JP2018003078A - 三次元造形方法及び三次元造形物 - Google Patents

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篤也 戸羽
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Abstract

【課題】三次元造形において材料の溶融に伴う問題を回避しやすい三次元造形方法及び三次元造形物を提供する。【解決手段】既成層12において、主粉末材料の粒子P1同士が主粉末材料より融点の低いバインダ金属材料からなる固着部Mを介して互いに固着している。既成層12上に、主粉末材料及びバインダ金属材料からなる副粉末材料を含む粉末層14を形成する。そして、粉末層14及び既成層12の両方において、バインダ金属材料は溶融するが主粉末材料が溶融しないように、粉末層14をレーザー光Lによって加熱する。溶融させたバインダ金属材料が凝固する際に、粉末層14及び既成層12の両方において主粉末材料の粒子P1同士がバインダ金属材料からなる固着部Mを介して固着する。【選択図】図5

Description

本発明は、三次元造形方法及び三次元造形物に関する。
従来、粉末材料からなる層を形成すると共に、これを加熱して焼結させたり溶融後に凝固させたりすることで、複数層からなる三次元物体を造形する方法が知られている。例えば、特許文献1や特許文献2には、粉末材料からなる粉末層を既成層上に形成した後、粉末層に光ビームを照射して粉末材料を焼結させる方法が記載されている。この方法が繰り返されることで、全体として複数層からなる三次元物体(以下、造形物とする。)が造形される。同様に、粉末材料を溶融させることによって三次元物体を造形する方法も存在する。
特許第2620353号 特許第3446733号
造形の際に粉末材料の溶融が必要となる場合、粉末材料の材質によっては、粉末材料を溶融後、凝固させた結果、造形物の内部応力や外部からの荷重による破損が起こりやすくなることがある。また、材料の物性が溶融によって変化することで、溶融前にはその材料に存在した有用な機能性が溶融後に失われるおそれもある。さらに、粉末材料の材質によっては、極めて高い溶融温度や特定の雰囲気下で行うことといった高度な条件が要求されるため、溶融自体が困難となる場合がある。このように、材料の溶融に伴い種々の問題が生じるおそれがある。
本発明の目的は、材料の溶融に伴う問題を回避しやすい三次元造形方法及び三次元造形物を提供することにある。
本発明の三次元造形方法は、主粉末材料の粒子同士が前記主粉末材料より融点の低い金属材料を介して互いに固着した既成層上に、前記主粉末材料、及び前記金属材料からなる副粉末材料を含む粉末層を形成する粉末層形成工程と、前記粉末層及び前記既成層の両方において、前記主粉末材料が溶融することなく且つ前記金属材料が溶融するように、前記粉末層を加熱する加熱工程と、溶融させた前記金属材料が凝固する際に、前記粉末層及び前記既成層の両方において前記主粉末材料の粒子同士が前記金属材料を介して固着する固着工程とを備えている。
本発明によると、粉末層及び既成層の両方において、主粉末材料を溶融させることなく、副粉末材料を構成する金属材料を溶融させた後、これを凝固させる。これによって、主粉末材料の粒子同士を固着させる。したがって、主粉末材料の溶融に伴って何らかの問題が発生する場合であっても、主粉末材料を溶融させずに造形が可能であるため、主粉末材料の溶融に伴う問題を回避しやすい。例えば、主粉末材料が溶融させにくいものであっても、副粉末材料を構成する金属材料を溶融させることで造形できるので、立体物を造形しやすい。また、例えば、主粉末材料を溶融させないため、主粉末材料が脆いものであっても、造形物の内部応力や外部からの荷重による破損が起こりにくい。また、例えば、主粉末材料が溶融により機能性が失われたりするものであっても、主粉末材料の機能性が失われにくい。さらに、粉末層及び既成層の両方において、一旦金属材料を溶融させた後、金属材料が凝固する際に主粉末材料の粒子同士が金属材料を介して固着する。したがって、層同士が確実に一体化しやすい。
また、本発明においては、前記金属材料が、アルミニウム、スズ、ビスマス及び亜鉛のいずれかの単体とこれらの金属の1つ以上を含む合金との少なくともいずれかを含んでいてもよい。これらの金属材料は、比較的融点の低い材料であるため、副粉末材料として適している。
また、本発明においては、前記金属材料が、アルミニウムの合金であってもよい。アルミニウムは熱伝導性が比較的高い。したがって、かかる材料を副粉末材料として使用すると、造形物の熱伝導性を向上させる。
また、本発明においては、前記金属材料が、単体のスズであってもよい。この場合、比較的小さい加熱量でも良好な造形結果が得られる。
また、本発明の前記粉末層形成工程において、前記既成層上に前記副粉末材料を置いた後に、前記副粉末材料にスクレイパーを押し当てつつ平行移動させるスキージングを実施することが好ましい。これにより、各層を適切に成形できる。なお、副粉末材料を構成する金属材料として単体のスズを使用する場合、スキージングにおいてスクレイパーが粉末の塊を形成して掻き寄せる現象が生じにくくなる。
また、本発明の前記加熱工程において、前記粉末層に沿った第1方向に照射領域を移動させつつ前記粉末層にレーザーを照射する工程を、前記粉末層に沿った方向であって前記第1方向と直交する第2方向に関して所定の間隔で繰り返すことが好ましい。これにより、粉末層の広い領域にわたってレーザーを照射できる。
また、本発明においては、前記レーザーの出力、前記照射領域の移動の速さ、及び、前記所定の間隔が、前記粉末層及び前記既成層の両方において前記主粉末材料が溶融することなく且つ前記金属材料が溶融するような範囲に調整されていることが好ましい。これによると、レーザーの照射条件を調整することで粉末層を適切に加熱できる。
本発明に係る三次元造形物は、主粉末材料の粒子同士が前記主粉末材料より融点の低い金属材料を介して互いに固着した複数の層からなる積層体を含んでいる。これによると、三次元造形物に主粉末材料の粒子が残存している。つまり、主粉末材料が溶融していない。したがって、主粉末材料の溶融に伴って何らかの問題が発生する場合であっても、主粉末材料を溶融させずに造形が可能であるため、主粉末材料の溶融に伴う問題を回避しやすい。例えば、主粉末材料が溶融させにくいものであっても、各層において金属材料を溶融させることで造形できるので、本発明に係る三次元造形物を造形しやすい。さらに、主粉末材料が溶融によって脆くなったり機能性が失われたりするものであっても、主粉末材料を溶融させないため、三次元造形物が破損しやすくなったり主粉末材料の機能性が失われたりしにくい。
本発明の一実施形態に係る三次元積層造形方法の一連の工程を示すフロー図である。 図1の粉末層形成工程において実施されるスキージング時の基板、既成層及び既成層上に形成されつつある粉末層の正面図である。 図1のレーザー照射工程における基板、既成層及び粉末層の正面図である。 図1のレーザー照射工程における粉末層の平面図及びレーザー光の照射経路を示す図である。 図2のレーザー光の照射領域周辺の拡大図である。 本実施形態の第1実施例に係る造形対象となる立体物の平面パターンと各立体物の加熱条件とを示す図である。 第1実施例に係る造形結果を示す立体物の平面写真である。 本実施形態の第2実施例に係る造形対象となる立体物の平面パターンと各立体物の加熱条件とを示す図である。 第2実施例に係る造形結果を示す立体物の平面写真である。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。本実施形態に係る三次元積層造形方法は、所望の主材料を含む複数の層を1層ずつ積層していくことによって、全体として所望の主材料を含む立体物を造形する方法である。本実施形態において、立体物の材料として想定されるものは、鉄やステンレス等の金属材料及びセラミックス等の非金属材料である。また、一定の機能性を有する材料が主材料として用いられてもよい。かかる機能性を有する材料の一例として、ガドリニウムやランタン系合金等の磁気作業物質がある。本実施形態では、このような主材料を含む粉末を層状に形成するとともに、形成した粉末層をレーザー光で加熱して一旦溶融させ、溶融した材料を凝固させることで、層全体を一体に固形化する。このように形成された層上にさらに新たな層を形成することを繰り返すと共に、所定数の層を形成するごとに切削加工を施す。これにより、全体として所望の形状を有する立体物を造形する。
ところで、鉄やステンレス、セラミックスは、いずれも融点が1000℃を大きく超えるため、溶融に必要な加熱量が非常に大きい。また、ランタン系合金等の多くの磁気作業物質は、溶融後に凝固させた際、キュリー温度等の物性が変化する場合がある。したがって、当初のキュリー温度に基づく磁気作業物質としての機能性が凝固後に失われるおそれがある。さらに、これらの磁気作業物質は、脆くて破損しやすく、溶融後に凝固させた際に収縮して割れてしまうおそれがある。よって、上記方法においてこれらの材料を用いる場合、仮に、立体物を造形するに当たってこれらの材料を溶融させるとすると、加熱に大きなエネルギーや時間がかかったり、必要な機能性を造形後に確保できなかったりするおそれがある。
そこで、本実施形態においては、立体物を造形するための主材料からなる主粉末材料に、主材料とは異なる材料からなる副粉末材料を混合することとした。副粉末材料は、主材料より融点の低い金属材料からなる。当該金属材料は、主粉末材料の粒子同士を固着させるためのバインダ材として機能するような材料である。以下、当該金属材料を「バインダ金属材料」とする。バインダ金属材料としては、アルミニウム、スズ、ビスマス及び亜鉛のいずれかの単体からなる粉末材料、若しくは、これらの金属の1つ以上を含む合金からなる粉末材料、又は、これらの粉末材料を含む混合物が用いられてよい。これらの金属材料は、比較的融点の低い材料であるため、副粉末材料として適している。
そして、かかる主粉末材料及び副粉末材料の混合物からなる粉末層を既成層上に形成するとともに、粉末層を加熱する際、主粉末材料が溶融せず且つ副粉末材料が溶融する条件で粉末層を加熱することとした。副粉末材料を構成するバインダ金属材料が一旦溶融したのちに凝固する際に、主粉末材料の粒子同士がバインダ金属材料を介して固着することで層全体が一体に固形化する。これにより、立体物を造形するに当たって主粉末材料を溶融させなくてもよいこととした。このため、主粉末材料が、溶融のための加熱に大きなエネルギーや時間がかかる材料である場合であっても、主粉末材料より融点の低い副粉末材料さえ溶融させればよいため、溶融のための加熱に大きなエネルギーや時間がかかりにくい。また、主粉末材料が、溶融させると破損しやすくなったり造形物に必要な機能性を確保できなかったりする材料である場合にも、主粉末材料を溶融させる必要がないため、造形物が破損しやすくなったり主粉末材料の機能性が失われたりしにくい。
以下、本実施形態に係る三次元積層造形方法の一連の工程について、図1〜図5を参照しつつ説明する。以下の工程は、レーザー光の照射条件や切削加工の条件を示すデータに基づき三次元積層造形装置によって自動的に実行される。まず、粉末層形成工程(ステップS1)を実施する。粉末層形成工程においては、主粉末材料及び副粉末材料からなる混合物の層である粉末層を形成する。最初の粉末層を形成する場合にはこれを図2に示す基板11上に形成する。既に1層以上が形成済みである場合にはその既成層12上に粉末層を形成する。粉末層の形成に当たっては、まず、基板11又は既成層12上に粉末を散布する。そして、図2に示すように、散布した粉末にスクレイパー13を押し当てつつ水平に移動させることで、スキージングを実施する。これによって、上面が平らに均された図3に示す粉末層14が形成される。
次に、レーザー照射工程(図1のステップS2)を実施する。レーザー照射工程においては、図3に示すように、粉末層14にレーザー光Lを照射することで、粉末層14を部分的に加熱する。そして、図4における粉末層14上の矢印に示すように、レーザー光Lの照射領域RをX方向に沿って移動させることを、X方向と直交するY方向に関して等間隔で行うことで、粉末層14における所定の走査範囲を加熱する。なお、図4において粉末層14上の実線の矢印は、レーザー光を照射しつつ照射領域Rを移動させる経路を示し、破線の矢印は、レーザー光を照射せずに照射予定位置を移動させる経路を示す。これにより、粉末層14のほぼ全体に相当する広い領域にわたって粉末層14が加熱される。レーザー光Lの照射条件としては、レーザー光の出力、照射領域Rの移動速度及び照射領域RのY方向に関する間隔Δyが所定の範囲に調整される。かかる所定の範囲は、以下の(1)及び(2)の両方の条件が成立するような範囲である。(1)照射領域R下(図5の枠A内)の粉末層14において、主粉末材料の粒子P1は溶融しないが副粉末材料の粒子P2が溶融する。(2)照射領域R下(図5の枠A内)の既成層12において、主粉末材料の粒子P1は溶融しないが、粒子P1同士の間に介在するバインダ金属材料からなる固着部Mが溶融する。
次に、層固着工程(図1のステップS3)を実施する。層固着工程においては、レーザー光Lの照射後、一旦溶融した粒子P2及び固着部Mが冷却されて凝固する際に、主粉末材料の粒子P1同士が固着部Mを介して固着する。これにより、この時点での最上層となる既成層12が新たに形成される。ステップS2において、粉末層14及び既成層12の両方に跨って粒子P2及び固着部Mを構成するバインダ金属材料を一旦溶融させたため、ステップS3におけるバインダ金属材料の凝固により、新たな既成層12とその下層の既成層12との両方に跨って粒子P1同士が一体化する。したがって、新たな既成層12とその下層の既成層12とが互いに確実に固着する。なお、バインダ金属材料の冷却は自然冷却によってなされてもよいし、冷却媒体を用いた強制冷却(空冷、水冷等)によってなされてもよい。
次に、新たに形成した既成層12が所定数に達したか否かを判定する(図1のステップS4)。新たに形成した既成層12が所定数に達していないと判定すると(ステップS4、No)、ステップS1からの工程を実行する。新たに形成した既成層12が所定数に達したと判定すると(ステップS4、Yes)、切削工程(ステップS5)を実行する。切削工程においては、新たに所定数形成された既成層12をエンドミル等によって所定の形状に切削加工する。切削加工は、三次元形状を示すデータに基づく自動加工によって実施される。これにより、所定数の既成層12を形成するごとに目標となる立体物が少しずつ造形されていく。次に、造形全体が完了したか否かを判定する(図1のステップS6)。造形全体が完了していないと判定すると(図1のステップS6、No)、S1からの工程を実行する。造形全体が完了したと判定すると(図1のステップS6、Yes)、一連の工程を終了する。これにより、複数の既成層12が積層された積層体からなる立体物の造形が完了する。積層体中の各既成層12においては、図5に示すように、主粉末材料の粒子P1がバインダ金属材料からなる固着部Mによって互いに固着している。
[第1実施例]
以下、本実施形態に係る第1実施例について説明する。第1実施例においては、以下の条件に従って、上述のステップS1〜S6を実施した。使用した装置は、金属光造形複合加工機であるLUMEX Avance(登録商標、松浦機械製作所株式会社製)−25である。主粉末材料としては、ステンレス鋼であるSUS314(松浦機械製作所株式会社製)の粉末を用いた。その融点は1400〜1500℃である。副粉末材料としては、アルミニウム系合金であるAlSi10Mg(EOS社製)の粉末を用いた。その融点は、主粉末材料より大幅に低く、577℃である。これらの主粉末材料及び副粉末材料を十分に混合した混合物を用いた。主粉末材料及び副粉末材料の混合比率は、容積比が7:3(主:副)、重量比が6:1(主:副)である。主粉末材料及び副粉末材料のいずれも、粒径20〜40μmの粒子を中心に含んだものとした。
造形対象となる21個の立体物の平面パターン及び加熱条件は図6に示すとおりである。各立体物は、平面視において矩形であり所定の厚みを有する平板の形状を有する。図6の21個の枠と枠内の数値は、21個の立体物とレーザー光の照射による加熱の条件との関係を示す。各変数の意味は以下の通りである。
P:レーザー光の出力[W]
e:レーザー光を照射するY方向の間隔(上記Δyに相当)[mm]
V:レーザー光の照射領域の移動速度[mm/sec]
D:レーザー光のビーム径[mm]
q:レーザー光の照射によって1mm2当たりに粉末層に供給される熱量[J/mm2
なお、“q=P/(e*V)”の関係がある。Pはいずれも160W、eはいずれも0.2mmとした。
以上の条件で21個の立体物を造形した。粉末層形成工程(図1のステップS1)のスキージングにおいて、粉末がスクレイパー13に引っかかるとともに、引っかかった粉末が塊を形成し、この塊がスクレイパー13の移動に伴って掻き寄せられてしまう現象が見られた。また、造形結果は図7の写真に示す結果となった。造形された立体物を観察したところ、qが比較的大きく且つDが比較的小さいNo.1及びNo.4は、主粉末材料であるSUS314の溶融が見られた。したがって、副粉末材料は溶融させるが主粉末材料は溶融させない本実施形態として、No.1及びNo.4の造形結果は適切ではない。また、Dが比較的大きいNo.3及びqが比較的小さいNo.6〜No.21については、アルミニウムが立体物の表層まで浮き上がることで、立体物の上面が白くなる現象が見られた。このように立体物中でアルミニウムに偏りが生じると、造形後の立体物の特性に問題が生じるおそれがある。このため、No.3及びNo.6〜No.21の造形結果についても適切でない。一方、No.2及びNo.5については、SUS314の溶融もアルミニウムの浮き上がりもなく、良好な造形結果となった。これらは、q及びDが適度であるため、かかる結果を生じたものと考えられる。このことから、本実施例において良好な造形条件としては、1mm2当たりに供給される熱量が2.0〜3.2J/mm2の範囲であり、レーザー光のビーム径が0.25〜0.45mmの範囲である。主粉末材料であるSUS314は熱伝導性が比較的低い。これに対し、アルミニウムの合金を副粉末材料に使用することにより、立体物の熱伝導性を向上できる。
[第2実施例]
以下、本実施形態に係る第2実施例について説明する。第2実施例においては、以下の条件に従って、上述のステップS1〜S6を実施した。使用した装置は第1実施例と同様である。主粉末材料は第1実施例と同様のSUS314の粉末とし、副粉末材料は単体のスズの粉末(キシダ化学株式会社製;200メッシュアンダー)とした。この場合、副粉末材料の融点は230℃であり、主粉末材料の融点より大幅に低い。主粉末材料及び副粉末材料の混合比率は、容積比が7:3(主:副)である。造形対象となる21個の立体物の平面パターン及び加熱条件は図8に示すとおりである。立体物は、平面視において矩形であり所定の厚みを有する平板の形状を有する。図8の21個の枠と枠内の数値は、21個の立体物とレーザー光の照射による加熱の条件との関係を示す。P、e、V、D、qの意味は第1実施例と同様である。Dはいずれも0.5mmとした。
以上の条件で21個の立体物を造形した。粉末層形成工程(図1のステップS1)のスキージングにおいては、スクレイパーが粉末の塊を形成して掻き寄せる上記の現象は生じず、良好にスキージングが実施された。また、造形結果は図9の写真に示す結果となった。造形された立体物を観察したところ、No.1〜No.21のいずれについても、SUS314の溶融も一部の材料の浮き上がり等も見られず、良好な造形結果が得られた。特に、q=1.25〜1.48W/mm2程度の小さい加熱量であっても良好な結果となった。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。
上述の実施形態では、レーザー光を照射することで粉末層14を加熱している。しかし、粉末層14の加熱にその他の方法が用いられてもよい。例えば、電子ビームの照射により粉末層14が加熱されてもよい。
また、上述の実施形態では、既成層12を所定数形成するたびにこれに切削加工を施すことで立体物を造形している。しかし、立体物の造形にその他の方法が用いられてもよい。例えば、粉末層14にレーザー光が照射される際、立体物の形状に対応した領域にのみレーザー光が照射された後、残りの粉末が除去されることで立体物が造形されてもよい。
また、上述の実施形態では、図4に示すように、X方向に関して往路にのみレーザー光Lを粉末層14に照射する。つまり、レーザー光Lの照射領域Rの移動方向が単一の方向(X方向)である。これは、照射領域RをX方向に粉末層14の端部まで一旦移動させると、照射予定位置をY方向にΔyだけ移動させつつX方向に関して反対側の端部まで戻してから、再び照射領域RをX方向に移動させるためである。しかしながら、照射領域RをX方向に粉末層14の端部まで一旦移動させた後、照射予定位置をY方向にのみΔyだけ移動させてから、照射領域RをX方向とは反対方向に移動させてもよい。つまり、X方向に関して往路及び復路のそれぞれについてレーザー光Lを粉末層14に照射してもよい。
また、上述の実施形態によって造形される立体物は、各既成層12において主粉末材料の粒子P1同士がバインダ金属材料からなる固着部Mによって固着している。このように粒子P1同士が固着部Mによって固着した領域は、既成層12の全ての領域にわたっていなくてもよい。例えば、一部の領域であれば主粉末材料が溶融していてもよい。一例として、各既成層12の半分以上の領域において粒子P1同士が固着部Mによって固着していれば、かかる領域において粒子P1が溶融せず残存していることにより、主粉末材料の溶融に伴う問題を回避しやすいとの効果を確保できる。
11 基板
12 既成層
13 スクレイパー
14 粉末層

Claims (8)

  1. 主粉末材料の粒子同士が前記主粉末材料より融点の低い金属材料を介して互いに固着した既成層上に、前記主粉末材料、及び前記金属材料からなる副粉末材料を含む粉末層を形成する粉末層形成工程と、
    前記粉末層及び前記既成層の両方において、前記主粉末材料が溶融することなく且つ前記金属材料が溶融するように、前記粉末層を加熱する加熱工程と、
    溶融させた前記金属材料が凝固する際に、前記粉末層及び前記既成層の両方において前記主粉末材料の粒子同士が前記金属材料を介して固着する固着工程とを備えていることを特徴とする三次元造形方法。
  2. 前記金属材料が、アルミニウム、スズ、ビスマス及び亜鉛のいずれかの単体とこれらの金属の1つ以上を含む合金との少なくともいずれかを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の三次元造形方法。
  3. 前記金属材料が、アルミニウムの合金であることを特徴とする請求項2に記載の三次元造形方法。
  4. 前記金属材料が、単体のスズであることを特徴とする請求項2に記載の三次元造形方法。
  5. 前記粉末層形成工程において、前記既成層上に前記副粉末材料を置いた後に、前記副粉末材料にスクレイパーを押し当てつつ平行移動させるスキージングを実施することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の三次元造形方法。
  6. 前記加熱工程において、
    前記粉末層に沿った第1方向に照射領域を移動させつつ前記粉末層にレーザーを照射する工程を、前記粉末層に沿った方向であって前記第1方向と直交する第2方向に関して所定の間隔で繰り返すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の三次元造形方法。
  7. 前記レーザーの出力、前記照射領域の移動の速さ、及び、前記所定の間隔が、前記粉末層及び前記既成層の両方において前記主粉末材料が溶融することなく且つ前記金属材料が溶融するような範囲に調整されていることを特徴とする請求項6に記載の三次元造形方法。
  8. 主粉末材料の粒子同士が前記主粉末材料より融点の低い金属材料を介して互いに固着した複数の層からなる積層体を含んでいることを特徴とする三次元造形物。
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