JP2018029728A - リハビリテーション装置及びリハビリテーション方法 - Google Patents
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Abstract
Description
脳卒中は脳内の血管が出血し或いは閉塞し、脳内の血管に流れる血液により脳の神経細胞に供給される酸素や栄養が絶たれ、脳の神経細胞が障害(以下、神経細胞の障害という。)を受ける病気である。脳卒中により脳の一部の領域の神経細胞(例えば手指の運動指令を出す運動野の神経細胞)に障害を受けた患者は、その神経細胞がつかさどっていた身体の一部(例えば、手指)への運動指令を出すことができなくなる。このため、身体の一部を動かすことができず、機能障害として身体の一部の運動機能が麻痺した状態となる。
一方、このように身体の一部の運動機能が麻痺した場合であっても、その身体の一部について反復運動を行い、また、外部からその身体の一部に刺激を繰り返すことにより、運動機能が回復することが経験的に知られている。これは、脳活動の下に身体運動が繰り返されることで、障害を受けた神経細胞の代わりに、別の神経細胞から運動指令を出すことができるようになった、すなわち、運動指令を伝達する神経細胞の経路(以下、運動経路という。)の再構築がなされたためと考えられている。この考えに基づき、脳からの運動指令の下に身体運動を行う、動作補助装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に示す装置にあっては、麻痺のある身体の一部から神経伝達信号あるいは筋電位信号が検出された場合に、麻痺のある身体の一部を、外力を用いて動かし身体運動を行わせる。
以下の説明では、運動機能が麻痺した身体の一部のことを「麻痺部」とする。
また、静止画像と動画像を総称して「画像」とする。
また、麻痺部と同一の部位のことを「対象部位」とする。
また、静止した状態の対象部位を含む画像を観察し、麻痺部を動かすことを想起することを「運動想起」とする。
また、静止した状態の対象部位が動く動画像を観察し、その体験や記憶を有する患者が、再度その静止した状態の対象部位を含む画像を観察し、麻痺部を動かすことを想起することを「運動観察想起」とする。
また、脳活動の下に運動指令を伝達する神経細胞の経路のことを「運動経路」とする。
また、麻痺部を動かすことを想起することにより、脳から出された運動指令が運動経路を伝達することを「運動指令が伝達する」とする。
また、外力を用いた麻痺部を動かす動作の補助を「アシスト」とする。
また、噛みしめた時に歯と歯の間にかかる圧力のことを「咀嚼圧」とする。
また、脳波の時系列データをフーリエ変換あるいはウェーブレット変換することで、脳波に含まれる周波数帯域を解析したデータを「スペクトル」とし、スペクトルにおける所定の周波数帯域(例えば、8〜13[Hz(ヘルツ)])における信号成分の大きさを「スペクトル強度」とする。
図1は、本実施形態によるリハビリテーション装置の構成のイメージを示すイメージ図である。
本実施形態によるリハビリテーション装置の駆動部3は、麻痺部に装着して用いられる。図1の例では、麻痺部は左側の手指である。
被訓練者1(患者)の頭部に、脳波信号(以下、脳波とも称する。)を取得する脳波電極22が取付けられる。なお、図1の例では、計測部2に、被訓練者1の口腔に取付けられている咀嚼センサ21が接続されているが、本実施形態では用いない。咀嚼センサ21を用いた訓練については、第2の実施形態で説明する。
提示部4は、静止した状態の対象部位、すなわち静止した状態の健常な左手、を含む画像を表示する。静止した状態の対象部位を含む画像とは、少なくとも対象部位が含まれる画像であって、その対象部位が静止した状態であればよく、静止画像であっても、動画像を一時停止したものであっても、対象部位が静止した状態が継続して表示される動画像であってもよい。
このとき、提示部4は、上述した対象部位の静止画像とは異なる画像として、被訓練者1に対して運動想起を促すことが可能な画像に表示してもよい。ここでいう運動想起を促すことが可能な画像とは、何らかの物体が静止した状態又は動く状態を示す画像であって、その表示された物体に対して被訓練者1が触れようとする運動想起を促すことが可能な画像である。より具体的には、物体が例えばボールである場合、被訓練者1に対し、このボールを掴もうとする運動想起を促すことが可能である。また、このボールが一方から他方に向かって動く状態を示す動画像である場合、被訓練者1に対し、このボールの移動を停止させる(あるいはボールを受け取る)ような運動想起を促すことが可能である。また例えば、物体が子猫であって被訓練者1が猫に興味がある場合、被訓練者1に対して、子猫に触れようとする(撫でようとする)運動想起を促すことが可能である。
そして、提示部4に表示された画像を被訓練者1に視認させ、麻痺部を動かすことを想起するように被訓練者1を促す。
制御部5は、上記画像を視認させる前後の脳波を継続的に取得し、時間の経過に伴う脳波のスペクトル強度に基づいて、駆動部3のアシスト動作を制御する。制御部5は、駆動部3に、アシスト動作をさせるか否かを被訓練者1の脳波を構成する信号に含まれる所定の周波数帯域のスペクトル強度の変化に基づいて判定する。
制御部5は、判定結果が、所定の周波数帯域のスペクトル強度が予め定めた閾値以下であると判定した場合、駆動部3に、運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をした旨の通知をすることで、アシスト動作をさせる。
駆動部3は、運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をした旨の通知を制御部5から受けた場合に、麻痺部に対してアシスト動作をする。例えば、駆動部3は、外力を用いて、麻痺部である左手を握ったり開いたりするような手の動作を行わせる。
このとき、制御部5は、提示部4に動画像を表示させる。この動画像は、提示部4がすでに表示している対象部位が、静止した状態から動く状態に切り替わる動画像であって、駆動部3のアシスト動作により動かされる被訓練者1の左手の動きと同様の動きを示す動画像である。
また、このとき、制御部5は、提示部4に表示させる動画像が示す左手の動きと、駆動部3が行うアシスト動作の動きとを、同期させることが好ましい。これにより、視覚による刺激と動作による刺激とを連動し、効果的なリハビリテーションが可能となる。
操作インターフェース部8に出力される訓練プログラムの実施状況に関する情報は、被訓練者1によって視認されてもよいし、被訓練者1に訓練を実施させる者によって視認されてもよい。
また、訓練プログラムの実施にあたり必要となる情報の入力は、被訓練者1によって行われてもよいし、訓練を実施させる者によって行われてもよい。
なお、この操作インターフェース部8の入力を受け付ける機能が、提示部4に設けられている場合には、操作インターフェース部8を設けなくてもよい。
一般に、脳は表示された画像に現実味(リアリティ)があるほど、自身が実際に体を動かしているかのような錯覚を起こしやすい。提示部4に被訓練者1の麻痺部である左手が静止した状態の画像を表示させ、それを被訓練者1が視認し、自身の手であるような錯覚を起こせば、静止した状態の対象部位の画像を視認しないで左手を動かそうとする場合よりも、運動指令が伝達しやすくなる。
運動指令の伝達に基づいて、麻痺部の運動と運動の状態の視認とを被訓練者1に対して繰り返し行なわせることで、運動経路の再構築が進み、その運動経路が強固に確立されることが期待できる。
図2は、本実施形態におけるリハビリテーション装置の機能を表すブロック図である。図3は、脳波を構成する信号の所定の周波数帯域におけるスペクトル強度の時間の経過に伴う変化の一例を示す図である。
その得られたスペクトル強度を制御部5に通知する。
駆動部3は、例えば、骨格を表す棒状の部分と、関節を表す屈伸可能な部分と、関節をつなぐ筋肉を表す伸縮可能な部分とが、麻痺部の形状および機能に合わせた機構に組み合わされて構成される。駆動部3は、アシスト動作をすることができればよく、特に特定の製品等に限定せず、任意の装置を用いることができる。
本実施形態の提示部4は、例えば表示装置であり、人の視覚に対し画像の表示を行う。この提示部4は、被訓練者1が視認できる位置に設置され、制御部5からの制御に基づき、画像を表示する。
なお、提示部4は、視覚に対する提示の他に、聴覚、嗅覚等に働きかけを行う装置、例えば、音響出力装置(スピーカ)、香炉(アロマディフューザ)等のいずれか、または両方を含んでもよい。
制御部5は、脳波計20から測定結果を取得し、その測定結果に含まれたスペクトル強度に基づいて、脳波に生じる変化が、運動指令を伝達させようとした場合に生じる所定の変化であるか否かを判定する。
制御部5は、脳波に生じる変化が、運動指令を伝達させようとした場合に生じる所定の変化であると判断した場合に、駆動部3を駆動させることで、被訓練者1の麻痺部を動かす動作に対するアシスト動作をさせる。制御部5は、駆動部3にアシスト動作をさせることにより、被訓練者1に運動指令の伝達に対するフィードバックとしての運動感覚を与える。
また、制御部5は、提示部4に表示させる動画像に同期させて駆動部3にアシスト動作をさせてもよい。この場合の提示部4に表示させる動画像とは、駆動部3のアシスト動作により動かされる麻痺部の動きと同様の動きを示す動画像である。なお、動画像と駆動部3のアシスト動作とを同期させる処理については後で説明する。
この静止した状態の対象部位を含む画像は、被訓練者1に自身の麻痺部の動くイメージを想起し易くさせるために用いられる画像である。静止した状態の対象部位を含む画像は、例えば、拘縮や弛緩のみられない健常者の手指の静止画像、或いは被訓練者1自身の手指の静止画像である。
また、この静止した状態の対象部位を含む画像は、撮像画像であってもよいし、CG(Computer Graphics)等を用いて作成した画像であってもよい。
この動画像は、静止した状態の対象部位を含む画像に示される対象部位が動作する状態を示す動画像であって、麻痺部を動かす動作例として用いられる動画像である。
この動画像は、静止した状態の対象部位を含む画像が動画像であった場合に、その動画像再生開始からの経過時間が特定の時間における画像、例えば10秒の動画像である場合には5秒目に表示された画像であってもよいし、静止した状態の対象部位を含む画像とは異なる動画像であってもよい。
この物体とは、被訓練者1から自身の麻痺部の運動想起をより引き出すような物体であって、例えば、ボールや子猫等であって、掴むあるいは撫でる等、人間の手の動作を連想させる物体である。
制御部5は、記憶部6に、被訓練者1の訓練状況情報を書き込んで記憶させる。
訓練状況情報とは、現在実施している訓練プログラムの種別、脳波判定しきい値、画像に含める物体の有無、判定結果等の情報、あるいは過去に実施した訓練プログラムの履歴等の情報である。
なお、脳波判定しきい値については、後で説明する。
また、制御部5は、記憶部6に記憶させる被訓練者1の訓練状況を、記憶部6に記憶させる代わりに或いは記憶部6に記憶させると共に、操作インターフェース部8に表示させてもよい。
記憶部6は、訓練情報領域60および表示情報領域64の記憶領域を含んで構成される。
訓練情報領域60は、被訓練者1の識別情報、および被訓練者1の訓練状況情報等を記憶する記憶領域である。
表示情報領域64は、複数の静止した状態の対象部位の画像、対象部位が動作する状態を示す動画像、およびこれらの画像に含める物体の画像等、提示部4が提示する画像のデータを記憶する記憶領域である。
また、操作インターフェース部8には、タブレット型PC、スマートフォン、ウェアラブル端末といったデバイスを用いることが好ましい。これにより、操作インターフェース部8と、制御部5と、記憶部6の機能を単一のデバイスで実現できるため、スペースの省略可、低コスト化の観点で、さらに好ましい。なお、これらのデバイスを用いる場合、提示部4の機能も含ませることができる。
提示部4は、被訓練者1の麻痺部である左手と目の間に設置される。すなわち、被訓練者1から見ると、自身の左側の前腕は、提示部4の陰に隠されて、視認できなくなる。そして、被訓練者1は、自身の左側の前腕があるべき位置に、提示部4が提示する左手の画像を見ることになる。提示部4が提示する左手の画像は、左側の前腕から先の部分であり、提示部4が提示する左手の画像が、あたかも被訓練者自身の左手であるかのように表示される位置に、提示部4が配置されているものとする。
また、提示部4として、頭部に装着するディスプレイ装置であるヘッドマウントディスプレイが用いられる場合、提示部4は、被訓練者1の頭部に被訓練者1の目を覆うようにして装着され、被訓練者1に対し、対象部位の画像を表示する。
リハビリテーション装置の動作を開始するにあたり、被訓練者1の頭部には、脳波を測定するための脳波電極が装着され、さらに、被訓練者1の麻痺部には、駆動部3が装着される。
制御部5は、訓練情報領域60内に記憶された、或いは操作インターフェース部8を介して外部から入力された、被訓練者1の識別番号取得する(ステップS1)。
制御部5は、この識別情報および訓練状況情報に基づいて、被訓練者1に実施させる訓練プログラムを選択して設定する(ステップS2)。
制御部5は、被訓練者1の訓練状況情報に過去の訓練プログラムを実施した履歴がある場合、原則として前回実施の訓練プログラムと同じ訓練プログラムに設定する。また、制御部5は、被訓練者1の訓練状況情報がある場合であって、前回訓練プログラム実施終了時以降に、実施訓練プログラムの指定がされた場合、その指定された訓練プログラムに設定する。
脳波判定しきい値は、被訓練者1から運動指令が伝達されたか否かを判定するための、しきい値である。すなわち、制御部5は、訓練プログラム実施中の被訓練者1のスペクトル強度と脳波判定しきい値を比較し、スペクトル強度が脳波判定しきい値以下となった場合に、運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をしたと判定する。
脳波判定しきい値は、以下の(1)式で表されるスペクトル強度の割合Rに基づいて設定される。
すなわち、スペクトル強度の割合Rは、被訓練者1の所定の周波数帯域についての、安静時のスペクトル強度Sに対する運動想起時のスペクトル強度Aである。
一般に、運動想起に伴って運動指令が伝達された時に、そのスペクトル強度は低下するため、スペクトル強度の割合Rは、運動想起に伴って運動指令が伝達された時のスペクトル強度の低下の割合を示している。以後、脳波判定しきい値について説明する場合においては、脳波判定しきい値を「脳波判定しきい値Th」とも称する。
制御部5は、被訓練者1の訓練状況情報がない場合、すなわち被訓練者1に過去の訓練履歴がなく初めて訓練を行わせる場合、被訓練者1に実施させる訓練プログラムの脳波判定しきい値Thを、予め定めた割合、例えば、スペクトル強度の割合R(=0.7)に対応させ、脳波判定しきい値Th(=0.7×S)に設定する。
制御部5が設定する目標とは、例えば、設定した訓練プログラムにおいて、連続して5回以上、運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をしたものと制御部5に判定されること等である。
制御部5は、訓練プログラムを実施した結果として、訓練プログラムの種別、脳波判定しきい値Th、画像に含める物体の有無、判定結果、目標の達成等の情報等を訓練情報領域60に記憶させる。
次回訓練プログラム実施時に設定すべき脳波判定しきい値Thは、今回訓練プログラム開始時に設定した値よりも割合Rが小さい値である。すなわち、脳波判定しきい値Thは、安静時のスペクトル強度Sに対し、より低下した値とする。
例えば、制御部5は、今回の訓練プログラム開始時に脳波判定しきい値Thを0.7×Sに設定し、訓練目標を達成した場合、次回訓練プログラム実施時に脳波判定しきい値Thを0.6×Sに指定する。
制御部5は、次回実行すべき訓練プログラムがない、例えば、複数の訓練プログラムのうち麻痺の程度が最も軽い場合を対象にした訓練プログラムについて設定目標が達成された場合、次回実行すべきプログラムとして同一の訓練プログラムのプログラムを指定してもよいし、画像を変更(後述のステップS12)したうえで再度、同一の訓練のプログラムを指定してもよい。
制御部5は、訓練プログラムの終了を示す指示が入力されず、かつ、訓練プログラム開始時から所定の実施上限時間が経過していない場合、ステップS2に戻り、継続して訓練プログラム実施をさせる(ステップS8 NO)。
制御部5は、訓練プログラムの終了を示す指示が入力された場合、または訓練プログラム開始時から所定の実施上限時間が経過した場合、訓練プログラムを終了させる(ステップS8 YES)。そして、本フローチャートは終了する。
ここで、実施上限時間は、制御部5により、被訓練者1の訓練の状況や集中力に応じ、または、操作インターフェース部8を介して入力された情報に基づいて設定される。制御部5は、例えば、実施上限時間を5〜30分程度を目安に、被訓練者1の属性情報(例えば、年齢等)および訓練状況情報(例えば、過去の訓練において行った訓練時間等)などに基づいて設定する。
図5〜図9を用いて、本実施形態にかかるリハビリテーション装置を用いて各訓練プログラムを実施する場合にリハビリテーション装置が行う処理の流れを説明する。
(1)運動想起プログラムの流れについて、図5を用いて説明する。
(1)運動想起プログラムは、静止した状態の対象部位を含む画像が被訓練者1によって視認され、観察されることにより運動指令が伝達するように試みる訓練である。
また、制御部5は、被訓練者1の識別情報に基づいて訓練情報領域60を参照し、被訓練者1の過去に実施した訓練プログラムの履歴等の訓練状況情報を取得する(ステップS11)。
この時、制御部5は、選択した静止した状態の対象部位を含む画像とともに、この静止した状態の対象部位が動作する様子を示す動画像(図5において、「画像2」と記載)を選択することが望ましい。
制御部5は、例えば、属性情報に基づいて、被訓練者1の趣味や趣向に合う物体を選択し、画像に含めて表示させてもよい。また、制御部5は、訓練状況情報に基づいて、過去の訓練において画像に含めて表示させた物体であって、その過去の訓練において運動指令が伝達さなかったものを除外して、画像に含める物体を選択してもよい。
被訓練者1は、例えば、ボール遊びに興味がなく、対象部位である手が静止した状態の画像に「ボール」が含まれる画像から、ボールを掴もうと想起できなかった場合であっても、動物が好きであれば、「子猫」が含まれる画像から、手で子猫を撫でようと想起し運動指令を伝達させる可能性がある。
なお、静止した状態の対象部位を含む画像は、静止画像でも動画像でもよく、静止した状態の対象部位を含む画像に静止した物体が含まれている静止画像でもよいし、静止した状態の対象部位を含む画像に物体が動く動画像が含まれている動画像であってもよい。
そして、画像を視認した被訓練者1は、運動想起を試みる。
ここで、本実施形態にかかるリハビリテーション装置は、図示しない音声出力部を備えていてもよく、この場合において、制御部5は、被訓練者1に運動指令の伝達を促す旨のアナウンスや効果音等を、音声出力部から出力させてもよい。なお、音声出力部として、操作インターフェース部8として用いられるPCに内蔵するスピーカ等を利用してもよい。これにより、被訓練者1のモチベーションの低下抑制や、リハビリテーションに対する集中力の向上が期待される。
なお、このとき制御部5は、被訓練者1の脳波の変化に基づいて運動指令が伝達したものと判定した旨の表示を、出力部81に画像や音声で出力させてもよい。
なお、このとき制御部5は、被訓練者1の脳波の変化に基づいて運動指令が伝達したものと判定されなかった旨の表示を、出力部81に画像や音声で出力させてもよい。
駆動部3は、制御部5からの制御信号に基づいて、被訓練者1の麻痺部に対するアシスト動作をする。駆動部3は、例えば、被訓練者1に手を握る動きを行わせる。
制御部5は、駆動部3を駆動させた場合、一定時間が経過したら駆動を停止させてもよいし、被訓練者1の脳波のスペクトル強度が安静時と同等に戻ったら、駆動部3の駆動を停止させてもよい。
提示部4に表示させる動画像は、駆動部3にアシスト動作をさせる麻痺部の動きと動画像中の対象部位の動きが同じである動画像である。このとき、制御部5は、動画像中の対象部位の動きと、駆動部3にアシスト動作をさせる麻痺部の動きとを同期させる。
制御部5は、実施結果として、実施訓練プログラム、表示した画像、脳波判定しきい値、運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をしたと判定されたか、等の情報を、訓練情報領域60の訓練状況に記憶させる。
また、制御部5は、設定目標として、例えば、運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をしたと判定されない場合の訓練回数の上限を予め設定する。こうすることで、運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をしたと判定されない場合であって、所定の回数の訓練を実施してもなお運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をしたと判定されない場合は(1)運動想起プログラムを終了させる。
このとき制御部5は、例えば訓練状況情報に基づいて、今回の訓練において運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をしなかったと判定された場合において用いられた画像を除外して、画像に含める物体を選択してもよい。
また、物体の選択をする処理の負荷を軽減するため、直前に選択した静止画像を用いて同じ訓練プログラムを実施させようにして、ステップ13に戻るようにしてもよい。
制御部5は、設定目標が達成された場合、本フローチャートを終了する(ステップS18 YES)。
また、制御部5は、運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をしたと判定する場合に、駆動部3にアシスト動作をさせることで、被訓練者1に運動感覚のフィードバックを返すことができる。
さらに、制御部5は、運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をしたと判定する場合に、提示部4に対象部位が動く様子を示す動画像を表示させることで、被訓練者1に視覚のフィードバックを返すことができる。
また、制御部5は、運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をしたと判定する場合に、駆動部3の駆動動作と提示部4の動画像中の対象部位の動きとを同期させることで、被訓練者1に、より現実感のある運動感覚と視覚のフィードバックを返すことができる。
さらに、制御部5は、運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をしたと判定する場合の脳波判定しきい値Thを、段階的に設定し、運動指令の伝達が微弱な段階から変化を捉えて訓練を繰り返すことで、被訓練者1に、徐々に運動指令の伝達が明確に認識できるように訓練させることができる。
次に、運動観察想起プログラムの流れを、図6から図8を用いて説明する。
図6は「運動観察想起プログラム」について説明するための図である。図6は、横軸に時間軸を示し、縦軸にスペクトル強度を示し、スペクトル強度の時間の経過に伴う変化を示している。図6の例では、スペクトル強度は、時刻Aから時刻Bの間で安静時のスペクトル強度を示している。そして時刻Bから低下し始め、時刻Cで最も低下する。そして、スペクトル強度は時刻D(E)で再び安静時のレベルに戻る様子を示している。
(2)運動観察想起プログラムは、上述した(1)運動想起プログラムにおいて、運動指令の伝達を示すスペクトル強度の変化が弱い場合に実施される。
(2)運動観察想起プログラムは、被訓練者1は、静止した状態の対象部位が一定時間経過後に動く画像を事前に視認し、その体験や記憶を有する状態で、再度その静止した状態の対象部位を含む画像を観察することにより運動指令が伝達するように試みる訓練である。
画像の提示を開始する時刻を「画像提示開始時刻A」とする(図6の時刻A)。
また、画像を視認した被訓練者1のスペクトル強度に基づいて、所定の変化が確認されるか否かの判定を開始する時刻を「判定開始時刻B」とする(図6の時刻B)。
また、画像を視認した被訓練者1のスペクトル強度に基づいて、運動指令を伝達させようとする所定の変化のうち、最も大きな変化が確認されるであろうと想定される時刻を、「反応想定時刻C」とする(図6の時刻C)。
また、「反応想定時刻C」から、予め定めた所定時間である「反応時間X」経過後の時刻を「動作起点時刻D」という(図6の時刻D)。
また、画像を視認した被訓練者1のスペクトル強度に基づいて、所定の変化が確認されるか否かの判定を終了する時刻を「判定終了時刻E」とする(図6の時刻E)。
また、「判定開始時刻B」と「判定終了時刻E」との間の時刻を「判定時間Y」とする。
また、図6に示すように「判定時間Y」は、「判定時間Y」の二分の一が経過した時刻が、「反応想定時刻C」となるように設定される。「判定時間Y」の長さは、「反応時間X」に基づいて定められ、例えば、「反応時間X」の0.5倍〜3倍、より好ましくは1倍〜2.5倍の時間である。
例えば、人が転がってくるボールを視認し、掴もうとする意思を想起し、掴む動作をする場合、「反応想定時刻C」に、スペクトル強度が最も低下し、そこから「反応時間X」経過後の時刻「動作起点時刻D」に掴む動作が行われる。
そこで、(2)運動観察想起プログラムでは、脳波に所定の変化が発生し、スペクトル強度が最も低下した時点が「判定時間Y」内であるか否かを判定することによって、被訓練者1が適切なタイミングで運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をしたか否かを判定する。こうすることで、運動指令を伝達させようして発生したスペクトル強度の低下が、それ以外の理由で発生したスペクトル強度の低下と異なることを判定することが可能となり、誤って判定することを防ぐことができる。
また、「反応時間X」測定の方法として、例えば、画像を提示した後に、安静時のスペクトル強度から最もスペクトル強度が低下した時刻と、その画像の動作起点時刻との関係を用いる方法がある。例えば、被訓練者1に画像を視認させ、その際のスペクトル強度が最も低下した時刻とその画像中の対象部位が動き出す「動作起点時刻D」との差の時間を「反応時間X」とすることができる。
また、「反応時間X」を予め測定することが困難な場合は、「反応時間X」を0秒〜2秒とし、より好ましくは0秒〜1秒としてもよい。
図7(a)のように「判定時間Y」の間に、被訓練者1のスペクトル強度が脳波判定しきい値Th以下に変化した場合は運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をしたと判定する。
一方、図7(b)のように「判定時間Y」の間に、被訓練者1のスペクトル強度が脳波判定しきい値Th以下に変化しない場合、運動指令を伝達させようして脳波が所定の変化をしていないと判定する。
(2)運動観察想起プログラムを実施する前提として、事前に、被訓練者1に、画像を視認させる。すなわち、被訓練者1は、静止した状態の対象部位が「動作起点時刻D」後に動き出す様子の画像をすでに認識し、その経験や記憶を有するものとする。
一般に、人は過去の経験や記憶に基づいて想起を行うことが多く、また、過去に経験した事項についてはその事項を想起することが容易であることが知られている。
第2の実施形態について説明する。
本実施形態の説明においては、第1の実施形態と同様な箇所については説明を省略し、第1の実施形態と異なる箇所についてのみ説明する。
本実施形態における計測部2は、第1の実施形態で用いた脳波を計測する脳波計20の他に、噛みしめた時に歯と歯の間にかかる圧力(以下、咀嚼圧と称する。)の強度を示す強度信号を計測する咀嚼センサ21を含んで構成される。
咀嚼センサ21は、計測した咀嚼圧を制御部5に通知する。
さらに、咀嚼プログラムの流れを、図9のフローチャートを用いて説明する。
本プログラムは、上述した(1)運動想起プログラム、および(2)運動観察想起プログラムおいて、運動指令の伝達を示す脳波の変化がほぼ生じない場合に実施される。
本フローチャートは、(1)運動想起プログラム、または(2)運動観察想起プログラムと同様である部分については説明を省略し、差異のある部分についてのみ説明する。
ここでは、訓練プログラムを実施するにあたり、被訓練者1は、咀嚼センサ21を自身の歯と歯の間に挟んで装着する。
制御部5は、咀嚼センサ21から被訓練者1の咀嚼圧を、計測部2を介して取得する。また、制御部5は、予め、被訓練者1の咀嚼圧の最大値を計測しており、例えば、咀嚼圧最大値の70%程度の値を「咀嚼判定しきい値1」として、記憶部6に記憶させているものとする。また、制御部5は、咀嚼圧最大値の50%程度の値を「咀嚼判定しきい値2」として、記憶部6に記憶させているものとする。
制御部5は、被訓練者1に、提示部4に表示される静止した状態の対象部位を含む画像を視認させ、手を動かそうとしながら、咀嚼センサ21を噛みしめるように促す(ステップS33)。
制御部5は、被訓練者1が装着した咀嚼センサ21により計測される咀嚼圧を取得する(ステップS34)。そして、制御部5は、咀嚼圧を検知した場合(ステップS34 YES)、検知した咀嚼圧と、記憶部6に記憶させた、咀嚼判定しきい値1とを比較する(ステップS35)。
制御部5は、取得した咀嚼圧の方が、咀嚼判定しきい値1以上である場合、駆動部3にアシスト動作をさせる(ステップS35)。この場合において、制御部5が、駆動部3にアシスト動作をさせる動きは、例えば、手を握らせる等の動きである。
そして、制御部5は、駆動部3に駆動させている駆動姿勢を取得し、その駆動番号に対応する動画像を構成する静止画像を指定し、その静止画像から始まる動画像を提示部4に表示させる。
また、制御部5は、提示部4の動画像の表示に同期させて、駆動部3を駆動させてもよい。この場合、制御部5は、提示部4に表示させている動画像の画像番号を取得し、その画像番号に対応する駆動姿勢を指定し、その駆動姿勢から始まる動作を駆動部3に行わせる。
制御部5は、取得した咀嚼圧が、咀嚼判定しきい値2以下である場合、駆動部3を駆動させ、前述した駆動部3が駆動させた動きを解く動きをさせる(ステップS37)。駆動部3が駆動させた動きを解く動きとは、例えば、手を握らせる場合に対し、手を開かせる動きである。
制御部5は、(3)咀嚼プログラムを所定の回数実施させた後、その結果を、記憶部6に書き込んで記憶させる(ステップS39)。
制御部5は、(3)咀嚼プログラムを実施時の咀嚼圧、実施回数等の訓練状況に関する情報を、訓練情報領域60の訓練状況に記憶させる。
所定の回数(3)咀嚼プログラムを繰り返し実施した後に、(1)運動想起プログラムまたは(2)運動観察想起プログラムを実施する。こうすることで、(3)咀嚼プログラムを実施した効果の有無を確認する。人体の脳の運動野における口腔と手指とのそれぞれの運動指令を担う位置は近接しており、(3)咀嚼プログラムの実施により手指に対する運動指令が伝達されるようになったとしても、(3)咀嚼プログラムを実施するだけでは、咀嚼運動を想起した場合の脳波の変化と手指の運動指令の伝達に伴う脳波の変化とが混在し区別できないからである。
上述の通り、人体の脳の運動野における口腔と手指とのそれぞれの運動指令を担う位置は近接している。また、いわゆる健常者において、運動野の咀嚼運動指令を担う位置の活性化が手指の運動誘発電位を増大させる(作業療法ジャーナル 48(12), 1263―1268, 2014―11)。また、歯を食いしばると、平常時よりも出せる力が強まることが経験的に認められる。
咀嚼の運動をきっかけとした手指の運動指令の伝達を試みることにより、脳の損傷を受けた神経細胞に代わる神経細胞と手指の筋肉との間で運動指令を伝達する運動経路が再構築されることが期待できる。
例えば、制御部5は、被訓練者1の麻痺部とその属性に基づいて画像を作成してもよい。制御部5は、被訓練者1の手のサイズ、形状等の属性情報を記憶部6に記憶させておく。そして、制御部5は、これらの属性情報に基づいて、手の画像について画像処理を行い、より被訓練者1本人の手のサイズ、形状に近づけた画像を作成してもよい。
また、例えば、制御部5は、被訓練者1の嗜好等に基づいて画像を作成してもよい。制御部5は、被訓練者1の親しみのある画像(例えば、高齢者であれば孫の写真など)を記憶部6に記憶させておく。そして、制御部5は、これらの画像を、麻痺部を動かそうとする意思を引き出す物体の画像素材として選択し、対象部位の画像素材と合成して、表示してもよい。
制御部5は、例えば、脳波の変化が発生した領域がどこであるか、また健常者が運動指令を伝達させた場合と比較して、脳波の変化が発生した領域が広いか狭いか等を判定項目としてもよい。
健常者による運動指令の伝達が正常になされた場合、脳の運動野の特定な領域において局所的に変化が確認される。これに対し、運動指令の伝達がまだ弱い場合、脳波の変化は、健常者による運動指令の伝達の場合と比較して、脳の運動野の広い領域においてごく小さい変化が確認される。いわば、広く浅いぼんやりとした変化が確認される。この段階で運動指令を伝達させようとして脳波が所定の変化をしたと判定し、運動を行わせることを繰り返すことで、徐々に脳の変化が特定の領域で確認されるようになることが知られている。
この場合、脳波計20は複数の電極を用いて、被訓練者1の頭部の複数の箇所に電極を装着させる。そして、制御部5は、脳の異なる複数の領域からの脳波を取得する。
20…脳波計、21…咀嚼センサ、60…訓練情報領域、64…表示情報領域、
80…入力部、81…出力部。
Claims (11)
- 身体の一部の運動機能が麻痺した患者の日常生活動作を回復させるためのリハビリテーション装置であって、
前記患者の視覚に対して提示を行う提示部と、
外力を用いて前記患者の麻痺した身体の一部である麻痺部を動かす動作を補助するアシスト動作をする駆動部と、
前記患者の脳波に基づいて前記駆動部に前記アシスト動作をさせる制御部と、
を備え、
前記提示部は、前記麻痺部と同一な部位である対象部位であって、少なくとも静止した状態の前記対象部位を含む画像を提示し、
前記制御部は、前記駆動部に前記アシスト動作をさせるか否かを前記患者の脳波を構成する信号に含まれる所定の周波数帯域のスペクトル強度の変化に基づいて判定する、
リハビリテーション装置。 - 前記提示部は、前記対象部位とは異なる物体の画像をさらに含む画像を提示する、
請求項1に記載のリハビリテーション装置。 - 前記制御部は、
前記提示部に、前記対象部位が前記アシスト動作と同様の動作を行う様子を示す動画像を提示させ、
前記動画像に示される前記対象部位が行う動作と前記アシスト動作とを同期させる、
請求項1又は請求項2に記載のリハビリテーション装置。 - 前記提示部は、さらに聴覚に対して提示を行う、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のリハビリテーション装置。 - 前記制御部は、
前記スペクトル強度に対応する判定しきい値を基準とし、
前記スペクトル強度が変化し、前記変化後の前記スペクトル強度が前記判定しきい値以下である場合に前記駆動部に前記アシスト動作をさせ、
前記患者の過去のリハビリテーションにおいて設定した前記判定しきい値、および前記判定しきい値に対し前記駆動部に前記アシスト動作をさせたか否かの情報である訓練状況情報を記憶部に記録させ、
前記訓練状況情報に基づいて今回の訓練において設定する前記判定しきい値を決定する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のリハビリテーション装置。 - 前記提示部は、静止した状態の前記対象部位が予め定めた時刻である動作起点時刻に動き始める様子を示す動画像を提示し、
前記制御部は、
前記スペクトル強度に対応する判定しきい値を基準とし、
前記スペクトル強度が変化し、前記変化後の前記スペクトル強度が前記判定しきい値以下である場合であって、かつその変化が前記動作起点時刻の前の所定時間内に発生した場合に、前記駆動部に前記アシスト動作をさせる、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のリハビリテーション装置。 - 前記制御部は、さらに、前記患者が噛みしめた場合に歯と歯の間にかかる力である咀嚼圧の強度を示す強度信号に基づいて前記駆動部に前記アシスト動作させる、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のリハビリテーション装置。 - 前記制御部は、
前記患者の咀嚼圧の最大値よりも小さい第1の咀嚼判定しきい値と、前記第1の咀嚼判定しきい値よりも小さい第2の咀嚼判定しきい値とを基準とし、前記患者の前記強度信号の値が前記第1の咀嚼判定しきい値以上である場合に前記アシスト動作を行わせ、前記患者の前記強度が前記第2の咀嚼判定しきい値未満である場合に前記アシスト動作をもとに戻す動作を行わせる、
請求項7に記載のリハビリテーション装置。 - 身体の一部の運動機能が麻痺した患者の日常生活動作を回復させるためのリハビリテーション装置であって、
前記患者の脳波を構成する信号に含まれる所定の周波数帯域のスペクトル強度の変化量に基づいて、複数あるリハビリテーションの内容である訓練プログラムの中から前記患者に実行させる前記訓練プログラムを選択する、
リハビリテーション装置。 - 前記訓練プログラムは、運動想起プログラムと、運動観察想起プログラムと、咀嚼プログラムとのうちのいずれか2つ以上の訓練プログラムで構成され、
運動想起プログラムは、
前記患者の麻痺した身体の一部である麻痺部と同一な部位である対象部位であって、少なくとも前記対象部位が静止した状態を示す画像を含む第一画像を前記患者に提示し、
前記第一画像を視認した前記患者の脳波の変化に基づいて前記麻痺部を外力により動作させるアシスト動作を行わせ、
当該アシスト動作に基づいて、前記麻痺部の動作と同様の動作を前記対象部位が行う様子を示す動画像を含む第二画像を前記患者に提示し、
前記アシスト動作と前記第二画像に示される前記対象部位が行う動作とを同期させる、訓練プログラムであり、
運動観察想起プログラムは、
前記対象部位が静止した状態を示す画像の表示後、予め定めた時刻である動作起点時刻を経過後に前記対象部位が動作を行う様子を示す動画像である第三画像に対し、
事前に前記第三画像を視認した前記患者に対し前記第三画像を提示し、
前記第三画像を視認した前記患者の脳波の変化、およびその変化が発生した時刻と前記動作起点時刻との関係に基づいて前記麻痺部を外力により動作させるアシスト動作を行わせ、
前記アシスト動作を行わせる際に、前記アシスト動作と前記第三画像に示される前記対象部位が行う動作とを同期させる、訓練プログラムであり、
咀嚼プログラムは、
前記対象部位を含む画像を前記患者に提示し、前記第一画像又は前記動画像を視認した前記患者が噛みしめた場合に歯と歯の間にかかる力である咀嚼圧に基づいて前記アシスト動作を行わせ、前記アシスト動作と前記患者へ提示する前記動画像に示される前記対象部位が行う動作とを同期させる、訓練プログラムである、
請求項9に記載のリハビリテーション装置。 - 身体の一部の運動機能が麻痺した患者の日常生活動作を回復させるためのリハビリテーション方法であって、
前記患者の視覚に対して提示を行う提示工程と、
駆動部が外力を用いて前記患者の麻痺した身体の一部である麻痺部を動かす動作を補助するアシスト動作をする駆動工程と、
前記患者の脳波に基づいて前記駆動部に前記アシスト動作をさせる制御工程と、
を備え、
前記提示工程は、前記麻痺部と同一の部位である対象部位であって、少なくとも静止した状態の前記対象部位を含む画像を提示し、
前記制御工程は、前記駆動部に前記アシスト動作をさせるか否かを前記患者の脳波を構成する信号に含まれる所定の周波数帯域のスペクトル強度の変化に基づいて判定する、
リハビリテーション方法。
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