JP2018025233A - 流体サーボバルブ及び流体サーボ装置 - Google Patents

流体サーボバルブ及び流体サーボ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低消費空気流量、大排気流量、高い共振周波数、高速応答性、構造の大幅な簡素化が図れる流体サーボバルブを提供する。【解決手段】2つのノズル69,70とフラッパ63により双方向ノズルフラッパ弁を構成し、各ノズルとフラッパの間に、たとえば、横断面が概略環状流路を有する流量制御部77,78を構成して、前記流量制御部の有効断面積が、前記フラッパの変位に対して非線形特性で変化するように構成することで、低消費空気流量で大排気流量のバルブを実現できる。【選択図】図2

Description

本発明は、流体圧力・流量を制御するための流体制御機器に関するもので、詳しくは軸方向駆動機構により、フラッパとノズル間を相対移動させることで、流体の圧力・流量を制御する流体サーボバルブに関するものである。及び、この流体サーボバルブを搭載した流体サーボ装置に関するものである。
1.世の中のトレンド・・・商品側からの要請
半導体製造プロセス、液晶製造プロセス、精密機械加工などの様々な分野で、微細な外乱振動を遮断・抑制するための振動制御の利用が広がっている。上記プロセスで用いられる走査型電子顕微鏡、半導体露光装置(ステッパ)などの微細加工・検査装置は、装置の性能を保障するための厳しい振動許容条件が要求される。外乱振動の影響を受け易い装置をアクチュータで支持すると共に、上記振動を減殺するようにアクチュエータを制御するアクティブタイプの精密除振台が用いられてきた。
近年の製品性能の向上に伴う微細化、精密化の要請に加えて、生産性向上のための設備の大型化、高速化が進んでいる。これに伴い、装置を支える除振装置においても、外乱振動の除去性能の向上に加えて、装置そのもの大型化や制御力の増加、多機能化が求められるようになってきている。
2.アクティブ除振台の従来例
除振台が支持する装置の大型化のトレンドに伴い、空気圧アクチュエータの長所を生かした空気ばね式除振台が、超精密機器の微振動制御に広く用いられているようになっている。図49に、空気圧アクチュエータを用いた従来のアクティブ除振台のモデル図を示す。このアクティブ除振台は、特許文献1、特許文献2にも記載されているように公知のものである。床面580には、定盤581を支持するための複数組の空気圧アクチュエータ(582a、582b)が配置されている。この定盤581の上に精密装置(詳細は図示せず)が搭載される。空気圧アクチュエータは、垂直方向の荷重を支持するための、内部に高圧空気が充填された空気室583と、この空気室の上部にダイヤフラム584を介して内挿されたピストン585から構成される。上記アクティブ除振台は、フィードバック制御(FB制御)とフィードフォワード制御(FF制御)の2つの制御系から構成される。
(1)フィードバック制御
586、587a、587bは、定盤581の垂直・水平方向の加速度と、床面580に対する定盤581の相対変位をそれぞれ検出するための加速度センサ及び変位センサである。588は、床面580の加速度(基礎の振動状態)を検出する加速度センサである。これら各センサからの出力信号がそれぞれフィードバック制御のコントローラG1589に入力される。
(2)フィードフォワード制御
590は定盤581の上に搭載されたステージである。このステージの挙動信号(鎖線)は、フィードフォワード制御のコントローラG2591に入力される。ステージの挙動信号はステージを駆動するドライバーの入力信号(2点鎖線592)が用いられる。
空気室583には、配管593を介して、前記2つのコントローラG1とG2の出力により制御されるサーボ弁593が接続されている。電空変換器であるサーボ弁593により、空気室583へ供給・排気される圧縮空気の流量を調整することで、空気室583の内圧Paが制御される。ここで、サーボ弁593は、外部から供給圧PSの気体を供給し、前記コントローラG1、G2により制御信号を与えられて所望の気体圧Paに調整して出力し、一部は大気P0に排気する機能を有する。
(3)従来サーボ弁の構造
空気圧アクチュエータを用いた空気圧サーボ装置であるアクティブ除振台において、アクチュエータの圧力と流量制御を行うために、ノズルフラッパ弁が主に用いられてきた。このノズルフラッパ弁は、たとえば、特許文献3に開示されているもので、その作動原理は一般に広く用いられているものである。図50は、従来サーボバルブの作動原理をモデル化した構造図を示すものである。サーボバルブの構成は大きく分けて、アクチュータ部A-1と流体制御部B-1に分けることができる。アクチュータ部A-1において、551はマグネット(永久磁石)、552はコイル、553はこのコイルを収納するボディ、554はフラッパ、555a、555bは先端を対抗させて取り付けられた一対のヨーク、556はアクチュータ側のフラッパ先端部である。557はシール部材を兼ねた板ばね、558は前記板ばねの支持中心部である。
流体制御部B-1において、560は順方向ノズル、561は逆方向ノズル、562は流体制御部側のフラッパ先端部である。563は供給口、564は排気口、565は負荷口(制御ポート)、566は制御室である。供給圧PSの気体は順方向ノズル560を経て制御室566に供給される。同時に制御室566内の気体は逆方向ノズルを経て大気に流出される。前記順方向ノズルからの流入量と前記逆方向ノズルからの流出量との差で、制御室566内の制御圧Paと負荷口565からの流出量が決定される。但し、実際に使用されるサーボバルブの構造は、永久磁石の磁気回路と電磁石の磁気回路が、直交して配置される3次元構造になっている。上記空気圧サーボバルブの基本構造は、長い歴史を有する油圧サーボバルブの技術を応用して派生的に生みだされたもので、電気油圧制御弁の一次制御弁(パイロット弁)として用いられているものである。
特許文献4には、上記電気油圧制御弁の二次制御弁として用いられるスプール式を改良した気体圧制御弁が開示されている。図51に示すこの気体圧制御弁は、大きく分けて、スプール501、リニアモータ502、速度検出センサ503、制御部504より構成される。スプール501はスリーブ505に軸方向移動可能に支持されており、かつ前記スプールには、左側ランド部506、第1プランジ507、第2プランジ508、中央ランド部509、右側ランド部510が形成されている。左側ランド部506と右側ランド部510は、スリーブ505に対して静圧軸受により非接触支持されている。スリーブ505には、供給口511、負荷口512、排気口513が形成されている。514は制御圧力室である。リニアモータ502は、コイル515、磁石516、移動体517により構成される。また同様に、速度検出センサ503は、コイル518、磁石519、移動体520により構成される。スプール501はリニアモータ502によって軸方向に移動駆動される。521、522は、スプール501を両端で支持するつり合いばねである。スリーブ505の負荷口512と中央ランド部509の相対位置関係で制御圧力室514の圧力が変化するが、スプール501とスリーブ505を段付き構造とすることで、リニアモータの駆動電流と出力圧力とが比例関係にできる、としている。
特開2006-283966号公報 特開2007-155038号公報 特開平11-294627号公報 特許第4636830号公報
1.搭載機器の大型化・高速化への対応
近年、除振装置の搭載物に内包されるステージが大型化・高速化されたことにより、ステージの加速・減速時の加振によって、除振装置に発生する振動が課題となった。この課題の解決手段が、ステージの挙動信号を用いたフィードフォワード制御(FF制御)である。フィードバック制御(FB制御)によって自由振動が収まる時間は改善されるが、ステージ加減速の瞬間の応答を低減することはできない。それに対しステージFF制御は瞬間的な外乱入力を抑制する効果を有する。
また大重量ステージの場合、ステージ移動に伴う除振装置上の荷重の変化によってステージが傾斜して低周波振動が発生する。ステージFFを適用すると、FB制御だけの場合と比較して、振動を大幅に抑制することができる。
2.空気圧サーボバルブに要求される条件
さて、アクティブ除振台を構成する重要な基幹要素である空気圧サーボバルブに要求される条件は次のようである。
(1)高速応答性
(2)空気圧サーボバルブの一次共振点は十分に高く、数百Hz以上であること
(3)大排気流量・低消費空気流量
上記(1)の理由は次の様である。たとえば、除振テーブル上に搭載されるステージが発進・停止する際には、質量移動による駆動反力が直動外乱としてステージ設置面である定盤に入力される。この場合、ステージの加速度信号を用いて、除振装置にステージ・フィードフォワード制御を施すことにより、加速・減速時における定盤振動を減少させることができる。定盤振動を速やかに収束させるためには、空気圧アクチュータを駆動する空気バルブに高い応答性が要求される。
上記(2)の理由は、次の様である。空気圧アクティブ除振系の応答性は、数Hz〜10数Hzのオーダーであるにもかかわらず、サーボバルブに数百Hzの高い共振周波数が必要となる理由は、空気圧アクティブ除振系固有のニーズに基づくものである。
アクチュエータの空気バネと搭載質量で決まる共振点のピークを低減させるために、アクティブ除振台では加速度フィードバック制御の適用は必須である。しかし加速度フィードバック制御を施した場合、アクティブ除振系の開ループ特性は、広い周波数範囲でゲインが増大すると共に、位相が遅れる特性になる。その結果、空気圧サーボバルブの共振点において、ゲイン余裕と位相余裕が低下する。サーボバルブの共振点が低い場合、アクティブ制御系は十分な性能を発揮することがでない。
上記(3)は、搭載機器の大型化・高速化への対応として、フィードフォワード制御が重要な役割を担うようになったことに起因する。そのためには、大流量を高速で制御できる空気圧サーボ弁が必須となった。図49のアクティブ除振台におけるステージの挙動信号(2点鎖線592)において、ステージが発進、或いは停止する際に、慣性力による反力がステージ設置面に印加される。たとえば、m=100Kgのステージが、25msでa=10m/s2の一定加速度に立ち上がるとすれば、F=ma=1000Nの反力が発生する。 したがって、フィードフォワード制御により、この反力を抑制するためには、25msで1000Nの荷重を発生できる高速応答・大排気流量サーボバルブが必要である。
3.従来の空気圧サーボ弁の課題
(i)ノズルフラッパ弁
従来、多くの除振装置は精密機器の設置環境の改善を図るために、設置床面からの振動絶縁を図ることを目的として適用されてきた。この場合、アクチュエータの圧力と流量制御を行うために、小排気流量のノズルフラッパ弁が主に用いられてきた。
搭載機器にステージのような変動荷重の発生源が内包された場合、複数個の小排気流量ノズルフラッパ弁を並列配置して流量を増大させれば、FF制御を施すことはできる。しかしノズルフラッパ弁は、後述するように、その動作原理から動作点(中立点)で消費流量が最も大きい。アクティブ除振台を構成する一例として、4点支持アクティブ制御を想定する。この場合、空気圧アクチュータは四隅に配置され、ユニットの設置向きは、水平X方向に2点、Y方向に2点が対角に配置される。また各アクチュータはZ方向の荷重を支持するアクチュータも組み込まれる。したがって、総計8個の空気圧アクチュータが配置され、各アクチュータを制御するための総計8組の空気圧サーボバルブが必要である。そのため、アクティブ除振台全体で、定常状態における空気消費流量が大幅に増大してしまうという課題があった。
(ii)スプール弁
特許文献4に開示されているスプール式気体圧制御弁に一例を示すように、スプール式バルブをアクティブ除振台に適用する際の大きな課題は、可動部の一次の共振周波数を高くできないという点にある。図51において、スプール501を含む可動部の共振周波数は、前記可動部の質量mと、つり合いばね521、522のばね定数Kにより決定される。一次の共振周波数は(K/m)1/2に比例するために、質量mが小さい程、ばね定数Kが大きい程、高くできる。しかし、大流量の開口部を形成する前記スプール軸の軽量化には限界がある。また、ローレンツ力を利用したリニアモータ502の場合、入力電流に対する発生力の電気機械変換効率が小さく、大きな発生力は得られない。したがって、ばね522、522の剛性Kは小さくせざるを得なく、可動部の共振周波数を高くするのは困難である。
前述したように、アクティブ除振台に空気圧サーボバルブを適用するためには、「サーボバルブの一次共振点は十分に高く、数百Hz以上」の条件を満足させる必要がある。そのため、上記スプール式制御弁では、速度検出センサ503の信号を用いて、加速度フィードバック制御を施している。すなわち、加速度フィードバックを施すことで、系の固有振動数を制御面から低減できることを利用して、低周波の伝達特性を補っているのである。要約すれば、スプール501を駆動するリニアモータ502に加えて、速度検出センサ503、制御部504を内蔵させる上記気体圧制御弁は、構成が複雑、大型化、コスト高にならざるを得ないという課題があった。
具体的に、請求項1の発明は、流体供給側に流路が連絡した順方向ノズルと、
流体排気側に流路が連絡した逆方向ノズルと、前記順方向ノズルと前記逆方向ノズルの先端部に対して対向するように設けられたフラッパと、前記フラッパの一部を固定するフラッパ支持部材と、前記フラッパが前記順方向ノズルと前記逆方向ノズルの間を移動するように前記フラッパに作用する駆動手段と、前記順方向ノズルと前記フラッパの対向面側との間に形成された供給側流量制御部、又は、前記逆方向ノズルと前記フラッパの対向面側との間に形成された排気側流量制御部と、を備え、流体供給側から供給される作動流体は前記順方向ノズルを通過して、前記フラッパが収納される空間である制御室へ流入し、この制御室から前記逆方向ノズルを通過して前記流体排気側へ流出するように構成されており、前記供給側流量制御部、又は、前記排気側流量制御部の有効断面積が、前記フラッパの変位に対して非線形特性で変化するように構成され、前記非線形特性は下に凸の曲線又は折れ線で表されるものあり、その屈曲点における有効断面積をA0、有効断面積の最大値をAmaxとしたとき、0<A0/Amax<0.5となるように構成したものである。
ここで、有効断面積とは例えば前記供給側流量制御部、又は、前記排気側流量制御部を通過する流体に対して流路抵抗として作用する流路面積として定義できる。また、前記屈曲点とは曲線においてはその点の前後で傾きの変化量が他の箇所よりも大きく変化する点、あるいは、包絡線の交点として表現される点である。加えて、前記屈曲点は折れ線においては2つの傾きの異なる直線の交点である。
上記のような本発明においては、ノズルとフラッパの対向面側が例えば構造的に狭い流路を形成する流量制御部を構成し、(1)一方のノズル開度が増大したときには、もう一方のノズル開度は充分に小さくなる。(2)両方のノズル開度が同時に増大することはなく、定常時の空気消費量は前記フラッパがいかなる位置でも抑制されるといったことが可能となる。上記(1)(2)により、大排気流量制御と低消費空気流量を同時に実現できるサーボバルブを実現できる。
具体的に、請求項2の発明は、前記供給側流量制御部、及び、前記排気側流量制御部は横断面が概略環状の流路を形成する環状流路形成構造であり、前記環状流路形成構造は、前記概略環状の流路の外側境界を形成する筒部の内周面と、前記内周面に対して半径方向に離間させて挿入される挿入体とから構成したものである。
すなわち、本発明においては、前記挿入体が前記筒部に深く侵入しているときには前記環状流路を通過する流量は小さく、前記挿入体が前記筒部から離反したときは前記筒部から流入・流出する流量は急峻に増大することを利用したものである。
具体的に、請求項3の発明は、前記フラッパの供給側と排気側の概略中央箇所に凸部を形成して前記挿入体とし、前記順方向ノズル、及び、前記逆方向ノズルの内面に前記筒部を形成したものである。
すなわち、本発明においては、前記フラッパの中央箇所に形成した凸部と前記ノズルを組み合わせることにより、前記環状流路形成構造としたものである。前記フラッパに形成する凸部の外径と高さは小さくてよく、前記フラッパの共振周波数を充分に高く設定できる。
具体的に、請求項4の発明は、前記挿入体の流体供給側の概略外径をΦdin、流体排気側の概略外径Φdouとして、Φdin>Φdouとなるように構成したものである。
すなわち、本発明においては、前記フラッパの表裏に設ける挿入体の外径をΦdin>Φdouとする簡易な構成により、メカニカル圧力フィードバック作用が得られることを見出したものである。このメカニカル圧力フィードバック作用により、定常時にさらなる低消費空気流量が図れると共に、電流に対する制御圧力特性の線形性を大幅に向上させることができる。
具体的に、請求項5の発明は、Pmaxを制御室圧力の最大値、P0を大気圧、中立点における制御室圧力をPB、供給側有効断面積をA0、供給側有効断面積の最大値をAmax、η=A0/Amax、及び、中間圧力比β=(PB-P0)/(Pmax-P0) と定義して、ηに対するβ曲線の包絡線の交点における前記ηをηcとしたとき、η>ηcとなるように、前記A0、及び、前記Amaxを設定したものである。
すなわち、本発明においては、(i)フラッパ表裏に形成するマイクロピストン外径を非対称にする、(ii)吸・排気流路面積を2段階で変化させる。上記(i)(ii)を組み合せた相乗効果により、電流に対する制御圧力特性の線形性のさらなる向上が図れることを見出したものである。
具体的に、請求項6の発明は、前記筒部と前記挿入体から構成される前記環状流路形成構造において、前記筒部、もしくは、前記挿入体を構成する部品のいずれかは、前記環状流路形成構造を収納するハウジングに対して別部材で構成されており、ボルトなどの締結部材を取り外した状態で、前記環状流路の軸芯調整のために半径方向に移動可能としたものである。
すなわち、本発明においては、従来バルブとは異なる固有のバルブ構造に基づく次の課題、(1)2つのマイクロピストン部の同軸精度の確保が難しい。(2)前記フラッパは変形し易い弾性体である。上記(1)(2)の課題を解決する組立・調整方法と、この工法を可能にするバルブ構造を提案するものである。前記挿入体、もしくは前記筒部を構成する環状流路形成構造部品を、ハウジングに対して、軸芯調整のために半径方向に移動可能とする。上記工法と構造により、上記(1)(2)の課題を解決することができる。
具体的に、請求項7の発明は、半径方向に移動可能な隙間は0.05mm以上にしたものである。
すなわち、本発明においては、環状流路形成構造部品が半径方向に移動可能な隙間を0.05mm以上に設定することで、上記(1)(2)の課題をクリアできる。
具体的に、請求項8の発明は、前記駆動手段に印加する電流が零の状態で、前記流体供給側から前記流体排気側に繋がる前記環状流路は前記フラッパと前記供給側ノズル間の密着により遮蔽するように構成したものである。
すなわち、本発明においては、本発明バルブが凸部とノズルで形成される「半径方向流路」と、フラッパとノズルで構成される「軸方向流路」の2つの流路を有する点を利用している。バルブ駆動電流I=0のとき、流体供給源と空気圧アクチュエータ間の流路を完全遮断できるため、停電時のフェルセーフ機能として活用できる。このフェルセーフ機能により、空気圧アクチュエータに重量物が搭載されている場合でも、重量物は容易には降下しない。
具体的に、請求項9の発明は、前記フラッパに対して吸引力が発生するように設けられた電磁石と、前記電磁石の吸引力により前記フラッパを変形させて、前記順方向ノズルの先端部、及び、又は、前記逆方向ノズルの先端部と前記フラッパとの離間距離を変化させるように前記駆動手段を構成したものである。
すなわち、本発明においては、フラッパを駆動する手段に磁気吸引式アクチュエータを用いることにより、可動部の質量を軽量化できて、バルブの共振周波数を高く設定できる。
具体的に、請求項10の発明は、前記フラッパと、このフラッパに対向して設けられた前記フラッパに吸引作用を与える磁極と、この磁極と前記フラッパを含む磁性材料部品で閉ループ磁気回路を構成し、この閉ループ磁気回路の磁気特性が、磁化力に対する磁束密度の特性が概略比例関係にある線形領域と、
磁化力に対する磁束密度特性の傾斜角が前記線形領域と比べて小さく変化する
磁気飽和領域とを有し、前記フラッパの変位可能範囲で前記電磁石に通電する電流を増大させたときに、前記磁性材料部品を流れる磁束の磁束密度は前記磁気飽和領域に入るように構成したものである。
すなわち、本発明においては、既提案で見出した次の磁気吸引式アクチュエータを適用している。ストロークに限界のある従来式アクチュータに対して、フラッパに適切な磁性材料と薄いディスクを用いると、電流に対するフラッパの変位特性は、線形性(直線性)の優れた特性を得ることができる。この磁気飽和現象を利用することにより、電流に対するフラッパ変位特性の線形性を失うことなく、ストロークを大幅に増大できる。このアクチュエータは大きなストロークが必要な本発明サーボバルブに効果的に適用出来る。
具体的に、請求項11の発明は、前記駆動手段が、前記フラッパに固定されたコイルボビンと、このコイルボビンに巻かれた電磁コイルと、この電磁コイルの外周部において、隙間を保って配置された永久磁石と、を備え、前記コイルボビン、前記電磁コイル、前記永久磁石によりローレンツ力を利用したリニアアクチュータとして構成したものである。
すなわち、本発明においては、本発明サーボバルブにローレンツ力を利用したリニアモータ式アクチュエータを用いたものである。可動部の共振周波数に大きな制約が無い場合には、リニアモータ式はストロークに制約が無いために、一層の大流量化に有利となる。
具体的に、請求項12の発明は、流体供給側に流路が連絡した第1ノズル、及び、第2ノズルと、前記第1ノズルと前記第2ノズルの間に配置され、前記第1ノズルと前記第2ノズルの先端部に対して対向するように設けられたフラッパと、前記フラッパが前記第1ノズルと前記第2ノズルの間を移動するように前記フラッパに作用する駆動手段と、前記第1ノズルと前記フラッパの間に形成された第1流量制御部と、前記第2ノズルと前記フラッパの間に形成された第2流量制御部と、外部と連絡する第1開口部を有する第1流量制御流路と
外部と連絡する第2開口部を有する第2流量制御流路と前記フラッパが前記第1ノズルに近接したとき、供給側から第1流量制御部を経て第1流量制御流路へ流路が開放されると同時に、第2流量制御流路から第2流量制御部を経て流路が開放され、前記フラッパが前記第2ノズルに近接したとき、供給側から第2流量制御部を経て第2流量制御流路へ流路が開放されると同時に、第1流量制御流路から第1流量制御部を経て流路が開放されるように構成したものである。
すなわち、本発明においても請求項1の発明と同様の効果を得つつ、さらには様々な用途で流体の流量制御を行うことができる。
具体的に、請求項13の発明は、請求項1乃至12いずれかに記載の流体サーボバルブと、除振対象物を基礎に対して支持する気体ばねと、前記除振対象物の振動状態を検出する加速度センサと、前記加速度センサからの情報に基づいて前記流体サーボバルブを調節することで、前記除振対象物の振動を低減する気体圧力を前記気体ばねに与えるアクティブ制御器とを備え、前記流体サーボバルブが、気体を供給側から前記気体ばねに供給し、当該気体ばねから排気側へ排気するように構成されており、前記フラッパの1次固有振動数が200Hz以上に構成されている流体サーボ装置である。
すなわち本発明においては、優れた応答特性、及び、除振特性の流体サーボ装置を実現することができる。
すなわち、本発明においては、第1流量制御流路と第2流量制御流路の2つの制御流路を設けて、一方の制御流路が供給側に連絡するときは他方の制御流路が排気側に連絡するように構成したものである。本バルブ構成により、本発明サーボバルブは油空圧分野で用途の多い4方弁としても適用できる。
さて、本発明による流体サーボバルブの特徴を列記すれば、
(1)低消費空気流量
(2)大排気流量
(3)高い共振周波数
(4)高速応答性
(5)構造の大幅な簡素化が図れる
従来バルブの欠点を大きく解消する本発明バルブにより、今後、空気圧サーボシステムの幅広い普及はおおいに加速すると予想される。その効果は顕著である。
本発明の実施形態1に係る流体サーボバルブの正面断面図。 実施形態1におけるバルブ入力電流を変えたときの各ノズルとフラッパの位置関係を示し、図2aはバルブ入力電流I=0の状態、図2bは0<I<Imax/2の状態、図2cはI≒Imax/2(中立点)の状態、図2dはImax/2<Imaxの状態、図2eはI=Imax(最大値)の状態を示すモデル図。 図2aのAA矢視図。 実施形態1における電流に対する有効断面積の解析結果を示すグラフ。 従来ノズルフラッパ弁の電流に対する有効断面積の解析結果を示すグラフ。 駆動電流に対する制御圧力の解析結果を示すグラフ。 駆動電流に対する空気消費流量の解析結果を示すグラフ。 時間に対する流量の過渡応答解析結果を示すグラフ。 図9aは時間に対する発生荷重の過渡応答解析結果を示すグラフ、図9bは図9aのグラフの部分拡大図。 駆動電流に対する制御圧力の解析結果を示すグラフ。 駆動電流に対する空気消費流量の解析結果を示すグラフ。 本発明の実施形態2に係る流体サーボバルブの正面断面図。 図12のAA部拡大図。 実施形態2に係る非対称マイクロピストンとノズル部の解析モデル図を示し、図14aは、バルブ供給側に高圧源が連結されていないPS=P0の状態、図14bは、バルブ供給側に高圧源が連結された状態を示す図。 駆動電流Iを入力として制御圧力Paを出力とした場合のブロック線図。 駆動電流に対する有効断面積を示すグラフ。 駆動電流に対する制御圧力の解析結果を示すグラフ。 駆動電流に対する制御圧力の解析結果を示すグラフ。 時間に対するピストン変位・流量・圧力特性の解析結果を示し、図19aはピストン変位の過渡応答特性、図19bは流量の過渡応答特性、図19cは制御圧力の過渡応答特性を示すグラフ。 実施形態2におけるバルブ入力電流を変えたときの各ノズルとフラッパの位置関係を示し、図20aはバルブ入力電流I=0の状態、図20bはI≒Imax/2(中立点)の状態、図20cはI=Imax(最大値)の状態を示すモデル図。 図21aは時間に対する発生荷重の過渡応答解析結果を示すグラフで、図21bは図21aのグラフの部分拡大図。 本発明の実施形態に係る流体サーボバルブの原理のコンセプトを示す図。 マイクロピストン部の部分拡大図を示すモデル図。 実施形態3におけるバルブ入力電流を変えたときの各ノズルとフラッパの位置関係を示し、図24aはバルブ入力電流I=0の状態、図24bはI≒Imax/2(中立点)の状態、図24cはI=Imax(最大値)の状態を示すモデル図。 駆動電流に対する有効断面積を示すグラフ。 駆動電流に対する制御圧力の解析結果を示すグラフ。 時間に対するピストン変位・流量・圧力特性の解析結果を示し、図27aはピストン変位の過渡応答特性、図27bは流量の過渡応答特性、図27cは制御圧力の過渡応答特性を示すグラフ。 駆動電流に対する制御圧力の解析結果を示すグラフ。 ηに対する中間圧力比の解析結果を示すグラフ。 駆動電流に対する空気消費流量の解析結果を示すグラフ。 駆動電流に対する制御圧力の解析結果を示すグラフ。 図32aは時間に対する発生荷重の過渡応答解析結果を示すグラフで、図32bは図32aのグラフの部分拡大図。 本発明の実施形態4に係る4方弁流体サーボバルブの正面断面図。 本実施形態バルブを空気圧アクチュータに連結した状態を示す図。 第1流路パーツと第2流路パーツの位置関係を示すモデル図で、図34aはフラッパが第2流路パーツに密着した状態、図34bはフラッパが第1流路パーツと第2流路パーツ中間にある状態、図34cはフラッパが第1流路パーツに密着した状態を示す図。 本発明の実施形態5に係る流体サーボバルブの正面断面図。 本発明の実施形態5に係る流体サーボバルブの正面断面図。 フラッパの正面断面図。 マスターディスクフラッパの正面断面図。 工程Step1におけるサーボバルブの正面断面図。 工程Step2におけるサーボバルブの正面断面図。 工程Step3におけるサーボバルブの正面断面図。 駆動電流に対するフラッパ変位の解析結果を示すグラフ。 環状流路形成構造の凸部に空洞を形成した場合のモデル図。 環状流路形成構造の凸部をノズル側に、筒部をフラッパ側に形成した場合のモデル図。 環状流路形成構造の凸部をテーパ形状にした場合を示し、図46aはバルブ入力電流I=0の状態、図46bはI≒Imax/2の状態、図46cはI=Imaxの状態を示すモデル図。 排気側に環状流路形成構造の代わりに表面絞りを用いたモデル図。 供給側と排気側に表面絞りを用いたモデル図。 空気圧サーボバルブを用いたアクティブ除振台のモデル図。 従来のノズルフラッパ式空気圧サーボバルブをモデル化した図。 従来のスプール式空気圧サーボバルブの正面断面図。
第1の実施形態
本実施例は、従来式バルブでは達成できなかった次の課題、高速応答性、高い共振周波数、大排気流量、低消費空気流量に加えて、構造の大幅な簡素化を同時に実現する新バルブ構造を提案するものである。
図1は、本発明の実施形態1に係る空気圧サーボバルブの正面断面図であり、50は筒部形状の中心軸、51はこの中心軸底部、52は前記中心軸の軸芯と同芯円で形成された中心軸の外枠部、53は前記中心軸に装着されたコイルボビン、54は前記コイルボビンに巻かれたコイルである。中心軸50、中心軸底部51、中心軸の外枠部52、コイルボビン53、コイル54により、フラッパ(後述)を吸引して、その変位を制御する磁気吸引式の電磁アクチュエータを構成している。本実施形態では、本発明者が特願2015-024794号で提案中の磁気吸引式のアクチュエータを用いている。
55は中心軸の底部51と外枠部52を収納する筒形状の排気側ハウジング、56はこの排気側ハウジング底部、57は排気側ハウジング底部56と中心軸底部51を締結するボルト、58は排気側ハウジング底部56に形成された排気側流通路、59は中心軸50に形成された吐出口である。60は供給側ハウジング、61はこの供給側ハウジングの中心部に形成された供給側流路、62は空気圧アクチュエータ(図示せず)に繋がる制御側流路である。63は凸形円盤形状のフラッパで、板厚の厚い凸部(磁気経路部)64aと、板厚の薄い外周部(弾性変形部)64bにより構成される。ちなみに、前記フラッパという呼称は、従来バルブのモデル図48に示すように、一般には揺動運動する平板のイメージがある。本実施例を含む本発明では、ノズルの対向面に配置されて、ノズルとの間で流体の流路面積を調節する部材を、その部材形状に関わり無くフラッパと呼ぶことにする。65は吸入口、66は供給側ハウジング60とフラッパ63の間に形成される供給側空隙部、67はフラッパ63と前記排気側ハウジング側との間に形成される排気側空隙部である。68a、68b、68c、68dはフラッパ63に形成された流通穴(68b、68dは図示せず)、69は供給側ノズル(順方向ノズル)、70は排気側ノズル(逆方向ノズル)である。71は中心軸50のフラッパ弁側端面(中心軸端面)で電磁石の第1磁極である。72は外枠部52のフラッパ側端面に形成された第2磁極、73は前記供給側ハウジングと前記排気側ハウジングの間に、前記フラッパを挟み込み、前記供給側ハウジングと前記排気側ハウジングを締結する溶接部である。74は前記フラッパの供給側の中心部に形成された供給側凸部、75は前記フラッパの排気側の中心部に形成された排気側凸部である。また、前記供給側空隙部と前記排気側空隙部により、本バルブの制御室76を形成している。
ちなみに、コイル54に通電することで発生する磁束により、「第1磁極71→空隙部→フラッパ63→空隙部→第2磁極72→外枠部52→中心軸底部51→中心軸50」の閉ループ磁気回路が形成される。但し、前記コイルに流す電流の方向が逆の場合、上記磁束の向きは逆になる。本実施形態では、この閉ループ磁気回路を形成する要素である前記フラッパに板厚の薄いディスクを用いて、このディスクを流れる磁束の磁気飽和現象を利用することにより、電流値に対する変位特性に充分な線形性と大きなストロークを得ている。磁気飽和現象を利用した上記磁気吸引式アクチュータは、本発明者が特願2015-024794号で提案中のものである。
本実施形態バルブは、前述したように、流体の供給側に連絡した順方向ノズル69と、流体の排気側に設けられた逆方向ノズル70と、前記2つのノズル間に設けられたフラッパ63により構成される双方向ノズルフラッパ弁である。前記順方向ノズルと前記フラッパにより供給側流通路のノズル開度(有効断面積)を調節し、前記逆方向ノズルと前記フラッパにより排気側流通路のノズル開度(有効断面積)を調節している。供給側流通路のノズル開度を調節する箇所を供給側流量制御部、排気側流通路のノズル開度を調節する箇所を排気側流量制御部とする。
さて本実施例バルブは、大排気流量制御ができるにもかかわらず、定常状態における空気消費流量を充分に小さくできる。これは次の理由による。
(1)一方のノズル開度が増大したときには、もう一方のノズル開度は充分に小さくなる。
(2)両方のノズル開度が同時に増大することはなく、定常時の空気消費量は前記フラッパがいかなる位置でも抑制される。
上記(1)(2)を実現する構造の一例が、供給側ノズル69とフラッパ63との間、及び、排気側ノズル70との間に横断面が概略環状の流路を形成する環状流路形成構造である。より具体的には前記環状流路形成構造は、各ノズル69、70の先端部の筒状の内周面と、前記内周面に対して半径方向に離間させて挿入される挿入体(74及び75)とからなるものである。すなわち、フラッパ63の面板部に対して垂直に突出させた凸部を挿入体(マイクロピストン)として、ノズル69、70への前記挿入体の挿入加減により環状の流路の軸方向の長さを変化させて、流量特性を変化させることができる。本実施形態で示す上記バルブ構造を、「マイクロピストン方式」と呼ぶことにする。
図2a〜2eはバルブ入力電流を変えたときの各ノズル69,70とフラッパ63の位置関係を示すモデル図である。図4は、上記モデル図に対応した駆動電流に対する吸気側、及び排気側の有効断面積を示すものである。図2aはバルブ入力電流I=0(初期値)の状態、図2bは0<I<Imax/2の状態、図2cはI≒Imax/2(中立点)の状態、図2dはImax/2<Imaxの状態、図2eはI=Imax(電流最大値)の状態である。同図において、77は供給側ノズル69と前記供給側凸部間の狭い環状隙間で形成される供給側ノズルオリフィス(供給側環状流路)、78は排気側ノズル70と排気側凸部75間の狭い環状隙間で形成される排気側ノズルオリフィス(排気側環状流路)である。79a、79b、79cは第1磁極71のフラッパ側端面に形成した流通溝、80は供給側凸部端面、81は排気側凸部端面、82は供給側ノズル端面、83は排気側ノズル端面である。
図2aのバルブ駆動電流I=0では、前記フラッパの供給側凸部74は供給側ノズルオリフィス77に深く侵入して、供給側ノズル端面82はフラッパ63に密着している。このとき、供給側ノズルオリフィス(供給側環状流路)77は遮断状態にある。したがって、この段階では供給側流路61から制御室76への空気の流入は無い。詳細は[補足]で後述するが、バルブ駆動電流I=0のとき、あるいは、I= Imaxのとき、流路の有効断面積A=0(流量Q=0)にできるのは、本発明実施形態におけるマイクロピストン式サーボバルブ固有の特徴である。
図2bは電流が印加(I>0)されて、図2aと図2cの中間段階(0<I<Imax/2)を示し、フラッパ63は供給側ノズル端面82から離れる。ここで、図2bにおける鎖線円AAに注目する。この段階で流量は、凸部外周部とノズル内面で形成される「半径方向流路(隙間δr)」(供給側環状流路77)と、フラッパとノズル端面で構成される「軸方向流路(隙間δx)」の2つの流路抵抗により決定される。すなわち、マイクロピストン式バルブは、従来ノズルフラッパ弁(特許文献3)が有するノズル流量特性も兼ね備えているのである。フラッパ63が供給側ノズル端面82から離れた直後(図2b)においては、軸方向流路(隙間δx)の流体抵抗は充分に大きい。そのため、流量(有効断面積)は急峻には増大せず、緩やかに上昇していく。
図2cの駆動電流I≒Imax/2(中立点)では、供給側凸部端面80は供給側ノズル端面82と近接した状態にある。また、排気側凸部75も排気側ノズル端面83に対して同様な状態にある。この段階では、前記供給側ノズルから前記制御室に流入する流量、また、前記制御室から前記排気側ノズルに流入する流量(有効断面積)も狭い隙間δrにより抑制されている。
図2dは図2cと図2eの中間段階(Imax/2<I< Imax)を示す。同図に示すように、供給側凸部端面80と供給側ノズル端面82の距離をXd、供給側ノズル内径をdnとする。ノズル内径dnで決まる流路面積S1=(dn/2)π、ノズル開口端の仮想円筒面で決まる流路面積S1=2πdnXdとして、上記S1とS2の大きさを比較する。供給側凸部端面80が供給側ノズル端面82に充分に近い状態では、S2≪S1であるため、供給側流路の有効断面積A= S2となる。
図2eの駆動電流I=Imaxでは、供給側凸部74のノズル側端面80は前記供給側ノズル端面から十分に離れた状態にある。この場合、前記供給側ノズルから前記制御室に流入する流量は最大となる。また、排気側ノズル端面83はフラッパ63に密着しており、排気側環状流路78は遮断状態にある。したがって、この状態(図2e)では制御室76から排気側流通路58への空気の流出は無い。
ちなみに、空気圧回路における流路(ノズル部)の有効断面積は、JIS B 8390-2000で定められた方法により、流量測定により実測することができる。たとえば、図4のグラフで示す供給側有効断面積は、次の方法で求められる。排気側流通路58の吐出口59を遮蔽し、供給側流路61に一定圧力源を連結して制御室76を大気開放する。この状態でバルブ駆動電流Iを変化させて、空気流量Qを実測する。圧力源の圧力を上流側圧力H、下流側圧力PL を大気圧、温度Tとして、関数f (PH, PL, T)を求める[式(1)参照]。電流Iにおける有効断面積A=Q/ f (PH, PL, T)として、AとIの関係を求めればよい。式(1)は流路面積が比較的大きな圧縮性流体を対象としているが、流路隙間が数ミクロンオーダーの場合は粘性流体なるために、粘性流体理論から導かれる式(公知)を適用して、上記有効断面積Aを求めればよい。
前述したように、他の実施形態も同様であるが、バルブ駆動電流I=0のとき有効断面積A=0(流量Q=0)にできるのは、本発明のマイクロピストン式サーボバルブ固有の特徴である。その理由は、本実施形態マイクロピストン式は流量の調節に、凸部とノズル部で形成される環状の「軸方向流路」と、フラッパとノズル端面で構成される「半径方向流路」の2つの流路を利用できるからである。特許文献4に開示されているスプール式気体圧制御弁(図49)の場合、円筒形状のスリーブ505の内部には、第1プランジ507と第2プランジ508が摺動可能に収納されている。したがって、流路の遮蔽(リーク流量の低減)は第1プランジ507、第2プランジ508の外周部とスリーブ505間の狭い隙間(軸方向流路)だけに依存せざるを得ない。リーク流量を僅少に保つためには、上記狭い隙間は流体の粘性流領域(10μm以下)にする必要があり、この狭い隙間を維持するために、静圧軸受でスプール501で非接触浮上させている。本発明の実施形態1、3は、環状流路のリークを線形化の効果として利用しているが、環状流路の隙間(マイクロピストンとノズル間の隙間)は0.1mmのオーダーでよく、従来スプール式と比べて、部品精度は大幅に緩和できる。上記実施形態における環状流路のリークは、定常時に許容される空気消費流量とのバランスを考慮して設定すればよい。
本実施形態では、バルブ駆動電流I=0のとき、流体供給源と空気圧アクチュエータ間の流路を完全遮断できるため、停電時のフェルセーフ機能として活用できる。このフェルセーフ機能により、空気圧アクチュエータに重量物が搭載されている場合でも、重量物は容易には降下しない。この機能は、半径方向流路(隙間δr)だけでバルブを構成する従来スプール式では困難だったものである。
図4は、本実施形態における「マイクロピストン方式バルブ」の駆動電流に対する吸気側、及び排気側の有効断面積の一例を示すものである。実施例では、供給側、及び、有効断面積の最大値をAmax、中立点における両者の有効断面積をA0として、A0/ Amax=0.15に設定している。中立点における駆動電流I0=0.025Aとして、0<I< I0の範囲では吸気側開口面積は緩やかに上昇する。I0<I<Imax範囲では、供給側開口面積は急峻に増大する。
図5は、動作点における吸気側、及び排気側有効断面積を上記マイクロピストン方式と同一に設定した従来ノズルフラッパ弁の特性(駆動電流に対する吸気側、及び排気側の開口面積)を参考に示すものである。上記マイクロピストン方式と異なり、駆動電流に対する吸気側、及び排気側の有効断面積は、全電流領域(0<I<Imax)で直線的な比例関係にある。上記両バルの中立点(I=I0)におけるノズル開口面積は同一の値(A=0.25m2)に設定している。
以下、駆動電流に対する吸気側、及び排気側の有効断面積を与えたときの、本実施例サーボバルブの圧力・流量特性を、従来ノズルフラッパ弁と対比して求める。サーボ弁のノズルを通過する気体の質量流量は、圧縮性流体の等エントロピ流れにおけるノズルの式(1)(2)を用いる。ノズルフラッパ間の有効断面積は、ノズル先端とフラッパ間で形成される環状の流路面積であり、ノズル内径をdとして、供給側有効断面積ain=dπx、排気側有効断面積aout=dπ(δa-x)である。以下、供給源側から空気室に流入する気体の質量流量Ginを次式に示す。ここで、Psは供給源圧力、Paはサーボバルブの制御室圧力、ρsは供給源気体密度、κは比熱比である。
但し、Pa/Ps<{2/(κ+1)}2/(κ-1) のときは
前記制御室から大気側へ流出する気体の質量流量Goutは、式(1)、(2)において、Ps→ Pa、Pa→ P0、ρs→ρa、aout=dπ(δa-x) とすればよい。Vcは制御室33の容積、Rは気体定数である。この質量流量Gin、Goutにより、制御室33の圧力Paは、次式で求められる。
図6は、実施形態1に係る空気圧バルブにおいて、電流値に対する定常状態における制御圧力の解析結果を、従来ノズルフラッパ弁と対比して示す。制御圧力とは制御室33の圧力Paである。解析条件は、供給圧力PS=0.6MPa(abs)、大気圧P0=0.1MPa(abs)、空圧アクチュータの外径D=Φ96mm、空圧アクチュータの隙間δ0=3mm、空圧アクチュータの容積Vc=2.17×10-5m3である。
図7は、実施形態1に係る空気圧バルブにおいて、電流値に対する定常状態における空気消費流量の解析結果を、従来ノズルフラッパ弁と対比して示す。前述したように、上記両バルブの中立点(I=I0)におけるノズル開口面積は同一の値(A=0.25m2)に設定しており、両バルブの空気消費流量はほぼ同レベルである。
図8は、実施例バルブの駆動電流を急変させた場合の時間に対するバルブ流量の過渡応答特性を示すものである。目的は、前述したように、ステージ移動による反力を抑制するフィードフォワード制御を施すためである。同図に、従来フラッパ弁に駆動電流を急変させた場合の過渡応答特性を対比して示す。図6に示すように、実施例バルブの動作点における電流値はI=0.022A、従来ズルフラッパ弁はI=0.017Aであり、このときの制御圧力は、共にPa=2.5×105Pa(0.25MPa)である。
実施例バルブはI=0.022→0.040Aに変化させた場合、従来ズルフラッパ弁はI=0.017→0.040Aに変化させた場合を示す。実施例バルブは最大流量Q=90NL/min近傍まで流量が得られるのに対して、従来ズルフラッパ弁は最大流量Q=33NL/min近傍までしか得られない。ちなみに、電流を急変させる前の定常時の空気消費流量は、共にQ=14〜18NL/minの範囲にある。
図9は、実施例バルブの駆動電流を急変させた場合の時間に対する発生荷重の過渡応答特性を、従来ズルフラッパ弁と対比して示すものである。図9bは図9aの部分拡大図である。図9において、発生荷重が最終到達値に対して0.632倍まで到達する時間を時定数Tとして定義する。実施例バルブ(マイクロピストン方式)の時定数T1=15.5ms、従来ズルフラッパ弁の時定数T2=60msである。したがって、本実施例バルブは従来ズルフラッパ弁と比べて、概略1/4の時間で所定の発生荷重を得ることができる。
さて、図1、及び、図2の説明で前述したように、本実施形態バルブは、供給側ノズル69とフラッパ63との間、及び、排気側ノズル70とフラッパ63の間に横断面が概略環状の流路を形成する環状流路形成構造をそれぞれ設けたものである。すなわち、前記環状流路形成構造は、各ノズル69、70の先端部の筒状の内周面と、前記内周面に対して半径方向に隙間を保って挿入される挿入体(74及び75)とから構成される。本発明は、上記隙間の大きさを適切に設定することにより、定常時の空気消費流量を低レベルに保ったままで、駆動電流に対する制御圧力特性に制御可能な線形領域が存在することを見出しものである。
図10は、中立点の有効断面積A0と最大有効断面積Amaxの比、すなわち、A0/Amaxをパラメータとして、駆動電流に対する制御圧力特性を求めたものである。ちなみに、中立点の有効断面積A0は、前記環状流路の半径方向隙間が小さい程小さく、最大有効断面積Amaxは、ノズル内径が大きい程大きい。図11は、駆動電流に対する空気消費流量を、図10と同一条件で求めたものである。
図10において、A0/Amax=0の場合、電流を増加していくと、0<I<0.025Aの範囲で制御圧力Pa=0である。I=0.025Aで制御圧力は急峻に増大して、Pa=6.0×105Pa(一定値)となる。したがって、この場合、駆動電流に対して制御圧力が比例関係にある線形領域は存在しない。但し、図11のグラフから全電流領域で空気消費流量Q=0である。
A0/Amaxの値が大きくなると、駆動電流に対して制御圧力が比例関係にある線形領域の幅は増大していく。同時に、図11のグラフから空気消費流量も増大していく。A0/Amax=0.5の場合、従来ノズルフラッパ弁の特性(図4)と等価になる。したがって、0<A0/Amax<0.5の範囲に設定すれば、駆動電流に対して制御圧力が比例関係にある線形領域を有すると共に、空気消費流量が従来ノズルフラッパ弁に対して、小さくできる。ノズルを通過する質量流量の式(1)、式(2)に示すように、質量流量はノズル部の有効断面積に比例する。したがって、I=Imax/2における環状流路のリーク流量をQ0、Amaxで決まる最大排気流量をQmaxとすれば、0<Q0/Qmax<0.5となるように設定してもよい。
さて、本実施形態バルブは、低消費空気流量と大排気流量を同時に実現できる、という特徴に加えて、次の効果が得られる。
(1)共振周波数を高く設定できる
(2)小電力でバルブを駆動できる
(3)高速応答性が得られる
上記(1)の理由は次の様である。本研究において、バルブのフラッパに相当する部材を薄いディスク形状にすると、慣性負荷となる可動部の有効質量mはノズル先端近傍における弾性変形部分のみとなる点に注目した。一次の共振周波数は(K/m)1/2に比例するために、質量mが小さい程、ばね定数Kが大きい程、高くできる。従来ノズルフラッパ弁(図50)は質量mの剛体であるフラッパ554がバネ557で支持されているのに対して、本発明サーボバルブはフラッパ自身が弾性体(バネ)である。したがって、従来ノズルフラッパ弁と比べても、本実施形態バルブは共振周波数を高く設定できる。また、特許文献4に開示されているスプール弁(図51)において、前述したように、スプール501を含む可動部の共振周波数は、前記可動部の質量mと、つり合いばね521、522のばね定数Kにより決定される。しかし、大流量の開口部を形成する前記スプール軸の軽量化には限界がある。
さて、パッシブ除振系に加速度フィードバックを施したアクティブ除振系の場合、高周波数域での除振性能の劣化を伴わずに、共振点のピークを低減できる。そのため、アクティブ除振台(図49)では加速度フィードバック制御の適用は必須である。詳細は既提案の特願2015-024794号で記載しているが、加速度フィードバック制御を施した場合、アクティブ除振系の開ループ特性は、広い周波数範囲で開ループゲインが増大すると共に、位相が遅れた特性になる。さらに、閉ループ制御系に組み込まれる空気圧サーボバルブの共振点において、開ループゲインは共振ピークを有し、位相は180度以上遅れる。その結果、空気圧サーボバルブの共振周波数を十分に大きく、たとえば200Hz以上に設定しないと、制御系は安定性に対する充分な裕度が得られないという課題があった。従来スプール式では困難だったこの課題に対して、本発明バルブは容易にクリアできる。
上記(2)の理由は次の様である。本発明のサーボバルブが小電力(小電流)で駆動できる理由は、駆動源に導体表面に働くMaxwellの応力を利用しているという点にある。通常は、0.1mm〜数mmオーダーの微小変位を直動運動させるアクチュエータとして、ボイスコイルモータ(リニアモータ)が使用される。しかし、ボイスコイルモータはローレンツ力を利用しており、大きな推力定数(電気機械変換効率)は得られない。本実施例は、板厚の薄いディスクを流れる磁束の磁気飽和現象に注目して、ローレンツ力よりもはるかに推力定数の高いMaxwellの応力が利用できるという点を利用している。上記理由により、本実施例サーボバルブを駆動する電源容量は十分に小さく、かつ小電流でよい。
上記(3)の理由は、上記(1)(2)の本実施例バルブの特徴から、必然的に導かれるものである。すなわち、慣性負荷mとばね負荷Kが小さく、かつ電気機械変換効率が高いために、コイルの巻数も少なく、電気回路におけるインダクダンスも小さい。したがって、入力電流に対するフラッパ変位(流量)の伝達特性は、十分に高い応答性を得ることができる。
第2の実施形態
本実施例は、前述した実施例と比べて、定常時にさらなる低消費空気流量が図れると共に、電流に対する制御圧力特性の線形性を向上させたバルブ構造を提案するものである。すなわち、フラッパの表裏に形成する挿入体(マイクロピストン)の外径を非対称に形成することにより、メカニカル・フィードバック作用が得られることに着目したものである。
(1)非対称マイクロピストン方式の構成
図12は、本発明の実施形態2に係る空気圧サーボバルブの正面断面図である。図13にマイクロピストン部の部分拡大図を示す。150は筒部形状の中心軸、151はこの中心軸の底部、152は前記中心軸の軸芯と同芯円で形成された中心軸の外枠部、153は前記中心軸に装着されたコイルボビン、154は前記コイルボビンに巻かれたコイルである。中心軸150、中心軸底部151、中心軸の外枠部152、コイルボビン153、コイル154により、フラッパ(後述)を吸引して、その変位を制御する電磁アクチュエータを構成している。
155は中心軸の底部151と外枠部152を収納する筒形状の排気側ハウジング、156はこの排気側ハウジング底部、157はハウジング底部156と中心軸底部151を締結するボルト、158は排気側ハウジング底部156に形成された排気側流通路、159は中心軸150に形成された吐出口である。160は供給側ハウジング、161はこの供給側ハウジングの中心部に形成された供給側流路、162は空気圧アクチュエータ(図示せず)に繋がる制御側流路である。163は凸形円盤形状のフラッパで、板厚の厚い凸部(磁気経路部)164aと、板厚の薄い外周部(弾性変形部)164bにより構成される。165は吸入口、166は供給側ハウジング160とフラッパ163の間に形成される供給側空隙部、167はフラッパ163と前記排気側ハウジング側との間に形成される排気側空隙部である。168a、168b、168c、168dはフラッパ163に形成された流通穴(168b、168dは図示せず)、169は供給側ノズル(順方向ノズル)、170は排気側ノズル(逆方向ノズル)である。171は中心軸150のフラッパ弁側端面(中心軸端面)で、電磁石の第1磁極である。172は外枠部152のフラッパ側端面に形成された第2磁極、173は供給側ハウジング160と排気側ハウジング155を締結する溶接部である。174は前記フラッパの供給側の中心部に形成された供給側凸部(供給側マイクロピストン)、175は前記フラッパの排気側の中心部に形成された排気側凸部(排気側マイクロピストン)である。図13に示すように、供給側凸部174の外径をΦdin、排気側凸部175の外径をΦdoutとしてΦdin>Φdoutである。また、前記供給側空隙部と前記排気側空隙部により、本バルブの制御室176を形成している。
(2)非対称マイクロピストン方式バルブの理論解析
左右のディスク面に加わる力の平衡条件を求める。図14に、非対称マイクロピストンとノズル部の解析モデル図を示す。図14aは、(i)バルブ供給側に高圧源が連結されていなくPS=P0(大気圧)、かつ電磁石の駆動電流がI=0の状態、(ii)バルブ供給側に高圧源(たとえば、PS=0.6MPa)が連結されて、かつ駆動電流がI=0の状態、上記(i)(ii)のいずれかの状態を示す。上記(i)(ii)のいずれの場合でも、制御室176、排気側流路158の圧力は全て大気圧P0となる。図14bは、バルブ供給側に高圧源が連結された上記(ii)の条件で、駆動電流をI>0の場合を示す。
図13、及び、図14bにおいて、制御室176の圧力Pa、供給側マイクロピストンの面積をS1、排気側マイクロピストンの面積をS2、マイクロピストン変位をx、電磁石の駆動電流をI、推力定数をKi、ディスクのバネ定数をKd、圧力フィードバック定数をKPとする。各ピストン端面に加わる圧力による荷重、電磁石の吸引力、ディスクばねによる反力で決まる力の平衡条件は
I=0のとき、x=0, Pa=P0とすれば
ここで、ディスクに初期設定時に与えるバイアス荷重F0,、バイアス変位量x0とすれば、
式(7)を式(4)に代入すれば
Pは2つのマイクロピストンの面積差であり
前述した式(1)〜式(3)、及び、式(8)を連立して解くことにより、非対称マイクロピストン方式バルブを用いた場合の圧力・流量特性を求めることができる。たとえば、PS=0.6Mpa(abs)、P0=0.1Mpa(abs)、Φdin=4.5mm、Φdout=1.8mm、及び、Kd=19200N/mの条件でマイクロピストンを構成した場合、バイアス荷重F0=3.14N、バイアス変位量x0=0.164mmである。
図15は、電磁石の駆動電流Iを入力として制御圧力Paを出力とした場合のブロック線図である。但し、同図において、ディスク変位xに対する制御圧力Paの伝達関数G(s)は、非線形方程式(1)〜式(3)を数値解析で解くことにより得られるもので、Paとxの関係は非線形である。
図16は、排気側凸部径(排気側マイクロピストン径)Φdout=1.8mm一定の条件下で、供給側凸部径(吸気側マイクロピストン径)Φdinをパラメータとして、駆動電流に対する供給側有効断面積を示すものである。但し、同グラフは供給側と排気側に圧力差が生じない無負荷状態を想定して、駆動電流値に比例してフラッパ163が供給側から排気側へ移動する場合を想定している。供給側ノズル169と供給側凸部174間の隙間は僅小と仮定しているため、電流値が0<I<0.025Aの範囲では、供給側有効断面積Ain≒0である。I>0.025Aでは、電流値に比例して供給側有効断面積Ainは直線的に増大する。同図中に駆動電流に対する排気側有効断面積(鎖線)を参考に示す。
本実施例では、供給側ノズル169と供給側凸部174間の隙間、及び、排気側ノズル170と排気側凸部175間で構成される環状流路の隙間は、数μm〜10μmに設定した。環状流路の隙間がこのオーダーになると、流体(空気)の流れは粘性流領域になる。一方、開口径が0.1mmオーダーを通過するノズルの流れは圧縮性流体の領域である。流路の入力側と出口側に同一の圧力差が加わった場合を比較すると、粘性流領域における流量は、その高い流体抵抗のために、圧縮性流体の領域と比べて大きく低減する。
図17は、供給圧力PS=0.6MPa(abs)、大気圧P0=0.1MPa(abs)、及び、表1の解析条件の基で、駆動電流に対する制御圧力特性を求めたものである。マイクロピストンの外径Φdin、Φdoutは図17に記載している。電流値が0<I<0.025Aの範囲では、供給側流路161と制御室176間の流路は遮断されているため、制御圧力Pa=0.1MPa(大気圧)である。
Φdin=1.8mmの場合、すなわち、吸気側マイクロピストン径と排気側マイクロピストン径が等しく、Φdin=Φdinの場合、I=0.025A前後で制御圧力は急峻に変化する。すなわち、I<0.025Aの範囲で大気圧Pa=P0、I >0.025Aの範囲で供給圧Pa=PSを保つ。したがって、この条件下では、本バルブによる圧力の比例制御は困難である。Φdin=2.7mmの場合、0.025<I<0.03Aの範囲でメカニカル・圧力フィードバックの効果が機能して、電流値に対する制御圧力は比例する。さらに、吸気側マイクロピストン径Φdinが大きくなる程、電流値に対する制御圧力が比例関係となる線形領域は増加していく。
図18は、Φdin=4.5mm、Φdout=1.8mmの場合における電流値に対する制御圧力の静特性を示す。本バルブは、同グラフ中に示すように、開放状態と遮断状態の2ケースしか有しないON/OFFバルブである。にもかかわらず、何故電流値に対する制御圧力の静特性が比例関係を有することができるのかについて、以下説明する。
図19a〜図19cはマイクロピストン変位、吸入流量、制御圧力の過渡応答特性を示すものである。すなわち、時間t=0.4sで電流値I=0→0.03A、及び、I=0→0.04Aの2通りの目標値に変化させた場合を比較したものである。図19aにおけるマイクロピストン変位の過渡応答特性において、電流値I=0→0.03A、I=0→0.04Aのいずれもマイクロピストン変位x=0.35mmに収束する。その理由は、制御圧力の最終到達値に関わりなく、図20cで後述するように、圧力フィードバックによるマイクロピストンの移動により、供給側と排気側共に遮断状態になるからである。
図19bにおける吸入流量の過渡応答特性において、電流値I=0の段階、及び、電流が目標値に到達後の定常状態では、空気消費流量Q=0の状態を保つことが分かる。また、図19cにおける制御圧力の過渡応答特性において、時間t>0.4sでは、圧力Paは電流値で決まる静特性圧力(図17参照)に到達する。
図20a〜図20cは、図19aにおける非対称マイクロピストンの挙動をモデル化して示すものである。図20aは、電流を印加する前の状態を示し、供給側流路161と制御室176は遮断状態にある。図20bは、供給側ノズル169と供給側凸部174間が開口して、空気が密閉空間である制御室176に充填される状態を示す。このとき、左右のマイクロピストンの面積差に比例するフィードバック作用[FB=(S1-S2)Pa・・・式(4)の右辺第2項]が印加される。この力FBは、供給側凸部174を再び供給側に移動させるように作用する。図20cは、供給側ノズル169と供給側凸部174間、及び、排気側ノズル175排気凸部175間が共に遮断状態になった場合を示す。このとき、制御室176は密閉空間となり、駆動電流で決まる制御圧力(図18、図19c参照)に収束する。
さて、実施形態バルブをアクティブ除振台のフィードフォワード制御に適用する場合について、以下考察する。
図21は、駆動電流を急変させた場合、時間に対する発生荷重の過渡応答特性を求めたものである。図21bは図21aの部分拡大図である。図21bにおいて、電流I=0→0.04Aに変化させた場合、発生荷重が最終到達値(F=0→2700N)に対して0.632倍まで到達する時間を時定数Tとすれば、T=13.6msである。前述した従来ズルフラッパ弁の時定数T2=60msと比較しても、充分に高い応答性が得られる(図9b参照)。したがって、定常時の空気消費流量をゼロにできる非対称マイクロピストン方式でも、フィードフォワード制御に必要な充分な性能を得ることができることが分かる。
第3の実施形態
本実施例は、前述した下記の2つの実施例、すなわち、図22に示すように、
(i)フラッパ表裏に形成するマイクロピストン外径を非対称にする
(ii)吸・排気流路面積を2段階で変化させる
上記(i)(ii)を組み合せた相乗効果により、電流に対する制御圧力特性の線形性のさらなる向上が図れることを見出したものである。
図23は、マイクロピストン部の部分拡大図で、261はこの供給側ハウジングの中心部に形成された供給側流路、262は供給側空隙部、263は排気側空隙部である。264は供給側ノズル(順方向ノズル)、265は排気側ノズル(逆方向ノズル)である。266はフラッパ、267は中心軸、268は前記中心軸のフラッパ側端面で電磁石の第1磁極である。269は前記フラッパの供給側の中心部に形成された供給側凸部(吸気側マイクロピストン)、270は前記フラッパの排気側の中心部に形成された排気側凸部(排気側マイクロピストン)である。供給側凸部269の外径をΦdin、排気側凸部270の外径をΦdoutとして、前述した実施例同様に、Φdin>Φdoutである。271は、前記供給側空隙部と前記排気側空隙部で形成される制御室である。鎖線円AAに注目すると、272は供給側ノズル264と供給側凸部269間の隙間で形成される供給側環状流路、273は排気側ノズル265と排気側凸部279間の環状隙間で形成される排気側環状流路(図24c参照)である。274は供給側凸部端面、275は排気側凸部端面、276は供給側ノズル端面、277は排気側ノズル端面である。
図23におけるフラッパ266と2つのノズル264、265の位置関係は、駆動電流が0<I<Imax/2の範囲にある場合を示す。駆動電流が上記範囲においては、供給側流路261から供給された空気は、供給側環状流路272を経て、制御室271にリークする。
図24a〜24cはバルブ入力電流を変えたときのノズルフラッパ間の組み合わせ状態を示す。図24aのバルブ入力電流I=0(初期値)では、前記フラッパの供給側凸部269は供給側ノズル264に深く侵入して、供給側ノズル端面276はフラッパ266に密着して供給側環状流路272は遮断状態にある。したがって、この状態(図24a)では供給側流路261から制御室271への空気の流入は無い。
電流が印加(I>0)され、図24aと図24bの中間段階(図23の状態)において、フラッパ266は供給側ノズル端面276から離れる。しかし、供給側凸部269と供給側ノズル264で形成される環状流路は、実施例では0.1mmオーダーの狭い隙間で構成されており、供給側流路261から本バルブの前記制御室に流入する空気流量は小さい。また排気側凸部270は排気側ノズル265と大きく離れており、排気側は開放状態にある。
図24cの入力電流I≒Imax/2(中立点)では、供給側凸部端面274は供給側ノズル端面276と近接した状態にある。また、排気側凸部275も排気側ノズル端面277に対して同様な状態にある。前記供給側ノズルから前記制御室に流入する流量、また、前記制御室から前記排気側ノズルに流入する流量も狭い隙間により抑制されている。
図24cの入力電流I=Imaxでは、供給側凸部端面274は供給側ノズル端面276から十分に離れた状態にある。この場合、供給側流路261から前記制御室に流入する流量は充分に大きい。また、排気側凸部270は、排気側ノズルオリフィス265に深く侵入しており、排気側ノズル端面277はフラッパ266に密着して排気側ノズルオリフィス(排気側環状流路)273は遮断状態にある。したがって、この状態(図24c)では制御室271から排気側流通路278への空気の流出は無い。
図25は、本実施形態における駆動電流に対する吸気側有効断面積を、前述した第2の実施形態と対比して示すものである。本実施形態では、供給側、及び、有効断面積の最大値をAmax、中立点における両者の有効断面積A0として、A0/ Amax=0.15に設定している。但し、本実施形態、及び、第2の実施形態共、排気側凸部径(排気側マイクロピストン径)Φdout=1.8mm、吸気側凸部径(吸気側マイクロピストン径)Φdin=4.5mmに設定している。また、同グラフは供給側と排気側に圧力差が生じない無負荷状態を想定して、駆動電流値に比例して前記フラッパが供給側から排気側へ移動する場合を想定している。
図26は、本実施形態3に係る空気圧サーボバルブにおいて、電流値に対する定常状態における制御圧力の解析結果を、第2の実施形態と対比して示す。供給圧力、空圧アクチュータの外径、隙間、容積などの解析条件は、前述した実施形態2と同一である。前述した実施形態2では、駆動電流が0.025<I<0.045Aの範囲でのみ、電流に対する制御圧力と特性は線形領域を有する。本実施形態3では、電流に対する制御圧力特性は、全電流領域0<I<0.05Aの広い範囲で、線形領域を有することができる。
さて、アクティブ除振台(図49参照)におけるサーボバルブ特性は、動作点を中心に、電流値に対する制御圧力が広い範囲で線形性を保つ領域を有するのが好ましい。その理由は次の様である。サーボバルブは流体サーボ装置(アクティブ除振台)の制御系を構成する一要素であるため、電流の変化分に対する流量の変化分の比率は流量ゲインとして、開ループゲインの中に組み込まれる。サーボバルブの流量特性が非線形の場合、アクティブ除振台全体の安定性裕度を見込むための開ループゲインは、流量ゲインの最大値で決定せざるを得ない。しかし、サーボバルブの動作点は、通常は駆動電流範囲の中間位置近傍(I≒Imax/2)で使用される場合が多い。そのため、電流に対する流量特性が非線形である程、動作点において必要以上に過剰なゲイン余裕を設定することになる。この場合、アクティブ除振台は本来有する十分な性能を発揮できない。
さらに、フィードフォワード制御(以下FF制御)は外乱が既知であって始めて成立する。上記ステージFF制御を施すためには、既知であるステージ挙動信号を用いる。ステージFF制御を用いて、直動外乱を効果的に相殺するためには、ステージの加速度信号を逆位相で忠実に再現する発生力の波形を作る必要がある。そのためには、バルブ駆動電流波形と発生圧力の波形が相似形になるように、すなわち、バルブ駆動電流の動作点を中心に、電流値に対する制御圧力特性が線形性を保つ領域を、出来るだけ広い範囲で持つのが好ましい。
図27a〜図27cは、本実施形態3に係る空気圧バルブにおいて、マイクロピストン変位、吸入流量、制御圧力の過渡応答特性を示すものである。すなわち、時間t=0.4sで電流値I=0→0.03A、及び、I=0→0.04Aの2通りの目標値に変化させた場合を比較したものである。以下、圧力フィードバック作用は有するが、供給・排気流路にリークの無い場合(実施形態2の図19)と対比して説明する。
電流値をI=0→0.03A、I=0→0.04Aの2通りに変化させた場合、ピストン変位の過渡応答特性は、実施形態2の場合(図19a)、ピストン変位xは一定値に収束する。しかし本実施形態3の場合は(図27a)、各場合のピストン変位xの収束値は異なる。
図27bに示す流量の過渡応答特性において、本実施形態3の場合は零には収束しない。しかし、瞬間最大流量Q=250L/N(I=0→0.04A)と比べて、定常時の消費流量は充分に小さな値Q=30〜40L/Nを維持できる。
図27cに示す発生圧力の過渡応答特性において、実施形態2(図19c)と比較すると、電流値I=0→0.03Aの場合の圧力の到達値は高い。この理由は、本実施形態3は、「電流値に対する制御圧力特性」が線形性を保つ領域を、広い範囲で有するからである(図26参照)。
図28は、中立点の有効断面積A0と最大有効断面積Amaxの比、すなわち、A0/Amaxをパラメータとして、駆動電流に対する制御圧力特性を求めたものである。ちなみに、中立点の有効断面積A0は、前記環状流路の半径方向隙間が小さい程小さく、最大有効断面積Amaxは、ノズル内径が大きい程大きい。図28において、A0/Amaxを小さくしていくと、駆動電流に対して制御圧力が比例関係にある線形領域は減少していく。A0/Amax=0のグラフは、前記環状流路の半径方向隙間が小さくリーク量が無視できる程小さな場合、すなわち、第2の実施形態に相当する。ここで、駆動電流I/Imax=0.5(I=0.025A)のとき中立点になるように設定して、この中立点における制御圧力をPB、Pmaxを制御圧力の最大値(供給源圧力)、P0を大気圧として、中間圧力比βは
図29はη=A0/Amaxとして、ηに対する中間圧力比βを求めたものである。η=0.2のとき、β=0.5である。このとき、駆動電流I/Imax=0.5における制御圧力は最大圧力の1/2であり、全電流範囲で圧力制御ができる理想的な線形特性を示す。η= 0のとき、β=0である。このとき、圧力制御は1/2の電流範囲でのみ可能である。
図29のグラフにおいて、ηに対するβの2つの包絡線の交点をC点とする。η=ηc
を境にして、ηに対するにβの勾配は大きく変化する。すなわち、前記環状流路のリークがもたらす線形化の効果は、η>ηcに設定することにより、有効に活用できる。本実施形態の場合はηc=0.03である。ノズルを通過する質量流量の式(1)、式(2)に示すように、質量流量はノズルの開口面積に比例する。したがって、η=A0/Amax= Q0/Qmaxである。このQ0、QmaxからQ0/Qmaxcとなるように設定してもよい。
図30は、駆動電流に対する空気消費流量を、図28と同一条件で求めたものである。同図において、A0/Amaxを小さくしていくと、空気消費流量は低減していく。たとえば、A0/Amax=0.15→0.03にすると、空気消費流量はQ=35→9NL/minに低減する。
質量流量はノズル部の有効断面積に比例するため、A0/Amax=0.03の場合、有効断面積A0で決まる空気消費流量は最大排気量の僅か3%のオーダーである。したがって、本実施形態の空気圧サーボバルブでは、定常時の空気消費流量を実用上ほとんど支障の無いレベルに保った状態で、制御圧力特性の線形領域範囲を大幅に向上させることができる。
図31は、排気側凸部径Φdout=1.8mm、A0/Amax=0.15の条件下で、供給側凸部径Φdinをパラメータとして、駆動電流に対する制御圧力特性を求めたものである。吸気側凸部径Φdinが大きくなるほど、すなわち、非対称マイクロピストンのピストン面積差が大きい程、「電流値に対する制御圧力特性」が線形性を保つ領域を広くできることがわかる。
図32は、駆動電流を急変させた場合、時間に対する発生荷重の過渡応答特性を求めたものである。図32bは図32aの部分拡大図である。
第4の実施形態
前述した本発明サーボバルブの実施形態は、すべて3方弁構造であった。本発明サーボバルブの基本構造は、油空圧分野で用途の多い4方弁としても適用できる。
図33は、本発明の実施形態4に係る4方弁の機能を有する空気圧サーボバルブの正面断面図、図34は本実施形態バルブを空気圧アクチュータに連結した状態を示す図、図35a〜35cはフラッパと後述する第1、第2流路パーツの位置関係を示すモデル図である。750は第1(右側)中心軸、751はこの第1中心軸底部、752は前記第1中心軸の軸芯と同芯円で設けられた第1中心軸外枠部、753はコイルボビン、754は前記コイルボビンに巻かれたコイルである。755は前記第1中心軸底部と外枠部752を収納する筒形状の第1ハウジング、756はこの第1ハウジング底部、757は前記第1ハウジング底部と前記第1中心軸底部を締結するボルト、758は第1供給流通路、759は第1供給口である。760は第2(左側)ハウジング、761は前記第2ハウジングに装着された第2中心軸である。762はこの第2中心軸の中心部で、フラッパ側に装着された第2流路パーツ、763は前記第1中心軸の中心部で、フラッパ側に装着された第1流路パーツである。764は前記コイルボビン、前記第1中心軸外枠、前記第1中心軸の間に装着された非磁性材料による円筒部、765は第2供給口である。
図34において、766は本実施形態バルブ、767は空気圧アクチュエータ、768は前記空気圧アクチュエータの第2空気室、769は前記空気圧アクチュエータの第1空気室、770は出力軸、771は本実施形態バルブ766と前記第2空気室を繋ぐ第2流路、772は本実施形態バルブ766と前記第1空気室を繋ぐ第1流路である。
図33において、773は第2流路771に繋がる第2制御側流路、774は第1流路772に繋がる第1制御側流路、775はフラッパ、776は第2空隙部、777は第1空隙部である。778は第1中心軸750のフラッパ側端面で電磁石の第1磁極である。779は外枠部752のフラッパ側端面に形成された第2磁極、780は第1ハウジング755と第2ハウジング760を外周部で締結する溶接部である。図35a〜35cにおいて、781は前記フラッパの第2中心軸側に形成された第2凸部、782は前記フラッパの前記第1中心軸側に形成された第1凸部である。また、前記供給側空隙部と前記排気側空隙部により、本バルブの排気室783を形成している。784は大気圧に連絡する排気流路、785は前記第1凸部を摺動自在に勘合する第1供給ノズル、786は前記第2凸部を摺動自在に勘合する第2供給ノズルである。787は前記第1凸部外周部に形成された流通路、788、及び、789は前記第1流路パーツの半径方向、及び、外周部に形成された流通路、790、及び、791は前記第1中心軸の半径方向、及び、外周部に形成された流通路である。792は前記第2凸部外周部に形成された流通路、793、及び、794は前記第2流路パーツの半径方向、及び、外周部に形成された流通路、795、及び、796は前記第2中心軸の半径方向、及び、外周部に形成された流通路である。797、及び、798は前記第1流路パーツ、及び、前記第2流路パーツの前記フラッパ側に形成された流通路を兼ねたストッパ部である。
図35a〜35cは前記フラッパと前記第1流路パーツ、前記第2流路パーツの位置関係を示すモデル図である。
図34aは、前記フラッパが前記第2流路パーツに密着した状態(駆動電流 I=0)の状態を示し、供給源側から第1供給流通路758→第1供給ノズル785を経て流入した流体は、流路796→流路789→流路790→流路791→第1制御側流路774→第1流路772を経て、前記空気圧アクチュエータの第1空気室769に流入される。一方、前記空気圧アクチュエータの第2空気室768の流体は、第2流路771→第2制御側流路773を経て、流路783→流路795→流路794→流路793→流路792→排気室783に流入して、排気流路784を経て大気に放出される。その結果、前記空気圧アクチュエータの第1空気室769の圧力は上昇し、第2空気室768の圧力は下降することにより、前記空気圧アクチュエータの出力軸770は左方へ移動する。
図35bは、前記フラッパが前記第1流路パーツと前記第2流路パーツ中間にある状態(駆動電流 I=Imax/2)の状態を示し、前記空気圧アクチュエータの第1空気室769、第2空気室768と流体供給源、大気圧に繋がる流路は遮蔽状態になる。その結果、第1空気室769、第2空気室768は密閉状態になる。
図35cは、前記フラッパが前記第1流路パーツに密着した状態(駆動電流 I=Imax)の状態を示し、図35aの場合と逆に、流体は供給源側から前記空気圧アクチュエータの第2空気室768に流入し、第1空気室769の流体は大気に放出される。
本実施形態とは逆に、供給源を排気室783に相当する空間に連絡して、第1供給流通路758、第2供給流通路786に相当する流路を排気側(大気圧)に連絡する構成でも、4方弁としての機能を満足することができる。
本実施形態では、前記フラッパを駆動する手段に磁気吸引式を用いた場合を示したが、後述するように、ローレンツ力を利用したリニアモータ(ボイスコイルモータ)を用いてもよい。この場合は、前記フラッパのストロークに制約が無く、より大排気量の4方弁を構成し易い。
第5の実施形態
前述した実施形態は、電磁石と前記フラッパ間に発生するMaxwell吸引応力で前記フラッパを可動させたものであった。本実施形態は、前記フラッパの可動手段にリニアモータ(ボイスコイルモータ)を用いたものである。
図36は、本発明の実施形態5に係る空気圧サーボバルブの正面断面図であり、350は筒部形状の中心軸、351は前記中心軸の軸芯と同芯円で形成された外枠部、352は前記外枠部に装着された永久磁石、353はフラッパ支持部材、354は前記中心軸の底部と外枠部351を収納する筒形状の排気側ハウジング、355は排気側ハウジング底部、356は前記排気側ハウジング底部に形成された吐出口である。357はフラッパ、358はこのフラッパとフラッパ支持部材353を締結するボルト、359は前記フラッパに装着されたコイルボビン、360は前記コイルボビンに巻かれたコイルである。361はフラッパ357とコイルボビン359を締結するボルト、362は前記フラッパに形成された流通穴、363は中心軸350に装着固定された排気側ノズル、364はコイルボビン359の前記フラッパ側中心部に設けられた排気側凸部である。365と366は排気側ノズル363と中心軸350に形成された排気側流通路である。
コイルボビン359、コイル360、永久磁石352、外枠部351、フラッパ357、フラッパ支持部材353により、コイル360に印加する電流により、フラッパ357の変位を制御するリニアモータ(ボイスコイルモータ)を構成している。このリニアモータの原理は、磁界中に置かれた通電コイル360に働くローレンツ力を利用するものである。
367は供給側ハウジング、368はこの供給側ハウジングの中心部に形成された供給側流路、369は空気圧アクチュエータ(図示せず)に繋がる制御側流路である。370は吸入口、371は供給側ハウジング367とフラッパ357の間に形成される供給側空隙部、372はフラッパ357と前記排気側ハウジング側の壁面との間に形成される排気側空隙部である。373は供給側ノズル(順方向ノズル)、374は供給側凸部、375は供給側ノズル373に形成された供給側流通路、376は供給側ハウジング367と排気側ハウジング354を締結するボルトである。また、前記供給側空隙部と前記排気側空隙部により、本バルブの制御室377を形成している。
本実施形態では、永久磁石を固定側、コイルを可動側に配置したムービング・コイル式を用いたが、永久磁石を可動側、コイルを固定側に配置するムービング・マグネット式でもよい。
前述した本発明の実施形態では、フラッパに作用する駆動手段として磁気吸引式アクチュータを用いた場合について説明したが、本実施形態のリニアモータを用いてもよい。リニアモータ式の場合、可動部の質量が磁気吸引式と比べて大きいため、バルブ単体の共振周波数は大きくならざるを得ない。しかし、フラッパにより大きなストロークが必要な用途には、リニアモータ式の長所を活かすことができる。
第6の実施形態
本実施例は、空気圧サーボバルブの組立工法、及び、この組立工法を可能にするバルブ構造に関するものである。本発明サーボバルブの有する様々な特徴は、従来スプール式バルブ(特許文献4)とは異なる固有のバルブ構造に基づくものである。本発明の前述した各実施形態バルブに共有する実用上の課題を要約すれば、次のようである。以下、図1(実施形態1)を例にとり説明する。
(1)2つのマイクロピストン部の同軸精度の確保が難しい
フラッパ63の表裏に凸部(74、75)が形成されて、これらの凸部は、狭い隙間を保って、各ノズル(69,70)に収納されている。すなわち、供給側凸部74は供給側ノズル69に収納されて、供給側マイクロピストン部を構成し、排気側凸部75は排気側ノズル70に収納されて、排気側マイクロピストン部を構成している。上記2つのマイクロピストン部は複数部材の組み合わせから構成されている。たとえば、前記フラッパを固定支持する排気側ハウジング55と、排気側凸部75を収納する中心軸50は別部材である。したがって、各部品単体の精度だけでは、上記2つのマイクロピストン部の同軸を確保するのは困難である。
(2)前記フラッパは変形し易い弾性体である
フラッパ63は変形し易い、ディスク形状の弾性体であり、各凸部(74、75)の突出量も、たとえば、0.5〜1.0mmと小さく、組み立て時における同軸度の調整は困難である。
以下、最初に本実施形態で提案する組立工法を可能にするバルブ構造について説明する。 図37は、本発明の実施形態5に係る空気圧サーボバルブの正面断面図であり、650は中心軸、651はこの中心軸底部、652は前記中心軸の軸芯と同芯円で形成された中心軸外枠部、653はコイルボビン、654は前記コイルボビンに巻かれたコイルである。655は中心軸の底部651と外枠部652を収納する筒形状の排気側ハウジング、656はこの排気側ハウジング底部、657は排気側ハウジング底部656と中心軸底部651を締結するボルト、658は排気側流通路、659は吐出口である。660は供給側ハウジング、661は前記供給側ハウジングに装着された供給流路部品である。
662はこの供給流路部品の中心部に形成された供給側流路、663は前記供給流路部品と供給側ハウジング660の間に設けられた半径方向隙間(δ2)である。664は前記供給流路部品を供給側ハウジング660に締結するボルトである。665は空気圧アクチュエータ(図示せず)に繋がる制御側流路、666はフラッパ、667は供給側空隙部、668は排気側空隙部である。669は供給側ノズル(順方向ノズル)、670は排気側ノズル(逆方向ノズル)である。671は中心軸650のフラッパ側端面(中心軸端面)で電磁石の第1磁極である。672は外枠部652のフラッパ側端面に形成された第2磁極、673は供給側ハウジング660と排気側ハウジング655を外周部で締結する溶接部である。
674は前記フラッパの供給側中心部に形成された供給側凸部、675は前記フラッパの排気側中心部に形成された排気側凸部である。また、前記供給側空隙部と前記排気側空隙部により、本バルブの制御室676を形成している。
678は供給側ハウジング660と排気側ハウジング655の勘合部、679はフラッパ666を排気側ハウジング655に固定するための位置決めピン、680は供給側ハウジング660に形成された前記位置決めピンの頭部収納部である。681は中心軸外枠部652と排気側ハウジング655の間に設けられた半径方向隙間(δ1)である。中心軸底部651と中心軸外枠部652は、接合部682において接着、もしくは溶接などにより締結されている。
図38は、最終の製品に使用される凸形円盤形状のフラッパ666で、板厚の厚い凸部(磁気経路部)683aと、板厚の薄い外周部(弾性変形部)683bにより構成される。684a、684b、684c、684dはフラッパ666に形成された流通穴(684b、684dは図示せず)、685は位置決めピン679を挿入する穴部で、円周上に複数個形成されている。
図39は、本サーボバルブの組立時において、フラッパ666の代替として使用されるマスターディスク686である。弾性変形し易いフラッパ666と比べて、充分に厚い板厚により、高剛性ディスクとして構成される。
687は供給側マスター凸部であり、フラッパ666の供給側凸部674と比べて外径は僅かに大きく、長さは長い。688は排気側マスター凸部であり、フラッパ666の排気側凸部675と比べて、同様に外径は僅かに大きく、長さは長い。689は位置決めピン679を挿入するマスター穴部で、フラッパ666に形成される穴部685と同一寸法位置で、円周上に複数個形成されている。以下、本実施形態の組立工程について説明する。
Step1 中心軸の軸芯調整
図40において、最初に中心軸650、及びこの中心軸と一体化した外枠部652を排気側ハウジング655内に収納する。次に、マスターディスク686を排気側ハウジング655に装着する。このとき、
(i)マスター穴部689、及び、排気側ハウジング655に予め形成されているハウジング穴部に位置決めピン679を挿入する。
(ii) 排気側マスター凸部688を排気側ノズル670に挿入する。
(iii)上記(i)(ii)により、中心軸650の軸芯は矢印AAに示すように、凸部687、688の軸芯Cに対して、半径方向隙間(δ1)681の範囲内で移動して自動調芯される。この状態で、排気側ハウジング底部656と中心軸底部651をボルト657により締結する。
Step2 供給流路部品の軸芯調整
(i)図41において、上記Step1の状態を維持したままで、供給側ハウジング660を排気側ハウジング655の勘合部678に挿入する。次に、供給流路部品661を供給側ハウジング660に装着する。
(ii)供給側マスター凸部687に供給側ノズル669を挿入する。
(iii)上記(i)(ii)により、供給流路部品661の軸芯は矢印BBに示すように、凸部687、688の軸芯Cに対して、半径方向隙間(δ2)663の範囲内で移動して自動調芯される。この状態で、供給流路部品661と供給側ハウジング660をボルト664により締結する。
Step3 製品の最終組立
図42において、上記Step2の状態から供給側ハウジング660とマスターディスク686を取り外して、フラッパ666を位置決めピン679により排気側ハウジング655に固定する。次に供給側ハウジング660を排気側ハウジング655に装着して、両部材660、655の外周部を溶接、接着、ボルト等で締結する。
上記Step1〜Step3の組立工程により、本発明空気圧サーボバルブに係る前述した課題、(1)複数個の部材から構成される2つのマイクロピストン部の同軸精度の確保が難しい、(2)フラッパは変形し易い弾性体である、上記(1)
(2)の課題を解消することができる。
前述した2つの半径方向隙間、すなわち、中心軸外枠部652と排気側ハウジング655の間の隙間681(δ1)、供給流路部品661と供給側ハウジング660の間に設けられた半径方向隙間661(δ2)の大きさは、本バルブを構成する各部品の加工精度によって決めればよい。実施例では、上記半径隙間は0.05mm以上に設定すれば実用上充分であり、望ましくは、0.1mm以上に設定すれば、充分な余裕を保って、上記(1)(2)の課題を解消することができた。
その他の実施形態について説明する。なお、この実施形態については図示しない。例えば、本発明の流体サーボバルブと、除振対象物を基礎に対して支持する気体ばねと、前記除振対象物の振動状態を検出する加速度センサと、前記加速度センサからの情報に基づいて前記流体サーボバルブを調節することで、前記除振対象物の振動を低減する気体圧力を前記気体ばねに与えるアクティブ制御器とを組み合わせるとともに、前記流体サーボバルブが、気体を供給側から前記気体ばねに供給し、当該気体ばねから排気側へ排気するように構成し、前記フラッパの1次固有振動が200Hz以上に構成して、流体サーボ装置としてもよい。このようなものであれば、優れた応答特性及び除振特性を実現し、外乱入力に対して十分な振動抑制効果を得ることができる。
[補足]
(1)磁気飽和現象の利用
さて前述したように、本実施例バルブが空気消費流量を大幅に低減できる理由は、双方向フラッパ両面の凸部と、各ノズル側オリフィスの勘合状態を、フラッパの軸方向移動により調節できるからである。そのためには、フラッパは出来るだけ大きなストロークで駆動されるのが構造面と部材の加工面から好ましい。しかし、通常Maxwellの応力を利用したアクチュエータの場合、磁気吸引作用が有効利用できる磁極とフラッパ間の磁気ギャップの最大値は0.05〜0.20mmのオーダーである。エアーギャップに対する磁気吸引力の特性は非線形であり、上記最大値を超えると、磁気吸引力は通常では大幅に低下する。しかし、フラッパに相当する可動部に適切な磁性材料と薄いディスクを用いると、電流に対するフラッパの変位特性は、線形性(直線性)の優れた特性を得ることができることが、本研究の過程で見出すことができた。この磁気飽和現象をさらに積極的に利用することにより、電流に対するフラッパの変位特性の線形性を失うことなく、フラッパのストロークを大幅に増大することができる。この結果は、本発明者によって、特願2015-024794号により既に提案済みのものである。
図43に電流値に対するフラッパ(ディスク)の変位特性の一例を示す。同グラフ中に本実施形態1〜3に用いた電磁石とディスク形状の仕様Type(II)を、別仕様Type(I)と対比して示す。Type(II)の電磁石の外径はType(I)と比べて2倍、コイル巻数は3倍である。電流値I=40mAのときType(I)ではフラッパ変位X=0.12mm程度であるのに対して、Type(II)ではフラッパ変位X=0.68mmが得られる。
ここで、電磁石、ノズル、フラッパなどの要素部品から構成されるサーボバルブの構造を想定する。このとき、各要素部品の形状、バルブ全体構成などは任意とする。本発明サーボバルブに磁気飽和現象が利用されているか否かは、次の方法で評価できる。
(i)閉ループ磁気回路の磁気抵抗の総和を求める。
ノズルフラッパ間の磁気抵抗Raは、電流最大値I=Imaxのとき最小となる。このときのノズルフラッパ間の距離をδn、磁極面積をSとして、Ran/(μ0S)である。上記磁気抵抗Ra以外の線形磁気抵抗の総和をRXとして、閉ループ磁気回路の磁気抵抗の総和は、RS=Ra+RXである。線形磁気抵抗とは、透磁率μが一定で、磁化力Hと磁束密度Bの関係が正比例関係(B=μH)にある、と仮定した場合の磁気抵抗を示す。
(ii)閉ループ磁気回路に発生する磁束の最大値を求める
電磁コイルの巻数をNとして、起磁力の最大値Emax=N×Imaxであり、磁束の最大値はΦmax= N×Imax /RSである。
(ii)磁気飽和が発生し易い箇所の磁束密度Bmaxを求める。
閉ループ磁気回路において、(1)磁路面積の最も狭い箇所、あるいは、(2)飽和磁束密度の最も小さな磁性材料を用いている箇所、上記(1)(2)に注目し、その磁路面積をScとすれば、磁束密度Bmaxmax / Scである。
(iv)磁気飽和現象発生の評価
ここで、上記(1)(2)の箇所に用いる磁性材料の「磁化力に対する磁束密度特性(BH特性)」を評価データとして用いる。線形領域と磁気飽和領域の境界域(磁化力境界値Hc)における磁束密度境界値Bcと、上記Bmaxの大きさを比較する。Bmax<Bcならば、磁気飽和現象は発生せず、磁気回路は線形領域内で使用されている。Bmax>Bcならば、磁気飽和現象が上記(1)(2)の箇所で発生しており、磁気飽和現象を適用する前提条件を満足していることが分かる。
(2)環状流路形成構造
前述した実施形態では、給側ノズルとフラッパとの間、及び、排気側ノズルとの間に横断面が概略環状の流路を形成する環状流路形成構造を形成している。より具体的には前記環状流路形成構造は、たとえば、実施形態3の場合、各ノズル264、265の先端部の筒状の内周面と、前記内周面に対して半径方向に離間させて挿入される挿入体(269及び270)とから構成される。
図44は前記フラッパ本体を軽量化することで、本発明サーボバルブの共振周波数をより一層高く設定出来るように構成したものである。ちなみに、本発明の各実施形態に適用した磁気吸引式サーボバルブの共振周波数は、可動部であるフラッパの共振周波数f 0で決定される。フラッパは薄いディスク形状で構成され、かつ可動部は中心部のみに限定される。そのため、共振周波数f0は従来スプール式(特許文献4)、あるいは、ムービング・コイル式アクチュエータで駆動されるバルブと比較すると、充分に高く出来る。本発明の各実施形態において、前記挿入体(凸部)の中央部に空洞部を形成すれば、さらなる共振周波数向上を図ることができる。701は供給側ノズル、702は排気側ノズル、703はフラッパ、704は供給側凸部、705はこの供給側凸部の中央部に形成された供給側空洞部、706は排気側凸部、707はこの排気側凸部の中央部に形成された排気側空洞部である。各凸部に形成するこれらの空洞部は、供給側、及び、排気側流路には影響は与えない。前記フラッパ薄いディスクで形成し、ディスクを磁力で変形させる磁気吸引式の場合、ディスク中央部は変形量が最も大きい。このディスク中央部の質量がディスクの共振周波数に多大な影響を与えるために、中央部質量の軽量化は、サーボバルブの共振周波数向上におおいに貢献できる。
前述した実施形態は、フラッパの表裏面に凸部を形成し、ノズル側にこの凸部を挿入する筒状の内周面を形成する場合を示した。この逆の構成でも、本発明の機能を持たせることができる。図45において、711は供給側ノズル、712は排気側ノズル、713はフラッパ、714は供給ノズル側凸部、715は給側流通路、716は排気ノズル側凸部、717は排気側流通路である。718は前記フラッパの供給側に形成された供給側筒部、719は前記フラッパの排気側に形成された排気側筒部である。
前述した実施形態は、フラッパの表裏面に形成する凸部(挿入体)は円柱形状であった。図46は前記凸部をテーパ形状に構成したもので、721は供給側ノズル、722は排気側ノズル、723はフラッパ、724は供給ノズル側凸部、725は給側流通路、726は供給側凸部のテーパ部、728は排気ノズル側凸部、729は排気側流通路、730は排気側凸部のテーパ部、731は供給側ノズル先端部、732は制御室、733は排気側ノズル先端部である。図46a〜46cはバルブ入力電流を変えたときの各ノズル721,722とフラッパ723の位置関係を示し、図46aはバルブ入力電流I=0(初期値)の状態、図46bはI≒Imax/2(中立点)の状態、図46cはI=Imax(最大値)の状態である。ここで、図46aおける鎖線円Dに注目する。供給側ノズル先端部731とフラッパ723は密着して、供給側ノズル先端部731の半径方向流路は遮蔽状態になる。その結果、給側流通路725と制御室732間の流路は完全に遮断される。図46cにおいても、排気側ノズル先端部733とフラッパ723は密着して、排気側ノズル先端部733の半径方向流路は遮蔽状態になる。その結果、制御室732と排気流通路729との流路は完全に遮断される。本構成により、たとえば、第1実施形態(図4)のグラフに示すように、I=0のとき有効断面積A=0、かつ電流が0<I<Imax/2の区間におけるフラッパの変位に対する吸気側有効断面積、及び、フラッパの変位に対する排気側有効断面積を単調増加する線形特性にすることができる。ノズルを通過する流量は、有効断面積に比例するため、前記テーパ部726、730の箇所を曲線形状にすれば、この曲線形状の選択により、電流が0<I<Imax/2の区間、及び、Imax/2<I<Imaxの区間における吸・排気流量を任意の曲線にできる。(図示せず)
凸部にテーパ部を形成する代わりに、ノズルの内面をテーパにしてもよい。また全電流領域で、凸部はノズル内に常に収納されている構成でもよい。この場合でも、フラッパ変位に対して有効断面積(流量)が下に凸となるような非線形特性を持たせる流路形状にすればよい。(図示せず)
(3)表面絞り形ノズルの適用
前述した実施形態は、給側ノズルとフラッパとの間、及び、排気側ノズルとの間に横断面が概略環状の流路を形成する環状流路形成構造を形成していた。この環状流路形成構造以外として、狭い隙間を半径方向に流れる粘性流体抵抗を利用した非接触式ノズル(表面絞り形ノズル)も適用できる。
図47において、741は供給側ノズル、742はフラッパ、743は供給ノズル側凸部、744は給側流通路、745は中心軸、746は排気側ノズル、747は中心軸745の前記フラッパ側に形成されて、排気ノズル径ΦD2よりも外径ΦD3が充分に大きな凸部である。この凸部747とフラッパ742間の隙間δにより、表面絞り形ノズルを構成している。この表面絞り形ノズルは隙間δが小さいときは、流体の流れが粘性領域にあるため流体抵抗が極めて大きい。前述した流路の有効断面積Aに換算すれば、Aは僅小である。隙間δが増大して流体の流れがポテンシャル領域に入れば、流体抵抗は大幅に低減して、有効断面積Aは大幅に増大する。すなわち、隙間δ(フラッパの変位)に対して、流量は非線形特性で変化する。前記非線形特性は下に凸の曲線であり、その変曲点A0を用いれば、前記環状流路形成構造と組み合わせて、本発明バルブを構成できる。
図48は、供給側と排気側の両方に、上述した表面絞り形ノズルを適用した場合を示す。851は供給側中心軸、852は供給側ノズル、853は給側流通路、854は供給側凸部、855はフラッパ、856は排気側中心軸、857は排気側ノズル、858は排気側流通路、859は排気側凸部である。
(4)フラッパの形状
前述した本発明の実施例に適用したフラッパ(ディスク)の形状は、たとえば、実施形態1(図1)の場合、板厚の厚い凸部(磁気経路部)64aと、板厚の薄い外周部(弾性変形部)64bにより構成される凸形円盤形状のフラッパであった。この弾性変形部に用いるディスクばねとして、スパイラルディスクばね、雲形ばね等を用いてもよい。
弾性変形部の板厚を極力薄くして剛性を低減すると、板厚が薄くなるほど弾性変形部に発生する応力が増大して、フラッパ部材の許容応力(弾性限界)を超えてしまうという問題がある。弾性変形部をスパイラルディスクばねにすることにより、最大発生応力の大幅な低減を図ることができる。スパイラルディスクばねの剛性と発生応力は、板厚以外にスパイラル角度α、グルーブ(リッジ)の本数、グルーブとリッジの幅比などによって選定できる(図示せず)。
(5)バルブ全体構造
前述した本発明の実施例は、バルブ構造は主に軸対称部品で構成したものであった。上記軸対称部品以外に、角柱、円柱、馬蹄形、環状、などの各種鉄心、長方形の薄板材、角型ブロックなどの組み合わせで磁気回路、及び流体回路を形成しても、本発明によるサーボバルブを実現できる。たとえば、断面視において磁性材料部材を概略多角形形状に連結して閉ループ磁気回路を形成し、前記磁性材料部材のそれぞれは、電磁石のコイルを巻く鉄芯、ヨーク材、フラッパとしてもよい(図示せず)。
本発明の前述した各実施例では、作動流体に空気を用いた場合を示したが、本発明で用いる作動流体としては、油、空気、様々な種類のガスを問わず適用できる。たとえば電磁コイルの部分は、樹脂でモールド(封止)成形することで液体が触れてもよい構成にしてもよい(図示せず)。
ディスク(フラッパ)、及び、閉ループ磁気回路を構成する部品には磁性材料を用いて、たとえば、パーマロイ(B)、電磁ステンレス鋼、純鉄などが適用できる。また、それ以外のハウジングなどには非磁性材料を用いればよい。低ヒステリシス化を図るために、パーマロイ等の難加工性材料を用いる場合は、各部品を単純化形状の要素にする。これらの要素を接着、焼きばめ、圧入、溶接などの工法を選択して接合すればよい。たとえば、第1実施形態(図1)において、中心軸50を細い円筒形状、中心軸底部51を薄い円筒形状にして、これらの要素を上記工法で接合すればよい(図示せず)。
以上、本発明バルブを工業用アクティブ除振装置に適用した場合について説明したが、本発明は様々な空気圧サーボ装置に適用できる。たとえば、空気圧人工筋肉を用いた人と協調可能なパワーアシストシステムに適用すれば、細かな位置制御と共に、電磁モータにはない柔らかな動作が実現できる。あるいは、空気圧ゴム人工筋肉を用いた足関節の背屈動作を支援する歩行支援装置、空気圧シリンダで駆動されるパワーアシスト椅子、空気圧ベローズで駆動する微動ステージ、複雑な形状の物体を把持する空気圧マニュプレータ、鉄道車両用の空気圧ブレーキシステム、車両用のアクティブサスペッション、等々である。
空気圧サーボシステムは、1.クリーン、2.保守が容易、3.出力/重量比が電動式と比べて高い、4.圧縮性のため動きがなめらかである、5.力制御ができる、など他方式にはない様々な特徴を有する。空気圧サーボシステムの性能とコストを最も支配するのは、システムの心臓部であるサーボバルブであると言っても過言ではなく、従来バルブの欠点を大きく解消する本発明バルブは、今後空気圧サーボシステムの幅広い普及をおおいに加速すると予想される。
(6)マイクロピストン式と部品精度について
前述したように、本発明のマイクロピストン式は「軸方向流路」と「半径方向流路」の2つの流路を利用することにより、バルブ駆動電流I=0のとき供給流量Qin=0、排気流量Qout=Qmax、I=Imaxのとき供給流量Qin=Qmax、排気流量Qout=0にできる。この流量Qmaxの値は流路が完全遮蔽されているため、リーク(部材間の隙間)の影響を受けない。上記特徴に、マイクロピストン径を非対称にすることで得られる圧力フィードバック作用を組み合わせることで、次の相乗効果が得られる。
すなわち、環状流路形成構造を構成する各部品の精度・組立精度の影響を受けず、0<I<Imaxの範囲で、線形性に優れた電流に対する流量・圧力特性が得られる。この効果は、0<I< Imaxの範囲で働く圧力フィードバックによる線形化作用によるものである。したがって、本発明のマイクロピストン式バルブは、バルブ性能を維持したままで、加工・組立精度を大幅に緩和できる。この効果は、サブミクロン・レベルの精度が必須の従来スプール式バルブ等では得られないものである。
59 流体排気側
63 フラッパ
65 流体供給側
69 順方向ノズル
70 逆方向ノズル
76 制御室
77 供給側流量制御部
78 排気側流量制御部

Claims (13)

  1. 流体供給側に流路が連絡した順方向ノズルと、
    流体排気側に流路が連絡した逆方向ノズルと、
    前記順方向ノズルと前記逆方向ノズルの先端部に対して対向するように設けられたフラッパと、
    前記フラッパの一部を固定するフラッパ支持部材と、
    前記フラッパが前記順方向ノズルと前記逆方向ノズルの間を移動するように前記フラッパに作用する駆動手段と、
    前記順方向ノズルと前記フラッパの対向面の間に形成された供給側流量制御部、又は、前記逆方向ノズルと前記フラッパの対向面の間に形成された排気側流量制御部と、を備え、
    流体供給側から供給される作動流体は前記順方向ノズルを通過して、前記フラッパが収納される空間である制御室へ流入し、この制御室から前記逆方向ノズルを通過して前記流体排気側へ流出するように構成されており、
    前記供給側流量制御部、又は、前記排気側流量制御部の有効断面積が、前記フラッパの変位に対して非線形特性で変化するように構成され、
    前記非線形特性は下に凸の曲線又は折れ線で表されるものあり、その屈曲点における有効断面積をA0、有効断面積の最大値をAmaxとしたとき、0<A0/Amax<0.5であることを特徴とする流体サーボバルブ。
  2. 前記供給側流量制御部、及び、前記排気側流量制御部は横断面が概略環状の流路を形成する環状流路形成構造であり、
    前記環状流路形成構造は、
    前記概略環状の流路の外側境界を形成する筒部の内周面と、
    前記内周面に対して半径方向に離間させて挿入される挿入体とからなる請求項1記載の流体サーボバルブ。
  3. 前記フラッパの供給側と排気側の概略中央箇所に凸部を形成して前記挿入体とし、前記順方向ノズル、及び、前記逆方向ノズルの内面に前記筒部を形成したことを特徴とする請求項2記載の流体サーボバルブ。
  4. 前記挿入体の流体供給側の概略外径をΦdin、流体排気側の概略外径Φdouとして、Φdin>Φdouとなるように構成したことを特徴とする請求項2記載の流体サーボバルブ。
  5. Pmaxを制御室圧力の最大値、P0を大気圧、中立点における制御室圧力をPB、供給側有効断面積をA0、供給側有効断面積の最大値をAmax、η=A0/Amax、及び、中間圧力比β=(PB-P0)/(Pmax-P0) と定義して、ηに対するβ曲線の包絡線の交点における前記ηをηcとしたとき、η>ηcとなるように、前記A0、及び、前記Amaxを設定したことを特徴とする請求項4記載の流体サーボバルブ。
  6. 前記筒部と前記挿入体から構成される前記環状流路形成構造において、前記筒部、もしくは、前記挿入体を構成する部品のいずれかは、前記環状流路形成構造を収納するハウジングに対して別部材で構成されており、ボルトなどの締結部材を取り外した状態で、前記環状流路の軸芯調整のために半径方向に移動可能であることを特徴とする請求項2記載の流体サーボバルブ。
  7. 半径方向に移動可能な隙間は0.05mm以上であることを特徴とする請求項6記載の流体サーボバルブ。
  8. 前記駆動手段に印加する電流が零の状態で、前記流体供給側から前記流体排気側に繋がる前記環状流路は前記フラッパと前記供給側ノズル間の密着により遮蔽されることを特徴とする請求項2記載の流体サーボバルブ。
  9. 前記フラッパに対して吸引力が発生するように設けられた電磁石と、前記電磁石の吸引力により前記フラッパを変形させて、前記順方向ノズルの先端部、及び、又は、前記逆方向ノズルの先端部と前記フラッパとの離間距離を変化させるように前記駆動手段を構成したことを特徴とする請求項1記載の流体サーボバルブ。
  10. 前記フラッパと、このフラッパに対向して設けられた前記フラッパに吸引作用を与える磁極と、この磁極と前記フラッパを含む磁性材料部品で閉ループ磁気回路を構成し、
    この閉ループ磁気回路の磁気特性が、
    磁化力に対する磁束密度の特性が概略比例関係にある線形領域と、
    磁化力に対する磁束密度特性の傾斜角が前記線形領域と比べて小さく変化する領域を磁気飽和領域とを有し、
    前記フラッパの変位可能範囲で前記電磁石に通電する電流を増大させたときに、前記磁性材料部品を流れる磁束の磁束密度は前記磁気飽和領域に入ることを特徴とする請求項1記載の流体サーボバルブ。
  11. 前記駆動手段が、
    前記フラッパに固定されたコイルボビンと、
    このコイルボビンに巻かれた電磁コイルと、
    この電磁コイルの外周部において、隙間を保って配置された永久磁石と、を備え、
    前記コイルボビン、前記電磁コイル、前記永久磁石によりローレンツ力を利用したリニアアクチュータとして構成したことを特徴とする請求項1又は9記載の流体サーボバルブ。
  12. 第1ノズルと、
    第2ノズルと、
    前記第1ノズルと前記第2ノズルの間に配置され、前記第1ノズルと前記第2ノズルの先端部に対して対向するように設けられたフラッパと、
    前記フラッパが前記第1ノズルと前記第2ノズルの間を移動するように前記フラッパに作用する駆動手段と、
    前記第1ノズルと前記フラッパの間に形成された第1流量制御部と、
    前記第2ノズルと前記フラッパの間に形成された第2流量制御部と、
    外部と連絡する第1開口部を有する第1流量制御流路と
    外部と連絡する第2開口部を有する第2流量制御流路と、を備え、
    前記フラッパが前記第1ノズルに近接したときにおいて、供給側から第1流量制御部を経て第1流量制御流路へ流路が開放されると同時に、第2流量制御流路から第2流量制御部を経て流路が開放され、
    前記フラッパが前記第2ノズルに近接したときにおいて、供給側から第2流量制御部を経て第2流量制御流路へ流路が開放されると同時に、第1流量制御流路から第1流量制御部を経て流路が開放されるように構成されていることを特徴とする流体サーボバルブ。
  13. 請求項1乃至12いずれかに記載の流体サーボバルブと、
    除振対象物を基礎に対して支持する気体ばねと、
    前記除振対象物の振動状態を検出する加速度センサと、
    前記加速度センサからの情報に基づいて前記流体サーボバルブを調節することで、前記除振対象物の振動を低減する気体圧力を前記気体ばねに与えるアクティブ制御器とを備え、
    前記流体サーボバルブが、気体を供給側から前記気体ばねに供給し、当該気体ばねから排気側へ排気するように構成されており、
    前記フラッパの1次固有振動数が200Hz以上に構成されている流体サーボ装置。
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