以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームとして、識別情報(ここでは、各々を識別可能な複数種類の特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する(つまり、特図の可変表示を実行する)。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。可変表示の最後には、可変表示結果として確定特別図柄(「大当り」又は「ハズレ」の図柄など)を導出表示(単に導出ともいう。)する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される可変表示結果や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。可変表示中の点灯パターンには、適宜LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図の特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図の特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出ユニット50が設けられている。演出ユニット50は、遊技盤2に取り付けられている。演出ユニット50は、画像表示装置5と、情報表示部51と、ランプ部52と、駆動機構53と、バーサライタ54と、を備える。
画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、特別図柄とは異なる識別情報(ここでは、各々を識別可能な複数種類の装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(可変表示)(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)(「大当り」又は「ハズレ」の図柄など)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。
なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Hが配置されている。表示エリア5Hでは、実行が保留されている特図ゲームの数を特定可能とする表示が行なわれる。実行が保留されている特図ゲームは、未だ開始されていない特図ゲームであり、保留記憶として記憶される。この実施の形態では、特図ゲームを実行するための情報(後述の保留データなど)が記憶されることで、当該情報に対応する特図ゲームが保留記憶として記憶される。このため、特図ゲームの保留数は、特図保留記憶数ともいう。また、表示エリア5Hで表示される特図ゲームの保留数を特定可能な表示のことを特図保留記憶数ともいう。
特図ゲームの保留は、例えば、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲーム(可変表示ゲーム)を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく特図ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、特図ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する特図ゲームの保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている特図ゲームと同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの特図ゲームに対応している。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、特図ゲームが実行されるときには、実行される特図ゲームに対応して表示されている保留表示図柄が消去される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
情報表示部51は、所定の情報を表示する。後述のように、バーサライタ54は、画像表示装置5の前方に進出して回転するので、画像表示装置5は、回転するバーサライタ54によって隠れてしまうことがある(図4など)。情報表示部51は、画像表示装置5が隠れてしまっても、遊技の進行状況を分かりやすく遊技者に報知できるように、所定の情報を表示する。なお、所定の情報は、バーサライタ54が動作している期間のほか、それ以外の期間において表示されてもよい。
情報表示部51は、第1保留表示器51A、第2保留表示器51B、文字表示器51C、第4図柄表示器51D、第4図柄表示器51Eを備え(図3などを参照)、これらによって前記所定の情報を表示する。
第1保留表示器51Aは、第1特図保留記憶数の上限値と同じ個数のLEDを含んで構成され、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数を表示する。第2保留表示器51Bは、第2特図保留記憶数の上限値と同じ個数のLEDを含んで構成され、LEDの点灯個数によって、第2特図保留記憶数を表示する。
文字表示器51Cは、例えば、現在の遊技の状況や遊技の説明などを文字列(メッセージなど)で表示するものであり、例えば、マトリックス状に配置された複数のLEDを含んで構成されている。文字表示器51Cは、例えば、点灯するLEDと非点灯のLEDとで文字を表示する。文字表示器51Cは、LEDが複数色で発光可能なLED(例えば、RGB(赤緑青)のダイオードを備えたLEDランプ(LED素子)など、以下、マルチカラーLEDともいう。)であれば、文字をカラー表示する。なお、文字とは、数字や記号も含むものとする。文字表示器51Cでは、例えば、スーパーリーチであること、大当り遊技状態であることなどの各種情報を表示する。なお、パチンコ遊技機1の構成によっては、右打ちすべきことなどを表示するようにしてもよい。文字表示器51Cは、液晶ディスプレイなどであってもよい。
第4図柄表示器51Dは、LED(ここでは、マルチカラーLED)などから構成され、第1特図ゲームが実行されているときに所定色(例えば、白色)で点灯(点滅でもよいし、常時点灯でもよい。)し、第1特図ゲームの可変表示結果が導出されるタイミングで当該可変表示結果に応じた色(例えば、「大当り」なら赤色、「ハズレ」なら黒)で点灯する。このようにして、第4図柄表示器51Dは、第1特図ゲームが実行中であることを示す第4図柄(ここでは、LEDの所定色の点灯で表現されている。)を表示し、表示結果(ここでは、可変表示結果に応じた色での点灯で表現される。)を表示する。なお、第4図柄表示器51Dを複数のLEDや液晶ディスプレイなどから構成し、第4図柄表示器51Dは、第4図柄の表示として所定の識別情報の可変表示(例えば、「○」(丸)及び「×」(バツ)を交互に表示するなど)を行なうようにしてもよい。
第4図柄表示器51Eは、LED(ここでは、マルチカラーLED)などから構成され、第2特図ゲームが実行されているときに所定色(例えば、白色)で点灯(点滅でもよいし、常時点灯でもよい。)し、第2特図ゲームの可変表示結果が導出されるタイミングで当該可変表示結果に応じた色(例えば、「大当り」なら赤色、「ハズレ」なら黒)で点灯する。このようにして、第4図柄表示器51Eは、第2特図ゲームが実行中であることを示す第4図柄(ここでは、LEDの所定色の点灯で表現されている。)を表示し、表示結果(ここでは、可変表示結果に応じた色での点灯で表現される。)を表示する。なお、第4図柄表示器51Eを複数のLEDや液晶ディスプレイなどから構成し、第4図柄表示器51Eは、第4図柄の表示として所定の識別情報の可変表示(例えば、「○」(丸)及び「×」(バツ)を交互に表示するなど)を行なうようにしてもよい。
第2ランプ部52は、複数のLED(ここでは、マルチカラーLED)などから構成され、所定タイミングで発光する。
駆動機構53は、ステッピングモータやギア、アームなどから構成され、バーサライタ54を下方(画像表示装置5の前面)に進出させたり、バーサライタ54を回転させたりする。
バーサライタ54は、第2ランプ部52の背後に隠れており、所定の演出実行時に、駆動機構53によって下方に移動し画像表示装置5の前方に進出し、その後に画像表示装置5の前方で回転する(図3など)。バーサライタ54は、LED群545を備える。LED群545は、一列に並んだ複数個のLED545A(ここでは、マルチカラーLED)から構成される。バーサライタ54は、駆動機構53によって回転する。バーサライタ54を回転させながらLED545Aを発光させると、回転するLED545Aは、光の残像(発光残像ともいう。)によって円に見える。そして、発光する複数個のLED545Aそれぞれの残像によって、同心円の複数の円が描かれる(図4など)。LED545Aの発光色と発光色の変化タイミング及び点灯消灯タイミングとを制御することによって、回転するバーサライタ54におけるLED545Aの光の残像(発光残像)を利用して種々の表示を行なうことができる(図5など)。この実施の形態では、回転するバーサライタ54によって、第1表示(図4)や第2表示(図5)を行う(詳しくは後述する)。
表示エリア5Hとともに、あるいは表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となってもよい。この場合の通常開放状態は、第2始動入賞口に遊技球が進入できるが、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくい状態である。このように、普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)は、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態(進入容易状態)と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態(進入困難(進入不可を含む。)状態)とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えばカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)し、表示結果を導出表示する。このような普通図柄の可変表示及び表示結果の導出は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、ゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の第1ランプ部9が設けられている。第1ランプ部9は、複数のマルチカラーLED(単色LEDであってもよい。)を含んで構成されている。なお、第1ランプ部9は、実際には複数設けられているが、下記では1つのものとして説明する。複数の第1ランプ部9それぞれの構成は、任意であり、それぞれが同じであってもよいし、異なってもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、電源基板D1といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、演出制御基板12からの信号を中継する中継基板19なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図ゲームや第2特図ゲームを制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普図ゲームを制御することといった、所定の表示図柄の可変表示や表示結果の導出を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、第1ランプ部9、情報表示部51、第2ランプ部52、駆動機構53、バーサライタ54といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5や情報表示部51における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、第1ランプ部9、第2ランプ部52などにおける点灯/消灯動作、駆動機構53の動作、バーサライタ54の動作を行わせる機能、つまり、演出用の電気部品を制御して所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(効果音信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。
さらに、パチンコ遊技機1は、第1ランプ駆動部14を備える。第1ランプ駆動部14は、演出制御基板12からの制御信号に基づいて第1ランプ部9の各LEDに駆動信号を供給し、各LEDを別個に点灯又は消灯させるように構成されている。第1ランプ駆動部14と第1ランプ部9とは、同じ基板(中継基板19とは別基板)に実装されてもよいし、別基板にそれぞれ実装されてもよい。
さらに、パチンコ遊技機1は、表示駆動部16を備える。表示駆動部16は、演出制御基板12から中継基板19を介して供給される制御信号に基づいて情報表示部51を駆動して、所定の情報の表示を情報表示部51に行わせるように構成されている。表示駆動部16と情報表示部51を構成するLEDとは、同じ基板(中継基板19とは別基板)に実装されてもよいし、別基板にそれぞれ実装されてもよい。情報表示部51では、第1保留表示器51A、第2保留表示器51B、文字表示器51C、第4図柄表示器51D、第4図柄表示器51Eそれぞれが駆動され、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数、文字列、第4図柄などが表示される。
さらに、パチンコ遊技機1は、第2ランプ駆動部17を備える。第2ランプ駆動部17は、演出制御基板12から中継基板19を介して供給される制御信号に基づいて第2ランプ部52の各LED52A(図8参照)に駆動信号を供給し、各LED52Aを別個に点灯又は消灯させるように構成されている。第2ランプ駆動部17と第2ランプ部52とは、同じ基板(中継基板19とは別基板)に実装されてもよいし、別基板にそれぞれ実装されてもよい。
さらに、パチンコ遊技機1は、役物駆動部18を備える。役物駆動部18は、演出制御基板12からの制御信号に基づいて駆動機構53のステッピングモータなどに駆動信号を供給し、駆動機構53を動作させるように構成されている。役物駆動部18と駆動機構53におけるステッピングモータなどとは、同じ基板(中継基板19とは別基板)に実装されてもよいし、別基板にそれぞれ実装されてもよい。なお、駆動機構53は、ステッピングモータの回転位置(バーサライタ54の回転位置)を検出する回転位置センサを有する。回転位置センサは、例えば、ステッピングモータが初期位置にあること(バーサライタ54が初期位置にあること)を検出し、検出したことを表す検出信号を演出制御基板12に供給(フィードバック)する。
表示駆動部16、第2ランプ駆動部17、役物駆動部18は、同じ基板に実装されてもよいし、別々の基板に実装されてもよい。
バーサライタ54は、LED群545の他、第3ランプ駆動部541を備える。演出制御基板12が出力した制御信号は、中継基板15及び役物駆動部18を介して第3ランプ駆動部541に供給される。なお、バーサライタ54の第3ランプ駆動部541は、スリップリング541A(図3など)を備える。スリップリング541Aは、バーサライタ54を回転可能にバーサライタ54と外部とを接続する。バーサライタ54に供給される電力や制御信号は、スリップリング541Aを介して外部からバーサライタ内部(第3ランプ駆動部541)に供給される。なお、本実施の形態では、外部から供給する電力は、LED群545や、第3ランプ駆動部541を駆動する電圧より高い電圧(例えば12V)であり、第3ランプ駆動部541内に設けた電源IC541C(図6参照)で降圧(例えば5V)してLED群545や、第3ランプ駆動部541を駆動する。当該第3ランプ駆動部541は、供給された制御信号に基づいて、LED群545を構成する各LED545Aに駆動信号を供給し、各LED545Aを別個に消灯又は点灯できるように構成されている。スリップリング541A、LED群545、第3ランプ駆動部541は、少なくとも2つが同じ基板に実装されてもよいし、個々が別々の基板に実装されてもよい。
電源基板D1は、主基板11や演出制御基板12に電力を供給する。ソレノイド81、第1保留表示器25A、第1特別図柄表示装置4Aなどの電気部品(主基板11に接続されているもの)に供給される電力は、電源基板D1から主基板11を介して供給される。主基板11は、各電気部品それぞれに必要な電圧を各電気部品に印加することで適切な電力を供給する。音声制御基板13、第1ランプ駆動部などの各種駆動部、第1ランプ部9などの各種ランプ部、駆動機構53のモータ、バーサライタ54などの各種電気部品など(演出制御基板12に接続されているものや演出制御基板12の制御対象など)に供給される電力は、電源基板D1から演出制御基板12を介して供給される。演出制御基板12は、各電気部品それぞれに必要な電圧を各電気部品に印加することで適切な電力を供給する。例えば、駆動機構53のステッピングモータの駆動に必要な電圧として12V(VDD)を出力し、後述のシリアル・パラレル変換ICの駆動に必要な電圧として5V(VCC)を出力し、LEDの発光駆動に必要な電圧として5V(VCL)を出力する)。さらに、電源基板D1から演出制御基板12を経由してバーサライタ内部(LED群545や、第3ランプ駆動部541)に供給される電力の電圧は、LED群545や、第3ランプ駆動部541の駆動に必要な電圧(5V)より高い電圧(12V)の電力を供給する。なお、バーサライタ54や演出ユニット50の各部材を駆動するための各種駆動部などに供給される電力は中継基板15に中継されるようにしてもよい。また、バーサライタ54内に供給される電力は、役物駆動部18を介して供給されてもよいし、中継基板15から直接供給されてもよい。また、各種電気部品に供給される電力は、主基板11や演出制御基板12を介さずに供給されてもよい(適宜中継基板などを介してもよい)。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送信される演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など。)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100となる1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、例えば、停電などがあってパチンコ遊技機1に対する電力供給が不測の停電などで一時停止しても(所謂、電断があっても)、所定期間(例えば、バックアップ電源としてのコンデンサが放電して電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理(演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データ、駆動データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。なお、RAM122は、バックアップRAMではないので、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止した場合(電断があった場合など)には、記憶しているデータが失われてしまう。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120の制御に基づいて(例えば、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき)、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を出力し、画像表示装置5に演出画像を表示する。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)123A(図6参照)、CGROM(Character Generator ROM)123B(図6参照)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。例えば、演出制御用CPU120は、上記の演出制御パターンに含まれる表示制御データなどに従って、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像を指定する表示制御指令を表示制御部123に送信する。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に従って、CGROMなど(記憶部)に格納されているデータを用いて、当該表示制御指令によって指定される演出画像を表示するための映像信号を出力する。これによって、演出制御用CPU120の制御(演出制御パターンなどに基づく制御)に従った演出画像の映像信号が出力されたことになり、そして、画像表示装置5に当該演出画像が表示されることになる。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される制御信号(効果音信号)、第1ランプ駆動部14へと伝送される制御信号、中継基板19を介して表示駆動部16と第2ランプ駆動部17と役物駆動部18(又は第3ランプ駆動部541)とのそれぞれへと伝送される制御信号などが出力される。なお、制御信号は、シリアル信号として供給される。
画像表示装置5は、液晶パネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路などを備える。演出制御用CPU120の制御に基づいて表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された映像信号は、前記ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、入力された映像信号に基づいて、表示パネルを駆動し、当該映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これによって、画像表示装置5には、各種の演出画像が表示されることになる。
なお、表示制御部123は、画像表示装置5への制御の他、演出制御用CPU120による制御のもとで、第1ランプ部9や第2ランプ部52などの制御も行う。ここで、駆動機構53に対する駆動制御や、第1ランプ部9、第2ランプ部52、LED群545などに対する発光制御の流れなどを、図6を参照して説明する。
役物駆動部18は、シリアル信号として供給される制御信号を、駆動機構53が有する各ステッピングモータ(通常複数)を個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC18B(以下、変換IC18Bともいう。)を備える。変換IC18Bには、固有のアドレスが設定されている。なお、アドレスは、後述のシリアル・パラレル変換IC541Bなどと同様の方法(詳しくは後述)で設定されればよい。
第3ランプ駆動部541は、外部から供給される電力の電圧値を、LED群545や、第3ランプ駆動部541を駆動する電圧値に降圧する電源IC541C、シリアル信号として供給される制御信号を、LED群545の各LED545Aを個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC541B(以下、変換IC541Bともいう。)を備える。変換IC541Bには、固有のアドレスが設定されている(詳しくは後述)。なお、電源IC541Cは、外部から供給される電力の電圧値を降圧または昇圧するなど可変することかできる素子であり、例えば三端子レギュレータやDC−DCコンバータなどである。
前記制御信号は、アドレスを指定する部分を含む。変換IC18Bと変換IC541Bとは接続されており、変換IC18Bは、供給された制御信号が指定するアドレスが自己のアドレスと同じでない場合(ここでは、当該アドレスが変換IC541Bを指定するものになっている場合)には、当該制御信号をそのまま変換IC541Bに供給するようになっている。このように、変換IC541Bは、その前段に位置する変換ICである変換IC18Bを介して制御信号を受け取る。このような構成によって、制御信号は、当該制御信号が指定するアドレスを有する変換ICに精度良く供給される。なお、変換IC18Bや変換IC541Bに供給される制御信号は、演出制御用CPU120からI/O125及び中継基板19を介して、役物駆動部18の変換IC18Bに供給される。
演出制御用CPU120がどのような制御信号を出力するかは、ROM121に格納されている演出制御パターンなどに含まれる点灯データ(LED545Aの点灯パターンや、どのLED545Aを点灯させるかなどを示すデータ)や駆動データ(駆動機構53のモータなどをどのように動かすかや、どのモータを動かすかなどを示すデータ)などによって指定される。当該点灯データや駆動データは、非圧縮でROM121に格納されている。これは、演出制御用CPU120が非圧縮のデータを使用する仕様になっているからである。これによって、データを効率良く扱うことができる。
演出制御用CPU120は、点灯データや駆動データに従った制御信号を、中継基板19を介して変換IC18B又は変換IC541Bに供給する(供給先のICのアドレスを指定する制御信号を供給する)。変換IC18B又は変換IC541Bは、ラッチ回路やシフトレジスタなどを備え、自己のアドレスを指定する制御信号のうち、アドレスを指定する部分以外のデータ信号(ここでは、1ビットごとにHigh又はLowを示す24ビットのデータ信号)を各駆動信号(1ビットのデータ信号(High信号又はLow信号))に分離するなどして、シリアルの制御信号をパラレルの駆動信号に変換し、各駆動対象(ステッピングモータやLED545A)それぞれに、変換したパラレルの各駆動信号を同時に供給する。このような動作が順次繰り返されることによって、点灯データに従った態様(発光色、発光期間)でLED群545が発光し、駆動データに従った態様で駆動機構53が動作し、バーサライタ54を駆動する。これによって、バーサライタ54の動きや発光が実現される。なお、LED545Aは、後述のようにRGBの各LEDを有する。また、駆動信号はRGBそれぞれのLEDに対応して生成され、RGBそれぞれのLEDに個別に入力される。この実施の形態では、Low信号によってLEDがオン(発光)する。駆動信号は、制御信号が供給されるごとに繰り返し出力されるので、Low信号が連続して出力されたときにはLow信号の供給期間が長くなる。Low信号の供給期間(Low信号が出力される回数)が長いと、LEDの発光期間も長くなり、その分LEDは明るく発光して見える。このように、繰り返し出力される駆動信号は、Low信号の回数によってPWM制御され、各LEDの発光輝度(各色の発光輝度)はPWM制御による発光期間(つまり、Low信号の期間)によって階調制御される。このため、各LED545Aは、繰り返し供給される制御信号に応じて個別にカラー発光が可能となっている(RGBの各LEDの輝度(発光期間)を調整することで、種々の色を表現可能なっている)。そして、各LED545Aの発光色や発光期間を点灯データに従って制御することによって、各LED545Aの発光の残像による様々な表示(特に文字や記号の表示)が実現される(図4や図5参照)。
第1ランプ駆動部14は、シリアル信号として供給される制御信号を、第1ランプ部9の各LEDを個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC14B(以下、変換IC14Bともいう。)を備える。変換IC14Bは、駆動対象であるLEDの数に応じて複数設けてもよい(ここでは、複数設けられる。)。変換IC14Bには、固有のアドレスが設定されている。なお、アドレスは、変換IC541Bなどと同様の方法で設定されればよい。変換IC14Bに供給される制御信号は、VDP123AからI/O125を介して変換IC14Bに供給される。
第2ランプ駆動部17は、シリアル信号として供給される制御信号を、第2ランプ部52の各LED52Aを個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC17B(以下、変換IC17Bともいう。)を備える。変換IC17Bには、固有のアドレスが設定されている。なお、アドレスは、変換IC541Bなどと同様の方法で設定されればよい。変換IC17Bに供給される制御信号は、VDP123AからI/O125及び中継基板19を介して変換IC17Bに供給される。
VDP123Aが変換IC14Bや変換IC17Bにどのような制御信号を出力するかは、CGROM123Bに格納されている点灯データ(LEDの点灯パターンや、どのLEDを点灯させるかなどを示すデータ)などによって指定される。当該点灯データは、圧縮されてCGROM123Bに格納されている。これは、VDP123Aが圧縮されたデータを使用する仕様になっているからである。これによって、データを効率良く扱うことができる。そして、データ量が大きくなることを抑制できる。
VDP123Aは、演出制御用CPU120の制御のもと、点灯データに従った制御信号を、変換IC14Bや変換IC17Bに供給する(供給先のICのアドレスを指定する制御信号を供給する)。変換IC14Bや変換IC17Bは、ラッチ回路やシフトレジスタなどを備え、自己のアドレスを指定する制御信号のうち、アドレスを指定する部分以外のデータ信号(ここでは、1ビットごとにHigh又はLowを示す24ビットのデータ信号)を各駆動信号(1ビットのデータ信号(High信号又はLow信号))に分離するなどして、シリアルの制御信号をパラレルの駆動信号に変換し、各駆動対象(LED)それぞれに、変換したパラレルの各駆動信号を同時に供給する。このような動作が順次繰り返されることによって、点灯データに従った態様(発光色、発光期間)で第1ランプ部9や第2ランプ部52が発光する。なお、LED群545と同様に、各LED(マルチカラーLED)は、RGBの各LEDを有し、駆動信号はRGBそれぞれのLEDに対応して生成され、個別に入力される(Low信号でオン(発光)する)。IC541Bのときと同様に、各LED(マルチカラーLED)は、RGBのLEDそれぞれに供給する駆動信号についてのPWM制御(Low信号の供給期間の制御)によって、発光色などが制御される。各LEDの発光色や発光期間を点灯データに従って制御することによって、第1ランプ部9や第2ランプ部52の発光による演出が実現される。
なお、表示駆動部16を介して情報表示部51に所定の情報を表示させることや音声制御基板13を介した音声出力は、演出制御用CPU120によって行うが、表示制御部123によって行ってもよい。また、演出制御用CPU120の制御のもとで、VDP123Aは、CGROM123Bが記憶する画像データに従って、映像信号を生成して、画像表示装置5に供給し、演出画像を表示させる。画像データは、圧縮されてCGROM123Bに格納されている。これは、VDP123Aが圧縮されたデータを使用する仕様になっているからである。これによって、データを効率良く扱うことができる。そして、データ量が大きくなることを抑制できる。
演出制御基板12は、中継基板19を介して役物駆動部18に電力を供給する。役物駆動部18は、演出制御基板12からの電力に基づいて駆動機構53に電力を供給して駆動機構53を動作させる(駆動信号の形で電力を供給してもよい。)。例えば、演出制御基板12は、駆動機構53のステッピングモータの駆動に必要な電圧として12V(VDD)を出力し、当該VDDは、最終的に駆動機構53のステッピングモータに供給される。さらに、バーサライタ54のLED群545や、第3ランプ駆動部541を駆動する電圧より高い電圧として12V(VDD)を出力し、当該VDDは、最終的に電源IC541Cで降圧(例えば5V)してLED群545や、第3ランプ駆動部541に供給される。後述のように、スリップリング541Aの接続端子(接続ピン)の関係上(スリップリング541Aは、多くの接続端子を持つことができない。特に、安価なスリップリングでは多くの接続端子を持てない。)、変換IC541B及びLED545Aを駆動するための電圧がVDDに共通化される(なお、変換IC541Bの駆動電圧もLED545Aの駆動電圧も電圧値が5Vで共通なので、電源IC541Cで5Vに降圧して共通化できる。)なお、変換IC541Bの駆動電圧とLED545Aの駆動電圧とが異なれば、複数の電源ICを設けて、それぞれの電圧に降圧してもよい。例えば、当該VDDは、電源IC541Cで降圧(5V)してLED群545に供給し、別の電源ICで降圧(3.3V)して第3ランプ駆動部541に供給される。また、演出制御基板12は、変換ICの駆動に必要な電圧として5V(VCC)を出力し、当該VCCは、役物駆動部18の変換IC18Bに供給される。例えば、演出制御基板12は、バーサライタ54の駆動に必要な電圧として5V(VCC)を変換IC18Bに出力する。変換IC18Bと変換IC541Bとに供給される電圧は、共通であってもよいし、別個であってもよい。共通にする場合は、役物駆動部18に電源ICを設けて、当該電源ICでVDDを変換IC18Bの駆動に必要な電圧(5V(VCC))に降圧する。また、変換IC18Bに印加される電圧(変換IC18Bに供給される電力)は、役物駆動部18を経由しなくてもよい。
演出制御基板12は、中継基板19を介して第2駆動部17に電力を供給するとともに、第2ランプ駆動部17を介して第2ランプ部52に電力を供給する。例えば、演出制御基板12は、第2ランプ駆動部17の変換IC17B用にVCCを出力し、第2ランプ部52のLED52A用にVCLを出力する。これらは別個のラインで変換IC17B及びLED52Aそれぞれに供給される(つまり、電力は、別々の供給ラインで供給される)。演出制御基板12は、中継基板19を介して第1駆動部14に電力を供給するとともに、第1駆動部14を介して第1ランプ部9に電力を供給する。例えば、演出制御基板12は、第2ランプ駆動部17の変換IC17B用にVCCを出力し、第2ランプ部52のLED52A用にVCLを出力する。これらは別個のラインで変換IC17B及びLED52Aそれぞれに供給される。
なお、各変換ICや各LEDに供給される各VCCや各VCLは、互いに独立して生成され、別個の供給ラインで供給されてもよいし、少なくとも一部を共通の電圧とするようにしてもよい。
なお、駆動機構53に設けられた回転位置センサからの検出信号(バーサライタ54を回転させるモータの初期位置を検出した信号)は、演出制御用CPU120にフィードバックされる。
なお、各シリアル・パラレル変換IC(変換IC18B、541B、17B、14B)は、駆動対象(制御対象)(ステッピングモータやLEDなど)の数や端子数に応じて複数設けられてもよい(例えば、第3ランプ駆動部において変換IC541Bの他、同じ種類の他の変換ICを1以上設けるなど)。この場合、複数の変換IC(同じ種類の変換IC)は、直列的に接続され、かつ、個々には固有のアドレスが設定される。演出制御用CPU120やVDP123Aは、駆動対象に接続された変換ICのアドレスを指定する制御信号を出力する。制御信号が出力されると、直列的に接続された変換ICのうち最初の変換ICがまず制御信号を受け取る。当該制御信号が当該最初の変換ICのアドレスを指定している場合、当該最初の変換ICは当該制御信号をパラレルの駆動信号に変換して出力する。当該制御信号が当該最初の変換ICのアドレスを指定していない場合(後続の変換ICを指定している場合)、当該最初の変換ICは当該制御信号をそのまま2番目に接続された変換ICに出力する。2番目に接続された変換ICは、前記最初の変換ICからの制御信号が、自身のアドレスを指定するものである場合には、当該制御信号をパラレルの駆動信号に変換して出力するが、自身のアドレスを指定するものでない場合には、前記と同様次に接続された変換ICに当該制御信号を供給する。このようなことによって、所望の変換ICに制御信号を伝送することができる。なお、変換IC18Bが複数あるときには、変換IC541Bのアドレスを指定する制御信号は、複数の変換IC18Bそれぞれを通過して変換IC541Bに供給される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、表示制御部123や第1ランプ駆動部14を介して第1ランプ部9を点灯/消灯させたり、表示制御部123や第2ランプ駆動部17を介して第2ランプ部52を点灯/消灯させたり、役物駆動部18を介して駆動機構53を動作させ、バーサライタ54を動かしたり、バーサライタ54のLED545Aを発光/消灯させたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。
次にバーサライタ54の具体的な回路構成例について説明する。上述のようにバーサライタ54は、第3ランプ駆動部541と、LED群545とを備えるが、これらの回路構成例を図7に示す。第3ランプ駆動部541は、例えば、図7に示す回路構成を有する。
第3ランプ駆動部541は、スリップリング541Aを備える。スリップリング541Aは、6つの接続端子(ピンあるいは極)を備える。1番端子及び4番端子は接地されている。2番端子は、制御信号が供給される外部のデータラインに接続されている。3番端子は、制御信号の同期を取るためのクロック信号が供給される外部のクロックラインに接続されている。各ラインは、役物駆動部18の変換IC18Bにおける制御信号及びクロック信号(演出制御基板12から供給される同期信号)の出力端子に接続されている。5番端子及び6番端子は、外部の電源ライン(役物駆動部18経由のラインでもよいし、演出制御基板12からのラインでもよい。)に接続されており、電圧VDD(12V)が印加される。つまり、電力供給には、2つの端子(接地される端子も必要なので、合計では4つの端子)が使用される。通常、接続端子に流すことができる電流の電流値が決まっているが(例えば、1つ1Aまで)、LED545Aを駆動する電流の電流値は大きいので(例えば、1.5A)、2つの端子を確保してLED545Aを駆動する電流の電流値を確保している。さらに、スリップリング541Aは、回転する回転体(図示省略)と、当該回転体の外周面に接触する固定側のブラシ(図示省略)とを備え、このブラシに供給された電力(電圧VDD(12V))が、回転する回転体に接触することで第3ランプ駆動部541に電力が供給される。しかし、スリップリング541Aは、接点の摩擦により接続手段の電気的な接続が不安定となり、十分に第3ランプ駆動部541に電力が供給できない虞がある。そこで、本実施の形態では、LED群545や、第3ランプ駆動部541を駆動する電圧より高い電圧(電圧VDD(12V))を、スリップリング541Aを介して第3ランプ駆動部541に供給し、第3ランプ駆動部541内に設けた電源IC541Cで降圧(例えば5V)してLED群545や、第3ランプ駆動部541を駆動することで、接点の摩擦により接続手段の電気的な接続が不安定となっても、LED群545や、第3ランプ駆動部541を駆動するのに十分な電圧を確保することができる。
5番端子及び6番端子は、電源ラインL1に接続される。電源ラインL1は、5番端子及び6番端子を介して供給されるVDD(12V)を電源IC541CでVCC(5V)に降圧しVCC1として第3ランプ駆動部541内(変換IC541Bなど)に供給する出力と、5番端子及び6番端子を介して供給されるVDD(12V)を電源IC541CでVCL(5V)に降圧しVCL1としてLED群545に供給する出力と、に分岐する。スリップリング541Aの端子数は通常のコネクタよりも少なくなっており、ここでは、第3ランプ駆動部541内とLED群545とに電力を供給する電源ラインがスリップリング541A付近で共通化され(電源ラインL1)、その後段で複数の電源ラインに分岐するようにしている。
電源IC541CのVCCの出力には、ノイズフィルタを設けて、ノイズを除去してもよい。また、電源IC541CのVCCの出力の途中は、コンデンサC1の一端に接続され、コンデンサC1の他端は接地されている。このような回路構成によって、VCC1の電位の安定化が図られている。
電源IC541CのVCLの出力には、ノイズフィルタを設けて、ノイズを除去してもよい。また、電源IC541CのVCLの出力の途中は、コンデンサC2の一端に接続され、コンデンサC2の他端は接地されている。このような回路構成によって、VCL1の電位の安定化が図られている。
第3ランプ駆動部541は、変換IC541Bを備える。変換IC541BのDATA端子及びCLK端子は、データラインL4とデータラインL5とによって、スリップリング541Aの2番端子及び3番端子それぞれに接続されている。これによって、制御信号は、スリップリング541Aの2番端子からデータラインL4を介して変換IC541BのDATA端子に入力され、クロック信号は、スリップリング541Aの3番端子からクロックラインL5を介して変換IC541BのCLK端子に入力される。なお、データラインL4及びクロックラインL5それぞれの途中には、増幅器A1及びA2がそれぞれ接続され、また、プルアップ抵抗R5及びR6がそれぞれ接続される。これによって、制御信号及びクロック信号としてのHigh信号又はLow信号を的確に変換IC541Bに伝達することができる。なお、データラインL4及びクロックラインL5には、保護回路HKも接続されている。保護回路HKは、静電気放電から第3ランプ駆動部541を保護する回路であり、ダイオードアレイなどを含む保護素子S1を備える。保護素子S1には、後述のVCC1が印加される。保護回路HKは、VCC1とグラウンドとの間かつ保護素子S1に接続されたコンデンサC5も有する。
変換IC541Bの端子ADR0〜ADR4は、当該変換IC541Bのアドレスを設定するための端子である。ここでは、端子ADR0〜ADR4が全て接地されているため、アドレスとして「00000」が設定されている。ADR0〜ADR4の少なくともいずれかをLDO端子などに接続することで、その端子に対応する部分が「1」に設定される。このようにすることで、アドレスが設定される(例えば、端子ADR0がLDO端子などに接続されている場合には、アドレスは「10000」となる。)。
変換IC541Bの端子Q0〜Q23からは、制御信号を変換した駆動信号を出力する。端子Q0〜Q23は、LED545Aが備えるRGBのLEDそれぞれのカソードに接続されている。LED545Aが備えるRGBのLEDそれぞれのアノードは、電源IC541Cの出力に接続され、VCL1が印加される。このため、駆動信号として、Low信号が出力されたときには、当該Low信号が出力された端子に接続されたLEDに電流が流れ、当該LEDが発光する。
変換IC541Bの端子LDOと端子DVDDとは、所定の電圧を出力する。端子LDOと端子DVDDは、コンデンサC5及びC6を介して接地されている。また、端子R_Irufは、抵抗R1を介して接地され、かつ、コンデンサC5及びC6に接続されている。この実施の形態で使用されている変換IC541Bでは、端子Q0〜Q23の少なくともいずれかに駆動信号としてLow信号が出力されたときにLEDに流れる電流(複数のLEDが発光するときには、複数のLEDそれぞれに流れる電流の合計)が、端子R_Irufから抵抗R1を介してグラウンドに流れるようになっている。当該電流の電流値(個々のLEDに流れる電流)は、抵抗R1の抵抗値による。
変換IC541Bの各端子VDDは、電源IC541Cの出力に接続され、VCC1が印加される。端子VREFは、コンデンサC7を介して接地される。各端子VDDは、コンデンサC8〜C11を介して接地もされている(これによって、各端子VDDに印加される電圧を安定化させている。)。端子GNDは、接地されている。
端子DATA0は、制御信号の供給ルートに沿って直列的に接続された次の変換IC(変換IC541Bと同じもの)の端子DATAに接続され、制御信号(アドレスが変換IC541Bを指定していない場合)が次の変換ICに供給される。端子CLKは、前記次の変換ICの端子CLKに接続され、クロック信号が次の変換ICに供給される。その他の端子は、接地されている。
上記のような構成によって、外部から供給されるVDD(12V)は、電源IC541CでVCC(5V)に降圧しVCC1及びVCL1として、変換IC541BなどやLED群545の各LED545A(RGBのLED)に印加される。これにより、接点の摩擦によりスリップリング541Aの電気的な接続が不安定となっても、変換IC541BなどやLED群545の各LED545A(RGBのLED)に印加する電圧を安定化させて正常に駆動させることができる。
また、変換IC541Bは、端子CLKから供給されるクロック信号に従って動作するとともに、端子CLK0からクロック信号を次の変換ICに供給する。変換IC541Bは、端子DATAから供給される制御信号が自身のアドレスを指定する場合には、当該制御信号が示す24ビットの情報(High信号又はLow信号)を1ビットずつラッチし、端子Q0〜Q23からラッチした情報を駆動信号(High信号又はLow信号)として出力する。また、繰り返し供給される制御信号ごとに駆動信号が出力されるので、Low信号が供給される回数に応じてRGBのLEDの発光輝度が調整される(発光輝度がPWM制御によって制御される)。なお、High信号が供給されるときには、LEDは消灯する。RGBの発光輝度や発光の有無に応じて各LED545Aの発光色や発光輝度が調整される。所定の制御信号を調整することによって、各LED545Aを所望の発光色かつ発光輝度で発光させたり消灯させたりすることができる。特に、バーサライタ54の回転と同期して各LED545Aの発光を制御することで、回転するバーサライタ54の発光残像によって所望の表示を行うことができる(バーサライタ54のステップ数に応じて各LED545Aの発光態様を変化させることで、バーサライタ54の回転とLED群545の発光態様とを同期させて、所望の表示を行うことができる。)。発光時にLED545Aを流れた電流(各LEDに流れる電流の総和)は、抵抗R1を介してグラウンドに流れる。なお、LED545Aに流れる電流の電流値は、抵抗R1に依存するので、抵抗R1が大きければ電流値が小さくなり、LED545Aの発光輝度が小さくなる。この実施の形態では、VCC1とVCL1との電源ラインが共通化されているため、LED545Aに大きな電流が流れたときにVCC1の電位が安定しないことがある(特に下がってしまうことがある)。このため、抵抗R1の抵抗値を大きく設定し(ここでは、抵抗R1の抵抗値を6kΩとしているが、他の抵抗値であってもよい。)、LED545Aの発光輝度(1回の駆動信号によって発光したときの発光輝度)を低くする代わりにLED545Aに流れる電流を小さくし、VCC1の電位を安定させるとよい(これによって、変換IC541Bの動作を安定させることができる。)。なお、この実施の形態では、電源ラインL1を電源IC541Cで出力を分岐させ、VCC1を供給する電源ラインにコンデンサC1を接続し、VCL1を供給する電源ラインにコンデンサC2を接続することで、各コンデンサによって、VCC1やVCL1の電位を安定化させることができる(特にVCC1の電位を安定させ、変換IC541Bの動作を安定させることができる。)。
次に第2ランプ部52と、第2ランプ駆動部17との回路構成例を図8に示す。第2ランプ駆動部17は、図7に示す回路構成を有する。なお、図8の回路構成は、図7の回路構成と基本的には同じであるので、異なる部分について説明する。変換IC541Bと変換IC17Bとは同じものを使用でき、LED545AとLED52Aとも同じものを使用できる(LEDの数も同じとしてよい。)。なお、図8の回路構成は、第1ランプ駆動部14などにも適用できる。
図7と図8とでは、外部と接続されるコネクタが異なる。つまり、第2ランプ駆動部17は、コネクタ17Aを備え、コネクタ17Aによって外部と接続される。コネクタ17Aは、スリップリング541Aほど端子数に制限がなく、ここでは、8端子を備える。5番端子及び6番端子はVCL(変換IC17Bなどを駆動するための電圧)が供給される外部の電源ラインに接続され、7番端子はVCC(LED52Aなどを駆動するための電圧)が供給される外部の電源ラインに接続され、8番端子は、接地される。VCLについて2端子使用されているのは、図7と同様にLED52Aに大きな電流(例えば、1.5A)を流すためである。図8では、VCLとVCCとが別系統で供給され、共通化されることはない(つまり、LED52Aに電力を供給する電源ラインと変換IC17Bに電力を供給する電源ラインとが別々になっている)。このため、LED52Aに大きな電流が流れてもVCLに影響することがないため、抵抗R2の抵抗値を抵抗R1よりも小さくすることができ、LED52Aの発光輝度を大きくできる。
この実施の形態では、LEDに流れる電流の電流値は、抵抗R1又はR2の値に依存するようになっている。例えば、抵抗R1を用いた場合、1つのLEDに流れる電流の電流値は、30(抵抗R1の両端の電位差)/6200(抵抗R1の抵抗値)=約4.8mAとなる。LEDは、24あるので、抵抗R1に流れる電流の最大値(LEDに流れる電流の総和の最大値であり、すべてオンした場合の電流値)は、約4.8×24=約115mAとなる。例えば、抵抗R2を用いた場合、1つのLEDに流れる電流の電流値は、30(抵抗R2の両端の電位差)/2000(抵抗R1の抵抗値)=15mAとなる。LEDは、24あるので、抵抗R2に流れる電流の最大値(LEDに流れる電流の総和の最大値であり、すべてオンした場合の電流値)は、15×24=360mAとなる。このように、抵抗値に応じて、LEDに流れる電流は大きく異なる。通常は、変換ICの抵抗として抵抗R2が、電源ラインを変換ICとLEDとで共通化しているバーサライタ54では、抵抗R2を用いると電流量が大きくなり、VCL1の電位が安定せずに下がりやすくなり、電源ラインを共通とするVCC1の電位もそれにつられて下がってしまいやすくなって安定しなくなる(変換IC541Bの動作も安定しなくなる。)。このため、この実施の形態では、抵抗R2よりも抵抗値の大きい抵抗R1を用いて電流の総和を少なくすることで、VCCの電位を安定化させている。そして、これによって変換IC541Bの動作を安定させている(但し、LEDの輝度を犠牲にしている。)。なお、抵抗R1及びR2の抵抗値は任意である。抵抗R1の抵抗値は、LED545Aに流れる電流の量をLED52Aに流れる電流の量よりも少なくして、変換IC541Bの動作を安定させるように、抵抗R2の抵抗値よりも低くするとよい。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である(この実施の形態では、高ベース状態のときに、第2始動入賞口が開放されやすい)。
また、遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート41を通過し、ゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20にて普図ゲームを実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲーム(普通図柄の可変表示)が開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動(可変表示)を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果(普図ゲームの表示結果)となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特図ゲームが開始されるときや、第2特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターン(特図や飾り図柄の可変表示の実行時間や、飾り図柄の可変表示のパターンなどを指定するもの)の決定などが行われる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの表示結果)として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、当該表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの表示結果)として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「確変」又は「非確変」であるときには、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。なお、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。大当り種別が「非確変」のときの「大当り」を「非確変大当り」、大当り種別が「確変」のときの「大当り」を「確変大当り」ということがある。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの特図ゲームの残りの実行回数を時短残回数ということがある。時短状態や確変状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。
この実施の形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。この実施の形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう。)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果(普図ゲームの表示結果)が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示や第4図柄の表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、当該導出表示のタイミングに同期して、画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示が終了し、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。なお、第1特図ゲームや第2特図ゲームに同期して第4図柄の表示なども行われる。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまで(確定飾り図柄が導出される前)の期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せ(詳しくは後述するが、大当り時に導出される確定飾り図柄(飾り図柄の組合せ))の一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
上記飾り図柄の可変表示中には、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像を表示したり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたりする演出が実行される。これら演出を、飾り図柄の可変表示そのもの(これも演出である。)とともに、可変表示中演出という。つまり、可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像による演出であり、飾り図柄の可変表示そのものも含む概念である。可変表示態様をリーチ態様にすることも、可変表示中演出のうちの1つである。可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像(飾り図柄の可変表示そのものも含む)による演出の他、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、第1ランプ部9、第2ランプ部52などにおける点灯動作、情報表示部51の文字表示器51Cでの表示動作、バーサライタ54の動作などによる演出が含まれていてもよい(他の演出についても同じ)。
上記可変表示中演出ではリーチ演出が実行されることがある。リーチ演出は、リーチ態様となったことに対応して実行される。リーチ演出は、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。この実施の形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、及び、スーパーリーチBが用意されている(図16参照)。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。なお、大当り種別に応じて、停止表示される飾り図柄が異なってもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
主基板11は、遊技の進行に応じて演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する。演出制御基板12は、主基板11から送信される演出制御コマンドに基づいて画像表示装置5などを制御する演出制御を実行することで各種演出を行う。このようなことによって、主基板11によって実行される遊技と、演出制御基板12によって実行される各種演出との同期が取られることになる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始(電断後の再開も含む。)されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって例えば遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定などを行う。
遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給されるCTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、例えば、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。
大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターン(乱数値MR3に基づいて決定された変動カテゴリに属する変動パターン)のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や、大当り種別や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態などの第1可変状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の第1可変状態(進入容易状態)などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図9は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図10は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(ここでは「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(ここでは「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入する第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図11(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図11(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図11(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない第1特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
図11(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない第2特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
その後、始動入賞時コマンドの送信設定を行う(ステップS211)。始動入賞時コマンドは、始動口バッファ値が「1」であれば、第1始動口入賞指定コマンド(第1始動入賞が発生したことを指定するコマンド)と、第1特図保留記憶数指定コマンド(第1特図保留記憶数カウント値によって特定される第1特図保留記憶数を指定するコマンド)と、から構成され、始動口バッファ値が「2」であれば、第2始動口入賞指定コマンド(第2始動入賞が発生したことを指定するコマンド)と、第2特図保留記憶数指定コマンド(第2特図保留記憶数カウント値によって特定される第2特図保留記憶数を指定するコマンド)と、から構成される。その後、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図9に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。図12は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データである、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データである、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU103は、図13に示す特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図13に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、確変フラグがオン状態である場合に、確変状態であると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変状態のとき)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(非確変状態のとき)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図13に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図9に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、例えば、図14に示す大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図14に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別を今回の大当り種別として決定すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、ステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)の開始を指定する演出制御コマンド(デモ表示開始指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、デモ表示開始指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、デモ表示開始指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図9のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。図15は、変動パターン設定処理として、ステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、大当り用変動パターン決定テーブル(ROM101の所定領域に予め記憶されている)を参照して大当り時変動パターンを決定する(ステップS262)。大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、ハズレ用変動パターン決定テーブル(ROM101の所定領域に予め記憶されている)を参照してハズレ時変動パターンを決定する(ステップS263)。
図16は、本実施形態における変動パターンの具体例を示している。この実施の形態では、ハズレ時変動パターンとして、変動パターンPA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−4が用意されている。また、大当り時変動パターンとして、変動パターンPB3−2〜PB3−4が用意されている。変動パターンPA1−1、PA2−1は、非リーチ(可変表示態様がリーチ態様にならないこと)を指定する非リーチ変動パターンである。変動パターンPA2−1は、特図変動時間が通常(PA1−1)よりも短くなっている時短用(短縮有り)の非リーチ変動パターンである。
変動パターンPA3−2〜PA3−4は、リーチ(可変表示態様がリーチ態様になること)を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−2は、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−3は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチAに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−4は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチBに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB3−2は、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB3−3は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチAに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB3−4は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチBに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。
ステップS262では、例えば、図17に示す大当り用変動パターン決定テーブルが参照される。図17に示すように、大当り用変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、大当り時変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。ステップS262において、CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り用変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンを今回の大当り時変動パターンとして決定(選択)すればよい。
なお、図17では、決定値の範囲の代わりに決定割合が記載されている。実際のテーブルでは、図17の決定割合に応じた範囲の決定値が各変動パターンに対して割り当てられていればよい。決定割合は、乱数値MR3が取り得る値の全範囲(1〜100)を100とした割合である。例えば、図17であれば、変動パターンPB3−2の決定割合は10で、変動パターンPB3−3の決定割合は20で、変動パターンPB3−4の決定割合は70なので、変動パターンPB3−2には乱数値MR3と比較される決定値1〜10(10%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB3−3には乱数値MR3と比較される決定値11〜30(20%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB3−4には乱数値MR3と比較される決定値31〜100(70%の範囲)が割り当てられる。このようなことは、決定割合を記載した他のテーブルについても同様である。
ステップS263では、現在の遊技状態が非時短状態の場合(時短フラグがオフ状態の場合)には、例えば、図18(A)に示す第1ハズレ用変動パターン決定テーブルを参照する。現在の遊技状態が時短状態の場合(時短フラグがオン状態の場合)には、例えば、図18(B)に示す第2ハズレ用変動パターン決定テーブルを使用パターンにセットする。
図18に示すように、第1〜第2ハズレ用変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、ハズレ時変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。ステップS263において、CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、使用パターンとしてセットされた第1〜第2ハズレ用変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンを今回のハズレ時変動パターンとして決定(選択)すればよい。
図18に示すハズレ用変動パターン決定テーブルでは、時短状態のときに特図変動時間の短い変動パターンPA2−1が選択されやすくなっており、時短状態のときには、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。
図17及び図18を参照すると、大当り時には、スーパーリーチBを実行する変動パターンPB3−4の決定割合が最も高くなっており、スーパーリーチAを実行する変動パターンPB3−3、ノーマルリーチを実行する変動パターンPB3−2の順に決定割合が徐々に低くなっている。ハズレ時には、各変動パターンの決定割合はその逆になっている。このようなことから、スーパーリーチBが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」となる。そして、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(所謂大当り期待度)が下がっていく。
ステップS262又はS263を実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(変動時間ともいう。)を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される(可変表示終了時)までの所要時間である。特図変動時間は、図16に示すように、各変動パターンによって指定され、CPU103は、ステップS262又はS263の処理で選択した変動パターンが指定する特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図ゲームを開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図ゲームを開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
その後、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる(ステップS271)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合、第1特図ゲームに対応する変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド(第1特図ゲームが開始されることを指定するコマンド)、第1特図保留記憶数指定コマンド(ステップS237で1減じた第1特図保留記憶数カウント値を示すコマンド)、変動パターン指定コマンド(ステップS262B又はS263Bで決定した変動パターンを指定するコマンド)、表示結果指定コマンド(今回の可変表示結果を示す指定コマンド)を順次送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合、第2特図ゲームに対応する変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド(第2特図ゲームが開始されることを指定するコマンド)、第2特図保留記憶数指定コマンド(ステップS237で1減じた第2特図保留記憶数カウント値を示すコマンド)、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド(今回の可変表示結果を示す指定コマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。
ステップS271の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS272)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS272にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、ステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図9のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。特別図柄変動処理において、CPU103は、まず、ステップS111で設定した特図変動時間が経過したか否か(特図表示結果を導出するタイミングであるか否か)を判定する。例えば、ステップS111で初期値を設定した遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、減算したタイマ値が「0」になったか否かを判定することで、特図変動時間が経過したか否かを判定すればよい。遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームにおける特図の可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させる制御を行い、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)、図柄確定指定コマンド(表示結果の導出を指定するコマンド)の送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。なお、第1特図と第2特図とのうちのどちらを変動させるか及びどちらに特図表示結果を表示するかは、変動特図指定バッファ値などで特定すればよい。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にリセットする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンド(大当り(ファンファーレ)の開始を指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるか又は時短カウンタのカウント値が「0」以外であるかを判定し、オン状態である場合又は「0」以外である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、確変フラグの状態に基づいて背景指定コマンド(ここでは確変フラグに応じた遊技状態(高確低ベース又は低確低ベース)の背景を指定するコマンド)を送信する送信設定を行う。時短フラグがオフ状態である場合又は時短カウンタのカウント値が「0」以外である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合、又は、背景指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理、大入賞口開放指定コマンド(ラウンド数カウンタのカウント値に応じたラウンド数を指定するコマンド)の送信設定などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、CPU103は、大当り種別が「確変」か否かを判定し、確変であれば、時短フラグ及び確変フラグをオン状態とするとともに、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り種別が「非確変」であれば、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。また、残回数カウント値を「0」に設定する(ステップS1508)。その後遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、例えば、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理を実行する。演出用乱数更新処理では、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定が再度実行される。
コマンド解析処理では、例えば、第1始動口入賞指定コマンド及び第1特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、表示エリア5Haに保留表示図柄を新たに表示し、また、表示駆動部16を介して第1保留表示器51AのLEDを1つ新たに点灯させる。例えば、第2始動口入賞指定コマンド及び第2特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、表示エリア5Hbに保留表示図柄を新たに表示し、また、表示駆動部16を介して第2保留表示器51BのLEDを1つ新たに点灯させる。
図19は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、第4図柄制御処理を実行する(ステップS168)。第4図柄制御処理では、第4図柄を表示する制御を行う。例えば、第1変動開始指定コマンドを受信しているときには、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンに対応した表示時間で第4図柄を表示するように、表示駆動部16を介して第4図柄表示器51Dを制御するための処理を実行する。また、表示時間が経過した場合には、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた表示を行うように、表示駆動部16を介して第4図柄表示器51Dを制御するための処理を実行する。例えば、第2変動開始指定コマンドを受信しているときには、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンに対応した表示時間で第4図柄を表示するように、表示駆動部16を介して第4図柄表示器51Eを制御するための処理を実行する。また、表示時間が経過した場合には、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた表示を行うように、表示駆動部16を介して第4図柄表示器51Eを制御するための処理を実行する。タイマ割り込み毎に第4図柄制御処理が実行されることによって、第4図柄の表示が実現される。
ステップS168のあと、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信したか否か(各受信フラグがオン状態になっているか否か)に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出制御プロセスフラグの値が“1”に更新される。それ以外の場合には、演出制御プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図20は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送され受信した表示結果指定コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送され受信した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA2−1)であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。なお、同一の飾り図柄は、大当り種別によって異ならせてもよい(例えば、確変なら「7」、非確変なら「4」など)。
ステップS523、S524、S525のあと、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターなどに応じた演出制御パターンを設定する演出制御パターン設定処理を実行する(ステップS530)。ステップS530のあとには、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する特図変動時間に応じた初期値)を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい(このとき、実行される特図ゲームや可変表示に対応する保留表示図柄を消去して、他の保留表示図柄をシフトさせるなどの処理を行うようにするとよい。また、表示駆動部16を介して第1保留表示器51A又は第2保留表示器51BのLEDを1つ消灯させるようにするとよい。)。その後、演出制御プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図21は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、現在がバーサライタ54を動作させるバーサライタ制御期間であるかを判定する(ステップS561)。当該制御期間は、演出制御パターンなどによって規定されていればよい。バーサライタ制御期間である場合(ステップS561;Yes)、バーサライタ54が下方に進出する期間が経過したかを判定する(ステップS562A)。当該期間も演出制御パターンなどによって規定されていればよい。当該期間が経過していない場合(ステップS562A;No)、例えば、演出制御パターンに含まれる駆動データに従ってバーサライタ54を下方に進出させるように制御信号(ステッピングモータを駆動させるデータを示すシリアル信号)を役物駆動部18に送信する(ステップS562B)。役物駆動部18では、変換IC18Bによって当該制御信号をパラレルの駆動信号に変換し、駆動機構53に供給する。駆動機構53は、駆動信号によって動作し、バーサライタ54を下方に移動させる。タイマ割り込み毎にステップS562Bの処理が実行されることで、演出制御パターンで規定されたバーサライタ54の下方への進出動作が実現される。
進出期間が経過している場合(ステップS562A;Yes)、期間Aが経過したかを判定する(ステップS563A)。期間Aは、バーサライタ54を回転させてから当該回転が安定するまでの期間(バーサライタ54は徐々に回転速度が上がるように加速するが、当該加速が終了して回転が一定の回転速度で安定したあとの所定タイミング(安定したタイミングであってもよい)までの期間)であり、演出制御パターンなどにおいて規定されていればよい。期間Aが経過している場合(ステップS563A;Yes)、回転位置検出信号(バーサライタ54を回転させるステッピングモータの回転軸が初期位置になったことをセンサによって検知して出力される信号)のフィードバックがあったかを判定する(ステップS563B)。期間Aが経過していない場合(ステップS563A;No)、又は、フィードバックがない場合(ステップS563B;No)、バーサライタ54の回転が安定していない(ステップS563A;No)又は第1表示の開始に適したタイミングでない(ステップS563B;No)ことになるので、バーサライタの回転駆動制御や発光制御を行い、発光残像による第1表示を行うための処理を行う(ステップS563D)。ステップS563Dでは、演出制御パターンに含まれる駆動データや点灯データに基づいて制御信号を役物駆動部18に供給する。役物駆動部18の変換IC18Bは、シリアルの制御信号をパラレルの駆動信号に変換して駆動機構53(ステッピングモータ)に出力し、駆動機構53を動作させる(バーサライタ54を回転させる。)。また、変換IC18Bは、自己のアドレスを指定しない制御信号を第3ランプ駆動部541に供給し、第3ランプ駆動部541の変換IC541Bは、供給された制御信号を駆動信号に変換してLED群545に供給し、制御信号に従った態様でLED群545を発光させる。動作タイマ割り込み毎にステップS563Dの処理が実行されることで、演出制御パターンで規定されたバーサライタ54による第1表示が実現される。
フィードバックがある場合(ステップS563B;Yes)、バーサライタ54の回転が安定しており、バーサライタ54が初期位置にある位置から第2表示を開始できるので、バーサライタの回転駆動制御や発光制御を行い、発光残像による第2表示を行うための処理を行う(ステップS563C)(これによって、適切に第2表示を行える)。ステップS563Cでは、演出制御パターンに含まれる駆動データや点灯データに基づいて制御信号を役物駆動部18に供給する。役物駆動部18の変換IC18Bは、シリアルの制御信号をパラレルの駆動信号に変換して駆動機構53(ステッピングモータ)に出力し、駆動機構53を動作させる(バーサライタ54を回転させる。)。また、変換IC18Bは、自己のアドレスを指定しない制御信号を第3ランプ駆動部541に供給し、第3ランプ駆動部541の変換IC541Bは、供給された制御信号を駆動信号に変換してLED群545に供給し、制御信号に従った態様でLED群545を発光させる。動作タイマ割り込み毎にステップS563Cの処理が実行されることで、演出制御パターンで規定されたバーサライタ54による第2表示が実現される。なお、例えば、回転位置検出信号を一回受信すると所定フラグを立ててそれ以降ステップS563BでYESと判定するようにするようにし、ステップS563Cの処理を繰り返すようにする。また、ステップS563BでYESとしたら、その後は、バーサライタの演出終了まで、ステップS563Cの処理を実行するようにしてもよい。
なおバーサライタ54による演出は、例えば、スーパーリーチBなどで実行される。このとき、文字表示器51CにスーパーリーチBが実行中であることを示すメッセージを表示するようにしてもよい。
バーサライタ54の制御期間でない場合(ステップS561;No)、ステップS562B、S563C、S563Dのあとは、第1ランプ部9の発光期間であるかを判定する(ステップS564)。当該発光期間は、演出制御パターンによって規定されていればよい。発光期間である場合(ステップS564;YES)、演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP123Aに所定の制御指令を送信し、VDP123Aに第1ランプ部9の発光動作を制御させる。例えば、演出制御パターンで規定される制御指令をVDP123Aに送信すると、当該制御指令に応じた点灯データに基づいて制御信号を第1ランプ駆動部14に供給する。第1ランプ駆動部14の変換IC14Bは、シリアルの制御信号をパラレルの駆動信号に変換して、制御信号に従った態様で第1ランプ部9を発光させる。動作タイマ割り込み毎にステップS565の処理が実行されることで、演出制御パターンで規定された第1ランプ部9の発光演出が実現される。
第1ランプ部9の発光期間でない場合(ステップS564;No)、ステップS565のあとは、第2ランプ部52の発光期間であるかを判定する(ステップS566)。当該発光期間は、演出制御パターンによって規定されていればよい。発光期間である場合(ステップS566;Yes)、演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP123Aに所定の制御指令を送信し、VDP123Aに第2ランプ部52の発光動作を制御させる。例えば、演出制御パターンで規定される制御指令をVDP123Aに送信すると、当該制御指令に応じた点灯データに基づいて制御信号を第2ランプ駆動部17に供給する。第2ランプ駆動部17の変換IC17Bは、シリアルの制御信号をパラレルの駆動信号に変換して、制御信号に従った態様で第2ランプ部52を発光させる。動作タイマ割り込み毎にステップS567の処理が実行されることで、演出制御パターンで規定された第2ランプ部52の発光演出が実現される。
第2ランプ部52の発光期間でない場合(ステップS566;No)、ステップS567のあとは、設定されている演出制御パターンに従ったその他の演出動作制御を行う(ステップS568)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS568が繰り返し実行されることで、リーチ演出、飾り図柄の可変表示動作などの実行が実現する。ステップS568のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される第1図柄確定指定コマンド又は第2図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS571)。このとき、当該コマンドの受信がなければ(ステップS571;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS571にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS571;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS572)。この制御内容は演出制御パターンにて規定されていてもよい。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS573)。そして、演出制御プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS574)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り遊技状態に実行される大当り中演出(エンディングの前まで)を実行するための演出制御パターンを使用パターンに設定し、演出制御プロセスフラグの値を“4”に更新する。このとき、使用パターンとして設定した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定し、本処理を終了する。
当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したかを判定する。例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が「0」であるかを判定することで、待ち時間の経過を判定する。1減算後のタイマ値が「0」でない場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので、そのまま本処理を終了する。1減算後のタイマ値が「0」である場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していることになるので、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の当り中処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データなど)に基づいて、演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。
当り中処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新して当り中処理を終了する。なお、図示はしていないが、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。エンディングの演出制御パターンは、予め設定されていればよい。
ステップS175のエンディング処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、図示しないが、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データなど)に基づいて、演出動作制御を行い本処理を終了する。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであったりする場合には、演出制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新したときには、本処理を終了する。
次にバーサライタ54の動作について説明する。バーサライタ54は、まず下方に進出し、その後、回転を始める(図3参照)。回転開始時は、バーサライタ54の回転速度を徐々に上げてゆく(加速する。)ように駆動制御を行う(図22参照)。加速が終わり、回転速度が一定となってから所定期間が経過すると期間A(回転開始を始期とする期間である)が終了する(図22参照)。期間Aでは、回転が一定速度で安定していないため(または、安定していない可能性が高いため)、回転速度が変化しても表示が歪まない第1表示(例えば、バーサライタ54の回転位置に応じてLED群545の発光態様を変化させない表示)が実行される。期間A経過後、最初にステッピングモータの所定の回転位置(ここでは、初期位置)が検出されるまでは(回転位置検出信号によって検出すればよい。)、第1表示が実行される。当該回転位置の検出後、第2表示が実行される(これによって、期間A終了時におけるステッピングモータの回転位置(バーサライタ54の回転位置)を考慮せずに第2表示を開始できる。)。第2表示は、回転速度が変化した場合に表示が歪む表示であり、例えば、バーサライタ54の回転位置に応じてLED群545の発光態様を変化させる表示である。このように、期間に応じて第1表示や第2表示を行うことによって、適切な演出表示を表示できる。特に、期間Aは、バーサライタ54の動作(回転)が安定するまでの期間(十分な期間として確保した方がよい。)として設定されるので、期間Aでは第1表示を行うことで、表示の歪みなどに関係なく適切に表示を行える。そして、期間A後の第2表示を行うことで、第2表示が複雑であっても適切な表示を行うことができる。また、所定の回転位置を検出してから第2表示を行うので、第2表示の制御を行いやすい。期間Aの終了時からすぐに第2表示を開始しようとすると、第2表示によって表示されるものが傾いたり、または、バーサライタ54の期間A終了時の回転位置を特定する必要などが生じて、第2表示を適切に出来なかったり、制御が複雑になったりするが、所定の回転位置を検出してから第2表示を行うことで、これら不都合の発生を防止できる。
第2表示で表示される表示は、例えば、文字、数字、記号など、表示に向きを要するもの(特定の向きになることで意味を成す、又は、特定の向きになることで特定の向きにならないときよりも意味を報知しやすいものなど、正しい向きがあるもの)であればよい。第1表示で表示される表示は、例えば、第2表示に比べて、向きが要求されないものであればよい。
なお、回転位置検出信号を不要としてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、ステッピングモータを回転させるときのステップ数をカウントしてバーサライタ54の回転位置を特定すればよい。また、第1表示を行う期間もステップ数のカウントによって行えばよい。また、ステップ数や回転数によって予め決められた制御(フィードバック無しで予め決められた制御)を行うことで、第1表示及び第2表示を行うようにしてもよい。
この実施の形態では、電源ラインが共通化されてしまっているバーサライタ54において、LED545Aに大きな電流が流れ、変換IC541Bに印加される電圧VCC1の電位が安定しないこと(特に電位が下がってしまうこと)を防ぐように、LED545Aに流れる電流の電流値を大きくしない抵抗R1を設けたので、電圧VCC1を安定させることができ、変換IC541Bの動作を安定させることができる(VCC1の電位が下がると変換IC541Bの動作が安定しないが、これを防ぐことができる。)。特に、電源供給ラインが別個の他の電気部品(ランプ部52のLED52など)を駆動する変換IC(変換IC52Bなど)に用いられる抵抗R2よりも抵抗値を大きくしたので(つまり、LED545Aの発光輝度を例えば他のLED52Aなどに比べて低くする代わりにLED545Aに流れる電流を小さくしたので)、電圧VCC1を安定させることができ、変換IC541Bの動作を安定させることができる。
また、共通の電源ラインをスリップリング54Aの後段で分岐させ、VCL1とVCC1とを設け、それぞれに電位を安定させる手段であるコンデンサC1及びC2を設けたので、多少の電位の変化を吸収でき、電圧VCC1を安定させることができ、変換IC541Bの動作を安定させることができる。
また、スリップリング54Aによる接続によって、バーサライタ54の動作による演出効果を高めることができる。
さらに、バーサライタ54の駆動制御及び発光制御を一括して演出制御用CPU120で行うようにしたので、バーサライタ54の回転と発光とを簡単な制御で同期させやすくすることができる。
また、VDP123Aで使用されるデータを圧縮データとし、演出制御用CPU120で使用されるデータを非圧縮としたので、データの使用を効率化できるとともに、演出に使用されるデータを効率よく記憶させることができる。
この実施の形態では、上記の構成によって、遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、第1基板と、前記第1基板(例えば、役物駆動部18)とは別の第2基板(例えば、バーサライタ54など)と、前記第1基板と前記第2基板との電気的な接続を、可動可能な接点により行う接続手段(例えば、スリップリング541Aなど)と、前記第1基板から前記接続手段を介して前記第2基板に第1電圧の電力を供給する電源手段と(例えば、電源基板D1など)を備え、前記第2基板側には、電子部品(例えば、変換IC541B及びLED545A、)と、前記電源手段から供給される前記第1電圧の電力から、前記電子部品を駆動するための第2電圧の電力を生成する電源生成手段(例えば、電源IC541C)とが設けられてなる。このような構成によれば、接点の摩擦により接続手段の電気的な接続が不安定となっても、第2基板に設けた電子部品を正常に駆動させることができる。
この実施の形態では、上記の構成によって、前記第1電圧(例えば、駆動電圧VCC(5V)など)は、前記第2電圧より高い電圧(例えば、駆動電圧VDD(12V)など)である。このような構成によれば、安定して第2電圧を生成することが可能なる。
この実施の形態では、上記の構成によって、前記第1電圧(例えば、駆動電圧VCC(5V)など)は、前記第2電圧(例えば、駆動電圧VDD(12V)など)の2倍より高い電圧である。このような構成によれば、安定して第2電圧を生成することが可能なる。
この実施の形態では、上記の構成によって、前記電子部品は、発光ダイオード(例えば、LED545A)である。このような構成によれば、可動する第2基板側に設けた遊技機を装飾する発光ダイオードが安定して発光することで興趣を向上することができる。
この実施の形態では、上記の構成によって、前記電子部品は、前記発光ダイオードに信号を供給する制御回路(例えば、変換IC541Bなど)をさらに含む。このような構成によれば、制御回路により遊技機を装飾する発光ダイオードを多彩に発光させることが可能となり興趣を向上することができる。
この実施の形態では、上記の構成によって、前記接続手段は、前記第1電圧の電力を供給するための複数の電力接点(図7;スリップリング541Aの5番端子及び6番端子)と、接地するための複数の接地接点(図7;スリップリング541Aの1番端子及び4番端子)とを有する。このような構成によれば、多数の発光ダイオードを搭載して消費電流が増えても、必要な電流量を発光ダイオードに供給することができる。
(変形例) この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
バーサライタ54を動作させて実行する演出は、どのような演出であってもよく、たとえば、大当り遊技状態時の演出の少なくとも一部として実行してもよいし、可変表示結果が大当りとなる可能性を予告する予告演出などの少なくとも一部として実行してもよい。
本実施の形態では、役物駆動部18(第1基板)とバーサライタ54(第2基板)とをスリップリング541A(接続手段)で電気的に接続する構成を説明したが、これに限定されるものではなく、第1基板と第2基板とが接続手段の可動可能な接点により電気的な接続が行われる構成であればよい。例えば、動作装置と副画像表示装置とがスリップリングで電気的に接続する構成でもよい。具体的に、図23は、変形例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球(遊技玉ともいう)が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。遊技盤2は、透明(あるいは半透明)なプラスチック等の合成樹脂で作られており、遊技盤の裏側を遊技者は視認可能になっている。この実施の形態では、遊技盤2の裏側に副画像表示装置510が設けられる。そして、副画像表示装置510における表示内容が透明な遊技盤2を通して遊技者が視認可能になっている。なお、遊技盤2は、全面が透明である必要はなく、副画像表示装置510に対応する部分のみが透明に構成されていてもよい。
画像表示装置5の下方であって、遊技盤2の背面側には副画像表示装置510が設けられている。副画像表示装置510は、例えば画像表示装置5よりも小型のLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。副画像表示装置510の表示領域では、画像表示装置5における可変表示や始動入賞と関連する各種演出(例えば予告演出)が実行される。この実施の形態では、副画像表示装置510は、図1に示す初期位置(待機位置)から画像表示装置5の前面側に重畳する位置(重畳位置)に動作(水平動作)可能になっている。また、副画像表示装置510は、画像表示装置5に対して表示面を傾斜させる傾斜動作や表示面を前面から視認可能な状態で回転する回転動作が可能になっている。このような構成により、副画像表示装置510の表示領域における演出表示や、副画像表示装置510の動作を伴う予告演出を実行できるようになっている。なお、画像表示装置5をメイン液晶、副画像表示装置510をサブ液晶ともいう。
また、副画像表示装置510は、表示面を前面から視認可能な状態で回転する回転動作が可能になっている。図24に示すように、副画像表示装置510の表示面の裏側にモータや副画像表示装置510の本体側に固定されるギア57と噛合するギア等で構成される回転駆動手段56が設けられ、モータの回転に応じて副画像表示装置510を回転させる回転動作が可能になっている。なお、この実施の形態では、副画像表示装置510が重畳位置にあるときに回転動作するようになっているが、待機位置においても回転動作するようにしてもよい。演出制御用CPU120が、回転駆動手段56を駆動させることによって、このような回転動作を実現する。
動作装置530(第1基板)と副画像表示装置510(第2基板)とスリップリング541A(接続手段)で電気的に接続している。スリップリング541Aを介して、副画像表示装置510に必要なデータや電力を供給することができる。そして、電源基板D1から動作装置530を経由して副画像表示装置510に供給される電力の電圧は、副画像表示装置510の駆動に必要な電圧(5V)より高い電圧(12V)の電力を供給する。副画像表示装置510には電源ICが設けてあるので、当該電源ICでスリップリング541Aを介して供給された電力の電圧値(12V(VDD))を副画像表示装置510の駆動に必要な電圧値(5V(VCC))に降圧する。これにより、接点の摩擦によりスリップリング541Aの電気的な接続が不安定となっても、副画像表示装置510に印加する電圧を安定化させて正常に駆動させることができる。さらに、回転可能な副画像表示装置510を安定して正常に駆動させることで、以下のような演出を含む多彩な演出を実行することができ興趣を向上させることができる。
副画像表示装置510を安定して駆動することができるので、副画像表示装置510の表示領域に、始動入賞記憶表示エリア5Hを配置することができる。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。始動入賞記憶表示エリア5Hのおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせる。この実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示とする。なお、始動入賞記憶表示エリア5Hは、画像表示装置5に設けられていてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hを画像表示装置5に設ける場合、副画像表示装置510が動作して画像表示装置5の前面側に重畳する位置(重畳位置)に来たことにより、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示が視認できなくなった場合には、当該始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示に対応する表示を副画像表示装置510に表示するようにしてもよい。この場合、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示に対応する表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hと同様の丸型の表示であってもよいし、保留の数を数字や他のシンボルで表示するものであってもよい。このようにすることで、副画像表示装置510を動作したことによって、遊技者を困惑させてしまうことを防止できる。
また、先読み予告演出として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位を、通常時における表示態様とは異なる特別な表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告するメモリ予告(保留表示予告)や予告の対象となる可変表示が実行されるまでの複数回の可変表示渡って画像表示装置5にキャラクタ画像を継続して表示させるとともに、当該キャラクタ画像を用いたストーリーを展開させるキャラクタ表示予告が実行されるようになっている。
本実施の形態では、第1基板と第2基板とが可動可能な接点により電気的な接続を行う接続手段としてスリップリング541Aの構成を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、接続手段として、ロータリーコネクタや平行に移動することができるレールタイプの可動可能な接点を有する接続手段などであってもよい。
本実施の形態では、電源基板D1(電源手段)から供給される12Vの駆動電圧VDD(第1電圧)が、LED群545や、第3ランプ駆動部541(電子部品)を駆動するための5Vの駆動電圧VCC(第2電圧)の2倍より大きい場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、駆動するLED群545や、第3ランプ駆動部541の電圧を安定させることができれば、電源基板D1(電源手段)から供給される駆動電圧を2倍以下でもよい。
本実施の形態では、電源基板D1(電源手段)から供給される電力の電圧値(第1電圧)が、LED群545や、第3ランプ駆動部541(電子部品)を駆動する電圧値(第2電圧)より高くして、バーサライタ54(第2基板)側に設けた電源IC541C(電源生成手段)で降圧して電子部品を駆動する構成を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、逆に、電源基板D1(電源手段)から供給される電力の電圧値(第1電圧)が、LED群545や、第3ランプ駆動部541(電子部品)を駆動する電圧値(第2電圧)と同程度にして、電子部品を駆動する電圧値が不安定になった場合にバーサライタ54(第2基板)側に設けた電源IC541C(電源生成手段)で昇圧して電子部品を安定して駆動してもよい。また、バーサライタ54(第2基板)側に、バッテリーやキャパシタを設けてもよい。
第1保留表示器51Aや第2保留表示器51Bは、LED以外の他の表示手段であってもよい。また、LEDの点灯個数ではなく、数字などによって、特図保留記憶数を表示するようにしてもよい。また、上記では保留表示図柄の表示又は消去にともなって、第1保留表示器51Aや第2保留表示器51Bで表示される特図保留記憶数(上記ではLEDの点灯個数)を表示制御していたが、ステップS168などにおいて表示制御してもよい。例えば、ステップS168にて、表示駆動部16を介して第1保留表示器51AのLEDを1つ新たに点灯させたり(第1始動口入賞指定コマンド受信時)、消灯させたりしてもよい(第1変動開始指定コマンド受信時)。また、ステップS168にて、表示駆動部16を介して第2保留表示器51BのLEDを1つ新たに点灯させたり(第2始動口入賞指定コマンド受信時)、消灯させたりしてもよい(第2変動開始指定コマンド受信時)。
また、保留表示図柄を変化させる先読み演出を実行するようにしてもよく、このような場合、第1保留表示器51Aや第2保留表示器51Bで表示される特図保留記憶数の表示制御は、先読み演出を実行する処理と同タイミングで行ってもよいし(特に、先読み演出を保留表示図柄の表示開始時に行う場合)、他のタイミングで行ってもよい。先読み演出は、第1保留表示器51Aや第2保留表示器51BにおけるLED(先読み演出のターゲットとなる特図ゲームに対応するLED)などの発光手段の発光色を変化させることなどによって行ってもよい。このような場合、第1保留表示器51Aや第2保留表示器51Bにおける発光手段の消灯又は点灯(特図保留記憶数を変化させる表示制御)と、先読み演出とは、同じタイミングで行ってもよいし、異なるタイミングで行ってもよい。
識別情報(特図、飾り図柄、普通図柄など)の可変表示(単に可変表示であってもよい。)は、識別情報が点滅することも含む。例えば、特図や普図において、全てのセグメントが消灯したパターンと少なくとも一部のセグメントを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すもの識別情報の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、飾り図柄や普通図柄についても、点滅させることによって、可変表示を行ってもよい。また、可変表示にて可変表示される識別情報と、可変表示結果としての識別情報とは、異なるものであってもよい。例えば、特図又は普図の可変表示として、横棒一本の表示(「−」)を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の表示(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を導出表示することも識別情報の可変表示に含まれる。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。なお、1回の可変表示において、当初の所定期間では表示されなかった識別情報が所定期間経過後表示される態様も識別情報の可変表示に含まれる。
バーサライタ54は、ステッピングモータなどを含んで構成されてもよい。また、バーサライタ54は、回転の他、上下又は左右に移動することによる発光残像によって表示を行うものであってもよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。