JP2018016995A - 施解錠装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】セルフ内覧を行う物件であってもその後の入居者にとって十分なセキュリティを確保できるとともに、既存の物件であっても、安価かつ容易にセルフ内覧の対象物件とすることが可能になる施解錠装置を提供する。【解決手段】 施解錠装置20は、切替手段35を備え、前記切替手段35は、所定の暗証番号、または一時的に利用可能な認証情報を用いて電気的に解錠する第一のモードと、物理的な鍵を用いて施解錠する第二のモードと、を切替可能である。【選択図】図3

Description

本発明は、賃貸物件等に用いて好適な施解錠装置に関する。
従来、物件を購入もしくは賃借する前に、入居希望者が当該物件の管理者(管理会社の担当者)を伴って物件内を見学(物件の内覧)することは一般的に行われている。
そして、この内覧の効率化もしくは省力化を目的として、物件の管理者を伴わずに入居希望者のみで内覧を行う(以下、このような内覧を「セルフ内覧」という。)ことを可能とした物件管理システム(セルフ内覧システム)の開発も進められている。セルフ内覧を可能とすることにより、管理者の負担が軽減でき、入居希望者にとってもゆっくりと気軽に内覧が可能となるといったメリットがあるため、その導入の需要も高まっている。
また、セルフ内覧システムを実現するためには、物件の出入口の施解錠装置(例えば、玄関錠)について、セキュリティを高めつつ、物理的な鍵の受け渡しなど人や物の移動を少なくする(省く)ことが重要なポイントとなるため、セルフ内覧システムに用いて好適な施解錠装置についても、様々な技術が提案されている。
例えば、従来のセルフ内覧システムに用いられる施解錠装置(玄関錠)としては、玄関錠に通信機器を内蔵したり、無線通信機器を賃貸物件もしくは各住居内に設置するなどしし、賃貸物件管理会社のサーバーで玄関錠を遠隔で監視・制御する技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
一方、通信機器を使用しない場合は、入居時に使用する玄関錠は常時解錠状態としておき、扉と扉枠の間に金具を通し、その金具に簡易施錠装置(補助的な錠)を取り付けて扉の開閉制御を行ったり、入居中に入居者が使用する鍵を内覧(セルフ内覧)の希望者に貸し出し、内覧後に返却してもらうといった方法が採用されている。
特許第5686269号 特許第5046415号
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、既存の物件をセルフ内覧システムの対象とする場合、当該物件に取り付けられている既存の玄関錠を専用の機器(通信機器を内蔵した施解錠装置や、住居用の通信機器など)に交換・増設する必要があり、労力も必要となる上に導入コストが増大したり、管理が複雑になるといった問題があった。
また、簡易施錠装置を用いる場合、入居開始時・退去時に錠の取り付けや取り外しの作業が避けられない。このため、物件の管理会社の担当者が物件へ出動したり、取り外した錠の管理(保管)が必要になる等の手間が掛かる上、セキュリティの低さ、見た目の悪さがも問題であった。
さらに、入居中に入居者が使用する鍵を内覧希望者に貸し出し、内覧後に返却してもらう方法では、貸し出した鍵が複製されていることを考慮すると、確実に錠の交換が必須となり、錠の交換費や手間が発生していた。また内覧希望者が鍵を紛失した場合には、都度錠の交換をしなければならないといった問題もあった。
本発明は、このような従来の問題点を解決するためのものであって、セルフ内覧を行わせる物件であっても、その後の入居者にとって十分なセキュリティを確保できるとともに、既存の物件であっても、安価かつ容易にセルフ内覧の対象物件とすることが可能となる、施解錠装置を提供することを目的とする。
本発明は、係る課題に鑑みてなされ、切替手段を備えた施解錠装置であって、前記切替手段は、所定の暗証番号、または一時的に利用可能な認証情報を用いて電気的に解錠する第一のモードと、物理的な鍵を用いて施解錠する第二のモードと、を切替可能である、ことを特徴とする施解錠装置である。
本発明に係る施解錠装置によれば、セルフ内覧を行わせる物件であっても、その後の入居者にとって十分なセキュリティを確保できるとともに、既存の物件であっても、安価かつ容易にセルフ内覧の対象物件とすることが可能になるという、優れた効果を奏し得る。
本実施形態にかかる物件管理システムの概要図である。 本実施形態にかかる物件管理システムに用いる施解錠装置の室外側の外観正面図である。 本実施形態にかかる物件管理システムに用いる施解錠装置の側面図である。 本実施形態にかかる物件管理システムにおけるセルフ内覧の流れを示す概要図である。 本実施形態にかかる物件管理システムにおけるセルフ内覧の流れを示すタイミングチャートである。 本実施形態にかかる物件管理システムの流れを示すタイミングチャートである。 本実施形態に係る施解錠装置の取り付け例を示す図であり、(a)従来の施解錠装置を構成する主要部材を分解して示した分解斜視図であり、(b)本実施形態の施解錠装置を構成する主要部材を分解して示した分解斜視図である。 本実施形態に係る施解錠装置による施解錠の状態を説明する概要図である。
以下、図面を用いて、本実施形態に係る施解錠装置20について詳細に説明する。なお、本実施形態の施解錠装置20は、例えば、賃貸物件等に用いることでセルフ内覧が可能となるものである。そこで以下の実施形態では、施解錠装置20の適用例として、セルフ内覧を行う物件管理システム10に採用した場合を例に説明する。
<物件管理システム(認証システム(認証方法))>
図1は、本実施形態の物件管理システム10の概要図である。
本実施形態の物件管理システム10は、物件11の出入口を施解錠するための施解錠装置(例えば、玄関錠)20と、物件11の管理者(管理会社)12が使用する管理装置15と、物件11への入居のために内覧を希望する者(内覧者13、ユーザ)が所持する携帯端末17と、管理装置15および携帯端末17が接続するLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などのネットワーク16により構成され、内覧者13と、当該物件11の内装工事や清掃などの作業を行う業者14との間における物件11への入退室を効率よく管理するシステムである。
また、本実施形態の物件管理システム10は、内覧者13および業者14のいずれであっても、管理者12の立ち会いなく、物件11への入退室を可能にするシステムである。
ここでは、一例として物件11はマンション(アパート)などの集合住宅の賃貸物件であり、管理者12は賃貸物件の管理会社、内覧者13は物件の賃借人、業者14は原状復帰作業の業者である場合について説明するが、物件11は分譲(建売)であってもよく、一戸建ての住宅であってもよい。また、管理者12は個人であってもよく、業者14は、業務として管理者12から何らかの作業を委託されて当該物件11に入退室する必要がある者であれば、原状復帰作業でなくてもよい。
管理装置15は、例えば、主メモリ、記憶手段、CPU(中央処理装置)およびこれらを接続するためのシステムバスなどを有する従来公知のサーバ装置や管理者端末装置(PC:パーソナルコンピュータ)など、物件管理システム10による処理(各種ソフトウェアプログラム)を実行するための従来公知の構成を有している。
また、本実施形態の管理装置15は、内覧者13の操作により物件の内覧の予約を受け付ける予約受付手段15Aと、予約に対応した認証情報を生成する認証情報生成手段15Bと、内覧者13が所持する携帯端末17に向けて認証情報を送信する認証情報送信手段15Cとを有する。
一例として、管理装置15は各種ソフトウェアプログラムが格納されたサーバ装置であり、各種ソフトウェアプログラムを実行することにより、物件11に取り付けた施解錠装置20と協動して物件管理システム10の各種機能を実現する。
物件管理システム10の各種機能とは、例えば、セルフ内覧の予約受付機能、施解錠装置20を解錠するための認証情報を生成する認証情報生成機能、内覧者が所持する携帯端末に向けて認証情報を送信する認証情報送信機能、原状回復時の業者の物件への入退室を管理する原状回復時管理機能、セルフ内覧時の内覧者の物件への入退室を管理するセルフ内覧時管理機能、入居者の入退室を管理する入居時管理機能などである。
携帯端末17は、従来公知の持ち運び可能な携帯型の情報端末装置であり、一例としてスマートフォンやタブレット型端末である。なお、本実施形態の携帯端末17は、内覧する物件11に入室するために内覧者が携帯する必要がある。つまり、持ち運び可能な情報端末装置であればスマートフォンやタブレット型端末に限らず、携帯電話、PDA(=Personal Digital Assistant)、ノートパソコンなどであってもよい。
また、ネットワーク16は、管理装置15と携帯端末17との間で相互に通信可能な回線であればよく、通信の形態は有線/無線を問わない。
本実施形態の施解錠装置20は、物件11の出入口(玄関など)の扉18に取り付けられ、扉18の施解錠を行う装置(例えば、玄関錠)であり、入力手段21と表示手段22(いずれも後述する)と、ここでは不図示の切替手段、メモリ、電源、タイマ等を有する。
施解錠装置20は、切替手段によって、所定の暗証番号を用いて電気的に解錠する第一の施解錠モードと、一時的に利用可能な認証情報を用いて電気的に解錠する第二の施解錠モードと、物理的な鍵を用いて直接施解錠する第三の施解錠モードと、を切替可能に構成されている。また、施解錠装置20は、第一の施解錠モードおよび第二の施解錠モードの設定中においては、電気錠(電子錠)として機能し、第三の施解錠モードの設定中においては、機械(式)錠として機能する。
本実施形態の物件管理システム10は、物件11の内覧を希望する内覧者13がユーザ端末(携帯端末17)からネットワーク16を介して管理装置15にアクセスして、内覧の予約を行い、施解錠装置20を解錠するための認証情報を取得して管理者12の立会いのない内覧(セルフ内覧)を可能とするものである。
図1を参照して具体的に説明すると、セルフ内覧を希望する内覧者13は、携帯端末17からネットワーク16を介して管理装置15に接続し、予約受付手段15Aによって内覧の予約を行う。予約受付手段15Aは、例えば、管理装置15に格納されている各種ソフトウェアプログラムによって表示されるセルフ内覧を予約するためのウェブサイト(セルフ内覧予約サイト)である。
内覧者13が携帯端末17からセルフ内覧予約サイト15Aにアクセスをすると、当該携帯端末17からのページの取得要求に応じて、管理装置15は、管理者12のHP(ホームページ)あるいは、当該HP内に構築された(またはHPとは別に構築された)セルフ内覧予約サイト15Aを内覧者13の携帯端末13に表示する。内覧者13は、セルフ内覧予約サイト15Aの入力要求に応じて、セルフ内覧を希望する「物件」、「部屋番号(この例では、「101」)」、「セルフ内覧の希望時間帯(1時間限定)」を入力し、送信する。またこの予約時には個人認証情報として、内覧者を特定可能な「氏名」、「メールアドレス」なども登録する(1)。なお、この例では内覧者13は携帯端末17から予約を行っているが、予約については内覧者13が操作するユーザ端末であれば、携帯端末17でなくてもよく、家庭のパソコン等であってもよい。ただし、メールアドレスについては携帯端末17で受信可能なものを登録する。
予約が完了すると、管理装置15から登録されたメールアドレス宛に予約受付完了の確認のメールが送信される(2)。
内覧者13は、予約が完了した後は予約した内覧当日の予約時間に、直接、物件11に赴けばよい。すなわち、内覧の前に施解錠装置(玄関錠)20を解錠するための物理的な鍵(例えば、シリンダー錠などを解錠する鍵をいい、以下これを「メカキー」という。)の受け渡しを行う必要はなく、管理者(管理会社)12に出向いたり、管理者(担当者)12との面会等も不要である。そして、予約日の予約時間に、施解錠装置20の入力手段21を操作する。入力手段21は後に詳述するが、この例ではプッシュ式の入力ボタン21である。内覧者が入力ボタン21の所定の操作を行うと、施解錠装置20の表示手段(表示部)22に、「問い合わせ番号」が表示される(3)。ここで、「問い合わせ番号」は、施解錠装置20のメモリに複数記憶されており、予約毎にそのうちの一つが定められ、一時的に(期限付きで)利用可能となる第1の認証情報(第1のワンタイムパスワード)である。つまり、内覧者13の操作に応じて予約時間毎に異なる「問い合わせ番号」が表示され、また「問い合わせ番号」は所定時間(例えば、最初の表示操作から5分)で使用不可(無効)となる。また、この場合、表示手段(表示部)22は、「問い合わせ番号」を通知する通知手段ともいえる。
「問い合わせ番号」を取得した内覧者13は、所持している携帯端末17から、管理者のセルフ内覧予約サイト15Aにアクセスし(携帯端末17の表示手段にセルフ内覧予約サイト15Aを表示させ)、登録済みの個人認証情報で認証を受ける(ログインする)。内覧者13の認証が正常に行われると、管理装置15は内覧者13の携帯端末17に対して、セルフ内覧予約サイト15Aのページ上で「問い合わせ番号」などの入力を要求する。内覧者13は、携帯端末17の入力手段(例えば、タッチパネルなど)を操作し、表示手段に表示させたセルフ内覧予約サイト15Aを介して管理装置15から要求された「問い合わせ番号」などを入力し、管理装置15に送信する(4)。
管理装置15は、携帯端末17から入力された「問い合わせ番号」の照合が可能となっており、管理装置15(セルフ内覧予約サイト15A)は、携帯端末17から入力された「問い合わせ番号」などが正しいと判断した場合は、認証情報生成手段15Bが施解錠装置20を解錠するための認証情報(第2の認証情報である「解錠番号」)を生成し、認証情報送信手段15Cが内覧者13の所持する携帯端末17に向けて認証情報を送信(一例として、セルフ内覧予約サイト15Aを介して内覧者13に通知)する(5)。後に詳述するが、施解錠装置20を解錠するための「解錠番号」(第2の認証情報)は、予約毎に「問い合わせ番号」(第1の認証情報)に基づいて生成されるものであり、一時的に(期限付きで)利用可能となる認証情報(第2のワンタイムパスワード)である。
内覧者13は、携帯端末17に表示させたセルフ内覧予約サイト15A上で通知された「解錠番号」を取得し、施解錠装置20の入力ボタン21を操作して、「解錠番号」を入力する。「解錠番号」が正しい場合、施解錠装置20が解錠されるので、これにより内覧を開始する(6)。
本実施形態の施解錠装置20は内覧時には、電気錠(電子錠)として機能し、内覧の終了後は施解錠装置20は自動で施錠(オートロック)され、内覧時に使用した「解錠番号」は無効となる。
また、原状復帰のために業者14が当該物件11に入室する場合も、施解錠装置20は電気錠として機能する。この場合、施解錠装置20に予め原状復帰作業用の専用かつ固定の「暗証番号」を設定し、これを利用して解錠する。すなわち、管理者12は、業者14(または管理者12自身)がメカキーを用いずに解錠可能となるように、予め施解錠装置20を解錠する「暗証番号」を施解錠装置20のメモリに登録し(7)、業者14に口頭などで「暗証番号」を通知する。業者14は物件11に入室する際には、当該「暗証番号」を施解錠装置20の入力ボタン21の操作によって入力し、解錠して入室する(8)。この場合「暗証番号」は、1物件(1室)の原状復帰作業が終了するまで、同じ「暗証番号」が使用可能(有効)であり、また、1物件(1室)の原状復帰作業が終了した場合は、「暗証番号」は管理者12によって任意に変更される。
このように、本実施形態では、内覧者13がセルフ内覧を行う場合には、一時的な「問い合わせ番号(第1のワンタイムパスワード)」と一時的な「解錠番号(第2のワンタイムパスワード)」を用いて、電気錠として機能している施解錠装置20を解錠して入室する。
また、原状復帰のために業者14が当該物件11に入室する場合には、予め設定された専用かつ固定の暗証番号を用いて、電気錠として機能している施解錠装置20を解錠して入室する。
更に、この図では省略しているが、入居者が決定した場合には、電気錠の機能を無効とし、施解錠装置20を機械錠として機能させてメカキーによって施解錠を行うように切り替える(後に詳述する)。つまり、入居者が決定した後から入居者が退去するまでは、上記の「問い合わせ番号」、「解錠番号」および「暗証番号」のいずれも、使用不可(無効)となる。
このように、本実施形態の施解錠装置20は、所定の「暗証番号」(業者向けの専用かつ固定の「暗証番号」)を用いて電気的に解錠する第一の施解錠モード(原状回復業者用の施解錠モード)と、一時的に利用可能な認証情報(内覧者13用の「解除番号」)を用いて電気的に解錠する第二の施解錠モード(セルフ内覧者用の施解錠モード)と、物理的な鍵(メカキー)を用いて施解錠する第三の施解錠モード(入居者用の施解錠モード)と、を切替可能に構成されている。
なお、施解錠装置20を解錠するための「解錠番号」は、施解錠装置20に対して直接送信されるものではなく、ネットワーク16を介して、管理装置15から携帯端末17に送信される。上記の例では、セルフ内覧予約サイト15Aを介して「解除番号」を通知する構成としたが、「解錠番号」は管理装置15から携帯端末17に対してメールで送信されるように構成してもよい。
<施解錠装置>
次に、図2および図3を参照して本実施形態の施解錠装置(玄関錠)20の構成について説明する。図2(a)は、室外側の施解錠装置20の正面図であり、同図(b)は、カバー31Aを開放した状態の室外側の施解錠装置20の正面図であり、図3は、戸先側から見た扉18の側面図である。
図2および図3に示すように、施解錠装置20は、室外側ハンドル24と、室内側ハンドル25と、メカキーが差し込まれるシリンダー錠28と、サムターン29と、錠ケース30を備えている。この例では、室外側ハンドル24および室内側ハンドル25はいずれも上下方向に揺動可能なレバーハンドル(操作部材)であるが、扉18表面に対して近接または離間する方向に揺動可能なプッシュプルハンドルなどであってもよい。
図2を参照して、施解錠装置20は、室外側に室外側ハンドル24、ケース体31、電源23、入力手段(入力ボタン21)、表示手段(表示部22)を含む室外側施解錠機構240と、シリンダー錠28を有している。また、室内側にサムターン29と、室内側ハンドル25を有している。また、ここでの図示は省略するが、室外側施解錠機構240は、施解錠モードの切替を行う切替手段や、切替手段と連結する角軸や、切替手段の駆動を行う駆動手段や、タイマや、各種制御(入力手段21からの入力を受け付ける制御、表示手段22に表示する制御、タイマの計測、切替手段の駆動制御など)を行う制御手段(ICなどの制御部)を含んでいる。
同図(a)に示すように、物件11の出入口(玄関口)には扉枠50が設けられ、扉18はこの扉枠50にヒンジ(図示略)を介して例えば、室外の方向に揺動可能に取り付けられている。また、扉枠50には、施解錠装置20と対面する位置に、ストライクボックス55が取り付けられている。
同図(b)に示すように、ケース体31は、例えばその上部にカバー部31Aを備えており、カバー部31Aの内部には、入力手段(入力ボタン21)と表示手段(表示部22)が内蔵されている。
入力ボタン21は、例えばプッシュボタンであり、スタートボタン21A、決定(Enter)ボタン21Bおよび、数字の入力が可能な番号ボタン21C、21Dを含む。一例として番号ボタン21Cは、1回の操作毎に数値が増加し、番号ボタン21Dは、1回の操作毎に数値が減少するように構成されている。
表示部22は、例えば、7セグメントのLEDにより構成され、6桁の数字を表示可能である。この例では、右から左に第1桁〜第6桁が設けられており、右端の第1桁から第4桁が「暗証番号」または「問い合わせ番号」および「解除番号」の表示手段として用いられ、第5桁と左端の第6桁が各種機能を表す数値(各種機能に対応付けさせた数値)の表示手段として用いられる。
各種機能を表す数値の一例を挙げると、第6桁に「0」が表示されている場合は、第一の施解錠モード(以下、「原状回復モード」という。)が設定中であること意味し、第6桁に「1」が表示されている場合は、第三の施解錠モード(以下、「入居モード」という。)に切り替えるための暗証番号(後述する「電気錠無効暗証番号」)が設定中であること意味し、第6桁に「2」が表示されている場合は、原状回復モード中に解錠するための業者向けの「暗証番号」設定中であることを意味する。
また、第5桁に「0」が表示されている場合は、第1桁〜第4桁にセルフ内覧のための「問い合わせ番号」が表示中であることを意味し、第5桁に「1」が表示されている場合は、第二の施解錠モード(以下、「セルフ内覧モード」という。)に設定するための(セルフ内覧を開始するための)「解錠番号」の入力中であることを意味し、第5桁に「2」が表示されている場合は、「入居モード」が設定中であることを意味し、第5桁に「3」が表示されている場合は、「原状回復モード」に設定するための「暗証番号」の入力中であることを意味する。なお、各種機能とその数値の対応付けは一例であり、これ以外の対応付けがされていてもよく、ここに説明した以外の機能についても、適宜、数値との対応付けが行われているものとする。
なお、表示部22は、7セグメントのLEDに限らず、少なくとも複数(例えば、6桁)の数字列が表示可能に構成されていれば良く、例えば、ドットマトリクス表示装置、液晶表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置などにより構成されていてもよい。
また、入力ボタン21もプッシュボタンに限らず、少なくとも数値の入力が可能なタッチパネルなどにより構成されていてもよい。
図3は、施解錠装置20を戸先側から見た側面図であり、同図(a)は外観図であり、同図(b)、(c)は施解錠装置20の内部の構成を透過して示す一方、本実施形態の主要な構成以外は図示と説明を省略している。
同図(a)に示すように、錠ケース30は、箱型に形成されて扉18の戸先側の内部に収納されている。そして、錠ケース30の内部に、ラッチボルト27と、デッドボルト26が少なくとも配置されている。ラッチボルト27は、例えば不図示のロックプレートなどを介して少なくとも室内側ハンドル25と常時連結しており、室内側ハンドル25の揺動(回動の意を含む)に連動してラッチボルト27が、扉枠50に設けられたストライクボックス55(図2(a)参照)に対して進退する。ロックプレートは、室内側ハンドル25からラッチボルト27に向けた力の伝達に寄与するものである。
デッドボルト26は、シリンダー錠28にメカキーを差し込んだ場合、あるいはサムターン29のつまみを回転させた場合に、扉枠50に設けられたストライクボックス55(図2(a)参照)に対して進退する。
同図(b)、(c)に示すように本実施形態の施解錠装置20は、切替手段35を備える。上述のように、切替手段35は、所定の暗証番号を用いて電気的に解錠する第一の施解錠モードと、一時的に利用可能な認証情報を用いて電気的に解錠する第二の施解錠モードと、物理的な鍵を用いて直接施解錠する第三の施解錠モードと、を切替可能に構成されており、施解錠装置20の解錠を認証を許可する認証許可手段でもある。
切替手段35は、扉18をその厚みD方向に貫通する角軸32の室外側の端部と室外側ハンドル24とを連結状態と非連結状態との間で切り替えるクラッチ(連結手段)である。すなわち、クラッチ35は、モータなどの駆動手段によって角軸32の軸方向に移動(進退)可能に構成されており、同図(b)に示すようにクラッチ35が室内側に後退すると室外側ハンドル24と非連結となる。この状態(クラッチ35が室外側ハンドル24と非連結の状態)はクラッチがオフの状態であり、室外側ハンドル24を揺動させても空転し、ラッチボルト27を進退させることができない。なお、室内側ハンドル25は、角軸32と常時連結しており、角軸32は、ラッチボルト27と連結している。これにより、室内側ハンドル25の揺動と連動してラッチボルト27がストライクボックス55に対して進退する。
一方、同図(c)に示すように、クラッチ35が室内外側に突出(進出)すると室外側ハンドル24と連結状態となる。この状態はクラッチがオンの状態であり、室内側ハンドル25および室外側ハンドル24のいずれであっても揺動によってラッチボルト27を進退させることができる。
本実施形態の施解錠装置20は、原状回復モードまたはセルフ内覧モードの設定中には、クラッチ35がデッドボルト26による施錠を無効にしてラッチボルト27による施錠を行う。
一方、第三の施解錠モード(入居時の施解錠モード)の設定中にはクラッチ35が、室外側ハンドル24と、ラッチボルト27とを連結状態とし、デッドボルト26による施錠を行う。
<セルフ内覧の流れ>
図4および図5を参照して、上記の施解錠装置20を用いたセルフ内覧の流れについて説明する。図4は、セルフ内覧における情報の流れおよび施解錠装置20の状態を示した概要図である。同図(a)は、セルフ内覧の予約からセルフ内覧前の状態を示す図であり、同図(b)は、セルフ内覧の当日における入室までの状態を示す図であり、同図(c)は、セルフ内覧の当日で退室後の状態を示す図である。また、図5は、セルフ内覧の流れを示すタイミングチャートである。
図4(a)、図5(a)に示すように、セルフ内覧を希望する内覧者13は、ユーザ端末(携帯端末17)からネットワーク16を介して管理者12のセルフ内覧予約サイト15A(予約受付手段)にアクセスし、当該サイトの入力要求に応じて、セルフ内覧を希望する「物件」、「部屋番号」、「セルフ内覧の希望時間帯(1時間限定)」を予約する。また、合わせて内覧者を特定可能な個人認証情報を登録する。個人認証情報の一例としては、「氏名」、「メールアドレス」、「年齢」、「電話番号(連絡先)」などを含み、また「なりすまし」等を防止するために「運転免許証」や「保険証」などの番号(記号)などを含むことが望ましい。
内覧者13による予約が決定すると(例えば、セルフ内覧サイト15A内の「決定ボタン」の操作などがあると)、内覧の予約が確定し、登録された内覧者13のメールアドレス宛に「予約(受付)番号(予約番号付きURL)」および「セルフ内覧の方法および注意事項」などが記載されたメールが送信される。「セルフ内覧の方法および注意事項」には、図4(b)、図5(b)に示す施解錠装置20の解錠方法等が詳細に説明されている。
図4(b)、図5(b)に示すように、内覧者13は、予約した内覧当日の予約時間に、直接、物件11に赴き、施解錠装置20を解錠するために「問い合わせ番号(例えば、4桁の数字列)」を取得する。すなわち、「問い合わせ番号」取得のための施解錠装置20の入力ボタン21の所定の操作(例えば、スタートボタン21Aの操作(図2参照))を行い、施解錠装置20の表示部22に「問い合わせ番号」を表示させる。なお、「問い合わせ番号」取得のための施解錠装置20の入力ボタン21の操作などは、例えば、上記の予約確定時のメールに記載されている(以下の入力ボタン21の操作についても同様である)。
ここで、「問い合わせ番号」は、実際に施解錠装置20を解錠する「解錠番号」と1対1の組み合わせで、複数(例えば、1万通り)準備され、認証情報テーブル(第1の認証情報生成手段)として施解錠装置20のメモリに記憶されている。また、同じ認証情報テーブル(第2の認証情報生成手段)が、管理装置15の記憶手段にも記憶されている。管理装置15は複数の物件11を管理するため、認証情報テーブルは物件11(施解錠装置20)毎に複数設けることが望ましく、その場合は住所や部屋番号等によって認証情報テーブルを識別する。また、認証情報テーブルの「問い合わせ番号」と「解錠番号」の組み合わせ数が多い場合は、複数の物件11で共通の認証情報テーブルであってもよい。また、施解錠装置20のメモリに記憶されている認証情報テーブルと、管理装置15で記憶する認証情報テーブルとが常に対応付けられていることを前提として、その組み合わせや番号(ここでは4桁の数字列)が適宜変更可能(更新可能)なものであってもよい。
そして内覧者13は、所持している携帯端末17から管理者のセルフ内覧予約サイトにアクセスして施解錠装置20を解錠するための「解錠番号」を取得する。すなわち携帯端末17(の制御手段)は、管理装置15に対して、携帯端末17の表示手段に「解錠番号」を取得するためのセルフ内覧予約サイト15A(の入力フォーム)を表示させる要求を送信し、表示されたセルフ内覧予約サイト15Aに登録済みの個人認証情報を入力、送信して認証を受ける(ログインする)。内覧者13の認証が正常に行われると、管理装置15は内覧者13の携帯端末17に対して、セルフ内覧予約サイト15Aのページ上で、予約確定時に通知された「予約番号」、内覧の予約を登録した「部屋番号」および、施解錠装置20の表示部22に表示された「問い合わせ番号」の入力を要求する。内覧者13は、携帯端末17の入力手段(例えば、タッチパネルなど)を操作して、管理装置15の要求に応じて、セルフ内覧予約サイト15Aの入力フォームに「予約番号」、「部屋番号」および「問い合わせ番号」を入力し、例えば、入力完了ボタンや送信ボタンの操作などを行って、携帯端末17の送信手段(通信手段)を介して、管理装置15に各データを送信する(携帯端末17は、個人認証情報および「問い合わせ番号」を管理装置15に送信し、「解錠番号」の取得(送信)要求を行う)。
一方、管理装置15(セルフ内覧予約サイト15A)では、携帯端末17から入力された「予約番号」、「部屋番号」および「問い合わせ番号」が正しいと判断した場合は、認証情報生成手段15Bが施解錠装置20を解錠するための認証情報(第2の認証情報)を生成する。すなわち、管理装置15は、記憶手段に記憶された物件11に対応する認証情報テーブル(第2の認証情報生成手段)を参照して、入力された「問い合わせ番号」に1対1で紐付けされた「解錠番号」を決定する。そして認証情報送信手段15Cが内覧者13の所持する携帯端末17に向けて「解除番号」を送信する。この例では、認証情報送信手段15Cがセルフ内覧予約サイト15Aを介して「解除番号」を携帯端末17に向けて送信(通知)する。
施解錠装置20の入力ボタン21の操作によって表示される表示される「問い合わせ番号」は、内覧の予約毎にランダムに抽出され、次の同物件11の内覧時には別の「問い合わせ番号」が表示される。すなわち、「問い合わせ番号」は期限付きのワンタイムパスワード(第1のワンタイムパスワード)である。また、「問い合わせ番号」に1対1で紐付けられている「解錠番号」も、内覧の予約毎に(「問い合わせ番号」に基づいて)ランダムに抽出され、次の同物件11の内覧時には別の「解錠番号」が決定されるものであり、これも期限付きのワンタイムパスワード(第2のワンタイムパスワード)である。
このように、本実施形態では、施解錠装置20と管理装置15に同じ認証情報テーブルを記憶させることで、施解錠装置20(の第1の認証情報生成手段)がランダムに表示した「問い合わせ番号」を内覧者13の操作によって携帯端末17から管理装置15に送信し、「問い合わせ番号」に1対1で対応する「解錠番号」を管理装置15(の第2の認証情報生成手段)が決定し、管理装置15と携帯端末17間の通信によって(セルフ内覧予約サイト15Aを介して)内覧者13に「解錠番号」を通知するものである。すなわち、例えるならば、「山」の問い合わせに対して「川」と返答するような暗号方式を採用するとともに、「山」およびそれに対応する「川」がそれぞれワンタイムパスワードとなっているものである。
内覧者13は、携帯端末17に表示させたセルフ内覧予約サイト15A上で通知された「解錠番号」を取得する。すなわち、携帯端末17の表示部にセルフ内覧予約サイト15Aを表示させることによって「解錠番号」を取得する。
そして内覧者13は,施解錠装置20の入力ボタン21を操作して、「解錠番号」を入力する。例えば、スタートボタン21Aの操作を行った後に、番号入力ボタン21B,21Cおよび決定ボタン21Dを順次操作して(図2参照)、「解錠番号」を入力する。入力された「解錠番号」が正しい場合、施解錠装置20が解錠されて内覧が開始可能となる。
また、本実施形態では、例えると「山(問い合わせ番号)」と「川(解錠番号)」を対応付けたテーブル(認証情報テーブル)を有する構成を説明したが、「解錠番号(第2のワンタイムパスワード)」は、「問い合わせ番号(第1のワンタイムパスワード)」に基づいて生成されるものであればよく、例えば、第1のワンタイムパスワードに随時変更される何らかの演算処理(随時変わる)を施して第2のワンタイムパスワードを生成するようにしてもよい。
内覧中は、扉18の閉鎖によって施解錠装置20は自動で施錠(オートロック)される。この場合、室内側からは施解錠装置20のハンドル24の操作で解錠され、室外側からは最初の入室時に使用した「解錠番号」で解錠可能となる。あるいは、内覧中は、オートロックとならなくてもよい。
図4(c)および図5(c)に示すように、セルフ内覧の時間はそれぞれの予約毎に一定時間(例えば、30分)とし、内覧の予約時に決められた終了時間が経過した場合は、管理装置15から内覧の終了を報知するメールを自動送信する。また、施解錠装置20は、内蔵のタイマによって「解錠番号」によって解錠された時刻を検出してメモリに記憶し、最初の解錠から所定時間(例えば、25分)が経過した後は、「解錠番号」を無効にし、施解錠装置20を施錠する。
すなわち、施解錠装置20が、内覧中であっても扉18の閉鎖によってオートロックで施錠される構成の場合には、内覧中に使用されていた「解錠番号」を無効とし、扉18が閉鎖状態のままであっても(一旦開放されて閉鎖された状態でなくても)施解錠装置20を自動で施錠する。また、施解錠装置20が、内覧中には扉18が閉鎖されてもオートロックで施錠されない構成の場合には、最初の解錠から所定時間(例えば、25分)が経過した後にオートロックモードに切り替えるとともに、内覧開始時に使用した「解錠番号」を無効とする。
いずれの場合も、室内に内覧者13が残っていても最初の解錠から所定時間(例えば、25分)が経過した後に、扉18の開閉によらず施解錠装置20が自動で施錠されるが、室内側からであれば、施解錠装置20のハンドル24の操作によって、解錠が可能となるので、閉じ込め等の問題は生じない。
また、セルフ内覧の有効時間内に(内覧可能な時間を残して)内覧者13が退室した場合であっても、最初の解錠から所定時間(例えば、25分)が経過した後にオートロックモードに切り替えるとともに、内覧開始時に使用した「解錠番号」を無効とするため、管理者12において、内覧者13が退室する際の施解錠装置20の管理(施錠し忘れがないか、などの管理)が不要となる。
<物件管理システムの流れ>
次に、図6を参照して、本実施形態の物件管理システム10の全体の流れについて説明する。同図は、施解錠装置20の各施解錠モードおよび施解錠装置20の状態に対応した物件管理システム10の処理の流れを示すタイミングチャートである。
同図の左欄に示すように、本実施形態の物件管理システム10における施解錠装置20の状態としては、大きく、入居者が確定していない状態の「空室モード(第一のモード)」と入居者が確定(契約済み)の状態である「入居モード(第二のモード)」に分類される。
「入居モード」は、クラッチ35が室外側ハンドル24と連結(クラッチ35がオン)することにより施解錠装置20を機械錠として機能させる状態(第三の施解錠モード)である。一方、「空室モード」は、クラッチ35が室外側ハンドル24と非連結(クラッチ35がオフ)となることにより施解錠装置20を電気錠として機能させる状態であり、原状回復モード(第一の施解錠モード)およびセルフ内覧モード(第二の施解錠モード)は「空室モード」に含まれる。また、施解錠装置20の取り付けは当然、入居者がいない状態で行うため、「空室モード」である。また、この例では、入居契約が済んだ状態でも、メカキーの使用を開始するまで(入居モードの設定が完了するまで)は、「空室モード」とする。なお、従来どおり管理者12の立会いの下の内覧(通常内覧)も可能であり、その場合は、管理者12が、業者向けの「暗証番号」の入力によって施解錠を行う。このため、通常内覧も原状回復モードとして「空室モード」に含めて記載している。
また、図の上端左側には、施解錠装置20の状態(図では「セルフ内覧ロック」と記載)として、「メカキー状態」、「ワンタイムパス機能」、「専用固定番号」、「タイマー1〜3」を示している。「メカキー状態」は、デッドボルト26の状態を示し、「解錠」は、デッドボルト26が扉18側に退行した状態であって、機械錠としての機能が無効(デッドボルト26での施錠が無効)であることを意味する。また、デッドボルト26がストライクボックス55に進入し、扉18と係合した状態であって、機械錠としての機能が有効(デッドボルト26での施錠が有効)であることを意味する(デッドボルト26の状態については後に詳述する)。
「ワンタイムパス機能」は、「ON」の場合には、セルフ内覧モードに設定可能な状態(期間)であることを示し、「専用固定番号」は、原状回復モードに設定可能な状態(期間)であることを示す。
まず、既存の玄関錠が取り付けられている物件11に施解錠装置20を新たに取り付ける場合、管理者12にて、工場出荷時設定(「空室モード(原状回復モード)」、「暗証番号」:0000)から初期設定(「空室モード(原状回復モード)」、任意の「暗証番号」の設定)に設定を変更する(1)。原状回復モード時に解錠するための「暗証番号」の設定は、例えば、クラッチ35がオフの状態(メカキーでデッドボルト26を解錠し、扉18を開放した状態)で、室内側ハンドル25を押し下げながら、施解錠装置20のスタートボタン21Aを長押しする。これにより「暗証番号」の設定を受け付ける状態となるので、室内側ハンドル25から手を離し、番号ボタン21C,21Dを操作して任意の「暗証番号」を設定する。なお、管理者12、内覧者13(入居者)および業者14が行う各機能の具体的な設定方法(施解錠装置20の操作方法)は一例であり、ここに記載した方法に限らない(以下の設定方法(操作方法)についても同様である)。
次に、原状回復モードの設定を行うため、例えば、クラッチ35がオフの状態で、室内側ハンドル25を押し下げながら、施解錠装置20のスタートボタン21Aを長押しする。これにより原状回復モードの設定を受け付ける状態となるので、番号ボタン21C、21Dを操作して例えば、第6桁に「0」を表示し、決定ボタン21Bおよびスタートボタン21Aを操作する。
これにより、原状回復モードが設定中となり、原状回復作業を行う業者14は、管理者12から設定された「暗証番号」の通知を受け、当該「暗証番号」を入力することによって施解錠装置20の解錠が可能となる(2)。原状回復モードではオートロックが設定され、扉18が閉鎖すると自動で施解錠装置20が施錠するが(3)、「暗証番号」は、次に「暗証番号」の設定が行われるまで有効である。また、「暗証番号」には、有効期間のタイマーは設定されない。
セルフ内覧を希望する者(内覧者13)は、既述のように管理者12の管理装置15のセルフ内覧予約サイト15Aにアクセスし、所定の事項を登録する(4)。予約が確定すると、セルフ内覧予約サイト15Aから内覧者13の携帯端末17に仮予約番号が通知され(5)、管理者12(管理装置15に接続する管理者端末など)にも同じ仮予約番号が通知される(6)。
不動産会社(物件11の所有者)では、セルフ内覧を希望する内覧者13の審査を行う(7)。審査を通過すると、本予約となり、内覧者13に正式な内覧の予約番号とパスワードが通知される(8)。
内覧者13は、セルフ内覧の当日、予約した時刻に物件11に赴き(9)、携帯端末17からセルフ内覧予約サイト15Aにログインする(10)。そしてログインした状態で、施解錠装置20の入力ボタン21を使用して所定の操作(例えば、スタートボタン21Aを操作した後、決定ボタン21Bを操作)を行うと(11)、施解錠装置20は施解錠装置20の表示部22に「問い合わせ番号」を表示する(12)。
施解錠装置20は、「問い合わせ番号」の表示を開始してからタイマー1によって「問い合わせ番号」の有効期間をカウントする。「問い合わせ番号」の有効期間は例えば5分であり、5分を経過すると、その「問い合わせ番号」は無効となり、当該「問い合わせ番号(例えば「山」)」に1対1で紐付けられた「解除番号(例えば、「山」に紐付けられた「川」)」も無効となる。
内覧者13が「問い合わせ番号」の有効期間内に、セルフ内覧予約サイト15Aに「部屋番号」および「問い合わせ番号」を入力すると(13)、セルフ内覧予約サイト15Aは、内覧者13のログイン情報(個人認証情報)、「部屋番号」および「問い合わせ番号」に基づき(これらが全て正しい場合に)「問い合わせ番号」に紐付けられた「解除番号」をセルフ内覧予約サイト15A上に表示する(14)。
内覧者13が施解錠装置20の入力ボタン21を使用して正しい「解錠番号」を入力することにより、施解錠装置20は解錠し、入室が可能となる(15)。また、これにより、原状回復モードが自動でセルフ内覧モードに切り替わる(原状回復モードがオフ、セルフ内覧モードがオン)。このタイミングで、施解錠装置20は、タイマー2(入力後クラッチタイマー(例えば、10秒))をカウントする。また、「解除番号」の入力を開始したタイミングで、タイマー3によって「解除番号」の有効期間(例えば、25分)をカウントする。
予約されたセルフ内覧時間の終了時には、内覧者13のログインが管理装置15にて確認されていることを条件として、セルフ内覧の終了を報知するとともに内覧のお礼を述べるメールを管理装置15から内覧者13の携帯端末17に自動送信する(16)。
内覧者13が退室すると(あるいは、タイマー3の「解除番号」の有効期間(例えば、25分)が経過すると)、施解錠装置20は自動で施錠を行う(17)。タイマー3の「解除番号」の有効期間が経過すると、セルフ内覧モードはオフとなり、自動的に原状回復モードがオンとなる。
また、例えば、不動産会社(または管理者12)を伴った通常内覧を行う場合、内覧者13は管理者12とともに物件11に赴き、管理者12は、原状復帰作業の業者向けに設定した「暗証番号」で施解錠装置20を解錠する(18)。この場合、退室後はオートロックで施錠される(19)。
当該物件11について入居の契約があると(20)、不動産会社(または管理者12)は、該当物件11に赴き、施解錠装置20を操作して、入居モードの設定を行うための暗証番号(「電気錠解除暗証番号」)を取得する。すなわち、原状回復モードがオンの状態で、例えば、番号ボタン21C、21Dを操作して、例えば表示部22の第6桁に「1」を表示させ、決定ボタン21Bを操作する。これにより、施解錠装置20は所定時間(例えば、10秒間)、「電気錠解除暗証番号」を表示部22に表示する。管理者12は、引き続き施解錠装置20を操作して、入居モードを設定する。すなわち、スタートボタン21を操作し、その後番号ボタン21C、21Dを操作して例えば、第5桁に「2」を表示し、決定ボタン21Bを操作し、「電気錠解除暗証番号」を入力する。「電気錠解除暗証番号」が正しい場合は、施解錠装置20は同時にセルフ内覧モードをオフ、原状回復モードをオフに設定する。また、施解錠装置20は、クラッチ35を駆動して室外側ハンドル24と連結させる。これにより、施解錠装置20は機械錠として機能し、室外側ハンドル24または室内側ハンドル25を押し下げるように揺動させるとの操作でラッチボルト27が後退し、以後メカキーによってデッドボルト26を進退させることで施錠(本締め)および解錠を行い、ラッチボルト27で仮締めを行うようになる。また、管理者12は施解錠装置20の電源23を取り外し、保管する(21)。
入居者は、入居日に不動産会社に赴き(22)、メカキーを受け取り(23)、メカキーで施解錠装置20を解錠して入居する。以降、退去するまでメカキーによってデッドボルト26を進退させることで施解錠を行う。施解錠装置20は電源23で駆動しないため、原状回復モードおよびセルフ内覧モードが(誤って)設定されることはない。
また、入居者の契約が終了し退去し(24)、メカキーが返却された場合(25)には、管理者12は、物件11に赴き、施解錠装置20のシリンダー錠28を新しい入居者用に設定(キーチェンジ)する(26)。シリンダー錠28は、例えば、管理者12が保有するチェンジキー(親鍵)と入居者が使用する予定の子鍵(新たなメカキー)を用いてシリンダー錠28のギア部のかみ合い位置を変えることでキーチェンジが可能となるように構成され、入居者が変わった場合であってもシリンダー錠28の交換は不要である。
また、施解錠装置20に電源23をセットし、原状回復モードに設定を切り替える。管理者12は、新たなメカキーでデッドボルト26を解錠し(後退させ)、扉18を開放した状態で、例えば番号ボタン21C、21Dを同時に長押しする。これにより、クラッチ35が10秒間オフ(室外側ハンドル24と非連結状態)となる。クラッチ35がオフとなっている期間中に、室内側ハンドル25を押し下げながら、施解錠装置20のスタートボタン21を長押しし、上述の原状回復モードの設定(2)を実行する。これにより、原状回復モードがオンとなり(27)、以降、クラッチ35はオフ(室外側ハンドル24と非連結状態)が維持される。
このように本実施形態の物件管理システム10は、原状回復モードの設定中に施解錠装置20の入力ボタン21の操作によって「解錠番号」の入力を受け付けた場合は、自動でセルフ内覧モードに切り替えるとともに、施解錠装置20を解錠する。また、セルフ内覧モードの設定中に、正しい「解錠番号」の入力を受け付けた場合は、施解錠装置20を解錠する。
「解錠番号」(およびこれを生成するための「問い合わせ番号」)は、いずれもワンタイムパスワードとなっており、所定時間(例えば、「問い合わせ番号」は表示部22への表示から5分、「解錠番号」は最初の入力ボタン21による操作から25分など)が経過すると無効となる。また、セルフ内覧モードでは、施解錠装置20はオートロックモードとなる。これにより、セルフ内覧が終了した後は、所定時間の経過後に自動的に「暗証番号」でのみ解錠できるモード、すなわち原状回復モードに切り替わる。
さらに、入居者が決定した後は、「電気錠解除暗証番号」を施解錠装置20に入力することで、原状回復モードとセルフ内覧モードが無効となり(更に電源23を取り外す)、入居モードに切り替わる。
このような構成によれば、施解錠装置20(玄関錠)は、通信機能を内蔵する必要がなく、また、物件に通信設備を取り付ける必要もないため、費用の増加を抑えて、既存の物件をセルフ内覧の対象物件とすることができる。
また例えば、通信機能を持たない従来の空室管理用の錠としては、入居時に使用する玄関錠は常時解錠状態としておき、扉18と扉枠50の間に金具を通し、その金具に補助的な錠を取り付けて扉の開閉制御を行うものなどが存在するが、このような補助的な錠は、入居開始時・退去時に錠の取り付けや取り外しの作業が避けられない。このため、物件11の管理者12の担当者が物件11へ出動したり、取り外した錠の管理が必要になる等の手間が掛かっていた。
本実施形態の施解錠装置20は、一度取り付けた後は、入居開始時・退去時取り付け・取り外しの手間が発生しない。
また、入居が決まった後も、施解錠装置20の解錠方法がセルフ内覧モードや原状回復モードと同様の場合、一旦使用されたセルフ内覧モードの「解錠番号」や、原状回復モードの「暗証番号」などで住居内に侵入されるなど、悪用されるおそれがある。
本実施形態によれば、セルフ内覧モードおよび原状回復モードでは、施解錠装置20は「解錠番号」や「暗証番号」によって解錠する電気錠として機能させ、入居モードでは、電気錠の機能を無効としてメカキーを用いた機械錠として機能させることによって、入居者のセキュリティを十分に確保することができる。
<施解錠装置の取付け方法>
図7を参照して、本実施形態の施解錠装置20の取付け方法について説明する。
同図(a)は、従来公知の玄関錠の構成を示す分解斜視図であり、同図(b)は本実施形態の施解錠装置20の構成を示す分解斜視図である。
本実施形態の施解錠装置20は、セルフ内覧の対象となっていない既存の物件に取り付けられている同図(a)に示すような従来公知の玄関錠60の一部を交換するのみで、当該物件をセルフ内覧の対象物件(セルフ内覧が可能な物件)とすることができる。
同図(a)に示すように玄関錠60は、室内側ハンドル25、ハンドル固定ねじ251、丸座カバー252、丸座固定ねじ253、室内側丸座254を少なくとも含む室内側ハンドルセット250と、デッドボルト26およびラッチボルト27を内蔵する錠ケース30と、室内側に設けられたサムターン(ここでは不図示)と、シリンダー錠28と、室外側ハンドル40、室外側ハンドル40に連結する角軸401、室外側丸座402とを少なくとも含む室外側ハンドルセット400を有している。
これに対し本実施形態の施解錠装置20は、同図(b)に示すように、ケース体31、電源23、入力ボタン21、表示部22のほか、ここでは不図示のクラッチ35、クラッチ35の駆動手段、制御用のIC(制御部)や、クラッチ35と連結する角軸32などを含む室外側施解錠機構240と、同図(a)に示すものと同様の室内側ハンドルセット250により構成される。すなわち、同図(a)の室外側ハンドルセット400を、室外側施解錠機構240に交換するのみで、既存の(同図(a)の)室内側ハンドルセット250をそのまま利用して、上述のセルフ内覧が可能な施解錠装置20を実現できる。
管理者12が管理する、セルフ内覧の対象となっていない既存の物件について、セルフ内覧の対象物件とするために、例えば無線機能を備えた玄関錠等に変更する場合、玄関扉の加工工事をはじめ、室内側ハンドルセット250、室外側ハンドルセット400、錠ケース30、シリンダー錠28、サムターン29の全ての交換が必要となる。また、これらの交換によって、入居者が使用する鍵の運用も変更する場合も多くあり、大きな労力、時間およびコストがかかる問題がある。
しかしながら、本実施形態の施解錠装置20によれば、室外側ハンドルセット400を、室外側施解錠機構240に交換するのみでよい。また、シリンダー錠28およびサムターン29の交換は不要であるため、入居者が使用する鍵の運用も変更する必要が無く(既存の機械錠としての利用が可能である)セルフ内覧の対象物件とするためのコストや労力を最小限に抑えることができる。
なお、上記の実施形態では、室内側ハンドルセット250は既設のものを使用する例を説明したが、室外側施解錠機構240への交換と合わせて、室外側施解錠機構240により適合する室内側ハンドルセット250に交換することで、様々な扉18に適用可能となり汎用性が高まる。
<施解錠装置の動作>
次に、図8を参照して、施解錠装置20の各施解錠モードにおける動作について説明する。図8は、施解錠装置20の主要な構成を示す概略図であり、同図(a)が原状回復モード設定中またはセルフ内覧モード設定中における施錠状態を示す図であり、同図(b)が原状回復モード設定中またはセルフ内覧モード設定中に解錠する状態を示す図であり、同図(c)が入居モード設定中における施錠状態を示す図でる。また各図の左図が戸先側から見た側面図、中図および右図が室外側から見た正面図である。
同図(a)左図に示すように、原状回復モード(第一の施解錠モード)またはセルフ内覧モード(第二の施解錠モード)の設定中の施錠状態では、クラッチ35が室内側(図示の左側)に後退しており、クラッチ35と室外側ハンドル24とが非連結の状態となっている。クラッチ35は、扉18をその厚みD方向に貫通する角軸32の室外側の端部に設けられ、角軸32の室内側の端部は室内側ハンドル25と常時連結している。ラッチボルト27は、角軸32と連結しているため、室内側ハンドル25の操作(揺動)によって扉枠50(ストライクボックス55)に対して進退可能となっている。
同図(a)中図に示すように、施解錠装置20の施錠状態では、ラッチボルト27がストライクボックス55に進入して扉枠50に対して係合状態となる一方で、デッドボルト26はストライクボックス55に進入せずに扉側18に後退し、扉枠50に対して非係合状態(解錠状態)となっている。
すなわち、原状回復モードまたはセルフ内覧モードの設定中においては、ラッチボルト27によって施錠され、デッドボルト26による施錠は無効となっている。
この状態では、同図(a)左図に示すように、室外側ハンドル24は、ラッチボルト27と非連結状態となってるため、同図(a)右図に示すように、室外側ハンドル24を操作(揺動)しても空転し、角軸32に連結したラッチボルト27を進退させることはできない。
同図(b)に示すように、原状回復モードまたはセルフ内覧モードの設定中に解錠する場合は、入力ボタン21を操作し、原状回復作業を行う業者14(または管理者12)にあっては(原状回復モードに設定中の場合には)、予め通知されている専用且つ固定の「暗証番号」を入力し、セルフ内覧を希望する内覧者13にあっては(セルフ内覧モードに設定中の場合には)、「解除番号(第1のワンタイムパスワード(問い合わせ番号)に基づいて取得した第2のワンタイムパスワード)」を入力する。
入力された「暗証番号」または「解除番号」が正しい場合、施解錠装置20の制御部(不図示)は、クラッチ35を室外側に突出するように駆動し、室外側ハンドル24と一時的に連結させる(同図(b)左図)。
これにより、角軸32と室外側ハンドル24も連結するため、同図(b)右図に示すように室外側ハンドル24を下方向に揺動させると、これに連動してラッチボルト27がストライクボックス55から退行し(引き込まれ)、扉枠50に対しする係合状態が解除されて、室外の方向に開動して玄関口を開放することができる。
扉18を開放状態から閉鎖状態とすると、ラッチボルト27がストライクボックス55に進入し、扉枠50に対して係合状態となることにより、施錠される。また、ラッチボルト27がストライクボックス55に進入したことに伴い、クラッチ35が室内側に後退し、クラッチ35(角軸32)と室外側ハンドル24が非連結状態となる。すなわち、扉18の閉鎖により自動的に施錠状態となり(扉18の閉鎖によるオートロック)、室外側ハンドル24の操作では解錠されず、扉18は開かない。
あるいは、扉18の閉鎖によるオートロックではなく、タイマーによるオートロックとしてもよい。すなわち、扉18を開放状態から閉鎖状態とするとラッチボルト27がストライクボックス55に進入し、扉枠50に対して係合状態となり施錠される点は同様であるが、この時点ではクラッチ35が室内側に後退せず、クラッチ35(角軸32)と室外側ハンドル24の連結状態が維持されてもよい。この場合、施解錠装置20に内蔵されたタイマーによって有効期間が計時され(例えば、最初の解錠から25分など)、有効期間が終了した場合に、クラッチ35が室内側に後退し、クラッチ35(角軸32)と室外側ハンドル24が非連結状態となるようにしてもよい。
いずれの場合も、室内に人が残っていても自動で施錠されるが、室内側ハンドル25は常時ラッチボルト27と連結しているため、室内側ハンドル25の操作(室内側ハンドル25を下方向に揺動させる)これに連動してラッチボルト27がストライクボックス55から扉18側に退行し、扉枠50に対する係合状態が解除されて、室外の方向に開動して玄関口を開放することができる。
入居モードでは、同図(c)に示すように、デッドボルト26による施錠を行う。まず、入居者は契約後最初の入居時に、原状回復モード(またはセルフ内覧モード)から入居モード(第三の施解錠モード)に切り替える。すなわち、入居者は、契約の際に管理者12から入居モードに設定するための「電気錠無効暗証番号」を受け取り、施解錠装置20の入力ボタン21を操作して「電気錠無効暗証番号」を入力する。適切な「電気錠無効暗証番号」が入力されると、施解錠装置20の制御部は、クラッチ35を室外側に進出するように駆動させ、角軸32と室外側ハンドル24を連結させる(同図(c)左図)。入居モードでは、退去時の特別な操作をするまでは、クラッチ35と室外側ハンドル24の連結が維持されるため、室外側ハンドル24が空転する状態にはならない。
またこれと同時に、原状回復モードとセルフ内覧モードは自動で無効となる。これにより、室内側ハンドル25と室外側ハンドル24が常時、角軸32を介してラッチボルト27と連結するため、室内側ハンドル25と室外側ハンドル24のいずれを操作してもラッチボルト27をストライクボックス55から進退可能にすることができる。すなわち、入居モードでは、ラッチボルト27は扉18が風などであおられないように仮締めとして機能する。
入居者は、室外側からはメカキーを用いてシリンダー錠28を操作し、または室内側からはサムターンを操作し、デッドボルト26をストライクボックス55に対して進退させることにより、施解錠を行う。つまり、入居モードでは、クラッチ35が室外側ハンドル24とラッチボルト27を連結させることによって、従来既知の機械錠として機能し、施解錠装置20はデッドボルト26によって施解錠を行う。
このように、本実施形態の施解錠装置20は、既設の物件11の室外側ハンドルセット400を室外側施解錠機構240に交換するのみで(室内側ハンドルセット250、シリンダー錠28およびサムターン29などはそのまま使用を継続して)セルフ内覧の対象物件とすることができる。また、施解錠装置20や物件11に通信装置を備える必要も無いため、セルフ内覧の対象物件とする際のコストや労力を最小限に抑えることができる。
また、不特定多数の者が入室するセルフ内覧モードや原状回復モードでは、施解錠装置20を電気錠として機能させラッチボルト27で施解錠(オートロック)するため、内覧者や業者による施錠忘れを防止できるとともに、メカキーの複製等を作成される恐れも無く、入居時のシリンダー錠の交換等も不要となる。
一方で、入居者が決定後は、施解錠装置20を機械錠として機能させ(電気錠の解錠手段である「暗証番号」や「解除番号」などの使用を無効とし)、メカキーを用いてデッドボルト26で施解錠するため、住居内へ不法侵入や住居内の設備盗難等の犯罪が誘発されるおそれを回避でき、入居者の安全性を高めることができる。
<認証システム(認証方法)>
以上説明したように、本実施形態の施解錠装置20では、解錠に際し、第1の認証情報(暗号「山」に相当する「問い合わせ番号」)と、第2の認証情報(暗号「川」に相当する「解錠番号」)を用い、施解錠装置20の解錠者(利用者)に対して安全に第2の認証情報(「解錠番号」)を通知する認証システム(認証方法)が採用されている。
上記の実施形態では、セルフ内覧を行う物件管理システム10を例に説明したが、本実施形態の施解錠装置20(認証機器)において採用する認証システムは、入力手段(例えば、入力手段21)と、通知手段(例えば、表示手段22)と、認証許可手段を有する認証機器(例えば、施解錠装置20)と、認証情報生成手段(例えば、認証情報生成手段15B)を有する管理装置と(例えば、管理装置15)を備え、入力手段が利用者(解錠者、操作者)による操作を受け付け、通知手段が利用者による操作に基づき第一の認証情報(「問い合わせ番号」)を利用者(の携帯端末17)に通知し、認証情報生成手段が利用者から通知された第一の認証情報に基づき、前記利用者に通知する第二の認証情報(「解錠番号」)を生成し、認証許可手段(例えば、解錠の切替を行う切替手段35)が利用者による第二の認証情報の入力に基づき認証機器の認証を行うものであれば、上述の実施形態に記載したものに限らない。
また、本実施形態の施解錠装置20(認証機器)において採用する認証方法は、
認証機器が利用者による操作を受け付けるステップと、認証機器が第一の認証情報を利用者へ通知するステップと、認証機器の管理装置が、利用者から通知された第一の認証情報を受け付け、第一の認証情報に基づき、前記利用者に通知する第二の認証情報を生成するステップと、認証機器が、利用者による第二の認証情報の入力を受け付けて認証を行うステップと、を有するものであれば、上述の実施形態に記載したものに限らない。
これにより、一時的に利用可能となる第1の認証情報と第2の認証情報を用いた認証機器の認証が可能となる。具体的には、例えば利用者が、扉18等に取り付けられた認証機器(施解錠装置20)の入力ボタン21を操作すると、施解錠装置20は通知手段によって「問い合わせ番号(第1の認証情報)を利用者に通知する。通知手段による通知は、表示部22への表示や、利用者の携帯端末17への通信による通知など、その方式は問わない。利用者は、「問い合わせ番号」を施解錠装置20の管理者に通知する。この場合の通知は、利用者の端末装置17による管理者のサイトへのアクセス、管理者への電話、管理者へのメールなどその方式は問わない。管理者が、管理装置15に「問い合わせ番号」を入力すると、管理装置15(の認証情報生成手段15B)は、「問い合わせ番号」とに1対1で紐付けられている「解錠番号(第2の認証情報)」を生成(取得)し、利用者に通知する。この場合の通知も利用者の端末装置17による管理者のサイトへのアクセス、利用者への電話、利用者へのメールなどその方式は問わない。利用者が、通知された「解錠番号」を施解錠装置20の入力手段21から入力すると、施解錠装置20が認証を行い、認証許可手段(切替手段35)が解錠する。
このような施解錠装置20の解錠システム(解錠方法)によれば、施解錠装置20に利用者と通信するための通信機能を搭載する必要がなくなり、また施解錠装置20と通信するための例えば無線通信機器などの設置が不要となる。
また、第1の認証情報と第2の認証情報は一時的に利用可能な認証情報であり、利用者による第1の認証情報(問い合わせ番号)の通知に基づいて、施解錠装置20の管理者がこれに紐付けられた第2の認証情報(解錠番号)を利用者に通知するので、利用者に対して手間無く安全に、施解錠装置20の解錠番号を通知することができる。
また、利用者への物理的な鍵の受け渡しが不要となるので、鍵の紛失を防ぎ、鍵の受け渡しの手間や鍵の管理を省くことできる。
すなわち、本実施形態に係る認証システムおよび認証方法によれば、施解錠装置などの認証機器を利用する利用者に対し、認証機器の管理者が手間無く安全に認証情報を通知するとともに、認証機器の利用者および管理者の両者にとって手間無く安全に利用または管理が可能になる。
本発明に係る施解錠装置は、賃貸物件などに適用することができる。
10 物件管理システム
15 管理装置
15A 予約受付手段
15B 認証情報生成手段
16 ネットワーク
17 携帯端末
18 扉
20 施解錠装置
21 入力手段
22 表示手段
23 電源
24 室外側ハンドル
25 室内側ハンドル
26 デッドボルト
27 ラッチボルト
35 切替手段
35 クラッチ
240 室外側施解錠機構

Claims (6)

  1. 切替手段を備えた施解錠装置であって、
    前記切替手段は、
    所定の暗証番号、または一時的に利用可能な認証情報を用いて電気的に解錠する第一のモードと、
    物理的な鍵を用いて施解錠する第二のモードと、を切替可能である、
    ことを特徴とする施解錠装置。
  2. シリンダー錠と、
    前記シリンダー錠の操作によって進退するデッドボルトと、
    少なくとも室内側ハンドルに連結し、該室内側ハンドルの操作によって進退するラッチボルトを備え、
    前記第一のモードの設定中には前記デッドボルトによる施錠を無効にして前記ラッチボルトによる施錠を行い、
    前記第二のモードの設定中には前記デッドボルトによる施錠を行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の施解錠装置。
  3. 室外側ハンドルを備え、
    前記切替手段は、
    前記第一のモードの設定中には前記室外側ハンドルと前記ラッチボルトを非連結状態とし、
    前記第二のモードの設定中には前記室外側ハンドルと前記ラッチボルトを連結状態とする、
    ことを特徴とする請求項2に記載の施解錠装置。
  4. 前記室外側ハンドルと、前記切替手段とを有する室外側施解錠機構を備え、
    前記第一のモードの設定中においては、前記切替手段が前記室外側施解錠機構を電気錠として機能させ、
    前記第二のモードの設定中においては、前記切替手段が前記室外側施解錠機構を機械錠として機能させる、
    ことを特徴とする請求項3に記載の施解錠装置。
  5. 前記室外側施解錠機構は、物件に既設の室外側ハンドルと交換して取り付けられる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の施解錠装置。
  6. 前記第一のモードの設定中にはオートロックで施錠される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の施解錠装置。
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