JP2018021840A - 放射性廃棄物の処理装置および放射性廃棄物の処理方法 - Google Patents

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伊藤  剛
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Abstract

【課題】加熱装置で高温に加熱する場合と同等以上の体積減容率を達成し、かつ、処理に要するエネルギーおよびオフガス処理設備を最小限にすることが可能な放射性廃棄物の処理装置および放射性廃棄物の処理方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様は、一端に開口部を有し、開口部を介して内部に放射性物質を含む放射性廃棄物が充填される第1の容器と、開口部を介して第1の容器に放射性廃棄物を供給する放射性廃棄物供給装置と、開口部を塞いで第1の容器を密閉する蓋と、第1の容器が収容される中空状の第2の容器と、第1の容器および第2の容器の内部を減圧する減圧装置と、を有し、第2の容器は、第2の容器の外側の表面の一部が、第1の容器の外側の表面全体に密着して第1の容器を収容可能な形状を有することを特徴とする放射性廃棄物の処理装置を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、放射性廃棄物の処理方法および放射性廃棄物の処理装置に関する。
原子力施設等から発生する放射性廃棄物は、セメントまたはガラスで固化され、貯蔵、輸送及び埋設処分に適した形態に変換される。これらの固化処理を行う前に、放射性廃棄物が多量の水分や化学物質を含んでいる場合、固化処理量をできるだけ低減するために、脱水などの減容処理を実施する必要がある。また、水分を多量に含む放射能レベルが高い放射性廃棄物は、水分が放射線分解されて水素ガスを発生し、この水素が、保管容器や固化体などに影響を及ぼす可能性がある。そこで、従来、このような水分を多く含むスラッジなどの放射性廃棄物を固化処理する際に、フィルタプレス、フリーズドライおよび高温での加熱処理などを施して水分を除去する方法が知られている。
特許文献1には、放射性廃棄物を含む被処理物、水硬性無機固化材及び水を混合した混和物を収納容器に充填し固化させて固化体とする放射性廃棄物の固化処理方法において、上記混和物を収納容器に充填して固化させ固化体とする固化工程と、上記固化体を、一軸圧縮強度が1.5MPa以上、予定強度の75%以下の段階で加熱により乾燥する乾燥工程と、上記乾燥工程を経た収納容器に蓋をして密閉する密閉工程と、を有することを特徴とする放射性廃棄物の固化処理方法が記載されている。特許文献1には、放射性廃棄物を水硬性無機固化材で固化した固化体を埋設中に、放射線分解による固化体からのガス発生を抑制又は防止し、長期間の埋設処分中の収納容器内の圧力上昇を抑制又は防止して、処分場の健全性を長期間にわたって確保することができる放射性廃棄物の固化処理方法を提供することができると記載されている。
特開2007‐132787号公報
上述したように、水分を多く含む放射性廃棄物の固化においては、放射線廃棄物からの放射線による水素発生の問題が生じないように、廃棄物に対して脱水処理及び体積を減少させる前処理を実施したあと、固化体に形成するが望ましい。しかしながら、従来の前処理方法である、フィルタプレス法やフリーズドライ法では、体積減容率が低く、30‐50%程度である。これは、放射性廃棄物であるスラッジ等に含まれる結晶水や炭酸塩を除去できないためである。一方、高温で加熱すれば減容率を90%程度に高められるものの、加熱に要するエネルギーが大きく、さらに、大気中の空気を取り込みながら加熱する場合、放射性物質を含む大量の排ガスを処理する必要が生じ、オフガス処理系が膨大な設備となる。
特許文献1では、減容処理に要するエネルギーおよびオフガス処理設備の最小限化については、検討がなされていない。
本発明の目的は、上記事情に鑑み、加熱装置で高温に加熱する場合と同等以上の体積減容率を達成し、かつ、処理に要するエネルギーおよびオフガス処理設備を最小限にすることが可能な放射性廃棄物の処理装置および放射性廃棄物の処理方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、一端に開口部を有し、開口部を介して内部に放射性物質を含む放射性廃棄物が充填される第1の容器と、開口部を介して第1の容器に放射性廃棄物を供給する放射性廃棄物供給装置と、開口部を塞いで第1の容器を密閉する蓋と、第1の容器が収容される中空状の第2の容器と、第1の容器および第2の容器の内部を減圧する減圧装置と、を有し、第2の容器は、第2の容器の外側の表面の一部が、第1の容器の外側の表面全体に密着して第1の容器を収容可能な形状を有することを特徴とする放射性廃棄物の処理装置を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、一端に開口部を有し、開口部を介して内部に放射性物質を含む放射性廃棄物が充填される第1の容器を、外側の表面の一部が第1の容器の外側の表面全体に密着して第1の容器を収容可能な形状を有する中空状の第2の容器に収容する工程と、第1の容器に放射性物質を含む放射性廃棄物を充填する工程と、第1の容器に蓋をして前記第1の容器を密閉する工程と、第1の容器および前記第2の容器の内部を減圧する工程と、第2の容器が前記減圧装置によって減圧されて第1の容器の周囲に真空断熱層を形成し、第1の容器の周囲に真空断熱層が形成された状態で、放射性廃棄物に含まれる放射性物質の崩壊熱によって放射性廃棄物に含まれる水分を除去して減容処理をする減容工程と、を有することを特徴とする放射性廃棄物の処理方法を提供する。
本発明のより具体的な構成は、特許請求の範囲に記載される。
本発明によれば、加熱装置で高温に加熱する場合と同等以上の体積減容率を達成し、かつ、処理に要するエネルギーおよびオフガス処理設備を最小限にすることが可能な放射性廃棄物の処理装置および放射性廃棄物の処理方法を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1に係る放射性廃棄物の処理装置の断面を模式的に示す図である。 実施例1に係る放射性廃棄物の処理方法を示すフロー図である。 放射性廃棄物の乾燥(水分除去)に必要なエネルギーについて、従来の放射性廃棄物の処理方法と本発明に係る放射性廃棄物の処理方法とを比較したグラフである。 減容処理における単位時間当たりの水素発生量について、従来の放射性廃棄物の処理方法と本発明に係る放射性廃棄物の処理方法とを比較したグラフである。 実施例2に係る放射性廃棄物の処理装置の断面を模式的に示す図である。 実施例2に係る放射性廃棄物の処理方法を示すフロー図である。 実施例3に係る放射性廃棄物の処理装置の断面を模式的に示す図である。 実施例3に係る放射性廃棄物の処理方法を示すフロー図である。 実施例4に係る放射性廃棄物の処理装置の断面を模式的に示す図である。 実施例4に係る放射性廃棄物の処理方法示すフロー図である。 減容後の放射性廃棄物の処理態様の一例を示す模式図である。
本発明者らは、上記目的を達成するために種々の検討を行った結果、放射性廃棄物を収容する廃棄物容器(第1の容器)を真空容器(第2の容器)で取り囲んで真空断熱状態にし、該廃棄物容器内に含まれる放射性物質(放射性核種)の崩壊熱を利用して放射性廃棄物を加熱する放射性廃棄物の処理装置および処理方法を見出した。すなわち、本発明に係る放射性廃棄物の処理装置および処理方法は、放射性廃棄物に含まれる放射性物質から放出されるエネルギーを利用して放射性廃棄物中の水分を分解するものである。このような構成とすることで、放射性廃棄物に外部からエネルギーを与えて高温加熱する場合と同等以上の体積減容率を達成しつつ、高温加熱する場合と比較して処理に要するエネルギーを大きく低減することができる。
また、廃棄物容器を真空に引きながら放射性廃棄物中の水分を分解するので、水の分解によって発生した水素の再結合を抑制し、高い効率で減容処理を行うことができる。さらに、廃棄物容器を密閉して処理を行うため、オフガスとして排出されるのは放射性廃棄物から放出される分解ガス(水素ガスおよび酸素ガスなど)のみであるため、オフガス発生量を最小限に留め、オフガス処理設備を最小限にすることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いながら詳述する。
図1は実施例1に係る放射性廃棄物の処理装置の断面を模式的に示す図である。図1に示すように、本実施例に係る廃棄物処理装置100aは、一端に開口部を有し、該開口部を介して内部に放射性物質を含む放射性廃棄物が充填される第1の容器(「廃棄物容器」、「固化容器」とも称する。)3と、第1の容器3の開口部を介して第1の容器3に放射性廃棄物を供給する放射性廃棄物供給装置17と、第1の容器3の開口部を塞いで第1の容器3を密閉する蓋5と、第1の容器3が収容される中空状の第2の容器(真空断熱容器)4と、第1の容器3および第2の容器4の内部を減圧する減圧装置(真空ポンプ)9とを有する。放射性廃棄物供給装置17は、放射性廃棄物を収容する放射性廃棄物タンク1と、放射性廃棄物供給管2を有する。そして、図1に示すように、第2の容器4は、第1の容器3の外側の表面全体に密着して第1の容器3を収容可能な形状を有する。
第1の容器3および第2の容器4は、それぞれ弁(バルブ)6,7を介して減圧装置(真空ポンプ)9に接続されている。第1の容器3および第2の容器4の内部の圧力は、圧力測定装置8によって測定される。真空ポンプ9には、オフガス処理装置18が接続されている。
図2は実施例1に係る放射性廃棄物の処理方法を示すフロー図である。以下、図2に沿って、本実施例に係る廃棄物処理方法の手順について説明する。まず始めに、放射性廃棄物を放射性廃棄物供給装置17から第1の容器3に供給して充填する(図1(a)および図2のS21)。タンク1内には、後述する高線量の放射性物質を含んでいる(吸着している)放射性廃棄物が充填されている。第1の容器3をタンク1の下方に配置し、タンク1内の放射性廃棄物を、放射性廃棄物供給管2を通して第1の容器3内に供給する。なお、第1の容器3を第2の容器4に収容してから第1の容器3に放射性廃棄物を充填してもよいし、第1の容器3に放射性廃棄物を充填してから、第1の容器3を第2の容器4に収容してもよい。
次に、第1の容器3および第2の容器4を真空ポンプ9に接続し、第1の容器3と真空ポンプ9をつなぐバルブ6および第2の容器4と真空ポンプ9をつなぐバルブ7を開いて、第1の容器3および第2の容器4の内部の真空化処理(減圧処理)を実施する(図1(b)および図2のS22,23)。第2の容器4の内部が所定の真空度に到達したら、バルブ7を閉じて第2の容器4の真空化処理を終了する(図1(c)および図2のS24)。このとき、中空状の第2の容器4の内部には、真空断熱層16が形成されている(図1(c))。
この状態で、放射性廃棄物に含まれる放射性物質の崩壊熱によるエネルギーによって、放射性廃棄物中の水分を分解し、減容処理を行う(図2のS25)。高線量の放射性廃棄物からは多くの放射線のエネルギーが放出されており、その放射線を放射性廃棄物自身が吸収した場合には、放射線のエネルギーから変換された熱エネルギーが放射性廃棄物に蓄熱される。これにより、放射性廃棄物10の温度が上昇する。放射性廃棄物10の温度が上昇すると、放射線と水の反応による水の分解が促進され、水の分解によって発生した水素を真空ポンプで取り除くことで、放射性廃棄物10が減容される。
このとき、放射性廃棄物10が充填された第1の容器3は、真空断熱層16を有する第2の容器4及び蓋5によって囲まれているため、崩壊熱が、第1の容器3から離れて伝達することがなく、放射性廃棄物10を効率的に加熱することができる。第1の容器3に充填されている放射性廃棄物10は、第1の容器3内の位置によらず、ほぼ一様に加熱される。崩壊熱は、放射性廃棄物10中の水分の分解反応を引き起こすことのみならず、分解反応を促進(G値を向上)することができる。
放射性物質による放射性廃棄物中の水の分解反応中は、真空ポンプ9によって第1の容器3内の水の分解反応によって生成した水素および酸素を除去する。このようにすることで、分解した水素および酸素が再結合して水に戻ることを防ぎ、上述した第2の容器4による断熱効果に加えて、高い減容率を得ることができる。
真空ポンプ9で第1の容器3の外に排気された水素および酸素は、オフガス処理装置18に送られ、オフガス中に存在する放射性核種の除去処理がなされる。ここで処理されるオフガスの量は、放射性廃棄物10から放出されるもののみであるため、大気を巻き込んで加熱する場合と比較して大幅に少量であり、オフガス処理設備を縮小することができる。
第1の容器3に接続された圧力測定装置8によって、第1の容器内が所定の圧力に達したことが確認されたら、バルブ6を閉じ(図1(d)および図2のS26)、真空ポンプ9を停止して放射性廃棄物10の減容処理(固化処理)を終了する。
崩壊熱を利用して、効率的に減容処理を行うためには、放射性廃棄物中に含まれる放射性物質の線量が10Bq以上であることが好ましい。線量が10Bq未満の放射性物質を含む放射性廃棄物であっても、上述した崩壊熱による水の分解反応は起こるが、分解反応にかかる時間が大きくなってしまう。線量が10Bq以上であれば、現実的な処理時間で減容処理を完了することができる。線量が10Bq以上である放射性物質として、例えばCs‐137(線量:1016Bq)およびSr−90(線量:1016Bq)が挙げられる。
第1の容器3および第2の容器4の材料としては、特に限定は無いが、金属製であることが好ましい。上述したように、本発明では放射性廃棄物の水分の分解を真空中で行うため、第1の容器3および第2の容器4が酸化される恐れがない。また、廃棄物容器である第1の容器を金属製とすれば、金属の加工性を利用して、以下に示すような処理を行うことができる。
図11は減容後の放射性廃棄物の処理態様の一例を示す模式図である。図11の(a)に示すように、減容処理終了後、第1の容器3を蓋5ごと第2の容器4から取り出し、点線部分で切断して切り口を処理することで、図11の(b)に示すような封止体とすることができ、その後の処分(貯蔵、輸送及び埋設処分等)における作業性を向上することができる。
上記した構成により、放射性廃棄物自身が放出する放射線のエネルギー(崩壊熱)を利用することで、加熱処理をする場合と比較して、放射性廃棄物の処理に要するエネルギーを大きく低減することができる。また、減容処理中、分解ガスを真空ポンプで引くため、分解ガスが再結合することなく、減容処理の効率を高めることができる。さらに、減容処理を真空中で行うことによって、大気に触れることなく、放射能汚染される空気を最小限に留めることができるため、放射性廃棄物の処理で発生する汚染ガス(オフガス)の処理設備を最小限にすることができる。
図3は放射性廃棄物の乾燥(水分除去)に必要なエネルギーについて、従来の放射性廃棄物の処理方法と本発明に係る放射性廃棄物の処理方法とを比較したグラフである。Cs−137を1016Bq含む場合、Cs−137から放出される放射線が、
すべて、廃棄物容器に吸収された場合には、1.15MeV×1016Bq=1.15E22eV/s、すなわち、1840J/sの発熱速度の熱エネルギーが得られる。容器の比熱が0.5J/(g・K)であるとき、温度は1時間で約66℃上昇する。図1に示すように、本発明に係る方法では、加熱処理を施す従来技術の方法と比較して、乾燥に必要なエネルギーを75%抑制することができる。この抑制効果は、崩壊熱による直接的な処理と、水と放射線の相互作用によって起こる放射線分解に起因する。
図4は減容処理における単位時間当たりの水素発生量について、従来の放射性廃棄物の処理方法と本発明に係る放射性廃棄物の処理方法とを比較したグラフである。放射性廃棄物中の水分の分解と、分解によって生成した水素の再結合について、以下のような関係がある。すなわち、温度が上昇すると分解によって生成した水素の再結合が促進されて、生成する水素の量が減少する。本発明では、分解によって生成した水素を、再結合する前に真空ポンプによって除去するため、再結合量を無視することができる。以下の参考文献1のFig.18について、90℃まで外挿することで約90%再結合量が削減できることが確認できる。図4に示すように、本発明に係る方法によって、水素の発生量は8倍に増加した。これにより、崩壊熱と水の放射線分解によって廃棄物の減容処理が効率的に行われることがわかる。
参考文献1:日本原子力研究所 (1971) “原子炉一次冷却水の放射線分解” JAERI, 1204, 8.
図5は実施例2に係る放射性廃棄物の処理装置の断面を模式的に示す図であり、図6は実施例2に係る放射性廃棄物の処理方法を示すフロー図である。本実施例に係る放射性廃棄物の処理装置100bは、第1の容器3の温度を測定可能な温度測定装置11を有する点で実施例1に係る放射性廃棄物の処理装置100aと異なる。本実施例では、第1の容器3の温度で減容処理の終了を判断する。すなわち、減容処理中の第1の容器3の温度を温度測定装置11によって測定し、第1の容器3の温度が所定の温度に達したらバルブ6を閉じて減容処理を終了する(図6のS66)。その他の点は、実施例1と同様である。
図7は実施例3に係る放射性廃棄物の処理装置の断面を模式的に示す図であり、図8は実施例3に係る放射性廃棄物の処理方法示すフロー図である。本実施例に係る放射性廃棄物の処理装置100cは、第1の容器3の温度を測定可能な温度測定装置11と、第1の容器3を加熱することが可能な加熱装置12を有する点で実施例1に係る放射性廃棄物の処理装置100aと異なる。このように、放射性廃棄物10中の放射性物質の崩壊熱に加えて、外部から熱を与えて減容処理を行っても良い。
本実施例では、第2の容器のバルブ7を閉じた後、加熱装置12の電源を投入する(図7(c)および図8のS85)。そして、温度測定装置11によって、第1の容器3が所定の温度に達したことを確認したら、バルブ6を閉じ、加熱装置12の電源を停止する(図7(d)および図8のS86)。本発明では、上述したとおり、放射性物質の崩壊熱を効率的に利用できることから、加熱装置12で与える温度は、従来よりも低く、しかも崩壊熱のみを利用する場合よりもさらに迅速に減容処理を行うことができる。その他の点は、実施例1と同様である。
図9は実施例4に係る放射性廃棄物の処理装置の断面を模式的に示す図であり、図10は実施例4に係る放射性廃棄物の処理方法を示すフロー図である。本実施例に係る放射性廃棄物の処理装置100dは、第1の容器3の温度を測定可能な温度測定装置11と、高温の水蒸気を生成する水熱装置13と、水熱装置13で生成した高温の水蒸気を第1の容器3内の放射性廃棄物に供給する水蒸気供給管14と、水蒸気供給管14から放射性廃棄物10に供給した水蒸気から生成した水を回収して、水熱装置13に供給する循環装置15を有する点で、実施例1に係る放射性廃棄物の処理装置100aと異なる。
水蒸気供給管14は、無数の開孔部を有して第1の容器の内部に螺旋状に設けられており、第1の容器3に充填された放射性廃棄物の全体に高温の水蒸気を噴射可能な構成を有している。循環装置15は、図示しないポンプ等で第1の容器3内の水を回収して水熱装置13に供給可能な構成を有し、水を再利用可能としている。
上記構成によれば、放射性廃棄物10中の放射性物質の崩壊熱に加えて、高温の水蒸気によって熱を与えて減容処理を迅速に行うことができる。
本実施例では、バルブ7を閉じた後、水熱装置13の電源を投入する(図9(c)および図10のS105)。そして、温度測定装置11によって、第1の容器3が所定の温度に達したことを確認したら、バルブ6を閉じ、水熱装置13の電源を停止する(図9(d)および図10のS106)。本実施例で放射性廃棄物10に噴射する高温の水蒸気は還元性が高く、放射性廃棄物10に含まれる炭酸塩などが還元されて酸化物に変化するため、熱のみを与える場合よりもさらに効率的に減容処理を行うことができる。その他の点は、実施例1と同様である。
以上、説明したように、本発明によれば、加熱装置で高温に加熱する場合と同等以上の体積減容率を達成し、かつ、処理に要するエネルギーおよびオフガス処理設備を最小限にすることが可能な放射性廃棄物の処理装置および放射性廃棄物の処理方法を提供することができることが実証された。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれている。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…放射性廃棄物タンク、2…放射性廃棄物供給管、3…廃棄物容器(第1の容器)、4…真空断熱容器(第2の容器)、5…蓋、6…第1の容器に接続された弁、7…第2の容器に接続された弁、8…圧力測定装置、9…減圧装置(真空ポンプ)、10…放射性廃棄物、11…第1の容器の温度測定装置、12…加熱装置、13…水熱装置、14…水蒸気供給管、15…循環装置、16…真空断熱層、17…放射性廃棄物供給装置、18…オフガス処理装置、100a,100b,100c,100d…放射性廃棄物の処理装置。

Claims (15)

  1. 一端に開口部を有し、前記開口部を介して内部に放射性物質を含む放射性廃棄物が充填される第1の容器と、
    前記開口部を介して前記第1の容器に前記放射性廃棄物を供給する放射性廃棄物供給装置と、
    前記開口部を塞いで前記第1の容器を密閉する蓋と、
    前記第1の容器が収容される中空状の第2の容器と、
    前記第1の容器および前記第2の容器の内部を減圧する減圧装置と、を有し、
    前記第2の容器は、前記第2の容器の外側の表面の一部が、前記第1の容器の外側の表面全体に密着して前記第1の容器を収容可能な形状を有することを特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
  2. 前記第2の容器が前記減圧装置によって減圧されて前記第1の容器の周囲に真空断熱層を形成可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の放射性廃棄物の処理装置。
  3. 前記放射性廃棄物が、前記第1の容器の周囲に前記真空断熱層が形成された状態で、前記放射性廃棄物に含まれる前記放射性物質の崩壊熱によって前記放射性廃棄物に含まれる水分が除去されて減容される構成を有することを特徴とする請求項2記載の放射性廃棄物の処理装置。
  4. さらに、前記第1の容器の内部の圧力を測定する圧力測定装置を有し、
    前記圧力測定装置は、前記放射性廃棄物が減容されている間の前記第1の容器の内部の圧力を測定可能な構成を有することを特徴とする請求項3記載の放射性廃棄物の処理装置。
  5. さらに、前記第1の容器の内部の温度を測定する温度測定装置を有し、
    前記温度測定装置は、前記放射性廃棄物が減容されている間の前記第1の容器の内部の温度を測定可能な構成を有することを特徴とする請求項3記載の放射性廃棄物の処理装置。
  6. さらに、前記第1の容器を加熱する加熱装置を有し、
    前記放射性物質の崩壊熱に加えて、前記加熱装置によって与えられる熱によって前記放射性廃棄物に含まれる水分が除去されて減容されることを特徴とする請求項3記載の放射性廃棄物の処理装置。
  7. さらに、高温の水蒸気を生成する水熱装置と、
    前記高温の水蒸気を、前記第1の容器に充填された前記放射性廃棄物に噴射する水蒸気供給管と、
    前記水蒸気供給管から前記放射性廃棄物に供給された水蒸気から生成した水を回収して前記水熱装置に供給する循環装置と、を有し、
    前記放射性廃棄物に含まれる前記放射性物質の崩壊熱に加えて、前記高温の水蒸気によって与えられる熱によって、前記放射性廃棄物に含まれる水分が除去されて減容されることを特徴とする請求項3記載の放射性廃棄物の処理装置。
  8. 前記放射性廃棄物に含まれる前記放射性物質が放出する放射線の線量が10Bq以上であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の放射性廃棄物の処理装置。
  9. 一端に開口部を有し、前記開口部を介して内部に放射性物質を含む放射性廃棄物が充填される第1の容器を、外側の表面の一部が前記第1の容器の外側の表面全体に密着して前記第1の容器を収容可能な形状を有する中空状の第2の容器に収容する工程と、
    前記第1の容器に放射性物質を含む放射性廃棄物を充填する工程と、
    前記第1の容器に蓋をして前記第1の容器を密閉する工程と、
    前記第1の容器および前記第2の容器の内部を減圧装置によって減圧する工程と、
    前記第2の容器が前記減圧装置によって減圧されて前記第1の容器の周囲に真空断熱層を形成し、前記第1の容器の周囲に前記真空断熱層が形成された状態で、前記放射性廃棄物に含まれる前記放射性物質の崩壊熱によって前記放射性廃棄物に含まれる水分を除去して減容処理をする減容工程と、を有することを特徴とする放射性廃棄物の処理方法。
  10. 前記減容工程において、圧力測定装置によって前記第1の容器の圧力を測定し、測定された前記圧力の値によって前記減容処理の終了を判断することを特徴とする請求項9記載の放射性廃棄物の処理方法。
  11. 前記減容工程において、温度測定装置によって前記第1の容器の温度を測定し、測定された前記温度の値によって前記減容処理の終了を判断することを特徴とする請求項9記載の放射性廃棄物の処理方法。
  12. 前記減容工程において、加熱装置によって前記第1の容器を加熱し、前記放射性物質の崩壊熱に加えて、前記加熱装置によって与えられる熱によって前記放射性廃棄物に含まれる水分を除去して前記放射性廃棄物を減容することを特徴とする請求項9載の放射性廃棄物の処理方法。
  13. 前記減容工程において、水熱装置によって高温の水蒸気を生成し、前記第1の容器に充填された前記放射性廃棄物に前記高温の水蒸気を噴射し、前記放射性廃棄物に含まれる前記放射性物質の崩壊熱に加えて、前記高温の水蒸気によって与えられる熱によって、前記放射性廃棄物に含まれる水分を除去して前記放射性廃棄物を減容することを特徴とする請求項9記載の放射性廃棄物の処理方法。
  14. 前記放射性廃棄物に供給された水蒸気から生成した水を回収して前記水熱装置に循環させることを特徴とする請求項13記載の放射性廃棄物の処理方法。
  15. 前記放射性廃棄物に含まれる前記放射性物質が放出する放射線の線量が10Bq以上であることを特徴とする請求項9ないし14のいずれか1項に記載の放射性廃棄物の処理方法。
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