JP2018007492A - 制御装置、制御方法および制御プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】電流引込制御とセンサレスベクトル制御とを切り換えて用いる場合の動作をいっそう安定させることが望まれている。【解決手段】電動機が備える回転子の速度推定値を算出する速度推定部と、回転子の回転を制御する回転制御部と、回転子の回転速度が第1基準速度以下となったことに応じて速度低下状態を検出する速度低下検出部と、回転制御部が速度推定値を速度指令値に近付けるように回転子の回転を制御する第1制御モードで動作している間に速度低下状態が検出されたことに応じて、回転制御部を、速度推定値を用いずに速度指令値を用いて回転子の回転を制御する第2制御モードでの動作に切り換えて電動機を再始動する再始動部と、を備える制御装置と、当該制御装置で実行される制御方法および制御プログラムを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、制御装置、制御方法および制御プログラムに関する。
永久磁石同期電動機等の電動機の制御装置をコストダウンするため、回転子の磁極位置を検出するための位置検出器を設けずに回転制御を実現する、いわゆるセンサレスベクトル制御が実用化されている(例えば、非特許文献1および特許文献1)。センサレスベクトル制御では、電動機の端子電圧、電流などの情報から回転子の磁極位置と速度とを演算し、これらに基づいて電流制御を行うことで電動機を制御する。
また、低速回転時にはセンサレスベクトル制御に代えて、いわゆる電流引込制御を行うことが提案されている(例えば、特許文献2、3)。これらの電流引込制御では、電流の振幅を一定に、かつ、電流の角速度を速度指令値に制御して回転子を電流の回転磁界に引き込むことで電動機を制御する。
[非特許文献1]Takashi Aihara, Akio Toba, Takao Yanase, Akihide Mashimo, and Kenji Endo「Sensorless Torque Control of Salient-Pole Synchronous Motor at Zero-Speed Operation」 IEEE TRANSACTIONS ON POWER ELECTRONICS, VOL. 14, NO.1, JANUARY 1999
[特許文献1]特許第3411878号公報
[特許文献2]特開2001−190093号公報
[特許文献3]特許第5277724号公報
電流引込制御およびセンサレスベクトル制御の切り換えを、よりいっそう安定させることが望まれている。
本発明の第1の態様においては、電動機が備える回転子の速度推定値を算出する速度推定部と、回転子の回転を制御する回転制御部と、回転子の回転速度が第1基準速度以下となったことに応じて速度低下状態を検出する速度低下検出部と、回転制御部が速度推定値を速度指令値に近付けるように回転子の回転を制御する第1制御モードで動作している間に速度低下状態が検出されたことに応じて、回転制御部を、速度推定値を用いずに速度指令値を用いて回転子の回転を制御する第2制御モードでの動作に切り換えて電動機を再始動する再始動部と、を備える制御装置と、当該制御装置で実行される制御方法および制御プログラムを提供する。
本発明の第2の態様においては、電動機が備える回転子の速度推定値を算出する速度推定部と、回転子の回転を制御する回転制御部と、電動機の脱調を検出する脱調検出部と、回転制御部を、速度推定値を速度指令値に近付けるように回転子の回転を制御する第1制御モードでの動作に切り換える前に、速度推定値を用いずに速度指令値を用いて回転子の回転を制御する第2制御モードでの動作において脱調が検出されたことに応じて、電動機を再始動する再始動部と、を備える制御装置と、当該制御装置で実行される制御方法および制御プログラムを提供する。
上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。これらの特徴群のサブコンビネーションも発明となりうる。
本実施形態に係る制御装置の概略構成を示す。 本実施形態に係る制御装置の概略的な動作を示す。 通常の速度低下時の動作を示す。 異常な速度低下状態が検出される場合の動作を示す。 制御演算に使用するγ軸、δ軸を示す。 本実施形態に係る制御装置を示す。 拡張誘起電圧と角度差(磁極位置推定誤差)との関係を示す。 脱調検出部を示す。 本実施形態に係るコンピュータの構成の一例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[1.制御装置の概略構成]
図1は、本実施形態に係る制御装置1の概略構成を示す。制御装置1は、電動機9を、回転子の磁極位置検出器を使用しないで制御するものである。ここで、電動機9は回転子(図示せず)を備える。電動機9は、例えば同期電動機であってよく、本実施形態においては一例として永久磁石同期電動機である。但し、電動機9はシンクロナスリラクタンスモータであってもよい。
制御装置1は、回転制御部2と、速度推定部3と、異常検出部4と、再始動部5とを備える。制御装置1は、モード切換部6をさらに備えてよい。
回転制御部2は、回転子の回転を制御する。例えば、回転制御部2は、入力される速度指令値に応じて電力源8(一例として、三相交流電源)からの電力を電力変換して電動機9に供給することで、回転子の回転を制御してよい。
また、回転制御部2は、第1制御モードの一例としてのセンサレスベクトル制御モードと、第2制御モードの一例としての電流引込制御モードとを含む複数の制御モードを用いて電動機9の回転制御を行ってよい。例えば、回転制御部2は、センサレスベクトル制御モードでは、電動機の端子電圧、電流などの情報から回転子の磁極位置と速度とを演算し、これらに基づいて電流制御を行うことで電動機9を制御してよい。また、回転制御部2は、電流引込制御モードでは、電流の振幅を一定に、かつ、電流の角速度を速度指令値に制御して回転子を電流の回転磁界に引き込むことで、電動機9を制御してよい。
回転制御部2は、外部から入力される速度指令値の変化率を制限する加速度制限部101を有してよい。例えば、加速度制限部101は、内部に保持する速度指令値を、外部から入力される速度指令値に対して予め定められた変化率以下の範囲内で追従させつつ、制限後の速度指令値として出力してよい。回転制御部2は、加速度制限部101によって制限された速度指令値を用いて回転制御を行ってよい。
速度推定部3は、回転子の速度推定値を算出する。例えば、速度推定部3は、電動機9に供給される電圧および電流を回転制御部2から取得して、速度推定値を算出してよい。速度推定部3は、速度推定値を回転制御部2およびモード切換部6に供給してよい。
異常検出部4は、速度低下検出部および脱調検出部の少なくとも一方の一例であり、電動機9の異常を検出する。例えば、異常検出部4は、電動機9の速度低下状態および/または脱調を検出してよい。
ここで、脱調とは、例えば、回転子が電流の回転磁界に引き込まれずに、電動機9が運転不能となった状態であってよい。一例として、脱調は、電流引込制御において負荷の急変、急加速などによって加速度制限部101からの速度指令値に回転子が追従できなくなることにより生じてよい。異常検出部4は、速度低下状態および/または脱調を検出したことを再始動部5およびモード切換部6に通知してよい。
モード切換部6は、回転制御部2の制御モードを切り換える。例えば、モード切換部6は、電動機9が始動されるときに、回転制御部2を電流引込制御モードにしてよい。また、モード切換部6は、加速度制限部101から出力される速度指令値が第3基準速度Vを超えたことに応じて、回転制御部2をセンサレスベクトル制御モードに切り換えてよい。また、モード切換部6は、回転制御部2がセンサレスベクトル制御モードで動作している間に速度指令値が第2基準速度V以下となったことに応じて、回転制御部2を電流引込制御モードに切り換えてよい。第2基準速度Vは、第3基準速度Vと同じ速度であってもよいし、ヒステリシスを持たせるべく第3基準速度Vよりも低い速度であってもよい。
再始動部5は、異常検出部4により電動機9の異常が検出されたことに応じて電動機9を再始動する。電動機9を再始動するとは、例えば加速度制限部101における制限後の速度指令値を初期化することであってよく、一例として、加速度制限部101が内部に保持する速度指令値を一旦初期値(例えば零)としてから再び増加させることであってよい。電動機9が再始動されるときには回転子が一旦、停止状態になっていてもよいし、慣性によって回転していてもよい。
例えば、再始動部5は、回転制御部2を、センサレスベクトル制御モードへの切り換え前に、電流引込制御モードでの動作において脱調が検出されたことに応じて、電動機9を再始動してよい。また、再始動部5は、回転制御部2がセンサレスベクトル制御モードで動作している間に速度低下状態が検出されたことに応じて、モード切換部6により回転制御部2を電流引込制御モードでの動作に切り換えさせるとともに、電動機9を再始動してよい。制御装置1がモード切換部6を備えない場合には、再始動部5が回転制御部2を電流引込制御モードに切り換えてもよい。
以上の制御装置1によれば、センサレスベクトル制御モードで動作している間に速度低下状態が検出されたことに応じて、回転制御部2を電流引込制御モードに切り換えて電動機9を再始動するので、負荷が急変する等して速度が低下した場合の動作の安定性を向上させることができる。
また、センサレスベクトル制御モードに切り換える前に、電流引込制御モードにおいて脱調が検出されたことに応じて電動機9を再始動するので、負荷が急変する等して脱調が生じた場合の動作の安定性を向上させることができる。
[2.制御装置の概略的な動作]
続いて、制御装置1の概略的な動作について説明する。図2は、本実施形態に係る制御装置の概略的な動作を示す。
まず、制御装置1は、起動されると、S1において電流引込制御モードにより電動機9を始動する。例えば、モード切換部6は、回転制御部2の制御モードを電流引込制御モードに設定してよい。また、回転制御部2は、回転子の回転の制御を開始してよい。一例として、加速度制限部101は制限後の速度指令値を零から所望の速度指令値(例えば、外部から入力される速度指令値)まで基準加速度以下の加速度で増加させ、回転制御部2は、これを受けて電流引込制御モードで電動機9を駆動してよい。電動機9が駆動されると、速度推定部3は回転子の速度推定値を算出してよい。
次に、S3においてモード切換部6は、加速度制限部101からの速度指令値が第3基準速度Vを超えたか否かを判定する。S3において速度指令値が第3基準速度Vを超えていないと判定された場合(S3;No)には、制御装置1は、S3の処理を繰り返す。これにより、電流引込制御モードによる電動機9の制御が継続する。
S3において速度指令値が第3基準速度Vを超えたと判定された場合(S3;Yes)には、S5において再始動部5は、異常検出部4により脱調が検出されたか否かを判定する。S5において脱調が検出されたと判定された場合(S5;Yes)には、再始動部5は、電動機9を再始動するべく処理をS1に移行させる。このように、回転制御部2が電流引込制御モードで動作している間に速度指令値が第3基準速度Vを超えた場合において脱調が検出されたことに応じ、電動機9が再始動される。そのため、脱調が生じたことでセンサレスベクトル制御モードへの移行後にも回転子の位置などが検出できないと想定される場合には、移行が行われずに電動機9が再始動される結果、動作の安定性が向上する。
なお、S5の処理はS1およびS3の処理の間で行われてもよい。すなわち、回転制御部2をセンサレスベクトル制御モードでの動作に切り換える前に、電流引込制御モードでの動作において脱調が検出されたことに応じ、電動機9が再始動されてもよい。
S5において脱調が検出されないと判定された場合(S5;No)には、S7においてモード切換部6は、回転制御部2の制御モードをセンサレスベクトル制御モードに切り換える。このように、電流引込制御モードの間に速度指令値が第3基準速度Vを超え、かつ脱調が検出されていないことに応じて、回転制御部2がセンサレスベクトル制御モードに切り換えられる。
次に、S9においてモード切換部6は、加速度制限部101からの速度指令値が第2基準速度V以下であるか否かを判定する。S9において速度指令値が第2基準速度V以下であると判定された場合(S9;Yes)には、S11においてモード切換部6が回転制御部2の制御モードを電流引込制御モードに切り換え、制御装置1は処理をS3に移行させる。
また、S9において速度指令値が第2基準速度V以下でないと判定された場合(S9;No)には、S13において再始動部5は、異常検出部4により速度低下状態が検出されたか否かを判定する。例えば、異常検出部4は、回転子の回転速度が第1基準速度V以下となったことに応じて速度低下状態を検出してよい。第1基準速度Vは、第2基準速度Vよりも低い速度であってよい。S13において速度低下状態が検出されないと判定された場合(S13;No)には、制御装置1は処理をS9に移行させる。これにより、センサレスベクトル制御モードによる電動機9の制御が継続する。
また、S13において速度低下状態が検出されたと判定された場合(S13;Yes)には、S15において再始動部5は、モード切換部6によって回転制御部2の制御モードを電流引込制御モードに切り換え、電動機9を再始動するべく処理をS1に移行させる。このように、回転制御部2がセンサレスベクトル制御モードで動作している間に速度低下状態が検出されたことに応じて、回転制御部2が電流引込制御モードに切り換えられて電動機9が再始動される。そのため、速度低下状態が生じたことで加速度制限部101からの速度指令値と回転子の回転速度とが乖離し、回転子の位置などが検出できないと想定される場合には、回転制御部2が電流引込制御モードに移行して電動機9が再始動される結果、動作の安定性が向上する。
[3.通常の速度低下時の動作例]
図3は、通常の速度低下時の動作を示す。回転制御部2がセンサレスベクトル制御モードに切り換えられた後に(S7)、加速度制限部101からの速度指令値が第2基準速度Vより大きい場合(S9:No)には、センサレスベクトル制御モードにより電動機9が制御される(図中の期間T)。
次に、速度指令値が第2基準速度V以下になると(S9;Yes)、モード切換部6が回転制御部2の制御モードを電流引込制御モードに切り換え(S11)、電流引込制御モードにより電動機9が制御される(図中の期間T)。
この状態で、加速度制限部101からの速度指令値が第3基準速度V(ここでは一例として第2基準速度Vと同じ速度)より大きくなり(S3:Yes)、脱調が検出されないと(S5;No)、センサレスベクトル制御モードにより電動機9が制御される(図中の期間T)。
[4.異常な速度低下状態が検出される場合の動作]
図4は、異常な速度低下状態が検出される場合の動作を示す。回転制御部2がセンサレスベクトル制御モードに切り換えられた後に(S7)、回転子の回転速度が第1基準速度V以下となって速度低下状態が検出されたと判定された場合(S13;Yes、図中のタイミングt)には、再始動部5がモード切換部6により回転制御部2の制御モードを電流引込制御モードに切り換え(S15)、電流引込制御モードにより電動機9が再始動される(S1、図中の期間T)。
[5.γ軸、δ軸の説明]
図5は、後述の制御演算に使用するγ軸およびδ軸を示す。永久磁石同期電動機は、回転子のd軸(回転子の磁極方向)と、このd軸から位相が90度進んだq軸とに従って電流制御を行うことにより、高精度なトルク制御を実現可能である。しかし、磁極位置検出器を持たない場合にはdq軸を直接検出できないので、制御装置1は、dq軸に対応して電気角速度ωで回転する直交回転座標系のγδ軸を推定して制御演算を行う。
dq軸及びγδ軸は、図5に示されるように定義される。永久磁石同期電動機の回転子のN極方向をd軸、このd軸から90°進み方向をq軸、d軸に対応する推定軸をγ軸、このγ軸から90°進み方向をδ軸と定義する。また、図中、「ω」をdq軸の電気角速度、「ω」をγδ軸の電気角速度(=速度推定値)、「θerr」をdq軸に対するγδ軸の角度(角度差または磁極位置推定誤差ともいう)とする。
[6.制御装置の具体的な構成]
図6は、本実施形態に係る制御装置1を示す。制御装置1は、上述の加速度制限部101および再始動部5に加え、減算器103、速度調節器105、電流指令演算部107、電流指令演算部109、切換スイッチ111、113、減算器115、117、電流調節器119、電圧座標変換器121、PWM回路123、電力変換器131、整流回路133、u相電流検出器135、w相電流検出器137、電流座標変換器139、拡張誘起電圧演算器141、角度演算器143、速度推定器145、切換スイッチ151、電気角演算器153、速度低下検出部161および脱調検出部163などを備える。
このうち、加速度制限部101、減算器103、速度調節器105、電流指令演算部107、電流指令演算部109、切換スイッチ111、113、減算器115、117、電流調節器119、電圧座標変換器121、PWM回路123、電力変換器131、整流回路133、u相電流検出器135、w相電流検出器137、電流座標変換器139および電気角演算器153などは、上述の回転制御部2を構成して、回転子の回転を制御してよい。例えば、詳細は後述するが、回転制御部2は、電力源8からの三相交流電圧を整流回路133で整流して直流電圧に変換し、PWMインバータを有する電力変換器131で所望の三相交流電圧に変換して電動機9に印加することで、電動機9を駆動する。
また、拡張誘起電圧演算器141、角度演算器143、速度推定器145および切換スイッチ151などは、上述の速度推定部3を構成して、回転子の速度推定値を算出してよい。また、速度低下検出部161および脱調検出部163などは上述の異常検出部4を構成して、電動機9の異常を検出してよい。また、切換スイッチ111、113、および切換スイッチ151などは、上述のモード切換部6の一部として動作して回転制御部2の制御モードを切り換えてよい。但し、図6に示される各構成は、図1における他の構成に含まれてもよく、例えば電流座標変換器139は速度推定部3に含まれてもよいし、切換スイッチ151は回転制御部2に含まれてもよい。
加速度制限部101は、外部から速度指令値ωを受信して、その変化率が制限されるように速度指令値ωHLR を算出する。例えば、加速度制限部101は、速度指令値ωHLR の変化率が基準変化率以下となるように、速度指令値ωから速度指令値ωHLR を算出してよい。加速度制限部101は、速度指令値ωHLR を減算器103と、切換スイッチ151の「S1」端子に供給してよい。
再始動部5は、加速度制限部101で算出される速度指令値ωHLR を初期化する、つまり初期値(一例として零)にすることにより、電動機9を再始動する。例えば、再始動部5は、異常検出部4で異常が検出されたことに応じて、速度指令値ωHLR を初期化してよい。
減算器103は、速度指令値ωHLR と、γδ軸の速度推定値(電気角速度)ωrestとの偏差を演算する。速度推定値ωrestは、後述の速度推定器145から供給されてよい。減算器103は、演算結果を速度調節器105に供給してよい。
速度調節器105は、減算器103から供給される偏差を増幅して、回転子のトルク指令値τを演算する。速度調節器105は、トルク指令値τを電流指令演算部107に供給してよい。
電流指令演算部107は、トルク指令値τを用いて、γδ軸方向に流されるべき電流の指令値であるγδ軸電流指令値iγ 、iδ を演算する。電流指令演算部107は、γδ軸電流指令値iγ 、iδ を、切換スイッチ111、113の「S2」端子に供給してよい。
電流指令演算部109は、トルク指令値τを用いずにγδ軸電流指令値iγ 、iδ を演算する。電流指令演算部109は、γδ軸電流指令値iγ 、iδ を、切換スイッチ111、113の「S1」端子に供給してよい。
切換スイッチ111、113は、「S1」端子および「S2」端子のいずれか一方を導通させることで、電流指令演算部107、109の何れか一方からのγδ軸電流指令値iγ 、iδ を減算器115、117に供給させる。例えば、切換スイッチ111、113は、電流引込制御モードにおいては「S1」端子に接続されて、速度推定器145からの速度推定値(電気角速度)ωrestに基づかない電流指令演算部109からのγδ軸電流指令値iγ 、iδ を減算器115、117に供給する。その一方で、切換スイッチ111、113は、センサレスベクトル制御モードにおいては、「S2」端子に接続されて、速度推定器145からの速度推定値(電気角速度)ωrestに基づく電流指令演算部107からのγδ軸電流指令値iγ 、iδ を減算器115、117に供給する。なお、切換スイッチ111、113と、減算器115、117との間には、ローパスフィルタが設けられてもよい。
減算器115は、γ軸電流指令値iγ と、γ軸方向に流れる電流の検出値であるγ軸電流検出値iγとの偏差を演算する。γ軸電流検出値iγは、後述の電流座標変換器139から供給されてよい。減算器115は、演算結果を電流調節器119に供給してよい。
減算器117は、δ軸電流指令値iδ と、δ軸方向に流れる電流の検出値であるδ軸電流検出値iδとの偏差を演算する。δ軸電流検出値iδは、後述の電流座標変換器139から供給されてよい。減算器117は、演算結果を電流調節器119に供給してよい。
電流調節器119は、減算器115、117から供給される偏差をそれぞれ増幅して、γδ軸方向に供給する電圧の指令値であるγ軸電圧指令値vγ およびδ軸電圧指令値vδ を演算する。電流調節器119は、γ軸電圧指令値vγ およびδ軸電圧指令値vδ を電圧座標変換器121および拡張誘起電圧演算器141に供給してよい。
電圧座標変換器121は、γδ軸の電圧指令値vγ 、vδ を、γδ軸の角度(位相)θの値に基づいて三相の相電圧指令値v 、v 、v に変換する。角度θは、後述の電気角演算器153から供給されてよい。電圧座標変換器121は、相電圧指令値v 、v 、v をPWM回路123に供給してよい。
PWM回路123は、相電圧指令値v 、v 、v 、および、電力変換器131への入力電圧Edcとから、電力変換器131に対するゲート信号を生成する。入力電圧Edcは、後述の入力電圧検出回路125から供給されてよい。
電力変換器131は、PWMインバータを有しており、後述のPWM回路123から入力されるゲート信号に基づいて内部の半導体スイッチング素子を制御する。これにより、電力変換器131は、整流回路133により印加される電動機9の端子電圧を、相電圧指令値v 、v 、v に制御する。
整流回路133は、三相交流電源としての電力源8から供給される交流電流を整流して、直流電圧を生成し電力変換器131に供給する。
入力電圧検出回路125は、整流回路133から電力変換器131への入力電圧Edcを検出する。入力電圧検出回路125は、入力電圧EdcをPWM回路123に供給してよい。
u相電流検出器135およびw相電流検出器137は、電力変換器131と電動機9との間で、u相およびw相に流される電流値を相電流検出値i、iとして検出する。u相電流検出器135およびw相電流検出器137は、相電流検出値i、iを電流座標変換器139に供給してよい。
電流座標変換器139は、γδ軸の角度θに基づいて相電流検出値i、iを、γδ軸方向の電流検出値であるγδ軸電流検出値iγ、iδに座標変換する。角度θは電気角演算器153から供給されてよい。電流座標変換器139は、γδ軸電流検出値iγ、iδを減算器115、117および拡張誘起電圧演算器141に供給してよい。なお、電流座標変換器139は、u相、v相およびw相のうち、他の2相の相電流検出値を用いて座標変換を行ってもよいし、3相の全てを用いて座標変換を行ってもよい。
拡張誘起電圧演算器141は、次の式(1)で表されるように、電動機9に供給する電圧指令値vγ 、vδ および電動機9に流れる電流検出値iγ、iδから、γ軸拡張誘起電圧演算値eexγestおよびδ軸拡張誘起電圧演算値eexδestを演算する。拡張誘起電圧演算器141は、γ軸拡張誘起電圧演算値eexγestおよびδ軸拡張誘起電圧演算値eexδestを角度演算器143および脱調検出部163に供給してよい。また、拡張誘起電圧演算器141は、γ軸拡張誘起電圧演算値eexγestを速度低下検出部161に供給してよい。
Figure 2018007492
ここで、式中、「p」は微分演算子、「L」はd軸インダクタンス、「L」はq軸インダクタンス、「R」は電機子抵抗である。なお、式中のγ軸電圧指令値vγ 、δ軸電圧指令値vδ の代わりにγ軸電圧vγ、δ軸電圧vδを使ってもよい。これらのγ軸電圧vγ、δ軸電圧vδは、入力電圧検出回路125を使って測定される電動機9の相電圧または線間電圧の値と、位置推定値θとから演算することができる。
角度演算器143は、拡張誘起電圧の角度δeexestを演算する。拡張誘起電圧の角度δeexestについては、図7を用いて説明を後述する。角度演算器143は、拡張誘起電圧の角度δeexestを速度推定器145に供給してよい。
速度推定器145は、拡張誘起電圧の角度δeexestから回転子の速度推定値ωrestを演算する。速度推定器145は、速度推定値ωrestを減算器103と、切換スイッチ151の「S2」端子とに供給してよい。
切換スイッチ151は、「S1」端子および「S2」端子のいずれか一方を導通させることで、加速度制限部101からの速度指令値ωHLR と、速度推定器145からの速度推定値ωrestとの何れか一方をγδ軸角速度ωとして電気角演算器153、拡張誘起電圧演算器141および速度低下検出部161に供給する。例えば、切換スイッチ151は、電流引込制御モードにおいては「S1」端子に接続されて、加速度制限部101からの速度指令値ωHLR を電気角演算器153、拡張誘起電圧演算器141および速度低下検出部161に供給する。その一方で、切換スイッチ151は、センサレスベクトル制御モードにおいては「S2」端子に接続されて、速度推定器145からの速度推定値ωrestを電気角演算器153、拡張誘起電圧演算器141および速度低下検出部161に供給する。
電気角演算器153は、γδ軸角速度ωを積分してγδ軸の角度θを演算する。電気角演算器153は、角度θを電流座標変換器139および電圧座標変換器121に供給してよい。
速度低下検出部161は、速度推定値ωおよびδ軸拡張誘起電圧演算値eexδestから速度低下状態を検出する。速度低下検出部161は、速度低下状態を検出したことを再始動部5に通知してよい。
脱調検出部163は、γ軸拡張誘起電圧演算値eexγest、δ軸拡張誘起電圧演算値eexδestから脱調を検出する。脱調検出部163は、脱調を検出したことを再始動部5に通知してよい。
[7.制御装置の具体的な動作]
次に、制御装置1の動作について説明する。上述のS1で実行される電流引込制御モードでは、モード切換部6は切換スイッチ151および切換スイッチ111、113の入力をそれぞれ「S1」に設定する。
加速度制限部101は、速度指令値ωの変化率を制限して、速度指令値ωHLR を演算する。例えば加速度制限部101は速度指令値ωHLR を零から速度指令値ωまで基準加速度以下の加速度で増加させてよい。ここで、切換スイッチ151の入力は「S1」に設定されているので、γδ軸の角速度ωが速度指令値ωHLR に制御される。電気角演算器153は、γδ軸の角速度ωを積分してγδ軸の角度θを演算する。
また、切換スイッチ111、113の入力「S1」に接続された電流指令演算部109は、γδ軸電流指令値iγ 、iδ を次の式(2)のように制御する。すなわち、電流指令演算部109は、γ軸電流指令値iγ を零ではない定数値、δ軸電流指令値iδ を零にすることにより、γδ軸の角度θに対して回転子の向きを合わせるように電流指令値iγ 、iδ を出力する。
Figure 2018007492
電流座標変換器139は、u相電流検出器135およびw相電流検出器137によりそれぞれ検出した相電流検出値i、iを、γδ軸の角度θに基づいてγδ軸電流検出値iγ、iδに座標変換する。
γ軸電流指令値iγ とγ軸電流検出値iγとの偏差を減算器115が演算し、この偏差を電流調節器119が増幅してγ軸電圧指令値vγ を演算する。一方、δ軸電流指令値iδ とδ軸電流検出値iδとの偏差を減算器117が演算し、この偏差を電流調節器119が増幅してδ軸電圧指令値vδ を演算する。これらの電圧指令値vγ 、vδ は、電圧座標変換器121によってγδ軸の角度θに基づき相電圧指令値v 、v 、v に変換される。整流回路133は電力源8としての三相交流電源を整流して直流電圧を電力変換器131に供給する。
PWM回路123は、相電圧指令値v 、v 、v 、及び、入力電圧検出回路125により検出した電力変換器131の入力電圧Edcからゲート信号を生成する。電力変換器131は、上記ゲート信号に基づいて内部の半導体スイッチング素子を制御することで、電動機9の端子電圧を相電圧指令値v 、v 、v に制御する。これらの制御により、振幅がIapull 、角速度が速度指令値ωHLR に等しい電流ベクトルが発生して回転子が電流ベクトルに引き込まれ、回転子の角速度ωは速度指令値ωHLR 、ひいては速度指令値ωに制御される。
次に、速度指令値ωHLR が第3基準速度Vを超えた場合(S3;Yes)のセンサレスベクトル制御モードでの動作について説明する。なお、説明は電流引き込み制御と異なる部分を中心に行い、重複する箇所の説明は省略する。
上述のS7で実行されるセンサレスベクトル制御モードでは、モード切換部6は切換スイッチ151および切換スイッチ111、113の入力をそれぞれ「S2」に設定する。速度指令値ωHLR と、後述のように速度推定部3により算出される速度推定値ωrestとの偏差を減算器103が演算し、この偏差を速度調節器105が増幅してトルク指令値τを演算する。電流指令演算部107は、トルク指令値τに基づいて、トルク/電流が最大になる条件でγδ軸電流指令値iγ 、iδ を演算する。切換スイッチ111、113の入力は「S2」に設定されているので、電流指令演算部107の出力が減算器115、117に供給される。
減算器115、117、電流調節器119、電流座標変換器139、および、電圧座標変換器121の動作は、電流引き込み制御の場合と同じであり、これらによってγδ軸電流iγ、iδが指令値iγ 、iδ に一致するように相電圧指令値v 、v 、v が制御される。
一方、拡張誘起電圧演算器141には、γδ軸電圧指令値vγ 、vδ 、γδ軸電流検出値iγ、iδ及び速度推定値ω(一例として速度推定値ωrest)が入力される。拡張誘起電圧演算器141は上述の式(1)により拡張誘起電圧eexを演算する。
ここで、γδ軸拡張誘起電圧の角度δeexestはdq軸とγδ軸との角度差(=磁極位置推定誤差)θerrに等しい。そのため、角度演算器143は、拡張誘起電圧の角度δeexestを次の式(3)により演算し、この角度δeexestを、次の式(4)に示す如く磁極位置推定誤差演算値θerrestとする。
Figure 2018007492
Figure 2018007492
速度推定器145は磁極位置推定誤差演算値θerrestを入力とするPI調節器により速度推定値ωrestを次の式(5)により演算する。ここで、式中、「K」は速度推定器比例ゲイン、「K」は速度推定器積分ゲインである。
Figure 2018007492
切換スイッチ151の入力は「S2」に設定されているので、γδ軸角速度ω1が速度推定値ωrestに制御される。この角速度ω1は、電気角演算器153及び拡張誘起電圧演算器141に入力される。
電気角演算器153は、電流引込制御と同様に、γδ軸角速度ωを積分して磁極位置推定値θ(γδ軸の角度に等しい)を演算する。
上述した拡張誘起電圧演算器141、角度演算器143、速度推定器145及び電気角演算器153により、γδ軸とdq軸との角度差θerrを零に収束させることができ、これによって磁極位置θ及び速度ωを正確に推定することが可能になる。これより、電動機9のトルク及び速度を正確に制御することができる。
以上のセンサレスベクトル制御モードにおいて速度指令値が第2基準速度V以下になった場合(S9;Yes)には、モード切換部6により回転制御部2が電流引込制御モードでの動作に切り換えられる。例えば、モード切換部6は切換スイッチ151および切換スイッチ111、113の入力をそれぞれ「S1」に設定してよい。但し、このとき加速度制限部101は、速度指令値ωHLR を零にせずに、速度指令値ωの変化率を制限して速度指令値ωHLR を演算する。
次に、センサレスベクトル制御モードにおいて負荷急変などにより速度低下状態が生じる場合の動作について説明する。
速度低下検出部161は、回転子の回転速度が第1基準速度V以下となったことに応じて速度低下状態を検出する。例えば、速度低下検出部161は、速度推定値ωが第1基準速度V以下となったことに応じて速度低下状態を検出してよい。速度低下検出部161は、速度推定値ωが第1基準速度V以下となったことに応じて速度低下検出信号を「H」にし、そうでない場合には「L」にしてよい。
これに代えて/加えて、速度低下検出部161は、拡張誘起電圧を用いて速度低下状態を検出してよい。例えば、速度低下検出部161は、δ軸拡張誘起電圧演算値eexδestが基準値以下であることを条件として、速度低下状態を検出してよい。速度低下検出部161は、δ軸拡張誘起電圧演算値eexδestが第1基準値以下となったことに応じて速度低下検出信号を「H」にし、そうでない場合には「L」にしてよい。また、速度低下検出部161は、速度推定値ω(回転子の回転速度)が第1基準速度V以下となったことと、δ軸拡張誘起電圧演算値eexδestが第1基準値以下となったこととのAND条件、OR条件により速度低下検出信号を切り換えてもよい。
これらに代えて/加えて、速度低下検出部161は、電動機9に供給する電圧および電動機9に流れる電流から演算される誘起電圧を用いて速度低下状態を検出してよい。例えば、速度低下検出部161は、次の式(6)で演算されるδ軸誘起電圧演算値emfδestが第2基準値以下となったことに応じて速度低下検出信号を「H」にし、そうでない場合には「L」にしてよい。また、速度低下検出部161は、速度推定値ω(回転子の回転速度)が第1基準速度V以下となったことと、δ軸拡張誘起電圧演算値eexδestが第1基準値以下となったこととの少なくとも一方と、δ軸誘起電圧演算値emfδestが第2基準値以下となったこととのAND条件、OR条件により速度低下検出信号を切り換えてもよい。
Figure 2018007492
センサレスベクトル制御モードにおいて速度低下検出信号が「H」になった場合(S13;Yes)には、再始動部5はモード切換部6により回転制御部2を電流引込制御モードでの動作に切り換えさせるとともに、電動機9を再始動する。例えば、モード切換部6が切換スイッチ151の入力を「S1」に設定し、切換スイッチ111、113の入力を「S1」に設定してよい。また、再始動部5が加速度制限部101により算出される速度指令値ωHLR を零に初期化してから、速度指令値ωまで所定の加速度で増加させてよい。
次に、電流引込制御モードにおいて脱調が生じる場合の動作について説明する。
脱調検出部163は、γδ軸拡張誘起電圧演算値eexγest、eexδestを用いて脱調を検出してよい。脱調検出部163は、脱調を検出したことに応じて脱調検出信号を「H」にし、そうでない場合は「L」にしてよい。なお、脱調検出部163については、詳細を後述する。
電流引込制御モードにおいて加速度制限部101からの速度指令値ωHLR が第3基準速度Vを超え、かつ、脱調検出部163からの脱調検出信号が「H」である場合(S5;Yes)には、再始動部5は電動機9を再始動する。例えば、再始動部5が加速度制限部101により算出される速度指令値ωHLR を零に初期化してから、速度指令値ωまで所定の加速度で増加させてよい。
[8.拡張誘起電圧および角度差(磁極位置推定誤差)の説明]
図7は、拡張誘起電圧と角度差(磁極位置推定誤差)との関係を示す。拡張誘起電圧eexは、回転子と直交方向であるq軸方向に発生する。この図から明らかなように、γδ軸で観測した拡張誘起電圧の角度δeexはdq軸とγδ軸との角度差(=磁極位置推定誤差)θerrと等しい。これにより、上述の式(3)、(4)を用いて角度差(=磁極位置推定誤差)θerrを演算することができる。
[9.脱調検出部の説明]
次に、脱調検出部163について説明する。上述の式(2)に示したように、電流引込制御において電流をγ軸方向に制御する場合には、モータのトルクτと、γδ軸およびdq軸の角度差θerrとは、次の式(7)の関係を満たす。式中、「Ψm」は永久磁石磁束である。
Figure 2018007492
この式で示されるように、電流引込制御でのトルクτは、一般に、角度差θerrの大きさが基準値以下のときに角度差θerrの増加関数となる。電流引込制御により安定して運転できるのは、トルクτが角度差θerrの増加関数の場合であり、角度差θerrが基準角以上になると脱調する。このことから、脱調検出部163は、角度差θerrの演算値である角度差演算値θerrestfを用いて脱調を検出してよく、例えば角度差演算値θerrestfが基準角以上になったことに応じて脱調を検出してよい。
また、回転子の速度が低いときには、拡張誘起電圧が小さく、角度差演算値θerrestfの演算誤差により正確に脱調を検出することが難しい。そのため、脱調検出部163は、速度に比例する拡張誘起電圧の大きさを用いて脱調を検出してよい。例えば、脱調検出部163は、拡張誘起電圧演算値のベクトル和eexaestfが基準電圧以下であることに応じて脱調を検出してもよい。
なお、脱調が継続すると、角度差θerrは±180°の範囲で変化を繰り返すので、角度差演算値θerrestfの瞬時値に応じた脱調の有無をそのまま出力すると、検出結果の出力タイミングによっては、脱調していることが外部に認識されない場合がある。そこで、脱調検出部163は、脱調したことを示す信号を、オフディレイさせて出力することが好ましい。出力信号のオフタイミングを遅延することにより、脱調状態を検出可能な期間を増やすことができる。また、信号がオン・オフを繰り返す場合には、オン期間およびオフ期間の間をオフディレイで埋めることにより、脱調状態を確実に検出可能とすることができる。
図8は、脱調検出部163を示す。脱調検出部163は、ローパスフィルタ1631、1632、角度演算器1633、ベクトル和演算器1634、脱調判定器1635およびオフディレイ1637を有している。
ローパスフィルタ1631、1632は、γδ軸拡張誘起電圧演算値eexγest、eexδestのローパス成分eexγestf、eexδestfを演算する。ローパスフィルタ1631、1632は、ローパス成分eexγestf、eexδestfを角度演算器1633およびベクトル和演算器1634にそれぞれ供給してよい。
角度演算器1633は、拡張誘起電圧の角度(位相差)δeexestfを次の式(8)で演算する。図7を用いて上述したように、拡張誘起電圧の角度δeexestfは、γδ軸とdq軸との角度差θerrに等しい。そのため、角度演算器1633は、角度差演算値θerrestfを次の式(9)で演算する。角度演算器1633は、角度差演算値θerrestfを脱調判定器1635に供給してよい。
Figure 2018007492
Figure 2018007492
ベクトル和演算器1634は、拡張誘起電圧演算値のベクトル和eexaestfを次の式(10)で演算する。ベクトル和演算器1634は、ベクトル和eexaestfを脱調判定器1635に供給してよい。
Figure 2018007492
脱調判定器1635は、角度差演算値θerrestfおよび拡張誘起電圧演算値のベクトル和eexaestfを用いて脱調を判定する。例えば、脱調判定器1635は、角度差演算値θerrestfの絶対値が基準角以上になったこと、または、拡張誘起電圧演算値のベクトル和eexaestfが基準電圧以下になったことに応じて瞬時脱調検出信号を「H」にし、そうでない場合は「L」にしてよい。但し、脱調判定器1635は、両者のAND条件により瞬時脱調検出信号を切り替えてもよい。
オフディレイ1637は、瞬時脱調検出信号をオフディレイさせた脱調検出信号を出力する。これにより、脱調していることが確実に外部に認識される。
[10.コンピュータの構成]
図9は、本実施形態に係るコンピュータ1900の構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ1900は、制御装置1として機能する。
本実施形態に係るコンピュータ1900は、ホスト・コントローラ2082により相互に接続されるCPU2000、RAM2020、グラフィック・コントローラ2075、及び表示装置2080を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ2084によりホスト・コントローラ2082に接続される通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、及びDVDドライブ2060を有する入出力部と、入出力コントローラ2084に接続されるROM2010、フラッシュメモリ・ドライブ2050、及び入出力チップ2070を有するレガシー入出力部を備える。
ホスト・コントローラ2082は、RAM2020と、高い転送レートでRAM2020をアクセスするCPU2000及びグラフィック・コントローラ2075とを接続する。CPU2000は、ROM2010及びRAM2020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等がRAM2020内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置2080上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
入出力コントローラ2084は、ホスト・コントローラ2082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、DVDドライブ2060を接続する。通信インターフェイス2030は、有線又は無線によりネットワークを介して他の装置と通信する。また、通信インターフェイスは、通信を行うハードウェアとして機能する。ハードディスクドライブ2040は、コンピュータ1900内のCPU2000が使用するプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ2060は、DVD2095からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。
また、入出力コントローラ2084には、ROM2010と、フラッシュメモリ・ドライブ2050、及び入出力チップ2070の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM2010は、コンピュータ1900が起動時に実行するブート・プログラム、及び/又は、コンピュータ1900のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フラッシュメモリ・ドライブ2050は、フラッシュメモリ2090からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。入出力チップ2070は、フラッシュメモリ・ドライブ2050を入出力コントローラ2084へと接続するとともに、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ2084へと接続する。
RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供されるプログラムは、フラッシュメモリ2090、DVD2095、又はICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM2020を介してコンピュータ1900内のハードディスクドライブ2040にインストールされ、CPU2000において実行される。
コンピュータ1900にインストールされ、コンピュータ1900を制御装置1の少なくとも一部として機能させるプログラムは、回転制御モジュール、速度推定モジュール、異常検出モジュール、再始動モジュール、モード切換モジュールおよび加速度制限モジュールのうち少なくとも1つを備える。これらのプログラム又はモジュールは、CPU2000等に働きかけて、コンピュータ1900を、回転制御部2、速度推定部3、異常検出部4、再始動部5およびモード切換部6としてそれぞれ機能させてよい。
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1900に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段であるCPU2000等に働きかけて、コンピュータ1900を、回転制御部2、速度推定部3、異常検出部4、再始動部5およびモード切換部6として機能させる。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1900の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の制御装置1が構築される。
一例として、コンピュータ1900と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU2000は、RAM2020上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェイス2030に対して通信処理を指示する。通信インターフェイス2030は、CPU2000の制御を受けて、RAM2020、ハードディスクドライブ2040、フラッシュメモリ2090、又はDVD2095等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェイス2030は、DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU2000が転送元の記憶装置又は通信インターフェイス2030からデータを読み出し、転送先の通信インターフェイス2030又は記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
また、CPU2000は、ハードディスクドライブ2040、DVDドライブ2060(DVD2095)、フラッシュメモリ・ドライブ2050(フラッシュメモリ2090)等の外部記憶装置に格納されたファイルまたはデータベース等の中から、全部または必要な部分をDMA転送等によりRAM2020へと読み込ませ、RAM2020上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU2000は、処理を終えたデータを、DMA転送等により外部記憶装置へと書き戻す。このような処理において、RAM2020は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM2020及び外部記憶装置等をメモリ、記憶部、または記憶装置等と総称する。例えば、制御装置1の記憶部は、回転制御部2、速度推定部3、異常検出部4、再始動部5およびモード切換部6から受け取った及び/又はこれらへ提供するデータを適宜記憶してよい。
本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なお、CPU2000は、RAM2020の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM2020の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM2020、メモリ、及び/又は記憶装置に含まれるものとする。
また、CPU2000は、RAM2020から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索・置換等を含む各種の処理を行い、RAM2020へと書き戻す。例えば、CPU2000は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数または定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、等しい等の条件を満たすか否かを判断し、条件が成立した場合(又は不成立であった場合)に、異なる命令列へと分岐し、またはサブルーチンを呼び出す。
また、CPU2000は、記憶装置内のファイルまたはデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性の属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU2000は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。
また、実施形態の説明において複数の要素が列挙された場合には、列挙された要素以外の要素を用いてもよい。例えば、「Xは、A、B及びCを用いてYを実行する」と記載される場合、Xは、A、B及びCに加え、Dを用いてYを実行してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
1 制御装置、2 回転制御部、3 速度推定部、4 異常検出部、5 再始動部、6 モード切換部、8 電力源、9 電動機、101 加速度制限部、103 減算器、105 速度調節器、107 電流指令演算部、109 電流指令演算部、111 切換スイッチ、113 切換スイッチ、115 減算器、117 減算器、119 電流調節器、121 電圧座標変換器、123 PWM回路、125 入力電圧検出回路、131 電力変換器、133 整流回路、135 u相電流検出器、137 w相電流検出器、139 電流座標変換器、141 拡張誘起電圧演算器、143 角度演算器、145 速度推定器、151 切換スイッチ、153 電気角演算器、161 速度低下検出部、163 脱調検出部、1631 ローパスフィルタ、1632 ローパスフィルタ、1633 角度演算器、1634 ベクトル和演算器、1635 脱調判定器、1637 オフディレイ、1900 コンピュータ、2000 CPU、2010 ROM、2020 RAM、2030 通信インターフェイス、2040 ハードディスクドライブ、2050 フラッシュメモリ・ドライブ、2060 DVDドライブ、2070 入出力チップ、2075 グラフィック・コントローラ、2080 表示装置、2082 ホスト・コントローラ、2084 入出力コントローラ、2090 フラッシュメモリ、2095 DVD

Claims (20)

  1. 電動機が備える回転子の速度推定値を算出する速度推定部と、
    前記回転子の回転を制御する回転制御部と、
    前記回転子の回転速度が第1基準速度以下となったことに応じて速度低下状態を検出する速度低下検出部と、
    前記回転制御部が前記速度推定値を速度指令値に近付けるように前記回転子の回転を制御する第1制御モードで動作している間に前記速度低下状態が検出されたことに応じて、前記回転制御部を、前記速度推定値を用いずに前記速度指令値を用いて前記回転子の回転を制御する第2制御モードでの動作に切り換えて前記電動機を再始動する再始動部と、
    を備える制御装置。
  2. 前記速度低下検出部は、前記速度推定値が前記第1基準速度以下となったことに応じて前記速度低下状態を検出する請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記速度推定部は、前記電動機に供給する電圧および前記電動機に流れる電流から拡張誘起電圧を演算する拡張誘起電圧演算器を有し、
    前記速度低下検出部は、前記拡張誘起電圧を用いて前記速度低下状態を検出する
    請求項1または2に記載の制御装置。
  4. 前記速度低下検出部は、前記回転子の目標角度に沿った軸を有する制御座標系において、前記目標角度に沿った軸とは垂直な軸方向における前記拡張誘起電圧の大きさが基準値以下であることを条件として、前記速度低下状態を検出する請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記速度低下検出部は、前記電動機に供給する電圧および前記電動機に流れる電流から演算される誘起電圧を用いて前記速度低下状態を検出する請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
  6. 前記回転制御部が前記第1制御モードで動作している間に前記速度指令値が第2基準速度以下となったことに応じて、前記電動機を再始動せずに前記回転制御部を前記第2制御モードでの動作に切り換えるモード切換部を更に備える請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置。
  7. 前記第2基準速度は、前記第1基準速度よりも高い請求項6に記載の制御装置。
  8. 前記電動機の脱調を検出する脱調検出部を更に備え、
    前記再始動部は、前記回転制御部を前記第1制御モードでの動作に切り換える前に、前記第2制御モードでの動作において前記脱調が検出されたことに応じて、前記電動機を再始動する
    請求項1から7のいずれか一項に記載の制御装置。
  9. 電動機が備える回転子の速度推定値を算出する速度推定部と、
    前記回転子の回転を制御する回転制御部と、
    前記電動機の脱調を検出する脱調検出部と、
    前記回転制御部を、前記速度推定値を速度指令値に近付けるように前記回転子の回転を制御する第1制御モードでの動作に切り換える前に、前記速度推定値を用いずに前記速度指令値を用いて前記回転子の回転を制御する第2制御モードでの動作において前記脱調が検出されたことに応じて、前記電動機を再始動する再始動部と、
    を備える制御装置。
  10. 前記回転制御部が前記第2制御モードで動作している間に前記速度指令値が第3基準速度を超え、かつ前記脱調が検出されていないことに応じて、前記回転制御部を前記第1制御モードでの動作に切り換えるモード切換部を更に備え、
    前記再始動部は、前記回転制御部が前記第2制御モードで動作している間に前記速度指令値が前記第3基準速度を超えた場合において前記脱調が検出されたことに応じて、前記電動機を再起動する
    請求項9に記載の制御装置。
  11. 前記速度推定部は、前記電動機に供給する電圧および前記電動機に流れる電流から拡張誘起電圧を演算する拡張誘起電圧演算器を有し、
    前記脱調検出部は、前記拡張誘起電圧を用いて前記脱調を検出する請求項9または10に記載の制御装置。
  12. 前記脱調検出部は、前記回転子の目標角度に沿った軸を有する制御座標系において前記拡張誘起電圧がなす角度を用いて前記脱調を検出する請求項11に記載の制御装置。
  13. 前記脱調検出部は、前記制御座標系において前記拡張誘起電圧がなす角度が基準角度以上となったことを条件として、前記脱調を検出する請求項12に記載の制御装置。
  14. 前記脱調検出部は、前記回転子の目標角度に沿った軸を有する制御座標系における前記拡張誘起電圧の大きさを用いて前記脱調を検出する請求項11から13のいずれか一項に記載の制御装置。
  15. 前記脱調検出部は、前記制御座標系における前記拡張誘起電圧の大きさが基準値以下となったことを条件として、前記脱調を検出する請求項14に記載の制御装置。
  16. 前記回転制御部は、前記速度指令値の変化率を制限する加速度制限部を有し、
    前記再始動部は、前記加速度制限部における制限後の前記速度指令値を初期化することにより前記電動機を再始動する
    請求項1から15のいずれか一項に記載の制御装置。
  17. 電動機が備える回転子の速度推定値を算出する速度推定段階と、
    前記回転子の回転を制御する回転制御段階と、
    前記回転子の回転速度が第1基準速度以下となったことに応じて速度低下状態を検出する速度低下検出段階と、
    前記回転制御段階により前記速度推定値を速度指令値に近付けるように前記回転子の回転を第1制御モードで制御している間に前記速度低下状態が検出されたことに応じて、前記回転制御段階による制御を、前記速度推定値を用いずに前記速度指令値を用いて前記回転子の回転を制御する第2制御モードに切り換えて前記電動機を再始動する再始動段階と、
    を備える制御方法。
  18. 電動機が備える回転子の速度推定値を算出する速度推定段階と、
    前記回転子の回転を制御する回転制御段階と、
    前記電動機の脱調を検出する脱調検出段階と、
    前記回転制御段階による制御を、前記速度推定値を速度指令値に近付けるように前記回転子の回転を制御する第1制御モードに切り換える前に、前記速度推定値を用いずに前記速度指令値を用いて前記回転子の回転を制御する第2制御モードにおいて前記脱調が検出されたことに応じて、前記電動機を再始動する再始動段階と、
    を備える制御方法。
  19. コンピュータを、
    電動機が備える回転子の速度推定値を算出する速度推定部と、
    前記回転子の回転を制御する回転制御部と、
    前記回転子の回転速度が第1基準速度以下となったことに応じて速度低下状態を検出する速度低下検出部と、
    前記回転制御部が前記速度推定値を速度指令値に近付けるように前記回転子の回転を制御する第1制御モードで動作している間に前記速度低下状態が検出されたことに応じて、前記回転制御部を、前記速度推定値を用いずに前記速度指令値を用いて前記回転子の回転を制御する第2制御モードでの動作に切り換えて前記電動機を再始動する再始動部
    として機能させる制御プログラム。
  20. コンピュータを、
    電動機が備える回転子の速度推定値を算出する速度推定部と、
    前記回転子の回転を制御する回転制御部と、
    前記電動機の脱調を検出する脱調検出部と、
    前記回転制御部を、前記速度推定値を速度指令値に近付けるように前記回転子の回転を制御する第1制御モードでの動作に切り換える前に、前記速度推定値を用いずに前記速度指令値を用いて前記回転子の回転を制御する第2制御モードでの動作において前記脱調が検出されたことに応じて、前記電動機を再始動する再始動部
    として機能させる制御プログラム。
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