JP2018015212A - 脳波信号処理システム、脳波信号処理方法及びプログラム - Google Patents
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- Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
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Abstract
Description
さらに、この相互関係性を既知の情報として用いることにより、未知の状態にあるユーザの脳波から求めた脳波特徴量に基づき、ユーザの生理心理的状態を推定することが可能となる。
さらに、頭部に取り付けた電極間の相互関係性、例えば位相差または相関係数を脳波特徴量として加えると、電極の数をN個とし、周波数帯域の数をMとした場合、脳波特徴量の数はN×(N−1)/2×M個となる。
さらに、脳波の各々の周波帯域の信号により求められる関数や、得られた脳波特徴量の四則演算を行なうことで二次的な脳波特徴量を導出することもできる。
この結果、脳波特徴量の数は膨大となり、得られた脳波特徴量の中から、ユーザの生理心理的状態の変化に対応した脳波特徴量、例えば「快適さ」や「楽しさ」の生理心理的状態の変化に関係する脳波特徴量を探索するためは、探索における解析に多大な計算負荷を要する。
図1は、本発明の脳波信号処理システムの一実施形態であるユーザー状態推定装置の概略構成を示すブロック図である。ユーザー状態推定装置1は、コンピュータ10と、脳波計測部19と、表示装置18aと、スピーカ11aを備える。コンピュータ10は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置である。図1に示した例は、コンピュータ10の外部に表示装置18aとスピーカ11aを設けているが、コンピュータ10は表示装置18aおよびスピーカ11aを内蔵していてもよい。
また、図1に示した例において、刺激の提示としては、聴覚からの刺激として音を用いているが、静止画、動画、文章などの視覚からの刺激、あるいは触覚、嗅覚、味覚による刺激など音以外の刺激を用いても良い。
また、音、画像、臭いなどの外部刺激を用いるのではなく、ユーザーに所定の感情を想起したり、所定の場面を想像させるよう指示を与え、脳内における内部的な刺激状態に誘導してもよい。
図1に示した例は、脳波特徴量と刺激特徴量との相互関係度の指標として、相互情報量を用いているが、相関係数などの2変数間の関係性(関連性)の高さを示す他の指標を用いても良い。
同一の刺激に対する複数の脳波計測の対象ユーザーの各々の評価値を平均し、この平均した平均評価値を刺激特徴量として用いてもよい。また、脳波計測の対象ユーザー以外の、他のユーザーによる刺激に対する評価値を刺激特徴量として用いてもよい。
例えば、ユーザーに与えた刺激の各々に対して、それぞれ任意の番号を割り当てて、刺激を識別するようにしても良い。このとき、音楽のジャンル、画像の被写体の種類など、何らかの基準によって刺激をグループに分類し、分類したグループの各々に、それぞれのグループを識別するための番号を割り当て、同一グループの刺激の刺激特徴量は同一値としても良い。
刺激特徴量と脳波特徴量との間に線形的な関係が得られる場合には、相互情報量に代えて、刺激特徴量と脳波特徴量との相関係数を用いて、この相関係数の大きさにより、刺激特徴量の各々に対して関係性の強い脳波特徴量それぞれを特定し選択する構成としてもよい。
これにより、ユーザー状態推定部17は、刺激を受けた際のユーザーの脳波特徴量から、刺激よって生じるユーザーの心理状態を推定することができる。
また、表示部18は、脳波計測部19が測定した脳波波形、信号分離結果、特徴量算出部13が算出した脳波特徴量、相互情報量算出部15が算出した相互情報量、特徴量選択部16が選択した脳波特徴量に関する情報などの、原データや中間情報を表示してもよい。
本実施形態では、人間が聞いた際に与える印象が異なると考えられる、例えば曲調及び曲想の各々が異なる3種類の楽曲を、3回づつ、計9回提示した場合を例として説明する。しかし、すでに述べたように、刺激として音以外、すなわち聴覚以外の刺激を用いる構成としても良い。また、聴覚などの外部刺激のみでなく、ユーザーに対して特定の場面や感情を想起させるよう指示を与えて、内部刺激を与える構成としても良い。
刺激特徴量記憶部14には、ユーザーに対して提示される刺激(本実施形態においては聴覚の刺激)の刺激特徴量45が予め書き込まれて記憶されている。
本実施形態においては、独立成分の信号分離方法として、独立成分分析と周波数フィルタとを用いているが、これらに限るものではなく、独立成分分析の代わりに主成分分析などを用い、周波数フィルタの代わりにフーリエ変換などを用いた構成としてもよい。
図8(a)は、IC1アルファ波とIC1ベータ波との各々の脳波特徴量のグラフを示している。この脳波特徴量のグラフは、横軸が時間(図5に示す時間の区間「1」から区間「9」まで)を示しており、縦軸が時間の区間における信号波形の振幅を平均した平均振幅を示している。
本実施形態において、相互情報量算出部15は、例えば、音源番号と快適度とテンポと音量感とジャンルに対応して値が変動する特徴量を脳波特徴量44から特定する場合、5種類の刺激特徴量45と6種類の脳波特徴量44との各々の組合わせについて、脳波特徴量44をXとし、刺激特徴量45をYとして、(1)式により相互情報量46を算出する。
ユーザー状態推定部17は、特徴量選択部16が選択した脳波特徴量47、すなわち脳波信号の独立成分におけるIC1アルファ波振幅を、ユーザーの快適度及び楽曲のジャンルの推定の指標として用いる。
同様に、図10(b)は、刺激特徴量のジャンルと脳波特徴量のアルファ波振幅との対応関係を示している。図10(b)のグラフからは、アルファ波振幅(IC1アルファ波振幅)が大きい場合には、ユーザーが視聴している曲のジャンルがジャンル2であると推定できることが判る。この図10の関係から、アルファ波振幅(IC1アルファ波振幅)が大きいほど、ユーザーは快適な状態にあると推定され、アルファ波の振幅が予め設定した推定閾値を超える場合には、ユーザーはジャンル2の楽曲を聴取していると推定することができる。この推定閾値は、例えば、楽曲のジャンルに対する複数のユーザーのIC1アルファ波振幅を取得し、IC1アルファ波振幅の分散などから求める。
また、本実施形態によれば、上述した脳波推定データベース20を参照することにより、ユーザーが刺激特徴量が未知の楽曲を聴取している場合においても、ユーザー状態推定部17が特徴量算出部13において求められた脳波特徴量から、ユーザーの快適度と聴取している楽曲のジャンルを推定することができる。すなわち、本実施形態においては、脳波推定データベース20を設けて、ユーザーの刺激特徴量と脳波特徴量との関係を蓄積することにより、刺激特徴量記憶部14と相互情報量算出部15と特徴量選択部16との各々の処理を省略し、未知の楽曲に対するユーザーの快適度と聴取している楽曲のジャンルとの推定を行なうことができる。
ここで、信号分離部12が4種の楽曲を繰り返して連続聴取した際の脳波信号を19個の脳波電極22で計測し、計測した脳波信号に対して独立成分分析を用いて分離した19個の独立成分の各々のベータ波の振幅変化が図11に示されている。
この図14の結果から、図12に示す取得した楽曲による興奮度が大きい程、ユーザーのベータ波の振幅が大きく、興奮度が小さいほどベータ波の振幅が小さいことが判り、この独立成分「9」であるベータ波の振幅が興奮度の推定に利用できることが判る。
この図15の結果から、図12に示す取得した楽曲による興奮度と、ベータ波の振幅との関連性(相関する変化)が観察されないため、この独立成分「3」であるベータ波の振幅が興奮度の推定に利用できないことが判る。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせを含む。
11…刺激提示部
12…信号分離部
13…特徴量算出部
14…刺激特徴量記憶部
15…相互情報量算出部
16…特徴量選択部
17…ユーザー状態推定部
18…表示部
19…脳波計測部
20…脳波推定データベース
21…接地電極
22…脳波電極
24…増幅器
25…AD変換器
Claims (9)
- 与えられた刺激に対応して発生する脳波信号の特徴量である脳波特徴量、前記刺激の特徴量である刺激特徴量の関係性を求める脳波信号処理システムであって、
前記刺激に対応した前記脳波信号の前記脳波特徴量を求める特徴量算出部と、
前記刺激の前記刺激特徴量の各々と、前記脳波特徴量それぞれとの組合わせ毎に、当該組合わせの関連の度合を示す相互関連度を算出する相互関連度算出部と、
前記相互関連度が所定の閾値を超える、前記刺激特徴量と前記脳波特徴量との組合わせを抽出し、前記刺激特徴量に対して関連性の高い前記脳波特徴量を選択する特徴量選択部と
を備えることを特徴とする脳波信号処理システム。 - 前記相互関連度として、相互情報量を用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の脳波信号処理システム。 - 前記相互関連度として、相関係数を用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の脳波信号処理システム。 - ユーザーに対して前記刺激を提示する刺激提示部
をさらに有し、
前記刺激提示部が、種類の異なる前記刺激特徴量を有する前記刺激をユーザーに対して提示する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の脳波信号処理システム。 - 前記脳波信号を複数系列の脳波の特徴を有する成分信号に分離する信号分離部と、
前記成分信号から前記脳波特徴量を算出する特徴量算出部と
をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の脳波信号処理システム。 - 脳波推定データベースを
さらに備え、
前記特徴量選択部が、前記刺激特徴量に対して選択した、当該刺激特徴量に対して関連性の高い前記脳波特徴量を、前記刺激特徴量と組として、前記脳波推定データベースに書き込んで記憶させる
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の脳波信号処理システム。 - 前記脳波信号の前記脳波特徴量が供給されると、当該脳波特徴量に対応する前記刺激特徴量を前記脳波推定データベースから抽出して、前記刺激の刺激特徴量を推定するユーザー状態推定部を
さらに備える
ことを特徴とする請求項6に記載の脳波信号処理システム。 - 与えられた刺激に対応して発生する脳波信号の特徴量である脳波特徴量、前記刺激の特徴量である刺激特徴量の関係性を求める脳波信号処理方法であって、
特徴量算出部が、前記刺激に対応した前記脳波信号の前記脳波特徴量を求める特徴量算出過程と、
相互関連度算出部が、前記刺激の前記刺激特徴量の各々と、前記脳波特徴量それぞれとの組合わせ毎に、当該組合わせの関連の度合を示す相互関連度を算出する相互関連度算出過程と、
特徴量選択部が、前記相互関連度が所定の閾値を超える、前記刺激特徴量と前記脳波特徴量との組合わせを抽出し、前記刺激特徴量に対して関連性の高い前記脳波特徴量を選択する特徴量選択過程と
を含むことを特徴とする脳波信号処理方法。 - 与えられた刺激に対応して発生する脳波信号の特徴量である脳波特徴量、前記刺激の特徴量である刺激特徴量の関係性を求めるためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記刺激に対応した前記脳波信号の前記脳波特徴量を求める特徴量算出手段、
前記刺激の前記刺激特徴量の各々と、前記脳波特徴量それぞれとの組合わせ毎に、当該組合わせの関連の度合を示す相互関連度を算出する相互関連度算出手段、
前記相互関連度が所定の閾値を超える、前記刺激特徴量と前記脳波特徴量との組合わせを抽出し、前記刺激特徴量に対して関連性の高い前記脳波特徴量を選択する特徴量選択手段
として動作させるためのプログラム。
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