JP2018009850A - 空間線量率分布の監視装置、方法及びプログラム - Google Patents
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しかし、作業エリアの全体を網羅するためには、多数の雰囲気線量計の設置とこれらから送信される多数の計測データを収集するための通信網の整備とが必要になり、コストの観点から現実的ではない。
図1に示すように実施形態に係る空間線量率分布の監視装置10は、エリア20を移動する作業員21に装着された測位計22及び線量計23の各々から送信された測位データ26及び線量率データ27を受信するデータ受信部11と、エリア全域の座標データ25を含むとともにメッシュ31(図3)を単位としてエリア20を区画したメッシュマップ30をデータ保存する保存部16と、受信した測位データ26に対応するメッシュ31のアドレスデータ28、対応する線量率データ27及び対応する時刻データ29を関連付けて保持するデータ保持部18と、指定期間44内に保持されている線量率データ27の数値情報を反映して対応するメッシュ31を表現したメッシュマップ30を生成するマップ生成部54と、を少なくとも備えている。
さらに、データ保持部18が、指定期間44内のみデータ保持するような機能を有するものである場合は、線量率データ27に時刻データ15を関連付けする必要性はない。
さらに作業員21には、データ送信部24が装着され、測位計22で計測された測位データ26及び線量計23で計測された線量率データ27は、このデータ送信部24から無線送信される。なお、測位データ26及び線量率データ27のデータ送信部24からの送信は、互いに同期している必要はない。
ここで測位データ26は、エリア20の位置情報を少なくとも含み、さらには測位計22が向いている方向情報を含む場合もある。
ここで、線量率データ27は、放射線を検出することにより雰囲気の単位時間当たりの放射線量である空間線量率(Gy/h又はSv/h)を測定したものである。
複数のエリア20を模して作成されたメッシュマップ30が、保存部16にデータ保存されており、オペレータの操作に基づきいずれか一つが表示部55に表示される。
そして、各々のメッシュ31は、図3(A)に示すように、対応するエリア位置の線量率に応じて色調が変更表示される。
なおメッシュマップ30は、図3に示すような二次元の俯瞰図に限るものではなく、航空写真や三次元モデルを用いてもよい。
データ受信部11は、エリア20を移動する作業員21から送信された測位データ26及び線量率データ27を受信する。なお、エリア20を移動する作業員21は、単数に限らず、複数がそれぞれ異なる位置を移動している場合もある。
よってデータ受信部11では、同一の作業員21から発信される測位データ26及び線量率データ27の対応が、他の作業員21の対応と混同しないように公知の受信方法がとられている。
図2(B)は、受信した測位データ26から演算された座標32を、メッシュ31上に仮想的に示したものである。なお、この座標32を結んだものは、作業員21の歩行軌跡33となる。
ここで、図2(B)に示すように、座標(x1,y2),座標(x2,y1)を設定した場合、次式(1)を満たす座標(xm,ym)は、メッシュ31aに属すると判定される。
x1≦xm≦x2||y1≦ym≦y2 (1)
次式(2)で表されるように、時定数τの線量計23で検出された線量率データDは、応答遅れによる過渡変化を伴う。ここで、Dmaxは線量率データ27が定常状態に落ち着いたときの値(定常値)、tは時間を表す。
D=Dmax×(1−e-t/τ) (2)
dD/dt=Dmax×e-t/τ/τ (3)
なお、補正部13は必須の構成要素ではなく、上述した線量計23による線量率検出の応答遅れが問題にならない場合は、省略することができる。
時刻データ取得部15で取得される時刻データは、測位データ26及び線量率データ27が受信部11で受信されたタイミングを基準に、内部タイマ(図示略)から発行される。もしくは、データ送信部24から送信される際に、測位データ26及び線量率データ27にデータ付加された時刻データを採用することもできる。
この指定期間44は、オペレータにより入力部42から設定されるもので、その下限及び上限は、保持部18に保持されている時刻データ29のうち最も古いものから最新のものまでの範囲において任意に設定することができる。
このように指定期間44が、現在時刻から過去の一定期間に規定されることで、指定期間44から外れる遠い過去に検出された線量率データ27は、メッシュ31の表現(色調)に反映されないことになる。
なお、環境の線量率が変化しないと思われる場合等は、指定期間44を十分に長くとることにより、線量率分布の監視の信頼性を向上させることができる。
なお、ある時点でブランク扱いのメッシュ31であっても、その後、線量率データ27が受信されて関連付けられた場合は、非ブランク扱いとなる。また逆に、ある時点で非ブランク扱いのメッシュ31であっても、その後、指定期間44において対応する線量率データ27の関連付けが喪失した場合は、ブランク扱いとなる。
このためメッシュ31に複数の線量率データ27が紐付けられている場合、確からしさが異なるデータの全てを等価に扱うことは、線量率分布の監視の信頼性の観点から好ましくない場合がある。
重み付けのルールは、上述した経過時間による第1規定部46の他にも、速度による第2規定部47、校正時刻による第3規定部48により規定することができる。
第1規定部46で規定される重み係数は、エリア20において検出されてからの経過時間が短い線量率データ27であるほど(即ち新しいほど)、大きく設定されるルールに則れば、その設定方法に特に限定はない。
これにより、時間経過に従い不確かさが増加した線量率データ27の平均演算への寄与を低下させ、時々刻々と変化する空間線量率分布を正確に監視することができる。
なお、第2規定部47で用いられる作業員21の速度情報の導出方法は、特に限定はなく、実測してもよい。
なお、第3規定部48を動作させる場合、位置校正手段35による測位計22の校正時刻のデータを、データ受信部11に送信する必要がある。
そのような補間演算は、二次元スプライン補間や、等高線描画手法などの一般的な手法を適用することができる。
なお補間演算部52は必須の構成要件ではなく、紐付けがないメッシュ31に対してそのままブランク表示する場合は、不要である
また、この個数情報が大きいメッシュ31は、作業員21の通過頻度が高いことを示している。これにより、作業員21の被ばく低減のための、エリア20内の除染・遮蔽対策の優先ポイントが、明らかになる。
さらには、平均演算部51を動作させずに、メッシュ31に紐付けられている複数の線量率データ27の中から、最新の線量率データ27又は最大値を示す線量率データ27を代表させて、対応するメッシュ31の数値情報とすることもできる。この場合は、新しいデータが得られ次第マップに上書きする処理をすればよく、線量率データ27のそれぞれに対応する時刻データを保存しなくともよい。
このように、方向を区別して線量率分布を表すには、測位データ26に、座標データに加えて、線量計23の方向情報を導くためのデータを含める必要がある。
そしてデータ保持部18は、メッシュ31のアドレスデータ28及び時刻データ29に加えて方向情報も、線量率データ27に関連付けて逐次的に保持する。
さらにメッシュ割付部43は、この方向情報、アドレスデータ28、線量率データ27及び時刻データ29の関連付けデータを、方向情報及びアドレスデータ28をキーとしてソートし、対応するメッシュ31のインデックス38に割り付ける。
また測位計22には、線量計23の方向情報を導くために、具体的には電子コンパスや、ジャイロセンサが組み込まれる。
そこで、線量計23の方向を区別して、それぞれの方向毎に線量率データ27の集計を行うこととした。
インデックス38は、放射線の測定方向を示しており、色調はその方向で測定された線量率を表現している。図中では便宜的に四方向を示すインデックス38を記載しているが、より数を増やして方向の分解能を向上させた表示や、円グラフ状に描画して連続的な表示としても良い。また、メッシュ31bの色調は、インデックス38の各方向における線量率のうち、最も高い値を採用してもよいし、全てのインデックス38の線量率の平均値を採用しても良い。
固定配置されている線量計36に由来する線量率データ27は、対応する位置のメッシュ31の表現(色調)に反映され、常時、非ブランク扱いにすることができる。
これにより、作業員21の往来が少なくなっても、非ブランクのメッシュ31が安定的に確保され、線量率分布の監視の信頼性を向上させることができる。
エリア20を移動する作業員21に装着された測位計22及び線量計23の各々から送信された測位データ26及び線量率データ27を受信する(S11)。
メッシュのアドレスデータ、対応する線量率データ27及び対応する時刻データ29を関連付けて(S14)、データ保持部18に保持する(S15)。
抽出された関連データから、アドレスデータを参照し、線量率データ27の関連付けがが無いメッシュ31をブランクとみなす(S17 No)。非ブランクのメッシュ31に複数の線量率データ27が関連付けられている場合は(S17 Yes,S18 Yes)、それぞれの線量率データ27に重み係数を設定する(S19)。
そして、監視が終了するまで(S23 No)、メッシュマップ30の表示が更新されるたびに、新たに保持された関連付けデータを考慮して、(S16)〜(S23)のフローが繰り返される(S23 Yes No)。
また、空間線量率分布の監視装置の構成要素は、コンピュータのプロセッサで実現することも可能であり、空間線量率分布の監視プログラムにより動作させることが可能である。
例えば、実施形態ではメッシュマップを用いるものとして説明したが、フロアマップ上で部屋ごとに線量率を算出する(すなわち、メッシュのように等間隔で区切るのではなく、壁などで区切られた不等間隔な領域ごとに可視化する)方法や、マップを画像表示する際のドット単位で線量率を算出してマップを表示する方法等であってもよい。
また、装置10は、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワーク又は専用線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
Claims (13)
- エリアを移動する作業員に装着された測位計及び線量計の各々から送信された測位データ及び線量率データを受信するデータ受信部と、
前記測位データに基づいて前記エリアの座標データを演算する演算部と、
前記座標データ及び対応する前記線量率データを関連付けて保持するデータ保持部と、
指定期間内に前記保持されている前記線量率データの数値情報を反映したマップを前記座標データに基づいて生成するマップ生成部と、を備えることを特徴とする空間線量率分布の監視装置。 - 請求項1に記載の空間線量率分布の監視装置において、
メッシュを単位として前記エリアを区画したメッシュマップをデータ保存する保存部をさらに備え、
前記データ保持部は、前記座標データに替えて対応する前記メッシュのアドレスデータを、対応する前記線量率データに関連付けて保持することを特徴とする空間線量率分布の監視装置。 - 請求項2に記載の空間線量率分布の監視装置において、
前記データ保持部は、前記線量率データに対応する時刻データを関連付けて保持することを特徴とする空間線量率分布の監視装置。 - 請求項2または請求項3に記載の空間線量率分布の監視装置において、
前記指定期間内に対応する前記線量率データが保持されていない前記メッシュの表現は、
近接するメッシュに対応する前記線量率データに基づいて補間演算された数値情報を反映させたものであることを特徴とする空間線量率分布の監視装置。 - 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の空間線量率分布の監視装置において、
前記指定期間内に対応する前記線量率データが複数保持されている前記メッシュの表現は、
これら複数の前記線量率データから平均演算される数値情報を反映させたものであることを特徴とする空間線量率分布の監視装置。 - 請求項5に記載の空間線量率分布の監視装置において、
前記平均演算は、対応する前記時刻データからの経過時間に基づく重み係数を、複数の前記線量率データの各々に、付与してから実行されることを特徴とする空間線量率分布の監視装置。 - 請求項5又は請求項6に記載の空間線量率分布の監視装置において、
前記平均演算は、前記測位データから導かれる前記作業員の速度情報に基づく重み係数を、複数の前記線量率データの各々に、付与してから実行されることを特徴とする空間線量率分布の監視装置。 - 請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の空間線量率分布の監視装置において、
前記平均演算は、前記エリアに設置された位置校正手段による前記測位計の校正時刻からの経過時間に基づく重み係数を、複数の前記線量率データの各々に、付与してから実行されることを特徴とする空間線量率分布の監視装置。 - 請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の空間線量率分布の監視装置において、
前記メッシュマップを構成する前記メッシュには、対応する前記線量率データの個数情報がさらに反映されることを特徴とする空間線量率分布の監視装置。 - 請求項2から請求項9のいずれか1項に記載の空間線量率分布の監視装置において、
前記測位データには、前記座標データに加えて、前記線量計の方向情報を導くためのデータが含まれており、
前記メッシュマップを構成する前記メッシュは、前記方向情報に基づいて少なくとも二つの方向を区別して前記線量率データの前記数値情報が反映されることを特徴とする空間線量率分布の監視装置。 - 請求項2から請求項10のいずれか1項に記載の空間線量率分布の監視装置において、
前記エリア内に固定配置されている線量計から送信される線量率データも受信して、その数値情報を、対応する前記メッシュの表現に反映させることを特徴とする空間線量率分布の監視装置。 - エリアを移動する作業員に装着された測位計及び線量計の各々から送信された測位データ及び線量率データを受信するステップと、
前記測位データに基づいて前記エリアの座標データを演算するステップと、
前記座標データ及び対応する前記線量率データを関連付けて保持するステップと、
指定期間内に前記保持されている前記線量率データの数値情報を反映したマップを前記座標データに基づいて生成するステップと、を含むことを特徴とする空間線量率分布の監視方法。 - コンピュータに、
エリアを移動する作業員に装着された測位計及び線量計の各々から送信された測位データ及び線量率データを受信する機能、
前記測位データに基づいて前記エリアの座標データを演算する機能、
前記座標データ及び対応する前記線量率データを関連付けて保持する機能、
指定期間内に前記保持されている前記線量率データの数値情報を反映したマップを前記座標データに基づいて生成する機能、実行させることを特徴とする空間線量率分布の監視プログラム。
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