JP2018007484A - 同期機の励磁装置および励磁方法 - Google Patents

同期機の励磁装置および励磁方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 同期機の電機子電流を制限する際に該同期機の運転状態に応じて界磁電流の増減を的確に行い、安定な制限動作を行えるようにする。【解決手段】 実施形態による同期機の励磁装置は、前記同期機の電機子電流が予め定めた値を超過する場合に、前記同期機の無効電力が予め定めた第1のリアクタンス設定値と前記電機子電流の自乗との積よりも小さければ、前記同期機の交流出力電圧を増加させ、前記同期機の無効電力が予め定めた第2のリアクタンス設定値と前記電機子電流の自乗との積よりも大きければ、前記同期機の交流出力電圧を減少させる手段を備えている。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、同期機の励磁装置および励磁方法に関する。
同期機の励磁装置の機能の一つとして、電機子電流が同期機の耐量を超えないように制限する過電流制限機能がある。
従来の過電流制限機能は、遅相運転時には同期機の界磁電流を低減し、逆に進相運転時には同期機の界磁電流を増加させることで同期機の電機子電流を低減するようにしている。
特開昭58−218899号公報 特開平6−133599号公報 特開平8−116697号公報
従来の同期機の励磁装置では、遅相運転時には同期機の界磁電流を低減し、逆に進相運転時には同期機の界磁電流を増加させることで同期機の電機子電流を低減するようにしているが、実際には遅相運転時であっても界磁電流を増加させないと電機子電流が低減できない運転領域がある。
本発明が解決しようとする課題は、同期機の電機子電流を制限する際に該同期機の運転状態に応じて界磁電流の増減を的確に行い、安定な制限動作を行うことができる同期機の励磁装置および励磁方法を提供することにある。
実施形態による同期機の励磁装置は、前記同期機の電機子電流が予め定めた値を超過する場合に、前記同期機の無効電力が予め定めた第1のリアクタンス設定値と前記電機子電流の自乗との積よりも小さければ、前記同期機の交流出力電圧を増加させ、前記同期機の無効電力が予め定めた第2のリアクタンス設定値と前記電機子電流の自乗との積よりも大きければ、前記同期機の交流出力電圧を減少させる手段を備えている。
本発明によれば、同期機の電機子電流を制限する際に該同期機の運転状態に応じて界磁電流の増減を的確に行い、安定な制限動作を行うことができる。
第1の実施形態に係る同期機の励磁装置の構成を示す図。 同実施形態における電機子電流制限機能を説明するための図。 第2の実施形態に係る同期機の励磁装置の構成を示す図。 第3の実施形態に係る同期機の励磁装置の構成を示す図。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
最初に、図1および図2を参照して第1の実施形態について説明する。
(構成)
図1は第1の実施形態に係る同期機の励磁装置の構成を示す図である。
1は同期機であり、固定子鉄心に巻装された電機子巻線(または固定子巻線ともいう)1Aと、回転子リムに固定された磁極鉄心に巻装された界磁巻線1Bとから構成され、界磁巻線1Bにはスリップリングおよびブラシからなる摺動接触部2を介して静止部側の励磁電源から界磁電流Ifが供給されるようになっている。
同期機1の主回路において、3は同期機1で発生した電圧を系統電圧まで昇圧する主要変圧器であり、4は同期機1を電力系統5に連系する並列用遮断器である。
また、同期機1の界磁回路において、6は励磁用変圧器7を介して同期機1から供給される交流電力を整流して界磁巻線1Bに界磁電流Ifを供給するためのサイリスタ整流器である。8は同期機1の交流出力電圧Vgを目標値に一致させるように調整する自動電圧調整器(AVR)である。
自動電圧調整器8は、電圧検出器8A、有効電力検出器8B、無効電力検出器8C、除算器8D、除算器8E、電流算出器8F、反限時タイマ8G、選択器8H、減算器8J、電流自乗算出器8K、乗算器8L、減算器8M、低値選択器8N、増幅器8P、乗算器8Q、減算器8R、低値選択器8S、増幅器8T、電圧設定器8U、減算器8V、高値選択器8W、低値選択器8X、および電圧調整器8Yを有する。
上記自動電圧調整器8は、予め定めた電圧設定値Vrと同期機1の交流出力電圧Vgに比例する電圧の検出値Vgdとの偏差に相当する電圧偏差信号Veが0になるように、サイリスタ整流器6へ供給するゲート信号Pのタイミングを制御する電圧調整部(構成要素8A,8U,8V,8Yを含む回路部分)を有するとともに、同期機1の電機子電流Igに比例する信号Igdの値(もしくはその値の自乗)と予め定めた過電流設定Ioc(過電流設定値)との差分の積分値が予め定めた過電流限時設定Toc(過電流限時設定値)を超過する場合に、同期機1の無効電力Qgに比例する電力の無効電力検出値Qgdが、同期機1の電機子電流Igに比例する信号Igdの値の自乗に相当する電機子電流自乗信号Ig2に同期機1の外部リアクタンス想定値の最小値として予め定めたリアクタンス設定Xe1の値(第1のリアクタンス設定値)を乗算して得られる値よりも小さければ、上記電圧調整部が使用する電圧偏差信号Veの値を大きくし、一方、同期機1の無効電力Qgに比例する電力の検出値Qgdが、上記電機子電流自乗信号Ig2に同期機1の外部リアクタンス想定値の最大値として予め定めたリアクタンス設定Xe2の値(第2のリアクタンス設定値)を乗算して得られる値よりも大きければ、上記電圧調整部が使用する電圧偏差信号Veの値を小さくする補正部(構成要素8B〜8T,8W,8Xを含む回路部分)を有する。
電圧検出器8Aは、計器用変圧器9を介して同期機1の交流出力電圧Vgに比例する電圧を検出し、これを交流電圧検出値Vgd(PU値)として出力する。
有効電力検出器8Bは、計器用変圧器9と計器用変流器10を介して同期機1の有効電力Pgに比例する電力を検出し、これを有効電力検出値Pgd(PU値)として出力する。
無効電力検出器8Cは、計器用変圧器9と計器用変流器10を介して同期機1の無効電力Qgに比例する電力を検出し、これを無効電力検出値Qgd(PU値)として出力する。
除算器8Dは、有効電力検出値Pgdと交流電圧検出値Vgdとを入力し、有効電力検出値Pgdを交流電圧検出値Vgdで除して得られる値を有効電流信号IPdとして出力する。
除算器8Eは、無効電力検出値Qgdと交流電圧検出値Vgdとを入力し、無効電力検出値Qgdを交流電圧検出値Vgdで除して得られる値を無効電流信号IQdとして出力する。
電流算出器8Fは、有効電流信号IPdの値の自乗と無効電流信号IQdの値の自乗との和の平方根を算出し、これを同期機1の電機子電流Igに比例する電機子電流信号Igdとして出力する。
反限時タイマ8Gは、電機子電流信号Igdを入力し、電機子電流信号Igdの値と予め定めた過電流設定Ioc(過電流設定値)との差分の積分値が予め定めた過電流限時設定Toc(過電流限時設定値)を超過した時に電流制限動作信号OCをオン出力する。
選択器8Hは、電流制限動作信号OCを入力し、電流制限動作信号OCがオフの時は制限設定1(瞬時電流制限設定値)を選択し、一方、電流制限動作信号OCがオンの時は制限設定2(限時電流制限設定値)を選択し、選択した方を制限設定信号ILとして出力する。
なお、制限設定1には同期機1の電機子電流Igを瞬時に制限させる場合の閾値が適用され、制限設定2には同期機1の電機子電流Igを過電流限時設定Tocによる遅延を持って制限させる場合の閾値が設定される。過電流設定Iocは制限設定1よりも小さい値が設定され、制限設定2は過電流設定Iocよりも小さい値が設定される。すなわち、「制限設定2<Ioc<制限設定1」の関係が成り立つように設定される。
減算器8Jは、電機子電流信号と制限設定信号ILとを入力し、電機子電流信号Igdの値から制限設定信号ILの値を減算して得られる値を電流偏差信号Ieとして出力する。すなわち、減算器8Jは、同期機1の電機子電流Igに比例する電機子電流信号Igdと電流を制限するレベルを示す制限設定信号ILとを入力して、その差分を電流偏差信号Ieとして出力する。
電流自乗算出器8Kは、有効電流信号IPdと無効電流信号IQdとを入力し、有効電流信号IPdの値の自乗と無効電流信号IQdの値の自乗とを加算して得られる信号を電機子電流自乗信号Ig2(電機子電流信号Igdの値の自乗に相当する信号)として出力する。
乗算器8Lは、電機子電流自乗信号Ig2を入力し、電機子電流自乗信号Ig2の値にリアクタンス設定Xe1の値(第1のリアクタンス設定値)を乗算して得られる値を不感帯信号DB1として出力する。なお、リアクタンス設定Xe1には同期機1の外部リアクタンス想定値の最小値(もしくは最小値以下の値)が設定される。
減算器8Mは、不感帯信号DB1と無効電力検出値Qgdとを入力し、不感帯信号DB1の値から無効電力検出値Qgdを減算して得られる値を進相側不感帯偏差信号DBe1として出力する。
低値選択器8Nは、電流偏差信号Ieと進相側不感帯偏差信号DBe1とを入力し、低値選択して得られる信号を進相側電流偏差信号Iedとして出力する。
増幅器8Pは、進相側電流偏差信号Iedを入力し、進相側電流偏差信号Iedの値に所定の正のゲインを乗算して得られる値を進相側電流制限信号Ildとして出力する。
乗算器8Qは、電機子電流自乗信号Ig2を入力し、電機子電流自乗信号Ig2の値にリアクタンス設定Xe2の値(第2のリアクタンス設定値)を乗算して得られる値を不感帯信号DB2として出力する。なお、リアクタンス設定Xe2には同期機1の外部リアクタンス想定値の最大値(もしくは最大値以上の値)が設定される。
減算器8Rは、無効電力検出値Qgdと不感帯信号DB2とを入力し、無効電力検出値Qgdから不感帯信号DB2の値を減算して得られる値を遅相側不感帯偏差信号DBe2として出力する。
低値選択器8Sは、電流偏差信号Ieと遅相側不感帯偏差信号DBe2とを入力し、低値選択して得られる信号を遅相側電流偏差信号Iegとして出力する。
増幅器8Tは、遅相側電流偏差信号Iegを入力し、遅相側電流偏差信号Iegの値に所定の負のゲインを乗算して得られる値を遅相側電流制限信号Ilgとして出力する。
電圧設定器8Uは、予め定めた電圧設定値Vrを出力する。
減算器8Vは、電圧設定値Vrから交流電圧検出値Vgdを減算して得られる値を電圧偏差信号Veとして出力する。
高値選択器8Wは、電圧偏差信号Veと進相側電流制限信号Ildとを入力し、高値選択して得られる信号を電圧偏差信号Ve2として出力する。すなわち、高値選択器8Wは、高値選択して得られる信号を新たな電圧偏差信号として電圧調整器8Y側へ供給する。
低値選択器8Xは、電圧偏差信号Ve2と遅相側電流制限信号Ilgとを入力し、低値選択して得られる信号を電圧偏差信号Ve3として出力する。すなわち、低値選択器8Xは、低値選択して得られる信号を新たな電圧偏差信号として電圧調整器8Y側へ供給する。
電圧調整器8Yは、電圧偏差信号Ve3を入力し、電圧偏差信号Ve3を増幅した位相制御信号αに応じたタイミングでサイリスタ整流器6のゲート信号Pを出力する。すなわち、電圧調整器8Yは、電圧偏差信号Ve3が0になるように、サイリスタ整流器6へ供給するゲート信号Pのタイミングを制御する。
(作用)
同期機1の電機子電流Igを低減させるために界磁電流Ifを低減させるべきか増加させるべきかの境界は、無効電力=0の運転点ではなく、実際には遅相側に偏っている。まず、これについて詳しく説明する。
一機無限大系統において、有効電力が一定の値と仮定すると以下の式が成立する。
dIg/dVg=Vg・(Qg−Xe・Ig)/{(Ig・Xe)・(Vg−Qg・Xe)}
…(1)
ここで、Ig:同期機の電機子電流
Vg:同期機の交流出力電圧
Qg:同期機の無効電力
Xe:同期機から系統側を見た外部リアクタンス
通常の運転状態では、Vg−Qg・Xe>0であるため、以下の関係が成立する。
・Qg<Xe・Igの範囲では、交流出力電圧Vgを増加させると電機子電流Igは減少する
・Qg>Xe・Igの範囲では、交流出力電圧Vgを減少させると電機子電流Igは減少する
上記より、電機子電流Igを低減するために交流出力電圧Vgを低減するか増加させるかの境界は、Qg−Xe・Igの符号に依存しており、電機子電流Igが大きくなるほど遅相側に偏っていることがわかる。
そこで、本実施形態では、実際の動きに合致する過電流制限機能を実現するため、自動電圧調整器8において、同期機1の外部リアクタンス想定値の最小値をリアクタンス設定Xe1(第1のリアクタンス設定値)に選定し、最大値をリアクタンス設定Xe2(第2のリアクタンス設定値)に選定した上で、同期機1の電機子電流Igが予め定めた値を超過する場合に、以下に示すように交流出力電圧Vgを増加または減少させる。
・Qg<Xe1・Igの範囲では、交流出力電圧Vgを増加させる
・Qg>Xe2・Igの範囲では、交流出力電圧Vgを減少させる
図1の構成において、並列用遮断器4が投入され、同期機1が電力系統5と並列運転している状態において、自動電圧調整器8で例えば制限設定1が制限設定信号ILとして出力されており、電機子電流信号Igdの値が制限設定信号ILの値を下回っていれば、電流偏差信号Ieが負の値となるため、進相側電流制限信号Ildは負の値を出力し、遅相側電流制限信号Ilgは正の値を出力する。このとき高値選択器8Wおよび低値選択器8Xでは電圧偏差信号Veが選択され、電圧偏差信号Ve3として電圧調整器8Yに入力される。電圧調整器8Yは電圧偏差信号Ve3が0になるようにゲート信号Pのタイミングを制御するので、結果的に交流電圧検出値Vgdが電圧設定値Vrと一致するように同期機1の交流出力電圧Vgが制御される。
図2は、同期機1の電機子電流Igを制限する作用について説明するための概念図である。図2では横軸を有効電流IP、縦軸を無効電流IQとして同期機1の運転点を示しており、本例では過電流設定Iocを1.05PU、制限設定2を1.0PU、リアクタンス設定Xe1を0.1PU、リアクタンス設定Xe2を0.3PUとしている。
ここでは4つのケースを挙げて説明する。
・「ケース1」
同期機1の電機子電流Igが増加し、図2中の運転点Aに到達したとする。このとき、電機子電流信号Igdの値が過電流設定Iocの値を超過するので、その差分の積分値が過電流限時設定Tocを超過した時点で電流制限動作信号OCがオン出力され、制限設定1に代えて制限設定2が制限設定信号ILとして出力され、これにより電機子電流信号Igdと制限設定信号ILとの差分である電流偏差信号Ieが正の値となる。
運転点Aでは進相側不感帯偏差信号DBe1(=Xe1×Ig2−Qgd)も正の値であるため、低値選択器8Nにより低値選択して得られる進相側電流偏差信号Ied、および増幅器8Pで増幅して得られる進相側電流制限信号Ildも正の値となる。
結果的に、高値選択器8Wにより進相側電流制限信号Ildが電圧偏差信号Ve2として選択され、電圧調整器8Yが界磁電流Ifを増加させるため、交流出力電圧Vgや無効電流IQも増加する。有効電流IPは、有効電力Pgが一定の場合、交流出力電圧Vgの増加に伴い減少する。
本ケースでは、進相側不感帯偏差信号DBe1が0になる前に電流偏差信号Ieが0に到達するので、電機子電流Igが制限設定2に到達した時点、すなわち運転点A’で増幅器8Pが出力する進相側電流制限信号Ildが0となって定常状態に落ち着く。
・「ケース2」
別のケースとして、同期機1の電機子電流Igが増加し、図2中の運転点Bに到達したとする。この場合も、運転点Aのケースと同様の作用となるが、電流偏差信号Ieが0になる前に進相側不感帯偏差信号DBe1が0に到達するので、無効電力Qgがリアクタンス設定Xe1×電機子電流Igの自乗に到達した時点、すなわち運転点B’で増幅器8Pが出力する進相側電流制限信号Ildが0となって定常状態に落ち着く。
・「ケース3」
次に、遅相運転のケースとして、同期機1の電機子電流Igが増加し、図2中の運転点Cに到達したとする。このとき、電機子電流信号Igdの値が過電流設定Iocの値を超過するので、その差分の積分値が過電流限時設定Tocを超過した時点で電流制限動作信号OCがオン出力され、制限設定1に代えて制限設定2が制限設定信号ILとして出力され、これにより電機子電流信号Igdと制限設定信号ILとの差分である電流偏差信号Ieが正の値となる。
運転点Cでは遅相側不感帯偏差信号DBe2(=Qgd−Xe2×Ig2)も正の値であるため、低値選択器8Sにより選択された遅相側電流偏差信号Iegは正の値となり、増幅器8Tにより負のゲインで増幅された遅相側電流制限信号Ilgは負の値となる。
結果的に、低値選択器8Xにより遅相側電流制限信号Ilgが電圧偏差信号Ve3として選択され、電圧調整器8Yが界磁電流Ifを減少させるため、交流出力電圧Vgや無効電流IQも減少する。有効電流IPは、有効電力Pgが一定の場合、交流出力電圧Vgの減少に伴い増加する。
本ケースでは、遅相側不感帯偏差信号DBe2が0になる前に電流偏差信号Ieが0に到達するので、電機子電流Igが制限設定2に到達した時点、すなわち運転点C’で増幅器8Tが出力する遅相側電流制限信号Ilgが0となって定常状態に落ち着く。
・「ケース4」
別のケースとして、同期機1の電機子電流Igが増加し、図2中の運転点Dに到達したとする。この場合も、運転点Cのケースと同様の作用となるが、電流偏差信号Ieが0になる前に遅相側不感帯偏差信号DBe2が0に到達するので、無効電力Qgがリアクタンス設定Xe2×電機子電流Igの自乗に到達した時点、すなわち運転点D’で増幅器8Tが出力する遅相側電流制限信号Ilgが0となって定常状態に落ち着く。
(効果)
以上述べたように、本実施形態によれば、同期機1の電機子電流Igが過大となったときに、交流出力電圧Vgを増加すべきかまたは減少すべきかを的確に判別し、電機子電流Igが確実に減少するよう制御する自動電圧調整器を提供することができる。
[第2の実施形態]
次に、図3を参照して第2の実施形態について説明する。
(構成)
図3は第2の実施形態に係る同期機の励磁装置の構成を示す図である。
第2の実施形態は、上述した第1の実施形態(図1)において、自動電圧調整器8を自動電圧調整器8’に置き換えたものである。自動電圧調整器8との相違点は、有効電流信号IPdを入力し高周波領域のゲインを低減して得られる信号を有効電流信号IP2として出力するフィルタ8Zを追加し、電流自乗算出器8Kを有効電流信号IP2の値の自乗と無効電流信号IQdの値の自乗を加算して得られる信号を電機子電流自乗信号Ig2として出力するようにしたことである。
(作用)
第1の実施形態との相違点は、電機子電流自乗信号Ig2の算出に用いる有効電流信号の高周波領域のゲインを低減する手段を設けたことである。
電機子電流Igの制限機能が動作しているときに、進相側不感帯偏差信号DBe1が低値選択器8Nで選択されると、増幅器8Pの出力である進相側電流制限信号Ildが有効電流信号IPdと同一位相で変化する。また、遅相側不感帯偏差信号DBe2が低値選択器8Sで選択されると、増幅器8Tの出力である遅相側電流制限信号Ilgも有効電流信号IPdと同一位相で変化する。
有効電流信号IPdと同一位相で変化する信号が電圧調整器8Yに入力すると制御系の制動力を損なう方向に作用し、場合によっては負制動現象が発生する可能性があるが、本実施形態では、追加したフィルタ8Zが、上述した負制動現象が発生する周波数領域における有効電流信号IP2のゲインを低減するので、制御系の制動力の低下を最小限に抑制する。
(効果)
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、電機子電流Igの制限機能が動作しているときに、制御系の制動力の低下を最小限に抑制することができる。
[第3の実施形態]
(構成)
次に、図4を参照して第3の実施形態の構成について説明する。
本実施形態は、上述した第1の実施形態(図1)において、自動電圧調整器8を自動電圧調整器8”に置き換えたものである。自動電圧調整器8との相違点は、反限時タイマ8Gを、電機子電流信号Igdの値の自乗と過電流設定Ioc’(過電流設定値)の値との差分の積分値が予め定めた過電流限時設定Toc’(過電流限時設定値)を超過した時に電流制限動作信号OCをオン出力する8G’に置換えたことである。
(作用)
第1の実施形態との相違点は、電機子電流Igの制限機能を動作させるタイミングを、電機子電流信号Igdの値の自乗と過電流設定Ioc’の値との差分の積分値が過電流限時設定Toc’を超過する時としたことである。
同期機1の電機子巻線1Aの発熱量は電機子電流Igの値の自乗に比例するので、第1の実施形態よりも本実施形態の方が、電機子巻線1Aの熱耐量に応じたタイミングで制限動作を開始することができる。
(効果)
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、電機子電流Igの制限機能を動作させるタイミングを電機子巻線1Aの耐量に、より近づけることができる。
以上詳述したように、各実施形態によれば、同期機の電機子電流を制限する際に該同期機の運転状態に応じて界磁電流の増減を的確に行い、安定な制限動作を行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…同期機、1A…電機子巻線、1B…界磁巻線、2…摺動接触部、3…主要変圧器、4…並列用遮断器、5…電力系統、6…サイリスタ整流器、7…励磁用変圧器、8…自動電圧調整器、8’…自動電圧調整器、8”…自動電圧調整器、8A…電圧検出器、8B…有効電力検出器、8C…無効電力検出器、8D…除算器、8E…除算器、8F…電流算出器、8G…反限時タイマ、8G’…反限時タイマ、8H…選択器、8J…減算器、8K…電流自乗算出器、8L…乗算器、8M…減算器、8N…低値選択器、8P…増幅器、8Q…乗算器、8R…減算器、8S…低値選択器、8T…増幅器、8U…電圧設定器、8V…減算器、8W…高値選択器、8X…低値選択器、8Y…電圧調整器、8Z…フィルタ、9…計器用変圧器、10…計器用変流器。

Claims (5)

  1. 同期機の励磁装置において、
    前記同期機の電機子電流が予め定めた値を超過する場合に、前記同期機の無効電力が予め定めた第1のリアクタンス設定値と前記電機子電流の自乗との積よりも小さければ、前記同期機の交流出力電圧を増加させ、前記同期機の無効電力が予め定めた第2のリアクタンス設定値と前記電機子電流の自乗との積よりも大きければ、前記同期機の交流出力電圧を減少させる手段を備えていることを特徴とする同期機の励磁装置。
  2. 同期機の交流出力電圧を調整する自動電圧調整器を備えた同期機の励磁装置において、
    前記自動電圧調整器は、
    予め定めた電圧設定値と前記同期機の交流出力電圧に比例する電圧の検出値との偏差に相当する電圧偏差信号が0になるように、前記同期機の界磁巻線に界磁電流を供給するためのサイリスタ整流器へ供給するゲート信号のタイミングを制御する電圧調整手段と、
    前記同期機の電機子電流に比例する電流の値もしくはその値の自乗と予め定めた過電流設定値との差分の積分値が予め定めた過電流限時設定値を超過する場合に、前記同期機の無効電力に比例する電力の検出値が、前記同期機の電機子電流に比例する電流の値の自乗に前記同期機の外部リアクタンス想定値の最小値として予め定めた第1のリアクタンス設定値を乗算して得られる値よりも小さければ、前記電圧調整手段が使用する電圧偏差信号の値を大きくし、前記同期機の無効電力に比例する電力の検出値が、前記同期機の電機子電流に比例する電流の値の自乗に前記同期機の外部リアクタンス想定値の最大値として予め定めた第2のリアクタンス設定値を乗算して得られる値よりも大きければ、前記電圧調整手段が使用する電圧偏差信号の値を小さくする補正手段と、
    を備えていることを特徴とする同期機の励磁装置。
  3. 請求項2に記載の同期機の励磁装置において、
    前記補正手段は、
    前記同期機の電機子電流に比例する電流の値から予め定めた電流制限設定値を減算して得られる値を電流偏差信号として出力する演算手段と、
    前記同期機の電機子電流に比例する電流の値の自乗に前記第1のリアクタンス設定値を乗算して得られる値から前記同期機の無効電力に比例する電力の検出値を減算して得られる値を進相側不感帯偏差信号として出力する演算手段と、
    前記電流偏差信号と前記進相側不感帯偏差信号とを入力し低値選択して得られる信号に所定の正のゲインを乗算して得られる値を進相側電流制限信号として出力する演算手段と、
    前記電圧偏差信号と前記進相側電流制限信号とを入力し高値選択して得られる信号を新たな電圧偏差信号として前記電圧調整手段に供給する演算手段と、
    前記同期機の電機子電流に比例する電流の値の自乗に前記第2のリアクタンス設定値を乗算して得られる値を前記無効電力に比例する電力の検出値から減算して得られる値を遅相側不感帯偏差信号として出力する演算手段と、
    前記電流偏差信号と前記遅相側不感帯偏差信号とを入力し低値選択して得られる信号に所定の負のゲインを乗算して得られる値を遅相側電流制限信号として出力する演算手段と、
    前記電圧偏差信号と前記遅相側電流制限信号とを入力し低値選択して得られる信号を新たな電圧偏差信号として前記電圧調整手段に供給する演算手段と、
    を備えていることを特徴とする同期機の励磁装置。
  4. 請求項3に記載の同期機の励磁装置において、
    前記補正手段は、
    前記同期機の有効電流に比例する電流に相当する信号を入力し当該信号の高周波ゲインを低減して得られる信号を有効電流平滑信号として出力するフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段から出力される有効電流平滑信号の値の自乗と前記同期機の無効電流に比例する電流の値の自乗とを加算して得られる値を、前記同期機の電機子電流に比例する電流の値の自乗に相当する信号として出力する電流自乗加算手段と、
    を備えていることを特徴とする同期機の励磁装置。
  5. 同期機の励磁方法であって、
    前記同期機の電機子電流が予め定めた値を超過する場合に、前記同期機の無効電力が予め定めた第1のリアクタンス設定値と前記電機子電流の自乗との積よりも小さければ、自動電圧調整器により前記同期機の交流出力電圧を増加させ、
    前記同期機の電機子電流が予め定めた値を超過する場合に、前記同期機の無効電力が予め定めた第2のリアクタンス設定値と前記電機子電流の自乗との積よりも大きければ、自動電圧調整器により前記同期機の交流出力電圧を減少させる
    ことを特徴とする同期機の励磁方法。
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