JP2018015212A - 脳波信号処理システム、脳波信号処理方法及びプログラム - Google Patents

脳波信号処理システム、脳波信号処理方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】多くの脳波特徴量の中から、ユーザーの生理心理的状態変化に関係している脳波特徴量を、実験者(分析者)に対して負荷を与えずに容易に探索することができる脳波信号処理システムを提供する。【解決手段】本発明の脳波信号処理システムは、与えられた刺激に対応して発生する脳波信号の特徴量である脳波特徴量、前記刺激の特徴量である刺激特徴量の関係性を求める脳波信号処理システムであって、前記刺激に対応した前記脳波信号の前記脳波特徴量を求める特徴量算出部と、前記刺激の前記刺激特徴量の各々と、前記脳波特徴量それぞれとの組合わせ毎に、当該組合わせの関連の度合を示す相互関連度を算出する相互関連度算出部と、前記相互関連度が所定の閾値を超える、前記刺激特徴量と前記脳波特徴量との組合わせを抽出し、前記刺激特徴量に対して関連性の高い前記脳波特徴量を選択する特徴量選択部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ユーザーの脳波を観測することによってユーザーの心理状態あるいは生理状態を知る際に用いて好適な脳波信号処理システム、脳波信号処理方法及びプログラムに関する。
脳内活動の分布や変化を解析することによって、ユーザーの心理状態や生理状態を推定することができる。例えば、ブレイン・マシン・インタフェース(Brain−Machine Interface)は、ユーザーの脳内活動を解析することで当該ユーザーの意思を推定して装置の操作入力とするものである(非特許文献1)。脳内活動からユーザーの感情を推定しようとする試みも様々行われている(非特許文献2)。
脳内活動の状況を推定するために広く用いられている計測手段の一つは脳波計側である。頭皮上に複数個の脳波電極を装着し、複数チャンネルの増幅が可能な脳波アンプを用いることで、脳内活動の分布を反映した脳波信号が得られる。フーリエ変換などの周波数解析を用いて求められる脳波のパワースペクトルの変化や、電極間のパワースペクトルの差異を、脳内信号源の挙動を示す指標として、ユーザーの状態推定のために用いる方法が広く用いられている。脳の異なる部位の活動に対応する異なる電極位置で観測される複数チャンネルの脳波信号の相互関係性から、ユーザーの状態を推定する方法(非特許文献3)もある。脳内信号源の相互関係性は脳波チャンネル間の相互相関係数などで数値化することができる。
ただし、頭皮上に装着された電極を用いて計測される脳波信号(以下、観測信号と称する)は、脳内や脳外に散在する複数の信号源からの電気信号が混合されたものであり、脳内の特定部位の挙動を直接的に反映するものではない。複数の信号源が存在すると仮定される場合に、特定の事象に関係する信号源を分離して解析する方法として、信号源が発する原信号の統計的独立性を仮定した独立成分分析(特許文献1、非特許文献4)などのアルゴリズムを用いた信号源分離手法が知られている。
生理心理的影響が既知の外部刺激をユーザーに与え、この外部刺激を受容しているユーザの脳波を測定し、測定した脳波を解析して得られる特徴量(以下、脳波特徴量と記す)を求める。そして、ユーザに与えた外部刺激によってユーザに生理心理的状態の変化が生じるため、このユーザの生理心理的状態の変化に対応して連動して変化する脳波特徴量を探索することで、ユーザに与えた外部刺激における脳波特徴量と生理心理的状態の変化がとの相互関係性を求めることができる。
さらに、この相互関係性を既知の情報として用いることにより、未知の状態にあるユーザの脳波から求めた脳波特徴量に基づき、ユーザの生理心理的状態を推定することが可能となる。
また、ユーザに対して感情や場面や運動などの状況を想起するように指示し、この状況の想起を内部刺激として用い、ユーザに生理心理的状態を誘導させ、この内部刺激を与えた際の脳波を測定する。そして、この測定結果からユーザの生理心理的状態の変化と連動して変化する脳波特徴量を求めることもできる。
特許第4876988号公報
「脳を活かす」研究会編、ブレイン・マシン・インタフェース−脳と機械をつなぐ、オーム社2007/9 関 大輔、横澤 宏一、純正律和音が与える印象と脳磁界活動との関係性の評価、電子情報通信学会技術研究報告.NC、ニューロコンピューティング 111(483)、371−376、2012−03−07 武田 裕司、ガンマ帯域脳波で測る関心・好感度、産総研TODAY Vol.9、pp.20、2009 金山 範明、大平 英樹、開 一夫、独立成分分析を用いた視−触覚統合処理時の脳活動の分離検討、電子情報通信学会技術研究報告、HIP、ヒューマン情報処理 109(345)、119−123、2009
ところで、脳波は、ニューロンネットワークを流れたインパルスを外部から観測した電気信号である。このため、脳波は、主要な振動信号の周波数によって、0.4〜4Hzのデルタ波、4〜8Hzのシータ波、8〜14Hzのアルファ波および14〜26Hzのベータ波に分類することができる。
電気信号である脳波特徴量を、周波数帯域の各々における信号成分の振幅とした場合、取得する脳波特徴量の数は、以下のように計算される。すなわち、脳波を測定するためにユーザの頭部に取り付ける電極の数をN個とし、振幅を抽出するための周波数帯域の数をMとしたい場合、脳波特徴量の数はN×M個となる。
さらに、頭部に取り付けた電極間の相互関係性、例えば位相差または相関係数を脳波特徴量として加えると、電極の数をN個とし、周波数帯域の数をMとした場合、脳波特徴量の数はN×(N−1)/2×M個となる。
上述した位相差または相関係数だけでなく、位相差や時系列的な振幅値や波形の変化を脳波特徴量として用いることもできる。
さらに、脳波の各々の周波帯域の信号により求められる関数や、得られた脳波特徴量の四則演算を行なうことで二次的な脳波特徴量を導出することもできる。
この結果、脳波特徴量の数は膨大となり、得られた脳波特徴量の中から、ユーザの生理心理的状態の変化に対応した脳波特徴量、例えば「快適さ」や「楽しさ」の生理心理的状態の変化に関係する脳波特徴量を探索するためは、探索における解析に多大な計算負荷を要する。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、多くの脳波特徴量の中から、ユーザーの生理心理的状態変化に関係している脳波特徴量を、実験者(分析者)に対して負荷を与えずに容易に探索することができる脳波信号処理システム、脳波信号処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の脳波信号処理システムは、与えられた刺激に対応して発生する脳波信号の特徴量である脳波特徴量、前記刺激の特徴量である刺激特徴量の関係性を求める脳波信号処理システムであって、前記刺激に対応した前記脳波信号の前記脳波特徴量を求める特徴量算出部と、前記刺激の前記刺激特徴量の各々と、前記脳波特徴量それぞれとの組合わせ毎に、当該組合わせの関連の度合を示す相互関連度を算出する相互関連度算出部(例えば、実施形態における相互情報量算出部15)と、前記相互関連度が所定の閾値を超える、前記刺激特徴量と前記脳波特徴量との組合わせを抽出し、前記刺激特徴量に対して関連性の高い前記脳波特徴量を選択する特徴量選択部とを備えることを特徴とする。
本発明の脳波信号処理システムは、前記相互関連度として、相互情報量を用いることを特徴とする。
本発明の脳波信号処理システムは、前記相互関連度として、相関係数を用いることを特徴とする。
本発明の脳波信号処理システムは、ユーザーに対して前記刺激を提示する刺激提示部をさらに有し、前記刺激提示部が、種類の異なる前記刺激特徴量を有する前記刺激をユーザーに対して提示することを特徴とする。
本発明の脳波信号処理システムは、前記脳波信号を複数系列の脳波の特徴を有する成分信号に分離する信号分離部と、前記成分信号から前記脳波特徴量を算出する特徴量算出部とをさらに備えることを特徴とする。
本発明の脳波信号処理システムは、脳波推定データベースをさらに備え、前記特徴量選択部が、前記刺激特徴量に対して選択した、当該刺激特徴量に対して関連性の高い前記脳波特徴量を、前記刺激特徴量と組として、前記脳波推定データベースに書き込んで記憶させることを特徴とする。
本発明の脳波信号処理システムは、前記脳波信号の前記脳波特徴量が供給されると、当該脳波特徴量に対応する前記刺激特徴量を前記脳波推定データベースから抽出して、前記刺激の刺激特徴量を推定するユーザー状態推定部をさらに備えることを特徴とする。
本発明の脳波信号処理方法は、与えられた刺激に対応して発生する脳波信号の特徴量である脳波特徴量、前記刺激の特徴量である刺激特徴量の関係性を求める脳波信号処理方法であって、特徴量算出部が、前記刺激に対応した前記脳波信号の前記脳波特徴量を求める特徴量算出過程と、相互関連度算出部が、前記刺激の前記刺激特徴量の各々と、前記脳波特徴量それぞれとの組合わせ毎に、当該組合わせの関連の度合を示す相互関連度を算出する相互関連度算出過程と、特徴量選択部が、前記相互関連度が所定の閾値を超える、前記刺激特徴量と前記脳波特徴量との組合わせを抽出し、前記刺激特徴量に対して関連性の高い前記脳波特徴量を選択する特徴量選択過程とを含むことを特徴とする。
本発明のプログラムは、与えられた刺激に対応して発生する脳波信号の特徴量である脳波特徴量、前記刺激の特徴量である刺激特徴量の関係性を求めるためのプログラムであって、コンピュータを、前記刺激に対応した前記脳波信号の前記脳波特徴量を求める特徴量算出手段、前記刺激の前記刺激特徴量の各々と、前記脳波特徴量それぞれとの組合わせ毎に、当該組合わせの関連の度合を示す相互関連度を算出する相互関連度算出手段、前記相互関連度が所定の閾値を超える、前記刺激特徴量と前記脳波特徴量との組合わせを抽出し、前記刺激特徴量に対して関連性の高い前記脳波特徴量を選択する特徴量選択手段として動作させるためのプログラムである。
以上説明したように、本発明によれば、多くの脳波特徴量の中から、ユーザーの生理心理的状態変化に関係している脳波特徴量を、実験者(分析者)に対して負荷を与えずに容易に探索することができる脳波信号処理システム、脳波信号処理方法及びプログラムを提供することができる。
本発明の脳波信号処理システムの一実施形態であるユーザー状態推定装置の概略構成を示すブロック図である。 図1に示した脳波計測部19の概略構成を示す図である。 刺激特徴量記憶部14に記憶させる刺激と刺激特徴量との対応関係を求めるための質問用紙の構成例を示す図である。 図1における各部の処理及び各部の出力する信号の流れを示す概念図である。 刺激特徴量記憶部14に記憶されている刺激特徴量の構成例を示すテーブルの図である。 独立成分42における独立成分1(IC1)と独立成分2(IC2)とのデータの一例を示す図である。 独立成分42を周波数フィルタにより分離して求めた成分信号43のデータの一例を示す図である。 IC1アルファ波、IC1ベータ波、IC2アルファ波及びIC2ベータ波の各々から求めた脳波特徴量44の構成例を示す図である。 刺激特徴量45と脳波特徴量44との各々の時間の区間毎を対応させて求めた相互情報量を示す図である。 刺激特徴量と脳波特徴量(アルファ波振幅)との対応関係を示すグラフの図である。 楽曲と脳波信号の独立成分におけるベータ波の振幅との対応を示すグラフである。 図3のアンケート用紙を用いて予め求めた楽曲毎の興奮度のテーブルを示す図である。 図11に示す19個の独立成分の各々のベータ波の振幅と興奮度とから求めた相互情報量のテーブルを示す図である。 図11から抽出した、図13において相互情報量が最も大きい独立成分「9」のベータ波の振幅を示す図である。 図11から抽出した、図13において相互情報量が最も小さい独立成分「3」のベータ波の振幅を示す図である。
以下、本発明の脳波信号処理システムの実施形態について図面を用いて説明する。なお、本実施形態は、一例として、独立成分分析による脳内信号源の分離を行って脳内信号源を推定するとともに、脳内信号源が発した特定周波数成分の信号の振幅と特定周波数成分の各々の位相差の変化を用いたユーザー状態推定を行う構成を備えている。
図1は、本発明の脳波信号処理システムの一実施形態であるユーザー状態推定装置の概略構成を示すブロック図である。ユーザー状態推定装置1は、コンピュータ10と、脳波計測部19と、表示装置18aと、スピーカ11aを備える。コンピュータ10は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置である。図1に示した例は、コンピュータ10の外部に表示装置18aとスピーカ11aを設けているが、コンピュータ10は表示装置18aおよびスピーカ11aを内蔵していてもよい。
また、図1に示した例において、刺激の提示としては、聴覚からの刺激として音を用いているが、静止画、動画、文章などの視覚からの刺激、あるいは触覚、嗅覚、味覚による刺激など音以外の刺激を用いても良い。
また、音、画像、臭いなどの外部刺激を用いるのではなく、ユーザーに所定の感情を想起したり、所定の場面を想像させるよう指示を与え、脳内における内部的な刺激状態に誘導してもよい。
図1に示した例は、脳波特徴量と刺激特徴量との相互関係度の指標として、相互情報量を用いているが、相関係数などの2変数間の関係性(関連性)の高さを示す他の指標を用いても良い。
図1に示したコンピュータ10は、刺激提示部11と、信号分離部12と、特徴量算出部13と、刺激特徴量記憶部14と、相互情報量算出部15と、特徴量選択部16と、ユーザー状態推定部17と、表示部18とを備える。刺激提示部11、信号分離部12、特徴量算出部13、刺激特徴量記憶部14、相互情報量算出部15、特徴量選択部16およびユーザー状態推定部17は、コンピュータ10を構成するCPU(中央処理装置)、記憶装置等のハードウェアと、CPUが実行するソフトウエアとから構成されている。
図1に示した構成例において、刺激提示部11は、感情により変化する脳波を測定する際に、ユーザーの感情(喜怒哀楽、好き嫌いなど)を時系列的に変化させるため、時系列的に変化する刺激を、ユーザーに対して提示する。本実施形態においては、例えば、スピーカ11aを介してユーザーに一定時間間隔で、ユーザーの感情が大きく変化するように、曲調及び曲想の各々が異なる楽曲を切り替えて提示する。
次に、図2は、図1に示した脳波計測部19の概略構成を示す。脳波計測部19は接地電極21と計測チャンネルと同数以上の脳波電極22を含む。また、脳波計測部19は、増幅器24とAD(アナログ/デジタル)変換器25とを含む。接地電極21および脳波電極22は、ユーザーの頭部7にバンド22a、キャップ、ジェル剤等を用いて装着される。増幅器24は、微弱な電気信号である脳波を増幅し、AD変換器25の入力とする。AD変換器25は、増幅器24で増幅されたアナログ脳波信号をデジタル変換し、コンピュータ10の入力となるデジタル化された観測信号を生成する。ここで、観測信号は、複数チャンネルのデジタル脳波信号を含む。デジタル脳波信号は、脳波と雑音とを含むアナログ脳波信号をデジタル化した信号である。
AD変換器25は、各チャンネルのアナログ脳波信号を、例えば、4000回/秒のレートでサンプリングして、サンプリングした1サンプルを1チャンネル当たり16ビットのデジタルデータに変換する。この場合、2kHzまでの脳波信号が計測可能である。
図1に戻り、信号分離部12は、観測信号を、周波数分割や独立成分分析などにより複数系列の成分信号に分離する。すなわち、信号分離部12は、複数チャンネルの観測信号に対して独立成分分析を実行し、脳内信号源に対応すると推定される相互に独立した信号である独立成分に分離する。また、信号分離部12は、分離した独立成分を、内部に設けられた周波数フィルタを通してアルファ波成分とベータ波成分とに分離し成分信号を得る。この周波数フィルタは、分離された全ての周波数成分を含む信号から、解析に用いる周波数成分を抽出する。すなわち、周波数フィルタは、分離した各信号成分から解析に用いる目的信号として、周波数帯域のアルファ波の信号成分(以下、アルファ波成分とする)とベータ波の信号成分(以下、ベータ波成分とする)との各々を抽出して出力する。これにより、信号分離部12は、観測信号である脳波信号を複数系列の脳波の特徴を有する成分信号に分離する。
特徴量算出部13は、信号分離部12によって分離された成分信号の脳波特徴量の時間区間毎の平均値を求める。本実施形態においては、脳波特徴量として、独立成分毎に抽出されたアルファ波成分とベータ波成分との各々の振幅、独立成分間のアルファ波成分とベータ波成分の各々の位相差を組み合わせて用いている。ここで、時間区間は、例えば、刺激提示部11によって提示される刺激の切り替わりを区切りとして用いる。また、この時間区間は、任意の時間間隔として設定してもよいし、時間区間が互いに重複していても良い。
刺激特徴量記憶部14には、刺激提示部11によって提示される各刺激に対応して、後述する快適度、高揚度、好感度や音量などの固有の刺激特徴量が書き込まれて保持されている。この刺激特徴量は、刺激提示部11によって提示される各刺激について、この各刺激を受けたユーザーが、各刺激に応じて感じた評価値として快適度や音量などの固有の特徴量である。
図3は、刺激特徴量記憶部14に記憶させる刺激と刺激特徴量との対応関係を求めるための質問用紙の構成例を示す図である。例えば、この質問用紙を用いることにより、刺激提示部11が提示するそれぞれの刺激に対してユーザーが感じる印象の程度をユーザー自身に評価させる主観評価によって得られる心理量を、上記刺激特徴量として得る。評価結果は、例えば、「不快」の0点から「快適」の4点までの5段階評価、「退屈」の0点から「楽しい」の4点までの5段階評価、「嫌い」の0点から「好き」の4点までの5段階評価とし、それぞれの評価値を当該刺激の刺激特徴量としての「快適度」、「高揚度」、「好感度」とする。
刺激特徴量の主観評価は脳波計測と同時に行っても良いし、脳波計測と同時に行なわずに、刺激を提示してその回答(主観)を取得する処理を、脳波計測の事前または事後に行っても良い。
同一の刺激に対する複数の脳波計測の対象ユーザーの各々の評価値を平均し、この平均した平均評価値を刺激特徴量として用いてもよい。また、脳波計測の対象ユーザー以外の、他のユーザーによる刺激に対する評価値を刺激特徴量として用いてもよい。
また、上述したような楽曲の刺激によりユーザーが感じた主観評価のみでなく、聴覚刺激の音量や視覚刺激の輝度などの物理量や、人が感じる音量感の評価指標であるラウドネスレベルなどの物理量の強度などから導出される心理量を刺激特徴量として用いても良い。ここで、刺激特徴量は、刺激の物理量や心理量と線形的な対応関係を有する必要はなく、刺激の物理量の強度に応じて心理量が変化すれば良い。
例えば、ユーザーに与えた刺激の各々に対して、それぞれ任意の番号を割り当てて、刺激を識別するようにしても良い。このとき、音楽のジャンル、画像の被写体の種類など、何らかの基準によって刺激をグループに分類し、分類したグループの各々に、それぞれのグループを識別するための番号を割り当て、同一グループの刺激の刺激特徴量は同一値としても良い。
相互情報量算出部15は、特徴量算出部13によって求められた、各成分信号の各時間区間における脳波特徴量と、刺激特徴量記憶部14に記憶された前記時間区間に対応する刺激特徴量、との組合わせの関連の度合を示す相互情報量を求める。相互情報量に代えて、変数間の関係度を示す他の指標、例えば、相関係数を用いることもできる。この相互情報量は2つの確率変数の相互依存性の強さを示す指標であり、2つの確率変数XとYとの相互情報量は、以下の(1)式により求められる。以下の(1)式において、p(x)とp(y)との各々は、それぞれX、Yそれぞれの周辺確率関数である。また、p(x,y)は、XとYとの各々の同時確率関数である。
特徴量選択部16は、相互情報量算出部15が求めた相互情報量に基づいて、特徴量算出部13が算出した脳波特徴量のなかから、刺激特徴量の各々に対して関係性の強い脳波特徴量それぞれを特定し選択する。
刺激特徴量と脳波特徴量との間に線形的な関係が得られる場合には、相互情報量に代えて、刺激特徴量と脳波特徴量との相関係数を用いて、この相関係数の大きさにより、刺激特徴量の各々に対して関係性の強い脳波特徴量それぞれを特定し選択する構成としてもよい。
ユーザー状態推定部17は、特徴量選択部16において選択された脳波特徴量と刺激特徴量との関係性を求める。すなわち、ユーザー状態推定部17は、特徴量選択部16が刺激特徴量の各々に対応して、それぞれ選択した脳波特徴量の関係性を、刺激特徴量の示す感情を推定する際の脳波特徴量として用いる。
これにより、ユーザー状態推定部17は、刺激を受けた際のユーザーの脳波特徴量から、刺激よって生じるユーザーの心理状態を推定することができる。
表示部18は、ユーザー状態推定部17が推定したユーザーの生理心理状態に関する情報を、数値、グラフ、マップなど、ユーザーや他の実験者が認識可能な形式で表示する画像を生成し、液晶ディスプレイなどの表示装置18aに表示する。例えば、表示部18は、刺激特徴量における「快適度」、「高揚度」、「好感度」などを、表示装置18aに対してグラフ表示することにより、受けた刺激に対応した推定される心理的な状態を示す。
また、表示部18は、脳波計測部19が測定した脳波波形、信号分離結果、特徴量算出部13が算出した脳波特徴量、相互情報量算出部15が算出した相互情報量、特徴量選択部16が選択した脳波特徴量に関する情報などの、原データや中間情報を表示してもよい。
次に、本実施形態における信号分離処理の流れを図4を用いて説明する。図4は、図1における各部の処理及び各部の出力する信号の流れを示す概念図である。また、適宜、図1を参照して説明した本実施形態の構成例について補足説明を行う。観測信号41は、例えばユーザーの前頭部3箇所の脳波電極22で計測された、2チャンネルであるCh1及びCh2の各々の脳波をデジタル変換したデジタル脳波信号である。図4に示すように、観測信号41は、横軸を時間、縦軸を電圧とした脳波信号の波形として図示している。
刺激提示部11は、例えば、測定者が予め設定した順序に従って、楽曲を自動再生し、スピーカ11aを介してユーザーに、楽曲に対応した提示音を与えて(提示して)、音情報により聴覚に対する刺激を与える。
本実施形態では、人間が聞いた際に与える印象が異なると考えられる、例えば曲調及び曲想の各々が異なる3種類の楽曲を、3回づつ、計9回提示した場合を例として説明する。しかし、すでに述べたように、刺激として音以外、すなわち聴覚以外の刺激を用いる構成としても良い。また、聴覚などの外部刺激のみでなく、ユーザーに対して特定の場面や感情を想起させるよう指示を与えて、内部刺激を与える構成としても良い。
刺激特徴量記憶部14には、ユーザーに対して提示される刺激(本実施形態においては聴覚の刺激)の刺激特徴量45が予め書き込まれて記憶されている。
図5は、刺激特徴量記憶部14に記憶されている刺激特徴量の構成例を示すテーブルの図である。図5に示すように、本実施形態において、刺激特徴量45は、楽曲の音源番号、快適度、テンポ、音量感、ジャンルであり、9回の刺激提示の時間を示す区間それぞれに対応する値を保持している。音源番号は、3種類の楽曲のいずれであるかを識別するための識別情報である。快適度は、図3に示す質問用紙から得た、ユーザーの刺激に対する主観評価に基づく心理状態を数値化した心理量を示す。テンポは、楽曲の音声信号から物理的に計測された、楽曲において拍をどの程度の速さで打つかを示す物理量である。音量感は、楽曲の音声信号の周波数帯毎の振幅からラウドネス曲線を用いて抽出した心理量である。ジャンルは、例えば、クラッシックを「1」、ポップスを「2」などとした楽曲の分類を示している。
例えば、テーブルの1行目の区間「1」においては、音源番号が「1」であることを示している。また、音源番号「1」の音源である楽曲は、快適度が「4.2」であり、テンポが「60」であり、音量感が「2.9」であり、ジャンルが「1(クラッシック)」であることを示している。同様に、テーブルの2行目の区間「2」においては、音源番号が「2」であることを示している。また、音源番号「2」の音源である楽曲は、快適度が「2.1」であり、テンポが「80」であり、音量感が「4.1」であり、ジャンルが「1(ポップス)」であることを示している。
図4に戻り、脳波計測部19は、刺激提示部11がユーザーに刺激を提示した際、ユーザーの頭部に装着された脳波電極22を介して、脳波信号の観測信号41を取得し、信号分離部12に対して出力する。本実施形態においては、脳波計測部19が、脳波電極22の各々に対応したチャンネルCh1及びチャンネルCh2それぞれの観測信号41を取得する。ここで、すでに述べたように、脳波計測部19は、チャンネルCh1及びチャンネルCh2それぞれの観測信号をAD変換器25により所定周期でサンプリングし、アナログ信号をデジタル変換したデジタル信号として観測信号41を信号分離部12へ出力する。また、一般に、頭部における近接した脳波電極から検出される脳波信号には、その特徴(信号波形やパワースペクトルなど)に強い相関が存在する。さらに、脳波電極の数を増加させて、頭部の広い領域をカバーするように脳波信号の観測点を配置することにより、独立成分分析による独立成分がより細かい単位で抽出されるため、得られる情報量も増加することになる。
信号分離部12は、脳波特徴量の導出に用いるため、観測信号41を成分信号43に独立成分分析を用いて分離する。本実施形態においては、独立成分分析によって、複数チャンネル(チャンネルCh1、Ch2)の観測信号41を、脳内信号源に対応すると推定される相互に独立した信号である独立成分42に分離する。この独立成分42は、独立成分1(IC1)と独立成分2(IC2)との各々である。一般に、独立成分間の相関は低いため、得られた独立成分1(IC1)と独立成分2(IC2)との各々の相関も低い。
図6は、独立成分42における独立成分1(IC1)と独立成分2(IC2)とのデータの一例を示す図である。この図6に示す独立成分1(IC1)のグラフと独立成分2(IC2)のグラフとの各々において、縦軸が独立成分の電圧を示し、横軸が時間を示している。この独立成分1(IC1)と独立成分2(IC2)との各々の信号波形は、ユーザーの脳内信号源の各々が発生した脳波信号の波形、すなわち脳内信号源の各々における脳波信号の特徴を示している。
本実施形態においては、独立成分の信号分離方法として、独立成分分析と周波数フィルタとを用いているが、これらに限るものではなく、独立成分分析の代わりに主成分分析などを用い、周波数フィルタの代わりにフーリエ変換などを用いた構成としてもよい。
図4に戻り、信号分離部12は、求めた独立成分42の独立成分1(IC1)と独立成分2(IC2)との各々を、周波数フィルタ(デジタルフィルタ)により、それぞれアルファ成分、ベータ成分とに分離し、成分信号43を算出する。
図7は、独立成分42を周波数フィルタにより分離して求めた成分信号43のデータの一例を示す図である。この図6に示すIC1アルファ波及びIC1ベータ波の各々は、独立成分1(IC1)を周波数フィルタにより分離した信号の波形である。また、IC2アルファ波及びIC2ベータ波の各々は、独立成分2(IC2)を周波数フィルタにより分離した信号の波形である。IC1アルファ波、IC1ベータ波、IC2アルファ波及びIC2ベータ波の各々において、縦軸が成分信号の電圧を示し、横軸が時間を示している。上記IC1アルファ波、IC1ベータ波、IC2アルファ波及びIC2ベータ波の各々の信号は、ユーザーの脳内信号源の各々における脳波信号を示す独立成分42の信号に対して、周波数というパラメータを追加して、独立成分42より細分化した特徴としたものである。
図4に戻り、特徴量算出部13は、信号分離部12によって分離された成分信号43におけるIC1アルファ波、IC1ベータ波、IC2アルファ波及びIC2ベータ波の各々から、脳波信号の特徴を示す脳波特徴量44を求める。
図8は、IC1アルファ波、IC1ベータ波、IC2アルファ波及びIC2ベータ波の各々から求めた脳波特徴量44の構成例を示す図である。
図8(a)は、IC1アルファ波とIC1ベータ波との各々の脳波特徴量のグラフを示している。この脳波特徴量のグラフは、横軸が時間(図5に示す時間の区間「1」から区間「9」まで)を示しており、縦軸が時間の区間における信号波形の振幅を平均した平均振幅を示している。
図8(b)は、IC2アルファ波とIC2ベータ波との各々の脳波特徴量のグラフを示している。この脳波特徴量のグラフは、横軸が時間(図5に示す時間の区間「1」から区間「9」まで)を示しており、縦軸が時間の区間における信号波形の振幅を平均した振幅を示している。
図8(c)は、独立成分間の位相差、すなわちICIアルファ波及びIC2アルファ波の波形における位相差と、ICIベータ波及びIC2ベータ波の波形における位相差との各々を示すグラフである。この脳波特徴量のグラフは、横軸が時間(図5に示す時間の区間「1」から区間「9」まで)を示しており、縦軸が時間の区間における信号波形の位相差を平均した位相差を示している。
図4に戻り、特徴量算出部13は、図8に示すように、時間の区間毎のIC1アルファ波、IC1ベータ波、IC2アルファ波及びIC2ベータ波の各々の振幅と、時間区間毎のICIアルファ波及びIC2アルファ波の位相差と、ICIベータ波及びIC2ベータ波の位相差との合計6個からなる脳波信号の脳波特徴量44を求める。
相互情報量算出部15は、特徴量算出部13により求められた脳波信号の脳波特徴量44の各々と、刺激特徴量記憶部14に記憶されている刺激特徴量45との相互情報量46を求める。ここで、相互情報量算出部15は、刺激特徴量45と脳波特徴量44との各々の時間の区間毎を対応させて、相互情報量46の算出を上記(1)式により求める。
本実施形態において、相互情報量算出部15は、例えば、音源番号と快適度とテンポと音量感とジャンルに対応して値が変動する特徴量を脳波特徴量44から特定する場合、5種類の刺激特徴量45と6種類の脳波特徴量44との各々の組合わせについて、脳波特徴量44をXとし、刺激特徴量45をYとして、(1)式により相互情報量46を算出する。
図9は、刺激特徴量45と脳波特徴量44との各々の時間の区間毎を対応させて求めた相互情報量を示す図である。図9(a)に示すテーブルは、音源番号と脳波特徴量44との相互情報量を示している。テーブルの欄101には、音源番号と、脳波特徴量44におけるIC1アルファ波の振幅(図8(a)の左側のグラフ)との相互情報量「0.411」が示されている。テーブルの欄102には、音源番号と、脳波特徴量44におけるIC1ベータ波の振幅(図8(a)の右側のグラフ)との相互情報量「0.351」が示されている。テーブルの欄103には、音源番号と、脳波特徴量44におけるIC2アルファ波の振幅(図8(b)の左側のグラフ)との相互情報量「0.211」が示されている。テーブルの欄104には、音源番号と、脳波特徴量44におけるIC2ベータ波の振幅(図8(b)の右側のグラフ)との相互情報量「0.292」が示されている。テーブルの欄105には、音源番号と、脳波特徴量44におけるIC1アルファ波とIC2アルファ波との位相差(図8(c)の左側のグラフ)との相互情報量「0.177」が示されている。テーブルの欄106には、音源番号と、脳波特徴量44におけるIC1ベータ波とIC2ベータ波との位相差(図8(c)の右側のグラフ)との相互情報量「0.225」が示されている。
図9(b)に示すテーブルは、快適度と脳波特徴量44との相互情報量を示している。図9(c)に示すテーブルは、テンポと脳波特徴量44との相互情報量を示している。図9(d)に示すテーブルは、音量感と脳波特徴量44との相互情報量を示している。図9(e)に示すテーブルは、ジャンル(ジャンル1)と脳波特徴量44との相互情報量を示している。これら、図9(b)、図9(c)、図9(d)、図9(e)の各々も、図1(a)と同様に、刺激特徴量45の各々と、脳波特徴量44それぞれとの相互情報量がテーブルの各欄に示されている。
図4に戻り、特徴量選択部16は、図9に示す5種類の刺激特徴量45と6種類の脳波特徴量44との各々の組合わせ毎の相互情報量のなかから、相互情報量が予め設定された判定閾値を超える組合わせを抽出する。この判定閾値は、刺激特徴量と脳波特徴量との関係性の有無を判定する相互情報量の閾値である。実施形態においては、この判定閾値は、例えば、0.5に設定している。このため、特徴量選択部16は、図9に示す5種類の刺激特徴量45と6種類の脳波特徴量44との各々の組合わせ毎の相互情報量のなかから、相互情報量が「0.624」である快適度とIC1アルファ波振幅との組合わせと、相互情報量が「0.656」であるジャンルとIC1アルファ波振幅との組合わせとを、相互情報量が判定閾値を超えているため抽出する。そして、特徴量選択部16は、独立成分におけるIC1アルファ波振幅を、ユーザーの快適度及び楽曲のジャンルの推定に用いる脳波特徴量47として選択する。
特徴量選択部16は、脳波推定データベース20に対して、指標として得た刺激特徴量とこの刺激特徴量に対して関係性がある脳波特徴量とを組として、脳波推定データベース20に対して、書き込んで記憶させる。
ユーザー状態推定部17は、特徴量選択部16が選択した脳波特徴量47、すなわち脳波信号の独立成分におけるIC1アルファ波振幅を、ユーザーの快適度及び楽曲のジャンルの推定の指標として用いる。
図10は、刺激特徴量と脳波特徴量(IC1アルファ波振幅)との対応関係を示すグラフの図である。図10(a)は、刺激特徴量の快適度と脳波特徴量のアルファ波振幅との対応関係を示している。図10(a)のグラフからは、アルファ波振幅(IC1アルファ波振幅)が大きいほどユーザーが快適な状態であることを推定できることが判る。
同様に、図10(b)は、刺激特徴量のジャンルと脳波特徴量のアルファ波振幅との対応関係を示している。図10(b)のグラフからは、アルファ波振幅(IC1アルファ波振幅)が大きい場合には、ユーザーが視聴している曲のジャンルがジャンル2であると推定できることが判る。この図10の関係から、アルファ波振幅(IC1アルファ波振幅)が大きいほど、ユーザーは快適な状態にあると推定され、アルファ波の振幅が予め設定した推定閾値を超える場合には、ユーザーはジャンル2の楽曲を聴取していると推定することができる。この推定閾値は、例えば、楽曲のジャンルに対する複数のユーザーのIC1アルファ波振幅を取得し、IC1アルファ波振幅の分散などから求める。
以上から、本実施形態によれば、独立成分のIC1アルファ波振幅が、ユーザーの快適度と聴取している楽曲のジャンルを推定するために有用な脳波特徴量であり、独立成分のIC1アルファ波振幅と、ユーザーの快適度及び聴取している楽曲のジャンルそれぞれとの関係が求められる。
また、本実施形態によれば、上述した脳波推定データベース20を参照することにより、ユーザーが刺激特徴量が未知の楽曲を聴取している場合においても、ユーザー状態推定部17が特徴量算出部13において求められた脳波特徴量から、ユーザーの快適度と聴取している楽曲のジャンルを推定することができる。すなわち、本実施形態においては、脳波推定データベース20を設けて、ユーザーの刺激特徴量と脳波特徴量との関係を蓄積することにより、刺激特徴量記憶部14と相互情報量算出部15と特徴量選択部16との各々の処理を省略し、未知の楽曲に対するユーザーの快適度と聴取している楽曲のジャンルとの推定を行なうことができる。
以上のように、本実施形態のユーザー状態推定装置1(脳波信号処理システム)は、時系列的にユーザーに感覚刺激を提示する刺激提示部11と、頭部に装着された脳波電極22を用いて観測信号41を取得する脳波計測部19と、観測信号41を周波数分割や多変量解析などによって成分信号43に分割する信号分離部12と、成分信号43の脳波特徴量44を求める特徴量算出部13と、脳波特徴量44と刺激特徴量45の相互情報量を求める相互情報量算出部15と、相互情報量に基づいて刺激特徴量と関係性の強い脳波特徴量を特定し選択する特徴量選択部16と、選択された脳波特徴量と刺激特徴量との関係性からユーザーの状態を推定する、ユーザー状態推定部17と、ユーザーの刺激特徴量と脳波特徴量との関係を蓄積する、脳波推定データベース20との各々を備える。
図11は、楽曲と脳波信号の独立成分におけるベータ波の振幅との対応を示すグラフである。図11においては、横軸が時間を示しており、縦軸がベータ波の振幅を示している。
ここで、信号分離部12が4種の楽曲を繰り返して連続聴取した際の脳波信号を19個の脳波電極22で計測し、計測した脳波信号に対して独立成分分析を用いて分離した19個の独立成分の各々のベータ波の振幅変化が図11に示されている。
図12は、図3のアンケート用紙を用いて予め求めた楽曲毎の興奮度を示すテーブルである。楽曲「1」の興奮度が「0.8」であり、楽曲「2」の興奮度が「3.2」であり、楽曲「3」の興奮度が「3.7」であり、楽曲「4」の興奮度が「0.5」であることが示されている。
図13は、図11に示す19個の独立成分の各々のベータ波の振幅と興奮度とから求めた相互情報量のテーブルを示す図である。テーブルの項目は、順位、成分及び相互情報量の各々である。成分は、0から18までの19個の独立成分の各々の区別を示している。相互情報量は、興奮度と各独立成分のベータ波の振幅との相互情報量とを示している。順位は、興奮度と独立成分との相互情報量が大きい方から小さい方への順番を示している。すなわち、最も相互情報量(0.4)が大きい独立成分「9」の順位が「1」であり、最も相互情報量(0.09)が小さい独立成分「3」の順位が「19」である。
図14は、図11から抽出した、図13において相互情報量が最も大きい独立成分「9」のベータ波の振幅を示す図である。図14においては、横軸が時間を示しており、縦軸がベータ波の振幅を示している。
この図14の結果から、図12に示す取得した楽曲による興奮度が大きい程、ユーザーのベータ波の振幅が大きく、興奮度が小さいほどベータ波の振幅が小さいことが判り、この独立成分「9」であるベータ波の振幅が興奮度の推定に利用できることが判る。
図15は、図11から抽出した、図13において相互情報量が最も小さい独立成分「3」のベータ波の振幅を示す図である。図15においては、横軸が時間を示しており、縦軸がベータ波の振幅を示している。
この図15の結果から、図12に示す取得した楽曲による興奮度と、ベータ波の振幅との関連性(相関する変化)が観察されないため、この独立成分「3」であるベータ波の振幅が興奮度の推定に利用できないことが判る。
なお、本発明における図1の脳波信号処理システムの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより脳波信号から受けている刺激を推定するための情報を求める処理を行ってもよい。なお、こでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
ここまで、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまで一例であり、本発明は上述した実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
また、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせを含む。
10…コンピュータ
11…刺激提示部
12…信号分離部
13…特徴量算出部
14…刺激特徴量記憶部
15…相互情報量算出部
16…特徴量選択部
17…ユーザー状態推定部
18…表示部
19…脳波計測部
20…脳波推定データベース
21…接地電極
22…脳波電極
24…増幅器
25…AD変換器

Claims (9)

  1. 与えられた刺激に対応して発生する脳波信号の特徴量である脳波特徴量、前記刺激の特徴量である刺激特徴量の関係性を求める脳波信号処理システムであって、
    前記刺激に対応した前記脳波信号の前記脳波特徴量を求める特徴量算出部と、
    前記刺激の前記刺激特徴量の各々と、前記脳波特徴量それぞれとの組合わせ毎に、当該組合わせの関連の度合を示す相互関連度を算出する相互関連度算出部と、
    前記相互関連度が所定の閾値を超える、前記刺激特徴量と前記脳波特徴量との組合わせを抽出し、前記刺激特徴量に対して関連性の高い前記脳波特徴量を選択する特徴量選択部と
    を備えることを特徴とする脳波信号処理システム。
  2. 前記相互関連度として、相互情報量を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の脳波信号処理システム。
  3. 前記相互関連度として、相関係数を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の脳波信号処理システム。
  4. ユーザーに対して前記刺激を提示する刺激提示部
    をさらに有し、
    前記刺激提示部が、種類の異なる前記刺激特徴量を有する前記刺激をユーザーに対して提示する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の脳波信号処理システム。
  5. 前記脳波信号を複数系列の脳波の特徴を有する成分信号に分離する信号分離部と、
    前記成分信号から前記脳波特徴量を算出する特徴量算出部と
    をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の脳波信号処理システム。
  6. 脳波推定データベースを
    さらに備え、
    前記特徴量選択部が、前記刺激特徴量に対して選択した、当該刺激特徴量に対して関連性の高い前記脳波特徴量を、前記刺激特徴量と組として、前記脳波推定データベースに書き込んで記憶させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の脳波信号処理システム。
  7. 前記脳波信号の前記脳波特徴量が供給されると、当該脳波特徴量に対応する前記刺激特徴量を前記脳波推定データベースから抽出して、前記刺激の刺激特徴量を推定するユーザー状態推定部を
    さらに備える
    ことを特徴とする請求項6に記載の脳波信号処理システム。
  8. 与えられた刺激に対応して発生する脳波信号の特徴量である脳波特徴量、前記刺激の特徴量である刺激特徴量の関係性を求める脳波信号処理方法であって、
    特徴量算出部が、前記刺激に対応した前記脳波信号の前記脳波特徴量を求める特徴量算出過程と、
    相互関連度算出部が、前記刺激の前記刺激特徴量の各々と、前記脳波特徴量それぞれとの組合わせ毎に、当該組合わせの関連の度合を示す相互関連度を算出する相互関連度算出過程と、
    特徴量選択部が、前記相互関連度が所定の閾値を超える、前記刺激特徴量と前記脳波特徴量との組合わせを抽出し、前記刺激特徴量に対して関連性の高い前記脳波特徴量を選択する特徴量選択過程と
    を含むことを特徴とする脳波信号処理方法。
  9. 与えられた刺激に対応して発生する脳波信号の特徴量である脳波特徴量、前記刺激の特徴量である刺激特徴量の関係性を求めるためのプログラムであって、
    コンピュータを、
    前記刺激に対応した前記脳波信号の前記脳波特徴量を求める特徴量算出手段、
    前記刺激の前記刺激特徴量の各々と、前記脳波特徴量それぞれとの組合わせ毎に、当該組合わせの関連の度合を示す相互関連度を算出する相互関連度算出手段、
    前記相互関連度が所定の閾値を超える、前記刺激特徴量と前記脳波特徴量との組合わせを抽出し、前記刺激特徴量に対して関連性の高い前記脳波特徴量を選択する特徴量選択手段
    として動作させるためのプログラム。
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