JP2018009120A - 硬質ウレタン樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】粉体難燃剤の量を減らしても良好な難燃性が得られる硬質ウレタン樹脂組成物の提供を目的とする。【解決手段】ポリオール化合物、イソシアネート、発泡剤、触媒及び添加剤を含む硬質ウレタン樹脂組成物において、触媒は三量化触媒であり、イソシアネートインデックスは300以上であり、添加剤は、250℃未満の分解温度を有する低温域難燃剤と、250℃以上400℃未満の分解温度を有する中温域難燃剤と、400℃以上の分解温度を有する高温域難燃剤とからなる難燃剤を有し、難燃剤に使用されている粉体難燃剤の量は、ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して3重量部以下である構成とした。【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性の良好な硬質ウレタンフォームが得られる硬質ウレタン樹脂組成物に関する。
従来、多くの建築物には高断熱や経済性などの理由によって、硬質ウレタンフォームの断熱材が広く用いられている。
硬質ウレタンフォームは可燃性であるため、難燃性が求められる場合には、白セメントやシラス等の無機系材料を主成分とする耐火材料を、硬質ウレタンフォーム表面に施工現場で吹き付ける不燃化工法がある。
また、アルミニウムなどの金属面材を硬質ウレタンフォームの表面に貼り合わせて不燃化する技術も存在する。
一方、硬質ウレタンフォーム自体の難燃性を高めることも検討されている。
例えば、ウレタン樹脂に含まれるイソシアネート基の三量化反応を促進する三量化触媒を含み、難燃剤として、赤リンを必須とし、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤およびアンチモン含有難燃剤よりなる群から選ばれる少なくとも2つを添加させることにより、硬質ウレタン樹脂の耐火性を向上させる技術が開示されている(引用文献1)。
また、ウレタン樹脂に粘土鉱物を含有させて耐火性を向上させる技術も開示されている(引用文献2)。
しかしながら、無機系材料を主成分とする耐火材料を硬質ウレタンフォーム表面に施工現場で吹き付ける不燃化工法は作業性に劣り、また、金属面材を硬質ウレタンフォームの表面に貼り合わせる技術はコストアップとなる問題がある。
一方、ウレタン樹脂に難燃剤を添加して耐火性を向上させる従来の技術では、高難燃化の実現に多量の難燃剤を必要とし、難燃性と引き替えに諸物性が著しく低下する問題がある。
さらに、難燃性を向上させるためにウレタン樹脂の液状原料に赤リンなどの粉体難燃剤を多量に含有させると、原料を注入機で注入する際に、原料がノズルに詰まって良好な成形品が得られなくなる虞がある。また、粉体難燃剤を多量に含有させると、原料の粘度が上昇して原料注入時の流動性が低下し、それによっても成形不良を生じ易くなる。また、粉体難燃剤はウレタン樹脂の液状原料に多量にかつ均一に分散させるのが難しく、難燃剤の分散不良により成形品の難燃性を低下させる問題がある。また、粉体難燃剤を多量に含む原料は、貯蔵中に難燃剤の分散不良を生じ易く、原料の貯蔵性の問題がある。
特開2014−193995号公報 特開2014−196476号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、粉体難燃剤の添加量を減らしても良好な難燃性が得られる硬質ウレタン樹脂組成物の提供を目的とする。
請求項1の発明は、ポリオール化合物、イソシアネート、発泡剤、触媒及び添加剤を含む硬質ウレタン樹脂組成物において、前記触媒は三量化触媒であり、イソシアネートインデックスは300以上であり、前記添加剤は、250℃未満の分解温度を有する低温域難燃剤と、250℃以上400℃未満の分解温度を有する中温域難燃剤と、400℃以上の分解温度を有する高温域難燃剤とからなる難燃剤を有し、前記難燃剤に使用されている粉体難燃剤の量は、前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して3重量部以下である、ことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記低温域難燃剤の量は、前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して2〜20重量部、前記中温域難燃剤の量は、前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して2〜20重量部、前記高温域難燃剤の量は、前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して1〜3重量部である、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記添加剤にはヒンダードアミン系化合物を前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して0.1〜3重量部含むことを特徴とする。
本発明によれば、粉体難燃剤の量をポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して3重量部以下の少量にしても、難燃性に優れる硬質ウレタンフォームを成形性よく得られるようになり、かつ樹脂組成物の貯蔵性も良好となる。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明は、ポリオール化合物、イソシアネート、発泡剤、触媒及び添加剤を含む硬質ウレタン樹脂組成物からなる。
ポリオール化合物としては、ウレタンフォーム用のポリオールが使用され、特に限定されるものではなく、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオールの何れでもよく、それらの一種類あるいは複数種類を使用してもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコールにエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸やフタル酸等の芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族グリコール等とから重縮合して得られたポリエステルポリオールを挙げることできる。
また、ポリエーテルエステルポリオールとしては、前記ポリエーテルポリオールと多塩基酸を反応させてポリエステル化したもの、あるいは1分子内にポリーエーテルとポリエステルの両セグメントを有するものを挙げることができる。
イソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有する脂肪族系または芳香族系ポリイソシアネート、それらの混合物、およびそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートを使用することができる。脂肪族系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキサメタンジイソシアネート等を挙げることができ、芳香族ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート(クルードMDI)等を挙げることができる。なお、その他プレポリマーも使用することができる。
イソシアネートインデックスは300以上が好ましく、より好ましくは300〜400である。イソシアネートインデックスが300未満ではヌレート化率の減少により難燃性が低下する。イソシアネートインデックスは、ポリイソシアネートにおけるイソシアネート基のモル数をポリオールの水酸基などの活性水素基の合計モル数で割った値に100を掛けた値であり、[ポリイソシアネートのNCO当量/活性水素当量×100]で計算される。
発泡剤としては、水、代替フロンあるいはペンタンなどの炭化水素を、単独または組み合わせて使用できる。水の場合は、ポリオールとイソシアネートの反応時に炭酸ガスを発生し、その炭酸ガスによって発泡がなされる。発泡剤としての水の量は、ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して0〜10重量部が好ましい。また、水と共に他の発泡剤を併用する場合における他の発泡剤の量は適宜決定されるが、ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して5〜20重量部の範囲が好ましい。
三量化触媒は、イソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の形成を促進する触媒である。三量化触媒としては、公知の三量化触媒を使用することができ、例えば2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、オクチル酸カリウム等を使用することができる。三量化触媒の量は適宜決定されるが、ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して0.5〜5重量部の範囲が好ましい。
なお、三量化触媒と共に公知のウレタン化触媒を併用することもできる。三量化触媒と併用可能な触媒としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N−エチルモルホリン、テトラメチルグアニジン等のアミン触媒や、スタナスオクトエートやジブチルチンジラウレート等の錫触媒やフェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等の金属触媒(有機金属触媒とも称される。)を挙げることができる。
添加剤として含まれる難燃剤は、250℃未満の分解温度を有する低温域難燃剤と、250℃以上400℃未満の分解温度を有する中温域難燃剤と、400℃以上の分解温度を有する高温域難燃剤とを有する。これは、燃焼時の硬質ウレタンフォーム(ヌレートフォーム)の熱分解挙動において、加熱初期、加熱の成長期、加熱の終期という燃焼過程を想定し、各燃焼過程において分解温度を有する温度域での難燃剤を配合することにより、良好な難燃性を発揮させようとするものである。なお、分解温度は、熱重量測定装置を用いて乾燥空気雰囲気下、昇温速度10℃/minにおける10%重量減少温度に基づいて測定される温度である。
250℃未満の分解温度を有する低温域難燃剤は、250℃未満で分解して難燃性を発揮する難燃剤である。250℃未満の分解温度を有する低温域難燃剤としては、例えば、トリス(βクロロプロピル)ホスフェート(分解温度184℃)、トリエチルホスフェート(液体、分解温度95℃)、[[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]メチル]ホスホン酸ジエチル(液体、分解温度95℃)等を挙げることができる。低温域難燃剤は一種類に限られず、複数種類を併用してもよい。低温域難燃剤の量は、前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して2〜20重量部が好ましく、より好ましくは3〜12重量部である。
250℃以上400℃未満の分解温度を有する中温域難燃剤は、250℃以上400℃未満で分解して難燃性を発揮する難燃剤である。250℃以上400℃未満の分解温度を有する中温域難燃剤としては、例えば、ホスホリルトリクロリドと、フェノール及びレゾルシノールとの縮合物(液体、分解温度383℃)、シクロホスファゼン化合物(粉体、分解温度397℃)、ポリリン酸アンモニウム(II)(粉体、分解温度357℃)等を挙げることができる。中温域難燃剤は一種類に限られず、複数種類を併用してもよい。中温域難燃剤の量は、前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して2〜20重量部が好ましく、より好ましくは3〜15重量部である。
400℃以上の分解温度を有する高温域難燃剤は、400℃以上で分解して難燃性を発揮する難燃剤である。400℃以上の分解温度を有する高温域難燃剤としては、例えば、赤リン(粉体、分解温度490℃)等を挙げることができる。高温域難燃剤は一種類に限られず、複数種類を併用してもよい。高温域難燃剤の量は、前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して1〜3重量部が好ましく、より好ましくは2〜3重量部である。
本発明では、前記難燃剤(低温域難燃剤、中温域難燃剤、高温域難燃剤)として使用される難燃剤の合計量を、前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して20重量部以下にするのが難燃剤の効果の点で好ましく、より好ましくは5〜18重量部、さらにより好ましくは5〜16重量部、である。
また、前記難燃剤(低温域難燃剤、中温域難燃剤、高温域難燃剤)には、液体難燃剤と粉体難燃剤とがある。本発明では、前記難燃剤(低温域難燃剤、中温域難燃剤、高温域難燃剤)として使用される粉体難燃剤の合計量を、前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して3重量部以下にするのが好ましく、より好ましくは0〜3重量部である。
粉体難燃剤の量を前記範囲とすることにより、粉体難燃剤の過剰添加による次の問題を解決することができる。粉体難燃剤の過剰添加による問題としては、ウレタン樹脂組成物を注入機で注入して発泡させる際に、ウレタン樹脂組成物がノズルに詰まって良好な成形品が得られなくなったり、ウレタン樹脂組成物の粘度が上昇してウレタン樹脂組成物注入時の流動性が低下し、それによって成形不良を生じたり、粉体難燃剤の分散不良により成形品の難燃性が低下したり、ウレタン樹脂組成物の貯蔵中に粉体難燃剤の分散不良を生じたりする等の問題が挙げられる。
さらに添加剤として、ヒンダードアミン系化合物(略称HALS)を含むのが好ましい。通常、ヒンダードアミン系化合物(HALS)は、光安定剤、光酸化防止剤として樹脂の添加剤として用いられる。今回、活性ラジカルの捕捉に着目し、このヒンダードアミン系化合物を含むことにより、他の難燃剤との併用で、燃焼時において燃焼ガスの発生の抑制効果や、燃焼の抑制効果が得られる。ヒンダードアミン系化合物としては、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、メタクリル酸1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル等を挙げることができる。ヒンダードアミン系化合物の量は、前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して0.1〜3重量部、より好適には0.3〜3重量部である。なお、ヒンダードアミン系化合物は液体が好ましい。
また、添加剤として、整泡剤を含むのが好ましい。整泡剤としては、ポリオキシアルキレン整泡剤、シリコーン整泡剤等の界面活性剤が挙げられる。
その他の添加剤として、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤等、添加剤として公知のものを添加することができる。
本発明の硬質ウレタン樹脂組成物を用いて硬質ウレタンフォームを製造する方法としては、ポリオール化合物、発泡剤、触媒及び添加剤を混合したA液成分とイソシアネートを含むB液成分を発泡機で混合して吐出することにより行うことができる。また、発泡機から所定製品形状のキャビティを有する型に注入することによって所定形状の成形品を発泡成形することもできる。なお、本発明の硬質ウレタン樹脂組成物を用いて製造される硬質ウレタンフォームは、イソシアヌレート環を含むものであり、イソシアヌレートフォームとも称される。
以下の原料を用いて表1の配合からなる各実施例及び各比較例の硬質ウレタン樹脂組成物を作成した。なお表1における各原料の配合量は重量部である。
・ポリオール化合物:水酸基価235〜265mgKOH/g、数平均分子量380、品名;ファントール6301、日立化成ポリマー社製
・整泡剤:シリコーン整泡剤、品名;SF−2937F、東レダウコーニング社製
・触媒:オクチル酸カリウム(三量化触媒)、品名;DabcoK−15、Air Products社製
・発泡剤1:水
・発泡剤2:1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、品名;HFC245fa、セントラル硝子社製
・発泡剤3: 1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、品名;HFC365mfc、日本ソルベイ社製
・イソシアネート:ポリメリックMDI、品名;MR200、日本ポリウレタン工業社製
・低温域難燃剤:モノリン酸エステル、トリス(クロロピル)ホスフェート(TMCPP、分解温度184℃、液体)、大八化学社製
・中温域難燃剤:縮合リン酸エステル、品名;PFR(分解温度383℃、液体)、ADEKA社製
・高温域難燃剤:赤リン、品名;ノーバエクセル140(分解温度490℃、粉体)、燐化学工業社製
・HALS(ヒンダードアミン系化合物):ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)=デカンジオアートとメチル=1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル=セバカートの混合物、品名;LA−72(分解温度274℃、液体)、ADEKA社製
各実施例及び各比較例の硬質ウレタン樹脂組成物を次のように発泡させて硬質ウレタンフォームを作成した。
ポリオール化合物、低温域難燃、中温域難燃剤、高温域難燃剤及びHALS(ヒンダードアミン系化合物)をカップに計量し、室温にてラボミキサーで撹拌した。その後、整泡剤、触媒、発泡剤を加え、室温にてラボミキサーで撹拌した。さらに、イソシアネートを加え、室温にてラボミキサーで撹拌し、フリー発泡にて硬質ウレタンフォーム(イソシアヌレートフォーム)を作成した。
作成した各実施例及び各比較例の硬質ウレタンフォームに対して、密度(JIS K7222)の測定、TG(熱重量測定)試験、コーンカロリーメーター試験、水平燃焼試験を行った。各試験結果を表1の下部に示す。
TG試験は、加熱した時に試料の重量変化を連続的に測定する試験であり、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 示差熱熱重量同時測定装置 Exstar TG/DTA 7200 を用い、昇温速度10℃/minで乾燥空気雰囲気下にて測定を行った。評価は、まず、350℃において重量減少率が23%以下の場合に「◎」、25%以下の場合には「〇」、25%よりも大きい場合に「×」で示した。さらに、600℃において重量減少率が70%以下の場合に「◎」、80%以下の場合には「〇」、80%よりも大きい場合に「×」で示した。そして、2種類の温度の評価において、2つ「◎」がある場合は「◎」、1つ以上「×」がある場合には「×」、その他の場合は「○」で示した。
コーンカロリーメーター試験は、各実施例及び各比較例の硬質ウレタンフォームから、10cm×10cm×5cm厚の試験用サンプルを切り出し、ISO5660に準拠し、放射熱強度50kw/mにて20分間加熱したときの総発熱量を測定した。また、20分後のサンプルの状態を確認し、亀裂、貫通孔の有無を調べた。さらに燃焼時にサンプルが変形してサンプル上方に設定してある試験機のスパークプラグに接触しているか否かを確認した。評価は亀裂、貫通孔、プラグ接触について、それぞれ無い場合に[〇]で示し、有る場合に「×」で示した。
水平燃焼試験は、各実施例及び各比較例の硬質ウレタンフォームから、5cm×15cm×13mm厚の試験用サンプルを切り出し、JIS A 9511B法に従い、着火時間と燃焼距離を測定した。着火時間が5秒未満の場合に[○]、5秒以上から10秒未満が[△]、10秒以上が[×]、燃焼距離が15mm未満の場合に[○]、15mm以上20mm未満が[△]、20mm以上が[×]とし、両評価で[○]が二つであれば[◎]、[×]が一つでもあれば[×]、他は[○]で評価を示した。
総合判定は、TG試験の評価が「◎」、コーンカロリーメーター試験における総発熱量が10MJ/m以下、かつ亀裂及び貫通孔が無く、さらに粉体難燃剤の合計が3重量部以下の場合に「◎」で示した。また、TG試験の評価が「〇」、コーンカロリーメーター試験における総発熱量が10MJ/m以下、さらに粉体難燃剤の合計が3重量部以下の場合に「〇」で示した。一方、各評価が他の場合については総合判定を「×」で示した。総合判定が「◎」または「〇」の場合に合格とし、総合判定が「×」の場合を不合格とした。
Figure 2018009120
各実施例及び各比較例について、表1の測定結果を説明する。
実施例1は、低温域難燃剤が3.9重量部、中温域難燃剤が10.9重量部、高温域難燃剤が2.8重量部、粉体難燃剤が2.8重量部、HALSが0重量部の例であり、TG試験における350℃での重量減少率が23%、600℃の重量減少率が66.7%で評価が「◎」、コーンカロリーメーター試験における総発熱量が6.4MJ/m、亀裂と貫通孔及びプラグ接触の何れも無く、総合判定が「◎」であった。
実施例2は、低温域難燃剤が3.9重量部、中温域難燃剤が7.4重量部、高温域難燃剤が2.8重量部、粉体難燃剤が2.8重量部、HALSが0.7重量部の例であり、TG試験における350℃での重量減少率は21.5%、600℃の重量減少率が69.8%で評価が「◎」、コーンカロリーメーター試験における総発熱量が8.9MJ/m、亀裂と貫通孔及びプラグ接触の何れも無く、総合判定が「◎」であった。
また、HALSを添加していない上記の実施例1に比べ、難燃剤の合計添加量が少なくても総合判定が「◎」であった。また、HALSを添加していない点だけが異なる下記の実施例3と比べると、TG試験における600℃の重量減少率およびプラグ接触において、HALSを添加した実施例2が形状保持に優れ、耐燃焼性にも優れる。
実施例3は、低温域難燃剤が3.9重量部、中温域難燃剤が7.4重量部、高温域難燃剤が2.8重量部、粉体難燃剤が2.8重量部、HALSが0重量部の例であり、TG試験における350℃での重量減少率が22.9%、600℃の重量減少率が72.4%で評価が「〇」、コーンカロリーメーター試験における総発熱量が9.6MJ/m、亀裂と貫通孔が無く、プラグ接触が有りで、総合判定が「〇」であった。
比較例1は、低温域難燃剤が10.5重量部、中温域難燃剤が0重量部、高温域難燃剤が0重量部、粉体難燃剤が0重量部、HALSが0重量部の例であり、TG試験における350℃での重量減少率が23.4%、600℃の重量減少率が92.3%で評価が「×」、コーンカロリーメーター試験における総発熱量が16.5MJ/m、亀裂と貫通孔が有り、プラグ接触については測定できず、総合判定が「×」であった。
比較例2は、低温域難燃剤が0重量部、中温域難燃剤が0重量部、高温域難燃剤が7重量部、粉体難燃剤が7重量部、HALSが0重量部の例であり、TG試験における350℃での重量減少率が25.2%、600℃の重量減少率が58.3%で評価が「×」、コーンカロリーメーター試験における総発熱量が23.6MJ/m、亀裂と貫通孔が無く、プラグ接触が有りで、総合判定が「×」であった。
比較例3は、低温域難燃剤が0重量部、中温域難燃剤が0重量部、高温域難燃剤が0重量部、粉体難燃剤が0重量部、HALSが10.5重量部の例であり、TG試験における350℃での重量減少率が28.3%、600℃の重量減少率が93.8%で評価が「×」、コーンカロリーメーター試験はTG評価が「×」のため実施せず、総合判定が「×」であった。
比較例4は、低温域難燃剤が4.8重量部、中温域難燃剤が4.8重量部、高温域難燃剤が0重量部、粉体難燃剤が0重量部、HALSが0重量部の例であり、TG試験における350℃での重量減少率が23.7%、600℃の重量減少率が90.4%で評価が「×」、コーンカロリーメーター試験はTG評価が「×」のため実施せず、総合判定が「×」であった。
比較例5は、低温域難燃剤が4.8重量部、中温域難燃剤が0重量部、高温域難燃剤が5重量部、粉体難燃剤が5重量部、HALSが0重量部の例であり、TG試験における350℃での重量減少率が21.9%、600℃の重量減少率が70.7%で評価が「〇」、コーンカロリーメーター試験における総発熱量は10.4MJ/m、亀裂と貫通孔が無く、プラグ接触が有りで、総合判定が「×」であった。
比較例6は、低温域難燃剤が12重量部、中温域難燃剤が12重量部、高温域難燃剤が0重量部、粉体難燃剤が0重量部、HALSが0重量部の例であり、TG試験における350℃での重量減少率が23.9%、600℃での重量減少率が90.5%で評価が「×」、コーンカロリーメーター試験はTG評価が「×」のため実施せず、総合判定が「×」であった。
比較例7は、低温域難燃剤が12重量部、中温域難燃剤が0重量部、高温域難燃剤が12重量部、粉体難燃剤が12重量部、HALSが0重量部の例であり、TG試験における350℃での重量減少率が26.1%、600℃での重量減少率が78.9%で評価が「×」、コーンカロリーメーター試験はTG評価が「×」のため実施せず、総合判定が「×」であった。
このように、本発明の硬質ウレタン樹脂組成物は、低温域(250℃未満)で分解して難燃性を発揮する低温域難燃剤と、中温域(250℃以上400℃未満)で分解して難燃性を発揮する中温域難燃剤と、高温域(400℃以上)で分解して難燃性を発揮する高温域難燃剤を含む構成としたことにより、粉体難燃剤の添加量を減らしても良好な難燃性を発揮することができる。

Claims (3)

  1. ポリオール化合物、イソシアネート、発泡剤、触媒及び添加剤を含む硬質ウレタン樹脂組成物において、
    前記触媒は三量化触媒であり、
    イソシアネートインデックスは300以上であり、
    前記添加剤は、250℃未満の分解温度を有する低温域難燃剤と、250℃以上400℃未満の分解温度を有する中温域難燃剤と、400℃以上の分解温度を有する高温域難燃剤とからなる難燃剤を有し、
    前記難燃剤に使用されている粉体難燃剤の量は、前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して3重量部以下である、
    ことを特徴とする硬質ウレタン樹脂組成物。
  2. 前記低温域難燃剤の量は、前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して2〜20重量部、
    前記中温域難燃剤の量は、前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して2〜20重量部、
    前記高温域難燃剤の量は、前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して1〜3重量部、
    であることを特徴とする請求項1に記載の硬質ウレタン樹脂組成物。
  3. 前記添加剤にはヒンダードアミン系化合物を前記ポリオール化合物とイソシアネートの合計量100重量部に対して0.1〜3重量部含むことを特徴とする請求項1または2に記載の硬質ウレタン樹脂組成物。
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