以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第1実施形態]
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、第1実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠が、外枠51に対し開閉可能に保持される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に保持された遊技盤1(図2)が設けられている。
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。
前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、遊技ボタン67が設けられている。
本パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,精算表示装置59が設けられている。
なお、図1の49は、前枠52及び前記内枠を外枠51にロックするシリンダ錠であり、該シリンダ錠49に所定の鍵を挿入して鍵を時計回りに操作すると、内枠が開放され、反時計回りに操作すると、前枠52が開放される。
また、図2に示すように、遊技盤1には、外レール2aと内レール2bとによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、その中央部にセンターケース5が装着され、センターケース5に向かって右横には、普通図柄作動ゲート22が設置されている。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行われる。
センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して第1特別図柄(第1特図、特1或いは特図1とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選(当否判定)が行われる第1始動口11が設置されている。また、センターケース5の右横であって、普通図柄作動ゲート22の直下には、遊技球の入球に起因して第2特別図柄(第2特図、特2或いは特図2とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第2始動口12が設置されている。
第1始動口11は、左打ち(センターケース5の左側を狙い打つこと)により発射された遊技球が主に流下する領域(左打ち領域)に配置されていると共に、第2始動口12は、右打ち(センターケース5の右側を狙い打つこと)により発射された遊技球が主に流下する領域(右打ち領域)に配置されている。
このため、左打ちを行うことで第1始動口11を狙い打つことができると共に、右打ちを行うことで第2始動口12を狙い打つことができる。なお、第1,第2始動口11,12の配置は、これに限定されることはなく、例えば、第1,第2始動口11,12を上下に並べてセンターケース5の下方に配置しても良いし、第1始動口11を右打ち領域に、第2始動口12を左打ち領域に配置しても良い。
第1始動口11は、常時、遊技球が入球可能に構成されているが、第2始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成(普通電動役物に内蔵)されており、開放時のみ入球可能となっている。なお、閉鎖時であっても、稀に入球可能な構成としても良い。
第1始動口11に遊技球が入球すると、第1特図に対応する複数種類の乱数(数値データ)が抽出され、第1保留記憶として記憶されると共に、第2始動口12に遊技球が入球すると、第2特図に対応する複数種類の乱数(数値データ)が抽出され、第2保留記憶として記憶される。
普通電動役物として構成された第2始動口12は、普通図柄抽選での当選時に、所定時間の開放が行われる。
また、センターケース5の下方においては、第1始動口11の下側に、大当り抽選で当ると行われる大当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる第1大入賞口20が設けられており、第1始動口11の右側には、同じく特別電動役物からなる第2大入賞口21が設けられている。
なお、第1大入賞口20は、右打ちがなされた場合であっても左打ちがなされた場合であっても比較的入球容易な位置に配されているが、第2大入賞口21は、右打ちされた遊技球が主に入球する位置に配されている。
無論、第1,第2大入賞口20,21の配置は、これに限定されることはなく、例えば、右打ち領域に上下に並べて第1,第2大入賞口20,21を配置しても良い。
また、第2大入賞口21の下側には、大当り遊技中に第2大入賞口21に入球した遊技球が誘導され、大当り遊技終了後に確変状態(特別図柄に係る当否判定で当る確率が、低確率から高確率に変動する状態)となることを決定するための確変決定装置13が配置されている。なお、確変決定装置13の詳細については、後述する。
遊技盤1における向かって左側の領域には、複数(例えば、7個程度)のLEDを備える第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10と、4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置23及び第2特図保留数表示装置24が設置されている。また、遊技盤1における向かって右下の領域には、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。
第1特図表示装置9では特図1が、第2特図表示装置10では特図2が表示されるが、第1,第2特図表示装置9,10は、これらの特図を表示する際の各LEDの点灯パターンを変則的なものとすることで、遊技者が特図の判別を不可能或いは困難とする。なお、第1,第2特図表示装置9,10を構成するLEDの並びを変則的なものとすることで、遊技者が表示された特図を判別することを不可能或いは困難としても良い。
図2に示す遊技盤1のセンターケース5には、中央にメイン演出図柄表示装置6a(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設され、LCDパネルの画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで、第1,第2特図に対応する大当り抽選の結果を報知する図柄演出、すなわち遊技に関する演出表示が行われる。
また、本実施形態のメイン演出図柄表示装置6aの左直上位置には、サブ演出図柄表示装置6bが設けられている。該サブ演出図柄表示装置6bは、メイン演出図柄表示装置6aよりも僅かに前方に配置され、メイン演出図柄表示装置6aよりも小型に形成されている。つまり、サブ演出図柄表示装置6bが表示可能な領域の面積は、メイン演出図柄表示装置6aよりも小さい。すなわち、サブ演出図柄表示装置6bは、メイン演出図柄表示装置6aと比較して、目立たず、顕在性に関して劣るように構成されている。このように構成されるサブ演出図柄表示装置6bにて実行される演出表示は、同様の演出表示をメイン演出図柄表示装置6aにて実行した場合よりも、遊技者に明示する度合が低く、遊技者に認知させる可能性は低くなっている。なお、サブ演出図柄表示装置6bを、メイン演出図柄表示装置6aよりも後方に配置するようにしても良い。これにより、さらにメイン演出図柄表示装置6aよりもサブ演出図柄表示装置6bが、遊技者にとって目立たなくすることが出来る。
また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージ等が設けられている。また、センターケース5の下方であって、第1始動口11の左方には、一般入賞口25〜27が配置されている。
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
次に、図3を参照して、確変決定装置13の構成について説明する。図3に記載されているように、確変決定装置13は、第2大入賞口21に入球した遊技球が排出される排出口13aと、確変状態への移行、を決定するための特定領域15と、特定領域15を閉鎖或いは開放するシャッター14を備える。
既に述べたように、大当り遊技中に第2大入賞口21に入球した遊技球は、排出口13aから排出される。特定領域15が閉鎖されているときに排出口13aから遊技球が排出されると、該遊技球はシャッター14によりハズレ口13bに誘導される(図3(a)参照)。一方、特定領域15が開放されているときに排出口13aから遊技球が排出されると、該遊技球は特定領域15に入球し、大当り遊技後に確変状態となることが決定される(図3(b)参照)。
より詳述すると、第2大入賞口21の下流且つ排出口13aの上流には、第2大入賞口21に入賞した遊技球を検知するための、第2カウントSW21aが設けられている。また、ハズレ口13bの内部には、該ハズレ口13bに入球した遊技球すなわち、第2大入賞口21に入球して、シャッター14の振分作用によって、特定領域15に誘導されなかった遊技球を検出するためのハズレ球検知SW13cが設けられている。また、特定領域15の内部には、確変SW15aが設けられている。よって、本実施形態では、大当り遊技状態の5ラウンド目において、第2大入賞口21が開放している時に、該第2大入賞口21に遊技球が入球すると、先ず該遊技球は第2カウントSW21aにて検知され、続いて、シャッター14によってハズレ口13bに振り分けられるとハズレ球検知SW13cにて検出され、或いはシャッター14によって特定領域15に振り分けられると確変SW15aにて検出される。各SWは、上流から下流に向けて、上記したような配置関係となっていることで、第2カウントSW21aに対して、検知に対するハズレ球検知SW13c又は確変SW15aの検知には、タイムラグが生じるようになっている。
上記構成を換言すれば、第2カウントSW21aの下流領域にシャッター14を備え、該シャッター14の下流領域すなわちシャッター14による振分によって誘導される下流領域に、確変SW15aを内蔵する特定領域15と、該特定領域15に誘導されなかった遊技球が誘導されると共にハズレ球検知SW13cを内蔵するハズレ口13bを備える。
また、図4に示すように、パチンコ機50の裏側は、遊技盤1を脱着可能に取付ける内枠70が外枠51に収納された構成となっている。内枠70は、前枠52と同様、一方の側縁(図4に向かって右側)の上下位置が外枠51に設けられたヒンジ53に結合され、開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71,タンクレール72,払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤1の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク71に貯留されている所定個数の遊技球(賞球)が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿55に払い出される。また、第1実施形態では、払出装置は、球貸ボタン57の操作に応じて遊技球(貸球)を払い出すよう構成されている。
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83,発射制御装置,電源基板85が設けられている。主制御装置80,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83は、遊技盤1に設けられ、払出制御装置81,発射制御装置,電源基板85は、内枠70に設けられている。なお、図4では発射制御装置が記載されていないが、発射制御装置は、払出制御装置81の奥側(遊技盤1側)に配されている。
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。
(2)電気的構成について
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、図5のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83のいずれもCPU,ROM,RAM,入力ポート,出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84,電源基板にはCPU,ROM,RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU,ROM,RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口SW11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口SW12a、普通図柄作動ゲート22に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW22a、一般入賞口25〜27に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW25a等からの検出信号が入力される。
また、このほかにも、第1大入賞口20に入球した遊技球を計数するための第1カウントSW20a、第2大入賞口21に入球した遊技球を検知してこれを計数するための第2カウントSW21a、確変決定装置13に設けられた特定領域15に入球した遊技球を検出する確変SW15aからの検出信号が入力される。また、特定領域15に誘導されずにハズレ口13bに入球した遊技球を検出するためのハズレ球検知SW13cからの検出信号も入力される。
主制御装置80は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特図表示装置9,第2特図表示装置10,第1特図保留数表示装置23,第2特図保留数表示装置24,普通図柄表示装置7,普図保留数表示装置8の表示を制御する。
さらに、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド20bを制御することで第1大入賞口20の開閉を制御すると共に、第2大入賞口ソレノイド21bを制御することで第2大入賞口21の開閉を制御し、普電(普通電動)役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
また、シャッターソレノイド14aを制御することで、シャッター14を制御し、確変決定装置13に設けられた特定領域15の開閉状態を切り替える。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されるほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ30を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW31の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出SW31の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81は、ガラス枠閉鎖SW45,内枠閉鎖SW46,球切れSW33,払出SW31,満杯SW32からの信号が入力され、満杯SW32により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW33により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ30を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW32,球切れSW33も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ30の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81は、CRユニット端子板34を介してCRユニット56と交信することで払出モータ30を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW31に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板34は、精算表示装置59とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置59には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58が設けられている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70,前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は、発射モータ40を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチSW38からのタッチ信号、発射停止SW39から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW39を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信する。なお、サブ統合制御装置83は、主制御装置80に対しデータを送信しない。そして、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ28を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、遊技ボタン67が接続されており、遊技者が遊技ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて、メイン演出図柄表示装置6a、および、サブ演出図柄表示装置6bを制御して、演出図柄の変動表示(図柄演出)等の演出画面や、後述する本実施形態の特定領域へ遊技球を通過させることを遊技者に促す促進報知を表示させる。
[動作の説明]
(1)概要について
次に、第1実施形態におけるパチンコ機50の動作について説明する。
パチンコ機50には、普通図柄抽選の当選確率を上昇させる、普通図柄抽選で当選した際の第2始動口12の開放時間を長くする、普通図柄抽選がなされた際の普通図柄表示装置7での変動表示時間を短くする等の方法により、第2始動口12への入球を容易にする「開放延長機能」が設けられている。また、開放延長機能と共に作動し、特別図柄表示装置での変動表示時間を短くする「時短機能」も設けられている。以後、開放延長機能及び時短機能が作動した遊技状態を、開放延長状態或いは時短状態とも記載する。
このようにパチンコ機50は、第2始動口12を内蔵する普通電動役物の開放時間を短時間から、該短時間よりも長い長時間に変動可能に構成される。すなわちパチンコ機50は、前記短時間に制御された非開放延長状態から、長時間制御された開放延長状態に変化する機能(開放延長機能)を備えている。なお、上記開放時間としての短時間や長時間は、遊技条件に応じて適宜様々に設定可能である。
また、パチンコ機50では、第1,第2特図による当否判定で大当りとなると、大当り遊技が開始され、大当り遊技中の各ラウンドでは、第1大入賞口20と第2大入賞口21のうちの、何れか一方が開放される。そして、大当り遊技中、開放された第2大入賞口21に遊技球が入球し、該遊技球が特定領域15に入球すると、大当り遊技後に確変機能が作動し、遊技状態が確変状態となる。この時、時短機能も作動し、パチンコ機50の遊技状態は確変状態且つ時短状態(確変+時短状態)となる。なお、特定領域15への入球により、大当り遊技後に確変状態のみに移行する構成としても良い。
本実施形態の大当り遊技状態を構成する、各ラウンドでは、所定の開放パターンによって第1大入賞口20と第2大入賞口21が開放制御される。なお、本実施形態では、第2大入賞口21は特定ラウンド(所定のラウンドとして、例えば5ラウンド)にて開放制御され、第1大入賞口20は特定ラウンド以外のラウンドにおいて多くの入賞球を発生かのうな長時間に亘り開放制御されるようになっている。より詳述すると、第2大入賞口21は、前記特定ラウンドでは、当該大入賞口への入球が容易となる程度の長時間にわたり開放される長時間開放と、当該大入賞口への入球が困難又は実質的に不可能となる程度の短時間にわたり開放される短時間開放のいずれかの態様で開放される。第2大入賞口21の開放時には、確変決定装置13の特定領域15を開閉するシャッター14も動作し、所定期間にわたり特定領域15が開放される。
このため、第2大入賞口21が長時間開放される大当り遊技(確変大当り遊技、確変大当り)では、特定領域15への遊技球の入球が容易となり、第2大入賞口21に遊技球を入球させると、大当り遊技終了後に確変且つ時短状態に移行する。しかし、第2大入賞口21が短時間開放され、長時間開放されない大当り遊技(通常大当り遊技、通常大当り)では、特定領域15への遊技球の入球は困難又は実質的に不可能となり、大当り遊技終了後に確変且つ時短状態に移行しなくなる。
このような、確変大当り遊技や通常大当り遊技といった大当り種別は、該大当り遊技状態の発生の起因となった大当り図柄の種別によって、何れかが選択決定されるよう構成されている。すなわち、パチンコ機50では、当りの種類として、確変大当り遊技が行われる確変当りと、通常大当り遊技が行われる通常当りが設けられており、当り図柄により当りの種類が決定される。
本実施形態のパチンコ機50は、当り図柄として、確変大当り図柄(確変図柄とも呼称する)と、通常大当り図柄(通常図柄とも呼称する)を少なくとも備える。確変大当り図柄が表示されたことに因り実行される大当り遊技状態は、上記した確変大当り遊技であり、通常大当り図柄が表示されたことに因り実行される大当り遊技状態は、上記した通常大当り遊技である。
通常図柄は、大当り遊技状態終了後に確率変動が作動することを予定(許容)しない図柄であり、確変図柄は、予定(許容)する図柄である。このように、本実施形態では、大当り図柄の種別により、異なる開放パターンでラウンド制御されることによって大当り遊技が実行される。
また、大当り遊技にて特定領域15に遊技球が入球しなかった場合には、該大当り遊技終了後に時短状態(通常時短状態)に移行する。なお、この時、該大当り遊技終了後に通常状態(確変状態及び時短状態ではない遊技状態)に移行しても良いし、該大当り遊技に係る当り図柄に応じて、該大当り遊技終了後に通常時短状態と通常状態のいずれかに移行するか否かを定めても良い。
また、パチンコ機50には、確変+時短状態の継続中に一定の回数の大当りが発生した場合、大当り遊技の後に確変状態に移行させないようにするリミッタ機能が設けられている。具体的には、確変大当り遊技(初回大当り遊技)後に確変+時短状態に移行した後、特定領域15への入球が生じた確変大当り遊技が所定回数にわたり連続すると、リミッタ機能が作動し、次の大当り遊技(最終大当り遊技)の後には必ず時短状態(特別時短状態)に移行する。以後、初回大当り遊技から最終大当り遊技にかけての大当り遊技の回数を、確変リミッタ回数とする。
通常時短状態,特別時短状態は、予め定められた継続回数の大当り抽選が行われるまでの期間にわたり継続する。
ここで、第1実施形態では、パチンコ機50のスペックを以下のようにしても良い。
確変状態でない、すなわち低確率状態の場合の大当り抽選の当選確率は、1/300(低確率)。確変(高確率)状態中の大当り抽選の当選する確率は、1/80(高確率)。
第1特図に基づく大当り抽選での当選時に確変大当り遊技が行われる確率、すなわち確変図柄が確定表示される確率は、50%。これに対して、第2特図に基づく大当り抽選での当選時に確変大当り遊技が行われる確率、すなわち確変図柄が確定表示される確率は、100%。つまり、確変大当り遊技が実行されることとなる確率に関して、第2特図は第1特図よりも高く設定されている。よって、一旦、確変状態に移行して右打ち遊技が行われると、確変が連チャンし易い状態となる。
確変リミッタ回数は、5回。
確変+時短状態の継続回数(確変+時短回数)は、10000回。通常時短状態の継続回数(通常時短回数)は、100回。特別時短状態の継続回数(特別時短回数)は、100回。大当り遊技は、全15R,1〜4R及び6〜15Rで第1大入賞口20を開放,5Rで第2大入賞口21を開放。
無論、これに限らず、パチンコ機50を様々なスペックとすることができる。具体的には、例えば、確変+時短回数を10000回とすることで、実質的に次の大当りが発生するまで確変+時短状態を継続させる構成となっているが、これに限らず、確変+時短状態に移行した後、当りが発生するまで該状態を必ず継続させる構成としても良い。また、例えば、通常時短回数と特別時短回数を異なる回数としても良い。また、大当り遊技として、全15R,1〜14Rで第1大入賞口20を開放,15Rで第2大入賞口21を開放するように構成しても良い。また、当選確率(当否抽選確率)を、他の確率に設定しても良い。また、第1特図および第2特図に係る、確変図柄が確定表示される確率(確変大当りの選択率)を、他の確率に設定しても良い。特に第2特図は100%でなくても良い。つまり、第2特図で確変図柄が確定表示されない場合も発生するように構成しても良い。
本実施形態では、上記の様なスペックにて構成されることにより、遊技者は通常時に左打ちによって第1始動口11を狙って遊技球を発射する。第1始動口11への入賞に起因して大当りとなると、その内の50%は確変図柄が確定表示されることで確変大当りとなる。確変大当り中の所定のラウンドすなわち例えば5ラウンド中に特定領域15に遊技球を通過させると、該確変大当り遊技後に確変状態且つ開放延長状態に移行する。開放延長状態となると第2始動口12が内蔵された普通電動役物の開放時間が延長されることで第2始動口12への入賞率が向上するので、遊技者は右打ちに変更して遊技を行う。右打ち中に第2始動口12への入賞に起因して大当りとなると、その内の100%は確変図柄が確定表示されることで確変大当りとなる。よって、一旦、確変大当りとなると、第2始動口12への入賞に起因した確変大当りが連チャンする状態となり、該状態はリミッタに到達するまで維持される。したがって、本実施形態では、第1始動口11への入賞すなわち第1特図に起因した大当りは、連チャン状態における「初当り」である可能性が高く、第2始動口12への入賞すなわち第2特図に起因した大当りは、連チャン状態における「初当り」以外の大当りである可能性が高くなっている。よって、第1特図に由来する大当り時には、全く遊技方法を知らない遊技者等に特定領域15への遊技球の通過の必要性を報知するべきであるし、第2特図に由来する大当り時には、既に「初当り」時に認知した遊技者に煩わしく感じさせない程度に報知をするべきである。パチンコ機50では、このような状況の変化に応じて、遊技者に提供すべき報知を、前者では積極的に、後者では消極的に行うようにする。これにより、遊技者が不利益を被ることを防止するための重要な報知を、連チャン状態の最初では明確に、しかし、連チャン状態中では控えめに行い、遊技者の遊技方法の習熟度等に柔軟に対応した報知演出を実行可能となっている。
(2)メインルーチンについて
まず、パチンコ機50の主制御装置80におけるメインルーチンについて、図6に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。
S10では、主制御装置80は、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:Yes)、S20に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S10:No)、S15に処理を移行する。
S15では、主制御装置80は、CPUやI/O等の初期設定を行い、S70に処理を移行する。
一方、S10で肯定判定が得られた場合には、主制御装置80は、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数の更新(S45)を行う。
そして、主制御装置80は、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理と(S50)、始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理と(S55)、サブ統合制御装置83等にデータ及びコマンドを送信し、また、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理と(S60)、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理と(S65)を行う。
なお、これ以外にも、遊技球の普通図柄作動ゲート22の通過に起因して普通図柄抽選等を行う普図当否判定処理や、普通電動役物(第2始動口12)を開放することで普図遊技を行う普図遊技処理等が行われる。
また、当否判定処理に続いて、大当り遊技を行うための大当り遊技処理が行われる。
また、S70では、主制御装置80は、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
(3)始動入賞確認処理について
次に、第1始動口11又は第2始動口12への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶の生成等を行う始動入賞確認処理について、図7に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンにて実行される入賞確認処理(S50)からコールされるサブルーチンとして構成されている。
S100では、主制御装置80は、第1始動口SW11aの検出信号に基づき、第1始動口11への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S100:Yes)、S105に処理を移行し、否定判定の場合は(S100:No)、S120に処理を移行する。
S105では、主制御装置80は、第1特別図柄に係る保留記憶の数が上限値(一例として4)か否かを判定する。そして、否定判定の場合は(S105:No)、S110に処理を移行し、肯定判定の場合は(S105:Yes)、S120に処理を移行する。
S110では、主制御装置80は、第1特別図柄に係る、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される図柄(当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、疑似演出において、リーチ状態となった後に外れを示す演出図柄を停止表示させる演出(ノーマルリーチやスーパーリーチ)を行うか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出し、これらの乱数(数値データ)を保留記憶として記憶する。
すなわち、S110では、第1始動口11に遊技球が入球したことに起因して、数値データとしての各種乱数を抽出すると共に、該抽出した数値データを第1特別図柄に係る保留記憶として、抽出した順番に従い所定の上限数(例えば、4個)を上限として記憶する。
そして、消化されていない第1特別図柄に係る保留記憶の数を示す保留数コマンドを、サブ統合制御装置83に送信し、S115に処理を移行する。
S115では、主制御装置80は、新たに発生した第1特別図柄に係る保留記憶に対応する大当り決定用乱数等の値について判定する先読み判定処理を実行し、S120に処理を移行する。
本実施形態の先読み判定処理(S115)は、後述する当否判定処理の実行前に、記憶された数値データが大当りとなる内容を備えているか否か、すなわち特定の数値と合致するか否かを、後述する当否判定処理の前に確認する処理である。
さらに、確認した結果に係る情報(信号)である各種先読みコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理である。
S115の処理後、S100の否定判定後、或いはS105の肯定判定後に移行する、S120では、主制御装置80は、第2始動口SW12aの検出信号に基づき、第2始動口12への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S120:Yes)、S125に処理を移行し、否定判定の場合は(S120:No)、本処理を終了する。
S125では、主制御装置80は、第2特別図柄に係る保留記憶の数が上限値(一例として4)か否かを判定する。そして、否定判定の場合は(S125:No)、S130に処理を移行し、肯定判定の場合は(S125:Yes)、本処理を終了する。
S130では、主制御装置80は、第2特別図柄に係る、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される図柄(当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、疑似演出において、リーチ状態となった後に外れを示す演出図柄を停止表示させる演出(ノーマルリーチやスーパーリーチ)を行うか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出し、これらの乱数(数値データ)を保留記憶として記憶する。
すなわち、S130では、第2始動口12に遊技球が入球したことに起因して、数値データとしての各種乱数を抽出すると共に、該抽出した数値データを第2特別図柄に係る保留記憶として、抽出した順番に従い所定の上限数(例えば、4個)を上限として記憶する。
そして、消化されていない第2特別図柄に係る保留記憶の数を示す保留数コマンドを、サブ統合制御装置83に送信し、S135に処理を移行する。
S135では、主制御装置80は、新たに発生した第2特別図柄に係る保留記憶に対応する大当り決定用乱数等の値について判定する先読み判定処理を実行し、本処理を終了する
本実施形態の先読み判定処理(S135)は、後述する当否判定処理の実行前に、記憶された数値データが大当りとなる内容を備えているか否か、すなわち特定の数値と合致するか否かを、後述する当否判定処理の前に確認する処理である。
さらに、確認した結果に係る情報(信号)である各種先読みコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理である。
なお、本実施形態では上述したように、第1特別図柄と第2特別図柄で其々固有の先読み判定処理として、S115とS135を備えるようにしたが、本処理の最終にて共通の先読み判定処理を1回行うように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、S110及びS130にて保留数コマンドを、また、S115及びSS135にて各種先読みコマンドを、個別に送信する構成としたが、保留数コマンドと先読みコマンドを1つのコマンドとして生成し、1回の送信処理にて送信するような構成としても良い。つまり、S110とS115の異なるコマンド、S130とS135の異なるコマンドを、各々合成して1つの合成コマンドとして、S115又はS135にて送信するようにしても良い。
(4)先読み判定処理について
次に、新たに発生した第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留記憶に関し、これに対応する大当り決定用乱数等の値と合致するか否かを判定する先読み判定処理について、図8に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、始動入賞確認処理からコールされる。
なお、本実施形態では、図8に示す処理は、上記S115及びS135の何れにおいても実行される共通の処理である。
S150では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数の値が特定値(大当り抽選で当りとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S150:Yes)、S155に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S150:No)、S160に処理を移行する。
S155では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数の値が上記特定値であることを示す先読みコマンド1を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
一方、S160では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2の値が特定値(疑似演出でスーパーリーチとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S160:Yes)、S165に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S160:No)、S170に処理を移行する。
S165では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2の値が上記特定値であることを示す先読みコマンド2を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
また、S170では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2の値が特定値(疑似演出でノーマルリーチとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S170:Yes)、S175に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S170:No)、S180に処理を移行する。
S175では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2の値が上記特定値であることを示す先読みコマンド3を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
一方、S180では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数やリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数1,2が、上記特定値のうちのいずれでもないことを示す先読みコマンド4を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
(5)当否判定処理について
次に、保留記憶に係る大当り決定用乱数により大当り抽選を行う当否判定処理について、図9〜図12のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。また、本処理の終了後は、大当り遊技を行うための大当り遊技処理が実行される。
まず、図9に関して、S200では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S200:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S200:No)、S205に処理を移行する。
S205では、主制御装置80は、第1特図或いは第2特図の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S205:Yes)、図11のS280に処理を移行し、否定判定の場合には(S205:No)、S210に処理を移行する。
S210では、主制御装置80は、第1特図或いは第2特図の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S210:Yes)、図12のS290に処理を移行し、否定判定の場合には(S210:No)、図10のS215に処理を移行する。
続いて図10に関して、S215では、主制御装置80は、第1保留記憶及び第2保留記憶の有無を判定し、いずれかの保留記憶が存在する場合には(S215:Yes)、S220に処理を移行すると共に、そうでない場合には(S215:No)、本処理を終了する。
S220では、主制御装置80は、現時点で存在する第1,第2保留記憶のうち、最先の保留記憶を選択すると共に、選択した保留記憶の種類に対応する保留記憶の数をデクリメントし、S225に処理を移行する。なお、第1,第2保留記憶が存在する場合には、第2保留記憶のうちの最先に生じたものから順に選択する構成(第2保留記憶を優先消化する構成)としても良い。
S225では、主制御装置80は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S225:Yes)、S230に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S225:No)、S235に処理を移行する。
S230では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態に対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)に基づき、大当り抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
一方、S235では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態で無い場合に対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)に基づき、大当り抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
このように主制御装置80が実行する当否判定処理では、第1始動口11または第2始動口12への入球に起因して、S235では低確率(例えば、1/300)にて、またS230では前記低確率よりも高い確率の高確率(例えば、1/80)にて、大当りとするか否かの当否判定を、当否抽選処理にて実行する。
S240では、主制御装置80は、大当り抽選で当ったか否かを判定し、肯定判定の場合には(S240:Yes)、S245に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S240:No)、S260に処理を移行する。
S245では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき当り図柄を決定する。なお、大当り図柄決定用乱数に基づく決定の結果、第1特図,第2特図に対応する各当り図柄は、予め定められた振分率に従いランダムに選択される。そして、S250に処理を移行する。
S250,S255では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定すると共に、当り図柄に基づき大当り遊技における開放パターンや、大当り遊技後の開放延長機能の作動の有無や、確変状態や時短状態の継続回数等決定し、S270に処理を移行する。
大当り図柄の種別を参照して、これが、確変図柄(確変大当り図柄)か通常図柄(通常大当り図柄)か、によって異なる開放パターンを決定する。当該、図柄種別に係る情報を所定のバッファに格納しておいて、大当り遊技状態中の制御にて参照して、ロング開放の実行に係る制御処理を行うか否かの判定等を実行するよう構成する。すなわち、本実施形態では、確変図柄であれば、5ラウンドにおける開放パターンとしてロング開放が選択され、通常図柄であれば、5ラウンドにおける開放パターンとしてショート開放が選択される。5ラウンドにロング開放の開放パターンが選択された大当り遊技であれば、特定領域15に遊技球が通過すること、すなわち大当り後に確変に移行することを許容する大当りであり、逆に、5ラウンドにショート開放の開放パターンが選択された大当り遊技であれば、特定領域15に遊技球が通過すること、すなわち大当り後に確変に移行することを許容しない大当りである。
一方、大当り抽選で外れた際に移行するS260では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係るリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定し、S265に処理を移行する。
S265では、主制御装置80は、確変状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)や、時短状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(時短回数)を示すカウンタの更新等を行い、S270に処理を移行する。
S270では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り抽選後の第1保留記憶の数を示す第1保留数コマンドと、大当り抽選後の第2保留記憶の数を示す第2保留数コマンドとを送信する。また、消化した保留記憶に対応する特図の変動表示を開始すると共に、サブ統合制御装置83に対し特別図柄の変動時間等を示す変動開始コマンドを送信することで図柄演出を開始させる。さらに、サブ統合制御装置83に対し、停止表示させる演出図柄を指示する図柄指定コマンドを送信し、本処理を終了する。
このように、サブ統合制御装置83は、主制御装置80からのコマンドに基づいて、当否判定の結果が大当りであるときに、第1特別図柄または第2特別図柄に係る変動表示の終了後に、確変図柄または通常図柄といった大当り図柄を確定表示することによって、当否判定の結果を報知する。
続いて図11に関して、第1特図或いは第2特図の変動表示中に移行するS280では、主制御装置80は、特図の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S280:Yes)、S285に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S280:No)、本処理を終了する。
S285では、主制御装置80は、特図の変動表示を終了し、特図の確定図柄を表示させると共に、サブ統合制御装置83に対し演出図柄の確定表示を行わせる図柄確定コマンドを送信し、本処理を終了する。
続いて図12に関して、特図の確定表示中に移行するS290では、主制御装置80は、特図の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S290:Yes)、S295に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S290:No)、本処理を終了する。
S295では、主制御装置80は、特図の確定表示を終了し、S300に処理を移行する。
S300では、主制御装置80は、確定表示されていた特図が大当り時のものであるかを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S300:No)、S335に処理を移行する。
S305では、主制御装置80は、確変状態であることを示す確変フラグを参照すると共に、確変フラグがセットされている場合には確変フラグをクリアし(S310)、その後、S315に処理を移行する。
S315では、主制御装置80は、時短状態であることを示す時短フラグを参照すると共に、時短フラグがセットされている場合には時短フラグをクリアし(S320)、その後、S325に処理を移行する。
そして、主制御装置80は、条件装置作動開始処理(S325),役物連続作動装置作動開始処理(S327)を実行すると共に、大当り抽選での当選を通知するコマンドや、特典内容等を通知するコマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S330)、本処理を終了する。
一方、S300にて否定判定が得られた場合に移行するS335では、主制御装置80は、確変フラグを参照し、該フラグがセットされている場合には(S335:Yes)、確変回数を参照する(S340)。そして、確変回数が0である場合には(S340:Yes)、確変フラグをクリアし(S345)、S347に処理を移行する。
S347では、主制御装置80は、リミッタカウンタをクリアし、S350に処理を移行する。
S350では、主制御装置80は、時短フラグを参照し、該フラグがセットされている場合には(S350:Yes)、時短回数を参照する(S355)。そして、時短回数が0である場合には(S355:Yes)、時短フラグをクリアし(S360)、S365に処理を移行する。
S365では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、現在の遊技状態、及び、現在の遊技状態の継続回数を通知する状態指定コマンドを送信する状態指定コマンド送信処理を実行し、本処理を終了する。
(6)大当り遊技処理について
次に、大当り遊技を行う大当り遊技処理について、図13〜図16のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、当否判定処理に続いて実行される。
S500では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S510に処理を移行し、否定判定の場合には(S500:No)、本処理を終了する。
S510では、主制御装置80は、第2大入賞口21の開放中であるか否か、すなわち5Rの実行中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S510:Yes)、図14のS545に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S510:No)、S515に処理を移行する。
S515では、主制御装置80は、第1大入賞口20の開放中であるか否か、すなわち5R以外のラウンドの実行中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S515:Yes)、図14のS575に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S515:No)、S520に処理を移行する。
S520では、主制御装置80は、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S520:Yes)、図15のS600に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S520:No)、S525に処理を移行する。
S525では、主制御装置80は、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S525:Yes)、図16のS645に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S525:No)、S530に処理を移行する。
S530では、主制御装置80は、大当り抽選で当った後、大当り遊技が開始されるまでに行われる大当り開始演出の演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S530:Yes)、S535に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S530:No)、本処理を終了する。
S535では、主制御装置80は、当り図柄に対応する開放パターンに従い第1大入賞口20を開放させる第1大入賞口開放処理を実行する(1R目の大当り遊技を実行する)と共に、ラウンド数を示す開放カウンタに1を設定し(S540)、本処理を終了する。
続いて図14に関して、第2大入賞口21の開放中に移行するS545では、主制御装置80は、確変SW15aからの信号により、特定領域15への入球が生じたか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S545:Yes)、S550に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S545:No)、S555に処理を移行する。
S550では、主制御装置80は、特定フラグをセットし、S555に処理を移行する。
S555では、主制御装置80は、第2大入賞口21に入賞した遊技球の数が9個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S555:Yes)、S565に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S555:No)、S560に処理を移行する。
S555では、当該ラウンドにおいて、第2カウントSW21aが検知した遊技球の個数を検知して計数する。また、計数した結果が、予め定められた入賞上限である規定個数、すなわち本実施形態では9個に到達したか否かを判定する。
S560では、主制御装置80は、開放パターンに応じて定められる第2大入賞口21の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S560:Yes)、S565に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S560:No)、本処理を終了する。
S560において、主制御装置80は、今回の大当りが通常図柄で大当りしたのか、確変図柄で大当りしたのかに基づいて、5R(特定ラウンド)目の第2大入賞口21の開放時間を異ならせている。つまり、本実施形態の「大当り遊技処理」では、5Rにおいて、通常図柄の場合には0.06sの短期間開放を実行し、確変図柄の場合には28sの長期間開放を実行する。これらの開放時間は、開放開始時に予定される時間であって、該開放時間に到達する前に、第2カウントSW21aの検出数が大入賞口への上限となる規定入賞数に到達すれば、前記開放時間が満了する前に開放は終了するように構成されている。
S565では、主制御装置80は、第2大入賞口21を閉鎖させる第2大入賞口閉鎖処理を実行し、S570に処理を移行する。
S565では、主制御装置80は、上記S555により規定個数の入賞が発生したことに基づいて、S560の開放時間終了の判定を待たずに、第2大入賞口の閉鎖処理を実行する。
S570では、主制御装置80は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。
一方、第1大入賞口20の開放中に移行するS575では、主制御装置80は、第1大入賞口20に入賞した遊技球の数が9個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S575:Yes)、S585に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S575:No)、S580に処理を移行する。
S580では、主制御装置80は、第1大入賞口20の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S580:Yes)、S585に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S580:No)、本処理を移行する。
S585では、主制御装置80は、第1大入賞口20を閉鎖させる第1大入賞口閉鎖処理を実行し、S590に処理を移行する。
S590では、主制御装置80は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。
続いて図15に関して、各ラウンドのインターバル中に移行するS600では、主制御装置80は、開放カウンタと大当り遊技の開放パターンとに基づき、最終ラウンドに到達しているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S600:Yes)、S605に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S600:No)、S615に処理を移行する。
S605では、主制御装置80は、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行すると共に、開放カウンタをクリアし(S610)、本処理を終了する。
一方、S615では、主制御装置80は、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S615:Yes)、S620に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S615:No)、本処理を終了する。
S620では、主制御装置80は、開放カウンタと大当り遊技の開放パターンとに基づき、第1大入賞口20を開放するラウンドか否かを判定し、肯定判定の場合には(S620:Yes)、S625に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S620:No)、S635に処理を移行する。
すなわち、S620では、5R以外のラウンドであるか否かを判定する。
S625では、主制御装置80は、第1大入賞口20を開放させる第1大入賞口開放処理を実行すると共に、ラウンド数を示す開放カウンタをインクリメントし(S630)、本処理を終了する。
一方、S635では、主制御装置80は、第2大入賞口21を開放させる第2大入賞口開放処理を実行すると共に、ラウンド数を示す開放カウンタをインクリメントし(S640)、本処理を終了する。
すなわち、S635では、5Rの開放パターンとして、今回の大当りが通常図柄および確変図柄の何れに起因したものであるかにより、例えば、0.06sの短期間開放とするのか、或いは、28sの長期間開放とするのか、を決定し、これに基づいて上記開放処理を実行する。
なお、主制御装置80は、第2大入賞口21の開放開始と同時にシャッター14の開閉制御すなわちシャッターソレノイド14aの駆動制御を開始することで、特定領域15の開閉制御を開始する。当該開閉制御は、本処理(大当り遊技処理)に続いて、割り込み毎に移行する「シャッター制御処理」(図示しない)によって実行される。該シャッター制御処理では、シャッターソレノイド14aの駆動制御によって、シャッター14の開閉制御を行い、これにより、シャッター14が閉鎖することで遊技球が通過不能な特定領域15を、シャッター14を開放して遊技球が通過可能な状態に変化させる。振分手段としてのシャッター14の所定の開放動作としては、ショート開放動作と、ロング開放動作が設けられている。
なお、シャッター14の所定の開放動作であるショート開放動作及びロング開放動作は何れも、少なくとも特定領域15を遊技球の通過可能状態に変化させる動作である。但し、通過の可能性について、ショート開放動作は、ロング開放動作に比較して、極めて低く設定されている。ショート開放動作は、特定領域15に遊技球が通過困難(通過不能ではない)な通過可能状態とする。ロング開放動作は、特定領域15に遊技球が通過容易な通過可能状態とする。
また、本実施形態では、上記「シャッター制御処理」(図示しない)によって、通常図柄に起因した大当りであっても、確変図柄に起因した大当りであっても、つまり、5Rの開放パターンが、短期間(例えば、0.06s)開放であっても、長期間(例えば、28s)開放であっても、5Rの開始時にシャッター14のショート開放動作を行う。そして、確変図柄に起因した大当りである場合に限り、つまり長期間開放が実行される場合に限り、シャッター14のロング開放動作を行う。このようにすることで、大当り後に確変への移行を許容しない通常図柄由来の大当りの場合であっても、非常に可能性は低いものの、ショート開放動作の実行によって確変への移行の可能性を担保している。また、大当り後に確変への移行を許容する確変図柄由来の大当りの場合、大入賞口の長期間開放に合わせて、シャッター14のロング開放動作の実行によって、確変への移行を容易としている。通常図柄由来の通常大当りと、確変図柄由来の確変大当りとでは、大入賞口の開放パターンに加えて、大入賞口内の特定領域への通過を抑制するシャッター14の開放動作態様を上述したように設定することにより、確変への移行を許容しない大当りと、許容する大当りとに異ならせて実現可能となっている。
続いて図16に関して、大当り遊技の終了演出中に移行するS645では、主制御装置80は、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S645:Yes)、S650に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S645:No)、本処理を終了する。
続くS650,S655では、主制御装置80は、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S660に処理を移行する。
S660では、主制御装置80は、大当り遊技中に、確変決定装置13に設けられた特定領域15への入球が生じたことを示す特定フラグがセットされているか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S660:Yes)、S662に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S660:No)、S680に処理を移行する。
S662では、主制御装置80は、リミッタカウンタの値が確変リミッタ回数以上か否かを判定し、肯定判定の場合には(S662:Yes)、S685に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S662:No)、S665に処理を移行する。
S665では、主制御装置80は、当り図柄に応じて先に決定された確変状態や時短状態の継続回数等を設定する。また、確変フラグと時短フラグをセットすると共に(S670)、特定フラグをクリアし(S675)、さらに、リミッタカウンタをインクリメントした後に(S677)、S695に処理を移行する。
一方、S680では、主制御装置80は、大当り遊技の終了後に時短状態となるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S680:Yes)、S685に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S680:No)、S695に処理を移行する。
S685では、主制御装置80は、当り図柄に応じて先に決定された時短状態の継続回数を設定する。また、時短フラグをセットすると共に(S690)、リミッタカウンタをクリアし(S692)、S695に処理を移行する。
S695,S698では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドと、大当り遊技終了後の遊技状態、及び、該遊技状態の継続回数を通知する状態指定コマンドを送信し、本処理を終了する。
このように、上述した大当り遊技処理は、通常図柄または確変図柄等の大当り図柄が確定表示されたことに基づいて、第1大入賞口20や第2大入賞口21を、例えば15Rに亘って連続して開放作動させて大当り遊技を実行する、主制御装置80による制御処理である。
(7)大当り中演出および大当り中演出制御処理について
パチンコ機50のサブ統合制御装置83は、主制御装置80からのコマンドに基づき演出図柄制御装置82等を制御し、メイン演出図柄表示装置6aおよびサブ演出図柄表示装置6bの画面やスピーカ66等を介して各種演出を行う。具体的には、サブ統合制御装置83は、主制御装置80からの変動開始コマンド等に基づき、演出図柄制御装置82を介して擬似図柄を変動表示させる図柄演出を行うと共に、保留数コマンド等に基づき、演出図柄制御装置82を介して保留図柄を表示する保留演出を行う。この他にも、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から受信した先読み結果を示すコマンド基づく先読み演出等も行う。また、サブ統合制御装置83は、主制御装置80からのコマンドに基づき、大当り遊技の進行状況(例えば、総ラウンド数や、現在のラウンドや、大入賞口への入賞数や、賞球数、特定領域への遊技球の通過に係る結果等)を報知したり、通常大当りとなるのか確変大当りとなるのかといった煽り演出を行ったりする、大当り演出を行う。
更に、サブ統合制御装置83は、主制御装置80からのコマンドに基づき、上述した大当り演出として、5R(所定のラウンド)において特定領域に遊技球を通過させるよう遊技者に促す報知を、状況に応じて、メイン演出図柄表示装置6aまたはサブ演出図柄表示装置6bによって行うよう構成されている。当該構成及び作用は、本発明の要部であり、以下、詳細に説明する。
パチンコ機50のサブ統合制御装置83が主制御装置80からのコマンドに基づき実行する大当り中演出制御処理について、図17を参照して説明する。
先ず、 S700で、サブ統合制御装置83は、大当り遊技状態中か否かを判定し、肯定判定の場合には(S700:Yes)、S705に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S700:No)、本処理を終了する。
S705で、サブ統合制御装置83は、今回の大当り遊技が、第1特別図柄(第1特図)の当否判定にて大当り図柄が確定表示されたことに起因して発生した大当りであるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S705:Yes)、S710に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S705:No)、S715に処理を移行する。
S710で、サブ統合制御装置83は、特1大当り演出処理を実行して、本処理を終了する。
S715で、サブ統合制御装置83は、特2大当り演出処理を実行して、本処理を終了する。
このように本実施形態では、大当り遊技中の演出制御を、当該大当り遊技が第1特別図柄に基づいて発生したか、或いは、第2特別図柄に基づいて発生したか、によって、異なる制御処理(S710またはS715)を実行するように構成されている。特1大当り演出処理(S710)および特2大当り演出処理(S715)は、何れも大当り中演出制御処理の1モジュールとして構成されている。以下に、各制御処理について、図18〜図23を参照して説明する。
(8)特1大当り演出処理について
パチンコ機50のサブ統合制御装置83が実行する特1大当り演出処理について、図18〜図20を参照して説明する。
先ず、 S800で、サブ統合制御装置83は、大当り中に実行される何れかのラウンド中か否かを判定し、肯定判定の場合には(S800:Yes)、S805に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S800:No)、S815に処理を移行する。
S805で、サブ統合制御装置83は、現在実行中のラウンドが5ラウンド(所定のラウンド:確変への移行可否を決定する可能性を有したラウンド)か否かを判定し、肯定判定の場合には(S805:Yes)、S810に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S805:No)、S890(図20)に処理を移行する。
S810で、サブ統合制御装置83は、リミッタ未作動か否か、すなわち今回の大当り遊技にて未だリミッタが作動していないか否かを判定し、肯定判定の場合には(S810:Yes)、S825に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S810:No)、S835に処理を移行する。
S825で、サブ統合制御装置83は、今回の大当りが確変大当りか否か、すなわち当該大当りの起因となった大当り図柄が確変大当り図柄であったか否か、更にいえば、今回の5ラウンドの大入賞口開放パターンが確変移行を許容する長期間開放であるか否か、を判定し、肯定判定の場合には(S825:Yes)、S830に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S825:No)、S835に処理を移行する。
S830で、サブ統合制御装置83は、「V球通過促進報知処理1」を実行し、S850(図19)に処理を移行する。
「V球通過促進報知処理1」では、後述するが、図26(a)に示すように、サブ演出図柄表示装置6bよりも大きくて遊技者に視認される可能性の高いメイン演出図柄表示装置6aを用いて、「Vに入れろ!!」と表示することで、当該5R中に特定領域15に遊技球を通過させることを遊技者に促す報知が為される。また、このときに、サブ演出図柄表示装置6bには、現在の状態が特定領域へ遊技球を通過させることが容易な状態すなわち、「Vチャンス」である旨をコメント表示にて表示することで報知する。併せて、「Vチャンス」中であることを示唆する「虎」のキャラクタをメイン演出図柄表示装置6aに表示する。
このように、初当りの可能性の高い、第1始動口11への入賞に起因した第1特別図柄に基づく確変大当りの場合、確変への移行を決定する5R中には、遊技者に対して目立つメイン演出図柄表示装置6aを用いて、特定領域15への遊技球の通過を促進する報知が実行されるように構成されている。
これにより、初めて当該パチンコ機50にて遊技を行って5ラウンド目にて特定領域15に遊技球を通過させないと確変に移行しないことを知らない遊技者や、ハマリの後に漸く大当りを引き当てることが出来た為にうっかりして忘れてしまっていた遊技者に対して、初当りの可能性の高い第1特図由来の大当りの当該タイミングにて、遊技者の不利益とならないように、顕現性の高いメイン演出図柄表示装置6aによって「V球通過促進報知処理1」を実行するので、重要な遊技方法を確実に遊技者に認知させることができ、遊技者が不利益を被ることを未然に防止することが出来る。演出表示については、後で詳述する。
S815で、つまりS800において否定判定となった際、サブ統合制御装置83は、インターバル演出処理を実行し、S820に処理を移行する。
S820で、サブ統合制御装置83は、インターバル時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S820:Yes)、本処理を終了すると共に、否定判定の場合には(S820:No)、S815に処理を移行する。これにより、大当り遊技中の何れかのインターバル時には、該インターバル時間が終了するまでS815およびS820をループする。
S835で、つまりS810またはS825において否定判定となった際、サブ統合制御装置83は、後述する図25(f)と同様の態様で、つまりサブ演出図柄表示装置6bには「ウサギ」のキャラクタを、メイン演出図柄表示装置6aには「熊の慶吉」のキャラクタを表示することで、特定領域への遊技球通過を狙える「Vチャンス」に係る演出とは異なる、通常の大当り演出を実行し、S840に処理を移行する。
S840で、サブ統合制御装置83は、当該5ラウンドが終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S840:Yes)、本処理を終了すると共に、否定判定の場合には(S840:No)、S835に処理を移行する。これにより、確変大当りではない通常大当りの5ラウンド時には、該5ラウンドが終了するまでS835およびS840をループする。
S850(図19参照)で、つまりS830の処理後に、サブ統合制御装置83は、特定領域15に遊技球が通過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S850:Yes)、S855に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S850:No)、S880に処理を移行する。
S855で、サブ統合制御装置83は、「V通過フラグ」に1を設定して、S860に処理を移行する。「V通過フラグ」は、1が設定されていることで、当該大当り遊技中に特定領域15に遊技球が通過したことを示すフラグである。
S860で、サブ統合制御装置83は、メイン演出図柄表示装置6aにて大当り遊技後に確変に移行する旨の報知を行う確変移行報知処理を実行し、S880に処理を移行する。
S880で、サブ統合制御装置83は、5ラウンドが終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S880:Yes)、本処理を終了すると共に、否定判定の場合には(S880:No)、S885に処理を移行する。
S885で、サブ統合制御装置83は、「V通過フラグ」に1が設定されているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S885:Yes)、S880に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S885:No)、S850に処理を移行する。
S890(図20参照)で、つまりS805において否定判定となった際、サブ統合制御装置83は、リミッタ未作動か否か、すなわち今回の大当り遊技にて未だリミッタが作動していないか否かを判定し、肯定判定の場合には(S890:Yes)、S895に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S890:No)、S925に処理を移行する。
S895で、サブ統合制御装置83は、今回の大当りが6ラウンド以降の大当りであるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S895:Yes)、S900に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S895:No)、S935に処理を移行する。つまり、5ラウンドにて確変へ移行するか否かの結果が判明した後のラウンドであるか、または1ラウンドから4ラウンドまでのラウンドであるか、を判定する。
S900で、サブ統合制御装置83は、「V通過フラグ」に1が設定されているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S900:Yes)、S905に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S900:No)、S925に処理を移行する。
S905で、サブ統合制御装置83は、後述する図26(c)に示す態様で、つまりサブ演出図柄表示装置6bには「ウサギ」のキャラクタに加えて、「確変GET!!」というコメント表示により大当り遊技後に確変に移行する旨を報知し、メイン演出図柄表示装置6aには「熊の慶吉」のキャラクタを表示することで、特定領域への遊技球通過を狙える「Vチャンス」に係る演出とは異なる、通常の大当り演出を実行し、S910に処理を移行する。
S910で、サブ統合制御装置83は、当該ラウンドすなわち6ラウンドから15ラウンドの何れかのラウンドが終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S910:Yes)、S915に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S910:No)、S905に処理を移行する。これにより、6ラウンドから15ラウンド時には、該ラウンドが終了するまでS905およびS910をループする。
S915で、サブ統合制御装置83は、終了した当該ラウンドが15ラウンドか否かを判定し、肯定判定の場合には(S915:Yes)、S920に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S915:No)、本処理を終了する。
さらに、S920で、サブ統合制御装置83は、「V通過フラグ」を0にリセットし、本処理を終了する。
S925で、つまりS890またはS900において否定判定となった際、サブ統合制御装置83は、後述する図26(d)に示す態様で、つまりサブ演出図柄表示装置6bには「ウサギ」のキャラクタを、メイン演出図柄表示装置6aには「熊の慶吉」のキャラクタを表示することで、特定領域への遊技球通過を狙える「Vチャンス」に係る演出とは異なる、通常の大当り演出を実行し、S930に処理を移行する。
S930で、サブ統合制御装置83は、当該ラウンドが終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S930:Yes)、本処理を終了すると共に、否定判定の場合には(S930:No)、S925に処理を移行する。これにより、リミッタが作動した大当りの場合や、5ラウンドにて特定領域15に遊技球を通過させるのを失敗した時には、該ラウンドが終了するまでS925およびS930をループする。
S935で、つまりS895において否定判定となった際、サブ統合制御装置83は、後述する図25に示す態様で、今回の大当りが確変大当りであることを煽る確変煽り演出を実行し、S940に処理を移行する。
S940で、サブ統合制御装置83は、確変煽り演出の実行時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S940:Yes)、本処理を終了すると共に、否定判定の場合には(S940:No)、S935に処理を移行する。これにより、確変煽り演出時には、該確変煽り演出が終了するまでS935およびS940をループする。
以上が、パチンコ機50において第1特図に起因した大当り遊技が実行されるときに行われる特1大当り演出処理である。
(9)特2大当り演出処理について
パチンコ機50のサブ統合制御装置83が実行する特2大当り演出処理について、図21〜図23を参照して説明する。
先ず、 S1000で、サブ統合制御装置83は、大当り中に実行される何れかのラウンド中か否かを判定し、肯定判定の場合には(S1000:Yes)、S1005に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S1000:No)、S1015に処理を移行する。
S1005で、サブ統合制御装置83は、現在実行中のラウンドが5ラウンド(所定のラウンド:確変への移行可否を決定する可能性を有したラウンド)か否かを判定し、肯定判定の場合には(S1005:Yes)、S1010に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S1005:No)、S1090(図23)に処理を移行する。
S1010で、サブ統合制御装置83は、リミッタ未作動か否か、すなわち今回の大当り遊技にて未だリミッタが作動していないか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1010:Yes)、S1030に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S1010:No)、S1035に処理を移行する。
S1030で、サブ統合制御装置83は、「V球通過促進報知処理2」を実行し、S1050(図22)に処理を移行する。
「V球通過促進報知処理2」では、後述するが、図27(b)に示すように、メイン演出図柄表示装置6aよりも小さくて遊技者に視認される可能性の低い、換言すれば、表示したとしても遊技者に煩わしさを感じさせない程度しか明示性を有しない、つまり目立たないサブ演出図柄表示装置6bを用いて、「Vに入れろ!!」と表示することで、当該5R中に特定領域15に遊技球を通過させることを遊技者に促す報知が為される。また、このときに、メイン演出図柄表示装置6aには、現在の状態が特定領域へ遊技球を通過させることが容易な状態すなわち、「Vチャンス」である旨を示唆する「虎」のキャラクタを表示する。
このように、確変中且つ時短中、すなわち連チャン中の可能性の高い、第2始動口12への入賞に起因した第2特別図柄に基づく確変大当りの場合、確変への移行を決定する5R中には、遊技者に対して比較的に目立たないサブ演出図柄表示装置6bを用いて、特定領域15への遊技球の通過を促進する報知が実行されるように構成されている。
これにより、既に初当り時において5ラウンド目には特定領域15に遊技球を通過させる必要があるという遊技方法を認知したであろう遊技者に対して、連チャン中の可能性の高い第2特図由来の大当りの当該タイミングにて、念のため、遊技者の不利益とならないように、サブ演出図柄表示装置6bによって「V球通過促進報知処理2を実行するの。よって、重要な遊技方法の報知は行いつつも、メイン演出図柄表示装置6aと比較して顕現性の低いサブ演出図柄表示装置6bによって該報知が行われることで、遊技者に煩わしく感じさせることのないようにすることが出来る。演出表示については、後で詳述する。
S1015で、つまりS1000において否定判定となった際、サブ統合制御装置83は、インターバル演出処理を実行し、S1020に処理を移行する。
S1020で、サブ統合制御装置83は、インターバル時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1020:Yes)、本処理を終了すると共に、否定判定の場合には(S1020:No)、S1015に処理を移行する。これにより、大当り遊技中の何れかのインターバル時には、該インターバル時間が終了するまでS1015およびS1020をループする。
S1035で、つまりS1010において否定判定となった際、サブ統合制御装置83は、後述する図25(f)と同様の態様で、つまりサブ演出図柄表示装置6bには「ウサギ」のキャラクタを、メイン演出図柄表示装置6aには「熊の慶吉」のキャラクタを表示することで、特定領域への遊技球通過を狙える「Vチャンス」に係る演出とは異なる、通常の大当り演出を実行し、S1040に処理を移行する。
S1040で、サブ統合制御装置83は、当該5ラウンドが終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1040:Yes)、本処理を終了すると共に、否定判定の場合には(S1040:No)、S1035に処理を移行する。これにより、リミッタが作動した確変大当りの5ラウンド時には、該5ラウンドが終了するまでS1035およびS1040をループする。
S1050(図22参照)で、つまりS1030の処理後に、サブ統合制御装置83は、特定領域15に遊技球が通過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1050:Yes)、S1055に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S1050:No)、S1080に処理を移行する。
S1055で、サブ統合制御装置83は、「V通過フラグ」に1を設定して、S1060に処理を移行する。「V通過フラグ」は、1が設定されていることで、当該大当り遊技中に特定領域15に遊技球が通過したことを示すフラグである。
S1060で、サブ統合制御装置83は、サブ演出図柄表示装置6bにて大当り遊技後に確変に移行する旨の報知を行う確変移行報知処理を実行し、S1065に処理を移行する。
S1065で、サブ統合制御装置83は、先読み判定の結果を参照して、S1070に処理を移行する。つまり、現在記憶中の保留記憶の中に大当りとなる保留記憶が存在するか否かに関して結果を参照する。なお、S1065では、第2特図の保留記憶に係る先読み判定の結果を、参照の対象とするものである。
S1070で、サブ統合制御装置83は、参照した先読み判定の結果に基づいて、現在記憶中の保留記憶の中に大当りとなる保留記憶が存在するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1070:Yes)、S1075に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S1070:No)、S1080に処理を移行する。
S1080で、サブ統合制御装置83は、5ラウンドが終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1080:Yes)、本処理を終了すると共に、否定判定の場合には(S1080:No)、S1085に処理を移行する。
S1085で、サブ統合制御装置83は、「V通過フラグ」に1が設定されているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1085:Yes)、S1080に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S1085:No)、S1050に処理を移行する。
S1090(図23参照)で、つまりS1005において否定判定となった際、サブ統合制御装置83は、リミッタ未作動か否か、すなわち今回の大当り遊技にて未だリミッタが作動していないか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1090:Yes)、S1095に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S1090:No)、S1125に処理を移行する。
S1095で、サブ統合制御装置83は、今回の大当りが6ラウンド以降の大当りであるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1095:Yes)、S1100に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S1095:No)、S1125に処理を移行する。つまり、5ラウンドにて確変へ移行するか否かの結果が判明した後のラウンドであるか、または1ラウンドから4ラウンドまでのラウンドであるか、を判定する。
S1100で、サブ統合制御装置83は、「V通過フラグ」に1が設定されているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1100:Yes)、S1105に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S1100:No)、S1125に処理を移行する。
S1105で、サブ統合制御装置83は、後述する図26(c)に示す態様と同様の態様で、つまりサブ演出図柄表示装置6bには「ウサギ」のキャラクタに加えて、「確変GET!!」というコメント表示により大当り遊技後に確変に移行する旨を報知し、メイン演出図柄表示装置6aには「熊の慶吉」のキャラクタを表示することで、特定領域への遊技球通過を狙える「Vチャンス」に係る演出とは異なる、通常の大当り演出を実行し、S1110に処理を移行する。
S1110で、サブ統合制御装置83は、当該ラウンドすなわち6ラウンドから15ラウンドの何れかのラウンドが終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1110:Yes)、S1115に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S1110:No)、S1105に処理を移行する。これにより、6ラウンドから15ラウンド時には、該ラウンドが終了するまでS1105およびS1110をループする。
S1115で、サブ統合制御装置83は、終了した当該ラウンドが15ラウンドか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1115:Yes)、S1120に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S1115:No)、本処理を終了する。
さらに、S1120で、サブ統合制御装置83は、「V通過フラグ」を0にリセットし、本処理を終了する。
S1125で、つまりS1090、S1095またはS1100において否定判定となった際、サブ統合制御装置83は、後述する図26(d)に示す態様と同様の態様で、つまりサブ演出図柄表示装置6bには「ウサギ」のキャラクタを、メイン演出図柄表示装置6aには「熊の慶吉」のキャラクタを表示することで、特定領域への遊技球通過を狙える「Vチャンス」に係る演出とは異なる、通常の大当り演出を実行し、S1130に処理を移行する。
S1130で、サブ統合制御装置83は、当該ラウンドが終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1130:Yes)、本処理を終了すると共に、否定判定の場合には(S1130:No)、S1125に処理を移行する。これにより、リミッタが作動した大当りの場合や、5ラウンドにて特定領域15に遊技球を通過させるのを失敗した時には、該ラウンドが終了するまでS1125およびS1130をループする。
以上が、パチンコ機50において第2特図に起因した大当り遊技が実行されるときに行われる特2大当り演出処理である。
(10)メイン演出図柄表示装置6aおよびサブ演出図柄表示装置6bの表示態様について
パチンコ機50のサブ統合制御装置83は、上述したように、メイン演出図柄表示装置6aおよびサブ演出図柄表示装置6bを表示制御する。メイン演出図柄表示装置6aおよびサブ演出図柄表示装置6bの表示態様について、図24を参照して説明する。
図24(a)には、通常遊技状態中すなわち左打ちによって第1始動口11への入賞に起因した第1特図の変動表示が実行されている状態を示した。メイン演出図柄表示装置6aの中央には、第1特図に対応した装飾(疑似)図柄350が表示され、メイン演出図柄表示装置6aの左下部には、第1特図に係る保留記憶を示す円形状の保留図柄300、および保留図柄301が表示される。サブ演出図柄表示装置6bには、「ウサギ」のキャラクタが表示される。
図24(b)には、確変中すなわち右打ちによって第2始動口12への入賞に起因した第2特図の変動表示が実行されている状態を示した。メイン演出図柄表示装置6aの中央には、第2特図に対応した装飾(疑似)図柄350が表示され、メイン演出図柄表示装置6aの右下部には、第2特図に係る保留記憶を示す矩形状の保留図柄310、保留図柄311、および保留図柄312が表示される。また、メイン演出図柄表示装置6aの左上部には、確変状態が残り96回の変動表示に亘って維持される予定である旨の報知が行われる。サブ演出図柄表示装置6bには、「ウサギ」のキャラクタが表示される。
(11)特1大当り演出の表示態様について
パチンコ機50のサブ統合制御装置83が特1大当り演出処理を実行した際の、表示態様について、図25〜図26を参照して説明する。
先ず、大当り遊技の1ラウンド目が開始されて、当該大当りが第1特図に由来する場合、特1大当り演出処理のS935(図20)が実行されることで、図25(a)に示す確変煽り演出が実行される。第1特図は、上述したように確変図柄および通常図柄が確定表示される確率は共に50%に設定されているので、確変大当りとなるか否かの、つまり5ラウンド目の開放パターンが確変を許容する長期間開放となるか否かの煽り演出を行うことにより、遊技の興趣を向上させている。
図25(a)には、メイン演出図柄表示装置6aに、主人公のキャラクタである「熊の達吉」と、敵役のキャラクタが、対峙してこれから戦おうとする状態が示されている。本実施形態では、以後に展開される戦闘の態様や結果によって、確変煽り演出が行われる構成となっている。また、サブ演出図柄表示装置6bには、「敵を撃破!!」といったコメント表示によって、主人公のキャラクタが敵役のキャラクタを倒して、確変大当りとなることを煽る演出が行われる。
当該大当りが確変大当りであるときには、図25(a)に続いて、図25(b)示すように3ラウンドにおいて、主人公のキャラクタが敵役のキャラクタと戦い、図25(c)に示すように4ラウンドにおいて、主人公のキャラクタが敵役のキャラクタを倒して勝利する演出が行われる。図25(c)の、主人公のキャラクタが勝利したとき、サブ演出図柄表示装置6bには、次の5ラウンドにて大入賞口の長期間開放が行われること、すなわち「Vチャンス」を獲得した旨を報知する「VチャンスGET!!」のコメント表示が行われる。
当該大当りが通常大当りであるときには、図25(a)に続いて、図25(d)示すように3ラウンドにおいて、主人公のキャラクタが敵役のキャラクタから攻撃され、図25(e)に示すように4ラウンドにおいて、主人公のキャラクタが敵役のキャラクタに倒されて敗北する演出が行われる。続く5ラウンドは、大入賞口の短期間開放が行われるが、この際には、図25(f)に示すように、サブ演出図柄表示装置6bには「ウサギ」のキャラクタを、メイン演出図柄表示装置6aには「熊の慶吉」のキャラクタを表示することで、特定領域への遊技球通過を狙える「Vチャンス」に係る演出や、上述した確変煽り演出とは異なる、通常の大当り演出を実行する。
なお、図示しないが、当該大当りが確変大当りであるときに、図25(a)に続いて、図25(d)および図25(e)を実行した後に、特定の復活演出を実行して、図25(c)に至るようにしても良い。
第1特図に起因した当該大当りが確変大当りであるときに、図25(c)の演出表示後、5ラウンドが開始されると、図26(a)に示す態様で特定領域15への遊技球通過を遊技者に促す報知が行われる。該報知は、上述した特1大当り演出処理のS830(図18)により、実行される演出表示である。このように「V球通過促進報知処理1」(S830)が行われると、サブ演出図柄表示装置6bよりも遊技者に視認され易いメイン演出図柄表示装置6aにて、「Vに入れろ!!」というコメント表示が行われる。これによって、遊技者に対して確実に、特定領域15に遊技球を通過させる必要があることを知らしめることができる。つまり、連チャン中ではなく初当り時の可能性の高い、第1特図に起因した大当りにおいて、全く初めてパチンコ機50で遊技を行うような遊技者に対しても、また、遊技方法を失念してしまった遊技者にも、遊技方法を確実に知らせることができる。更に、サブ演出図柄表示装置6bでは、現状が特定領域15を狙うことが可能な「Vチャンス」中である旨を報知する表示が行われる。なお、「Vチャンス」中である旨は、メイン演出図柄表示装置6aに「虎」のキャラクタが表示されることによっても、報知される。
図26(a)に示すV球通過促進報知中に、見事、特定領域15へ遊技球を通過させることが出来たときは、図26(b)に示す態様にて表示される。該表示は、上述した特1大当り演出処理のS860(図19)の確変移行報知処理により、実行される演出表示である。この際、図26(b)に示すように、図26(a)でV球通過促進報知を実行していたメイン演出図柄表示装置6aには、「確変GET!!」のコメント表示が行われ、特定領域15への球通過が達成されて、当該大当り遊技後に確変状態に移行することが決定された旨の報知が行われる。このように、確変移行報知は、V球通過促進報知を実行した表示装置と同じ表示装置にて実行される。
図26(b)に示す確変移行報知処理後に、次の6ラウンドへ移行すると、図26(c)に示す態様にて表示される。該表示は、上述した特1大当り演出処理のS905(図20)により実行される演出表示である。この際、図26(c)に示すように、サブ演出図柄表示装置6bには「ウサギ」のキャラクタに加えて、「確変GET!!」というコメント表示により大当り遊技後に確変に移行する旨を報知し、メイン演出図柄表示装置6aには「熊の慶吉」のキャラクタを表示することで、特定領域への遊技球通過を狙える「Vチャンス」に係る演出とは異なる通常の大当り演出を実行する。本実施形態では、このように特定領域15への球通過が達成された場合、その後のラウンドにおいて、確変状態へ移行することを報知する演出を行う。
図26(a)に示すV球通過促進報知中に、惜しくも、特定領域15へ遊技球を通過させることが出来なかったときは、図26(d)に示す態様にて表示される。該表示は、上述した特1大当り演出処理のS925(図20)により実行される演出表示である。この際、図26(d)に示すように、サブ演出図柄表示装置6bには「ウサギ」のキャラクタが表示され、メイン演出図柄表示装置6aには「熊の慶吉」のキャラクタを表示することで、特定領域への遊技球通過を狙える「Vチャンス」に係る演出とは異なる通常の大当り演出を実行する。
(12)特2大当り演出の表示態様について
パチンコ機50のサブ統合制御装置83が特2大当り演出処理を実行した際の、表示態様について、図27を参照して説明する。
先ず、大当り遊技の1ラウンド目が開始されて、当該大当りが第2特図に由来する場合、特2大当り演出処理のS1125(図23)が実行されることで、図27(a)に示す演出表示が実行される。本実施形態の第2特図は、上述したように確変図柄が確定表示される確率が、100%となっている。すなわち、必ず5ラウンド目には「Vチャンス」が発生することになるので、確変となるか否かの煽り演出を行うことはない。但しこれに限らず、例えば、確変図柄が確定表示される確率を90%、通常図柄が確定表示される確率を10%に設定し、煽り演出を第2特図に由来した大当りでも実行するように構成しても良い。
第2特図に起因した当該大当り(確変大当り)であるときに、図27(a)の演出表示を1ラウンドから4ラウンドまで実行した後、5ラウンドが開始されると、図27(b)に示す態様で特定領域15への遊技球通過を遊技者に促す報知が行われる。該報知は、上述した特2大当り演出処理のS1030(図21)により、実行される演出表示である。このように「V球通過促進報知処理2」(S1030)が行われると、メイン演出図柄表示装置6aよりも遊技者に視認され難いサブ演出図柄表示装置6bにて、「Vに入れろ!!」というコメント表示が行われる。これによって、遊技者に対して一応、特定領域15に遊技球を通過させる必要があることを知らしめることができる。つまり、初当り時ではなく連チャン中の可能性の高い、第2特図に起因した大当りにおいて、遊技方法を熟知しているであろう遊技者が煩わしく無い程度に、必要最低限の報知を行うことができる。更に、メイン演出図柄表示装置6aでは、現状が特定領域15を狙うことが可能な「Vチャンス」中である旨を、「虎」のキャラクタが表示されることによって報知する。
図27(b)に示すV球通過促進報知中に、見事、特定領域15へ遊技球を通過させることが出来たときは、図27(c)に示す態様にて表示される。該表示は、上述した特2大当り演出処理のS1060(図22)の確変移行報知処理により、実行される演出表示である。この際、図27(c)に示すように、図27(b)でV球通過促進報知を実行していたサブ演出図柄表示装置6bには、「確変GET!!」のコメント表示が行われ、特定領域15への球通過が達成されて、当該大当り遊技後に確変状態に移行することが決定された旨の報知が行われる。このように、確変移行報知は、V球通過促進報知を実行した表示装置と同じ表示装置にて実行される。
図27(c)に示す確変移行報知処理後に、現時点で保留記憶の中に大当りとなる保留記憶が存在する場合、特定領域15への遊技球の通過に基づいて、つまり、上記確変移行報知処理に続いて、図27(d)に示す態様にて表示される。該表示は、上述した特2大当り演出処理のS1075(図22)により実行される演出表示である。この際、図27(d)に示すように、メイン演出図柄表示装置6aには、図27(c)と同様の「虎」のキャラクタが表示され、これに加えて、「流れ星」の表示が行われる。これにより、通常の大当り中の演出とは異なる演出表示として「流れ星」の表示が行われることで、遊技者に保留記憶内に大当りとなるものがある、すなわち保留連チャンを予告報知する。なお、該予告報知は、「流れ星」の画像表示に限らず、他の表示によって実行されても良い。
なお、以上のように本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態に限定するものではなく、本発明の技術思想から逸脱しない限り、他の実施の形態を採用しても良い。
例えば、特2大当り演出処理のS1075(図22)により、保留記憶の中に大当りとなるものが含まれている時には、保留内当選報知として、図27(d)に示したように、メイン演出図柄表示装置6aに通常とは異なる表示演出として「流れ星」の画像表示を行う構成を例示した。しかし、これに限定することなく、保留内当選報知を、他の画像表示により行っても良いし、さらに画像表示ではなく音声により行っても良い。つまり、特定領域15に遊技球が通過したときに通常の通過音を発生する前提で、保留内当選報知を行うときは、異なる通過音を発生することで実現するようにしても良い。このように音声のみで報知を行うようにしても良いし、上述した画像表示と併せて音声を発生するようにしても良い。ランプ等の発光部材の発光態様によって報知を行うようにしても良い。画像表示、音声、発光態様等を適宜組み合わせて報知するようにしても良い。
これにより、保留内当選の報知を、適宜様々な手段によって行うことが出来る。手段が重複するほどに遊技者に認知させる可能性が高くなる点に着目した場合、保留内当選報知を大当りとなるもの以外の例えばスーパーリーチになるものも対象とするようにして、大当りとなるものほど多くの手段が重複するようにしても良い。重複した手段に因る報知が為されるほどに、期待度が高くなる。また逆に、大当りとなるものほど、少ない手段で報知が行われるようにしても良い。例えば、大当りとなる場合には音声によってのみ報知が行われるようにしても良い。これにより、比較的に、他の遊技者に知られ難い状態で報知が行われて、遊技者は密かに大当りとなることの期待を抱くことが出来る。
また、促進報知が促す内容であるところの、特定領域に入球させることとは、特定領域が内蔵された第2大入賞口へ遊技球を入球させることと、同義である。よって、例えば「第2大入賞口へ球を入れろ!」といったような、単に第2大入賞口への遊技球の入球を促す旨の報知が為されたとしても、結果的に該第2大入賞口に入球した遊技球が特定領域への通過の可能性を有している状態であれば、それは特定領域への遊技球の通過を遊技者に促している報知と同じ作用効果を為すものであるため、両者は同じ構成といえる。
また、Vラウンド中に特定領域を遊技球が通過しなかった場合(確変大当りの場合のみではなく、通常大当りの場合も含む)、サブ表示装置(サブ演出図柄表示装置6a)にて、大当り遊技後に確変状態に移行しない旨の報知を行うようにしても良い。これにより、大当り遊技後に移行する遊技状態が、遊技者にとって有利でない状態である場合に、この旨の報知を、メイン表示装置よりも目立たないサブ表示装置によって実行はするものの、ネガティヴな情報をメイン表示装置で行って遊技者の意欲を低下させてしまうことを防止させることが出来る。
また、Vラウンド後にメイン表示装置で実行される通常の大当り演出を、特定領域への遊技球の通過可否の結果によって、異ならせるようにしても良い。特定領域の通過の結果によって、大当り遊技後に展開される状態は、有利度に差異が発生する旨を、目立つメイン表示装置を用いて、従来行われてきた通常の大当り演出の内容を異ならせて表示演出することにより、遊技者に対して明確に知らしめることが出来る。
また、上述した実施形態では、サブ表示装置は、メイン表示装置よりも小さく構成されることで、メイン表示装置よりも目立たないすなわち、顕現性が低い例として示した。しかし、目立たない根拠を、大きさに限定しなくても良い。例えば相互の表示装置の、配設位置の違い、を根拠としても良い。つまり、メイン表示装置は遊技領域の略中央に配置し、サブ表示装置は隅の領域に配置するようにしても良い。或いは、遊技者が常に注視する始動口の近辺にメイン表示装置を配置し、該始動口から離隔した領域にサブ表示装置を配置しても良い。さらに、各表示装置が有する装飾機能の違い、を根拠としても良い。例えば、メイン表示装置はサブ表示装置と比較して、枠部材等の発光態様が遊技者の関心を引くように構成されるようにしても良い。このように、単に大きさだけではなく、種々考えられる他の根拠によっても、メイン表示装置がサブ表示装置と比較して、目立つ構成としても構わない。
また、メイン表示装置やサブ表示装置の個数は、上述した実施形態の例示の内容に限定されない。すなわち、メイン表示装置または/およびサブ表示装置は、複数個備えるようにしても良い。例えば、サブ表示装置を複数個備えた場合、何れのサブ表示装置にて促進報知を実行するか、によって、特定領域を通過後の確変遊技の内容に変化を与えるように構成しても良い。
さらに、上述した実施形態のパチンコ機50は、第2特図に基づく大当り抽選での当選時に確変大当り遊技が行われる確率は100%で、確変+時短状態の継続回数(確変+時短回数)は10000回で、確変リミッタ回数を5回とするスペックで設定されている。この場合、「保留内当選報知処理」(図22のS1075)によって、第2特図の保留記憶内に大当りとなる保留が有ることを報知されると、遊技者は大当り遊技後に即時、つまり保留記憶の数変動内に再度大当りを獲得出来る点につき、喜ぶことが出来る。
しかし、この構成に限定せず、例えば上記スペックにST(回数切り確変)機能を加えても良い。このようにすることで、確変リミッタに到達する前に、ST回数を消化しても大当りとならずに連チャンが終了する危険性を有する構成となる。この構成を前提として、上記した「保留内当選報知処理」(図22のS1075)による報知が為されると、遊技者は大当り遊技後に速やかに大当りとなる喜びを得ることに加えて、大当りせずにST期間が抜けてしまうことを回避できた安堵感を、ST期間に入る前に、得ることが出来る。
上記ST機能を付加した構成の場合、第2特図に基づく大当り抽選での当選時に確変大当り遊技が行われる確率を100%とせず、例えば90%として、残りの10%は通常大当り遊技が選択されるように設定し、さらに上記した「保留内当選報知処理」(図22のS1075)による報知を、保留記憶内に確変大当りとなるもの(通常大当りとなるものは除外する)が存在するときに限定して実行するようにしても良い。これにより、確変大当りが連チャンする場合に限って、大当り中に先読み報知を行うこととなり、遊技の興趣を向上することが出来る。
また、サブ表示装置は、メイン表示装置よりも顕現性の低い表示装置として定義したが、前記「顕現性」は、「遊技者にとっての視認性」や、「遊技者に対する目立ち易さ」や、「遊技者の注目度の高さ」や、「遊技者へのアピール度の高さ」等と言い換えることが出来る。要するに、ここで「顕現性」を有するとか、「顕現性」が高いというのは、少なくとも遊技者の目を惹く構成を備えていれば良い。よって、結果的に遊技者に対して目立つのであれば、例えば大きさは比較的に小さくても、発光態様や特異な意匠によって遊技者をして注視する要因となる構成を備えていれば、比較的に「顕現性」が高い、といえる。
また、上述した実施形態では、所定のラウンドとして例えば5ラウンドのみ第2大入賞口が開放して特定領域へ遊技球が通過可能な構成とした。しかし、これに限定せず、第2大入賞口は、5ラウンド以外のラウンドであっても開放する構成としても良い。このような構成の場合、5ラウンド以外のラウンドでは、特定領域への遊技球の通過は困難となるよう制御する構成が好適である。つまり、5ラウンド以外のラウンドにおいて、第2大入賞口は遊技球の入賞が困難な程度の開放態様に制御されたり、或いはシャッターソレノイドを、特定領域への遊技球が通過困難な程度の駆動態様に制御されたりする構成が考えられる。このような構成の場合、特定領域への遊技球の通過を5ラウンド以外のラウンドにおいても監視するようにして、遊技球の通過を契機として、大当り遊技後に確変状態への移行を行うよう構成しても良い。つまり、特定領域への遊技球の通過が予定されていない、つまり許容されていないようなラウンドであっても、イレギュラーで遊技球が通過してしまった場合には、これを契機として確変への移行を許容するようにしても良い。逆に、5ラウンド以外のラウンド中には、特定領域の通過を無効とするようにしても良い。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
第1始動口11が、第1特図始動口の一例に、および第2始動口12が、第2特図始動口の一例に相当する。
第1特別図柄が、第1特図の一例に、および第2特別図柄が、第2特図の一例に相当する。
大当り抽選の当選確率が、所定の抽選確率の一例に、また、当否判定処理のS230およびS235が、当否判定手段の一例に相当する。
サブ統合制御装置83が、図柄変動表示手段の一例に相当する。
主制御装置80による大当り遊技処理が、大当り遊技制御手段の一例に相当する。
5ラウンドが、所定のラウンドの一例に、またパチンコ機50が、遊技機の一例に相当する。
メイン演出図柄表示装置6aが、メイン表示装置の一例に、また、サブ演出図柄表示装置6bが、サブ表示装置の一例に相当する。
50%が、第1特図の確変大当りの選択率の一例に、また、100%が、第2特図の確変大当りの選択率の一例に相当する。
図26(a)のメイン演出図柄表示装置6aの表示内容、および、図27(b)のサブ演出図柄表示装置6bの表示内容が、促進報知の一例に相当する。
S830(図18の「V球通過促進報知処理1」)、およびS1030(図21の「V球通過促進報知処理2」)が、特定領域入球促進報知手段の一例に相当する。
第1抽出乱数保留記憶処理(S110)および第2抽出乱数保留記憶処理(S130)が、数値データ記憶手段の一例に相当する。
先読み判定処理(S115)および先読み判定処理(S135)が、事前判定手段の一例に相当する。
S860(図19の「メイン表示装置による確変移行報知処理」)、およびS1060(図22の「サブ表示装置による確変移行報知処理」)が、確変移行報知手段の一例に相当する。
S1070(図22)にて肯定判定となる状態が、当選データ保有状態の一例に相当する。
S1075(図22の「保留内当選報知処理」)が、保留内当選報知手段の一例に相当する。