JP2018004556A - 腐食ピット材製造装置、及び腐食ピット材製造方法 - Google Patents

腐食ピット材製造装置、及び腐食ピット材製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】少量の電解液で、所望の腐食ピット材を精度良く容易に短時間で製造することができ、ひいては腐食ピット材を使用した材料試験の試験精度向上、試験準備及び試験後処理の簡素化を実現することができる、腐食ピット材製造装置、及び腐食ピット材製造方法を提供する。【解決手段】電源10、電解セル12を有する電解ユニット4と、供給路22、回収路24、循環路26、タンク28、及び、供給ポンプ30を有する循環回路6とを備え、供給ポンプ30は、供給路22を通じて電解セル12内に配置された試験体2の表面2bに電解液を連続的に供給し、電解セル12は、腐食ピット36の形成に供した電解液を連続的に回収路24に流出させる回収孔18cを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、腐食ピット材製造装置、及び腐食ピット材製造方法に関する。
特許文献1には、試験体の表面に密着するマスク材を形成するマスク工程と、マスク材に試験体の表面の一部を露出させる孔部を形成する孔あけ工程と、少なくとも孔部を電解液に浸漬させた試験体を陽極とし、陰極としての電極を孔部に対向させて電気分解を行う電気分解工程とを備える、腐食ピット材製造方法が開示されている。
この腐食ピット材製造方法の別の形態では、マスク工程の前に、試験体の表面に凹部を形成する凹部形成工程を有する。また、この腐食ピット材製造方法の別の形態では、マスク材の上に円筒状をなす電解液カバーを設置し、試験体の孔部の周囲のみに電解液を供給して浸漬させ、腐食ピットを形成している。
特開2014−163823号公報
特許文献1の腐食ピット材製造方法では、腐食ピットの形成に際し、試験体の少なくとも一部を電解液に浸漬させるべく電解セル内に電解液を貯留するため、腐食ピットの形成に使用する電解液の使用量が多くなる傾向にある。多量の使用済み電解液を適正に廃棄処理するには手間を要するため、腐食ピット材を使用した材料試験後の処理を簡素化するには、使用する電解液は極力少ないのが好ましい。
また、電解セル内に貯留されて滞留する電解液により腐食ピットの形成が行われるため、既に電気分解に供し成分劣化した電解液で腐食ピットの形成が継続されることとなり、所望の腐食ピット材を短時間で精度良く形成できないおそれがある。これでは、腐食ピット材を使用した材料試験前の準備に時間を要し、材料試験の精度悪化を招きかねない。
また、特許文献1の腐食ピット材製造方法では、試験体の表面にマスク材を密着した後に、マスク材に試験体の表面の一部を露出させる孔部を形成している。また、試験体の表面にマスク材を密着する前に、試験体の表面に凹部を形成する形態も存在する。
これら工程は、試験体に腐食ピットを形成するための補助的処理であり、電気分解のみでは試験体に所望の腐食ピットを精度良く形成できないために行われると想定される。しかも、このような補助的処理は、腐食ピット材の製造工程を複雑にし、腐食ピット材の生産性を著しく悪化させ、ひいては腐食ピット材を使用した材料試験前の準備に時間を要してしまう。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、少量の電解液で、所望の腐食ピット材を精度良く容易に短時間で製造することができ、ひいては腐食ピット材を使用した材料試験の試験精度向上、試験準備及び試験後処理の簡素化を実現することができる、腐食ピット材製造装置、及び腐食ピット材製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の腐食ピット材製造装置は、試験体に腐食ピットを形成して腐食ピット材を製造する腐食ピット材製造装置であって、陰極となる電極、電極と陽極となる試験体とに電気的に接続された電源、及び、試験体が配置されると共に電解液が供給される電解セルを有し、電源によって電極及び試験体に電圧を印加し、電解セル内で電解液による電気分解を行い、電極と対向する試験体の表面に腐食ピットを形成する電解ユニットと、電解セル内に電解液を供給する供給路、電解セル内の電解液を回収する回収路、供給路と回収路とを接続する電解液の循環路、循環路に設けられ、回収路を経た電解液を貯留するタンク、及び、循環路のタンクと供給路との間に介装され、供給路に電解液を送出する供給ポンプを有する循環回路とを備え、供給ポンプは、供給路を通じて電解セル内に配置された試験体の表面に電解液を連続的に供給し、電解セルは、腐食ピットの形成に供した電解液を連続的に回収路に流出させる回収孔を有する。
また、本発明の腐食ピット材製造方法は、電解ユニットを用いて、試験体に腐食ピットを形成して腐食ピット材を製造する腐食ピット材製造方法であって、電解ユニットは、陰極となる電極、電極と陽極となる試験体とに電気的に接続された電源、及び、試験体が配置されると共に電解液が供給される電解セルを有し、電解セル内に電解液を供給する供給ステップと、電源によって電極及び試験体に電圧を印加し、電解セル内で電解液による電気分解を行い、電極と対向する試験体の表面に腐食ピットを形成する電解ステップと、電解セル内の電解液を回収する回収ステップと、回収ステップで回収した電解液を循環させて再び電解セル内に供給する循環ステップとを含み、供給ステップでは、電解セル内に配置された試験体の表面に電解液を連続的に供給し、回収ステップでは、腐食ピットの形成に供した電解液を連続的に回収する。
本発明の腐食ピット材製造装置、及び腐食ピット材製造方法によれば、少量の電解液で、所望の腐食ピット材を精度良く容易に短時間で製造することができ、ひいては腐食ピット材を使用した材料試験の試験精度向上、試験準備及び試験後処理の簡素化を実現することができる。
本発明の第1実施形態に係る腐食ピット材製造装置を示す構成図である。 図1の電解ユニットで試験体に腐食ピットが形成される状態を拡大して示した図である。 図2の電解セルの下側部材を試験体が配置された状態で上から見た図である。 形成された腐食ピットの断面図である。 図4の腐食ピットの上面図である。 図5の腐食ピットの穴底の拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る電解ユニットを示す図である。 図8の電解ノズルを3本有する形態の電解ユニットを示す図である。 図8の電解セルの下側部材を試験体が配置された状態で上から見た図である。 本発明の第3実施形態に係る腐食ピット材製造装置を示す構成図である。 本発明の第4実施形態に係る腐食ピット材製造装置を示す構成図である。 本発明の第5実施形態に係る腐食ピット材製造装置を示す構成図である。 本発明の第6実施形態に係る腐食ピット材製造装置を示す構成図である。 図13の後処理ユニットで後処理した後の腐食ピットの断面図である。 図14の腐食ピットの上面図である。 図15の腐食ピットの穴底の拡大図である。
以下、図面に基づき本発明の各実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1に示すように、本実施形態の腐食ピット材製造装置1は、試験体2に電解液を供給して腐食ピットを形成する電解ユニット4と、腐食ピットの形成に使用する電解液を電解ユニット4に供給した後、回収して循環させる循環回路6とを備えている。試験体2は、例えば、引張試験に使用するダンベル形引張試験体であって、長手方向中央に小径部2aと、長手方向両端に大径部2cとを有する。この場合、腐食ピット材製造装置1は引張試験に使用する腐食ピット材を製造する。
試験体2の小径部2aの表面2bには、マスキングシール8が貼り付け、密着されている。マスキングシール8には、試験体2の表面2bの腐食ピットが形成される予定の形成位置にて、表面2bを露出させる貫通孔8aが予め形成されている。
電解ユニット4は、直流電源(電源)10と、試験体2が配置されると共に電解液が供給される電解セル12とを備えている。直流電源10には、陰極となる電極14と、陽極となる試験体2とがリード線などにより電気的に接続されている。
電解セル12は、上側部材16と下側部材18とから構成されている。上側及び下側部材16、18は、何れも外形が直方体状をなし、試験体2を上下方向に挟むようにして配置されている。詳しくは、上側及び下側部材16、18の互いの対向面16a、18aには、半円断面をなす凹部16b、18bが水平方向に延設されている。上側及び下側部材16、18を対向面16a、18aで当接させて一体の電解セル12を形成したとき、凹部16b、18bは電解セル12の両側面を一貫する円形孔12aを形成する。
電解セル12の円形孔12aは、試験体2の長手方向の両端に位置する大径部2cの外周に密着され、これにより試験体2の長手方向の中央に位置する小径部2aの外周に、上側及び下側部材16、18で囲まれた液密な空間20が区画される。
また、上側部材16には、空間20に開口する供給孔16cが上下に貫通され、一方、下側部材18には、空間20に開口する回収孔18cが上下に貫通されている。
循環回路6は、電解セル12内に電解液を供給する供給路22、電解セル12内の電解液を回収する回収路24、供給路22と回収路24とを接続する電解液の循環路26を備えている。循環路26には、回収路24を経た電解液を貯留するタンク28が設けられている。
タンク28は回収孔18cの直下に位置付けられ、タンクに28には回収孔18cを流下し、電解液の自重により回収路24から流出した電解液が貯留される。また、循環路26のタンク28と供給路22との間には、供給路22に電解液を送出する供給ポンプ30が介装されている。
また、タンク28には、タンク28内の電解液を冷却する冷却ユニット32が接続されている。冷却ユニット32は、循環回路6を循環する電解液を一定の低温に保持する。
供給路22は、先細ノズル形状をなし、供給路22内には電極14が配置されている。電極14の先端は供給路22の開口近くに位置付けられており、電極14と供給路22とは一体をなした電解ノズル34を形成している。電解ノズル34は、上側部材16の供給孔16cに挿入され、電解ノズル34の先端は試験体2の小径部2aの表面2b近くに対向して位置付けられている。電解ノズル34と試験体2の表面2bとの距離は、電解ノズル34の高さ位置を調整することにより微変更可能である。
以下、腐食ピット材製造装置1による腐食ピット材の製造工程について説明する。
先ず、供給ポンプ30を作動させることにより、電解ノズル34を通じて電解セル12内に電解液を供給する(供給ステップ)。この際、供給ポンプ30は、電解セル12内に配置された試験体2の表面2bに、供給路22、すなわち電解ノズル34を通じて、所望の腐食ピットの形成に必要な少量の電解液を連続的にほぼ一定速度で吹き付けて供給することができる。
併せて、直流電源10によって電極14及び試験体2に電圧を印加しながら、電解セル12内で電気分解が行われる。これにより、電解ノズル34の電極14と対向する試験体2の貫通孔8aで露出された表面2bにのみ所望の形状、深さの腐食ピットが形成され、ひいては所望の腐食ピット材が形成される(電解ステップ)。
また、腐食ピットの形成に供した電解液は、回収孔18cから連続的に回収路24に流出される(回収ステップ)。
詳しくは、図2に示すように、腐食ピット36の形成に供した電解液は、試験体2の小径部2aの外周をつたって回収孔18cに直接に流下する。これにより、電解液が電解セル12内の空間20に貯留、滞留することはなく、電解セル12内における試験体2の電解液への浸漬が回避されている。すなわち、電解液のいわゆる掛け流しにより腐食ピット36が形成される。
また、図3に示すように、回収孔18cは、少なくとも試験体2の小径部2aの直径よりも大径の開口を有している。これにより、腐食ピット36の形成に供した電解液を空間20の内壁に付着すらさせないで、回収孔18cに確実に流下させることができるため、電解セル12内における試験体2の電解液への浸漬を確実に回避可能である。
そして、回収孔18cを経て回収路24で回収した電解液は、循環路26に流出してタンク28に一旦貯留される。タンク28に貯留された電解液は、冷却ユニット32により冷却されて一定の低温にされる。電解液を低温に保持することにより、電解液による腐食作用が抑制されるため、腐食ピット36の形成に際し、腐食の進行を容易に制御可能となる。そして、タンク28から送出した電解液は循環路26を循環し、再び電解ノズル34を通じて電解セル12内に供給される(循環ステップ)。
以上のように本実施形態の腐食ピット材製造装置1は、電解セル12内に配置された試験体2の表面2bに、電解ノズル34を通じて電解液を連続的に供給しながら、腐食ピット36の形成に供した電解液を電解セル12の回収孔18cから連続的に回収路24に流出させて回収することができる。このように、滞留に伴う成分劣化の無いフレッシュな電解液を腐食ピット36の形成位置に吹き付けて衝突させ、掛け流しで供給することにより、腐食ピット36の形成に必要な少量の電解液で、高精度の腐食ピット36を短時間で形成することができる。
しかも、予め貫通孔8aを有するマスキングシール8を試験体2の表面2bに貼り付けることにより、マスキングシール8の孔開けや試験体2の孔開けなどの補助的処理を行わなくとも、所望の形状、深さの腐食ピット36を容易に形成することができる。
具体的には、図4に示すように、マスキングシール8の貫通孔8aにスポット的に電解液を吹き付けるだけで、実際の腐食ピットを模したお碗形断面の腐食ピット36を容易に形成することもできる。
詳しくは、電解液を貫通孔8aに向けて吹き付けて衝突させることで、衝突力(衝突速度)が大となる電解液の流れの中央では、化学反応速度が上昇し、腐食作用が進行してピット深さが深くなる。一方、吹き付けられた電解液が試験体2の表面2bに衝突して四方八方に飛散することにより、衝突力(衝突速度)が小となった電解液の流れの外周側では、化学反応速度が低下し、腐食作用が遅滞してピット深さが浅くなる。このように、電解液を吹き付けて衝突させて供給することにより、電解液に浸漬して腐食ピットを形成した場合に比して、試験体2に対し、不均一な腐食進行を実現することができ、より実際の腐食ピットに近い腐食ピット36を形成可能である。
また、図5に示すように、貫通孔8aの孔形状や孔径に合致した上面形状、ピット径の、腐食ピット36を容易に形成することができる。なお、本実施形態の腐食ピット36は、試験体2の表面2bと腐食ピット36の穴開口との境界が比較的鮮明である。
また、図6に示すように、本実施形態の腐食ピット36の穴底36aは、比較的毛羽立ちや凹凸の少ない滑面をなしている。
一方、電解ユニット4は、供給路22と、供給路22内に配置された電極14とが一体をなした電解ノズル34を有する。これにより、電解セル12内に配置された試験体2の表面2bに電解液を連続的に供給しながら、直流電源10による電圧印加を同時に行うことができるため、試験体を電解液に浸漬して電気分解する場合に比して、所望の形状、深さの腐食ピット36を容易に精度良く形成することができる。
また、腐食ピット材製造装置1が冷却ユニット32を備えることにより、循環回路6を循環する電解液を低温に保持することができる。これにより、電解液による腐食作用が適度に抑制され、腐食ピット36の形成に際し、腐食の進行を容易に制御可能となり、所望の形状、深さの腐食ピット36を容易に精度良く形成することができる。
このように、本実施形態の腐食ピット材製造装置1は、少量の電解液で、所望の腐食ピット材を精度良く容易に短時間で製造することができ、ひいては腐食ピット材を使用した材料試験の試験精度向上、試験準備及び試験後処理の簡素化を実現することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態の腐食ピット材製造装置1は、電解ノズル38の構成、数、及び回収孔18cの形状以外は第1実施形態と同様の構成をなしている。従って、主として上記相違点を説明し、第1実施形態と同内容は明細書又は図面に同符号を付して説明を省略することがある。以降に説明する他の実施形態においても同様である。
図7に示すように、本実施形態の電解ノズル38は、電極14を筒状に形成し、この筒状の電極14を供給路22の先端開口として利用している。すなわち、この電解ノズル38は、電極14と、電極14の内周側に形成された供給路22とが一体に形成されている。この場合には、第1実施形態の場合に比して、電解ノズル38の外径をより一層小径化することができる。具体的には、電解ノズル38は、例えばステンレス製であって、内径1mm、外径2mm程度に小型化可能であるため、より微細な腐食ピット36を有する腐食ピット材を形成することができる。
また、図8に示すように、電解ノズル38が小径化したことにより、電解セル12に電解ノズル38を複数、例えば3本設置することも容易に可能である。この場合には、マスキングシール8の電解ノズル38が対向する位置に貫通孔8aを予め3つ形成して試験体2に貼り付ければ、一度に3つの腐食ピット36を形成することができる。なお、各電解ノズル38の電極14はそれぞれ直流電源10に電気的に接続されている。
図9に示すように、図8の回収孔18cは、試験体2における3本の電解ノズル38の設置範囲、すなわちマスキングシール8の貼付範囲よりも、少なくとも長くなる長形開口となる。これにより、各腐食ピット36の形成に供した電解液を試験体2の小径部2aの外周をつたって回収孔18cに直接に流下させることができる。これにより、第1実施形態の場合と同様に、空間20の内壁への電解液の付着を抑制しながら、電解セル12内における試験体の電解液への浸漬を確実に回避可能である。
<第3実施形態>
第3実施形態の腐食ピット材製造装置1は、循環回路6に回収ポンプ40を備える以外は第1又は第2実施形態と同様の構成をなしている。
図10に示すように、本実施形態の腐食ピット材製造装置1は、循環回路6の回収路24とタンク28との間に回収ポンプ40が介装されている。この回収ポンプ40を作動することにより、タンク28を回収孔18cの直下に設けなくとも、電解セル12内で腐食ピット36の形成に供した電解液を吸引してより一層迅速に回収することができる。
従って、例えば電解セル12に供給する電解液の供給量が増えたとしても、電解液の電解セル12内における滞留、試験体2の電解液への浸漬を確実に回避することができるとともに、循環回路6における電解液の循環をより一層促進することができる。しかも、循環回路6の構成機器のレイアウトの自由度が向上すると共に、循環回路6を電解液が外気に触れない密閉された回路として形成することも可能である。
<第4実施形態>
第4実施形態の腐食ピット材製造装置1は、電源制御ユニット42を備える以外は第1又は第2実施形態と同様の構成をなしている。
図11に示すように、本実施形態の腐食ピット材製造装置1は、直流電源10から電極14及び試験体2に印加する電圧を制御する電源制御ユニット42を備えている。
電源制御ユニット42は、直流電源10に電気的に接続された、例えば積算電流計やタイマーなどであって、電極14及び試験体2に一定電圧を印加する条件下で、電圧の印加時間を制御する。この電圧の印加時間(電解時間)を長くすることにより、試験体2の腐食作用に供する電荷量が増大し、腐食ピット36の深さを深くすることができる。このような電源制御を電源制御ユニット42によって行うことにより、所望の形状、深さの腐食ピット36をさらに容易に且つ精度良く形成することができる。なお、電源制御ユニット42を電圧の制御や電圧の印加タイミングの制御が可能なように構成しても良い。
<第5実施形態>
第5実施形態の腐食ピット材製造装置1は、ポンプ制御ユニット44を備える以外は第1又は第2実施形態と同様の構成をなしている。
図12に示すように、本実施形態の腐食ピット材製造装置1は、供給ポンプ30の回転数を制御するポンプ制御ユニット44を備えている。
ポンプ制御ユニット44は、供給ポンプ30に電気的に接続されたインバータなどであって、供給ポンプ40の回転数を変更することにより、電解セル12に供給する電解液の供給速度、すなわち供給量を制御する。例えば、供給ポンプ40の回転数を増大して、電解液の供給速度を高速化することにより、腐食ピット36の断面形状をお碗形断面から円錐形断面に容易に変更可能である。
このように、上述したポンプ回転数制御を行うことにより、所望の形状、深さの腐食ピット36をさらに容易に且つ精度良く形成することができる。なお、ポンプ制御ユニット44により電解液の供給時間を制御しても良い。また、ポンプ制御ユニット44により電解液の供給タイミングを例えば連続供給から間欠供給に変更しても良い。なお、電解液を間欠供給した場合には、より一層不均一な腐食進行を実現可能である。
<第6実施形態>
第6実施形態の腐食ピット材製造装置1は、後処理ユニット46を備える以外は第1又は第2実施形態と同様の構成をなしている。
図13に示すように、本実施形態の腐食ピット材製造装置1は、腐食ピット36に後処理剤を供給する後処理ユニット46を備えている。
後処理ユニット46は、例えば、後処理剤として、王水などの酸化処理液が貯留されるタンク48、タンク48と電解液の循環路26とを接続する供給路50、供給路50に介装される供給ポンプ52、及び供給路50と循環路26とを切り換えて連通させる三方弁54などを備えている。
後処理ユニット46は、電解ユニット4により試験体2の表面2bに腐食ピット36を形成した後、三方弁54を切り換えて供給ポンプ52を作動させることにより、タンク48に貯留された酸化処理液を電解セル12、ひいては腐食ピット36に供給する。これにより、腐食ピット36の穴底をより一層実際の腐食状態に近づけることが可能である。
具体的には、図14に示すように、後処理ユニット46で酸化処理した腐食ピット36の断面形状は、図4に示した場合とほぼ同じである。
しかし、図15に示すように、後処理ユニット46で酸化処理した腐食ピット36の上面形状は、図5に示した場合に比して、試験体2の表面2bと腐食ピット36の穴開口との境界が曖昧な形状となり、実際の腐食ピットを模した腐食ピット36が形成されている。
また、図16に示すように、後処理ユニット46で酸化処理した腐食ピット36の穴底36aは、図6に示した場合に比して、毛羽立ちや凹凸の多い粗面をなし、実際の腐食ピットを模した腐食ピット36が形成されている。このように、上述した酸化処理液による後処理を行うことにより、実際の腐食ピットに模した腐食ピット36をさらに容易に且つ精度良く形成することができる。なお、後処理ユニットで使用するのは王水以外にも種々の酸化処理液が想定可能である。
以上ように、上記第2〜第6実施形態の場合であっても、第1実施形態の場合と同様に、少量の電解液で、所望の腐食ピット材を精度良く容易に短時間で製造することができ、ひいては腐食ピット材を使用した材料試験の試験精度向上、試験準備及び試験後処理の簡素化を実現することができる。
以上で本発明の各実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、腐食ピット材の形成に用いる試験体2は、引張試験に使用するダンベル形引張試験体に限らず、種々の材料試験に使用する種々の材質や大きさの試験体を使用することができる。具体的には、平板状の試験体2に腐食ピット36を形成することも可能である。
また、上述した第1〜第6実施形態の腐食ピット材製造装置1は、これらの形態単独のみならず、これら形態を複数組み合わせることで、所望の腐食ピット材をより一層精度良く容易に短時間で製造することができ、ひいては腐食ピット材を使用した材料試験の試験精度向上、試験準備及び試験後処理の簡素化を実現することができる好適な腐食ピット材製造装置を形成することができる。
詳しくは、マスキングシール8の貫通孔8aの形状で腐食ピット36の上面形状、表面積を規定し、ポンプ制御ユニット44で電解液の供給速度を制御することにより腐食ピット36の断面形状を規定し、電源制御ユニット42で直流電源10による電圧の印加時間を制御することにより腐食ピット36の深さを規定し、後処理ユニット46により腐食ピット36の穴底36aの粗度を規定することが可能である。
また、後処理ユニット46は、タンク48、供給路50、供給ポンプ52、及び三方弁54を備えた回路を有し、電解セル12に酸化処理液を自動で供給可能である。しかし、これに限らず、電解ユニット4により形成した腐食ピット36を酸化処理液が貯留されたタンクに浸漬して粗面の穴底36aを形成するようにしても良い。
また、上記各実施形態では、電極14と供給路22とが一体の電解ノズル34、38を使用している。しかし、これに限らず、電解液を掛け流し供給しながら電気分解して腐食ピット36を形成できるのであれば、電極14と供給路22とを個別に配置しても良い。
また、上記各実施形態では、貫通孔8aを有するマスキングシール8を試験体2の表面2bに貼り付けている。しかし、要求される腐食ピット36の形状によっては、マスキングシール8を使用しなくても良い。具体的には、マスキングシール8を使用しない場合、試験体2の表面2bに衝突した電解液は大半が四方八方に飛散するため、平坦に近いお碗形の腐食ピット36を形成することができる。
1 腐食ピット材製造装置
2 試験体
2b 表面
4 電解ユニット
6 循環回路
8 マスキングシール
8a 貫通孔
10 直流電源(電源)
12 電解セル
14 電極
18c 回収孔
22 供給路
24 回収路
26 循環路
28 タンク
30 供給ポンプ
32 冷却ユニット
34、38 電解ノズル
36 腐食ピット
40 回収ポンプ
42 電源制御ユニット
44 ポンプ制御ユニット
46 後処理ユニット

Claims (10)

  1. 試験体に腐食ピットを形成して腐食ピット材を製造する腐食ピット材製造装置であって、
    陰極となる電極、前記電極と陽極となる前記試験体とに電気的に接続された電源、及び、前記試験体が配置されると共に電解液が供給される電解セルを有し、前記電源によって前記電極及び前記試験体に電圧を印加し、前記電解セル内で前記電解液による電気分解を行い、前記電極と対向する前記試験体の表面に前記腐食ピットを形成する電解ユニットと、
    前記電解セル内に前記電解液を供給する供給路、前記電解セル内の前記電解液を回収する回収路、前記供給路と前記回収路とを接続する前記電解液の循環路、前記循環路に設けられ、前記回収路を経た前記電解液を貯留するタンク、及び、前記循環路の前記タンクと前記供給路との間に介装され、前記供給路に前記電解液を送出する供給ポンプを有する循環回路と
    を備え、
    前記供給ポンプは、前記供給路を通じて前記電解セル内に配置された前記試験体の前記表面に前記電解液を連続的に供給し、
    前記電解セルは、前記腐食ピットの形成に供した前記電解液を連続的に前記回収路に流出させる回収孔を有する、腐食ピット材製造装置。
  2. 前記試験体は、前記試験体の前記表面に密着されるマスキングシールを有し、
    前記マスキングシールは、前記試験体の前記表面の前記腐食ピットの形成位置にて前記表面を露出させるべく予め形成された貫通孔を有する、請求項1に記載の腐食ピット材製造装置。
  3. 前記電解ユニットは、前記供給路と、前記供給路内に配置された前記電極とが一体をなした電解ノズルを有する、請求項1又は2に記載の腐食ピット材製造装置。
  4. 前記電解ユニットは、筒状をなす前記電極と、前記電極の内周側に形成された前記供給路とが一体をなした電解ノズルを有する、請求項1又は2に記載の腐食ピット材製造装置。
  5. 前記タンクに接続され、前記タンク内の前記電解液を冷却する冷却ユニットをさらに備える、請求項1から4の何れか一項に記載の腐食ピット材製造装置。
  6. 前記循環回路は、前記回収路と前記タンクとの間に介装される回収ポンプをさらに備える、請求項1から4の何れか一項に記載の腐食ピット材製造装置。
  7. 前記電源から前記電極及び前記試験体に印加する電圧を制御する電源制御ユニットをさらに備える、請求項1から6の何れか一項に記載の腐食ピット材製造装置。
  8. 前記供給ポンプの回転数を制御するポンプ制御ユニットをさらに備える、請求項1から7の何れか一項に記載の腐食ピット材製造装置。
  9. 前記電解ユニットにより前記試験体の表面に前記腐食ピットを形成した後、前記腐食ピットに後処理剤を供給する後処理ユニットをさらに備える、請求項1から8の何れか一項に記載の腐食ピット材製造装置。
  10. 電解ユニットを用いて、試験体に腐食ピットを形成して腐食ピット材を製造する腐食ピット材製造方法であって、
    前記電解ユニットは、陰極となる電極、前記電極と陽極となる前記試験体とに電気的に接続された電源、及び、前記試験体が配置されると共に電解液が供給される電解セルを有し、
    前記電解セル内に前記電解液を供給する供給ステップと、
    前記電源によって前記電極及び前記試験体に電圧を印加し、前記電解セル内で前記電解液による電気分解を行い、前記電極と対向する前記試験体の表面に前記腐食ピットを形成する電解ステップと、
    前記電解セル内の前記電解液を回収する回収ステップと、
    前記回収ステップで回収した前記電解液を循環させて再び前記電解セル内に供給する循環ステップと
    を含み、
    前記供給ステップでは、前記電解セル内に配置された前記試験体の表面に前記電解液を連続的に供給し、
    前記回収ステップでは、前記腐食ピットの形成に供した前記電解液を連続的に回収する、腐食ピット材製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108362540A (zh) * 2018-03-30 2018-08-03 中国工程物理研究院流体物理研究所 一种在金属表面制备点腐蚀的方法
CN111398001A (zh) * 2020-04-01 2020-07-10 中国船舶重工集团公司第七二五研究所 一种在金属材料试样上制备腐蚀坑的方法

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