JP2018000190A - 油脂抽出方法 - Google Patents

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雄太 東園
Yuta Tozono
雄太 東園
知美 藤井
Tomomi Fujii
知美 藤井
福田 裕章
Hiroaki Fukuda
裕章 福田
倉田 稔
Minoru Kurata
稔 倉田
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Abstract

【課題】液体抽出を用いた効率的な油脂成分の抽出法の開発。【解決手段】微細藻類や微生物を含む水溶液に,少量の疎水性有機溶媒を添加し,細胞壁や細胞膜ならびに細胞間接着の破砕を行うことで,油脂成分の疎水性有機溶媒への接触・溶解を促進する疎水性有機溶媒添加破砕工程を含む油脂成分抽出方法。疎水性有機溶媒の添加量が、水溶液に対して3〜18%の容量比率である油脂成分抽出方法。疎水性有機溶媒が好ましくは、n−ヘキサン、トルエン、ジエチルエーテル、酢酸エチルのから選択される一つ又は複数からなる、油脂成分抽出方法。微細藻類等の破砕時に,少量の疎水性有機溶媒を添加するのみでその後の油脂成分の分離を効率化できるものであり,油脂成分抽出方法の効率性を向上させるとともに,コストや時間短縮についても期待できる油脂成分抽出方法。【選択図】図5

Description

本発明は,油脂の抽出方法に関する。さらに詳しくいうと本発明は,油脂を含有する微細藻類や微生物から,効果的に油脂を抽出するための油脂成分抽出方法に関する。
微細藻類や微生物(以下,「微細藻類等」と略する)は,バイオマス資源として注目を集めており,微細藻類等に含まれる油脂などの有用成分の抽出や分離に関する研究が進んでいる。これら微細藻類等から油脂などの有用成分を抽出する方法として,有機溶媒を用いる方法が一般的である。この有機溶媒を用いた抽出法では,抽出を行う際の処理として,大まかに乾燥抽出と液体抽出,これら二つに分けることができる。
乾燥抽出は,現在,最も一般的に用いられている方法であり,培養後に濃縮された藻液を天日干しやスプレードライヤーなどで乾燥させ,この乾燥した微細藻類等を用いて,抽出を行う手法である。
乾燥抽出は,対象となる抽出試料の容積を少なくすることができる点において有用な手法である。しかしながら,乾燥抽出は,乾燥させるためのコストが莫大にかかること,ならびに,油脂が微細藻類等の細胞壁に囲まれており,抽出効率に優れないという点において,課題を有するものである。
これに対し液体抽出は,藻液の濃縮は行うものの,微細藻類等を乾燥させることなく,微細藻類等を含んだ液体試料を用いて,油脂の抽出を行う手法である(特許文献1,2)。
特開平8−275793 特開2009−173702
先行技術には,液体抽出に関する一連の手法が開示されている。これらの手法は,基本的には,下記一連の工程により,油脂を含む有用成分の抽出を行う手法である(以下,「従来法」と略する)。
(1) 微細藻類等の濃縮液について,細胞壁や細胞膜ないし細胞間接着の破砕を行うことにより,細胞内や細胞間から油脂を含む有用成分を遊離させる。
(2) 破砕後の濃縮液に,油脂成分等を溶解させるための有機溶媒を添加する。
(3) 加温・撹拌を行い,油脂成分等を水層から有機層に移行させた後,遠心分離を行う。
(4) 油脂成分等を含む有機溶媒層の分離・精製を行い,油脂成分等を得る。
(5) 水層については,必要に応じ,(1)から(4)の操作を繰り返し,油脂成分等の抽出を繰り返し試みる。
発明者らは,従来法について検討を行ったところ,課題を見出した。
すなわち,上記(2)において,水を多量に含む液体中から油脂成分の抽出を行うため,それに応じた量の有機溶媒を加える必要があり,結果として,溶媒量が多くなり取扱性に優れないという課題である。
また,撹拌を行うとしても,溶媒量が多くなっているため激しい撹拌作業を行うことはできず,水層と有機層の接触面でしか有機溶媒と油脂成分の接触機会が担保されないこととなり,結果として,抽出効率が悪い,もしくは時間をかけなければ,抽出効率を向上させることが難しいという課題である。
上記事情を背景として本発明では,液体抽出を用いた効率的な油脂成分の抽出法の開発を課題とする。
発明者らは,鋭意研究の結果,微細藻類等の破砕を行う際に,少量の疎水性有機溶媒を添加して破砕を行うことにより,油脂成分を効果的に疎水性溶媒に接触・溶解させ,その結果,油脂成分の抽出効率を向上させるとともに,その後の抽出を容易にしうる手法を見出し,発明を完成させたものである。
本発明は,以下の構成からなる。
本発明の第一の構成は,微細藻類や微生物を含む水溶液に,少量の疎水性有機溶媒を添加し,細胞壁や細胞膜ならびに細胞間接着の破砕を行うことで,油脂成分の疎水性有機溶媒への接触・溶解を促進する疎水性有機溶媒添加破砕工程を含むことを特徴とする油脂成分抽出方法である。
本発明の第二の構成は,疎水性有機溶媒の添加量が,水溶液に対して,3から18%の容量比率であることを特徴とする第一の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明の第三の構成は,疎水性有機溶媒が,炭素,水素,酸素のいずれか又は複数の元素のみからなることを特徴とする第一または第二の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明の第四の構成は,疎水性有機溶媒が,直鎖または分岐鎖ないし環状の炭化水素からなることを特徴とする第三の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明の第五の構成は,疎水性有機溶媒が,n−ヘキサン,トルエン,ジエチルエーテル,酢酸エチルのいずれか又は複数からなることを特徴とする第三の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明の第六の構成は,疎水性有機溶媒の比重が,1より軽いことを特徴とする第一から第五の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明の第七の構成は,前記破砕が微粒子が高密度で充填され回転により運動している容器内に少量の疎水性有機溶媒を添加した微細藻類や微生物を含む水溶液を加える添加工程と,微粒子の衝突ならびにせんだん力により微細藻類や微生物の凝集体をほぐすとともに大きな粒子径の微細藻類や微生物を粉砕する粉砕工程と,容器内に生じる圧力差により微細藻類や微生物が急激に膨張し破裂する破裂工程により行われ,破砕により微細藻類や微生物の内部もしくは細胞間から遊離した油脂成分が水溶液中に分散することを特徴とする第一から第六の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明の第八の構成は,前記微粒子が0.1から2.0mmの剛性球状体であることを特徴とする第七の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明の第九の構成は,さらに微粒子の容器内の充填率が,70から90%であることを特徴とする第七または第八の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明の第十の構成は,疎水性有機溶媒添加破砕工程後の上澄み有機溶媒を分離する破砕後分離工程を含むことを特徴とする第一から第九の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明の第十一の構成は,破砕後分離工程後の残渣溶液にさらに疎水性有機溶媒を加え撹拌を行う撹拌工程と,撹拌工程後の溶液の遠心分離を行い,遠心分離後の上澄み有機溶媒を分離する撹拌後分離工程とをさらに含むことを特徴とする第十の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明の第十二の構成は,前記撹拌工程において,添加する有機溶媒が,両親媒性有機溶媒であることを特徴とする第十一の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明の第十三の構成は,前記両親媒性有機溶媒が,アセトン,もしくは疎水性有機溶媒と親水性有機溶媒の混和溶媒であることを特徴とする第十二の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明の第十四の構成は,前記混和溶媒が,ヘキサンとエタノールの混和溶媒からなることを特徴とする第十三の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明の第十五の構成は,前記ヘキサンとエタノールの混合比が,5:1から1:1の範囲であることを特徴とする第十四の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明の第十六の構成は,前記微細藻類が,シアノバクテリア,珪藻,黄緑藻,渦鞭毛藻,紅藻,褐藻,緑藻のいずれか又は複数から選択されることを特徴とする第一から第十五の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明の第十七の構成は,前記微生物が,酵母,ユーグレナ類,ストラメノパイル,菌類のいずれか又は複数から選択されることを特徴とする第一から第十五の構成に記載の油脂成分抽出方法である。
本発明により,液体抽出を用いた効率的な油脂成分の抽出法の提供が可能となった。
すなわち,本発明によれば,微細藻類等の破砕時に,少量の疎水性有機溶媒を添加するのみでその後の油脂成分の分離・精製を効率化できるものであり,油脂成分の抽出効率を向上させるとともに,コスト低減や時間短縮についても期待できる。
破砕,遠心分離後の微細藻類溶液の外観の例を説明した図 ヘキサン添加率の違いによる,中間層(水層)における油含有率の変化を示した図 ヘキサン添加率の違いによる,沈殿物における油含有率の変化を示した図 破砕時ヘキサン添加有無ならびに撹拌時間の差による,微細藻類溶液の外観の違いを示した図 添加溶媒種の違いによる,微細藻類溶液の外観の違いを示した図 破砕抽出後の沈殿物残渣からの油脂抽出において,有機溶媒の種類が与える影響を検討した結果を示した図 破砕抽出後の沈殿物残渣からの油脂抽出において,ヘキサン・エタノールの混合比による影響を検討した結果を示した図
本発明の油脂成分抽出方法について,説明を行う。
本発明の油脂成分抽出方法は,微細藻類等の破砕を行う際に,少量の疎水性有機溶媒を添加したうえで行うことにより,微細藻類等の細胞内もしくは細胞間から遊離する油脂などの有用成分の疎水性溶媒への接触・溶解を促進させ,その後の分離・精製作業を行うことを原理とする。
すなわち,本発明の油脂成分抽出方法は,微細藻類や微生物を含む水溶液(以下,「微細藻類等溶液」)に,少量の疎水性有機溶媒を添加し,細胞壁や細胞膜ならびに細胞間接着の破砕を行い,疎水性有機溶媒と油脂成分の接触を促進する工程(疎水性有機溶媒添加破砕工程)を含むことを特徴とするものである。
本発明の油脂成分抽出方法においては,この疎水性有機溶媒添加破砕工程の後に,分離・精製作業を行うことにより,油脂成分等の抽出を可能とする。
本発明により,油脂成分等の抽出効率を高める効果を有する。これに加え,従来法と比較して,用いる有機溶媒を少なくしたり,もしくは撹拌時間を短くすることが可能となるため,取扱性の向上やコスト低減,時間短縮の効果を有する。
本発明において破砕は,破砕時において少量の疎水性有機溶媒が撹拌・分散しうる方法である限り特に限定する必要はなく,種々の破砕方法を用いることができる。このような破砕方法として,超音波,衝突,せん断,圧力差などを用いた破砕方法が挙げられ,これらを単独もしくは組み合わせて用いることができる。
破砕について,下記(1)から(3)に示す一連の工程により,行うことが好ましい。これにより,微細藻類や微生物の内部もしくは細胞間から遊離した油脂成分が水溶液中に効果的に分散するとともに,疎水性有機溶媒に接触・溶解することが可能となり,本発明における油脂成分の抽出効率を向上させる効果を有する。
(1) 微粒子が高密度で充填され回転により運動している容器内に,少量の疎水性有機溶媒を添加した微細藻類や微生物を含む水溶液を加える添加工程
(2) 微粒子の衝突ならびにせんだん力により,微細藻類や微生物の凝集体をほぐすとともに,大きな粒子径の微細藻類や微生物を粉砕する粉砕工程
(3) 容器内に生じる圧力差により,微細藻類や微生物が急激に膨張し破裂する破裂工程
添加工程において用いる微粒子は,衝突ないしせん断力による微細藻類等の破砕が可能である限り特に限定する必要はなく,種々の微粒子を用いることができ,典型的には0.05から3.0mm,好ましくは0.1から2.0mmの剛性球状体を用いればよい。
また,微粒子の容器内の充填率については,対象となる微細藻類等を勘案して適宜調整することができるが,典型的には,60から95%,好ましくは70から90%,さらに好ましくは,80から85%とすればよい。
上記に示す一連の破砕方法として,典型的には,ダイノーミル(ウィリー・エ・バッコーフェン社製:DYNO-MILL)を用いて,破砕を行うなどすればよい。
分離・精製作業は,破砕後分離工程,撹拌工程,撹拌後分離工程,これらの工程をさらに含んだ方法により行うことができる。
破砕後分離工程は,疎水性有機溶媒添加破砕工程後,微細藻類等溶液について遠心分離を行い,有機層となる上澄みなどを分離する工程である。破砕後分離工程は,有機層を分離しうる限り特に限定する必要はなく,種々の方法で分離を行うことができる。
一例をあげると,上澄みとなる有機層を吸引により分離するなどである。また,分離を容易にするために,破砕作業後に適量の疎水性有機溶媒を添加したうえで,遠心分離や吸引等による上澄みの分離作業を行ってもよい。
撹拌工程は,破砕後分離工程後に残った残渣溶液に,さらに疎水性有機溶媒を加え撹拌を行い,有機溶媒への油脂成分の移行を繰り返して行う工程である。撹拌工程は,有機溶媒の添加ならびに有機溶媒への油脂成分の移行が可能な限り特に限定する必要はなく,種々の手法を用いることができる。
一例をあげると,残渣溶液に少量の疎水性有機溶媒を加え破砕作業と同様の撹拌を行ったり,残渣溶液と同量の疎水性有機溶媒を加え回転子による撹拌を行うなどである。
撹拌後分離工程は,撹拌工程後の溶液の有機層を分離する工程である。撹拌後分離工程は,上澄みとなる有機層などを分離しうる限り特に限定する必要はなく,破砕後分離工程と同様,種々の方法で分離を行うことができる。
撹拌後分離工程については,破砕後分離工程と同様,上澄みとなる有機層を吸引により分離するなどすればよい。
これら破砕後分離工程,撹拌工程,撹拌後分離工程を行い,破砕後分離工程ならびに撹拌後分離工程により,油脂成分を含んだ有機溶媒(以下,「油脂含有有機層」)を得ることができる。
分離した油脂含有有機層については,必要に応じ,合わせて一つの油脂含有有機層とする。この油脂含有有機層について,乾燥もしくは減圧蒸留により疎水性有機溶媒の除去を行う。さらに,油脂成分を含む残渣について,必要に応じ,カラム等を用い不要成分を除去することにより,油脂成分を得ることができる。
なお,撹拌工程,撹拌後分離工程については,1回のみ行ってもよいし,対象となる微細藻類等の容量や微細藻類の種類を勘案し,複数回,繰り返し行ってもよい。
また,疎水性有機溶媒添加破砕工程,ならびに撹拌工程で用いる疎水性有機溶媒については,基本的には同種の疎水性有機溶媒を用いればよいが,撹拌の手法等を勘案して,異なる疎水性有機溶媒を用いることもできる。
本発明において,破砕後分離工程もしくは撹拌後分離工程後に,得られる残渣溶液には沈殿物残渣が含まれている。この残渣溶液からさらに油脂抽出を行う撹拌工程において,添加する有機溶媒として,両親媒性有機溶媒を用いることが好ましい。
すなわち,沈殿物は藻殻などの固形成分と水の混合物として構成されており,疎水性有機溶媒のみ,もしくは親水性有機溶媒のみでは,沈殿物中に含まれる油の溶解が進まないことから,両親媒性の有機溶媒を用いることにより,効率的な油脂抽出が行えるものである。
両親媒性有機溶媒としては,その特性を備える限り特に限定する必要はなく,種々の両親媒性有機溶媒を用いることができる。このような両親媒性有機溶媒として,アセトンなど単独で両親媒性を有する有機溶媒を用いることができるし,複数種の有機溶媒を混和させ両親媒性としたものを用いてもよい。
両親媒性有機溶媒として,ヘキサンとエタノールの混和溶媒を用いることが好ましい。これにより,両親媒性有機溶媒を容易かつ安全性の高いものとすることができ,本発明の油脂成分抽出方法の効率性を向上させる効果を有する。
ヘキサンとエタノールの混合比については,対象となる微細藻類等に応じて適宜変更することができるが,前記ヘキサンとエタノールの混合比を,5:1から1:1の範囲,より好ましくは,2:1から1:1の範囲とすることにより,効率的な油脂成分の抽出を行うことが可能となる。
微細藻類等溶液については,特に限定する必要はなく,液体抽出に用いることが可能な通常の水溶液を用いればよい。
このような水溶液として,例えば,微細藻類等を培養した後の濃縮液などが挙げられる。
本発明において,微細藻類等溶液に少量の疎水性有機溶媒を加え,破砕作業を行うことにより,油脂成分を効果的に疎水性有機溶媒に接触・溶解させることができる。
ここで,「少量の疎水性有機溶媒」とは,微細藻類等溶液の容量に対して十分に小さく,破砕作業を行った際に,疎水性有機溶媒が,微細藻類等溶液中で十分に撹拌・分散しうる容量として定義される。かかる少量の疎水性有機溶媒については,対象となる微細藻類の種類や微細藻類等溶液の容量,疎水性有機溶媒の種類など種々の要素を勘案し,適宜調整すればよい。
一例をあげると,微細藻類等溶液に対して,1から20%の容量比として疎水性有機溶媒を添加すればよく,好ましくは3から18%,さらに好ましくは5から15%の容量比とすればよいが,これらの容量比に限定する趣旨ではない。
本発明において疎水性有機溶媒は,極性が高く,水との親和性が低い限り特に限定する必要はなく,種々の疎水性有機溶媒を用いることができる。
疎水性有機溶媒は,炭素,水素,酸素のいずれか又は複数の元素のみからなるものを用いることが好ましい。これにより,有機溶媒としての疎水性を高めることが可能となるとともに,油脂成分との反応性を低く抑えることも期待できるため,本発明の油脂成分抽出方法の効率性を向上させる効果を有する。
このような疎水性溶媒として,例えば,n−ヘキサン,トルエン,ジエチルエーテル,酢酸エチルを用いることができる。
また,疎水性有機溶媒は,直鎖または分岐鎖ないし環状の炭化水素からなるものを用いることが好ましい。これにより,有機溶媒としての疎水性をさらに高めることが可能となるとともに,油脂成分との反応性をより低く抑えることが期待できるため,本発明の油脂成分抽出方法の効率性を向上させる効果を有する。さらに,疎水性有機溶媒としての比重を1より軽くしやすいという効果も有する。
このような疎水性有機溶媒として,CnH2n+2で表される直鎖もしくは分岐鎖を有する炭化水素,もしくは,CnH2nで表される環状炭化水素とすればよい。好ましくは,nが5から15,さらに好ましくは,5から10とすればよく,このような炭化水素として,例えば,ペンタン,シクロペンタン,ヘキサン,2-メチルペンタン,3-メチルペンタン,シクロヘキサンなどが挙げられる。
さらに疎水性有機溶媒は,比重が1より軽いものを用いることが好ましい。これにより,破砕や分離など種々の作業後,油脂成分を含有した有機層が,水層よりも上にくるため,吸引・分離等の作業が行いやすく,本発明の油脂成分抽出方法の効率性を向上させる効果を有する。
本発明において用いられる微細藻類ならびに微生物について,本発明の原理を鑑みれば,油脂成分を含むあらゆる微細藻類ないしは微生物に適用しうるものである。このことから本発明において用いられる微細藻類ならびに微生物は,油脂成分をその細胞内もしくは細胞間に含む限り特に限定する必要はなく,種々の微細藻類ないしは微生物を用いることができ,また,これらについて天然のものを用いてもよいし,遺伝子組み換え等を行った人工のものを用いてもよい。
このような微細藻類として例えば,シアノバクテリア,珪藻,黄緑藻,渦鞭毛藻,紅藻,褐藻,緑藻などが挙げられる。一方,微生物として例えば,酵母,ユーグレナ類,ストラメノパイル,菌類などが挙げられる。
ここでは,実験例を用いて,本発明の油脂成分抽出方法について説明を行う。
<<I.実験方法概要>>
1.微細藻類として,シュードココミクサ(Pseudococcomyxa)KJ株を用いた(以下,単に,「微細藻類」という)。なお,この微細藻類は,2013年6月4日付で独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物帰宅センター(NITE-IPOD)に受託番号FERM P-22254として寄託されている。
2.微細藻類について,培養槽にて約0.5g/Lの濃度で培養を行ったものを,遠心分離によって500倍に濃縮し,冷凍保管したサンプルを,順次,実験に用いた。
3.冷凍サンプルを解凍後,0.3%食塩水にて濃度50g/Lになるように希釈し,藻液を作製した。
4.ダイノーミル(ウィリー・エ・バッコーフェン社製:DYNO-MILL マルチラボ1.4L仕様)を用いて,下記条件にて,破砕・分散を行った。
すなわち,ペリスタルティックポンプで藻液を導入し,薬液ポンプで試験液量に対し各種有機溶媒を各実験例に対応した容量比率で添加しながらダイノーミル中に試験液を送り,ダイノーミル内で藻の細胞壁の破砕・ヘキサンの分散を行った。
(1) 試験液濃度,50g/L
(2) PSポンプ流量,4L/h
(3) ダイノーミル回転数,約3340rpm
5.得られた破砕液を35mL遠心ボトルに採取し,遠心分離機(コクサン製:H-9R)にて遠心分離を実施した。遠心分離後の典型例を図1に示す。
(1) 有機層については,水よりも比重が軽いことから,一番上の層として分離されることとなり,比重が1より軽い破砕後の固形成分と有機溶媒を含んだ層となる。
(2) 沈殿物については,比重が1より重い,破砕後の微細藻類の固形成分を含んだ層となる。
(3) 水層については,有機層と沈殿物に挟まれ,水分を含んだ層となる。
6.遠心分離後のサンプルから,中間層(水層)と沈殿物をそれぞれ採取し,油分量測定装置(アステック株式会社製:MQC23-27)にて油含有率の測定を行った。中間層と沈殿物の測定結果からこれらの層における油含有率の算出を行い,100から差し引くことにより,有機層への移行率を算出した。
7.沈殿物残渣からの油脂抽出の検討(実験4)においては,上記までの一連の処理により得られた沈殿物残渣に,所定の有機溶媒を加え,上記と同様の撹拌・分離作業ならびに算出方法により,評価を行った。
<<II.実験結果>>
<実験1.ヘキサン添加率による油含有率変化>
疎水性有機溶媒としてn-ヘキサン(以下,単に「ヘキサン」)を用い,ヘキサン添加率により,油含有率がどのように変化するかを調べることを目的として,検討を行った。
1.結果を図2,図3に示す。
(1) 中間層においては,ヘキサンの添加率が上昇するとともに油含有率が減少していた。また,実験例2ならびに実験例3において,約4000gからは遠心力による影響もほとんど受けず,その油含有率は一定であった。
(2) 沈殿物においても,ヘキサンの添加率が上昇するとともに油含有率が減少していたが,中間層と異なり,油含有率にばらつきがあった。
2.中間層ならびに沈殿物における油含有率の和が小さければ小さいほど,有機層への油抽出率が優れていることとなる。これらの結果から,ヘキサン添加率が少なくとも3%あれば,十分な分散による抽出効果が得られること,そして,7.5%以上であれば,より安定して十分な効果が得られることが示された。
<実験2.ヘキサン添加タイミングの違いによる油抽出率の変化>
ヘキサンを破砕前,ならびに破砕後にそれぞれ加え,一連の分離作業を行った場合の油抽出率の違いを調べるために検討を行った。
1.実験例4においては,上述の実験方法に従い,10%のヘキサン添加率で,検討を行った。
2.実験例5から9においては,ヘキサンを加えずに破砕を行った後,容量比で10%のヘキサンを加え,さらに撹拌を所定の時間行った後,遠心分離の作業を行った。なお,実験例4から9については,それぞれn=2で検討を行った。
3.表1に結果を示す。表1は,沈殿物における油抽出率の結果を示した表である。つまり,抽出率の値が小さいほど,有機層への油抽出効率に優れることとなる。
(1) 実験例4の破砕時にヘキサンを添加した場合においては,その後,特段の撹拌を行わなくても,2.40%と極めて低い値であった。
(2) 実験例5から9の破砕後にヘキサンを添加した場合においては,その後,撹拌時間が長くなるにつれ,抽出率が低くなる傾向が見られたものの,実験例4と比較すると,約5倍弱と,大きな値であった。
4.また,図4に,遠心後の外観を示した様子を示す。
(1) 実験例4においては,沈殿物,中間層,有機層,それぞれの境界が比較的明瞭であった。
(2) 実験例5から9については,撹拌時間が長くなるにつれ,それぞれの境界が明瞭になっていく傾向にあったが,実験例4と比較すると不明瞭であった。
5.これらより,下記のことが示された。
(1) 破砕前にヘキサンを添加することで沈殿に残存する油を少なくさせ,油抽出の効率を向上させることが示された。
(2) 破砕後におけるヘキサン添加と比較して,より短い時間で効果的に油抽出が行えることが示された。
(3) 破砕前のヘキサン添加により,沈殿物,中間層,有機層,それぞれの境界が明瞭になり,有機層の分離がより行いやすくなることが示された。
<実験3.有機溶媒の違いによる油抽出率の変化>
複数種の有機溶媒を用いて,一連の分離作業を行った場合の油抽出率の違いを調べることを目的に検討を行った。
1.添加率を10%,表に示す各種有機溶媒を用い,上述の実験方法に従い検討を行った。各種有機溶媒の実験例について,それぞれn=2で検討を行った。
2.結果を表2に示す。表2については,各種有機溶媒とともに,極性の目安であるオクタノール/水分配係数(log Pow)を合わせて示す。
(1) 有機溶媒として極性が高く,水との親和性がほとんど無いヘキサン,トルエンにおいては,それぞれ0.68%(実験例10),1.87%(実験例11)と,極めて低い値であった。
(2) また,水との親和性を若干有する酢酸エチルにおいても,7.27%(実験例12)と低い値であった。
(3) 水との親和性が高く,水とまじりあうアセトン,エタノールについては,17.57%(実験例13),19.17%(実験例14)と高い値であった。
3.図5に,遠心後の外観を示した様子を示す。
(1) ヘキサン添加においては,沈殿物,中間層,有機層,それぞれの境界が極めて明瞭であった(実験例10)。
(2) トルエン(実験例11)においては,ヘキサンほどではないが,境界は比較的明瞭であった。また,酢酸エチル(実験例12)においても,同様に,比較的明瞭であった。
(3) 一方,アセトン(実験例13)においては,有機層が水と混和しているとみられ,沈殿物とそれらの境界は明瞭であったものの,肝心の有機層の存在を確認することができなかった。
(4) エタノールにおいては,いずれの境界も不明瞭であった。
4.これらの結果から,下記のことが示された。
(1) 有機溶媒として水との親和性が低いヘキサン,トルエン,酢酸エチルにおいては,油の抽出効率ならびに各層の分離の観点から,優れていることが示された。このうち,特に極性が高いヘキサン,トルエンは,極めて優れた効果を発揮することが示された。
(2) 一方,水と混ざり合うエタノールやアセトンについては,油抽出の効率が低く,各層の境界も不明瞭であるため,抽出率ならびに分離の両側面から,優れていないことが示された。
<実験4.破砕抽出後の沈殿物残渣からの油脂抽出の検討>
破砕抽出後の沈殿物残渣にも一定の油脂が含まれることから,この沈殿物残渣から効率的に油脂抽出を行うことを目的として検討を行った。
1.種類の異なる各有機溶媒における検討結果を図6に示す。図6においては,各有機溶媒により油脂抽出を行った後の沈殿物残渣における油脂を油脂残存率として表しており,この値が低いほど,効率的な油脂抽出が行えたことを示している。
(1) ヘキサン,酢酸エチルなど,疎水性の高い有機溶媒を用いた場合,残渣への油脂残存率が17.9%(実験例17),10.8%(実験例18)と高かった。
(2) 一方,ヘキサンとエタノールを1:1で混合した溶媒,アセトンなど,両親媒性の有機溶媒を用いた場合,残渣への油脂残存率が,それぞれ2.2%(実験例15),3.1%(実験例16)と,ヘキサン等と比較すると極めて低い結果であった。
2.これらの結果から,破砕抽出後の沈殿物残渣においては,両親媒性の有機溶媒を用いることにより,効率的に油脂の抽出が行えることが分かった。
3.ヘキサン・エタノール混合溶媒において,それぞれの混合比を変えて検討を行った結果を図7に示す。図7においては,各有機溶媒により油脂抽出を行った後の油脂回収を油脂収率として表しており,この値が高いほど,効率的な油脂抽出が行えたことを示している。また,図中の混合比については,「ヘキサン:エタノール」の容積比として表している。
(1) ヘキサン・エタノール混合溶媒では,いずれにおいても,ヘキサン(0.9%,実験例24)と比較すると優れた油脂収率を示しおり,それぞれ8.9%(実験例23),8.1%(実験例22),17.1%(実験例21),82.2%(実験例20),72.5%(実験例19)であった。
(2) ヘキサン・エタノール混合溶媒において,5:1から1:1の範囲で優れた油脂収率を示しており,特に2:1から1:1では極めて高い油脂収率を示していた。
4.この結果から,抽出溶媒として,ヘキサン・エタノール混合溶媒が優れていること,そして,2:1から1:1の範囲の混合比で,特に優れた油脂収率を示すことが明らかとなった。


Claims (17)

  1. 微細藻類や微生物を含む水溶液に,少量の疎水性有機溶媒を添加し,細胞壁や細胞膜ならびに細胞間接着の破砕を行うことで,油脂成分の疎水性有機溶媒への接触・溶解を促進する疎水性有機溶媒添加破砕工程を含むことを特徴とする油脂成分抽出方法
  2. 疎水性有機溶媒の添加量が,水溶液に対して,3から18%の容量比率であることを特徴とする請求項1に記載の油脂成分抽出方法
  3. 疎水性有機溶媒が,炭素,水素,酸素のいずれか又は複数の元素のみからなることを特徴とする請求項1または2に記載の油脂成分抽出方法
  4. 疎水性有機溶媒が,直鎖または分岐鎖ないし環状の炭化水素からなることを特徴とする請求項3に記載の油脂成分抽出方法
  5. 疎水性有機溶媒が,n−ヘキサン,トルエン,ジエチルエーテル,酢酸エチルのいずれか又は複数からなることを特徴とする請求項3に記載の油脂成分抽出方法
  6. 疎水性有機溶媒の比重が,1より軽いことを特徴とする請求項1から5に記載の油脂成分抽出方法
  7. 前記破砕が,
    微粒子が高密度で充填され回転により運動している容器内に,少量の疎水性有機溶媒を添加した微細藻類や微生物を含む水溶液を加える添加工程と,
    微粒子の衝突ならびにせんだん力により,微細藻類や微生物の凝集体をほぐすとともに,大きな粒子径の微細藻類や微生物を粉砕する粉砕工程と,
    容器内に生じる圧力差により,微細藻類や微生物が急激に膨張し破裂する破裂工程により行われ,
    破砕により,微細藻類や微生物の内部もしくは細胞間から遊離した油脂成分が水溶液中に分散することを特徴とする請求項1から6に記載の油脂成分抽出方法
  8. 前記微粒子が0.1から2.0mmの剛性球状体であることを特徴とする請求項7に記載の油脂成分抽出方法
  9. さらに微粒子の容器内の充填率が,70から90%であることを特徴とする請求項7又は8に記載の油脂成分抽出方法
  10. 疎水性有機溶媒添加破砕工程後の上澄み有機溶媒を分離する破砕後分離工程を含むことを特徴とする請求項1から9に記載の油脂成分抽出方法
  11. 破砕後分離工程後の残渣溶液にさらに有機溶媒を添加し撹拌を行う撹拌工程と,
    撹拌工程後の溶液の遠心分離を行い,遠心分離後の上澄み有機溶媒を分離する撹拌後分離工程とをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の油脂成分抽出方法
  12. 前記撹拌工程において,添加する有機溶媒が,両親媒性有機溶媒であることを特徴とする請求項11に記載の油脂成分抽出方法
  13. 前記両親媒性有機溶媒が,アセトン,もしくは疎水性有機溶媒と親水性有機溶媒の混和溶媒であることを特徴とする請求項12に記載の油脂成分抽出方法
  14. 前記混和溶媒が,ヘキサンとエタノールの混和溶媒からなることを特徴とする請求項13に記載の油脂成分抽出方法
  15. 前記ヘキサンとエタノールの混合比が,5:1から1:1の範囲であることを特徴とする請求項14に記載の油脂成分抽出方法
  16. 前記微細藻類が,シアノバクテリア,珪藻,黄緑藻,渦鞭毛藻,紅藻,褐藻,緑藻のいずれか又は複数から選択されることを特徴とする請求項1から15に記載の油脂成分抽出方法
  17. 前記微生物が,酵母,ユーグレナ類,ストラメノパイル,菌類のいずれか又は複数から選択されることを特徴とする請求項1から15に記載の油脂成分抽出方法





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WO2023084841A1 (ja) * 2021-11-12 2023-05-19 日清食品ホールディングス株式会社 Lipomyces属酵母を利用した油脂の製造方法

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