JP2018000597A - 生体情報処理システム及びプログラム - Google Patents

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【課題】 ユーザーの負担を抑えつつ、ユーザーの生活習慣に関する指標を精度よく求める生体情報処理システム及びプログラム等を提供すること。【解決手段】 生体情報処理システム100は、ユーザーの生体情報に基づいて、第1〜第N(Nは2以上の整数)の状態のうち、ユーザーがいずれの状態かを判定する判定部120と、状態判定処理の結果に基づいて、生活習慣評価指標を演算する演算部130を含み、第1〜第Nの状態は、睡眠状態である第1の状態と、身体的負荷状態である第2の状態と、を少なくとも含み、演算部130は、判定期間において第1〜第Nの状態の各状態と判定された時間である第1〜第Nの時間に基づいて、生活習慣評価指標を演算する。【選択図】 図1

Description

本発明は、生体情報処理システム及びプログラム等に関する。
近年、生活習慣病が重大な疾病として広く知られている。生活習慣病とは、生活習慣に起因する疾病であり、高血圧、糖尿病、脂質異常、肥満等が知られている他、これらに関連して癌、心臓病、脳卒中等の重大な疾病が発生することも知られている。
生活習慣病は、その多くが生活習慣の異常に起因することから、生活習慣を改善することで、その発生を抑止できると考えられる。例えば特許文献1には、ユーザーの健康状態の改善に有効であって且つユーザーの意思により実施可能な具体的な改善活動を、ユーザーに提示するための手法、及び日常生活における身体活動や生活習慣の改善が総合的な健康状態にどのように影響するのかを可視化する手法が開示されている。
また、特許文献2には、ウェアラブル機器を用いて脈波情報を計測し、脈波情報に基づいて精度よく睡眠時間情報、ストレス情報等を演算する手法が開示されている。睡眠時間や、身体的負荷(フィジカルストレス)を受けている時間、精神的負荷(メンタルストレス)を受けている時間等の情報は、ユーザーの生活習慣を表す情報として利用可能と考えられる。
特開2010−122901号公報 特開2014−50451号公報
特許文献1の手法では、身体活動若しくは生活習慣に関する指標である「生活指標」、身体の生理的な状態に関する指標である「生体指標」、ユーザーの年齢や性別などの「属性情報」、及び疫学情報の統計データで構成される「複合情報」に基づいて、「総合健康指標」を決定し、「複合情報」においてリスク増加に寄与する因子を注目指標として抽出し、これを改善するためにユーザーが意識的に実施できる行動を提案する。
しかし特許文献1の手法では、ユーザーの健康リスクの高低の判定には、種々の「生体指標」(及び「属性情報」)が用いられている。つまり、正しい判定するためには、ユーザーが血圧計、血糖計、体組成計、活動量計、睡眠計などの様々な機器を使って生体指標を入力することが必要になり、ユーザーにとって大きな負担となる。
また、特許文献2では、睡眠時間やストレスに関する時間等を演算する手法を開示しているが、生活習慣が正常か異常かの判定において、それらの情報をどのように用いるかについて具体的な開示がない。特に、各情報は相互に関連するものであるため、生活習慣の判定において複数の情報の組み合わせが重要と考えられるところ、組み合わせ手法に関する開示は見られない。
本発明の幾つかの態様によれば、ユーザーの負担を抑えつつ、ユーザーの生活習慣に関する指標を精度よく求める生体情報処理システム及びプログラム等を提供できる。
本発明の一態様は、取得されたユーザーの生体情報に基づいて、生活習慣評価指標を求めるために設定された第1〜第N(Nは2以上の整数)の状態のうち、前記ユーザーがいずれの状態かを判定する状態判定処理を行う判定部と、前記状態判定処理の結果に基づいて、前記生活習慣評価指標を演算する演算部と、を含み、前記第1〜第Nの状態は、前記ユーザーが睡眠を行っている睡眠状態である第1の状態と、他の状態に比べて身体的負荷が大きい身体的負荷状態である第2の状態と、を少なくとも含み、前記演算部は、判定期間において前記第1〜第Nの状態の各状態と判定された時間である第1〜第Nの時間を求め、前記第1〜第Nの時間に基づいて、前記生活習慣評価指標を演算する生体情報処理システムに関係する。
本発明の一態様では、生体情報に基づく状態判定処理を行い、状態判定結果に基づいて生活習慣評価指標を求める。この際、少なくとも睡眠状態と身体的負荷状態とを含む複数の状態を考慮し、各状態と判定された時間から生活習慣評価指標を求める。このようにすれば、ウェアラブル機器等を用いて容易に取得可能な情報に基づいて精度よく生活習慣評価指標を求めること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記演算部は、前記第1の状態に対応する第1の時間、及び前記第2の状態に対応する第2の時間が長いほど、前記生活習慣評価指標が高い評価になるように、前記生活習慣評価指標を演算してもよい。
これにより、第1,第2の時間の長さに応じた生活習慣評価指標を求めることが可能になる。
また、本発明の一態様では、前記第1〜第Nの状態は、他の状態に比べて精神的負荷が大きい精神的負荷状態である第3の状態を含んでもよい。
これにより、精神的負荷状態を考慮した生活習慣評価指標の演算が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記演算部は、前記第3の状態に対応する第3の時間が長いほど、前記生活習慣評価指標が低い評価になるように、前記生活習慣評価指標を演算してもよい。
これにより、第3の時間の長さに応じた生活習慣評価指標を求めることが可能になる。
また、本発明の一態様では、前記第1〜第Nの状態は、前記ユーザーの体動情報の値が所定閾値以下の状態である第4の状態を含んでもよい。
これにより、体動が比較的小さい状態を考慮した生活習慣評価指標の演算が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記演算部は、前記第4の状態に対応する第4の時間が長いほど、前記生活習慣評価指標が低い評価になるように、前記生活習慣評価指標を演算してもよい。
これにより、第4の時間の長さに応じた生活習慣評価指標を求めることが可能になる。
また、本発明の一態様では、前記判定部は、前記ユーザーの基底心拍数情報と、各タイミングでの脈波情報から求められる心拍数情報とに基づいて、前記状態判定処理を行ってもよい。
これにより、基底心拍数情報を用いることで精度の高い状態判定処理が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記判定部は、前記基底心拍数情報と前記心拍数情報とから求められる活動強度、及び、前記ユーザーの体動の大きさを表す体動強度に基づいて、前記状態判定処理を行ってもよい。
これにより、活動強度及び体動強度を用いることで精度の高い状態判定処理が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記判定部は、前記ユーザーの基底心拍数情報と、各タイミングでの脈波情報から求められる心拍数情報とから求められる活動強度、及び、前記ユーザーの体動の大きさを表す体動強度に基づいて、前記状態判定処理を行い、前記判定部は、前記活動強度が第1活動強度未満の場合に、前記睡眠状態である第1の状態と判定し、前記活動強度が第2活動強度以上であり、且つ、前記体動強度が第1体動強度以上の場合に、前記身体的負荷状態である第2の状態と判定してもよい。
これにより、活動強度及び体動強度を用いて第1,第2の状態を適切に判定することが可能になる。
また、本発明の一態様では、前記第1〜第Nの状態は、他の状態に比べて精神的負荷が大きい精神的負荷状態である第3の状態を含み、前記判定部は、前記活動強度が前記第2活動強度以上であり、且つ、前記体動強度が前記第1体動強度未満の場合に、前記精神的負荷状態である前記第3の状態と判定してもよい。
これにより、活動強度及び体動強度を用いて第3の状態を適切に判定することが可能になる。
また、本発明の一態様では、前記第1〜第Nの状態は、前記ユーザーの体動情報の値が所定閾値以下の状態である第4の状態を含み、前記判定部は、前記体動強度が前記第1体動強度未満の場合に、前記第4の状態と判定してもよい。
これにより、少なくとも体動強度を用いて第4の状態を適切に判定することが可能になる。
また、本発明の一態様では、前記第1〜第Nの状態は、他の状態に比べて精神的負荷が大きい精神的負荷状態である第3の状態と、前記ユーザーの体動情報の値が所定閾値以下の状態である第4の状態と、を含み、前記第1の状態に対応する第1の時間の長さを表す値をSとし、前記第2の状態に対応する第2の時間の長さを表す値をEとし、前記第3の状態に対応する第3の時間の長さを表す値をMとし、前記第4の状態に対応する第4の時間の長さを表す値をAとした場合に、前記演算部は、S,Eが大きくなるほど大きくなり、M,Aが大きいほど小さくなるように、前記生活習慣評価指標を求めてもよい。
これにより、S,M,E,Aの少なくとも4つの変数を用いて、生活習慣評価指標を演算することが可能になる。
また、本発明の他の態様は、取得されたユーザーの生体情報に基づいて、生活習慣評価指標を求めるために設定された第1〜第N(Nは2以上の整数)の状態のうち、前記ユーザーがいずれの状態かを判定する状態判定処理と、前記状態判定処理の結果に基づいて、前記生活習慣評価指標を演算する演算処理と、をコンピューターに実行させ、前記第1〜第Nの状態は、前記ユーザーが睡眠を行っている睡眠状態である第1の状態と、他の状態に比べて身体的負荷が大きい身体的負荷状態である第2の状態と、を少なくとも含み、前記生活習慣評価指標の前記演算処理において、判定期間において前記第1〜第Nの状態の各状態と判定された時間である第1〜第Nの時間を求め、前記第1〜第Nの時間に基づいて、前記生活習慣評価指標を演算するプログラムに関係する。
精神的負荷時間と深睡眠時間の相関関係の説明図。 生体情報処理システムの簡単な構成例。 生体情報処理システムの詳細な構成例。 ウェアラブル機器の外観図。 ウェアラブル機器の外観図。 ウェアラブル機器と他の機器の接続例。 生体情報処理システムを含むシステムの構成例。 脈拍数(心拍数)、加速度、ピッチの時間変化例。 生活習慣評価指標と血圧の相関関係の説明図。 生活習慣評価指標とBMIの相関関係の説明図。 生活習慣評価指標と中性脂肪の相関関係の説明図。 生活習慣評価指標と脂質の相関関係の説明図。 生活習慣評価指標と尿酸の相関関係の説明図。 生活習慣評価指標と血糖の相関関係の説明図。 本実施形態の処理を説明するフローチャート。 生活習慣評価指標とストレス反応問診指数との関係図。 生活習慣評価指標と身体的負荷時間との関係図。 未病ゾーンと目標ゾーンの表示例。 正常な被験者の状態判定結果の例。 正常な被験者のストレスチェック結果の例。 生活習慣病保有者の状態判定結果の例。 生活習慣病保有者のストレスチェック結果の例。 生活習慣病保有者の状態判定結果の例。 生活習慣病保有者のストレスチェック結果の例。 生活習慣病保有者の状態判定結果の例。 生活習慣病保有者のストレスチェック結果の例。 自己管理に基づく生活習慣評価指標及びストレス反応問診指数の変化例。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.本実施形態の手法
まず本実施形態の手法について説明する。生活習慣病は、上述したように癌、心臓病、脳卒中といった重大な疾病につながることから、発生前の予防が非常に重要である。生活習慣病は遺伝的な要因で発症する場合もあるが、多くの場合、生活習慣の異常が要因となるため、生活習慣の異常を何らかの手法により検出し、生活習慣の改善を可能とする手法が望まれる。
特許文献1の手法では、複数の複合指標から総合健康指標を求め、指標が悪い場合に、リスクを増大させている生活指標を抽出する。特許文献1の生活指標を生活習慣を表す情報であると考えれば、特許文献1の手法により生活習慣の改善が可能とも考えられる。しかし、特許文献1では、複合指標の演算には、血圧値や血糖値、体重、体脂肪率等の種々の生体指標が用いられる。そして、総合健康指標(複合指標)が低評価であった場合に、その要因と考えられる生活指標を抽出しているに過ぎない。
言い換えれば、特許文献1の手法は、脳卒中リスクを血圧値と血糖値から求めるように、生活習慣病のうちの所与の疾病のリスクを、当該疾病に直接的に関連する生体情報を用いて求める手法であって、生活指標から生活習慣の正常、異常を判定する手法ではない。そのため、特許文献1の手法では、血圧計や血糖計等、生活習慣病に関連する生体情報を計測可能な種々の機器を用いる必要があり、ユーザー(被験者)の負担が大きい。さらに言えば、生活習慣を表す情報としては、ユーザーの精神状態に関する情報(例えば精神的負荷、メンタルストレス)もあり、生体指標は精神的な影響で変動しやすいと考えられる。つまり、特許文献1の手法では、ユーザーの精神状態という重要な要素が考慮されていないという課題もある。
また、特許文献2の手法では、基底心拍数HRを導入することで、睡眠時間(狭義には深睡眠時間)、消費カロリー、身体的負荷を受けた時間、精神的負荷を受けた時間等を精度よく演算することが可能である。これらの情報は、生活習慣を表す情報として利用可能であるところ、脈波センサーと体動センサーを有する機器であれば演算可能であるため、例えば図4、図5を用いて後述するウェアラブル機器200により容易に取得可能であるという利点がある。
しかし、生活習慣を表す情報は相互に関連する。例えば、本出願人の調査により、昼間の時間帯において長時間精神的負荷を受けていた被験者は、夜間での深睡眠時間が短い傾向にあることが確認された。
図1は、1日の中で精神的負荷を受けていた時間である精神的負荷時間M(単位:hour)と、1日の中で深睡眠状態(徐波睡眠状態)となっていた時間である深睡眠時間S(単位:hour)の相関を示す図である。横軸が精神的負荷時間を表し、縦軸が深睡眠時間を表す。相関係数は−0.20程度と小さいものの、MとSとは統計的に有意に負の相関を有することがわかる。
また、特許文献2の手法では、身体的負荷を受けていた時間である身体的負荷時間Eや、体動の大きさが所定閾値以下の状態の時間である低体動時間Aといった情報を求めることができる。そして、M,S,E,Aは、MとS以外の組み合わせについても相互に相関を有することが確認された。
つまり、これらの情報に基づいて生活習慣を評価しようとした場合、いずれか1つのみの情報を用いたり、各情報を独立に用いて相互作用を考慮しないのでは、対象ユーザーの生活習慣を精度よく評価することは困難である。しかし特許文献2では、生活習慣を評価する際の、M,S,E,A等の情報の具体的な組み合わせに関する開示がない。
そこで本出願人は、ユーザー負担を抑えつつ、ユーザーの生活習慣を適切に評価する手法を提案する。具体的には、本実施形態に係る生体情報処理システム100は、図2に示したように、取得されたユーザーの生体情報に基づいて、生活習慣評価指標を求めるために設定された第1〜第N(Nは2以上の整数)の状態のうち、ユーザーがいずれの状態かを判定する状態判定処理を行う判定部120と、状態判定処理の結果に基づいて、生活習慣評価指標を演算する演算部130を含む。そして、第1〜第Nの状態は、ユーザーが睡眠を行っている睡眠状態である第1の状態と、他の状態に比べて身体的負荷が大きい身体的負荷状態である第2の状態とを少なくとも含み、演算部130は、判定期間において第1〜第Nの状態の各状態と判定された時間である第1〜第Nの時間を求め、第1〜第Nの時間に基づいて、生活習慣評価指標を演算する。なお、「他の状態」とは、第1〜第Nの状態のうちの、対象としている状態(ここでは第2の状態)以外の状態を表す。
ここで生体情報とは、ユーザーの生体活動の状態を表す情報であり、狭義には特許文献2と同様に脈波情報(狭義には心拍数情報)であってもよい。また、生活習慣評価指標とは、生活習慣の良し悪しを評価する指標である。本実施形態では、後述するLSiのように、生活習慣評価指標が数値により表される情報である例について説明する。LSiの例であれば、数値が大きいほど生活習慣がよく、数値が小さいほど生活習慣が悪いことを表す。ただし、生活習慣評価指標が、「良い」「普通」「悪い」、或いは「正常」「異常」といった複数の段階のいずれかを特定するような情報であることは妨げられない。また、生活習慣指標とは、コンピューターに対して、対象ユーザーの生活習慣を評価させる情報であってもよい。例えば、コンピューターに対して生活習慣指標を入力し、当該コンピューターは入力されたユーザーの生活習慣評価指標を用いた演算処理を行うことで、ユーザーの生活習慣を評価(判定)する。
また、ここでの判定期間とはユーザーの生活習慣の評価単位となる期間を表す。例えば、一般的なユーザーは1日(24時間)を生活サイクルとして、毎日ある程度定まった時間帯において睡眠、食事、仕事や家事等の活動を行う。生活習慣の判定では、少なくともユーザーの生活サイクルにおける1サイクル分の長さでの測定結果を利用するとよい。よってここでの判定期間は例えば24時間とする。ただし、労働日(例えば月曜日〜金曜日)と、休暇日(例えば土曜日と日曜日)では、生活サイクルが異なることも多いと考えられる。この意味ではユーザーの生活サイクルは1週間で1サイクルと考えることもできる。よって本実施形態の判定期間は1週間としてもよい。なお、第1〜第Nの時間の各時間は、1週間の累計値としてもよいが、1週間の中では生体情報の測定が行われない日、時間帯があることが想定される。例えば、ユーザーが単純にウェアラブル機器を装着し忘れることもあるし、装着を煩わしく感じて外してしまうこともある。第1〜第Nの時間として1週間分の累計値を用いると、非装着の場合に値が極端に小さくなるおそれもある。よって本実施形態における「判定期間において第1〜第Nの状態の各状態と判定された時間である第1〜第Nの時間」とは、1週間の間に計測された各時間の1日当たりの平均時間を用いてもよい。
また、睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠に分けられ、ノンレム睡眠はさらにステージ1〜ステージ4に区分されることが知られている。本実施形態における睡眠状態とは、これらの全ての状態を含むことは妨げられない。ただし、多くの活動が抑制されており、ユーザーの気力体力の回復に大きく寄与する睡眠は深睡眠(例えばノンレム睡眠のうちのステージ3及び4)と考えられる。よって本実施形態における睡眠状態とは、狭義には深睡眠状態を表すものであってもよい。以下、本明細書では、睡眠状態(第1の状態)が深睡眠状態であり、第1の時間とは深睡眠時間である例について説明する。
本実施形態の手法によれば、少なくとも睡眠時間Sや身体的負荷時間Eに基づいて、生活習慣指標を求めることが可能になる。複数の情報を組み合わせて用いるため、情報間の相互作用も考慮した精度の高い生活習慣評価指標を求めることが可能になる。また、特許文献2にも開示されているように、睡眠時間Sや身体的負荷時間Eは、脈拍計等のウェアラブル機器により取得(計測、演算)可能な情報であるため、ユーザーは種々の機器による計測を行う必要がない。なお、図7を用いて後述するように、ユーザーの総合的な健康管理を考えれば、血圧計や血糖計等の機器を用いた計測も重要になるが、少なくとも生活習慣の評価を行う場面においては、それらの計測を必須としないことが可能である。例えば、ウェアラブル機器200により計測される脈波情報及び体動情報に基づいて、生活習慣病に関するスクリーニングを行い、生活習慣が悪いと判定された場合に、血圧計等を用いた計測を行うといった形態を用いれば、煩雑な計測の頻度を低減できる。
本実施形態の手法によれば、例えば生活習慣が異常であり、生活習慣病のリスクが高いこと(東洋医学の用語における「未病」の一例)を生活習慣評価指標により判定できる。よって、判定結果に基づいて生活習慣の改善も可能となり、生活習慣の発症を抑止することが可能になる。
以下、まず生体情報等を取得する機器の具体例であるウェアラブル機器200や、本実施形態の生体情報処理システム100のシステム構成例について説明する。その後、生活習慣評価指標の演算手法の例について説明し、さらにストレス反応問診指数等を併用して二次元座標を用いて処理を行う例について説明する。その後、種々の類型のユーザーのデータ例について説明し、本実施形態の手法に基づく生活習慣の改善指導結果について説明する。
2.システム構成例
図3に本実施形態に係る生体情報処理システム100の詳細な構成例を示す。生体情報処理システム100は、情報取得部110と、判定部120と、演算部130を含む。また、判定部120は、基底心拍数情報取得部121と、判定処理部123を含む。ただし、生体情報処理システム100は図3の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。例えば、生体情報処理システム100は、生活習慣評価指標に関する情報を表示する表示部等を含んでもよいし、図3に示したセンサー部40を含んでもよい。
情報取得部110は、ユーザーの生体情報及び体動情報を取得する。情報取得部110は、例えば生体センサー及び体動センサーを含む生体情報測定装置(ウェアラブル機器200)からの生体情報及び体動情報を取得する。以下、生体センサーは脈波センサー(心拍センサー)であり、生体情報が脈波情報である例について説明する。脈拍センサーとしては例えば光電センサーが用いられる。この場合には、生体に対して照射された光の反射光又は透過光を当該光電センサーで検出する手法等が考えられる。血管内の血流量に応じて、照射された光の生体での吸収量、反射量が異なるため、光電センサーで検出したセンサー情報は血流量等に対応した信号となり、当該信号を解析することで拍動に関する情報を取得することができる。ただし、脈波センサーは光電センサーに限定されず、心電計や超音波センサー等、他のセンサーを用いてもよい。また、体動センサーは、ユーザーの体動を検出するセンサーである。体動センサーとしては、加速度センサーや角速度センサー等を用いることが考えられるが、他のセンサーを用いてもよい。
判定部120は、ユーザーの基底心拍数情報と、各タイミングでの脈波情報から求められる心拍数情報とに基づいて、状態判定処理を行う。基底心拍数情報とは、基底状態の心拍数(脈拍数)を表す情報のことであり、具体的には深睡眠状態における心拍数である。心拍数は、フィジカル活動及びメンタル活動により上昇し、安静状態にあったとしても値の変動が起こりうる。しかし、深睡眠状態での心拍数情報は、浅い睡眠状態や覚醒状態(体動時、非体動時を含む)に比べて変動が少ない最小値(固有値)となることがわかっており、且つその値は同一ユーザーであれば日差変動が小さい。つまり、深睡眠状態での脈波情報から基底心拍数情報を求めれば、その値はユーザー間の個人差を考慮した値となり、且つ一度(例えば一回の睡眠により)基底心拍数情報が取得されれば、その際の値を長期間使い続けることができる。
基底心拍数情報取得部121は、所定期間の脈波情報に基づいて、基底心拍数情報を求める。判定処理部123は、基底心拍数情報と各タイミングでの心拍数との比較処理、及び体動情報と所与の体動閾値との比較処理に基づいて、ユーザーが第1〜第Nの状態のいずれの状態であるかを判定する状態判定処理を行う。以下では、第1の状態が睡眠状態(深睡眠状態)、第2の状態が身体的負荷を受けている状態、第3の状態が精神的負荷を受けている状態、第4の状態が体動が小さい状態である例について説明する。ただし、ここでの第1〜第Nの状態の各状態は、生活習慣評価指標の演算用に設定された状態、すなわちユーザーの生活習慣に関連する状態であればよく、上記第1〜第4の状態のいずれかを省略してもよいし、他の状態を追加してもよい。状態判定処理の詳細については後述する。
演算部130は、状態判定処理の結果に基づいて、生活習慣評価指標の演算処理を行う。演算処理の詳細については後述する。
本実施形態に係る生体情報及び体動情報は、ユーザーの身体に装着されるウェアラブル機器200により取得してもよい。図4は、ウェアラブル機器200の外観図の例である。図4に示したように、ウェアラブル機器200は、ケース部30と、ケース部30をユーザーの身体(狭義には手首)に固定するためのバンド部10を含み、バンド部10には嵌合穴12と尾錠14が設けられる。尾錠14は、尾錠枠15及び係止部(突起棒)16から構成される。
図4は、嵌合穴12と係止部16を用いてバンド部10が固定された状態であるウェアラブル機器200を、バンド部10側の方向(ケース部30の面のうち装着状態において被検体側となる面側)から見た斜視図である。図4のウェアラブル機器200では、バンド部10に複数の嵌合穴12が設けられ、尾錠14の係止部16を、複数の嵌合穴12のいずれかに挿入することでユーザーへの装着が行われる。複数の嵌合穴12は、図4に示すようにバンド部10の長手方向に沿って設けられる。
ウェアラブル機器200のケース部30には、センサー部40が設けられる。図4では、生体センサー(脈波情報を取得するための光電センサー)を想定し、ケース部30のうち、ウェアラブル機器200の装着時に被検体側となる面にセンサー部40が設けられる例を示した。ただし、センサー部40に含まれるセンサーが設けられる位置は図4には限定されない。例えばセンサー部40に含まれるセンサーは、ケース部30の内部(特に、ケース部30に含まれるセンサー基板上)に設けられてもよい。
図5は、ユーザーが装着した状態でのウェアラブル機器200を、表示部50の設けられる側から見た図である。図5からわかるように、本実施形態に係るウェアラブル機器200は通常の腕時計の文字盤に相当する位置、あるいは数字やアイコンを視認可能な位置に表示部50を有する。ウェアラブル機器200の装着状態では、ケース部30のうちの図4に示した側の面が被検体に密着するとともに、表示部50は、ユーザーによる視認が容易な位置となる。
なお、図4、図5ではウェアラブル機器200のケース部30を基準として座標系を設定し、表示部50の表示面に交差する方向であって、表示部50の表示面側を表面とした場合の裏面から表面へと向かう方向をZ軸正方向としている。あるいは、センサー部40(狭義には図4に示した光電センサー)から表示部50に向かう方向、あるいは表示部50の表示面の法線方向においてケース部30から離れる方向をZ軸正方向と定義してもよい。ウェアラブル機器200が被検体に装着された状態では、上記Z軸正方向とは、被検体からケース部30へと向かう方向に相当する。また、Z軸に直交する2軸をXY軸とし、特にケース部30に対してバンド部10が取り付けられる方向をY軸に設定している。
本実施形態に係る生体情報処理システム100は、ウェアラブル機器200と接続される情報処理装置であってもよい。図6は、ウェアラブル機器200と情報処理装置400の接続例を示す図である。図6に示したように、ウェアラブル機器200は、スマートフォン等の携帯端末装置300と近距離無線通信等により接続され、携帯端末装置300は、ネットワークNEを介してPC(personal computer)やサーバーシステム等の情報処理装置400と接続される。ここでのネットワークNEは、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、近距離無線通信等、種々のネットワークを利用できる。この場合、生体情報処理システム100である情報処理装置400の情報取得部110は、ネットワークNEを介してウェアラブル機器200で計測された生体情報や体動情報を受信する通信部(受信処理部)として実現される。
図6に示した例では、ウェアラブル機器200は携帯端末装置300との通信が可能であればよく、直接的にネットワークNEに接続する必要がない。よって、ウェアラブル機器200の構成を簡略化することが可能になる。ただし、図6の携帯端末装置300を省略し、ウェアラブル機器200と情報処理装置400を直接接続する変形実施も可能である。
また、本実施形態に係る生体情報処理システム100は情報処理装置400により実現されるものには限定されない。例えば、生体情報処理システム100は、図6の携帯端末装置300により実現されてもよい。スマートフォン等の携帯端末装置300は、サーバーシステムに比べれば処理性能や記憶領域、バッテリー容量に制約があることが多いが、近年の性能向上を考慮すれば、十分な処理性能等を確保可能となることも考えられる。よって、処理性能等の要求が満たされるのであれば、携帯端末装置300を本実施形態に係る生体情報処理システム100とすることが可能である。
さらにいえば、端末性能の向上、或いは利用形態等を考慮した場合、ウェアラブル機器200により本実施形態に係る生体情報処理システム100を実現する実施形態も否定されない。この場合、情報取得部110は、同一装置内の生体センサー、体動センサーからの情報を取得することになる。
また、本実施形態に係る生体情報処理システム100は、1つの装置により実現するものには限定されない。例えば、生体情報処理システム100は、ウェアラブル機器200、携帯端末装置300及び情報処理装置400のうちの2以上の装置を含んでもよい。この場合、生体情報処理システム100で実行される処理は、いずれか1つの機器において実行されてもよいし、複数の機器で分散処理されてもよい。また、本実施形態に係る生体情報処理システム100が、生体情報処理装置(ウェアラブル機器200)、携帯端末装置300、情報処理装置400とは異なる機器を含むことも妨げられない。
また、本実施形態に係る生体情報処理システム100の各部の処理をプログラムにより実現することも可能である。すなわち、本実施形態の手法は、取得されたユーザーの生体情報に基づいて、生活習慣評価指標を求めるために設定された第1〜第N(Nは2以上の整数)の状態のうち、ユーザーがいずれの状態かを判定する状態判定処理と、状態判定処理の結果に基づいて、生活習慣評価指標を演算する演算処理と、をコンピューターに実行させるプログラムに適用できる。そして、第1〜第Nの状態は、ユーザーが睡眠を行っている睡眠状態である第1の状態と、他の状態に比べて身体的負荷が大きい身体的負荷状態である第2の状態と、を少なくとも含み、本実施形態に係るプログラムは、上記の生活習慣評価指標の演算処理において、判定期間において第1〜第Nの状態の各状態と判定された時間である第1〜第Nの時間を求め、第1〜第Nの時間に基づいて、生活習慣評価指標を演算する。より具体的には、本実施形態に係るプログラムは、後述する図15に示した各ステップをコンピューターに実行させる。
また、本実施形態の生体情報処理システム100は、情報(例えばプログラムや各種のデータ)を記憶するメモリーと、メモリーに記憶された情報に基づいて動作するプロセッサーを含む。プロセッサーは、ユーザーの生体情報に基づいて、生活習慣評価指標を求めるために設定された第1〜第N(Nは2以上の整数)の状態のうち、ユーザーがいずれの状態かを判定する状態判定処理と、状態判定処理の結果に基づいて、生活習慣評価指標を演算する演算処理とを行う。
プロセッサーは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。プロセッサーは、例えばCPUであってもよい。ただしプロセッサーはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサーを用いることが可能である。またプロセッサーはASICによるハードウェア回路でもよい。メモリーは、例えばSRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよいし、ハードディスク装置等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリーはコンピューターにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサーにより実行されることで、生体情報処理システム100の各部の機能が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットの命令でもよいし、プロセッサーのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
本実施形態の動作は例えば以下のように実現される。プロセッサーは、生体情報(脈波情報)を取得し、メモリーに記憶する。そしてプロセッサーは、メモリーから所定期間での脈波情報を読み出し、基底心拍数情報を求め、求めた基底心拍数情報をメモリーに記憶する。さらにプロセッサーは、メモリーから基底心拍数情報、脈波情報、及び体動情報を読み出し、状態判定処理を行って結果をメモリーに記憶する。さらにプロセッサーは、状態判定処理結果をメモリーから読み出し、生活習慣評価指標を求め、求めた生活習慣評価指標の出力処理を行う。
また、本実施形態の生体情報処理システム100の各部は、プロセッサー上で動作するプログラムのモジュールとして実現される。例えば判定部120は、生活習慣評価指標を求めるために設定された第1〜第N(Nは2以上の整数)の状態のうち、ユーザーがいずれの状態かを判定する状態判定モジュールとして実現される。演算部は、状態判定処理の結果に基づいて、生活習慣評価指標を演算する演算モジュールとして実現される。
図7は、本実施形態の生体情報処理システム100を利用した生活習慣改善支援システムの例を示す図である。被験者は、家庭や職場において、主としてウェアラブル機器200を用いて生体情報や体動情報を測定する。総合的な生活習慣改善支援を考慮すれば、図7に示したように、被験者は血圧計や体重計、尿塩分モニター計等、種々の機器を用いてデータを測定することが望ましい。
測定されたデータは、スマートフォン等の携帯端末装置300を介してサーバーシステム等の情報処理装置400に送信される。情報処理装置400では、生活習慣評価指標等を演算し、被験者の携帯端末装置300に対して生活習慣を改善するための情報を送信する。ここでは、生活習慣評価指標そのものや、図8を用いて後述するような時系列の実測データを送信、提示してもよいし、生活習慣が悪い場合にその要因や改善のためのアドバイス情報を送信、提示してもよい。
アドバイス情報の生成等は、情報処理装置400が自動的に行ってもよいし、専門的な知見を有する団体(図7の例では予防医学協会であり、例えば医師を含んで構成される)の管理に基づいて行われてもよい。また、予防医学協会は、特定検診やストレスチェック(詳細については後述)の実行主体となり、専門的な立場から被験者に関するより詳細な情報を取得する。さらに予防医学協会は、情報処理装置400からの情報に基づいて被験者が生活習慣の自己管理を実行する場合に、アドバイス等を行うことで当該自己管理を支援する。
また、被験者の具体的な病気治療や食事管理等を考慮すれば、病院や配食産業、保険組合の利用も考えるとよい。その場合、被験者による病院等の利用についても、予防医学協会が支援するとよい。
3.生活習慣評価指標
次に生活習慣評価指標の具体例について説明する。まず、状態判定処理について簡単に説明し、その後、状態判定処理の結果を用いた生活習慣評価指標の演算処理の具体例について説明する。また、図15のフローチャートを用いて本実施形態の処理の具体例について説明する。
3.1 状態判定処理
図8は、本実施形態の生体情報処理システム100で取得される情報の例である。生体情報処理システム100は、時系列の脈波情報、体動情報を取得するものであり、例えば図8に示したように、脈拍数(心拍数)、加速度、ピッチの時系列的な情報を取得する。これらの情報は、ユーザーの活動状態を表す情報として有用であるため、図8のように値の推移をグラフ等を用いて表示してもよい。なお、ピッチは歩数に対応する情報と考えられる。
本実施形態の判定部120は、基底心拍数情報と心拍数情報とから求められる活動強度、及び、ユーザーの体動の大きさを表す体動強度に基づいて、状態判定処理を行う。そのため、判定部120(基底心拍数情報取得部121)は、脈波情報に基づいて基底心拍数情報を求める。基底心拍数情報の算出手法は種々考えられるが、例えば特許文献2の図3に開示されているように、非体動時の心拍数頻度分布の1%下限値を基底心拍数とすればよい。
基底心拍数情報を用いることで、状態判定処理を精度よく行うことが可能になる。本実施形態では、ユーザーの状態として、第1〜第Nの状態を考える。第1〜第Nの状態は、ユーザーが睡眠を行っている睡眠状態である第1の状態と、他の状態に比べて身体的負荷が大きい身体的負荷状態である第2の状態と、を少なくとも含む。また、第1〜第Nの状態は、他の状態に比べて精神的負荷が大きい精神的負荷状態である第3の状態や、ユーザーの体動情報の値が所定閾値以下の状態(体動の大きさが所定以下の状態)である第4の状態を含んでもよい。
このようにすれば、睡眠、身体的負荷、精神的負荷、体動に関する状態に基づいて、生活習慣評価指標を求めることが可能になる。睡眠不足であればユーザーの健康が損なわれるし、ストレスが過剰な場合もユーザーの健康が損なわれる。つまり睡眠、身体的負荷、精神的負荷に関する情報を用いることで、ユーザーの生活習慣を適切に判定できると考えられる。また、体動が少ない第4の状態とは、安静にしてリラックスしている状態も含みうるため、第4の状態となること自体が健康を害するとは言えない。しかし、第4の状態の割合が過剰に高い場合、質のよい睡眠がとれていない(深睡眠時間が短い)、或いは運動不足といった問題が生じている可能性がある。その点で、第4の状態についても、生活習慣評価指標を求めるための状態として有用と言える。
具体的には、判定部120(判定処理部123)は、活動強度が第1活動強度未満の場合に、睡眠状態である第1の状態と判定し、活動強度が第2活動強度以上であり、且つ、体動強度が第1体動強度以上の場合に、身体的負荷状態である第2の状態と判定する。
ここでの活動強度は種々考えられるが、例えば基底心拍数情報により表される基底心拍数の値HRに対する各タイミングでの脈拍数(心拍数)の値HRの比率であってもよい。すなわちHR/HR<ThH1の場合に、判定部120はユーザーが睡眠状態と判定する。また、体動強度とは例えば体動情報の値を用いればよく、体動情報が加速度情報である場合、加速度値ACCを体動強度とする。ここでの加速度値は、いずれか1つの軸の加速度を用いてもよいし、複数軸での値を合成して求めてもよい。例えば、HR/HR≧ThH2且つACC≧ThM1の場合に、判定部120は、ユーザーが身体的負荷を受けている状態と判定する。ここで、ThH1及びThH2はそれぞれ活動強度の閾値であり、ThH1<ThH2である。一例としては、ThH1=1.1、ThH2=1.6といった値を用いればよい。
また、判定部120は、活動強度が第2活動強度以上であり、且つ、体動強度が第1体動強度未満の場合に、精神的負荷状態である第3の状態と判定する。例えば、HR/HR≧ThH2且つACC<ThM1の場合に、判定部120は、ユーザーが精神的負荷を受けている状態と判定する。
また、判定部120は、体動強度が第1体動強度未満の場合に、第4の状態と判定する。例えば、ACC<ThM1の場合に、判定部120は、ユーザーの体動が小さい状態と判定する。
なお、ACC<ThM1の場合とは、HR/HR<ThH1である第1の状態(睡眠状態)と、HR/HR≧ThH2である第3の状態(精神的負荷状態)と、ThH1≦HR/HR<ThH2である第5の状態に分けられる。本実施形態における第4の状態とは、少なくとも第5の状態を含む状態である。具体的には、第4の状態とは、第5の状態のみを表してもよいし、第1の状態と第5の状態の和集合であってもよいし、第3の状態と第5の状態の和集合であってもよいし、第1、第3、第5の状態全ての和集合であってもよい。
3.2 演算処理
図1を用いて上述したように、第1〜第4の各状態が互いに相関を持つことを考慮して、演算部130では、状態判定処理の結果のうち、各状態に対応する情報を独立して用いるのではなく、組み合わせて用いることで生活習慣評価指標を求める。
ここで、睡眠状態となる時間が過剰に短いと健康を害することを考えれば、睡眠状態(第1の状態)と判定された時間である第1の時間が長いほど、よい生活習慣であるという仮説が立てられる。同様に、身体的負荷状態がある程度の強度による運動を行っている状態であり、当該運動はユーザーの体力、筋力等を高める好ましい活動であることを考えれば、身体的負荷状態(第2の状態)と判定された時間である第2の時間が長いほど、よい生活習慣であると考えられる。
また、精神的負荷状態が緊張状態、或いは複雑な思考を行っている状態であり、当該状態が継続することは疲労や抑うつにつながることを考えれば、精神的負荷状態(第3の状態)と判定された時間である第3の時間が短いほど、よい生活習慣であると考えられる。また、体動が少ない時間が過剰に長い場合、睡眠不足や運動不足になることを考えれば、体動が少ない状態(第4の状態)と判定された時間である第4の時間が短いほど、よい生活習慣であると考えられる。
本出願人は、以上の仮説を検証し、第1〜第4の時間から、ユーザーの生活習慣を適切に指標化できるかについて、実証実験を行った。具体的には、約100名の被験者を対象として、所定期間にわたって脈波情報及び体動情報を測定して、測定結果を用いた状態判定処理により、第1〜第4の時間を求めた。また、各ユーザーを対象として身長、体重、腹囲、血圧、生化学検査の各検査を含む特定検診を行い、生活習慣病保有者であるか否かを判定した。ここでは、生活習慣病として、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常、高尿酸血症を考慮している。
特定検診の結果により、各被験者は、生活習慣病保有者である第1群と、生活習慣病保有者でない第2群のいずれかに分類される。よって、状態判定処理の結果として求められた第1〜第4の時間を用いて、約100名のユーザーを精度よく第1群と第2群に分離することができれば、第1〜第4の時間は、生活習慣病のリスクを判別するための情報、すなわち生活習慣評価指標を求めるための情報として適切であると判定できる。
具体的には、1日当たりの第1の時間をSとし、第2の時間をEとし、第3の時間をMとし、第4の時間をAとした場合に、S,E,M,Aの4つを含む変数による線形判別関数を用いた判別分析を行う。線形判別関数を用いた判別分析については広く知られた手法であるため、詳細な説明は省略する。
ここでは、体動が大きい状態(ACC≧ThM1の場合)についても考慮し、上記のS,E,M,Aに、1日当たりの体動が大きい状態の時間Aを加えた5変数の線形判別関数を用いて判別分析を行った。その結果、線形判別関数として下式(1)が求められ、判別的中率は76%、感度が77.5%、特異度が75%となった。なお下式(1)では、線形判別関数が0未満の場合が第1群(生活習慣病保有者)に対応し、0以上が第2群に対応する。
線形判別関数=0.73 + E + 0.7S - 0.65M - 0.34A- + 0.22A+ (1)
判別分析の結果からわかるように、S,E,M,A,Aは被験者が生活習慣病保有者か否かを充分な精度で判別するための要素(変数)として利用可能であることが確認された。そして、各変数の係数からわかるように、E、S及びAの値が大きいほど判別結果は第2群側に近づき、M,Aの値が大きいほど判別結果は第1群側に近づく。また、S,E,M,A,Aの全ての変数は時間(単位:hour)を表す情報であるため、係数の大きさの大小を、そのまま各変数の判別結果への寄与度の大小と考えてよい。
上式(1)の例では、線形判別関数の値が大きいほど生活習慣病のリスクが小さく、値が小さいほど生活習慣病のリスクが大きい。すなわち、線形判別関数は、その値が大きいほど生活習慣がよく(評価が高く)、値が小さいほど生活習慣が悪い(評価が低い)情報となるため、本実施形態では、線形判別関数の値を、生活習慣評価指標として用いてもよい。また、生活習慣評価指標として「よい」「悪い」の2値を用いるのであれば、線形判別関数=0を境界として用いればよい。
このように、実験から上述した本出願人の仮定は正しいことが確認された。すなわち、演算部130は、第1の状態に対応する第1の時間、及び第2の状態に対応する第2の時間が長いほど、生活習慣評価指標が高い評価になるように、生活習慣評価指標を演算すればよい。また、演算部130は、第3の状態に対応する第3の時間、及び第4の状態に対応する第4の時間が長いほど、生活習慣評価指標が低い評価になるように、生活習慣評価指標を演算すればよい。このようにすることで、各状態に対応する時間から、生活習慣評価指標を適切に求めることが可能になる。
ただし、E,Sが大きいほど評価が高く、M,Aが大きいほど評価が低くなるような生活習慣評価指標は上式(1)の形式には限定されない。例えば、生活習慣評価指標の値が大きいほど評価が高い場合であれば、E及びSを分数の分子とし、M及びAを分数の分母とする形式を利用できる。例えば、生活習慣評価指標として下式(2)のLSiを用いてもよい。なお、Aを変数として用いることも可能であるが、寄与度(上式(1)における係数)が相対的に小さいため、ここでは省略している。
LSi={(S+1)×(E+1)}/{(M+2)×A} (2)
ここで、S,E,Mはユーザーによってはその値が0になる可能性がある。単純にLSi=(S×E)/(M×A)とすると、S又はEが0の場合にLSi=0になり、M=0の場合にLSi=∞になり、LSiの範囲が過剰に広くなってしまう。上式(2)はその点を考慮した式であり、S,Eをそのまま用いるのではなく、それぞれ1を加算している。また、分母のMについては、分子のSとEにそれぞれ1が加算されていることを考慮し、2を加算している。
上式(1)の線形判別関数と、上式(2)のLSiとの相関係数は約0.9と非常に高いことがわかった。つまり、線形判別関数が生活習慣評価指標として利用可能であるのだから、上式(2)のLSiについても生活習慣評価指標として利用可能であると言える。上式(2)では複雑な係数が現れず、シンプルでわかりやすい形式により生活習慣評価指標を表すことが可能になる。なお、上式(1)の線形判別関数が0となる条件では、上式(2)のLSiは25前後の値となる。よって、LSiの値に基づいて、生活習慣の「よい」「悪い」を判別する場合、LSi=25を境界として用いればよい。
このように、第1の状態に対応する第1の時間の長さを表す値をSとし、第2の状態に対応する第2の時間の長さを表す値をEとし、第3の状態に対応する第3の時間の長さを表す値をMとし、第4の状態に対応する第4の時間の長さを表す値をAとした場合に、演算部130は、S,Eが大きくなるほど大きくなり、M,Aが大きいほど小さくなるように、生活習慣評価指標を求める。
また、図9〜図14は特定検診で求められた各検査値と、上式(2)から求められたLSiの相関を表す図である。図9〜図14の横軸はLSiの値を表す。図9の縦軸は血圧値(単位:mmHg)であり、図10の縦軸はBMI(単位:kg/m)であり、図11の縦軸は中性脂肪(単位:mg/dl)であり、図12の縦軸は脂質(悪玉コレステロールと善玉コレステロールの比であり単位:LDLc/HDLc)であり、図13の縦軸は尿酸値(単位:mg/dl)であり、図14の縦軸は血糖値(単位:mg/dl)である。
血圧、BMI、中性脂肪、脂質、尿酸、血糖は、いずれも過剰に値が高い場合には生活習慣病(或いはそのリスク)が疑われるものであり、生活習慣が悪いと推定される。図9〜図14に示したように、各検査値とLSiの値は統計的に有意に負の相関を有する。すなわち、図9〜図14はいずれも、LSiの値が小さいほど生活習慣病のリスクが高いことを示すものであり、上式(2)のLSiが生活習慣評価指標として適切であることを示すデータとなる。
3.3 処理の流れ
図15は本実施形態の処理の流れを説明するフローチャートである。この処理が開始されると、生体情報処理システム100(情報取得部110)は、生体情報及び体動情報を取得する(S101)。例えば、生体情報として所与のタイミングでの心拍数HRを取得し、体動情報として当該所与のタイミングでの加速度値ACCを取得する。
そして生体情報処理システム100(判定部120、より狭義には判定処理部123)は、あらかじめ取得しておいた基底心拍数HRと、S101で取得した生体情報(HR)及び体動情報(ACC)とに基づいて、状態判定処理を行って第1〜第Nの時間を求める。ここでは、S,E,M,A,Aの5変数を求める例を説明する。なお、具体的な判定処理の内容や、その実施順序等は図15に示した例に限定されず、種々の変形実施が可能である。
判定処理部123は、体動強度が第1体動強度以上であるかを判定する(S102)。S102でNoの場合、すなわち体動強度が第1体動強度未満の場合には、判定処理部123は、活動強度が第2活動強度以上であるかを判定する(S103)。S103でYesの場合は、ユーザーが精神的負荷状態(第3の状態)であると判定できるため、変数Mの値をカウントアップする(S104)。ここでのカウントアップ量は、図15に示した処理の実行間隔に相当する時間とする。
また、S103でNoの場合には、第4の状態と判定できるため、変数Aの値をカウントアップする(S105)。つまり図15では、第4の状態が、上記第1、第3、第5の状態のうちの、第1の状態と第5の状態の和集合である例について考えている。S105の処理後に、判定処理部123は、活動強度が第1体動強度未満であるかを判定し(S106)、YESの場合には睡眠状態(第1の状態)であると判定できるため、変数Sの値をカウントアップする(S107)。
また、S102でYesの場合には、判定処理部123は、活動強度が第2活動強度以上であるかを判定する(S108)。S108でNoの場合には、変数Aの値をカウントアップし(S109)、Yesの場合には、身体的負荷状態(第2の状態)であると判定できるため、変数Eの値をカウントアップする(S110)。
S101〜S110の処理により、所与の1タイミングについてユーザーが第1〜第Nの状態のうちのいずれの状態であるかの判定処理、及び判定結果に対応する状態の累積時間のカウント処理が実行される。
その後、生体情報処理システム100(例えば演算部130)は判定期間が経過したか否かを判定する(S111)。S111では、例えば24時間が経過したか否かを判定すればよい。S111でNoの場合には、判定期間が終了していないため、次のタイミングでの状態判定処理を行うため、S101に戻り処理を継続する。S111でYesの場合には、演算部130は、そのときのS,E,M,A,Aの5変数の値(狭義にはAを除いた4変数の値)を用いて、生活習慣評価指標を演算する(S112)。S112では、演算部130は例えば上式(2)に基づいてLSiを演算する処理を行えばよい。
なお、判定期間が24時間であれば、S112の処理はS,E,M,A,Aの各変数の値をそのまま用いることが可能である。ただし、判定期間が1週間であり、生活習慣評価指標の演算に1日当たりの平均値を用いる場合、演算部130(又は判定部120)では、1週間分の情報から平均値を求める処理を実行する必要がある。また、これ以外にも、生活習慣評価指標の演算において、図15には不図示のステップを追加したり、或いは図15に示したステップの一部を省略する変形実施が可能である。
4.生活習慣評価指標と他の指標による評価
以上で説明したように、生活習慣評価指標は単体でも被験者の生活習慣を評価する情報として利用可能である。しかし、生活習慣評価指標と他の情報を併用することで、より高精度且つわかりやすい形態で、生活習慣に関する情報を提示可能であることがわかった。以下、ストレス反応問診指数(St)を用いる例、及び身体的負荷時間(E)を用いる例についてそれぞれ説明する。
4.1 ストレス反応問診指数
近年、職場におけるメンタルヘルス対策として、ストレスチェックが行われている。例えば厚生労働省では、労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度を導入し、所定規模以上の事業者には問診によるストレスチェックの実施を義務づけている。ストレスチェックでは所定数の項目(現状では57項目)に対して回答することで心身ストレス反応、仕事のストレス要因、周囲のサポート状況等をチャート化する。本実施形態では例えばこのうちの心身ストレス反応を利用する。
心身ストレス反応では、活気、イライラ感、疲労感、不安感、抑鬱感、身体愁訴の6項目について、それぞれ1〜5の5段階で数値化される。ストレス度は、5が一番低く1が一番高くなる。つまり、図20等を用いて後述するように、活気等の6項目について6角形のチャート表示をした場合、各項目での得点を結んでできる図形が、均等に大きく広がっているほど良好な状態を表し、中心に近づくほどストレス度が高いことになる。
本実施形態では、各被験者に対してストレスチェックの問診を行い、問診結果に基づいて、心身ストレス反応の6項目の得点を求める。そして、上記6項目での得点を加算した情報を、被験者のストレス反応問診指数Stとする。Stは6以上30以下の整数となり、数値が大きいほど良好な状態に対応する。ただし、ストレス反応問診指数Stについては、種々の変形実施が可能であり、上記ストレスチェックから求められる他の情報を用いてもよいし、演算手法を変更してもよいし、上記ストレスチェックとは異なる形式の問診から求めてもよい。
図16は、横軸を上式(2)で求められる生活習慣評価指標LSiの値とし、縦軸をストレス反応問診指数Stとして、複数(ここでは93名)の被験者のデータをプロットした図である。また、図16では、生活習慣病保有者、具体的には血圧高値、耐糖能障害、脂質異常、高尿酸血症の少なくとも1つに当てはまる被験者については、プロットの点を塗りつぶして表現し、上記のいずれにも当てはまらない生活習慣病の保有者でない被験者についてはプロットの点を白抜きの四角で表現している。なお、生活習慣病においては年齢が重要な要素となることが知られているため、図16では被験者の年齢層と四角の大きさと対応付けており、四角が大きいほど年齢層が高いことを表しているが、ここでは年齢に関する議論までは踏み込まない。
本実施形態では、図16に示したように、座標平面を4つの象限に区分する。境界の設定は種々の変形実施が可能であるが、ここではLSi=25及びSt=20を境界線として利用する。そして、左下(LSi<25且つSt<20)を第1象限とし、左上(LSi<25且つSt≧20)を第2象限とし、右下(LSi≧25且つSt<20)を第3象限とし、右上(LSi≧25且つSt≧20)を第4象限とする。
この場合、第1象限はLSiとStの両方の評価が悪い領域、第2象限はLSiの評価が悪くStの評価がよい領域、第3象限はLSiの評価がよくStの評価が悪い領域、第4象限はLSiとStの両方の評価がよい領域となる。
全被験者のうち、第1象限には18名の被験者が当てはまり、そのうちの15名の被験者が生活習慣病保有者であった。つまり第1象限では、当該領域に分類された被験者に対する生活習慣病保有者の割合は15/18(83%)となる。同様に、各象限に分類された被験者に対する生活習慣病保有者の割合は、第2象限では15/20(75%)、第3象限では5/25(20%)、第4象限では2/30(7%)であった。
第1象限と第3象限の比較、及び第2象限と第4象限の比較からわかるように、LSiが25未満の場合は、25以上の場合に比べて、生活習慣病保有者の割合が高くなる。これは上述したように、LSi=25とは線形判別関数=0の場合に対応し、LSiに基づき被験者を生活習慣病保有者か否か判別する際の境界としてLSi=25を利用できるという考えに合致した結果である。
また、図16の第1象限と第2象限の比較、及び第3象限と第4象限の比較からは、LSiが同程度であれば、Stがよい(値が大きい)方が、生活習慣病保有者の比率が下がることがわかる。つまり、Stについても生活習慣病のリスクを判定する指標値として利用可能である。
図16において特に顕著であるのは、第1象限では被験者に対する生活習慣病保有者の割合が非常に高いという点である。図16の例であれば、83%という数値は、上式(1)の線形判別関数の的中率よりも高い。所与の被験者を対象としてLSi及びStを計測し、計測結果が第1象限にプロットされた場合、当該被験者は生活習慣病保有者である確率が非常に高く、生活習慣が悪いと判定できることになる。つまり、LSiとStの両方を用いることで、LSiを単体で用いる場合に比べて、生活習慣病のリスク(生活習慣のよい悪い)に関して、より精度の高い判定が可能になる。
また、第4象限では、被験者に対する生活習慣病保有者の割合が顕著に低い。つまり、計測結果が第4象限にプロットされた場合、当該被験者は生活習慣病保有者である確率が非常に低く、生活習慣がよいと判定できる。
図16の手法では、2次元平面において、自身の測定データがどの位置にプロットされるかに応じて、生活習慣がよいか悪いかを視覚的に認識できる。つまり生活習慣に関する情報をわかりやすい形態で被験者に提示することが可能になる。
4.2 身体的負荷時間
図16では、縦軸としてストレス反応問診指数Stを用いたが、他の情報を用いることも可能である。例えば、生活習慣評価指標LSiの演算に用いた情報のうちの、身体的負荷時間の長さEをストレス反応問診指数Stの代わりに利用してもよい。上式(1)に示したように、身体的負荷時間Eは線形判別関数における係数の値が、他の変数に比べて大きく、生活習慣病保有者か否かの判別に対する寄与度が高い。つまり、身体的負荷時間の長さEは、単体でも生活習慣を表す指標の1つとして利用価値が高いと推定される。
図17は、横軸を上式(2)で求められる生活習慣評価指標LSiの値とし、縦軸を1日当たりの身体的負荷時間の長さEの平均値(単位:hour)として、複数の被験者のデータをプロットした図である。図17では、LSi=25及びE=3を境界線として、図16と同様に4つの象限を設定した。図17に示したように、各象限に分類された被験者に対する生活習慣病保有者の割合は、第1象限では21/24(87%)、第2象限では10/14(71%)、第3象限では5/32(16%)、第4象限では2/23(9%)であった。
縦軸として身体的負荷時間Eを用いた場合でも、第1象限では生活習慣病保有者の割合が非常に高く、第4象限では非常に小さいという結果が得られた。つまり、LSiとEの両方を用いた場合にも、LSiを単体で用いる場合に比べて、生活習慣病のリスク(生活習慣のよい悪い)に関して、より精度の高い判定が可能になる。
なお、上述してきたように、第1象限では生活習慣病保有者の割合が顕著に高く、第4象限では割合が顕著に低い。よって本実施形態では、第1象限を生活習慣病のリスクが高いゾーン(生活習慣が悪いゾーン、未病ゾーン)とし、第4象限を生活習慣病のリスクが低いゾーン(生活習慣がよいゾーン、目標ゾーン)とし、その旨をユーザーに対して提示してもよい。
図18は、未病ゾーン及び目標ゾーンを図示する例である。図18のような表示を行うことで、被験者は自身のデータが未病ゾーンにプロットされれば生活習慣が悪く、目標ゾーンにプロットされれば生活習慣がよいということを視覚的に容易に把握できる。特に、図27を用いて後述するように、生活習慣の改善が成功しているか否かについて表示を行う場合、プロットされる点が左下から右上方向へ移動しているか否かを判定すればよく、改善効果についても視覚的且つ理解が容易な形態での表示が可能になる。
5. 生活習慣評価指標と実データとの関係
次に具体的な被験者のデータについて説明する。図19は、第1の被験者の状態判定結果を表す図である。図19では、24時間を単位として、各状態と判定された時間の関係を円グラフを用いて表現している。図19の例であれば、24時間のうち、深睡眠時間Sが約3.5時間、体動が少ない時間が約12時間、精神的負荷時間Mが約2時間、身体的負荷時間Eが約3時間、体動がある時間が約2時間である。なお、ウェアラブル機器200の充電期間等、24時間の中でも生体情報や体動情報を測定できない期間があるため、各状態と判定された時間の合計が24時間に満たない場合がある。また、本実施形態におけるAとは、上述したように図19における体動が少ない時間(約12時間)を用いてもよいし、それに深睡眠時間Sを加算した時間(約15時間)を用いてもよい。円グラフの見方については、後述する図21、図23、図25も同様である。
また、図20は、図19と同じ第1の被験者のストレスチェックの結果を表す図である。図20の例では、活気が5点、イライラ感が4点、疲労感が5点、不安感が4点、抑うつ感が4点、身体愁訴が4点である。
図19、図20の結果から、第1の被験者はLSi=29、St=26となる。また第1の被験者は、特定検診により生活習慣病保有者でないことがわかっている。第1の被験者は、図16では、第4象限にデータがプロットされることになり、LSi及びStからは生活習慣がよい(生活習慣病のリスクが少ない)と判定できる。そして、実際の特定検診結果でも生活習慣病は見つかっておらず、LSi及びStを用いた判定の妥当性が確認された。
図21及び図22は、第2の被験者の状態判定結果、及びストレスチェックの結果を表す図である。図21からわかるように、第2の被験者は、深睡眠時間Sは充分とれており、精神的負荷時間Mも非常に少ない。つまり、SとMに着目しただけでは第2の被験者の生活習慣には問題がないように見えてしまう。しかし、第2の被験者は身体的負荷時間が非常に短く、体動少の時間が非常に長い。つまり、Eが過小でありAが過大となっている運動不足の状態であると推定される。実際、第2の被験者は、特定検診により高脂血症、及び肥満であるとの診断結果が得られた。
ここで、図21、図22の結果から、第2の被験者はLSi=17、St=19となった。第2の被験者は、図16では第1象限にデータがプロットされることになり、LSi及びStからは生活習慣が悪い(生活習慣病のリスクが高い)と判定でき、特定検診の結果と合致した。すなわち、本実施形態の手法では、複数の情報(S,E,M,A)を複合的に用いることで、一部の情報(ここではS,M)について問題がないようにみえる場合であっても、適切に生活習慣を評価することが可能になる。
図23及び図24は、第3の被験者の状態判定結果、及びストレスチェックの結果を表す図である。図23からわかるように、第3の被験者は、身体的負荷時間Eが約3.5時間程度あり、体動少の時間も短い。そのため、運動に関する部分に着目しただけでは第3の被験者の生活習慣には問題がないように見える。しかし、第3の被験者は深睡眠時間Sが非常に短く、精神的負荷時間Mが非常に長い。つまり、精神的な負荷から睡眠不足に陥っていると推定される。実際、第3の被験者は、特定検診により高脂血症であるとの診断結果が得られた。
ここで、図23、図24の結果から、第3の被験者はLSi=10、St=17となった。第3の被験者は、図16では第1象限にデータがプロットされることになり、LSi及びStからは生活習慣が悪いと判定でき、特定検診の結果と合致した。すなわち、第3の被験者の例についても、複数の情報を複合的に用いることで、一部の情報(ここではE,A)について問題がないようにみえる場合であっても、適切に生活習慣を評価することが可能になる。
図25及び図26は、第4の被験者の状態判定結果、及びストレスチェックの結果を表す図である。図25からわかるように、第4の被験者は、身体的負荷時間E、体動少の時間については問題無く、深睡眠時間Sについてもやや短いが基準範囲内と言える。しかし、第4の被験者は精神的負荷時間Mが非常に長く、特定検診により高脂血症、高尿酸血症、肥満、肝障害であるとの診断結果が得られた。なお、第4の被験者は、消費カロリーや、心拍数の時系列的な変化等に基づいて、過剰な残業による過労状態であると推定されている。
ここで、図25、図26の結果から、第4の被験者はLSi=15、St=14となった。第4の被験者は、図16では第1象限にデータがプロットされることになり、LSi及びStからは生活習慣が悪いと判定でき、特定検診の結果と合致した。すなわち、第4の被験者の例についても、適切に生活習慣を評価できている。
以上、図21〜図26を用いて上述したように、「生活習慣が悪い」という状態には、運動不足、精神的負荷、過労等、種々の類型が考えられ、各類型に応じて状態判定結果が大きく異なる。そして、睡眠時間のみに着目したり、運動時間のみに着目してしまうと、類型によっては生活習慣が悪いことを適切に検出できない。その点、本実施形態の手法では、種々の類型を対象とした場合にも、適切に生活習慣の評価が可能であることが確認された。
6.生活習慣の改善効果
上述してきたように、生活習慣評価指標を用いることで、被験者の生活習慣を適切に評価することが可能になる。また、生活習慣が悪いと判定された場合には、生活習慣のどこが悪いのか、またどのようにすれば生活習慣が改善させるかを判定することも可能である。図21の例であれば、身体的負荷時間Eを増やすように運動を心がけるとよいし、図23の例であれば精神的負荷の要因を抑える(例えば職場で配置換えを希望する、時短勤務を行う等)とよいし、図25の例であれば残業を少なくするとよい。
本出願人は、特定検診により生活習慣病保有者と診断された被験者を対象として、生活習慣を改善するための指導に基づいて生活の自己管理を行わせ、その結果により生活習慣評価指標LSiがどのように変化したかを観察した。
図27は、図16と同様に、横軸をLSi、縦軸をStとした場合に、16名の被験者を対象として指導前と指導後でのプロットされる点の位置の変化を表した図である。図27において、検診結果に改善が見られた被験者については点の変化を相対的に太い矢印で示し、改善が見られなかった被験者については点の変化を相対的に細い矢印で示している。
図27からわかるように、本実施形態の手法に基づく指導及び自己管理により、過半数の被験者(16名中11名)において検診結果の改善が認められた。さらに、検診結果に改善が認められる被験者は、生活習慣評価指標LSiの数値が大きくなる方向に変化する傾向があることも確認された。このことから、本実施形態の生活習慣評価指標LSiを利用した指導及び自己管理が生活習慣の改善に資すること、及び生活習慣評価指標LSiの変化が、生活習慣の変化を表す情報として適切であることがわかる。
なお、図27では縦軸をストレス反応問診指数Stとする例を示したが、図17に示したように縦軸を身体的負荷時間Eに変更する等の変形実施も可能である。
以上、本発明を適用した実施形態およびその変形例について説明したが、本発明は、各実施形態やその変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階では、発明の要旨を逸脱しない範囲内で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記した各実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、各実施形態や変形例に記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態や変形例で説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
NE…ネットワーク、10…バンド部、12…嵌合穴、14…尾錠、15…尾錠枠、
16…係止部、30…ケース部、40…センサー部、50…表示部、
100…生体情報処理システム、110…情報取得部、120…判定部、
121…基底心拍数情報取得部、123…判定処理部、130…演算部、
200…ウェアラブル機器、300…携帯端末装置、400…情報処理装置

Claims (13)

  1. 取得されたユーザーの生体情報に基づいて、生活習慣評価指標を求めるために設定された第1〜第N(Nは2以上の整数)の状態のうち、前記ユーザーがいずれの状態かを判定する状態判定処理を行う判定部と、
    前記状態判定処理の結果に基づいて、前記生活習慣評価指標を演算する演算部と、
    を含み、
    前記第1〜第Nの状態は、前記ユーザーが睡眠を行っている睡眠状態である第1の状態と、他の状態に比べて身体的負荷が大きい身体的負荷状態である第2の状態と、を少なくとも含み、
    前記演算部は、
    判定期間において前記第1〜第Nの状態の各状態と判定された時間である第1〜第Nの時間を求め、前記第1〜第Nの時間に基づいて、前記生活習慣評価指標を演算することを特徴とする生体情報処理システム。
  2. 請求項1において、
    前記演算部は、
    前記第1の状態に対応する第1の時間、及び前記第2の状態に対応する第2の時間が長いほど、前記生活習慣評価指標が高い評価になるように、前記生活習慣評価指標を演算することを特徴とする生体情報処理システム。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第1〜第Nの状態は、他の状態に比べて精神的負荷が大きい精神的負荷状態である第3の状態を含むことを特徴とする生体情報処理システム。
  4. 請求項3において、
    前記演算部は、
    前記第3の状態に対応する第3の時間が長いほど、前記生活習慣評価指標が低い評価になるように、前記生活習慣評価指標を演算することを特徴とする生体情報処理システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記第1〜第Nの状態は、前記ユーザーの体動情報の値が所定閾値以下の状態である第4の状態を含むことを特徴とする生体情報処理システム。
  6. 請求項5において、
    前記演算部は、
    前記第4の状態に対応する第4の時間が長いほど、前記生活習慣評価指標が低い評価になるように、前記生活習慣評価指標を演算することを特徴とする生体情報処理システム。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記判定部は、
    前記ユーザーの基底心拍数情報と、各タイミングでの脈波情報から求められる心拍数情報とに基づいて、前記状態判定処理を行うことを特徴とする生体情報処理システム。
  8. 請求項7において、
    前記判定部は、
    前記基底心拍数情報と前記心拍数情報とから求められる活動強度、及び、前記ユーザーの体動の大きさを表す体動強度に基づいて、前記状態判定処理を行うことを特徴とする生体情報処理システム。
  9. 請求項1において、
    前記判定部は、
    前記ユーザーの基底心拍数情報と、各タイミングでの脈波情報から求められる心拍数情報とから求められる活動強度、及び、前記ユーザーの体動の大きさを表す体動強度に基づいて、前記状態判定処理を行い、
    前記判定部は、
    前記活動強度が第1活動強度未満の場合に、前記睡眠状態である第1の状態と判定し、
    前記活動強度が第2活動強度以上であり、且つ、前記体動強度が第1体動強度以上の場合に、前記身体的負荷状態である第2の状態と判定することを特徴とする生体情報処理システム。
  10. 請求項9において、
    前記第1〜第Nの状態は、他の状態に比べて精神的負荷が大きい精神的負荷状態である第3の状態を含み、
    前記判定部は、
    前記活動強度が前記第2活動強度以上であり、且つ、前記体動強度が前記第1体動強度未満の場合に、前記精神的負荷状態である前記第3の状態と判定することを特徴とする生体情報処理システム。
  11. 請求項9又は10において、
    前記第1〜第Nの状態は、前記ユーザーの体動情報の値が所定閾値以下の状態である第4の状態を含み、
    前記判定部は、
    前記体動強度が前記第1体動強度未満の場合に、前記第4の状態と判定することを特徴とする生体情報処理システム。
  12. 請求項1において、
    前記第1〜第Nの状態は、他の状態に比べて精神的負荷が大きい精神的負荷状態である第3の状態と、前記ユーザーの体動情報の値が所定閾値以下の状態である第4の状態と、を含み、
    前記第1の状態に対応する第1の時間の長さを表す値をSとし、前記第2の状態に対応する第2の時間の長さを表す値をEとし、前記第3の状態に対応する第3の時間の長さを表す値をMとし、前記第4の状態に対応する第4の時間の長さを表す値をAとした場合に、
    前記演算部は、
    S,Eが大きくなるほど大きくなり、M,Aが大きいほど小さくなるように、前記生活習慣評価指標を求めることを特徴とする生体情報処理システム。
  13. 取得されたユーザーの生体情報に基づいて、生活習慣評価指標を求めるために設定された第1〜第N(Nは2以上の整数)の状態のうち、前記ユーザーがいずれの状態かを判定する状態判定処理と、
    前記状態判定処理の結果に基づいて、前記生活習慣評価指標を演算する演算処理と、
    をコンピューターに実行させ、
    前記第1〜第Nの状態は、前記ユーザーが睡眠を行っている睡眠状態である第1の状態と、他の状態に比べて身体的負荷が大きい身体的負荷状態である第2の状態と、を少なくとも含み、
    前記生活習慣評価指標の前記演算処理において、
    判定期間において前記第1〜第Nの状態の各状態と判定された時間である第1〜第Nの時間を求め、前記第1〜第Nの時間に基づいて、前記生活習慣評価指標を演算することを特徴とするプログラム。
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