか1項に記載の微粒子分離デバイス。
- 単一の分離直径を有する支柱配列から構成される請求項1〜7のいずれか1項に記載の微粒子分離デバイス。
- 複数の分離直径を有する支柱配列から構成される請求項1〜7のいずれか1項に記載の微粒子分離デバイス。
- 分離する微粒子を、配列された支柱間の隙間で形成されたマイクロ流路に流入させ、ついでマイクロ流路を通過させた後にマイクロ流路から流出させる微粒子の分離方法であり、
該支柱は刺激応答性高分子材料からなり、刺激に対する収縮または膨潤による該支柱形状の変化の度合いにより、該マイクロ流路を流れる微粒子の軌道を制御して微粒子の特性にしたがって微粒子を分離するように構成されてなることを特徴とする微粒子の分離方法。 - 微粒子を大きさに基づき分離する請求項10に記載の微粒子の分離方法。
- 微粒子を形状に基づき分離する請求項10に記載の微粒子の分離方法。
- 微粒子をその硬さに基づき分離する請求項10に記載の微粒子の分離方法。
- 刺激応答性高分子材料が物理的刺激または化学的刺激に応答するハイドロゲルである請求項10〜13のいずれか1項に記載の微粒子の分離方法。
- 微粒子が、ポリマー微粒子、生物系微粒子、液滴、金属微粒子、および非金属粒子
から選ばれる請求項10〜14のいずれか1項に記載の微粒子の分離方法。 - 流入された微粒子が水性懸濁液である請求項10〜15のいずれか1項に記載の微粒子分離方法。
- 単一の分離直径を有する支柱配列から構成される請求項10〜16のいずれか1項に記載の微粒子の分離方法。
- 複数の分離直径を有する支柱配列から構成される請求項10〜16のいずれか1項に記載の微粒子の分離方法。
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