JP2018009825A - 遮光性マイクロウェルプレート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)二次元蛍光検出装置の概略構成
図1は、酵素免疫測定用の二次元蛍光検出装置の概略構成図を示す。
図2は、図1の遮光性マイクロウェルプレートの斜視図(2A)及び該斜視図(2A)中のA−A線で切断した際の縦断面図(2B)をそれぞれ示す。
各実施形態に係る遮光性マイクロウェルプレートの製造方法は、プレートの厚さ方向に貫通する貫通孔を有するプレート本体を作製するプレート本体作製ステップと、当該貫通孔に透光性を有する底部を少なくとも形成する底部作製ステップとを少なくとも含む。
まず、プレート本体12を作製するための第一金型20を準備する。第一金型20は、好適には、一方向に窪む凹部を備える。凹部は、その底面21から該凹部の開口方向に立設する9本の第一突起22を備える。第一突起22の先端の位置は、好適には、凹部の開口上面よりも低い位置である。また、第一金型20は、第一突起22の数と位置がプレート4の凹部14の数と位置にそれぞれ一致するように構成されている。
次に、第一硬化性組成物の一例であるポリジメチルシロキサン(PDMS)とカーボンブラックとの混合物24が第一金型20の凹部内に供給される。より具体的には、混合物24は、プレート本体12に貫通孔を形成するために、第一突起22の先端を越えない位置まで供給される(第一硬化性組成物供給ステップ)。続いて、混合物24を硬化する(第一硬化ステップ)。硬化は、室温(20〜27℃)で行うのが好ましいが、加熱して行っても良い。
次に、第一金型20から、硬化したプレート本体12が取り出される。プレート本体12は、第一突起22の外径に近い内径(D1)と長さ(L1)の貫通孔26を9個備えた遮光性の弾性硬化体である。
次に、プレート本体12が第二金型30にセットされる。第二金型30は、一方向に窪む凹部を備える。該凹部は、プレート本体12を挿入可能な大きさである。また、凹部は、その底面31から該凹部の開口方向に立設する9本の第二突起32を備える。第二突起32は、プレート本体12の貫通孔26の内径(D1)よりも小さい外径(D2)と、貫通孔26の長さ(L1)よりも短い長さ(L2)とを有する。プレート本体12を第二金型30の凹部内に配置した状態では、第二突起32は、貫通孔26の内側面との間に隙間を有し、また、貫通孔26の上方の面に到達していない。すなわち、第二突起32と貫通孔26との隙間は、プレート4に備えるカップ15とほぼ同形に形成される。
次に、第二硬化性組成物の一例であるポリジメチルシロキサン(PDMS)28が第二金型30の第二突起32の外周囲に存在する貫通孔26との隙間に供給される。より具体的には、PDMS28は、貫通孔26の内周囲及び一方の面を連接する形態のカップ15を形成するために供給される(第二硬化性組成物供給ステップ)。続いて、PDMS28を硬化する(第二硬化ステップ)。硬化は、室温(20〜27℃)で行うのが好ましいが、加熱して行っても良い。
次に、第二金型30から、PDMS28をプレート本体12に硬化させた状態のプレート4が取り出される。プレート4は、貫通孔26にカップ15を備えることによって凹部14を備える。
次に、本発明の第2の実施形態に係る遮光性マイクロウェルプレート及びその製造方法について説明する。この実施形態では、第1の実施形態と共通する構成部分については、同一の符号を付し、適宜、その説明を省略する。
第2の実施形態に係る遮光性マイクロウェルプレート4aは、第1の実施形態に係る遮光性マイクロウェルプレート4と異なり、カップ15における筒体15bの内側面から底部15aの内底面までを曲面で形成している。このため、プレート4aの洗浄時に、筒体15bと底部15aとの接続部位に試料が残りにくい。カップ15の内側の形態を除けば、プレート4aはプレート4と同様の形態を備える。
プレート4aの製造方法は、プレート4の製造方法における第一金型の準備(a)からプレート本体取出ステップ(c)と同じ工程を経る。よって、(d)以降の工程について、以下に説明する。
(c)の工程後、プレート本体12は第二金型30にセットされる。第二金型30は、一方向に窪む凹部を備える。該凹部は、プレート本体12を挿入可能な大きさである。また、凹部は、その底面31から該凹部の開口方向に立設する9本の第二突起32aを備える。第二突起32aは、第1の実施形態における第二突起32と同様、貫通孔26の長さよりも短い長さを有する。また、第二突起32aの底面31近傍の外径は貫通孔26の内径とほぼ同じ大きさである。第二突起32aは、底面31から上方に向かって徐々に外径を小さくするように形成されている。プレート本体12を第二金型30の凹部内に配置した状態では、第二突起32aは、貫通孔26の内側面との間に、第二突起32aの先端に向かうほどに大きな隙間を有する。また、第二突起32aの先端は、貫通孔26の上方の面に到達していない。すなわち、第二突起32aと貫通孔26との隙間は、プレート4aに備えるカップ15とほぼ同形に形成される。
次に、第二硬化性組成物の一例であるポリジメチルシロキサン(PDMS)28が第二金型30の第二突起32aの外周囲に存在する貫通孔26との隙間に供給される。より具体的には、PDMS28は、貫通孔26の内周囲及び一方の面を連接する形態のカップ15を形成するために供給される(第二硬化性組成物供給ステップ)。続いて、PDMS28を硬化する(第二硬化ステップ)。硬化は、室温(20〜27℃)で行うのが好ましいが、加熱して行っても良い。
次に、第二金型30から、PDMS28をプレート本体12に硬化させた状態のプレート4aが取り出される。プレート4aは、貫通孔26にカップ15を備えることによって凹部14を備える。
次に、本発明の第3の実施形態に係る遮光性マイクロウェルプレート及びその製造方法について説明する。この実施形態では、前述の各実施形態と共通する構成部分については、同一の符号を付し、適宜、その説明を省略する。
第3の実施形態に係る遮光性マイクロウェルプレート4bは、第1の実施形態に係る遮光性マイクロウェルプレート4のようなカップ15をプレート本体12の貫通孔26の内部に接着する形態を備えずに、底部40のみを貫通孔26の長さ方向の一方側に接合する形態を備える。より具体的には、底部40は、その外側面にネジ部40aを備える。また、貫通孔26は、その長さ方向の一方側の内側面に、ネジ部40aに対応するネジ穴部26aを備える。底部40に形成されるネジ部40aと、貫通孔26に形成されるネジ穴部26aとは、両者40a,26aの接合により、プレート本体12の開口部から底部40に向かう方向及びその逆方向の両方向に底部40が抜ける抵抗となる抵抗機構を形成する。なお、ネジ部40aに代えて、底部40の外側面から外方向に突出する凸部若しくは内方向に窪む凹部を採用しても良い。その場合には、ネジ穴部26aに代えて、底部40の凸部若しくは凹部に接合可能な凹部若しくは凸部をそれぞれ備えるのが好ましい。また、底部40の凸部若しくは凹部、及び貫通孔26の一方側の内側面に形成される凹部若しくは凸部を、ともに底部40の外側面及び貫通孔26の内側面の各周方向に沿って環状に形成するのがより好ましい。
第1の実施形態に係る遮光性マイクロウェルプレート4と同様の工程でプレート本体12を作製後、貫通孔26の長さ方向の一方側からネジ溝形成用の工具を使って、ネジ穴部26aが形成される。次に、プレート本体12とは別に作製した底部40(ネジ部40a付き)をネジ穴部26aにねじ込んでプレート4bが完成する。また、上記製造方法の他、以下のような製造方法を用いてプレート4bを製造することもできる。
第1の実施形態にて説明した工程(a)〜(c)を経てプレート本体12を作製した後、貫通孔26の長さ方向の一方側の内側面にネジ穴部26aが形成される。ネジ穴部26aは、上述と同様のネジ溝形成用の工具を用いて好適に形成可能である。
次に、プレート本体12が第二金型30にセットされる。第二金型30は、一方向に窪む凹部を備える。該凹部は、プレート本体12を挿入可能な大きさである。また、凹部は、その底面31から該凹部の開口方向に立設する9本の第二突起32bを備える。第二突起32bは、プレート本体12の貫通孔26の内径(D1)とほぼ同じ外径(D3)と、貫通孔26のネジ穴部26aを除く部分の長さ(L3)とほぼ等しい長さ(L4)とを有する。プレート本体12を第二金型30の凹部内に配置した状態では、第二突起32bは、貫通孔26の内側面と接触し、また、貫通孔26のネジ穴部26aに到達しない位置にある。すなわち、第二突起32bを挿入した状態の貫通孔26では、ネジ穴部26aの部分が唯一の凹部である。
次に、第二硬化性組成物の一例であるPDMS28が第二金型30の第二突起32bの上方に存在する凹部に供給される(第二硬化性組成物供給ステップ)。続いて、PDMS28を硬化する(第二硬化ステップ)。硬化は、室温(20〜27℃)で行うのが好ましいが、加熱して行っても良い。
次に、第二金型30から、PDMS28をプレート本体12に硬化させた状態のプレート4bが取り出される。プレート4bは、貫通孔26に底部40を備えることによって凹部14を備える。底部40は、ネジ穴部26aから外すことができなくてもよく、逆に外すことができるようにしても良い。底部40をネジ穴部26aから着脱自在にすると、プレート4bをより洗浄しやすくなる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る遮光性マイクロウェルプレート及びその製造方法について説明する。この実施形態では、前述の各実施形態と共通する構成部分については、同一の符号を付し、適宜、その説明を省略する。
図7は、第4の実施形態に係る遮光性マイクロウェルプレートの図2(2B)と同様のA−A線断面図を示す。
図8は、第4の実施形態に係る遮光性マイクロウェルプレートの製造方法の一例を示す。
まず、プレート本体12を作製するための第一金型60を準備する。第一金型60は、好適には、一方向に窪む凹部を備える。凹部は、その底面61から該凹部の開口方向に立設する9本の第一突起62を備える。第一突起62の先端の位置は、好適には、凹部の開口上面よりも低い位置である。第一突起62は、その先端近傍から先端に向かって徐々に外径を小さくする形状を備える。第一金型60は、第一突起62の数と位置がプレート4cの凹部14の数と位置にそれぞれ一致するように構成されている。
次に、第一硬化性組成物の一例であるPDMSとカーボンブラックとの混合物24が第一金型60の凹部内に供給される。より具体的には、混合物24は、プレート本体12に貫通孔を形成するために、第一突起62の先端を越えない位置まで供給される(第一硬化性組成物供給ステップ)。続いて、混合物24を硬化する(第一硬化ステップ)。硬化は、室温(20〜27℃)で行うのが好ましいが、加熱して行っても良い。
次に、第一金型60から、硬化したプレート本体12が取り出される。プレート本体12は、第一突起62の先端近傍を除く部位の外径に近い内径(D1)と長さ(L5)の略円柱状の空間と円錐台形状の空間とを積載した形態の貫通孔66を9個備える遮光性の弾性硬化体である。
次に、プレート本体12が第二金型70にセットされる。第二金型70は、一方向に窪む凹部を備える。該凹部は、プレート本体12を挿入可能な大きさである。また、凹部は、その底面71から該凹部の開口方向に立設する9本の第二突起72を備える。第二突起72は、プレート本体12の貫通孔66の内径(D1)とほぼ同じ外径(D4)と、貫通孔66の先端近傍を除く長さ(L5)とほぼ同じ長さ(L6)とを有する略円柱形状の突起である。プレート本体12を第二金型70の凹部内に配置した状態では、第二突起72は、貫通孔66の内側面と接触し、また、貫通孔66の円錐台形状の空間に到達しない位置にある。第二突起72を挿入した状態の貫通孔66では、上方に円錐台形状の凹部が存在する。
次に、第二硬化性組成物の一例であるPDMS28が第二金型70の第二突起72の上方に存在する凹部に供給される(第二硬化性組成物供給ステップ)。続いて、PDMS28を硬化する(第二硬化ステップ)。硬化は、室温(20〜27℃)で行うのが好ましいが、加熱して行っても良い。
次に、第二金型70から、PDMS28をプレート本体12に硬化させた状態のプレート4cが取り出される。プレート4cは、貫通孔66に底部50を備えることによって凹部14を備える。
以上、本発明の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した各実施形態に限られず、他の様々な態様に適用可能である。
12 プレート本体
14 凹部
15 カップ
15b,40,50 底部
20,60 第一金型
22,62 第一突起
24 混合物(第一硬化性組成物)
26,66 貫通孔
26a ネジ穴部
28 PDMS(第二硬化性組成物)
30,70 第二金型
32,32a,32b,72 第二突起
40a ネジ部
Claims (7)
- 複数の凹部を備え、各凹部の側面方向を遮光した遮光性マイクロウェルプレートであって、
前記凹部用の貫通孔を備えるプレート本体と、
前記貫通孔の一方を塞ぐ透明な底部と、
を備え、
前記底部に、前記プレート本体から抜ける方向に抵抗となる抵抗機構を備える遮光性マイクロウェルプレート。 - 前記抵抗機構は、前記凹部の内側から外側及び外側から内側の両方向への抵抗となる請求項1に記載の遮光性マイクロウェルプレート。
- 前記抵抗機構は、前記底部の外側面に形成されるネジ部と、前記プレート本体の前記貫通孔の一方側の内側面に形成されるネジ穴部とを接続して成る請求項1または請求項2に記載の遮光性マイクロウェルプレート。
- 前記底部を一体形成したカップを、前記プレート本体の前記貫通孔に挿入固定して、前記カップの内側面と前記貫通孔の外側面との接続によって前記抵抗機構を形成する請求項1または請求項2に記載の遮光性マイクロウェルプレート。
- 前記カップは、その内側面から前記底部までを曲面で形成して成る請求項4に記載の遮光性マイクロウェルプレート。
- 前記底部は、前記貫通孔の内側から外側に向かって縮径する円錐台形状を有しており、
前記抵抗機構は、前記凹部の内側から外側への一方向への抵抗となる請求項1に記載の遮光性マイクロウェルプレート。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の遮光性マイクロウェルプレートを製造する方法であって、
プレートの厚さ方向に貫通する貫通孔を有するプレート本体を作製するプレート本体作製ステップと、
当該貫通孔に透光性を有する底部を少なくとも形成する底部作製ステップと、
を少なくとも含み、
前記プレート本体作製ステップは、前記貫通孔を形成するための第一突起を金型内底部から開口方向に立設する第一金型に、前記プレート本体を作製するための第一硬化性組成物を前記第一突起の高さを越えない位置まで供給する第一硬化性組成物供給ステップと、
前記第一硬化性組成物を硬化させる第一硬化ステップと、
硬化した前記プレート本体を前記第一金型から取り出すプレート本体取出ステップと、を含み、
前記底部作製ステップは、前記プレート本体の前記貫通孔の長さ方向に比べて短く且つ貫通孔に挿入可能な外径を有する第二突起を金型内底部から開口方向に立設する第二金型に、前記第二突起を前記貫通孔に挿入させた状態にて前記プレート本体を配置するプレート本体配置ステップと、
前記第二突起を挿入した状態の前記貫通孔内に液状の第二硬化性組成物を供給する第二硬化性組成物供給ステップと、
前記第二硬化性組成物を硬化させる第二硬化ステップと、
硬化した遮光性マイクロウェルプレートを前記第二金型から取り出すプレート取出ステップと、
を含む遮光性マイクロウェルプレートの製造方法。
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