JP2018019821A - 熱障害危険度判定方法およびウェアラブルセンサシステム - Google Patents

熱障害危険度判定方法およびウェアラブルセンサシステム Download PDF

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Abstract

【課題】暑さ指数WBGTなどの参考値に頼ることなく、生体の熱障害の危険度を判定する。【解決手段】ウェアラブルセンサシステムは、使用者100の心機能に関するデータと体温のデータと皮膚血流のデータとを取得するウェアラブルセンサ端末1〜3と、心機能に関するデータと体温のデータと皮膚血流のデータとに基づいて、使用者100の熱障害の危険度を判定する判定装置4とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、生体情報を検知するウェアラブルセンサシステムに係り、特に生体の熱障害の危険度を判定する熱障害危険度判定方法およびウェアラブルセンサシステムに関するものである。
近年、地球の温暖化やヒートアイランド現象の影響も相まって、日本国内での熱中症に代表される熱障害への罹患リスクが上昇しつつある。熱中症に代表される熱障害は、高温環境下のような温熱ストレスが人に与えられると、脱水症状が起こり、体内の水分や塩分のバランスが崩れるとともに、体内の調整機能が破綻する、死に至る可能性もある障害のことである(非特許文献1参照)。
行政機関が発表するデータによれば、真夏日や熱帯夜が続くと熱中症死亡者数が増えることが分かっている。具体的には、人体と外気との間の熱収支に着目した指標である“暑さ指数WBGT(Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)”が28度を超えると熱中症による死亡者数が増え始め、WBGTの上昇と共に死亡率が上昇することが知られている。また、スポーツなどの運動や仕事をしている人は、屋外で熱中症を発症する傾向があり、日常生活を送っている人、特に高齢者は、屋内で熱中症を発症する傾向があることも知られている。一方、熱中症に代表される熱障害は、予防できるとも言われている。
人は、体温の上昇に対して、熱に弱い中枢神経を守ることを第一に血液を皮膚表面に移動させて伝導と放射により熱拡散を促進させると共に、大量の発汗による蒸発を促して温熱ストレスを緩和している。この体温の上昇を抑えるための要素としては、非特許文献1に記載されているように、外界の環境、心機能、および血管内容量が知られている。
例えば、行政機関が発表する地域毎の暑さ指数WBGTに基づいて、飲水、塩分補給、冷所への退避、体の冷却等の適切な行動をとれば、熱中症に発展するリスクを抑えられると考えられている。
また、熱中症に代表される熱障害を発症した場合には身体の核心温(体温)が上昇することから、体温を常時モニタリングしながら適切な行動をとることによっても、熱中症に発展するリスクを抑えられると考えられている。
「熱中症〜日本を襲う熱波の恐怖〜」,日本救急医学会編,へるす出版,2011年5月,p.9−15
しかしながら、移動することが多い現在の社会においては、ユーザ自らが、現在地における暑さ指数WBGTを常時気にしながら行動することは容易ではない。
また、暑さ指数WBGTは、あくまで特定の地域における屋外の計測点の情報であり、ユーザが現在置かれている状況をそのまま反映したものではない参考値である。したがって、屋内での熱中症が多数報告されているように、暑さ指数WBGTに頼って行動するだけでは、熱中症に至る熱障害を防げるとは限らない。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、暑さ指数WBGTなどの参考値に頼ることなく、生体の熱障害の危険度を判定することにある。
本発明の熱障害危険度判定方法は、生体の心機能に関するデータと体温のデータと皮膚血流のデータとをウェアラブルセンサ端末で取得するデータ取得ステップと、前記心機能に関するデータと体温のデータと皮膚血流のデータとに基づいて、生体の熱障害の危険度を判定する判定ステップとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の熱障害危険度判定方法の1構成例において、前記心機能に関するデータは、心拍数であり、前記判定ステップは、前記ウェアラブルセンサ端末が試験対象の生体について予め測定した心拍数と体温と皮膚血流の複数組のデータを、危険度レベル別に分別した教師データを作成する教師データ作成ステップと、前記ウェアラブルセンサ端末が判定対象の生体について測定した心拍数と体温と皮膚血流のデータの、前記教師データとの近さに基づいて、前記判定対象の生体の熱障害の危険度を判定する危険度判定ステップとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の熱障害危険度判定方法の1構成例において、前記教師データ作成ステップは、前記試験対象の生体について予め測定されたデータに対して主成分分析を行い、この主成分分析後のデータを、予め設定された条件に基づいて安全域のデータと危険域のデータと他のデータの3つに分別し、前記他のデータを、前記安全域および危険域のデータとの近さに基づいて、注意域と要注意域のいずれかのデータに分別することにより、前記教師データを作成するステップを含み、前記危険度判定ステップは、前記判定対象の生体について測定された心拍数と体温と皮膚血流のデータを、前記試験対象の生体について予め測定されたデータに追加し、追加後のデータに対して主成分分析を行い、この主成分分析で得られた主成分空間上での、前記判定対象の生体のデータと前記教師データとの近さに基づいて、前記判定対象の生体の熱障害の危険度を判定するステップを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の熱障害危険度判定方法の1構成例において、前記教師データ作成ステップは、前記他のデータを注意域と要注意域のいずれかのデータに分別する方法として、k−meansクラスタリングまたはEMアルゴリズムを用いることを特徴とするものである。
また、本発明の熱障害危険度判定方法の1構成例において、前記危険度判定ステップは、前記追加後のデータに対して行った主成分分析で得られた主成分空間上で、前記判定対象の生体のデータに最も近い所定数のデータを抽出し、この抽出したデータの危険度を前記教師データに基づいて判定し、前記抽出したデータの危険度の多数決で、前記判定対象の生体の熱障害の危険度を判定するステップを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の熱障害危険度判定方法の1構成例は、前記教師データ作成ステップで用いる皮膚血流の測定データの代わりに、運動負荷がかかっていないときの試験対象の生体の皮膚血流量を初期値としたときの、この初期値に対する当該試験対象の生体の皮膚血流量の測定データの変化の割合を用い、前記危険度判定ステップで用いる皮膚血流の測定データの代わりに、運動負荷がかかっていないときの判定対象の生体の皮膚血流量を初期値としたときの、この初期値に対する当該判定対象の生体の皮膚血流量の測定データの変化の割合を用いることを特徴とするものである。
また、本発明のウェアラブルセンサシステムは、生体の心機能に関するデータと体温のデータと皮膚血流のデータとを取得するウェアラブルセンサ端末と、前記心機能に関するデータと体温のデータと皮膚血流のデータとに基づいて、生体の熱障害の危険度を判定する判定手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明は、生体が平常な状態から高温障害が引き起こされる状態に変化する間に、体温上昇を抑える目的で、心拍数を上昇させると共に末梢血流を上昇させる機序や、さらに体温上昇が続いた場合に、生体が血流を上昇させることが出来なくなる機序の変化を捉えるために、生体の心機能に関するデータと体温のデータの他に皮膚血流のデータを測定することを特徴としている。本発明によれば、生体の熱障害の危険度を適切に判定することができるので、暑さ指数WBGTなどの参考値に頼ることなく、生体の熱障害に関する適切な状態情報を提供することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るウェアラブルセンサシステムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係るウェアラブルセンサシステムの判定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における教師データの作成方法を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態における教師データの作成例を示す図である。 本発明の実施の形態における熱障害の危険度判定方法を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態における熱障害の危険度判定結果の例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係るウェアラブルセンサシステムの構成を示す図であり、ウェアラブルセンサシステムを人体に装着した様子を示す模式図である。ウェアラブルセンサシステムは、ウェアラブルセンサシステムを身に付ける使用者100の心機能に関するデータを取得するウェアラブルセンサ端末1と、使用者100の体温のデータを取得するウェアラブルセンサ端末2と、使用者100の皮膚血流のデータを取得するウェアラブルセンサ端末3と、ウェアラブルセンサ端末1によって取得された心機能のデータ、ウェアラブルセンサ端末2によって取得された体温のデータ、ウェアラブルセンサ端末3によって取得された皮膚血流のデータに基づいて、使用者100の熱障害の危険度を判定する判定装置4とを備えている。
図1の例では、ウェアラブルセンサ端末1は、使用者100が着用するシャツ型のウェアラブルデバイス10に装着されている。このウェアラブルデバイス10には、使用者100の心臓101の周囲の皮膚表面と接触するように電極11が設けられている。ウェアラブルセンサ端末1は、ウェアラブルデバイス10に設けられた配線12を介して電極11と接続されている。このウェアラブルセンサ端末1は、電極11を介して使用者100の心電波形を測定し、心電波形を解析することにより、使用者100の心機能に関するデータとして心拍数を取得する。心電波形の測定方法や心拍数の取得方法は周知の技術であるので、詳細な説明は省略する。
そして、ウェアラブルセンサ端末1は、取得した心拍数のデータを無線または有線で判定装置4へ送信する。
なお、ウェアラブルセンサ端末1は、ウェアラブルデバイス10の基材である衣類(本実施の形態の例ではシャツ)に固定されていてもよいし、基材に対して着脱可能な構成であってもよい。
ウェアラブルセンサ端末2は、使用者100の体温のデータを取得する。このようなウェアラブルセンサ端末2としては、例えば使用者100の耳の部分にセンサを装着して鼓膜温から深部体温を測定する装置が知られている。その他の深部体温を測定する方法として、皮膚温から推定する方法などがある。ウェアラブルセンサ端末2は、取得した体温のデータを無線または有線で判定装置4へ送信する。
ウェアラブルセンサ端末3は、例えば使用者100の腕に装着され、使用者100の皮膚血流量のデータを取得する。このようなウェアラブルセンサ端末3としては、例えば文献「K.Kuwabara,Y.Higuchi,T.Ogasawara,H.Koizumi,T.Haga,“Wearable Blood Flowmeter Appcessory with Low-Power Laser Doppler Signal Processing for Daily-Life Healthcare Monitoring”,Proceeding of 36th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society,2014,p.6274-6277」に開示された小型血流計がある。ウェアラブルセンサ端末3は、取得した皮膚血流量のデータを無線または有線で判定装置4へ送信する。
図2は本実施の形態の判定装置4の構成を示すブロック図である。判定装置4は、ウェアラブルセンサ端末1〜3から測定データを受信する通信部40と、データ記憶のための記憶部41と、被験者のデータを基に事前に教師データを作成する教師データ作成部42と、使用者100の熱障害の危険度を判定する危険度判定部43と、危険度判定部43の判定結果を出力する判定結果出力部44と、判定装置4に指令を与えるための入力部45とから構成される。
判定装置4の例としては、例えば使用者100が所持するスマートフォンがある。ただし、ウェアラブルセンサ端末1〜3のいずれかの内部に判定装置4を設けるようにしてもよい。
次に、高温障害の危険度判定の基となる教師データを予め作成する方法について図3を用いて説明する。本実施の形態では、教師データを作成するため、被験者(試験対象の生体)が任意の運動負荷(ワークロード)を与えられた時の心拍数と体温と皮膚血流量を測定する。被験者、測定点数は多ければ多いほど望ましい。ここでは、心拍数と体温と皮膚血流量との組からなる測定データの個数をn(nは2以上の整数)とする。
まず、0から80%の範囲の任意のワークロードを与えられた時の被験者の心拍数と体温と皮膚血流量を、図1に示したウェアラブルセンサ端末1〜3を用いて複数の被験者について測定する。なお、ここで言う0から80%とは、最大酸素摂取量(VO2max)で規定される運動強度のことを意味する。
判定装置4の通信部40は、心拍数と体温と皮膚血流量のデータを、被験者が身に付けているウェアラブルセンサ端末1〜3から受信する(図3ステップS100)。受信したデータは記憶部41に格納される。なお、被験者と被験者に与えられたワークロードの量とを認識できるようにするため、被験者に固有のID(識別情報)とワークロードの情報とを付加してデータを記憶部41に格納できるようにしておくことが望ましい。これらIDとワークロードの情報は、例えば教師データ作成を行う作業者が操作する入力部45から入力される。
判定装置4の教師データ作成部42は、記憶部41に格納されたD次元(本実施の形態の例では心拍数と体温と皮膚血流量のD=3次元)×n個のデータに対して主成分分析を行う(図3ステップS101)。ただし、皮膚血流量については測定データをそのまま用いるのではなく、ワークロードがかかっていないときの被験者の皮膚血流量を初期値とし、この初期値に対する皮膚血流量の測定データの変化の割合を、皮膚血流変化割合(単位パーセント)として用いる。
つまり、教師データ作成部42は、被験者の皮膚血流量の測定データを、当該被験者の皮膚血流量の初期値で除算することにより、皮膚血流変化割合を算出する。皮膚血流量の初期値は被験者毎に異なるが、予め測定した被験者毎の初期値を記憶部41に格納しておけばよい。こうして、教師データ作成部42は、心拍数と体温と皮膚血流変化割合のD=3次元のデータに対して主成分分析を行うことになる。
本実施の形態では、D=3次元のデータに対して同じD=3次元の合成変数(主成分)を求める例で説明する。
続いて、教師データ作成部42は、主成分分析後のデータを、レベル1(安全域)と、レベル4(危険域)と、レベル1,4以外のレベルの3つの危険度レベルに分別する(図3ステップS102)。ここでは、ワークロードが0%〜30%で、かつ体温が37.5℃未満であった主成分分析前のデータ(心拍数、体温、皮膚血流変化割合)に対応する主成分分析後のデータをレベル1(安全域)のデータとする。また、体温が38.5℃より高い温度であった主成分分析前のデータに対応する主成分分析後のデータをレベル4(危険域)のデータとする。このようなレベル1とレベル4の分別条件は予め教師データ作成部42に設定されている。図3では、レベル1(安全域)のデータの個数をn4個、レベル4(危険域)のデータの個数をn1個としている。
次に、教師データ作成部42は、レベル1(安全域)とレベル4(危険域)を除く{n−(n1+n4)}個の主成分分析後のデータに対し、k−meansクラスタリングを実施し、これら主成分分析後のデータを2グループに分別する(図3ステップS103)。具体的には、教師データ作成部42は、主成分分析後の3次元空間上でレベル1のデータが属するクラスタ(集団)の中心の座標とレベル4のデータが属するクラスタの中心の座標とをそれぞれ算出し、これら中心と主成分分析後の分別対象のデータとの空間上の距離を算出して、レベル1のクラスタの中心に近いデータをレベル2(注意域)のデータ、レベル4のクラスタの中心に近いデータをレベル3(要注意域)のデータとする。図3では、レベル2のデータの個数をn2個、レベル3のデータの個数をn3個としている(n1+n2+n3+n4=n)。
こうして、レベル1(安全域)のn1個のデータとレベル2(注意域)のn2個のデータとレベル3(要注意域)のn3個のデータとレベル4(危険域)のn4個のデータとからなる教師データを作成することができる。この教師データは記憶部41に格納される。以上で、教師データの作成が終了する。
なお、ステップS103の分別のアルゴリズムとして、EM(exception-maximization)アルゴリズムを用いることも可能である。
図4(A)〜図4(C)に教師データの作成例を示す。ここでは、被験者9名から取得したn=612個のデータから作成した612個の教師データを、第1主成分、第2主成分、第3主成分を軸とする主成分空間上の点で表現している。図4(A)〜図4(C)のC1はレベル1(安全域)のデータが属するクラスタ、C2はレベル2(注意域)のデータが属するクラスタ、C3はレベル3(要注意域)のデータが属するクラスタ、C4はレベル4(危険域)のデータが属するクラスタである。
図4(A)から明らかなように、教師データを作成するためのステップS102の分別処理によりレベル1(安全域)のn1=35個のデータとレベル4(危険域)のn4=91個のデータとは分離されている。レベル1とレベル4以外の{n−(n1+n4)}=486個のデータについて、さらにステップS103の分別処理を行った結果を、主成分空間上の点で示したのが図4(B)、図4(C)である。
次に、図1に示したウェアラブルセンサシステムを身に付けて行動する使用者100(判定対象の生体)の熱障害の危険度を判定する方法について図5を用いて説明する。
判定装置4の通信部40は、使用者100の心拍数と体温と皮膚血流量のデータを、使用者100が身に付けているウェアラブルセンサ端末1〜3から受信する(図5ステップS200)。受信したデータは記憶部41に格納される。
判定装置4の危険度判定部43は、記憶部41に格納された使用者100のデータ(以下、未知データ)を、教師データの作成元となったn個のデータに追加する(図5ステップS201)。ただし、上記で説明したとおり、皮膚血流量については測定データをそのまま用いるのではなく、ワークロードがかかっていないときの使用者100の皮膚血流量を初期値とし、この初期値に対する皮膚血流量の測定データの変化の割合を、皮膚血流変化割合とする。使用者100の皮膚血流量の初期値は記憶部41に予め格納されている。こうして、D次元(心拍数と体温と皮膚血流変化割合のD=3次元)×n個のデータに、同じくD次元の1個の未知データ(心拍数と体温と皮膚血流変化割合)を追加する。
続いて、危険度判定部43は、未知データ追加後のD次元×(n+1)個のデータに対して主成分分析を行う(図5ステップS202)。
そして、危険度判定部43は、このステップS202の処理で得られた主成分空間上で、未知データと他のデータとの空間上の距離を算出し、未知データに最も近い所定数k個(kは奇数)のデータを抽出する(図5ステップS203)。
次に、危険度判定部43は、抽出したk個のデータがレベル1(安全域)、レベル2(注意域)、レベル3(要注意域)、レベル4(危険域)のどの危険度レベルに属するかをデータ毎に判定する(図5ステップS204)。上記のとおり、記憶部41には、4つの危険度レベルに分別された教師データが用意されているので、k個のデータの危険度レベルを容易に判定できることは言うまでもない。
最後に、危険度判定部43は、抽出したk個のデータの危険度レベルの多数決で未知データの危険度レベルを判定する(図5ステップS205)。例えばk個のデータの多数がレベル1(安全域)であった場合、未知データの危険度レベルをレベル1とする。
なお、k個のデータの中に最多数のデータのグループが複数含まれる場合、これらのグループのレベルのうち最も危険度が高いレベルを未知データの危険度レベルとする。例えばレベル3(要注意域)のデータとレベル4(危険域)のデータが同数存在する場合、未知データの危険度レベルをレベル4とする。
判定装置4の判定結果出力部44は、危険度判定部43の判定結果を出力する(図5ステップS206)。出力方法の例としては、例えば判定結果の表示、判定結果の音声出力、判定結果データの送信などがある。
使用者100の心拍数と体温と皮膚血流量のデータを継続して取得する場合には、以上のようなステップS200〜S206の処理を定期的に実施すればよい。
図6(A)〜図6(D)に熱障害の危険度判定結果の例を示す。ここでは、未知データとして、204個のデータを用意し、これらの未知データの危険度レベルを判定した。なお、未知データには、本来、ワークロードの情報は不要であるが、本実施の形態の判定の妥当性を示すために、ワークロードが明確な未知データを判定に適用した。
図6(A)はレベル1(安全域)と判定された未知データを示し、図6(B)はレベル2(注意域)と判定された未知データを示し、図6(C)はレベル3(要注意域)と判定された未知データを示し、図6(D)はレベル4(危険域)と判定された未知データを示している。
図6(A)〜図6(D)によると、例えば体温が38.5℃以上と温度の高いデータについては、レベル4(危険域)と判定された。ワークロードが50%であって、体温が37℃のデータについては、レベル2(注意域)と判定された。ワークロードが30%であって、体温が38℃付近のデータについては、レベル3(要注意域)と判定された。
以上のように、本実施の形態では、ウェアラブルセンサシステムを身に付ける使用者の熱障害の危険度(未知データの危険度レベル)を適切に判定することができるので、暑さ指数WBGTなどの参考値に頼ることなく、使用者の熱障害に関する状態情報を提供することが可能となる。
体温は個人の状態を反映する重要なパラメータであるが、熱中症に代表されるような高温障害が引き起こされる状態を考える場合、体温の上昇のみでは、注意域かあるいは要注意域かというレベルの判断ができない。また、心拍数は、運動負荷の増大で増えるほか、体温を下げようとする機序に伴い、血流量を増やすためにも増大する。そこで、本実施の形態では、体温上昇を抑えるために増大する皮膚血流量を基にするパラメータを用いることで、より詳細な判断が可能となる。
なお、教師データ作成時のステップS101の処理で求めた軸(第1主成分、第2主成分、第3主成分)に対し、ステップS202の処理を行うと、未知データの追加による軸のずれが生じることが考えられるが、教師データが多数であれば、上記の軸のずれを判定に影響がない程度に抑えることが可能である。
本実施の形態で説明した判定装置4は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、生体の熱障害の危険度を判定する技術に適用することができる。
1〜3…ウェアラブルセンサ端末、4…判定装置、10…ウェアラブルデバイス、11…電極、12…配線、40…通信部、41…記憶部、42…教師データ作成部、43…危険度判定部、44…判定結果出力部、45…入力部。

Claims (7)

  1. 生体の心機能に関するデータと体温のデータと皮膚血流のデータとをウェアラブルセンサ端末で取得するデータ取得ステップと、
    前記心機能に関するデータと体温のデータと皮膚血流のデータとに基づいて、生体の熱障害の危険度を判定する判定ステップとを含むことを特徴とする熱障害危険度判定方法。
  2. 請求項1記載の熱障害危険度判定方法において、
    前記心機能に関するデータは、心拍数であり、
    前記判定ステップは、
    前記ウェアラブルセンサ端末が試験対象の生体について予め測定した心拍数と体温と皮膚血流の複数組のデータを、危険度レベル別に分別した教師データを作成する教師データ作成ステップと、
    前記ウェアラブルセンサ端末が判定対象の生体について測定した心拍数と体温と皮膚血流のデータの、前記教師データとの近さに基づいて、前記判定対象の生体の熱障害の危険度を判定する危険度判定ステップとを含むことを特徴とする熱障害危険度判定方法。
  3. 請求項2記載の熱障害危険度判定方法において、
    前記教師データ作成ステップは、前記試験対象の生体について予め測定されたデータに対して主成分分析を行い、この主成分分析後のデータを、予め設定された条件に基づいて安全域のデータと危険域のデータと他のデータの3つに分別し、前記他のデータを、前記安全域および危険域のデータとの近さに基づいて、注意域と要注意域のいずれかのデータに分別することにより、前記教師データを作成するステップを含み、
    前記危険度判定ステップは、前記判定対象の生体について測定された心拍数と体温と皮膚血流のデータを、前記試験対象の生体について予め測定されたデータに追加し、追加後のデータに対して主成分分析を行い、この主成分分析で得られた主成分空間上での、前記判定対象の生体のデータと前記教師データとの近さに基づいて、前記判定対象の生体の熱障害の危険度を判定するステップを含むことを特徴とする熱障害危険度判定方法。
  4. 請求項3記載の熱障害危険度判定方法において、
    前記教師データ作成ステップは、前記他のデータを注意域と要注意域のいずれかのデータに分別する方法として、k−meansクラスタリングまたはEMアルゴリズムを用いることを特徴とする熱障害危険度判定方法。
  5. 請求項3または4記載の熱障害危険度判定方法において、
    前記危険度判定ステップは、前記追加後のデータに対して行った主成分分析で得られた主成分空間上で、前記判定対象の生体のデータに最も近い所定数のデータを抽出し、この抽出したデータの危険度を前記教師データに基づいて判定し、前記抽出したデータの危険度の多数決で、前記判定対象の生体の熱障害の危険度を判定するステップを含むことを特徴とする熱障害危険度判定方法。
  6. 請求項2乃至5のいずれか1項に記載の熱障害危険度判定方法において、
    前記教師データ作成ステップで用いる皮膚血流の測定データの代わりに、運動負荷がかかっていないときの試験対象の生体の皮膚血流量を初期値としたときの、この初期値に対する当該試験対象の生体の皮膚血流量の測定データの変化の割合を用い、
    前記危険度判定ステップで用いる皮膚血流の測定データの代わりに、運動負荷がかかっていないときの判定対象の生体の皮膚血流量を初期値としたときの、この初期値に対する当該判定対象の生体の皮膚血流量の測定データの変化の割合を用いることを特徴とする熱障害危険度判定方法。
  7. 生体の心機能に関するデータと体温のデータと皮膚血流のデータとを取得するウェアラブルセンサ端末と、
    前記心機能に関するデータと体温のデータと皮膚血流のデータとに基づいて、生体の熱障害の危険度を判定する判定手段とを備えることを特徴とするウェアラブルセンサシステム。
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