JP2018027841A - 残糸除去装置及び繊維機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】給糸ボビンに残された糸を除去する残糸除去装置において、糸の解舒抵抗が高い部分があっても残糸の除去を円滑に行うことができる構成を提供する。
【解決手段】この残糸除去装置は、ブラケット61と、ローラ70と、を備える。ブラケット61は、給糸ボビンに巻き付けられた糸16を吸引可能な吸引口62hが形成される。ローラ70は、回転可能に支持され、吸引口62hに吸引される前の糸16を巻き掛けることが可能である。
【選択図】図8
【解決手段】この残糸除去装置は、ブラケット61と、ローラ70と、を備える。ブラケット61は、給糸ボビンに巻き付けられた糸16を吸引可能な吸引口62hが形成される。ローラ70は、回転可能に支持され、吸引口62hに吸引される前の糸16を巻き掛けることが可能である。
【選択図】図8
Description
本発明は、主として、給糸ボビンに残された糸(残糸)を除去できる残糸除去装置に関する。
従来から、残糸を自動的に効率良く除去できる残糸除去装置が知られている。特許文献1は、この種の残糸除去装置を開示する。この特許文献1の残糸除去装置は、残糸の口糸を検索し吸引する口出し装置に対向するステージ及び、残糸が完全に除去されたボビンを排出するステージのみを、ボビンの軸方向が垂直となるように構成するとともに、上記のステージ以外のステージにおいては、ボビンの軸方向の延長線上に糸条吸引装置の開口部とが合致するように傾倒するように構成されている。特許文献1は、この構成により、残糸の除去速度を非常に高速化し処理能力を増大させることが可能であるとともに、口糸引出し装置からの糸渡し方法も極めて簡易な方法とすることができるとする。
ところで、給糸ボビンから糸を解舒する場合の抵抗は一定ではなく、例えば、糸に生じた毛羽が絡み合っている部分(以下、「毛羽絡み」と呼ぶことがある。)等では、解舒抵抗が局所的に高くなる。しかし、上記特許文献1の構成では、糸を吸引ファンで吸引することのみによって糸の解舒を行うため、給糸ボビンに巻き付けられている糸を強力に解舒することはできない。従って、上記特許文献1の構成では、残糸を解舒しようとした場合、解舒抵抗が高い部分で残糸の解舒が途中で止まってしまい、除去効率を低下させるおそれがあった。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、給糸ボビンに残された糸を除去する残糸除去装置において、糸の解舒抵抗が高い部分があっても残糸の除去を円滑に行うことができる構成を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の残糸除去装置が提供される。即ち、この残糸除去装置は、吸引口部材と、回転部材と、を備える。前記吸引口部材には、給糸ボビンに巻き付けられた糸を吸引可能な吸引口が形成される。前記回転部材は、回転可能に支持され、前記吸引口に吸引される前の前記糸を巻き掛けることが可能である。
これにより、糸が巻き掛けられた状態で回転部材が回転することで、給糸ボビンに巻き付けられた糸を引っ張って解舒することができる。従って、糸に解舒抵抗が高い部分があっても、糸の吸引による除去が妨げられにくくなるので、残糸の除去を円滑に行うことができる。
前記の残糸除去装置においては、前記回転部材は、当該回転部材に巻き掛けられた前記糸の移動により従動回転することが好ましい。
これにより、回転部材がいったん回転を開始した後は、糸に解舒抵抗が高い部分があっても、慣性回転によって糸を引っ張って解舒することができる。従って、特別な駆動源を必要としない簡素な構成で、残糸の除去を円滑に行うことができる。
前記の残糸除去装置においては、前記回転部材に駆動力を伝達する駆動力伝達部材を備えるように構成することができる。
これにより、回転部材を積極的に駆動することによって、糸を引っ張って解舒することができる。従って、残糸の除去を確実に行うことができる。また、残糸除去装置を使用し始める場合に、停止している回転部材を素早く回転させ始めることができるので、利便性が向上する。
前記の残糸除去装置においては、前記駆動力伝達部材は、前記回転部材の専用の駆動源による駆動力、共用の駆動源による駆動力、及び、空気流を受けて得た駆動力のうち少なくとも何れかを前記回転部材に伝達することが好ましい。
これにより、駆動力伝達部材により駆動力を回転部材に適切に伝達して駆動することができる。
前記の残糸除去装置においては、前記糸に刺激を与えることが可能な刺激部材を備えることが好ましい。
これにより、給糸ボビンから糸が解舒される部分で解舒抵抗が高いために引っ掛かりが生じ、糸の吸引による除去が妨げられた場合でも、刺激部材によって糸に刺激を与えることで、糸の引っ掛かりを解消させることができる。その結果、残糸の除去を更に円滑に行うことができる。
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の残糸除去装置が提供される。即ち、この残糸除去装置は、吸引口部材と、刺激部材と、を備える。前記吸引口部材は、給糸ボビンに巻き付けられた糸を吸引可能な吸引口が形成される。前記刺激部材は、前記糸に刺激を与えることが可能である。
これにより、給糸ボビンから糸が解舒される部分で解舒抵抗が高いために引っ掛かりが生じ、糸の吸引による除去が妨げられた場合でも、刺激部材によって糸に刺激を与えることで、糸の引っ掛かりを解消させることができる。その結果、残糸の除去を円滑に行うことができる。
前記の残糸除去装置においては、前記刺激部材は、前記糸に直接接触することで糸を刺激することが好ましい。
これにより、簡易な構成で、糸の引っ掛かりを確実に解消させることができる。
前記の残糸除去装置においては、前記刺激部材は、前記糸に空気を吹き付けることで当該糸を刺激することが好ましい。
これにより、簡易な構成で、糸の引っ掛かりを解消させることができる。また、非接触で糸を刺激することができるので、糸が絡まりにくい構成を実現できる。
前記の残糸除去装置においては、前記刺激部材は、前記吸引口に生じる吸引流の強さを変化させることで、当該吸引口に吸引される前記糸を刺激することが好ましい。
これにより、簡易な構成で、糸に刺激を与えることができる。
前記の残糸除去装置においては、前記刺激部材は、前記給糸ボビンの位置を変化させることで前記糸を刺激することが好ましい。
これにより、簡易な構成で、糸に刺激を与えることができる。また、給糸ボビンを移動させることで糸を刺激するので、糸が絡まりにくい構成を実現できる。
本発明の第3の観点によれば、前記の残糸除去装置を備える繊維機械が提供される。
これにより、残糸の除去を効率良く行うことができる繊維機械を提供することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る残糸除去装置6を備える自動ワインダ1について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る残糸除去装置6を備えた自動ワインダ1の概略的な構成を示す正面図である。
図1に示すように、繊維機械としての自動ワインダ1は、並べて配置された複数の巻取ユニット2と、機台制御装置3と、給糸ボビン供給装置13と、玉揚台車4と、残糸除去装置6と、を主に備えている。
機台制御装置3が備える図略の機台制御部は、各巻取ユニット2が備える図略のユニット制御部と通信可能に構成されている。自動ワインダ1のオペレータは、機台制御装置3を適宜操作することにより、複数の巻取ユニット2を一括して管理することができる。
それぞれの巻取ユニット2は、給糸ボビン15から糸16を解舒し、解舒された糸16を綾振りしながら巻取ボビンに巻き取るように構成されている。なお、以下では、糸16が巻き取られた状態の巻取ボビンをパッケージ18と呼ぶことがある。
給糸ボビン供給装置13と各巻取ユニット2との間には、ベルトコンベア等によって構成された給糸ボビン搬送機構(図略)が配設されている。この給糸ボビン搬送機構は、給糸ボビン15を載せた搬送トレイ19を各巻取ユニット2まで搬送する。搬送トレイ19は、給糸ボビン15を略直立状態で載せることができるように構成されている。給糸ボビン供給装置13は、給糸ボビン15を1本ずつ搬送トレイ19の上に載置したうえで、前記給糸ボビン搬送機構に送り出すことができる。この構成で、給糸ボビン15を各巻取ユニット2まで供給することができる。
玉揚台車4は、各巻取ユニット2においてパッケージ18が満巻となった際に、当該巻取ユニット2の位置まで移動し、前記満巻パッケージを取り外すとともに、空の巻取ボビンをセットするように構成されている。
残糸除去装置6は、巻取ユニット2において糸16が巻き取られた後の給糸ボビン15に再巻取りができない量の糸16が残された場合に、当該給糸ボビン15から糸16を解舒して除去できるように構成されている。以下の説明では、給糸ボビン15に残された糸16を「残糸」と呼ぶ場合がある。
この残糸除去装置6は、吸引部60と、ボビンセット部65と、を備える。吸引部60とボビンセット部65とは、上下方向でほぼ対応する位置に配置されている。
次に、図2を参照しながら、残糸除去装置6が備えるボビンセット部65について説明する。図2は、残糸16rを除去するために給糸ボビン15をボビンセット部65にセットする様子を示す斜視図である。
ボビンセット部65は、図2に示すように、ベース部66と、1対の支持部67と、を備えている。
ベース部66は、平板状に構成されている。このベース部66は、自動ワインダ1が備える適宜の構造物に例えばボルト等の固定部材で取り付けられている。
支持部67は、ベース部66の両端からベース部66に対して略垂直の方向に延びるように細長く形成されている。それぞれの支持部67は上方に突出しており、円筒状に形成された給糸ボビン15の内部に挿入できる太さを有している。これにより、残糸16rの有る給糸ボビン15を支持部67にセットすることができる。
次に、図3を参照しながら、残糸除去装置6が備える吸引部60について説明する。図3は、吸引部60の全体的な構成を示す斜視図である。
図3に示すように、吸引部60は、ブラケット(吸引口部材)61と、ローラ(回転部材)70と、外れ防止部材80と、ローラ支持板81と、1対のローラカバー82と、吸引管90と、を備える。
ブラケット61は、吸引管取付部62と、糸案内部63と、吊下げ固定部64と、を備える。このブラケット61は、ボビンセット部65のほぼ直上方の位置に配置されている。
吸引管取付部62は、上下方向に細長い平板状に形成されている。吸引管取付部62には、吸引管90を接続するための接続筒62cが形成されている。吸引管取付部62には円形の吸引口62hが形成されており、この吸引口62hは接続筒62cの内部空間(言い換えれば、吸引管90)と繋がっている。吸引口62hは、吸引管取付部62の幅方向中央に配置されるとともに、機台正面側に向けられている。
糸案内部63は、吸引管取付部62の下端から垂直に折れ曲がるように(機台正面側に突出するように)平板状に形成されている。糸案内部63は水平に配置され、その上面にはローラ支持板81が固定されている。ローラ支持板81は、糸案内部63に固定される固定部と、この固定部の一端から上方に折れ曲がるように形成された上方突出部と、を有している。
ローラ支持板81は、後述のローラ70に対して、その回転軸73vの一側に配置されている。ローラ支持板81の上方突出部は、吸引管取付部62に対しても糸案内部63に対しても垂直になるように配置されている。ローラ支持板81が有する上方突出部には、糸16を巻き掛けることが可能なローラ70が、水平に配置された回転軸73vを中心に回転可能に片持ち支持されている。ローラ70の回転軸73v(ローラ軸部材73)は、吸引口62hの向きと垂直となるように向けられている。
糸案内部63には、一側が開放された糸入れ溝63gが形成されている。糸は、この糸入れ溝63gを上下方向に通過することができる。糸入れ溝63gは、ローラ70を片持ち支持するローラ軸部材73の自由端側と同じ側の糸案内部63の端部に開放端を形成するように構成されている。糸入れ溝63gには、開放端からローラ70に近づくに従って溝幅を徐々に狭めるテーパ部63tが形成されている。糸入れ溝63gは、前記開放端からローラ70のすぐ下の位置まで延びた後、垂直に折れ曲がって機台正面側へ少し延びて閉鎖端を形成している。
糸案内部63の下側には、外れ防止部材80が取り付けられている。この外れ防止部材80は突起80aを有しており、この突起80aが、前記糸入れ溝63gにおける閉鎖端に近い部分を遮るように配置されている。ただし、糸案内部63の下面と外れ防止部材80(突起80a)との間には、上下方向に少量の隙間が形成されており、糸16はこの隙間を通過することができる。
外れ防止部材80が有する突起80aには、糸入れ溝63gの長手方向からやや傾斜した傾斜面80bと、糸入れ溝63gの長手方向とほぼ垂直な規制面80cと、が形成されている。規制面80cは、傾斜面80bよりも糸入れ溝63gの終端側に近い位置に配置されている。この構成で、オペレータが糸入れ溝63gの開放端側から閉鎖端側へ糸16を入れていくと、糸16は、突起80aに形成されている緩やかな傾斜面80bに当たって少しずつ撓むことで、当該突起80aを容易に乗り越えて、糸入れ溝63gの閉鎖端に移動することができる。一方、糸入れ溝63gの閉鎖端に位置している糸16の開放端側への移動は、糸入れ溝63gとほぼ垂直に向いている規制面80cに糸16が当たるために阻止される。この結果、糸入れ溝63gに入った糸16が当該糸入れ溝63gから容易に抜けないようにすることができる。
吊下げ固定部64は、吸引管取付部62の上端に接続するように設けられている。この吊下げ固定部64が、自動ワインダ1が備える適宜の構造物に例えばボルト等の固定部材で取り付けられることにより、ブラケット61を吊下げ状に支持することができる。
ローラ70は、前記ローラ支持板81の上方突出部に対し、ローラ軸部材73を介して片持ち支持されている。ローラ70は、その上端が吸引口62hとほぼ同じ高さとなり、下端が糸案内部63との間に少量の隙間を形成する高さとなるように配置されている。また、前記吸引口62hの向きは、ローラ70の上端部における接線と平行となるように配置されている。このローラ70の外周には、糸16を入れることが可能な外周溝72が形成されている。
ローラカバー82は、1対で配置され、何れもローラ支持板81の上方突出部に取り付けられている。それぞれのローラカバー82は、略矩形の平板状に形成されている。1対のローラカバー82の間には図示しないスペーサが配置されており、これにより、ローラカバー82の間に、糸16が通過可能な隙間(ローラ70の回転軸73v方向の隙間)が形成されている。
1対のローラカバー82のそれぞれには、ローラ70を収容可能な貫通状の円形孔82hが形成されている。一側のローラカバー82の円形孔82hには、ローラ70の軸方向一端部が挿入され、他側のローラカバー82の円形孔82hには、ローラ70の軸方向他端部が挿入されている。これにより、ローラカバー82の間に形成される前記隙間の内部に、ローラ70の外周溝72が配置される。
1対のローラカバー82のそれぞれにおいて、上側及び機台正面側に位置する端部は斜めに折り曲げられて、テーパガイド82tが形成されている。このテーパガイド82tは、ローラ70から離れるにつれて相手側のテーパガイド82tとの距離を徐々に大きくするように構成されている。これにより、1対のローラカバー82の間に糸16を入れることが容易になる。
1対のローラカバー82のうち、糸入れ溝63gの開放端側に位置するローラカバー82は、その下端が糸案内部63との間に上下方向の隙間82gを有するように配置されている。この隙間82gは、糸案内部63に形成された糸入れ溝63gと接続するとともに、機台正面側を開放させるように配置されている。
吸引管90は細長い配管として構成されており、上述したように、その一端が、吸引管取付部62に形成された接続筒62cに接続されている。吸引管90の接続筒62cとは反対側の端部は、図略の吸引流発生装置(例えば、負圧源としてのブロア)に接続されている。また、吸引管90と前記吸引流発生装置との間には、吸引口62hから吸引した糸屑を回収するための図示しない糸屑回収部(例えば、回収ボックス)が配置されている。
次に図4から図8までを参照しながら、残糸除去装置6による残糸16rの除去について説明する。図4は、ボビンセット部65にセットされた給糸ボビン15から糸16の端部を引き出す様子を示す斜視図である。図5は、給糸ボビン15から引き出した糸16をブラケット61の糸入れ溝63gに入れる様子を示した斜視図である。図6は、糸16をローラカバー82の間に入れる様子を示した斜視図である。図7は、糸16をローラ70に巻き掛ける様子を示した斜視図である。図8は、糸16が吸引口62hに吸い込まれ、ローラ70が従動回転する様子を示した斜視図である。
小量の糸16が巻かれた給糸ボビン15から残糸16rを除去したいと望むオペレータは、初めに、図2に示すように、当該給糸ボビン15を残糸除去装置6のボビンセット部65にセットする。なお、本実施形態においてボビンセット部65は支持部67を2つ有しており、2つの給糸ボビン15の残糸16rを同時に除去することができるが、今回は1つの給糸ボビン15から残糸16rを除去する場合で説明する。
次に、オペレータは図4に示すように、給糸ボビン15に巻き付けられている残糸16rから、糸16の端部を指で持って上方へ引き出す。
オペレータは、引き出した糸16を、図5に示すように、糸案内部63に形成された糸入れ溝63gに開放端から入れ、機台正面側に引き出す。この結果、糸16は、外れ防止部材80が有する突起80aを乗り越えて、糸入れ溝63gの閉鎖端に入る。更に、オペレータは図6に示すように、糸入れ溝63gの閉鎖端を通って機台正面側に引き出された糸16を、隙間82gを通過させるようにして、1対のローラカバー82の間に移動させる。これにより、糸16をローラ70に巻き掛けることができる状態になる。
その後、オペレータは図7に示すように、糸16を機台正面側及び上側からローラ70の外周溝72に半周程度巻き掛けた後、糸16を吸引口62hに吸い込ませる。
これにより、図8に示すように、吸引口62hで発生している吸引流によって糸16が吸引管90の内部に吸引されるので、給糸ボビン15の残糸16rが連続して解舒されていく。また、糸16がローラ70に巻き掛けられた状態で吸引口62hに向かって走行するのに伴って、停止していたローラ70は従動回転を開始する。
ところで、上述したとおり、給糸ボビン15の残糸16rには解舒抵抗が高い部分が存在し、糸16の解舒が円滑に行われないことがある。しかしながら、いったんローラ70が従動回転を開始した後は、慣性力によって、少なくとも暫くの間は回転が持続する。従って、糸16の解舒抵抗が高いために糸16が引っ掛かろうとしても、回転するローラ70が糸16を引っ張ることで糸16を確実に解舒することができ、糸16の吸引口62hへの吸引(残糸16rの除去)を安定して持続させることができる。給糸ボビン15から残糸16rが無くなると、オペレータは、空の給糸ボビン15をボビンセット部65から取り外す。
次に、ローラ70に形成されている櫛歯について、図9を参照して説明する。図9は、ローラ70の詳細な構成を示す斜視図である。
図9に示すように、本実施形態のローラ70は、径方向に細長い櫛歯を複数有するローラとして構成されている。詳細に説明すると、ローラ70においては、径方向外側に近づくにつれて軸方向一側となるように傾斜した櫛歯75aと、径方向外側に近づくにつれて軸方向他側となるように傾斜した櫛歯75bと、が周方向で交互に並べて配置されており、これによって上記の外周溝72が実質的に構成されている。これにより、図9に示すように糸16はローラ70の外周溝72においてジグザグ状に巻き掛けられることになるので、糸16とローラ70との間で滑りが生じにくくなる。この結果、吸引されて走行する糸16によってローラ70を確実に従動回転させることができ、また、回転する当該ローラ70が上流側の糸16を確実に引っ張って給糸ボビン15から解舒することができる。
なお、例えばローラ支持板81に図略の電動モータを設置して、当該電動モータの出力軸にローラ軸部材(駆動力伝達部材)73を連結する構成とすることもできる。この電動モータはローラ70専用の駆動源とすることもできるし、他の装置と共用される駆動源とすることもできる。この構成によれば、糸16をローラ70に巻き掛ける前の段階で例えば電動モータのスイッチをONすることによりローラ70を回転させ始めることができるので、残糸除去装置6を素早く使い始めることができ、利便性が向上する。
ただし、ローラ70の駆動源としては他にも考えられる。例えば、自動ワインダ1の適宜の部分で生成される空気流(圧縮空気流又は吸引流を含み、特に、吸引口62hの近傍に発生する吸引流を含む。)によって回転する図略の羽根車を設け、この羽根車に発生した駆動力を伝達歯車、ベルト、及び伝達軸等(駆動力伝達部材)によってローラ70に伝達して、ローラ70を回転させても良い。一方で、図3のようにローラ70は糸16の走行に伴って従動回転するだけとすれば、構成を簡素化できる点で有利である。
以上に説明したように、本実施形態の残糸除去装置6は、ブラケット61と、ローラ70と、を備える。ブラケット61には、給糸ボビン15に巻き付けられた糸16を吸引可能な吸引口62hが形成される。ローラ70は、回転可能に支持され、吸引口62hに吸引される前の糸16を巻き掛けることが可能である。
これにより、糸16が巻き掛けられた状態でローラ70が回転することで、給糸ボビン15に巻き付けられた糸16を引っ張って解舒することができる。従って、糸16に解舒抵抗が高い部分があっても、糸16の吸引による除去が妨げられにくくなるので、残糸16rの除去を円滑に行うことができる。
また、本実施形態の残糸除去装置6においては、ローラ70は、当該ローラ70に巻き掛けられた糸16が移動することにより従動回転する。
これにより、ローラ70がいったん回転を開始した後は、糸16に解舒抵抗が高い部分があっても、慣性回転によって糸16を引っ張って解舒することができる。従って、特別な駆動源を必要としない簡素な構成で、残糸16rの除去を円滑に行うことができる。
一方で、上記の残糸除去装置6において、ローラ軸部材73(又は歯車等)が、図示しない電動モータの駆動力をローラ70に伝達する構成とすることもできる。
この場合、ローラ70を積極的に駆動することによって、糸16を引っ張って解舒することができる。従って、残糸16rの除去を確実に行うことができる。また、残糸除去装置6を使用し始める場合に、停止しているローラ70を素早く回転させ始めることができるので、利便性が向上する。
また、上記の残糸除去装置6において、ローラ70の専用の駆動源による駆動力、共用の駆動源による駆動力、及び、空気流を変換した駆動力のうち少なくとも何れかを、軸部材や歯車等を介してローラ70に伝達する構成とすることもできる。
この場合、駆動力をローラ70に適切に伝達して駆動することができる。
次に、ローラ70で引っ張られる糸16に対して刺激を与えるための構成について、図10を参照して説明する。図10は、糸押しレバー91により糸16を刺激する様子を示した斜視図である。
図10に示すように、本実施形態の残糸除去装置6には、糸押しレバー(刺激部材)91が備えられている。この糸押しレバー91はL字状に折り曲げられた棒状の部材であり、図示しない電動モータ等(アクチュエータ)の駆動力によって回転することで、給糸ボビン15から解舒される糸16に適宜のタイミングで接触して刺激を与えることができる。この結果、給糸ボビン15からの糸16の解舒を補助することができる。糸押しレバー91は、ローラ70とボビンセット部65との間の任意の場所に配置することができるが、残糸16rから解舒された直後の糸16に接触するように配置すると、糸16の解舒部分での引っ掛かりを効果的に解消することができる。
以上に示すように、本実施形態の残糸除去装置6は、糸16に刺激を与えることが可能な糸押しレバー91を備える。
これにより、給糸ボビン15から糸16が解舒される部分で解舒抵抗が高いために引っ掛かりが生じ、糸16の吸引による除去が妨げられた場合でも、糸押しレバー91によって糸16に刺激を与えることで、糸16の引っ掛かりを解消させることができる。その結果、残糸16rの除去を更に円滑に行うことができる。
また、本実施形態の残糸除去装置6においては、糸押しレバー91は、糸16に直接接触することで糸16を刺激する。
これにより、簡易な構成で、糸16の引っ掛かりを確実に解消させることができる。
ただし、刺激部材として、上記の糸押しレバー91の代わりに、図11に示すような空気ノズル92が備えられても良い。図11は、空気ノズル92から空気を噴射して糸16を刺激する様子を示した斜視図である。
図11に示す空気ノズル92は、図示しない空気流発生源(例えば、コンプレッサ)に接続されており、その先端から空気を噴射することができる。これにより、空気ノズル92が糸16に適宜のタイミングで空気を吹き付けることで、糸16に刺激を与えることができる。この結果、給糸ボビン15からの糸16の解舒を補助することができる。
以上に示すように、図11の構成の残糸除去装置において、空気ノズル92は、糸16に空気を吹き付けることで当該糸16を刺激する。
これにより、簡易な構成で、糸16の引っ掛かりを解消させることができる。また、非接触で糸16を刺激することができるので、糸16が絡まりにくい構成を実現できる。
刺激部材として、上記の糸押しレバー91の代わりに、図12に示すようなボビン振動具93が備えられても良い。図12は、給糸ボビン15に振動を与えて糸16を刺激する様子を示した斜視図である。
図12に示すボビン振動具93は、ボビンセット部65の支持部67にセットされた給糸ボビン15に接触可能に構成されており、図示しない流体シリンダ(アクチュエータ)の駆動力で進退移動することで、給糸ボビン15を押して振動を与えることができる。この結果、給糸ボビン15からの糸16の解舒を補助することができる。なお、ボビン振動具93で給糸ボビン15を直接押す代わりに、ボビンセット部65を例えば電動モータで振動させることで給糸ボビン15を振動させても良い。
以上に示すように、図12の構成の残糸除去装置においては、ボビン振動具93は、給糸ボビン15の位置を変化させることで糸16を刺激する。
これにより、簡易な構成で、糸16の引っ掛かりを解消させることができる。また、給糸ボビン15を移動させることで糸16に刺激を与えるので、糸16が絡まりにくい構成を実現できる。
更に、吸引口62hからの吸引流の強さを変化させることで糸16に刺激を与えることもできる。図13は、閉鎖板94で吸引口62hを一部閉鎖することにより糸16を刺激する様子を示した斜視図である。
図13に示す閉鎖板(刺激部材)94は、吸引口62hを一部閉鎖可能に構成されている。この閉鎖板94は円板状に形成されており、その端部近傍が軸部材95に固定されている。この軸部材95が図略の電動モータ(アクチュエータ)によって駆動されることにより、閉鎖板94を回転させて、吸引口62hの一部を閉鎖する状態と、完全に開放した状態と、を切り換えることができる。これにより、吸引口62hにおける吸引流の強さを変化させて糸16に刺激を与えることができるので、給糸ボビン15からの糸16の解舒を補助することができる。なお、閉鎖板94は、吸引口62hの部分に配置する代わりに、例えば吸引管90の中途部に配置しても良い。
以上に示すように、図13の構成の残糸除去装置においては、閉鎖板94は、吸引口62hに生じる吸引流の強さを変化させることで、当該吸引口62hに吸引される糸16を刺激する。
これにより、簡易な構成で糸16に刺激を与えることができる。
次に、第2実施形態を説明する。図14は、第2実施形態に係る残糸除去装置が備える吸引部60xの全体的な構成を示す斜視図である。なお、本実施形態の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
図14に示すように、残糸除去装置が備える吸引部60xは、ブラケット61と、吸引管90とを、備えている。ただし、この吸引部60xにおいては、図3に示すローラ70及び糸案内部63が省略されている。
この吸引部60xは、図10に示す糸押しレバー91、図11に示す空気ノズル92、図12に示すボビン振動具93等と組み合わせて用いることができる。また、当該吸引部60xが有する吸引口62hに、図14に示すような閉鎖板94を設けることもできる。これにより、糸16に適切に刺激を与えることができるので、残糸16rの除去を円滑に行うことができる。
以上に説明したように、本実施形態の残糸除去装置は、ブラケット61と、刺激部材(例えば図10の糸押しレバー91)と、を備える。ブラケット61には、給糸ボビン15に巻き付けられた糸16を吸引可能な吸引口62hが形成される。糸押しレバー91は、糸16に刺激を与えることが可能である。
これにより、給糸ボビン15から糸16が解舒される部分で解舒抵抗が高いために引っ掛かりが生じ、糸16の吸引による除去が妨げられた場合でも、糸押しレバー91等の刺激部材によって糸16に刺激を与えることで、糸16の引っ掛かりを解消させることができる。その結果、残糸16rの除去を円滑に行うことができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
吸引口62hの向き、ボビンセット部65の支持部67の向き、ローラ70が支持される向き等は、上記の実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
櫛歯付きのローラ70に代えて、外周に例えば単純なV字状の溝を形成したローラを用いることもできる。
上記の実施形態においては、ローラ70を覆うように1対のローラカバー82が備えられていたが、ローラカバー82を省略することもできる。
上記の実施形態においては、吸引口62hに発生する吸引流の強さを閉鎖板94の開閉状態によって変化させるとしたが、これに限らず、例えばブロアの回転羽根の速度を変更することで吸引流発生装置の吸引流の強さを変更可能に構成してもよい。
糸16に刺激を与える方法は上記に限らず、例えば吸引部60全体の位置を変化させたり、ローラ70の位置を変化させたり、吸引口62hの位置を変化させたりすることで糸16に刺激を与えることができる。
糸16に刺激を与える刺激部材は、上記のように電動モータ又はシリンダにより駆動する構成に代えて、例えばソレノイドで駆動するように変更することができる。
残糸除去装置6は、上記の実施形態のように自動ワインダ1に設けられるのに限定されず、他の繊維機械(例えば、紡績機等)に設けることもできる。
1 自動ワインダ(繊維機械)
6 残糸除去装置
15 給糸ボビン
16 糸
61 ブラケット(吸引口部材)
62h 吸引口
70 ローラ(回転部材)
73 ローラ軸部材(駆動力伝達部材)
91 糸押しレバー(刺激部材)
92 空気ノズル(刺激部材)
93 ボビン振動具(刺激部材)
94 閉鎖板(刺激部材)
6 残糸除去装置
15 給糸ボビン
16 糸
61 ブラケット(吸引口部材)
62h 吸引口
70 ローラ(回転部材)
73 ローラ軸部材(駆動力伝達部材)
91 糸押しレバー(刺激部材)
92 空気ノズル(刺激部材)
93 ボビン振動具(刺激部材)
94 閉鎖板(刺激部材)
Claims (11)
- 給糸ボビンに巻き付けられた糸を吸引可能な吸引口が形成された吸引口部材と、
回転可能に支持され、前記吸引口に吸引される前の前記糸を巻き掛けることが可能な回転部材と、
を備えることを特徴とする残糸除去装置。 - 請求項1に記載の残糸除去装置であって、
前記回転部材は、当該回転部材に巻き掛けられた前記糸の移動により従動回転することを特徴とする残糸除去装置。 - 請求項1に記載の残糸除去装置であって、
前記回転部材に駆動力を伝達する駆動力伝達部材を備えることを特徴とする残糸除去装置。 - 請求項3に記載の残糸除去装置であって、
前記駆動力伝達部材は、前記回転部材の専用の駆動源による駆動力、共用の駆動源による駆動力、及び、空気流を受けて得た駆動力のうち少なくとも何れかを前記回転部材に伝達することを特徴とする残糸除去装置。 - 請求項1から4までの何れか一項に記載の残糸除去装置であって、
前記糸に刺激を与えることが可能な刺激部材を備えることを特徴とする残糸除去装置。 - 給糸ボビンに巻き付けられた糸を吸引可能な吸引口が形成された吸引口部材と、
前記糸に刺激を与えることが可能な刺激部材と、
を備えることを特徴とする残糸除去装置。 - 請求項5又は6に記載の残糸除去装置であって、
前記刺激部材は、前記糸に直接接触することで糸を刺激することを特徴とする残糸除去装置。 - 請求項5又は6に記載の残糸除去装置であって、
前記刺激部材は、前記糸に空気を吹き付けることで当該糸を刺激することを特徴とする残糸除去装置。 - 請求項5又は6に記載の残糸除去装置であって、
前記刺激部材は、前記吸引口に生じる吸引流の強さを変化させることで、当該吸引口に吸引される前記糸を刺激することを特徴とする残糸除去装置。 - 請求項5又は6に記載の残糸除去装置であって、
前記刺激部材は、前記給糸ボビンの位置を変化させることで前記糸を刺激することを特徴とする残糸除去装置。 - 請求項1から10までの何れか一項に記載の残糸除去装置を備えることを特徴とする繊維機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016160679A JP2018027841A (ja) | 2016-08-18 | 2016-08-18 | 残糸除去装置及び繊維機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016160679A JP2018027841A (ja) | 2016-08-18 | 2016-08-18 | 残糸除去装置及び繊維機械 |
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JP2018027841A true JP2018027841A (ja) | 2018-02-22 |
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ID=61249054
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016160679A Pending JP2018027841A (ja) | 2016-08-18 | 2016-08-18 | 残糸除去装置及び繊維機械 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2018027841A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109457359A (zh) * | 2018-10-22 | 2019-03-12 | 湖州南浔善琏墨艺工艺品有限公司 | 一种纱线吸绒装置 |
-
2016
- 2016-08-18 JP JP2016160679A patent/JP2018027841A/ja active Pending
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CN109457359A (zh) * | 2018-10-22 | 2019-03-12 | 湖州南浔善琏墨艺工艺品有限公司 | 一种纱线吸绒装置 |
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