JP2018003071A - マンガン含有鉄溶湯からのマンガン除去方法および除去装置 - Google Patents

マンガン含有鉄溶湯からのマンガン除去方法および除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】マンガン含有鉄溶湯から簡便にマンガン成分を除去する方法を提供すること。
【解決手段】底部にポーラスプラグ34を設け、内部に収容した溶湯にガスを供給可能に構成してある溶湯容器3に、マンガン含有鉄溶湯を収容した状態で、マンガン含有鉄溶湯にポーラスプラグ34から酸素含有ガスを供給し、マンガン含有鉄溶湯中のマンガンを選択的に酸化除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、マンガン含有鉄溶湯からのマンガン除去方法及び除去装置に関する。
鋳鉄等の被溶解材料を溶解する溶解炉として、従来、れんが等の耐火材を裏張りしてなる縦型円筒状のキュポラが使用されており、このキュポラに、固体燃料のコークスや被溶解材料等を交互に積層し、下方の羽口から送風機で空気を送り、コークスを燃焼させて被溶解材料を溶解していた。
しかし、キュポラは、コークス燃焼による加熱効率が低いうえに、操業に熟練を要するという問題があり、効率よく被溶解材料を溶解できる溶解炉が望まれている。また、単に被溶解材料を溶解するために、電気炉が用いられる場合もあるが、電気炉は運転コストが嵩むこと、燃焼を伴わないので、被溶解材料中の不純物を高温の燃焼雰囲気で酸化除去する精錬効果が得られないという実状がある。
そこで、特許文献1に記載のように、横置き型の円筒状炉体を、円筒状炉体の軸心回りに回転自在に設け、その円筒状炉体の一端面側に酸素バーナを設けるとともに、他端面側に亜鉛含有鉄材を含む被溶解材料を円筒状炉体に投入する投入機を設けてある横置き型の回転式溶融炉を用い、効率よく鋳鉄を溶融精錬することが提案されている。
しかし、このような回転式溶融炉は、品質の安定した鋳鉄用銑鉄を被溶解材料として溶融精錬する場合には効率よく操業できるものの、亜鉛鋼板のスチールスクラップ等を被溶解材料として溶融精錬したいような場合には、スチールスクラップは、鋳鉄用銑鉄に比べて融点が高く、炭素含有量が少ないうえにマンガン含有量が多く含有していることから、炭素を追加(加炭)するとともに、特にマンガン成分を除去するといった成分調整が必要となる。したがって、回転式溶融炉にて処理された被溶解材料をさらに処理して過剰のマンガンを除去する必要が生じる。
このような過剰のマンガンを除去する技術として、特許文献2に記載のように、鋳鉄溶湯に酸素過剰の火炎を暴露させ、あるいは、火炎に暴露される鋳鉄溶湯に酸素含有ガスをバブリングする方法が提案されている。
登録実用新案第3001535号公報 特許第5150654号公報
しかし、特許文献2に記載の技術によると、溶湯は直接火炎に暴露されるため、過剰の酸素により強い酸化雰囲気となり、溶湯中の他の成分(たとえば炭素、珪素)まで酸化除去される虞があるために、条件を緻密に制御して操業する必要が生じる。
したがって、本発明の目的は上記実状に鑑み、マンガン含有鉄溶湯から簡便にマンガン成分を除去する方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のマンガン含有鉄溶湯からのマンガン除去方法の特徴構成は、
底部にポーラスプラグを設け、内部に収容した溶湯にガスを供給可能に構成してある溶湯容器に、マンガン含有鉄溶湯を収容した状態で、前記マンガン含有鉄溶湯に前記ポーラスプラグから酸素含有ガスを供給し、前記マンガン含有鉄溶湯中のマンガンを選択的に酸化除去する点にある。
上記構成によると、溶湯容器にマンガン含有鉄溶湯を収容した状態で、そのマンガン含有鉄溶湯に、底部のポーラスプラグから酸素含有ガスを供給するから、前記マンガン含有鉄溶湯に酸素含有ガスの微細な気泡を連続的に接触させることができる。すると、マンガン含有鉄溶湯に含まれるマンガンは選択的に酸化されるとともに、気泡により浮上させられ、マンガン含有鉄溶湯の表面にスラグとして回収される。酸素含有ガスは、溶湯に対して底部から気泡として供給されるから、気泡は溶湯の中を浮上しつつ溶湯と接触し、さらにスラグに妨げられる形で溶湯表面に滞留するから、溶湯表面が酸化雰囲気に維持され、溶湯の表面にランス等で火炎を供給するのに比べて、溶湯と酸素との接触効率が高く、マンガンの酸化反応を高効率に進行させられる。そのため、溶湯容器底部に設けられるポーラスプラグから酸素含有ガスを供給するだけの簡単な構成により、マンガン含有鉄溶湯からマンガンを除去することができるようになった。
また、前記溶湯容器が、複数の溶湯貯留部と、前記複数の溶湯貯留部間に溶湯を流通させる溶湯通路とを備えた溶湯流通型容器であるとともに、前記溶湯貯留部の底面にポーラスプラグを設けてある構成とすることができる。
すなわち、上記構成によると溶湯流通型容器にマンガン含有鉄溶湯を流通させつつ、溶湯貯留部に達したマンガン含有鉄溶湯に酸素含有ガスを供給し、さらに溶湯通路を介して次の溶湯貯留部にマンガン含有鉄溶湯を移流させ、さらに酸素含有ガスを供給するといった工程を繰り返して行うことができる。するとマンガン含有鉄溶湯は溶湯貯留部で滞留されている状態で効率的に気泡の供給を受け、含有されるマンガンを選択的に酸化しつつ浮上分離除去させることができる。したがって、簡易な構造でマンガン含有鉄溶湯中のマンガンを選択的に酸化除去できた。
また、前記ポーラスプラグに溶湯が接触している状態では、前記ポーラスプラグに溶湯が接触していない状態の場合と比べて高濃度の酸素を含有する酸素含有ガスを前記ポーラスプラグより供給してもよい。また、このような高濃度の酸素を含有する酸素含有ガスとしては、純酸素を用いることができる。
また、前記ポーラスプラグに溶湯が接触している状態では、前記ポーラスプラグに溶湯が接触していない状態の場合と比べて高流量の酸素含有ガスを前記ポーラスプラグより供給してもよい。
溶湯容器には溶湯がバッチ式で供給される場合がある。この場合、溶湯貯留部が溶湯で満たされてポーラスプラグが溶湯に接触している状態と、溶湯が溶湯貯留部に無く、溶湯と接触していない状態とに交互に状態変化する。ここで、溶湯貯留部が溶湯で満たされてポーラスプラグが溶湯に接触している状態では、ポーラスプラグに対して溶湯が浸透するのを防ぐとともに、溶湯の重力に抗して気泡を供給するため高流量で高濃度の酸素含有ガス(たとえば酸素ガス)を供給する。溶湯貯留部が溶湯で満たされていない状態(溶湯の供給前や溶湯の出湯後)では、溶湯に抗して気泡を供給しなくてもよいから、ポーラスプラグが目詰まりしない程度の低流量で酸素含有ガスを供給すればよく、さらには、マンガン成分と酸素ガスとが接触して反応する必要性もないことから、酸素含有ガスとしては空気等の低濃度酸素含有ガスを供給すればよい。このように構成することにより、安定した操業が可能になるとともに、必要となる酸素ガス量を低減することができ、低コストでの操業が可能になる。
また、本発明のマンガン含有鉄溶湯からのマンガン除去装置の特徴構成は、
底部にポーラスプラグを取り付け固定してあるとともに、そのポーラスプラグを介して内部に収容した溶湯に対して酸素含有ガスを供給可能にする溶湯貯留部を有する溶湯容器を備えた点にある。
上記構成によると、溶湯容器にマンガン含有鉄溶湯を収容した状態で、そのマンガン含有鉄溶湯に、底部のポーラスプラグから酸素含有ガスを供給するから、前記マンガン含有鉄溶湯に酸素含有ガスの微細な気泡を連続的に接触させることができる。すると、マンガン含有鉄溶湯に含まれるマンガンは選択的に酸化されるとともに、気泡により浮上させられ、マンガン含有鉄溶湯の表面にスラグとして回収される。酸素含有ガスは、溶湯に対して底部から気泡として供給されるから、気泡は溶湯の中を浮上しつつ溶湯と接触し、さらにスラグに妨げられる形で溶湯表面に滞留するから、溶湯表面が酸化雰囲気に維持され、溶湯の表面にランス等で火炎を供給するのに比べて、溶湯と酸素との接触効率が高く、マンガンの酸化反応を高効率に進行させられる。そのため、溶湯容器底部に設けられるポーラスプラグから酸素含有ガスを供給するだけの簡単な構成により、マンガン含有鉄溶湯からマンガンを除去することができるようになった。
また、溶湯容器は、複数の溶湯貯留部と、前記複数の溶湯貯留部間に溶湯を流通させる溶湯通路とを備えた溶湯流通型容器とすることができる。
すなわち、上記構成によると溶湯流通型容器にマンガン含有鉄溶湯を流通させつつ、溶湯貯留部に達したマンガン含有鉄溶湯に酸素含有ガスを供給し、さらに溶湯通路を介して次の溶湯貯留部にマンガン含有鉄溶湯を移流させ、さらに酸素含有ガスを供給するといった工程を繰り返して行うことができる。するとマンガン含有鉄溶湯は溶湯貯留部で滞留されている状態で効率的に気泡の供給を受け、含有されるマンガンを選択的に酸化しつつ浮上分離除去させることができる。したがって、簡易な構造でマンガン含有鉄溶湯中のマンガンを選択的に酸化除去できた。
したがって、マンガン含有鉄溶湯から簡便にマンガン成分を除去することができた。
溶湯容器の側面図 溶湯容器の平面図 溶湯容器の溶湯貯留部における縦断面図 溶湯容器の溶湯通路における縦断面図
以下に、本発明の実施形態にかかるマンガン含有鉄溶湯からのマンガン除去方法を説明する。尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
マンガン含有鉄溶湯からのマンガン除去方法は、好適には、回転式溶融炉から排出されるマンガン含有鉄溶湯を順次流下させつつ、溶湯中のマンガンを酸化除去させる溶湯流通型容器を用いて行われる。
〔回転式溶融炉〕
回転式溶融炉は、図1、2に示すように、横置き型の円筒状炉体1を、前記円筒状炉体1の軸心回りに回転自在に設け、その円筒状炉体1の一端面側に酸素バーナ2を設ける取付部1aを設けるとともに、他端面側から被溶解材料を前記円筒状炉体1に投入可能に構成してある。
円筒状炉体1は、下方から回転機構を構成するローラー等(図外)に載置され、円筒状炉体1の軸心回りに回転自在となるように支持される。また円筒状炉体1の内部は、耐火断熱材が内張されており、かつ、両端面側が小径となる形状に形成されている。円筒状炉体1の一端面側に酸素バーナ2を円筒状炉体1の内部に臨む姿勢で取り付ける取付部1aを設けてあり、円筒状炉体1の他端面側にスチールスクラップ等の被溶解材料を前記円筒状炉体1に投入する。また、円筒状炉体1は、円筒状炉体1の軸心に直交する水平軸回りに傾動可能に支持基台(図外)に固定されている。これにより、円筒状炉体1内部で酸素バーナ2を用いて被溶解材料を溶融する操業姿勢(図中実線)と、円筒状炉体1を傾動させて溶解された溶湯を円筒状炉体1外部に取り出す取り出し姿勢(図中一点鎖線)とに切り替えることができる。
また、前記取付部1aの外周側には、円筒状炉体1を傾動させて、被溶解材料の溶解した溶湯を溶湯流通型容器に取り出す溶湯排出部12を設けてあり、溶湯を円筒状炉体1外にバッチ式で取り出すことができるようになっている。
〔溶湯容器〕
図1〜4に示すように、溶湯容器3は、一端側に円筒状炉体1からの溶湯を受け入れる溶湯受部31を備えるとともに、支持基台上に傾動自在に支持される容器基材30上に形成された溶湯通路32を経由して溶湯を溶湯受部31から順次下流側に搬送しつつ、容器基材30上に形成された複数の溶湯貯留部33において、溶湯中に酸素含有ガスを供給してマンガン含有鉄溶湯中のマンガンを選択的に酸化除去する溶湯流通型容器となっている。
溶湯貯留部33は、図2,3に示すように、緻密な耐熱セラミクス製の容器基材を円筒状に貫通して溶湯貯留空間33aを形成するとともに、その底部33bに、ポーラスプラグ34を取り付け固定して、そのポーラスプラグ34を介して溶湯貯留空間33aに収容した溶湯に対して酸素含有ガスを供給可能に酸素含有ガス供給装置4を連接して構成してある。ポーラスプラグ34は、上面が下面より小に形成される円錐台形状に形成されており、緻密な耐熱セラミクス製のポーラスプラグ枠35に着脱自在に嵌入固定可能に構成してある。ポーラスプラグ34は、ポーラスプラグ枠35に嵌入固定された状態で、容器基材30の底部にポーラスプラグ枠35を固定する形態で取り付け固定され、上面が溶湯貯留空間33aに臨む溶湯貯留部33の底部33bの一部を形成する。なお、ポーラスプラグ34がポーラスプラグ枠35に対して着脱自在に取り付けられているので、操業時間経過とともに損耗するポーラスプラグ34を交換作業容易にすることができる。また、円錐台形状であると、取り付け姿勢が安定する。
図2,4に示すように、複数の各溶湯貯留部33の間は溶湯通路32によって接続される。溶湯通路32は傾斜姿勢に保持される容器基材30における溶湯貯留部33の下端33c側から隣接する溶湯貯留部33の中心に向かう方向に延びる溝状に形成されている。これにより、千鳥配置された溶湯貯留部33の間を順次流下するように回転式溶融炉から排出された溶湯を案内して容器基材30下端の溶湯出口36から取鍋5に取り出し、溶湯から二層分離した酸化マンガンのスラグを除去してマンガン含有量の低下した鋳鉄溶湯が得られる構成となっている。
溶湯貯留部33においてポーラスプラグ34の下面には酸素含有ガスを供給する供給管41を介して酸素含有ガス供給装置4が接続されており、酸素ガスタンク42より減圧弁43を介してポーラスプラグ34の下面から上面に向かって酸素含有ガスを流通させるとともに、その酸素含有ガスがポーラスプラグ34の上面側の溶湯貯留部33の間に供給されている溶湯に対して気泡として供給される構成としてある。酸素含有ガスは、溶湯に対して気泡として供給されるから、溶湯の表面にランス等で火炎を供給するのに比べて、溶湯と酸素との接触効率が高く、マンガンの酸化反応を高効率に進行させられる。なお、溶湯貯留部33及び溶湯通路32は傾斜姿勢に保持される容器基材30に対して、4〜6分程度かけて緩やかに流下される程度の流路として形成されており、各溶湯貯留部33では約0.4分程度滞留しつつ酸素含有ガスの供給を受ける。また、溶湯貯留部及び溶湯通路において、図3,4に示すように、溶湯は壁面高さの1/3程度の高さ(溶湯貯留部33および溶湯通路32の深さが100〜150mm程度の場合、溶湯深さ30〜50mm程度)を占める流量で流通させられる。
なお、酸素含有ガスとしては、酸素ガスタンク42からの酸素ガスのみを供給して純酸素をポーラスプラグ34に供給することができる。また、空気を供給して酸素含有率21%程度の酸素含有ガスや、空気と酸素ガスを混合した酸素含有率が21%よりも高い酸素富化空気をポーラスプラグ34に供給することができる。また、これらの供給形態を切替弁及び開閉弁等を備えた切替機構により切替えることで、ポーラスプラグ34に溶湯が接触している状態では、ポーラスプラグ34に溶湯が接触していない状態の場合と比べて高濃度の酸素を含有する酸素含有ガスをポーラスプラグ34より供給することができる。また、ポーラスプラグ34に溶湯が接触している状態では、前記ポーラスプラグ34に溶湯が接触していない状態の場合と比べて高流量の酸素を含有する酸素含有ガスを前記ポーラスプラグ34より供給することができる。
また、溶湯容器3には、蓋部材37が設けられ、溶湯貯留部33及び溶湯通路32を流下する溶湯の温度が低下しないように保温するとともに、温度低下による流動性の低下を抑制するために溶湯を加熱する補助バーナ38および、その補助バーナ38からの排気を排出する排気路39が設けられている。
〔運転方法〕
被溶解材料としては、スチールスクラップを主材として用いることができる。
このようなスチールスクラップは、比較的融点が高く溶解に高熱を有し、また、銑鉄に比べて表面積が大きいため、先に円筒状炉体1の内部で溶解状態にあるベース溶湯に差し込み溶解することにより、急速に溶解させて表面酸化を抑制する。また、スチールスクラップは炭素含有量が少なく、マンガン含有量が多いという組成のために、加炭を要し、さらに必要に応じて、マンガン成分の調整を行う必要がある。
この実施形態における回転式溶融炉では、被溶解材料としての炭素含有量0.45質量%、マンガン含有量0.65質量%の亜鉛鋼板からなるスチールスクラップを15kgずつ、バッチ式で投入される。供給された被溶解材料は、酸素バーナの火炎により炉内雰囲気が約1700℃〜1800℃に加熱され、加炭されつつ1450℃程度の溶解済みベース溶湯に差し込み溶解される。溶解された被溶解材料の溶湯は1450℃で保持され、円筒状炉体1の軸心回りの回転により混合されつつ溶湯排出部12側に移動し、円筒状炉体1を軸心に直交する水平軸回りに傾動させることで、溶湯排出部12から溶湯容器に回収される。回収された溶湯は、マンガン含有量が0.45質量%、炭素含有量が4.0質量%程度の鋳鉄材料に成分調整されていることが明らかになった。
この溶湯を溶湯容器3としての溶湯流通型容器に流通させると、回収された上記組成の溶湯は、溶湯は約1350℃に保持された状態で溶湯貯留部33毎に酸素含有ガスとしての40L/分の純酸素の微細気泡の供給を0.4分間受けることになり、含有されるマンガンが酸化され、スラグとして除去されることにより、マンガン含有量が0.25質量%、炭素含有量が3.8質量%程度の鋳鉄材料に成分調整される。なお、取鍋に取り出された溶湯は、静置されるだけで容易にスラグを浮遊させ二層分離できた。
また、溶湯貯留部33が溶湯で満たされてポーラスプラグ34が溶湯に接触している状態では、ポーラスプラグ34に対して溶湯が浸透するのを防ぐとともに、溶湯の重力に抗して気泡を供給するため高流量(たとえば400L/分)で高濃度の酸素含有ガスを供給する。溶湯貯留部33が溶湯で満たされていない状態では、溶湯に抗して気泡を供給しなくてもよいから、ポーラスプラグ34が目詰まりしない程度の低流量(たとえば100L/分)で酸素含有ガスを供給する。さらには、マンガン成分と酸素ガスとが接触して反応する必要性もないことから、溶湯貯留部33が溶湯で満たされてポーラスプラグ34が溶湯に接触している状態では、酸素含有ガスとして純酸素を供給するのに対して、溶湯貯留部33が溶湯で満たされていない状態では、酸素含有ガスとしては空気等の低濃度酸素含有ガスを供給する。
〔別実施形態〕
上記実施の形態では、溶湯容器3として、複数の溶湯貯留部33と、前記複数の溶湯貯留部33の間に溶湯を流通させる溶湯通路32とを備えた溶湯流通型容器を用い溶湯貯留空間33aの底部33bにポーラスプラグ34を設けて構成したが、これに限らず、単に取鍋の底部にポーラスプラグを装備した形態のものであってもよいし、レードル、るつぼ等の形態の溶湯容器であってもよい。
本発明のマンガン含有鉄溶湯からのマンガン除去方法によれば、たとえば、亜鉛含有鉄材を含む被溶解材料を効率よく成分調整してマンガンを除去して高品質な鋳鉄材料として再利用するのに用いることができる。
3 :溶湯容器
5 :取鍋
32 :溶湯通路
33 :溶湯貯留部
33b :底部
34 :ポーラスプラグ

Claims (7)

  1. 底部にポーラスプラグを設け、内部に収容した溶湯にガスを供給可能に構成してある溶湯容器に、マンガン含有鉄溶湯を収容した状態で、前記マンガン含有鉄溶湯に前記ポーラスプラグから酸素含有ガスを供給し、前記マンガン含有鉄溶湯中のマンガンを選択的に酸化除去するマンガン含有鉄溶湯からのマンガン除去方法。
  2. 前記溶湯容器が、複数の溶湯貯留部と、前記複数の溶湯貯留部間に溶湯を流通させる溶湯通路とを備えた溶湯流通型容器であるとともに、前記溶湯貯留部の底面に前記ポーラスプラグを設けてなる請求項1に記載のマンガン含有鉄溶湯からのマンガン除去方法。
  3. 前記ポーラスプラグに溶湯が接触している状態では、前記ポーラスプラグに溶湯が接触していない状態の場合と比べて高濃度の酸素を含有する酸素含有ガスを前記ポーラスプラグより供給する請求項1または2に記載のマンガン含有鉄溶湯からのマンガン除去方法。
  4. 前記高濃度の酸素を含有する酸素含有ガスが純酸素である請求項3に記載のマンガン含有鉄溶湯からのマンガン除去方法。
  5. 前記ポーラスプラグに溶湯が接触している状態では、前記ポーラスプラグに溶湯が接触していない状態の場合と比べて高流量の酸素含有ガスを前記ポーラスプラグより供給する請求項1〜4のいずれか一項に記載のマンガン含有鉄溶湯からのマンガン除去方法。
  6. 底部にポーラスプラグを取り付け固定してあるとともに、そのポーラスプラグを介して内部に収容した溶湯に対して酸素含有ガスを供給可能にする溶湯貯留部を有する溶湯容器を備えたマンガン含有鉄溶湯からのマンガン除去装置。
  7. 前記溶湯容器は、複数の溶湯貯留部と、前記複数の溶湯貯留部間に溶湯を流通させる溶湯通路とを備えた溶湯流通型容器である請求項6に記載のマンガン含有鉄溶湯からのマンガン除去装置。
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