JP2018007376A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過電流を速やかに検出することができる電力変換装置を提供する。【解決手段】電力変換装置1は、第1の直流電圧V1および第2の直流電圧V2の間で双方向に直流電圧変換を実行する。電流検出器CTはリアクトルL1に流れる電流ILを検出する。過電流検出回路10は、電流検出器CTの検出値ILに基づいて電力変換装置1の過電流を検出する。過電流検出回路10は、降圧動作時には、電流検出器CTの検出値ILが第1の閾値を超えたときに過電流を検出する。過電流検出回路10は、昇圧動作時には、電流検出器CTの検出値が第1の閾値とは異なる第2の閾値を超えたときに過電流を検出する。【選択図】図1

Description

この発明は、過電流検出回路を備えた電力変換装置に関する。
特許第4760613号公報(特許文献1)には、変電所の直流出力側に変電所遮断器を介して上りき電線および下りき電線を接続した直流き電系統が開示される。特許文献1に記載の直流き電系統では、上りき電線と下りき電線との間に第1および第2の昇降圧チョッパが直列に接続されるとともに、第1および第2の昇降圧チョッパの接続点と接地電位との間に蓄電設備が接続される。
特許文献1において、各昇降圧チョッパには過電流検出器が設けられている。立上りの速い短絡電流等が発生した場合には、過電流検出器によりこれを検出し、各昇降圧チョッパをゲートブロックする。すなわち、昇降圧チョッパの全てのスイッチング素子をオフすることにより、昇降圧チョッパの運転を停止させる。
特許第4760613号公報
しかしながら、昇降圧チョッパにおいては、昇圧動作時と降圧動作時とでは、昇降圧チョッパに流れる電流の大きさおよび変化率(立上り速度)が異なることがある。したがって、過電流検出器において過電流の検出に用いる閾値を昇圧動作と降圧動作とで共通とすると、昇圧動作および降圧動作の一方において、過電流の検出に遅れが生じてしまうという問題が生じる。過電流の検出が遅れると、故障が生じてから昇降圧チョッパのゲート遮断までに時間を要するため、昇降圧チョッパを構成する半導体スイッチ素子が過熱し、損傷する可能性がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、過電流を速やかに検出することができる電力変換装置を提供することである。
この発明に係る電力変換装置は、第1の直流電圧と第2の直流電圧との間で双方向に直流電圧変換を実行する。電力変換装置は、第1の直流電圧を受ける第1の正電圧端子および第1の負電圧端子と、第2の直流電圧を受ける第2の正電圧端子および第2の負電圧端子と、第1の正電圧端子および第1の負電圧端子の間に電気的に接続される第1のスイッチ回路と、第2の正電圧端子および第2の負電圧端子の間に、第1のスイッチ回路と電気的に直列に接続される第2のスイッチ回路と、第1および第2のスイッチ回路の接続点と第1の正電圧端子および第1の負電圧端子の少なくとも一方との間に電気的に接続されるリアクトルとを備える。電力変換装置は、さらに、直流電圧変換を制御する制御装置と、リアクトルに流れる電流を検出する電流検出器と、電流検出器の検出値に基づいて電力変換装置の過電流を検出するように構成された過電流検出回路とを備える。制御装置は、第1のスイッチ回路のオンオフを制御することにより第1の直流電圧を昇圧して第2の正電圧端子および第2の負電圧端子の間に出力する昇圧動作を実行する。制御装置は、第2のスイッチ回路のオンオフを制御することにより第2の直流電圧を降圧して第1の正電圧端子および第1の負電圧端子の間に出力する降圧動作を実行する。過電流検出回路は、降圧動作時には、電流検出器の検出値が第1の閾値を超えたときに過電流を検出する。過電流検出回路は、昇圧動作時には、電流検出器の検出値が第1の閾値とは異なる第2の閾値を超えたときに過電流を検出する。
この発明によれば、過電流を速やかに検出することができる電力変換装置を提供することができる。
この発明の実施の形態1による電力変換装置の構成を示す回路図である。 電力変換装置の降圧動作を説明するための回路図である。 電力変換装置の降圧動作を説明するための波形図である。 電力変換装置の昇圧動作を説明するための回路図である。 電力変換装置の昇圧動作を説明するための波形図である。 過電流検出回路の構成を示すブロック図である。 電力変換装置に短絡故障が発生した場合を説明するための回路図である。 短絡故障が発生した場合の降圧動作を説明するための波形図である。 図8における期間Tbでの電流を示す波形図である。 降圧動作時の過電流検出に用いる閾値を説明するための波形図である。 昇圧動作時の過電流検出に用いる閾値を説明するための波形図である。 この発明の実施の形態2による電力変換装置の構成を示す回路図である。 電力変換装置の降圧動作の一例を説明するための回路図である。 電力変換装置の降圧動作の一例を説明するための波形図である。 降圧動作時の過電流検出に用いる閾値を説明するための波形図である。 電力変換装置の降圧動作の他の例を説明するための回路図である。 電力変換装置の降圧動作の他の例を説明するための波形図である。 電力変換装置の昇圧動作の一例を説明するための回路図である。 電力変換装置の昇圧動作の一例を説明するための波形図である。 昇圧動作時の過電流検出に用いる閾値を説明するための波形図である。 電力変換装置の昇圧動作の他の例を説明するための回路図である。 電力変換装置の昇圧動作の他の例を説明するための波形図である。
以下に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的には繰り返さないものとする。
[実施の形態1]
(回路構成)
図1は、この発明の実施の形態1による電力変換装置の構成を示す回路図である。
図1を参照して、本実施の形態1による電力変換装置1は、直流電源B1および直流電源B2の間で双方向に直流電圧変換を行なう昇降圧チョッパ回路である。直流電源B1,B2は、たとえばリチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタ等で構成される。直流電源B1の直流電圧V1、および直流電源B2の直流電圧V2は、「第1の直流電圧」および「第2の直流電圧」にそれぞれ対応する。
電力変換装置1は、直流電源B1と直流電源B2との間に接続される。電力変換装置1は、正電圧端子T1,T3、負電圧端子T2,T4、電力用半導体スイッチング素子Q1,Q2、ダイオードD1,D2,リアクトルL1、および制御装置20を備える。
正電圧端子T1および負電圧端子T2は、直流電源B1の正極端子および負極端子にそれぞれ接続される。正電圧端子T1および負電圧端子T2は、直流電圧V1を受ける。正電圧端子T1および負電圧端子T2は、「第1の正電圧端子」および「第1の負電圧端子」にそれぞれ対応する。
正電圧端子T3および負電圧端子T4は、直流電源B2の正極端子および負極端子にそれぞれ接続される。正電圧端子T3および負電圧端子T4は、直流電圧V2を受ける。正電圧端子T3および負電圧端子T4は、「第2の正電圧端子」および「第2の負電圧端子」にそれぞれ対応する。
電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」とも称する)は、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。なお、スイッチング素子には、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、ダイオードD1,D2がそれぞれ逆並列に接続されている。スイッチング素子Q1,Q2は、制御装置20からの制御信号S1,S2にそれぞれ応答して、オンオフを制御することが可能である。スイッチング素子Q1およびダイオードD1は「第1のスイッチ回路」の一実施例に対応し、スイッチング素子Q2およびダイオードD2は「第2のスイッチ回路」の一実施例に対応する。
スイッチング素子Q1のコレクタは正電圧端子T1に電気的に接続され、スイッチング素子Q2のエミッタは負電圧端子T2に電気的に接続される。スイッチング素子Q2のコレクタは正電圧端子T3に電気的に接続され、スイッチング素子Q2のエミッタはスイッチング素子Q1のコレクタに電気的に接続される。リアクトルL1は、スイッチング素子Q2のエミッタとスイッチング素子Q1のコレクタとの接続点(ノードN1)と正電圧端子T1との間に電気的に接続される。なお、リアクトルL1はスイッチング素子Q1のエミッタと負電圧端子T2との間に電気的に接続されてもよい。
すなわち、電力変換装置1において、第1のスイッチ回路(Q1,D1)は正電圧端子T1および負電圧端子T2の間に電気的に接続される。第2のスイッチ回路(Q2,D2)は正電圧端子T3および負電圧端子T4の間に、第1のスイッチ回路と電気的に直列に接続される。リアクトルL1は、第1のスイッチ回路および第2のスイッチ回路の接続点(ノードN1)と正電圧端子T1との間に電気的に接続される。
制御装置20は、第1のスイッチ回路(スイッチング素子Q1)のオンオフを制御することにより、直流電圧V1を昇圧して正電圧端子T3および負電圧端子T4の間に出力する昇圧動作を実行する。制御装置20は、また、第2のスイッチ回路(スイッチング素子Q2)のオンオフを制御することにより、直流電圧V2を降圧して正電圧端子T1および負電圧端子T2の間に出力する降圧動作を実行する。
電力変換装置1は、昇圧動作および降圧動作の実行中に電力変換装置1の過電流を検出するための構成として、電流検出器CTおよび過電流検出回路10を備える。電流検出器CTは、リアクトルL1とノードN1との間に設けられる。電流検出器CTはリアクトルL1と正電圧端子T1との間に設けられてもよい。電流検出器CTは、リアクトルL1に流れる電流を検出し、その検出値ILを示す信号を過電流検出回路10に出力する。
過電流検出回路10は、電流検出器CTの検出値ILに基づいて電力変換装置1の過電流を検出する。具体的には、過電流検出回路10は、電流検出器CTの検出値ILが所定の閾値を超えた場合に、電力変換装置1の過電流を検出する。過電流検出回路10は、過電流を検出すると、ゲートブロック信号GBをL(論理ロー)レベルからH(論理ハイ)レベルに活性化する。過電流検出回路10は、ゲートブロック信号GBを制御装置20に与える。
制御装置20は、ゲートブロック信号GBがLレベルである間は、スイッチング素子Q1,Q2のオンオフを制御するための制御信号S1,S2を生成することにより、昇圧動作または降圧動作を制御する。
一方、制御装置20は、ゲートブロック信号GBがHレベルに活性化されると、スイッチング素子Q1,Q2をオフ状態に固定する。制御装置20は、電力変換装置1をゲートブロックすることにより、昇圧動作および降圧動作を停止させる。
(電力変換装置の動作)
次に、電力変換装置1の動作について説明する。まず、図2および図3を参照して、電力変換装置1の降圧動作について説明する。
降圧動作時、電力変換装置1では、スイッチング素子Q1がオフ固定されるとともに、スイッチング素子Q2のオン期間T2onとオフ期間T2offとが交互に設けられる。
図2(a)に示されるように、スイッチング素子Q2のオン期間T2onでは、直流電源B2−スイッチング素子Q2−リアクトルL1−直流電源B1を介した電流経路100が形成される。これにより、リアクトルL1にエネルギが蓄積される。
一方、図2(b)に示されるように、スイッチング素子Q2のオフ期間T2offでは、リアクトルL1−直流電源B1−ダイオードD1を介した電流経路101が形成される。これにより、スイッチング素子Q2のオン期間T2onでリアクトルL1に蓄えられたエネルギが直流電源B1に供給される。このようにして、直流電源B2の直流電圧V2が降圧されて正電圧端子T1および負電圧端子T2の間に出力される。
図3には、電力変換装置1の降圧動作を説明するための波形図が示される。
図3を参照して、スイッチング素子Q2のオン期間T2on(図2(a)参照)では、リアクトルL1の両端に印加される電圧VLは、直流電圧V2と直流電圧V1との差(V2−V1)で与えられる。リアクトルL1に流れる電流ILの変化率(上昇率)dIL/dtは、電圧VLおよびリアクトルL1のインダクタンスLを用いて、次式(1)で示される。
dIL/dt=(V2−V1)/L …(1)
スイッチング素子Q2のオフ期間T2off(図2(b)参照)では、リアクトルL1の両端の電圧VLは、−V1に減少する。電流ILの変化率(下降率)dIL/dtは、電圧VLおよびインダクタンスLを用いて、次式(2)で示される。
dIL/dt=−V1/L …(2)
なお、降圧動作では、スイッチング周期Tに対するオン期間T2onの比率(通流率)を変えることにより、直流電圧V1を原理的には無損失で零から直流電圧V2まで連続的に制御することができる。
次に、図4および図5を参照して、電力変換装置1の昇圧動作について説明する。
昇圧動作時、電力変換装置1では、スイッチング素子Q2がオフ固定されるとともに、スイッチング素子Q1のオン期間T1onとオフ期間T1offとが交互に設けられる。
図4(a)に示されるように、スイッチング素子Q1のオン期間T1onでは、直流電源B1−リアクトルL1−スイッチング素子Q1を介した電流経路102が形成される。これにより、リアクトルL1にエネルギが蓄積される。
一方、図4(b)に示されるように、スイッチング素子Q1のオフ期間T1offでは、直流電源B1−リアクトルL1−ダイオードD2−直流電源B2を介した電流経路103が形成される。これにより、スイッチング素子Q1のオン期間でリアクトルL1に蓄えられたエネルギが直流電圧B2に供給される。このようにして、直流電源B1の直流電圧V1が昇圧されて正電圧端子T3および負電圧端子T4の間に出力される。
図5には、電力変換装置1の降圧動作を説明するための波形図が示される。
図5を参照して、スイッチング素子Q1のオン期間T1on(図4(a)参照)では、リアクトルL1の両端に印加される電圧VLは直流電圧V1となる。リアクトルL1に流れる電流ILの変化率(上昇率)dIL/dtは、電圧VLおよびリアクトルL1のインダクタンスLを用いて、次式(3)で示される。
dIL/dt=V1/L …(3)
スイッチング素子Q1のオフ期間T1off(図4(b)参照)では、リアクトルL1の両端の電圧VLは、直流電圧V1と直流電圧V2との差(V1−V2)に減少する。電流ILの変化率(下降率)dIL/dtは、電圧VLおよびインダクタンスLを用いて、次式(4)で示される。
dIL/dt=(V1−V2)/L …(4)
なお、昇圧動作では、スイッチング周期Tに対するオン期間T1onの比率(通流率)を変えることにより、直流電圧V2を直流電圧V1よりも大きな値に連続的に制御することができる。
(過電流検出)
上述した降圧動作および昇圧動作の実行中において、過電流検出回路10は、電流検出器CTにより検出される電流ILに基づいて、電力変換装置1の過電流を検出する。以下、過電流検出回路10の動作について説明する。
図6は、過電流検出回路10の構成を示すブロック図である。図6を参照して、過電流検出回路10は、絶対値検出回路(ABS)2と、比較器14と、判定部16と、切替回路18とを含む。
絶対値検出回路12は、リアクトルL1に流れる電流の検出値ILの絶対値を示す信号を出力する。なお、以下では、正電圧端子T1から正電圧端子T3に流れる電流ILの向きを正とし、正電圧端子T3から正電圧端子T1に流れる電流ILの向きを負とする。
比較器14は、非反転入力端子(+端子)に検出値ILの絶対値を示す信号を受け、反転入力端子(−端子)に閾値を示す信号を受ける。比較器14は、検出値ILの絶対値と閾値とを比較し、比較結果に基づいてゲートブロック信号GBを出力する。具体的には、検出値ILの絶対値が閾値以下である場合、比較器14はLレベルのゲートブロック信号GBを出力する。一方、検出値ILの絶対値が閾値を超える場合には、比較器14はHレベルのゲートブロック信号GBを出力する。
切替回路18および判定部16は、比較器14の反転入力端子に与える閾値を設定する閾値設定回路を構成する。この閾値設定回路は、電力変換装置1の降圧動作時と昇圧動作時とで閾値を切り替えることが可能に構成されている。
具体的には、判定部16は、リアクトルL1に流れる電流の検出値ILの極性(正/負)に基づいて、電力変換装置1が降圧動作を実行しているか、昇圧動作を実行しているかを判定する。検出値ILが負の場合(IL<0)、判定部16は、電力変換装置1が降圧動作を実行していると判定する。検出値ILが正の場合(IL>0)、判定部16は、電力変換装置1が昇圧動作を実行していると判定する。
切替回路18は、大きさが異なる2つの閾値OC1,OC2を有する。切替回路18は、判定部16の判定結果に基づいて、閾値OC1(第1の閾値)および閾値OC2(第2の閾値)のいずれか一方を選択して閾値に設定する。具体的には、電力変換装置1が降圧動作を実行しているとき、切替回路18は閾値OC1を選択する。これにより、降圧動作時には、比較器14は、検出値ILの絶対値と閾値OC1とを比較してゲートブロック信号GBを出力する。
一方、電力変換装置1が昇圧動作を実行しているとき、切替回路18は閾値OC2を選択する。これにより、昇圧動作時には、比較器14は、検出値ILの絶対値と閾値OC2とを比較してゲートブロック信号GBを出力する。
(降圧動作時の過電流検出用閾値)
次に、図7から図10を参照して、降圧動作時の過電流検出に用いる閾値OC1について説明する。
図7には、電力変換装置1において、正電圧端子T1および負電圧端子T2の間が電気的に短絡する短絡故障が発生した場合が示されている。この短絡故障によって、電力変換装置1には過電流が生じる可能性がある。過電流検出回路10は、電流検出器CTの検出値ILに基づいて過電流を検出する。
図8に示されるように、スイッチング素子Q2のオン期間T2on中の時刻tにて短絡故障が発生した場合、リアクトルL1の電圧VLが増加する。具体的には、時刻t以前のオン期間である期間Taでは、リアクトルL1の電圧VLは(V2−V1)である。これに対して、時刻t以後のオン期間である期間Tbでは、電圧VLは直流電圧V2に増加する。その結果、期間Tbでは、電流ILの変化率dL/dtが大きくなり、過電流が発生する可能性がある。
図9は、図8における期間Tbでの電流ILを示す波形図である。図9を参照して、期間Tbにおける電流ILの変化率dIL/dtは次式(5)で与えられる。
dIL/dt=V2/L …(5)
過電流検出回路10は、所定のサンプリング周期Tsで、電流検出器CTの検出値ILを取得するように構成されている。図9中の「ti」はi番目のサンプリングタイミングを示し、「ti−1」は(i−1)番目のサンプリングタイミングを示し、「ti+1」は(i+1)番目のサンプリングタイミングを示す。図8中の白丸は、各サンプリングタイミングでの検出値ILを示している。
過電流検出回路10は、サンプリングタイミングごとに取得した検出値ILと、閾値OC1とを比較する。閾値OC1は、降圧動作時における過電流の検出に用いられる閾値である。閾値OC1は、スイッチング素子Q1,Q2に流すことができる最大の電流値Ilim(以下、許容電流値とも称する)よりも低い値に設定されている。
電流検出器CTの検出値ILが閾値OC1以下である場合、過電流検出回路10は、電力変換装置1が正常であると判断して、Lレベルに非活性化されたゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。これに対して、検出値ILが閾値OC1より大きい場合には、過電流検出回路10は、電力変換装置1の過電流が発生したと判断して、Hレベルに活性化されたゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。制御装置20は、Hレベルのゲートブロック信号GBを受けると、スイッチング素子Q1,Q2をオフ状態に固定することにより降圧動作を停止させる。
ここで、図9に示されるように、短絡故障が発生した時刻tよりも後のサンプリングタイミングtiにおいて、電流検出器CTの検出値ILが閾値OC1よりも小さい場合を考える。
この場合、サンプリングタイミングtiでは、過電流検出回路10はLレベルのゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。したがって、サンプリングタイミングti以降においても降圧動作が実行されるため、電流ILは式(5)に示す変化率で上昇する。その結果、サンプリングタイミングtiよりも後の時刻において、電流ILが許容電流値Ilimに達してしまう可能性がある。
図9の例では、サンプリングタイミングtiの次のサンプリングタイミングti+1では、検出値ILが閾値OC1を超えている。したがって、過電流検出回路10はHレベルのゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。しかしながら、電流ILは許容電流値Ilimにまで上昇しているため、スイッチング素子Q1,Q2が損傷するおそれがある。
このように、過電流検出回路10のサンプリング周期Tsに起因して過電流の検出に遅れが生じることに起因してスイッチング素子Q1,Q2が損傷する可能性がある。このような不具合を回避するためには、過電流の検出に用いる閾値OC1を、1サンプリング周期Tsの間の電流ILの上昇量を見込んで設定する必要がある。
そこで、本実施の形態1では、閾値OC1に対して第1の電流値ΔI1を加算した値が許容電流値Ilimを超えないように、閾値OC1を設定する。すなわち、次式(6)に示す関係を満足するように閾値OC1を設定する。
OC1+ΔI1<Ilim …(6)
この第1の電流値ΔI1は、スイッチング素子Q2のオン期間T2onにおける、1サンプリング周期Tsの間の電流ILの上昇量に相当する。第1の電流値ΔI1は、サンプリング周期Tsと、期間Tbにおける電流ILの変化率(式(5)参照)とを用いて、式(7)で表わされる。
ΔI1=Ts×V2/L …(7)
この式(7)を用いると、式(6)に示す関係は次式(8)のように変形することができる。
OC1<Ilim−Ts×V2/L …(8)
式(8)に示す関係を図9に当てはめると、サンプリングタイミングtiにおいて検出値ILが閾値OC1を超えるため、過電流検出回路10はHレベルのゲートブロック信号GBを制御装置20に出力することになる。これにより、制御装置20は電力変換装置1の降圧動作を停止させるため、電流ILが許容電流値Ilimに達してしまうことを防止することができる。
ただし、過電流検出回路10がHレベルのゲートブロック信号GBを出力してから、実際にスイッチング素子Q2がオフされるまでの間には、多少なりとも時間的な遅れが発生する。この遅れ時間にはスイッチング素子Q2のターンオフ時間が含まれる。
図10は、図9と同様に、短絡故障が発生した時刻tよりも後のサンプリングタイミングtiにおいて、電流検出器CTの検出値ILが閾値OC1よりも小さい場合を示している。なお、図10では、上述したスイッチング素子Q2のゲートブロックにおける遅れ時間をTgで表わしている。
図10に示されるように、サンプリングタイミングti以降においても降圧動作が実行されることにより、電流ILは式(5)に示す変化率で上昇する。サンプリングタイミングtiの次のサンプリングタイミングti+1では、検出値ILが閾値OC1を超えているため、過電流検出回路10はHレベルのゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。
しかしながら、実際には、サンプリングタイミングti+1よりも遅れ時間Tgだけ遅れたタイミングでスイッチング素子Q2がオフされる。この遅れ時間Tgの間にも電流ILが上昇し続けるため、図10中に黒丸で示されるように、スイッチング素子Q2がオフされるタイミング以前に電流ILが許容電流値Ilimに達してしまう可能性がある。
このような不具合を回避するためには、上述した1サンプリング周期Tsの間の電流ILの上昇量に加えて、スイッチング素子Q2のゲートブロックにおける遅れ時間Tgの間の電流ILの上昇量を見込んで閾値OC1を設定することが必要である。
そこで、式(6)における第1の電流値ΔI1を、スイッチング素子Q2のオン期間T2onにおける、1サンプリング周期Tsの間の電流ILの上昇量と、遅れ時間Tgの間の電流のILの上昇量とを合計した値とする。すなわち、第1の電流値ΔI1は、遅れ時間Tgと、期間Tbにおける電流ILの変化率(式(5)参照)とを用いて、式(9)で表わされる。
ΔI1=(Ts+Tg)×V2/L …(9)
この式(9)を用いると、式(6)に示す関係は次式(10)のように変形することができる。
OC1<Ilim−(Ts+Tg)×V2/L …(10)
式(10)に示す関係を図10に当てはめると、サンプリングタイミングtiにおいて検出値ILが閾値OC1を超えるため、過電流検出回路10はHレベルのゲートブロック信号GBを制御装置20に出力することになる。これにより、サンプリングタイミングtiより遅れ時間Tgだけ遅れたタイミングでスイッチング素子Q2がオフされる。この結果、電流ILが許容電流値Ilimに達してしまうことを確実に防止することができる。
(昇圧動作時の過電流検出用閾値)
次に、図11を参照して、昇圧動作時の過電流検出に用いる閾値OC2について説明する。
昇圧動作時においても、降圧動作時と同様に、過電流検出回路10は、電流検出器CTの検出値ILに基づいて過電流を検出する。ただし、昇圧動作時には、正電圧端子T1および負電圧端子T2の間が電気的に短絡する短絡故障が発生した場合(図7参照)に過電流が生じる可能性がないため、短絡故障を考慮する必要がない。
図11は、スイッチング素子Q1のオン期間T1onでの電流ILを示す波形図である。オン期間T1onにおける電流ILの変化率dIL/dtは式(3)で与えられる。
過電流検出回路10は、所定のサンプリング周期Tsで、電流検出器CTの検出値ILを取得する。図11中の「ti」はi番目のサンプリングタイミングを示し、「ti−1」は(i−1)番目のサンプリングタイミングを示し、「ti+1」は(i+1)番目のサンプリングタイミングを示す。図11中の白丸は、各サンプリングタイミングでの検出値ILを示している。
過電流検出回路10は、サンプリングタイミングごとに取得した検出値ILと、閾値OC2とを比較する。閾値OC2は、昇圧動作時における過電流の検出に用いられる閾値である。閾値OC2は、許容電流値Ilimよりも低い値に設定されている。
電流検出器CTの検出値ILが閾値OC2以下である場合、過電流検出回路10は、電力変換装置1が正常であると判断して、Lレベルに非活性化されたゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。これに対して、検出値ILが閾値OC2より大きい場合には、過電流検出回路10は、電力変換装置1の過電流が発生したと判断して、Hレベルに活性化されたゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。制御装置20は、Hレベルのゲートブロック信号GBを受けると、スイッチング素子Q1,Q2をオフ状態に固定することにより昇圧動作を停止させる。
図11は、サンプリングタイミングtiにおいて、電流検出器CTの検出値ILが閾値OC2よりも小さい場合を示している。この場合、サンプリングタイミングtiでは、過電流検出回路10はLレベルのゲートブロック信号GBを制御装置20に出力するため、サンプリングタイミングti以降においても昇圧動作が実行され、電流ILは式(3)に示す変化率で上昇することになる。その結果、サンプリングタイミングtiよりも後の時刻において、電流ILが許容電流値Ilimに達してしまう可能性がある。
図11の例では、サンプリングタイミングtiの次のサンプリングタイミングti+1において電流ILが許容電流値Ilimにまで上昇しているため、スイッチング素子Q1,Q2が損傷するおそれがある。したがって、過電流の検出に用いる閾値OC2を、1サンプリング周期Tsの間の電流ILの上昇量を見込んで設定する必要がある。
本実施の形態1では、閾値OC2に対して第2の電流値ΔI2を加算した値が許容電流値Ilimを超えないように、閾値OC2を設定する。すなわち、次式(11)に示す関係を満足するように閾値OC2を設定する。
OC2+ΔI2<Ilim …(11)
この第2の電流値ΔI2は、スイッチング素子Q1のオン期間T1onにおける、1サンプリング周期Tsの間の電流ILの上昇量に相当する。第2の電流値ΔI2は、サンプリング周期Tsと、オン期間T1onにおける電流ILの変化率(式(3)参照)とを用いて、式(12)で表わされる。
ΔI2=Ts×V1/L …(12)
この式(12)を用いると、式(11)に示す関係は次式(13)のように変形することができる。
OC2<Ilim−Ts×V1/L …(13)
式(13)に示す関係を図11に当てはめると、サンプリングタイミングtiにおいて検出値ILが閾値OC2を超えるため、過電流検出回路10はHレベルのゲートブロック信号GBを制御装置20に出力することになる。これにより、制御装置20は電力変換装置1の昇圧動作を停止させるため、電流ILが許容電流値Ilimに達してしまうことを防止することができる。
ただし、上述したように、過電流検出回路10がHレベルのゲートブロック信号GBを出力してから、実際にスイッチング素子Q1がオフされるまでの間には、多少なりとも時間的な遅れが発生する。そのため、スイッチング素子Q1のゲートブロックにおける遅れ時間Tgの間にも電流ILが上昇し続けるため、実際にスイッチング素子Q1がオフされるタイミング以前に電流ILが許容電流値Ilimに達してしまう可能性がある。
そこで、式(11)における第2の電流値ΔI2を、スイッチング素子Q1のオン期間T1onにおける、1サンプリング周期Tsの間の電流ILの上昇量と、遅れ時間Tgの間の電流のILの上昇量とを合計した値とする。すなわち、第2の電流値ΔI2は、遅れ時間Tgと、オン期間T1onにおける電流ILの変化率(式(3)参照)とを用いて、式(14)で表わされる。
ΔI2=(Ts+Tg)×V1/L …(14)
この式(14)を用いると、式(13)に示す関係は次式(15)のように変形することができる。
OC2<Ilim−(Ts+Tg)×V1/L …(15)
式(15)に示す関係を図11に当てはめると、サンプリングタイミングtiにおいて検出値ILが閾値OC2を超えるため、過電流検出回路10はHレベルのゲートブロック信号GBを制御装置20に出力することになる。これにより、サンプリングタイミングtiより遅れ時間Tgだけ遅れたタイミングでスイッチング素子Q2がオフされる。この結果、電流ILが許容電流値Ilimに達してしまうことを確実に防止することができる。
以上のように、この発明の実施の形態1による電力変換装置1によれば、降圧動作での電流の大きさおよび変化率に見合った閾値OC1(第1の閾値)と、昇圧動作での電流の大きさおよび変化率に見合った閾値OC2(第2の閾値)とを使い分けて、過電流が検出される。これによれば、降圧動作および昇圧動作で共通の閾値を用いて過電流を検出する従来の制御方式に比べて、過電流を速やかかつ確実に検出することができる。
また、降圧動作での閾値OC1および昇圧動作での閾値OC2をそれぞれ、過電流検出回路10におけるサンプリング周期、およびスイッチング素子のゲートブロックにおける時間的な遅れを考慮して設定することにより、降圧動作および昇圧動作の各々において、過電流発生時のスイッチング素子の損傷を確実に防ぐことができる。
[実施の形態2]
(回路構成)
図12は、この発明の実施の形態2による電力変換装置の構成を示す回路図である。
図12を参照して、実施の形態2による電力変換装置2は、直流電源B1および直流電源B2a,B2bの間で双方向に直流電圧変換を行なう昇降圧チョッパ回路である。直流電源B2a,B2bは、たとえばリチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタ等で構成される。直流電源B2aおよびB2bは電気的に直列に接続されており、直流電圧V2/2ずつを出力する。直流電源B1の直流電圧V1は「第1の直流電圧」に対応する。直流電源B2aの直流電圧V2/2および直流電源B2bの直流電圧V2/2の合計値(=V2)は「第2の直流電圧」に対応する。
電力変換装置2は、直流電源B1と直流電源B2a,B2bとの間に接続される。電力変換装置2は、正電圧端子T1,T3、負電圧端子T2,T4、中性点電圧端子T5、電力用半導体スイッチング素子Q1a,Q1b,Q2a,Q2b、ダイオードD1a,D1b,D2a,D2b、リアクトルLa,Lb、電流検出器CT、過電流検出回路10、および制御装置20を備える。
正電圧端子T1および負電圧端子T2は、直流電源B1の正極端子および負極端子にそれぞれ接続される。正電圧端子T1および負電圧端子T2は、直流電圧V1を受ける。正電圧端子T1および負電圧端子T2は、「第1の正電圧端子」および「第1の負電圧端子」にそれぞれ対応する。
正電圧端子T3は、直流電源B2aの正極端子に接続される。負電圧端子T4は、直流電源B2bの負極端子に接続される。中性点電圧端子T5は、直流電源B2aおよびB2bの接続点(ノードN5)に接続される。正電圧端子T3および負電圧端子T4は、直流電圧V2を受ける。正電圧端子T3および負電圧端子T4は、「第2の正電圧端子」および「第2の負電圧端子」にそれぞれ対応する。中性点電圧端子T5は、「中性点電圧端子」に対応する。
スイッチング素子Q2aのコレクタは正電圧端子T3に電気的に接続され、スイッチング素子Q2aのエミッタはスイッチング素子Q1aのコレクタに電気的に接続される。スイッチング素子Q1aのコレクタはスイッチング素子Q1bのエミッタに電気的に接続される。スイッチング素子Q1bのエミッタはスイッチング素子Q2bのコレクタに電気的に接続される。スイッチング素子Q2bのエミッタは負電圧端子T4に電気的に接続される。スイッチング素子Q1aのエミッタとスイッチング素子Q1bのコレクタとの接続点(ノードN3)は中性点電圧端子T5に電気的に接続される。
ダイオードD1a,D1b,D2a,D2bはそれぞれ、スイッチング素子Q1a,Q1b,Q2a,Q2bに逆並列に接続される。
リアクトルLaは、スイッチング素子Q2aのエミッタとスイッチング素子Q1aのコレクタとの接続点(ノードN2)と正電圧端子T1との間に電気的に接続される。リアクトルLbは、スイッチング素子Q1bのエミッタとスイッチング素子Q2bのコレクタとの接続点(ノードN4)と負電圧端子T2との間に電気的に接続される。
スイッチング素子Q1a,Q1bおよびダイオードD1a,D1bは「第1のスイッチ回路」の一実施例に対応する。スイッチング素子Q2a,Q2bおよびダイオードD2a,D2bは「第2のスイッチ回路」の一実施例に対応する。
すなわち、電力変換装置2において、第1のスイッチ回路(Q1a,Q1b,D1a,D1b)および第2のスイッチ回路(Q2a,Q2b,D2a,D2b)は正電圧端子T3および負電圧端子T4の間に電気的に接続される。リアクトルLa,Lbは、第1のスイッチ回路および第2のスイッチ回路の接続点(ノードN2)と正電圧端子T1との間、および第1のスイッチ回路および第2のスイッチ回路の接続点(ノードN4)と負電圧端子T2との間にそれぞれ、電気的に接続される。
制御装置20は、第1のスイッチ回路(スイッチング素子Q1a,Q1b)のオンオフを制御することにより、直流電圧V1を昇圧して正電圧端子T3および負電圧端子T4の間に出力する昇圧動作を実行する。制御装置20は、また、第2のスイッチ回路(スイッチング素子Q2a,Q2b)のオンオフを制御することにより、直流電圧V2を降圧して正電圧端子T1および負電圧端子T2の間に出力する降圧動作を実行する。
電流検出器CTは、リアクトルLbと負電圧端子T2との間に設けられる。電流検出器CTは、リアクトルLa,Lbに流れる電流を検出し、その検出値ILを示す信号を過電流検出回路10に出力する。電流検出器CTは、リアクトルLaと正電圧端子T1との間に設けられてもよい。
過電流検出回路10は、電流検出器CTの検出値ILに基づいて電力変換装置2の過電流を検出する。具体的には、過電流検出回路10は、電流検出器CTの検出値ILが所定の閾値を超えた場合に、電力変換装置2の過電流を検出する。過電流検出回路10は、過電流を検出すると、ゲートブロック信号GBをLレベルからHレベルに活性化する。過電流検出回路10は、ゲートブロック信号GBを制御装置20に与える。
制御装置20は、ゲートブロック信号GBがLレベルである間は、スイッチング素子Q1a,Q1b,Q2a,Q2bのオンオフを制御するための制御信号S1a,S1b,S2a,S2bを生成することにより、昇圧動作および降圧動作を制御する。一方、制御装置20は、ゲートブロック信号GBがHレベルに活性化されると、電力変換装置2をゲートブロックすることにより、昇圧動作および降圧動作を停止させる。
(電力変換装置の降圧動作)
次に、電力変換装置2の動作について説明する。まず、図13および図14を参照して、電力変換装置2の降圧動作の一例について説明する。
降圧動作時、電力変換装置2では、スイッチング素子Q1a,Q1b(第1のスイッチ回路)がオフ固定されるとともに、スイッチング素子Q2aのオン期間(スイッチング素子Q2bはオフ)と、スイッチング素子Q2a,Q2bのオフ期間と、スイッチング素子Q2bのオン期間(スイッチング素子Q2aはオフ)とが交互に設けられる。
図13(a)に示されるように、スイッチング素子Q2aのオン期間(スイッチング素子Q1aはオフ)では、直流電源B2a−スイッチング素子Q2a−リアクトルLa−直流電源B1−リアクトルLb−ダイオードD1bを介した電流経路104が形成される。これにより、リアクトルLa,Lbにエネルギが蓄積されるとともに、直流電源B1が充電される。
一方、図13(b)に示されるように、スイッチング素子Q2a,Q2bのオフ期間では、リアクトルLa−直流電源B1−リアクトルLb−ダイオードD1b−ダイオードD1aを介した電流経路105が形成される。これにより、スイッチング素子Q2aのオン期間でリアクトルLa,Lbに蓄えられたエネルギが直流電圧B1に供給され、直流電源B1が充電される。
また、図13(c)に示されるように、スイッチング素子Q2bのオン期間(スイッチング素子Q2aはオフ)では、直流電源B2b−ダイオード1a−リアクトルLa−直流電源B1−リアクトルLb−スイッチング素子Q2aを介した電流経路106が形成される。これにより、リアクトルLa,Lbにエネルギが蓄積されるとともに、直流電源B1が充電される。
図14には、図13に示した電力変換装置2の降圧動作を説明するための波形図が示される。図14では、リアクトルLaの両端に印加される電圧とリアクトルLbの両端に印加される電圧との合計値を、電圧VLとする。また、リアクトルLa,Lbのインダクタンスの合計値をインダクタンスLとする。
図14を参照して、スイッチング素子Q2aのオン期間(図13(a)参照)では、リアクトルに印加される電圧VLは、直流電源B2aの直流電圧V2/2と直流電圧V1との差(V2/2−V1)で与えられる。リアクトルLa,Lbに流れる電流ILの変化率(上昇率)dIL/dtは、電圧VLおよびリアクトルのインダクタンスLを用いて、次式(16)で示される。
dIL/dt=(V2/2−V1)/L …(16)
スイッチング素子Q2a,Q2bのオフ期間(図13(b)参照)では、リアクトルの電圧VLは、−V1に減少する。電流ILの変化率(下降率)dIL/dtは、電圧VLおよびインダクタンスLを用いて、次式(17)で示される。
dIL/dt=−V1/L …(17)
スイッチング素子Q2bのオン期間(図13(b)参照)では、リアクトルに印加される電圧VLは、直流電源B2bの直流電圧V2/2と直流電圧V1との差(V2/2−V1)で与えられる。リアクトルLa,Lbに流れる電流ILの変化率(上昇率)dIL/dtは、電圧VLおよびリアクトルのインダクタンスLを用いて、式(16)で示される。
実施の形態2においても、上述した実施の形態1と同様に、降圧動作の実行中において、過電流検出回路10は、電流検出器CTにより検出される電流ILに基づいて、電力変換装置2の過電流を検出する。具体的には、過電流検出回路10は、電流検出器CTの検出値ILが閾値OC1以下である場合、電力変換装置2が正常であると判断して、Lレベルに非活性化されたゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。これに対して、検出値ILが閾値OC1より大きい場合には、過電流検出回路10は、電力変換装置2の過電流が発生したと判断して、Hレベルに活性化されたゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。
(降圧動作時の過電流検出用閾値)
次に、図15を参照して、降圧動作時の過電流検出に用いる閾値OC1について説明する。
図15には、電力変換装置2において、正電圧端子T1および負電圧端子T2の間が電気的に短絡する短絡故障が発生した場合が示されている。この短絡故障によって、電力変換装置2には過電流が生じる可能性がある。過電流検出回路10は、電流検出器CTの検出値ILに基づいて過電流を検出する。
たとえば、スイッチング素子Q2aのオン期間中の時刻tにて短絡故障が発生した場合、時刻t以前のオン期間である期間Taでの電圧VLは(V2/2−V1)であるのに対して、時刻t以後のオン期間である期間Tbでは、電圧VLは直流電圧V2に増加する。期間Tbにおける電流ILの変化率dIL/dtは次式(18)で与えられる。
dIL/dt=V2/L …(18)
図15では、サンプリングタイミングtiにおいて、電流検出器CTの検出値ILが閾値OC1よりも小さい。そのため、サンプリングタイミングtiでは、過電流検出回路10はLレベルのゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。したがって、サンプリングタイミングti以降においても降圧動作が実行されるため、電流ILは式(18)に示す変化率で上昇することになる。その結果、サンプリングタイミングtiよりも後の時刻において、電流ILが許容電流値Ilimに達してしまう可能性がある。
そこで、本実施の形態2では、上述した実施の形態1と同様に、閾値OC1に対して第1の電流値ΔI1を加算した値が許容電流値Ilimを超えないように、閾値OC1を設定する。すなわち、式(6)に示す関係を満足するように閾値OC1を設定する。
この第1の電流値ΔI1は、スイッチング素子Q2a(またはQ2b)のオン期間における、1サンプリング周期Tsの間の電流ILの上昇量に相当する。第1の電流値ΔI1は、サンプリング周期Tsと、期間Tbにおける電流ILの変化率(式(18)参照)とを用いて、次式(19)で表わされる。
ΔI1=Ts×V2/L …(19)
この式(19)を用いると、式(6)に示す関係は次式(20)のように変形することができる。なお、次式(20)に示す関係は、実施の形態1において式(8)に示した関係と同じである。
OC1<Ilim−Ts×V2/L …(20)
さらに、1サンプリング周期Tsの間の電流ILの上昇量に加えて、スイッチング素子Q2a,Q2nのゲートブロックにおける遅れ時間Tgの間の電流ILの上昇量を見込んで閾値OC1を設定することで、電流ILが許容電流値Ilimに達してしまうことを確実に防止することができる。
具体的には、式(6)における第1の電流値ΔI1を、スイッチング素子Q2a(またはQ2b)のオン期間における、1サンプリング周期Tsの間の電流ILの上昇量と、遅れ時間Tgの間の電流のILの上昇量とを合計した値とする。第1の電流値ΔI1は、遅れ時間Tgと、期間Tbにおける電流ILの変化率(式(18)参照)とを用いて、式(21)で表わされる。
ΔI1=(Ts+Tg)×V2/L …(21)
この式(21)を用いると、式(6)に示す関係は次式(22)のように変形することができる。なお、次式(22)に示す関係は、実施の形態1において式(10)に示した関係と同じである。
OC1<Ilim−(Ts+Tg)×V2/L …(22)
このように、降圧動作時の電流ILの変化率dIL/dt、過電流検出回路10のサンプリング周期Ts、およびスイッチング素子のゲートブロックにおける遅れ時間Tgを考慮して閾値OC1を設定することにより、降圧動作の実行中に発生した過電流を速やかに検出することができる。これによれば、過電流を検出して直ちに電力変換装置2をゲートブロックすることで、スイッチング素子の損傷を防ぐことができる。
なお、電力変換装置2においては、図13に示した降圧動作に代えて、図16に示す降圧動作が行なわれることがある。これら2つの降圧動作は、直流電圧V1と直流電圧V2/2との大小関係に応じていずれか一方が実行される。具体的には、直流電圧V1が直流電圧V2/2よりも低いときには、図13に示した降圧動作が実行される。一方、直流電圧V1が直流電圧V2/2よりも高いときには、図16に示す降圧動作が実行される。
図16を参照して、電力変換装置2では、スイッチング素子Q1a,Q1b(第1のスイッチ回路)がオフ固定されるとともに、スイッチング素子Q2a,Q2bのオン期間と、スイッチング素子Q2aのオン期間(スイッチング素子Q2bはオフ)と、スイッチング素子Q2bのオン期間(スイッチング素子Q2aはオフ)とが交互に設けられる。
図16(a)に示されるように、スイッチング素子Q2a,Q2bのオン期間では、直流電源B2a−スイッチング素子Q2a−リアクトルLa−直流電源B1−リアクトルLb−スイッチング素子Q2b−直流電源B2bを介した電流経路107が形成される。これにより、リアクトルLa,Lbにエネルギが蓄積されるとともに、直流電源B1が充電される。
一方、図16(b)に示されるように、スイッチング素子Q2aのオン期間(スイッチング素子Q2bはオフ)では、直流電源B2a−スイッチング素子Q2a−リアクトルLa−直流電源B1−リアクトルLb−ダイオードD1bを介した電流経路108が形成される。これにより、リアクトルLa,Lbにエネルギが蓄積されるとともに、直流電源B1が充電される。
また、図16(c)に示されるように、スイッチング素子Q2bのオン期間(スイッチング素子Q2aはオフ)では、直流電源B2b−ダイオードD1a−リアクトルLa−直流電源B1−リアクトルLb−スイッチング素子Q2bを介した電流経路109が形成される。これにより、リアクトルLa,Lbにエネルギが蓄積されるとともに、直流電源B1が充電される。
図17には、図16に示した電力変換装置2の降圧動作を説明するための波形図が示される。図17では、リアクトルLaの両端に印加される電圧とリアクトルLbの両端に印加される電圧との合計値を、電圧VLとする。また、リアクトルLa,Lbのインダクタンスの合計値をインダクタンスLとする。
図17を参照して、スイッチング素子Q2a,Q2bのオン期間(図16(a)参照)では、リアクトルに印加される電圧VLは、直流電源B2a,B2bの直流電圧の合計値V2と直流電圧V1との差(V2−V1)で与えられる。リアクトルLa,Lbに流れる電流ILの変化率(上昇率)dIL/dtは、電圧VLおよびリアクトルのインダクタンスLを用いて、次式(23)で示される。
dIL/dt=(V2−V1)/L …(23)
スイッチング素子Q2aのオン期間(図16(b)参照)では、リアクトルの電圧VLに印加される電圧VLは、直流電源B2aの直流電圧V2/2と直流電圧V1との差(V2/2−V1)で与えられる。リアクトルLa,Lbに流れる電流ILの変化率(下降率)dIL/dtは、電圧VLおよびインダクタンスLを用いて、次式(24)で示される。
dIL/dt=(V2/2−V1)/L …(24)
スイッチング素子Q2bのオン期間(図16(c)参照)では、リアクトルに印加される電圧VLは、直流電源B2bの直流電圧V2/2と直流電圧V1との差(V2/2−V1)で与えられる。リアクトルLa,Lbに流れる電流ILの変化率(下降率)dIL/dtは、電圧VLおよびリアクトルのインダクタンスLを用いて、式(24)で示される。
図16に示した降圧動作時において、正電圧端子T1および負電圧端子T2の間が電気的に短絡する短絡故障が発生した場合、図13に示した降圧動作時と同様に、電圧VLは直流電圧V2に増加する。
過電流検出回路10は、電流検出器CTの検出値ILが閾値OC1以下である場合、電力変換装置2が正常であると判断して、Lレベルに非活性化されたゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。これに対して、検出値ILが閾値OC1より大きい場合には、過電流検出回路10は、電力変換装置2の過電流が発生したと判断して、Hレベルに活性化されたゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。
なお、閾値OC1は、式(20)または式(22)に示す関係を満足するように設定される。このようにすると、降圧動作の実行中に発生した過電流を速やかに検出することができるため、スイッチング素子の損傷を防ぐことができる。
(電力変換装置の昇圧動作)
次に、図18および図19を参照して、電力変換装置2の昇圧動作について説明する。
昇圧動作時、電力変換装置2では、スイッチング素子Q2a,Q2b(第2のスイッチ回路)がオフ固定されるとともに、スイッチング素子Q1aのオン期間(スイッチング素子Q1bはオフ)と、スイッチング素子Q1a,Q1bのオフ期間と、スイッチング素子Q1bのオン期間(スイッチング素子Q1aはオフ)とが交互に設けられる。
図18(a)に示されるように、スイッチング素子Q1aのオン期間(スイッチング素子Q1bはオフ)では、直流電源B1−リアクトルLa−スイッチング素子Q1a−直流電源B2b−ダイオードD2b−リアクトルLbを介した電流経路110が形成される。これにより、リアクトルLa,Lbにエネルギが蓄積されるとともに、直流電源B2bが充電される。
一方、図18(b)に示されるように、スイッチング素子Q1a,Q1bのオフ期間では、直流電源B1−リアクトルLa−ダイオードD2a−直流電源B2a−直流電源B2b−ダイオードD2b−リアクトルLb−ダイオードD1aを介した電流経路111が形成される。これにより、スイッチング素子Q1aのオン期間でリアクトルLa,Lbに蓄えられたエネルギが直流電圧B2a,B2bに供給され、直流電源B2a,B2bが充電される。
また、図18(c)に示されるように、スイッチング素子Q1bのオン期間(スイッチング素子Q1aはオフ)では、直流電源B1−リアクトルLa−ダイオードD1a−直流電源B2a−スイッチング素子Q1b−リアクトルLbを介した電流経路112が形成される。これにより、リアクトルLa,Lbにエネルギが蓄積されるとともに、直流電源B2aが充電される。
図19には、図18に示した電力変換装置2の昇圧動作を説明するための波形図が示される。図19では、リアクトルLaの両端に印加される電圧とリアクトルLbの両端に印加される電圧との合計値を、電圧VLとする。また、リアクトルLa,Lbのインダクタンスの合計値をインダクタンスLとする。
図19を参照して、スイッチング素子Q1aのオン期間(図18(a)参照)では、リアクトルに印加される電圧VLは、直流電圧V1と直流電源B2bの直流電圧V2/2との差(V1−V2/2)で与えられる。リアクトルLa,Lbに流れる電流ILの変化率(上昇率)dIL/dtは、電圧VLおよびリアクトルのインダクタンスLを用いて、次式(25)で示される。
dIL/dt=(V1−V2/2)/L …(25)
スイッチング素子Q1a,Q1bのオフ期間(図18(b)参照)では、リアクトルの電圧VLは、V1−V2に減少する。電流ILの変化率(下降率)dIL/dtは、電圧VLおよびインダクタンスLを用いて、次式(26)で示される。
dIL/dt=V1−V2/L …(26)
スイッチング素子Q1bのオン期間(図18(c)参照)では、リアクトルに印加される電圧VLは、直流電圧V1と直流電源B2aの直流電圧V2/2との差(V1−V2/2)で与えられる。リアクトルLa,Lbに流れる電流ILの変化率(上昇率)dIL/dtは、電圧VLおよびリアクトルのインダクタンスLを用いて、式(25)で示される。
昇圧動作の実行中において、過電流検出回路10は、電流検出器CTにより検出される電流ILに基づいて、電力変換装置2の過電流を検出する。具体的には、過電流検出回路10は、電流検出器CTの検出値ILが閾値OC2以下である場合、電力変換装置2が正常であると判断して、Lレベルに非活性化されたゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。これに対して、検出値ILが閾値OC2より大きい場合には、過電流検出回路10は、電力変換装置2の過電流が発生したと判断して、Hレベルに活性化されたゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。
(昇圧動作時の過電流検出用閾値)
次に、図20を参照して、昇圧動作時の過電流検出に用いる閾値OC2について説明する。
図20には、電力変換装置2において、スイッチング素子Q1a,Q1bが同時にオンされる場合(すなわち、ノードN2とノードN4との間が電気的に短絡している場合)が示されている。この場合、電力変換装置2に過電流が生じる可能性がある。過電流検出回路10は、電流検出器CTの検出値ILに基づいて過電流を検出する。
スイッチング素子Q1a,Q1bが同時にオンされる期間において、電圧VLは直流電圧V1に増加する。この期間における電流ILの変化率dIL/dtは次式(27)で与えられる。
dIL/dt=V1/L …(27)
図20では、サンプリングタイミングtiにおいて、電流検出器CTの検出値ILが閾値OC2よりも小さい。そのため、サンプリングタイミングtiでは、過電流検出回路10はLレベルのゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。したがって、サンプリングタイミングti以降においても昇圧動作が実行されるため、電流ILは式(27)に示す変化率で上昇する。その結果、サンプリングタイミングtiよりも後の時刻において、電流ILが許容電流値Ilimに達してしまう可能性がある。
そこで、本実施の形態2では、閾値OC2に対して第2の電流値ΔI2を加算した値が許容電流値Ilimを超えないように、閾値OC2を設定する。すなわち、式(11)に示す関係を満足するように閾値OC2を設定する。
この第2の電流値ΔI2は、スイッチング素子Q1aおよびQ1bのオン期間における、1サンプリング周期Tsの間の電流ILの上昇量に相当する。第2の電流値ΔI2は、サンプリング周期Tsと、スイッチング素子Q1aおよびQ1bのオン期間における電流ILの変化率(式(27)参照)とを用いて、次式(28)で表わされる。
ΔI2=Ts×V1/L …(28)
この式(28)を用いると、式(11)に示す関係は次式(29)のように変形することができる。なお、次式(29)に示す関係は、実施の形態1において式(13)に示した関係と同じである。
OC2<Ilim−Ts×V1/L …(29)
さらに、1サンプリング周期Tsの間の電流ILの上昇量に加えて、スイッチング素子Q1a,Q1bのゲートブロックにおける遅れ時間Tgの間の電流ILの上昇量を見込んで閾値OC2を設定することで、電流ILが許容電流値Ilimに達してしまうことを確実に防止することができる。
具体的には、式(11)における第2の電流値ΔI2を、スイッチング素子Q1aおよびQ1bのオン期間における、1サンプリング周期Tsの間の電流ILの上昇量と、遅れ時間Tgの間の電流のILの上昇量とを合計した値とする。第2の電流値ΔI2は、遅れ時間Tgと、スイッチング素子Q1およびQ1bのオン期間における電流ILの変化率(式(28)参照)とを用いて、式(30)で表わされる。
ΔI2=(Ts+Tg)×V1/L …(30)
この式(30)を用いると、式(13)に示す関係は次式(31)のように変形することができる。なお、次式(31)に示す関係は、実施の形態1において式(15)に示した関係と同じである。
OC2<Ilim−(Ts+Tg)×V1/L …(31)
このように、昇圧動作時の電流ILの変化率dIL/dt、過電流検出回路10のサンプリング周期、およびスイッチング素子のゲートブロックにおける遅れ時間を考慮して閾値OC2を設定することにより、昇圧動作の実行中に生じた過電流を速やかに検出することができる。これによれば、過電流を検出して直ちに電力変換装置2をゲートブロックすることで、スイッチング素子の損傷を防ぐことができる。
なお、電力変換装置2においては、図18に示した昇圧動作に代えて、図21に示す昇圧動作が行なわれることがある。これら2つの昇圧動作は、直流電圧V1と直流電圧V2/2との大小関係に応じていずれか一方が実行される。具体的には、直流電圧V1が直流電圧V2/2よりも高いときには、図18に示した昇圧動作が実行される。一方、直流電圧V1が直流電圧V2/2よりも低いときには、図21に示す昇圧動作が実行される。
図21を参照して、電力変換装置2では、スイッチング素子Q2a,Q2b(第2のスイッチ回路)がオフ固定されるとともに、スイッチング素子Q1a,Q1bのオン期間と、スイッチング素子Q1aのオン期間(スイッチング素子Q1bはオフ)と、スイッチング素子Q1bのオン期間(スイッチング素子Q1aはオフ)とが交互に設けられる。
図21(a)に示されるように、スイッチング素子Q1a,Q1bのオン期間では、直流電源B1−リアクトルLa−スイッチング素子Q1a−スイッチング素子Q1b−リアクトルLbを介した電流経路113が形成される。これにより、リアクトルLa,Lbにエネルギが蓄積される。
一方、図21(b)に示されるように、スイッチング素子Q1aのオン期間(スイッチング素子Q1bはオフ)では、直流電源B1−リアクトルLa−スイッチング素子Q1a−直流電源B2b−ダイオードD2b−リアクトルLbを介した電流経路114が形成される。これにより、リアクトルLa,Lbにエネルギが蓄積されるとともに、直流電源B2bが充電される。
また、図21(c)に示されるように、スイッチング素子Q1bのオン期間(スイッチング素子Q1aはオフ)では、直流電源B1−リアクトルLa−ダイオードD2a−直流電源B2a−スイッチング素子Q1b−リアクトルLbを介した電流経路115が形成される。これにより、リアクトルLa,Lbにエネルギが蓄積されるとともに、直流電源B2aが充電される。
図22には、図21に示した電力変換装置2の昇圧動作を説明するための波形図が示される。図22では、リアクトルLaの両端に印加される電圧とリアクトルLbの両端に印加される電圧との合計値を、電圧VLとする。また、リアクトルLa,Lbのインダクタンスの合計値をインダクタンスLとする。
図22を参照して、スイッチング素子Q1a,Q1bのオン期間(図21(a)参照)では、リアクトルに印加される電圧VLは直流電圧V1で与えられる。リアクトルLa,Lbに流れる電流ILの変化率(上昇率)dIL/dtは、電圧VLおよびリアクトルのインダクタンスLを用いて、次式(32)で示される。
dIL/dt=V1/L …(32)
スイッチング素子Q1aのオン期間(図21(b)参照)では、リアクトルの電圧VLに印加される電圧VLは、直流電圧V1と直流電源B2aの直流電圧V2/2との差(V1−V2/2)で与えられる。リアクトルLa,Lbに流れる電流ILの変化率(下降率)dIL/dtは、電圧VLおよびインダクタンスLを用いて、次式(33)で示される。
dIL/dt=(V1−V2/2)/L …(33)
スイッチング素子Q1bのオン期間(図21(c)参照)では、リアクトルに印加される電圧VLは、直流電圧V1と直流電源B2bの直流電圧V2/2との差(V1−V2/2)で与えられる。リアクトルLa,Lbに流れる電流ILの変化率(下降率)dIL/dtは、電圧VLおよびリアクトルのインダクタンスLを用いて、式(33)で示される。
図21に示した昇圧動作時において、正電圧端子T1および負電圧端子T2の間が電気的に短絡する短絡故障が発生した場合、図18に示した昇圧動作時と同様に、電圧VLは直流電圧V1に増加する。
過電流検出回路10は、電流検出器CTの検出値ILが閾値OC2以下である場合、電力変換装置2が正常であると判断して、Lレベルに非活性化されたゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。これに対して、検出値ILが閾値OC2より大きい場合には、過電流検出回路10は、電力変換装置2の過電流が発生したと判断して、Hレベルに活性化されたゲートブロック信号GBを制御装置20に出力する。
なお、閾値OC2は、式(29)または式(31)に示す関係を満足するように設定される。このようにすると、昇圧動作の実行中に発生した過電流を速やかに検出することができるため、スイッチング素子の損傷を防ぐことができる。
なお、本実施の形態1,2では、2つの直流電源B1,B2(B2aおよびB2b)の間で双方向に直流電圧変換を行なう例を説明したが、直流電源と負荷との間で双方向に直流電圧変換を行なう電力変換装置においても、本発明を適用することができる。この場合、負荷は、直流電圧V2によって動作する機器であれば、任意の機器によって構成できる点について確認的に記載する。
今回開示された実施の形態がすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2 電力変換装置、10 過電流検出回路、12 絶対値検出回路、14 比較器、16 判定部、18 切替回路、20 制御装置、B1,B2,B2a,B2b 直流電源、L1,La,Lb リアクトル、Q1,Q2,Q1a,Q1b,Q2a,Q2b スイッチング素子、D1,D2,D1a,D1b,D2a,D2b ダイオード、CT 電流検出器、T1,T3 正電圧端子、T2,T4 負電圧端子、T5 中性点電圧端子。

Claims (16)

  1. 第1の直流電圧と第2の直流電圧との間で双方向に直流電圧変換を実行する電力変換装置であって、
    前記第1の直流電圧を受ける第1の正電圧端子および第1の負電圧端子と、
    前記第2の直流電圧を受ける第2の正電圧端子および第2の負電圧端子と、
    前記第1の正電圧端子および前記第1の負電圧端子の間に電気的に接続される第1のスイッチ回路と、
    前記第2の正電圧端子および前記第2の負電圧端子の間に、前記第1のスイッチ回路と電気的に直列に接続される第2のスイッチ回路と、
    前記第1および第2のスイッチ回路の接続点と前記第1の正電圧端子および前記第1の負電圧端子の少なくとも一方との間に電気的に接続されるリアクトルと、
    前記直流電圧変換を制御する制御装置と、
    前記リアクトルに流れる電流を検出する電流検出器と、
    前記電流検出器の検出値に基づいて前記電力変換装置の過電流を検出するように構成された過電流検出回路とを備え、
    前記制御装置は、前記第1のスイッチ回路のオンオフを制御することにより前記第1の直流電圧を昇圧して前記第2の正電圧端子および前記第2の負電圧端子の間に出力する昇圧動作と、前記第2のスイッチ回路のオンオフを制御することにより前記第2の直流電圧を降圧して前記第1の正電圧端子および前記第1の負電圧端子の間に出力する降圧動作とを実行するように構成され、
    前記過電流検出回路は、前記降圧動作時には、前記電流検出器の検出値が第1の閾値を超えたときに過電流を検出し、かつ、前記昇圧動作時には、前記電流検出器の検出値が前記第1の閾値とは異なる第2の閾値を超えたときに過電流を検出する、電力変換装置。
  2. 前記第1のスイッチ回路は、第1のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子に逆並列に接続される第1のダイオードとを含み、
    前記第2のスイッチ回路は、第2のスイッチング素子と、前記第2のスイッチング素子に逆並列に接続される第2のダイオードとを含み、
    前記制御装置は、前記降圧動作時には、前記第1のスイッチング素子をオフ固定するとともに、前記第2のスイッチング素子をオンオフするように構成され、
    前記過電流検出回路は、所定のサンプリング周期で、前記電流検出器の検出値をサンプリングするように構成され、
    前記過電流検出回路は、前記第2のスイッチング素子のオン期間において、前記第1の閾値に対して第1の電流値を加算した値が、前記第1および第2のスイッチング素子の許容電流値を超えないように、前記第1の閾値を設定する、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記第1の電流値は、前記第2のスイッチング素子のオン期間において、1サンプリング周期の間に前記リアクトルに流れる電流の上昇量を含む、請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記過電流検出回路は、過電流を検出したときに、前記第1および第2のスイッチング素子のゲートブロック信号を出力するように構成され、
    前記第1の電流値は、前記第2のスイッチング素子のオン期間において、前記ゲートブロック信号が出力されてから前記第2のスイッチング素子がオフするまでの間に前記リアクトルに流れる電流の上昇量をさらに含む、請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記第2のスイッチング素子のオン期間において前記リアクトルに流れる電流は、前記第1の正電圧端子と前記第1の負電圧端子とが電気的に短絡した状態で前記リアクトルに流れる電流である、請求項3または4に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御装置は、前記昇圧動作時には、前記第2のスイッチング素子をオフ固定するとともに、前記第1のスイッチング素子をオンオフするように構成され、
    前記過電流検出回路は、前記第1のスイッチング素子のオン期間において、前記第2の閾値に対して第2の電流値を加算した値が前記許容電流値を超えないように、前記第2の閾値を設定する、請求項2に記載の電力変換装置。
  7. 前記第2の電流値は、前記第1のスイッチング素子のオン期間において、1サンプリング周期の間に前記リアクトルに流れる電流の上昇量を含む、請求項6に記載の電力変換装置。
  8. 前記過電流検出回路は、過電流を検出したときに、前記第1および第2のスイッチング素子のゲートブロック信号を出力するように構成され、
    前記第2の電流値は、前記第1のスイッチング素子のオン期間において、前記ゲートブロック信号が出力されてから前記第1のスイッチング素子がオフするまでの間に前記リアクトルに流れる電流の上昇量をさらに含む、請求項7に記載の電力変換装置。
  9. 前記第2の直流電圧の中性点電圧を受ける中性点電圧端子をさらに備え、
    前記第1のスイッチ回路は、
    電気的に直列に接続される第1および第2のスイッチング素子と、
    前記第1および第2のスイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続される第1および第2のダイオードとを含み、
    前記第2のスイッチ回路は、
    前記第2の正電圧端子と前記第1のスイッチング素子との間に接続される第3のスイッチング素子と、
    前記第2の負電圧端子と前記第2のスイッチング素子との間に接続される第4のスイッチング素子と、
    前記第3および第4のスイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続される第3および第4のダイオードとを含み、
    前記リアクトルは、前記第1および第3のスイッチング素子の接続点と前記第1の正電圧端子との間、および、前記第2および第4のスイッチング素子の接続点と前記第1の負電圧端子との間にそれぞれ接続され、
    前記第1および第2のスイッチング素子の接続点は前記中性点電圧端子に電気的に接続され、
    前記制御装置は、前記降圧動作時には、前記第1および第2のスイッチング素子をオフ固定するとともに、前記第3および第4のスイッチング素子を相補的にオンオフするように構成され、
    前記過電流検出回路は、所定のサンプリング周期で、前記電流検出器の検出値をサンプリングするように構成され、
    前記過電流検出回路は、前記第3または第4のスイッチング素子のオン期間において、前記検出値に対して第3の電流値を加算した値が許容値を超えないように、前記第1の閾値を設定する、請求項1に記載の電力変換装置。
  10. 前記第3の電流値は、前記第3または第4のスイッチング素子のオン期間において、1サンプリング周期の間に前記リアクトルに流れる電流の上昇量を含む、請求項9に記載の電力変換装置。
  11. 前記過電流検出回路は、過電流を検出したときに、前記第1から第4のスイッチング素子のゲートブロック信号を出力するように構成され、
    前記第3の電流値は、前記第3または第4のスイッチング素子のオン期間において、前記ゲートブロック信号が出力されてから前記第3および第4のスイッチング素子がオフするまでの間に前記リアクトルに流れる電流の上昇量をさらに含む、請求項10に記載の電力変換装置。
  12. 前記第3または第4のスイッチング素子のオン期間において前記リアクトルに流れる電流は、前記第1の正電圧端子と前記第1の負電圧端子とが電気的に短絡した状態で前記リアクトルに流れる電流である、請求項10または11に記載の電力変換装置。
  13. 前記制御装置は、前記昇圧動作時には、前記第3および第4のスイッチング素子をオフ固定するとともに、前記第1および第2のスイッチング素子を相補的にオンオフするように構成され、
    前記過電流検出回路は、前記第1または第2のスイッチング素子のオン期間において、前記検出値に対して第4の電流値を加算した値が許容値を超えないように、前記第2の閾値を設定する、請求項9に記載の電力変換装置。
  14. 前記第4の電流値は、前記第1または第2のスイッチング素子のオン期間において、1サンプリング周期の間に前記リアクトルに流れる電流の上昇量を含む、請求項13に記載の電力変換装置。
  15. 前記過電流検出回路は、過電流を検出したときに、前記第1から第4のスイッチング素子のゲートブロック信号を出力するように構成され、
    前記第4の電流値は、前記第1または第2のスイッチング素子のオン期間において、前記ゲートブロック信号が出力されてから前記第1および第2のスイッチング素子がオフするまでの間に前記リアクトルに流れる電流の上昇量をさらに含む、請求項14に記載の電力変換装置。
  16. 前記第1または第2のスイッチング素子のオン期間において前記リアクトルに流れる電流は、前記第1および第2のスイッチング素子がオンした状態で前記リアクトルに流れる電流である、請求項14または15に記載の電力変換装置。
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