JP2018027596A - スパナ - Google Patents
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Abstract
【課題】管継手のナット部を回転させるときに、ナット部を収容する開口周りの落下を防止できるようにすること。
【解決手段】管継手(50)は、雄ねじ部(51)と、ナット部(52)と、ナット部より小さい直径の筒部(53)とを備えている。スパナ(10)は、取り付け箇所に形成される雌ねじ(M)に雄ねじ部を螺合させるため、ナット部に係合させた状態で旋回することで雄ねじ部とナット部とを回転させる。スパナは、ナット部を収容する第1の開口(15)と、筒部を収容する第2の開口(16)とを備えている。スパナは、第1の開口と第2の開口との境の第2の開口側の合わせ面(12a)がナット部の上面(52a)に接触し、この接触によってスパナの開口周りの落下が防止される。
【選択図】図5
【解決手段】管継手(50)は、雄ねじ部(51)と、ナット部(52)と、ナット部より小さい直径の筒部(53)とを備えている。スパナ(10)は、取り付け箇所に形成される雌ねじ(M)に雄ねじ部を螺合させるため、ナット部に係合させた状態で旋回することで雄ねじ部とナット部とを回転させる。スパナは、ナット部を収容する第1の開口(15)と、筒部を収容する第2の開口(16)とを備えている。スパナは、第1の開口と第2の開口との境の第2の開口側の合わせ面(12a)がナット部の上面(52a)に接触し、この接触によってスパナの開口周りの落下が防止される。
【選択図】図5
Description
本発明は、管継手の雄ネジを雌ネジに螺合させるときに利用されるスパナに関する。
シリンダ等の各種機器に配管を接続するため、例えば、特許文献1に開示される管継手が利用されている。各種機器のポートには雌ねじが形成され、管継手は、その雌ねじに螺合される雄ねじ部と、雄ねじ部の一端側に配設されたナット部とを備えている。管継手を雌ねじに接続する場合、雌ねじに対して雄ねじ部を螺合するが、この螺合を操作するための工具としてスパナが利用されている。かかるスパナとしては、例えば、特許文献2に開示されたものが提案されている。
特許文献2のスパナは、通常のスパナにてナット部に係合する開口にストッパプレートを設けて構成されている。ストッパプレートは、パイプに嵌まるU字状の切り欠き部を有している。特許文献2のスパナは、開口内でナット部を係合させた状態で、ナット部の側面にストッパプレートを押し付けながらナット部を回して締め付け作業を行っている。
しかしながら、特許文献2にあっては、雄ねじ部やナット部の中心軸線を水平方向に向けた状態で締め付け作業を行っており、それ以外の向きでナット部を回す作業を行った際のスパナの具体的な取扱いについて明示がされていない。スパナによる管継手の接続にあっては、短時間で完了することが望まれている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、管継手のナット部を回転させるときにナット部を収容する開口周りの落下を防止することができるスパナを提供することを目的の1つとする。
本発明の一態様のスパナは、雄ねじ部とナット部とナット部より小さい直径の筒部と貫通路とを備えた管継手のナット部に係合させ雄ねじ部とナット部とを回転させ、取り付け箇所に形成される雌ねじに管継手の雄ねじ部を螺合させるスパナであって、ナット部を収容する第1の開口と、筒部を収容する第2の開口とを備え、第1の開口と第2の開口との境の第2の開口側の面がナット部の上面に接触し落下防止する、ことを特徴とする。
この構成によれば、ナット部の回転軸方向が上下方向に向けられていても、スパナにおける第2の開口側の面がナット部の上面に接触して落下が防止され、回転軸方向への移動を規制することができる。これにより、管継手を螺合させるとき、第1の開口をナット部に複数回差し直ししても、差し直しの際に第1の開口周りが落下せずにナット部に容易且つ確実に係合させることができ、管継手を螺合させる作業の短時間化を図ることができる。
本発明によれば、管継手のナット部を回転させるときに、ナット部を収容する開口周りの落下を防止することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。先ず、本実施の形態に係るスパナについて説明する前に、本実施の形態で用いられる管継手の説明をする。図1Aは、本実施の形態で用いられる管継手の側面図であり、図1Bは、その平面図である。
図1に示すように、管継手50は、図1中上下方向に延在する雄ねじ部51と、雄ねじ部51の一端側(上端側)に設けられたナット部52と、ナット部52の上面52a側から上方にL字状に突出する筒部53とを備えた形状に設けられている。管継手50の取り付け箇所には、雄ねじ部51に螺合する雌ねじ部Mが形成され、この螺合を行う際に後述する本実施の形態のスパナがナット部52に係合される。筒部53の直径d1は、ナット部52の二面幅Sより小さく形成されている。雄ねじ部51、ナット部52及び筒部53の内部には、水等の流体が通過するための貫通路54が形成されている。
続いて、本実施の形態におけるスパナについて、図2乃至図4を参照して説明する。図2は、本実施の形態のスパナの上面図であり、図3は、本実施の形態のスパナの下面図である。また、図4は、本実施の形態のスパナを斜め下方から見た斜視図である。図2乃至図4に示すように、スパナ10は、概略長方形の平面形状をなす板部材として、第1の板体11と第2の板体12とを重ね合わせて形成され、本実施の形態では第1の板体11が下側、第2の板体12が上側に位置するものとする。各板体11、12の材質は、特に限定されるものでないが、ステンレス、鉄、アルミニウム、真鍮等の金属製とする他、樹脂材料を用いてもよく、各板体11、12で同じ材質としても異なる材質としてもよい。各板体11、12は、本実施の形態では、面内の3箇所位置にて皿ネジ13を用いて接合され、それぞれの合わせ面11a、12a(図4参照)が面接触した状態となっている。皿ネジ13は、第2の板体12から第1の板体11側にねじ込まれ、皿ネジ13の頭部が第2の板体12の表面12bからはみ出さず、皿ネジ13の先端が第1の板体11の表面11bからはみ出ないように設けられる。
第1の板体11の長手方向両端側には、ナット部52を収容する第1の開口15が形成され、第2の板体12の長手方向両端側には、筒部53を収容する第2の開口16が形成されている。
第1の開口15の平面形状は、ナット部52の平面形状に近似する正六角形のうちの連続する4つの辺に沿うように形成されている。具体的には、第1の開口15は、ナット部52の二面幅S(図1B参照)に対応した離間幅(開口幅)として平行に延びる一対の平行面部15aと、平行面部15aの内方端側を接続するよう延在する屈曲面部15bとを備えた形状に設けられている。屈曲面部15bは、図3の下面視において、平行面部15aとの接続部分で約120°の角度をなし、且つ、延在方向中間部で内角が約120°の角度をなすよう屈曲して形成されている。従って、第1の開口15は、平行面部15a及び屈曲面部15bによって120°毎に向きが変わる4面が形成され、かかる4面がナット部52の側面となる4面に面接触するようになる。
第2の開口16は、筒部53の円筒状をなす部分に沿うように形成されている。具体的には、第2の開口16は、筒部53の直径d1(図1B参照)に対応した離間幅(開口幅)として平行に延びる一対の平行面部16aと、平行面部16aの内方端側を接続するよう延在する半円弧状部16bとを備えた形状に設けられている。半円弧状部16bの径寸法は、筒部53の直径d1と概略同一となり、半円弧状部16bが筒部53の外周面に面接触するようになる。
第1の開口15と第2の開口16とは、それらの内部空間が各板体11、12の厚さ方向(上下方向)に並ぶように設けられ、同方向から見たときに、第1の開口15の内側に第2の開口16が収まる大きさに形成されている。従って、第1の開口15の内側であって第2の開口16の外側に第2の板体12の合わせ面12aが露出するようになる。この露出した合わせ面12aは、第1の開口15と第2の開口16との境に位置し、且つ、第2の開口16を形成する平行面部16a及び半円弧状部16bの全ての領域に沿うように形成される。
ここで、第1の開口15及び第2の開口16は、図2及び図3にて左右両側にそれぞれ形成され、異なる寸法のナット部52及び筒部53に対応するため、異なる大きさに形成される。但し、左右両側の各開口15、16を同じ大きさに形成することを妨げるものでなく、また、左右に形成された各開口15、16の何れか一方を省略してもよい。
次いで、本実施の形態のスパナを用いた管継手の取り付け方法について、図5A及び図5Bを参照して説明する。図5Aは、スパナを用いた管継手の取り付け要領の説明用部分断面図であり、図5Bは、図5AのA−A線断面図である。
管継手50の取り付けにおいて、管継手50の取り付け箇所に形成される雌ねじMに管継手50を取り付ける場合、雌ねじMに雄ねじ部51を螺合させるべく、中心軸線が上下方向に向けられたナット部52を介して雄ねじ部51を回転させる。この回転をスパナ10によって操作するため、スパナ10の第2の板体12を上向き、第1の板体11を下向きとする。そして、図5Aの二点鎖線で示すように、第1の開口15及び第2の開口16内に筒部53を挿入し、筒部53の外周面に第2の開口16の半円弧状部16bを当接させる。この当接した状態を保ちつつ、スパナ10を下方に移動し、第1の開口15内にナット部52を挿入する。このとき、第1の開口15とナット部52とで向きが異なると、ナット部52の上面52aに対し第1の開口15の外側で第1の板体11の表面(下面)11bが接触して載置された状態となる。この状態で、筒部53の軸線周りにてスパナ10を旋回して第1の開口15の向きを調整し、第1の開口15の向きをナット部52の向きに一致させる。これにより、図5Aの実線で示すように第1の開口15内にナット部52が挿入される。
第1の開口15内にナット部52が挿入されるときに、その挿入方向となる下方向にスパナ10が自重或いは作業者の操作によって変位する。この下方への変位は、ナット部52の上面52aに第2の開口16の外側の合わせ面12aが接触することで規制される。言い換えると、第1の開口15内にナット部52が収容された状態において、スパナ10の第1の開口15周りが落下することが防止される。このとき、第2の開口16の外側の合わせ面12aがナット部52の上面52aに接触する領域は、図5Bに網点で表した領域となる。
図5Bに示すように、第1の開口15内にナット部52が挿入された状態では、ナット部52に形成される6面の側面のうちの4面が、第1の開口15を形成する傾向面部15a及び屈曲面部15bに対向若しくは面接触した状態で係合する。この係合した状態で、スパナ10を旋回操作することによりナット部52を回転して雌ねじMに雄ねじ部51を締め込むことができる。スパナ10の旋回操作中、合わせ面12aがナット部52の上面52aに載置するよう接触した状態が維持されるので、合わせ面12aをナット部52の上面52aに押さえ付けながらスパナ10を旋回操作でき、スパナ10が上下方向に変位することが防止される。スパナ10を所定角度旋回した後、再度旋回操作するために、第1の開口15からナット部52を離してからスパナ10の角度を変えて第1の開口15内にナット部52を差し直す。この第1の開口15内へのナット部52の挿入においても、上述と同様に行うことができる。
なお、管継手50の取り外しにおいては、取り付けに対してスパナ10の旋回方向が反対になるだけで、上記と同様に実施することができる。また、上記説明では、第2の開口16内への筒部53の挿入後に、第1の開口15内へのナット部52の挿入を行ったが、ナット部52の側方から第1の開口15を差し込み、各開口15、16での挿入を同時に行ってもよい。
このような実施の形態によれば、ナット部52を回転させるときに、第2の開口16の外側の合わせ面12aをナット部52の上面52aに接触させて載置することができる。つまり、第1の開口15内へナット部52を挿入すると、ナット部52に係合する第1の開口15周りが下方に移動しないように引っ掛かるようになる。従って、スパナ10の旋回時に、ナット部52より第1の開口15が下方に変位して第1の開口15内にナット部52が非収容となったり、かかる非収容を回避するため作業者が意図的に第1の開口15の上下位置を調整したりすることをなくして作業負担を軽減することができる。ナット部52の回転にあっては、第1の開口15に対するナット部52の差し直しが複数回行われるので、前述のように作業負担が軽減されることによって、管継手50の取り付けに要する作業時間を大幅に短縮することができる。
また、第2の開口16周りの合わせ面12aがナット部52の上面52aに引っ掛かるので、第1の開口15にナット部52を複数回差し直ししても、ナット部52に対する第1の開口15の位置を一定に保つことができる。このとき、ナット部52の高さが第1の板体11(第1の開口15)の厚さより大きければ、第1の開口15の厚さ全てでナット部52に係合でき、ナット部52の高さが第1の板体11の厚さより小さければ、ナット部52の高さ全てで第1の開口15に係合できる。このように、ナット部52側面と第1の開口15とが面接触して係合する範囲を簡単且つ確実に最大限確保できるので、ナット部52に締め込み力を安定して加えることができる。しかも、かかる係合範囲を最大限確保することで、第1の板体15を薄厚としても係合が確実に行われるので、スパナ10全体の薄型化を図ることができる。この薄型化によって、L字の筒部53と、その下の雌ねじMが形成される取り付け領域との隙間が小さくなっても、スパナ10の旋回操作等の作業性を良好に保つことができる。
また、本実施の形態では、ナット部52が第1の開口15に収容された状態で、平行面部15a及び屈曲面部15bがナット部52の4面の側面に対向して接触する。この点、図5Cに示すように、従来のスパナ100では、ナット部101を収容する開口102が一対の平行面部102aの内方端側を接続する面が湾曲面102bとなり、このため、開口102におけるナット部101との接触部分は、平行面部102aの2面と、湾曲面102bの中央にてナット部101の角が線状に当たる部分になる。従って、従来のスパナ100に比べ、本実施の形態の方がナット部52に対する第1の開口15の接触面積を広く確保でき、第1の開口15からの締め込み力をより安定して作用させることができる。
なお、本発明の実施の形態は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
上記実施の形態では、2枚の板体11、12によってスパナ10を形成したが、これらを一体成形することによって形成してもよい。
また、スパナ10の平面形状は、図示した長方形状に限られず、公知のスパナのような形状を採用する等、種々の変更が可能である。
また、ナット部52を平面視した形状は、図示した六角形以外の他の多角形状にしてもよく、これに応じて第1の開口15の形状を変更すればよい。
以上説明したように、本発明は、ナット部を収容する開口周りの落下を防止できるという効果を有し、特に、管継手のナット部を回転操作するスパナに有用である。
10 スパナ
12a 合わせ面(面)
15 第1の開口
16 第2の開口
50 管継手
51 雄ねじ部
52 ナット部
52a 上面
53 筒部
54 貫通路
M 雌ねじ
12a 合わせ面(面)
15 第1の開口
16 第2の開口
50 管継手
51 雄ねじ部
52 ナット部
52a 上面
53 筒部
54 貫通路
M 雌ねじ
Claims (1)
- 雄ねじ部とナット部と該ナット部より小さい直径の筒部と貫通路とを備えた管継手の該ナット部に係合させ該雄ねじ部と該ナット部とを回転させ、取り付け箇所に形成される雌ねじに管継手の該雄ねじ部を螺合させるスパナであって、
該ナット部を収容する第1の開口と、該筒部を収容する第2の開口とを備え、該第1の開口と該第2の開口との境の該第2の開口側の面が該ナット部の上面に接触し落下防止することを特徴とするスパナ。
Priority Applications (1)
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JP2016160594A JP2018027596A (ja) | 2016-08-18 | 2016-08-18 | スパナ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016160594A JP2018027596A (ja) | 2016-08-18 | 2016-08-18 | スパナ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018027596A true JP2018027596A (ja) | 2018-02-22 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2016160594A Pending JP2018027596A (ja) | 2016-08-18 | 2016-08-18 | スパナ |
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2016
- 2016-08-18 JP JP2016160594A patent/JP2018027596A/ja active Pending
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