JP2018002543A - 自己治癒モルタル及び自己治癒コンクリート - Google Patents

自己治癒モルタル及び自己治癒コンクリート Download PDF

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剛朗 石田
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実穂 夏目
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佳 伊勢島
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Abstract

【課題】発生したひび割れを自発的に塞ぎ、漏水を減少させることが可能な自己治癒モルタル及び自己治癒コンクリートを提供すること。
【解決手段】本発明の自己治癒モルタルは、結合材と、細骨材と、化学混和剤と、練り混ぜ水とを含む。前記細骨材は、軟質高炉スラグ細骨材を30体積%以上100体積%以下含む。前記結合材に対する前記練り混ぜ水の割合が30質量%以上50質量%以下である。前記モルタル1m中に、前記結合材を500kg/m以上1500kg/m以下含み、前記練り混ぜ水を150kg/m以上500kg/m以下含み、前記細骨材を300kg/m以上1500kg/m以下含むことが好適である。本発明の自己治癒コンクリートは、前記の自己治癒モルタル及び粗骨材を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は自己治癒モルタル及び自己治癒コンクリートに関する。
鉄筋コンクリート構造物にひび割れが生じると、例えば海水や凍結防止剤に含まれる塩化物イオン、二酸化炭素、水、及び酸素といった鉄筋腐食を引き起こす劣化因子が、ひび割れを通じてコンクリート内部に侵入しやすくなり、耐久性の観点から問題となる。このため、必要に応じてひび割れの補修が行われることが一般的である。
これに対して、ひび割れが発生してもこれを自ら修復できる自己治癒(自己修復)コンクリートが開発されている。例えば、特許文献1には、セメント(A)と、該セメント(A)の水和に必要な理論水量未満の水と、ケイフッ化マグネシウムとを含有し、平均粒径が30〜50μmの造粒物である、ひび割れ自己修復コンクリート混和剤が開示されている。同文献には、水和反応が未反応の部分を保有している造粒物を、コンクリート用の混和剤として用いることで、該造粒物内の水和反応未反応部分が、水の共存下で水和反応を呈して生成される水和物が、コンクリート構造物に発生したひび割れ部に充填されることで、コンクリート構造物に発生したひび割れを自己修復することができると記載されている。
特許文献2には、自己治癒材料として、層状ケイ酸塩鉱物、長石、オキシカルボン酸又はジカルボン酸を含有する、コンクリート構造物における漏水を伴うひび割れ用補修材料が開示されている。同文献には、この他にも様々な材料の組合せが提案されているが、いずれの場合であっても、ひび割れからの漏水を止めることに焦点が置かれている。
特開2011−63488号公報 特開2013−14453号公報
特許文献1及び2に記載されているとおり、各種の自己治癒コンクリートの開発が進められている一方、自己治癒性能の評価手法が確立していないことや、自己治癒機構が必ずしも明確でないこと、及びコスト面の問題等の理由から、自己治癒コンクリートは、その実用化に至っているとは言い難い状況といえる。
したがって本発明の課題は、発生したひび割れを自発的に塞ぎ、漏水を減少させることが可能な自己治癒モルタル及び自己治癒コンクリートを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、細骨材として特定のものを用いることにより、前記課題を解決し得ることを知見した。
本発明は前記知見に基づきなされたものであり、結合材と、細骨材と、化学混和剤と、練り混ぜ水とを含む自己治癒モルタルであって、
前記細骨材は、軟質高炉スラグ細骨材を30体積%以上100体積%以下含み、
前記結合材に対する前記練り混ぜ水の割合が30質量%以上50質量%以下である自己治癒モルタルを提供することにより前記課題を解決したものである。
また本発明は、前記の自己治癒モルタル及び粗骨材を含む、自己治癒コンクリートを提供するものである。
本発明によれば、発生したひび割れを自発的に析出物が塞ぎ、漏水を減少させることが可能な自己治癒モルタル及び自己治癒コンクリートが、簡易な配合変更によって提供される。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明は自己治癒モルタル及び自己治癒コンクリートに係るものである。本発明において自己治癒とは、モルタルやコンクリートにひび割れ等の欠陥が生じた場合に、その欠陥を自発的に修復する機能のことである。本発明の自己治癒モルタルは、その構成成分として、結合材と、細骨材と、化学混和剤と、練り混ぜ水とを含んでいる。一方、本発明の自己治癒コンクリートは、これらの成分に加えて更に粗骨材を含んでいる。以下、これらの成分についてそれぞれ説明する。
〔結合材〕
結合材は、骨材どうしを結合する機能を有する無機材料である。結合材はセメントを含んでいる。セメントとしては、例えば普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメントなどの各種ポルトランドセメントを用いることができる。更にセメントとして、例えば高炉セメント、シリカセメント及びフライアッシュセメントなどの混合セメントや、アルミナセメントなどの特殊セメントを用いることもできる。これらのセメントは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
結合材は、セメントに加えて他の成分を含んでいてもよい。例えば結合材は、ベントナイト等の粘土や、膨張材を含んでいても良い。結合材が粘土を含むことで、セメントミルクに所定の粘性ないしチキソトロピー性や、懸濁安定性、膨潤性を付与することができる。また、結合材が膨張材を含んでいることで、モルタルやコンクリートの温度収縮によるひび割れの低減、乾燥収縮によるひび割れの低減、及び自己収縮によるひび割れの低減を図ることができる。
結合材に占めるセメントの割合は、50質量%以上100質量%以下とすることが好ましく、60質量%以上100質量%以下とすることが更に好ましく、70質量%以上100質量%以下とすることが一層好ましい。一方、結合材に占めるセメント以外の成分の割合は、0質量%以上50質量%以下とすることが好ましく、0質量%以上40質量%以下とすることが更に好ましく、0質量%以上30質量%以下とすることが一層好ましい。
〔細骨材〕
細骨材としては、少なくとも軟質高炉スラグ細骨材を含むものを使用する。高炉水砕スラグには、スラグ温度、冷却水量、及び水圧をコントロールすることにより、軟質で軽いもの、すなわち軟質高炉スラグと、硬質で重いもの、すなわち硬質高炉スラグとがあることが知られている。これまで軟質高炉スラグは、一般に微粉砕され、高炉セメント用の添加スラグ粉末として使用されたり、肥料として使用されたりしている。一方、硬質高炉スラグは、一般に粗粉砕され、コンクリート用スラグ骨材として使用されている。本発明で使用される軟質高炉スラグ細骨材とは、このように骨材としてはあまり使用されていない軟質高炉スラグを粉砕したものである。細骨材として軟質高炉スラグ細骨材を使用することにより、モルタルやコンクリートの自己治癒性を高めることができる。
本発明において、細骨材として軟質高炉スラグ細骨材を用いることで、モルタルやコンクリートの自己治癒性が高まる理由は次のとおりであると本発明者は考えている。軟質高炉スラグにはCaO、SiO、Al等の化学成分が含まれていることが知られている。モルタルやコンクリートにひび割れが生じた場合、そのひび割れた表面からCaO等の化学成分が水中に溶出する。溶出したCaO等は空気中の二酸化炭素と結合して例えばCaCO等の形態で析出する。この析出物がひび割れを埋めることで、モルタルやコンクリートの自己治癒性が発現する。
このように、本発明においては、モルタル及びコンクリートの配合を変更するだけの簡単な操作によって、モルタル及びコンクリートに十分な自己治癒性を付与することができる。
モルタルやコンクリートの自己治癒性を一層顕著なものとする観点から、細骨材全体に占める軟質高炉スラグ細骨材の割合は、30体積%以上100体積%以下とすることが好ましく、35体積%以上100体積%以下とすることが更に好ましく、40体積%以上100体積%以下とすることが一層好ましい。
軟質高炉スラグ細骨材は、その粗粒率が、これまで一般に用いられてきた細骨材の粗粒率と同等程度であることが好ましい。この観点から、軟質高炉スラグ細骨材の粗粒率は、2.5以上3.3以下であることが好ましく、2.6以上3.2以下であることが更に好ましく、2.7以上3.1以下であることが一層好ましい。粗粒率は、JIS A1102「骨材ふるい分け試験方法」に準じて測定される。
軟質高炉スラグ細骨材は、その密度が、これまで一般に用いられてきた細骨材の密度と同等程度であることが好ましい。この観点から、軟質高炉スラグ細骨材の密度は、2.2g/cm以上2.8g/cm以下であることが好ましく、2.3g/cm以上2.7g/cm以下であることが更に好ましく、2.4g/cm以上2.6g/cm以下であることが一層好ましい。軟質高炉スラグ細骨材の密度は、JIS A 1109:2006「細骨材の密度及び吸水率試験方法」に準じて測定される。
細骨材が、上述の軟質高炉スラグ細骨材に加えてその他の細骨材を含む場合、そのような細骨材としては、コンクリートに使用される一般的なものを用いることができる。例えば海砂、砕砂、陸砂、山砂、川砂等が挙げられる。また、細骨材として硬質高炉スラグ細骨材を用いてもよい。具体的には、JIS A 5308附属書A及びJIS A 5005に規定の細骨材などを用いることができる。これらの細骨材が、細骨材全体に占める割合は70質量%未満とすることが好ましく、65質量%未満とすることが更に好ましく、60質量%未満とすることが一層好ましい。
〔粗骨材〕
粗骨材としては、コンクリートの製造に使用される一般的なものを用いることができる。粗骨材の最大粒径は、約20mm又は約25mmであることが好ましい。より具体的には、JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」附属書A及びJIS A 5005「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定の粗骨材などを用いることができる。
〔化学混和剤〕
化学混和剤は、主として、その界面活性作用及び/又は水和調整作用によってコンクリートの諸性質を改善するために用いられる剤である。化学混和剤としては、例えばAE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、急結剤、硬化促進剤、遅延剤、防錆剤、起泡剤、発泡剤、空気量調整剤などが使用できる。具体的には、化学混和剤として、ポリカルボン酸系、ナフタリン系、アミノスルホン酸系及びメラミン系の高性能AE減水剤や、アルキルアリルスルホン酸塩系、メラミンスルホン酸塩系及びポリカルボン酸系の高性能減水剤が挙げられる。特に、化学混和剤として、JIS A 6204「コンクリート用化学混和剤」に記載されている、スルフォン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の化学混和剤を用いることが好ましく、中でもカルボキシル基含有ポリエーテル系化合物等のポリカルボン酸系の高性能減水剤や、高性能AE減水剤が特に好ましい。
〔練り混ぜ水〕
練り混ぜ水としては、例えば上水道水や地下水などが好適に使用できる。水には化学混和剤を添加してもよい。
本発明の自己治癒モルタルにおける配合は以下のとおりであることが好ましい。モルタル1m中における結合材の単位量は、500kg/m以上1500kg/m以下であることが好ましく、550kg/m以上1400kg/m以下であることが更に好ましく、600kg/m以上1300kg/m以下であることが一層好ましい。
モルタル1m中における細骨材の単位量は、300kg/m以上1500kg/m以下であることが好ましく、400kg/m以上1400kg/m以下であることが更に好ましく、500kg/m以上1300kg/m以下であることが一層好ましい。
モルタル1m中における化学混和剤の単位量は、1kg/m以上10kg/m以下であることが好ましく、1.5kg/m以上9kg/m以下であることが更に好ましく、2kg/m以上8kg/m以下であることが一層好ましい。
モルタル1m中における練り混ぜ水の単位量は、150kg/m以上500kg/m以下であることが好ましく、170kg/m以上450kg/m以下であることが更に好ましく、190kg/m以上400kg/m以下であることが一層好ましい。
本発明の自己治癒コンクリートにおける配合は以下のとおりであることが好ましい。コンクリート1m中における結合材の単位量は、200kg/m以上900kg/m以下であることが好ましく、250kg/m以上850kg/m以下であることが更に好ましく、300kg/m以上800kg/m以下であることが一層好ましい。
コンクリート1m中における細骨材の単位量は、300kg/m以上1200kg/m以下であることが好ましく、350kg/m以上1100kg/m以下であることが更に好ましく、400kg/m以上1000kg/m以下であることが一層好ましい。
コンクリート1m中における粗骨材の単位量は、300kg/m以上1200kg/m以下であることが好ましく、350kg/m以上1100kg/m以下であることが更に好ましく、400kg/m以上1000kg/m以下であることが一層好ましい。
コンクリート1m中における化学混和剤の単位量は、0.5kg/m以上10kg/m以下であることが好ましく、1kg/m以上9kg/m以下であることが更に好ましく、1.5kg/m以上8kg/m以下であることが一層好ましい。
コンクリート1m中における単位水量は、120kg/m以上350kg/m以下であることが好ましく、130kg/m以上320kg/m以下であることが更に好ましく、140kg/m以上290kg/m以下であることが一層好ましい。
上述した単位結合材量、単位細骨材量、単位粗骨材量及び単位水量とは、それぞれ、モルタル又はコンクリートを1m製造するのに必要な、結合材の質量、細骨材の質量、粗骨材の質量及び水の質量のことである。水に化学混和剤を添加する場合、単位水量は化学混和剤の質量も含む。
特に、本発明の自己治癒モルタル及び自己治癒コンクリートにおいては、結合材に対する練り混ぜ水の割合が、30質量%以上50質量%以下であることが好ましく、30質量%以上45質量%以下であることが更に好ましく、30質量%以上40質量%以下であることが一層好ましい。結合材に対する練り混ぜ水の割合をこの範囲内に設定することで、本発明の自己治癒モルタル及び自己治癒コンクリートにおける自己治癒性が顕著に発現することを本発明者は見出した。
本発明の自己治癒モルタルは、セメント及び細骨材を混合して空練りした後、これに化学混和剤を含む練り混ぜ水を加えて練り混ぜることで好適に得られる。一方、本発明の自己治癒コンクリートは、セメント、細骨材及び粗骨材を混合して空練りした後、これに化学混和剤を含む練り混ぜ水を加えて練り混ぜることで好適に得られる。混合工程は、例えば水平二軸形強制練りミキサなどのミキサ内で行うことができる。例えば30L程度のコンクリートを製造する場合には、セメントと、細骨材と、粗骨材とをミキサに投入し約30秒間撹拌し、続いて、場合により化学混和剤を含む水をミキサに投入して約90秒間撹拌するとよい。
このようにして得られた混練物を硬化させてモルタルやコンクリートを得る。この場合、混練物を目的に応じて所定の形にし、水和反応を進行させて硬化させる。この間、必要な強度が得られる期間まで養生することが好ましい。養生とは、乾燥や凍結などの有害な外的影響から保護することをいう。養生方法としては、モルタルやコンクリートを水中に浸漬したり、散水したり、濡れたマットなどで覆うなどの方法が有効である。硬化促進のため、蒸気養生や高温高圧で養生するオートクレーブ養生などを行ってもよい。
コンクリートを得る場合には、混練物中の細骨材率は、好ましくは40容積%以上55容積%以下であり、更に好ましくは41容積%以上54容積%以下であり、一層好ましくは42容積%以上52容積%以下である。細骨材率とは、全細骨材及び全粗骨材を合計した全骨材の絶対容積に対する全細骨材の絶対容積比率のことである。絶対容積とは、骨材中の空隙を含み、骨材粒間の空隙を含まない容積のことである。
このようにして得られた本発明の自己治癒モルタル及び自己治癒コンクリートは、その自己治癒性に起因して、ひび割れ等の欠陥が生じた場合であっても、自発的に析出した析出物がひび割れた空間を埋めることで欠陥が修復されるものである。したがって、防水工や止水工などの補修を行う手間が省ける。そして、本発明の自己治癒モルタル及び自己治癒コンクリートによれば、ひび割れ等に起因する美観の低下が効果的に防止され、また雨水や大気中の二酸化炭素がひび割れ面から内部に浸透することが効果的に防止され、埋設された鉄筋等の腐食が効果的に防止される。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
[1.使用材料]
以下に示す材料を使用した。
(1)結合材
・普通ポルトランドセメント(密度3.16g/cm、宇部三菱セメント株式会社製)
・フライアッシュ(密度2.29g/cm、JISII種相当、九州電力株式会社製)
・膨張材(密度3.05g/cm、パワーCSA、デンカ株式会社製)
・ベントナイト(密度2.50g/cm
(2)細骨材
・海砂(密度2.57g/cm、粗粒率2.97、福岡県産)
・砕砂(密度2.68g/cm、粗粒率2.71、硬質砂岩、福岡県産)
・軟質高炉スラグ細骨材(密度2.52g/cm、粗粒率2.89)
(3)化学混和剤
・商品名:マイテイ21VS、高性能減水剤、花王株式会社製
(4)練り混ぜ水
・上水道水
[2.モルタルの配合]
前記材料を用いて以下の表1に示すNo.1〜5のモルタルの配合を行った。配合の概要及び1mあたりの単位量を同表に示す。表1において、Wは単位水量を表し、Cは単位セメント量を表し、Bは単位結合材量を表し、FAはフライアッシュを表し、軟質は軟質高炉スラグ細骨材を表す。表1中のWは、化学混和剤を含めた値であり、セメントには普通ポルトランドセメントを使用した。配合No.1〜5においては、細骨材のうち、海砂と砕砂の体積比は4:6とした。No.1〜4では細骨材として海砂と砕砂のみを使用し、No.5では全細骨材のうち50体積%を軟質高炉スラグ細骨材とした。
Figure 2018002543
[3.モルタルの調製及び試験方法]
(1)モルタルの練り混ぜ
表1に示した配合No.1〜5のモルタルの練り混ぜは、JIS R 5201に準じて次の手順で行った。すなわち、ホバートミキサ内に、細骨材、セメントを投入して30秒間空練りした後、練り混ぜ水(混和剤を含む)を加えて低速で30秒間練り混ぜ、掻き落としを行った後、高速で60秒間練り混ぜた。
(2)モルタルのフレッシュ性状
配合No.1〜5について、フレッシュ性状試験としてフローを測定した。フロー試験はJIS R 5201に準じて行い、15打フローとした。
(3)モルタル供試体の養生
モルタル供試体はΦ10×20cmに成形し、20℃の恒温室で7日間の封緘養生を行った。養生終了後、20℃、R.H.60%の恒温室で前準備を実施した。
(4)モルタル供試体の前準備
Φ10×20cmのモルタル供試体を、コンクリートカッターを用いて半分の長さに切断し、Φ10×10cmの円柱供試体を作製した。円柱供試体に割裂によりひび割れを導入し、予め取り付けたコンタクトゲージによって供試体表面中央部のひび割れ幅を測定しながら、鋼製バンドによってひび割れ幅を調整した後、固定した。円柱側面のひび割れは、シリコン系のシーリング材を用いて塞いだ。15打フロー及び調整後のひび割れ幅の測定結果を表2に示す。ひび割れ幅の目標値は0.1〜0.3mmとした。
Figure 2018002543
(5)水分供給
材齢28日より20℃、R.H.60%の恒温室で水分供給を開始した。水分供給条件を以下に示す。
・水中浸漬
・乾湿繰り返し(水中浸漬1時間、乾燥23時間の繰り返し)
(6)ひび割れ通水速度の測定
水分供給開始前(0日)、及び水分供給を開始してから7日後、14日後、及び21日後にひび割れ通水速度を測定した。ひび割れ通水速度は、10cmの水頭を与えた場合に、ひび割れ内を通過した単位時間あたりの水の量として求めた。
[4.試験結果]
ひび割れ通水速度の測定結果を表3に示す。また、ひび割れ通水速度から計算した、ひび割れ通水速度の減少率を表4に示す。通水速度減少率は、水分供給開始前(0日)を基準として、7日後、14日後、及び21日後に通水速度が減少した割合(%)として求めた。
Figure 2018002543
Figure 2018002543
[5.評価]
表3に示す結果から明らかなとおり、ひび割れ通水速度が経時的に減少している配合が観察される。しかしながら、導入したひび割れ幅が異なることもあり、水分供給開始前(0日)の時点で配合間のひび割れ通水速度に差があることから、単純な比較が難しい。そこで、表4に示すひび割れ通水速度の減少率で比較すると、通常配合であるNo.1に比べ、細骨材の50体積%を軟質高炉スラグ細骨材で置換したNo.5では、水中浸漬及び乾湿繰り返しいずれの条件でも通水速度の減少率が大きい。また、水中浸漬及び乾湿繰り返しの両条件で大幅な通水速度減少率の増大が観察されるのはNo.5のみである。この理由は、軟質高炉スラグ細骨材に含まれるCaO等の化学成分が、ひび割れ部で接する水中に溶け出し、例えばCaCO等として析出することで、ひび割れを埋め、自己治癒効果(ここでは、ひび割れ通水速度の減少)を発揮しているからであると考えられる。

Claims (3)

  1. 結合材と、細骨材と、化学混和剤と、練り混ぜ水とを含む自己治癒モルタルであって、
    前記細骨材は、軟質高炉スラグ細骨材を30体積%以上100体積%以下含み、
    前記結合材に対する前記練り混ぜ水の割合が30質量%以上50質量%以下である自己治癒モルタル。
  2. 前記モルタル1m中に、
    前記結合材を500kg/m以上1500kg/m以下含み、
    前記細骨材を300kg/m以上1500kg/m以下含み、
    前記練り混ぜ水を150kg/m以上500kg/m以下含む、
    請求項1に記載の自己治癒モルタル。
  3. 請求項1又は2記載の自己治癒モルタル及び粗骨材を含む、自己治癒コンクリート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023124050A1 (zh) * 2021-12-30 2023-07-06 山东大学 一种高强度自修复胶囊及其生产工艺

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