JP2018023690A - 経鼻カテーテルの曲げ加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】経鼻カテーテルを利用している患者の負担を軽減しながら経鼻カテーテルの引き抜き行為を防ぎ得る技術を提供する。【解決手段】経鼻カテーテルの曲げ加工装置(1)は、一平面上に経鼻カテーテル(5)を収めるための溝部(13,16)をそれぞれ有し、熱伝導性をそれぞれ有する一対の型取部(11,12)と、当該一対の型取部を加熱するヒータ手段と、を備え、溝部(13,16)は、一対の型取部(11,12)の各平面上の一端から他端まで延設されており、かつ、その一端からその他端までの間に屈曲部(15,18))を有しており、溝部(13,16)の幅方向断面は、経鼻カテーテル5の外周面に対応した円弧状をなし、一対の型取部(11,12)は、ヒータ手段により加熱される際に、上記平面どうしが接合又は近接されることにより、溝部(13,16)間で経鼻カテーテル5を挟持する。【選択図】図1
Description
本発明は、経鼻カテーテルを曲げ加工する技術に関する。
現在、医療現場において、カテーテル、チューブ、カニューレなどと呼ばれる中が空洞の細長い管が様々な場面で利用されている。例えば、血管内にカテーテルを差し込んで、血管を内側から広げたり、血の流れを止めたりする血管内治療が行われている。その他、心臓カテーテル検査や、尿道からカテーテルを入れて尿の排出を行う導尿なども行われている。
本明細書において「経鼻カテーテル」とは、鼻から挿入し、胃や腸、気管などの体内器官にその先端部を所定時間留め置き、体外から栄養剤や酸素を送り込んだり、体内器官から何かを吸引したりするために利用される中が空洞の細長い管を意味する。「経鼻カテーテル」の代表的な例として、胃や腸に栄養剤を継続的に送り込むための経鼻栄養チューブと呼ばれるものがある。
本明細書において「経鼻カテーテル」とは、鼻から挿入し、胃や腸、気管などの体内器官にその先端部を所定時間留め置き、体外から栄養剤や酸素を送り込んだり、体内器官から何かを吸引したりするために利用される中が空洞の細長い管を意味する。「経鼻カテーテル」の代表的な例として、胃や腸に栄養剤を継続的に送り込むための経鼻栄養チューブと呼ばれるものがある。
経鼻カテーテルは、鼻から挿入された状態で、ある程度長い時間、留め置かれる。このため、利用時には、経鼻カテーテルは、図6(b)に示されるように、鼻孔の周辺及び頬の周辺に粘着テープを使って固定されるのが一般的である。このような経鼻カテーテルの固定に伴う患者の負担を軽減するために、下記特許文献1には、粘着テープを用いずに簡単かつ確実に経鼻カテーテルを保持する保持具が提案されている。この保持具は、患者の頭部に装着されるワイヤ装着具とそのワイヤ装着具に着脱可能に設けられた保持体を有しており、その保持体により経鼻カテーテルのチューブ体を脱着可能に係止する。
特許文献1の開示のように、経鼻カテーテルの固定に伴う患者の負担を軽減する手法は様々提案されている。
しかしながら、そもそも経鼻カテーテルを鼻から挿入している状態自体、患者に負担をかけているため、患者によっては、勝手に経鼻カテーテルを引き抜いてしまう又は引き抜こうとしてしまう場合がある。以降、このような行為を経鼻カテーテルの引き抜き行為と総称する。例えば、認知症や精神疾患の患者、乳幼児などのように、経鼻カテーテルの必要性の認識が低い患者は、そのような引き抜き行為をする場合が多い。また、就寝中に無意識にそのような引き抜き行為をしてしまう患者もいる。
しかしながら、そもそも経鼻カテーテルを鼻から挿入している状態自体、患者に負担をかけているため、患者によっては、勝手に経鼻カテーテルを引き抜いてしまう又は引き抜こうとしてしまう場合がある。以降、このような行為を経鼻カテーテルの引き抜き行為と総称する。例えば、認知症や精神疾患の患者、乳幼児などのように、経鼻カテーテルの必要性の認識が低い患者は、そのような引き抜き行為をする場合が多い。また、就寝中に無意識にそのような引き抜き行為をしてしまう患者もいる。
経鼻カテーテルの引き抜き行為を防ぐために、手指が分かれていない手袋が用いられる場合がある。しかしながら、図6(b)に示されるような一般的な固定の仕方では、鼻周辺の固定箇所から頬の固定箇所までの非固定箇所に手袋の少なくとも一部を挿入することで、経鼻カテーテルの引き抜き行為ができてしまう。特許文献1の保持具も頭部からワイヤ装着具が外されてしまえば、経鼻カテーテルは引き抜かれてしまう。
一方で、経鼻カテーテルが表出している鼻下から口元及び頬の端まで全て粘着テープで止めてしまえば、当該引き抜き行為を防ぐことはできるかもしれない。但し、この手法では、粘着テープによる患者の負担は増加してしまう。また、口元を粘着テープで止めてしまうのは現実的ではない。
一方で、経鼻カテーテルが表出している鼻下から口元及び頬の端まで全て粘着テープで止めてしまえば、当該引き抜き行為を防ぐことはできるかもしれない。但し、この手法では、粘着テープによる患者の負担は増加してしまう。また、口元を粘着テープで止めてしまうのは現実的ではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、経鼻カテーテルを利用している患者の負担を軽減しながら経鼻カテーテルの引き抜き行為を防ぎ得る技術を提供する。
本発明の各側面では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
第一の側面は、経鼻カテーテルの曲げ加工装置に関する。第一の側面に係る当該装置は、一平面上に経鼻カテーテルを収めるための溝部をそれぞれ有し、熱伝導性をそれぞれ有する一対の型取部と、当該一対の型取部を加熱するヒータ手段と、を備える。上記溝部は、当該一対の型取部の上記各平面上の一端から他端まで延設されており、かつ、その一端からその他端までの間に屈曲部を有しており、上記溝部の幅方向断面は、経鼻カテーテルの外周面に対応した円弧状をなし、当該一対の型取部は、ヒータ手段により加熱される際に、上記平面どうしが接合又は近接されることにより、上記溝部間で経鼻カテーテルを挟持する。
第二の側面は、中が空洞の細長い管により形成される経鼻カテーテルに関する。第二の側面に係る経鼻カテーテルは、当該管における経鼻挿管された際に患者の鼻下位置にくる箇所が屈曲しており、当該管の形状としてその屈曲の状態が維持されている。
第三の側面は、第一の側面に係る装置を用いた経鼻カテーテルの曲げ加工方法に関する。第三の側面に係る当該方法は、一対の型取部の一方の溝部に経鼻カテーテルを嵌め、溝部間で経鼻カテーテルを挟むように一対の型取部の他方の上記平面を上記一方の型取部の上記平面に接合又は近接させ、経鼻カテーテルの属性に対応する所定時間、ヒータ手段により一対の型取部を加熱する、ことを含む。
上記各側面によれば、経鼻カテーテルを利用している患者の負担を軽減しながら経鼻カテーテルの引き抜き行為を防ぎ得る技術を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に挙げる実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
本実施形態に係る経鼻カテーテルの曲げ加工装置(以降、加工装置と略称する場合もある)について、図1、図2、図3及び図4を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る加工装置1の斜視図であり、図2は、加工時における本実施形態に係る加工装置1の斜視図であり、図3は、本実施形態に係る加工装置1の型取部とヒータ板とを示す図であり、図4は、本実施形態に係る加工装置1の型取部11の一平面(溝形成面)を示す図である。
図1は、本実施形態に係る加工装置1の斜視図であり、図2は、加工時における本実施形態に係る加工装置1の斜視図であり、図3は、本実施形態に係る加工装置1の型取部とヒータ板とを示す図であり、図4は、本実施形態に係る加工装置1の型取部11の一平面(溝形成面)を示す図である。
本実施形態に係る加工装置1は、主な構成要素として、型取部11及び12、ヒータ板21及び22、ヒータ電源コード23及び25、断熱カバー31及び32を有する。
一対の型取部11及び12は、熱伝導性を有し、ヒータ板21又は22により加熱され、その熱により型取部11及び12の間に挟持する経鼻カテーテル(以降、カテーテルと略称する場合もある)5を曲げ加工する。
一対の型取部11及び12は、熱伝導性を有し、ヒータ板21又は22により加熱され、その熱により型取部11及び12の間に挟持する経鼻カテーテル(以降、カテーテルと略称する場合もある)5を曲げ加工する。
型取部11及び12の素材は、銅、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、チタンなどの熱伝導率の高い金属又は合金である。型取部11及び12の素材には、腐食し難く、熱伝導性が高く、かつ加工がし易いという理由からアルミニウムが選択されることが好ましい。但し、型取部11及び12の素材は、熱伝導性を有していればよく、それらに限定されない。
型取部11及び12は、一平面上にカテーテル5を収めるための溝部13及び16をそれぞれ有する。以降、型取部11又は12における溝部13又は16が形成されている一平面を型取部11又は12の溝形成面と表記する場合もある。
溝部13及び16は、型取部11又は12の溝形成面上の一端から他端まで延設されている。具体的には、溝部13は、型取部11の溝形成面上の一端14fから他端14rまで延設されており、溝部16は、型取部12の溝形成面上の一端17fから他端17rまで延設されている。本実施形態では、型取部11及び12の溝形成面は、四角形の形状を有しているため、言い換えれば、溝部13及び16は、各溝形成面上における相互に隣接する辺の端(縁)から端(縁)まで延設されている。
溝部13及び16は、型取部11又は12の溝形成面上の一端から他端まで延設されている。具体的には、溝部13は、型取部11の溝形成面上の一端14fから他端14rまで延設されており、溝部16は、型取部12の溝形成面上の一端17fから他端17rまで延設されている。本実施形態では、型取部11及び12の溝形成面は、四角形の形状を有しているため、言い換えれば、溝部13及び16は、各溝形成面上における相互に隣接する辺の端(縁)から端(縁)まで延設されている。
本実施形態では、図2に示されるように、型取部11及び12は、各々の溝形成面が向かい合いかつ溝部13及び16が相互に対向する位置となるように、即ち、溝形成面どうしが面対称となるように、接合可能に構成されている。これにより、型取部11及び12の溝形成面どうしを接合させることにより、溝部13と溝部16との間にカテーテル5を挟持することができる。但し、溝部13及び16の表面がカテーテル5の外周面に当接すればよいため、溝形成面どうしは直接接合されず他の物を介在させて又は他の物を介在させることなく近接されるよう構成されていてもよい。
溝部13及び16の幅方向断面は、カテーテル5の外周面に対応した円弧状をなす。この断面形状により、型取部11及び12の溝形成面どうしが接合又は近接されることにより、溝部13及び16の表面とカテーテル5の外周面とが当接する。
本実施形態では、溝部13及び16の幅方向断面は、カテーテル5の外径を直径とする半円状をなす。これにより、型取部11及び12の溝形成面どうしがカテーテル5を溝部13又は16に収めた状態で接合された場合には、溝部13及び16の表面は、全体的にカテーテル5の外周面の全周と密着する。結果、本実施形態によれば、カテーテル5の外周面の全周を効率的に加熱することができ、溝部13及び16の形状に合わせてカテーテル5を確実に曲げ加工することができる。
但し、溝部13及び16の表面は、カテーテル5の外周面の全周を必ずしも覆う必要はなく、熱が伝わりカテーテル5が曲げ加工可能な程度に覆っていればよい。また、溝部13及び16の長手方向の少なくとも一部の表面がカテーテル5の外周面の全周を覆っていてもよい。
本実施形態では、溝部13及び16の幅方向断面は、カテーテル5の外径を直径とする半円状をなす。これにより、型取部11及び12の溝形成面どうしがカテーテル5を溝部13又は16に収めた状態で接合された場合には、溝部13及び16の表面は、全体的にカテーテル5の外周面の全周と密着する。結果、本実施形態によれば、カテーテル5の外周面の全周を効率的に加熱することができ、溝部13及び16の形状に合わせてカテーテル5を確実に曲げ加工することができる。
但し、溝部13及び16の表面は、カテーテル5の外周面の全周を必ずしも覆う必要はなく、熱が伝わりカテーテル5が曲げ加工可能な程度に覆っていればよい。また、溝部13及び16の長手方向の少なくとも一部の表面がカテーテル5の外周面の全周を覆っていてもよい。
更に、溝部13及び16は、屈曲部15又は18を含む。具体的には、溝部13は、型取部11の溝形成面における一端14fから他端14rまでの間に屈曲部15を有し、溝部16は、型取部12の溝形成面における一端17fから他端17rまでの間に屈曲部18を有する。
本実施形態では、溝部13及び16は、一端から屈曲部15又は18までの間及び他端から屈曲部15又は18までの間は、直線状に延設されており、当該一端から屈曲部15又は18への延設方向と当該他端から屈曲部15又は18への延設方向とは交差している。そして、本実施形態では、その交差の鋭角角度は75度である。この「交差の鋭角角度」とは、交点にできる角度のうち鋭角なほうの角度を意味する。以降、この交差の鋭角角度を屈曲角度と表記する場合もある。即ち、本実施形態における屈曲部15及び18の屈曲角度は75度である。具体的には、図4に示されるように、溝部13は、型取部11の溝形成面において、一端14fから屈曲部15までの間及び他端14rから屈曲部15までの間は、直線状に延設されており、一端14fから屈曲部15への延設方向と他端14rから屈曲部15への延設方向とは交差しており、その交差の鋭角角度は75度である。同様に、溝部16は、型取部12の溝形成面において、一端17fから屈曲部18までの間及び他端17rから屈曲部18までの間は、直線状に延設されており、一端17fから屈曲部18への延設方向と他端17rから屈曲部18への延設方向とは交差しており、その交差の鋭角角度は75度である。
本実施形態では、溝部13及び16は、一端から屈曲部15又は18までの間及び他端から屈曲部15又は18までの間は、直線状に延設されており、当該一端から屈曲部15又は18への延設方向と当該他端から屈曲部15又は18への延設方向とは交差している。そして、本実施形態では、その交差の鋭角角度は75度である。この「交差の鋭角角度」とは、交点にできる角度のうち鋭角なほうの角度を意味する。以降、この交差の鋭角角度を屈曲角度と表記する場合もある。即ち、本実施形態における屈曲部15及び18の屈曲角度は75度である。具体的には、図4に示されるように、溝部13は、型取部11の溝形成面において、一端14fから屈曲部15までの間及び他端14rから屈曲部15までの間は、直線状に延設されており、一端14fから屈曲部15への延設方向と他端14rから屈曲部15への延設方向とは交差しており、その交差の鋭角角度は75度である。同様に、溝部16は、型取部12の溝形成面において、一端17fから屈曲部18までの間及び他端17rから屈曲部18までの間は、直線状に延設されており、一端17fから屈曲部18への延設方向と他端17rから屈曲部18への延設方向とは交差しており、その交差の鋭角角度は75度である。
本実施形態によれば、屈曲部15及び18の上述の屈曲角度によって、カテーテル5を確実に曲げ加工することができる。また、その屈曲角度によって、鼻孔から露出されたカテーテル5を、口の上を通過させることなく、鼻翼と隣接する頬の位置に配置し固定させることができる。結果、鼻孔から頬の固定箇所までの間の皮膚とカテーテル5との間の隙間ができる箇所を少なくすることができ、患者によるカテーテル5の引き抜き行為を未然に防ぐことができる。
本実施形態のように屈曲部15及び18の屈曲角度は75度であることが望ましいが、その角度に限定するものではない。加工後のカテーテル5の内腔の挿通状態が維持されつつ、加工後のカテーテル5が75度近辺(プラスマイナス5度程度の範囲)で屈曲した状態を維持することができればよい。よって、溝部13及び16の一端から屈曲部15又は18への延設方向と他端から屈曲部15又は18への延設方向との交差の鋭角角度は、70度以上80度以下であればよい。当該角度が80度を超える場合であっても90度以下であれば、カテーテル5自体が口の上を通過しないように固定することはできるかもしれないが、隙間を最小減にするためには鼻下の端の位置でカテーテル5を止める必要がある。これではテープが唇にかかり患者に不快感を与えてしまう可能性がある。
本実施形態のように屈曲部15及び18の屈曲角度は75度であることが望ましいが、その角度に限定するものではない。加工後のカテーテル5の内腔の挿通状態が維持されつつ、加工後のカテーテル5が75度近辺(プラスマイナス5度程度の範囲)で屈曲した状態を維持することができればよい。よって、溝部13及び16の一端から屈曲部15又は18への延設方向と他端から屈曲部15又は18への延設方向との交差の鋭角角度は、70度以上80度以下であればよい。当該角度が80度を超える場合であっても90度以下であれば、カテーテル5自体が口の上を通過しないように固定することはできるかもしれないが、隙間を最小減にするためには鼻下の端の位置でカテーテル5を止める必要がある。これではテープが唇にかかり患者に不快感を与えてしまう可能性がある。
また、各溝形成面における屈曲部15及び18の外周の曲率半径は、カテーテル5の外径より大きく、かつ、その外径の2倍以下であることが望ましい。屈曲部15及び18の曲率が大きい程、カテーテル5の内腔が潰れる可能性が高くなり、小さい程、加工後のカテーテル5の屈曲状態が維持され難くなる。更に、屈曲部15及び18の曲率が大きい、即ち曲率半径が小さい程、経鼻挿管した際に、口の上を通過させることなく鼻下から直ぐに頬のほうへカテーテル5を配置することができるため、患者の負担を軽減しかつカテーテル5の引き抜き行為を防ぎ得る。屈曲部15及び18の外周の曲率半径は、このような状況を加味しながら、適宜、決められれば良い。例えば、屈曲部15及び18の外周の曲率半径は、カテーテル5の外径の1.5倍に設定される。
従って、本実施形態によれば、カテーテル5の内腔の挿通状態を維持しつつ、75度近辺(プラスマイナス5度程度の範囲)角度の屈曲状態を維持し得るように、カテーテル5を確実に曲げ加工することができる。
本実施形態において「屈曲」とは、屈曲部の曲率半径がカテーテル5の外径の3倍以下となる曲がり具合を意味するものとする。
従って、本実施形態によれば、カテーテル5の内腔の挿通状態を維持しつつ、75度近辺(プラスマイナス5度程度の範囲)角度の屈曲状態を維持し得るように、カテーテル5を確実に曲げ加工することができる。
本実施形態において「屈曲」とは、屈曲部の曲率半径がカテーテル5の外径の3倍以下となる曲がり具合を意味するものとする。
また、本実施形態では、型取部11及び12は、相互に対称形状を有している。具体的には、図3に示されるように、型取部11及び12は、四角柱形状をそれぞれ有している。
型取部11及び12の各溝形成面の背面には、一対のヒータ板21及び22の各々を収容する凹状のヒータ溝24及び26がそれぞれ設けられている。本実施形態では、型取部11及び12の各溝形成面の背面における対角線状にヒータ溝24及び26が設けられており、ヒータ溝24及び26の略全域にヒータ板21又は22が収容されている。これにより、ヒータ板21及び22は、効率的に型取部11及び12を加熱することができる。なお、ヒータ板21は図示されていない。
型取部11及び12の各溝形成面の背面には、一対のヒータ板21及び22の各々を収容する凹状のヒータ溝24及び26がそれぞれ設けられている。本実施形態では、型取部11及び12の各溝形成面の背面における対角線状にヒータ溝24及び26が設けられており、ヒータ溝24及び26の略全域にヒータ板21又は22が収容されている。これにより、ヒータ板21及び22は、効率的に型取部11及び12を加熱することができる。なお、ヒータ板21は図示されていない。
ヒータ板21及び22は、熱伝導性のある型取部11及び12を加熱することができれば、その素材や発熱原理などは制限されない。例えば、ヒータ板21及び22は、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータと呼ばれる発熱体により形成される。PTCヒータは、温度が上がると抵抗値も上がるPTC特性を利用したヒータであるため、ヒータ板21及び22をPTCヒータとすることにより、安定的に型取部11及び12を加熱することができる。ヒータ板21及び22は、シーズヒータ、IHヒータなどといった様々なタイプのヒータで実現可能である。
但し、ヒータ板21及び22は、次のような条件を満たす発熱温度を発する必要はある。即ち、ヒータ板21及び22は、カテーテル5が軟化して屈曲した状態で成形される程度の発熱温度であって、かつ、カテーテル5がその内腔の挿通状態を維持できない程、溶融変形しない程度の発熱温度を発する必要がある。このような条件を満たすように、ヒータ板21及び22は、カテーテル5の外径や材質などに応じて、適宜選択されればよい。例えば、最高温度165℃のヒータ板21及び22が利用される。
また、本実施形態では、ヒータ板21及び22にはヒータ電源コード23又は25が接続されており、ヒータ板21及び22は電力により加熱する。また、ヒータ板21及び22には電源スイッチが付加されていてもよい。
また、本実施形態では、ヒータ板21及び22にはヒータ電源コード23又は25が接続されており、ヒータ板21及び22は電力により加熱する。また、ヒータ板21及び22には電源スイッチが付加されていてもよい。
型取部11及び12は、ヒータ板21及び22により加熱されるため、断熱カバー31又は32により被覆されている。本実施形態では、断熱カバー31が型取部11の溝形成面以外の周囲を覆いつつ型取部11を保持し、断熱カバー32が型取部12の溝形成面以外の周囲を覆いつつ型取部12を保持する。但し、断熱カバー31及び32は、溝形成面における溝部13又は16の表面以外の領域も合わせて被覆してもよい。
断熱カバー31及び32の素材は、限定されず、発砲ポリエチレン、シリコーンゴムなどの公知の断熱剤で形成されていればよい。
断熱カバー31及び32の素材は、限定されず、発砲ポリエチレン、シリコーンゴムなどの公知の断熱剤で形成されていればよい。
以降、型取部11と断熱カバー31とにより形成される構成を第一型取体33と表記し、型取部12と断熱カバー32とにより形成される構成を第二型取体34と表記する。
第一型取体33及び第二型取体34は、図1に示されるように、型取部11及び12の各溝形成面と同一平面上に、溝部をそれぞれ有し、各溝部は、型取部11及び12の溝部13及び16から断熱カバー31及び32の縁部までそれぞれ延設されている。
第一型取体33及び第二型取体34は、図1に示されるように、型取部11及び12の各溝形成面と同一平面上に、溝部をそれぞれ有し、各溝部は、型取部11及び12の溝部13及び16から断熱カバー31及び32の縁部までそれぞれ延設されている。
また、本実施形態では、第一型取体33と第二型取体34とは、型取部11及び12の各溝形成面と同一平面の一辺の縁部でヒンジ部35を介して相互に回動可能に連結されている。即ち、第一型取体33及び第二型取体34は、ヒンジ部35により相互に開閉可能となっており、閉状態では、型取部11及び12の溝形成面どうしが、溝部13と溝部16とが対向するように接合する。このため、ユーザは、溝部13又は16のいずれか一方にカテーテル5を収めた状態で第一型取体33及び第二型取体34を閉じる操作をすることにより、加工装置1を簡単にカテーテル5の加工可能状態とすることができる。
また、本実施形態では、第一型取体33が突起部38を更に有し、第二型取体34がロック部36を更に有する。
突起部38は、断熱カバー31(第一型取体33)の一側面に立設されている。この側面は、型取部11の溝形成面と同一面となる第一型取体33の平面におけるヒンジ部35が設けられた辺と対向する一辺を含む面である。
ロック部36は、断熱カバー32(第二型取体34)の一側面上にその側面に沿って形成されている板状部材である。その側面は、型取部12の溝形成面と同一面となる第二型取体34の平面におけるヒンジ部35が設けられた辺と対向する一辺を含む面である。ロック部36は、断熱カバー32のその側面に沿ってその側面におけるヒンジ部35が設けられた辺と対向する一辺からはみ出す方向に延設されている。
突起部38は、断熱カバー31(第一型取体33)の一側面に立設されている。この側面は、型取部11の溝形成面と同一面となる第一型取体33の平面におけるヒンジ部35が設けられた辺と対向する一辺を含む面である。
ロック部36は、断熱カバー32(第二型取体34)の一側面上にその側面に沿って形成されている板状部材である。その側面は、型取部12の溝形成面と同一面となる第二型取体34の平面におけるヒンジ部35が設けられた辺と対向する一辺を含む面である。ロック部36は、断熱カバー32のその側面に沿ってその側面におけるヒンジ部35が設けられた辺と対向する一辺からはみ出す方向に延設されている。
これにより、突起部38がロック部36に設けられた貫通孔37に嵌合されることにより、第一型取体33と第二型取体34との閉状態が維持される。このため、突起部38及び貫通孔37が設けられたロック部36は、型取部11及び12における溝部13と溝部16との間でカテーテル5を挟持した状態を維持可能な維持手段に相当する。本実施形態では、カテーテル5の曲げ加工時には、当該維持手段により第一型取体33と第二型取体34との閉状態が維持される。
但し、当該維持手段は、図示される例に限定されず、第一型取体33と第二型取体34とが相互に係合可能な又は嵌合可能なあらゆる構造で実現可能である。
但し、当該維持手段は、図示される例に限定されず、第一型取体33と第二型取体34とが相互に係合可能な又は嵌合可能なあらゆる構造で実現可能である。
また、溝部13及び16の表面とカテーテル5の外周面との密着度を上げるためには、型取部11及び12のいずれか一方又は両方が、各溝形成面が接合又は近接する方向に押圧されていることが好ましい。本実施形態では、ロック部36及び突起部38が、型取部11及び12の両方を各溝形成面が接合する方向に押圧しながら両面の接合状態を維持するよう作用する。よって、ロック部36及び突起部38は、押圧手段にも相当する。
次に、本実施形態に係る加工装置1を用いたカテーテル5の曲げ加工方法(以下、本方法と表記する場合もある)について図5を用いて説明する。
図5は、本実施形態におけるカテーテル5の曲げ加工方法を示すフローチャートである。基本的には、医師や看護師などの医療従事者が加工装置1を用いることで本方法が実行される。但し、本方法の実行主体は、医療従事者のみに制限されない。以下、本方法の実行主体をユーザと表記する。
図5は、本実施形態におけるカテーテル5の曲げ加工方法を示すフローチャートである。基本的には、医師や看護師などの医療従事者が加工装置1を用いることで本方法が実行される。但し、本方法の実行主体は、医療従事者のみに制限されない。以下、本方法の実行主体をユーザと表記する。
本方法を実行する前に、まず、経鼻カテーテル5が準備される。外径及び全長が異なる複数種のカテーテル5が供給されているため、医師は、患者の体格などを考慮して、適切なカテーテル5を選択する。また、患者毎に必要となる長さが異なるため、医師は、必要に応じて、選択されたカテーテル5を対象の患者に適合した長さで切断する。
ユーザは、このように準備されたカテーテル5を加工装置1の型取部11の溝部13に嵌める(S51)。溝部13は、上述したように、型取部11の溝形成面において屈曲部15を有しているため、ユーザは、その溝部13の形状に合わせて、カテーテル5を屈曲させて溝部13に収める。
このとき、ユーザは、そのカテーテル5を患者の鼻孔から体内に挿管した際に、患者の鼻下の位置にくると予測されるカテーテル5の局部を溝部13の屈曲部15に収める。更に、溝部13から延設されている断熱カバー31の溝部にもカテーテル5は嵌め込まれる。
このとき、ユーザは、そのカテーテル5を患者の鼻孔から体内に挿管した際に、患者の鼻下の位置にくると予測されるカテーテル5の局部を溝部13の屈曲部15に収める。更に、溝部13から延設されている断熱カバー31の溝部にもカテーテル5は嵌め込まれる。
次に、ユーザは、型取部11の溝部13にカテーテル5が収められた状態で、型取部11及び12の溝形成面どうしを近接又は接合させる(S52)。これにより、溝部13と溝部16との間にカテーテル5が挟持される。このとき、本実施形態に係る加工装置1では、第一型取体33に設けられた突起部38が第二型取体34に設けられたロック部36の貫通孔37に嵌合される。これにより、溝部13と溝部16との間にカテーテル5を挟んだ状態で、型取部11及び12の溝形成面どうしが接合されかつその接合方向に型取部11及び12が押圧される状態が維持される。結果、本実施形態では、溝部13及び16の幅方向断面がカテーテル5の外径を直径とする半円状をなすため、溝部13及び16の表面とカテーテル5の外周面とが密着する。
続いて、ユーザは、ヒータ板21及び22の電源を入れ、ヒータ板21及び22により型取部11及び12を加熱する(S53)。ヒータ板21及び22が発熱すると、型取部11及び12の熱伝導性により、溝部13及び16の表面を介してカテーテル5が屈曲部15及び18で屈曲された状態で加熱される。
そして、外径や材質などのようなカテーテル5の属性に対応する所定時間、型取部11及び12は加熱される(S54)。この所定時間は、加工対象となるカテーテル5のタイプに応じて、予め決められ、以降、加熱時間とも表記される。その加熱時間は、カテーテル5が軟化し屈曲した状態で成形されるように決定される。その加熱時間は、ヒータ板21及び22の性能も更に加味して決定されてもよい。例えば、ヒータ板21及び22が最高温度に達するまでに或る程度の時間を要する場合には、その時間も考慮して加熱時間が決められてもよい。
そして、外径や材質などのようなカテーテル5の属性に対応する所定時間、型取部11及び12は加熱される(S54)。この所定時間は、加工対象となるカテーテル5のタイプに応じて、予め決められ、以降、加熱時間とも表記される。その加熱時間は、カテーテル5が軟化し屈曲した状態で成形されるように決定される。その加熱時間は、ヒータ板21及び22の性能も更に加味して決定されてもよい。例えば、ヒータ板21及び22が最高温度に達するまでに或る程度の時間を要する場合には、その時間も考慮して加熱時間が決められてもよい。
所定時間加熱されると、ヒータ板21及び22による加熱を終了させる(S55)。例えば、ユーザは、ヒータ板21及び22の電源をOFFすることにより、加熱を終了させる。
加熱が終了すると、ユーザは、型取部11及び12の溝形成面どうしを離間させて、即ち、型取部11及び12を開放して、カテーテル5を取り出す(S56)。その後、カテーテル5を自然冷却することにより、カテーテル5は、屈曲状態を維持したまま成形され、利用可能となる。
加熱が終了すると、ユーザは、型取部11及び12の溝形成面どうしを離間させて、即ち、型取部11及び12を開放して、カテーテル5を取り出す(S56)。その後、カテーテル5を自然冷却することにより、カテーテル5は、屈曲状態を維持したまま成形され、利用可能となる。
図6(a)は、本実施形態に係る加工装置1により曲げ加工されたカテーテル5の利用状態を示す概念図であり、図6(b)は、カテーテル5の一般的な利用状態を示す概念図である。
上述のように曲げ加工されたカテーテル5を利用する場合、図6(a)に示されるように、経鼻挿管された状態において患者の鼻下にカテーテル5の屈曲部を配置することができる。言い換えれば、上述した本方法によれば、管における経鼻挿管された際に患者の鼻下位置にくる箇所が屈曲しており、その管の形状としてその屈曲状態が維持されている経鼻カテーテルを生成することができる。
これにより、図6(a)に示されるとおり、鼻孔から露出されたカテーテル5を口の上を通過させることなく頬の上の鼻翼と隣接する位置で固定させることができる。結果、鼻孔から頬の固定箇所までの間の皮膚とカテーテル5との間の隙間ができる箇所を少なくすることができ、患者によるカテーテル5の引き抜き行為を未然に防ぐことができる。
上述のように曲げ加工されたカテーテル5を利用する場合、図6(a)に示されるように、経鼻挿管された状態において患者の鼻下にカテーテル5の屈曲部を配置することができる。言い換えれば、上述した本方法によれば、管における経鼻挿管された際に患者の鼻下位置にくる箇所が屈曲しており、その管の形状としてその屈曲状態が維持されている経鼻カテーテルを生成することができる。
これにより、図6(a)に示されるとおり、鼻孔から露出されたカテーテル5を口の上を通過させることなく頬の上の鼻翼と隣接する位置で固定させることができる。結果、鼻孔から頬の固定箇所までの間の皮膚とカテーテル5との間の隙間ができる箇所を少なくすることができ、患者によるカテーテル5の引き抜き行為を未然に防ぐことができる。
[変形例]
上述の本実施形態に係る加工装置1は例示であり、本実施形態に係る、経鼻カテーテルの曲げ加工装置は、最低限、次のような構成を有していればよい。
即ち、経鼻カテーテルの曲げ加工装置は、一平面上に経鼻カテーテルを収めるための溝部をそれぞれ有し、熱伝導性をそれぞれ有する一対の型取部と、当該一対の型取部を加熱するヒータ手段と、を備える。そして、溝部は、一対の型取部の上記各平面上の一端から他端まで延設されており、かつ、その一端からその他端までの間に屈曲部を有しており、その溝部の幅方向断面は、経鼻カテーテルの外周面に対応した円弧状をなしており、上記一対の型取部は、ヒータ手段により加熱される際に、上記平面どうしが接合又は近接されることにより、上記溝部間で経鼻カテーテルを挟持する。
上述の本実施形態に係る加工装置1は例示であり、本実施形態に係る、経鼻カテーテルの曲げ加工装置は、最低限、次のような構成を有していればよい。
即ち、経鼻カテーテルの曲げ加工装置は、一平面上に経鼻カテーテルを収めるための溝部をそれぞれ有し、熱伝導性をそれぞれ有する一対の型取部と、当該一対の型取部を加熱するヒータ手段と、を備える。そして、溝部は、一対の型取部の上記各平面上の一端から他端まで延設されており、かつ、その一端からその他端までの間に屈曲部を有しており、その溝部の幅方向断面は、経鼻カテーテルの外周面に対応した円弧状をなしており、上記一対の型取部は、ヒータ手段により加熱される際に、上記平面どうしが接合又は近接されることにより、上記溝部間で経鼻カテーテルを挟持する。
このような構成により、屈曲部を含む溝部の形状に沿わせた状態で経鼻カテーテルが加熱されるため、経鼻カテーテルを曲げ加工することができる。曲げ加工された経鼻カテーテルは、図6(a)に示されるように、経鼻挿管時において、口元を経由することなく鼻翼に隣接する頬上の位置で固定することができる。従って、経鼻カテーテルを利用している患者の負担を軽減しながら経鼻カテーテルの引き抜き行為を防ぐことができる。
つまり上述の実施形態において断熱カバー31及び32はなくてもよい。この場合、ロック部36及び突起部38は、型取部11及び12に設けられてもよいし、なくてもよい。断熱カバー31及び32、並びに、ロック部36及び突起部38が省かれる場合、経鼻カテーテル5を溝部13と溝部16との間に挟んだ状態で型取部11及び12をクリップなどで挟み固定させてもよい。
また、型取部11及び12は、溝形成面をそれぞれ持てば、四角柱形状でなくてもよく、ヒータ板21及び22は、型取部11及び12の内部に嵌め込まれてもよい。
また、型取部11及び12は、溝形成面をそれぞれ持てば、四角柱形状でなくてもよく、ヒータ板21及び22は、型取部11及び12の内部に嵌め込まれてもよい。
図7は、第一変形例に係る加工装置1を示す図である。
図7に示されるように、第一変形例に係る加工装置1は、断熱カバー31及び32を有しておらず、クリップ機構40を更に有する。
クリップ機構40は、いわゆる洗濯バサミのような形状を有し、挟持板41及び42、板バネ43及び44、ヒンジ軸45、操作部47及び48などにより形成されている。挟持板41及び操作部47のペアが一体成形されており、挟持板42及び操作部48のペアが一体成形されており、両ペアは、各ペアの間から延びる連結片を介してヒンジ軸45により搖動可能に連結されている。これにより、操作部47及び48が接近する方向に操作されると(摘ままれると)、挟持板41及び42が離間し(開き)、逆に操作部47及び48が離間すると、挟持板41及び42が接近する(閉じる)。
図7に示されるように、第一変形例に係る加工装置1は、断熱カバー31及び32を有しておらず、クリップ機構40を更に有する。
クリップ機構40は、いわゆる洗濯バサミのような形状を有し、挟持板41及び42、板バネ43及び44、ヒンジ軸45、操作部47及び48などにより形成されている。挟持板41及び操作部47のペアが一体成形されており、挟持板42及び操作部48のペアが一体成形されており、両ペアは、各ペアの間から延びる連結片を介してヒンジ軸45により搖動可能に連結されている。これにより、操作部47及び48が接近する方向に操作されると(摘ままれると)、挟持板41及び42が離間し(開き)、逆に操作部47及び48が離間すると、挟持板41及び42が接近する(閉じる)。
また、各ペアの間の外側に板バネ43又は44がそれぞれ設けられており、板バネ43及び44は、その両端において、操作部47及び挟持板41のペア又は操作部48と挟持板42のペアを外側から内側(他のペアへ向かう方向)へ押圧している。このため、挟持板41と挟持板42とが互いに近付く方向に常時付勢されており、これにより、溝形成面どうしが接合又は近接する方向に型取部11及び12が押圧され、溝部13及び16間でカテーテル5を挟持した状態が維持される。即ち、第一変形例では、クリップ機構40が押圧手段及び維持手段に相当する。
挟持板41と型取部12とは予め接着されていてもよいし、接着されていなくてもよい。同様に、挟持板42と型取部11とは予め接着されていてもよいし、接着されていなくてもよい。
挟持板41と型取部12とは予め接着されていてもよいし、接着されていなくてもよい。同様に、挟持板42と型取部11とは予め接着されていてもよいし、接着されていなくてもよい。
第一変形例によれば、ユーザは、操作部47及び48を摘まむ操作又は離す操作をすることで、カテーテル5を溝部13及び16に嵌め込むのと、カテーテル5を溝部13と溝部16との間に挟持するのとを容易に行うことができる。また、板バネ43及び44により付勢されているため、溝部13及び16の表面とカテーテル5の外周表面との密着度を上げることができ、カテーテル5を確実に曲げ加工することができる。
図7に示される例では、断熱カバー31及び32が設けられていないが、断熱カバー31を含む第一型取体33と断熱カバー32を含む第二型取体34とがクリップ機構40で挟持可能に構成されていてもよい。
図7に示される例では、断熱カバー31及び32が設けられていないが、断熱カバー31を含む第一型取体33と断熱カバー32を含む第二型取体34とがクリップ機構40で挟持可能に構成されていてもよい。
図8は、第二変形例に係る加工装置1を示す図である。
図8に示されるように、第二変形例に係る加工装置1は、断熱カバー31及び32を有しておらず、万力機構50を更に有する。
万力機構50は、相互に平行に設けられた固定板部51と固定板部52とが連結板で連結されてなる枠体と、ネジ棒55と、可動挟持板53とを有し、ネジ棒55の回動に伴って可動挟持板53と固定板部51との間隔が変動するように構成されている。
ネジ棒55は、固定板部52の平面中央に穿設された雌ネジに嵌め込まれており、その回動により固定板部51及び固定板部52と直交する方向に進退可能となっている。
可動挟持板53は、固定板部51と固定板部52との間にそれらと平行な状態で介在し、ネジ棒55の先端にネジ棒55と共に回動しないように取り付けられている。
図8に示されるように、第二変形例に係る加工装置1は、断熱カバー31及び32を有しておらず、万力機構50を更に有する。
万力機構50は、相互に平行に設けられた固定板部51と固定板部52とが連結板で連結されてなる枠体と、ネジ棒55と、可動挟持板53とを有し、ネジ棒55の回動に伴って可動挟持板53と固定板部51との間隔が変動するように構成されている。
ネジ棒55は、固定板部52の平面中央に穿設された雌ネジに嵌め込まれており、その回動により固定板部51及び固定板部52と直交する方向に進退可能となっている。
可動挟持板53は、固定板部51と固定板部52との間にそれらと平行な状態で介在し、ネジ棒55の先端にネジ棒55と共に回動しないように取り付けられている。
型取部11及び12は、固定板部51と可動挟持板53との間で挟持可能に配置されている。これにより、ネジ棒55の回動で可動挟持板53と固定板部51との間隔が狭められると、型取部11及び12の各溝形成面は接近し、その間隔が更に狭められると、各溝形成面は接合しかつ押圧される。逆に、ネジ棒55の回動で可動挟持板53と固定板部51との間隔が広げられると、型取部11及び12の各溝形成面は離間する。
即ち、第二変形例では、万力機構50が押圧手段及び維持手段に相当する。
即ち、第二変形例では、万力機構50が押圧手段及び維持手段に相当する。
第二変形例によれば、ユーザは、ネジ棒55を回す操作をすることで、カテーテル5を溝部13及び16に嵌め込むのと、カテーテル5を溝部13と溝部16との間に挟持するのとを容易に行うことができる。また、ネジ棒55を回動させて可動挟持板53と固定板部51との間を狭めることにより、溝部13及び16の表面とカテーテル5の外周表面との密着度を上げることができ、カテーテル5を確実に曲げ加工することができる。
図8に示される例では、断熱カバー31及び32が設けられていないが、断熱カバー31を含む第一型取体33と断熱カバー32を含む第二型取体34とが万力機構50で挟持可能に構成されていてもよい。
図8に示される例では、断熱カバー31及び32が設けられていないが、断熱カバー31を含む第一型取体33と断熱カバー32を含む第二型取体34とが万力機構50で挟持可能に構成されていてもよい。
また、本実施形態における加工装置1は、ヒータ板21及び22による加熱時間を通知する手段又はその加熱時間を自動決定する手段を有していてもよい。
例えば、加工装置1は、CPU(Central Processing Unit)、メモリなどを有する制御装置を更に備え、その制御装置が表示パネルにユーザにカテーテル5の素材や太さを入力させるユーザインタフェース画面を表示させてもよい。制御装置は、カテーテル5の素材及び太さと加熱時間との対応情報を予め保持しており、入力された情報から加熱時間を自動で決定することができる。更に、制御装置は、決定された加熱時間でヒータ板21及び22への電源を自動で停止させることもできるし、ヒータ板21及び22へ電源を投入してからの経過時間が加熱時間となったことを何らかの手段(音など)で通知することもできる。
例えば、加工装置1は、CPU(Central Processing Unit)、メモリなどを有する制御装置を更に備え、その制御装置が表示パネルにユーザにカテーテル5の素材や太さを入力させるユーザインタフェース画面を表示させてもよい。制御装置は、カテーテル5の素材及び太さと加熱時間との対応情報を予め保持しており、入力された情報から加熱時間を自動で決定することができる。更に、制御装置は、決定された加熱時間でヒータ板21及び22への電源を自動で停止させることもできるし、ヒータ板21及び22へ電源を投入してからの経過時間が加熱時間となったことを何らかの手段(音など)で通知することもできる。
以下に実施例を挙げ、上述の実施形態を更に詳細に説明する。但し、上述の実施形態は、以下の実施例から何ら限定を受けない。
本発明者は、一般的に利用されている経鼻カテーテルを用いて、上述の実施形態に係る加工装置1により適切に曲げ加工できることを実験により確認している。
経鼻カテーテルには、熱可塑性のあるポリ塩化ビニル製の外径4mm、内径2.7mmの栄養カテーテルが利用された。
型取部11及び12には、図9に示される溝形成面を持ち、アルミニウム製の型取部11及び12が利用された。
ヒータ板21及び22には、最高温度165℃となるPTCヒータと呼ばれる発熱体が利用された。
経鼻カテーテルには、熱可塑性のあるポリ塩化ビニル製の外径4mm、内径2.7mmの栄養カテーテルが利用された。
型取部11及び12には、図9に示される溝形成面を持ち、アルミニウム製の型取部11及び12が利用された。
ヒータ板21及び22には、最高温度165℃となるPTCヒータと呼ばれる発熱体が利用された。
図9は、本実施例における型取部11の溝形成面の形状を示す図である。
図9に示されるように、型取部11の溝形成面は、一辺20mmの正方形の形状を有しており、溝部13の幅方向断面は、栄養カテーテルの外径4mmを直径とする半円状をなしている。また、その溝形成面上における屈曲部15の屈曲角度は75度に設定され、その屈曲部15の外周の曲率半径は、栄養カテーテルの外径4mmの1.5倍の6mmに設定されている。
図9に示されるように、型取部11の溝形成面は、一辺20mmの正方形の形状を有しており、溝部13の幅方向断面は、栄養カテーテルの外径4mmを直径とする半円状をなしている。また、その溝形成面上における屈曲部15の屈曲角度は75度に設定され、その屈曲部15の外周の曲率半径は、栄養カテーテルの外径4mmの1.5倍の6mmに設定されている。
そして、栄養カテーテルを型取部11及び12の溝部13と溝部16との間に挟んで、型取部11及び12の各溝形成面を接合させ、ヒータ板21及び22の電源を入れ、3分間加熱した。
自然冷却後、栄養カテーテルを取り出したところ、加工後の栄養カテーテルが、その内腔の挿通状態を維持しつつ、略75度に屈曲した状態を維持していることが確認された。
自然冷却後、栄養カテーテルを取り出したところ、加工後の栄養カテーテルが、その内腔の挿通状態を維持しつつ、略75度に屈曲した状態を維持していることが確認された。
1 経鼻カテーテルの曲げ加工装置(加工装置)、5 経鼻カテーテル(カテーテル)、11 型取部、12 型取部、13 溝部、15 屈曲部、16 溝部、18 屈曲部、21 ヒータ板、22 ヒータ板、23 ヒータ電源コード、24 ヒータ溝、25 ヒータ電源コード、26 ヒータ溝、31 断熱カバー、32 断熱カバー、33 第一型取体、34 第二型取体、35 ヒンジ部、36 ロック部、37 貫通孔、38 突起部、40 クリップ機構、41 挟持板、42 挟持板、43 板バネ、44 板バネ、45 ヒンジ軸、47 操作部、48 操作部、50 万力機構、51 固定板部、52 固定板部、53 可動挟持板、55 ネジ棒
Claims (9)
- 一平面上に経鼻カテーテルを収めるための溝部をそれぞれ有し、熱伝導性をそれぞれ有する一対の型取部と、
前記一対の型取部を加熱するヒータ手段と、
を備え、
前記溝部は、前記一対の型取部の前記各平面上の一端から他端まで延設されており、かつ、該一端から該他端までの間に屈曲部を有しており、
前記溝部の幅方向断面は、前記経鼻カテーテルの外周面に対応した円弧状をなし、
前記一対の型取部は、前記ヒータ手段により加熱される際に、前記平面どうしが接合又は近接されることにより、前記溝部間で前記経鼻カテーテルを挟持する、
経鼻カテーテルの曲げ加工装置。 - 前記溝部は、前記一端から前記屈曲部までの間及び前記他端から前記屈曲部までの間は、直線状に延設されており、
前記一端から前記屈曲部への延設方向と前記他端から前記屈曲部への延設方向とは交差しており、
前記交差の鋭角角度は、70度以上80度以下である、
請求項1に記載の経鼻カテーテルの曲げ加工装置。 - 前記溝部の幅方向断面は、前記経鼻カテーテルの外径を直径とする半円状をなし、
前記一対の型取部の前記平面どうしが、前記経鼻カテーテルを前記溝部に収めた状態で接合された場合には、前記溝部の長手方向の少なくとも一部の表面は、前記経鼻カテーテルの外周面の全周と密着する、
請求項1又は2に記載の経鼻カテーテルの曲げ加工装置。 - 前記一対の型取部における前記溝部間で前記経鼻カテーテルを挟持した状態を維持可能な維持手段、
を更に備える請求項1から3のいずれか一項に記載の経鼻カテーテルの曲げ加工装置。 - 前記各平面が接合又は近接する方向に前記一対の型取部の一方又は両方を押圧する押圧手段、
を更に備える請求項1から4のいずれか一項に記載の経鼻カテーテルの曲げ加工装置。 - 前記ヒータ手段は、一対のヒータ板を含み、
前記一対の型取部は、四角柱形状をそれぞれ有し、
前記一対の型取部の前記各平面の背面には、前記一対のヒータ板の各々を収容する凹状のヒータ溝がそれぞれ設けられている、
請求項1から5のいずれか一項に記載の経鼻カテーテルの曲げ加工装置。 - 前記各平面上における前記屈曲部の外周の曲率半径は、前記経鼻カテーテルの外径より大きく、該外径の2倍以下である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の経鼻カテーテルの曲げ加工装置。 - 中が空洞の細長い管により形成される経鼻カテーテルであって、
前記管における経鼻挿管された際に患者の鼻下位置にくる箇所が屈曲しており、
前記管の形状として前記屈曲の状態が維持されている、
経鼻カテーテル。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の経鼻カテーテルの曲げ加工装置を用いて経鼻カテーテルを曲げ加工する方法において、
前記一対の型取部の一方の前記溝部に前記経鼻カテーテルを嵌め、
前記溝部間で前記経鼻カテーテルを挟むように前記一対の型取部の他方の前記平面を前記一方の型取部の前記平面に接合又は近接させ、
前記経鼻カテーテルの属性に対応する所定時間、前記ヒータ手段により前記一対の型取部を加熱する、
ことを含む、経鼻カテーテルを曲げ加工する方法。
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JP2016159052A JP2018023690A (ja) | 2016-08-14 | 2016-08-14 | 経鼻カテーテルの曲げ加工装置 |
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