JP2018028122A - カソード電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の表面改質処理を施した特定のカーボンナノチューブを含む複数本のカーボンナノチューブで形成した多孔質炭素皮膜を有することで、電気化学的還元反応により、例えば二酸化炭素(CO2)を、一酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)、メタン(CH4)、ギ酸(HCOOH)などの燃料や、化学品の原料となるC含有物質に選択的に変換する効率が高いカソード電極を提供する。【解決手段】本発明のカソード電極1は、還元反応を行なうためのカソード電極であって、改質処理した外層をもつ2層以上の複層カーボンナノチューブを含む複数本のカーボンナノチューブからなり、空隙率が8〜80%であるか、および/またはラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が30未満である多孔質炭素皮膜3を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学的還元反応により、例えば二酸化炭素(CO)を、一酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)、メタン(CH)、ギ酸(HCOOH)などの燃料や、化学品の原料となるC含有物質に変換する効率が高いカソード電極に関する。
昨今の地球温暖化による悪影響が様々に地球環境の変化をもたらしている。その原因が温暖化ガス、特にその多くを占める二酸化炭素の濃度上昇にあるといわれている。二酸化炭素を低減するには、陸上の新たな植林や海洋藻類による光合成量の増加だけではなく、積極的に二酸化炭素を吸収回収し、その炭素を有効活用すること、具体的には、二酸化炭素を還元して、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、メタン、ギ酸などの炭素含有物質に変換して、その炭素含有物質を、燃料や、有機化合物の原料になりうる材料として有効利用していく必要がある。
例えば特許文献1には、カソード電極として炭素電極を用い、塩化カリウム水溶液中で電気化学的な反応により二酸化炭素を還元して、特にギ酸を優先生成する方法が記載されている。一般に炭素電極は、水溶液中で電気分解した場合、金属電極(例えば白金、金、銅の各電極)に比べて電位窓が広いため、水の分解が起こりにくく、水素(H)が発生しにくいことから、二酸化炭素の還元反応を生じさせるには有利である。また、カソード電極に銅電極を用いた場合、水溶液中で腐食が生じやすく、耐久性が劣るという問題があるが、炭素電極は水溶液中で腐食が生じにくく耐久性が優れている。また、炭素電極および金属電極は、いずれも板状材料で構成されているため、表面積を大きくとることができず、それに伴って、電流密度もあまり高く設定することができず、さらに、COと反応させるときの反応障壁である過電圧も下げることができない。加えて炭素電極は、疎水性であるため、表面での反応が起こりにくい。
また、COを還元するための炭素電極は、最近になって、例えば特許文献2に記載されているように、複数本のカーボンナノチューブを層構造体として形成したものが注目されるようになってきた。このような炭素電極は、カーボンナノチューブの積層体であるため多孔質体であり、表面積を比較的大きくとることができることから、電流密度を板状材料に比べて高くすることができ、しかも、過電圧を低く設定することができ、さらにガス透過性にも優れている。
しかしながら、特許文献2に記載の炭素電極は、積層体を構成するカーボンナノチューブとして、単層のカーボンナノチューブ(single wall carbon nanotube(SWNT))を用いており、しかも、カーボンナノチューブの表面は何ら改質処理を施していないことから、疎水性のままであって表面での反応が起こりにくく、COの還元反応により、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、メタン、ギ酸などの炭素含有物質への変換効率も低いと考えられる。
特開2013−129883号公報 国際公開第2015/077508号
そこで、本発明の目的は、所定の表面改質処理を施した特定のカーボンナノチューブを含む複数本のカーボンナノチューブで形成した多孔質炭素皮膜を有することで、電気化学的還元反応により、例えば二酸化炭素(CO)を、一酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)、メタン(CH)、ギ酸(HCOOH)などの燃料や、化学品の原料となるC含有物質に変換する効率が高いカソード電極を提供する。
上記課題を解決するため、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
[1]還元反応を行なうためのカソード電極であって、改質処理した外層をもつ2層以上の複層カーボンナノチューブを含む複数本のカーボンナノチューブからなり、空隙率が8〜80%である多孔質炭素皮膜を有することを特徴とするカソード電極。
[2]還元反応を行なうためのカソード電極であって、改質処理した外層をもつ2層以上の複層カーボンナノチューブを含む複数本のカーボンナノチューブからなり、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が30未満である多孔質炭素皮膜を有することを特徴とするカソード電極。
[3]還元反応を行なうためのカソード電極であって、改質処理した外層をもつ2層以上の複層カーボンナノチューブを含む複数本のカーボンナノチューブからなり、空隙率が8〜80%であり、かつラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が30未満である多孔質炭素皮膜を有することを特徴とするカソード電極。
[4]前記多孔質炭素皮膜を構成する前記カーボンナノチューブは、5〜20質量%のカルボン酸を含有する上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のカソード電極。
[5]前記多孔質炭素皮膜の比表面積が、10〜10,000m/gの範囲である上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のカソード電極。
[6]前記複数本のカーボンナノチューブに占める、2層および3層の複層カーボンナノチューブの本数割合が、30%以上である上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のカソード電極。
[7]前記多孔質炭素皮膜は、水に対する接触角が90°以下である上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のカソード電極。
[8]還元反応における出発物質が二酸化炭素である上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載のカソード電極。
[9]前記多孔質炭素皮膜の厚さは、0.1〜300mmの範囲である上記[1]〜[8]のいずれか1項に記載のカソード電極。
[10]前記多孔質炭素皮膜を表面層として積層形成してなる基材をさらに有する上記[1]〜[9]のいずれか1項に記載のカソード電極。
[11]前記基材が、ニオブ、銅、アルミニウムおよびチタンから選択される1種の金属もしくは該金属の1種以上を含有する合金、ステンレス鋼、シリコンまたはアルミナである上記[10]に記載のカソード電極。
本発明のカソード電極は、改質処理した外層をもつ2層以上の複層カーボンナノチューブを含む複数本のカーボンナノチューブからなり、(I)空隙率が8〜80%である多孔質炭素皮膜を有すること、(II)ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が30未満である多孔質炭素皮膜を有すること、あるいは、(III)上記(I)および(II)の双方を具備する多孔質炭素皮膜を有することによって、電気化学的還元反応を行い、例えば二酸化炭素(CO)を、一酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)、メタン(CH)、ギ酸(HCOOH)などの燃料や、化学品の原料となるC含有物質に変換する効率を高くすることができる。
図1は、本発明のカソード電極の概略断面図である。 図2は、電解装置を概略的に示す構成図である。 図3は、図2に示す電解装置のうち、電解セル(二酸化炭素還元セル装置)の構成を示す、断面概略図である。
本発明に従うカソード電極の実施形態について、以下で詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態のカソード電極の概略断面を示したものである。
図1に示すカソード電極1は、還元反応を行なうためのカソード電極であって、基材2と、該基材2上に、改質処理した外層をもつ2層以上の複層カーボンナノチューブ(図示せず)を含む複数本のカーボンナノチューブCからなる多孔質炭素皮膜3を有している。
基材2は、電気分解の際、電源から多孔質炭素皮膜3への通電を、基材2を介して行う構成の場合には、導電体である必要があるが、電源から多孔質炭素皮膜3への通電を、基材2を介さずに直接多孔質炭素皮膜3に供給する構成の場合には、導電体である必要はなく、多孔質炭素皮膜3を担持できる材料であればよい。
導電体からなる基材としては、例えばニオブ(Nb)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)およびチタン(Ti)から選択される1種の金属もしくは該金属の1種以上を含有する合金またはステンレス鋼(SUS)であることが好ましく、また、導電体以外からなる基材としては、例えばシリコン(Si)などの半導体材料や、アルミナ(Al)などのセラミック材料であることが好ましい。
多孔質炭素皮膜3は、改質処理した外層をもつ2層以上の複層カーボンナノチューブを含む複数本のカーボンナノチューブを集積させて形成したものである。ここで、カーボンナノチューブ(CNT)とは、炭素が網目のように結びついて作られる六員環ネットワークが単層あるいは2層以上の複層の同軸管状をなし、その直径がナノメートルオーダーのサイズをもった物質をいい、単層のものをシングルウォールナノチューブ(SWNT)、2層のものをダブルウォールナノチューブ(DWNT)、そして、多層のものをマルチウォールナノチューブ(MWNT)という。また、本発明でいう「2層以上の複層カーボンナノチューブ」の中には、2層または3層の複層カーボンナノチューブだけではなく、4層以上の多層カーボンナノチューブも含まれる。
本実施形態では、多孔質炭素皮膜3を構成する複数本のカーボンナノチューブとしては、改質処理した外層をもつ2層以上の複層カーボンナノチューブを含むことが必要である。また、本実施形態の多孔質炭素皮膜3を構成するカーボンナノチューブとして、2層以上の複層カーボンナノチューブを含むだけでは足りず、さらに改質処理した外層をもつ2層以上の複層カーボンナノチューブを含むとした理由は、複層カーボンナノチューブの外層に欠陥を導入すると、かかる欠陥で電子が消費されやすくなって、二酸化炭素(CO)の還元反応が促進される結果、一酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)、メタン(CH)、ギ酸(HCOOH)などの炭素含有物質が生成されるファラデー効率が高めることができるからである。また、カーボンナノチューブ自体は、炭素でできているため一般には疎水性であるが、外層に欠陥を導入することによって、水との親和力が高まり、より還元反応が起こりやすくなると考えられる。一方、2層以上の複層カーボンナノチューブを構成する内層は、改質処理を行わない。これによって、内層は、欠陥の少ない健全な状態のままであるので、カソード電極に電気を流したときに複層カーボンナノファイバの内層が通電経路を主として形成することができる。
このように複層カーボンナノチューブの外層に欠陥を導入するための表面改質処理としては、例えば、複層カーボンナノチューブを、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、スルホン酸、クエン酸、シュウ酸、ギ酸、酢酸、アクリル酸、ジアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、桂皮酸、マレイン酸、フマル酸、ジメチルフマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水過炭酸、過酢酸、過安息香酸、及びこれらの無水物等などで酸洗処理することによって、複層カーボンナノチューブを構成する外層(チューブ部分)に欠陥を導入する方法が挙げられる。改質処理は、改質処理の工程を別途設けてもよいが、処理の方法は能動的でも受動的でもよい。
第1の実施形態では、多孔質炭素皮膜3の空隙率を8〜80%とすることを必須の発明特定事項とする。前記空隙率が8%未満だと、多孔質炭素皮膜3は、カーボンナノチューブが緻密に密集している状態にあり、隙間が少ないため還元ガスが透過しにくく、多孔質炭素皮膜3を構成するカーボンナノチューブの表面で反応する際の反応表面積を有効に大きくすることができず、二酸化炭素(CO)から、一酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)、メタン(CH)、ギ酸(HCOOH)などの炭素含有物質が生成されるファラデー効率が高めることができず、水の還元反応により水素(H)ガスの生成が優先して起こりやすくなる。また、前記空隙率が80%超えだと、多孔質炭素皮膜3は、カーボンナノチューブが疎な状態で集積されており、隙間が多いためガスは透過しやすくなるものの、多孔質炭素皮膜3を構成するカーボンナノチューブの存在密度が低くなる結果、還元ガスが還元反応を行うカーボンナノチューブの表面の面積(表面積)が小さくなる結果、二酸化炭素(CO)から、一酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)、メタン(CH)、ギ酸(HCOOH)などの炭素含有物質が生成されるファラデー効率が高めることができず、水の還元反応により水素(H)ガスの生成が優先して起こりやすくなる。このため、第1の実施形態では、多孔質炭素皮膜3の空隙率を8〜80%とした。なお、空隙率は、多孔質炭素皮膜の断面のSEM写真またはTEM写真から求めた膜厚に多孔質炭素皮膜の面積を掛けて得られる外容積から、多孔質炭素皮膜の重量と比重から求まる多孔質炭素皮膜の占有体積を引いた空隙体積の、外容積に対する割合(百分率)である。なおここで多孔質炭素皮膜の比重は2である。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係るカソード電極は、上述した第1の実施形態と基本的な構成が同じであることから、第1の実施形態とは異なる点についてだけ以下で説明する。
第2の実施形態では、多孔質炭素皮膜3の空隙率は8〜80%に限定せず、その代わりに、多孔質炭素皮膜3の、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が30未満であることを限定したものである。
カーボンナノチューブに導入される欠陥量は、ラマン分光法によって測定することができることが知られている。すなわち、カーボンナノチューブのラマンスペクトルには、1350cm-1付近にD-bandと呼ばれる振動モードが観測され、このモードは、結晶性の良いグラファイトではラマン活性でないため観測されないが、欠陥の導入により対称性が乱れた場合、ラマンピークとして観測される。このため、Dバンド(D-band)と、グラファイトのラマン活性モードと同種の振動モードであるGバンド(G-band)のピーク強度比(G/D比)を用いて、欠陥量を評価することができ、ピーク強度比(G/D比)が高いと欠陥量が少なく、ピーク強度比(G/D比)が低いと欠陥量が多いことを意味する。
第2の実施形態では、欠陥導入処理後のラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が30未満である多孔質炭素皮膜3を有することを必須の発明特定事項とする。前記G/D比が30以上だと、2層以上の複層カーボンナノチューブの外層に十分な量の欠陥を導入することができず、二酸化炭素(CO)から、一酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)、メタン(CH)、ギ酸(HCOOH)などの炭素含有物質が生成されるファラデー効率を高めることができず、水の還元反応により水素(H)ガスの生成が優先して起こりやすくなる。このため、多孔質炭素皮膜3のG/D比は30未満とし、好ましくは10以下、より好ましくは5以下とした。
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係るカソード電極は、上述した第1及び第2の実施形態の双方を満足する構成および効果を有するものであるので、説明は省略する。
<その他の実施形態>
その他の実施形態としては、多孔質炭素皮膜3を構成するカーボンナノチューブCが、5〜20質量%のカルボン酸を含有することが好ましい。カーボンナノチューブC中に占めるカルボン酸の含有量が5質量%未満だと、電極の反応性が低く、過電圧が高くなるおそれがあり、20質量%超えだと、導入した欠陥が多すぎて、導電性が低下し、電流密度が低下するおそれがある。
また、他の実施形態として、多孔質炭素皮膜の比表面積が、10〜10,000m/gの範囲であり、10〜1,100m/gの範囲がより好ましい。前記比表面積が10m/g未満だと、多孔質炭素皮膜と接するCO分子の量が少なく、CO電解還元の効率が低下する。また、前記比表面積が10,000m/g超えだと、多孔質が緻密過ぎてガスが多孔質炭素皮膜の内部まで十分浸透しないおそれがある。多孔質炭素皮膜の比表面積の測定方法は、気体吸着法や透過法(Kozeny Carman法)で行なうことができる。
さらに、多孔質炭素皮膜の厚さは、0.1〜300mmの範囲であることが好ましい。前記厚さが0.1mm未満だと、電極単位面積当たりのカーボンナノチューブの付着量が少なく、電流密度が低くなるおそれがあり、また、前記厚さが300mm超えだと、多孔質炭素皮膜が壊れやすく、形状を維持できなくなるおそれがある。
さらにまた、他の実施形態としては、複数本のカーボンナノチューブ(CNT)に占める、2層および3層の複層カーボンナノチューブの本数割合が、30%以上であることが好ましい。多孔質炭素皮膜3を構成する複数本のカーボンナノチューブCが、単層のカーボンナノチューブのみである場合、改質処理して欠陥を導入すると、還元反応を促進するための外層と、通電経路を構成する内層とに分けてそれぞれの機能を発揮することができず、結果として、COを効率良く炭素含有物質に還元することができない。このため、多孔質炭素皮膜3を構成する複数本のカーボンナノチューブCは、改質処理した外層をもつ2層以上の複層カーボンナノチューブを含むことが好ましく、特に、複数本のカーボンナノチューブに占める、2層および3層の複層カーボンナノチューブの本数割合が、30%以上であることが好適である。4層以上の複層カーボンナノチューブは、通電経路を構成する内層と、内層の通電経路から電子が分岐して欠陥位置まで移動する外層との距離(経路長)が長くなって、効率的な還元反応ができない場合がある。これに対し、2層および3層の複層カーボンナノチューブは、通電経路を構成する内層と、内層の通電経路から電子が分岐して欠陥位置まで移動する外層との距離(経路長)が比較的短いため、効率的な還元反応ができる。このように効率的な還元反応を行なう観点から、多孔質炭素皮膜3を構成する複数本のカーボンナノチューブに占める、2層および3層の複層カーボンナノチューブの本数割合は、30%以上であることが好ましく、より好ましくは50%以上である。前記本数割合の測定方法は、多孔質炭素皮膜の断面をTEMで観察し、任意の100本のカーボンナノチューブを選び、そのうち2層および3層の層数のカーボンナノチューブの本数を数え、これを総本数(100本)で割って求めればよい。
他の実施形態としては、多孔質炭素皮膜3は、水に対する接触角が90°以下であることが好ましい。2層以上の複層カーボンナノチューブの外層を改質処理することにより、欠陥が導入される結果、多孔質炭素皮膜3は、水に対する接触角が90°以下となって、親水性となるため、還元反応を促進することができる。
また、本発明のカソード電極は、還元反応を行なうために使用されるのであればよく、例えば水素(H)ガスを生成する場合にも使用することはできるが、特に還元反応における出発物質が二酸化炭素(CO)であることが、一酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)、メタン(CH)、ギ酸(HCOOH)などの燃料や、化学品の原料となる炭素含有物質を効率良く生成できる点で好適である。
なお、図1に示すカソード電極1は、多孔質炭素皮膜3を表面層として積層形成してなる基材2をさらに有する構成を示しているが、本発明では、カソード電極を、基材2を用いることなく多孔質炭素皮膜3のみで構成してもよい。また、多孔質炭素皮膜3は、Fe等の金属を含有する場合があり、5質量%程度の金属含有量であれば、COの還元反応におけるファラデー効率にはあまり影響がないが、品質等に悪影響を及ぼす場合があることから、かかる場合には、金属含有量を0.03質量%以下に低減することが好ましい。
次に、本実施形態のカソード電極の好ましい製造方法について説明する。
本実施形態に係るカソード電極の製造方法は、例えば、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、濾過法、またはバーコーティング法などの一般的なコーティング方法を用いてカーボンナノチューブを積層して形成することができる。
以下に、本実施形態のカソード電極が、二酸化炭素の電気化学的還元のカソード電極として用いられる場合の一例について説明する。
図2は、二酸化炭素の電気化学的還元を行う電解装置11の構成を示すブロック図である。電解装置11は、主に、電解セル13、ガス回収装置15、電解液循環装置17、二酸化炭素供給部19、電源21等で構成される。
電解セル13は、対象物質を還元する部位であり、本発明のカソード電極1が含まれる部位でもあり、二酸化炭素(溶液において、溶存二酸化炭素のほか、炭酸水素イオンである場合も含む。以下、単に二酸化炭素等とする。)を還元する部位である。電解セル13には、電源21から電力が供給される。
電解液循環装置17は、電解セル13のカソード電極に対して、カソード側電解液を循環させる部位である。電解液循環装置17は、例えば槽およびポンプであり、二酸化炭素供給部19から所定の二酸化炭素濃度となるように、電解液中に二酸化炭素が供給され、電解セル13との間で電解液を循環させることが可能である。
ガス回収装置15は、電解セル13によって還元されて発生したガスを回収する部位である。ガス回収装置15では、電解セル13の電解液中に浸漬したカソード電極で発生する一酸化炭素や炭化水素等のガスを捕集することが可能である。なお、ガス回収装置15は、回収されるガスを異なるガス毎に分離して回収する構成にしてもよい。
電解装置1は、以下のように機能する。前述の通り、電解セル13には電源21からの電解電位が付与される。電解セル13のカソード電極には、電解液循環装置17によって電解液が供給される(図中矢印Lin)。電解セル13のカソード電極においては、供給される電解液中の二酸化炭素が還元される。二酸化炭素(CO)が還元されると、主に一酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)およびメタン(CH)などの炭素含有ガスや、ギ酸(HCOOH)などの炭素含有液体など炭素含有物質が生成される。
カソード電極で生成された炭素含有ガスは、ガス回収装置15により回収される(図中矢印Gout)。ガス回収装置5では、必要に応じてガスを分離し貯留することが可能である。またギ酸などの炭素含有液体は蒸留などで分離し貯留することが可能である。
カソード電極で二酸化炭素が還元されて消費されることで、電解液中の二酸化炭素の濃度が減少する。還元反応によって減少した分の二酸化炭素量は常に補充され、その濃度は常に所定範囲内に保たれる。具体的は、二酸化炭素濃度が低くなった電解液の一部が電解液循環装置17により回収されるとともに(図中矢印Lout)、所定の二酸化炭素濃度に調整した電解液が常に供給される(図中矢印Lin)。以上により、電解セル13において、常に一定の条件で炭素含有物質を生成することができる。
次に、電解セル13について説明する。図3は、電解セル13の構成を示す図である。電解セル13は、主に、カソード槽である槽26a、金属メッシュ27、カソード電極29、陽イオン交換膜31、アノード電極30、アノード槽である槽26b等から構成される。
槽26a、26bには、それぞれ電解液25a、25bが保持される。カソード電極29側の槽26aの上部には気密性の蓋としてのシール部材37が配設され、このシール部材37に、生成ガスを回収するための孔が形成され、この孔にガス回収管33が連結され、槽26aで生成したガスは、ガス回収管33を通じて、図2に示すガス回収装置15で回収される。また、槽26aには、配管等が接続され、図2で示した電解液循環装置17と接続される。すなわち、槽26a内の電解液25aは常に電解液循環装置17によって循環可能である。なお、必要に応じて、図3に示すように、槽26aの電解液25a中に浸漬配置されたCOガス供給管35を通じて、二酸化炭素をバブリング等により電解液25a中に溶解させる構成をさらに採用してもよく、また、槽26b側の電解液25bも槽26aの電解液25aと同様に循環可能としてもよい。
カソード電解液である電解液25aとしては、二酸化炭素を多量に溶解できる電解液であることが好ましく、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、等のアルカリ性溶液、モノメタノールアミン、メチルアミン、その他液状のアミン、またはそれら液状のアミンと電解質水溶液の混合液などが用いられる。また、アセトニトリル、ベンゾニトリル、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、炭酸プロピレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール等を用いることができる。また、水素生成を目的とする水電解の場合には、適当な水溶液を用いて構わない。
また、アノード電解液である電解液25bとしては、前記カソード電解液と同じ電解液を用いるか、または適当な水溶液を用いることができる。
金属メッシュ27は、参照電極28と共に電源21の負極側に接続され、カソード電極29に対して通電するための部材である。金属メッシュ27としては、例えば銅製のメッシュやステンレス製のメッシュであり、参照電極28には銀/塩化銀電極などが使用できる。
陽イオン交換膜31としては、例えば、公知のナフィオン系などを用いることができる。アノード反応で酸素と共に発生する水素イオンをカソード側へ移動させ得る。
アノード電極30は電源21の正極に接続される。アノード電極30としては酸素発生過電圧の小さい電極、チタンやステンレスなどの基体上に被覆した酸化イリジウムや白金、ロジウム、或いは酸化物電極やステンレス、或いは鉛などを用いることができる。
なお、アノード電極30は、光触媒によって構成することもできる。すなわち、光を照射することで起電力を生じるようにすることができる。このようにすることで、アノード電極に太陽光などの光を照射して起電力を生じさせ、この起電力を電解セル13における電解電位として利用することができる。
カソード電極29では、電解液中の二酸化炭素が還元される。二酸化炭素は、水に溶解し、溶存二酸化炭素や炭酸水素イオンの状態で電解液中に存在し、カソード電極に供給される。
図3に示す電解セル13を構成するカソード電極29は、本発明のカソード電極で構成されている。すなわち、カソード電極29は、図1に示すように、基材2(例えば銅基板)上に多孔質炭素皮膜3を積層形成したものが用いられている。このようなカソード電極を用いることで、水の水素への還元反応を抑制しつつ、二酸化炭素を選択的にかつ効率よく還元でき、燃料や、化学品の原料となる有用な炭素含有物質を高いファラデー効率で生成できる。実施例では基板を用いてカソード電極が生成されているが、基板がなくてもよい。例えば基板レスの箱形のカソード電極なども効率の観点からは好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、実施例および比較例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜10および比較例1、2)
特開2016−17005号公報の実施例1に記載の縦型の浮遊触媒気相成長法(CCVD)による製造装置と同様の装置を用いることにより、カーボンナノチューブを合成し、続いて硝酸と硫酸の混合液中で一定時間静置することでカーボンナノチューブに所定量のカルボン酸を導入した。さらに基材上にカーボンナノチューブの分散液をスピンコーティングでコーティングし乾燥することで、表1に示す基材上に、表1に示す空隙率、G/D比、カルボン酸含有量、比表面積、皮膜を構成する全CNTに占める2、3層のCNTの本数割合、水の接触角、皮膜厚さを有する多孔質炭素皮膜を形成し、カソード電極を得た。なお、空隙率と比表面積は、スピンコーティングするカーボンナノチューブ溶液の濃度とスピンコーティングの条件で制御した。G/D比は、カーボンナノチューブの合成温度と硝酸と硫酸の混合液中での静置時間で制御した。カルボン酸含有量と水の接触角は、硝酸と硫酸の混合液中での静置時間で制御した。皮膜を構成する全CNTに占める2、3層のCNTの本数割合は、カーボンナノチューブの合成条件で制御した。皮膜厚さは、スピンコーティングの際に使うカーボンナノチューブ分散液の量で制御した。
(比較例3)
カソード電極として、市販のダイヤモンド電極(デノラ・ペルメレック社製)を用いた。
(比較例4)
カソード電極として、市販のグラッシーカーボン電極(ビー・エー・エス社製)を用いた。
[評価]
上記実施例および比較例に係るカソード電極について、下記に示す各種測定および特性評価を行った。各特性の評価条件は下記の通りである。結果を表1に示す。
[1]空隙率の測定
空隙率の測定は、以下の手順で行った。まず、多孔質炭素皮膜の断面のSEM写真から多孔質炭素皮膜の膜厚を求めた。続いて、5cm x5cm程度の範囲の多孔質炭素皮膜を基材から剥がして回収し、重量を測定した。続いて、カーボンナノチューブの比重を2として、基材から剥がした多孔質炭素皮膜の重量を比重で割ることで、多孔質炭素皮膜のうちカーボンナノチューブが占有する体積を求めた。続いて、基材から剥がした多孔質炭素皮膜の面積とSEMで算出した膜厚を掛けることで、多孔質炭素皮膜の外容積を求めた。続いて、外容積からカーボンナノチューブが占有する体積を引くことで、空隙の体積を求めた。続いて、空隙の体積を多孔質炭素皮膜の外容積で割り、100を乗じることによって空隙率(%)を求めた。
[2]G/D比の測定
G/D比は、ラマンスペクトルを測定し、グラファイト構造に由来する1590cm-1付近のG-bandのピーク強度と、欠陥由来の1350cm-1付近のD-bandのピーク強度を求め、前者の値を後者の値で割ることで求めた。
[3]カルボン酸含有量の測定
カルボン酸含有量は、XPSによりO=C-Oに対応するピーク強度から測定した。
[4]多孔質炭素皮膜を構成する全CNTに占める2、3層のCNTの本数割合の算出方法
多孔質炭素皮膜を構成する全CNTに占める2、3層のCNTの本数割合は、多孔質炭素皮膜の断面をTEMで観察し、任意の100本のカーボンナノチューブを選び、そのうち2層および3層の層数のカーボンナノチューブの本数を数え、これを総本数(100本)で割って算出した。
[5]水の接触角の測定
多孔質炭素皮膜に対する水の接触角は、カソード電極上に水を1μL滴下し、接触角計により測定した。
[6]多孔質炭素皮膜の比表面積の測定
多孔質炭素皮膜の比表面積の測定方法は、気体吸着法で行なった。
[評価]
上記実施例および比較例のカソード電極を用いて、下記に示す特性評価を行った。各特性の評価条件は下記の通りである。
[1]二酸化炭素の還元試験
実施例1〜10および比較例1〜4で得られたカソード電極を、二酸化炭素のカソード還元装置のカソード電極として用い、二酸化炭素の還元試験を行った。
なお、電解液は、50mMの炭酸水素カリウム水溶液を用い、各槽26a、26bに30mLずつ用いた。アノード電極30には、白金板(ニラコ社製)を用いた。電気分解は、電圧2.0Vで60分の条件で行った。また、電気分解中は、供給管35より、二酸化炭素ガスを10mL/分でバブリングした(図中矢印Gin方向)。また、カソードより発生したガスは、分析管33により収集し(図中矢印Gout方向)、ガスクロマトグラフィーで一酸化炭素とメタンの分析を行った。カラムは、SUPELCO CARBOXEN 1010PLOT 30m×0.32mmlDを用い、検出器はFID(島津製作所社製)を用いた。反応後の溶液はHPLC分析を行い、ホルムアルデヒドとギ酸の分析を行った。ホルムアルデヒドの検出は、カラムはInertsil ODS-3(ジーエルサイエンス社製)を用い、検出はUV検出器(ジーエルサイエンス社製)を用いた。ギ酸の検出は、カラムは、Inertsil Ph-3(ジーエルサイエンス社製)とGL-C610H(ジーエルサイエンス社製)を用い、検出はRI検出器(ジーエルサイエンス社製)を用いた。
なお、カソードにおける反応としては、以下に示した、一酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)、メタン(CH)およびギ酸(HCOOH)の炭素含有物質の生成について注目した。
CO+2H+2e → CO+H
CO+4H+4e → HCHO+H
CO+8H+8e → CH+2H
CO+2H+2e → HCOOH
結果を表1に示す。なお、本実施例では、生成した各ガス量をファラデー効率(%)として数値化し、その数値で各ガスの生成量を評価した。本実施例では、生成した、一酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)、メタン(CH)およびギ酸(HCOOH)のファラデー効率の和が40%以上のものを合格レベルとして評価した。
Figure 2018028122
表1の結果から、実施例1〜10はいずれも、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、メタンおよびギ酸のファラデー効率の和が40%以上であり、二酸化炭素から炭素含有物質への選択的な還元が高い効率で行なわれていることがわかる。これに対し、比較例1は、空隙率が本発明の適正範囲外である5%と小さく、かつG/D比が本発明の適正範囲外である51と大きいため、還元生成される水素のファラデー効率が75%と高く、二酸化炭素から還元生成される炭素含有物質のファラデー効率の和が17%と低かった。比較例2は、空隙率が本発明の適正範囲外である91%と大きく、かつG/D比が本発明の適正範囲外である51と大きいため、還元生成される水素のファラデー効率が61%と高く、二酸化炭素から還元生成される炭素含有物質のファラデー効率の和が32%と低かった。また、ダイヤモンド電極をカソード電極とした比較例3は、還元生成される水素のファラデー効率が58%と高く、二酸化炭素から還元生成される炭素含有物質のファラデー効率の和が33%と低かった。さらに、グラッシーカーボン電極をカソード電極とした比較例4は、還元生成される水素のファラデー効率が60%と高く、二酸化炭素から還元生成される炭素含有物質のファラデー効率の和が31%と低かった。
1 カソード電極
2 基材
3 多孔質炭素皮膜
11 電解装置
13 電解セル(COカソード還元試験装置)
15 ガス回収装置
17 電解液循環装置
19 二酸化炭素供給部
21 電源
25a、25b 電解液
26a、26b 槽
27 金属メッシュ
28 参照電極(銀/塩化銀)
29 カソード電極
30 アノード電極
31 陽イオン交換膜
33 ガス回収管
35 COガス供給管
37 シール部材

Claims (11)

  1. 還元反応を行なうためのカソード電極であって、
    改質処理した外層をもつ2層以上の複層カーボンナノチューブを含む複数本のカーボンナノチューブからなり、空隙率が8〜80%である多孔質炭素皮膜を有することを特徴とするカソード電極。
  2. 還元反応を行なうためのカソード電極であって、
    改質処理した外層をもつ2層以上の複層カーボンナノチューブを含む複数本のカーボンナノチューブからなり、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が30未満である多孔質炭素皮膜を有することを特徴とするカソード電極。
  3. 還元反応を行なうためのカソード電極であって、
    改質処理した外層をもつ2層以上の複層カーボンナノチューブを含む複数本のカーボンナノチューブからなり、空隙率が8〜80%であり、かつラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が30未満である多孔質炭素皮膜を有することを特徴とするカソード電極。
  4. 前記多孔質炭素皮膜を構成する前記カーボンナノチューブは、5〜20質量%のカルボン酸を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のカソード電極。
  5. 前記多孔質炭素皮膜の比表面積が、10〜10,000m/gの範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載のカソード電極。
  6. 前記複数本のカーボンナノチューブに占める、2層および3層の複層カーボンナノチューブの本数割合が、30%以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載のカソード電極。
  7. 前記多孔質炭素皮膜は、水に対する接触角が90°以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載のカソード電極。
  8. 還元反応における出発物質が二酸化炭素である請求項1〜7のいずれか1項に記載のカソード電極。
  9. 前記多孔質炭素皮膜の厚さは、0.1〜300mmの範囲である請求項1〜8のいずれか1項に記載のカソード電極。
  10. 前記多孔質炭素皮膜を表面層として積層形成してなる基材をさらに有する請求項1〜9のいずれか1項に記載のカソード電極。
  11. 前記基材が、ニオブ、銅、アルミニウムおよびチタンから選択される1種の金属もしくは該金属の1種以上を含有する合金、ステンレス鋼、シリコンまたはアルミナである請求項10に記載のカソード電極。
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