JP2018022469A - 異常推定装置および表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速に迂回経路を算出する【解決手段】運転状況抽出部31は、運転データと挙動データを複数の車両毎に繰り返し収集し、トピック割合を算出する。異常検出部32は、トピック割合を用いて算出された相違度に基づいて、異常発生ノードが現時点で存在しているか否かを判断する。異常検出部32は、異常発生ノードに対応付けられた受信データと、異常発生ノードの周辺(以下、異常周辺ノード)に対応付けられた受信データとを用いて蓄積データを作成して蓄積する。因果関係抽出部33は、蓄積データを用いて、異常発生ノードで発生した異常と、異常発生ノードの周辺で発生した異常との間の因果関係を示す因果関係情報を作成する。異常推定部34は、過去の因果関係情報を用いて、異常発生ノードから異常発生ノードの周辺への異常の遷移を推定する。【選択図】図3

Description

本開示は、異常の遷移を推定する異常推定装置、および、異常推定装置による推定結果を表示する表示装置に関する。
特許文献1には、予測したい道路区間における現在までの旅行時間の時間推移に類似した旅行時間パターンを持つ時間範囲を、過去の旅行時間実績データに基づいて決定し、決定した時間範囲の先の旅行時間実績データを参照することにより、予測したい道路区間の先の旅行時間を予測する予測装置が記載されている。
また特許文献1には、渋滞が発生すると、上流に繋がる道路区間に渋滞が派生するため、予測したい道路区間だけでなく、予測したい道路区間と繋がりのある下流の道路区間も、予測に用いる道路区間として選定することが記載されている。
特許第3792172号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、渋滞を回避するための迂回経路を算出する場合に、現在位置から目的地点までの経路を網羅的に生成し、生成した経路毎に渋滞が発生しているか否かを判断する必要があるという問題があった。
本開示は、高速に迂回経路を算出することを目的とする。
本開示の一態様は、収集部(S10)と、特徴量算出部(S20,S30)と、異常判断部(S110〜S140)と、蓄積部(S150,S160)と、情報作成部(S210〜S265)と、推定部(S310〜S330)とを備える異常推定装置(7)である。
収集部は、車両の状態に関する車両データを複数の車両毎に繰り返し収集するように構成される。
特徴量算出部は、収集部にて収集された車両データから特徴量を算出し、特徴量と、特徴量に対応する場所とを関連付けて記憶するように構成される。
異常判断部は、特徴量算出部にて算出された特徴量に基づいて、異常が発生している異常発生地点が現時点で存在しているか否かを判断するように構成される。
蓄積部は、異常発生地点が現時点で存在していると異常判断部が判断した場合に、異常発生地点における車両データと、異常発生地点の周辺の地点である異常周辺地点における車両データとを用いて、異常発生地点から異常周辺地点への異常の遷移を推定するために予め設定された推定用データを作成し、作成した推定用データを蓄積するように構成される。
情報作成部は、蓄積部により蓄積された推定用データを用いて、異常発生地点で発生した異常と、異常周辺地点で発生した異常との間の因果関係を示す因果関係情報を作成するように構成される。
推定部は、異常発生地点が現時点で存在していると異常判断部が判断した場合に、情報作成部により作成された過去の因果関係情報を用いて、現時点で存在していると異常判断部が判断した異常発生地点から異常周辺地点への異常の遷移を推定するように構成される。
このように構成された本開示の異常推定装置は、異常発生地点および異常周辺地点の車両データを用いて作成した推定用データを作成して蓄積し、蓄積された推定用データを用いて因果関係情報を作成している。そして因果関係情報は、異常発生地点で発生した異常と、異常周辺地点で発生した異常との間の因果関係を示している。このため、本開示の異常推定装置は、異常発生地点が現時点で存在していると判断した場合に、異常発生地点を起点として遷移する異常の発生地点(すなわち、異常周辺地点)を、異常発生地点で発生した異常との間で因果関係を示している過去の因果関係情報を抽出することにより、推定することができる。これにより、本開示の異常推定装置は、因果関係情報を蓄積することで、異常発生時において、簡便な方法で且つ高速に異常の遷移を推定でき、異常の影響範囲を高速に特定できるため、高速に迂回経路を算出することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
異常検出システム1の構成を示す図である。 異常検出装置7の構成を示すブロック図である。 制御装置15が実行する処理の概要を示す機能ブロック図である。 車両挙動データと運転シーンとトピック割合を示す図である。 運転シーンの分割過程を示す説明図である。 トピック割合の演算過程を示す説明図である。 現在のトピック割合と過去のトピック割合との比較を説明する図である。 相違度の算出方法を説明する図である。 異常発生ノードの周辺を示す図である。 道路異常蓄積データベース42に蓄積されるデータを説明する図である。 累積異常度ヒストグラムを示す図である。 異常遷移グラフの比較を説明する図である。 異常遷移マップを示す図である。 運転状況抽出処理を示すフローチャートである。 異常検出処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の因果関係抽出処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の異常推定処理を示すフローチャートである。 異常発生ノードを回避したルート案内を示す図である。 第2実施形態の因果関係抽出処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の異常推定処理を示すフローチャートである。 第3実施形態の因果関係抽出処理を示すフローチャートである。 第3実施形態の異常推定処理を示すフローチャートである。 別の実施形態における異常発生ノードの周辺を示す図である。 別の実施形態における異常遷移グラフの比較を説明する図である。 別の実施形態における異常遷移マップを示す図である。 車両に搭載された車載機5およびナビゲーション装置9を示す図である。 第4実施形態におけるナビゲーション装置9の表示を示す図である。 変形例8におけるナビゲーション装置9の表示を示す図である。 変形例10におけるナビゲーション装置9の表示を示す図である。 変形例11におけるナビゲーション装置9の表示を示す図である。 変形例12におけるナビゲーション装置9の表示を示す図である。 変形例13におけるナビゲーション装置9の表示を示す第1の図である。 変形例13におけるナビゲーション装置9の表示を示す第2の図である。 変形例14におけるナビゲーション装置9の表示を示す図である。 変形例15におけるナビゲーション装置9の表示を示す図である。
(第1実施形態)
以下に本開示の第1実施形態を図面とともに説明する。
本実施形態の異常検出システム1は、図1に示すように、自動車の走行路付近に分散して設置される複数の路側機3と、自動車に搭載されて路側機3との間で無線通信を行う複数の車載機5と、路側機3と有線ネットワークNWを介して接続された異常検出装置7とを備える。
異常検出装置7は、図2に示すように、通信装置11、データ記憶装置13および制御装置15を備える。
通信装置11は、有線ネットワークNWを介して、路側機3との間でデータ通信を行う。路側機3は、少なくとも、車載機5の位置を示す車載機位置情報と、車載機5を識別するための識別情報と、データを送信した時刻を示す送信時刻情報と、後述する運転データと、後述する挙動データと、後述する撮影画像データとを異常検出装置7へ送信する。なお、車載機位置情報は、車載機5を搭載している自動車のGPSアンテナを介して受信したGPS信号等に基づいて検出した位置を示す。GPSは、Global Positioning Systemの略である。
データ記憶装置13は、各種データを記憶するための装置であり、本実施形態では例えばハードディスクドライブである。
制御装置15は、CPU21、ROM22およびRAM23等を備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成された電子制御装置である。マイクロコンピュータの各種機能は、CPU21が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、ROM22が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、制御装置15を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
制御装置15は、CPU21がプログラムを実行することで実現される機能の構成として、図3に示すように、運転状況抽出部31と、異常検出部32と、因果関係抽出部33と、異常推定部34とを備える。制御装置15を構成するこれらの要素を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の要素について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。例えば、上記機能がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路、あるいはこれらの組合せによって実現してもよい。
またデータ記憶装置13は、運転状況蓄積データベース41と、道路異常蓄積データベース42と、因果関係蓄積データベース43とを備える。さらにデータ記憶装置13は、道路地図データを記憶する。道路地図データにおいて、道路は、ノードと、ノードを結ぶリンクとにより定義されている。ノードのデータは、ノードの識別番号であるノードID、ノードの座標、ノード種別(例えば、交差点、合流地点等の種別)などで構成されている。リンクのデータは、リンクの識別番号であるリンクID、リンク長、始点および終点に接続する各ノードのノードID、道路種別(例えば、高速道路、有料道路、一般道路等の種別)などで構成されている。
運転状況抽出部31は、図4に示すように、車両の挙動を時系列で示すデータを分節化し、分節化されたデータをそれぞれ運転シーンとする。さらに運転状況抽出部31は、例えば特開2014−235605号公報で開示されているトピックモデルを用いて、複数の運転シーンのそれぞれについてトピック割合を算出する。
運転状況抽出部31は、図3に示すように、車両挙動データ収集部51と、運転シーン分割部52と、トピック割合演算部53とを備える。
車両挙動データ収集部51は、路側機3を介して複数の車載機5から車載機位置情報と運転データと挙動データと撮影画像データを繰り返し収集する。運転データは、車載機5を搭載した車両を運転者が運転する運転操作に関するデータである。挙動データは、車載機5を搭載した車両を運転者が運転する運転操作の結果として表れる車両の挙動に関するデータである。撮影画像データは、運転者がウインドシールド越しに視認可能な車両前方の風景を連続して撮影するために車両に取り付けられた前方カメラが撮影した画像を示すデータである。
車両挙動データ収集部51は、運転データと挙動データのそれぞれを微分した微分データを生成し、運転データ、挙動データおよび微分データから構成される多次元データを車両挙動データとして生成する。なお、運転データとしては、例えば、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操作量、方向指示器の操作状態、トランスミッションのシフト位置などを用いることができる。また、挙動データとしては、例えば、車両の速度、ヨーレートなどを用いることができる。
運転シーン分割部52は、運転者の環境認知から操作に至るモデルを利用して車両挙動データを統計解析し、運転者が感じる運転シーンの切り替わり点を抽出することにより、車両挙動データの時系列を、それぞれが何等かの運転シーンを表す複数の部分系列に分節化する。
具体的には、二重分節構造を利用した教師なし運転シーン分割法によって分節化を行う二重分節解析器を利用する。図5に示すように、二重分節解析器は、まず、車両挙動データの値域を表す多次元の空間で車両挙動データから把握される各種の車両の状態を表すクラスタと、各クラスタ間の遷移確率とを予め定義する。そして二重分節解析器は、これら定義した情報を用いて、生成した車両挙動データが何れのクラスタに属するかを統計的に処理することにより、車両挙動データの時系列を、区分単位となる車両の状態ごと(つまり、クラスタごと)に区分けする。但し、各クラスタには予め識別用の記号を対応づけておくことにより、車両挙動データの時系列は、どのクラスタに属しているかを表す記号列に変換される。この記号列の生成には、例えば、隠れ状態とその状態間の確率的遷移で表現されるモデルの一つである階層ディリクレ過程隠れマルコフモデル(以下、HDP−HMM)を利用することができる。
次に、二重分節解析器は、生成された記号列を、統計情報を利用した離散文字列の教師なしチャンク化手法の一例であるNested Pitman-Yor Language Model(以下、NPYLM)を用いて、所定の運転シーンを意味する部分系列に分節化する。この際、辞書サイズ(すなわち、部分系列の数)ができるだけ小さく、部分系列の並びからなる記号列全体の生成確率が最大となるようにする。これにより、車両挙動データの運転シーンへの分節化を行うことが可能になる。但し、部分系列間の遷移確率、および部分系列の生成確率は、学習によって予め生成されたものを使用する。
なお、HDP−HMMおよびNPYLMを適用した二重分節解析器については、本願出願人が別途発表した非特許文献、T.Taniguchi et al,"Semiotic Prediction of Driving Behavior using Unsupervised Double Articulation Analyzer" IEEE Intelligent Vehicles Symposium,2012、および、K.Takenaka et al," Contextual Scene Segmentation of Driving Behavior based on Double Articulation Analyzer" IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems,2012、等に詳述されているため、ここでは説明を省略する。但し、記号の生成および記号の分節化に用いる手法は、HDP−HMMおよびNPYLMに限定されるものではなく他の手法を用いてもよい。
トピック割合演算部53は、運転シーン分割部52により生成された運転シーン毎に、運転シーンに対応する部分系列に属する車両挙動データを用いて特徴量分布に相当する車両挙動ヒストグラムを生成する。
そしてトピック割合演算部53は、生成された車両挙動ヒストグラムを、予め用意された特徴的な複数の分布(すなわち、運転トピック)の加重和によって表現することで得られるトピック割合を算出し、算出したトピック割合を運転状況蓄積データベース41に格納する。
車両挙動ヒストグラムは、着目する運転シーンに対応する部分系列に属する車両挙動データの特徴量を分布として表現したものである。例えば、アクセルペダル操作量、ブレーキペダル操作量、ステアリング操作量、車両速度、およびこれらの各々の微分データ等からなる多次元データを特徴量とした場合、その多次元データの値域を表す特徴空間を複数に分割したものをインデックスとして、そのインデックス毎にデータの出現頻度を表現したヒストグラムを生成する。なお、図6に示すように、個々のデータ毎にヒストグラムを生成し、生成されたヒストグラムを連結したものを、車両挙動ヒストグラムと呼んでもよい。
運転トピックは、生成された車両挙動ヒストグラムを、複数の分布(すなわち、ヒストグラム)の混合によって表現する場合に使用するK個(例えば100個)の基底特徴分布Topic 1〜Topic Kからなる。
トピック割合は、基底特徴分布を混合することで車両挙動ヒストグラムが表現されるものとして求めた混合比であり、車両挙動ヒストグラムに対する各運転トピックの含有割合を表したものである。
トピック割合の生成には、それぞれが運転シーンのいずれかに対応する各部分系列を「一つの文書」、観測された特徴量分布(ここでは車両挙動ヒストグラム)を「一つの単語」と見なすことで、自然言語処理分野で利用されているトピック推定手法を利用して生成する。ここでは、潜在的ディリクレ配分法(以下、LDA)を利用する。LDAは、Latent Dirichlet Allocationの略である。なお、処理の対象となる車両挙動ヒストグラムが複数種類のヒストグラムで構成されている場合は、LDAを拡張した手法であるマルチモーダルLDAを利用する。具体的には、LDA(またはマルチモーダルLDA)を実現する変分ベイズ、ギブスサンプリングなどの近似手法を使用し、これらの処理で行うEステップおよびMステップの処理のうち、Eステップだけを実行することで求めることができる。
これらの手法の詳細については、例えば、D.Blei et al,"Latent Dirichlet Allocation" Journal of Machine Learning Research,2003、および、T.Griffiths & M.Steyvers,"Finding Scientific Topics," Proceedings of the National Academy of Sciences,2004などに記載されているため、ここでは説明を省略する。また、基底特徴分布の生成方法は、例えば特開2014−235605号等に記載された公知のものであるため、説明を省略する。
異常検出部32は、図7に示すように、運転状況蓄積データベース41からトピック割合を抽出して、現在のトピック割合と、この現在のトピック割合と同一のノードにおける過去のトピック割合との相違度を算出する。なお、後述するように、トピック割合には、車載機位置情報に基づいて、対応するノードのノードIDが関連付けられている。このため、異常検出部32は、現在のトピック割合のノードIDと同一のノードIDが関連付けられているトピック割合を、「現在のトピック割合と同一のノードにおける過去のトピック割合」として抽出する。
具体的には、異常検出部32は、図8に示すように、まず、トピック割合の運転トピックを特徴量として、現在のトピック割合と過去のトピック割合との距離(例えば、ユークリッド距離)を算出する。そして異常検出部32は、算出された1または複数の距離の平均値を算出し、この平均値を相違度とする。さらに異常検出部32は、算出された相違度が予め設定された第1異常発生判定値より大きい場合には、現在のトピック割合と同一のノードにおいて異常が発生したと判断する。また異常検出部32は、この異常に対して、他の異常を区別するための異常識別番号を付与する。
そして異常検出部32は、異常が消失したと判断されるまで、異常が発生したと判断したノード(以下、異常発生ノード)に対応付けられる受信データと、異常発生ノードの周辺のノードに対応付けられる受信データとに基づいて、後述する蓄積データを作成する。なお、異常発生ノードに対応付けられるか否か、および、異常発生ノードの周辺のノードに対応付けられるか否かは、ノードの位置と、受信したデータに含まれる車載機位置情報が示す位置とに基づいて判断される。具体的には、複数のノードの中から、車載機位置情報が示す位置に最も近いノードが、この車載機位置情報を含む受信データに対応付けられる。
異常検出部32は、作成した蓄積データを道路異常蓄積データベース42に格納する。なお、異常検出部32は、蓄積データを、対応するノードIDと関連付けた状態で格納する。図9に示すように、異常検出部32は、異常発生ノードPtを中心として、予め設定された周辺設定半径Raを有する周辺設定円Caの内部を、「異常発生ノードの周辺」であると判断する。
なお、異常検出部32は、算出された相違度が第1異常発生判定値以下となった場合に、異常が消失したと判断する。また異常検出部32は、異常が発生したと判断した時点(以下、異常発生判断時)から、異常が消失したと判断した時点(以下、異常消失判断時)までに蓄積される蓄積データに対して、同一の異常識別番号を付与する。
異常検出部32により道路異常蓄積データベース42に蓄積される蓄積データとしては、図10に示すように、ノードID、日時、緯度、経度、ノード特有の情報(例えば、交差点、駅前、イベント会場前など)、異常度、トピック割合が挙げられる。異常度としては、例えば、直近の複数台(例えば5台)の車両の相違度を累積したものが挙げられる。なお、これらの蓄積データは、複数の車両の平均であってもよいし、代表的なデータでもよいし、複数の車両全てのデータであってもよい。
因果関係抽出部33は、図11に示すように、異常発生判断時から異常消失判断時までに蓄積されたデータを用いて、累積異常度を、予め設定された異常度算出時間(例えば、5分)毎に算出して、累積異常度ヒストグラムを作成し、道路異常蓄積データベース42に格納する。累積異常度を算出する異常度算出タイミングは、異常発生判断時を最初の異常度算出タイミングとして、この最初の異常度算出タイミングを起点として異常度算出時間が経過する毎に到来する。累積異常度は、1回または複数回の異常度算出タイミングのそれぞれにおいて、異常度算出タイミングの直近で路側機3から送信された算出必要数(例えば、5個)の運転データおよび挙動データを用いて算出された相違度の合計値である。累積異常度ヒストグラムは、縦軸に累積異常度、横軸に時刻をとったヒストグラムである。因果関係抽出部33は、異常発生ノードと、異常発生ノードの周辺における1または複数のノードとのそれぞれについて累積異常度ヒストグラムを作成する。
そして因果関係抽出部33は、複数のノードで作成した累積異常度ヒストグラムのそれぞれについて、異常発生時刻と異常消失時刻を決定する。異常発生時刻は、累積異常度が予め設定された第2異常発生判定値以上となる時刻である。異常消失時刻は、累積異常度が第2異常発生判定値未満となる時刻である。
因果関係抽出部33は、図12に示すように、異常発生ノードとその周辺のノードのそれぞれについて、累積異常度ヒストグラムを用いて異常遷移グラフを作成する。異常遷移グラフは、累積異常度ヒストグラムを構成する複数のビンの高さをプロットし、プロットした点を直線で結んだグラフである。図12では、矢印MG1で示すように、異常発生ノードにおける累積異常度ヒストグラムから異常遷移グラフを作成し、矢印MG2で示すように、異常発生ノードから最も近いノードにおける累積異常度ヒストグラムから異常遷移グラフを作成していることを示している。
そして因果関係抽出部33は、異常発生ノードにおける異常遷移グラフが示す異常の変化と、異常発生ノードの周辺のノードにおける異常遷移グラフが示す異常の変化とを因果関係分析することで、異常発生ノードで発生した異常が異常発生ノードの周辺のノードに与えた影響を評価する。本実施形態では、因果関係抽出部33は、例えばグレンジャー因果モデルを用いて、異常発生ノードと、異常発生ノードの周辺における複数のノードのそれぞれとの間で因果関係分析を行う。図12では、矢印CG1と矢印CG2で示すように、異常発生ノードにおける異常遷移グラフと、異常発生ノードから最も近いノードにおける異常遷移グラフを比較することにより因果関係分析を行うことを示している。
さらに因果関係抽出部33は、異常発生ノードの異常遷移グラフと、異常発生ノードの周辺における複数のノードの異常遷移グラフとを用いて、時間の経過に伴い異常がどのように遷移しているかを示す時間的遷移情報を作成する。
そして因果関係抽出部33は、因果関係分析を行った結果、異常発生ノードと異常発生ノードの周辺のノードとの間に因果関係があると判断した場合には、以下に示す因果関係情報を因果関係蓄積データベース43に記憶させる。
因果関係情報は、異常ノード情報、発生時刻情報、消失時刻情報、遷移時間情報、異常度情報および特徴量情報を含む。
異常ノード情報は、異常発生ノードの位置を特定する情報と、異常が遷移したノード(以下、異常遷移ノード)の位置を特定する情報とを含む。
発生時刻情報は、異常発生ノードで異常が発生した時刻を示す情報と、異常遷移ノードで異常が発生した時刻を示す情報とを含む。
遷移時間情報は、異常発生ノードから異常遷移ノードへ異常が遷移するのに要した時間を示す情報を含む。
異常度情報は、異常発生ノードにおける異常の度合いを示す情報と、異常遷移ノードにおける異常の度合いを示す情報とを含む。
特徴量情報は、異常発生ノードにおける異常の度合いを算出するために用いた特徴量(本実施形態ではトピック割合)の情報と、異常遷移ノードにおける異常の度合いを算出するために用いた特徴量の情報とを含む。
なお、因果関係分析を行った結果、異常発生ノードで発生した異常と因果関係があると判断された異常の因果関係情報は、道路異常蓄積データベース42に記憶されている異常識別番号と同じ異常識別番号が付与された状態で因果関係蓄積データベース43に格納される。
異常推定部34は、異常検出部32が異常を検出すると、異常検出部32が検出した異常に対応する異常発生ノードと因果関係を有する異常遷移ノードの異常を示す情報を、因果関係蓄積データベース43から抽出する。そして異常推定部34は、因果関係を有する異常の抽出件数を用いて、図13に示すように、異常の遷移をマップ化する。図13は、ノードIDが50であるノードにおいて異常が発生したときの異常遷移マップを示している。
図13では、ノードIDが50であるノードの付近にノードIDがそれぞれ51,53,55であるノードが配置されている。ノードIDが50のノードを始点として、ノードIDが51のノードを終点とする矢印TR1は、ノードIDが50のノードからの異常の遷移を示している。そして、矢印TR1の付近に記載されている数字の「80」は、ノードIDが51のノードにおいて、ノードIDが50のノードで発生した異常と因果関係を有する異常として抽出された件数を示す。
同様に、矢印TR2は、ノードIDが50のノードからノードIDが53のノードへの異常の遷移を示している。そして、矢印TR2の付近に記載されている数字の「21」は、ノードIDが53のノードにおいて、ノードIDが50のノードで発生した異常と因果関係を有する異常として抽出された件数を示す。
また異常推定部34は、抽出件数が多い程、対応する矢印が太くなるように異常遷移マップを作成する。図13では、矢印TR1が矢印TR2よりも太くなるように記載されている。また、2つのノードの間が矢印で結ばれていない場合には、これら2つのノードの間で異常の遷移がないことを示す。
次に、制御装置15が実行する運転状況抽出処理の手順を説明する。運転状況抽出処理は、運転状況抽出部31に相当し、制御装置15の動作中において繰り返し実行される処理である。
この運転状況抽出処理が実行されると、制御装置15のCPU21は、図14に示すように、まずS10にて、通信装置11において路側機3から受信した運転データと挙動データを用いて車両挙動データを生成する。S10の処理は、車両挙動データ収集部51に相当する。
そしてS20にて、車両挙動データを統計解析し、車両挙動データの時系列を複数の運転シーンに分節化する。S20の処理は、運転シーン分割部52に相当する。さらにS30にて、運転シーン毎にトピック割合を算出し、算出したトピック割合を、受信した車載機位置情報に対応するノードのノードIDに関連付けた状態で、運転状況蓄積データベース41に記憶させて、運転状況抽出処理を一旦終了する。「車載機位置情報に対応するノード」とは、車載機位置情報が示す位置から最も近いノードであり、1つの車載機位置情報に対して1つのノードが対応付けられる。S30の処理は、トピック割合演算部53に相当する。
次に、制御装置15が実行する異常検出処理の手順を説明する。異常検出処理は、異常検出部32に相当し、制御装置15の動作中において繰り返し実行される処理である。
この異常検出処理が実行されると、制御装置15のCPU21は、図15に示すように、まずS110にて、運転状況蓄積データベース41に格納されているトピック割合の中から、まだ異常検出の判断に用いられていない直近のトピック割合を抽出する。
そしてS120にて、S110で抽出した直近のトピック割合について、抽出したトピック割合と同一のノードにおける過去のトピック割合との相違度を算出する。
またS130にて、異常の有無を判断する。具体的には、算出した全ての相違度のそれぞれについて、算出した相違度が予め設定された第1異常発生判定値より大きいか否かを判断する。ここで、相違度が第1異常発生判定値より大きい場合には、この相違度に対応したノードで異常が発生したと判断する。一方、相違度が第1異常発生判定値以下である場合には、この相違度に対応したノードで異常が発生していないと判断する。
そしてS140にて、S130での判断結果に基づいて、異常が発生しているノード(以下、異常発生ノード)があるか否かを判断する。ここで、異常発生ノードがない場合には、異常検出処理を一旦終了する。一方、異常発生ノードがある場合には、S150にて、異常発生ノードに対応付けられた受信データと、異常発生ノードの周辺のノードに対応付けられた受信データとを用いて、上記の蓄積データを作成し、作成した蓄積データを、道路異常蓄積データベース42に格納する。蓄積データの詳細については既に説明しているため、ここでの説明は省略する。
そしてS160にて、異常発生ノードにおいて異常が消失したか否かを判断する。具体的には、まず、運転状況蓄積データベース41に記憶されているトピック割合の中から、まだ異常発生ノードにおいて異常検出の判断に用いられていない直近のトピック割合を抽出する。また、抽出したトピック割合について相違度を算出し、算出した相違度が第1異常発生判定値より大きいか否かを判断する。ここで、相違度が第1異常発生判定値より大きい場合には、異常発生ノードで異常が継続していると判断する。一方、相違度が第1異常発生判定値以下である場合には、異常発生ノードで異常が消失したと判断する。
S160にて、異常発生ノードにおいて異常が消失しないと判断した場合には、S150に移行する。一方、異常発生ノードにおいて異常が消失したと判断した場合には、異常検出処理を一旦終了する。
次に、制御装置15が実行する因果関係抽出処理の手順を説明する。因果関係抽出処理は、因果関係抽出部33に相当し、制御装置15の動作中において繰り返し実行される処理である。
この因果関係抽出処理が実行されると、制御装置15のCPU21は、図16に示すように、まずS210にて、道路異常蓄積データベース42に格納されているデータの中から、まだ因果関係分析に用いられていない直近のデータがあるか否かを判断する。ここで、因果関係分析に用いられていない直近のデータがない場合には、因果関係抽出処理を一旦終了する。
一方、因果関係分析に用いられていない直近のデータがある場合には、S210にて、まず、同一の異常識別番号が付与されているデータを道路異常蓄積データベース42から抽出する。そして、抽出したデータを用いて、異常発生ノードとその周辺のノードのそれぞれについて、累積異常度ヒストグラムを作成する。
さらにS230にて、S220で作成した累積異常度ヒストグラムのそれぞれに対応した異常遷移グラフを作成する。そしてS240にて、S230で作成した異常遷移グラフを用いて、異常発生ノードと、異常発生ノードの周辺のノードとの間で因果関係分析を行う。そして、異常発生ノードと異常発生ノードの周辺のノードとの間に因果関係があると判断した場合には、上述の因果関係情報を因果関係蓄積データベース43に格納して、因果関係抽出処理を一旦終了する。
次に、制御装置15が実行する異常推定処理の手順を説明する。異常推定処理は、異常推定部34に相当し、制御装置15の動作中において繰り返し実行される処理である。
この異常推定処理が実行されると、制御装置15のCPU21は、図17に示すように、まずS310にて、異常検出処理のS140の判断結果に基づいて、異常発生ノードがあるか否かを判断する。ここで、異常発生ノードがない場合には、異常推定処理を一旦終了する。
一方、異常発生ノードがある場合には、S320にて、異常発生ノードと因果関係を有する異常遷移ノードの異常を示す因果関係情報を因果関係蓄積データベース43から抽出し、因果関係を有する異常遷移ノード毎に、異常の抽出件数を計数する。
そしてS330にて、因果関係を有する異常の抽出件数を用いて、異常の遷移をマップ化した異常遷移マップを作成する。さらにS340にて、作成した異常遷移マップを、異常発生ノードの付近に設置された路側機3と、異常発生ノードの周辺のノードの付近に設置された路側機3とに送信し、異常推定処理を一旦終了する。
そして、異常遷移マップを受信した路側機3は、受信した異常遷移マップを、路側機3の付近を走行する車両に搭載された車載機5へ送信する。これにより、異常遷移マップを受信した車載機5が搭載された車両では、図18に示すように、車両に搭載されたナビゲーション装置が、異常発生ノードを回避したルート案内をすることが可能となる。図18では、ノードIDが50であるノードの付近で現在異常が発生しており、ノードIDが51であるノードの付近で約15分後に異常が遷移し、ノードIDが53であるノードの付近で約10分後に異常が遷移することを示している。また図18では、現在地から目的地までの案内ルートRg1,Rg2,Rg3,Rg4が、ノードIDが50,51,53であるノードの付近を回避して設定されていることを示している。
このように構成された異常検出装置7は、運転状況抽出部31と、異常検出部32と、因果関係抽出部33と、異常推定部34とを備える。
運転状況抽出部31の車両挙動データ収集部51は、運転データと挙動データと撮影画像データを複数の車両毎に繰り返し収集する。
運転状況抽出部31の運転シーン分割部52およびトピック割合演算部53は、収集された運転データと挙動データからトピック割合を算出し、トピック割合と、トピック割合に対応するノードとを関連付けて記憶する。
異常検出部32は、算出されたトピック割合を用いて算出された相違度に基づいて、異常が発生している異常発生ノードが現時点で存在しているか否かを判断する。なお、トピック割合にはノードIDが関連付けられているため、異常検出部32は、現時点で算出したトピック割合と、このトピック割合と同一のノードについて過去に算出したトピック割合とを比較することにより、異常発生ノードが現時点で存在しているか否かを判断する。
異常検出部32は、異常発生ノードが現時点で存在していると判断した場合に、異常発生ノードに対応付けられた受信データと、異常発生ノードの周辺(以下、異常周辺ノード)に対応付けられた受信データとを用いて、蓄積データを作成し、作成した蓄積データを蓄積する。
因果関係抽出部33は、蓄積された蓄積データを用いて、異常発生ノードで発生した異常と、異常発生ノードの周辺のノードで発生した異常との間の因果関係を示す因果関係情報を作成する。
異常推定部34は、異常発生ノードが現時点で存在していると異常検出部32が判断した場合に、因果関係抽出部33により作成された過去の因果関係情報を用いて、現時点で存在していると異常検出部32が判断した異常発生ノードから異常発生ノードの周辺への異常の遷移を推定する。
このように異常検出装置7は、異常発生ノードおよび異常周辺ノードの運転データと挙動データを用いて作成した蓄積データを蓄積し、蓄積された蓄積データを用いて因果関係情報を作成している。そして因果関係情報は、異常発生ノードで発生した異常と、異常周辺ノードで発生した異常との間の因果関係を示している。このため、異常検出装置7は、異常発生ノードが現時点で存在していると判断した場合に、異常発生ノードを起点として遷移する異常の発生ノード(すなわち、異常周辺ノード)を、異常発生ノードで発生した異常との間で因果関係を示している過去の因果関係情報を抽出することにより、推定することができる。これにより、異常検出装置7は、因果関係情報を蓄積することで、異常発生時において、簡便な方法で且つ高速に異常の遷移を推定でき、異常の影響範囲を高速に特定できるため、高速に迂回経路を算出することができる。
また異常検出部32は、異常発生ノードを含むように予め設定された周辺設定円Caの内部のノードを、異常発生ノードの周辺であると判断する。すなわち、異常検出装置7は、異常発生ノードと道路で直接繋がっていないノードについても、異常発生ノードで発生した異常が遷移する可能性があると判断して、異常の遷移の推定を行う。これにより、異常検出装置7は、異常の遷移を道路の構造に関わらす推定することができる。
また異常推定部34は、異常発生ノードと因果関係を有する異常遷移ノードの過去の因果関係情報を抽出し 因果関係を有する異常遷移ノード毎に、抽出した異常の抽出件数を計数する。これにより、異常検出装置7は、抽出件数が多い程、異常発生ノードから異常遷移ノードへ異常が遷移する可能性が高くなるように異常の遷移を推定することができる。そして、抽出件数を計数するという簡便な方法で、異常遷移の可能性の高低を判断することができるため、異常検出装置7は、異常遷移の推定の処理負荷を低減することができる。
以上説明した実施形態において、異常検出装置7は異常推定装置に相当し、S10は収集部としての処理に相当し、S20,S30は特徴量算出部としての処理に相当し、S110〜S140は異常判断部としての処理に相当する。
また、S150,S160は蓄積部としての処理に相当し、S210〜S240は情報作成部としての処理に相当し、S310〜S330は推定部としての処理に相当する。
また、運転データと挙動データは車両データに相当し、異常発生ノードは異常発生地点に相当し、トピック割合は特徴量に相当し、蓄積データは推定用データに相当する。
また、現在のトピック割合は現在特徴量に相当し、過去のトピック割合は過去特徴量に相当し、周辺設定円Caは周辺判定領域に相当し、累積異常度は異常度に相当する。
(第2実施形態)
以下に本開示の第2実施形態を図面とともに説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。共通する構成については同一の符号を付す。
第2実施形態の異常検出システム1は、因果関係抽出処理と異常推定処理が変更された点が第1実施形態と異なる。
第2実施形態の因果関係抽出処理は、図19に示すように、S250,S260の処理が追加された点が第1実施形態と異なる。
すなわち、S240の処理が終了すると、S250にて、インターネット等を介して、S240において因果関係分析を行った異常の異常発生ノードと異常発生日時に紐付くイベント情報を取得する。その後S260にて、S250で取得したイベント情報を、S240で格納した因果関係情報に関連付けた状態で、因果関係蓄積データベース43に格納し、因果関係抽出処理を一旦終了する。
第2実施形態の異常推定処理は、図20に示すように、S320の処理が省略された点と、S312,S322の処理が追加された点が第1実施形態と異なる。
すなわち、S310において異常発生ノードがある場合には、S312にて、インターネット等を介して、S310において判断した異常発生ノードと異常発生日時に紐付くイベント情報を取得する。次にS322にて、S310で判断した異常発生ノードと因果関係を有する異常遷移ノードの異常を示し、且つ、S312で取得したイベント情報と同一のイベント情報と関連付けられた因果関係情報を因果関係蓄積データベース43から抽出し、因果関係を有する異常遷移ノード毎に、異常の抽出件数を計数する。S322の処理が終了すると、S330に移行する。
このように構成された異常検出装置7では、因果関係抽出部33は、異常発生ノードで発生した異常の原因を示すイベント情報を取得し、取得したイベント情報と、因果関係情報とを関連付ける。そして異常推定部34は、異常発生ノードが存在していると異常検出部32が判断した場合に、異常発生ノードで発生した異常のイベント情報を取得し、取得したイベント情報と同一のイベント情報と関連付けられた過去の因果関係情報を抽出することによって、異常の遷移を推定する。
これにより、異常検出装置7は、同一のイベントに起因して発生していない異常を除外して因果関係情報を抽出することが可能となり、異常遷移の推定の精度を向上させることができる。
以上説明した実施形態において、S210〜S260は情報作成部としての処理に相当し、S310〜S330は推定部としての処理に相当し、イベント情報は異常原因情報に相当する。
(第3実施形態)
以下に本開示の第3実施形態を図面とともに説明する。なお第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。共通する構成については同一の符号を付す。
第3実施形態の異常検出システム1は、因果関係抽出処理と異常推定処理が変更された点が第1実施形態と異なる。
第3実施形態の因果関係抽出処理は、図21に示すように、S255,S265の処理が追加された点が第1実施形態と異なる。
すなわち、S240の処理が終了すると、S255にて、S240において因果関係分析を行った異常の異常発生ノードにおいて異常発生日時に取得した撮影画像データを用いて、異常発生ノードにおける異常の種類(例えば、渋滞または事故)を識別する。その後S265にて、S255で識別した異常の種類を示す異常種類情報を、S240で格納した因果関係情報に関連付けた状態で、因果関係蓄積データベース43に格納して、因果関係抽出処理を一旦終了する。
第3実施形態の異常推定処理は、図22に示すように、S320の処理が省略された点と、S314,S324の処理が追加された点が第1実施形態と異なる。
すなわち、S310において異常発生ノードがある場合には、S314にて、S310で判断した異常発生ノードにおいて異常発生日時に取得した撮影画像データを用いて、異常発生ノードにおける異常の種類を識別する。次にS324にて、異常発生ノードと因果関係を有する異常遷移ノードの異常を示し、且つ、S314で識別した異常の種類を示す異常種類情報と関連付けられた因果関係情報を因果関係蓄積データベース43から抽出し、因果関係を有する異常遷移ノード毎に、異常の抽出件数を計数する。S324の処理が終了すると、S330に移行する。
このように構成された異常検出装置7では、因果関係抽出部33は、異常発生ノードにおいて異常発生日時に取得した撮影画像データを用いて、異常発生ノードで発生した異常の種類を識別し、識別した異常の種類を示す異常種類情報と、因果関係情報とを関連付ける。そして異常推定部34は、異常発生ノードが存在していると異常検出部32が判断した場合に、撮影画像データを用いて、異常発生ノードで発生した異常の種類を識別し、識別した異常の種類と同一の異常種類情報と関連付けられた過去の因果関係情報を抽出することによって、異常の遷移を推定する。
これにより、異常検出装置7は、種類が同一の異常に起因して発生していない異常を除外して因果関係情報を抽出することが可能となり、異常遷移の推定の精度を向上させることができる。
以上説明した実施形態において、S210〜S265は情報作成部としての処理に相当し、S310〜S330は推定部としての処理に相当する。
(第4実施形態)
以下に本開示の第4実施形態を図面とともに説明する。なお第4実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。共通する構成については同一の符号を付す。
第4実施形態の異常検出システム1では、図26に示すように、自動車は、データを車載機5から取得可能に接続されたナビゲーション装置9を備える。
ナビゲーション装置9は、道路地図データおよび各種情報を記録した地図記憶媒体から地図データを取得するとともに、図示しないGPSアンテナを介して受信したGPS信号等に基づいて自車両の現在位置を検出する。
ナビゲーション装置9は、自車両の現在地を表示画面に表示するための制御、および、現在地から目的地までの経路を案内するための制御等を実行する。
そしてナビゲーション装置9は、異常検出装置7が作成した異常遷移マップを車載機5から取得すると、図27に示すように、異常発生ノードの付近に「現在異常」と表示し、異常遷移ノードの付近に「予測異常」と表示する。これにより、ナビゲーション装置9は、異常遷移ノードにおいて異常の発生が予測される旨を運転者へ通知する。
またナビゲーション装置9は、異常検出装置7が作成した異常遷移マップを車載機5から取得した場合において、経路案内中であるときには、図27に示すように、異常発生ノードと異常遷移ノードを回避する回避経路を表示する。図27では、現在地から目的地までの案内ルートRg11,Rg12,Rg13,Rg14が、異常発生ノードと異常遷移ノードの付近を回避して設定されていることを示している。
このように構成されたナビゲーション装置9は、車両に搭載されて、異常検出装置7による推定結果を示す異常遷移マップを取得し、異常発生ノードおよび異常遷移ノードの位置を特定可能な情報を表示する。
このようにナビゲーション装置9は、異常の発生が予測される地点を事前に運転者へ表示することにより、異常遷移ノードで異常が発生する可能性があることを運転者に認識させることができる。このため、ナビゲーション装置9は、異常遷移ノードでの異常に起因して、運転者が、事故に遭遇したり、事故には至らないものの事故の一歩手前の状態に遭遇したりするのを抑制することができる。
またナビゲーション装置9は、異常発生ノードおよび異常遷移ノードを回避する回避経路を表示する。これにより、ナビゲーション装置9は、運転者が、異常発生ノードおよび異常遷移ノードでの異常に起因して事故に遭遇するのを抑制することができる。また、ナビゲーション装置9は、異常発生ノードおよび異常遷移ノードと、回避経路とを表示することにより、異常遷移ノードを回避する経路の設定の根拠を運転者に示すことができる。
以上説明した実施形態において、ナビゲーション装置9は表示装置に相当し、異常遷移マップは推定情報に相当し、異常発生ノードは現在異常発生地点に相当し、異常遷移ノードは現在異常遷移地点に相当する。
また、図27に示す異常発生ノードの位置および異常遷移ノードの位置は異常位置特定情報に相当し、図27に示す異常発生ノードの位置は発生位置情報に相当し、図27に示す異常遷移ノードの位置は遷移位置情報に相当する。
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
[変形例1]
例えば上記実施形態では、異常の発生を判断するために算出する特徴量としてトピック割合を用いるものを示したが、トピック割合に限定されるものではなく、異常の発生を判断することができるものであればよい。
[変形例2]
上記実施形態では、図9に示すように、異常発生ノードPtを中心として周辺設定半径Raを有する周辺設定円Caの内部を、「異常発生ノードの周辺」であると判断するものを示した。しかし、図23に示すように、地図を矩形状のグリッドに区分けして、異常発生ノードPtを含むグリッドGtの内部を、「異常発生ノードの周辺」であると判断するようにしてもよい。
[変形例3]
上記実施形態では、グレンジャー因果モデルを用いて因果関係分析を行うものを示した。より簡単に因果関係を判断する方法として、図24に示すように、異常発生ノードの異常遷移グラフを用いて算出された異常発生時刻と、異常発生ノードの周辺における1または複数のノードの異常遷移グラフを用いて算出された異常発生時刻とを比較することにより、因果関係を判断するようにしてもよい。すなわち、異常発生ノードで異常が発生した後に異常発生ノードの周辺でも異常が発生した場合には、因果関係があると判断する。図24は、異常発生ノードの異常遷移グラフGr1を用いて算出された異常発生時刻と、異常発生ノード付近の異常遷移グラフGr2を用いて算出された異常発生時刻とを比較している状態を示している。
また、因果関係をより詳細に判断するために、因果関係分析により因果関係の有無を判断した後に、異常発生時刻による比較も実行するようにしてもよい。すなわち、因果関係分析により因果関係があると判断され、且つ、異常発生ノードで異常が発生した後に異常発生ノードの周辺でも異常が発生したと判断された場合に、上述の因果関係情報を因果関係蓄積データベース43に格納するようにしてもよい。
[変形例4]
上記実施形態では、異常発生ノードで発生した異常と因果関係があると判断された異常の因果関係情報は、道路異常蓄積データベース42に記憶されている異常識別番号と同じ異常識別番号が付与された状態で因果関係蓄積データベース43に記憶されるものを示した。しかし、トピック割合に基づいて異常の類似度を算出することにより、類似異常判定用の識別番号を付与するようにしてもよい。これにより、異常推定において、類似の異常を示す情報を因果関係蓄積データベース43から抽出するために要する時間を短縮することができるとともに、類似の異常のみを扱って異常の遷移を推定できるようになるため推定精度を向上させることができる。
[変形例5]
上記実施形態では、異常発生ノードで発生した異常と因果関係のあるデータを抽出し、抽出件数の大小によって異常の遷移関係をマップ化するものを示した。この場合に、異常発生ノードに加えて異常度(例えば、累積異常度)および異常特徴量(例えば、トピック割合)の少なくとも1つとの類似度も含めて、因果関係のあるデータを抽出するようにしてもよい。これにより、異常発生ノードで発生した異常と類似していない異常を除外して抽出することが可能となり、異常遷移の推定の精度を向上させることができる。また、時間帯による抽出制限を設けたり、古すぎるデータを抽出しないようにしたりするなどの制約を設けるようにしてもよい。さらに、異常遷移は異常識別番号により管理されているため、因果関係のある異常を少なくとも一つ抽出することができれば、異常識別番号によって、関連した異常を容易に抽出することができる。
[変形例6]
上記実施形態では、図13に示すように、抽出件数が多い程、対応する矢印が太くなるように異常遷移マップを作成するものを示した。しかし、図25に示すように、抽出件数の代わりに、異常発生ノードから異常遷移ノードへ異常が遷移するのに要する異常遷移時間を示し、異常遷移時間が短い程、対応する矢印が太くなるように異常遷移マップを作成するようにしてもよい。図25では、ノードIDが50のノードを始点として、ノードIDが51のノードを終点とする矢印TR3は、ノードIDが50のノードからの異常の遷移を示している。そして、矢印TR3の付近に記載されている「20min」は、ノードIDが50のノードからノードIDが51のノードへ異常が遷移するまでに要する異常遷移時間を示す。
同様に、矢印TR4は、ノードIDが50のノードからノードIDが53のノードへの異常の遷移を示している。そして、矢印TR4の付近に記載されている「10min」は、ノードIDが50のノードからノードIDが53のノードへ異常が遷移するまでに要する異常遷移時間を示す。
また、抽出件数および異常遷移時間の代わりに因果関係度を示すようにしてもよい。因果関係度は、異常発生ノードの異常と異常遷移ノードの異常との因果関係の度合いを示し、因果関係分析で算出される。なお、異常遷移時間と因果関係度については、複数の車両のデータの平均であってもよいし、代表的なデータでもよいし、複数の車両全てのデータであってもよい。
また、異常遷移時間および因果関係度の代わりに、異常遷移時間と因果関係度との加重平均を示すようにしてもよい。
[変形例7]
上記実施形態では、図18に示すように、「約10分後」および「約15分後」のように異常が発生する時刻を予測する情報を表示するものを示したが、異常が消失する時刻を予測する情報を表示するようにしてもよい。
[変形例8]
上記第4実施形態では、図27に示すように、ナビゲーション装置9が、道路をノードとリンクとにより表現した表示を行うものを示した。しかし、図28に示すように、ナビゲーション装置9が、道路をリンクのみで表現し、ノードについては、異常発生ノードと異常遷移ノードのみを表示するようにしてもよい。または、ナビゲーション装置9が、一般的な道路地図上に、異常発生ノードと異常遷移ノードを重畳表示するようにしてもよい。
[変形例9]
上記第4実施形態では、図27に示すように、ナビゲーション装置9が、異常発生ノードと異常遷移ノードを表示するものを示したが、異常遷移ノードに関して時間を表示するようにしてもよい。表示する時間としては、異常が発生する時刻を予測した異常発生予測時刻、異常が発生している発生時間帯、または、異常が終了する時刻を予測した異常終了予測時刻などが挙げられる。
このようにナビゲーション装置9は、更に、異常遷移ノードにおいて異常が発生する時刻を特定可能な発生時刻特定情報を表示することにより、異常が発生する時刻を運転者に認識させることができる。これにより、運転者は、余裕を持って、異常遷移ノードを回避する経路計画を立てることが可能になる。
[変形例10]
上記第4実施形態では、図27に示すように、ナビゲーション装置9が、異常発生ノードと異常遷移ノードを表示するものを示した。しかし、図29に示すように、ナビゲーション装置9は、矢印が異常発生ノードから異常遷移ノードへ移動するように表示してもよい。図29では、ナビゲーション装置9は、異常発生ノードの左下に位置する異常遷移ノードへの移動を示すために、まず、矢印A1を表示する。次にナビゲーション装置9は、矢印A1の表示を消した後に、矢印A2を表示する。さらにナビゲーション装置9は、矢印A2の表示を消した後に、矢印A3を表示する。このようにナビゲーション装置9は、矢印A1、矢印A2および矢印A3を順次表示することにより、異常の遷移を表現する。そしてナビゲーション装置9は、矢印A1が表示されてから矢印A3が表示されるまでの遷移時間により、異常が遷移する速さを表現する。例えば、遷移時間が短い場合には、異常遷移ノードで異常が発生する発生時刻が早く到来することを示し、遷移時間が長い場合には、異常遷移ノードで異常が発生する発生時刻が遅く到来することを示すようにするとよい。なお、図29では、ナビゲーション装置9は、異常遷移ノードと異常発生ノードとを区別可能に表示している。例えば、ナビゲーション装置9は、異常遷移ノードを点滅等で表示する。また図29では、ナビゲーション装置9は、異常発生ノードの右下に位置する異常遷移ノードへの移動を示すために、まず、矢印A4を表示する。次にナビゲーション装置9は、矢印A4の表示を消した後に、矢印A5を表示する。
このようにナビゲーション装置9は、矢印がアニメーションで移動するように表示することにより、運転者に、異常遷移ノードで異常が発生する時刻を直感的に把握させることができる。
[変形例11]
上記第4実施形態では、図27に示すように、ナビゲーション装置9は、異常発生ノードと異常遷移ノードを表示するものを示した。しかし、図30に示すように、ナビゲーション装置9は、異常発生ノードと異常遷移ノードを含む領域を異常として表示するようにしてもよい。図30では、ナビゲーション装置9は、異常発生ノードと異常遷移ノードを含む円形の領域Rt1を異常として表示している。
このようにナビゲーション装置9は、異常発生ノードの位置と、異常遷移ノードの位置とを含む領域Rt1を示す異常領域情報を表示する。これにより、ナビゲーション装置9は、異常発生地点をピンポイントで示すのではなく広く示すことができる。このため、運転者を異常に近寄らせないようにすることが可能になる。また、このように表示することで、ナビゲーション装置9は、過去に異常とは判定されなかった地点についても異常の可能性を運転者に考慮させることが可能となる。なお、例えば、豪雨により異常発生ノードおよび異常遷移ノードで冠水が発生した場合に、ピンポイントで冠水を回避するのではなく、なるべく異常発生ノードおよび異常遷移ノードに近寄らないようにすることが望ましい。図30に示すようにナビゲーション装置9が表示することにより、運転者は、余裕を持って異常を回避することが可能となる。なお、図30に示す領域Rt1は異常位置特定情報および異常領域情報に相当する。
なお、異常発生ノードと異常遷移ノードを含む領域は、円形に限定されるものではなく、異常発生ノードと異常遷移ノードを含む形状であればよい。例えば、四角形状であってもよいし、道路に沿って異常発生ノードと異常遷移ノードを囲う形状であってもよい。
[変形例12]
上記変形例11では、ナビゲーション装置9が、異常発生ノードと異常遷移ノードを含む円形の領域Rt1を異常として表示するものを示した。しかし、図31に示すように、ナビゲーション装置9は、異常発生ノードおよび異常遷移ノードのうち異常発生ノードのみを含む領域を、異常遷移ノードを含む領域と区別可能に表示するようにしてもよい。図31では、ナビゲーション装置9は、異常発生ノードと異常遷移ノードを含む円形の領域Rt1を注意情報として表示するとともに、異常発生ノードを含む円形の領域Rt2を警報として表示している。図31では、領域Rt1と領域Rt2とが互いに異なる色で表示されている。なお、図31では、ナビゲーション装置9は、2色で塗り分けている。しかし、領域Rt1において異常発生確率が高い地点の周辺は、例えば色が濃くなるようにして、等高線のようにグラデーションで塗り分けるようにしてもよい。
このようにナビゲーション装置9は、異常発生ノードの位置を含む領域Rt2と、異常遷移ノードの位置を含む領域Rt1とを区別可能に表示する。これにより、ナビゲーション装置9は、異常発生ノードの位置を含む領域と、異常遷移ノードの位置を含む領域とを区別して運転者に認識させることができる。このため、運転者は、異常発生ノードの位置と異常遷移ノードの位置とを考慮して、異常遷移ノードを回避する経路計画を立てることが可能になる。なお、図31に示す領域Rt1および領域Rt2は異常位置特定情報に相当する。また、図31に示す領域Rt2は異常発生領域に相当し、領域Rt2は異常遷移領域に相当する。
[変形例13]
上記第4実施形態では、図27に示すように、ナビゲーション装置9は、異常発生ノードと異常遷移ノードを表示するものを示した。しかし、図32に示すように、ナビゲーション装置9は、異常遷移確率に応じて、異常遷移ノードを示すアイコンの大きさを変更するようにしてもよい。図32では、ナビゲーション装置9は、異常遷移確率が高いほど、異常遷移ノードを示すアイコンが大きくなるように表示している。異常遷移確率は、異常遷移ノードが異常発生ノードと因果関係を有する異常として抽出された上記抽出件数に基づいて、抽出件数が多いほど大きくなるようにして算出される。なお、異常遷移ノードを示すアイコンは円形に限定されるものではない。
また、図33に示すように、ナビゲーション装置9は、異常遷移確率に応じて、異常遷移ノードを示すアイコンの色を変更するようにしてもよい。図33では、ナビゲーション装置9は、異常遷移確率が高い異常遷移ノードのアイコンを赤色で表示し、異常遷移確率が低い異常遷移ノードのアイコンを青色で表示している。
このようにナビゲーション装置9は、更に、異常遷移確率が高い異常遷移ノードを強調表示する。これにより、ナビゲーション装置9は、異常遷移確率が高い異常遷移ノードを運転者に認識させることができる。このため、運転者は、異常遷移確率を考慮して、異常遷移ノードを回避する経路計画を立てることが可能になる。
[変形例14]
上記第4実施形態では、図27に示すように、ナビゲーション装置9は、異常発生ノードと異常遷移ノードを表示するものを示した。しかし、図34に示すように、ナビゲーション装置9は、1つまたは複数の異常遷移ノードのうち、車両の現在位置に基づいて車両が到達する可能性のある異常遷移ノードのみを表示するようにしてもよい。例えば、ナビゲーション装置9は、30分後に異常が遷移すると予測された異常遷移ノードについて、現在位置から30分以内に到達できない場合には、この異常遷移ノードを表示しないようにするとよい。
このようにナビゲーション装置9は、更に、1つまたは複数の異常遷移ノードのうち、ナビゲーション装置9を搭載している車両が到達する可能性のある異常遷移ノードのみを表示する。これにより、ナビゲーション装置9は、運転者に不必要な情報が無駄に表示されるのを抑制することができる。
[変形例15]
上記第4実施形態では、図27に示すように、ナビゲーション装置9が、ノードを道路の分岐点として表現して表示するものを示したが、ノードは、道路の分岐点に設定されるものに限定されない。図35に示すように、リンク内に、例えば1m間隔で細かくノードを配置し、異常検出装置7が、これら複数のノード毎に異常発生と異常遷移を判断するようにしてもよい。これにより、異常検出装置7は、道路上の異常発生と異常遷移を、より精度良く判断することができる。
[変形例16]
上記第4実施形態では、図27に示すように、ナビゲーション装置9は、異常発生ノードと異常遷移ノードを表示するものを示した。しかし、異常発生ノードと異常遷移ノードを表示する表示装置は、ナビゲーション装置に限定されるものではなく、例えば、地図アプリ等がインストールされたスマートフォンであってもよい。なお、地図アプリはナビゲーション機能を有していなくてもよい。
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
上述した異常検出装置7の他、当該異常検出装置7を構成要素とするシステム、当該異常検出装置7としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した媒体、異常推定方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
7…異常検出装置、31…運転状況抽出部、32…異常検出部、33…因果関係抽出部、34…異常推定部、51…車両挙動データ収集部、52…運転シーン分割部、53…トピック割合演算部

Claims (15)

  1. 車両の状態に関する車両データを複数の前記車両毎に繰り返し収集するように構成された収集部(S10)と、
    前記収集部にて収集された前記車両データから特徴量を算出し、前記特徴量と、前記特徴量に対応する場所とを関連付けて記憶するように構成された特徴量算出部(S20,S30)と、
    前記特徴量算出部にて算出された前記特徴量に基づいて、異常が発生している異常発生地点が現時点で存在しているか否かを判断するように構成された異常判断部(S110〜S140)と、
    前記異常発生地点が現時点で存在していると前記異常判断部が判断した場合に、前記異常発生地点における前記車両データと、前記異常発生地点の周辺の地点である異常周辺地点における前記車両データとを用いて、前記異常発生地点から前記異常周辺地点への異常の遷移を推定するために予め設定された推定用データを作成し、作成した前記推定用データを蓄積するように構成された蓄積部(S150,S160)と、
    前記蓄積部により蓄積された前記推定用データを用いて、前記異常発生地点で発生した異常と、前記異常周辺地点で発生した異常との間の因果関係を示す因果関係情報を作成するように構成された情報作成部(S210〜S265)と、
    前記異常発生地点が現時点で存在していると前記異常判断部が判断した場合に、前記情報作成部により作成された過去の前記因果関係情報を用いて、現時点で存在していると前記異常判断部が判断した前記異常発生地点から前記異常周辺地点への異常の遷移を推定するように構成された推定部(S310〜S330)と
    を備える異常推定装置(7)。
  2. 請求項1に記載の異常推定装置であって、
    前記異常判断部は、前記特徴量算出部にて現時点で算出された前記特徴量を現在特徴量とし、前記現在特徴量よりも過去に算出された前記特徴量を過去特徴量として、前記現在特徴量と、前記過去特徴量とを比較することにより、前記異常発生地点が現時点で存在しているか否かを判断する異常推定装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の異常推定装置であって、
    前記蓄積部は、前記異常発生地点を含むように予め設定された周辺判定領域内の地点を、前記異常発生地点の周辺であると判断する異常推定装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の異常推定装置であって、
    前記推定部は、前記異常発生地点で発生した異常との間で因果関係を有する前記異常周辺地点の過去の前記因果関係情報を抽出し、抽出した異常の数を示す情報を取得する異常推定装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の異常推定装置であって、
    前記情報作成部は、前記異常発生地点で発生した異常の度合いを示す異常度、および、前記異常発生地点で異常が発生したときの前記特徴量の少なくとも一方を含むように前記因果関係情報を作成し、
    前記推定部は、過去の前記因果関係情報に含まれる前記異常度および前記特徴量のうち少なくとも一方を用いて、現時点で存在していると前記異常判断部が判断した前記異常発生地点の異常と類似している異常の前記因果関係情報を抽出することによって、前記異常発生地点から前記異常周辺地点への異常の遷移を推定する異常推定装置。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の異常推定装置であって、
    前記情報作成部(S210〜S260)は、前記異常発生地点で発生した異常の原因を示す異常原因情報を取得し、取得した前記異常原因情報と、作成した前記因果関係情報とを関連付けるように構成され、
    前記推定部は、前記異常発生地点が存在していると前記異常判断部が判断した場合に、前記異常発生地点で発生した異常の前記異常原因情報を取得し、取得した前記異常原因情報と同一の前記異常原因情報と関連付けられた過去の前記因果関係情報を抽出することによって、前記異常発生地点から前記異常周辺地点への異常の遷移を推定する異常推定装置。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の異常推定装置であって、
    前記収集部が収集するデータには、前記車両に搭載されたカメラが前記車両の周辺を撮影した撮影画像データが含まれており、
    前記情報作成部(S210〜S265)は、前記撮影画像データを用いて、前記異常発生地点で発生した異常の種類を識別し、識別した異常の種類を示す異常種類情報と、作成した前記因果関係情報とを関連付けるように構成され、
    前記推定部は、前記異常発生地点が存在していると前記異常判断部が判断した場合に、前記撮影画像データを用いて、前記異常発生地点で発生した異常の種類を識別し、識別した異常の種類と同一の前記異常種類情報と関連付けられた過去の前記因果関係情報を抽出することによって、前記異常発生地点から前記異常周辺地点への異常の遷移を推定する異常推定装置。
  8. 車両に搭載されて、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の異常推定装置の前記推定部による推定結果を示す推定情報を取得する表示装置(9)であって、
    現時点で存在していると前記異常判断部が判断した前記異常発生地点を現在異常発生地点とし、前記現在異常発生地点から異常が遷移すると前記推定部が推定した前記異常周辺地点を現在異常遷移地点として、前記現在異常発生地点および前記現在異常遷移地点の位置を特定可能な異常位置特定情報を表示する表示装置。
  9. 請求項8に記載の表示装置であって、
    前記異常位置特定情報は、前記現在異常発生地点の位置を示す発生位置情報、および、前記現在異常遷移地点の位置を示す遷移位置情報である表示装置。
  10. 請求項9に記載の表示装置であって、
    更に、前記現在異常遷移地点において異常が発生する時刻を特定可能な発生時刻特定情報を表示する表示装置。
  11. 請求項9または請求項10に記載の表示装置であって、
    更に、異常遷移確率が高い前記現在異常遷移地点を強調表示する表示装置。
  12. 請求項9〜請求項11の何れか1項に記載の表示装置であって、
    更に、前記現在異常発生地点および前記現在異常遷移地点を回避する回避経路を表示する表示装置。
  13. 請求項9〜請求項12の何れか1項に記載の表示装置であって、
    更に、1つまたは複数の前記現在異常遷移地点のうち、前記表示装置を搭載している車両が到達する可能性のある前記現在異常遷移地点のみを表示する表示装置。
  14. 請求項8に記載の表示装置であって、
    前記異常位置特定情報は、前記現在異常発生地点の位置と、前記現在異常遷移地点の位置とを含む異常領域を示す異常領域情報である表示装置。
  15. 請求項14に記載の表示装置であって、
    前記異常領域は、前記現在異常発生地点の位置を含む異常発生領域と、前記現在異常遷移地点の位置を含む異常遷移領域とを備え、
    前記異常発生領域と前記異常遷移領域とを区別可能に表示する表示装置。
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