JP2018022057A - 液晶レンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】高抵抗膜の経時劣化によって液晶レンズのレンズ性能が低下するのを抑制する。【解決手段】第1の電極2と、第1の電極2と対向する第2の電極4と、第1の電極2と第2の電極4との間に設けられた液晶層6と、第1の電極2と第2の電極4の少なくとも一方の電極の液晶層6に面する側に、絶縁層8を介して形成された高抵抗層9とを備えた液晶レンズ1である。高抵抗層9は非晶質酸化スズから構成される。【選択図】図1
Description
本発明は、高抵抗膜を備えた液晶レンズに関する。
液晶レンズは、液晶分子が配向している液晶層に電圧を印加して液晶分子の励起角度を制御し、これにより生じる屈折率変化を利用して焦点距離を可変とするデバイスである。
液晶レンズは、第1の電極と、第1の電極と対向する第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられた液晶層と、第1の電極と第2の電極の少なくとも一方の電極の液晶層に面する側に、絶縁層を介して形成された高抵抗層とを主たる構成として備えている(例えば、特許文献1を参照)。ここで、高抵抗膜は液晶レンズの駆動電圧を低下させるためのものであり、絶縁層は電極と高抵抗膜を絶縁するためのものである。
ところで、特許文献1には、高抵抗膜として、酸化亜鉛、アルミニウム亜鉛酸化物、インジウムスズ酸化物、アンチモンスズ酸化物、ガリウム亜鉛酸化物、シリコン亜鉛酸化物、スズ亜鉛酸化物、ホウ素亜鉛酸化物、ゲルマニウム亜鉛酸化物が挙げられている。
しかしながら、これらの材料から構成された高抵抗膜は、電気的・熱的な安定性に欠けるという欠点がある。そのため、液晶レンズを長期間使用すると、高抵抗膜の抵抗値が経時劣化によって変動しやすい。その結果、同じ条件で電圧を印加しても液晶レンズの焦点距離が所定の距離に定まらず、所望のレンズ性能を実現できないという問題が生じ得る。
本発明は、高抵抗膜の経時劣化によって液晶レンズのレンズ性能が低下するのを抑制することを課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明は、第1の電極と、第1の電極と対向する第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられた液晶層と、第1の電極と第2の電極の少なくとも一方の電極の液晶層に面する側に、絶縁層を介して設けられた高抵抗層とを備えた液晶レンズにおいて、高抵抗層が、非晶質酸化スズからなることを特徴とする。
本願発明者等は、高抵抗層として種々の材質を試験した結果、上記の構成のように高抵抗層として非晶質酸化スズを用いれば、高抵抗膜の熱的・電気的安定性が大幅に改善されることを知見するに至った。したがって、液晶レンズの長期間使用しても高抵抗膜の抵抗値が変化しにくく、液晶レンズのレンズ性能を良好に維持できる。
上記の構成において、高抵抗層のシート抵抗は、100kΩ/sq〜100GΩ/sqであることが好ましい。このようなシート抵抗であれば、高抵抗層としての機能を十分に発揮することができる。
上記の構成において、高抵抗層の厚みは、20nm〜1000nmであることが好ましい。このような厚みであれば、高抵抗層としての機能を十分に発揮することができる。
以上のように本発明によれば、高抵抗膜の経時劣化が生じにくくなるため、長期間使用しても液晶レンズのレンズ性能が低下するのを抑制することができる。
以下、本発明に係る液晶レンズの一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図1及び図2のXYZは直交座標系とする。
図1に示すように、液晶レンズ1は、第1の電極2を有する第1の基板3と、この第1の基板3に対向するともに第2の電極4を有する第2の基板5と、第1の基板3と第2の基板5との間に設けられた液晶層6と、同じく第1の基板3と第2の基板5との間に設けられたスペーサ7とを主に備える。
第1の基板3は、透明なガラス板により構成されるが、これに限定されるものではない。第1の基板3は、第1の電極2の他、この第1の電極2を覆う絶縁層としての絶縁膜8と、この絶縁膜8に積層される高抵抗層としての高抵抗膜9と、この高抵抗膜9に積層される配向層としての配向膜10とを備える。
図1及び図2に示すように、第1の電極2は、例えばITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電性酸化物により構成されるが、これに限定されるものではない。また、第1の電極2は、第1電極部11と、第2電極部12とを備える。
第1電極部11は、第2電極部12の外側に設けられている。第1電極部11は、円形の開口13を区画形成する内縁部11aを有する。第1電極部11の外縁部11bは矩形又は円形に形成される。第1電極部11の形状はこれに限定されない。第1電極部11は、図1に示すように、電源(以下「第1電源」という)14に接続されている。この第1電源14により、第1電極部11には、所定の電圧が印加される。
第2電極部12は、円形に構成されるとともに、第1電極部11の開口13内(内縁部11aの内側)に設けられている。第2電極部12の形状はこれに限定されない。図1に示すように、第2電極部12は、第1電源14とは独立した他の電源(以下「第2電源」という)15に接続されている。この第2電源15により、第2電極部12には、所定の電圧が印加される。
絶縁膜8は、可視域において透明な膜であり、SiO2等の酸化物により構成され、又は、AlN、SiN等の窒化物、MgF2、CF2等のフッ化物、ZnS等の硫化物等の非酸化物により構成され得る。絶縁膜8は、第1電極部11及び第2電極部12の全てを被覆することで、第1の電極2と高抵抗膜9とを絶縁する。
絶縁膜8の厚みは、100nm〜1000nmが好ましく、200nm〜600nmがより好ましく、300nm〜400nmが最も好ましい。絶縁膜8の厚みが100nmより薄い場合には、第1の電極2と、高抵抗膜9との間で、絶縁破壊が生じる可能性がある。絶縁膜8の厚みが1000nmより厚い場合には、第1の電極2と第2の電極4とにより形成される電界が液晶層6に十分に作用しない可能性がある。
高抵抗膜9は、第1電極部11の開口13の中心部にまで軸対称の電界が好適に発生し得るようにするためのものである。これにより、駆動電圧を低下させることができる。高抵抗膜9は、非晶質(アモルファス)酸化スズにより構成される。すなわち、高抵抗膜9は、結晶構造を有さない。
非晶質酸化スズから構成される高抵抗膜9は、例えばスパッタリング法により製造できる。スパッタリング条件の一例は次の通りである。
(1)ターゲット:酸化スズの焼結体
(2)放電ガス:Ar
(3)放電電力:100W〜200W
(4)反応室内圧力:0.2Pa〜1Pa
(1)ターゲット:酸化スズの焼結体
(2)放電ガス:Ar
(3)放電電力:100W〜200W
(4)反応室内圧力:0.2Pa〜1Pa
また、高抵抗膜9の厚みは、20nm〜1000nmが好ましく、50nm〜500nmがより好ましく、70nm〜200nmが最も好ましい。高抵抗膜9の厚さが20nmより薄い場合、高抵抗膜9の厚さが1000nmより厚い場合の何れの場合も、高抵抗膜9としての機能が十分に発揮できない可能性がある。
高抵抗膜9のシート抵抗は、100kΩ/sq〜100GΩ/sqが好ましく、500kΩ/sq〜10GΩ/sqがより好ましく、1MΩ/sq〜1GΩ/sqが最も好ましい。高抵抗膜9として非晶質酸化スズを用いることで、このようなシート抵抗を安定的に実現することができる。高抵抗膜9のシート抵抗が、100kΩ/sqより小さい場合、100GΩ/sqより大きい場合のいずれの場合も、高抵抗膜9としての機能が十分に発揮できない可能性がある。
配向膜10は、例えばラビング処理で微小な溝部が形成されたポリイミド膜により構成され得るが、これに限定されるものではない。液晶層6に含まれる液晶分子は、配向膜10の作用により、プレチルト角で配向され得る。
第2の基板5は、透明なガラスにより構成されるが、これに限定されるものではない。第2の基板5は、その一方の表面に固定される第2の電極4を、第1の基板3における第1の電極2に対向させるように設けられる。
第2の基板5に形成される第2の電極4は、本実施形態ではグラウンド電極として構成される。第2の電極4は、第1の電極2、すなわち、第1電極部11及び第2電極部12の全てと対向することが可能な面積を有する円形又は矩形に構成される。また、第2の電極4は、第1の電極2と同様に、ITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電性酸化物により構成されるが、これに限定されるものではない。
第2の基板5は、上記の第2の電極4の他、液晶層6に面するように設けられた配向層としての配向膜16を有する。第2の電極4が、液晶層6側の第2の基板5表面に形成されている場合、配向膜16は、第2の電極4を覆うように積層されている。配向膜16は、例えばラビング処理されたポリイミド膜などにより構成され得るが、これに限定されない。
液晶層6は、第1の基板3、第2の基板5及びスペーサ7によって構成される空間にホモジニアス液晶を収容することにより構成される。液晶層6の厚みは、液晶レンズ1に必要とされる光学的パワーに応じて設定され得る。本実施形態では液晶層6は単層で構成されているが、複層で構成されていてもよい。複層の場合には、隣接する液晶層6の間に透明なガラス板などの基板が設けられる。
スペーサ7は、ガラス、金属、その他の材料により環状に構成される。スペーサ7の厚みは、液晶層6の厚みや液晶層6に要求される応答速度等に応じて適宜設定できる。スペーサ7の厚みは、例えば10μm〜80μm程度とすることができる。
以上のように構成された液晶レンズ1によれば、高抵抗膜9が結晶構造を有さない非晶質酸化スズにより構成されていることから、高抵抗膜9が熱的・電気的な安定性を有する。当該安定性は、高温高湿試験の前後で高抵抗膜9の抵抗値が変化しないことからも実験的に確認されている。そのため、液晶レンズ1を長期間使用しても、安定したレンズ特性を維持することができる。
ここで、高抵抗膜9は酸化スズであって且つ結晶構造を有さないことが重要である。すなわち、高抵抗膜9が酸化スズで構成されている場合であっても、結晶構造を有すると、熱的・電気的な安定性が十分でない。具体的には、高温高湿試験の前後で、10nm程度の大きさの結晶を有する酸化スズから構成された高抵抗膜では抵抗値が僅かに変化し、200nm程度の大きさの結晶を有する酸化スズから構成された高抵抗膜では抵抗値が激しく変化することを確認している。これは、酸化スズ中に結晶が存在すると、結晶がより安定する方向に結晶秩序が変化し続けるためと考えられる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、第1の電極2の第1電極部11及び第2電極部12の上に絶縁膜8を介して高抵抗膜9を設けた場合を説明したが、これに限定されない。第2の電極4の上のみに絶縁膜8を介して高抵抗膜9を設けてもよいし、第1の電極2及び第2の電極4のそれぞれの上に絶縁膜8を介して高抵抗膜9を設けてもよい。
上記の実施形態では、高抵抗膜9を被覆するように配向膜10を設けた例を示したが、これに限定されない。例えば、高抵抗膜9を図示しない保護膜で被覆し、その上に配向膜10を設けてもよい。
1 液晶レンズ
2 第1の電極
3 第1の基板
4 第2の電極
5 第2の基板
6 液晶層
7 スペーサ
8 絶縁膜
9 高抵抗膜
11 第1電極部
11a 内縁部
11b 外縁部
12 第2電極部
13 開口
14 第1電源
15 第2電源
2 第1の電極
3 第1の基板
4 第2の電極
5 第2の基板
6 液晶層
7 スペーサ
8 絶縁膜
9 高抵抗膜
11 第1電極部
11a 内縁部
11b 外縁部
12 第2電極部
13 開口
14 第1電源
15 第2電源
Claims (3)
- 第1の電極と、前記第1の電極と対向する第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられた液晶層と、前記第1の電極と前記第2の電極の少なくとも一方の電極の前記液晶層に面する側に絶縁層を介して設けられた高抵抗層とを備えた液晶レンズにおいて、
前記高抵抗層が、非晶質酸化スズからなることを特徴とする液晶レンズ。 - 前記高抵抗層のシート抵抗が、100kΩ/sq〜100GΩ/sqであることを特徴とする請求項1に記載の液晶レンズ。
- 前記高抵抗層の厚みが、20nm〜1000nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶レンズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016153557A JP2018022057A (ja) | 2016-08-04 | 2016-08-04 | 液晶レンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016153557A JP2018022057A (ja) | 2016-08-04 | 2016-08-04 | 液晶レンズ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=61165531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016153557A Pending JP2018022057A (ja) | 2016-08-04 | 2016-08-04 | 液晶レンズ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2018022057A (ja) |
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2016
- 2016-08-04 JP JP2016153557A patent/JP2018022057A/ja active Pending
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