JP2018008250A - 力覚及び振動覚提示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リアリティのある高品位な感覚をユーザーに提示できる力覚及び振動覚提示装置を提供する。【解決手段】ユーザーの所定箇所に装着される筐体210と、その筐体に取り付けられ所定箇所の近傍の皮膚に対して力覚を与える2つの回転部材221L,221Rと、回転部材を回転させるモーター222L,222Rと、モーター駆動部とを備える。モーター駆動部は、皮膚に対して垂直方向の力覚を与えるとき、2つの回転部材221L,221Rを相互に逆方向に回転させる。また、水平方向の力覚を与えるとき、2つの回転部材221L,221Rを同じ方向に回転させる。さらに、皮膚に対して振動覚を与えるとき、駆動信号を所定の周波数で振動した信号とする。【選択図】図9
Description
本発明は、装着したユーザーの指などの皮膚に、力の感覚(力覚)及び振動の感覚(振動覚)を提示する、力覚及び振動覚提示装置に関する。
近年、バーチャルリアリティ技術の進展により、ディスプレイ上に表示された映像を見ているユーザーに、その映像で提示された空間を現実のように知覚させることが行われている。例えば、映像として表示された物体に、ユーザーが触れるような手の動きを行ったとき、指に対して何らかの刺激を行う装置が、表示物体に触れた場合とほぼ同様な触感を与えることで、画面上に表示された物体が実在しているとユーザーに知覚させることができる。
このような刺激を指に与える装置の1つとして、図22に示すものが先に提案されている(非特許文献1参照)。この装置は、ユーザーの指fに装着するものである。すなわち、指fに、ローラー91,92に接続されたベルト93を巻き付ける。ベルト93は、一端がローラー91に接続され、他端がローラー92に接続され、各ローラー91,92をモーター(不図示)により回転駆動させる。このとき、指fの腹fB(爪fNと反対側)がベルト93と接するように装着する。
例えば図22Aに示すように、2つのローラー91,92を逆方向に回転させて、ベルト93を巻き上げることで、指fの腹fBが上方に持ち上がるような垂直方向の感覚を指fに与えることができる。
また、例えば図22Bに示すように、2つのローラー91,92を同じ方向に回転させて、ベルト93を送るようにすることで、ベルト93の移動方向に対応して、指fの腹fBが水平に動くような感覚を指fに与えることができる。
このように、2つのローラー91,92の回転方向を適宜変更することにより、ユーザーの指fに対して垂直方向と水平方向の異なる2方向の力覚を与えることができる。例えば、グラスを指で掴むような映像に合わせて、ユーザーの指に垂直方向の力覚を与えると、ユーザーは、持っていないグラスを実際に持ったような感覚にすることができる。さらに、グラスが指から滑り落ちるような映像に合わせて、指に水平方向の力覚を与えると、ユーザーは、映像上で仮想的に持ったグラスが指から離れて行くような感覚になる。
また、例えば図22Bに示すように、2つのローラー91,92を同じ方向に回転させて、ベルト93を送るようにすることで、ベルト93の移動方向に対応して、指fの腹fBが水平に動くような感覚を指fに与えることができる。
このように、2つのローラー91,92の回転方向を適宜変更することにより、ユーザーの指fに対して垂直方向と水平方向の異なる2方向の力覚を与えることができる。例えば、グラスを指で掴むような映像に合わせて、ユーザーの指に垂直方向の力覚を与えると、ユーザーは、持っていないグラスを実際に持ったような感覚にすることができる。さらに、グラスが指から滑り落ちるような映像に合わせて、指に水平方向の力覚を与えると、ユーザーは、映像上で仮想的に持ったグラスが指から離れて行くような感覚になる。
「質量感覚を提示する指先装着型触覚ディスプレイ」日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス講演会 2007(Robomec2007) 論文集、2P1-N06 2007年5月
図22に示すようなベルトにより感覚を指に与える装置の場合、ベルトの巻き上げや移動によりユーザーの指に感覚を与えるため、上述したグラスを持つ場合のような、動きがそれ程速くない場合には、それなりの精度でユーザーに所定の感覚を与えることができる。しかしながら、図22に示すような装置では、例えば指が何らかの物体の表面を滑るといった動的に変化するような感覚をユーザーに提示することは困難であった。特に、表面が平滑でない物に触れた場合のざらざら感のような、微妙な感覚を与えることはできなかった。
また、図22に示すようなベルトを使った指に感覚を与える装置を用いて、より品位の高い動的な力覚をユーザーに与えるためには、例えばバイブレーターのような振動部材を装置に内蔵させて、単純な垂直力や水平力とは異なる感覚を発生させる必要がある。しかしながら、バイブレーターのような振動部材を装置に内蔵させると、それだけ装置が大型化すると共に構成が複雑化するという新たな問題が発生する。特に、図22に示すような指に力を与える装置は、手や指に装着して使用する装置であるから、装着時にユーザーが邪魔に感じないように、できるだけ小型で軽量にすることが好ましく、大型化や構成の複雑化は避ける必要があった。
本発明は、リアリティのある高品位な感覚をユーザーに提示できる力覚及び振動覚提示装置を提供することを目的とする。
本発明の力覚及び振動覚提示装置は、ユーザーの所定箇所に装着される筐体と、筐体に取り付けられ所定箇所の近傍の皮膚に対して力覚を与える2つの回転部材と、回転部材を回転させるモーターと、モーター駆動部とを備える。
モーター駆動部は、皮膚に対して垂直方向の力覚を与えるとき、2つの回転部材を相互に逆方向に回転させる駆動信号をモーターに供給し、皮膚に対して水平方向の力覚を与えるとき、2つの回転部材を同じ方向に回転させる駆動信号をモーターに供給すると共に、皮膚に対して振動覚を与えるとき、駆動信号を所定の周波数で振動した信号とする。
モーター駆動部は、皮膚に対して垂直方向の力覚を与えるとき、2つの回転部材を相互に逆方向に回転させる駆動信号をモーターに供給し、皮膚に対して水平方向の力覚を与えるとき、2つの回転部材を同じ方向に回転させる駆動信号をモーターに供給すると共に、皮膚に対して振動覚を与えるとき、駆動信号を所定の周波数で振動した信号とする。
本発明によれば、皮膚にモーターを使って力覚を提示する際に、モーターに供給する駆動信号を処理することにより、同じモーターを使ってユーザーに対して、振動感を持たせた高品位の感覚を簡単に提示することができる。
<1.第1の実施の形態例>
以下、本発明の第1の実施の形態例を、図1〜図8を参照して説明する。
[1−1.装置の構成]
図1は、第1の実施の形態例による、力覚及び振動覚提示装置100の全体構成を示す図である。図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。但し、図2では、力覚及び振動覚提示装置100のみを断面で示し、装置に装着した指fは外形形状を示し、指fの爪fNの向きを仮想線で示す。他の断面図についても同様である。
以下、本発明の第1の実施の形態例を、図1〜図8を参照して説明する。
[1−1.装置の構成]
図1は、第1の実施の形態例による、力覚及び振動覚提示装置100の全体構成を示す図である。図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。但し、図2では、力覚及び振動覚提示装置100のみを断面で示し、装置に装着した指fは外形形状を示し、指fの爪fNの向きを仮想線で示す。他の断面図についても同様である。
図1に示すように、力覚及び振動覚提示装置100は、ユーザーの指f(仮想線)に装着される。力覚及び振動覚提示装置100は、指fの上に載せられる小型の筐体110で構成され、筐体110の下面が指保持部111になっている。指保持部111は、湾曲した形状であり、指fの上側(爪fNが配置された側)が指保持部111と接触するようにして、指fの上に筐体110を載せる。
筐体110の上側には、回転部材である2本のローラー121L,121Rが平行に配置されている。2本のローラー121L,121Rには、筐体110内に配置されたモーター123L,123Rの回転軸(不図示)が連結され、モーター123L,123Rによる駆動で各ローラー121L,121Rが回転する。2本のローラー121L,121Rの回転軸は、指fの長手方向とほぼ平行とする。
それぞれのローラー121L,121Rには、ベルト122の一端及び他端が接続され、ローラー121L,121Rによりベルト122が巻き取られる構成である。すなわち、左側のローラー121Lにベルト122の一端が接続され、右側のローラー121Rにベルト122の他端が接続される。なお、ここでの左側及び右側とは、力覚及び振動覚提示装置100を指fに装着した状態で、手首側から指fを見たときの方向である。
2本のローラー121L,121Rの間に張り渡されたベルト122は、指保持部111から下側に垂れ下がるように配置される。そして、指fに力覚及び振動覚提示装置100を装着する際には、図1に示すように、指保持部111とベルト122との間の空間に、指fの先端が挿入される。指fの先端が指保持部111とベルト122との間に挿入された状態では、図2に断面で示すように、指fの腹fBがベルト122と接するようになる。そして、2本のローラー121L,121Rの回転で、ベルト122を巻き上げることで、指fの腹fBに対して力が加わり、指fに垂直方向(図1に示すy軸方向)の力を加えることができる。また、2本のローラー121L,121Rの回転で、ベルト122を移動させると、指fの腹fBに対してずれる力が加わり、指fに水平方向(図1に示すx軸方向)の力を加えることができる。さらに、2本のローラー121L,121Rを駆動するモーター123L,123Rに供給する駆動電圧に振動波形を重畳することで、ローラー121L,121Rに接続されたベルト122が振動しながら動き、振動した感覚を指fに与えることができる。これらの垂直方向と水平方向の力の加わり状況や振動状況の詳細については、後述する。
なお、以下の説明において、ローラー121L,121Rの正回転と称した場合、図2に示す断面でローラー121L,121Rが時計回りに回転したことを示し、逆回転は正回転と逆方向の回転を示す。また、2つのローラー121L,121Rが共に同じ方向に回転(正回転又は逆回転)するとき、同相での回転と称し、2つのローラー121L,121Rの一方が正回転で他方が逆回転であるとき、逆相での回転と称する。
[1−2.装置の内部構成]
図3は、力覚及び振動覚提示装置100の内部構成例を示す。
力覚及び振動覚提示装置100は、通信ポート131を備え、この通信ポート131を通して指に与える力などの指令を外部から受信する。通信ポート131が得た指令は、インターフェース部132で受信処理され、制御部133に供給される。なお、インターフェース部132は、無線信号の受信部とすることも可能である。
制御部133は、受信した指令に基づいて、指fに与える力の方向や振動状況を判断し、その判断に基づいて、水平力指示部134、垂直力指示部135、及び振動指示部140に対して、それぞれの方向の力又は振動を与えることを指示する。また、力覚及び振動覚提示装置100は、装着した指fの動きを検出するモーションセンサー141を備えており、制御部133は、そのモーションセンサー141によって検出された動きのデータを利用して、各方向に力又は振動を加えることを指示することもできる。
図3は、力覚及び振動覚提示装置100の内部構成例を示す。
力覚及び振動覚提示装置100は、通信ポート131を備え、この通信ポート131を通して指に与える力などの指令を外部から受信する。通信ポート131が得た指令は、インターフェース部132で受信処理され、制御部133に供給される。なお、インターフェース部132は、無線信号の受信部とすることも可能である。
制御部133は、受信した指令に基づいて、指fに与える力の方向や振動状況を判断し、その判断に基づいて、水平力指示部134、垂直力指示部135、及び振動指示部140に対して、それぞれの方向の力又は振動を与えることを指示する。また、力覚及び振動覚提示装置100は、装着した指fの動きを検出するモーションセンサー141を備えており、制御部133は、そのモーションセンサー141によって検出された動きのデータを利用して、各方向に力又は振動を加えることを指示することもできる。
水平力指示部134及び垂直力指示部135は、制御部133からの指示に基づいて、対応した力を発生させるデータを生成する。すなわち、水平力指示部134は、水平方向に提示したい力の程度を示すデータを出力し、垂直力指示部135は、垂直方向に提示したい力の程度を示すデータを出力する。それぞれの方向の力の程度を示すデータは、演算処理部136に供給される。
演算処理部136では、それぞれの方向の力のデータを線形演算処理して、各ローラー121L,121Rを駆動するモーター123L,123Rに供給する駆動データを得る。
例えば、水平方向xに提示したい力をFX、垂直方向yに提示したい力をFYとし、左側モーター123Lの駆動力をFL、右側モーター123Rの駆動力をFRとしたとき、各方向の力FX,FYは、次の[数1]式の行列式で示される。
例えば、水平方向xに提示したい力をFX、垂直方向yに提示したい力をFYとし、左側モーター123Lの駆動力をFL、右側モーター123Rの駆動力をFRとしたとき、各方向の力FX,FYは、次の[数1]式の行列式で示される。
この[数1]式に現れる行列の逆行列から、各モーター123L,123Rの駆動力FL,FRの行列式が、次の[数2]式のようになる。
この[数2]式の行列演算が、演算処理部136で行われる。
演算処理部136で得た各モーター123L,123Rの駆動データは、それぞれデジタル・アナログ変換器137L,137Rでアナログ電圧信号に変換される。デジタル/アナログ変換器137L,137Rで変換して得られたアナログ電圧信号は、それぞれ加算器138L,138Rを介して増幅器139L,139Rに供給される。増幅器139L,139Rでは、供給されるアナログ電圧信号をモーター123L,123Rを駆動するために増幅し、増幅された電圧信号を各モーター123L,123Rに供給する。
演算処理部136で得た各モーター123L,123Rの駆動データは、それぞれデジタル・アナログ変換器137L,137Rでアナログ電圧信号に変換される。デジタル/アナログ変換器137L,137Rで変換して得られたアナログ電圧信号は、それぞれ加算器138L,138Rを介して増幅器139L,139Rに供給される。増幅器139L,139Rでは、供給されるアナログ電圧信号をモーター123L,123Rを駆動するために増幅し、増幅された電圧信号を各モーター123L,123Rに供給する。
また、制御部133から振動を与える指示が振動指示部140に与えられると、振動指示部140は、指示に基づいた周期及びレベルの振動波形電圧信号を生成し、生成した振動波形電圧信号を加算器138L,138Rに供給する。そして、デジタル/アナログ変換器137L,137Rから出力されたアナログ電圧信号と振動指示部140から出力された振動波形電圧信号が加算されて、増幅器139L,139Rに供給される。
なお、振動指示部140から2つの加算器138L,138Rに供給される振動波形電圧信号は、同じ振動波形の電圧信号である場合と、2つの加算器138L,138Rに相互に逆相になる振動波形の電圧信号である場合とがある。あるいは、いずれか一方の加算器138L又は138Rにのみ振動波形電圧信号が供給され、他方の加算器には振動波形電圧信号が供給されない場合もある。
このような電圧信号が供給されると、モーター123L,123Rが回転して、更にモーター123L,123Rに接続されたローラー121L,121Rが回転する。そして、ローラー121L,121Rに接続されたベルト122が巻き取り又は送り出される。
[1−3.ベルトが指に与える力覚及び振動覚の例]
図4は、力覚及び振動覚提示装置100が指fに与える力覚及び振動覚の例を示す。
図4A〜Dは、いずれも力覚及び振動覚提示装置100を、図2と同じ断面図により示したものである。
図4は、力覚及び振動覚提示装置100が指fに与える力覚及び振動覚の例を示す。
図4A〜Dは、いずれも力覚及び振動覚提示装置100を、図2と同じ断面図により示したものである。
図4Aは、ローラー121L,121Rを逆相で回転させた例を示す。ここでの回転θ11,θ12は、ベルト122を巻き取る方向での逆相回転になる。
このとき、ベルト122は指fの腹fBを締め上げるように作用し、指fの腹fBには上向きの垂直方向の力y1が伝わる。また、各ローラー121L,121Rを回転θ11,θ12とは反対側に逆相で回転させることで、ベルト122が緩み、指fの腹fBには下向きの垂直方向の力y2が伝わる。
このとき、ベルト122は指fの腹fBを締め上げるように作用し、指fの腹fBには上向きの垂直方向の力y1が伝わる。また、各ローラー121L,121Rを回転θ11,θ12とは反対側に逆相で回転させることで、ベルト122が緩み、指fの腹fBには下向きの垂直方向の力y2が伝わる。
図4Bは、ローラー121L,121Rを同相で回転させた例を示す。ここでの同相の回転θ21,θ22は、ベルト122を右から左に移動させる方向になる。
このとき、ベルト122は指fの腹fBを左に動かすように作用し、指fの腹fBには左向きの水平方向の力x1が伝わる。
このとき、ベルト122は指fの腹fBを左に動かすように作用し、指fの腹fBには左向きの水平方向の力x1が伝わる。
図4Cは、ローラー121L,121Rを、図4Bの例とは逆方向に同相で回転させた例を示す。ここでの同相の回転θ31,θ32は、ベルト122を左から右に移動させる方向になる。
このとき、ベルト122は指fの腹fBを右に動かすように作用し、指fの腹fBには右向きの水平方向の力x2が伝わる。
このとき、ベルト122は指fの腹fBを右に動かすように作用し、指fの腹fBには右向きの水平方向の力x2が伝わる。
図4Dは、ローラー121L,121Rに振動が加わったときの例を示す。図4Dに示すように、ローラー121L,121Rが、微少な幅(角度)での交互に回転θ41,θ42を行うことで、ベルト122が微少な幅での左右の移動を繰り返し、振動した状態となって、指fの腹fBには振動q1が伝わる。ここでの2つの回転θ41,θ42は、同相での回転と逆相での回転のいずれでもよい。また、いずれか一方のローラー121L又は121Rのみが振動した状態であっても、ベルト122が振動し、指fの腹fBには振動q1が伝わる。ここでの振動は、例えば5Hz以上の高周波成分とする。
この図4Dに示すローラー121L,121Rの振動は、この振動のみを単独で行ってもよいが、図4A〜Cに示す各方向への力を与える処理と同時に行うこともできる。例えば図4Aに示すように、ローラー121L,121Rを逆相で回転させながら、その回転時に微少な振動を加えて、指fに垂直方向の力y1又はy2と振動q1とを同時に伝えることができる。また、図4B,Cに示すように、ローラー121L,121Rを同相で回転させながら、その回転時に微少な振動を加えて、指fに水平方向の力x1又はx2と振動q1とを同時に伝えることができる。
なお、図4に示すように、指fに垂直方向又は水平方向に力y1,y2,x1,x2を伝えることを、本明細書では、指fに力覚を与えると称する。また、指fに振動q1を伝えることを、本明細書では、振動覚を与えると称する。
なお、図4に示すように、指fに垂直方向又は水平方向に力y1,y2,x1,x2を伝えることを、本明細書では、指fに力覚を与えると称する。また、指fに振動q1を伝えることを、本明細書では、振動覚を与えると称する。
図5は、ローラー121L,121Rが力覚と振動覚を同時に指fに与える場合の、モーター123L,123Rに供給する駆動電圧の例を示す。
図5の横軸は時間、縦軸は電圧を示し、この電圧が高い程、指fに強い力覚を与えることに相当する。図5の縦軸の表示を「電圧(力)」としたのは、電圧に比例した力が指fに与えられるからである。この図5の例は、図5に破線で示すように、徐々に強くなった後に低下する特性の力覚Paが指fに与えられるように指示されている例である。
ここで、実際に印加する電圧Vaとして、力覚Paに相当する電圧に、微少に変動する振動状態の電圧を加えた電圧とすることで、指fに力覚Paを与えながら、振動覚についても同時に与えることが可能となる。
図5の横軸は時間、縦軸は電圧を示し、この電圧が高い程、指fに強い力覚を与えることに相当する。図5の縦軸の表示を「電圧(力)」としたのは、電圧に比例した力が指fに与えられるからである。この図5の例は、図5に破線で示すように、徐々に強くなった後に低下する特性の力覚Paが指fに与えられるように指示されている例である。
ここで、実際に印加する電圧Vaとして、力覚Paに相当する電圧に、微少に変動する振動状態の電圧を加えた電圧とすることで、指fに力覚Paを与えながら、振動覚についても同時に与えることが可能となる。
[1−4.指の変位の測定例]
図6は、ユーザーの指fが、特定の素材(接触素材)に触れた際に、指fが変位する状態を測定する例を示している。この図6に示す構成にて測定した指fの変位状態を、力覚及び振動覚提示装置100(図6では不図示)が指fに与えることで、素材に触れていない状態で、あたかも素材に触れたようなリアルな感覚を提示できるようになる。
図6は、ユーザーの指fが、特定の素材(接触素材)に触れた際に、指fが変位する状態を測定する例を示している。この図6に示す構成にて測定した指fの変位状態を、力覚及び振動覚提示装置100(図6では不図示)が指fに与えることで、素材に触れていない状態で、あたかも素材に触れたようなリアルな感覚を提示できるようになる。
図6の測定例の構成について説明すると、板11の上に、指fが接触した際の変形具合を測定する素材12(以下、「接触素材12」という)を配置し、この接触素材12の上に指fの腹fBを載せる。板11の下側には、6軸力センサー13が配置されている。6軸力センサー13は、直交する3軸(x軸、y軸、z軸)の方向に作用する力成分と、各軸の周りに作用するトルクとを同時に検出することが可能なセンサーである。
また、指fの外形形状の変形状態が、側面に配置した指変位センサー14によって検出されるようになっている。指変位センサー14としては、例えばレーザー変位計が使用される。そして、6軸力センサー13で得た各軸の力やトルクと、指変位センサー14で検出した指fの変位がコンピューター装置20に供給される。
指fの変形具合を測定するに際しては、まず接触素材12の上の指fを、接触した状態を維持して横方向Mに動かす。そして、そのときの6軸力センサー13での各軸の検出信号と指変位センサー14での変位の検出状況をコンピューター装置20に記録し、記録データから指fに加わる力覚及び振動覚を得る。ここで、指fを動かす横方向Mは、指fに与える力覚の水平方向xと一致させる。また、横方向Mと直交する垂直方向を、指fに与える力覚の垂直方向yと一致させる。
指fの変形具合を測定するに際しては、まず接触素材12の上の指fを、接触した状態を維持して横方向Mに動かす。そして、そのときの6軸力センサー13での各軸の検出信号と指変位センサー14での変位の検出状況をコンピューター装置20に記録し、記録データから指fに加わる力覚及び振動覚を得る。ここで、指fを動かす横方向Mは、指fに与える力覚の水平方向xと一致させる。また、横方向Mと直交する垂直方向を、指fに与える力覚の垂直方向yと一致させる。
このようにして、コンピューター装置20は、指fが接触素材12の表面を滑った際の指fに加わる力覚(水平方向x及び垂直方向y)と、振動覚を検出する。なお、6軸力センサー13の検出出力に基づいてコンピューター装置20が検出する振動覚は、5Hz以上の高周波成分になる。このようにして得た水平方向x及び垂直方向yの力覚の変化状態を示すデータと、5Hz以上の高周波成分の振動覚の変化状態を示すデータは、コンピューター装置20に記録される。
指fが接触する接触素材12の種類や、指fと接触素材12との接触方向によっては、振動覚(5Hz以上の高周波成分)を全く検出しない場合もあるが、通常、指fと接触素材12とが接触する際には、その接触素材12の材質(表面の滑らかさ等)によって指fが振動するため、この指fの振動状態を正確に測定して記録することができる。
また、ガラスなどのように非常に滑らかな接触素材12であっても、皮膚から強い力で押されることで摩擦が非常に強い場合には、後述するようなスティックスリップと称される、指が殆ど動かない状態と、指が急激に動く状態とを繰り返す振動状態となる場合がある。このようなスティックスリップ状態での力覚と振動覚についても、図6の測定例で示す構成で正確に測定して記録することができる。
なお、計測時には、指fをM方向に動かす代わりに、指fの位置を固定して、接触素材12を水平方向や垂直方向に動かして、計測するようにしてもよい。
また、ガラスなどのように非常に滑らかな接触素材12であっても、皮膚から強い力で押されることで摩擦が非常に強い場合には、後述するようなスティックスリップと称される、指が殆ど動かない状態と、指が急激に動く状態とを繰り返す振動状態となる場合がある。このようなスティックスリップ状態での力覚と振動覚についても、図6の測定例で示す構成で正確に測定して記録することができる。
なお、計測時には、指fをM方向に動かす代わりに、指fの位置を固定して、接触素材12を水平方向や垂直方向に動かして、計測するようにしてもよい。
力覚及び振動覚提示装置100は、このようにして計測して得た変位状態と同様の力覚及び振動覚を指fに対して与えることにより、指fが接触素材12の上を滑らせた場合の感覚を与えることができる。なお、図6に示すように計測時に指fを横方向Mに動かすのは一例であり、例えば指fを垂直方向yに動かして、接触素材12と指fが衝突する際の力覚及び振動覚を、同様の構成で測定することもできる。
[1−5.指と物体との衝突時の提示例]
次に、図7を参照して、力覚及び振動覚提示装置100を使って、指fが何らかの物体(図6に示す接触素材12など)に垂直方向に衝突した状態を再現する例について説明する。
図7Aは、指fに物体が衝突した際の、実際の皮膚変形量a1を示す。この皮膚変形量は、例えば図6に示す指変位センサー14で検出される。
図7Bは、図7Aに示すような物体が衝突した際の感覚を、力覚及び振動覚提示装置100が指fに提示する場合に、2つのモーター123L,123Rに供給する駆動電圧Vbを示す。
次に、図7を参照して、力覚及び振動覚提示装置100を使って、指fが何らかの物体(図6に示す接触素材12など)に垂直方向に衝突した状態を再現する例について説明する。
図7Aは、指fに物体が衝突した際の、実際の皮膚変形量a1を示す。この皮膚変形量は、例えば図6に示す指変位センサー14で検出される。
図7Bは、図7Aに示すような物体が衝突した際の感覚を、力覚及び振動覚提示装置100が指fに提示する場合に、2つのモーター123L,123Rに供給する駆動電圧Vbを示す。
図7Cは、物体に指fが衝突した際に、力覚及び振動覚提示装置100から指fに提示される力覚Pb(垂直方向の力又は水平方向の力)を示す。
図7Dは、物体に指fが衝突した際に、力覚及び振動覚提示装置100から指fに提示される振動覚Qaを示す。
これら図7A,B,C,Dの縦軸は、皮膚変形量、駆動電圧、力覚、又は振動覚の値を示し、横軸は時間を示す。図7A〜Dにおいて、期間T1は、物体の皮膚への接触開始から最も強く衝突するまでを示し、期間T2は、その強く衝突した状態が維持される期間を示し、期間T3は、強く衝突した状態から物体が皮膚から離れるまでを示す。
図7Dは、物体に指fが衝突した際に、力覚及び振動覚提示装置100から指fに提示される振動覚Qaを示す。
これら図7A,B,C,Dの縦軸は、皮膚変形量、駆動電圧、力覚、又は振動覚の値を示し、横軸は時間を示す。図7A〜Dにおいて、期間T1は、物体の皮膚への接触開始から最も強く衝突するまでを示し、期間T2は、その強く衝突した状態が維持される期間を示し、期間T3は、強く衝突した状態から物体が皮膚から離れるまでを示す。
図7Aに示すように、皮膚変形量a1は、期間T1で徐々に変形量が増大し、期間T2でその変形状態が維持され、期間T3で変形量が徐々に少なくなる。この皮膚変形が発生するとき、人間の皮膚に配置された受容体が接触圧力の変化と振動を感知する。例えば定常的な皮膚変形は、メルケル細胞と称される受容体が知覚し、時間的な皮膚変形や振動については、マイスナー小体やパチニ小体と称される受容体が知覚する。
この図7Aに示す接触時の皮膚変形を再現するために、モーター123L,123Rに供給する電圧が、図7Bに示す駆動電圧Vbである。ここで、2つのモーター123L,123Rに加えられる電圧は、例えば垂直方向の力覚を提示する場合、逆相で2つのローラー121L,121Rが回転する極性の電圧になる。この図7Bに示す駆動電圧Vbは、期間T1では振動しながら初期値から徐々に一定電圧まで高くなり、期間T2では、その一定電圧を維持した状態になる。さらに、期間T3では、一定電圧から振動しながら初期値に戻る。
ここで、振動しながら電圧が高くなる期間T1と、振動しながら電圧が低くなる期間T3の電圧は、例えば30Hzから200Hzの間で選定した特定周波数の振動波形を重畳した電圧とする。期間T2については、振動波形は重畳せず、一定電圧を維持して定常的な力覚のみを与える。
図7Bに示す電圧をモーター123L,123Rに供給したときに指fに提示される力覚Pbは、図7Cに示すように、モーター123L,123Rに供給する電圧変化から若干遅れたものになる。これは、モーター123L,123Rが一定の変位を生じるのに、電圧印加から時間がかかるためである。つまり、モーター123L,123Rの駆動による力覚の提示については応答性がそれほど速くなく、例えば100ms程度の遅延を生じる。このような遅延があるため、モーター123L,123Rによる駆動でベルト122の巻き上げや緩めなどを行っても、力覚だけでは、ユーザーは衝突感を明確には感じない。
ここで、本実施の形態例の場合には、図7Bに示すように期間T1の駆動電圧と期間T3の駆動電圧には、振動波形を重畳しているため、この振動波形で図7Dに示すように、期間T1,T3での振動覚Qaの提示が行われる。この振動覚Qaの提示は、図4Dに示す状態で行われる。
振動覚については、先に説明したマイスナー小体やパチニ小体と称される受容体が知覚するが、これらの受容体については振動覚の知覚時の応答性が良く、例えば10ms以下の時間遅延で知覚することができる。
振動覚については、先に説明したマイスナー小体やパチニ小体と称される受容体が知覚するが、これらの受容体については振動覚の知覚時の応答性が良く、例えば10ms以下の時間遅延で知覚することができる。
したがって、力覚及び振動覚提示装置100は、図7Cに示す力覚の提示と図7Dに示す振動覚の提示の組み合わせで、図7Aに示す皮膚変形とほぼ同様に、自然な衝突接触感、つまり、物体に皮膚が衝突し、そのまま物体に接触し続け、その後、皮膚から物体が離れるという感覚を、少ない遅延で良好にユーザーに提示できるようになる。
なお、与える力覚が水平方向であって、指fが触れた物体の表面を滑るような動作を再現する場合には、その物体表面の粗さに対応して指fが振動するため、その振動を再現するために、区間T2の駆動電圧にも、物体表面の粗さに対応した振動波形を重畳するようにしてもよい。
なお、与える力覚が水平方向であって、指fが触れた物体の表面を滑るような動作を再現する場合には、その物体表面の粗さに対応して指fが振動するため、その振動を再現するために、区間T2の駆動電圧にも、物体表面の粗さに対応した振動波形を重畳するようにしてもよい。
[1−6.スティックスリップ時の提示例]
次に、指fで物体の表面を滑らせた際に発生する現象である、スティックスリップを力覚及び振動覚提示装置100が再現する例について説明する。
スティックスリップは、ガラスのように平滑でかつ皮膚との摩擦が強い面を指fがなぞる際に生じるものである。すなわち、指を水平方向に動かそうとしたとき、摩擦が強いために、最初の状態(スティック状態)では指fが動かず皮膚変形のみが生じ、その後、指が急激に動く状態(スリップ状態)となり、スティック状態での皮膚変形が復元する状態になる。このようなスティック状態とスリップ状態とが繰り返されることをスティックスリップと称する。例えばガラスの表面を指で滑らせたときには、「キュキュ」という音が、スティック状態とスリップ状態の繰り返しで発生する。
次に、指fで物体の表面を滑らせた際に発生する現象である、スティックスリップを力覚及び振動覚提示装置100が再現する例について説明する。
スティックスリップは、ガラスのように平滑でかつ皮膚との摩擦が強い面を指fがなぞる際に生じるものである。すなわち、指を水平方向に動かそうとしたとき、摩擦が強いために、最初の状態(スティック状態)では指fが動かず皮膚変形のみが生じ、その後、指が急激に動く状態(スリップ状態)となり、スティック状態での皮膚変形が復元する状態になる。このようなスティック状態とスリップ状態とが繰り返されることをスティックスリップと称する。例えばガラスの表面を指で滑らせたときには、「キュキュ」という音が、スティック状態とスリップ状態の繰り返しで発生する。
力覚及び振動覚提示装置100は、このスティックスリップを再現することができる。
図8は、スティックスリップを再現する際の特性例を示す。
図8Aは、スティックスリップ時の実際の皮膚変形量a2を示す。
図8Bは、図8Aに示す皮膚変形量を再現するための、力覚及び振動覚提示装置100の左側モーター123Lに供給する駆動電圧Vcを示す。
図8Cは、図8Aに示す皮膚変形量を再現するための、力覚及び振動覚提示装置100の右側モーター123Rに供給する駆動電圧Vdを示す。
図8は、スティックスリップを再現する際の特性例を示す。
図8Aは、スティックスリップ時の実際の皮膚変形量a2を示す。
図8Bは、図8Aに示す皮膚変形量を再現するための、力覚及び振動覚提示装置100の左側モーター123Lに供給する駆動電圧Vcを示す。
図8Cは、図8Aに示す皮膚変形量を再現するための、力覚及び振動覚提示装置100の右側モーター123Rに供給する駆動電圧Vdを示す。
図8Dは、力覚及び振動覚提示装置100から指fに提示される力覚Pcを示す。
図8Eは、力覚及び振動覚提示装置100から指fに提示される振動覚Qbを示す。
これら図8A,B,C,D,Eの縦軸は、皮膚変形量、駆動電圧、力覚、又は振動覚の値を示し、横軸は時間を示す。図8A〜Eにおいて、期間T11,T13はスティック状態であり、期間T12,T14はスリップ状態である。図8では2周期のスティックスリップを示すが、実際には指が移動している間、この周期が繰り返される。
図8Eは、力覚及び振動覚提示装置100から指fに提示される振動覚Qbを示す。
これら図8A,B,C,D,Eの縦軸は、皮膚変形量、駆動電圧、力覚、又は振動覚の値を示し、横軸は時間を示す。図8A〜Eにおいて、期間T11,T13はスティック状態であり、期間T12,T14はスリップ状態である。図8では2周期のスティックスリップを示すが、実際には指が移動している間、この周期が繰り返される。
図8Aに示すように、スティックスリップ時には、スティック状態で皮膚変形量が直線状に増加し、スリップ状態で短時間にその皮膚変形量が元に戻る。この状態を再現するために、図8Bに示すように、一方(左側)のモーター123Lの駆動電圧Vcが、スティック状態の期間T11,T13に直線的に増加し、スリップ状態の期間T12,T14に急激に減少するようにする。そして、スリップ状態の期間T12,T14には、一定の周波数の振動波形を重畳する。
また、他方(右側)のモーター123Rの駆動電圧Vdが、スリップ状態の期間T12,T14に、一定の周波数の振動波形とする。スティック状態の期間T11,T13には、駆動電圧Vdは初期値のまま変化しない。
また、他方(右側)のモーター123Rの駆動電圧Vdが、スリップ状態の期間T12,T14に、一定の周波数の振動波形とする。スティック状態の期間T11,T13には、駆動電圧Vdは初期値のまま変化しない。
この図8B及び図8Cに示す電圧をモーター123L,123Rに供給したときに指fに提示される力覚Pcは、図8Dに示すように、モーター123Lに供給する電圧変化にほぼ連動したものになる。但し、この場合にも、電圧Vcの変化から若干遅れて、力覚Pcが提示される。特に、各期間T12,T14内での電圧変化が大きいスリップ状態は、比較的遅れて力覚Pcが提示されることになる。
一方、図8Bに示すように、モーター123Lへの期間T12の駆動電圧と期間T14の駆動電圧Vc、並びに図8Cに示すように、モーター123Rへの期間T12の駆動電圧と期間T14の駆動電圧Vdには、振動波形を重畳したため、図8Eに示すように、期間T12,T14には、振動覚Qbの提示が行われる。振動覚Qbは、知覚時の応答性が良く、例えば10ms以下の時間遅延で知覚することができる。
したがって、力覚及び振動覚提示装置100を装着したユーザーは、図8Aに示すスティックスリップ時の皮膚変形とほぼ同様なスティック及びスリップの感覚を得ることができ、スティックスリップ感を良好にユーザーに提示できるようになる。
したがって、力覚及び振動覚提示装置100を装着したユーザーは、図8Aに示すスティックスリップ時の皮膚変形とほぼ同様なスティック及びスリップの感覚を得ることができ、スティックスリップ感を良好にユーザーに提示できるようになる。
<2.第2の実施の形態例>
以下、本発明の第2の実施の形態例を、図9〜図21を参照して説明する。第2の実施の形態例を説明する図9〜図21において、第1の実施の形態例で説明した図1〜図8に対応する箇所には同一符号を付す。
以下、本発明の第2の実施の形態例を、図9〜図21を参照して説明する。第2の実施の形態例を説明する図9〜図21において、第1の実施の形態例で説明した図1〜図8に対応する箇所には同一符号を付す。
[2−1.装置の構成]
図9は、第2の実施の形態例による、力覚及び振動覚提示装置200の全体構成を示す図である。図10は、図9のB−B線に沿う断面図である。図10では、力覚及び振動覚提示装置200のみを断面として示し、指fは外形形状を示す。
図9は、第2の実施の形態例による、力覚及び振動覚提示装置200の全体構成を示す図である。図10は、図9のB−B線に沿う断面図である。図10では、力覚及び振動覚提示装置200のみを断面として示し、指fは外形形状を示す。
図9に示すように、第2の実施の形態例による力覚及び振動覚提示装置200は、ユーザーの指f(仮想線)の腹fB側に装着される。すなわち、力覚及び振動覚提示装置200は、指fが上に載せられる小型の筐体210で構成され、筐体210の上面が指保持部211とされている。指保持部211は、指fの腹fB(爪fNが配置された側と反対側)と接触して保持する湾曲した形状になっている。
筐体210の上側には、2本のローラー221L,221Rが平行に配置されている。したがって、2本のローラー221L,221Rの回転軸(不図示)は、指fの長手方向とほぼ平行になる。これら2本のローラー221L,221Rには、筐体210内に配置されたモーター222L,222Rの回転軸が連結され、モーター222L,222Rによる駆動で各ローラー221L,221Rが回転する。
それぞれのローラー221L,221Rは、指保持部211に載せられた指fの腹fBの左右の2カ所の接触位置fB1,fB2で直接に接触されるように配置されており、各ローラー221L,221Rの回転により、力覚が接触位置fB1,fB2から直接に指fに伝えられる。
それぞれのローラー221L,221Rは、指保持部211に載せられた指fの腹fBの左右の2カ所の接触位置fB1,fB2で直接に接触されるように配置されており、各ローラー221L,221Rの回転により、力覚が接触位置fB1,fB2から直接に指fに伝えられる。
例えば、2本のローラー221L,221Rが逆相で回転したとき、垂直方向の力覚が与えられ、2本のローラー221L,221Rが同相で回転したとき、水平方向の力覚が与えられる。さらに、それぞれの方向に回転する際に、モーター222L,222Rの駆動電圧に振動波形を重畳することで、ローラー221L,221Rが振動しながら回転し、振動覚が指fに与えられる。これらの各方向のp力の加わり状況や振動状況の詳細については、後述する。
[2−2.温度制御部材を取り付けた例]
第2の実施の形態例の力覚及び振動覚提示装置200の筐体210には、他の素子や機構部品を配置することができる。
図11及び図12に示す力覚及び振動覚提示装置200は、温度制御部材としてのペルチェ素子223を配置した例を示している。すなわち、図11の斜視図及び図12の断面図に示すように、力覚及び振動覚提示装置200の2本のローラー221L,221Rの間の指保持部211に、ペルチェ素子223が配置されている。ペルチェ素子223は、電圧を供給することによってその表面が冷却される素子である。
第2の実施の形態例の力覚及び振動覚提示装置200の筐体210には、他の素子や機構部品を配置することができる。
図11及び図12に示す力覚及び振動覚提示装置200は、温度制御部材としてのペルチェ素子223を配置した例を示している。すなわち、図11の斜視図及び図12の断面図に示すように、力覚及び振動覚提示装置200の2本のローラー221L,221Rの間の指保持部211に、ペルチェ素子223が配置されている。ペルチェ素子223は、電圧を供給することによってその表面が冷却される素子である。
このようなペルチェ素子223を備えることで、ローラー221L,221Rで力覚や振動覚を与える際に、ペルチェ素子223で冷たい感覚を指fの腹fBに伝えることができる。したがって、例えば力覚や振動覚で何らかの物体に触れた感覚を与えると同時に、その力覚や振動覚を与えた箇所の近傍を冷たくして、冷たい物体に触れた感覚を指fに与えることが可能になる。この場合、2カ所の接触位置fB1,fB2の間にペルチェ素子223が配置されるため、温度(冷たさ)を感じる箇所と、力覚や振動覚を感じる箇所が非常に近接する。このため、指fのほぼ同じ場所で、力覚や振動覚とともに温度感が与えられるので、例えば冷えたコップを触った感覚が得られ、より好ましいものとなる。
なお、温度制御部材としてペルチェ素子223を使用するのはあくまでも一例であり、例えば加熱する素子を配置して、暖かいものを触った感覚を指fに与えるようにすることもできる。
なお、温度制御部材としてペルチェ素子223を使用するのはあくまでも一例であり、例えば加熱する素子を配置して、暖かいものを触った感覚を指fに与えるようにすることもできる。
[2−3.押圧検出部材を取り付けた例]
図13及び図14に示す力覚及び振動覚提示装置200は、押圧検出部材としての押圧スイッチ224を配置した例を示す。すなわち、斜視図としての図13及び断面図としての図14に示すように、力覚及び振動覚提示装置200の2本のローラー221L,221Rの間の指保持部211に、押圧スイッチ224が配置されている。この押圧スイッチ224は、指fから加わる力でオンとなるスイッチであり、メカニカルスイッチで構成してもよいし、感圧フィルムなどの力センサーで構成してもよい。例えば、押圧スイッチ224をメカニカルスイッチで構成した場合には、押圧スイッチ224は、3mmから10mm程度の間の動作ストロークを持ち、オン・オフの検出だけでなく、押圧力や押圧された距離についても検出することが可能になる。
図13及び図14に示す力覚及び振動覚提示装置200は、押圧検出部材としての押圧スイッチ224を配置した例を示す。すなわち、斜視図としての図13及び断面図としての図14に示すように、力覚及び振動覚提示装置200の2本のローラー221L,221Rの間の指保持部211に、押圧スイッチ224が配置されている。この押圧スイッチ224は、指fから加わる力でオンとなるスイッチであり、メカニカルスイッチで構成してもよいし、感圧フィルムなどの力センサーで構成してもよい。例えば、押圧スイッチ224をメカニカルスイッチで構成した場合には、押圧スイッチ224は、3mmから10mm程度の間の動作ストロークを持ち、オン・オフの検出だけでなく、押圧力や押圧された距離についても検出することが可能になる。
押圧スイッチ224で得たオン・オフなどの検出データは、例えば制御部133′(図17)に供給され、力覚や振動覚を指示する外部機器に伝えられる。
この場合にも、2カ所の接触位置fB1,fB2の間に押圧スイッチ224が配置されるため、力覚や振動覚を感じる箇所と、押圧操作を行う箇所が非常に近接し、力覚や振動覚とを感じながら、その力覚や振動覚を感じた箇所で押圧操作を行うことができる。
この場合にも、2カ所の接触位置fB1,fB2の間に押圧スイッチ224が配置されるため、力覚や振動覚を感じる箇所と、押圧操作を行う箇所が非常に近接し、力覚や振動覚とを感じながら、その力覚や振動覚を感じた箇所で押圧操作を行うことができる。
[2−4.温度制御部材と押圧検出部材を取り付けた例]
図15及び図16に示す力覚及び振動覚提示装置200は、温度制御部材としてのペルチェ素子223と、押圧検出部材としての押圧スイッチ224′とを配置した例を示している。
すなわち、図15の斜視図及び図16の断面図に示すように、力覚及び振動覚提示装置200の2本のローラー221L,221Rの間の指保持部211に、ペルチェ素子223が配置される。さらに、図15に示すように、筐体210の指保持部211の途中に切断部213が形成され、この切断部213よりも先端側、つまりローラー221L,221Rが配置された側の、筐体210の内部に押圧スイッチ224′が設けられている。そして、この押圧スイッチ224′により、切断部213よりも先端側の全体が押されたとき、その押圧力を検出することができるようになっている。
図15及び図16に示す力覚及び振動覚提示装置200は、温度制御部材としてのペルチェ素子223と、押圧検出部材としての押圧スイッチ224′とを配置した例を示している。
すなわち、図15の斜視図及び図16の断面図に示すように、力覚及び振動覚提示装置200の2本のローラー221L,221Rの間の指保持部211に、ペルチェ素子223が配置される。さらに、図15に示すように、筐体210の指保持部211の途中に切断部213が形成され、この切断部213よりも先端側、つまりローラー221L,221Rが配置された側の、筐体210の内部に押圧スイッチ224′が設けられている。そして、この押圧スイッチ224′により、切断部213よりも先端側の全体が押されたとき、その押圧力を検出することができるようになっている。
図15の例では、上述したようにペルチェ素子223などの温度制御部材と、押圧スイッチ224′などの押圧力を検出する部材の両方を配置したことにより、指fに対して冷たさ(又は暖かさ)の感覚を与えることができると共に、指fによる押圧力で外部に対して何らかの指示を与えることが可能になる。
なお、図15の例では、押圧スイッチ224′は、切断部213よりも前側(指fの先端側)に配置したが、筐体210の全体に配置して、指fのどの箇所からの押圧についても検知できるようにしてもよい。
なお、図15の例では、押圧スイッチ224′は、切断部213よりも前側(指fの先端側)に配置したが、筐体210の全体に配置して、指fのどの箇所からの押圧についても検知できるようにしてもよい。
[2−5.装置の内部構成]
図17は、力覚及び振動覚提示装置200の内部構成例を示す。
図17に示す力覚及び振動覚提示装置200の内部構成は、図3に示す力覚及び振動覚提示装置100の内部構成とほぼ同じであり、制御部133′の制御下で、水平力指示部134と垂直力指示部135と振動指示部140が、対応した力覚又は振動覚を与える指示を行う点では変わらないので、重複する説明は省略する。図17の場合には、増幅器139L,139Rが出力する電圧信号により、各モーター222L,222Rが駆動される。このように各モーター222L,222Rを駆動することで、力覚及び振動覚提示装置200は、各モーター222L,222Rに接続されたローラー221L,221Rの回転が、直接的に指fに伝えられる。
図17は、力覚及び振動覚提示装置200の内部構成例を示す。
図17に示す力覚及び振動覚提示装置200の内部構成は、図3に示す力覚及び振動覚提示装置100の内部構成とほぼ同じであり、制御部133′の制御下で、水平力指示部134と垂直力指示部135と振動指示部140が、対応した力覚又は振動覚を与える指示を行う点では変わらないので、重複する説明は省略する。図17の場合には、増幅器139L,139Rが出力する電圧信号により、各モーター222L,222Rが駆動される。このように各モーター222L,222Rを駆動することで、力覚及び振動覚提示装置200は、各モーター222L,222Rに接続されたローラー221L,221Rの回転が、直接的に指fに伝えられる。
図17に示すように、力覚及び振動覚提示装置200がペルチェ素子223を備える場合(図11及び図15参照)には、制御部133′の制御下で、ペルチェ駆動部225は、ペルチェ素子駆動信号を生成し、この生成したペルチェ素子駆動信号がペルチェ素子223に供給される。
また、図13や図15に示すように、力覚及び振動覚提示装置200が押圧スイッチ224(又は224′)を備える場合には、押圧スイッチ224(又は224′)の検出データが制御部133′に供給される。この押圧スイッチ224(又は224′)の検出データは、例えば通信ポート131を介して外部機器に伝えられる。
力覚及び振動覚提示装置200の内部のその他の箇所は、図3に示す力覚及び振動覚提示装置100と同様に構成されている。
また、図13や図15に示すように、力覚及び振動覚提示装置200が押圧スイッチ224(又は224′)を備える場合には、押圧スイッチ224(又は224′)の検出データが制御部133′に供給される。この押圧スイッチ224(又は224′)の検出データは、例えば通信ポート131を介して外部機器に伝えられる。
力覚及び振動覚提示装置200の内部のその他の箇所は、図3に示す力覚及び振動覚提示装置100と同様に構成されている。
[2−6.ローラーが指に与える力覚及び振動覚の例]
図18は、力覚及び振動覚提示装置200が指fに与える力覚及び振動覚の例を示す。
図18A〜Dは、いずれも力覚及び振動覚提示装置200を、図10と同じ断面で示す。
図18は、力覚及び振動覚提示装置200が指fに与える力覚及び振動覚の例を示す。
図18A〜Dは、いずれも力覚及び振動覚提示装置200を、図10と同じ断面で示す。
図18Aは、ローラー221L,221Rを逆相で回転させた例を示す。ここでの回転θ51,θ52は、ローラー221Lが時計回りの回転、ローラー22lRが反時計回りの回転になる。
このとき、指fの腹fBには、腹fBの左右から中央側に寄せられるような力が伝わり、上向きの垂直方向の力y11が生じたような感覚を与えることができる。
このとき、指fの腹fBには、腹fBの左右から中央側に寄せられるような力が伝わり、上向きの垂直方向の力y11が生じたような感覚を与えることができる。
図18Bは、ローラー221L,221Rを、図18Aの例とは逆方向の逆相で回転させた例を示す。すなわち、ここでの回転θ61,θ62は、ローラー221Lが反時計回りの回転、ローラー22lRが時計回りの回転となる。
このとき、指fの腹fBには、腹fBの中央側から左右に引っ張るような力が伝わり、下向きの垂直方向の力y12が生じたような感覚を与えることができる。
このとき、指fの腹fBには、腹fBの中央側から左右に引っ張るような力が伝わり、下向きの垂直方向の力y12が生じたような感覚を与えることができる。
図18Cは、ローラー221L,221Rを同相で回転させた例を示す。ここでの同相の回転θ71,θ72は、いずれも時計回りの回転となる。
このとき、指fの腹fBには右向きの水平方向の力x11が伝わり、指fが力x11と反対方向に移動したような感覚を与えることができる。
図示は省略するが、ローラー221L,221Rを回転θ71,θ72とは逆方向に同相で回転させた場合には、力x11とは逆方向の力が伝わり、図18Cの場合とは逆の方向に移動したような感覚を与えることができる。
このとき、指fの腹fBには右向きの水平方向の力x11が伝わり、指fが力x11と反対方向に移動したような感覚を与えることができる。
図示は省略するが、ローラー221L,221Rを回転θ71,θ72とは逆方向に同相で回転させた場合には、力x11とは逆方向の力が伝わり、図18Cの場合とは逆の方向に移動したような感覚を与えることができる。
図18Dは、ローラー221L,221Rに振動が加わったときの例を示す。図18Dに示すように、ローラー221L,221Rが、微少な幅(角度)での交互に回転θ81,θ82を行うことで、振動した状態となり、指fの腹fBには振動q11が伝わる。ここでの2つの回転θ81,θ82は、同相での回転と逆相での回転のいずれでもよい。また、いずれか一方のローラー221L又は221Rのみが振動した状態であっても、指fの腹fBには振動q11が伝わる。ここでの振動は、例えば5Hz以上の高周波成分とする。
この図18Dに示すローラー221L,221Rの振動は、この振動のみを単独で行ってもよいが、図18A〜Cに示す各方向への力を与える処理と同時に行うこともできる。例えば図18A,Bに示すように、ローラー221L,221Rを逆相で回転させながら、その回転時に微少な振動を加えて、指fに垂直方向の力y11又はy12と振動q11とを同時に伝えることができる。また、図4Cに示すように、ローラー221L,221Rを同相で回転させながら、その回転時に微少な振動を加えて、指fに水平方向の力x11又はx12と振動q11とを同時に伝えることができる。
これらの力覚と振動覚とを同時に伝える処理は、第1の実施の形態例で説明したモーター123L,123Rに供給する駆動電圧に、所定の周波数の振動波形を重畳する処理を、モーター223L,223Rに駆動電圧を供給するモーター駆動部にも適用することで実現することができる。具体的な信号の重畳状態については、第1の実施の形態例で説明した処理と同様であり、ここでは説明を省略するが、例えば図7に示す指と物体との衝突時の感覚や、図8に示すスティックスリップ時の感覚を指fに与えることができる。
そして、力覚及び振動覚提示装置200の場合には、第1の実施の形態例と異なりベルトを使用することなく直接、指保持部211の上に指fを置くだけで装着が完了し、ユーザーは簡単に力覚及び振動覚提示装置200を装着することができる。また、指保持部211には、図11例のような温度制御部材(ペルチェ素子223など)や、図13例のような押圧検出部材(押圧スイッチ224など)を配置することができ、これらの部材と連携した高度な感覚の提示や、提示した感覚に基づいた高度な操作なども行うことができる。
[2−7.複数の指に同時に装着する例]
図9から図16に示される力覚及び振動覚提示装置200は、1本の指に装着する例として示したが、複数の指に同時に装着する装置として構成することもできる。
例えば図19に断面で示すように、力覚及び振動覚提示装置300として、2カ所の指保持部311,312を備える構成としてもよい。図19例の場合には、2カ所の指保持部311,312は、上下に背中合わせに配置される。すなわち、指保持部311の左右には、ローラー321L,321Rが配置され、指保持部312の左右には、ローラー322L,322Rが配置される。
図9から図16に示される力覚及び振動覚提示装置200は、1本の指に装着する例として示したが、複数の指に同時に装着する装置として構成することもできる。
例えば図19に断面で示すように、力覚及び振動覚提示装置300として、2カ所の指保持部311,312を備える構成としてもよい。図19例の場合には、2カ所の指保持部311,312は、上下に背中合わせに配置される。すなわち、指保持部311の左右には、ローラー321L,321Rが配置され、指保持部312の左右には、ローラー322L,322Rが配置される。
そして、図19に示すように、2本の指f1,f2を指保持部311,312に配置することで、力覚及び振動覚提示装置300が、この2本の指f1,f2で挟むようにして保持される。
そして、それぞれの指保持部311,312に配置したローラー321L,321R,322L,322Rが、各指f1,f2の腹fBに個別に力覚及び振動覚を与える。力覚及び振動覚を与える処理は、図18に示す力覚及び振動覚提示装置200と同様の処理になる。
そして、それぞれの指保持部311,312に配置したローラー321L,321R,322L,322Rが、各指f1,f2の腹fBに個別に力覚及び振動覚を与える。力覚及び振動覚を与える処理は、図18に示す力覚及び振動覚提示装置200と同様の処理になる。
また、図20に断面図として示すように、力覚及び振動覚提示装置400として、3カ所の指保持部411,412,413を備える構成とすることもできる。図20例の場合には、3カ所の指保持部411,412,413は、約120°間隔でほぼ等間隔に配置される。すなわち、指保持部411の左右には、ローラー421L,421Rが配置され、指保持部412の左右には、ローラー422L,422Rが配置され、指保持部413の左右には、ローラー423L,423Rが配置される。
そして、図20に示すように、3本の指f1,f2,f3を指保持部411,412,412に配置することで、力覚及び振動覚提示装置400が、3本の指f1,f2,f3で挟むようにして保持される。
そして、それぞれの指保持部411,412,413に配置したローラー421L,421R,422L,422R,423L,423Rが、各指f1,f2の腹fBに個別に力覚及び振動覚を与える。力覚及び振動覚を与える処理としては、図18に示す力覚及び振動覚提示装置200と同様の処理が行われ、それぞれの指f1,f2,f3に個別に力覚及び振動覚を与えることができる。
そして、それぞれの指保持部411,412,413に配置したローラー421L,421R,422L,422R,423L,423Rが、各指f1,f2の腹fBに個別に力覚及び振動覚を与える。力覚及び振動覚を与える処理としては、図18に示す力覚及び振動覚提示装置200と同様の処理が行われ、それぞれの指f1,f2,f3に個別に力覚及び振動覚を与えることができる。
この図19に示す2本指用の力覚及び振動覚提示装置300や、図20に示す3本指用の力覚及び振動覚提示装置400とすることで、複数の指で装置を保持しながら、保持した指に対して力覚や振動覚を提示することができ、良好な力覚や振動覚の提示を行うことができる。なお、力覚及び振動覚提示装置300又は400として、図11例のような温度制御部材や図13例のような押圧部材を配置してもよいことは言うまでもない。
さらに、図21に示す力覚及び振動覚提示装置500は、5本の指f1〜f5で掴む形状とした例である。
すなわち、力覚及び振動覚提示装置500は、グリップ部501と人差し指保持部502と親指保持部503とを備える。そして、人差し指保持部502は、ローラー511L,511Rを備えて、ローラー511L,511Rが人差し指f1に力覚と振動覚を与える。また、親指保持部503は、ローラー512L,512Rを備えて、ローラー512L,512Rが親指f2に力覚と振動覚を与える。
図21の例では、グリップ部501を保持する3本の指f3,f4,f5にはローラーを配置しないが、これらの指f3,f4,f5と接する箇所にもローラーを配置して、力覚と振動覚を与えるようにしてもよい。また、力覚及び振動覚提示装置500についても、図11例のような温度制御部材や図13例のような押圧部材を、各指の配置箇所に設けるようにしてもよい。
すなわち、力覚及び振動覚提示装置500は、グリップ部501と人差し指保持部502と親指保持部503とを備える。そして、人差し指保持部502は、ローラー511L,511Rを備えて、ローラー511L,511Rが人差し指f1に力覚と振動覚を与える。また、親指保持部503は、ローラー512L,512Rを備えて、ローラー512L,512Rが親指f2に力覚と振動覚を与える。
図21の例では、グリップ部501を保持する3本の指f3,f4,f5にはローラーを配置しないが、これらの指f3,f4,f5と接する箇所にもローラーを配置して、力覚と振動覚を与えるようにしてもよい。また、力覚及び振動覚提示装置500についても、図11例のような温度制御部材や図13例のような押圧部材を、各指の配置箇所に設けるようにしてもよい。
このような5本の指で掴む形状として、その内の任意の数の指に力覚及び振動覚を提示する力覚及び振動覚提示装置500としたことで、例えばビデオゲーム用のコントローラーやロボットアームの操作装置などの各種操作装置に、力覚及び振動覚を各指に個別に提示する機能を組み込むことができる。したがって、力覚及び振動覚提示装置500は、映像や機器の操作状況に合わせて、ユーザーの各指に力覚と振動覚を良好に提示できるようになる。
<3.その他の変形例>
なお、図11や図15の例では、力覚及び振動覚提示装置200に、押圧スイッチ224(224′)を配置して、指fによる押圧を検出するようにした。これに対して、ローラー221L,221Rを回転させるモーター223L,223Rによって、押圧を検出するようにしてもよい。この場合には、例えばモーター223L,223Rの駆動電圧に1kHz以上の振動波形を重畳し、その振動波形を重畳したモーター223L,223Rの電流を測定して、各モーター223L,223Rが自由回転している状態か、あるは負荷がかかって回転が規制された状態かを判断する。そして、負荷がかかって回転が規制された状態のとき、指fによる押圧があると判断する。
このようにモーター223L,223Rが押圧検出部材を兼ねることで、それだけ装置の構成を簡単にすることができる。
なお、図11や図15の例では、力覚及び振動覚提示装置200に、押圧スイッチ224(224′)を配置して、指fによる押圧を検出するようにした。これに対して、ローラー221L,221Rを回転させるモーター223L,223Rによって、押圧を検出するようにしてもよい。この場合には、例えばモーター223L,223Rの駆動電圧に1kHz以上の振動波形を重畳し、その振動波形を重畳したモーター223L,223Rの電流を測定して、各モーター223L,223Rが自由回転している状態か、あるは負荷がかかって回転が規制された状態かを判断する。そして、負荷がかかって回転が規制された状態のとき、指fによる押圧があると判断する。
このようにモーター223L,223Rが押圧検出部材を兼ねることで、それだけ装置の構成を簡単にすることができる。
また、具体的なモーターの駆動電圧の例として説明した図7例(物体との衝突時)や、図8例(スティックスリップ時)は、それぞれ好適な例を示したものであり、モーター123L,123Rや、モーター223L,223Rには、その他の状態を再現する駆動信号を供給するようにしてもよい。
また、図3や図17に示すモーター123L,123R(223L,223R)に駆動信号を供給する構成についても、あくまでも一例を示すものであり、その他の構成としてもよい。
例えば、図3では、モーター123L,123Rは、モーター駆動部としての制御部133から増幅器139L,139Rまでの構成により駆動が制御される構成とし、水平力の指示データと垂直力の指示データとの演算処理を行い、かつ振動を行う信号の加算処理で2つのモーターの駆動信号を得るようにした。これに対して、モーター駆動部として、これらの演算処理や加算処理を省略して、それぞれの動作モード時に、予め記憶したデータに基づいて、同様の駆動信号を直接得るようにしてもよい。
例えば、図3では、モーター123L,123Rは、モーター駆動部としての制御部133から増幅器139L,139Rまでの構成により駆動が制御される構成とし、水平力の指示データと垂直力の指示データとの演算処理を行い、かつ振動を行う信号の加算処理で2つのモーターの駆動信号を得るようにした。これに対して、モーター駆動部として、これらの演算処理や加算処理を省略して、それぞれの動作モード時に、予め記憶したデータに基づいて、同様の駆動信号を直接得るようにしてもよい。
また、力覚及び振動覚提示装置100,200は、回転部材としてのローラーを2個ずつ備えるようにしたが、少なくとも2個の回転部材があればよく、より多くの数の回転部材を配置してもよい。例えば、力覚及び振動覚提示装置200が備えるローラー221L,221Rを、それぞれ2つに分割して、合計で4本のローラーとして、指の先端部と中間部とを個別に力覚及び振動覚を提示できるようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態例では、指の腹の皮膚に力覚及び振動覚を提示する装置とした。これに対して、本発明は、指以外の箇所の皮膚に力覚及び振動覚を提示する装置に適用してもよい。
また、上述した各実施の形態例では、指の腹の皮膚に力覚及び振動覚を提示する装置とした。これに対して、本発明は、指以外の箇所の皮膚に力覚及び振動覚を提示する装置に適用してもよい。
11…板、12…接触素材、13…6軸力センサー、14…指変位センサー、20…コンピューター装置、91,92…ローラー、93…ベルト、100…力覚及び振動覚提示装置、110…筐体、111…指保持部、112L,112R…切欠部、121L,121R…ローラー、122…ベルト、123L,123R…モーター、131…通信ポート、132…インターフェース部、133,133′…制御部、134…水平力指示部、135…垂直力指示部、136…演算処理部、137L,137R…デジタル/アナログ変換器、138L,138R…加算器、139L,139R…増幅器、140…振動指示部、141…モーションセンサー、200…力覚及び振動覚提示装置、210…筐体、211…指保持部、212L,212R…切欠部、213…切断部、221L,221R…ローラー、222L,222R…モーター、223…ペルチェ素子、224,224′…押圧スイッチ、225…ペルチェ素子駆動部、300,400,500…力覚及び振動覚提示装置、311,312,411,412,413…指保持部、321L,321R,322L,322R,421L,421R,422L,422R,423L,423R,511L,511R,512L,512R…ローラー、501…グリップ部、502…人差し指保持部、503…親指保持部
Claims (6)
- ユーザーの所定箇所に装着される筐体と、
前記筐体に取り付けられ、前記所定箇所の近傍の皮膚に対して垂直方向及び/又は水平方向の力覚を与える少なくとも2つの回転部材と、
前記回転部材を回転させるモーターと、
前記皮膚に対して前記垂直方向の力覚を与える場合には、前記少なくとも2つの回転部材を相互に逆方向に回転させる駆動信号を前記モーターに供給し、前記皮膚に対して前記水平方向の力覚を与える場合には、前記少なくとも2つの回転部材を同じ方向に回転させる駆動信号を前記モーターに供給し、前記皮膚に対して前記垂直方向又は前記水平方向の前記力覚に加えて振動覚を与える場合には、前記駆動信号を所定の周波数で振動した信号を前記モーターに供給するモーター駆動部とを備える
力覚及び振動覚提示装置。 - 前記少なくとも2つの回転部材は、平行に配置され、ベルトの一端及び他端が取り付けられた少なくとも2つのローラーであり、
前記ベルトの一端と他端との間の箇所を前記皮膚と接触させた状態で、前記2つのローラーの回転及び振動による前記ベルトの移動及び振動により、前記皮膚に力覚及び振動覚を与える
請求項1に記載の力覚及び振動覚提示装置。 - 前記少なくとも2つの回転部材は、平行に配置され、それぞれの回転面と前記皮膚とが直接接触する少なくとも2つのローラーであり、
前記2つのローラーの回転及び振動により、前記皮膚に力覚及び振動覚を与える
請求項1に記載の力覚及び振動覚提示装置。 - 前記少なくとも2つのローラーの近傍の前記皮膚と接する箇所に、電力の供給で冷却又は発熱を行う温度制御部材を配置し、
前記少なくとも2つのローラーの回転及び振動により、前記皮膚に力覚及び振動覚を与える際に、前記温度制御部材により前記皮膚に与える温度を制御する
請求項3に記載の力覚及び振動覚提示装置。 - 前記少なくとも2つのローラーの近傍の前記筐体に、前記皮膚から加わる押圧力又は押圧距離を検出する押圧検出部を配置した
請求項3又は4に記載の力覚及び振動覚提示装置。 - 前記筐体は、映像に同期した力覚及び振動覚を指先に提示するコントローラーであり、
前記押圧検出部が検出した押圧力又は押圧距離に基づいて、前記映像に関連した制御を行うようにした
請求項5に記載の力覚及び振動覚提示装置。
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JP2016140593A JP2018008250A (ja) | 2016-07-15 | 2016-07-15 | 力覚及び振動覚提示装置 |
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-
2016
- 2016-07-15 JP JP2016140593A patent/JP2018008250A/ja active Pending
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