JP2018008882A - 生体応答性物質、機能性セラミックスの製造方法及びカイラリティ推定方法 - Google Patents

生体応答性物質、機能性セラミックスの製造方法及びカイラリティ推定方法 Download PDF

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【課題】人体からの応答を得ることができるような生体応答性物質を提供する。【解決手段】生体応答性物質は、右螺旋結晶構造が形成された物質を含み、右螺旋結晶構造と人体とが相互作用することにより人体からの応答が得られ、前記物質は、アマゾナイト、ヒスイ、スギライト、ルチルクオーツ、天眼石、アメジスト、黄銅鉱、磁鉄鉱、フローライト、オルビン、スピネル、アパタイト、サファイア、ルビー、ガーネット、黒曜石、トルマリン、水晶、金コロイドガラスの少なくとも一つを含む。【選択図】図2

Description

本発明は、人体と相互作用することにより人体から応答が得られる生体応答性物質、人体と相互作用することにより人体から応答が得られる機能性セラミックスの製造方法、及び人体の応答に基づくカイラリティ推定方法に関する。
従来、特殊な天然石を加工して製造され、身につけると身体の安定性が向上するとされるネックレスやブレスレットのようなアクセサリー商品が市販されている。それらの製品を身に付けた時の身体の安定性の変化については国内の大学で測定された実験データを見ることができる(下記非特許文献1を参照)。
特許第2505685号公報 特開第2013−220963号公報
国士舘大学大学院スポーツシステム研究科身体運動学研究室著、「パフォーマンステスト測定結果」、[online]、株式会社ゆうき、[平成28年7月6日検索]、インターネット(http://balance-e.jp/img/shopping/jikken_data.pdf) 石部伸之著、「まるごと図解背骨のしくみと動きがわかる本」、株式会社秀和システム、2015年3月13日 「右水晶・左水晶 天然水晶18mm丸玉セット」、[online]、株式会社名取貴石、[平成28年7月6日検索]、インターネット(http://www.ishino-hana.com/item/maru-lr18/) 川村光著、「カイラリティとナノ構造」、生産と技術、一般社団法人生産技術振興協会、2013年、第65巻、第4号 「磁鉄鉱」、[online]、ウィキペディア、[平成28年7月6日検索]、インターネット(https://ja.wikipedia.org/wiki/磁鉄鉱) 「特別なX線回折法により鏡像異性体を世界で初めて識別-円偏光−X 線とらせん構造が影響し合う回折原理を発見−」、[online]、2008年4月7日、独立行政法人理化学研究所、[平成28年7月6日検索]、インターネット(http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/press/2008/20080407_1/20080407_1.pdf) メイロビッツHN(Mayrovitz HN)、外2名著、「レーザドップラ測定した吸入ガスプに応じた血流に85mT永久磁石の効果なし(No Effect of 85mT Permanent Magnets on Laser-Doppler Measured Blood Flow Response to Inspiratory Gasps)」、バイオエレクトロマグネティクス(Bioelectro-magnetics)、ワイリーピリオディカルズ(Wiley Periodicals)、2005年5月、第26巻、第4号、p.331−335 「Q どのようなときにイオンが発生しますか?」、[online]、特定非営利活動法人日本機能性イオン協会、[平成28年7月6日検索]、インターネット(http://www.japan-ion.jp/05_qa1.htm)
しかしながら、天然石を加工したアクセサリーと人体との応答との関係は明らにされていなかった。本発明は、このような実情に鑑みて提案されるものであって、天然石と人体との関係を明らかにして、人体からの応答を得ることができるような生体応答性物質を提供するとともに、人体からの応答を得ることができるような機能性セラミックスの製造方法及びカイラリティ推定方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明に係る生体応答性物質は、右螺旋結晶構造が形成された物質を含み、右螺旋結晶構造と人体とが相互作用することにより人体からの応答が得られる。
前記物質は、アマゾナイト、ヒスイ、スギライト、ルチルクオーツ、天眼石、アメジスト、黄銅鉱、磁鉄鉱、フローライト、オルビン、スピネル、アパタイト、サファイア、ルビー、ガーネット、黒曜石、トルマリン、水晶、金コロイドガラスの少なくとも一つを含んでもよい。
前記物質は、炭及び酸化鉄を含むセラミック材料を焼成する一次焼成工程と、前記一次焼成工程で焼成したセラミック材料をさらに700℃〜900℃の温度範囲において過熱水蒸気で焼成する二次焼成工程とを含む工程で製造された機能性セラミックスを含んでもよい。
当該機能性セラミックスの製造には、岩石粉砕物、ケイ酸及びアルミナを含む窯業原料、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、貝灰の少なくとも1つから前記セラミック材料を作成する工程を含んでもよい。前記セラミック材料は、前記炭として、木炭、竹炭、コーヒー炭、ヤシ殻炭、石炭コークス、石油コークスの少なくとも1つを含んでもよい。前記セラミック材料は、ジルコニウム、銀、パラジウム、金、白金、マンガン、チタン、タングステン、イットリウム、セリウム、ネオジウムの少なくとも1つを含んでもよい。
前記物質は、被験者が装着することにより被験者の人体からの応答が得られてもよい。前記物質は、ネックレス、ブレスレットとして、又は腕、足若しくは腰のサポーターに取り付けて被験者が装着してもよい。前記物質は、粉砕後にシリコンやウレタンのゴム材料と複合し、インソールやサポーターに加工して被験者が装着してもよい。前記物質は、粉砕後に繊維原料に錬り込み、紡糸して加工した衣類を被験者が装着してもよい。
本発明に係る機能性セラミックスの製造方法は、炭及び酸化鉄を含むセラミック材料を焼成する一次焼成工程と、前記一次焼成工程で焼成したセラミック材料をさらに700℃〜900℃の温度範囲において過熱水蒸気で焼成する二次焼成工程とを含み、製造された当該機能性セラミックスは、右螺旋結晶構造が形成された物質を含み、右螺旋結晶構造と人体とが相互作用することにより人体からの応答が得られる生体応答性物質を構成する。
当該機能性セラミックスの製造には、岩石粉砕物、ケイ酸及びアルミナを含む窯業原料、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、貝灰の少なくとも1つから前記セラミック材料を作成する工程を含んでもよい。前記セラミック材料は、前記炭として、木炭、竹炭、コーヒー炭、ヤシ殻炭、石炭コークス、石油コークスの少なくとも1つを含んでもよい。前記セラミック材料は、ジルコニウム、銀、パラジウム、金、白金、マンガン、チタン、タングステン、イットリウム、セリウム、ネオジウムの少なくとも1つを含んでもよい。
本発明に係るカイラリティ推定方法は、物質と人体とが相互作用することによる人体からの応答に基づいて前記物質に右螺旋結晶構造が含まれることを推定する。人体からの応答は、バランステスト、光脳機能イメージング及びファンクションMRIの少なくとも1つにより測定してもよい。
本発明によると、人体からの応答を得ることができるような生体応答性物質を提供するとともに、人体からの応答を得ることができるような機能性セラミックスの製造方法を提供することができる。また、物質のカイラリティ推定方法を提供することができる。
バランステストの実施方法を示す模式図である。 水晶のエアリースパイラル像を示す写真である。 八面体の磁鉄鉱結晶を示す写真である。 バランステストで分別したフローライト結晶を示す写真である。 金コロイドガラス中に生成した金の微結晶を示す写真である。 金の結晶を生成して着色した2色性ガラスと、金の結晶を形成していない無色透明ガラスを示す写真である。 機能性セラミックスの製造方法の工程を示すフローチャートである。 機能性セラミックスの製造装置を示すブロック図である。 生体応答性のセラミックスの粉末X線回折図である。 光脳機能イメージング装置による脳内活性化電流を示す図である。 F−MRIにより測定した脳内血流の測定結果を示す図である。
以下、本実施の形態に係る生体応答性物質及び機能性セラミックスの製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
(天然石による生体応答性)
本実施の形態では、天然石による生体応答性を確認するため、図1に示したようなバランステストを用いた(下記非特許文献2を参照)。
バランステストの1例を説明すると、被験者が両腕を身体の後ろ側に置き、左右の掌を組み合わせて直立する。この状態で、別人が被験者の組み合わせた掌を、例えば、149N(149ニュートン=15kgf)の力で下方に押さえると、被験者はバランスを壊して後方によろめく。
しかし、特殊な天然石で作られたネックレスやブレスレットを身につけた状態で上記同様に掌を下方に押さえた場合、被験者は、例えば、294N以上のより強い力で押さえられても後方によろめくことなくバランスを保つことができる。
このような場合における身体の姿勢維持には体幹が関係する。体幹は骨盤、背骨、肋骨、肩甲骨などの骨格とそれを取り巻く深層筋、表層筋の体幹筋とからなっており、身体を支え姿勢を安定化させているのは深層筋とされる。
したがって、特殊な天然石を身につけた場合に起こる姿勢の安定化現象は、体幹の深層筋に変化が起こることにより体幹自体が安定化することによると推定される。
また、被験者がバランステストにおいて、身体の後方で組んだ掌を押さえられたことでバランスを壊すに至る力の大きさは、被験者の体幹を支える筋肉の強さで異なり、当然個人差が現れることになる。
天然石を身に着けた時に人間の身体に起こる体幹の安定化現象は、無機物に対して人体が応答して反応する現象であり、本明細書では、この人体の反応を“生体応答”と表現する。
天然石には、その機能の実態は不明であるけれども、古くからパワーストーンと呼ばれる多くの種類の石が販売されている。発明者は、それらの天然石を身につけた場合に起こる姿勢の安定化現象(生体応答)がどのような種類の天然石で起こるのかを調査するために、幾つかの天然石や鉱石等を入手し、それらの各々を身につけて前記バランステストによる生体応答試験を行った。その結果を表1に示す。なお、表1には示さなかったが、黒曜石(オブシディアン)についてバランステストを行ってもよい。
表1に示したように、パワーストーンと呼ばれる天然石の多くは生体応答を示すことが確認された。そして、表1のバランステスト試験の結果からこれまでに説明されていない天然石に関する重要な知見が得られた。
すなわち、水晶(クオーツ)には石英が右螺旋方向に積層した結晶と、左螺旋方向に積層した結晶とがあり、球状に研磨した状態で底面から偏光を入射すると、上部面に旋光性に基づいてエアリースパイラル像と呼ばれる回転模様が観察され、右螺旋方向に積層した結晶は左旋性の模様を示し、左螺旋方向に積層した結晶は右旋性の模様を示す。
図2は、水晶のエアリースパイラル像を示す写真である(非特許文献3を参照)。図2(a)は右螺旋結晶による左旋性であり、図2(b)は左螺旋結晶による右旋性である。
実施したバランステストによると、右螺旋結晶構造の水晶(左回転旋光に基づいて左水晶と呼ばれる)は生体応答を示したが、左螺旋結晶構造の水晶(右旋光性に基づいて右水晶と呼ばれる)は生体応答を示さないことが判明した。
従って、水晶の示す生体応答は石英(SiO)の積層方向が右回転となっている結晶構造に基づいて現れるものと推測される。このような螺旋状結晶の成長方向による物性の違いは、現代の物理学においてカイラリティという用語で説明される。結晶構造のカイラリティは、例えば、結晶が三角形の格子構造〔スピネル型構造〕をとる物質において、結晶子が積層していく過程におけるスピンフラストレーションに起因して形成されると考えられている(非特許文献4を参照)。
ただし、水晶の場合を含め、カイラリティに起因して右螺旋結晶構造から発し、身体へと伝播するシグナルの実態、あるいは、エネルギーの形態等については現時点では不明である。
一方、表1のNo.20に示された様に、右螺旋構造の水晶と左螺旋構造の水晶を同時に身につけると生体応答は現れなくなる。すなわち、右螺旋構造由来のなんらかのシグナルが左螺旋構造の結晶によって打ち消されると想定されるので、生体応答を調査する場合には特に留意することが必要である。
図3には本実施の形態の主原料である鉄カンラン岩系岩石の砕石にも含まれる磁鉄鉱の八面体の晶癖を示す。磁鉄鉱は立方晶系(等軸晶)で逆スピネル構造であり、結晶が成長する際のスピンフラストレーションに基づいて、カイラリティの異なる結晶が形成されると考えられる(非特許文献5を参照)。
従って、水晶の場合と同様に、結晶構造のカイラリティが異なることが原因で、生体応答を示す結晶と、生体応答を示さない結晶とが存在するものと考えられる。
発明者が入手した図3に示す磁鉄鉱結晶については、個々の結晶体がそれぞれ明確な生体応答を示したが、微細な八面体形状の磁鉄鉱結晶を含有する磁鉄鉱鉱石の中は生体応答を示さない鉱石も存在した。
また、磁鉄鉱に類似し、等軸晶で八面体の結晶形を形成しているフローライト(CaF)の個々の結晶についてもバランステストで生体応答を試験したところ、生体応答を示す結晶と、生体応答を示さない結晶とに分けることが可能であった。カイラリティの異なる結晶がこの方法で分別されたと考えられる。しかし、分別したフローライトの結晶構造の積層方向〔カイラリティ〕については不明である。バランステストで応答性の有無について分別したフローライトの結晶を図4に示す。見掛けでは全く判別できない。
水晶と同様に、フローライトの結晶においても、バランステストによる生体応答を示す結晶と、生体応答を示さない結晶が存在することが確認できたので、表1中のNo.12〜17に示した結晶性天然石の細石について、同様の生体応答試験を行った。それぞれの天然石について、生体応答を示すものと生体応答を示さないものとを分離選択できることを確認した。
また、生体応答を示した幾種類かの天然石を複数混合してバランステストを行った場合、生体応答を示す結晶どうしの混合物であれば生体応答を確認できた。しかし、複数混合した天然石の中に生体応答を示さない天然石が種類によらず少量でも混入すると生体応答が現れなくなることが判明した。この生体応答性が無くなる現象は、カイラリティの異なる水晶を同時に身につけたときと同様であり、天然石の結晶が生体応答を示すためには、身に付ける結晶性物質のそれぞれの結晶構造のカイラリティが揃っていることが必須と推定される。
水晶の生体応答から類推すると、右螺旋構造の結晶が生体応答を示すものと推定されるが、今後、カイラリティが異なることが物理的に測定された数多くの結晶について生体応答との関係を明らかにすることが必要と思われる。数多くのデータが集まれば、将来開発されるカイラリティ由来の結晶性機能材料について、結晶構造のカイラリティの簡易選別方法が提供される可能性がある。
例えば、天然石を身に着けてバランステストなどの人体の応答を確認することにより、天然石のカイラリティを推定することも可能であると思われる。例えば人体から応答があるときには天然石は右螺旋構造であると推定される。また、人体から応答がないときには、天然石は左螺旋構造であるか、または結晶構造のカイラリティが揃っていないと推定される。
結晶構造のカイラリティについては、右旋性か左旋性かを判別する物理的測定方法について、2008年に、鏡像異性体を識別する特別なX−線回折法が水晶について用いられている。この測定方法では特殊な分析装置(大型放射光施設 SPring‐8)を分析に使用しており、一般的に使用できる分析装置ではない(非特許文献6を参照)。
(金のコロイド結晶を生成したガラスの生体応答)
表1中で生体応答が確認されている金コロイドガラスは、アルミノホウケイ酸ガラス中に金の微結晶を形成させる技術で製造された金コロイドによる茶青2色性ガラスである(特許文献1を参照)。
図5に上記の金コロイドガラス(茶青2色性ガラス)中に生成した金の微結晶の電子顕微鏡写真を示す。面心立方結晶系による八面体晶癖の金の微細結晶(粒子径 120ナノメーター程度)が生成していることが確認できる。
図6には図5に示した金の結晶を生成して着色した2色性ガラス:Aと、金が添加され、金を含むけれども金はイオンの状態で存在し結晶を形成していない無色透明ガラス:Bとを示す。Aの金の結晶が生成した着色ガラスは生体応答を示したが、Bの無色透明のガラスは生体応答を示さなかった。
これらに加えて、粒子径が20〜50ナノメーターの金コロイド結晶を含む金赤ガラスについても生体応答を示すことが確認されたので、金を含有するガラスが生体応答を示すためには、金の結晶が形成されていることが必須条件であった。金の面心立方結晶にもカイラリティの問題があるものと推測されるが、金コロイドガラス中の金結晶の積層方向(カイラリティ)は不明である。
また、市販の金の板状物を購入しバランステストを行なったが、生体応答はみられなかった。一般の金属の塊は単結晶ではないので、右螺旋構造、左螺旋構造の混合状態になっており生体応答は示さないものと推定される。
(生体応答性のセラミックス)
特許文献2で開示された機能性セラミックスの製造方法を実施する中で、製造したセラミックスを身につけて上述の天然石と同様のバランステストを試験すると強力な生体応答が確認される生体応答性のセラミックスが開発された。本実施の形態の機能性セラミックスは、特許文献2で開示された製造方法の工程に従うものである。
図7は、本実施の形態の機能性多孔質セラミックスの製造方法を示す工程図である。原料粉砕混合工程S1において、ボールミルを使用して活性炭、岩石粉砕物、リモナイト、骨灰などとその他の原料成分を十分に微粉砕し混合する。
原料に使用する活性炭は、有機質の炭化物、例えば木炭、竹炭、コーヒー炭、ヤシ殻炭、石炭コークス、石油コークスなどが挙げられ、好ましくはヤシ殻炭、竹炭、コーヒー炭由来の比表面積の大きい活性炭を使用する。岩石粉砕物は橄欖岩、玄武岩、花崗岩、火山岩、麦飯石、角閃石ほか各種岩石の粉砕物、あるいは、砕石工場からの砕石泥を用いるが、好ましくは、遠赤外線放射性能に優れるような岩石の粉砕物を使用する。
なお、岩石の替りに粘土、スーパークレイ、ベントナイト、長石、カオリンなどのケイ酸分とアルミナ分を原料中に供給することができる窯業原料、あるいは、炭化ケイ素などのケイ素化合物、アルミニウム化合物などの化学物質を複合して使用し、セラミックス原料混合物の化学組成の調整することも可能である。
リモナイトは、九州の阿蘇地方で産出する酸化鉄を約80重量パーセント程度含有する土壌であり、セラミックス中に鉄分を供給するために使用する。多孔質セラミックスの骨格中に鉄分が存在すると、鉄原子が2価の鉄と3価の鉄の間で変化し、酸化還元性能を示す可能性が考えられる。本実施の形態では、好ましくはこのリモナイト使用するが、他の酸化鉄を含有するような材料で代用することもできる。
骨灰はリン酸とカルシウムを主成分に構成されており、セラミックス中に多孔質構造を発達させる成分として添加される。骨灰は化学試薬のハイドロキシアパタイトほかのリン酸とカルシウムの化合物、あるいはリン酸もしくはリン酸塩で置き換えることもできる。
カルシウム化合物は炭酸カルシウムを使用するが、牡蠣殻、ホタテ貝などの貝灰、化学薬品のカルシウム化合物を使用しても良い。これらの基本的原料組成に加えて、必要に応じて金属類が複合されて添加される。金属類はセラミックスに触媒能を賦与し強化する目的と、セラミックス中に磁性体を形成させる目的で原料混合物中に添加して使用される。
触媒能を強化する目的では、多くの触媒に使用され、触媒性能を強化することが明らかなジルコニウム、銀、パラジウム、金、白金などを必要に応じて組み合わせて使用する。
また、本実施の形態の製造工程において、一次焼成後のセラミックスは着磁性が顕著であり磁石に引き付けられるが、二次焼成の条件(温度と時間)によっては着磁性を失ったセラミックスも製造される。
着磁性が変化する原因については現時点では特定できないが、セラミックス中に生成している磁性体結晶による機能発現の可能性も考えられるので、酸化鉄の鉄原子と化合して磁性体を形成する可能性のある金属類を組み合わせて使用する。本実施の形態では、酸化鉄中の鉄原子と化合してスピネル構造などの磁性体化合物を形成する可能性を持つ金属として、マンガン、チタン、タングステン、イットリウム、セリウム、ネオジウムなどを使用している。鉄原子と磁性体を形成する金属元素は数多く有りこれらの元素に限定されるものではない。
S1の粉砕混合工程は湿式あるいは乾式の工程で行うことができるが、粉砕混合時に水溶液の中で化合物の形成が起こりやすいと想定される湿式法が好ましく、原料混合物に水を重量パーセントで30〜70%加えて粉砕混合を行う。S2の脱水工程では原料の粉砕混合物中の水分を除去するが、水に溶解した原料成分が濾過により濾液中に入って失われないようにするため風乾あるいは熱風乾燥法が好ましいが、フィルタープレスによる脱水法を除外するものではない。なお、乾式法による粉砕混合ではS2の脱水工程は不要となる。
S3の調湿・脱気工程では、湿式法で脱水された粉砕原料混合物は十分混練し、気泡を取り除くとともに混合物の均質化を行う。一方、乾式で粉砕混合された原料混合物はその混合物が粘土状になるまで水を加えて混練する。なお、原料の粉砕混合物を乾燥器等で充分に乾燥した後に粉末化し、粉末状態からの丸玉成形や高圧プレス成型に供することもできる。
一般的なセラミックス製品の焼成と異なって、本実施の形態のセラミックスは多孔質で通気性を有するため、原料や焼成前の成型物に含まれる水分、気泡、炭由来のCOなどが焼成中に膨張して破裂することはない。すなわち、発生するガスあるいは膨張するガスは細孔を経由して外部に出ることができるので、脱気は必ずしも必要ではなく省略できる。
S4の成形・乾燥工程の操作は、型枠を用いるプレス成型、石膏型枠による成形などで種々の形状に加工可能である。また、粉末状態から市販の丸玉加工機等で球状に成形すること、高圧プレス成型で板状ほか種々の形状に加工することなどができる。成形後の乾燥工程は通常風乾により十分乾燥して水分を除去するが、300℃以下の温度の過熱水蒸気による乾燥を行うことも可能である。
本実施の形態のセラミックスの焼成工程は、S6〜S8の工程の一般的な電気炉あるいはガス炉を使用して焼成する一次焼成工程と、300℃以上の高温域の過熱水蒸気炉を使用して焼成するS11〜S12の二次焼成工程とより成る。S6〜S8の一次焼成過程ではセラミックス製の容器状の焼成サヤを使用し、S5の焼成準備工程では焼成サヤ中に収納した成形物が炭粒子で覆われるようにして置き、ガス抜き用の小さな穴を開けた蓋をする。
このとき充填用に用いる粒子状の炭は好ましくは直径1〜2mm程度のヤシ殻炭を使用する。このようにして焼成すると、セラミックス原料中に添加されている炭微粉末の燃焼焼失が防止され、炭微粉末や炭由来の炭素分を含有する多孔質セラミックスへと焼成される。
S6の余熱工程に続くS7の加熱保持工程の最高温度は1300℃以下とし、好ましくは1150℃〜1300℃程度の温度で数時間〜24時間程度保持する。そして、加熱保持後にはS8の徐冷工程で放冷した後、S9で耐熱容器中から取り出し、成型物と炭を分離し、充填に使用した粉末の炭を分離除去する。S10の二次焼成準備工程では粉末炭から分離されたセラミックスは下部に水蒸気が入る様にパンチング孔をあけた耐熱容器中に収納し、S11の過熱保持工程で高温域の過熱水蒸気による焼成を受け、S12の徐冷工程で徐冷する。さらに、S13の放冷工程、S14の洗浄・乾燥工程を経て、S15で機能性多孔質セラミックスが得られる。
S11〜S12の焼成工程は図8に示した高温過熱水蒸気焼成炉を使用して行う。高温過熱水蒸気焼成炉は、過熱水蒸気発生部10と過熱水蒸気焼成炉20とから構成されている。過熱水蒸気発生部10は第1加熱炉17及び第2加熱炉19を有し、耐熱鋼15の配管内部には遠赤外線放射材料が充填される。過熱水蒸気焼成炉20は、過熱蒸気を導入する外筒23に試料容器21を挿入し、外筒23上部に蓋をする構造となっている。そして、環状炉25、27、29を取り付けて外部から加熱している。
炭複合多孔質セラミックスを過熱水蒸気焼成するための好ましい温度は700℃〜900℃とされ、その温度で1時間〜24時間程度保持して焼成する。このとき、セラミックス中の原料化合物由来の硫酸基が亜硫酸ガスとなって脱離することが独特の臭気で確認される。従って、硫酸基は炭の中における1300℃程度の一次焼成では分解されずに残存していることが明らかである。この亜硫酸ガスの発生が問題となる場合には原料に硫酸塩ではなく炭酸塩を使用する。
前述したように、生体応答には結晶構造のカイラリティが関係している可能性が高いので、当該セラミックスには何らかの結晶相が結晶構造のカイラリティを揃えて生成しているものと推察できる。
生体応答性セラミックスの主原料には、Fe換算で30重量%程度の酸化鉄を含む鉄カンラン岩系岩石が50重量%程度使用されるほか、結晶化しやすい酸化チタンも添加されている。当該セラミックスの原材料自体と一次焼成後のセラミックスには、顕著な生体応答はみられないので、過熱水蒸気による二次焼成工程を経て生体応答性の結晶相がセラミックス中に生成するものと考えられる。
本実施の形態で原料に使用した砕石の化学組成、および、製造された生体応答性セラミックスの化学組成の1例を表2にそれぞれ示す。本実施の形態のセラミックスの原料には50重量%程度の砕石原料を使用しており、原料由来の酸化鉄(Feに換算)が当該セラミックス中にも10重量%程度含まれている。このように、酸化鉄が高濃度含まれるので、過熱水蒸気による二次焼成過程において鉄酸化物系の結晶が生成しているものと推測される。
次に、特許文献2の機能性セラミックスの製造方法に従って製造された本実施の形態の生体応答性のセラミックスの粉末X線回折を図6に示す。粉末X線回折は、Rigaku SmartLab粉末X線回折装置を使用し、40KV、20mA:CuKα線で測定した。
X線回折図には数多くの回折ピークが測定されており、当該セラミックス中に多種類の結晶相が形成されていることが確認できる。これらの回折データについてJCPDSカードで結晶の同定を試みたが、各回折ピークを特定の結晶に帰属させることは困難であった。
ただし、JCPDSカードを参照すると、下線を付した回折線のd値[3.34 2.03 1.72]はFeCの回折線[3.37 2.04 1.69]に、枠で囲んだ回折線のd値[2.97 2.55 1.43]は磁鉄鉱〔Fe〕のd値[2.53 1.49 2.97]にそれぞれ近い値となっている。また、d値3.20の大きな回折ピークはセラミックスの化学組成を鑑み、d値[3.19 3.18 3.21]のCa−AlO−SiOのようなCa−Al−Si系複合酸化物系結晶と推定されるが定かではない。
当該セラミックス中にフェリ磁性体の磁鉄鉱が含有されているとすると、そのキュリー温度は585℃である。当該セラミックスは900℃程度の過熱水蒸気で長時間加熱されて製造される。従って、キュリー温度以上の温度で加熱され、常磁性体となっているものと考えられる。通常、常磁性体は再び強力な磁場中に置かれると着磁して磁石に引き寄せられる。本開発の原料に使用した鉄カンラン岩系岩石中の酸化鉄、および、1300℃程度で一次焼成の熱処理を受けた本開発のセラミックスは両方ともに強力なネオジウム磁石によって引き寄せられたので、通常の常磁性体となっている。
このように、一般的には、常磁性体は強力な磁場中におかれれば、スピンの向きを揃えて磁石に引き寄せられると考えられるが、本開発で900℃程度の高温過熱水蒸気処理を受けたセラミックスは、後述する様に、3テスラのMRIの強力磁場にも引き寄せられないものも製造される。
高温の過熱水蒸気中で、常磁性体の四三酸化鉄〔磁鉄鉱〕等が炭素で還元される際に、反強磁性のFeO等へ向けて還元されると考えられ、酸化鉄の核スピンの状態が強力磁場においても磁化されない様な状態となるものと推定される。
セラミックス中に生成している結晶の同定を行うためには、当該セラミックスの化学組成や焼成条件を種々変化させて詳細に検討することが必要である。しかし、本実施の形態では当該セラミックスの生体応答には生成した結晶のカイラリティが関係すると推定してきているので、生成した結晶の種類やそのカイラリティは不明であっても、先ず、セラミックス中に何らかの結晶が生成していることが確認されることが重要である。
また、当該セラミックスの生体応答は、その製造工程における二次焼成(過熱水蒸気焼成)後のセラミックスにおいて顕著に現れる。そして、水晶や各種天然石結晶による生体応答試験で記述したように、カイラリティが異なる、あるいは、異なると推定される結晶を同時に身に付けた際には生体応答は現れない。このことから類推すると、過熱水蒸気焼成を経て製造される本実施の形態の生体応答性を持つセラミックスの組織中には結晶構造のカイラリティが同一となった結晶相が生成しているものと考えられる。
(生体応答と脳の血流活性化)
バランステストで確認される生体応答性は、セラミックスを身に付けることで体幹の深層筋に変化が起こり、姿勢が安定するものと推定される。筋肉の活動は中枢である脳と神経系の働きで統御されているので、当該セラミックスを身に付けたときには脳の活動も活性化され、脳内血流に変化が起こることが予測される。
このように考察し、光脳機能イメージング装置(島津製作所製)を用い、頭頂部に電極を取り付けて脳内の血流を測定したところ、当該セラミックスを身に付けた場合に微弱なピーク状の応答電流が認められた。その光脳機能イメージング装置による測定結果を図8に示す。
この測定は測定電極を被験者の頭頂部にセットし、座った状態の被験者の膝上に置いた腕に当該セラミックスを30秒間置く操作を3回繰り返して行い、この30秒間3回分の電流値の積算値でデータを作成した。なお、本測定ではダミー試料による測定は行わなかったが、測定電極を前頭部に取り付けた測定では当該セラミックスを身につけたことによる応答電流は全く見られなかった。
上記光脳機能イメージング装置による測定によって、脳内血流が増加する兆候が示唆されたので、脳内血流の活性化状態をより精密に捉えることのできるファンクションMRI(F−MRI)を脳外科病院所有のGeneral Electric Company社製Discovery MR750w Expert 3.0Tで測定した。
図9は、F−MRIにより測定した脳内血流の結果を示す図である。図9(a)は生体応答性のセラミックスを付けた場合であり、図9(b)はダミーのビー玉を付けた場合である。
このMRI測定は3テスラの強力磁場中で測定を行なうので、セラミックス試料が磁場に引き寄せられないことが測定の絶対条件であった。幸いなことに、生体応答性セラミックスは強力磁場にも引き寄せられない非磁性体となっていた。
原料の鉄カンラン岩系岩石はネオジウム磁石(磁場強度100ミリテスラ)に引き寄せられ、また、一次焼成後のセラミックスも同磁石に引き寄せられる。しかし、過熱水蒸気焼成を行って製造された生体応答性セラミックスは酸化鉄を10重量%近く含有するにもかかわらず、3テスラの強力磁場にも引き寄せられない非磁性体となっていた。過熱水蒸気焼成において常磁性体の磁鉄鉱が還元され、反強磁性体のFeOの核スピン状態となるようなスピン構造変化を起したと推定されるが、詳細は不明である。
F−MRIの測定においては、内容物が外からは見えない袋に入れた生体応答性のセラミックスと、同じ形で外見では分からない袋に入れたガラス製のビー玉をダミーとして準備し、被験者にはどちらを身に付けたか分からない状態で測定を行った。
被験者がMRI装置に入り、測定開始してから15分経過後の測定データを図11に示した。図11(a)は生体応答性のセラミックスを身に着けて測定した場合であり、図11(b)はダミーのガラスのビー玉を身に着けて測定した場合である。
図11から分かるように、生体応答性のセラミックスを身に付けてF−MRIの測定を行なった場合、一定時間経過後において、脳内血流が活性化されている部位があることが確認された。図に示した被測定者については特に後頭部の小脳付近の血流が活性化されていることが伺える。
なお、測定開始直後にはダミーのビー玉の場合においても被験者の脳内血流が活性化される部分が存在したが、活性化される脳内の部位は当該セラミックスでの場合と比べて異なっており、一定時間経過後にはそれらの脳内の活性化部位も減少した。
これまでに、数人の被験者について同様のF−MRI測定を行なったが、測定データには個人差があり、セラミックスを身に付けた場合に活性化される脳内の部位や活性化の強さには個人差があった。しかし、測定者各人ともに、セラミックスを身に付けたことで、ダミーのガラスビー玉とは異なった脳内血流の活性化状態を示した。つまり、生体応答の強弱や脳内の活性化部位には違いがあるけれども、非測定者のそれぞれが当該セラミックスを身に付けることに起因すると見られる脳内血流の変化を示した。
このF−MRI測定は、無機物のセラミックスを身に付けただけで脳内血流が活性化されるという、従来の科学では考えられない突飛な現象を確認しようとしている段階であり、今後更に詳細な調査確認や、セラミックスを身につけたことで起こる代謝機能の変化なども調査してゆくことが必要である。
巷では、磁石を組み合わせたネックレスなどの商品が血流を良くし、肩こりなどの痛みの軽減に効果があるとして市販されている。しかし、磁石の磁力による血流の活性化現象については米国オクラホマ大学の研究で否定されている(非特許文献7を参照)。
本開発の生体応答セラミックスは非磁性体であるので、磁力の効果を否定する研究とは無関係ではあるが、仮に、磁石が単結晶の磁性体であり、本実施の形態で考察している右螺旋構造の結晶構造を持つ結晶であれば、生体応答に起因して血流の活性化は起こるものと推定される。
オクラホマ大学の研究で否定されたのは、磁力線の効果である。磁石で作られた健康用品が社会に広く浸透しているという事実は、磁石を組み込んだ製品の中には、個人差はあるであろうが、生体への効果を示す磁石素材が有るということを示唆しているように思われる。
本実施の形態のセラミックスを加工したモニター(被験者)試験用のネックレスを使用した数多くの方々から肩こりなどの痛みが解消した、あるいは、軽減したというモニター回答を寄せられている。
なお、本実施の形態のセラミックスは、ネックレスに限らず、ブレスレット、あるいは、腕、足、腰のサポーターに取り付けてモニターが装着するものでもよい。また、微粉砕後にシリコンやウレタンのゴム材料と複合し、インソールやサポーターに加工して装着してもよい。超微粉砕後に繊維原料に錬り込み、紡糸して衣類へと加工し、装着してもよい。
本実施の形態の生体応答性セラミックスは特許文献1の明細書に記載されている通り、遠赤外線の放射能力が高く、セラミックスの内部から超微細細孔を介して接触した水の分子へ電子を渡し、水の酸化還元電位を低下させる様な強力な還元能力を有している。このような性能がカイラリティによる生体応答性と相俟って、人体への効果を高めている可能性も考えられる。
なお、本実施の形態の機能性セラミックスには、放射能を出す放射性の原石は一切使用されておらず、マイナスイオンの発生も無いことが日本機能性イオン協会での測定で確認されている(非特許文献8を参照)。空気中のマイナスイオンは放電電離(電気製品からのマイナスイオン)、電離放射線(放射能など)により発生するのであり、放射性鉱物を含んでいる岩石などが高いマイナスイオン発生能力を有することになる。
生体応答性セラミックスが示した脳内血流の活性化現象は、高齢化社会に於いて、脳の老化に起因する種々の障害に効果を示す可能性があり、また、体幹を安定化させる機能は老化に伴う足腰の弱体化に対抗する効果にもなると推定される。
脳内血流の活性化現象が効果を示した1例について述べると、18歳で脳にくも膜下出血の障害を受けて左半身不随となった人が、5年後の現時点において、生体応答性セラミックスのネックレスを付けたところ、それを身につける前に比べて劇的な治癒効果が現れている。
本実施の形態で記述した特異な現象について完璧に説明する科学的情報が無い現段階であるので、開発を進めて市場に当該セラミックスによる種々の試供品を提供し、その効果を種々実証していく方法で事実を積み上げることが必要である。
(まとめ)
鉄カンラン岩系岩石を原料に使用し、機能性セラミックスの製造方法(特許文献1)により製造した機能性セラミックスの中に、身につけると強力な姿勢の安定化効果を示す生体応答性のセラミックスが開発された。古来、パワーストーンと呼ばれてきたような天然石の中には、身につけると姿勢の安定化効果を示すような石があり、原理は分からないけれどもその効果を利用する商品が市販されている。それらの天然石についてバランステストによる生体応答を調査したところ、多くの天然石が生体応答を示し、中でも、水晶の場合は右螺旋結晶構造の水晶にだけに生体応答が確認された。
結晶の螺旋構造の違いはカイラリティといわれ、カイラリティの違いで結晶の機能が異なることが知られている。一方、金を含有するガラスの生体応答試験では、金の結晶が生成して着色ガラスとなった場合にだけ生体応答を示し、生体応答には結晶の生成が必須と考えられた。生体応答性セラミックスの粉末X−線回折では特定結晶に帰属できない結晶による多くの回折線が存在した。カイラリティの異なる結晶を同時に身につけると生体応答が見られなくなることが水晶や外の結晶石で確認されているので、生体応答性セラミックス中には、同一のカイラリティの結晶が生成している可能性が高いと考えられる。
当該セラミックスを身につけると姿勢が安定化するという現象には中枢の脳が関係すると考えられたので、ファンクションMRI(F−MRI)で脳内血流の変化を調査したところ、当該セラミックスを身につけた場合に活性化される脳内部位があることが確認された。当該セラミックスは非磁性体であり、放射能と関係するマイナスイオンの放出も示さない。しかし、当該セラミックスを加工して製作したネックレスを使用して肩こりなどの痛みが軽減したという事例等が数多く存在した。
当該セラミックスは、高い遠赤外線放射能力と超微細細孔が関係する強力な還元能力を有しているので、このような性能がカイラリティによる生体応答性と相俟って、強力な人体への作用が現れるものと考えられた。また、その脳内血流の活性化現象は、高齢化社会に於いて、脳の老化に起因する種々の障害に効果を示す可能性があり、また、体幹を安定化させる性能は老化に伴う足腰の弱体化に対抗する働きにもなると推察される。

Claims (16)

  1. 右螺旋結晶構造が形成された物質を含み、右螺旋結晶構造と人体とが相互作用することにより人体からの応答が得られる生体応答性物質。
  2. 前記物質は、アマゾナイト、ヒスイ、スギライト、ルチルクオーツ、天眼石、アメジスト、黄銅鉱、磁鉄鉱、フローライト、オルビン、スピネル、アパタイト、サファイア、ルビー、ガーネット、黒曜石、トルマリン、水晶、金コロイドガラスの少なくとも一つを含む請求項1に記載の生体応答性物質。
  3. 前記物質は、
    炭及び酸化鉄を含むセラミック材料を焼成する一次焼成工程と、
    前記一次焼成工程で焼成したセラミック材料をさらに700℃〜900℃の温度範囲において過熱水蒸気で焼成する二次焼成工程とを含む工程で製造された機能性セラミックスを含む請求項1に記載の生体応答性物質。
  4. 岩石粉砕物、ケイ酸及びアルミナを含む窯業原料、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、貝灰の少なくとも1つから前記セラミック材料を作成する工程を含む請求項3に記載の生体応答性物質。
  5. 前記セラミック材料は、前記炭として、木炭、竹炭、コーヒー炭、ヤシ殻炭、石炭コークス、石油コークスの少なくとも1つを含む請求項3又は4に記載の生体応答性物質。
  6. 前記セラミック材料は、ジルコニウム、銀、パラジウム、金、白金、マンガン、チタン、タングステン、イットリウム、セリウム、ネオジウムの少なくとも1つを含む請求項3から5のいずれか一項に記載の生体応答性物質。
  7. 前記物質は、被験者が装着することにより被験者の人体からの応答が得られる請求項1から6のいずれか一項に記載の生体応答性物質。
  8. 前記物質は、ネックレス、ブレスレット、又は腕、足若しくは腰のサポーターに取り付けて被験者が装着する請求項7に記載の生体応答性物質。
  9. 前記物質は、粉砕後にシリコンやウレタンのゴム材料と複合し、インソールやサポーターに加工して被験者が装着する請求項7に記載の生体応答性物質。
  10. 前記物質は、粉砕後に繊維原料に錬り込み、紡糸して加工した衣類を被験者が装着する請求項7に記載の生体応答性物質。
  11. 機能性セラミックスの製造方法であって、炭及び酸化鉄を含むセラミック材料を焼成する一次焼成工程と、前記一次焼成工程で焼成したセラミック材料をさらに700℃〜900℃の温度範囲において過熱水蒸気で焼成する二次焼成工程とを含み、
    製造された当該機能性セラミックスは、右螺旋結晶構造が形成された物質を含み、右螺旋結晶構造と人体とが相互作用することにより人体からの応答が得られる生体応答性物質を構成する機能性セラミックスの製造方法。
  12. 岩石粉砕物、ケイ酸及びアルミナを含む窯業原料、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、貝灰の少なくとも1つから前記セラミック材料を作成する工程を含む請求項11に記載の機能性セラミックスの製造方法。
  13. 前記セラミック材料は、前記炭として、木炭、竹炭、コーヒー炭、ヤシ殻炭、石炭コークス、石油コークスの少なくとも1つを含む請求項11又は12に記載の機能性セラミックスの製造方法。
  14. 前記セラミック材料は、ジルコニウム、銀、パラジウム、金、白金、マンガン、チタン、タングステン、イットリウム、セリウム、ネオジウムの少なくとも1つを含む請求項11から13のいずれか一項に記載の機能性セラミックスの製造方法。
  15. 物質と人体とが相互作用することによる人体からの応答に基づいて前記物質に右螺旋結晶構造が含まれることを推定するカイラリティ推定方法。
  16. 人体からの応答は、バランステスト、光脳機能イメージング及びファンクションMRIの少なくとも1つにより測定する請求項1から15のいずれか一項に記載の生体応答性物質、機能性セラミックスの製造方法又はカイラリティ推定方法。
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