JP2018004784A - ジオプター値予測システム、ジオプター値予測方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジオプター値予測システム1は、ジオプター値予測システム1は、Db(現在のジオプター値)、Age(年令)、Sex(性別)及びRL(眼球の左右)を入力する入力手段2と、Db(現在のジオプター値)及びAge(年令)に基づいて、interval(時間)が経過した後のジオプター値Daを予測する計算手段3と、下記の将来のジオプター値の予測式及びテーブル値を記憶する記憶手段4と、予測したジオプター値を出力し、さらに、その予測したジオプター値に基づいて、勧めるメガネのジオプター値を出力する出力手段5と、を備える。
Da=β0+β1Age+β2Age2+β3Age3+β4Age4+β5Db+β6Sex+β7RL
【選択図】図1
Description
近視・遠視・乱視の強さの度数は、ジオプター(diopter:レンズの度数)値で表記される。ジオプターとは、レンズの屈折力の単位(Dで表記)であり、マイナス表示(−D)は近視、プラス表示(+D)は遠視である。正視の場合は±ゼロになる。
非特許文献1では、米オハイオ州立大学検眼学部を中心とした研究グループが、ジャマ(JAMA)オフサロモロジー誌で2015年4月2日に報告している。この研究グループは、さらに近視発症の予測に関して、考えられ得る危険因子を13項目想定して確度の高いものを絞り込んでいる。検証の結果、視力の調査を始めた時点での低遠視性あるいは高近視性の屈折異常があるときに、一貫してその後の近視発症のリスクと関連し、眼科の検査で発見可能なものであるとする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るジオプター値予測システムの構成図である。
本実施形態に係るジオプター値予測システム及び方法は、将来のジオプター値を予測するためのものである。
計算手段3は、Db(現在のジオプター値)及びAge(年令)に基づいて、interval(時間)が経過した後のジオプター値Daを予測する。詳細には、計算手段3は、Db、Ageを変数として、将来のジオプター値の予測式(式(4))(後記)(請求項2のAgeの多項式)によってintervalごとにDaを予測する。より詳細には、計算手段3は、Db、Age、Sex(性別)、RL(眼球の左右)を変数として、上記Ageの多項式によってintervalごとにDaを予測する。
記憶手段4は、将来のジオプター値の予測式(式(4))、及び当該予測式(式(4))のテーブル値(〔表4〕参照)(後記)を記憶する。
出力手段5は、将来のジオプター値の予測式(式(4))により予測したジオプター値を出力し、さらに、その予測したジオプター値に基づいて、勧めるメガネ(コンタクトレンズを含む。以下同様)のジオプター値を出力する。
5年後のジオプター値の変化の予測について考察する。
5年の間隔のデータを準備した。5年の間隔のデータには、595,389のエントリ(116,549人の個人の来歴)がある。1つのエントリは、次式(1)から成る。
ただし、
ID:個人の識別記号
RL:右/左を1/2
Sex:男/女を1/2
Age:現在の年令
Db:現在のジオプター値
Da:期間経過後(5年後)のジオプター値
図2は、データの分布とその回帰曲線を示す図であり、横軸は「現在の年令」(Age)、縦軸は「5年後のジオプター値−現在のジオプター値」(Da−Db)である。
図2に示すように、若い頃は近視が急に進行し、高齢になると遠視が緩やかに進行することが分かる。
図3に示すように、傾きがほぼ一定の直線状であることから、変化が「現在のジオプター値」に依存しない、つまり時系列として定常的であることが分かる。
ただし、s(Age):年令に対するスプライン関数
任意の年の後のジオプター値の予測ついて述べる。元になるデータセットは、時間間隔が5年より長い125,679のエントリを含む。何人かは複数の時点で測定されているので、より短い時間間隔は、5年の間隔データから推測することもできる。
ID, RL, Sex, Age-1, ... , Age-n, D1, ... , Dn (3)
ただし、
Age-n:年令第n才
Dn:第n才におけるジオプター値
式(3)、〔表1〕に示すデータから、1−10年後のジオプター値を予測するモデルを作成することができる。
Da=β0+β1Age+β2Age2+・・・+βiAgei+β5Db+β6Sex+β7RL
(4)
ただし、i=2〜5の整数
について検証した。
これらのモデルによる結果は、〔表2〕に示される。
interval:2回のジオプター値の測定の年間隔
Db:Db(前のジオプター値)をDa(後のジオプター値)の予測量としたときのRMSE(平方根平均二乗誤差)の推定値(以下E_bという。)
s:年令のs(スプライン関数)を用いたDaの予測量のRMSEの推定値(以下E_sという。)
R_by_s:(E_b−E_s)/E_b(年令のスプライン関数を用いることによる誤差の減少率に相当する)
2:年令の2次関数を用いたDaの予測量のRMSEの推定値
3:年令の3次関数を用いたDaの予測量のRMSEの推定値
4:年令の4次関数を用いたDaの予測量のRMSEの推定値(以下E_4という。)
R_by_4:(E_b−E_4)/E_b(年令の4次関数を用いることによる誤差の減少率に相当する)
5:年令の5次関数を用いたDaの予測量のRMSEの推定値
また、多項式回帰は、スプライン回帰よりわずかに悪い予測である。しかし、違いはわずかである。実際、4次多項式回帰による誤差の減少率R_by_4は、スプライン回帰による誤差の減少率R_by_sとほとんど同じである。違いは一般に1%未満である。
そして、多項式回帰の誤差の推定値である2,3,4,5を比較すると、大体5が一番小さいが、10年では4が最小であることと、モデルの簡便性、誤差の低減は2〜4の間と比べて4〜5の間は僅かであることから、4が良いと結論した。
4次多項式による予測の95%の信頼区間の幅は、〔表3〕に示す値となる。
将来のジオプター値の予測式(Ageの多項式)は、次式(4)の一般式によって示される。ただし、係数は、〔表4〕のテーブルで与えられる。式(4)のジオプター値の予測式は、Ageに関する4次関数であり、本発明者らが初めて開示するものである。
(4)
ただし、
Da:期間経過後のジオプター値
βn:各年令と多項式の各項により示される表の値をとる係数
Age:現在の年令
Db:現在のジオプター値
Sex:男/女を1/2
RL:右/左を1/2
図4は、ジオプター値予測システム1のジオプター値予測を示すフローチャートである。本フローは、例えば、計算手段3を構成するCPUにより実行される。
まず、ステップS1で入力手段2は、Db(現在のジオプター値)、Age(年令)、Sex(性別)及びRL(眼球の左右)を入力する。入力手段2は、例えば、ポインティングデバイスなどのユーザ操作、外部記憶媒体や通信線からのDb(現在のジオプター値)、Age(年令)データの取り込みである。
次いで、ステップS2で計算手段3は、記憶手段4に格納されている将来のジオプター値の予測式(式(4))、及びテーブル値(〔表4〕)を読み出す。
次いで、ステップS4で出力手段5は、予測したジオプター値を出力し、さらに、その予測したジオプター値に基づいて、勧めるメガネのジオプター値を出力する。出力手段5は、例えば、表示部やプリンタに予測したジオプター値及び勧めるメガネのジオプター値を出力する。外部記憶媒体への書き出し、ネットワークなどの通信線への出力を含む。
本実施形態では、計算手段3は、Db、Age、Sex(性別)、RL(眼球の左右)を変数として、将来のジオプター値の予測式(式(4))及びテーブル値(〔表4〕)によってintervalごとにDaを予測する。
Circuit)カード、SD(Secure Digital)カード、光ディスク等の記録媒体に保持することができる。また、本明細書において、時系列的な処理を記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)をも含むものである。
また、上記実施の形態では、ジオプター値予測システム及びジオプター値予測方法という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、名称はジオプター値予測装置、ジオプター値算出方法等であってもよい。
2 入力手段
3 計算手段
4 記憶手段
5 出力手段
計算手段3は、Db(現在のジオプター値)及びAge(年令)に基づいて、interval(時間)が経過した後のジオプター値Daを予測する。詳細には、計算手段3は、Db、Ageを変数として、将来のジオプター値の予測式(式(4)(請求項2のAgeの多項式)又は式(5))(後記)によってintervalごとにDaを予測する。より詳細には、計算手段3は、Db、Age、Sex(性別)、RL(眼球の左右)を変数として、上記Ageの多項式によってintervalごとにDaを予測する。
記憶手段4は、将来のジオプター値の予測式(式(4)又は式(5))、及び当該予測式(式(4)又は式(5))のテーブル値(例えば〔表4〕参照)(後記)を記憶する。
出力手段5は、将来のジオプター値の予測式(式(4)又は式(5))により予測したジオプター値を出力し、さらに、その予測したジオプター値に基づいて、勧めるメガネ(コンタクトレンズを含む。以下同様)のジオプター値を出力する。
将来のジオプター値の予測式(Ageの多項式)は、次式(5)の一般式によって示される。ただし、係数は、〔表4〕のテーブルで与えられる。式(5)のジオプター値の予測式は、Ageに関する4次関数であり、本発明者らが初めて開示するものである。
(5)
ただし、
Da:期間経過後のジオプター値
βn:各年令と多項式の各項により示される表の値をとる係数
Age:現在の年令
Db:現在のジオプター値
Sex:男/女を1/2
RL:右/左を1/2
図4は、ジオプター値予測システム1のジオプター値予測を示すフローチャートである。本フローは、例えば、計算手段3を構成するCPUにより実行される。
まず、ステップS1で入力手段2は、Db(現在のジオプター値)、Age(年令)、Sex(性別)及びRL(眼球の左右)を入力する。入力手段2は、例えば、ポインティングデバイスなどのユーザ操作、外部記憶媒体や通信線からのDb(現在のジオプター値)、Age(年令)データの取り込みである。
次いで、ステップS2で計算手段3は、記憶手段4に格納されている将来のジオプター値の予測式(式(5))、及びテーブル値(〔表4〕)を読み出す。
次いで、ステップS4で出力手段5は、予測したジオプター値を出力し、さらに、その予測したジオプター値に基づいて、勧めるメガネのジオプター値を出力する。出力手段5は、例えば、表示部やプリンタに予測したジオプター値及び勧めるメガネのジオプター値を出力する。外部記憶媒体への書き出し、ネットワークなどの通信線への出力を含む。
本実施形態では、計算手段3は、Db、Age、Sex(性別)、RL(眼球の左右)を変数として、将来のジオプター値の予測式(式(5))及びテーブル値(〔表4〕)によってintervalごとにDaを予測する。
Claims (9)
- 現在のジオプター値Db及び年令Ageを入力する入力手段と、
該入力手段によって入力された前記Db及び前記Ageに基づいて時間intervalが経過した後のジオプター値Daを予測する計算手段と、
該計算手段によって計算された前記Daを出力する出力手段と
を備えることを特徴とするジオプター値予測システム。 - 前記計算手段は、前記Db及び前記Ageを変数として、Ageの多項式によって前記intervalごとに前記Daを予測することを特徴とする請求項1記載のジオプター値予測システム。
- 前記計算手段は、前記Db、前記Age、性別Sex、眼球の左右RLを変数として、前記Ageの多項式によってintervalごとに前記Daを予測することを特徴とする請求項2記載のジオプター値予測システム。
- 前記Ageの多項式、及び当該Ageの多項式のテーブル値を記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項2記載のジオプター値予測システム。
- 前記出力手段は、前記Ageの多項式により予測したジオプター値に基づいて勧めるメガネのジオプター値を出力することを特徴とする請求項2記載のジオプター値予測システム。
- 前記Ageの多項式は、前記Ageに関する4次関数であることを特徴とする請求項2記載のジオプター値予測システム。
- 前記Ageの多項式は、次の数式
Da=β0+β1Age+β2Age2+β3Age3+β4Age4+β5Db+β6Sex+β7RL
ただし、
Da:期間経過後のジオプター値
βn:多項式の各項の係数
Age:現在の年令
Db:現在のジオプター値
Sex:男/女を1/2
RL:右/左を1/2
で表されることを特徴とする請求項2記載のジオプター値予測システム。 - 現在のジオプター値Db及び年令Ageを入力する入力ステップと、
該入力ステップによって入力された前記Db及び前記Ageに基づいて時間intervalが経過した後のジオプター値Daを予測する計算ステップと、
該計算ステップによって計算された前記Daを出力する出力ステップと
を備えることを特徴とするジオプター値予測方法。 - コンピュータを、
現在のジオプター値Db及び年令Ageを入力する入力手段と、該入力手段によって入力された前記Db及び前記Ageに基づいて時間intervalが経過した後のジオプター値Daを予測する計算手段と、該計算手段によって計算された前記Daを出力する出力手段とを備えるジオプター値予測システム
として機能させるためのプログラム。
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