JP2018014202A - 水素トーチ - Google Patents
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Abstract
【課題】火炎長さを長く認知させることができる水素トーチを提供する。
【解決手段】実施の形態の水素トーチは、筒状の筐体と、前記筐体内に設けられ、水素燃料を供給する水素タンクと、前記筐体の先端に設けられ、前記水素燃料を噴出するノズルと、前記水素タンクと前記ノズルとを連結し、前記水素タンク内の前記水素燃料を前記ノズルに供給する水素流路と、前記水素流路に設けられ、前記水素タンクから前記ノズルに供給される前記水素燃料の流量を調整する調整バルブと、前記調整バルブの下流側の前記水素流路に設けられ、前記ノズルに供給される前記水素燃料の流量を変動させる流量変動発生機構とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】実施の形態の水素トーチは、筒状の筐体と、前記筐体内に設けられ、水素燃料を供給する水素タンクと、前記筐体の先端に設けられ、前記水素燃料を噴出するノズルと、前記水素タンクと前記ノズルとを連結し、前記水素タンク内の前記水素燃料を前記ノズルに供給する水素流路と、前記水素流路に設けられ、前記水素タンクから前記ノズルに供給される前記水素燃料の流量を調整する調整バルブと、前記調整バルブの下流側の前記水素流路に設けられ、前記ノズルに供給される前記水素燃料の流量を変動させる流量変動発生機構とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、水素トーチに関する。
オリンピックで用いられる聖火トーチや国体で用いられる炬火トーチなどのトーチは、先端側に火炎を形成している。トーチランナーは、先端側に火炎を形成した状態のトーチを把持しながら走り、トーチをリレーする。
このようなトーチには、炭化水素系の液体燃料が使用されている。そして、トーチは、その内部に液体燃料を充填した燃料タンクを備える。燃料タンク内の燃料は、燃料流路を介してトーチの先端に設けられたノズルに供給される。そして、トーチは、ノズルの先端に形成した火炎を保持する。
上記したように、従来のトーチには、炭化水素系の燃料が用いられている。炭化水素系の燃料が燃焼すると、二酸化炭素や煤などの微粒子が生成される。そのため、トーチランナーの健康や環境に悪影響を与えることがある。
このような問題を受けて、二酸化炭素や煤などの微粒子を排出しないクリーンな水素トーチが検討されている。水素トーチは、従来の炭化水素系の燃料に代えて、水素を燃料として用いる。このような水素トーチは、ノズルに供給された水素を大気中に噴出しながら、火炎を保持する。しかしながら、水素の燃焼速度が速いので、水素トーチの火炎長さを長くすることは困難である。
本発明が解決しようとする課題は、火炎長さを長く認知させることができる水素トーチを提供することである。
実施の形態の水素トーチは、筒状の筐体と、前記筐体内に設けられ、水素燃料を供給する水素タンクと、前記筐体の先端に設けられ、前記水素燃料を噴出するノズルと、前記水素タンクと前記ノズルとを連結し、前記水素タンク内の前記水素燃料を前記ノズルに供給する水素流路と、前記水素流路に設けられ、前記水素タンクから前記ノズルに供給される前記水素燃料の流量を調整する調整バルブと、前記調整バルブの下流側の前記水素流路に設けられ、前記ノズルに供給される前記水素燃料の流量を変動させる流量変動発生機構とを備える。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の水素トーチ1の構成を模式的に示す図である。図1では、説明の便宜上、部分的に断面を示している。
図1は、第1の実施の形態の水素トーチ1の構成を模式的に示す図である。図1では、説明の便宜上、部分的に断面を示している。
図1に示すように、水素トーチ1は、筒状の筐体2と、筐体2内に設けられ、水素燃料を供給する水素タンク3とを備える。さらに、水素トーチ1は、筐体2の先端に設けられ、水素タンク3内の水素燃料を大気中に噴出するノズル4と、筐体2内に設けられ、水素タンク3とノズル4とを連結し、水素タンク3内の水素燃料をノズル4に供給する水素流路5とを備える。さらに、水素トーチ1は、水素流路5に設けられ、水素タンク3からノズル4に供給される水素燃料の流量を調整する調整バルブ6と、調整バルブ6の下流側の水素流路5に設けられ、水素タンク3からノズル4に供給される水素燃料の流量を変動させる流量変動発生機構7とを備える。さらに、水素トーチ1は、ノズル4の先端部に設けられ、ノズル4の下流に形成される水素トーチ1の火炎8によって炎色反応を起こす炎色反応部材9を備える。
筐体2は、例えば、図1に示すように、細長い筒体で構成される。筐体2の先端部および後端部は、それぞれ閉鎖されている。例えば、筐体2の先端部は、筐体2の内部に構成部品を収容後、閉鎖される。
筐体2について、例えば、先端部の先端面2aの面積は、後端部の後端面2bの面積よりも大きい。すなわち、図1に示す筐体2の中心軸方向に平行な断面において、筐体2は、逆円錐台状の形状を有している。なお、当該断面における筐体2の形状は、これに限られたものではない。
また、筐体2の中心軸方向に垂直な断面における筐体2の形状は、特に限定されるものではない、当該断面における筐体2の形状として、例えば、円形、楕円形、三角形、四角形、多角形などが挙げられる。
水素タンク3は、水素トーチ1の燃料となる水素燃料を蓄積している。そして、水素燃料のタイプに応じて、水素タンクの形態は適宜選択される。水素タンクが水素燃料を貯蔵している場合、水素タンクは、例えば、水素燃料としての気体の水素(以下、水素ガスともいう)や液体の水素を収容している低圧タンクや高圧タンク、水素燃料としての水素ガスを吸蔵している水素吸蔵合金を収容しているタンクなどが挙げられる。
水素吸蔵合金としては、マグネシウム合金などの既知の水素吸蔵合金を使用することができる。水素吸蔵合金から水素燃料である水素ガスを放出する方法は、特には限定されず、既知の放出方法を用いることができる。
また、水素タンク3は、水素タンク3の内部で加水分解等の化学変化を利用して水素燃料としての水素ガスを生成する構成を有してもよい。
また、水素タンク3の周囲には、水素タンク3を加熱する図示しないヒータ部を設けてもよい。ヒータ部が水素タンク3を加熱することによって、水素タンク3が水素ガスをノズル4に供給し続ける場合であっても、水素タンク3の温度低下が抑制され、水素タンク3が水素ガスを安定に供給することができる。
また、水素トーチ1は、ヒータ部の周囲を覆う図示しない断熱部材を設けてもよい。断熱部材は、加熱されたヒータ部や水素タンク3を保温するため、水素タンク3の温度低下を抑制できる。
筐体2の先端に設けられるノズル4は、水素流路5内を通って水素タンク3から供給される水素燃料を筐体2の外部に向かって噴出する。ノズル4の形状は、特に限定されるものではない。例えば、ノズル4として、水素燃料の出口である先端部に単一の孔を備えた単孔ノズル、先端部に複数の孔を備えた多孔ノズル、2重管によって形成される環状の噴出口を有するノズルなどを用いることができる。また、ノズル4の先端部は、複数に分割されてもよい。
また、ノズル4の先端部には、炎色反応部材9が設けられる。炎色反応部材9は、火炎8によって炎色反応を起こす合金などの化合物から形成される。炎色反応部材9による炎色反応が起こると、水素トーチ1の火炎8は、炎色反応部材9を構成する材料に応じた色に着色される。また、ノズル4自体が火炎8によって炎色反応を起こす合金などの化合物から構成されてもよい。また、図示しないタンクから、炎色反応を起こす化合物の溶液を火炎8に霧化して噴射してもよい。
また、水素トーチ1には、水素トーチ1の火炎8の基部を包囲する図示しない包囲部材を備えてもよい。包囲部材は、水素トーチ1の外部からの横風などから火炎8を防ぐ。
水素流路5は、例えば、水素タンク3の先端面2a側とノズル4の後端面2b側とを連結している。この水素流路5は、水素タンク3からノズル4に水素燃料を流通できればよく、例えば、配管などで構成される。
調整バルブ6は、水素流路5に設けられる。この調整バルブ6の構成は、特には限定されず、水素流路5内を通って水素タンク3からノズル4に供給される水素燃料の流量を調整できればよい。調整バルブ6は、例えば、水素タンク3内の圧力を一定に保ち、水素流路5内の圧力を制御する、保圧弁などから構成される。
調整バルブ6は、筐体2の内部に設けられてもよい。また、調整バルブ6の調整部は、使用者が外部から直接調整できるように設けられてもよい。この場合、調整バルブ6の調整部は、例えば、筐体2の側面から外部に露出している。さらに、調整バルブ6は、例えば、センサなどの外部からの出力信号に基づいて、電子的に制御されてもよい。
図2および図3は、第1の実施の形態の水素トーチ1に設けられる流量変動発生機構7の構成を模式的に示す断面図である。また、図2は、水素燃料の流量を減少させる前の流量変動発生機構7の状態を示し、図3は、水素燃料の流量を減少させているときの流量変動発生機構7の状態を示す。流量変動発生機構7は、図1に示すように、調整バルブ6の下流側の水素流路5、すなわち、調整バルブ6とノズル4との間の水素流路5に設けられる。
図2および図3に示すように、筐体2の内部に設けられる流量変動発生機構7は、水素流路5の側面と接触する押さえ部材21と、水素流路5を介して押さえ部材21と対向配置される回転部材22とを備える。
押さえ部材21は、筐体2の内面に設けられる図示しない支持部材によって支持されてもよいし、筐体2と一体化してもよい。押さえ部材21の形状は、水素流路5の一部の側面である接触部5aに接触する面21aを有する形状であれば、限定されない。ここでは、押さえ部材21の形状は直方体である。
回転部材22は、筐体2の内面に設けられる図示しない支持部材によって、回転軸23を中心に回転自在に設けられる。回転部材22の回転軸23は、水素流路5の長手方向に対して垂直である。ここでは、回転部材22の回転軸23が水素流路5の長手方向に対して垂直である一例を示しているが、回転部材22の回転軸23は水素流路5の長手方向に対して平行であってもよい。
回転部材22は、モータ、ゴム、ゼンマイなどを用いて既知の方法で回転される。回転部材22の回転速度は、水素燃料の流量の変動の程度に応じて、適宜調整することができる。
回転部材22の形状は、略円盤状である。具体的には、回転部材22は、円盤状の部材の一部を回転軸23に平行に切断した形状であり、円弧面22aと、円弧面22aの端を平面的に連結する弦面22bとを有する。また、図2および図3に示すように、回転軸23に垂直な回転部材22の断面は、略円状であり、円弧面22aを構成する円弧部と、弦面22bを構成し、円弧部の端を直線的に連結する弦部とを有する。ここでは、回転部材22の形状が略円盤状である一例を示しているが、回転部材22の形状は略円筒状、略円柱状などであってもよい。
円弧面22aは、円盤状の部材の側面に相当する。また、弦面22bは、円盤状の部材の切断面に相当する。回転部材22を構成する円弧面22aの数と弦面22bの数とは同じである。ここでは、1つの円弧面22aと1つの弦面22bとを有する回転部材22を示しているが、回転部材22は、例えば2つの円弧面22aと2つの弦面22bとを有してもよい。
押さえ部材21と回転部材22とに挟まれている水素流路5の接触部5aは、シリコンチューブなどの弾性体で構成される。なお、水素流路5の全体が弾性体で構成されてもよい。
図2に示すように、水素燃料の流量を減少させる前の流量変動発生機構7において、弦面22bの全面は直線的な形状を維持している接触部5aに接触する。また、図3に示すように、水素燃料の流量を減少させているときの流量変動発生機構7において、円弧面22aは湾曲している接触部5aに接触する。
次に、第1の実施の形態の水素トーチ1の作用について説明する。
水素タンク3を流出した水素燃料は、水素流路5内を流れ、調整バルブ6に供給される。調整バルブ6は、供給された水素燃料の圧力を調整することによって、水素燃料の流量を調整する。続いて、調整バルブ6によって流量を調整した水素燃料は、流量変動発生機構7に供給される。
水素燃料の流量を減少させる前の状態であり、接触部5aに接触している状態の弦面22bを備える回転部材22が回転すると、流量変動発生機構7は図2から図3に示す状態になり、回転部材22の円弧面22aが接触部5aに接触する。図3に示すように、回転部材22が回転して、水素流路5の接触部5aに接触している回転部材22の部分が弦面22bから円弧面22aに変わると、弾性体で構成されている接触部5aが弾性変形して湾曲する。具体的には、回転部材22と接触している側の接触部5aが押さえ部材21側に湾曲する。接触部5aが湾曲すると、水素流路5の接触部5aにおける流路断面積(以下、単に断面積ともいう)が局所的に減少する。そして、水素流路5の断面積が減少することによって、水素燃料の流量が減少する。
続いて、水素燃料の流量を減少させている状態であり、接触部5aに接触している状態の円弧面22aを備える回転部材22が回転すると、流量変動発生機構7は図3から図2に示す状態になり、回転部材22の弦面22bが接触部5aに接触する。図2に示すように、回転部材22が回転して、水素流路5の接触部5aに接触している回転部材22の部分が円弧面22aから弦面22bに変わると、回転部材22の円弧面22aと接触していた側の接触部5aが、弾性変形して、押さえ部材21側に湾曲していた状態から元の形状の状態に戻る。接触部5aが直線的な元の形状に戻ると、水素流路5の接触部5aの断面積は、増加して、接触部5a以外の水素流路5の断面積と同じになる。そして、水素流路5の断面積が元に戻ることによって、水素燃料の流量が増加する。
ここで、図3に示す流量変動発生機構7の状態、すなわち円弧面22aが湾曲している接触部5aに接触している状態では、接触部5aの断面積が一定に維持されるので、水素燃料の流量減少は一定に維持される。このとき、ノズル4に供給される水素燃料の流量は最も少ない。また、接触部5aに接触している回転部材22の部分が円弧面22aから弦面22bに変わるとき、および弦面22bから円弧面22aに変わるとき、接触部5aの断面積の変化が生じるので、水素燃料の流量は変化する。また、図2に示す流量変動発生機構7の状態、すなわち弦面22bが直線的な元の形状の接触部5aに接触している状態では、接触部5aの断面積は減少していないので、水素燃料の流量は減少しない。このとき、ノズル4に供給される水素燃料の流量は最も多い。
なお、流量変動発生機構7が水素燃料の流量を変動するとき、湾曲する接触部5aは水素流路5を完全に塞ぐことはない。水素流路5が完全に塞がれると、水素燃料がノズル4に供給されなくなり、水素トーチ1の火炎8は消える。
このようにして、流量変動発生機構7は、回転部材22を回転して水素流路5の断面積を変動させることによって、水素流路5を流れる水素燃料の流量を変動させる。
また、水素燃料の流量の変動の程度に応じて、回転部材22の径、円弧面22aおよび弦面22bの大きさ、円弧面22aおよび弦面22bの数、回転部材22の回転速度などは適宜設定される。
流量変動発生機構7によって流量を変動した水素燃料は、水素流路5を介してノズル4に供給され、ノズル4の先端部から筐体2の外部に噴出される。そして、ノズル4の下流側に点火源を近づけて、大気中に拡散する水素燃料に点火することによって、水素と大気中の酸素とによる拡散燃焼が生じる。そして、ノズル4の下流には、火炎8が形成される。
また、火炎8を長くすると共に水素燃料の消費量を減少させるという観点から、流量変動発生機構7は水素燃料の流量をパルス状に変動させることが好ましい。
図4は、第1の実施の形態において、流量変動発生機構7によってパルス状に変動した水素燃料の流量と時間との関係を示すグラフである。また、図5は、第1の実施の形態において、図4に示す条件で水素燃料の流量をパルス状に変動させたときの火炎長さと時間との関係を示すグラフである。なお、図4には、水素燃料の流量を変動させずに一定にしたとき(以下、比較例ともいう)の水素燃料の流量と時間との関係を示すグラフも表示する。ここでは、比較例における水素燃料の平均流量に比べて、水素燃料の流量を変動させたときの単位時間当たりの水素燃料の平均流量が少ない場合を例示している。また、図5には、図4に示す比較例のときの火炎長さ(以下、平均火炎長さともいう)と時間との関係を示すグラフも表示する。
ここで、火炎長さとは、火炎8の先端と筐体2の先端面2aとを最短距離で結ぶ直線の長さをいう。
図4に示すように、ここでは、流量変動発生機構7からノズル4に供給される水素燃料の流量を2.0Hzのパルス状に変動させたときの一例を示す。図4および図5に示すように、流量変動発生機構7によって流量をパルス的に変動させた水素燃料がノズル4に供給されると、水素燃料の流量の変動に対して一定の時間遅れを伴いながら、火炎長さが繰り返し増減した。ここでは、火炎長さは、水素燃料の流量の変動に対して約0.3秒の遅れを伴いながら、水素燃料の流量の変動周期と同様に、2.0Hzの変動周期で増減した。
また、図5に示すように、平均火炎長さと比較して、水素燃料の流量を変動させたときの単位時間当たりの火炎長さの平均値はほぼ同じであるものの、水素燃料の流量を変動させたときの火炎長さが一時的に長くなる時間帯が現れた。このように、比較例の水素燃料の平均流量より少ない平均流量の水素燃料をパスル的に変動させて形成した火炎の長さは、一時的に平均火炎長さよりも長くなった。
ここで、人間の眼は、輝度の高い火炎が残像として残る性質を有する。そのため、長さの変動した火炎について、人間には、長いときの火炎、換言すると火炎長さが最大値のときの火炎が残像として残る。そのため、人間は、長さの変動する火炎を平均火炎長さよりも長く認知する。たとえ長さの変動した火炎の長さが平均火炎長さよりも短い時間帯があっても、このような残像効果によって、人間には変動する火炎の長さを長く認知させることができる。さらには、変動する火炎の長さを、常に平均火炎長さ以上にすることなく、一時的に平均火炎長さ以上にすれば、変動する火炎を長い火炎として認知させることができる。このように、一定流量の水素燃料の供給量を増加せずに火炎長さを長く認知させることができるため、水素タンク3からノズル4に供給される水素燃料の流量を減少させることができ、水素トーチ1における水素燃料の消費量を抑制させることができる。さらに、水素タンク3の大きさを小さくすることや、火炎8を長時間維持することができる。
図6は、第1の実施の形態において、流量変動発生機構7によってパルス状に変動した水素燃料の流量の変動周期と火炎長さとの関係を示すグラフである。ここで、図6中の火炎長さとは、平均火炎長さに対する水素燃料の流量を変動して形成した火炎長さの最大値の相対値(火炎長さの最大値/平均火炎長さ)である。また、ここでは、単位時間当たりの水素燃料の平均流量を変えずに、水素燃料の流量の変動周期を変えて、火炎長さを評価した。
単位時間当たりの水素燃料の平均流量を一定にしながら流量の変動周期を増加させると、火炎長さの最大値は、徐々に減少して、平均火炎長さに次第に近づく。流量の周期変動が5.0Hz以上になると、上記相対値が1.1以下になる。平均火炎長さよりも火炎長さを長く認知させるという観点から、水素燃料の流量の周期変動は、4.0Hz以下であることが好ましい。また、火炎を揺らめかせるという観点、および人間の視覚の残像効果を活用するという観点から、水素燃料の流量の周期変動は、最低でも1.0Hz以上であることが好ましい。
また、図4に示すように、ここでは、時間に対してパスル状に変動させた水素燃料の流量の波形が三角波であるときの一例を示したが、当該波形は矩形波や正弦波であってもよい。水素燃料の消費量を抑えるという観点から、当該波形は三角波であることが好ましい。
上記したように、第1の実施の形態の水素トーチ1によれば、ノズル4に供給する水素燃料の流量を流量変動発生機構7で変動することによって、火炎8の長さを変動させることができる。そして、流量変動発生機構7によって水素燃料の流量を変動させて形成した火炎8の長さは、平均火炎長さに比べて一時的に長くすることができる。そのため、残像効果によって、火炎8の長さを平均火炎長さよりも長く認知させることができる。
さらに、残像効果によって大きく認知させた火炎8の長さは、一時的に平均火炎長さ以上であればよい。このように、水素タンク3からノズル4に供給される水素燃料の量を減少させることができるので、水素トーチ1の消費する水素燃料の量を抑制させることができる。
(第2の実施の形態)
図7および図8は、第2の実施の形態の水素トーチに設けられる流量変動発生機構7aの構成を模式的に示す断面図である。なお、以下に示す実施の形態において、第1の実施の形態の水素トーチの構成と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
図7および図8は、第2の実施の形態の水素トーチに設けられる流量変動発生機構7aの構成を模式的に示す断面図である。なお、以下に示す実施の形態において、第1の実施の形態の水素トーチの構成と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
図7は、水素燃料の流量を減少させているときの流量変動発生機構7aの状態を示し、図8は、水素燃料の流量を減少させる前の流量変動発生機構7aの状態を示す。
図7および図8に示すように、流量変動発生機構7aは、水素流路5に介在し、調整バルブ6を介して供給される水素燃料を溜める溜まり部31と、溜まり部31の下流側の水素流路5に連通する連通孔32aをその側面に備えるシリンダ32と、シリンダ32の閉口端32bに接続するばね部33と、シリンダ32内に摺動自在に設けられるピストン34とを備える。ここでは、流量変動発生機構7aは、溜まり部31、シリンダ32、ばね部33、およびピストン34からなるいわゆるブローオフバルブの構成を備える。さらに、流量変動発生機構7aは、溜まり部31と水素流路5とを連通する連通孔37を備える。
溜まり部31は、水素流路5を介して調整バルブ6から排出される水素燃料を溜める。例えば、水素流路5の長手方向に対して垂直な方向における、溜まり部31の断面積は、水素流路5の断面積よりも大きい。
シリンダ32の開口端32cは、溜まり部31の下流側の面に連結する。溜まり部31を排出した水素燃料は、シリンダ32内に供給される。ここでは、シリンダ32の側面を貫通する連通孔32aと溜まり部31の下流側の水素流路5の側面を貫通する貫通孔5bとを連通する連通管36によって、シリンダ32に形成される連通孔32aが溜まり部31の下流側の水素流路5に連通する一例を示すが、シリンダ32の側面が溜まり部31の下流側の水素流路5の側面と一体化され、水素流路5の側面と一体化したシリンダ32の側面を貫通する連通孔32aが直接的に水素流路5に連通してもよい。シリンダ32内の水素燃料は、連通孔32aを通り、溜まり部31の下流側の水素流路5に供給される。
ばね部33は、シリンダ32内に設けられる。シリンダ32の内部に設けられるばね部33の下流側の一端は、シリンダ32の開口端32cの下流側に位置する閉口端32bに接続する。そして、ばね部33は、シリンダ32の開口端32cの方向にピストン34を付勢している。
ピストン34の下流側の面は、ばね部33の上流側の一端に接続される。そして、ピストン34は、シリンダ32の内部を往復摺動しながら、シリンダ32の側面に形成される連通孔32aをシリンダ32側から開閉する。ピストン34が図7に示す状態であるとき、連通孔32aは閉じ、ピストン34が図8に示す状態であるとき、連通孔32aは開く。
溜まり部31の下流側の面には、連通孔37が設けられる。連通孔37は、溜まり部31の下流側の面を貫通して、溜まり部31と水素流路5とを連通する。連通孔37の流路断面積は、水素流路5の流路断面積よりも小さい。そのため、調整バルブ6から溜まり部31に排出される水素燃料の流量に比べて、連通孔37を流れて溜まり部31から排出される水素燃料の流量は少ない。溜まり部31内の水素燃料は、連通孔37またはシリンダ32を通り、水素流路5に供給される。
また、ピストン34によって区画され、ばね部33を収容しているシリンダ32内の空間に水素燃料が漏れて、当該空間の圧力と溜まり部31の圧力とが同じになると、ピストン34がシリンダ32内を往復摺動しなくなる。そのため、流量変動発生機構7aは、シリンダ32の閉口端32bと連通孔37の下流側の水素流路5とを連通する均圧管38を備えてもよい。ばね部33を収容しているシリンダ32内の空間に漏れた水素燃料は、均圧管38を介して溜まり部31の下流側の水素流路5に流れるので、シリンダ32内におけるピストン34の往復摺動を維持することができる。
次に、第2の実施の形態の水素トーチの作用について説明する。
図7に示すように、水素流路5を介して調整バルブ6から排出される水素燃料は、流量変動発生機構7aの溜まり部31に流入する。連通孔37を介して溜まり部31から水素流路5に流出する水素燃料の流量に比べて、調整バルブ6から溜まり部31に流入する水素燃料の流量は多いので、溜まり部31の圧力は徐々に増加する。溜まり部31の圧力が増加するにつれて、シリンダ32の閉口端32bの方向に押す力がピストン34にかかる。
溜まり部31の圧力がピストン34に働いているばね部33の付勢力よりも大きくなると、ピストン34は、シリンダ32の閉口端32bの方向に摺動し、図7から図8に示す状態になる。図8に示すように、ピストン34が閉口端32bの方に摺動すると、ピストン34によって閉じていた連通孔32aが開く。そして、調整バルブ6から溜まり部31に流入した水素燃料は、連通孔37に加えて連通孔32aを介して、水素流路5に流出する。そのため、ノズル4に供給される水素燃料の流量は増加する。
続いて、溜まり部31の圧力がピストン34に働いているばね部33の付勢力よりも小さくなると、ピストン34は、シリンダ32の開口端32cの方向に摺動し、図8から図7に示す状態になる。図8に示すように、開いていた連通孔32aは、ピストン34によって閉じる。そして、調整バルブ6から溜まり部31に流入した水素燃料は、連通孔37を介して水素流路5に流出する。そのため、ノズル4に供給される水素燃料の流量は減少する。
ここで、図7に示す流量変動発生機構7aの状態、すなわち連通孔32aが完全に閉じている状態では、水素燃料が連通孔37のみを介して水素流路5に流出するので、ノズル4に供給される水素燃料の流量減少は一定に維持される。このとき、ノズル4に供給される水素燃料の流量は最も少ない。また、ピストン34が連通孔32aを開きながら閉口端32bに向かって摺動するとき、およびピストン34が連通孔32aを閉じながら開口端32cに向かって摺動するとき、連通孔32aの流路断面積が変化するので、ノズル4に供給される水素燃料の流量は変化する。また、図8に示す流量変動発生機構7aの状態、すなわち連通孔32aが完全に開いている状態では、連通孔32aの流路断面積が変化しないので、ノズル4に供給される水素燃料の流量は減少しない。このとき、ノズル4に供給される水素燃料の流量は最も多い。
なお、図7に示すように、連通孔32aが完全に閉鎖しても、溜まり部31内の水素燃料は連通孔37を介して水素流路5に流れる。そのため、水素燃料は必ずノズル4に供給される。
このようにして、流量変動発生機構7aは、ピストン34を摺動して連通孔32aの流路断面積を変動させることによって、水素流路5を流れる水素燃料の流量を変動させる。流量変動発生機構7aは、外部からの動力を供給せずに、水素流路5内を流通している水素燃料の圧力を利用して、ピストン34による連通孔32aの開閉を行う。このように、流量変動発生機構7aへの動力の供給は不要であるので、流量変動発生機構7aはメンテナンス性に優れている。
また、水素燃料の流量の変動の程度に応じて、溜まり部31の大きさ、ばね部33のばね定数などは適宜設定される。
上記したように、第2の実施の形態の水素トーチによれば、ノズル4に供給する水素燃料の流量を流量変動発生機構7aで変動することによって、火炎8の長さを変動させることができる。そのため、残像効果によって、火炎8の長さを平均火炎長さよりも長く認知させることができる。
さらに、流量変動発生機構7aに動力を供給しなくても、流量変動発生機構7aはノズル4に供給する水素燃料の流量を変動することができる。そのため、流量変動発生機構7aはメンテナンス性に優れている。
(第3の実施の形態)
図9は、第3の実施の形態の水素トーチに設けられる流量変動発生機構7bの構成を模式的に示す概略図であり、図10および図11は、流量変動発生機構7bの構成を模式的に示す断面図である。なお、以下に示す実施の形態において、第1の実施の形態の水素トーチの構成と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
図9は、第3の実施の形態の水素トーチに設けられる流量変動発生機構7bの構成を模式的に示す概略図であり、図10および図11は、流量変動発生機構7bの構成を模式的に示す断面図である。なお、以下に示す実施の形態において、第1の実施の形態の水素トーチの構成と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
また、図10および図11は、回転部材53側からみたときの流量変動発生機構7bの構成を示す断面図である。図10は、水素燃料の流量を減少させる前の流量変動発生機構7bの状態を示し、図11は、水素燃料の流量を減少させているときの流量変動発生機構7bの状態を示す。
図9に示すように、流量変動発生機構7bは、水素流路5に介在する弁箱51と、その回転軸を中心に回転自在に弁箱51内に設けられる弁体52と、弁箱51の外部に設けられ、弁体52の回転軸を中心に回転自在に設けられる回転部材53とを備える。さらに、流量変動発生機構7bは、弁箱51の内縁と弁体52の外縁との間に設けられる流路54を備える。
調整バルブ6とノズル4との間の水素流路5に介在する弁箱51には、水素流路5を介して調整バルブ6から水素燃料が流入する。弁箱51は、例えば円筒状である。
弁箱51の内部に設けられる円柱状の弁体52は、弁体52の中心を通る回転軸を中心に、弁箱51の内部で回転自在に設けられる。弁体52の回転軸は、水素流路5の長手方向に対して垂直である。この弁体52は、弁体52の内部を貫通して弁体52の回転軸に交差する貫通路55を備える。貫通路55の断面形状および断面積は、貫通路55を流れる単位時間当たりの水素燃料の流量が流路54を流れる単位時間当たりの水素燃料の流量よりも多ければ限定されず、水素燃料の流れやすさの観点から、水素流路5の断面形状および断面積とそれぞれ同じであることが好ましい。また、弁体52は磁石からなる。
図10に示すように、流量変動発生機構7bが水素燃料の流量を減少させないとき、貫通路55と水素流路5とは直線上に接続される。また、図11に示すように、流量変動発生機構7bが水素燃料の流量を減少させているとき、貫通路55は水素流路5に接続されない。
図9に示すように、円柱状の回転部材53は、弁体52の回転軸の方向に沿って、弁箱51の外部で弁体52と対向配置される。弁体52に対向する回転部材53の対向面は、回転部材53に対向する弁体52の対向面に対して互いに平行である。この回転部材53は磁石からなる。また、回転部材53は、モータなどの動力部56と接続し、動力部56によって回転することができる。動力部56は、筐体2の内面に設けられる図示しない支持部材によって支持される。回転部材53の回転軸は、弁体52の回転軸と同一である。
図10および図11に示すように、磁石で構成される弁体52は、回転部材53の対向面と対向する弁体52の対向面において、貫通路55の長手方向に平行で弁体52の回転軸に交差する直線で区画される第1の面52aに第1の磁極を有する。また、弁体52は、対向面において、当該直線で区画され、第1の面52aと異なる第2の面52bに、第1の磁極の極性と異なる極性を有する第2の磁極を有する。例えば、第1の極性はN極であり、第2の極性はS極である。
図9に示すように、磁石で構成される回転部材53は、弁体52の対向面と対向する回転部材53の対向面において、弁体52の回転軸に交差する直線で区画される第3の面53aに第3の磁極を有する。また、回転部材53は、対向面において、当該直線で区画され、第3の面53aと異なる第4の面53bに、第3の磁極の極性と異なる極性を有する第4の磁極を有する。例えば、第1の極性はN極であり、第2の極性はS極である。
このような第3の極性および第4の極性を有する回転部材53が回転すると、第3の極性および第4の極性によって形成される回転部材53の磁力と第1の極性および第2の極性によって形成される弁体52の磁力とが作用することによって、弁体52が回転する。
図9に示すように、弁箱51の内縁と弁体52の外縁との間に設けられる流路54内には、調整バルブ6を介して供給される水素燃料が流れる。流路54は、円柱状の殻のような形状である。流路54の最も狭い部分における水素燃料の流れ方向に垂直な断面積は、貫通路55における水素燃料の流れ方向に垂直な断面積よりも小さい。そのため、流路54内を流れる単位時間当たりの水素燃料の流量は、貫通路55内を流れる単位時間当たりの水素燃料の流量よりも少ない。
次に、第3の実施の形態の水素トーチの作用について説明する。
図9に示すように、水素流路5を介して調整バルブ6から排出される水素燃料は、流量変動発生機構7bの弁箱51に流入する。回転部材53の回転によって、弁体52が回転して図11に示す状態になると、弁体52に形成される貫通路55は水素流路5に接続しない。調整バルブ6を介して供給される水素燃料は、貫通路55には流入せずに、流路54に流入する。貫通路55の流路断面積に比べて、流路54の流路断面積は小さい。そして、水素燃料は、流路54を通過して水素流路5に流出する。そのため、ノズル4に供給される水素燃料の流量は減少する。
続いて、回転部材53の回転によって、弁体52が回転して図10に示す状態になると、弁体52に形成される貫通路55は水素流路5と直線的に接続する。調整バルブ6を介して供給される水素燃料は、流路54に加えて、貫通路55にも流入する。そのため、ノズル4に供給される水素燃料の流量は増加する。
ここで、図11に示す流量変動発生機構7bの状態、すなわち貫通路55が水素流路5に完全に接続していない状態では、水素燃料が流路54のみを介して水素流路5に流出するので、ノズル4に供給される水素燃料の流量減少は一定に維持される。このとき、ノズル4に供給される水素燃料の流量は最も少ない。また、貫通路55と水素流路5とが直線状に接続している状態から弁体52が回転するとき、および弁体52が回転して貫通路55と水素流路5とが直線状に接続するとき、水素流路5に接続する貫通路55の流路断面積が変化するので、ノズル4に供給される水素燃料の流量は変化する。また、図10に示す流量変動発生機構7bの状態、すなわち貫通路55と水素流路5とが直線状に接続している状態では、水素燃料が貫通路55および流路54を介して水素流路5に流出し、水素流路5に接続する貫通路55の流路断面積が変化しないので、ノズル4に供給される水素燃料の流量は減少しない。このとき、ノズル4に供給される水素燃料の流量は最も多い。
なお、図11に示すように、貫通路55が水素流路5に完全に接続していなくても、調整バルブ6から流入する水素燃料は流路54を介して水素流路5に流れる。そのため、水素燃料は必ずノズル4に供給される。
このようにして、流量変動発生機構7bは、弁体52を回転させて、水素流路5に接続する貫通路55の流路断面積を変動させることによって、水素流路5を流れる水素燃料の流量を変動させる。
また、水素燃料の流量の変動の程度に応じて、弁体52の回転速度、貫通路55の断面積などは適宜設定される。
上記したように、第3の実施の形態の水素トーチによれば、ノズル4に供給する水素燃料の流量を、磁力を利用した流量変動発生機構7bで変動することによって、火炎8の長さを変動させることができる。そのため、残像効果によって、火炎8の長さを平均火炎長さよりも長く認知させることができる。
(第4の実施の形態)
図12および図13は、第4の実施の形態の水素トーチに設けられる流量変動発生機構7cの構成を模式的に示す断面図である。なお、以下に示す実施の形態において、第1の実施の形態の水素トーチの構成と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
図12および図13は、第4の実施の形態の水素トーチに設けられる流量変動発生機構7cの構成を模式的に示す断面図である。なお、以下に示す実施の形態において、第1の実施の形態の水素トーチの構成と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
図12は、水素燃料の流量を減少させているときの流量変動発生機構7cの状態を示し、図13は、水素燃料の流量を減少させる前の流量変動発生機構7cの状態を示す。
図12および図13に示すように、流量変動発生機構7cは、水素流路5に介在する弁箱71と、弁箱71内に設けられるばね部72と、ばね部72に接続される弁体73と、弁箱71の外部に設けられ、弁体73と対向配置される電磁石部74とを備える。
調整バルブ6とノズル4との間の水素流路5に介在する弁箱71には、水素流路5を介して調整バルブ6から水素燃料が流入する。弁箱71は、例えば筒状である。
ばね部72は、弁箱71の内部に設けられる。ばね部72の一端は、弁箱71における水素流路5と接続しない面に接続される。また、ばね部72の他端は、弁体73に接続される。そして、ばね部72は、弁箱71においてばね部72に接続している面と対向する面の方向に、弁体73を付勢している。
ばね部72の他端に接続する弁体73は、弁箱71内に設けられる。弁体73は磁石からなる。図12に示すように、弁体73の外縁と弁箱71の内縁との間には、隙間が区画される。
電磁石部74は、筐体2の内面に設けられる図示しない支持部材によって支持されてもよいし、筐体2の内面に直接設けられてもよい。弁箱71の外部に設けられる電磁石部74が図示しない電力供給部から電力を供給されると、電磁石部74は磁力を発生する。
次に、第4の実施の形態の水素トーチの作用について説明する。
水素流路5を介して調整バルブ6から排出される水素燃料は、流量変動発生機構7cの弁箱71に流入する。電磁石部74が磁力を発生しないとき 図12に示すように、弁体73はばね部72からの付勢力によって水素流路5を遮る。そして、弁体73は、水素流路5の流路断面積を減少させる。調整バルブ6を介して流入する水素燃料は、弁体73の外縁と弁箱71の内縁との間の隙間を介して水素流路5に流出する。そのため、ノズル4に供給される水素燃料の流量は減少する。
電磁石部74が磁力を発生すると、この磁力はばね部72からの付勢力の方向と逆方向に弁体73を付勢する。そして、電磁石部74からの付勢力がばね部72からの付勢力よりも大きくなると、図13に示すように、弁体73は、ばね部72からの付勢力の方向と逆方向に移動し、電磁石部74からの付勢力によって水素流路5を遮ることを解消する。そして、弁体73は、水素流路5の流路断面積を増加させる。調整バルブ6を介して流入する水素燃料は、弁箱71内を流通して水素流路5に流出する。そのため、ノズル4に供給される水素燃料の流量は減少する。
ここで、図12に示す流量変動発生機構7cの状態、すなわち弁体73が水素流路5を遮る状態では、水素燃料が弁箱71内の上記隙間を介して水素流路5に流出するので、ノズル4に供給される水素燃料の流量減少は一定に維持される。このとき、ノズル4に供給される水素燃料の流量は最も少ない。また、弁体73が電磁石部74からの付勢力によって水素流路5を遮ることを解消するとき、および弁体73がばね部72からの付勢力によって水素流路5を遮ることを開始するとき、弁体73によって遮られる水素流路5の流路断面積が変化するので、ノズル4に供給される水素燃料の流量は変化する。また、図13に示す流量変動発生機構7cの状態、すなわち弁体73が水素流路5を遮らない状態では、水素流路5の流路断面積が変化せずに、水素燃料が弁箱71内を流れて水素流路5に流出するので、ノズル4に供給される水素燃料の流量は減少しない。このとき、ノズル4に供給される水素燃料の流量は最も多い。
なお、図12に示すように、弁体73が水素流路5を遮るときでも、調整バルブ6を介して流入する水素燃料は、弁体73の外縁と弁箱71の内縁との間の隙間を介して水素流路5に流れる。そのため、水素燃料は必ずノズル4に供給される。
このようにして、弁体73が電磁石部74の磁力により水素流路5の流路断面積を変動させることによって、流量変動発生機構7bは水素流路5を流れる水素燃料の流量を変動させる。
また、水素燃料の流量の変動の程度に応じて、弁体73の大きさ、ばね部72のばね定数などは適宜設定される。
上記したように、第4の実施の形態の水素トーチによれば、ノズル4に供給する水素燃料の流量を、磁力を利用した流量変動発生機構7cで変動することによって、火炎8の長さを変動させることができる。そのため、残像効果によって、火炎8の長さを平均火炎長さよりも長く認知させることができる。さらに、流量変動発生機構7cは簡便な構成であるため、水素燃料の流量の変動調整が容易である。
以上説明した少なくとも一つの実施の形態によれば、水素トーチの火炎長さを長く認知させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…水素トーチ、2…筐体、2a…先端面、2b…後端面、3…水素タンク、4…ノズル、5…水素流路、5a…接触部、5b…貫通孔、6…調整バルブ、7,7a,7b,7c…流量変動発生機構、8…火炎、9…炎色反応部材、21…押さえ部材、21a…面、22…回転部材、22a…円弧面、22b…弦面、23…回転軸、31…溜まり部、32…シリンダ、32a…連通孔、32b…閉口端、32c…開口端、33…ばね部、34…ピストン、36…連通管、37…連通孔、38…均圧管、51…弁箱、52…弁体、52a…第1の面、52b…第2の面、53…回転部材、53a…第3の面、53b…第4の面、54…流路、55…貫通路、56…動力部、71…弁箱、72…ばね部、73…弁体、74…電磁石部。
Claims (10)
- 筒状の筐体と、
前記筐体内に設けられ、水素燃料を供給する水素タンクと、
前記筐体の先端に設けられ、前記水素燃料を噴出するノズルと、
前記水素タンクと前記ノズルとを連結し、前記水素タンク内の前記水素燃料を前記ノズルに供給する水素流路と、
前記水素流路に設けられ、前記水素タンクから前記ノズルに供給される前記水素燃料の流量を調整する調整バルブと、
前記調整バルブの下流側の前記水素流路に設けられ、前記ノズルに供給される前記水素燃料の流量を変動させる流量変動発生機構と
を備えることを特徴とする水素トーチ。 - 前記流量変動発生機構は、前記水素燃料の流量をパルス状に変動させることを特徴とする請求項1に記載の水素トーチ。
- 前記流量変動発生機構は、
前記水素流路の側面と接触する押さえ部材と、
前記水素流路を介して前記押さえ部材と対向配置され、その回転軸を中心に回転自在に設けられる回転部材と
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の水素トーチ。 - 前記回転部材は、円弧面と、前記円弧面の端を連結する弦面とを有することを特徴とする請求項3に記載の水素トーチ。
- 前記流量変動発生機構は、
前記水素流路に介在し、前記調整バルブを介して供給される前記水素燃料を溜める溜まり部と、
その開口端が前記溜まり部の下流側に連結し、前記溜まり部の下流側の前記水素流路に連通する連通孔をその側面に備えるシリンダと、
前記シリンダ内に設けられ、前記シリンダの閉口端に接続するばね部と、
前記ばね部に接続され、前記シリンダ内に摺動自在に設けられ、前記連通孔を開閉するピストンと
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の水素トーチ。 - 前記流量変動発生機構は、前記溜まり部の下流側に設けられ、前記溜まり部と前記水素流路とを連通し、その断面積が前記水素流路の断面積よりも小さい連通孔をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の水素トーチ。
- 前記流量変動発生機構は、
前記水素流路に介在する弁箱と、
その回転軸を中心に回転自在に前記弁箱内に設けられ、磁石からなり、その内部を貫通して前記回転軸に交差する貫通路を備える円柱状の弁体と、
前記弁体と対向配置され、前記弁体の回転軸を中心に回転自在に設けられ、磁石からなる円柱状の回転部材と
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の水素トーチ。 - 前記弁体は、前記回転部材と対向する前記弁体の面において、前記貫通路の長手方向に平行で前記弁体の回転軸に交差する直線で区画される第1の面に第1の磁極と、該直線で区画され、前記第1の面と異なる第2の面に、前記第1の磁極の極性と異なる極性を有する第2の磁極とを有し、
前記回転部材は、前記弁体と対向する前記回転部材の面において、前記弁体の回転軸に交差する直線で区画される第3の面に第3の磁極と、該直線で区画され、前記第3の面と異なる第4の面に、前記第3の磁極の極性と異なる極性を有する第4の磁極とを有することを特徴とする請求項7に記載の水素トーチ。 - 前記流量変動発生機構は、前記弁箱の内縁と前記弁体の外縁との間に設けられ、前記水素燃料が流れる流路をさらに備えることを特徴とする請求項7または8に記載の水素トーチ。
- 前記流量変動発生機構は、
前記水素流路に介在する弁箱と、
前記弁箱内に設けられるばね部と、
前記弁箱内で前記ばね部に接続され、磁石からなり、前記水素流路の断面積を変動させる弁体と、
前記弁体と対向配置される電磁石部と
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の水素トーチ。
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