JP2018027897A - 2−オキソ−2h−クロメン−3−カルボン酸アミド誘導体 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルドケト還元酵素を選択的に阻害する新規な化合物又はその塩、及びそれらを含有する医薬組成物を提供する。【解決手段】式(I):[式中、R1は、水素原子又はアルキル基であり、Xは、アルキレン基であり、Arは、置換されていてもよいアリール基である]で表される化合物又はその塩。【選択図】なし
Description
本発明は、アルドケト還元酵素阻害作用を有する2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸アミド誘導体又はその塩、及びその医薬用途に関する。
炎症、放射線、紫外線、喫煙などによる慢性的な酸化ストレスの暴露は、発癌と密接に関係している。癌細胞は自身が誘導する酸化ストレス環境に適応するために、細胞が備え持つ防御機能を流用し、さらなる増殖・転移能や薬剤耐性能を獲得する。このような癌細胞の生存戦略の一つとしてNrf2シグナルがあり、癌細胞においてNrf2が高頻度に活性型変異を起こしていること(非特許文献1)、また、活性型癌遺伝子産物がNrf2発現レベルを亢進させること(非特許文献2)が報告されている。
アルドケト還元酵素(AKR)スーパーファミリーに属するAKR1B10は、Nrf2シグナルの下流に位置する抗酸化酵素であり、正常細胞での発現レベルが低い一方、肺癌など種々の癌で高発現し、癌細胞の増殖、抗癌剤耐性の獲得に関与することが知られている(非特許文献3)。そのため、AKR1B10を阻害する薬剤は、癌細胞の生存戦略を破綻させることで、抗癌作用に加えて抗癌剤耐性化抑制作用をも併せ持つ、新規な抗癌剤として期待されている。
一方、AKR1B10はアルドース還元酵素(AR)と70%以上のアミノ酸配列相同性を示すところ、ARはプロスタグランジンF2αの合成、糖化最終産物(Advanced glycation end products;AGEs)の前駆体の分解などに関与するため、AKR1B10を標的とする薬剤としては、ARを阻害することなく、AKR1B10を選択的に阻害することが望ましい。
AKR1B10阻害作用を有する化合物として、例えば、カフェ酸誘導体(非特許文献4)、2−(フェニルイミノ)クロメン誘導体(非特許文献5、6)が報告されている。
Cancer Cell,2012,22,66−79.
Nature,2011,475,106−109.
Clin.Cancer Res.,2005,11,1776−1785.
Eur.J.Med.Chem.,2012,48,321−329.
Bioorg.Med.Chem.,2010,18,2485−2490.
Bioorg.Med.Chem.,2013,21,6378−6384.
しかしながら、非特許文献4に記載のカフェ酸誘導体は、AKR1B10を選択的に阻害する一方、生体内での安定性が懸念される。また、非特許文献5及び6に記載の2−(フェニルイミノ)クロメン誘導体は、AKR1B10とARを同程度阻害するため、選択性の面で充分満足のいくものではない。
本発明の目的は、アルドケト還元酵素を選択的に阻害する新規な化合物又はその塩、及びそれらを含有する医薬組成物を提供することにある。
本発明は、以下の[1]〜[17]を提供する。
[1]
式(I):
[式中、
R1は、水素原子又はアルキル基であり、
Xは、アルキレン基であり、
Arは、置換されていてもよいアリール基である]
で表される化合物又はその塩。
[2]
R1が水素原子であり、Arが置換されていてもよいフェニル基である、[1]に記載の化合物又はその塩。
[3]
前記フェニル基の置換基が、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基である、[2]に記載の化合物又はその塩。
[4]
式(Ia):
R1aは、水素原子又はC1−6アルキル基であり、
Xaは、C2−4アルキレン基であり、
Araは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基である]
で表される化合物又はその塩。
[5]
R1aが水素原子である、[4]に記載の化合物又はその塩。
[6]
Xaが1,3−プロピレン基である、[4]又は[5]に記載の化合物又はその塩。
[7]
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピル]−アミド、及び
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−フルオロ−フェニル)−プロピル]−アミド
からなる群より選択される化合物又はその塩。
[8]
[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩を含有するアルドケト還元酵素阻害剤。
[9]
[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩を含有する抗癌剤。
[10]
[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩を含有する医薬組成物。
[11]
白金製剤と組み合わせてなる、[10]に記載の医薬組成物。
[12]
[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩の薬学的有効量を投与することを含む、癌の治療方法。
[13]
抗癌剤としての使用のための、[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩。
[14]
抗癌剤の製造のための、[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩の使用。
[15]
[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩、及び白金製剤の薬学的有効量を組み合わせて投与することを含む、癌の治療方法。
[16]
抗癌剤としての使用のための、[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩、及び白金製剤の組み合わせ。
[17]
抗癌剤の製造のための、[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩、及び白金製剤を組み合わせての使用。
[1]
式(I):
[式中、
R1は、水素原子又はアルキル基であり、
Xは、アルキレン基であり、
Arは、置換されていてもよいアリール基である]
で表される化合物又はその塩。
[2]
R1が水素原子であり、Arが置換されていてもよいフェニル基である、[1]に記載の化合物又はその塩。
[3]
前記フェニル基の置換基が、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基である、[2]に記載の化合物又はその塩。
[4]
式(Ia):
R1aは、水素原子又はC1−6アルキル基であり、
Xaは、C2−4アルキレン基であり、
Araは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基である]
で表される化合物又はその塩。
[5]
R1aが水素原子である、[4]に記載の化合物又はその塩。
[6]
Xaが1,3−プロピレン基である、[4]又は[5]に記載の化合物又はその塩。
[7]
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピル]−アミド、及び
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−フルオロ−フェニル)−プロピル]−アミド
からなる群より選択される化合物又はその塩。
[8]
[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩を含有するアルドケト還元酵素阻害剤。
[9]
[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩を含有する抗癌剤。
[10]
[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩を含有する医薬組成物。
[11]
白金製剤と組み合わせてなる、[10]に記載の医薬組成物。
[12]
[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩の薬学的有効量を投与することを含む、癌の治療方法。
[13]
抗癌剤としての使用のための、[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩。
[14]
抗癌剤の製造のための、[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩の使用。
[15]
[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩、及び白金製剤の薬学的有効量を組み合わせて投与することを含む、癌の治療方法。
[16]
抗癌剤としての使用のための、[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩、及び白金製剤の組み合わせ。
[17]
抗癌剤の製造のための、[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物又はその塩、及び白金製剤を組み合わせての使用。
本発明の化合物又はその塩は、アルドケト還元酵素を選択的に阻害し、抗癌剤として有用である。
以下に、本明細書において記載する記号、用語等の定義、本発明の実施の形態等を示して、本発明を詳細に説明する。
本明細書において使用する「アルキル基」とは、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を意味する。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。
本明細書において使用する「アルキレン基」とは、前記「アルキル基」から任意の水素原子をさらに1個除いて誘導される二価の基を意味する。アルキル基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、n−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基、n−ブチレン基、2,3−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基、n−ドデシレン基等が挙げられる。
本明細書において使用する「アリール基」とは、芳香族炭化水素基を意味する。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フェナレニル基、インダニル基、インデニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基等が挙げられる。
本明細書において使用する「C1−6アルキル基」とは、炭素数1〜6個の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を意味する。C1−6アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基等が挙げられる。
本明細書において使用する「C2−4アルキル基」とは、炭素数2〜4個の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を意味する。C2−4アルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
本明細書において使用する「C1−6アルコキシ基」とは、前記「C1−6アルキル基」の末端に酸素原子が結合した基であることを意味する。C1−6アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
本明細書において使用する「C2−4アルキレン基」とは、前記「C2−4アルキル基」から任意の水素原子をさらに1個除いて誘導される二価の基を意味する。C2−4アルキレン基としては、例えば1,2−エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基、1,4−ブチレン基、2,3−ブチレン基等が挙げられる。
本明細書において使用する「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
本発明の一つの実施形態は、一般式(I)で表される化合物(以下、「化合物(I)」とも称す)又はその塩である。
化合物(I)において、R1は、水素原子又はアルキル基である。R1として好ましくは、水素原子又はアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、メチル基又はエチル基であり、更に好ましくは、水素原子又はメチル基であり、特に好ましくは、水素原子である。
化合物(I)において、Xは、アルキレン基である。Xとして好ましくは、C2−4アルキレン基であり、より好ましくは、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基であり、更に好ましくは、n−プロピレン基である。
化合物(I)において、Arは、置換されていてもよいアリール基である。Arとして好ましくは、置換されていてもよいフェニル基であり、より好ましくは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基であり、更に好ましくは、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシ基、メチル基及びメトキシ基からなる群より選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル基であり、特に好ましくは、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、クロロフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メチルフェニル基又はメトキシフェニル基である。
化合物(I)の好ましい態様として、R1は水素原子であり、Arは置換されていてもよいフェニル基である。
本発明の別の実施形態は、一般式(Ia)で表される化合物(以下、「化合物(Ia)」とも称す)又はその塩である。
化合物(Ia)において、R1aは、水素原子又はC1−6アルキル基である。R1aとして好ましくは、水素原子、メチル基又はエチル基であり、より好ましくは、水素原子又はメチル基であり、更に好ましくは、水素原子である。
化合物(Ia)において、Xaは、C2−4アルキレン基である。Xaとして好ましくは、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基であり、より好ましくは、n−プロピレン基である。
化合物(Ia)において、Araは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基である。Araとして好ましくは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群より選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル基であり、より好ましくは、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシ基、メチル基及びメトキシ基からなる群より選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル基であり、更に好ましくは、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、クロロフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メチルフェニル基又はメトキシフェニル基である。
化合物(I)又はその塩としては、具体的には、以下に示す化合物群から選択される化合物又はその塩である。
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(3−ヒドロキシ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(2−ヒドロキシ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 (3−フェニル−プロピル)−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−ブチル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−フルオロ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(3−フルオロ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−メチル−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−クロロ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−5−メチル−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピル]−アミド、及び
8−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピル]−アミド
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(3−ヒドロキシ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(2−ヒドロキシ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 (3−フェニル−プロピル)−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−ブチル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−フルオロ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(3−フルオロ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−メチル−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−クロロ−フェニル)−プロピル]−アミド、
7−ヒドロキシ−5−メチル−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピル]−アミド、及び
8−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピル]−アミド
化合物(I)の塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩;ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属との塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン等の有機塩基との塩;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸との塩;アルギニン、リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸との塩等が挙げられる。
化合物(I)が、互変異性体、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体などの異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物も本発明の化合物に包含される。さらに、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。
化合物(I)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても化合物(I)に包含される。
化合物(I)は、溶媒和物(例えば、水和物など)であっても、無溶媒和物(例えば、非水和物など)であってもよく、いずれも化合物(I)に包含される。
同位元素(例、2H、3H、11C、14C、18F、35S、125Iなど)などで標識又は置換された化合物も、化合物(I)に包含される。同位元素で標識又は置換された化合物(I)は、例えば、陽電子断層法(Positron Emission Tomography:PET)において使用するトレーサー(PETトレーサー)として用いることができ、医療診断などの分野において有用である。
式中、R1、X及びArは、上記と同意義を示す。Msは、メタンスルホニル基を示す。Ar1は、置換基を有していてもよいフェニル基を示す。
(工程1)
工程1は、化合物(1)をメタンスルホニル化剤と反応させることにより、化合物(2)を製造する工程である。
化合物(1)は、市販品にて入手できるか、又はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていてもよいベンズアルデヒドを出発原料として、文献(例えば、J.Med.Chem.,2012,55,883−892;J.Org.Chem.,2013,78,5007−5017;ChemBioChem.,2013,14,993−1000)等に記載の方法に従って製造することができる。なお、Arがヒドロキシ基を有する場合、化合物(1)として、Ar上のヒドロキシ基がメトキシメチル(MOM)基、メトキシエトキシメチル(MEM)等で保護された化合物を用いることもできる。
メタンスルホニル化剤としては、例えば、メタンスルホニルクロリド、メタンスルホニルブロミドが挙げられる。メタンスルホニル化剤の使用量は、化合物(1)に対して通常1〜5当量である。
本工程では、塩基を用いることが好ましい。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンが挙げられる。塩基の使用量は、化合物(1)に対して通常1〜5当量である。
本工程では、通常溶媒が用いられる。このような溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。
反応温度は、通常0℃〜還流温度であり、反応時間は10分間〜48時間である。
工程1は、化合物(1)をメタンスルホニル化剤と反応させることにより、化合物(2)を製造する工程である。
化合物(1)は、市販品にて入手できるか、又はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていてもよいベンズアルデヒドを出発原料として、文献(例えば、J.Med.Chem.,2012,55,883−892;J.Org.Chem.,2013,78,5007−5017;ChemBioChem.,2013,14,993−1000)等に記載の方法に従って製造することができる。なお、Arがヒドロキシ基を有する場合、化合物(1)として、Ar上のヒドロキシ基がメトキシメチル(MOM)基、メトキシエトキシメチル(MEM)等で保護された化合物を用いることもできる。
メタンスルホニル化剤としては、例えば、メタンスルホニルクロリド、メタンスルホニルブロミドが挙げられる。メタンスルホニル化剤の使用量は、化合物(1)に対して通常1〜5当量である。
本工程では、塩基を用いることが好ましい。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンが挙げられる。塩基の使用量は、化合物(1)に対して通常1〜5当量である。
本工程では、通常溶媒が用いられる。このような溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。
反応温度は、通常0℃〜還流温度であり、反応時間は10分間〜48時間である。
(工程2)
工程2は、化合物(2)をアジド化剤と反応させることにより、化合物(3)を製造する工程である。
アジド化剤としては、例えば、アジ化ナトリウム、アジ化カリウム、ジフェニルリン酸アジドが挙げられる。アジド化剤の使用量は、化合物(2)に対して通常1〜5当量である。
本工程では、通常溶媒が用いられる。溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;水又はそれらの混合物が挙げられる。
反応温度は、通常0℃〜還流温度であり、反応時間は10分間〜48時間である。
工程2は、化合物(2)をアジド化剤と反応させることにより、化合物(3)を製造する工程である。
アジド化剤としては、例えば、アジ化ナトリウム、アジ化カリウム、ジフェニルリン酸アジドが挙げられる。アジド化剤の使用量は、化合物(2)に対して通常1〜5当量である。
本工程では、通常溶媒が用いられる。溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;水又はそれらの混合物が挙げられる。
反応温度は、通常0℃〜還流温度であり、反応時間は10分間〜48時間である。
(工程3)
工程3は、化合物(3)を接触水素化反応に付すことにより、化合物(4)を製造する工程である。
接触水素化反応は、水素雰囲気中、触媒存在下に行うことができる。触媒としては、例えば、パラジウム炭素、水酸化パラジウム炭素、酸化パラジウム等のパラジウム類;酸化白金、白金炭素等の白金類;ロジウム炭素等のロジウム類等が挙げられる。触媒の使用量は、化合物(3)に対して通常0.01〜1当量である。
本工程では、通常溶媒が用いられる。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ギ酸、酢酸等のカルボン酸類;水又はそれらの混合物が挙げられる。
反応が行われる水素圧は、通常1〜10気圧である。反応温度は、通常0℃〜還流温度であり、反応時間は10分間〜48時間である。
工程3は、化合物(3)を接触水素化反応に付すことにより、化合物(4)を製造する工程である。
接触水素化反応は、水素雰囲気中、触媒存在下に行うことができる。触媒としては、例えば、パラジウム炭素、水酸化パラジウム炭素、酸化パラジウム等のパラジウム類;酸化白金、白金炭素等の白金類;ロジウム炭素等のロジウム類等が挙げられる。触媒の使用量は、化合物(3)に対して通常0.01〜1当量である。
本工程では、通常溶媒が用いられる。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ギ酸、酢酸等のカルボン酸類;水又はそれらの混合物が挙げられる。
反応が行われる水素圧は、通常1〜10気圧である。反応温度は、通常0℃〜還流温度であり、反応時間は10分間〜48時間である。
(工程4)
工程4は、化合物(4)をシアノ酢酸と反応させることにより、化合物(5)を製造する工程である。
シアノ酢酸の使用量は、化合物(4)に対して通常1〜5当量である。
本工程では、縮合剤を用いることが好ましい。縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)が挙げられる。縮合剤の使用量は、化合物(4)に対して通常1〜5当量である。
本工程では、反応促進のため塩基を添加してもよい。塩基としては、4−ジメチルアミノピリジン等の芳香族アミン類が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(4)に対して通常0.01〜10当量である。
本工程では、通常溶媒が用いられる。溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸エチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類が挙げられる。
反応温度は、通常0℃〜還流温度であり、反応時間は10分間〜48時間である。
工程4は、化合物(4)をシアノ酢酸と反応させることにより、化合物(5)を製造する工程である。
シアノ酢酸の使用量は、化合物(4)に対して通常1〜5当量である。
本工程では、縮合剤を用いることが好ましい。縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)が挙げられる。縮合剤の使用量は、化合物(4)に対して通常1〜5当量である。
本工程では、反応促進のため塩基を添加してもよい。塩基としては、4−ジメチルアミノピリジン等の芳香族アミン類が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(4)に対して通常0.01〜10当量である。
本工程では、通常溶媒が用いられる。溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸エチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類が挙げられる。
反応温度は、通常0℃〜還流温度であり、反応時間は10分間〜48時間である。
(工程5)
工程5は、化合物(5)と化合物(6)とを反応させることにより、化合物(7)を製造する工程である。
化合物(6)の使用量は、化合物(5)に対して通常1〜5当量である。
本工程では、触媒として塩基を用いることが好ましい。塩基としては、ピロリジン、ピペリジン等のアミン類が挙げられる。
本工程では、通常溶媒が用いられる。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類が挙げられる。
反応温度は、通常0℃〜還流温度であり、反応時間は10分間〜48時間である。
工程5は、化合物(5)と化合物(6)とを反応させることにより、化合物(7)を製造する工程である。
化合物(6)の使用量は、化合物(5)に対して通常1〜5当量である。
本工程では、触媒として塩基を用いることが好ましい。塩基としては、ピロリジン、ピペリジン等のアミン類が挙げられる。
本工程では、通常溶媒が用いられる。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類が挙げられる。
反応温度は、通常0℃〜還流温度であり、反応時間は10分間〜48時間である。
(工程6)
工程6は、化合物(7)と化合物(8)とを反応させることにより、化合物(9)を製造する工程である。
化合物(8)の使用量は、化合物(7)に対して通常1〜5当量である。
本工程では、通常溶媒が用いられる。溶媒としては、例えば、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類が挙げられる。
反応温度は、通常0℃〜還流温度であり、反応時間は10分間〜48時間である。
工程6は、化合物(7)と化合物(8)とを反応させることにより、化合物(9)を製造する工程である。
化合物(8)の使用量は、化合物(7)に対して通常1〜5当量である。
本工程では、通常溶媒が用いられる。溶媒としては、例えば、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類が挙げられる。
反応温度は、通常0℃〜還流温度であり、反応時間は10分間〜48時間である。
(工程7)
工程7は、化合物(9)と酸とを反応させることにより、化合物(I)を製造する工程である。なお、Ar上のヒドロキシ基がメトキシメチル(MOM)基、メトキシエトキシメチル(MEM)等で保護されている場合、本工程で保護基が脱保護される。
酸としては、例えば、塩酸、トリフルオロ酢酸が挙げられる。
本工程では、通常溶媒が用いられる。溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;水又はそれらの混合物が挙げられる。
反応温度は、通常0℃〜還流温度であり、反応時間は10分間〜48時間である。
工程7は、化合物(9)と酸とを反応させることにより、化合物(I)を製造する工程である。なお、Ar上のヒドロキシ基がメトキシメチル(MOM)基、メトキシエトキシメチル(MEM)等で保護されている場合、本工程で保護基が脱保護される。
酸としては、例えば、塩酸、トリフルオロ酢酸が挙げられる。
本工程では、通常溶媒が用いられる。溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;水又はそれらの混合物が挙げられる。
反応温度は、通常0℃〜還流温度であり、反応時間は10分間〜48時間である。
化合物(I)又はその塩はアルドケト還元酵素を選択的に阻害することから、この作用に基づく医薬組成物としても有用である。
本実施形態に係る医薬組成物は、例えば、抗癌剤として用いることができ、好ましくは、AKR1B10の発現量が高い癌(例えば、肺癌、肝臓癌及び大腸癌からなる群より選択される1以上の癌)に対する抗癌剤として用いることができる。
本実施形態に係る医薬組成物は、例えば、抗癌剤として用いることができ、好ましくは、AKR1B10の発現量が高い癌(例えば、肺癌、肝臓癌及び大腸癌からなる群より選択される1以上の癌)に対する抗癌剤として用いることができる。
本実施形態に係る医薬組成物は、医薬製剤の製造法として自体公知の方法(例、日本薬局方記載の方法等)に従って、化合物(I)又はその塩と薬学的に許容される担体とを混合した医薬組成物として使用することができる。本実施形態に係る医薬組成物は、例えば錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤、エアゾール剤、フィルム剤、注射剤、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、坐剤、ペレット、経鼻剤、経肺剤、点眼剤として、経口的又は非経口的に投与することができる。本実施形態に係る医薬組成物における化合物(I)又はその塩の含有量は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
本実施形態に係る医薬組成物の投与量は、投与対象、投与ルート、疾患等により異なるが、例えば、癌の患者(体重約60kg)に対し、経口剤又は非経口剤として、1日当たり、有効成分(化合物(I)又はその塩)として0.1mg/kg体重〜30mg/kg体重、好ましくは1mg/kg体重〜20mg/kg体重を、1日1回〜数回に分けて投与することができる。
本実施形態に係る医薬組成物の製造に用いられてもよい薬学的に許容される担体としては、医薬素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられ、例えば、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤、あるいは液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤及び無痛化剤等が挙げられる。更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤等の添加物を適宜、適量用いることもできる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸が挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカが挙げられる。結合剤としては、例えば、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。崩壊剤としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油が挙げられる。溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムが挙げられる。懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子が挙げられる。等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールが挙げられる。緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液が挙げられる。無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコールが挙げられる。防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸が挙げられる。抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロールが挙げられる。
また、化合物(I)又はその塩は白金製剤と組み合わせて使用することで、白金製剤に対する抵抗性を獲得した癌細胞に対して、当該抵抗性を抑制する作用を示すことから、化合物(I)又はその塩と白金製剤とを組み合わせてなる医薬組成物としても有用である。
白金製剤としては、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチンが挙げられる。
白金製剤としては、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチンが挙げられる。
本実施形態に係る、化合物(I)又はその塩と白金製剤とを組み合わせてなる医薬組成物(以下、「併用医薬組成物」ともいう)において、化合物(I)又はその塩と白金製剤の投与時期は、化合物(I)又はその塩と白金製剤を、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。
本実施形態に係る併用医薬組成物の投与形態は、投与時に、化合物(I)又はその塩と白金製剤とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)化合物(I)又はその塩と白金製剤を同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)化合物(I)又はその塩と白金製剤を別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)化合物(I)又はその塩と白金製剤を別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)化合物(I)又はその塩と白金製剤を別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)化合物(I)又はその塩と白金製剤を別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明化合物を投与した後の併用薬物の投与、又はその逆の順序での投与)等が挙げられる。
時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与方法により異なるが、例えば、化合物(I)又はその塩を投与した後、1分〜1日以内、好ましくは10分〜6時間以内、より好ましくは15分〜3時間以内に白金製剤を投与する方法が挙げられる。
時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与方法により異なるが、例えば、化合物(I)又はその塩を投与した後、1分〜1日以内、好ましくは10分〜6時間以内、より好ましくは15分〜3時間以内に白金製剤を投与する方法が挙げられる。
以下に、製造例、実施例及び試験例を示して、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の具体例により限定されるものではない。なお、以下の実施例における略号の意味は以下の通りである。
Me:メチル
MOM:メトキシメチル
Ms:メタンスルホニル
Me:メチル
MOM:メトキシメチル
Ms:メタンスルホニル
3−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピルアルコール(1mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(1.2mmol)及びトリエチルアミン(1.5mmol)を0℃にて加え、室温にて2時間攪拌した。反応を飽和塩化アンモニウム水溶液にて停止し、有機層を分離した。水層をジクロロメタン(5mL×3)で抽出した有機層と上記分離した有機層を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g、ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製して、標記化合物を得た。
収率96%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 1.88 (2H, quint, J = 7.3 Hz), 2.65 (2H, t, J =7.3 Hz), 3.28 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.48 (3H, s), 5.18 (2H, s), 6.97 (2H, d, J =8.0 Hz), 7.09(2H, d, J = 8.0 Hz)
収率96%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 1.88 (2H, quint, J = 7.3 Hz), 2.65 (2H, t, J =7.3 Hz), 3.28 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.48 (3H, s), 5.18 (2H, s), 6.97 (2H, d, J =8.0 Hz), 7.09(2H, d, J = 8.0 Hz)
収率96%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 2.08 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.73 (2H, t, J =7.5 Hz), 3.00 (3H, s), 3.48 (3H, s), 4.23 (2H, t, J = 7.5 Hz), 5.17 (2H, s),6.83-6.91 (3H, m), 7.21 (1H, t, J = 8.0 Hz)
収率94%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 1.82 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.71 (2H, t, J =7.5 Hz), 3.15 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.49 (3H, s), 5.21 (2H, s), 6.84 (1H, t, J =8.0 Hz), 7.08 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.10-7.17 (1H, m)
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.87(3H, s), 3.00 (2H, t, J = 7.1 Hz), 3.47 (3H, s), 4.38 (2H, t, J = 7.1 Hz), 5.16(2H, s), 6.99 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.15 (2H, d, J = 8.5 Hz)
収率96%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 1.69-1.78 (4H, m), 2.60 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.98(3H, s), 3.48 (3H, s), 4.23 (2H, t, J = 7.5 Hz), 5.15 (2H, s), 6.96 (2H, d, J =8.5 Hz), 7.08 (2H, d, J = 8.5 Hz)
収率78%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 2.89 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 3.11 (2H, t, J =7.5 Hz), 3.35 (3H, s), 4.58 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.11-7.25 (3H, m), 7.61 (2H,d, J = 7.5 Hz)
1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 2.03-2.06 (2H, m), 2.72 (2H, t, J = 7.7 Hz), 2.98(3H, s), 4.21 (2H, t, J = 6.1 Hz), 6.62-6.70 (3H, m)
メタンスルホン酸 3−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピルエステル(1mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド及び水(2:1)混合溶液に、アジ化ナトリウム(2mmol)を加え、60℃にて24時間攪拌した。反応液を冷却後、反応を水にて停止し、有機層を分離した。水層をジクロロメタン(5mL×3)で抽出した有機層と上記分離した有機層を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g、ヘキサン:アセトン=100:1)にて精製して、標記化合物を得た。
収率94%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 1.91 (2H, quint, J = 7.3 Hz), 2.73 (2H, t, J =7.3 Hz), 3.29 (2H, t, J = 7.3 Hz ), 3.49 (3H, s), 5.21 (2H, s), 6.94 (1H, t, J= 8.0Hz), 7.09 (1H,d, J = 8.0 Hz), 7.10-7.18 (1H, m)
収率94%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 1.91 (2H, quint, J = 7.3 Hz), 2.73 (2H, t, J =7.3 Hz), 3.29 (2H, t, J = 7.3 Hz ), 3.49 (3H, s), 5.21 (2H, s), 6.94 (1H, t, J= 8.0Hz), 7.09 (1H,d, J = 8.0 Hz), 7.10-7.18 (1H, m)
収率78%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 1.92 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.68 (2H, t, J =7.5 Hz), 3.29 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.49 (3H, s), 5.17 (2H, s), 6.83-6.90 (3H,m), 7.21 (1H, t, J = 8.0 Hz)
収率89%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 1.91 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.73 (2H, t, J =7.5 Hz), 3.29 (2H, t, J = 7.5 Hz ), 3.49 (3H, s), 5.21 (2H, s), 6.94 (1H, t, J= 8.0 Hz), 7.09 (1H,d, J = 8.0 Hz), 7.13-7.18 (1H, m)
収率81%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 1.62-1.68 (4H, m), 2.59 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.28(2H, t, J = 7.5 Hz), 3.48 (3H, s), 5.15 (2H, s), 6.96 (2H, dd, J = 4.5, 2.0Hz), 7.08 (2H, dd, J = 4.5, 2.0 Hz)
収率72%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 1.90 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.71 (2H, t, J = 7.5Hz), 3.29 (2H, t, J = 7.5 Hz), 6.82-6.95 (3H, m), 7.25 (2H, q, J = 7.0 Hz)
収率62%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 1.91 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.74 (2H, t, J =7.5Hz), 3.30 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.04 (2H, m), 7.19 (2H, t, J = 7.0 Hz)
収率75%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 1.90 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.33 (3H, s), 2.67(2H, t, J = 7.5 Hz), 3.28 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.09 (2H, d, J = 8.7 Hz)
収率81%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 1.89 (2H, quint, J = 7.3 Hz), 2.68 (2H, t, J =7.3 Hz), 3.28 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.11 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.26 (2H, d, J =8.5 Hz)
製造例3:2−シアノ−N−[3−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピル]−アセタミド
1−(3−アジド−プロピル)−4−メトキシメトキシ−ベンゼンのメタノール溶液に触媒量の10%パラジウム炭素を加え、1気圧の水素雰囲気下で接触水素化反応を行い、1−(4−アジド−プロピル)−3−メトキシメトキシ−ベンゼンを得た。
1−(4−アジド−プロピル)−3−メトキシメトキシ−ベンゼン(1mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に、シアノ酢酸(1mmol)、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(2mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.2mmol)を加え、室温にて24時間攪拌した。反応液を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g、ヘキサン:アセトン=5:1)にて精製して、標記化合物を得た。
収率49%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.86 (2H, quint, J = 7.3 Hz),2.62 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.32 (4H, q, J = 7.3 Hz), 3.47 (3H, s), 5.15 (2H, s),6.03 (1H, br), 6.97 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.09 (2H,d, J = 8.5 Hz)
1−(3−アジド−プロピル)−4−メトキシメトキシ−ベンゼンのメタノール溶液に触媒量の10%パラジウム炭素を加え、1気圧の水素雰囲気下で接触水素化反応を行い、1−(4−アジド−プロピル)−3−メトキシメトキシ−ベンゼンを得た。
1−(4−アジド−プロピル)−3−メトキシメトキシ−ベンゼン(1mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に、シアノ酢酸(1mmol)、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(2mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.2mmol)を加え、室温にて24時間攪拌した。反応液を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g、ヘキサン:アセトン=5:1)にて精製して、標記化合物を得た。
収率49%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.86 (2H, quint, J = 7.3 Hz),2.62 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.32 (4H, q, J = 7.3 Hz), 3.47 (3H, s), 5.15 (2H, s),6.03 (1H, br), 6.97 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.09 (2H,d, J = 8.5 Hz)
収率54%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.90 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.65 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.32 (2H, s), 3.34 (2H, q, J = 7.5 Hz), 3.48 (3H, s),5.17 (2H, s), 6.82-6.90 (3H, m), 7.22 (1H, t, J = 8.0 Hz)
収率70%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.86 (2H, quint, J = 7.0 Hz),2.72 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.33 (4H, q, J = 7.0 Hz), 3.49 (3H, s), 5.25 (2H, s),6.39 (1H, br), 6.96 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.09 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.14-7.18(2H, m)
収率49%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.56-1.65 (4H, m), 2.59 (2H, t, J= 7.5 Hz), 3.32 (2H, q, J = 7.5 Hz), 3.35 (2H, s), 3.45 (3H, s), 5.15 (2H, s),6.05 (1H, br), 6.97 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.07 (2H, d, J = 8.5 Hz)
収率45%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.88 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.62 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.31 (2H, s) , 3.33 (2H, q, J = 7.5 Hz), 3.80 (3H,s), 5.99 (1H, br), 6.84 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.10 (2H, d, J = 9.0 Hz)
収率42%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.87 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.64 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.30-3.36 (4H, m), 6.96-7.00 (2H, m), 7.12-7.15 (2H,m)
収率58%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.89 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.67 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.32-3.36 (4H, m), 6.10 (1H, br), 6.90-6.96 (3H, m),7.26 (1H, m)
収率66%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.82 (2H, quint, J = 7.25 Hz),2.65(2H, t, J = 7.25 Hz), 3.26 (2H, t, J = 7.25Hz), 3.30-3.41 (2H, m), 6.90-7.26(4H, m)
収率42%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.87 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.63 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.33 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.36 (2H, s), 6.11 (1H,br), 6.80-6.94 (2H, m), 6.69 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.07 (1H, q, J = 8.5 Hz)
収率48%(2工程);1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.70 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.60 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.60 (2H, q, J = 7.5 Hz), 3.60 (2H, s), 6.94-7.03(3H, m), 8.24 (1H, br)
収率66%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.88 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.32 (3H, s), 2.64 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.34(4H, q, J = 7.5 Hz), 7.11 (2H, q, J= 7.83 Hz)
収率35%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.87 (2H, quint, J = 7.3 Hz),2.64 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.34 (4H, q, J = 7.3 Hz), 7.11 (2H, d, J = 8.5 Hz),7.24-7.35 (2H, m)
2−シアノ−N−[3−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピル]−アセタミドのエタノール溶液に、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド及び触媒量のピペリジンを加え、クネフェナーゲル縮合反応を行い、7−ヒドロキシ−2−イミノ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピル]−アミドを得た。
7−ヒドロキシ−2−イミノ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピル]−アミド(1mmol)の酢酸(2mL)溶液に、4−メトキシアニリン(1mmol)を加え、室温にて12時間攪拌した。反応液を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g、ヘキサン:ジクロロメタン)にて精製して、標記化合物を得た。
収率76%(2工程);1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.93 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.68 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.35-3.46 (5H,m), 3.84 (3H, s), 5.13 (2H, s), 6.61(1H, s), 6.70 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.93 (4H, t, J = 8.5 Hz), 7.11 (2H, d, J =8.5 Hz), 7.37 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.62 (1H, d, J =8.5 Hz), 8.42-8.50 (1H, m),10.50 (1H, t, J =4.75 Hz)
7−ヒドロキシ−2−イミノ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピル]−アミド(1mmol)の酢酸(2mL)溶液に、4−メトキシアニリン(1mmol)を加え、室温にて12時間攪拌した。反応液を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g、ヘキサン:ジクロロメタン)にて精製して、標記化合物を得た。
収率76%(2工程);1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.93 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.68 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.35-3.46 (5H,m), 3.84 (3H, s), 5.13 (2H, s), 6.61(1H, s), 6.70 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.93 (4H, t, J = 8.5 Hz), 7.11 (2H, d, J =8.5 Hz), 7.37 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.62 (1H, d, J =8.5 Hz), 8.42-8.50 (1H, m),10.50 (1H, t, J =4.75 Hz)
製造例4と同様の方法で、対応する上記シアノ化合物と2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドから以下のメトキシフェニルイミノ化合物を得た。
7−ヒドロキシ−2−(4−メトキシ−フェニルイミノ)−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(3−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピル]−アミド
7−ヒドロキシ−2−(4−メトキシ−フェニルイミノ)−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(3−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピル]−アミド
収率67%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.96 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.70 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.45-3.50 (5H, m), 3.82 (3H, s), 5.13 (2H, s), 6.65(1H, s), 6.75 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.82-6.94 (4H, m), 7.14-7.18 (1H, m),7.25-7.27 (3H, m), 7.30 (1H, d, J = 7.5 Hz), 8.42 (1H, s), 10.75 (1H, br)
収率63%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.95 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.77 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.41 (3H, s), 3.50 (2H, q, J = 7.5 Hz), 3.83 (3H, s),5.13 (2H, s), 6.65 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.74 (1H, dd, J = 6.0, 2.5 Hz),6.89-6.92 (3H, m), 7.05 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.12-7.16 (2H, m), 7.26-7.29 (3H,m), 7.33 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.44 (1H, s), 10.68 (1H, t, J = 5.5 Hz)
収率67%(2工程);1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 2.72 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.54(2H, q, J = 7.0 Hz), 6.51 (1H, d, J = 1.5 Hz), 6.64 (2H, dd, J = 4.5, 2.0 Hz),6.71 (1H, dd, J = 6.0, 2.5 Hz), 6.91 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.04 (2H, d, J = 8.5Hz), 7.09 (2H, dd, J = 4.5, 2.0 Hz), 7.58 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.38 (1H, s),9.20 (1H, s), 10.14 (1H, t, J = 5.5 Hz)
収率68%(2工程);1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.83 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.65 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.24-3.36 (2H,m), 3.76 (3H, s), 6.53 (1H, s), 6.70(1H, dd, J = 2.5, 8.5 Hz), 6.94 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.21-7.35 (7H, m), 7.57(1H, d, J = 8.5 Hz), 8.37 (1H, s), 10.23 (1H, t, J =5.3 Hz)
収率83%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.62-1.75 (4H, m), 2.60 (2H, t, J= 7.5 Hz), 3.46-3.49 (5H, m), 3.83 (3H, s), 5.14 (2H, s), 6.63 (1H, s), 6.72(1H, d, J = 8.5 Hz), 6.89-6.93 (4H, m), 7.06 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.22 (2H, d, J= 8.5 Hz), 7.32 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.42 (1H, s), 10.59 (1H, t, J = 5.0 Hz)
収率87%(2工程);1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.92 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.67 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.45 (2H, q, J = 7.5 Hz), 3.75 (3H, s), 3.82 (3H, s),6.64 (1H, s), 6.73 (1H, d, J = 8.3 Hz), 6.78 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.90 (2H, d, J= 9.0 Hz), 7.08 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.24-7.27 (3H, m), 7.32 (1H, d, J = 8.3Hz), 8.43 (1H, s), 10.65 (1H, br)
収率68%(2工程);1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.94 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.70 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.46 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.84 (3H, s), 6.62 (1H, s),6.71 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.93 (4H, t, J = 8.5 Hz), 7.13 (2H, t, J = 8.5Hz), 7.24 (1H, s), (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.452 (1H, s), 10.54 (1H, s)
収率75%(2工程);1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.85 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.68 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.17-3.29 (2H, m), 3.77 (3H, s), 6.53 (1H, s), 6.72(1H, dd, J = 2.0, 8.5 Hz), 6.84-6.97 (3H, m), 7.05 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.30(3H, d, J = 8.5 Hz), 7.60 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.38 (1H, s), 10.21 (1H, t, J =5.5 Hz)
収率89%(2工程);1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.82 (2H, quint, J = 7.3Hz),2.68 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.27-3.39 (2H, m), 3.75 (3H, s), 6.50 (2H, s, J = 8.5Hz), 6.62 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.71 (1H, dd, J = 2.0, 8.5 Hz), 6.93 (2H, d, J =8.5 Hz), 7.09 (2H, quart, J = 8.5 Hz), 7.20 (1H, t, J = 7.0 Hz), 7.29 (2H, d, J= 8.5 Hz), 7.58 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.37 (1H, s), 10.22 (1H, t, J = 5.5 Hz)
収率78%(2工程);1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.84 (2H, quint, J = 7.25 Hz),2.65 (2H, t, J = 7.25 Hz), 3.25-3.37 (2H, m), 3.77 (3H, s), 6.53 (1H, s), 6.72(1H, d, J = 8.5 Hz), 6.95 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.01-7.12 (2H, m), 7.22-7.33(4H, m), 7.60 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.38 (1H, s), 10.187 (1H, t, J =5.5 Hz)
収率85%(2工程);1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.86 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.68 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.29-3.56 (2H, m), 3.77 (3H, s), 6.52 (1H, d, J = 2.0Hz), 6.71 (1H, dd, J = 6.5, 2.0 Hz), 6.94-7.02 (5H, m), 7.30 (2H, d, J = 9.0Hz), 7.61 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.39 (1H, s), 10.18 (1H, t, J = 5.5 Hz), 10.65(1H, br)
収率82%(2工程);1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.81 (2H, quint, J = 7.3 Hz),2.28 (3H, s), 2.49 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.25-3.39 (2H, m), 3.76 (3H, s), 6.52(1H, s), 6.73 (1H, dd, J = 2.0, 8.5Hz), 6.49 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.06(4H, q, J = 8.5 Hz), 7.30 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.59 (1H, d, J =8.5 Hz), 8.38(1H, s), 10.20 (1H, t, J = 5.5 Hz)
収率93%(2工程);1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.83 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.67 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.19-3.31 (2H, m), 3.77 (3H, s), 6.54 (1H, s), 6.73(1H, d, J = 8. 5Hz), 6.96 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.23 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.31(4H, d, J = 8.5 Hz), 7.62 (1H, d, J =8.5 Hz), 8.39 (1H, s), 10.22 (1H, t, J =4.8 Hz)
製造例4と同様の方法で、2−シアノ−N−[3−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピル]−アセタミドと2,4−ジヒドロキシ−5−メチルベンズアルデヒドから以下のメトキシフェニルイミノ化合物を得た。
7−ヒドロキシ−2−(4−メトキシ−フェニルイミノ)−5−メチル−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピル]−アミド
7−ヒドロキシ−2−(4−メトキシ−フェニルイミノ)−5−メチル−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピル]−アミド
収率71%(2工程);1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 1.94 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.65 (2H, t, J = 7.5 Hz),3.30-3.52 (5H,m), 3.83 (3H, s), 5.13(2H, s), 5.29(3H,s), 6.45 (1H, s), 6.55 (1H, ), 6.84-6.95 (4H, m), 7.11 (2H, d, J =, 8.5 Hz ),7.25 (1H, d J =, 8.5 Hz), 8.63 (1H, s), 10.65 (1H, s)
製造例4と同様の方法で、2−シアノ−N−[3−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピル]−アセタミドと2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒドから以下のメトキシフェニルイミノ化合物を得た。
8−ヒドロキシ−2−(4−メトキシ−フェニルイミノ)−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピル]−アミド
8−ヒドロキシ−2−(4−メトキシ−フェニルイミノ)−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピル]−アミド
収率89%(2工程);1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.94 (2H, quint, J = 7.5 Hz),2.68 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.45-3.84 (5H, m), 3.85 (3H, s), 5.15 (2H, s),6.93-6.97 (5H, m), 7.06-7.13 (5H, m), 7.20-7.23 (2H, m), 8.53 (1H, s), 10.33(1H, br)
7−ヒドロキシ−2−(4−メトキシ−フェニルイミノ)−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−プロピル]−アミド(1mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に、10%塩酸を5滴加え、40℃にて24時間攪拌した。反応液を冷却後、反応を水にて停止し、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、得られた有機層と上記分離した有機層を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g、ジクロロメタン:メタノール=100:1)にて精製して、標記化合物を得た。
収率95%;1H-NMR(500 MHz, acetone-d6) δ 1.84 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.58 (2H, t, J= 7.5 Hz), 3.38 (2H, q, J = 7.5 Hz), 6.72 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.82 (1H, d, J =2.0 Hz), 6.94 (1H, dd, J = 6.5, 2.0 Hz), 6.04 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.76 (1H, d,J = 8.5 Hz), 8.69 (1H, br), 8.77 (1H, s)
収率95%;1H-NMR(500 MHz, acetone-d6) δ 1.84 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.58 (2H, t, J= 7.5 Hz), 3.38 (2H, q, J = 7.5 Hz), 6.72 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.82 (1H, d, J =2.0 Hz), 6.94 (1H, dd, J = 6.5, 2.0 Hz), 6.04 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.76 (1H, d,J = 8.5 Hz), 8.69 (1H, br), 8.77 (1H, s)
実施例1と同様の方法で、対応する上記メトキシフェニルイミノ化合物から以下の実施例2〜15の化合物を得た。
実施例2:7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(3−ヒドロキシ−フェニル)−プロピル]−アミド
実施例2:7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボン酸 [3−(3−ヒドロキシ−フェニル)−プロピル]−アミド
収率71%;1H-NMR(500 MHz, DMSO-d6) δ 1.91 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.64 (2H, t, J =7.5 Hz), 3.44 (2H, q, J = 7.5 Hz), 6.65-6.66 (1H, m), 6.71-6.74 (2H, m), 6.85(1H, d, J = 2.5 Hz), 6.97 (1H, dd, J = 6.0, 2.5), 7.09 (1H, t, J = 8.0 Hz),7.79 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.74 (1H, br), 8.80 (1H, s)
収率64%;1H-NMR(500 MHz, DMSO-d6) δ 1.92 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.72 (2H, t, J =7.5 Hz), 3.44 (2H, q, J = 7.5 Hz), 6.83-6.85 (2H, m), 6.96-7.03 (2H, m), 7.14(1H, d, J = 7.5 Hz), 8.80 (1H, s), 8.81 (1H, br)
収率65%;1H-NMR(500 MHz, DMSO-d6) δ 2.81 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.61 (2H, q, J = 7.5Hz), 6.78 (2H, dd, J = 4.5, 2.0 Hz), 7.11 (2H, dd, J = 4.5, 2.0 Hz), 7.79 (1H,d, J = 8.5 Hz), 8.73 (1H, br), 8.80 (1H, s)
収率84%;1H-NMR(500 MHz, CDCl3) δ 1.97 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.72 (2H, t, J =7.5 Hz), 3.48 (2H, q, J = 7.5 Hz), 6.87-6.90 (2H, m), 7.17-7.22 (3H, m),7.27-7.30 (3H, m), 7.57 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.82 (1H, s), 8.87 (1H, br)
収率66%;1H-NMR(500 MHz, DMSO-d6) δ 1.59-1.63 (4H, m), 2.55 (2H, t, J = 7.5 Hz),3.45 (2H, q, J = 7.5 Hz), 6.75 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.82 (1H, d, J = 2.0 Hz),6.95 (1H, dd, J = 6.5, 2.0 Hz), 7.01 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.76 (1H, d, J = 8.5Hz), 8.10 (1H, br), 8.76 (1H, s)
収率95%;1H-NMR(500 MHz, acetone-d6) δ 1.95 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.69 (2H, t, J= 7.5 Hz), 3.47 (2H, q, J = 7.5 Hz), 3.79 (3H, s), 6.87-6.89 (3H, m), 7.02 (1H,dd, J = 6.0, 2.5 Hz), 7.21 (2H, d, J = 6.5 Hz), 7.84 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.76(1H, br), 8.84 (1H, s)
収率96%;1H-NMR(500 MHz, DMSO-d6) δ 1.95 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.70 (2H, t, J =7.5 Hz), 3.49 (2H, q, J = 7.5 Hz), 6.88-6.91 (2H, m), 6.94-6.98 (2H, m),7.14-7.18 (2H, m), 7.20-7.23 (1H, m), 7.57 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.83 (1H, s),8.87 (1H, br)
収率90%;1H-NMR(500 MHz, DMSO-d6) δ 1.83 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.64 (2H, t, J =7.5 Hz), 3.21-3.35 (2H, m), 6.79 (1H, s), 6.86 (1H, dd, J = 2.0, 8.5Hz), 6.98(1H, t, J = 8.5 Hz), 7.05 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.30 (1H, q, J = 8.5 Hz), 7.80(2H, d, J = 8.5 Hz), 8.66 (1H, t, J = 5.8 Hz), 8.75 (1H, s)
収率92%;1H-NMR(500 MHz, DMSO-d6) δ 1.81 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.65 (2H, t, J =7.5 Hz), 3.21-3.33 (2H, m), 6.79 (1H, s), 6.86 (1H, dd, J = 2.0, 8.5 Hz), 7.11(2H, t, J = 8.5 Hz), 7.22 (1H, q, J = 8.5 Hz), 7.31 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.80(2H, d, J = 8.5 Hz), 8.64 (1H, t, J = 8.5 Hz), 8.76 (1H, s), 11.04 (1H, br)
収率83%;1H-NMR(500 MHz, DMSO-d6) δ 1.82 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.62 (2H, t, J =7.5 Hz), 3.20-3.32 (2H, m), 6.79 (1H, s), 6.88 (1H, dd, J = 2.0, 8.5 Hz),7.01-7.13 (1H, m), 7.33 (2H, q, J = 8.5 Hz), 7.81 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.64(1H, t, J = 5.8 Hz), 8.75 (1H, s)
収率92%;1H-NMR(500 MHz, DMSO-d6) δ 1.85 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.67 (2H, t, J =7.5 Hz), 3.27-3.41 (2H, m), 6.81 (1H, s), 6.88 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.99-7.02(3H, m), 7.82 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.67 (1H, t, J = 5.5 Hz), 8.78 (1H, s)
収率90%;1H-NMR(500 MHz, DMSO-d6) δ 1.79 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.23 (3H, s),2.56 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.25-7.37 (2H, m), 6.78 (1H, s), 6.80 (1H, dd, J =2.0, 8.5 Hz), 7.05 (4H, q, J = 8.5 Hz), 7.79 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.64 (1H, t,J = 5.8 Hz), 8.74 (1H, s)
収率81%;1H-NMR(500MHz, DMSO-d6) δ 1.82 (2H, quint, J = 7.5Hz), 2.62 (2H, t, J =7.5Hz), 3.26-3.37 (2H, m), 6.80 (1H, s), 6.87 (1H, dd, J = 2.0, 8.5Hz), 7.25(2H, d, J = 8.5Hz), 7.32 (2H, d, J = 8.5Hz), 7.81 (1H, d, J = 8.5Hz), 8.86 (1H,t, J = 6.0Hz), 8.76 (1H, s)
収率84%;1H-NMR(500 MHz, DMSO-d6) δ 1.93 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.63-2.67 (5H,m), 3.47 (2H, q, J = 7.5 Hz), 6.73 (1H, s), 6.79 (2H, d, J = 8.0 Hz), 6.88 (2H,s), 7.11 (2H, d, J = 8.0 Hz), 8.79 (1H, br), 8.95 (1H, s)
収率86%;1H-NMR (500 MHz, Acetone-d6)δ 1.93 (2H, quint, J = 7.5 Hz), 2.67 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.45 (2H, q, J = 7.5Hz), 6.80 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.12 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.29-7.41 (2H, m),7.45 (1H, t, J = 5.0 Hz), 8.14 (1H, s), 8.82 (1H, br), 8.89 (1H, s)
試験例1:アルドケト還元酵素(AKR1B10)及びアルドース還元酵素(AR)に対する阻害活性試験
(大腸菌の培養)
AKR1B10のcDNAを組み込んだpCold Iベクターのプラスミドによって形質転換された大腸菌BL21(DE3)pLysS、及びARのcDNAを組み込んだpDR T7/TOPOベクターのプラスミドによって形質転換された大腸菌BL21(DE3)pLysSをそれぞれLB培地で、IPTG(isopropyl β−D−thiogalactopyranoside)誘導下にて20℃で24時間培養した。得られた菌液を遠心操作(4℃、5000xg、15分間)により集菌し、緩衝液A(0.5M 塩化ナトリウムを含む50mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.5))に懸濁した。この懸濁液を超音波処理(150w、5分間)した後、溶菌液を4℃にて遠心分離(12000xg、15分間)し、その上清を大腸菌抽出液とした。
(AKR1B10の調製)
上記大腸菌抽出液を緩衝液Aで平衡化したNi Sepharose 6FFカラム(ベッド量:10mL)に添加した。カラムを緩衝液Aで洗浄後、吸着酵素を0−0.3M イミダゾール勾配により溶出した。得られた活性画分を限外濾過により濃縮した後、緩衝液B(5mM 2−ME、0.5mM EDTA及び20%(v/v)グリセロールを含む10mL Tris−HCl緩衝液(pH8.0))に対して透析し、AKR1B10の最終精製酵素標品を得た。
(ARの調製)
上記大腸菌抽出液を緩衝液Bで平衡化したG−100 Sepharoseカラム(ベッド量:500mL)に添加した。溶出後の活性画分を緩衝液Bで平衡化したQ Sepharoseカラム(ベッド量:30mL)に添加した。カラムを緩衝液Bで洗浄後、吸着酵素を0−0.15M 塩化ナトリウム勾配により溶出した。得られた活性画分を限外濾過により濃縮した後、透析処理により塩化ナトリウムを除去した濃縮液を、緩衝液Bで平衡化したRed A Sepharoseカラム(ベッド量:10mL)に添加した。カラムを緩衝液Bで洗浄後、吸着酵素を0.5mM NADP+により溶出した。得られた活性画分を限外濾過により濃縮した後、緩衝液Bに対して透析し、ARの最終精製酵素標品を得た。
以上の酵素の精製操作は、0−4℃で行った。
(AKR1B10及びARに対する阻害活性)
0.1M リン酸カリウム緩衝液(pH7.4)、0.1mM NADPH、0.2mM ピリジン−3−アルデヒド、及びAKR1B10又はARを含む全量2.0mLの反応系におけるNADPHの減少速度を分光学的(340nm)に測定することで、AKR1B10及びARの還元活性を測定した。AKR1B10及びARに対する各化合物のIC50は、5点の異なる濃度の各化合物を標準反応系に添加することで算出した。結果を表1に示す。
(大腸菌の培養)
AKR1B10のcDNAを組み込んだpCold Iベクターのプラスミドによって形質転換された大腸菌BL21(DE3)pLysS、及びARのcDNAを組み込んだpDR T7/TOPOベクターのプラスミドによって形質転換された大腸菌BL21(DE3)pLysSをそれぞれLB培地で、IPTG(isopropyl β−D−thiogalactopyranoside)誘導下にて20℃で24時間培養した。得られた菌液を遠心操作(4℃、5000xg、15分間)により集菌し、緩衝液A(0.5M 塩化ナトリウムを含む50mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.5))に懸濁した。この懸濁液を超音波処理(150w、5分間)した後、溶菌液を4℃にて遠心分離(12000xg、15分間)し、その上清を大腸菌抽出液とした。
(AKR1B10の調製)
上記大腸菌抽出液を緩衝液Aで平衡化したNi Sepharose 6FFカラム(ベッド量:10mL)に添加した。カラムを緩衝液Aで洗浄後、吸着酵素を0−0.3M イミダゾール勾配により溶出した。得られた活性画分を限外濾過により濃縮した後、緩衝液B(5mM 2−ME、0.5mM EDTA及び20%(v/v)グリセロールを含む10mL Tris−HCl緩衝液(pH8.0))に対して透析し、AKR1B10の最終精製酵素標品を得た。
(ARの調製)
上記大腸菌抽出液を緩衝液Bで平衡化したG−100 Sepharoseカラム(ベッド量:500mL)に添加した。溶出後の活性画分を緩衝液Bで平衡化したQ Sepharoseカラム(ベッド量:30mL)に添加した。カラムを緩衝液Bで洗浄後、吸着酵素を0−0.15M 塩化ナトリウム勾配により溶出した。得られた活性画分を限外濾過により濃縮した後、透析処理により塩化ナトリウムを除去した濃縮液を、緩衝液Bで平衡化したRed A Sepharoseカラム(ベッド量:10mL)に添加した。カラムを緩衝液Bで洗浄後、吸着酵素を0.5mM NADP+により溶出した。得られた活性画分を限外濾過により濃縮した後、緩衝液Bに対して透析し、ARの最終精製酵素標品を得た。
以上の酵素の精製操作は、0−4℃で行った。
(AKR1B10及びARに対する阻害活性)
0.1M リン酸カリウム緩衝液(pH7.4)、0.1mM NADPH、0.2mM ピリジン−3−アルデヒド、及びAKR1B10又はARを含む全量2.0mLの反応系におけるNADPHの減少速度を分光学的(340nm)に測定することで、AKR1B10及びARの還元活性を測定した。AKR1B10及びARに対する各化合物のIC50は、5点の異なる濃度の各化合物を標準反応系に添加することで算出した。結果を表1に示す。
試験例2:ヒト肺癌細胞に対する増殖抑制試験
ヒト肺癌A549細胞は、American Type Culture Collection(Manassas、VA)から購入した。AKR1B10のcDNAを組み込んだpGWベクターを、Lipofectamine 2000を用いてA549細胞内に導入し、限界希釈法にてAKR1B10を過剰発現した細胞(A549/1B10細胞)を単離した。A549/1B10細胞におけるAKR1B10の過剰発現は、抗AKR1B10抗体を用いたウエスタンブロット法にて3.4倍増加したことにより確認した。
48ウェルプレートに、A549細胞又はA549/1B10細胞を細胞数が5×103個/ウェルとなるように播種し、その12時間後に実施例1又は実施例8の化合物(10μM、20μM;ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液)又は対照としてDMSOを2.5μL添加した。添加してから48時間後、及び96時間後における生細胞数を、MTTアッセイにより測定した。結果を図1に示す。
ヒト肺癌A549細胞は、American Type Culture Collection(Manassas、VA)から購入した。AKR1B10のcDNAを組み込んだpGWベクターを、Lipofectamine 2000を用いてA549細胞内に導入し、限界希釈法にてAKR1B10を過剰発現した細胞(A549/1B10細胞)を単離した。A549/1B10細胞におけるAKR1B10の過剰発現は、抗AKR1B10抗体を用いたウエスタンブロット法にて3.4倍増加したことにより確認した。
48ウェルプレートに、A549細胞又はA549/1B10細胞を細胞数が5×103個/ウェルとなるように播種し、その12時間後に実施例1又は実施例8の化合物(10μM、20μM;ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液)又は対照としてDMSOを2.5μL添加した。添加してから48時間後、及び96時間後における生細胞数を、MTTアッセイにより測定した。結果を図1に示す。
A549/1B10細胞群はA549細胞群と比較して、96時間後に有意に細胞数が増加し、AKR1B10のA549細胞増殖への関与が示された。また、化合物添加群では、96時間後におけるA549/1B10細胞数が用量依存的に減少し、本発明化合物は癌細胞増殖抑制効果を示すことが確認された。
試験例3:ヒト肺癌細胞に対する浸潤抑制試験
6cmディッシュ上で試験例2に記載と同様の方法で培養したA549細胞に200μLチップの先を用いて傷をつけた後、実施例1又は実施例8の化合物(20μM;DMSO溶液)又は対照としてDMSOを10μL添加した。37℃で24時間インキュベートした後、創傷治癒アッセイにより浸潤能を評価した。結果を図2に示す。
6cmディッシュ上で試験例2に記載と同様の方法で培養したA549細胞に200μLチップの先を用いて傷をつけた後、実施例1又は実施例8の化合物(20μM;DMSO溶液)又は対照としてDMSOを10μL添加した。37℃で24時間インキュベートした後、創傷治癒アッセイにより浸潤能を評価した。結果を図2に示す。
化合物添加群では、DMSO添加群と比較して有意に浸潤能が低下し、本発明化合物は癌細胞浸潤抑制効果を示すことが確認された。
試験例4:シスプラチン抵抗性癌細胞における感受性回復試験
A549細胞に対して、3継代ごとに、0.5μM、1μM、2μM、及び5μMと段階的に濃度を上昇させたシスプラチン(和光純薬株式会社製)を約2ヶ月間投与することによって、5μM シスプラチンに対して抵抗性を獲得したA549/CDDP細胞を樹立した。
増殖培地に懸濁したA549/CDDP細胞を、96ウェルプレート中に細胞数が5×104個/200μLとなるように播種し、CO2インキュベーター内で一晩培養した。培地を血清不含培地に交換し、実施例1又は8の化合物(10μM、20μM、40μM;DMSO溶液)又は陰性対照としてDMSOを0.5μL添加して2時間培養し、さらにシスプラチン(40μM;DMSO溶液)を0.5μL添加して、24時間培養した。また、後述の細胞生存率算出のため、細胞懸濁液の代わりに培地のみを添加し、実施例1又は8の化合物、及びシスプラチンを添加したもの(ブランク)を調製した。
次に、上記培養物に、5mM WST−1及び0.2mM 1−メチル−5−メチルフェナジニウム メチルサルフェートを含む、20mM HEPES−NaOH(pH7.4)10μLを添加して、37℃で2時間培養した後、マイクロプレートリーダーMode1680(Bio−Rad製)を用いて、測定波長415nm及び対照波長660nmでの吸光度を測定した。細胞生存率は、以下の式により算出した。
細胞生存率(%)={(S−A)/(B−A)}×100
S:細胞及び実施例1又は8の化合物を添加したウェルの吸光度
A:培地及び実施例1又は8の化合物を添加したウェルの吸光度(ブランク)
B:細胞及びDMSOを添加したウェルの吸光度(対照)
なお、A549細胞をシスプラチンで24時間処理した後の細胞生存率についても測定した。結果を図3に示す。
A549細胞に対して、3継代ごとに、0.5μM、1μM、2μM、及び5μMと段階的に濃度を上昇させたシスプラチン(和光純薬株式会社製)を約2ヶ月間投与することによって、5μM シスプラチンに対して抵抗性を獲得したA549/CDDP細胞を樹立した。
増殖培地に懸濁したA549/CDDP細胞を、96ウェルプレート中に細胞数が5×104個/200μLとなるように播種し、CO2インキュベーター内で一晩培養した。培地を血清不含培地に交換し、実施例1又は8の化合物(10μM、20μM、40μM;DMSO溶液)又は陰性対照としてDMSOを0.5μL添加して2時間培養し、さらにシスプラチン(40μM;DMSO溶液)を0.5μL添加して、24時間培養した。また、後述の細胞生存率算出のため、細胞懸濁液の代わりに培地のみを添加し、実施例1又は8の化合物、及びシスプラチンを添加したもの(ブランク)を調製した。
次に、上記培養物に、5mM WST−1及び0.2mM 1−メチル−5−メチルフェナジニウム メチルサルフェートを含む、20mM HEPES−NaOH(pH7.4)10μLを添加して、37℃で2時間培養した後、マイクロプレートリーダーMode1680(Bio−Rad製)を用いて、測定波長415nm及び対照波長660nmでの吸光度を測定した。細胞生存率は、以下の式により算出した。
細胞生存率(%)={(S−A)/(B−A)}×100
S:細胞及び実施例1又は8の化合物を添加したウェルの吸光度
A:培地及び実施例1又は8の化合物を添加したウェルの吸光度(ブランク)
B:細胞及びDMSOを添加したウェルの吸光度(対照)
なお、A549細胞をシスプラチンで24時間処理した後の細胞生存率についても測定した。結果を図3に示す。
A549細胞では、24時間のシスプラチン処理により生存率が約35%に低下した一方、A549/CDDP細胞では生存率がほとんど低下しなかった。また、化合物添加群では、用量依存的に細胞生存率の低下がみられ、本発明化合物はシスプラチン抵抗性癌細胞においてシスプラチンの感受性を回復させることが確認された。
試験例5:シスプラチン抵抗性癌細胞に対する増殖抑制試験
A549/CDDP細胞に実施例1又は8の化合物(10μM、20μM;DMSO溶液)又は対照としてDMSOを0.5μL添加し、シスプラチン(0.5μM)を含む培地で96時間培養した後の細胞数をMTTアッセイにより測定した。なお、A549細胞及びA549/CDDP細胞を上記シスプラチン含有培地で48時間、及び96時間培養した後の細胞数についても測定した。結果を図4に示す。
A549/CDDP細胞に実施例1又は8の化合物(10μM、20μM;DMSO溶液)又は対照としてDMSOを0.5μL添加し、シスプラチン(0.5μM)を含む培地で96時間培養した後の細胞数をMTTアッセイにより測定した。なお、A549細胞及びA549/CDDP細胞を上記シスプラチン含有培地で48時間、及び96時間培養した後の細胞数についても測定した。結果を図4に示す。
A549細胞はシスプラチン含有培地でほとんど増殖しなかったのに対し、A549/CDDP細胞は急激な増殖を示した。また、化合物添加群では、用量依存的にA549/CDDP細胞数の低下がみられ、本発明化合物はシスプラチン抵抗性癌細胞に対しても増殖抑制効果を示すことが確認された。
試験例6:シスプラチン抵抗性癌細胞に対する浸潤及び転移の抑制試験
ボイデンチャンバー(NeuroProbe社製)にポリカーボネート膜又はI型コラーゲンでコートしたポリカーボネート膜を装着し、それぞれの膜上にA549/CDDP細胞を播種した。実施例1又は8の化合物(10μM、20μM;DMSO溶液)の存在又は非存在時において48時間培養した後に膜を通過した細胞数を計測した。細胞数の計測は、ギムザ染色後に顕微鏡を用いて視覚的に行い、化合物非存在時の細胞数を100%とすることで評価した。なお、浸潤能はI型コラーゲンでコートしたポリカーボネート膜を、転移能はポリカーボネート膜を用いて、それぞれ評価した。結果を図5に示す。
ボイデンチャンバー(NeuroProbe社製)にポリカーボネート膜又はI型コラーゲンでコートしたポリカーボネート膜を装着し、それぞれの膜上にA549/CDDP細胞を播種した。実施例1又は8の化合物(10μM、20μM;DMSO溶液)の存在又は非存在時において48時間培養した後に膜を通過した細胞数を計測した。細胞数の計測は、ギムザ染色後に顕微鏡を用いて視覚的に行い、化合物非存在時の細胞数を100%とすることで評価した。なお、浸潤能はI型コラーゲンでコートしたポリカーボネート膜を、転移能はポリカーボネート膜を用いて、それぞれ評価した。結果を図5に示す。
いずれの化合物においても、シスプラチン抵抗性癌細胞に対する浸潤能及び転移能の抑制効果が確認された。
試験例7:マウス肺転移モデルにおける癌細胞増殖抑制試験
A549−Luc細胞は、ヒト肺がん細胞株A549細胞に、ホタルルシフェラーゼ遺伝子とハイグロマイシン耐性遺伝子を発現するベクターをリポフェクション法により導入し、ハイグロマイシンによる薬剤選択後に限界希釈法を経て樹立した。
上記樹立したA549−Luc細胞(濃度:5,000,000/mL)に実施例1又は8の化合物のDMSO溶液(20mM;10μL)を培地(10mL)に添加し、24時間培養した。次いで、得られたA549−Luc細胞、又は対照として化合物処理を行わずに溶媒(DMSO;10μL)を培地(10mL)に添加して培養したA549−Luc細胞(濃度:5,000,000/mL)をBALB/cヌードマウス(n=5)の尾静脈に100μL注入し、4日後にマウスの肺におけるルシフェラーゼ蛍光を測定した。結果を図6に示す。
A549−Luc細胞は、ヒト肺がん細胞株A549細胞に、ホタルルシフェラーゼ遺伝子とハイグロマイシン耐性遺伝子を発現するベクターをリポフェクション法により導入し、ハイグロマイシンによる薬剤選択後に限界希釈法を経て樹立した。
上記樹立したA549−Luc細胞(濃度:5,000,000/mL)に実施例1又は8の化合物のDMSO溶液(20mM;10μL)を培地(10mL)に添加し、24時間培養した。次いで、得られたA549−Luc細胞、又は対照として化合物処理を行わずに溶媒(DMSO;10μL)を培地(10mL)に添加して培養したA549−Luc細胞(濃度:5,000,000/mL)をBALB/cヌードマウス(n=5)の尾静脈に100μL注入し、4日後にマウスの肺におけるルシフェラーゼ蛍光を測定した。結果を図6に示す。
化合物での処理を行わなかったA549−Luc細胞の投与群と比較して、化合物での処理を行ったA549−Luc細胞の投与群で明確な肺転移形成の抑制が確認された。以上より、本発明化合物による癌細胞増殖抑制効果がin vivoでも確認された。
Claims (10)
- R1が水素原子であり、Arが置換されていてもよいフェニル基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
- 前記フェニル基の置換基が、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基である、請求項2に記載の化合物又はその塩。
- R1aが水素原子である、請求項4に記載の化合物又はその塩。
- Xaが1,3−プロピレン基である、請求項4又は5に記載の化合物又はその塩。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を含有するアルドケト還元酵素阻害剤。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を含有する抗癌剤。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を含有する医薬組成物。
- 白金製剤と組み合わせてなる、請求項9に記載の医薬組成物。
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JP2016159316A JP2018027897A (ja) | 2016-08-15 | 2016-08-15 | 2−オキソ−2h−クロメン−3−カルボン酸アミド誘導体 |
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CN112538079A (zh) * | 2020-11-10 | 2021-03-23 | 中国药科大学 | 一种香豆素类衍生物及其合成方法与应用 |
-
2016
- 2016-08-15 JP JP2016159316A patent/JP2018027897A/ja active Pending
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