JP2018000431A - インプラント表面改質用プラズマ処理装置及びインプラントの表面改質方法 - Google Patents

インプラント表面改質用プラズマ処理装置及びインプラントの表面改質方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インプラントを置き方の向きにかかわらず、均質的に全体の表面処理が可能となるインプラント表面改質用プラズマ処理装置を提供すること。
【解決手段】密閉容器2と、密閉容器内の上面及び下面に夫々設けられた電極と、電極に電気を供給する電気供給部と、密閉容器内を低圧にする真空ポンプ31と、上部電極21と下部電極22との間にインプラントを配置するインプラント配置部25を有し、密閉容器内を低圧にするとともに電極に電流を流すことで、密閉容器内にプラズマを発生させて、上部電極と下部電極との間に配置されたインプラントの表面を改質する装置であって、インプラント配置部が、インプラントを、上部電極と下部電極との間、且つ、両電極から離れた所定位置に絶縁状態に保持するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、インプラント治療において骨の中に埋め込む人工歯根であるインプラント本体部(フィクスチャー)に用いるインプラント表面改質用プラズマ処理装置及びインプラントの表面改質方法に関する。
医療分野において急激な変化を遂げている医療技術の一つに人間や動物の体内に埋入設置される金属器具がある。
例えば、歯科領域では口腔インプラントが代表的な例である。その他にも、顎の整形手術で骨の切断後の保持に使うチタン製のプレートやねじ、失った歯を復元する人工インプラント歯のチタン合金などである。今後も、さらに口腔内の治療に使われる様々な素材が進化すると思われる。また、このような最新技術分野のみならず、従来から使われている口腔内の治療用に使われる鏡や義歯に使われる金属、プラスチックや陶器の一種のポーセレン、人工歯根用のセラミックファイバーなどの材料も、いまだに重要な歯科材料となっている。
そして、歯科用も含めて医療用の体内に埋入する異物にとって、その手術現場で優先されることは、殺菌と生体細胞との早期癒着結合である。そのため歯科用インプラントについても、特許文献1に記載されているようにインプラントの表面改質を目的として気体放電プラズマを利用することが1970年代より提案されている。
また、歯科用のチタン製インプラントを骨組織接触部などとの親水性を高めるためにハイドロキシアパタイトがコーティングされたものも使用されるようになってきているが、保管しているうちに窒素や炭酸ガスで汚染されることにより親水性が劣化し、取り付け状態が悪くなってしまうことがある。そのため、インプラント治療において手術直前にプラズマ処理によりインプラント表面を改質し、インプラントの親水性を高めておくことが重要な課題になってきた。
ところで、この様なプラズマ処理に利用できるプラズマエッチング装置としては非特許文献1に示されるようにバレル型と平行平板型がある。バレル型は例えば非特許文献2に示されるように円筒状の外部電極の内側に円筒状でスリットが形成された内部電極が設けられ、内部電極の内側にエッチング対象物が電気的にフローティング状態で置かれ、外部電極と内部電極の間で発生したプラズマが内部電極のスリットを通って内部電極の内側に導かれることによりエッチング対象物がプラズマ処理されるように構成されている。一方、平行平板型は例えば非特許文献3に示されるように真空容器内に配置された上部電極と下部電極より高周波を印加し放電を誘起するように構成され、エッチング対象物は上部電極と下部電極の間の下部電極の上に載置した状態でプラズマ処理がなされる。
特開平6−225891号公報
「実用真空技術総覧」、(1990年11月26日)、実用真空技術総覧委員会編、産業技術サービスセンター発行、747頁、表2.2、ドライエッチング方式の比較 「はじめての半導体製造装置」、(1999年3月10日)、前田和夫著、(株)工業調査会発行、160頁、図5.34(a)、VLSI製造用ドライエッチング装置の実際例−I、バレル型プラズマエッチング装置(フローティング) 「はじめての半導体製造装置」、(1999年3月10日)、前田和夫著、(株)工業調査会発行、160頁、図5.34(a)、(b)、VLSI製造用ドライエッチング装置の実際例−I、平行平板型プラズマエッチング装置(アノードカップリング)、平行平板型反応性イオンエッチング装置(カソードカップリング)
ところで、非特許文献2に示すバレル型のプラズマエッチング装置は大型部品の表面蒸着用に使われる大型装置であり、内部に回転かごを有している場合もあって機構が複雑で装置としても高価である。このため主に歯科医院においてインプラント治療を行う際に、手術直前に治療室でインプラントの表面改質処理を行うことを目的とするプラズマエッチング装置には非特許文献2に示すような大型で高価な装置は適さない。
一方、非特許文献3に示す平行平板型のプラズマエッチング装置は、小型であり歯科医院の治療室に設置可能であるため、歯科医院でのインプラントの表面改質処理を行うことを目的とするプラズマエッチング装置として適している。
しかし、従来の平行平板型のプラズマエッチング装置により表面改質処理を行う場合は、処理対象物となる複数のインプラントを真空容器内の下部電極の上に直接置いてプラズマ処理を行っていた結果、インプラントどうしが接触する箇所及びインプラントが金属プレートと接触する箇所やその近傍部分にはプラズマ雰囲気の影部分があるため、せっかくのプラズマ処理の効果にムラが発生し、インプラントの表面全体の均質的な改質処理はできなかった。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、基本的な構造としては平行平板型のプラズマエッチング装置と同じでありながら、装置内での人工歯科インプラントや金属とプラスチックを合体させた金属床義歯の置き方や置いた向きに影響されることなくこれらの表面全体の均質的な改質処理が可能となるインプラント表面改質用プラズマ処理装置とインプラントの表面改質方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によるインプラント表面改質用プラズマ処理装置は、密閉容器と、前記密閉容器内の上面及び下面に夫々設けられた電極と、一方の前記電極に電気を供給する電気供給部と、前記密閉容器内の空気を排出して該密閉容器内を低圧にする真空ポンプと、前記上部電極と前記下部電極との間の所定位置にインプラントを配置するインプラント配置部を有し、前記密閉容器内を低圧にするとともに一方の電極に電流を流すことで、前記密閉容器内にプラズマを発生させて、前記上部電極と前記下部電極との間に配置されたインプラントの表面を改質するインプラント表面改質用プラズマ処理装置であって、前記インプラント配置部が、インプラントを、前記上部電極と前記下部電極との間、且つ、いずれの電極からも離れた所定位置に絶縁状態に保持するように構成されていることを特徴としている。
また、本発明のインプラント表面改質用プラズマ処理装置においては、前記インプラント配置部が、メッシュ状に形成されたインプラント載置領域を有するインプラント載置板と、前記インプラント載置板を、前記上部電極と前記下部電極との間、且つ、いずれの電極からも離れた所定位置に絶縁状態に保持する載置板保持部を有することが好ましい。
また、本発明のインプラント表面改質用プラズマ処理装置においては、前記載置板保持部が、前記密閉容器内の前記下面に立設され、前記インプラント載置板の下側面周縁部を支持する、絶縁性部材で形成された支柱部からなることが好ましい。
また、本発明のインプラント表面改質用プラズマ処理装置においては、前記載置板保持部が、前記密閉容器内の前記側面に突設され、前記インプラント載置板の周囲下側面を支持する、絶縁性部材で形成された凸部からなることが好ましい。
また、本発明のインプラント表面改質用プラズマ処理装置においては、前記載置板保持部が、前記密閉容器内の前記上面に架設され、前記インプラント載置板を吊り下げた状態に支持する、絶縁性部材で形成された吊り下げ部からなることが好ましい。
また、本発明によるインプラントの表面改質方法は、密閉容器と、前記密閉容器内の上面及び下面に夫々設けられた電極と、一方の前記電極に電気を供給する電気供給部と、前記密閉容器内の空気を排出して該密閉容器内を低圧にする真空ポンプと、前記上部電極と前記下部電極との間の所定位置にインプラントを配置するインプラント配置部を有し、前記密閉容器内を低圧にするとともに一方の電極に電流を流すことで、前記密閉容器内にプラズマを発生させて、前記上部電極と前記下部電極との間に配置されたインプラントの表面を改質するインプラント表面改質用プラズマ処理装置を用いたインプラントの表面改質方法であって、インプラントを前記上部電極と前記下部電極から離れた所定位置で絶縁状態に保持した状態にして、前記密閉容器内を低圧にするとともに一方の電極に電流を流すことで、前記密閉容器内にプラズマを発生させて、インプラントの表面を改質することを特徴としている。
また、本発明によるインプラントの表面改質方法においては、インプラントをメッシュ状に形成されたインプラント載置領域を有するインプラント載置板に載置し、且つ、インプラントが載置された前記インプラント載置板を前記上部電極と前記下部電極から離れた所定位置で絶縁状態に保持した状態にして、前記密閉容器内を低圧にするとともに一方の電極に電流を流すことで、前記密閉容器内にプラズマを発生させて、インプラントの表面を改質することが好ましい。
本発明のインプラント表面改質用プラズマ処理装置及びインプラントの表面改質方法によれば、装置内での人工歯科インプラントや金属とプラスチックを合体させた金属床義歯の置き方や置いた向きに影響されることなくこれらの表面全体の均質的な改質処理が可能となる。
また、基本的構造としては平行平板型のプラズマエッチング装置と同じであるため、バレル型と比べ構造が簡単で小型であり、歯科医院などの治療室に設置しても邪魔にならず、歯科医院での装置導入を妨げるような問題点がない。
本発明の実施例1にかかるインプラント表面改質用プラズマ処理装置の構成を概念的に示す説明図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 図1のインプラント表面改質用プラズマ処理装置におけるインプラント配置部の一具体例を示す説明図で、(a)は要部正面図、(b)は(a)の要部平面図である。 インプラント配置部の他例を示す説明図で、(a)は要部正面図、(b)は(a)の要部平面図である。 インプラント配置部の他例を示す説明図で、(a)は要部正面図、(b)は(a)の要部平面図である。 インプラント配置部の他例を示す説明図で、(a)は要部斜視図、(b)は(a)のA−A線拡大断面図、(c)は(a)のA−A線部の断面を示す斜視図、(d)は枠付金網部の斜視図である。
実施例の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
本発明のインプラント表面改質用プラズマ処理装置は、密閉容器と、密閉容器内の上面及び下面に夫々設けられた電極と、一方の電極に電気を供給する電気供給部と、密閉容器内の空気を排出して密閉容器内を低圧にする真空ポンプと、上部電極と下部電極との間の所定位置にインプラントを配置するインプラント配置部を有し、密閉容器内を低圧にするとともに一方の電極に電流を流すことで、密閉容器内にプラズマを発生させて、上部電極と下部電極との間に配置されたインプラントの表面を改質するインプラント表面改質用プラズマ処理装置であって、インプラント配置部が、インプラントを、上部電極と下部電極との間、且つ、いずれの電極からも離れた所定位置に絶縁状態に保持するように構成されている。
また、本発明のインプラント表面改質用プラズマ処理装置においては、好ましくは、インプラント配置部が、メッシュ状に形成されたインプラント載置領域を有するインプラント載置板と、インプラント載置板を、上部電極と下部電極との間、且つ、いずれの電極からも離れた所定位置に絶縁状態に保持する載置板保持部を有している。
本発明の装置は、基本的には平行平板型のプラズマエッチング装置と同じでありながら処理対象物であるインプラントを電極金属プレート上に直接載置しないで、インプラントをプラズマの雰囲気内に浮遊させる設置方法を採用したものである。例えば、人工歯科インプラントの場合の大きさは一般的に直径3〜5mm、長さが8〜12mmであるが、インプラントが下部電極プレートに落ちず、またプラズマの電子が自由に運動できるように、インプラントをメッシュ状に形成されたインプラント載置領域を有するインプラント載置板で保持し、且つ、インプラント載置板を下部電極から十分に絶縁された樹脂などの載置板保持部により絶縁状態で保持することにより、改質処理対象となるインプラントを密閉容器内で電気的にフローティング状態で中空に保持できる。しかも、メッシュ状に形成されたインプラント載置領域でインプラントの下面を保持するようにしたので、インプラント下面全体にわたってほぼ他の面と同様、プラズマの電子が自由に運動できる雰囲気のもとでプラズマ処理が行われ、インプラントの表面全体は均等にプラズマ処理が行われることとなる。
このことにより、歯科用インプラントの表面が置き方や置かれた向きに影響を受けることなく、等方性のもとに処理されることとなるため、インプラントの表面全体が均質的に改質処理される。
また、本装置によれば歯科用インプラントに限らず、例えば金属とプラスチックを合体させた金属床義歯の表面も置き方に関わらず、均質的に全体の表面処理が可能である。そして、プラスチックなどの樹脂系では、従来のように電極プレートに直に置いた場合に放電の発生によりプラスチック表面の改質が過度になってプラスチック表面に変色や行き過ぎたエッチングが発生していたことを防止できる。さらに本装置によりソフトなプラズマ雰囲気の中で安全に壊れた義歯の接着性を高め確実な金属床義歯の調整修理が臨床サイドで可能となる。従来は、技工所でしか、調整できなかったこのような修理でも、歯科医院での治療中に即座に行うことが可能になる。
また、本発明のインプラント表面改質用プラズマ処理装置においては、好ましくは、載置板保持部が、密閉容器内の下面に立設され、インプラント載置板の下側面周縁部を支持する、絶縁性部材で形成された支柱部からなる。
このように構成すれば、インプラント載置板は密閉容器内の下面に立設された載置板保持部により支持されるため、密閉容器内へのインプラント載置板のセットが簡単であるとともに、載置板保持部によりインプラント載置板は安定して支持される。
また、本発明のインプラント表面改質用プラズマ処理装置においては、好ましくは、載置板保持部が、密閉容器内の側面に突設され、インプラント載置板の周囲下側面を支持する、絶縁性部材で形成された凸部からなる。
このように構成すれば、インプラント載置板は密閉容器内の側面に突設された凸部からなる載置板保持部により支持されるため、凸部の上下方向の突設位置を変更することにより、密閉容器内でのインプラント載置板の位置を適宜調整できる。
また、本発明のインプラント表面改質用プラズマ処理装置においては、好ましくは、載置板保持部が、密閉容器内の上面に架設され、インプラント載置板を吊り下げた状態に支持する、絶縁性部材で形成された吊り下げ部からなる。
このように構成すれば、インプラント載置板は密閉容器内の上面から吊り下げた状態で支持されるので、インプラント載置板に処理対象となるインプラントを置いた後に密閉容器内へインプラント載置板を吊り下げるようにすればよく、インプラント載置板へのインプラントの載置が簡単である。
また、本発明によるインプラントの表面改質方法は、密閉容器と、密閉容器内の上面及び下面に夫々設けられた電極と、一方の電極に電気を供給する電気供給部と、密閉容器内の空気を排出して密閉容器内を低圧にする真空ポンプと、上部電極と下部電極との間の所定位置にインプラントを配置するインプラント配置部を有し、密閉容器内を低圧にするとともに一方の電極に電流を流すことで、密閉容器内にプラズマを発生させて、上部電極と下部電極との間に配置されたインプラントの表面を改質するインプラント表面改質用プラズマ処理装置を用いたインプラントの表面改質方法であって、インプラントを上部電極と下部電極から離れた所定位置で絶縁状態に保持した状態にして、密閉容器内を低圧にするとともに一方の電極に電流を流すことで、密閉容器内にプラズマを発生させて、インプラントの表面を改質する。
また、本発明のインプラントの表面改質方法においては、好ましくは、インプラントをメッシュ状に形成されたインプラント載置領域を有するインプラント載置板に載置し、且つ、インプラントが載置されたインプラント載置板を上部電極と下部電極から離れた所定位置で絶縁状態に保持した状態にして、密閉容器内を低圧にするとともに一方の電極に電流を流すことで、密閉容器内にプラズマを発生させて、インプラントの表面を改質する。
本発明のインプラントの表面改質方法によれば、処理対象となるインプラントは密閉容器内で電気的にフローティング状態で中空に保持されるため、インプラントの表面が置き方や置かれた向きに影響を受けることなく、等方性のもとに処理されることとなり、インプラントの表面全体が均質的に改質処理される。
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
[実施例1]
図1は本発明の実施例1にかかるインプラント表面改質用プラズマ処理装置の構成を概念的に示す説明図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。図2は図1のインプラント表面改質用プラズマ処理装置におけるインプラント配置部の一具体例を示す説明図で、(a)は要部正面図、(b)は(a)の要部平面図である。
実施例1のインプラント表面改質用プラズマ処理装置1は、図1に示すように、主要部がガラス製筒23で形成された密閉容器2と、密閉容器2内の上面に設けられた上部電極21と下面に設けられた下部電極22と、その下方に設けられ密閉容器2が載置されている台部3により構成されている。密閉容器2内上面の上部電極21と下面の下部電極22、及びこれらの間に設けられたガラス製筒23により真空チャンバーが形成され密閉容器2となる。上部電極21が設けられた密閉容器2の上面は密閉容器2の蓋体も兼ねており、把手24を掴んで密閉容器2の上面は開閉することができる。
また、台部3の中には真空ポンプ31や電子回路32などが収納され、側面にはタイマー33、カウンター34、ON/OFFスイッチ35が設けられており、またAC電源コード36が接続されている。そして、上部電極21と下部電極22より高周波を印加し放電を誘起するように上部電極21または下部電極22は電源と接続されているとともに、密閉容器2底部の空気排出口と真空ポンプ31の吸気側は排気用パイプで接続され真空ポンプ31により密閉容器2の内部が低圧状態となるようになっている。これらの構成については従来の平行平板型のプラズマエッチング装置と同じである。
次に、密閉容器2内の上部電極21と下部電極22との間に設けられるインプラント配置部25を図2を参照して説明する。インプラント配置部25は、メッシュ状に形成されたインプラント載置領域を有するインプラント載置板251と、このインプラント載置板251を、上部電極21と下部電極22との間で、且つ、上部電極21と下部電極22のいずれの電極からも離れた所定位置に絶縁状態に保持するために、インプラント載置板251の下側面周縁部を支持する4個の柱状の載置板保持部252が密閉容器2内の下面に立設されている。インプラント載置板251は例えばステンレス製とするが、その他の材料であっても構わず、メッシュの大きさなども適宜選択可能である。また、載置板保持部252はインプラント載置板251を安定して支持できればその数や形状に制限はなく、絶縁性を有するものであればその材質も問わない。
[実施例2]
次に、インプラント配置部25の他例を図3を参照して説明する。実施例1と異なる部分についてのみ以下説明する。
図3は本発明の実施例2にかかるインプラント表面改質用プラズマ処理装置におけるインプラント配置部の一例を示す説明図で、(a)は要部正面図、(b)は(a)の要部平面図である。
インプラント配置部25は、絶縁性部材で形成され密閉容器2のガラス製筒23の側面に突設された凸部252からなる載置板保持部252と、この凸部252でその周囲下側面が支持されるインプラント載置板251とからなる。図示した例では凸部252は4個設けた例を示したが、インプラント載置板251を安定して支持できればその数や形状に制限はなくその材質も問わない。また、凸部252はガラス製筒23の側面に一体成形されていてもよい。
[実施例3]
次に、インプラント配置部25の他例を図4を参照して説明する。実施例1と異なる部分についてのみ以下説明する。
図4は本発明の実施例3にかかるインプラント表面改質用プラズマ処理装置におけるインプラント配置部の一例を示す説明図で、(a)は要部正面図、(b)は(a)の要部平面図である。
インプラント配置部25は、密閉容器2内の上面に架設され絶縁性部材で形成された吊り下げ部252からなる載置板保持部252と、この吊り下げ部252により吊り下げられた状態で支持されるインプラント載置板251とからなる。吊り下げ部252の形状は、インプラント載置板251を安定して支持できれば図示した例に限定されるものではない。
[実施例4]
実施例1で説明した本発明のインプラント表面改質用プラズマ装置を用いて、本発明のインプラントの表面改質方法について説明する。
まず、把手24を掴んで上部電極21が設けられている蓋体を開ける。そして改質対象となるインプラントを、上部電極21と下部電極22から離れた所定位置で絶縁状態に保持されているインプラント載置板251のメッシュ状に形成されたインプラント載置領域に所望数載置する。インプラントをインプラント載置板251のインプラント載置領域に載置した後、上部電極21が設けられている蓋体を閉じ、密閉容器2が密閉可能となるようにする。そしてこの状態で、ON/OFFスイッチ35をONにし真空ポンプ31を作動させて密閉容器内を低圧にするとともに、密閉容器2内に配置された上部電極21と下部電極22より高周波を印加し放電を誘起して密閉容器2内にプラズマを発生させて、タイマー33を設定して所望時間インプラントの表面を改質する。
改質対象となるインプラントは密閉容器2内の上部電極21と下部電極22の間の中空で保持された状態でプラズマによる改質処理を受けるため、インプラントの改質処理は表面全体が均一行われる。従来の平行平板型のプラズマ装置では下部電極に面している側の面の改質処理が行われ難かったが、本願発明の改質方法によれば、インプラント表面全体が均質的に改質処理される。
なお、上記各実施例ではインプラント配置部はメッシュ状に形成されたインプラント載置領域を有するインプラント載置板を設けた例について説明したが、インプラント配置部は上記各実施例に限られるものではなく、例えば、インプラント配置部は密閉容器内の下面に立設され、インプラントの一部に形成される穴の内部に挿入した状態で、インプラントを上部電極と下部電極との間、且つ、いずれの電極からも離れた所定位置に絶縁状態に保持する棒状部からなっていてもよい。インプラントの一部に形成される穴の内部に棒状部を挿入することにより、インプラントを上部電極と下部電極との間で保持でき、インプラント表面を均一にプラズマ処理できる。また、複数の棒状部を適当な間隔で櫛状または剣山状に設けておくことにより、複数のインプラントが重なったりすることなく同時に均一にプラズマ処理できる。
[実施例5]
次に、インプラント配置部25の他例を図5を参照して説明する。実施例1と異なる部分についてのみ以下説明する。
図5は本発明の実施例5にかかるインプラント表面改質用プラズマ処理装置におけるインプラント配置部の一例を示す説明図で、(a)は要部斜視図、(b)は(a)のA−A線拡大断面図、(c)は(a)のA−A線部の断面を示す斜視図、(d)は枠付金網部の斜視図である。
インプラント配置部25は、図5(a)に示すように、同心円上に凹部253が形成されたドーナツ状の円板部253と、円板部253の下面側に絶縁性材料により形成された5本の脚部254を有している。凹部253は図5(b),(c)に示すように、凹部253の底部にはテーパー部253が形成され、テーパー部253より内側の中央部分には透孔253が形成されている。テーパー部253は、インプラントに形成されたアバットメント挿入用の内孔に一端が差し込まれた棒状材の他端が差し込まれた際に棒状材を保持する。また、透孔253は、テーパー部253にごみなどが堆積することを防ぐために設けられたごみ抜き用の孔である。なお、インプラント配置部25は、下部電極22の上に固定されていても又は下部電極22と別体であってもどちらでもよい。
使用時には、インプラントに形成されたアバットメント挿入用の内孔に一端を差し込んだ棒状材の他端を円板部253の凹部253に差し込み、棒状材の先端にインプラントが被さった状態で棒状材を立設してプラズマ処理を行う。
また、本実施例のインプラント配置部25は図5(d)に示すような、円板部253と略同形状の枠部255と、メッシュ部255とからなる枠付金網部255を有していてもよい。枠部255は円板部253の上に枠付金網部255を被せるか、載置可能な形状であればよい。メッシュ部255はインプラント本体の他、インプラントの付属品などが載置可能であればよい。
枠付金網部255を使用する場合には、円板部253の上に枠付金網部255を載せるかまたは被せ、メッシュ部255の上にインプラントを載置した状態でプラズマ処理を行う。円板部253と枠部255はともにドーナツ状に形成されているため、メッシュ部255には上下方向に遮るものがなく実施例1の場合と同様に均一なプラズマ処理が行われる。
本発明のインプラント表面改質用プラズマ装置は、その適用範囲は歯科用インプラントに限られるものではなく、口腔内の治療用に使われる鏡や義歯に使われる金属、プラスチックや陶器の一種のポーセレン、人工歯根用のセラミックファイバーなどの材料の表面改質にも使用可能であり、さらに歯科用に限らず他の医療分野においても有用に使用できるものである。
1 インプラント表面改質用プラズマ装置
2 密閉容器
21 上部電極
22 下部電極
23 ガラス製筒
24 把手
25 インプラント配置部
251 インプラント載置板
252 載置板保持部
252 凸部
252 吊り下げ部
253 円板部
253 凹部
253 テーパー部
253 透孔
254 脚部
255 枠付金網部
255 枠部
255 メッシュ部
3 台部
31 真空ポンプ
32 電子回路
33 タイマー
34 カウンター
35 ON/OFFスイッチ
36 AC電源コード

Claims (7)

  1. 密閉容器と、前記密閉容器内の上面及び下面に夫々設けられた電極と、一方の前記電極に電気を供給する電気供給部と、前記密閉容器内の空気を排出して該密閉容器内を低圧にする真空ポンプと、前記上部電極と前記下部電極との間の所定位置にインプラントを配置するインプラント配置部を有し、前記密閉容器内を低圧にするとともに一方の電極に電流を流すことで、前記密閉容器内にプラズマを発生させて、前記上部電極と前記下部電極との間に配置されたインプラントの表面を改質するインプラント表面改質用プラズマ処理装置であって、
    前記インプラント配置部が、
    インプラントを、前記上部電極と前記下部電極との間、且つ、いずれの電極からも離れた所定位置に絶縁状態に保持するように構成されていることを特徴とするインプラント表面改質用プラズマ処理装置。
  2. 前記インプラント配置部が、
    メッシュ状に形成されたインプラント載置領域を有するインプラント載置板と、
    前記インプラント載置板を、前記上部電極と前記下部電極との間、且つ、いずれの電極からも離れた所定位置に絶縁状態に保持する載置板保持部を有することを特徴とする請求項1に記載のインプラント表面改質用プラズマ処理装置。
  3. 前記載置板保持部が、前記密閉容器内の前記下面に立設され、前記インプラント載置板の下側面周縁部を支持する、絶縁性部材で形成された支柱部からなることを特徴とする請求項1に記載のインプラント表面改質用プラズマ処理装置。
  4. 前記載置板保持部が、前記密閉容器内の前記側面に突設され、前記インプラント載置板の周囲下側面を支持する、絶縁性部材で形成された凸部からなることを特徴とする請求項1に記載のインプラント表面改質用プラズマ処理装置。
  5. 前記載置板保持部が、前記密閉容器内の前記上面に架設され、前記インプラント載置板を吊り下げた状態に支持する、絶縁性部材で形成された吊り下げ部からなることを特徴とする請求項1に記載のインプラント表面改質用プラズマ処理装置。
  6. 密閉容器と、前記密閉容器内の上面及び下面に夫々設けられた電極と、一方の前記電極に電気を供給する電気供給部と、前記密閉容器内の空気を排出して該密閉容器内を低圧にする真空ポンプと、前記上部電極と前記下部電極との間の所定位置にインプラントを配置するインプラント配置部を有し、前記密閉容器内を低圧にするとともに一方の電極に電流を流すことで、前記密閉容器内にプラズマを発生させて、前記上部電極と前記下部電極との間に配置されたインプラントの表面を改質するインプラント表面改質用プラズマ処理装置を用いたインプラントの表面改質方法であって、
    インプラントを前記上部電極と前記下部電極から離れた所定位置で絶縁状態に保持した状態にして、前記密閉容器内を低圧にするとともに一方の電極に電流を流すことで、前記密閉容器内にプラズマを発生させて、インプラントの表面を改質することを特徴とするインプラントの表面改質方法。
  7. インプラントをメッシュ状に形成されたインプラント載置領域を有するインプラント載置板に載置し、且つ、インプラントが載置された前記インプラント載置板を前記上部電極と前記下部電極から離れた所定位置で絶縁状態に保持した状態にして、前記密閉容器内を低圧にするとともに一方の電極に電流を流すことで、前記密閉容器内にプラズマを発生させて、インプラントの表面を改質することを特徴とする請求項6に記載のインプラントの表面改質方法。
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