JP2018015113A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】セル吸収体において、排泄位置から遠い部位の吸収への利用度を向上する。
【解決手段】上記課題は、表側シート51及び裏側シート52の接合部54により周りを囲まれ、かつ表側シート51及び裏側シート52が接合されていない多数のセル55と、このセル55内に含まれた、高吸収性ポリマー粒子53を含む粉粒体とを有する吸収体50を備え、接合部54は、隣接するセル55内の高吸収性ポリマー粒子53の膨張力により剥離可能な弱接合部54bを含み、吸収体50は、装着者の排泄口と対向する排泄位置Z1とその周囲の少なくとも一部を含む吸収促進領域では、装着者の排泄口と対向する排泄位置Z1から少なくとも一方向に、弱接合部54bのみを介して隣接するセル55の集合領域が複数並び、かつこれら集合領域は排泄位置Z1から遠い領域ほど弱接合部54bの接合強度が弱くなっている、ことにより解決される。
【選択図】図10

Description

本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に関するものである。
吸収性物品は、吸収体と、この吸収体の表側を被覆する液透過性トップシートとを備えており、尿や経血等の排泄液はトップシートを透過して吸収体により吸収され保持されるようになっている。吸収体としては、粉砕パルプ等の親水性短繊維に高吸収性ポリマー粒子(SAP)を混合し綿状に積繊したものが広く採用されているが、十分な吸収可能量を確保しつつ、さらなる薄型化、軽量化、ローコスト化等の要請にこたえるものとして、表側シート及び裏側シートの接合部により周りを囲まれ、かつ表側シート及び裏側シートが接合されていない多数のセル(小室)と、このセル内に含まれた高吸収性ポリマー粒子を含む粉粒体とを有する吸収体(以下、セル吸収体ともいう)が各種提案されている(例えば下記特許文献1〜8参照)。
これらセル吸収体では、各セルの容積よりもセル内の高吸収性ポリマー粒子の飽和吸収時の体積が十分に大きいと、吸収時に、高吸収性ポリマー粒子がセル内に充満し、膨張阻害及びいわゆるゲルブロッキングにより吸収量・吸収速度が低下するおそれや、高吸収性ポリマー粒子の膨張圧によりセルが硬くなり、装着感が悪化するおそれや、表側シート及び裏側シートが不織布により形成されている場合には、その繊維間隙から高吸収性ポリマー粒子が漏れ出るおそれがある。このため、セル吸収体では、表側シート及び裏側シートの接合部が吸収時に剥離し、隣接するセル同士の合体により、セル容積が拡大するものも提案されている(例えば下記特許文献1〜5参照)。
しかしながら、従来のように接合部の剥離が一様に発生するセル吸収体では、基本的に排泄位置に近いほど優先的に吸収が進行してセルが膨張し、セルが合体していくため、排泄位置から遠いほど吸収への利用度が低くなるという問題点を有していた。
特開2009−061230号公報 特表平09−504207号公報 特表2014−500736号公報 実登03172565号公報 特開2011−189067号公報 特開平09−327479号公報 特開平10−137291号公報 特開2003−265525号公報
そこで、本発明の主たる課題は、セル吸収体において、排泄位置から遠い部位の吸収への利用度を向上することにある。
上記課題を解決した本発明の代表的な態様は以下のとおりである。
<第1の態様>
表側シートと、その裏側に配された裏側シートと、表側シート及び裏側シートの接合部により周りを囲まれ、かつ表側シート及び裏側シートが接合されていない多数のセルと、このセル内に含まれた、高吸収性ポリマー粒子を含む粉粒体とを有する吸収体を備えた、吸収性物品において;
前記接合部は、隣接するセル内の高吸収性ポリマー粒子の膨張力により剥離可能な弱接合部を含み、
前記弱接合部を介して隣接するセル同士は、当該弱接合部の剥離により合体し、より大きな単一のセルに拡大可能であり、
前記吸収体は、装着者の排泄口と対向する排泄位置とその周囲の少なくとも一部を含む吸収促進領域では、装着者の排泄口と対向する排泄位置から少なくとも一方向に、弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域が複数並び、かつこれら集合領域は前記排泄位置から遠い領域ほど弱接合部の接合強度が弱くなっている、
ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本発明では、排泄液の吸収時、高吸収性ポリマー粒子の膨張により弱接合部が剥離する際、少なくとも一方向においては、排泄位置に近いほど弱接合部が剥離しにくいため、排泄位置に近いほど高吸収性ポリマー粒子の膨張吸収が妨げられ、排泄位置から遠いほど高吸収性ポリマー粒子の膨張吸収が促進される。よって、排泄液は排泄位置から遠い位置に供給されやすくなり、排泄位置から遠い部位の吸収への利用度が向上する。
<第2の態様>
前記吸収促進領域では、前後方向に弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域が複数並び、かつこれら集合領域は前記排泄位置から前後方向両側に向かうほど弱接合部の接合強度が弱くなっている、
第1の態様の吸収性物品。
(作用効果)
吸収性物品においては前後方向の両側に向かうほど吸収に利用されにくくなるため、前後方向に弱接合部の接合強度を変化させることが好ましい。
<第3の態様>
前記吸収促進領域では、前記排泄位置を中心とした放射方向に弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域が複数並び、かつこれら集合領域は前記排泄位置を中心とした放射方向外側に向かうほど弱接合部の接合強度が弱くなっている、
第1の態様の吸収性物品。
(作用効果)
排泄液は、基本的に排泄位置から放射方向に拡散するため、排泄位置を中心とした放射方向に弱接合部の接合強度を変化させるのは一つの好ましい形態である。
<第4の態様>
前記接合部として、前記弱接合部と、隣接するセル内の高吸収性ポリマー粒子の膨張力により剥離しない強接合部とを有し、
前記弱接合部の接合強度が変化する境界に前記強接合部が設けられている、
第1〜3のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
吸収体の広範囲にわたりセル同士が合体可能であると、吸収時に膨張した高吸収性ポリマー粒子のゲル化物が合体セル内を大きく移動可能となり、当該ゲル化物が股間部等の低所に集合して装着感を悪化させるおそれがある。これに対して、上述のように弱接合部の接合強度が変化する境界に強接合部が設けられていると、弱接合部の接合強度の変化による作用を阻害せずに、吸収時に剥離しない強接合部によって高吸収性ポリマー粒子のゲル化物の移動を阻止することができ、吸収体の形状の崩れを防止することができる。
<第5の態様>
前記弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域は、前記弱接合部の接合強度が弱い領域ほど、当該領域に含まれるセルの数が多い、
第4の態様の吸収性物品。
(作用効果)
弱接合部の接合強度が変化する境界に強接合部が設けられている形態では、排泄液の吸収時、高吸収性ポリマー粒子の膨張により弱接合部は剥離するが、強接合部は剥離しないため、弱接合部の剥離により隣接するセル同士が合体していくものの、合体セルの大きさ、高さは強接合部により制限される。よって、セルの数が多い集合領域ほど、排泄液の吸収時、合体セルが大きく高く盛り上がることとなる。したがって、弱接合部の接合強度が弱いセルの集合領域ほど、当該領域に含まれるセルの数が多いと、排泄液の吸収時には排泄位置から遠いほど大きく、高く盛り上がった合体セルが形成され、この合体セルが尿の移動を遮る遮断体となり、漏れが防止されるようになる。
<第6の態様>
前記接合部は多角形が隙間なく並ぶパターンに沿って設けられており、
前記セルは、前記接合部の多角形の部分により周りを囲まれた多角形をなしている、
第1〜5のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
本発明は、接合部及びセルがこのような規則的な形状、配置である形態に好適である。
本発明によれば、セル吸収体において、排泄位置から遠い部位の吸収への利用度を向上することができる、等の利点がもたらされる。
テープタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 テープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の6−6断面図である。 図1の7−7断面図である。 (a)図1の8−8断面図、(b)図1の9−9断面図である。 図1の5−5断面図である。 (a)吸収体の要部破断平面図、(b)その1-1断面図である。 吸収体の平面図である。 接合部を簡略的に示した吸収体の平面図である。 吸収時の変化状態を示す吸収体の平面図である。 吸収時の変化状態を示す吸収体の平面図である。 吸収時の変化状態を示す吸収体の平面図である。 図9〜図12の3−3断面図である。 接合部を簡略的に示した吸収体の平面図である。 接合部を簡略的に示した吸収体の平面図である。 接合部を簡略的に示した吸収体の平面図である。 接合部を簡略的に示した吸収体の平面図である。 セルの各種の配置例を示す概略平面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
<吸収性物品の例>
図1〜図6はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、図中の符号Xはファスニングテープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示している。各構成部材は、以下に述べる固定又は接合部分以外も、必要に応じて公知のおむつと同様に固定又は接合される。これらの固定又は接合のための手段としては、ホットメルト接着剤や溶着(加熱溶着、超音波溶着)を適宜選択することができる。
このテープタイプ使い捨ておむつは、透液性トップシートと、外面側に位置する液不透過性シートとの間に吸収体50が介在された基本構造を有しており、吸収体50の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、かつ吸収体50を有しない部分である腹側エンドフラップ部EF及び背側エンドフラップ部EFを有するとともに、吸収体50の側縁よりも側方に延出する一対のサイドフラップ部SFを有している。背側部分Bにおけるサイドフラップ部SFにはファスニングテープ13がそれぞれ設けられており、おむつの装着に際しては、背側部分Bのサイドフラップ部SFを腹側部分Fのサイドフラップ部SFの外側に重ねた状態で、ファスニングテープ13を腹側部分F外面の適所に係止する。
また、このテープタイプ使い捨ておむつでは、吸収性本体部10並びに各サイドフラップ部SFの外面全体が外装シート12により形成されている。特に、吸収体50を含む領域においては、外装シート12の内面側に液不透過性シート11がホットメルト接着剤等の接着剤により固定され、さらにこの液不透過性シート11の内面側に吸収体50、中間シート40、及びトップシート30がこの順に積層されている。トップシート30及び液不透過性シート11は図示例では長方形であり、吸収体50よりも前後方向LD及び幅方向WDにおいて若干大きい寸法を有しており、トップシート30における吸収体50の側縁よりはみ出る周縁部と、液不透過性シート11における吸収体50の側縁よりはみ出る周縁部とがホットメルト接着剤などにより接合されている。また液不透過性シート11は、トップシート30よりも若干幅広に形成されている。
さらに、この吸収性本体部10の両側には、装着者の肌側に突出(起立)する側部立体ギャザー60が設けられており、この側部立体ギャザー60を形成するギャザーシート62が、トップシート30の両側部上から各サイドフラップ部SFの内面までの範囲に固着されている。
以下、各部の詳細について順に説明する。
(外装シート)
外装シート12は製品外面を構成するシートである。外装シート12は、両側部における前後方向LDの中央部が括れた形状とされており、ここが着用者の脚を囲む部位となる。外装シート12としては不織布が好適であるが、これに限定されない。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。外装シート12は省略することもでき、その場合には液不透過性シート11を外装シート12と同形状として、製品外面を構成することができる。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、この他にも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂又は疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
(トップシート)
トップシート30は液透過性を有する有孔又は無孔の不織布を用いることができる。不織布の構成繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
(中間シート)
中間シート40は、トップシート30を透過した排泄液を吸収体50側へ速やかに移動させるため、及び逆戻りを防ぐために、トップシート30の裏面に接合されているものである。中間シート40及びトップシート30間の接合は、ホットメルト接着剤を用いる他、ヒートエンボスや超音波溶着を用いることもできる。中間シート40としては、不織布を用いる他、多数の透過孔を有する樹脂フィルムを用いることもできる。不織布としては、トップシート30の項で説明したものと同様の素材を用いることができるが、トップシート30より親水性が高いものや、繊維密度が高いものが、トップシート30から中間シート40への液の移動特性に優れるため好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体50の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の前後方向LDの長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収体50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(側部立体ギャザー)
トップシート30上における排泄物の横方向移動を阻止し、横漏れを防止するために、幅方向WDにおける製品の両側の内面から突出(起立)する側部立体ギャザー60を設けるのは好ましい。
この側部立体ギャザー60は、ギャザーシート62と、このギャザーシート62に前後方向LDに沿って伸長状態で固定された細長状弾性伸縮部材63とにより構成されている。このギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、また弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。弾性伸縮部材は、図1及び図3に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザーシート62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向WDの固着始端を有し、この固着始端から幅方向WDの外側の部分は、液不透過性シート11の側部および当該部分に位置する外装シート12の側部にホットメルト接着剤などにより固着されている。
脚周りにおいては、側部立体ギャザー60の固着始端より幅方向WDの内側は、製品前後方向LDの両端部ではトップシート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が弾性伸縮部材63の収縮力により起立するようになる。おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして弾性伸縮部材63の収縮力が作用するので、弾性伸縮部材63の収縮力により側部立体ギャザー60が起立して脚周りに密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
図示形態と異なり、ギャザーシート62の幅方向WDの内側の部分における前後方向LDの両端部を、幅方向WDの外側の部分から内側に延在する基端側部分と、この基端側部分の幅方向WDの中央側の端縁から身体側に折り返され、幅方向WDの外側に延在する先端側部分とを有する二つ折り状態で固定し、その間の部分を非固定の自由部分とすることもできる。
(平面ギャザー)
各サイドフラップ部SFには、図1〜図3に示すように、ギャザーシート62の固着部分のうち固着始端近傍の幅方向WDの外側において、ギャザーシート62と液不透過性シート11との間に、糸ゴム等からなる脚周り弾性伸縮部材64が前後方向LDに沿って伸長された状態で固定されており、これにより各サイドフラップ部SFの脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている。脚周り弾性伸縮部材64はサイドフラップ部SFにおける液不透過性シート11と外装シート12との間に配置することもできる。脚周り弾性伸縮部材64は、図示例のように各側で複数本設ける他、各側に1本のみ設けることもできる。
(ファスニングテープ)
図1、図2及び図6に示されるように、ファスニングテープ13は、おむつの側部に固定されたテープ取付部13C、及びこのテープ取付部13Cから突出するテープ本体部13Bをなすシート基材と、このシート基材におけるテープ本体部13Bの幅方向WDの中間部に設けられた、腹側に対する係止部13Aとを有し、この係止部13Aより先端側が摘み部とされたものである。ファスニングテープ13のテープ取付部13Cは、サイドフラップ部における内側層をなすギャザーシート62及び外側層をなす外装シート12間に挟まれ、かつホットメルト接着剤により両シート62,12に接着されている。また、係止部13Aはシート基材に接着剤により剥離不能に接合されている。
係止部13Aとしては、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)が好適である。フック材は、その外面側に多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、レ字状、J字状、マッシュルーム状、T字状、ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。もちろん、ファスニングテープ13の係止部として粘着材層を設けることもできる。
また、テープ取付部からテープ本体部までを形成するシート基材としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布等の各種不織布の他、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材を用いることができる。
(ターゲットシート)
腹側部分Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット有するターゲットシート12Tを設けるのが好ましい。ターゲットシート12Tは、係止部がフック材13Aの場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。また、腹側部分Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装シート12が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ13の係止部がフック材13Aの場合には、ターゲットシート12Tを省略し、フック材13Aを外装シート12の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットシート12Tを外装シート12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
(吸収体)
吸収体50は、排泄物の液分を吸収保持する部分である。吸収体50は、その表裏少なくとも一方側の部材に対してホットメルト接着剤等の接着剤を介して接着することができる。
図7に拡大して示すように、吸収体50は、表側シート51と、その裏側に配された裏側シート52と、表側シート51及び裏側シート52の接合部54により周りを囲まれ、かつ表側シート51及び裏側シート52が接合されていないセル(小室)55と、このセル55内に入れられた、高吸収性ポリマー粒子53とを有するセル吸収体50である、このように、接合部54により周囲全体を囲まれた多数のセル55に高吸収性ポリマー粒子53を分配保持させることにより、吸収体50における高吸収性ポリマー粒子53の偏在を防止できる。セル吸収体50は、図示しない包装シートにより包装することができる。この場合、一枚の包装シートを吸収体50の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付ける他、2枚の包装シートで表裏両側から挟むようにして包装することができる。包装シートとしては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。包装シートに不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。包装シートでセル吸収体50を包装する場合、セル吸収体の表裏いずれか一方側にパルプ繊維を積繊させ、これらをひとまとめで包装シートで包装することもできる。
表側シート51は、液透過性素材であっても、液不透過性素材であっても良いが、図示形態のようにトップシート30側に位置する場合には液透過性素材であることが好ましい。表側シート51は、トップシート30と同様に、有孔又は無孔の不織布や多孔性プラスチックシートを用いることができる。表側シート51に不織布を用いる場合、その構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができるが、熱加工性に優れる点で熱可塑性樹脂の繊維が好適である。不織布の繊維結合法は特に限定されないが、高吸収性ポリマー粒子53の脱落を防止するため、スパンボンド法、メルトブローン法、ニ一ドルパンチ法のように繊維密度が高くなる結合法が好ましい。多孔性プラスチックシートを用いる場合、その開孔径は、高吸収性ポリマー粒子53の脱落を防止するため、高吸収性ポリマー粒子53の外形より小さくするのが好ましい。また、表側シート51の素材が疎水性の場合には、親水剤を含有させることもできる。
製造時の高吸収性ポリマー粒子53の配置を容易にするため、及び吸収膨張後の容積確保のために、表側シート51における各セル55を構成する部分には、裏側から表側に窪む窪み51cが形成されていると好ましいが、形成されていなくてもよい。
裏側シート52としては、表側シート51と同様の素材とすることもできるが、表側シート51を液透過性素材により構成する場合には、裏側シート52に液不透過性素材を採用することもできる。裏側シート52に用いうる液不透過性素材としては、液不透過性シート11の項で述べた素材の中から適宜選択して用いることができる。図示しないが、表側シート51及び裏側シート52は、一枚の素材が二つに折り重ねられた一方の層及び他方の層とすることもできる。
高吸収性ポリマー粒子53は表側シート51及び裏側シート52に対して非固定とし、自由に移動可能とする他、表側シート51及び裏側シート52に接着又は粘着させることもできる。また、高吸収性ポリマー粒子53はある程度塊状化していても良い。
高吸収性ポリマー粒子53としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用できる。高吸収性ポリマー粒子の粒径は特に限定されないが、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子53の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子53としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子53の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子53としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体50内に供給された液が吸収体50外に戻り出てしまういわゆる逆戻りを発生しやすくなる。
また、高吸収性ポリマー粒子53としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体50とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子53の目付け量は、当該吸収体50の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
セル55の平面形状は適宜定めることができ、図7〜図9、図18等に示すように、六角形、菱形、正方形、長方形、円形、楕円形等とすることができるが、より密な配置とするために多角形とすることが望ましく、図示形態のように隙間なく配列することが望ましい。なお、図7〜図9等に示す形態は正六角形セル55のハニカム状配列を採用している。セル55は、同一形状及び同一寸法の物を配列する他、形状及び寸法の少なくとも一方が異なる複数種のセル55を組み合わせて配列することもできる。なお、用語「正六角形」は、表側シート51及び裏側シート52が製造時に伸び縮みする影響で前後方向LDに±5%まで伸縮変形したものも含む。
セル55(つまり高吸収性ポリマー粒子53の集合部も同様)の平面配列は一様である限り適宜定めることができるが、規則的に繰り返される平面配列が好ましく、図16(a)に示すような斜方格子状や、図16(b)に示すような六角格子状(これらは千鳥状ともいわれる)、図16(c)に示すような正方格子状、図16(d)に示すような矩形格子状、図16(e)に示すような平行体格子(図示のように、多数の平行な斜め方向の列の群が互いに交差するように2群設けられる形態)状等(これらが伸縮方向に対して90度未満の角度で傾斜したものを含む)のように規則的に繰り返されるものの他、セル55の群(群単位の配列は規則的でも不規則でも良く、模様や文字状等でも良い)が規則的に繰り返されるものとすることもできる。
各セル55の寸法は適宜定めることができ、例えば前後方向LDの長さ55Lは8〜30mm程度とすることができ、また幅方向WDの長さ55Wは10〜50mm程度とすることができる。各セル55の面積は65〜1650mm2程度とすることができる。
表側シート51及び裏側シート52を接合する接合部54は、吸収体50の全体にわたり一様な配置で設けられているが、部分的に変更することもできる。接合部54は、超音波溶着やヒートシールのように表側シート51及び裏側シート52の溶着により接合されていることが望ましいが、ホットメルト接着剤を介して接合されていても良い。
表側シート51及び裏側シート52の接合部54は、各セル55を取り囲むように配置され、隣接するセル間の境界となる限り、図示形態のように点線状(各セル55を取り囲む方向に断続的)に形成する他、連続線状に形成することもできる。接合部54を断続的に形成する場合、セル55を取り囲む方向における接合部54の間には、高吸収性ポリマー粒子53が存在しないか又は存在するとしてもセル55内よりも少ないものとされる。
接合部54は、隣接するセル55内の高吸収性ポリマー粒子53の膨張力により剥離可能な弱接合部54bと、隣接するセル55内の高吸収性ポリマー粒子53の膨張力により剥離しない強接合部54aとを含む。図13に示すように、弱接合部54bを挟んで隣接するセル55同士は、当該セル55内の高吸収性ポリマー粒子53の吸収膨張圧により剥離して合体して一つの大きなセル55に拡大する。一方、強接合部54aはその両側のセル55が吸収膨張しても剥離しない部分であるため、合体セル55の大きさや高さを制限する機能を果たす。接合部54が弱接合部54bのみからなり、強接合部54aを有しない形態とすることもできる。
なお、図9〜図12、図14〜図17では、強接合部54aが太い点線で表現され、弱接合部54bは細い点線で表現されている。
幅方向WDの最も外側に位置する接合部54は、これが剥離すると吸収体50の側方に高吸収性ポリマー粒子53又はそのゲル化物が漏れ出るおそれがあるため強接合部54aとすることが望ましい。同様の観点から、表側シート51及び裏側シート52はセル55形成領域よりも幅方向WDの外側にある程度延在させ、この延在部分に補強のために縁部接合部54cを施しておくのは好ましい。
接合部54の接合強度(表側シート51及び裏側シート52の剥離に抗する強度)の差異は、接合部54の面積を変化させることにより形成するのが簡単でよいが、これに限定されず、例えば接合部54をホットメルト接着剤により形成する場合にはホットメルト接着剤の種類を部位により異ならしめるといった手法を採用することもできる。特に、表側シート51及び裏側シート52を溶着することにより接合部54を形成する場合、弱接合部54bは、接合部54を点線状にして点間隔54Dを広くすることのみでも形成できるが、接合部54は隣接するセル55同士の境界となる部分であるため、点間隔54Dが広くなりすぎると隣接するセル55同士の境界に隙間が多くなり、高吸収性ポリマー粒子53が移動しやすくなる。よって、接合部54の線幅54Wの広狭と、点間隔54Dの広狭とを組み合わせて点線状の弱接合部54bを形成すると、その弱接合部54b部分は隙間が少ない割には剥離しやすいものとなる。
表側シート51及び裏側シート52を接合する接合部54の寸法は適宜定めることができ、例えば線幅(セル55を取り囲む方向と直交する方向の寸法)54Wは0.6〜8.0mm程度とすることができる。また、点線状(セル55を取り囲む方向に断続的)に接合部54を形成する場合、セル55を取り囲む方向における接合部54の長さ54Lは0.6〜8.0mm程度、点間隔54Dは0.8〜10.0mm程度とすることが好ましい。特に、強接合部54aの場合には、線幅54Wは1.0〜4.0mm程度、接合部54の長さ54Lは1.5〜4.0mm程度、点間隔54Dは0.8〜2.5mm程度とすることが好ましい。また、弱接合部54bの場合には、線幅54Wは0.6〜3.5mm程度、接合部54の長さ54Lは0.6〜2.5mm程度、点間隔54Dは1.0〜4.0mm程度とすることが好ましい。
弱接合部54bを剥離可能とするために、弱接合部54bに隣接するセル55の容積よりも当該セル55内の高吸収性ポリマー粒子53の飽和吸収時の体積が十分に大きくなるように、各セル55内に配置される高吸収性ポリマー粒子53の種類及び量を定めることができる。また、強接合部54aを剥離しないものとするために、弱接合部54bの剥離により合体可能なセル55の合体後の容積よりも、当該合体可能なセル55に含まれる高吸収性ポリマー粒子53の飽和吸収時の体積が小さくなるように、各セル55内に配置される高吸収性ポリマー粒子53の種類及び量を定めることができる。
接合部54を連続線状に形成する場合における接合部54の幅、並びに接合部54を点線状に形成する場合における線幅54Wは、セル55を取り囲む方向に一定とする他、変化させることもできる。また、接合部54を点線状に形成する場合における各接合部54の形状は適宜定めることができ、すべて同一とする他、部位に応じて異なる形状とすることもできる。特に各セル55の形状を多角形とする場合には、各辺の中間位置及び各頂点位置の少なくとも一方には接合部54を設けるのが好ましい。また、強接合部54aの場合は各頂点位置にも設けることが好ましいが、弱接合部54bの場合は各頂点位置には設けない方が弱接合部54bが剥離しやすくなり、セル55の合体が円滑に進行するため好ましい。各頂点位置に接合部54を設ける場合、その形状は各辺の方向に突出する放射状(星状)の形状をなしていることが望ましい。
図8及び図9に示す形態では、幅方向WDに並ぶ強接合部54aが前後方向LDに間隔を空けて複数列設けられており、これら強接合部54aの列によって区画され、弱接合部54bのみを介して隣接するセル55の集合領域である最拡大区画57が、前後方向LDに複数並んでいる。そして、装着者の排泄口と対向する排泄位置Z1を含む最拡大区画57における弱接合部54bの接合強度よりも、その前後両側に隣接する最拡大区画57における弱接合部54bの接合強度が弱く、さらにその前後両側に隣接する最拡大区画57における弱接合部54bの接合強度はさらに弱く、というように、装着者の排泄口と対向する排泄位置Z1から前後方向LD両側の区画ほど(つまり遠いほど)、弱接合部54bの接合強度が段階的に弱くなっている。接合強度に差異をもたせる手法は、前述の強接合部54a及び弱接合部54bの接合強度に差異をもたせる場合と同様である。
前述のように、排泄液の吸収時、高吸収性ポリマー粒子53の膨張により弱接合部54bは剥離するが、強接合部54aは剥離しないため、弱接合部54bの剥離により隣接するセル55同士が合体していく。例えばいま、図8に示す形態において、位置Z1に尿が排泄され、そこを中心に図9に示すように尿が周囲に広がって領域Z2まで拡散し、その尿を各位置の高吸収性ポリマー粒子53が吸収していくと仮定する。このとき、図13にも示すように、内部の高吸収性ポリマー粒子53の膨張圧が高まったセル55については、その周囲の弱接合部54bが膨張圧に抗しきれずに剥離して、隣接セル55と合体し、この合体が、高吸収性ポリマー粒子53の吸収膨張が弱接合部54bを剥離しうる限り続き、周囲に強接合部54aを有するセル55まで進行可能となる。つまり、高吸収性ポリマー粒子53の膨張により弱接合部54bが剥離してセル55が合体していくとしても、最拡大区画57以上には大きくならない。ただし、前述のように弱接合部54bの接合強度は排泄位置Z1から前後方向LD両側の最拡大区画57ほど弱いため、図10〜図12の順に平面的変化を、また図13に断面的変化を示すように、排泄から遠い最拡大区画57ほど先に合体が始まりかつ進行することとなるため、排泄位置Z1に近いほど高吸収性ポリマー粒子53の膨張吸収が妨げられ、排泄位置Z1から遠いほど高吸収性ポリマー粒子53の膨張吸収が促進される。よって、排泄液は排泄位置Z1から遠い位置に供給されやすくなり、排泄位置Z1から遠い部位の吸収への利用度が向上する。図12は、領域Z2内の弱接合部54bのみがすべて剥離し、尿が全体に拡散した最拡大区画57についてはすべてのセル55が合体した状態を示している。特に、使い捨ておむつにおいては前後方向LDの両側に向かうほど吸収に利用されにくくなるため、図8及び図9に示す形態のように、前後方向LDに弱接合部54bの接合強度を変化させることが好ましい。
図14に示すように、強接合部54aが並ぶ環が排泄位置Z1の周囲に多重環状に設けられ、これら強接合部54aの環によって区画され、弱接合部54bのみを介して隣接するセル55の集合領域である最拡大区画57が多重環状に形成され、これら最拡大区画57は排泄位置Z1を中心とした放射方向外側に向かうほど弱接合部54bの接合強度が弱くなっている形態も提案される。すなわち、排泄液は、基本的に排泄位置Z1から放射方向に拡散するため、排泄位置Z1を中心とした放射方向に弱接合部54bの接合強度を変化させるのは一つの好ましい形態である。
弱接合部54bの接合強度が弱くなる段階数は1段でも十分な効果が期待できるが、2段以上変化することが望ましく、図示形態のように3段以上とすることもできる。
弱接合部54bの接合強度が変化する吸収促進領域は、図示形態のように、吸収体50の全体にわたり設けられていることが望ましいが、吸収促進領域が吸収体50の一部、例えば前後方向LD中間部のみに形成されているだけでもよく、その場合、吸収促進領域以外では弱接合部54bの接合強度が吸収促進領域に対して強くなっていてもよい。
吸収体50の広範囲にわたりセル55同士が合体可能であると、吸収時に膨張した高吸収性ポリマー粒子53のゲル化物が合体セル55内を大きく移動可能となり、当該ゲル化物が股間部等の低所に集合して装着感を悪化させるおそれがある。これに対して、図9や図14に示す形態の最拡大区画57のように弱接合部54bの接合強度が変化する境界に強接合部54aが設けられていると、弱接合部54bの接合強度の変化による作用を阻害せずに、吸収時に剥離しない強接合部54aによって高吸収性ポリマー粒子53のゲル化物の移動を阻止することができ、吸収体50の形状の崩れを防止することができる。
強接合部54aは、弱接合部54bの接合強度が変化する境界とは関係なく、適宜の配置で設けることができる。例えば、図9に示す形態や図14に示す形態と同じパターンで弱接合部54bの接合強度が変化するものとしつつ、強接合部54aは最拡大区画57の好ましい形状等を優先して図15〜図17に示すパターンで設けることができる。図示形態のようにセル55が正六角形である場合には、最拡大区画57の周縁において、一つのセル55あたり連続する2つの辺をつなげた部分は直線状の部分となりうるものであり、一つのセル55あたり連続する3つの辺をつなげた部分は直線状の部分又は内角120度の角部分(方向転換部分)となりうるものであり、一つのセル55あたり連続する4つの辺をつなげた部分は内角60度又は180度の方向転換部分となりうるものである。よって、これら直線状の部分と角部分を組み合わせることにより、最拡大区画57の周縁形状(強接合部54aの配列)を、ほぼ三角形状、ほぼ四角形状、ほぼ円形状、ほぼ台形状、又はほぼ平行四辺形状等、適宜の形状とすることができる。図15に示す形態では、複数のセル55の集合からなる最拡大区画57は、3以上の数のセル55が二方向以上の方向に並び、かつ周縁形状が、周縁に沿うセル55において一つのセル55あたり連続する2〜4の辺をつなげて形成される閉形状をなしている。これにより、セル55が順次合体して最拡大区画57まで円滑に拡大しやすく、最拡大区画57は膨らみやすい形状となり、かつ最拡大区画57まで拡大したときの、セル55合体数に対するセル55容積増加量に優れるようになる。
弱接合部54bの接合強度が変化する境界に強接合部54aが設けられている形態では、排泄液の吸収時、高吸収性ポリマー粒子53の膨張により弱接合部54bは剥離するが、強接合部54aは剥離しないため、弱接合部54bの剥離により隣接するセル55同士が合体していくものの、合体セル55の大きさ、高さは強接合部54aにより制限される。つまり、セル55の数が多い集合領域ほど、排泄液の吸収時、合体セル55が大きく高く盛り上がることとなる。したがって、図9及び図14に示すように、弱接合部54bの接合強度が弱いセル55の集合領域ほど、当該領域に含まれるセル55の数を多くするのは一つの好ましい形態である。これにより、排泄液の吸収時には排泄位置Z1から遠いほど大きく、高く盛り上がった合体セル55が形成され、この合体セル55が尿の移動を遮る遮断体となり、漏れが防止されるようになる。
高吸収性ポリマー粒子53の単位面積当たりの含有量は、弱接合部54bの接合強度の変化に関係なく一定としても良いが、弱接合部54bの接合強度が弱いセル55集合領域ほど高吸収性ポリマー粒子53の含有量を多くする、あるいはその逆とする等、変化をもたせることができる。この高吸収性ポリマー粒子53の含有量の変化は適宜定めることができるが、例えば最も高含有の部分で450〜1000g/m2程度とし、最も低含有の部分では最も高含有の部分の1/2〜1/10倍程度とすることができる。
他方、図9、図15〜図17等に示すように、高吸収性ポリマー粒子53の単位面積当たりの内包量が他のセルよりも少ない空セル56を設けることもできる。図8では、高吸収性ポリマー粒子53を含有するセル55に斜線模様が付されている。なお、この斜線模様を付した領域53Aは、製造時の高吸収性ポリマー粒子53の散布領域の形状を想定しているため、周縁のセルには斜線模様のない部分があるが、セル55内で高吸収性ポリマー粒子が移動可能である場合には製品ではセル55内における高吸収性ポリマー粒子の存在位置が固定されるものではない。空セル56における高吸収性ポリマー粒子53の内包量は、重量比で他のセル55の1/2以下、特に1/10以下であることが好ましく、全く内包しないと特に好ましい。例えば、図示形態のように、吸収体50の前端及び後端は、製造の際に個々の吸収体50へ切断することにより形成されるため、この位置に高吸収性ポリマー粒子53を含有すると切断装置の刃の寿命が短くなるおそれがある。よって、少なくとも前後端が通過する位置のセル55は空セル56であることが望ましい。
また、粉砕パルプ等の親水性短繊維に高吸収性ポリマー粒子53を混合し綿状に積繊した吸収体50では、脚周りに沿うように前後方向LDの中間部が幅方向WDにくびれた形状に形成することが一般的であるが、図9及び図15に示すように、セル吸収体50においても、前後方向LDの中間における両側部のセルを空セル56とすることにより、当該部分は吸収後も膨張が少ないものとなり、したがって吸収後においても吸収体50が脚周りにフィットする形状となる。
図15及び図16に示すように、幅方向WDの中央部に位置する一列又は複数列のセル55を空セル56とすることもできる。これにより、当該空セル56はその幅方向WDの両側のセル55と比較して膨張量が少なくなるため、排泄液の吸収時に幅方向WDの中央部に前後方向LDに延びる溝が形成され、その溝により液拡散が促進される。この幅方向WDの中央部の空セル56は、吸収体50の全長にわたり設けられていてもよいが、図示形態のように前後方向LDの中間部分(特に股間部を含み、その前後両側にわたる範囲)に設けられていてもよい。
セル吸収体50を製造する場合、個々のセル55に正確に所定量の高吸収性ポリマー粒子53を分配することは困難であるため、表側シート51又は裏側シート52上における高吸収性ポリマー粒子53含有領域(空セル56となる部分を除いた領域)の全体にわたり高吸収性ポリマー粒子53を一様に散布した後、接合部54を形成して表側シート51及び裏側シート52を一体化するとともにセル55内に高吸収性ポリマー粒子53を閉じ込めることが好ましい。この場合、特に高吸収性ポリマー粒子53含有領域の周縁に位置する周縁セル55に対しては、セル55の周縁に一致する正確な形状で高吸収性ポリマー粒子53を散布することができないため、図8に斜線で示される高吸収性ポリマー粒子53の散布領域53Aの形状からも分かるように、散布領域53Aの周縁が周縁セル55の中間を通るように高吸収性ポリマー粒子53を散布することが望ましい。この場合、周縁セル55の高吸収性ポリマー粒子53の内包量は、周縁セル55よりも内側に位置するセル55より少なくなり、周縁セル55の外側にセル55を有する場合には、この外側のセル55が高吸収性ポリマー粒子53を実質的に含まない空セル56となる。
上記例は、セル55内に高吸収性ポリマー粒子53のみ内包させているが、高吸収性ポリマー粒子53とともに消臭剤粒子等、高吸収性ポリマー粒子53以外の粉粒体を内包させることもできる。
上記例は、接合部54によって周りを囲まれた、セル55間に位置する接合部54が弱接合部54bのみである複数のセル55の集合又は単一のセル55からなる最拡大区画57を有する形態であるが、強接合部54aを有するが、その配置がまばらで最拡大区画57を有しない形態とすることもできる。また、少なくとも周縁部以外に強接合部54aを有しない形態とすることもできる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中で以下の用語が使用される場合、明細書中に特に記載がない限り、以下の意味を有するものである。
・「MD方向」及び「CD方向」とは、製造設備における流れ方向(MD方向)及びこれと直交する横方向(CD方向)を意味し、いずれか一方が製品の前後方向となるものであり、他方が製品の幅方向となるものである。不織布のMD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「人工尿」は、尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したものであり、特に記載の無い限り、温度40度で使用される。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディー圧縮試験機)を用い、荷重:10gf/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・試験や測定における環境条件についての記載がない場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載がない限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
11…液不透過性シート、12…外装シート、12T…ターゲットシート、13…ファスニングテープ、13A…係止部、13B…テープ本体部、13C…テープ取付部、30…トップシート、40…中間シート、60…側部立体ギャザー、62…ギャザーシート、50…吸収体、51…表側シート、51c…窪み、52…裏側シート、53…高吸収性ポリマー粒子、54…接合部、54a…強接合部、54b…弱接合部、54c…縁部接合部、55…セル、56…空セル、57…最拡大区画、LD…前後方向、WD…幅方向、Z1…排泄位置。
本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に関するものである。
吸収性物品は、吸収体と、この吸収体の表側を被覆する液透過性トップシートとを備えており、尿や経血等の排泄液はトップシートを透過して吸収体により吸収され保持されるようになっている。吸収体としては、粉砕パルプ等の親水性短繊維に高吸収性ポリマー粒子(SAP)を混合し綿状に積繊したものが広く採用されているが、十分な吸収可能量を確保しつつ、さらなる薄型化、軽量化、ローコスト化等の要請にこたえるものとして、表側シート及び裏側シートの接合部により周りを囲まれ、かつ表側シート及び裏側シートが接合されていない多数のセル(小室)と、このセル内に含まれた高吸収性ポリマー粒子を含む粉粒体とを有する吸収体(以下、セル吸収体ともいう)が各種提案されている(例えば下記特許文献1〜8参照)。
これらセル吸収体では、各セルの容積よりもセル内の高吸収性ポリマー粒子の飽和吸収時の体積が十分に大きいと、吸収時に、高吸収性ポリマー粒子がセル内に充満し、膨張阻害及びいわゆるゲルブロッキングにより吸収量・吸収速度が低下するおそれや、高吸収性ポリマー粒子の膨張圧によりセルが硬くなり、装着感が悪化するおそれや、表側シート及び裏側シートが不織布により形成されている場合には、その繊維間隙から高吸収性ポリマー粒子が漏れ出るおそれがある。このため、セル吸収体では、表側シート及び裏側シートの接合部が吸収時に剥離し、隣接するセル同士の合体により、セル容積が拡大するものも提案されている(例えば下記特許文献1〜5参照)。
しかしながら、従来のように接合部の剥離が一様に発生するセル吸収体では、基本的に排泄位置に近いほど優先的に吸収が進行してセルが膨張し、セルが合体していくため、排泄位置から遠いほど吸収への利用度が低くなるという問題点を有していた。
特開2009−061230号公報 特表平09−504207号公報 特表2014−500736号公報 実登03172565号公報 特開2011−189067号公報 特開平09−327479号公報 特開平10−137291号公報 特開2003−265525号公報
そこで、本発明の主たる課題は、セル吸収体において、排泄位置から遠い部位の吸収への利用度を向上することにある。
上記課題を解決した本発明の代表的な態様は以下のとおりである。
<第1の態様>
表側シートと、その裏側に配された裏側シートと、表側シート及び裏側シートの接合部により周りを囲まれ、かつ表側シート及び裏側シートが接合されていない多数のセルと、このセル内に含まれた、高吸収性ポリマー粒子を含む粉粒体とを有する吸収体を備えた、吸収性物品において;
前記接合部は、隣接するセル内の高吸収性ポリマー粒子の膨張力により剥離可能な弱接合部を含み、
前記弱接合部を介して隣接するセル同士は、当該弱接合部の剥離により合体し、より大きな単一のセルに拡大可能であり、
前記吸収体は、装着者の排泄口と対向する排泄位置とその周囲の少なくとも一部を含む吸収促進領域では、装着者の排泄口と対向する排泄位置から少なくとも一方向に、弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域が複数並び、かつこれら集合領域は前記排泄位置から遠い領域ほど弱接合部の接合強度が弱くなっている、
ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本発明では、排泄液の吸収時、高吸収性ポリマー粒子の膨張により弱接合部が剥離する際、少なくとも一方向においては、排泄位置に近いほど弱接合部が剥離しにくいため、排泄位置に近いほど高吸収性ポリマー粒子の膨張吸収が妨げられ、排泄位置から遠いほど高吸収性ポリマー粒子の膨張吸収が促進される。よって、排泄液は排泄位置から遠い位置に供給されやすくなり、排泄位置から遠い部位の吸収への利用度が向上する。
<第2の態様>
前記吸収促進領域では、前後方向に弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域が複数並び、かつこれら集合領域は前記排泄位置から前後方向両側に向かうほど弱接合部の接合強度が弱くなっている、
第1の態様の吸収性物品。
(作用効果)
吸収性物品においては前後方向の両側に向かうほど吸収に利用されにくくなるため、前後方向に弱接合部の接合強度を変化させることが好ましい。
<第3の態様>
前記吸収促進領域では、前記排泄位置を中心とした放射方向に弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域が複数並び、かつこれら集合領域は前記排泄位置を中心とした放射方向外側に向かうほど弱接合部の接合強度が弱くなっている、
第1の態様の吸収性物品。
(作用効果)
排泄液は、基本的に排泄位置から放射方向に拡散するため、排泄位置を中心とした放射方向に弱接合部の接合強度を変化させるのは一つの好ましい形態である。
<第4の態様>
前記接合部として、前記弱接合部と、隣接するセル内の高吸収性ポリマー粒子の膨張力により剥離しない強接合部とを有し、
前記弱接合部の接合強度が変化する境界に前記強接合部が設けられている、
第1〜3のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
吸収体の広範囲にわたりセル同士が合体可能であると、吸収時に膨張した高吸収性ポリマー粒子のゲル化物が合体セル内を大きく移動可能となり、当該ゲル化物が股間部等の低所に集合して装着感を悪化させるおそれがある。これに対して、上述のように弱接合部の接合強度が変化する境界に強接合部が設けられていると、弱接合部の接合強度の変化による作用を阻害せずに、吸収時に剥離しない強接合部によって高吸収性ポリマー粒子のゲル化物の移動を阻止することができ、吸収体の形状の崩れを防止することができる。
<第5の態様>
前記弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域は、前記弱接合部の接合強度が弱い領域ほど、当該領域に含まれるセルの数が多い、
第4の態様の吸収性物品。
(作用効果)
弱接合部の接合強度が変化する境界に強接合部が設けられている形態では、排泄液の吸収時、高吸収性ポリマー粒子の膨張により弱接合部は剥離するが、強接合部は剥離しないため、弱接合部の剥離により隣接するセル同士が合体していくものの、合体セルの大きさ、高さは強接合部により制限される。よって、セルの数が多い集合領域ほど、排泄液の吸収時、合体セルが大きく高く盛り上がることとなる。したがって、弱接合部の接合強度が弱いセルの集合領域ほど、当該領域に含まれるセルの数が多いと、排泄液の吸収時には排泄位置から遠いほど大きく、高く盛り上がった合体セルが形成され、この合体セルが尿の移動を遮る遮断体となり、漏れが防止されるようになる。
<第6の態様>
前記接合部は多角形が隙間なく並ぶパターンに沿って設けられており、
前記セルは、前記接合部の多角形の部分により周りを囲まれた多角形をなしている、
第1〜5のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
本発明は、接合部及びセルがこのような規則的な形状、配置である形態に好適である。
本発明によれば、セル吸収体において、排泄位置から遠い部位の吸収への利用度を向上することができる、等の利点がもたらされる。
テープタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 テープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の6−6断面図である。 図1の7−7断面図である。 (a)図1の8−8断面図、(b)図1の9−9断面図である。 図1の5−5断面図である。 (a)吸収体の要部破断平面図、(b)その1-1断面図である。 吸収体の平面図である。 接合部を簡略的に示した吸収体の平面図である。 吸収時の変化状態を示す吸収体の平面図である。 吸収時の変化状態を示す吸収体の平面図である。 吸収時の変化状態を示す吸収体の平面図である。 図9〜図12の3−3断面図である。 接合部を簡略的に示した吸収体の平面図である。 接合部を簡略的に示した吸収体の平面図である。 接合部を簡略的に示した吸収体の平面図である。 接合部を簡略的に示した吸収体の平面図である。 セルの各種の配置例を示す概略平面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
<吸収性物品の例>
図1〜図6はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、図中の符号Xはファスニングテープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示している。各構成部材は、以下に述べる固定又は接合部分以外も、必要に応じて公知のおむつと同様に固定又は接合される。これらの固定又は接合のための手段としては、ホットメルト接着剤や溶着(加熱溶着、超音波溶着)を適宜選択することができる。
このテープタイプ使い捨ておむつは、透液性トップシートと、外面側に位置する液不透過性シートとの間に吸収体50が介在された基本構造を有しており、吸収体50の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、かつ吸収体50を有しない部分である腹側エンドフラップ部EF及び背側エンドフラップ部EFを有するとともに、吸収体50の側縁よりも側方に延出する一対のサイドフラップ部SFを有している。背側部分Bにおけるサイドフラップ部SFにはファスニングテープ13がそれぞれ設けられており、おむつの装着に際しては、背側部分Bのサイドフラップ部SFを腹側部分Fのサイドフラップ部SFの外側に重ねた状態で、ファスニングテープ13を腹側部分F外面の適所に係止する。
また、このテープタイプ使い捨ておむつでは、吸収性本体部10並びに各サイドフラップ部SFの外面全体が外装シート12により形成されている。特に、吸収体50を含む領域においては、外装シート12の内面側に液不透過性シート11がホットメルト接着剤等の接着剤により固定され、さらにこの液不透過性シート11の内面側に吸収体50、中間シート40、及びトップシート30がこの順に積層されている。トップシート30及び液不透過性シート11は図示例では長方形であり、吸収体50よりも前後方向LD及び幅方向WDにおいて若干大きい寸法を有しており、トップシート30における吸収体50の側縁よりはみ出る周縁部と、液不透過性シート11における吸収体50の側縁よりはみ出る周縁部とがホットメルト接着剤などにより接合されている。また液不透過性シート11は、トップシート30よりも若干幅広に形成されている。
さらに、この吸収性本体部10の両側には、装着者の肌側に突出(起立)する側部立体ギャザー60が設けられており、この側部立体ギャザー60を形成するギャザーシート62が、トップシート30の両側部上から各サイドフラップ部SFの内面までの範囲に固着されている。
以下、各部の詳細について順に説明する。
(外装シート)
外装シート12は製品外面を構成するシートである。外装シート12は、両側部における前後方向LDの中央部が括れた形状とされており、ここが着用者の脚を囲む部位となる。外装シート12としては不織布が好適であるが、これに限定されない。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。外装シート12は省略することもでき、その場合には液不透過性シート11を外装シート12と同形状として、製品外面を構成することができる。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、この他にも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂又は疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
(トップシート)
トップシート30は液透過性を有する有孔又は無孔の不織布を用いることができる。不織布の構成繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
(中間シート)
中間シート40は、トップシート30を透過した排泄液を吸収体50側へ速やかに移動させるため、及び逆戻りを防ぐために、トップシート30の裏面に接合されているものである。中間シート40及びトップシート30間の接合は、ホットメルト接着剤を用いる他、ヒートエンボスや超音波溶着を用いることもできる。中間シート40としては、不織布を用いる他、多数の透過孔を有する樹脂フィルムを用いることもできる。不織布としては、トップシート30の項で説明したものと同様の素材を用いることができるが、トップシート30より親水性が高いものや、繊維密度が高いものが、トップシート30から中間シート40への液の移動特性に優れるため好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体50の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の前後方向LDの長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収体50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(側部立体ギャザー)
トップシート30上における排泄物の横方向移動を阻止し、横漏れを防止するために、幅方向WDにおける製品の両側の内面から突出(起立)する側部立体ギャザー60を設けるのは好ましい。
この側部立体ギャザー60は、ギャザーシート62と、このギャザーシート62に前後方向LDに沿って伸長状態で固定された細長状弾性伸縮部材63とにより構成されている。このギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、また弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。弾性伸縮部材は、図1及び図3に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザーシート62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向WDの固着始端を有し、この固着始端から幅方向WDの外側の部分は、液不透過性シート11の側部および当該部分に位置する外装シート12の側部にホットメルト接着剤などにより固着されている。
脚周りにおいては、側部立体ギャザー60の固着始端より幅方向WDの内側は、製品前後方向LDの両端部ではトップシート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が弾性伸縮部材63の収縮力により起立するようになる。おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして弾性伸縮部材63の収縮力が作用するので、弾性伸縮部材63の収縮力により側部立体ギャザー60が起立して脚周りに密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
図示形態と異なり、ギャザーシート62の幅方向WDの内側の部分における前後方向LDの両端部を、幅方向WDの外側の部分から内側に延在する基端側部分と、この基端側部分の幅方向WDの中央側の端縁から身体側に折り返され、幅方向WDの外側に延在する先端側部分とを有する二つ折り状態で固定し、その間の部分を非固定の自由部分とすることもできる。
(平面ギャザー)
各サイドフラップ部SFには、図1〜図3に示すように、ギャザーシート62の固着部分のうち固着始端近傍の幅方向WDの外側において、ギャザーシート62と液不透過性シート11との間に、糸ゴム等からなる脚周り弾性伸縮部材64が前後方向LDに沿って伸長された状態で固定されており、これにより各サイドフラップ部SFの脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている。脚周り弾性伸縮部材64はサイドフラップ部SFにおける液不透過性シート11と外装シート12との間に配置することもできる。脚周り弾性伸縮部材64は、図示例のように各側で複数本設ける他、各側に1本のみ設けることもできる。
(ファスニングテープ)
図1、図2及び図6に示されるように、ファスニングテープ13は、おむつの側部に固定されたテープ取付部13C、及びこのテープ取付部13Cから突出するテープ本体部13Bをなすシート基材と、このシート基材におけるテープ本体部13Bの幅方向WDの中間部に設けられた、腹側に対する係止部13Aとを有し、この係止部13Aより先端側が摘み部とされたものである。ファスニングテープ13のテープ取付部13Cは、サイドフラップ部における内側層をなすギャザーシート62及び外側層をなす外装シート12間に挟まれ、かつホットメルト接着剤により両シート62,12に接着されている。また、係止部13Aはシート基材に接着剤により剥離不能に接合されている。
係止部13Aとしては、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)が好適である。フック材は、その外面側に多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、レ字状、J字状、マッシュルーム状、T字状、ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。もちろん、ファスニングテープ13の係止部として粘着材層を設けることもできる。
また、テープ取付部からテープ本体部までを形成するシート基材としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布等の各種不織布の他、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材を用いることができる。
(ターゲットシート)
腹側部分Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット有するターゲットシート12Tを設けるのが好ましい。ターゲットシート12Tは、係止部13Aがフック材の場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。また、腹側部分Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装シート12が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ13の係止部13Aがフック材の場合には、ターゲットシート12Tを省略し、フック材を外装シート12の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットシート12Tを外装シート12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
(吸収体)
吸収体50は、排泄物の液分を吸収保持する部分である。吸収体50は、その表裏少なくとも一方側の部材に対してホットメルト接着剤等の接着剤を介して接着することができる。
図7に拡大して示すように、吸収体50は、表側シート51と、その裏側に配された裏側シート52と、表側シート51及び裏側シート52の接合部54により周りを囲まれ、かつ表側シート51及び裏側シート52が接合されていないセル(小室)55と、このセル55内に入れられた、高吸収性ポリマー粒子53とを有するセル吸収体50である、このように、接合部54により周囲全体を囲まれた多数のセル55に高吸収性ポリマー粒子53を分配保持させることにより、吸収体50における高吸収性ポリマー粒子53の偏在を防止できる。セル吸収体50は、図示しない包装シートにより包装することができる。この場合、一枚の包装シートを吸収体50の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付ける他、2枚の包装シートで表裏両側から挟むようにして包装することができる。包装シートとしては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。包装シートに不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。包装シートでセル吸収体50を包装する場合、セル吸収体の表裏いずれか一方側にパルプ繊維を積繊させ、これらをひとまとめで包装シートで包装することもできる。
表側シート51は、液透過性素材であっても、液不透過性素材であっても良いが、図示形態のようにトップシート30側に位置する場合には液透過性素材であることが好ましい。表側シート51は、トップシート30と同様に、有孔又は無孔の不織布や多孔性プラスチックシートを用いることができる。表側シート51に不織布を用いる場合、その構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができるが、熱加工性に優れる点で熱可塑性樹脂の繊維が好適である。不織布の繊維結合法は特に限定されないが、高吸収性ポリマー粒子53の脱落を防止するため、スパンボンド法、メルトブローン法、ニ一ドルパンチ法のように繊維密度が高くなる結合法が好ましい。多孔性プラスチックシートを用いる場合、その開孔径は、高吸収性ポリマー粒子53の脱落を防止するため、高吸収性ポリマー粒子53の外形より小さくするのが好ましい。また、表側シート51の素材が疎水性の場合には、親水剤を含有させることもできる。
製造時の高吸収性ポリマー粒子53の配置を容易にするため、及び吸収膨張後の容積確保のために、表側シート51における各セル55を構成する部分には、裏側から表側に窪む窪み51cが形成されていると好ましいが、形成されていなくてもよい。
裏側シート52としては、表側シート51と同様の素材とすることもできるが、表側シート51を液透過性素材により構成する場合には、裏側シート52に液不透過性素材を採用することもできる。裏側シート52に用いうる液不透過性素材としては、液不透過性シート11の項で述べた素材の中から適宜選択して用いることができる。図示しないが、表側シート51及び裏側シート52は、一枚の素材が二つに折り重ねられた一方の層及び他方の層とすることもできる。
高吸収性ポリマー粒子53は表側シート51及び裏側シート52に対して非固定とし、自由に移動可能とする他、表側シート51及び裏側シート52に接着又は粘着させることもできる。また、高吸収性ポリマー粒子53はある程度塊状化していても良い。
高吸収性ポリマー粒子53としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用できる。高吸収性ポリマー粒子の粒径は特に限定されないが、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子53の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子53としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子53の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子53としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体50内に供給された液が吸収体50外に戻り出てしまういわゆる逆戻りを発生しやすくなる。
また、高吸収性ポリマー粒子53としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体50とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子53の目付け量は、当該吸収体50の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
セル55の平面形状は適宜定めることができ、図7〜図9、図18等に示すように、六角形、菱形、正方形、長方形、円形、楕円形等とすることができるが、より密な配置とするために多角形とすることが望ましく、図示形態のように隙間なく配列することが望ましい。なお、図7〜図9等に示す形態は正六角形セル55のハニカム状配列を採用している。セル55は、同一形状及び同一寸法の物を配列する他、形状及び寸法の少なくとも一方が異なる複数種のセル55を組み合わせて配列することもできる。なお、用語「正六角形」は、表側シート51及び裏側シート52が製造時に伸び縮みする影響で前後方向LDに±5%まで伸縮変形したものも含む。
セル55(つまり高吸収性ポリマー粒子53の集合部も同様)の平面配列は一様である限り適宜定めることができるが、規則的に繰り返される平面配列が好ましく、図16(a)に示すような斜方格子状や、図16(b)に示すような六角格子状(これらは千鳥状ともいわれる)、図16(c)に示すような正方格子状、図16(d)に示すような矩形格子状、図16(e)に示すような平行体格子(図示のように、多数の平行な斜め方向の列の群が互いに交差するように2群設けられる形態)状等(これらが伸縮方向に対して90度未満の角度で傾斜したものを含む)のように規則的に繰り返されるものの他、セル55の群(群単位の配列は規則的でも不規則でも良く、模様や文字状等でも良い)が規則的に繰り返されるものとすることもできる。
各セル55の寸法は適宜定めることができ、例えば前後方向LDの長さ55Lは8〜30mm程度とすることができ、また幅方向WDの長さ55Wは10〜50mm程度とすることができる。各セル55の面積は65〜1650mm2程度とすることができる。
表側シート51及び裏側シート52を接合する接合部54は、吸収体50の全体にわたり一様な配置で設けられているが、部分的に変更することもできる。接合部54は、超音波溶着やヒートシールのように表側シート51及び裏側シート52の溶着により接合されていることが望ましいが、ホットメルト接着剤を介して接合されていても良い。
表側シート51及び裏側シート52の接合部54は、各セル55を取り囲むように配置され、隣接するセル間の境界となる限り、図示形態のように点線状(各セル55を取り囲む方向に断続的)に形成する他、連続線状に形成することもできる。接合部54を断続的に形成する場合、セル55を取り囲む方向における接合部54の間には、高吸収性ポリマー粒子53が存在しないか又は存在するとしてもセル55内よりも少ないものとされる。
接合部54は、隣接するセル55内の高吸収性ポリマー粒子53の膨張力により剥離可能な弱接合部54bと、隣接するセル55内の高吸収性ポリマー粒子53の膨張力により剥離しない強接合部54aとを含む。図13に示すように、弱接合部54bを挟んで隣接するセル55同士は、当該セル55内の高吸収性ポリマー粒子53の吸収膨張圧により剥離して合体して一つの大きなセル55に拡大する。一方、強接合部54aはその両側のセル55が吸収膨張しても剥離しない部分であるため、合体セル55の大きさや高さを制限する機能を果たす。接合部54が弱接合部54bのみからなり、強接合部54aを有しない形態とすることもできる。
なお、図9〜図12、図14〜図17では、強接合部54aが太い点線で表現され、弱接合部54bは細い点線で表現されている。
幅方向WDの最も外側に位置する接合部54は、これが剥離すると吸収体50の側方に高吸収性ポリマー粒子53又はそのゲル化物が漏れ出るおそれがあるため強接合部54aとすることが望ましい。同様の観点から、表側シート51及び裏側シート52はセル55形成領域よりも幅方向WDの外側にある程度延在させ、この延在部分に補強のために縁部接合部54cを施しておくのは好ましい。
接合部54の接合強度(表側シート51及び裏側シート52の剥離に抗する強度)の差異は、接合部54の面積を変化させることにより形成するのが簡単でよいが、これに限定されず、例えば接合部54をホットメルト接着剤により形成する場合にはホットメルト接着剤の種類を部位により異ならしめるといった手法を採用することもできる。特に、表側シート51及び裏側シート52を溶着することにより接合部54を形成する場合、弱接合部54bは、接合部54を点線状にして点間隔54Dを広くすることのみでも形成できるが、接合部54は隣接するセル55同士の境界となる部分であるため、点間隔54Dが広くなりすぎると隣接するセル55同士の境界に隙間が多くなり、高吸収性ポリマー粒子53が移動しやすくなる。よって、接合部54の線幅54Wの広狭と、点間隔54Dの広狭とを組み合わせて点線状の弱接合部54bを形成すると、その弱接合部54b部分は隙間が少ない割には剥離しやすいものとなる。
表側シート51及び裏側シート52を接合する接合部54の寸法は適宜定めることができ、例えば線幅(セル55を取り囲む方向と直交する方向の寸法)54Wは0.6〜8.0mm程度とすることができる。また、点線状(セル55を取り囲む方向に断続的)に接合部54を形成する場合、セル55を取り囲む方向における接合部54の長さ54Lは0.6〜8.0mm程度、点間隔54Dは0.8〜10.0mm程度とすることが好ましい。特に、強接合部54aの場合には、線幅54Wは1.0〜4.0mm程度、接合部54の長さ54Lは1.5〜4.0mm程度、点間隔54Dは0.8〜2.5mm程度とすることが好ましい。また、弱接合部54bの場合には、線幅54Wは0.6〜3.5mm程度、接合部54の長さ54Lは0.6〜2.5mm程度、点間隔54Dは1.0〜4.0mm程度とすることが好ましい。
弱接合部54bを剥離可能とするために、弱接合部54bに隣接するセル55の容積よりも当該セル55内の高吸収性ポリマー粒子53の飽和吸収時の体積が十分に大きくなるように、各セル55内に配置される高吸収性ポリマー粒子53の種類及び量を定めることができる。また、強接合部54aを剥離しないものとするために、弱接合部54bの剥離により合体可能なセル55の合体後の容積よりも、当該合体可能なセル55に含まれる高吸収性ポリマー粒子53の飽和吸収時の体積が小さくなるように、各セル55内に配置される高吸収性ポリマー粒子53の種類及び量を定めることができる。
接合部54を連続線状に形成する場合における接合部54の幅、並びに接合部54を点線状に形成する場合における線幅54Wは、セル55を取り囲む方向に一定とする他、変化させることもできる。また、接合部54を点線状に形成する場合における各接合部54の形状は適宜定めることができ、すべて同一とする他、部位に応じて異なる形状とすることもできる。特に各セル55の形状を多角形とする場合には、各辺の中間位置及び各頂点位置の少なくとも一方には接合部54を設けるのが好ましい。また、強接合部54aの場合は各頂点位置にも設けることが好ましいが、弱接合部54bの場合は各頂点位置には設けない方が弱接合部54bが剥離しやすくなり、セル55の合体が円滑に進行するため好ましい。各頂点位置に接合部54を設ける場合、その形状は各辺の方向に突出する放射状(星状)の形状をなしていることが望ましい。
図8及び図9に示す形態では、幅方向WDに並ぶ強接合部54aが前後方向LDに間隔を空けて複数列設けられており、これら強接合部54aの列によって区画され、弱接合部54bのみを介して隣接するセル55の集合領域である最拡大区画57が、前後方向LDに複数並んでいる。そして、装着者の排泄口と対向する排泄位置Z1を含む最拡大区画57における弱接合部54bの接合強度よりも、その前後両側に隣接する最拡大区画57における弱接合部54bの接合強度が弱く、さらにその前後両側に隣接する最拡大区画57における弱接合部54bの接合強度はさらに弱く、というように、装着者の排泄口と対向する排泄位置Z1から前後方向LD両側の区画ほど(つまり遠いほど)、弱接合部54bの接合強度が段階的に弱くなっている。接合強度に差異をもたせる手法は、前述の強接合部54a及び弱接合部54bの接合強度に差異をもたせる場合と同様である。
前述のように、排泄液の吸収時、高吸収性ポリマー粒子53の膨張により弱接合部54bは剥離するが、強接合部54aは剥離しないため、弱接合部54bの剥離により隣接するセル55同士が合体していく。例えばいま、図8に示す形態において、排泄位置Z1に尿が排泄され、そこを中心に図9に示すように尿が周囲に広がって領域Z2まで拡散し、その尿を各位置の高吸収性ポリマー粒子53が吸収していくと仮定する。このとき、図13にも示すように、内部の高吸収性ポリマー粒子53の膨張圧が高まったセル55については、その周囲の弱接合部54bが膨張圧に抗しきれずに剥離して、隣接するセル55と合体し、この合体が、高吸収性ポリマー粒子53の吸収膨張が弱接合部54bを剥離しうる限り続き、周囲に強接合部54aを有するセル55まで進行可能となる。つまり、高吸収性ポリマー粒子53の膨張により弱接合部54bが剥離してセル55が合体していくとしても、最拡大区画57以上には大きくならない。ただし、前述のように弱接合部54bの接合強度は排泄位置Z1から前後方向LD両側の最拡大区画57ほど弱いため、図10〜図12の順に平面的変化を、また図13に断面的変化を示すように、排泄から遠い最拡大区画57ほど先に合体が始まりかつ進行することとなるため、排泄位置Z1に近いほど高吸収性ポリマー粒子53の膨張吸収が妨げられ、排泄位置Z1から遠いほど高吸収性ポリマー粒子53の膨張吸収が促進される。よって、排泄液は排泄位置Z1から遠い位置に供給されやすくなり、排泄位置Z1から遠い部位の吸収への利用度が向上する。図12は、領域Z2内の弱接合部54bのみがすべて剥離し、尿が全体に拡散した最拡大区画57についてはすべてのセル55が合体した状態を示している。特に、使い捨ておむつにおいては前後方向LDの両側に向かうほど吸収に利用されにくくなるため、図8及び図9に示す形態のように、前後方向LDに弱接合部54bの接合強度を変化させることが好ましい。
図14に示すように、強接合部54aが並ぶ環が排泄位置Z1の周囲に多重環状に設けられ、これら強接合部54aの環によって区画され、弱接合部54bのみを介して隣接するセル55の集合領域である最拡大区画57が多重環状に形成され、これら最拡大区画57は排泄位置Z1を中心とした放射方向外側に向かうほど弱接合部54bの接合強度が弱くなっている形態も提案される。すなわち、排泄液は、基本的に排泄位置Z1から放射方向に拡散するため、排泄位置Z1を中心とした放射方向に弱接合部54bの接合強度を変化させるのは一つの好ましい形態である。
弱接合部54bの接合強度が弱くなる段階数は1段でも十分な効果が期待できるが、2段以上変化することが望ましく、図示形態のように3段以上とすることもできる。
弱接合部54bの接合強度が変化する吸収促進領域は、図示形態のように、吸収体50の全体にわたり設けられていることが望ましいが、吸収促進領域が吸収体50の一部、例えば前後方向LD中間部のみに形成されているだけでもよく、その場合、吸収促進領域以外では弱接合部54bの接合強度が吸収促進領域に対して強くなっていてもよい。
吸収体50の広範囲にわたりセル55同士が合体可能であると、吸収時に膨張した高吸収性ポリマー粒子53のゲル化物が合体セル55内を大きく移動可能となり、当該ゲル化物が股間部等の低所に集合して装着感を悪化させるおそれがある。これに対して、図9や図14に示す形態の最拡大区画57のように弱接合部54bの接合強度が変化する境界に強接合部54aが設けられていると、弱接合部54bの接合強度の変化による作用を阻害せずに、吸収時に剥離しない強接合部54aによって高吸収性ポリマー粒子53のゲル化物の移動を阻止することができ、吸収体50の形状の崩れを防止することができる。
強接合部54aは、弱接合部54bの接合強度が変化する境界とは関係なく、適宜の配置で設けることができる。例えば、図9に示す形態や図14に示す形態と同じパターンで弱接合部54bの接合強度が変化するものとしつつ、強接合部54aは最拡大区画57の好ましい形状等を優先して図15〜図17に示すパターンで設けることができる。図示形態のようにセル55が正六角形である場合には、最拡大区画57の周縁において、一つのセル55あたり連続する2つの辺をつなげた部分は直線状の部分となりうるものであり、一つのセル55あたり連続する3つの辺をつなげた部分は直線状の部分又は内角120度の角部分(方向転換部分)となりうるものであり、一つのセル55あたり連続する4つの辺をつなげた部分は内角60度又は180度の方向転換部分となりうるものである。よって、これら直線状の部分と角部分を組み合わせることにより、最拡大区画57の周縁形状(強接合部54aの配列)を、ほぼ三角形状、ほぼ四角形状、ほぼ円形状、ほぼ台形状、又はほぼ平行四辺形状等、適宜の形状とすることができる。図15に示す形態では、複数のセル55の集合からなる最拡大区画57は、3以上の数のセル55が二方向以上の方向に並び、かつ周縁形状が、周縁に沿うセル55において一つのセル55あたり連続する2〜4の辺をつなげて形成される閉形状をなしている。これにより、セル55が順次合体して最拡大区画57まで円滑に拡大しやすく、最拡大区画57は膨らみやすい形状となり、かつ最拡大区画57まで拡大したときの、セル55合体数に対するセル55容積増加量に優れるようになる。
弱接合部54bの接合強度が変化する境界に強接合部54aが設けられている形態では、排泄液の吸収時、高吸収性ポリマー粒子53の膨張により弱接合部54bは剥離するが、強接合部54aは剥離しないため、弱接合部54bの剥離により隣接するセル55同士が合体していくものの、合体セル55の大きさ、高さは強接合部54aにより制限される。つまり、セル55の数が多い集合領域ほど、排泄液の吸収時、合体セル55が大きく高く盛り上がることとなる。したがって、図9及び図14に示すように、弱接合部54bの接合強度が弱いセル55の集合領域ほど、当該領域に含まれるセル55の数を多くするのは一つの好ましい形態である。これにより、排泄液の吸収時には排泄位置Z1から遠いほど大きく、高く盛り上がった合体セル55が形成され、この合体セル55が尿の移動を遮る遮断体となり、漏れが防止されるようになる。
高吸収性ポリマー粒子53の単位面積当たりの含有量は、弱接合部54bの接合強度の変化に関係なく一定としても良いが、弱接合部54bの接合強度が弱いセル55集合領域ほど高吸収性ポリマー粒子53の含有量を多くする、あるいはその逆とする等、変化をもたせることができる。この高吸収性ポリマー粒子53の含有量の変化は適宜定めることができるが、例えば最も高含有の部分で450〜1000g/m2程度とし、最も低含有の部分では最も高含有の部分の1/2〜1/10倍程度とすることができる。
他方、図9、図15〜図17等に示すように、高吸収性ポリマー粒子53の単位面積当たりの内包量が他のセルよりも少ない空セル56を設けることもできる。図8では、高吸収性ポリマー粒子53を含有するセル55に斜線模様が付されている。なお、この斜線模様を付した領域は、製造時の高吸収性ポリマー粒子53の散布領域の形状を想定しているため、周縁のセルには斜線模様のない部分があるが、セル55内で高吸収性ポリマー粒子が移動可能である場合には製品ではセル55内における高吸収性ポリマー粒子の存在位置が固定されるものではない。空セル56における高吸収性ポリマー粒子53の内包量は、重量比で他のセル55の1/2以下、特に1/10以下であることが好ましく、全く内包しないと特に好ましい。例えば、図示形態のように、吸収体50の前端及び後端は、製造の際に個々の吸収体50へ切断することにより形成されるため、この位置に高吸収性ポリマー粒子53を含有すると切断装置の刃の寿命が短くなるおそれがある。よって、少なくとも前後端が通過する位置のセル55は空セル56であることが望ましい。
また、粉砕パルプ等の親水性短繊維に高吸収性ポリマー粒子53を混合し綿状に積繊した吸収体50では、脚周りに沿うように前後方向LDの中間部が幅方向WDにくびれた形状に形成することが一般的であるが、図9及び図15に示すように、セル吸収体50においても、前後方向LDの中間における両側部のセルを空セル56とすることにより、当該部分は吸収後も膨張が少ないものとなり、したがって吸収後においても吸収体50が脚周りにフィットする形状となる。
図15及び図16に示すように、幅方向WDの中央部に位置する一列又は複数列のセル55を空セル56とすることもできる。これにより、当該空セル56はその幅方向WDの両側のセル55と比較して膨張量が少なくなるため、排泄液の吸収時に幅方向WDの中央部に前後方向LDに延びる溝が形成され、その溝により液拡散が促進される。この幅方向WDの中央部の空セル56は、吸収体50の全長にわたり設けられていてもよいが、図示形態のように前後方向LDの中間部分(特に股間部を含み、その前後両側にわたる範囲)に設けられていてもよい。
セル吸収体50を製造する場合、個々のセル55に正確に所定量の高吸収性ポリマー粒子53を分配することは困難であるため、表側シート51又は裏側シート52上における高吸収性ポリマー粒子53含有領域(空セル56となる部分を除いた領域)の全体にわたり高吸収性ポリマー粒子53を一様に散布した後、接合部54を形成して表側シート51及び裏側シート52を一体化するとともにセル55内に高吸収性ポリマー粒子53を閉じ込めることが好ましい。この場合、特に高吸収性ポリマー粒子53含有領域の周縁に位置する周縁セル55に対しては、セル55の周縁に一致する正確な形状で高吸収性ポリマー粒子53を散布することができないため、図8に斜線で示される高吸収性ポリマー粒子53の散布領域53Aの形状からも分かるように、散布領域53Aの周縁が周縁セル55の中間を通るように高吸収性ポリマー粒子53を散布することが望ましい。この場合、周縁セル55の高吸収性ポリマー粒子53の内包量は、周縁セル55よりも内側に位置するセル55より少なくなり、周縁セル55の外側にセル55を有する場合には、この外側のセル55が高吸収性ポリマー粒子53を実質的に含まない空セル56となる。
上記例は、セル55内に高吸収性ポリマー粒子53のみ内包させているが、高吸収性ポリマー粒子53とともに消臭剤粒子等、高吸収性ポリマー粒子53以外の粉粒体を内包させることもできる。
上記例は、接合部54によって周りを囲まれた、セル55間に位置する接合部54が弱接合部54bのみである複数のセル55の集合又は単一のセル55からなる最拡大区画57を有する形態であるが、強接合部54aを有するが、その配置がまばらで最拡大区画57を有しない形態とすることもできる。また、少なくとも周縁部以外に強接合部54aを有しない形態とすることもできる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中で以下の用語が使用される場合、明細書中に特に記載がない限り、以下の意味を有するものである。
・「MD方向」及び「CD方向」とは、製造設備における流れ方向(MD方向)及びこれと直交する横方向(CD方向)を意味し、いずれか一方が製品の前後方向となるものであり、他方が製品の幅方向となるものである。不織布のMD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「人工尿」は、尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したものであり、特に記載の無い限り、温度40度で使用される。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディー圧縮試験機)を用い、荷重:10gf/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・試験や測定における環境条件についての記載がない場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載がない限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
11…液不透過性シート、12…外装シート、12T…ターゲットシート、13…ファスニングテープ、13A…係止部、13B…テープ本体部、13C…テープ取付部、30…トップシート、40…中間シート、60…側部立体ギャザー、62…ギャザーシート、50…吸収体、51…表側シート、51c…窪み、52…裏側シート、53…高吸収性ポリマー粒子、54…接合部、54a…強接合部、54b…弱接合部、54c…縁部接合部、55…セル、56…空セル、57…最拡大区画、LD…前後方向、WD…幅方向、Z1…排泄位置。
本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に関するものである。
吸収性物品は、吸収体と、この吸収体の表側を被覆する液透過性トップシートとを備えており、尿や経血等の排泄液はトップシートを透過して吸収体により吸収され保持されるようになっている。吸収体としては、粉砕パルプ等の親水性短繊維に高吸収性ポリマー粒子(SAP)を混合し綿状に積繊したものが広く採用されているが、十分な吸収可能量を確保しつつ、さらなる薄型化、軽量化、ローコスト化等の要請にこたえるものとして、表側シート及び裏側シートの接合部により周りを囲まれ、かつ表側シート及び裏側シートが接合されていない多数のセル(小室)と、このセル内に含まれた高吸収性ポリマー粒子を含む粉粒体とを有する吸収体(以下、セル吸収体ともいう)が各種提案されている(例えば下記特許文献1〜8参照)。
これらセル吸収体では、各セルの容積よりもセル内の高吸収性ポリマー粒子の飽和吸収時の体積が十分に大きいと、吸収時に、高吸収性ポリマー粒子がセル内に充満し、膨張阻害及びいわゆるゲルブロッキングにより吸収量・吸収速度が低下するおそれや、高吸収性ポリマー粒子の膨張圧によりセルが硬くなり、装着感が悪化するおそれや、表側シート及び裏側シートが不織布により形成されている場合には、その繊維間隙から高吸収性ポリマー粒子が漏れ出るおそれがある。このため、セル吸収体では、表側シート及び裏側シートの接合部が吸収時に剥離し、隣接するセル同士の合体により、セル容積が拡大するものも提案されている(例えば下記特許文献1〜5参照)。
しかしながら、従来のように接合部の剥離が一様に発生するセル吸収体では、基本的に排泄位置に近いほど優先的に吸収が進行してセルが膨張し、セルが合体していくため、排泄位置から遠いほど吸収への利用度が低くなるという問題点を有していた。
特開2009−061230号公報 特表平09−504207号公報 特表2014−500736号公報 実登03172565号公報 特開2011−189067号公報 特開平09−327479号公報 特開平10−137291号公報 特開2003−265525号公報
そこで、本発明の主たる課題は、セル吸収体において、排泄位置から遠い部位の吸収への利用度を向上することにある。
上記課題を解決した本発明の代表的な態様は以下のとおりである。
<第1の態様>
表側シートと、その裏側に配された裏側シートと、表側シート及び裏側シートの接合部により周りを囲まれ、かつ表側シート及び裏側シートが接合されていない多数のセルと、このセル内に含まれた、高吸収性ポリマー粒子を含む粉粒体とを有する吸収体を備えた、吸収性物品において;
前記接合部は、隣接するセル内の高吸収性ポリマー粒子の膨張力により剥離可能な弱接合部を含み、
前記弱接合部を介して隣接するセル同士は、当該弱接合部の剥離により合体し、より大きな単一のセルに拡大可能であり、
前記吸収体は、装着者の排泄口と対向する排泄位置とその周囲の少なくとも一部を含む吸収促進領域では、装着者の排泄口と対向する排泄位置から少なくとも一方向に、弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域が複数並び、かつこれら集合領域は前記排泄位置から遠い領域ほど弱接合部の接合強度が弱くなっており、
前記吸収体の幅方向の中央部に位置する一列又は複数列のセルが、前記吸収体の前後方向の中間又は全長にわたり、単位面積当たりの前記高吸収性ポリマー粒子の内包量が他のセルよりも少なくなっている、
ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本発明では、排泄液の吸収時、高吸収性ポリマー粒子の膨張により弱接合部が剥離する際、少なくとも一方向においては、排泄位置に近いほど弱接合部が剥離しにくいため、排泄位置に近いほど高吸収性ポリマー粒子の膨張吸収が妨げられ、排泄位置から遠いほど高吸収性ポリマー粒子の膨張吸収が促進される。よって、排泄液は排泄位置から遠い位置に供給されやすくなり、排泄位置から遠い部位の吸収への利用度が向上する。
<第2の態様>
前記吸収促進領域では、前後方向に弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域が複数並び、かつこれら集合領域は前記排泄位置から前後方向両側に向かうほど弱接合部の接合強度が弱くなっている、
第1の態様の吸収性物品。
(作用効果)
吸収性物品においては前後方向の両側に向かうほど吸収に利用されにくくなるため、前後方向に弱接合部の接合強度を変化させることが好ましい。
<第3の態様>
前記吸収促進領域では、前記排泄位置を中心とした放射方向に弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域が複数並び、かつこれら集合領域は前記排泄位置を中心とした放射方向外側に向かうほど弱接合部の接合強度が弱くなっている、
第1の態様の吸収性物品。
(作用効果)
排泄液は、基本的に排泄位置から放射方向に拡散するため、排泄位置を中心とした放射方向に弱接合部の接合強度を変化させるのは一つの好ましい形態である。
<第4の態様>
前記接合部として、前記弱接合部と、隣接するセル内の高吸収性ポリマー粒子の膨張力により剥離しない強接合部とを有し、
前記弱接合部の接合強度が変化する境界に前記強接合部が設けられている、
第1〜3のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
吸収体の広範囲にわたりセル同士が合体可能であると、吸収時に膨張した高吸収性ポリマー粒子のゲル化物が合体セル内を大きく移動可能となり、当該ゲル化物が股間部等の低所に集合して装着感を悪化させるおそれがある。これに対して、上述のように弱接合部の接合強度が変化する境界に強接合部が設けられていると、弱接合部の接合強度の変化による作用を阻害せずに、吸収時に剥離しない強接合部によって高吸収性ポリマー粒子のゲル化物の移動を阻止することができ、吸収体の形状の崩れを防止することができる。
<第5の態様>
前記弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域は、前記弱接合部の接合強度が弱い領域ほど、当該領域に含まれるセルの数が多い、
第4の態様の吸収性物品。
(作用効果)
弱接合部の接合強度が変化する境界に強接合部が設けられている形態では、排泄液の吸収時、高吸収性ポリマー粒子の膨張により弱接合部は剥離するが、強接合部は剥離しないため、弱接合部の剥離により隣接するセル同士が合体していくものの、合体セルの大きさ、高さは強接合部により制限される。よって、セルの数が多い集合領域ほど、排泄液の吸収時、合体セルが大きく高く盛り上がることとなる。したがって、弱接合部の接合強度が弱いセルの集合領域ほど、当該領域に含まれるセルの数が多いと、排泄液の吸収時には排泄位置から遠いほど大きく、高く盛り上がった合体セルが形成され、この合体セルが尿の移動を遮る遮断体となり、漏れが防止されるようになる。
<第6の態様>
前記接合部は多角形が隙間なく並ぶパターンに沿って設けられており、
前記セルは、前記接合部の多角形の部分により周りを囲まれた多角形をなしている、
第1〜5のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
本発明は、接合部及びセルがこのような規則的な形状、配置である形態に好適である。
本発明によれば、セル吸収体において、排泄位置から遠い部位の吸収への利用度を向上することができる、等の利点がもたらされる。
テープタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 テープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の6−6断面図である。 図1の7−7断面図である。 (a)図1の8−8断面図、(b)図1の9−9断面図である。 図1の5−5断面図である。 (a)吸収体の要部破断平面図、(b)その1-1断面図である。 吸収体の平面図である。 接合部を簡略的に示した吸収体の平面図である。 吸収時の変化状態を示す吸収体の平面図である。 吸収時の変化状態を示す吸収体の平面図である。 吸収時の変化状態を示す吸収体の平面図である。 図9〜図12の3−3断面図である。 接合部を簡略的に示した吸収体の平面図である。 接合部を簡略的に示した吸収体の平面図である。 接合部を簡略的に示した吸収体の平面図である。 接合部を簡略的に示した吸収体の平面図である。 セルの各種の配置例を示す概略平面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
<吸収性物品の例>
図1〜図6はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、図中の符号Xはファスニングテープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示している。各構成部材は、以下に述べる固定又は接合部分以外も、必要に応じて公知のおむつと同様に固定又は接合される。これらの固定又は接合のための手段としては、ホットメルト接着剤や溶着(加熱溶着、超音波溶着)を適宜選択することができる。
このテープタイプ使い捨ておむつは、透液性トップシートと、外面側に位置する液不透過性シートとの間に吸収体50が介在された基本構造を有しており、吸収体50の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、かつ吸収体50を有しない部分である腹側エンドフラップ部EF及び背側エンドフラップ部EFを有するとともに、吸収体50の側縁よりも側方に延出する一対のサイドフラップ部SFを有している。背側部分Bにおけるサイドフラップ部SFにはファスニングテープ13がそれぞれ設けられており、おむつの装着に際しては、背側部分Bのサイドフラップ部SFを腹側部分Fのサイドフラップ部SFの外側に重ねた状態で、ファスニングテープ13を腹側部分F外面の適所に係止する。
また、このテープタイプ使い捨ておむつでは、吸収性本体部10並びに各サイドフラップ部SFの外面全体が外装シート12により形成されている。特に、吸収体50を含む領域においては、外装シート12の内面側に液不透過性シート11がホットメルト接着剤等の接着剤により固定され、さらにこの液不透過性シート11の内面側に吸収体50、中間シート40、及びトップシート30がこの順に積層されている。トップシート30及び液不透過性シート11は図示例では長方形であり、吸収体50よりも前後方向LD及び幅方向WDにおいて若干大きい寸法を有しており、トップシート30における吸収体50の側縁よりはみ出る周縁部と、液不透過性シート11における吸収体50の側縁よりはみ出る周縁部とがホットメルト接着剤などにより接合されている。また液不透過性シート11は、トップシート30よりも若干幅広に形成されている。
さらに、この吸収性本体部10の両側には、装着者の肌側に突出(起立)する側部立体ギャザー60が設けられており、この側部立体ギャザー60を形成するギャザーシート62が、トップシート30の両側部上から各サイドフラップ部SFの内面までの範囲に固着されている。
以下、各部の詳細について順に説明する。
(外装シート)
外装シート12は製品外面を構成するシートである。外装シート12は、両側部における前後方向LDの中央部が括れた形状とされており、ここが着用者の脚を囲む部位となる。外装シート12としては不織布が好適であるが、これに限定されない。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。外装シート12は省略することもでき、その場合には液不透過性シート11を外装シート12と同形状として、製品外面を構成することができる。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、この他にも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂又は疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
(トップシート)
トップシート30は液透過性を有する有孔又は無孔の不織布を用いることができる。不織布の構成繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
(中間シート)
中間シート40は、トップシート30を透過した排泄液を吸収体50側へ速やかに移動させるため、及び逆戻りを防ぐために、トップシート30の裏面に接合されているものである。中間シート40及びトップシート30間の接合は、ホットメルト接着剤を用いる他、ヒートエンボスや超音波溶着を用いることもできる。中間シート40としては、不織布を用いる他、多数の透過孔を有する樹脂フィルムを用いることもできる。不織布としては、トップシート30の項で説明したものと同様の素材を用いることができるが、トップシート30より親水性が高いものや、繊維密度が高いものが、トップシート30から中間シート40への液の移動特性に優れるため好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体50の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の前後方向LDの長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収体50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(側部立体ギャザー)
トップシート30上における排泄物の横方向移動を阻止し、横漏れを防止するために、幅方向WDにおける製品の両側の内面から突出(起立)する側部立体ギャザー60を設けるのは好ましい。
この側部立体ギャザー60は、ギャザーシート62と、このギャザーシート62に前後方向LDに沿って伸長状態で固定された細長状の弾性伸縮部材63とにより構成されている。このギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、また弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。弾性伸縮部材は、図1及び図3に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザーシート62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向WDの固着始端を有し、この固着始端から幅方向WDの外側の部分は、液不透過性シート11の側部および当該部分に位置する外装シート12の側部にホットメルト接着剤などにより固着されている。
脚周りにおいては、側部立体ギャザー60の固着始端より幅方向WDの内側は、製品前後方向LDの両端部ではトップシート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が弾性伸縮部材63の収縮力により起立するようになる。おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして弾性伸縮部材63の収縮力が作用するので、弾性伸縮部材63の収縮力により側部立体ギャザー60が起立して脚周りに密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
図示形態と異なり、ギャザーシート62の幅方向WDの内側の部分における前後方向LDの両端部を、幅方向WDの外側の部分から内側に延在する基端側部分と、この基端側部分の幅方向WDの中央側の端縁から身体側に折り返され、幅方向WDの外側に延在する先端側部分とを有する二つ折り状態で固定し、その間の部分を非固定の自由部分とすることもできる。
(平面ギャザー)
各サイドフラップ部SFには、図1〜図3に示すように、ギャザーシート62の固着部分のうち固着始端近傍の幅方向WDの外側において、ギャザーシート62と液不透過性シート11との間に、糸ゴム等からなる脚周り弾性伸縮部材64が前後方向LDに沿って伸長された状態で固定されており、これにより各サイドフラップ部SFの脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている。脚周り弾性伸縮部材64はサイドフラップ部SFにおける液不透過性シート11と外装シート12との間に配置することもできる。脚周り弾性伸縮部材64は、図示例のように各側で複数本設ける他、各側に1本のみ設けることもできる。
(ファスニングテープ)
図1、図2及び図6に示されるように、ファスニングテープ13は、おむつの側部に固定されたテープ取付部13C、及びこのテープ取付部13Cから突出するテープ本体部13Bをなすシート基材と、このシート基材におけるテープ本体部13Bの幅方向WDの中間部に設けられた、腹側に対する係止部13Aとを有し、この係止部13Aより先端側が摘み部とされたものである。ファスニングテープ13のテープ取付部13Cは、サイドフラップ部における内側層をなすギャザーシート62及び外側層をなす外装シート12間に挟まれ、かつホットメルト接着剤により両シート62,12に接着されている。また、係止部13Aはシート基材に接着剤により剥離不能に接合されている。
係止部13Aとしては、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)が好適である。フック材は、その外面側に多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、レ字状、J字状、マッシュルーム状、T字状、ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。もちろん、ファスニングテープ13の係止部として粘着材層を設けることもできる。
また、テープ取付部からテープ本体部までを形成するシート基材としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布等の各種不織布の他、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材を用いることができる。
(ターゲットシート)
腹側部分Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット有するターゲットシート12Tを設けるのが好ましい。ターゲットシート12Tは、係止部13Aがフック材の場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。また、腹側部分Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装シート12が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ13の係止部13Aがフック材の場合には、ターゲットシート12Tを省略し、フック材を外装シート12の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットシート12Tを外装シート12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
(吸収体)
吸収体50は、排泄物の液分を吸収保持する部分である。吸収体50は、その表裏少なくとも一方側の部材に対してホットメルト接着剤等の接着剤を介して接着することができる。
図7に拡大して示すように、吸収体50は、表側シート51と、その裏側に配された裏側シート52と、表側シート51及び裏側シート52の接合部54により周りを囲まれ、かつ表側シート51及び裏側シート52が接合されていないセル(小室)55と、このセル55内に入れられた、高吸収性ポリマー粒子53とを有するセル吸収体50である、このように、接合部54により周囲全体を囲まれた多数のセル55に高吸収性ポリマー粒子53を分配保持させることにより、吸収体50における高吸収性ポリマー粒子53の偏在を防止できる。セル吸収体50は、図示しない包装シートにより包装することができる。この場合、一枚の包装シートを吸収体50の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付ける他、2枚の包装シートで表裏両側から挟むようにして包装することができる。包装シートとしては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。包装シートに不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。包装シートでセル吸収体50を包装する場合、セル吸収体の表裏いずれか一方側にパルプ繊維を積繊させ、これらをひとまとめで包装シートで包装することもできる。
表側シート51は、液透過性素材であっても、液不透過性素材であっても良いが、図示形態のようにトップシート30側に位置する場合には液透過性素材であることが好ましい。表側シート51は、トップシート30と同様に、有孔又は無孔の不織布や多孔性プラスチックシートを用いることができる。表側シート51に不織布を用いる場合、その構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができるが、熱加工性に優れる点で熱可塑性樹脂の繊維が好適である。不織布の繊維結合法は特に限定されないが、高吸収性ポリマー粒子53の脱落を防止するため、スパンボンド法、メルトブローン法、ニ一ドルパンチ法のように繊維密度が高くなる結合法が好ましい。多孔性プラスチックシートを用いる場合、その開孔径は、高吸収性ポリマー粒子53の脱落を防止するため、高吸収性ポリマー粒子53の外形より小さくするのが好ましい。また、表側シート51の素材が疎水性の場合には、親水剤を含有させることもできる。
製造時の高吸収性ポリマー粒子53の配置を容易にするため、及び吸収膨張後の容積確保のために、表側シート51における各セル55を構成する部分には、裏側から表側に窪む窪み51cが形成されていると好ましいが、形成されていなくてもよい。
裏側シート52としては、表側シート51と同様の素材とすることもできるが、表側シート51を液透過性素材により構成する場合には、裏側シート52に液不透過性素材を採用することもできる。裏側シート52に用いうる液不透過性素材としては、液不透過性シート11の項で述べた素材の中から適宜選択して用いることができる。図示しないが、表側シート51及び裏側シート52は、一枚の素材が二つに折り重ねられた一方の層及び他方の層とすることもできる。
高吸収性ポリマー粒子53は表側シート51及び裏側シート52に対して非固定とし、自由に移動可能とする他、表側シート51及び裏側シート52に接着又は粘着させることもできる。また、高吸収性ポリマー粒子53はある程度塊状化していても良い。
高吸収性ポリマー粒子53としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用できる。高吸収性ポリマー粒子の粒径は特に限定されないが、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子53の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子53としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子53の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子53としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体50内に供給された液が吸収体50外に戻り出てしまういわゆる逆戻りを発生しやすくなる。
また、高吸収性ポリマー粒子53としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体50とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子53の目付け量は、当該吸収体50の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
セル55の平面形状は適宜定めることができ、図7〜図9、図18等に示すように、六角形、菱形、正方形、長方形、円形、楕円形等とすることができるが、より密な配置とするために多角形とすることが望ましく、図示形態のように隙間なく配列することが望ましい。なお、図7〜図9等に示す形態は正六角形のセル55のハニカム状配列を採用している。セル55は、同一形状及び同一寸法の物を配列する他、形状及び寸法の少なくとも一方が異なる複数種のセル55を組み合わせて配列することもできる。なお、用語「正六角形」は、表側シート51及び裏側シート52が製造時に伸び縮みする影響で前後方向LDに±5%まで伸縮変形したものも含む。
セル55(つまり高吸収性ポリマー粒子53の集合部も同様)の平面配列は一様である限り適宜定めることができるが、規則的に繰り返される平面配列が好ましく、図16(a)に示すような斜方格子状や、図16(b)に示すような六角格子状(これらは千鳥状ともいわれる)、図16(c)に示すような正方格子状、図16(d)に示すような矩形格子状、図16(e)に示すような平行体格子(図示のように、多数の平行な斜め方向の列の群が互いに交差するように2群設けられる形態)状等(これらが伸縮方向に対して90度未満の角度で傾斜したものを含む)のように規則的に繰り返されるものの他、セル55の群(群単位の配列は規則的でも不規則でも良く、模様や文字状等でも良い)が規則的に繰り返されるものとすることもできる。
各セル55の寸法は適宜定めることができ、例えば前後方向LDの長さ55Lは8〜30mm程度とすることができ、また幅方向WDの長さ55Wは10〜50mm程度とすることができる。各セル55の面積は65〜1650mm2程度とすることができる。
表側シート51及び裏側シート52を接合する接合部54は、吸収体50の全体にわたり一様な配置で設けられているが、部分的に変更することもできる。接合部54は、超音波溶着やヒートシールのように表側シート51及び裏側シート52の溶着により接合されていることが望ましいが、ホットメルト接着剤を介して接合されていても良い。
表側シート51及び裏側シート52の接合部54は、各セル55を取り囲むように配置され、隣接するセル間の境界となる限り、図示形態のように点線状(各セル55を取り囲む方向に断続的)に形成する他、連続線状に形成することもできる。接合部54を断続的に形成する場合、セル55を取り囲む方向における接合部54の間には、高吸収性ポリマー粒子53が存在しないか又は存在するとしてもセル55内よりも少ないものとされる。
接合部54は、隣接するセル55内の高吸収性ポリマー粒子53の膨張力により剥離可能な弱接合部54bと、隣接するセル55内の高吸収性ポリマー粒子53の膨張力により剥離しない強接合部54aとを含む。図13に示すように、弱接合部54bを挟んで隣接するセル55同士は、当該セル55内の高吸収性ポリマー粒子53の吸収膨張圧により剥離して合体して一つの大きなセル55に拡大する。一方、強接合部54aはその両側のセル55が吸収膨張しても剥離しない部分であるため、合体セル55の大きさや高さを制限する機能を果たす。接合部54が弱接合部54bのみからなり、強接合部54aを有しない形態とすることもできる。
なお、図9〜図12、図14〜図17では、強接合部54aが太い点線で表現され、弱接合部54bは細い点線で表現されている。
幅方向WDの最も外側に位置する接合部54は、これが剥離すると吸収体50の側方に高吸収性ポリマー粒子53又はそのゲル化物が漏れ出るおそれがあるため強接合部54aとすることが望ましい。同様の観点から、表側シート51及び裏側シート52はセル55形成領域よりも幅方向WDの外側にある程度延在させ、この延在部分に補強のために縁部接合部54cを施しておくのは好ましい。
接合部54の接合強度(表側シート51及び裏側シート52の剥離に抗する強度)の差異は、接合部54の面積を変化させることにより形成するのが簡単でよいが、これに限定されず、例えば接合部54をホットメルト接着剤により形成する場合にはホットメルト接着剤の種類を部位により異ならしめるといった手法を採用することもできる。特に、表側シート51及び裏側シート52を溶着することにより接合部54を形成する場合、弱接合部54bは、接合部54を点線状にして点間隔54Dを広くすることのみでも形成できるが、接合部54は隣接するセル55同士の境界となる部分であるため、点間隔54Dが広くなりすぎると隣接するセル55同士の境界に隙間が多くなり、高吸収性ポリマー粒子53が移動しやすくなる。よって、接合部54の線幅54Wの広狭と、点間隔54Dの広狭とを組み合わせて点線状の弱接合部54bを形成すると、その弱接合部54b部分は隙間が少ない割には剥離しやすいものとなる。
表側シート51及び裏側シート52を接合する接合部54の寸法は適宜定めることができ、例えば線幅(セル55を取り囲む方向と直交する方向の寸法)54Wは0.6〜8.0mm程度とすることができる。また、点線状(セル55を取り囲む方向に断続的)に接合部54を形成する場合、セル55を取り囲む方向における接合部54の長さ54Lは0.6〜8.0mm程度、点間隔54Dは0.8〜10.0mm程度とすることが好ましい。特に、強接合部54aの場合には、線幅54Wは1.0〜4.0mm程度、接合部54の長さ54Lは1.5〜4.0mm程度、点間隔54Dは0.8〜2.5mm程度とすることが好ましい。また、弱接合部54bの場合には、線幅54Wは0.6〜3.5mm程度、接合部54の長さ54Lは0.6〜2.5mm程度、点間隔54Dは1.0〜4.0mm程度とすることが好ましい。
弱接合部54bを剥離可能とするために、弱接合部54bに隣接するセル55の容積よりも当該セル55内の高吸収性ポリマー粒子53の飽和吸収時の体積が十分に大きくなるように、各セル55内に配置される高吸収性ポリマー粒子53の種類及び量を定めることができる。また、強接合部54aを剥離しないものとするために、弱接合部54bの剥離により合体可能なセル55の合体後の容積よりも、当該合体可能なセル55に含まれる高吸収性ポリマー粒子53の飽和吸収時の体積が小さくなるように、各セル55内に配置される高吸収性ポリマー粒子53の種類及び量を定めることができる。
接合部54を連続線状に形成する場合における接合部54の幅、並びに接合部54を点線状に形成する場合における線幅54Wは、セル55を取り囲む方向に一定とする他、変化させることもできる。また、接合部54を点線状に形成する場合における各接合部54の形状は適宜定めることができ、すべて同一とする他、部位に応じて異なる形状とすることもできる。特に各セル55の形状を多角形とする場合には、各辺の中間位置及び各頂点位置の少なくとも一方には接合部54を設けるのが好ましい。また、強接合部54aの場合は各頂点位置にも設けることが好ましいが、弱接合部54bの場合は各頂点位置には設けない方が弱接合部54bが剥離しやすくなり、セル55の合体が円滑に進行するため好ましい。各頂点位置に接合部54を設ける場合、その形状は各辺の方向に突出する放射状(星状)の形状をなしていることが望ましい。
図8及び図9に示す形態では、幅方向WDに並ぶ強接合部54aが前後方向LDに間隔を空けて複数列設けられており、これら強接合部54aの列によって区画され、弱接合部54bのみを介して隣接するセル55の集合領域である最拡大区画57が、前後方向LDに複数並んでいる。そして、装着者の排泄口と対向する排泄位置Z1を含む最拡大区画57における弱接合部54bの接合強度よりも、その前後両側に隣接する最拡大区画57における弱接合部54bの接合強度が弱く、さらにその前後両側に隣接する最拡大区画57における弱接合部54bの接合強度はさらに弱く、というように、装着者の排泄口と対向する排泄位置Z1から前後方向LD両側の区画ほど(つまり遠いほど)、弱接合部54bの接合強度が段階的に弱くなっている。接合強度に差異をもたせる手法は、前述の強接合部54a及び弱接合部54bの接合強度に差異をもたせる場合と同様である。
前述のように、排泄液の吸収時、高吸収性ポリマー粒子53の膨張により弱接合部54bは剥離するが、強接合部54aは剥離しないため、弱接合部54bの剥離により隣接するセル55同士が合体していく。例えばいま、図8に示す形態において、排泄位置Z1に尿が排泄され、そこを中心に図9に示すように尿が周囲に広がって領域Z2まで拡散し、その尿を各位置の高吸収性ポリマー粒子53が吸収していくと仮定する。このとき、図13にも示すように、内部の高吸収性ポリマー粒子53の膨張圧が高まったセル55については、その周囲の弱接合部54bが膨張圧に抗しきれずに剥離して、隣接するセル55と合体し、この合体が、高吸収性ポリマー粒子53の吸収膨張が弱接合部54bを剥離しうる限り続き、周囲に強接合部54aを有するセル55まで進行可能となる。つまり、高吸収性ポリマー粒子53の膨張により弱接合部54bが剥離してセル55が合体していくとしても、最拡大区画57以上には大きくならない。ただし、前述のように弱接合部54bの接合強度は排泄位置Z1から前後方向LD両側の最拡大区画57ほど弱いため、図10〜図12の順に平面的変化を、また図13に断面的変化を示すように、排泄から遠い最拡大区画57ほど先に合体が始まりかつ進行することとなるため、排泄位置Z1に近いほど高吸収性ポリマー粒子53の膨張吸収が妨げられ、排泄位置Z1から遠いほど高吸収性ポリマー粒子53の膨張吸収が促進される。よって、排泄液は排泄位置Z1から遠い位置に供給されやすくなり、排泄位置Z1から遠い部位の吸収への利用度が向上する。図12は、領域Z2内の弱接合部54bのみがすべて剥離し、尿が全体に拡散した最拡大区画57についてはすべてのセル55が合体した状態を示している。特に、使い捨ておむつにおいては前後方向LDの両側に向かうほど吸収に利用されにくくなるため、図8及び図9に示す形態のように、前後方向LDに弱接合部54bの接合強度を変化させることが好ましい。
図14に示すように、強接合部54aが並ぶ環が排泄位置Z1の周囲に多重環状に設けられ、これら強接合部54aの環によって区画され、弱接合部54bのみを介して隣接するセル55の集合領域である最拡大区画57が多重環状に形成され、これら最拡大区画57は排泄位置Z1を中心とした放射方向外側に向かうほど弱接合部54bの接合強度が弱くなっている形態も提案される。すなわち、排泄液は、基本的に排泄位置Z1から放射方向に拡散するため、排泄位置Z1を中心とした放射方向に弱接合部54bの接合強度を変化させるのは一つの好ましい形態である。
弱接合部54bの接合強度が弱くなる段階数は1段でも十分な効果が期待できるが、2段以上変化することが望ましく、図示形態のように3段以上とすることもできる。
弱接合部54bの接合強度が変化する吸収促進領域は、図示形態のように、吸収体50の全体にわたり設けられていることが望ましいが、吸収促進領域が吸収体50の一部、例えば前後方向LD中間部のみに形成されているだけでもよく、その場合、吸収促進領域以外では弱接合部54bの接合強度が吸収促進領域に対して強くなっていてもよい。
吸収体50の広範囲にわたりセル55同士が合体可能であると、吸収時に膨張した高吸収性ポリマー粒子53のゲル化物が合体セル55内を大きく移動可能となり、当該ゲル化物が股間部等の低所に集合して装着感を悪化させるおそれがある。これに対して、図9や図14に示す形態の最拡大区画57のように弱接合部54bの接合強度が変化する境界に強接合部54aが設けられていると、弱接合部54bの接合強度の変化による作用を阻害せずに、吸収時に剥離しない強接合部54aによって高吸収性ポリマー粒子53のゲル化物の移動を阻止することができ、吸収体50の形状の崩れを防止することができる。
強接合部54aは、弱接合部54bの接合強度が変化する境界とは関係なく、適宜の配置で設けることができる。例えば、図9に示す形態や図14に示す形態と同じパターンで弱接合部54bの接合強度が変化するものとしつつ、強接合部54aは最拡大区画57の好ましい形状等を優先して図15〜図17に示すパターンで設けることができる。図示形態のようにセル55が正六角形である場合には、最拡大区画57の周縁において、一つのセル55あたり連続する2つの辺をつなげた部分は直線状の部分となりうるものであり、一つのセル55あたり連続する3つの辺をつなげた部分は直線状の部分又は内角120度の角部分(方向転換部分)となりうるものであり、一つのセル55あたり連続する4つの辺をつなげた部分は内角60度又は180度の方向転換部分となりうるものである。よって、これら直線状の部分と角部分を組み合わせることにより、最拡大区画57の周縁形状(強接合部54aの配列)を、ほぼ三角形状、ほぼ四角形状、ほぼ円形状、ほぼ台形状、又はほぼ平行四辺形状等、適宜の形状とすることができる。図15に示す形態では、複数のセル55の集合からなる最拡大区画57は、3以上の数のセル55が二方向以上の方向に並び、かつ周縁形状が、周縁に沿うセル55において一つのセル55あたり連続する2〜4の辺をつなげて形成される閉形状をなしている。これにより、セル55が順次合体して最拡大区画57まで円滑に拡大しやすく、最拡大区画57は膨らみやすい形状となり、かつ最拡大区画57まで拡大したときの、セル55合体数に対するセル55容積増加量に優れるようになる。
弱接合部54bの接合強度が変化する境界に強接合部54aが設けられている形態では、排泄液の吸収時、高吸収性ポリマー粒子53の膨張により弱接合部54bは剥離するが、強接合部54aは剥離しないため、弱接合部54bの剥離により隣接するセル55同士が合体していくものの、合体セル55の大きさ、高さは強接合部54aにより制限される。つまり、セル55の数が多い集合領域ほど、排泄液の吸収時、合体セル55が大きく高く盛り上がることとなる。したがって、図9及び図14に示すように、弱接合部54bの接合強度が弱いセル55の集合領域ほど、当該領域に含まれるセル55の数を多くするのは一つの好ましい形態である。これにより、排泄液の吸収時には排泄位置Z1から遠いほど大きく、高く盛り上がった合体セル55が形成され、この合体セル55が尿の移動を遮る遮断体となり、漏れが防止されるようになる。
高吸収性ポリマー粒子53の単位面積当たりの含有量は、弱接合部54bの接合強度の変化に関係なく一定としても良いが、弱接合部54bの接合強度が弱いセル55集合領域ほど高吸収性ポリマー粒子53の含有量を多くする、あるいはその逆とする等、変化をもたせることができる。この高吸収性ポリマー粒子53の含有量の変化は適宜定めることができるが、例えば最も高含有の部分で450〜1000g/m2程度とし、最も低含有の部分では最も高含有の部分の1/2〜1/10倍程度とすることができる。
他方、図9、図15〜図17等に示すように、高吸収性ポリマー粒子53の単位面積当たりの内包量が他のセルよりも少ない空セル56を設けることもできる。図8では、高吸収性ポリマー粒子53を含有するセル55に斜線模様が付されている。なお、この斜線模様を付した領域は、製造時の高吸収性ポリマー粒子53の散布領域の形状を想定しているため、周縁のセルには斜線模様のない部分があるが、セル55内で高吸収性ポリマー粒子が移動可能である場合には製品ではセル55内における高吸収性ポリマー粒子の存在位置が固定されるものではない。空セル56における高吸収性ポリマー粒子53の内包量は、重量比で他のセル55の1/2以下、特に1/10以下であることが好ましく、全く内包しないと特に好ましい。例えば、図示形態のように、吸収体50の前端及び後端は、製造の際に個々の吸収体50へ切断することにより形成されるため、この位置に高吸収性ポリマー粒子53を含有すると切断装置の刃の寿命が短くなるおそれがある。よって、少なくとも前後端が通過する位置のセル55は空セル56であることが望ましい。
また、粉砕パルプ等の親水性短繊維に高吸収性ポリマー粒子53を混合し綿状に積繊した吸収体50では、脚周りに沿うように前後方向LDの中間部が幅方向WDにくびれた形状に形成することが一般的であるが、図9及び図15に示すように、セル吸収体50においても、前後方向LDの中間における両側部のセルを空セル56とすることにより、当該部分は吸収後も膨張が少ないものとなり、したがって吸収後においても吸収体50が脚周りにフィットする形状となる。
図15及び図16に示すように、幅方向WDの中央部に位置する一列又は複数列のセル55を空セル56とすることもできる。これにより、当該空セル56はその幅方向WDの両側のセル55と比較して膨張量が少なくなるため、排泄液の吸収時に幅方向WDの中央部に前後方向LDに延びる溝が形成され、その溝により液拡散が促進される。この幅方向WDの中央部の空セル56は、吸収体50の全長にわたり設けられていてもよいが、図示形態のように前後方向LDの中間部分(特に股間部を含み、その前後両側にわたる範囲)に設けられていてもよい。
セル吸収体50を製造する場合、個々のセル55に正確に所定量の高吸収性ポリマー粒子53を分配することは困難であるため、表側シート51又は裏側シート52上における高吸収性ポリマー粒子53含有領域(空セル56となる部分を除いた領域)の全体にわたり高吸収性ポリマー粒子53を一様に散布した後、接合部54を形成して表側シート51及び裏側シート52を一体化するとともにセル55内に高吸収性ポリマー粒子53を閉じ込めることが好ましい。この場合、特に高吸収性ポリマー粒子53含有領域の周縁に位置する周縁セル55に対しては、セル55の周縁に一致する正確な形状で高吸収性ポリマー粒子53を散布することができないため、図8に斜線で示される高吸収性ポリマー粒子53の散布領域53Aの形状からも分かるように、散布領域53Aの周縁が周縁セル55の中間を通るように高吸収性ポリマー粒子53を散布することが望ましい。この場合、周縁セル55の高吸収性ポリマー粒子53の内包量は、周縁セル55よりも内側に位置するセル55より少なくなり、周縁セル55の外側にセル55を有する場合には、この外側のセル55が高吸収性ポリマー粒子53を実質的に含まない空セル56となる。
上記例は、セル55内に高吸収性ポリマー粒子53のみ内包させているが、高吸収性ポリマー粒子53とともに消臭剤粒子等、高吸収性ポリマー粒子53以外の粉粒体を内包させることもできる。
上記例は、接合部54によって周りを囲まれた、セル55間に位置する接合部54が弱接合部54bのみである複数のセル55の集合又は単一のセル55からなる最拡大区画57を有する形態であるが、強接合部54aを有するが、その配置がまばらで最拡大区画57を有しない形態とすることもできる。また、少なくとも周縁部以外に強接合部54aを有しない形態とすることもできる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中で以下の用語が使用される場合、明細書中に特に記載がない限り、以下の意味を有するものである。
・「MD方向」及び「CD方向」とは、製造設備における流れ方向(MD方向)及びこれと直交する横方向(CD方向)を意味し、いずれか一方が製品の前後方向となるものであり、他方が製品の幅方向となるものである。不織布のMD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「人工尿」は、尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したものであり、特に記載の無い限り、温度40度で使用される。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディー圧縮試験機)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・試験や測定における環境条件についての記載がない場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載がない限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
11…液不透過性シート、12…外装シート、12T…ターゲットシート、13…ファスニングテープ、13A…係止部、13B…テープ本体部、13C…テープ取付部、30…トップシート、40…中間シート、60…側部立体ギャザー、62…ギャザーシート、50…吸収体、51…表側シート、51c…窪み、52…裏側シート、53…高吸収性ポリマー粒子、54…接合部、54a…強接合部、54b…弱接合部、54c…縁部接合部、55…セル、56…空セル、57…最拡大区画、LD…前後方向、WD…幅方向、Z1…排泄位置。

Claims (6)

  1. 表側シートと、その裏側に配された裏側シートと、表側シート及び裏側シートの接合部により周りを囲まれ、かつ表側シート及び裏側シートが接合されていない多数のセルと、このセル内に含まれた、高吸収性ポリマー粒子を含む粉粒体とを有する吸収体を備えた、吸収性物品において;
    前記接合部は、隣接するセル内の高吸収性ポリマー粒子の膨張力により剥離可能な弱接合部を含み、
    前記弱接合部を介して隣接するセル同士は、当該弱接合部の剥離により合体し、より大きな単一のセルに拡大可能であり、
    前記吸収体は、装着者の排泄口と対向する排泄位置とその周囲の少なくとも一部を含む吸収促進領域では、装着者の排泄口と対向する排泄位置から少なくとも一方向に、弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域が複数並び、かつこれら集合領域は前記排泄位置から遠い領域ほど弱接合部の接合強度が弱くなっている、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記吸収促進領域では、前後方向に弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域が複数並び、かつこれら集合領域は前記排泄位置から前後方向両側に向かうほど弱接合部の接合強度が弱くなっている、
    請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記吸収促進領域では、前記排泄位置を中心とした放射方向に弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域が複数並び、かつこれら集合領域は前記排泄位置を中心とした放射方向外側に向かうほど弱接合部の接合強度が弱くなっている、
    請求項1記載の吸収性物品。
  4. 前記接合部として、前記弱接合部と、隣接するセル内の高吸収性ポリマー粒子の膨張力により剥離しない強接合部とを有し、
    前記弱接合部の接合強度が変化する境界に前記強接合部が設けられている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記弱接合部のみを介して隣接するセルの集合領域は、前記弱接合部の接合強度が弱い領域ほど、当該領域に含まれるセルの数が多い、
    請求項4記載の吸収性物品。
  6. 前記接合部は多角形が隙間なく並ぶパターンに沿って設けられており、
    前記セルは、前記接合部の多角形の部分により周りを囲まれた多角形をなしている、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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