本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために使用されるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、あくまで実例として、本技術を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本明細書で説明される本技術は、全て本技術から逸脱することなく、他種々の明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明を、限定的ではなく、例示的な性質のものと見なすべきである。
本明細書に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものを、本明細書に述べられる他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も更に理解されたい。したがって、以下に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して分離して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科器具を把持する操作者又は他の操作者に対して本明細書で定義される。「近位」という用語は、操作者又は他の操作者により近い要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ操作者又は他の操作者から更に離れた要素の位置を指す。
I.例示的な超音波外科システムの概要
図1は、例示的な外科システム(10)の構成要素を図形的ブロック形態で示したものである。示されるように、システム(10)は、超音波発生器(12)及び超音波外科器具(20)を備える。以下でより詳細に記載されるように、器具(20)は、超音波振動エネルギーを使用して、実質的に同時に、組織(例えば、血管など)を切開し、組織を封着又は接合するように動作可能である。発生器(12)及び器具(20)は、ケーブル(14)を介して一緒に結合されている。ケーブル(14)は、複数の導線を備えてもよく、発生器(12)から器具(20)への一方向の電気的導通、及び/又は発生器(12)と器具(20)との間の双方向の電気的導通を与えることができる。あくまで一例として、ケーブル(14)は、外科器具(20)への電力を供給するための「熱」線、アース線、及び外科器具(20)から超音波発生器(12)に信号を送信するための信号線を備えてもよく、シールドが3本の導線を覆っている。いくつかの変形例において、別個の作動電圧に対して別個の「熱」線が使用される(例えば、第1の作動電圧に対して1本の「熱」線が使用され、第2の作動電圧に対して別の「熱」線が使用されるか、又はこれらの導線間で要求される出力に比例した可変電圧が使用される、など)。当然のことながら、任意の他の好適な数又は構成の導線が使用されてもよい。ケーブル(14)が単に省略され得るように、システム(10)のいくつかの変形例が、発生器(12)を器具(20)内に組み込むことができることも理解されたい。
あくまで一例として、発生器(12)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN04、GEN11、又はGEN300を備えてもよい。更に又は代替として、発生器(12)は、2011年4月14日公開の「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題された米国公開第2011/0087212号の教示の少なくともいくつかに従って構築され得、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。代替的に、任意の他の好適な発生器(12)が使用されてもよい。以下でより詳細に記載されるように、発生器(12)は、電力を器具(20)に供給して超音波外科手術を行うように動作可能である。
器具(20)は、ハンドルアセンブリ(22)を備え、ハンドルアセンブリ(22)は、外科手術中に操作者の片手(又は両手)に把持されて操作者の片手(又は両手)によって操作されるように構成されている。例えば、いくつかの変形例では、ハンドルアセンブリ(22)は、操作者が鉛筆のように把持してもよい。いくつかの他の変形例では、ハンドルアセンブリ(22)は、操作者がハサミのように把持してもよいハサミグリップを含んでいてもよい。いくつかの他の変形例では、ハンドルアセンブリ(22)は、操作者がピストルのように把持してもよいピストルグリップを含んでいてもよい。当然のことながら、ハンドルアセンブリ(22)は、任意の他の好適な様態で把持されるように構成してもよい。更に、器具(20)のいくつかの変形例では、ハンドルアセンブリ(22)の代わりに、器具(20)を(例えば、リモートコントロールなどを介して)動作させるように構成されたロボット外科システムに結合された本体を代用してもよい。本実施例では、ブレード(24)は、ハンドルアセンブリ(22)から遠位に延在している。ハンドルアセンブリ(22)は、超音波トランスデューサ(26)と、超音波導波管(28)とを含んでおり、超音波導波管(28)は、超音波トランスデューサ(26)をブレード(24)と結合させている。超音波トランスデューサ(26)は、ケーブル(14)を介して発生器(12)から電力を受け取る。超音波トランスデューサ(26)は、その圧電特性により、かかる電力を超音波振動エネルギーに変換するように動作可能である。
超音波導波管(28)は、可撓性、半可撓性、剛性のものであってもよいか、又は任意の他の好適な性質を有してもよい。上述のように、超音波トランスデューサ(26)は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)と一体結合されている。具体的には、超音波トランスデューサ(26)が超音波周波数で振動するように作動している場合、かかる振動は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)に伝達されて、ブレード(24)も超音波周波数で振動することになる。ブレード(24)が作動状態である(すなわち、超音波的に振動している)場合、ブレード(24)は、組織を効果的に切断し、組織を封着するように動作可能である。したがって、超音波トランスデューサ(26)、超音波導波管(28)、及びブレード(24)は、発生器(12)によって電力供給される際に外科手術を行うための超音波エネルギーを供給する音響アセンブリを一緒に形成する。ハンドルアセンブリ(22)は、操作者を、トランスデューサ(26)、超音波導波管(28)、及びブレード(24)によって形成される音響アセンブリの振動から実質的に隔離するように構成されている。
いくつかの変形例において、超音波導波管(28)は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)に伝達される機械的振動を増幅してもよい。超音波導波管(28)は、超音波導波管(28)に沿った長手方向振動の利得を制御するための特徴部、及び/又は超音波導波管(28)をシステム(10)の共振周波数と同調させるための特徴部を更に有してもよい。例えば、超音波導波管(28)は、ほぼ均一な断面などの任意の好適な断面寸法/構成を有してもよく、様々な部分で先細になっていてもよく、その全長に沿って先細になっていてもよく、又は任意の他の好適な構成を有してもよい。超音波導波管(28)は、例えば、システムの波長の1/2の整数倍にほぼ等しい長さ(nλ/2)を有してもよい。超音波導波管(28)及びブレード(24)は、チタン合金(すなわち、Ti−6Al−4V)、アルミニウム合金、サファイア、ステンレス鋼、又は任意の他の音響的に適合した材料若しくは材料の組み合わせなどの超音波エネルギーを効率的に伝搬する材料又は材料の組み合わせから構築されたソリッドコアシャフトから製作されてもよい。
本実施例では、ブレード(24)の遠位端は、組織による負荷が音響アセンブリに加えられていないとき、好ましい共振周波数foに音響アセンブリを同調させるために、導波管(28)を介して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に(すなわち、音響アンチノードに)位置する。トランスデューサ(26)が通電されると、ブレード(24)の遠位端は、例えば、ピーク間で約10〜500マイクロメートル、場合によっては、例えば、55.5kHzの所定の振動周波数foにて約20〜約200マイクロメートルの範囲で長手方向に移動するように構成されている。本実施例のトランスデューサ(26)が作動しているとき、これらの機械的な振動は、ブレード(24)に到達するように導波管(28)を介して伝達され、それにより共振超音波周波数でブレード(24)の振動をもたらす。このため、ブレード(24)の超音波振動が、組織の切断と隣接した組織細胞内のタンパク質の変性とを同時に行い、それにより比較的少ない熱拡散で凝固効果を提供することができる。いくつかの変形例において、また、組織を焼灼するために電流がブレード(24)を介して提供されてもよい。
あくまで一例として、超音波導波管(28)及びブレード(24)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により製品コードSNGHK及びSNGCBとして販売されている構成要素を備えてもよい。あくまで更なる一例として、超音波導波管(28)及び/又はブレード(24)は、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2002年7月23日発行の米国特許第6,423,082号、表題「Ultrasonic Surgical Blade with Improved Cutting and Coagulation Features」の教示に従って構築されてもよく、動作可能であり得る。別のあくまで例示的な例として、超音波導波管(28)及び/又はブレード(24)は、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月28日発行の米国特許第5,324,299号、表題「Ultrasonic Scalpel Blade and Methods of Application」の教示に従って構築されてもよく、動作可能であり得る。超音波導波管(28)及びブレード(24)の他の好適な特性及び形態が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
本実施例のハンドルアセンブリ(22)はまた、制御セレクタ(30)と、作動スイッチ(32)とを含んでおり、これらはそれぞれ、回路基板(34)と通信状態にある。あくまで一例として、回路基板(34)は、従来の回路基板、フレックス回路、リジッドフレックス回路を備えてもよく、又は任意の他の好適な形態を有してもよい。制御セレクタ(30)及び作動スイッチ(32)は、1つ若しくは2つ以上の導線、回路基板若しくはフレックス回路に形成された配線を介して、及び/又は任意の他の好適な方法で、回路基板(34)と連通することができる。回路基板(34)は、ケーブル(14)と結合されており、ケーブル(14)は、次いで、発生器(12)内の制御回路(16)と結合されている。作動スイッチ(32)は、超音波トランスデューサ(26)への電源を選択的に作動させるように動作可能である。特に、スイッチ(32)が作動すると、かかる作動によってケーブル(14)を介して超音波トランスデューサ(26)に適切な電力が伝達される。あくまで一例として、作動スイッチ(32)は、本明細書で引用される様々な参照文献の教示のうちのいずれかに従って構築されてもよい。作動スイッチ(32)が採り得る他の様々な形態は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
本実施例では、外科システム(10)は、少なくとも2つの異なるレベル又は種類の超音波エネルギー(例えば、異なる周波数及び/又は振幅など)をブレード(24)において供給するように動作可能である。そのために、制御セレクタ(30)は、操作者が所望のレベル/振幅の超音波エネルギーを選択することができるように動作可能である。あくまで一例として、制御セレクタ(30)は、本明細書で引用される様々な参照文献の教示のうちのいずれかに従って構築されてもよい。制御セレクタ(30)が採り得る他の様々な形態は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。いくつかの変形例において、操作者が制御セレクタ(30)によって選択を行う場合、操作者の選択は、ケーブル(14)を介して発生器(12)の制御回路(16)に戻して伝達され、これに従って、次回操作者が作動スイッチ(32)を起動させるときに、制御回路(16)が発生器(12)から伝達される電力を調節する。
ブレード(24)において供給される超音波エネルギーのレベル/振幅は、発生器(12)からケーブル(14)を介して器具(20)に伝達される電力の特性の関数であり得ることを理解されたい。したがって、発生器(12)の制御回路(16)は、制御セレクタ(30)を通じて選択された超音波エネルギーのレベル/振幅又は種類に関連した特性を有する電力を(ケーブル(14)を介して)供給することができる。したがって、発生器(12)は、制御セレクタ(30)を介して操作者によって行われる選択に基づいて異なる種類又は程度の電力を超音波トランスデューサ(26)に伝達するように動作可能であり得る。具体的には、かつあくまで一例として、発生器(12)は、印加される信号の電圧及び/又は電流を増大させて、音響アセンブリの長手方向振幅を増大させることができる。あくまで例示的な一例として、発生器(12)は、それぞれ、約50マイクロメートル及び約90マイクロメートルのブレード(24)の振動共振振幅に対応し得る「レベル1」と「レベル5」との間の選択可能性を提供することができる。制御回路(16)が構成され得る様々な方法が本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。制御セレクタ(30)及び作動スイッチ(32)の代わりに、2つ又は3つ以上の作動スイッチ(32)が使用され得ることも理解されたい。いくつかのかかる変形例では、ある作動スイッチ(32)は、ある電力レベル/種類でブレード(24)を作動させるように動作可能である一方で、別の作動スイッチ(32)は、別の電力レベル/種類などでブレード(24)を作動させるように動作可能である。
いくつかの代替的な変形例では、制御回路(16)は、ハンドルアセンブリ(22)内に配置されている。例えば、いくつかのこのような変形例では、発生器(12)は、単に1つのタイプの電力(例えば、利用可能な単に1つの電圧及び/又は電流)をハンドルアセンブリ(22)に伝達し、ハンドルアセンブリ(22)内の制御回路(16)は、電力が超音波トランスデューサ(26)に達する前に、制御セレクタ(30)を介して操作者が行った選択に従って、電力(例えば、電力の電圧)を変更するように動作可能である。更に、発生器(12)を外科システム(10)の全ての他のコンポーネントと一緒にハンドルアセンブリ(22)内に組み込んでもよい。例えば、1つ若しくは2つ以上の電池(図示せず)又は他の携帯型電力源をハンドルアセンブリ(22)内に設けてもよい。図1に示される構成要素が再配置されるか、又は他の方法で構成若しくは修正され得る更なる他の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
II.例示的な超音波外科器具の概要
以下の説明は、器具(20)の種々の例示的な構成要素及び構成に関する。後述する器具(20)の種々の実施例は、前述したように、外科システム(10)内に容易に組み込まれ得ることを理解されたい。また前述した器具(20)の種々の構成要素及び操作性が、後述する器具(20)の例示的な変形例内に容易に組み込まれ得ることを理解されたい。上記及び下記の教示を組み合わせ得る様々な好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。また、下記の教示が、本明細書で引用される参考文献の様々な教示と容易に組み合わせられ得ることも理解されたい。
図2〜5は、例示的な超音波外科器具(100)を例示している。器具(100)の少なくとも一部分は、以下の教示の少なくとも一部分に従って構築され得、かつ操作可能である:米国特許第5,322,055号、米国特許第5,873,873号、米国特許第5,980,510号、米国特許第6,325,811号、米国特許第6,773,444号、米国特許第6,783,524号、米国特許第8,461,744号、米国特許第8,623,027号、米国公開第2006/0079874号、米国公開第2007/0191713号、米国公開第2007/0282333号、米国公開第2008/0200940号、米国公開第2010/0069940号、米国公開第2012/0112687号、米国公開第2012/0116265号、米国公開第2014/0005701号、米国公開第2014/0114334号、米国特許出願第61/410,603号、及び/又は米国特許出願第14/028,717号。前述の特許、公開、及び出願のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。その中に記載され、以下により詳細に記載されるように、器具(100)は、実質的に同時に、組織を切断し、組織を封止又は溶接(例えば、血管など)するように動作可能である。また、器具(100)がHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの種々の構造的及び機能的な類似性を有し得ることを理解されたい。更に、器具(100)は、本明細書で引用され参照することによって本明細書に組み込まれる他の参考文献のうちのいずれかにおいて教示される装置と、種々の構造的及び機能的な類似性を有し得る。
本明細書に引用される参考文献の教示と、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示と、器具(100)に関する以下の教示との間に何らかの重複が存在する範囲で、本明細書のいかなる記述も、認められた先行技術と見なす意図はない。本明細書のいくつかの教示は、事実、本明細書に引用した参考文献、並びにHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示の範囲を超えるであろう。
本実施例の器具(100)は、ハンドルアセンブリ(120)と、シャフトアセンブリ(130)と、エンドエフェクタ(140)と、を備える。ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)と、1対のボタン(126)とを含む本体(122)を備える。ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)に向かって、かつ離れて旋回可能なトリガ(128)もまた含む。しかしながら、鉛筆グリップ構成又はハサミグリップ構成を含むが、これらに限定されない、種々の他の好適な構成を用いてもよいことを理解されたい。エンドエフェクタ(140)は、超音波ブレード(160)と、旋回クランプアーム(144)と、を含む。クランプアーム(144)は、トリガ(128)と結合され、その結果ピストルグリップ(124)に向かうトリガ(128)の旋回に応じて、クランプアーム(144)は超音波ブレード(160)に向かって旋回可能となり、かつ、ピストルグリップ(124)から離れるトリガ(128)の旋回に応じて、クランプアーム(144)は超音波ブレード(160)から離れて旋回可能となる。本明細書の教示を考慮すれば、クランプアーム(144)をトリガ(128)と結合することができる種々の好適な方法が、当業者に明らかであろう。いくつかの変形例では、1つ又は2つ以上の弾性部材を使用して、クランプアーム(144)及び/又はトリガ(128)を図4に示す開放位置に付勢する。
超音波トランスデューサアセンブリ(112)は、ハンドルアセンブリ(120)の本体(122)から近位に延在する。トランスデューサアセンブリ(112)は、ケーブル(114)を介して発生器(116)に結合される。トランスデューサアセンブリ(112)は、発生器(116)から電力を受信し、圧電原理によってその電力を超音波振動に変換する。発生器(116)は、電源、及びトランスデューサアセンブリ(112)による超音波振動の生成に特に適したトランスデューサアセンブリ(112)に電力プロファイルを提供するように構成された制御モジュールを含み得る。あくまで一例として、発生器(116)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN 300を備えることができる。更に又は代替として、発生器(116)は、2011年4月14日公開の「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題される米国公開第2011/0087212号の教示の少なくともいくつかに従って構築され得、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。また、発生器(116)の機能性の少なくとも一部を、ハンドルアセンブリ(120)に組み入れることができ、ハンドルアセンブリ(120)は、電池又は他の搭載された電源を更に含み得、その結果、ケーブル(114)が省略されることも理解されたい。発生器(116)が採り得るなお他の好適な形態、並びに発生器(116)が提供し得る種々の特徴及び動作性は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかとなるであろう。
本実施例のブレード(160)は、特に組織がクランプアーム(144)とブレード(160)との間に挟持されるとき、組織を効果的に切り開いて封止するために超音波周波数にて振動するように動作可能である。ブレード(160)は、音響ドライブトレーンの遠位端に位置付けられる。この音響ドライブトレーンは、トランスデューサアセンブリ(112)と、音響導波管(102)とを含む。トランスデューサアセンブリ(112)は、剛性音響導波管(102)のホーン(図示せず)の近位に位置する、一組の圧電ディスク(図示せず)を含む。圧電ディスクは、電力を超音波振動に変換するように動作可能であり、超音波振動は次に、音響導波管(102)に沿って送信され、音響導波管(102)は、既知の構成及び技術により、シャフトアセンブリ(130)を通ってブレード(160)まで延在している。あくまで一例として、音響ドライブトレーンのこの部分は、本明細書に引用される種々の参考文献の種々の教示に従って構成されてよい。
導波管(102)は、ピン(133)を介してシャフトアセンブリ(130)内に固定され、ピン(133)は、導波管(102)及びシャフトアセンブリ(130)を通過する。ピン(133)は、導波管(102)の長さに沿った、導波管(102)を通って伝達される共振超音波振動に関連するノードに対応する位置に設置されている。超音波ブレード(160)が作動状態にある(すなわち、超音波振動している)とき、超音波ブレード(160)は組織を効果的に切り開いて封止するように動作可能であり、特に組織がクランプアーム(144)と超音波ブレード(160)との間にクランプされているときにそうである。導波管(102)は、導波管(102)を通って伝達される機械的振動を増幅するように構成することができることを理解されたい。更に、導波管(102)は、長手方向の振動の利得を導波管(102)に沿って制御するように動作可能な特徴部、及び/又は導波管(102)をシステムの共振周波数に同調させる特徴部を含み得る。
本実施例では、ブレード(160)の遠位端は、導波管(102)を通して伝達される共鳴超音波振動に付随するアンチノードに対応する位置に配置され、音響アセンブリに組織の負荷がかかっていないときの好ましい共振周波数foに音響アセンブリを調整する。トランスデューサアセンブリ(112)が通電されるとき、ブレード(160)の遠位端は、例えば、ピーク間で約10〜500ミクロン、一部の実例では、例えば、55.5kHzの既定の振動周波数foにて約20〜約200ミクロンの範囲で長手方向に移動するように構成されている。本実施例のトランスデューサアセンブリ(112)が起動されると、これらの機械的な振動が導波管(102)を通じて伝達されてブレード(160)に到達し、その結果、共鳴超音波周波数でのブレード(160)の振動が得られる。したがって、ブレード(160)とクランプアーム(144)との間に組織が固定されたとき、ブレード(160)の超音波振動が、組織の切断と、隣接した組織細胞内のタンパク質の変性とを同時に行い、それにより比較的小さい熱拡散で凝固効果が提供される。いくつかの変形例では、電流もまた、やはり組織を焼灼させるためにブレード(160)及びクランプアーム(144)を通して供給され得る。音波伝達アセンブリ及びトランスデューサアセンブリ(112)の一部の構成を記述してきたが、音波伝達アセンブリ及びトランスデューサアセンブリ(112)の他の更に好適な構成は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであろう。同様に、本明細書の教示を考慮することで、エンドエフェクタ(140)の他の好適な構成も、当業者に明らかになるであろう。
操作者が、ボタン(126)を作動させて、トランスデューサアセンブリ(112)を選択的に作動させて、ブレード(160)を作動させてもよい。本実施例では、2つのボタン(126)が設けられており、一方はブレード(160)を低パワーで作動させるためであり、もう一方はブレード(160)を高パワーで作動させるためである。しかしながら、任意の他の好適な数のボタン及び/又は別の方法で選択可能な電力レベルが提供されてもよいことを理解されたい。例えば、トランスデューサアセンブリ(112)を選択的に起動させるために、フットペダルを提供してもよい。本実施例のボタン(126)は、操作者が片手で器具(100)を容易かつ完全に操作することができるように配置される。例えば、操作者は、親指をピストルグリップ(124)付近に置き、中指をリングに置き、及び/又は小指をトリガ(128)付近に置き、そして、人差し指を用いてボタン(126)を操作する。当然のことながら、任意の他の好適な技術を用いて、器具(100)を把持して操作することができ、また、ボタン(126)を任意の他の好適な位置に設置することができる。
本実施例のシャフトアセンブリ(130)は、外部シース(132)と、外部シース(132)内に摺動可能に配置された内側チューブ(134)と、内側チューブ(134)内に配置された導波管(102)と、を備える。後でより詳細に説明するように、内側チューブ(134)は、外部シース(132)に対して外部シース(132)内を長手方向に平行移動して、クランプアーム(144)をブレード(160)に向かって、かつそれから離れて選択的に旋回させるように動作可能である。本実施例のシャフトアセンブリ(130)は、回転アセンブリ(150)を更に含んでいる。回転アセンブリ(150)は、全体のシャフトアセンブリ(130)及びエンドエフェクタ(140)を、ハンドルアセンブリ(120)に対してシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸の周りで回転させるように動作可能である。いくつかの変形例では、回転アセンブリ(150)は、シャフトアセンブリ(130)及びエンドエフェクタ(140)の角度位置を、シャフトアセンブリ(130)の長手方向軸の周りでハンドルアセンブリ(120)に対して選択的に固定するように動作可能である。例えば、回転アセンブリ(150)の回転ノブ(152)は、第1の長手方向位置(シャフトアセンブリ(130)及びエンドエフェクタ(140)が、ハンドルアセンブリ(120)に対してシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸の周りで回転可能である)と、第2の長手方向位置(シャフトアセンブリ(130)及びエンドエフェクタ(140)が、ハンドルアセンブリ(120)に対してシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸の周りで回転可能ではない)との間で平行移動可能であってもよい。当然のことながら、シャフトアセンブリ(130)は、上記したもののいずれかに加えて又はその代わりに様々な他の構成要素、特徴、及び動作性を有することができる。シャフトアセンブリ(130)の他の好適な構成は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
図3及び4に示すように、エンドエフェクタ(140)は、超音波ブレード(160)と、クランプアーム(144)とを含んでいる。クランプアーム(144)は、クランプアーム(144)の下面に固定されてブレード(160)に面しているクランプパッド(146)を含んでいる。クランプアーム(144)は、ピン(145)を介して、超音波ブレード(160)の上方のシャフトアセンブリ(130)の外側シース(132)の遠位端と旋回可能に結合される。図4において最も良く分かるように、内側チューブ(134)の遠位端は、ピン(135)を介して、超音波ブレード(160)の下方のクランプアーム(144)の近位端と回転可能に結合されていて、内側チューブ(134)が長手方向に平行移動すると、クランプアーム(144)がピン(145)の周りで、超音波ブレード(160)に向かって、かつそれから離れて回転するようになっており、その結果、組織がクランプアーム(144)と超音波ブレード(160)との間でクランプされて、組織が切断及び/又は封止される。具体的には、外側シース(132)及びハンドルアセンブリ(120)に対する内側チューブ(134)の近位への長手方向平行移動は、クランプアーム(144)を超音波ブレード(160)に向かって移動させ、外側シース(132)及びハンドルアセンブリ(120)に対する内側チューブ(134)の遠位への長手方向平行移動は、クランプアーム(144)を超音波ブレード(160)から離れて移動させる。
図5に示すように、また前述したように、トリガ(128)は、ピン(123A)を介してハンドルアセンブリ(120)に旋回可能に結合されていて、トリガ(128)がピン(123A)の周りで回転するように動作可能となっている。後に詳細に説明するように、トリガ(128)は、リンケージ(129)を介してヨーク(125)に結合されていて、トリガ(128)がピン(123A)の周りで回転すると、ヨーク(125)が長手方向に平行移動するようになっている。リンケージ(129)の第1の端部(129A)は、ピン(123B)を介して、トリガー(128)の近位部分と回転可能に結合されている。リンケージ(129)の第2の端部(129B)は、ピン(123C)介して、ヨーク(125)の近位部分と回転可能に結合されている。一対の細長い楕円形状の突起部(127)が、本体(122)の内表面から内側に延在する。各楕円形状の突起部(127)の内面によって、細長い楕円形状のスロット(127A)が画定される。ピン(123C)が、ヨーク(125)の近位部分及びリンケージ(129)の第2の端部(129B)を完全に通過することにより、ピン(123C)の端部は、ヨーク(125)の両側から延在している。ピン(123C)のこれらの端部は、楕円形状のスロット(127A)の内部に摺動可能に及び回転可能に配置されている。ピン(123D)は、ヨーク(125)の遠位端部を完全に通過して、ピン(123D)の端部は、ヨーク(125)の両側から延在している。ピン(123D)のこれらの端部は、楕円形状のスロット(127A)の内部に摺動可能に及び回転可能に配置されている。したがって、ヨーク(125)は、ピン(123C、123D)を介して楕円形状のスロット(127A)内で、近位の長手方向位置と遠位の長手方向位置との間で、長手方向に平行移動可能であることを理解されたい。更に、トリガ(128)の近位部はリンケージ(129)を介してヨーク(125)に結合されているために、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって、かつそれから離れて旋回すると、ヨーク(125)が楕円形状のスロット(127A)内で長手方向に平行移動する。具体的には、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって旋回すると、ヨーク(125)が楕円形状のスロット(127A)内で近位に長手方向に平行移動し、またトリガ(128)がピストルグリップ(124)から離れるように旋回すると、ヨーク(125)が楕円形状のスロット(127A)内で遠位に長手方向に平行移動する。
ヨーク(125)の遠位部は、結合アセンブリ(135)を介してシャフトアセンブリ(130)の内側チューブ(134)と結合されている。上で論じたように、内側チューブ(134)は、外側シース(132)内で長手方向に平行移動可能であり、これにより、内側チューブ(134)は、ヨーク(125)と同時に長手方向に平行移動するように構成されている。更に、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって旋回すると、ヨーク(125)が近位に長手方向に平行移動するため、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって旋回すると、外部シース(132)及びハンドルアセンブリ(120)に対して、内側チューブ(134)が近位に長手方向に平行移動することを理解されたい。また、トリガ(128)がピストルグリップ(124)から離れるように旋回すると、ヨーク(125)が遠位に長手方向に平行移動するため、トリガ(128)がピストルグリップ(124)から離れるように旋回すると、外部シース(132)及びハンドルアセンブリ(120)に対して、内側チューブ(134)が遠位に長手方向に平行移動することを理解されたい。最後に、前述したように、内側チューブ(134)が長手方向に平行移動すると、クランプアーム(144)がブレード(160)に向かって、かつそれから離れて回転するため、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって旋回すると、クランプアーム(144)が超音波ブレード(160)に向かって移動することを理解されたい。また、ピストルグリップ(124)から離れてトリガ(128)を旋回させると、クランプアーム(144)を超音波ブレード(160)から離れて移動させることになることを理解されたい。
いくつかの変形例では、1つ又は2つ以上の弾性部材を使用して、クランプアーム(144)及び/又はトリガ(128)を図4に示す開放位置に付勢する。例えば、図5に示すように、ばね(136)が、ハンドルアセンブリ(120)の本体(122)の近位端内に位置している。ばね(136)は、本体(122)及びヨーク(125)の近位端を圧迫することによって、ヨーク(125)を遠位位置に向かって付勢する。ヨーク(125)を遠位位置に向かって付勢すると、内側チューブ(134)は、遠位方向に付勢され、更に、トリガ(128)は、ピストルグリップ(124)から離れる方に付勢される。
器具(100)の前述の構成要素及び動作性は、あくまで例示である。器具(100)は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう様々な他の方法で構成することができる。あくまで一例として、器具(100)の少なくとも一部は、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる以下のうちのいずれかの教示の少なくともいくつかに従って構築されてもよく、及び/又は動作可能であってもよい:米国特許第5,322,055号、米国特許第5,873,873号、米国特許第5,980,510号、米国特許第6,325,811号、米国特許第6,783,524号、米国公開第2006/0079874号、米国公開第2007/0191713号、米国公開第2007/0282333号、米国公開第2008/0200940号、米国公開第2010/0069940号、米国公開第2011/0015660号、米国公開第2012/0112687号、米国公開第2012/0116265号、米国公開第2014/0005701号、及び/又は米国公開第2014/0114334号。器具(100)の追加的な単に例示としての変形を以下でより詳細に説明する。以下に説明する変形は、とりわけ、上述した器具(100)及び本明細書に引用した参考文献のいずれかに言及される任意の器具に容易に適用され得ることを理解されたい。
III.デュアルモードを伴う例示的な超音波外科器具
場合によっては、器具(20、100)に、操作者が組織(例えば、血管など)を、組織を切断することなく、選択的に封止若しくは溶接できるか(「封止のみ」モード)又は実質的に同時に組織の切断と組織の封止若しくは溶接とを行える(「切断及び封止」モード)ように構成された特徴部を与えることが望ましい場合がある。このような選択動作を器具(20、100)に与える1つの単に例示的な方法は、器具(100)に、ブレード(24、160)によって組織に印加される圧力を選択的に増加及び/又は減少させるように動作可能である特徴部を設けることである。例えば、器具(100)に、クランプアーム(144)とブレード(160)との間の組織に印加されるクランプ圧力を選択的に増加及び/又は減少させるように動作可能な特徴部を設けてもよい。後述する実施例では、操作者が組織を切断することなく選択的に組織を封止若しくは溶接するか、又は組織を切断して組織を実質的に同時に封止若しくは溶接することができるように構成された特徴部及び技術の種々の実施例を示す。言い換えれば、後述する実施例では、操作者が2つの動作モード(封止のみモードと切断及び封止モード)の間での器具(20、100)の変形を選択的に切り替えられるようにする特徴部及び技術の種々の実施例を示す。器具(20、100)においてこのような選択動作をもたらすように動作可能な特徴部の種々の実施例について以下に詳細に説明するが、他の実施例も本明細書での教示により当業者には明らかである。同様に、以下の教示を本明細書で引用する種々の参考文献の教示と組み合わせてもよい種々の好適な方法が、当業者には明らかである。
以下に示す実施例は主に、2つの動作モード(封止のみモードと切断及び封止モード)をもたらす機械的特徴部を対象としている。後述するこれら2つのモードの機械的な態様に加えて、器具(20、100)の後述する変形によって、器具が封止のみモードであるか又は切断及び封止モードであるかに基づいて異なる超音波作動が得られ得ることを理解されたい。例えば、器具が封止のみモードである場合、発生器(116)はトランスデューサアセンブリ(112)を作動させて、単に組織を封止するように調整又は最適化された超音波特性を伴ってブレード(24、160)を振動させてもよい。器具が切断及び封止モードである場合、発生器(116)は、トランスデューサアセンブリ(112)を作動させて、組織を切断するように調整又は最適化された超音波特性を伴ってブレード(24、160)を振動させてもよい。1つ又は2つ以上の機械的特徴部の移動によって、封止のみモードと切断及び封止モードとの間の移行が得られる変形例では、1つ又は2つ以上のセンサがこのような移動を検出する結果、封止のみモードと切断及び封止モードとの間の移行が検出されてもよい。発生器(116)は、発生器(116)がこのようなセンサからの情報に基づいてブレード(24、160)の超音波特性を変え得るように、このようなセンサと通信状態にあってもよい。発生器(116)及び/又はブレード(24、160)の動作が封止のみモードと切断及び封止モードとの間の移行により変化してもよい種々の好適な方法は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかである。同様に、封止のみモードと切断及び封止モードとの間の移行を示すために発生器(116)にフィードバックが与えられ得る種々の好適な方法は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかである。
A.細長い旋回アームを伴う例示的な超音波外科器具
図6〜19Cは、後述する違いを除いて、前述した器具(100)と実質的に同様に動作するように構成されている例示的な超音波の外科器具(200)を例示している。本実施例の器具(200)は、ハンドルアセンブリ(220)と、シャフトアセンブリ(230)と、エンドエフェクタ(240)と、を備える。ハンドルアセンブリ(220)は、ピストルグリップ(224)と、1対のボタン(226)とを含む本体(222)を備える。ハンドルアセンブリ(220)は、ピストルグリップ(224)に向かって、かつ離れて旋回可能なトリガ(228)もまた含む。エンドエフェクタ(240)は、超音波ブレード(260)と、旋回クランプアーム(244)と、を含む。ブレード(260)は、音響導波管(202)の遠位端に位置しており、音響導波管(202)は、超音波トランスデューサ(図示せず)をブレード(260)と機械的及び音響的に結合している。導波管(202)は、ピン(231)を介してシャフトアセンブリ(230)内に固定され、ピン(231)は、導波管(202)及びシャフトアセンブリ(230)を通過する。ピン(231)は、導波管(202)の長さに沿った、導波管(202)を通って伝達される共振超音波振動に関連するノードに対応する位置に設置されている。クランプアーム(244)は、トリガ(228)と結合され、その結果ピストルグリップ(224)に向かうトリガ(228)の旋回に応じて、クランプアーム(244)は超音波ブレード(260)に向かって旋回可能となり、かつ、クランプアーム(244)は、ピストルグリップ(224)から離れるトリガ(228)の旋回に応じて、超音波ブレード(260)から離れて旋回可能となる。いくつかの変形例では、1つ若しくは2つ以上の弾性部材を用いてクランプアーム(244)及び/又はトリガ(228)を開位置まで付勢する。
本実施例のシャフトアセンブリ(230)は、外部シース(232)、内側チューブ(234)、及び旋回チューブ(270)を備える。外部シース(232)は、ピン(231)を介して導波管(202)に固定されている。内側チューブ(234)は、外部シース(232)内に摺動可能に配置されている。前述したシャフトアセンブリ(130)と同様に、内側チューブ(234)は、外部シース(232)に対して外部シース(232)内を長手方向に平行移動して、クランプアーム(244)をブレード(260)に向かって、かつそれから離れて選択的に旋回させるように動作可能である。旋回チューブ(270)は、外部シース(232)の周りで摺動可能に配置されており、旋回チューブ(270)が、外部シース(232)及びハンドルアセンブリ(220)に対して、外部シース(232)の周りで長手方向に平行移動するように動作可能となっている。シャフトアセンブリ(230)は、旋回アームアセンブリ(280)を更に備える。旋回アームアセンブリ(280)は、外部シース(232)と旋回可能に結合されている。旋回アームアセンブリ(280)は、更に旋回チューブ(270)と旋回可能及び摺動可能に結合されている。後でより詳細に説明するように、旋回チューブ(270)は、外部シース(232)及びハンドルアセンブリ(220)に対して、外部シース(232)の周りで長手方向に平行移動して、旋回アームアセンブリ(280)を外部シース(232)の周りで選択的に回転させ、その結果、クランプアーム(244)を垂直方向にブレード(260)に向かって、かつそれから離れて平行移動させるように動作可能である。やはり後でより詳細に説明するように、(i)クランプアーム(244)がピン(245)の周りでブレード(260)に向かって旋回移動を行うことから、(ii)クランプアーム(244)がピン(237)の周りでブレード(260)に向かって旋回移動を行うことへと移行することによって、器具(200)は、(i)「封止のみ」動作と(ii)「切断及び封止」動作との間で選択的に変わる。図18A〜18Bは、クランプアーム(244)がピン(245)の周りでブレード(260)に向かって旋回する順序を示す。図18B〜18Cは、クランプアーム(244)がピン(237)の周りでブレード(260)に向かって旋回する順序を示す。図18B〜18Cに示すように、エンドエフェクタ(240)に非常に接近して見ると、クランプアーム(244)のピン(237)の周りでのこのような旋回移動は、クランプアーム(244)のピン(237)に向かう単純な垂直方向の平行移動のように見える場合がある。これは、ピン(237)が与える支点/旋回点が、クランプアーム(244)から離れて実質的に離間配置されていることに起因する。ブレード(260)に向かう、かつそれから離れるピン(237)の周りのこのような旋回移動(又はクランプアーム(244)の「見かけ上の垂直方向の平行移動」)は、シャフトアセンブリ(230)によって画定される長手方向軸に実質的に垂直な経路に沿っていることを理解されたい。
図9において最も良く分かるように、本実施例のエンドエフェクタ(240)は、クランプアーム(244)と、超音波ブレード(260)とを備える。クランプアーム(244)は、主クランプパッド(246)と、副クランプパッド(248)とを含んでおり、これらは、クランプアーム(244)の下面に固定されて、ブレード(260)に面している。クランプアーム(244)は、ブレード(260)に向かって、かつそれから離れて選択的に旋回して、クランプパッド(246、248)とブレード(260)との間の組織を選択的にクランプするように動作可能である。後でより詳細に説明するように、クランプアーム(244)は、半円筒型部材(282)の遠位端と旋回可能に結合されており、半円筒型部材(282)は、ピン(245)を介して外部シース(232)の最上面に隣接して位置するクランプアームアセンブリ(280)の一部である。クランプアーム(244)は、ピン(245)の周りで回転するように動作可能である。内側チューブ(234)の遠位端は、一対のピン(235)を介して、クランプアーム(244)の近位端に回転可能及び摺動可能に結合されている。各ピン(235)は、内側チューブ(234)の遠位端内に形成された対応するスロット(233)内に配置されており、外部シース(232)及び旋回アームアセンブリ(280)に対して、内側チューブ(234)が長手方向に平行移動すると、クランプアーム(244)がピン(245)の周りで超音波ブレード(260)に向かって、かつそれから離れて回転するようになっており、その結果、組織がクランプパッド(246、248)と超音波ブレード(260)との間でクランプされて、組織が切断及び/又は封止される。具体的には、内側チューブ(234)が、外部シース(232)及び旋回アームアセンブリ(280)に対して、近位に長手方向に平行移動すると、クランプアーム(244)がピン(245)の周りで超音波ブレード(260)に向かって回転し、内側チューブ(234)が、外部シース(232)及び旋回アームアセンブリ(280)に対して、遠位に長手方向に平行移動すると、クランプアーム(244)がピン(245)の周りで超音波ブレード(260)から離れるように回転する。
前述したように、内側チューブ(234)の遠位端は、スロット(233)内に配置されたピン(235)を介して、クランプアーム(244)の近位端と摺動可能に結合している。ピン(235)は、対応するスロット(233)内を垂直方向に平行移動するように動作可能であり、クランプアーム(244)がピン(237)の周りで上方の垂直位置(図18A〜18B)と下方の垂直位置(図18C)との間で旋回するように動作可能となっている。後でより詳細に説明するように、旋回アームアセンブリ(280)が回転することにより、クランプアーム(244)をピン(237)の周りでこのように旋回移動させ、その結果、組織がクランプパッド(246、248)と超音波ブレード(260)との間でクランプされて、組織が切断及び/又は封止される。具体的には、旋回アームアセンブリ(280)が外部シース(232)及び内側チューブ(234)に対して反時計回りに回転すると、クランプアーム(244)をピン(237)の周りで超音波ブレード(260)に向かって下方に旋回させ、旋回アームアセンブリ(280)が外部シース(232)及び内側チューブ(234)に対して時計回りに回転すると、クランプアーム(244)をピン(237)の周りで超音波ブレード(260)から離れるように上方に旋回させる。前述したように、クランプアーム(244)のこの動きはほぼ垂直方向であり、クランプアーム(244)がブレード(260)に対して垂直方向に平行移動するように見え得るようになっている。
図11及び12において最も良く分かるように、旋回アームアセンブリ(280)は、半円筒型部材(282)と、一対の細長いプレート部材(284)とを備える。細長いプレート部材(284)は、半円筒型部材(282)の近位端から、互いに平行に近位に延在し、細長いプレート部材(284)の内面間に間隙が画定されるようになっている。シャフトアセンブリ(230)は、この間隙内に収容されるように構成されており、細長いプレート部材(284)が外部シース(232)と旋回チューブ(270)の周りに少なくとも部分的に配置されるようになっている。旋回アームアセンブリ(280)は、細長いプレート部材(284)の遠位部に形成された一対のピンホール(285)を更に含んでいる。図14において最も良く分かるように、外部シース(232)は、外部シース(232)の外面から横断するように延在する一対のピン(237)を備える。ピン(237)は、細長いプレート部材(284)のピンホール(285)内に旋回可能に収容されるように構成されており、旋回アームアセンブリ(280)が外部シース(232)と旋回可能に結合されるように、また旋回アームアセンブリ(280)が外部シース(232)のピン(237)の周りで回転するように動作可能であるようになっている。図8において最も良く分かるように、旋回アームアセンブリ(280)は外部シース(232)と結合されており、半円筒型部材(282)が外部シース(232)の最上面に隣接して位置するようになっている。半円筒型部材(282)の近位部は、旋回アームアセンブリ(280)がピン(237)の周りで回転すると、少なくとも一部の外部シース(232)が半円筒型部材(282)内に収容され得るように、その中に形成されている半円形の凹部(283)を備える。
旋回アームアセンブリ(280)は、細長いプレート部材(284)の近位部に形成された一対のスロット(287)を更に含んでいる。図13において最も良く分かるように、旋回チューブ(270)は、旋回チューブ(270)の外面から延在する一対のピン(272)を備える。ピン(272)は、細長いプレート部材(284)のスロット(287)内に摺動可能及び旋回可能に収容されており、旋回アームアセンブリ(280)が旋回チューブ(270)と旋回可能及び摺動可能に結合されるようになっている。図12において最も良く分かるように、スロット(287)は、遠位部(287A)、近位部(287C)、及び中間部分(287B)を含んでいる。部分(287A、287B、287C)によって全体として、くの字形構成が得られる。遠位部(287A)は、細長いプレート部材(284)の最上部に形成され、また細長いプレート部材(284)の長手方向軸に対してわずかに斜めに角度が付けられており、後でより詳細に説明するように、旋回アームアセンブリ(280)が同様の角度に配向された状態で、遠位部(287A)が実質的に水平方向にあるようになっている。近位部(287C)は、細長いプレート部材(284)の最下部に形成され、またやはり、細長いプレート部材(284)の長手方向軸に対してわずかに斜めに角度が付けられており、後でより詳細に説明するように、旋回アームアセンブリ(280)が同様の角度に配向された状態で、近位部(287C)が実質的に水平方向にあるようになっている。最後に、中間部分(287B)も細長いプレート部材(284)の長手方向軸に対して斜めに角度が付けられており、遠位部(287A)の近位端と近位部(287C)の遠位端との間の角度の移行をもたらしている。
後でより詳細に説明するように、旋回チューブ(270)は、外部シース(232)及びハンドルアセンブリ(220)に対して、外部シース(232)の周りで長手方向に平行移動するように動作可能で、スロット(287)内でピン(272)を平行移動させ、その結果、外部シース(232)のピン(237)の周りで旋回アームアセンブリ(280)が選択的に回転する。具体的には、外部シース(232)及びハンドルアセンブリ(220)に対して旋回チューブ(270)が近位に長手方向に平行移動すると、外部シース(232)のピン(237)の周りで旋回アームアセンブリ(280)が反時計回りに回転し、外部シース(232)及びハンドルアセンブリ(220)に対して旋回チューブ(270)が遠位に長手方向に平行移動すると、外部シース(232)のピン(237)の周りで旋回アームアセンブリ(280)が時計回りに回転する。
旋回アームアセンブリ(280)は、半円筒型部材(282)の遠位端から遠位に延在する突起部(286)を更に備える。クランプアーム(244)は、ピン(245)を介して旋回アームアセンブリ(280)の突起部(286)と旋回可能に結合されており、前述したように、旋回アームアセンブリ(280)が外部シース(232)のピン(237)の周りで回転すると、クランプアーム(244)がスロット(233)内でほぼ又はほとんど垂直方向に平行移動するようになっている。具体的には、旋回アームアセンブリ(280)が外部シース(232)のピン(237)の周りで反時計回りに回転すると、クランプアーム(244)が、ほぼ又はほとんど垂直方向に下方に超音波ブレード(260)に向かって平行移動し、旋回アームアセンブリ(280)が外部シース(232)のピン(237)の周りで時計回りに回転すると、クランプアーム(244)が、ほぼ又はほとんど垂直方向に上方に超音波ブレード(260)から離れるように平行移動する。したがって、外部シース(232)及びハンドルアセンブリ(220)に対して旋回チューブ(270)が近位に長手方向に平行移動することによって、外部シース(232)のピン(237)の周りで旋回アームアセンブリ(280)が反時計回りに回転し、その結果、クランプアーム(244)は、ほぼ又はほとんど垂直方向に下方に超音波ブレード(260)に向かって平行移動し、また外部シース(232)及びハンドルアセンブリ(220)に対して旋回チューブ(270)が遠位に長手方向に平行移動することによって、外部シース(232)のピン(237)の周りで旋回アームアセンブリ(280)が時計回りに回転し、その結果、クランプアーム(244)は、ほぼ又はほとんど垂直方向に上方に超音波ブレード(260)から離れるように平行移動することを理解されたい。この場合もやはり、クランプアーム(244)は実際にはピン(237)の周りで旋回していることから、クランプアーム(244)の移動は正確に垂直方向ではないが、ピン(237)はクランプアーム(244)の近位に非常に離間して配置されていることから、動きは垂直方向のように見える場合がある。
図16に示すように、トリガ(228)は、ピン(223A)を介してハンドルアセンブリ(220)に旋回可能に結合されており、トリガ(228)がピン(223A)の周りで回転するように動作可能となっている。後に詳細に説明するように、トリガ(228)は、リンケージ(229)を介してヨーク(225)に結合されており、トリガ(228)がピン(223A)の周りで回転すると、ヨーク(225)が長手方向に平行移動するようになっている。リンケージ(229)の第1の端部(229A)は、ピン(223B)を介して、トリガー(228)の近位部分と回転可能に結合されている。リンケージ(229)の第2の端部(229B)は、ピン(223C)介して、ヨーク(225)の近位部分と回転可能に結合されている。ピン(223C)が、ヨーク(225)の近位部分及びリンケージ(229)の第2の端部(229B)を完全に通過することにより、ピン(223C)の端部は、ヨーク(225)の両側から延在している。ピン(223C)のこれらの端部は、ハンドルアセンブリ(220)の本体(222)の内面に形成されたスロット(図示せず)内に摺動可能及び回転可能に配置されている。ピン(223D)は、ヨーク(225)の遠位端部を完全に通過して、ピン(223D)の端部は、ヨーク(225)の両側から延在している。ピン(223D)のこれらの端部は、本体(222)の内面に形成されたスロット内に摺動可能及び回転可能に配置されている。ピン(223C、223D)はこうして、本体(222)のこれらのスロット内を長手方向に平行移動するように構成されている。ピン(223C、223D)のこの摺動性によって、ヨーク(225)が本体(222)内を近位の長手方向位置と遠位の長手方向位置との間で長手方向に平行移動することが可能となっている。トリガ(228)の近位部はリンケージ(229)を介してヨーク(225)に結合されているため、トリガ(228)がピストルグリップ(224)に向かって、かつそれから離れて旋回すると、ヨーク(225)が本体(222)内を長手方向に平行移動する。具体的には、トリガ(228)がピストルグリップ(224)に向かって旋回すると、ヨーク(225)が近位に長手方向に平行移動し、またトリガ(228)がピストルグリップ(224)から離れるように旋回すると、ヨーク(225)が遠位に長手方向に平行移動する。
ヨーク(225)の遠位部が旋回チューブ(270)のフランジ(274)と嵌合しており、ヨーク(225)が長手方向に平行移動すると、同時に旋回チューブ(270)が長手方向に平行移動するようになっている。ヨーク(225)の遠位部は更に、内側チューブ(234)の一体型のフランジ(276)と、ヨーク(225)と内側チューブ(234)のフランジ(276)との間に配置された複数の波ばね(241)を介して嵌合しており、ヨーク(225)が長手方向に平行移動すると、同時に旋回チューブ(270)が長手方向に平行移動するようになっている。上で論じたように、内側チューブ(234)は、外側シース(232)内で長手方向に平行移動可能であり、これにより、内側チューブ(234)は、ヨーク(225)と同時に長手方向に平行移動するように構成されている。また前述したように、旋回チューブ(270)は外部シース(232)の周りで長手方向に平行移動可能であり、旋回チューブ(270)がヨーク(225)と同時に長手方向に平行移動するように構成されている。更に、トリガ(228)がピストルグリップ(224)に向かって旋回すると、ヨーク(225)が近位に長手方向に平行移動するため、トリガ(228)がピストルグリップ(224)に向かって旋回すると、外部シース(232)及びハンドルアセンブリ(220)に対して、内側チューブ(234)及び旋回チューブ(270)が近位に長手方向に平行移動することを理解されたい。同様に、トリガ(228)がピストルグリップ(224)から離れるように旋回すると、ヨーク(225)が遠位に長手方向に平行移動するため、トリガ(228)がピストルグリップ(224)から離れるように旋回すると、外部シース(232)及びハンドルアセンブリ(220)に対して、内側チューブ(234)及び旋回チューブ(270)が遠位に長手方向に平行移動することを理解されたい。前述したように、内側チューブ(234)が長手方向に平行移動すると、クランプアーム(244)がブレード(260)に向かって、かつそれから離れて回転するため、トリガ(228)がピストルグリップ(224)に向かって旋回すると、クランプアーム(244)は超音波ブレード(260)に向かって移動することを理解されたい。同様に、トリガ(228)がピストルグリップ(224)から離れるように旋回すると、クランプアーム(244)が超音波ブレード(260)から離れる。最後に、前述したように、旋回チューブ(270)が長手方向に平行移動すると、旋回アームアセンブリ(280)が回転するため、トリガ(228)がピストルグリップ(224)に向かって旋回すると、旋回アームアセンブリ(280)はピン(237)の周りで反時計回りに回転することを理解されたい。同様に、トリガ(228)がピストルグリップ(224)から離れるように旋回すると、旋回アームアセンブリ(280)がピン(237)の周りで時計回りに回転する。
しかし、後でより詳細に説明するように、内側チューブ(234)が長手方向に平行移動すると、ピン(231)(外部シース(232)を介してシャフトアセンブリ(230)内に導波管(202)を固定する)によって制限されており、トリガ(228)がピストルグリップ(224)に向かって所定の点を越えて旋回しても、内側チューブ(234)は近位に長手方向に平行移動しないようになっている。具体的には、ピン(231)は、内側チューブ(234)内に形成された長手方向のスロット(239)を通っているため(図10に最も良く見られる)、内側チューブ(234)はスロット(239)の長さを超えないで平行移動するように動作可能である。
いくつかの変形例では、1つ又は2つ以上の弾性部材を用いて、クランプアーム(244)、旋回アームアセンブリ(280)、及び/又はトリガ(228)を図7に示す開位置まで付勢する。例えば、図16において最も良く分かるように、ばね(236)が、ハンドルアセンブリ(220)の本体(222)の近位端内に位置する。ばね(236)は、本体(222)及びヨーク(225)の近位端を圧迫することによって、ヨーク(225)を遠位位置に向かって付勢する。ヨーク(225)を遠位位置に向かって付勢すると、内側チューブ(234)及び旋回チューブ(270)が遠位に付勢されて、更にトリガ(228)がピストルグリップ(224)から離れるように付勢される。
図17A〜19Cは、器具(200)の動作を示す。図17Aは、エンドエフェクタ(240)及びシャフトアセンブリ(270)が初期位置にある状態を示す。この位置では、内側チューブ(234)は、外部シース(232)及びハンドルアセンブリ(220)に対して遠位の長手方向位置にあり、クランプアーム(244)が開位置にあるようになっている。またこの初期位置において、旋回チューブ(270)は、外部シース(232)及びハンドルアセンブリ(220)に対して遠位の長手方向位置にあって、ピン(272)がスロット(287)の遠位部(287A)の遠位端内に位置して旋回アームアセンブリ(280)が最初の回転位置にあるようになっている。図18Aにおいて最も良く分かるように、旋回アームアセンブリ(280)が第1の回転位置にある状態で、クランプアーム(244)のピン(235)は、内側チューブ(234)のスロット(233)内で上方の垂直位置にある。
図19Aは、シャフトアセンブリ(230)及びハンドルアセンブリ(220)が初期位置にある状態を示す。この位置では、トリガ(228)は、ピストルグリップ(224)から離れた第1の回転位置にあり、ヨーク(225)が、遠位の長手方向位置にあるようになっている。トリガ(228)をピストルグリップ(224)に向けて第2の回転位置まで回転させると、ヨーク(225)は、図19Bに示されるように、長手方向に近位に平行移動する。前述したように、ヨーク(225)が近位に長手方向に平行移動すると、内側チューブ(234)及び旋回チューブ(270)が、外部シース(232)に対して、またハンドルアセンブリ(220)に対して、近位に長手方向に平行移動する。旋回チューブ(270)を、トリガ(228)を第1の回転位置(図19A)から第2の回転位置(図19B)に回転させることによって、長手方向に近位に平行移動させると、旋回チューブ(270)のピン(272)はスロット(287)内を遠位部(287A)の遠位端から遠位部(287A)の近位端に平行移動する。図17Aに示すように、また前述したように、遠位部(287A)は細長いプレート部材(284)に対してわずかに角度が付けられており、遠位部(287A)が第1の回転位置において旋回アームアセンブリ(280)と実質的に水平方向にあるようになっている。したがって、トリガ(228)が第1の移動範囲にわたって第1の回転位置(図19A)から第2の回転位置(図19B)に回転することによって旋回チューブ(270)を長手方向に近位に平行移動させると、ピン(272)は、旋回アームアセンブリ(280)を実質的に回転させることなく、スロット(287)の遠位部(287A)内で平行移動することを理解されたい。旋回アームアセンブリ(280)が回転すると、クランプアーム(244)はほぼ又はほとんど垂直方向に平行移動するため、トリガ(228)が第1の移動範囲にわたって第1の回転位置(図19A)から第2の回転位置(図19B)に回転するとき、クランプアーム(244)は内側チューブ(234)のスロット(233)内の上方の垂直位置に留まっていることを理解されたい。
内側チューブ(234)を、トリガ(228)を第1の回転位置(図19A)から第2の回転位置(図19B)に回転させることによって、長手方向に近位に平行移動させると、内側チューブ(234)によってクランプアーム(244)が超音波ブレード(260)に向かって旋回して、部分的に閉じた又は「封止のみ」位置になる。この「封止のみ」位置では、クランプアーム(244)は、ブレード(260)と実質的に平行に配向されている。前述したように、クランプアーム(244)は内側チューブ(234)のスロット(233)内の上方の垂直位置に留まっているため、間隙(G)は、図18Bにおいて最も良く分かるように、クランプパッド(246、248)とブレード(260)との間に残っている。クランプパッド(246、248)とブレード(260)との間の間隙(G)は、クランプアーム(244)とブレード(260)との間に捕捉された組織に印加されるクランプ圧力を最小限にするように構成されており、ブレード(260)が組織を封止又は溶接するがこの位置では組織を切断しないように動作するようになっている。ハンドルアセンブリ(220)、シャフトアセンブリ(230)、及び/又はエンドエフェクタ(240)には、特徴部として、触覚又は聴覚のフィードバックを操作者に与えて、クランプアーム(244)がこの「封止のみ」位置に到達したという信号を送るように構成された特徴部が含まれていてもよいことを理解されたい。更に、トリガ(228)を第1の移動範囲にわたって第1の回転位置(図19A)から第2の回転位置(図19B)に回転させることによって、内側チューブ(234)は長手方向に近位に平行移動するため、ピン(231)は、内側チューブ(234)のスロット(239)内でスロット(239)の近位端からスロット(239)の遠位端まで平行移動して、内側チューブ(234)が更に近位に平行移動するようには動作不可能であるようになっている。こうして、内側チューブ(234)は、更に長手方向に近位に平行移動するようには動作不可能であるため、クランプアーム(244)は、この段階では、更に超音波ブレード(260)に向けて旋回するようには動作不可能であることを理解されたい。また、波ばね(241)は、ヨーク(225)が更に長手方向に平行移動することに適応することを理解されたい。
トリガ(228)を更に、ピストルグリップ(224)に向けて第2の移動範囲にわたって第3の回転位置まで回転させると、ヨーク(225)は、図19Cに示されるように、更に長手方向に近位に平行移動する。更に、ヨーク(225)が近位に長手方向に平行移動すると、旋回チューブ(270)が、外部シース(232)及びハンドルアセンブリ(220)に対して、更に近位に長手方向に平行移動する。旋回チューブ(270)が更に長手方向に近位に平行移動すると、ピン(272)が遠位部(287A)の近位端と近位部(287C)の遠位端との間のスロット(287)の中間部分(287B)内を近位に平行移動する。ピン(272)がスロット(287)内を平行移動すると、旋回アームアセンブリ(280)は、図17Cに示されるように、ピン(237)の周りで反時計回りに回転して、第2の回転位置にくる。旋回アームアセンブリ(280)を、ピン(237)の周りで反時計回りに回転させると、クランプアーム(244)は、ピン(235)が内側チューブ(234)のスロット(233)内を下方に移動して完全に閉じた又は「切断及び封止」位置になるため、ほぼ又はほとんど垂直方向に下方に平行移動して下方の垂直位置になる。具体的には、クランプアーム(244)(ブレード(260)と実質的に平行に配向されたままである)を、ほぼ又はほとんど垂直方向に下方にブレード(260)に向けて平行移動させて、クランプアーム(244)とブレード(260)との間に捕捉された組織に印加される圧力を増加させて、ブレード(260)は、実質的に同時に組織の切断と封止又は溶接とを行うように動作可能となっている。ハンドルアセンブリ(220)、シャフトアセンブリ(230)、及び/又はエンドエフェクタ(240)には、特徴部として、触覚又は聴覚のフィードバックを操作者に与えて、クランプアーム(244)がこの「封止及び切断」位置に到達したという信号を送るように構成された特徴部が含まれていてもよいことを理解されたい。
図17Cに示すように、また前述したように、近位部(287C)は細長いプレート部材(284)に対してわずかに角度が付けられており、近位部(287C)が第2の回転位置において旋回アームアセンブリ(280)と実質的に水平方向にあるようになっている。したがって、旋回チューブ(270)を、トリガ(228)を第3の回転位置(図19C)を越えて回転させることによって更に長手方向に近位に平行移動させると、ピン(272)は、旋回アームアセンブリ(280)を実質的に回転させることなく、スロット(287)の近位部(287C)内を平行移動することを理解されたい。旋回アームアセンブリ(280)が回転すると、クランプアーム(244)が垂直方向に平行移動するため、トリガ(228)が第3の回転位置(図19C)を越えて回転しても、クランプアーム(244)は下方の垂直位置に留まることを理解されたい。
操作者がトリガ(228)上でそのグリップを緩めるか又は他の方法でトリガ(228)をグリップ(224)から離れるように動かすと、トリガ(228)は、最終的に図19Aに示す位置に戻ってもよい。トリガ(228)がこの移動範囲にわたって移動すると、旋回アームアセンブリ(280)が、時計回りに回転して図17Cに示す位置から図17Bに示す位置に戻り、クランプアーム(244)を図18Cに示す下方の位置から図18Bに示す上方の位置に戻す。加えて、内側チューブ(234)が図17B〜17Cに示す位置から図17Aに示す位置まで遠位に平行移動すると、クランプアーム(244)は、図18Aに示す完全開位置まで戻る。
B.旋回アームが短縮化された例示的な超音波外科器具
図20は、シャフトアセンブリ(230)及びエンドエフェクタ(240)の代わりに、器具(200)内に容易に組み込まれ得る例示的なシャフトアセンブリ(330)及びエンドエフェクタ(340)を示す。シャフトアセンブリ(330)及びエンドエフェクタ(340)は、後述する違いを除いて、前述したシャフトアセンブリ(230)及びエンドエフェクタ(240)と実質的に同様に動作するように構成されている。具体的には、シャフトアセンブリ(330)及びエンドエフェクタ(340)は、エンドエフェクタ(340)のクランプアーム(344)と超音波ブレード(360)との間で組織を選択的にクランプするように構成され、「封止のみ」動作では、ブレード(360)は組織を切断することなく組織を封止又は溶接するように動作可能で、「切断及び封止」動作では、ブレード(360)は実質的に同時に組織を切断して組織を封止又は溶接するように動作可能である。
本実施例のシャフトアセンブリ(330)は、外部シース(332)、内側チューブ(334)、旋回チューブ(370)、及び旋回アームアセンブリ(380)を備える。内側チューブ(334)は、外部シース(332)内に摺動可能に配置されている。前述したシャフトアセンブリ(230)と同様に、内側チューブ(334)は、外部シース(332)に対して外部シース(332)内を長手方向に平行移動して、クランプアーム(344)をブレード(360)に向かって、かつそれから離れて選択的に旋回させるように動作可能である。旋回チューブ(370)は、外部シース(332)の周りで摺動可能に配置されており、旋回チューブ(370)が外部シース(332)に対して外部シース(332)の周りで長手方向に平行移動するように動作可能となっている。旋回アームアセンブリ(380)は、外部シース(332)と旋回可能に結合されている。旋回アームアセンブリ(380)は、更に旋回チューブ(370)と旋回可能及び摺動可能に結合されている。しかしながら、本実施例の旋回チューブ(370)は、前述した旋回チューブ(270)よりも実質的に長く、本実施例の旋回アームアセンブリ(380)は、前述した旋回アームアセンブリ(280)よりも実質的に短い。こうして、旋回アームアセンブリ(380)は、シャフトアセンブリ(230)の遠位端において旋回チューブ(370)と結合されている。前述した旋回チューブ(270)と同様に、旋回チューブ(370)は、外部シース(332)に対して外部シース(332)の周りで長手方向に平行移動して、旋回アームアセンブリ(380)を外部シース(332)の周りで選択的に回転させるように動作可能で、その結果、内側チューブ(334)の遠位端内に形成されたスロット(333)を介して、クランプアーム(344)をほぼ又はほとんど垂直方向にブレード(360)に向かって、かつそれから離れて平行移動させる。前述したシャフトアセンブリ(230)及びエンドエフェクタ(240)と同様に、クランプアーム(344)を回転させることと、ブレード(360)に対してほぼ又はほとんど垂直方向に平行移動させることとを組み合わせることは、器具(300)を「封止のみ」動作と「切断及び封止」動作との間で選択的に変えるように構成されていることを理解されたい。
本実施例のエンドエフェクタ(340)は、クランプアーム(344)と、超音波ブレード(360)とを備える。クランプアーム(344)は、主クランプパッド(346)及び副クランプパッド(348)を含んでおり、これらは、クランプアーム(344)の下面に固定されて、ブレード(360)に面している。クランプアーム(344)は、ブレード(360)に向かって、かつそれから離れて選択的に旋回して、クランプパッド(346、348)とブレード(360)との間の組織を選択的にクランプするように動作可能である。後でより詳細に説明するように、クランプアーム(344)は、ピン(345)を介して旋回アームアセンブリ(380)の遠位端と旋回可能に結合されており、クランプアーム(344)は旋回アームアセンブリ(380)の遠位端の周りで回転するように動作可能となっている。内側チューブ(334)の遠位端は、内側チューブ(334)の遠位端内に形成された対応するスロット(333)内に配置された一対のピン(335)を介して、クランプアーム(344)の近位端と回転可能及び摺動可能に結合されており、シース(332)に対して内側チューブ(334)が長手方向に平行移動すると、クランプアーム(344)が、旋回アームアセンブリ(380)の遠位端の周りで超音波ブレード(360)に向かって、かつそれから離れて回転するようになっており、その結果、組織がクランプパッド(346、348)と超音波ブレード(360)との間でクランプされて、組織が切断及び/又は封止される。具体的には、内側チューブ(334)が外部シース(332)に対して近位に長手方向に平行移動すると、クランプアーム(344)が、ピン(345)を介して旋回アームアセンブリ(380)の遠位端の周りで超音波ブレード(360)に向かって回転し、内側チューブ(334)が外部シース(332)に対して遠位に長手方向に平行移動すると、クランプアーム(344)が、ピン(345)を介して旋回アームアセンブリ(380)の遠位端の周りで超音波ブレード(360)から離れるように回転する。
前述したように、内側チューブ(334)の遠位端は、スロット(333)内に配置されたピン(335)を介してクランプアーム(344)の近位端と摺動可能に結合されており、クランプアーム(344)が、上方の垂直位置と下方の垂直位置との間のスロット(333)内を垂直方向に平行移動するように動作可能であるようになっている。後でより詳細に説明するように、旋回アームアセンブリ(380)が回転すると、クランプアーム(344)が超音波ブレード(360)に向けて垂直方向に平行移動し、その結果、組織がクランプパッド(346、348)と超音波ブレード(360)との間でクランプされて、組織が切断及び/又は封止される。具体的には、旋回アームアセンブリ(380)が外部シース(332)の周りで反時計回りに回転すると、クランプアーム(344)が超音波ブレード(360)に向かって垂直方向に下方に平行移動し、また旋回アームアセンブリ(380)が外部シース(332)の周りで時計回りに回転すると、クランプアーム(344)が超音波ブレード(360)から離れるように垂直方向に上方に平行移動する。
前述した旋回アームアセンブリ(280)と同様に、旋回アームアセンブリ(380)は、半円筒型部材(382)と、一対の細長いプレート部材(384)とを備える。細長いプレート部材(384)は、半円筒型部材(382)の近位端から近位に延在して互いに平行であり、細長いプレート部材(384)の内面間に間隙が画定されるようになっている。シャフトアセンブリ(330)は、この間隙内に収容されるように構成されており、細長いプレート部材(384)が外部シース(332)と旋回チューブ(370)の周りに少なくとも部分的に配置されるようになっている。旋回アームアセンブリ(380)は、半円筒型部材(382)の近位部に形成された一対のピンホール(385)を更に備える。外部シース(332)は、外部シース(332)の遠位端の外面から横断するように延在する一対のピン(337)を備える。ピン(337)は半円筒型部材(382)のピンホール(385)内に旋回可能に収容されており、旋回アームアセンブリ(380)が外部シース(332)の遠位端と旋回可能に結合されるように、また旋回アームアセンブリ(380)が外部シース(332)のピン(337)の周りで回転するように動作可能であるようになっている。
旋回アームアセンブリ(380)は、細長いプレート部材(384)の近位部に形成された一対のスロット(387)を更に含んでいる。旋回チューブ(370)は、旋回チューブ(370)の外面から延在する一対のピン(372)を備える。ピン(372)は、細長いプレート部材(384)のスロット(387)内に摺動可能及び旋回可能に収容されており、旋回アームアセンブリ(380)が旋回チューブ(370)と旋回可能及び摺動可能に結合されるようになっている。スロット(387)は、遠位部(387A)、近位部(387C)、及び中間部分(387B)を含んでいる。遠位部(387A)は、細長いプレート部材(384)の最上部に形成され、細長いプレート部材(384)に対してわずかに斜めに角度が付けられており、旋回アームアセンブリ(380)が同様の角度に配向された状態で、遠位部(387A)が実質的に水平方向にあるようになっている。近位部(387C)は、細長いプレート部材(384)の最下部に形成され、また細長いプレート部材(384)に対してわずかに斜めに角度が付けられており、旋回アームアセンブリ(380)が同様の角度に配向された状態で、近位部(387C)が実質的に水平方向にあるようになっている。最後に、中間部分(387B)も細長いプレート部材(384)に対して角度が付けられており、遠位部(387A)の近位端と近位部(387C)の遠位端との間の角度移行をもたらしている。前述した旋回チューブ(270)と同様に、旋回チューブ(370)は、外部シース(332)に対して外部シース(332)の周りで長手方向に平行移動するように動作可能で、スロット(387)内でピン(372)を平行移動させ、その結果、旋回アームアセンブリ(380)が外部シース(332)のピン(337)の周りで選択的に回転する。具体的には、旋回チューブ(370)が外部シース(332)に対して近位に長手方向に平行移動すると、旋回アームアセンブリ(380)が外部シース(332)のピン(337)の周りで反時計回りに回転し、旋回チューブ(370)が外部シース(332)に対して遠位に長手方向に平行移動すると、旋回アームアセンブリ(380)が外部シース(332)のピン(337)の周りで時計回りに回転する。
クランプアーム(344)は、ピン(345)を介して旋回アームアセンブリ(380)の半円筒型部材(382)の遠位端と旋回可能に結合されて、前述したように、旋回アームアセンブリ(380)が外部シース(332)のピン(337)の周りで回転すると、クランプアーム(344)がスロット(333)内でほぼ又はほとんど垂直方向に平行移動するようになっている。具体的には、旋回アームアセンブリ(380)が外部シース(332)のピン(337)の周りで反時計回りに回転すると、クランプアーム(344)が、ほぼ又はほとんど垂直方向に下方に超音波ブレード(360)に向かって平行移動し、旋回アームアセンブリ(380)が外部シース(332)のピン(337)の周りで時計回りに回転すると、クランプアーム(344)が、ほぼ又はほとんど垂直方向に上方に超音波ブレード(360)から離れるように平行移動する。したがって、外部シース(332)に対して旋回チューブ(370)が近位に長手方向に平行移動すると、旋回アームアセンブリ(380)が外部シース(332)のピン(337)の周りで反時計回りに回転し、次に、クランプアーム(344)がほぼ又はほとんど垂直方向に下方に超音波ブレード(360)に向けて平行移動し、また、外部シース(332)に対して旋回チューブ(370)が遠位に長手方向に平行移動すると、旋回アームアセンブリ(380)が外部シース(332)のピン(337)の周りで時計回りに回転し、次に、クランプアーム(344)はほぼ又はほとんど垂直方向に上方に超音波ブレード(360)から離れるように平行移動することを理解されたい。この場合もやはり、クランプアーム(344)は実際にはピン(337)の周りで旋回していることから、クランプアーム(344)の移動は正確に垂直方向ではないが、ピン(337)はクランプアーム(344)の近位に非常に離間して配置されていることから、動きは垂直方向のように見える場合がある。
図21に示すように、シャフトアセンブリ(330)及びエンドエフェクタ(340)は、旋回アームアセンブリ(380)が内側チューブ(334)と直接結合されるように、また旋回チューブ(370)が全く省略されるように、再構成してもよい。本実施例の内側チューブ(334)は、内側チューブ(334)の外面から延在する一対のピン(372)を備える。ピン(372)は細長いプレート部材(384)のスロット(387)内に旋回可能に収容されており、旋回アームアセンブリ(380)が内側チューブ(334)と旋回可能及び摺動可能に結合されるようになっている。前述した旋回チューブ(370)と同様に、内側チューブ(334)は、外部シース(332)に対してシース(332)内で長手方向に平行移動するように動作可能で、スロット(387)内でピン(372)が平行移動し、その結果、旋回アームアセンブリ(380)を外部シース(332)のピン(337)の周りで選択的に回転させる。具体的には、内側チューブ(334)が外部シース(332)に対して近位に長手方向に平行移動すると、旋回アームアセンブリ(380)が反時計回りに回転し、また内側チューブ(334)が外部シース(332)に対して遠位に長手方向に平行移動すると、旋回アームアセンブリ(380)が時計回りに回転する。こうして、内側チューブ(334)は、外部シース(332)に対して外部シース(332)内を長手方向に平行移動するように動作可能で、クランプアーム(344)をブレード(360)に向かって、かつそれから離れて選択的に旋回させ、またクランプアーム(344)をブレード(360)に向かって、かつそれから離れて、ほぼ又はほとんど垂直方向に平行移動させることになるべきである。具体的には、内側チューブ(334)は、外部シース(332)内を長手方向に平行移動して、第1の長手方向の移動範囲にわたって、クランプアーム(344)をブレード(360)に向かって、かつそれから離れて旋回させるように、そして、第2の長手方向の移動範囲にわたって、クランプアーム(344)をブレード(360)に向かって、かつそれから離れて、ほぼ又はほとんど垂直方向に平行移動させるように動作可能である。
図21に示すように、本実施例の内側チューブ(334)のスロット(333)は、遠位部(333A)を備える。遠位部(333A)は、内側チューブ(334)に対してわずかに斜めに角度が付けられている。内側チューブ(334)が第1の移動範囲にわたって長手方向に近位に平行移動すると、クランプアーム(344)は、ブレード(360)に向かって旋回して、ピン(372)はスロット(387)の遠位部(387A)内で平行移動する。内側チューブ(334)を、第2の長手方向の移動範囲にわたって長手方向に近位に更に平行移動させると、クランプアーム(344)は、ピン(372)がスロット(387)の中間部分(387B)内で平行移動するときに行われ、その結果、旋回アーム(360)が反時計回りに回転するため、スロット(333)内を、遠位部(333A)内にブレード(360)に向かって、ほぼ又はほとんど垂直方向に下方に平行移動する。クランプアーム(344)が、スロット(333)内を遠位部(333A)までほぼ又はほとんど垂直方向に下方に平行移動すると、遠位部(333A)によって、クランプアーム(344)を更に回転させることなく、内側チューブ(334)を近位に長手方向に平行移動させることが可能になる。
前述したことから、器具(200)に、図6〜19Cのシャフトアセンブリ(230)及びエンドエフェクタ(240)、図20のシャフトアセンブリ(330)及びエンドエフェクタ(340)、又は図21のシャフトアセンブリ(330)及びエンドエフェクタ(340)が組み込まれているか否かに関係なく、器具(200)は、トリガ(228)を第1の移動範囲にわたってグリップ(224)に向けて旋回させたときに「封止のみ」モードで動作してもよく、そして、トリガ(228)を第2の移動範囲にわたってグリップ(224)に向けて更に旋回させたときに「切断及び封止」モードで動作してもよいことを理解されたい。このため、器具(200)は、グリップ(224)に対するトリガ(228)の特定の旋回位置に基づいて、「封止のみ」モード又は「切断及び封止」モードのいずれかである。いくつかの変形例では、器具(200)は「封止のみ」モードから「切断及び封止」モードに、実質的にシームレスなやり方で移行しており、ユーザは、第1の移動範囲が終了した後に第2の移動範囲にわたってトリガ(228)をグリップ(224)に向けて自由に連続して旋回させ続けることができるようになっている。いくつかの他の変形例では、器具(200)は、1つ若しくは2つ以上のデテント及び/又は他の特徴部であって、第1の移動範囲から第2の移動範囲への移行を示す(更に「封止のみ」モードから「切断及び封止」モードへの移行を示すであろう)触覚、可聴、及び/又は視覚のフィードバックを与えるように動作する特徴部を含んでいてもよい。
加えて又は代替的に、器具(200)は、トリガ(228)が第1の移動範囲が終了した後に第2の移動範囲にわたって移動することができるために更なる操作者入力を必要とするロックアウト特徴部を含んでいてもよい。あくまで一例として、器具(200)は、第1の移動範囲の終わりにおいてトリガ(228)が更に旋回移動することを効果的にブロックしてもよく、また、トリガ(228)を解除し、その結果、トリガ(228)が第2の移動範囲にわたって移動することが可能とするために、操作者が更なるトリガ又はボタンなどを押すことを必要としてよい。いくつかの変形例では、ハンドルアセンブリ(220)は、器具(200)を2つの状態間で移行させるように動作可能なトグルボタンを含んでいる。いくつかのこのような変形例では、トリガ(228)は、第1の状態において第1の移動範囲にわたって旋回することができるだけである。第1の移動範囲の端部に到達すると、トリガ(228)は、更に旋回することがブロックされてもよい。操作者がトグルボタンを起動させると、ブロックが取り外されて、トリガ(228)が第1の移動範囲と第2の移動範囲との両方にわたって自由に移動し得るようになる。器具(200)が「封止のみ」モードから「切断及び封止」モードへと移行し得る他の好適な方法は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかである。
C.平行移動可能なスレッドを伴う例示的な超音波外科器具
図22〜23Bは、シャフトアセンブリ(230)及びエンドエフェクタ(240)の代わりに、器具(200)内に容易に組み込まれ得る例示的な代替的なシャフトアセンブリ(430)及びエンドエフェクタ(440)を示す。シャフトアセンブリ(430)及びエンドエフェクタ(440)は、後述する違いを除いて、前述したシャフトアセンブリ(230、330)及びエンドエフェクタ(240、340)と実質的に同様に動作するように構成されている。具体的には、シャフトアセンブリ(430)及びエンドエフェクタ(440)は、エンドエフェクタ(440)のクランプアーム(444)と超音波ブレード(460)との間で組織を選択的にクランプするように構成され、「封止のみ」動作では、ブレード(460)は組織を切断することなく組織を封止又は溶接するように動作可能で、「切断及び封止」動作では、ブレード(460)は実質的に同時に組織を切断して組織を封止又は溶接するように動作可能である。
本実施例のシャフトアセンブリ(430)は、外部シース(432)、内側チューブ(434)、旋回アーム(480)、及び平行移動可能なスレッド(490)を備える。内側チューブ(434)は、外部シース(432)内に摺動可能に配置されている。前述したシャフトアセンブリ(230、330)と同様に、内側チューブ(434)は、外部シース(432)に対して外部シース(432)内を長手方向に平行移動して、クランプアーム(444)をピン(445)の周りでブレード(460)に向かって、かつそれから離れて選択的に旋回させるように動作可能である。旋回アーム(480)は、ピン(437)を介して外部シース(432)と旋回可能に結合されている。前述した旋回アーム(280、380)と同様に、旋回アーム(480)は、外部シース(432)に対してピン(437)の周りで選択的に回転することで、クランプアーム(444)をブレード(460)に垂直方向に向かって、かつそれから離れて平行移動させるように動作可能である。したがって、前述したシャフトアセンブリ(230、330)及びエンドエフェクタ(240、340)と同様に、クランプアーム(444)を回転させることと、ブレード(460)に対してほぼ又はほとんど垂直方向に平行移動させることとを組み合わせることによって、「封止のみ」動作モードと「切断及び封止」動作モードの両方が実現されることを理解されたい。
本実施例のエンドエフェクタ(440)は、クランプアーム(444)と、超音波ブレード(460)とを備える。クランプアーム(444)は、主クランプパッド(446)及び副クランプパッド(448)を含んでおり、これらは、クランプアーム(444)の下面に固定されて、ブレード(460)に面している。クランプアーム(444)は、ブレード(460)に向かって、かつそれから離れて選択的に旋回して、クランプパッド(446、448)とブレード(460)との間の組織を選択的にクランプするように動作可能である。後でより詳細に説明するように、クランプアーム(444)は、ピン(445)を介して旋回アーム(480)の遠位端と旋回可能に結合されており、クランプアーム(444)がピン(445)を介して旋回アーム(480)の遠位端の周りで回転するように動作可能となっている。内側チューブ(434)の遠位端は、内側チューブ(434)の遠位端における対応するスロット(433)内に配置されたピン(435)を介して、クランプアーム(444)の近位端と回転可能及び摺動可能に結合されており、内側チューブ(434)が長手方向に平行移動すると、クランプアーム(444)が、旋回アーム(480)の遠位端の周りで超音波ブレード(460)に向かって、かつそれから離れて回転するようになっており、その結果、クランプパッド(446、448)と超音波ブレード(460)との間で組織がクランプされて、組織が切断及び/又は封止される。具体的には、内側チューブ(434)が外部シース(432)及びハンドルアセンブリ(420)に対して近位に長手方向に平行移動すると、クランプアーム(444)が旋回アーム(480)の遠位端においてピン(445)の周りで超音波ブレード(460)に向けて回転し、内側チューブ(434)が外部シース(432)及びハンドルアセンブリ(420)に対して遠位に長手方向に平行移動すると、クランプアーム(444)が旋回アーム(480)の遠位端においてピン(445)の周りで超音波ブレード(460)から離れるように回転する。
前述したように、内側チューブ(434)の遠位端は、スロット(433)内に配置されたピン(435)を介してクランプアーム(444)の近位端と摺動可能に結合されており、クランプアーム(444)上方の位置と下方の位置との間で回転するように動作可能となっている。後でより詳細に説明するように、旋回アーム(480)が回転すると、スロット(433)に対してピン(435)がほぼ又はほとんど垂直方向に平行移動して、その結果、組織がクランプパッド(446、448)と超音波ブレード(460)との間でクランプされて、組織が切断及び/又は封止される。具体的には、ピン(435)がスロット(433)内を下方に移動するとき、旋回アーム(480)が外部シース(432)の周りで反時計回りに回転すると、クランプアーム(444)がほぼ又はほとんど垂直方向に下方に超音波ブレード(460)に向けて平行移動し、する。また、ピン(435)がスロット(433)内を上方に移動するとき、旋回アーム(480)が外部シース(432)の周りで時計回りに回転すると、クランプアーム(444)がほぼ又はほとんど垂直方向に上方に超音波ブレード(460)から離れるように平行移動する。
本実施例の旋回アーム(480)は半円筒型部材(482)を備える。半円筒型部材(482)は内部に中空内部が形成されており、少なくとも一部の外部シース(432)が半円筒型部材(482)内に収容され得るようになっている。旋回アーム(480)はまた、半円筒型部材(482)の近位部に形成された一対のピンホール(485)を含んでいる。外部シース(432)は、外部シース(432)の外面から横断するように延在する一対のピン(437)を備える。ピン(437)は、半円筒型部材(482)のピンホール(485)内に旋回可能に収容され、旋回アーム(480)が外部シース(432)と旋回可能に結合されるように、また旋回アーム(480)が外部シース(432)のピン(437)の周りで回転するように動作可能であるようになっている。旋回アーム(480)は、外部シース(432)と結合されており、半円筒型部材(482)が外部シース(432)の最上面に隣接して位置するようになっている。
図23A及び23Bに示すように、平行移動可能なスレッド(490)は、半円筒型部材(482)の中空の内部内で、半円筒型部材(482)の内面と外部シース(432)の外部最上面との間に配置されている。スレッド(490)は、半円筒型部材(482)の中空の内部内を、近位の長手方向位置(図23A)と遠位の長手方向位置(図23B)との間で長手方向に平行移動するように構成されている。後でより詳細に説明するように、スレッド(490)が長手方向に平行移動すると、旋回アーム(480)が外部シース(432)のピン(437)の周りで回転する。具体的には、旋回チューブ(図示せず)が外部シース(432)に対して遠位に長手方向に平行移動すると、旋回アーム(480)が外部シース(432)のピン(437)の周りで反時計回りに回転する。また、旋回チューブが、外部シース(432)及びハンドルアセンブリ(420)に対して近位に長手方向に平行移動すると、旋回アーム(480)が外部シース(432)のピン(437)の周りで時計回りに回転する。旋回アーム(480)を図23Bに示す位置まで反時計回りに回転可能に付勢してもよいことを理解されたい。あくまで一例として、このような付勢は、半円筒型部材(482)の内面と外部シース(432)の外部最上面との間に置かれたコイルばね及び/又は板ばねによって、ピン(437)の周りで位置する1つ若しくは2つ以上のねじればねによって、及び/又は1つ若しくは2つ以上の他の特徴部によって与えてもよい。旋回アーム(480)を図23Bに示す位置まで反時計回りに回転可能に付勢してもよい種々の好適な方法は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかである。
旋回アーム(480)は、半円筒型部材(482)の遠位端から遠位に延在する突起部(486)を更に備える。クランプアーム(444)は、ピン(445)を介して旋回アーム(480)の突起部(486)と旋回可能に結合されており、前述したように、旋回アーム(480)が外部シース(432)のピン(437)の周りで回転すると、スロット(433)内でピン(435)がほぼ又はほとんど垂直方向に平行移動し、その結果、超音波ブレード(460)に対してクランプアーム(444)がほぼ又はほとんど垂直方向に平行移動する。具体的には、旋回アーム(480)が外部シース(432)のピン(437)の周りで反時計回りに回転すると、クランプアーム(444)がほぼ又はほとんど垂直方向に下方に超音波ブレード(460)に向けて平行移動し、また旋回アーム(480)が外部シース(432)のピン(437)の周りで時計回りに回転すると、クランプアーム(444)はほぼ又はほとんど垂直方向に上方に超音波ブレード(460)から離れるように平行移動する。したがって、外部シース(432)及びハンドルアセンブリ(420)に対してスレッド(490)が遠位に長手方向に平行移動すると、旋回アーム(480)が外部シース(432)のピン(437)の周りで反時計回りに回転し、その結果、クランプアーム(444)がほぼ又はほとんど垂直方向に下方に超音波ブレード(460)に向けて平行移動し、また、外部シース(432)及びハンドルアセンブリ(420)に対してスレッド(490)が近位に長手方向に平行移動すると、旋回アーム(480)が外部シース(432)のピン(437)の周りで時計回りに回転し、その結果、クランプアーム(444)はほぼ又はほとんど垂直方向に上方に超音波ブレード(460)から離れるように平行移動することを理解されたい。
いくつかの変形例では、スレッド(490)は、トリガ(228)と結合されており、トリガ(228)が旋回移動すると、スレッド(490)は長手方向に移動する。例えば、いくつかのこのような変形例では、トリガ(228)は、第1の移動範囲にわたって移動して、内側チューブ(434)を近位に後退させて、その結果、クランプアーム(444)を超音波ブレード(460)に向けて旋回させてもよい。スレッド(490)は、トリガ(228)のこの第1の移動範囲の間、静止したままであってもよい。トリガ(228)が第2の移動範囲にわたって移動するときに、内側チューブ(434)は静止したままでスレッド(490)が近位に駆動されて、旋回アーム(480)がクランプアーム(444)を、ほぼ又はほとんど垂直方向の直線経路に沿って超音波ブレード(460)に向かって下方に駆動するようになっていてもよい。こうして、シャフトアセンブリ(430)及びエンドエフェクタ(440)を伴う器具(200)を、グリップ(224)に対するトリガ(228)の特定の旋回位置に基づいて、「封止のみ」モード又は「切断及び封止」モードのいずれかにしてもよい。このような器具は、図6〜19Cのシャフトアセンブリ(230)及びエンドエフェクタ(240)、図20のシャフトアセンブリ(330)及びエンドエフェクタ(340)、又は図21のシャフトアセンブリ(330)及びエンドエフェクタ(340)を組み込んだ器具(200)に関して前述したものと同様に、このようなモード間で移行し得る。
更に別の単なる例示的な代替案として、いくつかの変形例では、ピストルグリップ(224)に対してトリガ(228)が旋回移動することに応じて、クランプアーム(444)がピン(445)の周りで旋回移動することのみを行ってもよい。いくつかのこのような変形例では、別個のアクチュエータ(例えば、スライダ、旋回トリガ、ボタンなど)を設けて、スレッド(490)を近位位置(図23A)と遠位位置(図23B)との間で選択的に駆動してもよい。スレッド(490)を選択的に駆動するために用いてもよい種々の好適な特徴部は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかである。同様に、シャフトアセンブリ(430)及びエンドエフェクタ(440)を組み込む器具(200)が「封止のみ」モードから「切断及び封止」モードへと移行し得る種々の好適な方法は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかである。
D.四節リンケージを伴う例示的な超音波外科器具
図24A〜24Cは、シャフトアセンブリ(230)及びエンドエフェクタ(240)の代わりに、器具(200)内に容易に組み込まれ得る別の例示的な代替的なシャフトアセンブリ(530)及びエンドエフェクタ(540)を示す。シャフトアセンブリ(530)及びエンドエフェクタ(540)は、後述する違いを除いて、前述したシャフトアセンブリ(230、330、430)及びエンドエフェクタ(240、340、440)と実質的に同様に動作するように構成されている。具体的には、シャフトアセンブリ(530)及びエンドエフェクタ(540)は、エンドエフェクタ(540)のクランプアーム(544)と超音波ブレード(560)との間で組織を選択的にクランプするように構成され、「封止のみ」動作では、ブレード(560)は組織を切断することなく組織を封止又は溶接するように動作可能で、「切断及び封止」動作では、ブレード(560)は実質的に同時に組織を切断して組織を封止又は溶接するように動作可能である。
本実施例のシャフトアセンブリ(530)は、外部シース(532)、内側チューブ(534)、旋回チューブ(570)、及び旋回アーム(580)を備える。内側チューブ(534)は、外部シース(532)内に摺動可能に配置されている。前述したシャフトアセンブリ(230、330、430)と同様に、内側チューブ(534)は、外部シース(532)に対して外部シース(532)内を長手方向に平行移動して、クランプアーム(544)をブレード(560)に向かって、かつそれから離れて選択的に旋回させるように動作可能である。旋回チューブ(570)は、外部シース(532)の周りで摺動可能に配置されており、旋回チューブ(570)が、外部シース(532)に対して外部シース(532)の周りで長手方向に平行移動するように動作可能となっている。旋回アーム(580)は、四節リンケージ(582)を介して、旋回チューブ(570)と旋回可能に結合されている。四節リンケージ(582)において二節のみを示しているが、同一の節対を旋回チューブ(570)及び旋回アーム(580)の反対側に位置させてもよいことを理解されたい。前述した旋回チューブ(270)と同様に、旋回チューブ(570)は、外部シース(532)に対して外部シース(532)の周りで長手方向に平行移動して、四節リンケージ(582)を介して、旋回アーム(580)を選択的に回転させるように動作可能であり、その結果、内側チューブ(534)の遠位端内に形成された対応するスロット(533)内に配置されたピン(535)を介して、クランプアーム(544)をブレード(560)に垂直方向に向かって、かつそれから離れて平行移動させる。ブレード(560)に対するクランプアーム(544)の回転と垂直方向の平行移動とを組み合わせることで、「封止のみ」動作モード並びに「切断及び封止」動作モードの両方が実現されることを理解されたい。
本実施例のエンドエフェクタ(540)は、クランプアーム(544)と、超音波ブレード(560)とを備える。クランプアーム(544)は、クランプアーム(544)の下面に固定されて、ブレード(560)に面している、主クランプパッド(546)と、副クランプパッド(548)とを含んでいる。クランプアーム(544)は、ピン(545)の周りでブレード(560)に向かって、かつそれから離れて選択的に旋回して、クランプパッド(546、548)とブレード(560)との間で組織を選択的にクランプするように動作可能である。後でより詳細に説明するように、クランプアーム(544)は、ピン(545)を介して旋回アーム(580)の遠位端と旋回可能に結合されており、クランプアーム(544)が旋回アーム(580)の遠位端の周りで回転するように動作可能となっている。内側チューブ(534)の遠位端は、内側チューブ(534)の遠位端内に形成された対応するスロット(533)内に配置されたピン(535)を介して、クランプアーム(544)の近位端と回転可能及び摺動可能に結合されており、内側チューブ(534)が長手方向に平行移動すると、クランプアーム(544)が旋回アーム(580)の遠位端の周りで超音波ブレード(560)に向かって、かつそれから離れて回転するようになっており、その結果、組織がクランプパッド(546、548)と超音波ブレード(560)との間でクランプされて、組織が切断及び/又は封止される。具体的には、内側チューブ(534)が外部シース(532)に対して近位に長手方向に平行移動すると、クランプアーム(544)が旋回アーム(580)の遠位端においてピン(545)の周りで超音波ブレード(560)に向けて回転し、また内側チューブ(534)が外部シース(532)に対して遠位に長手方向に平行移動すると、クランプアーム(544)が旋回アーム(580)の遠位端においてピン(545)の周りで超音波ブレード(560)から離れるように回転する。
前述したように、内側チューブ(534)の遠位端は、スロット(533)内に配置されたピン(535)を介して、クランプアーム(544)の近位端と摺動可能に結合しており、クランプアーム(544)が上方の垂直方向と下方の位置との間で移行するように動作可能となっている。後でより詳細に説明するように、旋回アーム(580)が回転すると、スロット(533)に対してピン(535)が垂直方向に平行移動して、その結果、クランプアーム(544)が組織をクランプパッド(546、348)と超音波ブレード(560)との間でクランプして、組織を切断及び/又は封止する。具体的には、旋回アーム(580)が外部シース(532)の周りで反時計回りに回転すると、クランプアーム(544)が超音波ブレード(560)に向かって垂直方向に下方に平行移動し、また旋回アーム(580)が外部シース(532)の周りで時計回りに回転すると、クランプアーム(544)が超音波ブレード(560)から離れるように垂直方向に上方に平行移動する。図24A〜24Cに示すように、内側チューブ(534)を外部シース(532)に対して長手方向に近位に平行移動させると、クランプアーム(544)は、図24Bに示されるように、「封止のみ」位置へ旋回される。旋回チューブ(570)を外部シース(532)に対して長手方向に近位に平行移動させると、四節リンケージ(582)によって、旋回アーム(580)が、シャフトアセンブリ(530)の遠位端におけるブレード(560)に向かって下方に平行移動し、その結果、クランプアーム(544)がブレード(560)に向かってスロット(533)内を「切断及び封止」位置へ垂直方向に平行移動する。旋回アーム(580)は、外部シース(532)における1つ又は2つ以上の特徴部(図示せず)によって、長手方向に近位又は遠位に移動することが制約されている。
いくつかの変形例では、旋回チューブ(570)は、トリガ(228)と結合されており、トリガ(228)が旋回移動すると、旋回チューブ(570)が長手方向に移動するようになっている。例えば、いくつかのこのような変形例では、トリガ(228)は、第1の移動範囲にわたって移動して、内側チューブ(534)を近位に後退させて、その結果、クランプアーム(544)を超音波ブレード(560)に向けて旋回させてもよい。旋回チューブ(570)は、トリガ(228)のこの第1の移動範囲の間、静止したままであってもよい。トリガ(228)が第2の移動範囲にわたって移動するときに、内側チューブ(534)が静止したままで旋回チューブ(570)が近位に駆動されて、旋回アーム(580)がクランプアーム(544)を、垂直方向の直線経路に沿って超音波ブレード(560)に向かって下方に駆動するようになっていてもよい。こうして、シャフトアセンブリ(530)及びエンドエフェクタ(540)を伴う器具(200)を、グリップ(224)に対するトリガ(228)の特定の旋回位置に基づいて、「封止のみ」モード又は「切断及び封止」モードのいずれかにしてもよい。このような器具は、図6〜19Cのシャフトアセンブリ(230)及びエンドエフェクタ(240)、図20のシャフトアセンブリ(330)及びエンドエフェクタ(340)、又は図21のシャフトアセンブリ(330)及びエンドエフェクタ(340)を組み込んだ器具(200)に関して前述したものと同様に、このようなモード間で移行し得る。
更に別の単なる例示的な代替案として、いくつかの変形例では、ピストルグリップ(224)に対してトリガ(228)が旋回移動することに応じて、クランプアーム(544)がピン(545)の周りで旋回移動することのみを行ってもよい。いくつかのこのような変形例では、別個のアクチュエータ(例えば、スライダ、旋回トリガ、ボタンなど)を設けて、遠位位置(図24A〜24B)と近位位置(図24B)との間で旋回チューブ(570)を選択的に駆動してもよい。旋回チューブ(570)を選択的に駆動するために用いてもよい種々の好適な特徴部は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかである。同様に、シャフトアセンブリ(530)及びエンドエフェクタ(540)を組み込む器具(200)が「封止のみ」モードから「切断及び封止」モードへと移行し得る種々の好適な方法は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかである。
E.更なるモード選択スイッチを伴う例示的なハンドルアセンブリ
図25は、前述したシャフトアセンブリ(230、330、430、530)及び/又はエンドエフェクタ(240、340、440、540)のいずれかとともに用いるために器具(200)内に容易に組み込まれ得る例示的な代替的なハンドルアセンブリ(620)を示す。この実施例のハンドルアセンブリ(620)は、後述する違いを除いて、前述したハンドルアセンブリ(220)と実質的に同様に動作するように構成されている。しかしながら、本実施例のハンドルアセンブリ(620)は、スイッチアセンブリ(630)を備える。スイッチアセンブリ(630)は、クランプアーム(図示せず)を、トリガ(228)によって生じる平行移動及び回転に加えて又はその代わりに、「封止のみ」動作と「切断及び封止」動作との間で垂直方向又はほぼ垂直方向に平行移動させるように構成されている。スイッチアセンブリ(630)は、近位の長手方向位置と遠位の長手方向位置との間で長手方向に平行移動可能なスライダ(632)を備える。スライダ(632)を近位の長手方向位置と遠位の長手方向位置との間で長手方向に平行移動させると、クランプアームが「封止のみ」動作と「切断及び封止」動作との間で移動する。例えば、スライダ(632)を近位に長手方向に平行移動させると、クランプアームが下方に「封止のみ」動作から「切断及び封止」動作に移動してもよく、スイッチアセンブリ(630)を遠位に長手方向に平行移動させると、クランプアームが「切断及び封止」動作から「封止のみ」動作に上方に平行移動してもよい。スライダ(632)が長手方向に移動することに応じて、クランプアームを下方に平行移動及び回転運動させるために用いてもよい種々の好適なコンポーネント及び特徴部は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかである。
1つの単なる例示的な変形として、スイッチアセンブリ(630)は、スライダ(632)が垂直方向経路に沿って移動するように構成してもよい。例えば、スイッチアセンブリ(630)によって、スライダ(632)が上方に移動することに応じて、クランプアームが超音波ブレードから離れるように上方に移動してもよく、またスライダ(632)が下方に移動することに応じて、クランプアームが超音波ブレードから離れるように下方に移動してもよい。代替的に、スイッチアセンブリ(630)によって、スライダ(632)が下方に移動することに応じて、クランプアームが超音波ブレードから離れるように上方に移動してもよく、またスライダ(632)が上方に移動することに応じて、クランプアームが超音波ブレードから離れるように下方に移動してもよい。別の単なる説明例として、ハンドルアセンブリ(620)は、モータとして、トリガ(228)及び/又はスイッチアセンブリ(630)によって垂直方向に平行移動することに加えて又はその代わりに、「封止のみ」動作と「切断及び封止」動作との間でクランプアームを移行させるように動作可能であるモータを備えてもよい。このようなモータは、例えば、ボタン(226)の1つ又は何らかの他のユーザ入力特徴部によって起動してもよい。クランプアームを「封止のみ」動作と「切断及び封止」動作との間で移行させるために設けてもよい更に他の好適な特徴部は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかである。
更に別の単なる説明例として、ハンドルアセンブリ(620)は、図26A〜26Dに示されるように、内側チューブ(634)の近位への長手方向の平行移動を選択的に制限するように動作可能なスイッチアセンブリ(640)を備えてもよい。内側チューブ(634)は、後述する違いを除いて、前述した内側チューブ(134、234、334、434、534)と実質的に同様に動作するように構成されている。具体的には、内側チューブ(634)は、外部シース(632)に対して外部シース(632)内を長手方向に平行移動して、クランプアーム(図示せず)を、超音波ブレード(図示せず)に向かって、かつそれから離れて選択的に旋回させるように動作可能である。具体的には、内側チューブ(634)が外部シース(632)に対して近位に長手方向に平行移動すると、クランプアームはブレードに向かって旋回し、内側チューブ(634)が外部シース(632)に対して遠位に長手方向に平行移動すると、クランプアームはブレードから離れるように旋回する。こうして、内側チューブ(634)が近位に長手方向に平行移動することを制限することによって、スイッチアセンブリ(640)は、クランプアームがブレードに向かって旋回することを制限することを理解されたい。
図26A〜26Dは、スイッチアセンブリ(640)の動作を示す。スイッチアセンブリ(640)は、ハンドルアセンブリ(620)の最上面に形成されたスロット(644)内に摺動可能に配置されている、スイッチ(642)を備える。後に詳細に説明するように、スイッチ(642)は、スロット(644)内で遠位位置(図26A及び26B)と近位位置(図26C及び26D)との間で摺動するように動作可能である。図26Aは、スイッチ(642)がスロット(644)内の遠位位置にある状態を示す。図26Bに示すように、内側チューブ(634)を外部シース(632)に対して長手方向に近位に平行移動させて、クランプアームをブレードに向けて旋回させ、部分的に閉じた又は「封止のみ」位置にすると、内側チューブ(634)の近位端における一体型フランジ(635)が、スイッチ(642)の遠位のアーム(646)と嵌合し、その結果、内側チューブ(634)が近位に長手方向に更に平行移動することが防止される。これによって、クランプアームがブレードに向かって更に旋回することが防止される。図26Cに示すように、スイッチ(642)をスロット(644)内で近位位置まで近位に摺動してもよい。スイッチ(642)が近位位置にある状態では、遠位のアーム(646)は、フランジ(635)が更に近位に平行移動することができるように位置付けられる。したがって、内側チューブ(634)を、図26Dに示すように、外部シース(632)に対して更に長手方向に近位に平行移動させて、クランプアームをブレードに向けて更に旋回させて、完全に閉じた又は「切断及び封止」位置にしてもよい。スイッチ(642)をスロット(644)内で遠位位置と近位位置との間の任意の所望の位置へ摺動させて、クランプアームが、部分閉位置と完全閉位置との間の任意の所望の位置へ旋回することを制限してもよいことを理解されたい。
図26A〜26Dに示す実施例のいくつかの変形では、スイッチ(642)を、旋回チューブ(例えば本明細書で説明する種々の旋回チューブ(270、370、470、570)のいずれか)を有する器具内で用いる。例えば、スイッチ(642)は、遠位のアーム(646)が旋回チューブ(270、370、470、570)の一体型の近位のフランジ(例えば、フランジ(274))に選択的に嵌合して、その結果、旋回チューブ(270、370、470、570)の近位の移動を選択的に制限するように、位置付け、かつ構成してもよい。スイッチ(642)が遠位位置にあるときに、遠位のアーム(646)は、器具が「封止のみ」モードのみで動作可能となるように、旋回チューブ(270、370、470、570)の近位の動きを制限してもよい。スイッチ(642)が近位位置にあるときに、遠位のアーム(646)は、旋回チューブ(270、370、470、570)が十分に近位に移動することを防止することによって「切断及び封止」モードでの動作を可能にしてもよい。スイッチ(642)を器具内に組み込んでもよい他の好適な方法は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかである。
F.セグメント化されたクランプアームを伴う例示的な超音波外科器具
図27A〜28Bは、シャフトアセンブリ(130、230)及びエンドエフェクタ(140、240)の代わりに、器具(100、200)内に容易に組み込まれ得る例示的な代替的なシャフトアセンブリ(730)及びエンドエフェクタ(740)を示す。この実施例のエンドエフェクタ(740)は、第1のクランプアーム(742)、第2のクランプアーム(746)、及び超音波ブレード(760)を含んでいる。第1のクランプアーム(742)は、第1の対の脚部(741)を有している。脚部(741)は、超音波ブレード(760)の近位端にまたがっており、一方の脚部(741)が超音波ブレード(760)の1つの側面に位置し、一方で他方の脚部(741)が超音波ブレード(760)の他方の側面に位置するようになっている。各脚部(741)はまた、傾斜面(743)を有している。第2のクランプアーム(742)もまた、第2の対の脚部(744)を有している。脚部(744)もまた、超音波ブレード(760)の近位端をまたがっており、一方の脚部(744)が超音波ブレード(760)の1つの側面に位置し、一方で他方の脚部(744)が超音波ブレード(760)の他方の側面に位置するようになっている。クランプアーム(746)は、クランプアーム(742)から横方向に内部に位置しており、また脚部(744)は、脚部(741)から横方向に内部に位置している。超音波ブレード(760)は、前述した超音波ブレード(160、260)と実質的に同様である。
クランプアーム(144、244)と同様に、第1のクランプアーム(742)及び第2のクランプアーム(746)はそれぞれ、超音波ブレード(760)に向かって面するクランプパッド(780、781)を含んでいる。更に、第1のクランプアーム(742)及び第2のクランプアーム(746)をトリガ(128)に結合して、第1のクランプアーム(742)及び第2のクランプアーム(746)が、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって旋回することに応じて、超音波ブレード(760)に向かって旋回可能となるようにしてもよく、また第1のクランプアーム(742)及び第2のクランプアーム(746)が、トリガ(128)がピストルグリップ(124)から離れるように旋回することに応じて、超音波ブレード(760)から離れるように旋回可能となるようにしてもよい。以下に詳細に説明するように、第1のクランプアーム(742)及び第2のクランプアーム(744)は、ともにブレード(760)に向かって第1の閉位置まで旋回して、図27B及び28Aに示すように間隙距離(d)を画定するように構成されている。更に、図27C及び28Bに示されるように、第2のクランプアーム(744)は、ブレード(760)に向かって更に旋回して第2の閉位置までくるように構成され、一方で、第1のクランプアーム(742)は、第1の閉位置に留まっている。
本実施例のシャフトアセンブリ(730)は、弾性の遠位端(737)を有する外部シース(732)と、遠位に突き出た止め具(736)を有する内側チューブ(734)と、内側チューブ(734)内に配置された導波管(702)とを備える。シャフトアセンブリ(730)は、後述する違いを除いて、前述したシャフトアセンブリ(130)と実質的に同様である。したがって、導波管(702)は、トランスデューサアセンブリ(112)からの超音波振動を超音波ブレード(760)へ伝達してもよい。
内側チューブ(134)がシャフトアセンブリ(130)の外部シース(132)内に摺動可能に配置されている一方で、本実施例の外部シース(732)は、シャフトアセンブリ(730)の内側チューブ(734)に対して摺動可能である。したがって、外部シース(732)は、内側チューブ(734)に対して長手方向に平行移動して、第1のクランプアーム(742)及び第2のクランプアーム(746)を選択的に旋回させるように動作可能である一方で、内側チューブ(734)は、静止したままである。当然のことながら、内側チューブ(734)は代替的に、外部シース(732)に対して長手方向に平行移動して、第1のクランプアーム(742)及び第2のクランプアーム(746)を選択的に旋回するように構成されていてもよい。
図28A〜28Bに示すように、第1のクランプアーム(742)は、第2のクランプアーム(746)を収容する凹部(747)を画定するように、フォーク形状である。第2のクランプアーム(746)は、凹部(747)内を垂直面に沿って自由に移動する。第1のクランプアーム(742)及び第2のクランプアーム(746)は両方とも、ピン(745)を介して、内側チューブ(734)に旋回可能に結合されている。第1のクランプアーム(742)は現時点ではフォーク形状で示しているが、第1のクランプアーム(742)を第2のクランプアーム(746)に直接隣接する単一アームとすることができることから、これは単になる任意であることに留意されたい。別の単なる説明例として、第1のクランプアーム(742)がU字形であって、「U」の湾曲部が第2のクランプアーム(746)の遠位端に対して遠位であってもよい。第1のクランプアーム(742)を形成するために用いてもよい他の好適な構成は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかである。
各第1の脚部(741)及び各第2の脚部(744)は、ピン(745)から、外部シース(732)の弾性の遠位端(737)によって画定されるそれぞれのスロット(733)に向かって、かつその中で延在している。各第2の脚部(744)は、対応する第1の脚部(741)の傾斜面(743)を超えて延在している。スロット(733)は、近位の面(738)と、遠位の面(739)とを含んでいる。外部シース(732)が遠位に平行移動すると、スロット(733)の近位の面(738)が第1の脚部(741)及び第2の脚部(744)に同時に接触して、その結果、第1のクランプアーム(742)及び第2のクランプアーム(746)を超音波ブレード(760)から離れるように回転させてもよい。
図27A〜27Bにおいて分かるように、外部シース(732)が近位に平行移動すると、スロット(733)の遠位の面(739)が第1の脚部(741)及び第2の脚部(744)と接触し得、その結果、第1のクランプアーム(742)及び第2のクランプアーム(746)を同時に超音波ブレード(760)に向けて回転させて、図27B及び28Aに示す第1の閉位置にする。クランプアーム(742、746)が図27B及び図28Aに示すように位置する状態で、スロット(733)の遠位の面(739)によって、第1の脚部(741)が強制的に止め具(736)と接触する。止め具(736)は、第1の脚部(741)が更に旋回移動することを防止するように構成されている。それにもかかわらず、止め具(736)は、第2の脚部(744)の回転を妨害しないように寸法決定されている。クランプアーム(742、746)が図27B及び図28Aに示すように位置する状態で、第2の脚部(744)を第1の脚部(741)と整合させ、クランプパッド(780、781)が互いと同一平面上になるように、また両方のクランプパッド(780、781)が超音波ブレード(760)と平行に配向されるようにする。このようにクランプアーム(742、746)を位置付けることによって、超音波ブレード(760)とクランプパッド(780、781)との間の間隙距離(d)が得られる。あくまで一例として、間隙距離(d)は、約0.025センチメートル(0.010インチ)に寸法決定されてもよい。代替的に、任意の他の好適な間隙距離(d)を設定してもよい。
間隙距離(d)は、前述した間隙(G)と同様に、クランプアーム(742、746)とブレード(760)との間に捕捉された組織に印加されるクランプ圧力を最小限にするように構成されており、ブレード(760)が組織を封止又は溶接するがこの位置では組織を切断しないように動作可能であるようになっている。ハンドルアセンブリ(120)、シャフトアセンブリ(730)、及び/又はエンドエフェクタ(740)には、特徴部として、触覚及び/又は聴覚のフィードバックを操作者に与えて、クランプアーム(742、746)がこの「封止のみ」位置に到達したという信号を送るように構成された特徴部が含まれていてもよいことを理解されたい。あくまで一例として、このようなフィードバック特徴部は、デテントなどを備えてもよい。更に又は代替的に、ハンドルアセンブリ(120)には、超音波ブレード(760)とクランプパッド(780、781)との間の間隙距離(d)と関連付けられた旋回位置にトリガ(128)を保持するロックアウトが含まれていてもよい。トリガ(128)と関連付けられたロックアウトを、更なるユーザ入力によって取り外してもよく、又は、引き込み式ピン若しくはソレノイド等のいくつかの機構若しくは手段によって自動的に制御して、外部シース(732)が更に近位に移動することを選択的に可能にしてもよい。
図27Cにおいて分かるように、外部シース(732)は、近位方向に更に平行移動してもよい。このように近位に移動する間、スロット(733)の遠位の面(739)は、第1の脚部(741)の傾斜面(743)と接触してもよい。第1の脚部(741)は、内側チューブ(734)の止め具(736)と接触することによって更に回転することが防止されているため、外部シース(732)の弾性の遠位端(737)は、第1の脚部(741)の傾斜面(743)とカム接触することによって下方に変形する。遠位の面(739)は、依然として第2のクランプアーム(746)の第2の脚部(744)と接触したままである。したがって、第2のクランプアーム(746)は、図27C及び28Bに示されるように、超音波ブレード(760)に向けて更に旋回する。この位置において、第2のクランプアーム(746)は、組織を更に圧縮して、クランプアーム(746)とブレード(760)との間に捕捉された組織に印加されるクランプ圧力を増加させるように構成されており、ブレード(760)がこの位置において組織を切断及び封止するように動作可能であるようになっている。こうして、外部シース(732)が第1の移動範囲(図27Aに示す位置から図27Bに示す位置まで)を通って近位に平行移動すると、エンドエフェクタ(740)は「封止のみ」動作モードに移行し、外部シース(732)が第2の移動範囲(図27Bに示す位置から図27Cに示す位置まで)を通って近位に平行移動すると、エンドエフェクタ(740)は「封止及び切断」動作モードに移行する。
操作者がトリガ(128)を解放したときに、外部シース(732)が遠位に平行移動してもよい。外部シース(732)がこのように遠位に動く間、遠位の面(739)は、図27A〜27Bに示すように、第1の脚部(741)の傾斜面(743)ともはや接触しなくなった時点で、弾性の遠位端(737)はその初期形状に戻ってもよい。したがって、操作者が、シャフトアセンブリ(730)を、シャフトアセンブリ(730)の構造安全性に影響することなく、図27A〜27Cに示す位置の間で複数回操作する場合がある。また、近位の面(738)は、外部シース(732)が遠位に動く間に脚部(741、744)を圧迫することによって、クランプアーム(742、746)を開位置に戻してもよいことを理解されたい。
G.摺動可能なクランプアーム止め具を伴う例示的な超音波外科器具
図29A〜29Cは、シャフトアセンブリ(130、230)及びエンドエフェクタ(140、240)の代わりに、器具(100、200)内に容易に組み込まれ得る例示的な代替的なシャフトアセンブリ(830)及びエンドエフェクタ(840)を示す。この実施例のエンドエフェクタ(840)は、旋回可能なクランプアーム(844)と、超音波ブレード(860)とを含んでいる。超音波ブレード(860)は、前述した超音波ブレード(160、260)と実質的に同様である。クランプアーム(144、244)と同様に、クランプアーム(844)は、超音波ブレード(860)に向かって面するクランプパッド(880)を含んでいる。更に、クランプアーム(844)をトリガ(128)と結合させて、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって旋回することに応じて、クランプアーム(844)が超音波ブレード(860)に向かって旋回可能となっていてもよく、かつ、クランプアーム(844)は、ピストルグリップ(124)から離れるトリガ(128)の旋回に応じて、超音波ブレード(860)から離れて旋回可能となる。
以下に詳細に説明するように、クランプアーム(844)は、ブレード(860)に向かって第1の閉位置まで旋回して、図29Cに示すように間隙距離(d)を画定するように構成されている。更に、クランプアーム(844)は、図29Bに示すように、ブレード(860)に向かって更に旋回して第2の閉位置までくるように構成されている。
シャフトアセンブリ(830)は、外部シース(832)と、外部シース(832)内に配置された内側チューブ(834)と、内側チューブ(834)内に配置された導波管(802)と、封止(804)と、クランプパッド材料(838)を伴う遠位の突起部(837)を有する可動のクランプアーム止め具(839)と、を含んでいる。シャフトアセンブリ(730)と同様に、本実施例の外部シース(832)は、シャフトアセンブリ(830)の内側チューブ(834)に対して摺動可能である。
内側チューブ(834)の遠位端によって、スロット(843)が画定される。クランプアーム(844)は、ピン(845)を介して内側チューブ(834)のスロット(843)に旋回可能に結合された脚部(846)を更に含んでいる。ピン(845)は、スロット(843)内を自由に垂直方向に平行移動する。また外部シース(832)の遠位端によって、スロット(833)が画定される。外部シース(832)のスロット(833)は、ピン(835)を介して、超音波ブレード(860)の下方のクランプアーム(844)の脚部(846)と回転可能に結合されており、内側チューブ(834)に対して外部シース(832)が長手方向に平行移動すると、クランプアーム(844)がピン(845)の周りで超音波ブレード(860)に向かって、かつそれから離れて回転するようになっており、その結果、組織をクランプアーム(844)と超音波ブレード(860)との間でクランプして、組織を切断及び/又は封止する。具体的には、内側チューブ(834)及びハンドルアセンブリ(120)に対して外部シース(832)が近位に長手方向に平行移動すると、クランプアーム(844)が超音波ブレード(860)に向かって移動し、また内側チューブ(834)及びハンドルアセンブリ(120)に対して外部シース(832)が遠位に長手方向に平行移動すると、クランプアーム(844)が超音波ブレード(860)から離れる。
可動のクランプアーム止め具(839)は、外部シース(832)、内側チューブ(834)、及び導波管(802)に対して長手方向に摺動可能である。可動のクランプアーム止め具(839)の遠位の突起部(837)は、外部シース(832)及び内側チューブ(834)を通って延在している。図29A〜29Bに示すように、可動のクランプアーム止め具(839)のクランプパッド材料(838)は、可動のクランプアーム止め具(839)が第1の位置にあるときに、導波管(802)によって画定される凹部(806)内に収まるように構成されている。可動のクランプアーム止め具(839)は、図29Cに示されるように、遠位の方向において、凹部(806)を出て第2の位置まで摺動してもよい。可動のクランプアーム止め具(839)が摺動して凹部(806)の外に出ると、クランプパッド材料(838)が導波管(802)の外径と接触する。以下に詳細に説明するように、可動のクランプアーム止め具(839)は、クランプアーム(844)がブレード(860)に対して完全に閉じることを防止するように構成されている。
図29Aは、クランプアーム(844)が開位置にある状態を示す。クランプアーム(844)が開位置にあると、外部シース(832)は、遠位位置にある。更に、ピン(845)は、スロット(843)内の上昇位置にある。可動の止め具(839)が第1の位置にあるとき、図29Bに示すように、外部シース(832)が内側チューブ(834)に対して近位に平行移動すると、クランプアーム(844)がピン(845)の周りで妨げられずに回転するため、クランプアーム(844)が完全に閉位置になる。言い換えれば、止め具(839)が第1の位置にあると、止め具(839)は、クランプアーム(844)の旋回移動を妨害しない、ピン(845)はスロット(843)内を自由に垂直方向に平行移動するため、クランプアーム(844)が回転すると、ピン(845)は、強制的に下方方向にスロット(843)の最下部まで動かされる。こうして、クランプパッド(880)は、クランプパッド(880)とブレード(860)との間の間隙を有することなく、ブレード(860)に隣接して位置する。この位置において、クランプアーム(844)は、クランプアーム(844)とブレード(860)との間に捕捉された組織に印加されるクランプ圧力によって組織を把持するように構成されており、エンドエフェクタ(840)は、この位置において組織を切断及び封止するように動作可能となっている。
前述したように、可動のクランプアーム止め具(839)は、第1の長手方向位置(クランプパッド材料(838)が凹部(806)内を延在する)から、第2の長手方向位置(クランプパッド材料(838)が導波管(802)の外径に接触する)まで平行移動してもよい。図29Cは、止め具(839)が第2の位置にある状態を示す。図29Cに示すように、可動の止め具(839)は、クランプアーム止め具(839)が第2の長手方向位置にあるときに、可動のクランプアーム止め具(839)とクランプアーム(844)の小突起(848)との間の接触を介して、クランプアーム(844)が回転する範囲を制限するように構成されている。可動のクランプアーム止め具(839)は、ピン(845)がスロット(843)の最上部と最下部との間にあるときに、小突起(848)との接触が生じるように位置付けられる。ピン(845)はスロット(843)の最上部と最下部との間に配置されているため、クランプアーム(844)及びブレード(860)によって、間隙距離(d)が画定される。
間隙距離(d)は、前述した間隙(G)と同様に、クランプアーム(844)とブレード(860)との間に捕捉された組織に印加されるクランプ圧力を最小限にするように構成されており、ブレード(860)が組織を封止又は溶接するがこの位置では組織を切断しないように動作可能であるようになっている。したがって、可動のクランプアーム止め具(839)の箇所に応じて、クランプアーム(844)を閉じることで組織を把持して、ブレード(860)が組織を封止のみするか又は組織を切断及び封止するように動作可能となっていてもよい。任意の好適なユーザ入力特徴部を用いて止め具(839)を第1と第2の位置との間で駆動してもよいことを理解されたい。止め具(839)を第1及び第2の位置間で駆動するために用いてもよい種々の好適な特徴部は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかである。
H.回転可能なクランプアーム止め具を伴う例示的な超音波外科器具
図30A〜31Bは、シャフトアセンブリ(130、230)及びエンドエフェクタ(140、240)の代わりに、器具(100、200)内に容易に組み込まれ得る別の例示的な代替的なシャフトアセンブリ(930)及びエンドエフェクタ(940)を示す。この実施例のエンドエフェクタ(940)は、旋回可能なクランプアーム(944)と、超音波ブレード(960)とを含んでいる。超音波ブレード(960)は、前述した超音波ブレード(160、260)と実質的に同様である。クランプアーム(144、244)と同様に、クランプアーム(944)は、超音波ブレード(960)に向かって面するクランプパッド(980)を含んでいる。更に、クランプアーム(944)をトリガ(128)と結合させてもよく、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって旋回することに応じて、クランプアーム(944)が超音波ブレード(960)に向かって旋回可能となり、かつ、クランプアーム(944)は、ピストルグリップ(124)から離れるトリガ(128)の旋回に応じて、超音波ブレード(960)から離れて旋回可能となる。
以下に詳細に説明するように、クランプアーム(944)は、ブレード(960)に向かって第1の閉位置まで旋回して、図30Cに示すように間隙距離(d)を画定するように構成されている。更に、クランプアーム(944)は、図30Bに示されるように、ブレード(960)に向かって更に旋回して第2の閉位置までくるように構成されている。
シャフトアセンブリ(930)は、外部シース(892)と、外部シース(932)内に配置された内側チューブ(934)と、内側チューブ(934)内に配置された導波管(902)と、封止(804)と、導波管(902)に固定されたクランプアーム止め具(906)と、を含んでいる。具体的には、クランプアーム止め具(906)は、導波管(902)から横方向に単一で延在する突起部の形態である。シャフトアセンブリ(730、830)と同様に、本実施例の外部シース(932)は、シャフトアセンブリ(930)の内側チューブ(934)に対して摺動可能である。また外部シース(932)は、クランプアーム(944)が閉位置まで回転したときに、クランプアーム(944)の小突起(948)を収容するような大きさである、横方向の開口部(936)を含んでいる。
内側チューブ(934)の遠位端によって、スロット(943)が画定される。クランプアーム(944)の脚部(946)は、ピン(945)を介して内側チューブ(934)のスロット(943)に旋回可能に結合されている。ピン(945)は、スロット(943)内を自由に垂直方向に平行移動する。外部シース(932)の遠位端によって、スロット(933)が画定される。外部シース(932)のスロット(933)は、ピン(935)を介して、超音波ブレード(960)の下方のクランプアーム(944)の脚部(946)と回転可能に結合されており、内側チューブ(934)に対して外部シース(932)が長手方向に平行移動すると、クランプアーム(944)がピン(945)の周りで超音波ブレード(960)に向かって、かつそれから離れて回転するようになっており、その結果、組織をクランプアーム(944)と超音波ブレード(960)との間でクランプして、組織を切断及び/又は封止する。具体的には、内側チューブ(934)及びハンドルアセンブリ(120)に対して外部シース(932)が近位に長手方向に平行移動すると、クランプアーム(944)が超音波ブレード(960)に向かって移動し、また内側チューブ(934)及びハンドルアセンブリ(120)に対して外部シース(932)が遠位に長手方向に平行移動すると、クランプアーム(944)が超音波ブレード(960)から離れる。
クランプアーム止め具(906)は、導波管(902)に沿って固定されており、クランプアーム止め具(960)が開口部(936)と長手方向に整合されるようになっている。図31A〜31Bに示すように、導波管(902)は、それ自体の長手方向軸の周りで回転してもよい。導波管(902)が回転すると、クランプアーム止め具(906)は、図30C及び31Bに示すように、開口部(936)に隣接して、又は、図30A及び31Aに示すように、横方向の開口部(936)から離れて、位置付けることが可能になる。以下に詳細に説明するように、可動のクランプアーム止め具(906)は、導波管(902)の角度位置に基づいて、クランプアーム(944)がブレード(960)に対して完全に閉じることを防止するように構成されている。
図30Aは、クランプアーム(944)が開位置にある状態を示す。クランプアーム(944)が開位置にあると、外部シース(932)は、遠位位置にある。更に、ピン(945)は、スロット(943)内の上昇位置にある。クランプアーム止め具(906)が、開口部(936)とは反対方向を向く位置にあるとき、図30B及び31Aに示すように、外部シース(932)が内側チューブ(934)に対して近位に平行移動すると、クランプアーム(944)がピン(945の周りで妨げられずに回転するため、クランプアーム(944)が完全に閉位置になる。言い換えれば、止め具(906)が第1の位置にあると、止め具(906)は、クランプアーム(944)の旋回移動を妨害しない。ピン(945)はスロット(943)内を自由に垂直方向に平行移動するため、クランプアーム(944)が回転すると、ピン(945)は、強制的に下方方向へスロット(943)の最下部まで動かされる。こうして、クランプパッド(980)は、クランプパッド(980)とブレード(960)との間の間隙を有することなく、ブレード(960)に隣接して位置する。この位置において、クランプアーム(944)は、クランプアーム(944)とブレード(960)との間に捕捉された組織に印加されるクランプ圧力によって組織を把持するように構成されており、エンドエフェクタ(940)は、この位置において組織を切断及び封止するように動作可能となっている。
前述したように、導波管(902)は、導波管(902)の長手方向軸の周りで、第1の角度位置(図30A〜30B)と第2の角度位置(図30C)との間で回転してもよい。導波管(902)が第1の角度位置にある状態では、止め具(906)は、開口部(936)から離れるように面している。導波管(902)が第2の角度位置にある状態では、止め具(906)は、開口部(936)に向かって面している。図30C及び31Bに示すように、止め具(906)は、導波管(902)が第2の角度位置にあるときに、クランプアーム止め具(906)とクランプアーム(944)の小突起(948)との間の接触を介して、クランプアーム(944)が回転する範囲を制限するように構成されている。クランプアーム止め具(906)は、ピン(945)がスロット(943)の最上部と最下部との間にあるときに、小突起(948)との接触が生じるように位置付けられる。ピン(945)はスロット(943)の最上部と最下部との間に配置されているため、クランプパッド(980)及びブレード(960)によって、間隙距離(d)が画定される。
間隙距離(d)は、前述した間隙(G)と同様に、クランプアーム(944)とブレード(960)との間に捕捉された組織に印加されるクランプ圧力を最小限にするように構成されており、ブレード(960)が組織を封止又は溶接するが、この位置では組織を切断しないように動作可能であるようになっている。したがって、クランプアーム止め具(906)の箇所に応じて、クランプアーム(944)を閉じることで組織を把持して、ブレード(960)が組織を封止のみするか又は組織を切断及び封止するように動作可能となっていてもよい。任意の好適なユーザ入力特徴部を用いて、導波管(902)を第1の角度位置と第2の角度位置との間で駆動してもよいことを理解されたい。導波管(902)を第1の角度位置と第2の角度位置との間で駆動するために用いてもよい種々の好適な特徴部は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかである。
I.摺動可能な内部組織間隙止め具を伴う例示的な超音波外科器具
図32A〜34は、シャフトアセンブリ(130、230)及びエンドエフェクタ(140、240)の代わりに、器具(100、200)内に容易に組み込まれ得る別の例示的な代替的なシャフトアセンブリ(1030)及びエンドエフェクタ(1040)を示す。エンドエフェクタ(1040)は、旋回可能なクランプアーム(1044)と、超音波ブレード(1060)とを含んでいる。超音波ブレード(1060)は、前述した超音波ブレード(160、260)と実質的に同様である。クランプアーム(144、244)と同様に、クランプアーム(1044)は、超音波ブレード(1060)に向かって面するクランプパッド(1080)を含んでいてもよい。更に、クランプアーム(1044)をトリガ(128)と結合させてもよく、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって旋回することに応じて、クランプアーム(1044)が超音波ブレード(1060)に向かって旋回可能となり、かつ、クランプアーム(1044)は、ピストルグリップ(124)から離れるトリガ(128)の旋回に応じて、超音波ブレード(1060)から離れて旋回可能となる。
以下に詳細に説明するように、クランプアーム(1044)は、ブレード(1060)に向かって第1の閉位置まで旋回して、図32Cに示すように間隙距離(d)を画定するように構成されている。更に、クランプアーム(1044)は、図32Bに示されるように、ブレード(1060)に向かって第2の閉位置まで更に旋回するように構成されている。
シャフトアセンブリ(1030)は、外部シース(1032)と、外部シース(1032)内に配置された内側チューブ(1034)と、内側チューブ(1034)内に配置された導波管(1002)と、封止(1004)、封止(1004)を通って延在するロッド(1039)に接続された可動のクランプアーム止め具(1038)と、を含んでいる。シャフトアセンブリ(730、830、930)と同様に、本実施例の外部シース(1032)は、シャフトアセンブリ(1030)の内側チューブ(1034)に対して摺動可能である。また外部シース(1032)は、クランプアーム(1044)が閉位置まで回転したときに、クランプアーム(1044)の小突起(1048)を収容するような大きさである、横方向の開口部(1036)を含んでいる。
内側チューブ(1034)の遠位端によって、スロット(1043)が画定される。クランプアーム(1044)の脚部(1046)は、ピン(1045)を介して、内側チューブ(1034)のスロット(1043)に旋回可能に結合されている。ピン(1045)は、スロット(1043)内を自由に垂直方向に平行移動する。外部シース(1032)の遠位端によって、スロット(1033)が画定される。外部シース(1032)のスロット(1033)は、ピン(1035)を介して、超音波ブレード(1060)の下方のクランプアーム(1044)の脚部(1046)と回転可能に結合されており、内側チューブ(1034)に対して外部シース(1032)が長手方向に平行移動すると、クランプアーム(1044)がピン(1045)の周りで超音波ブレード(1060)に向かって、かつそれから離れて回転するようになっており、その結果、組織をクランプアーム(1044)と超音波ブレード(1060)との間でクランプして、組織を切断及び/又は封止する。具体的には、内側チューブ(1034)及びハンドルアセンブリ(120)に対して外部シース(1032)が近位に長手方向に平行移動すると、クランプアーム(1044)が超音波ブレード(1060)に向かって移動し、また内側チューブ(1034)及びハンドルアセンブリ(120)に対して外部シース(1032)が遠位に長手方向に平行移動すると、クランプアーム(1044)が超音波ブレード(1060)から離れる。
図33において最も良く分かるように、クランプアーム止め具(1038)は、導波管(1002)の周りに同軸に配置された剛性の環状部材の形態である。図34において最も良く分かるように、ロッド(1039)は、封止(1004)を通って延在している。更に、ロッド(1039)は、封止(1004)に対して摺動可能である。したがって、クランプアーム止め具(1038)は、ロッド(1039)を介して、外部シース(1032)、内側チューブ(1034)、及び導波管(1002)に対して摺動可能である。図32A〜32Cにおいて分かるように、クランプアーム止め具(1038)は、第1の長手方向位置(図32A〜32B)と第2の長手方向位置(図32C)との間で摺動してもよい。第1の長手方向位置では、クランプアーム止め具(1038)は、横方向の開口部(1036)に対して近位に配置されている。第2の長手方向位置では、クランプアーム止め具(1038)は、横方向の開口部(1036)に隣接して配置されている。以下に詳細に説明するように、クランプアーム止め具(1038)が第2の長手方向位置にあるときに、クランプアーム止め具(1038)は、クランプアーム(1044)がブレード(1060)に対して完全に閉じることを防止するように構成されている。
図32Aは、クランプアーム(1044)が開位置にある状態を示す。クランプアーム(1044)が開位置にあると、外部シース(1032)は、遠位位置にある。更に、ピン(1045)は、スロット(1043)内の上昇位置にある。可動の止め具(1037)が第1の長手方向位置にあるとき、図32Bに示すように、外部シース(1032)が近位に平行移動すると、クランプアーム(1044)がピン(1045)の周りで妨げられずに回転するため、クランプアーム(1044)が完全に閉位置になる。言い換えれば、止め具(1038)が第1の位置にあると、止め具(1038)は、クランプアーム(1044)の旋回移動を妨害しない。ピン(1045)はスロット(1043)内を自由に垂直方向に平行移動するため、クランプアーム(1044)が回転すると、ピン(1045)は、強制的に下方方向へスロット(1043)の最下部まで動かされる。こうして、クランプパッド(1080)は、間隙を伴うことなくブレード(1060)に隣接して位置する。この位置において、クランプアーム(1044)は、クランプアーム(1044)とブレード(1060)との間に捕捉された組織に印加されるクランプ圧力によって組織を把持するように構成されており、エンドエフェクタ(1040)は、この位置において組織を切断及び封止するように動作可能となっている。
前述したように、クランプアーム止め具(1038)は、第1の長手方向位置(開口部(1036)に近位である)から第2の長手方向位置(開口部(1036)に隣接する)まで平行移動してもよい。図32Cに示すように、クランプアーム止め具(1038)は、止め具(1038)が第2の長手方向位置にあるときに、クランプアーム止め具(1038)とクランプアーム(1044)の小突起(1048)との間の接触を介して、クランプアーム(1044)が回転する範囲を制限するように構成されている。クランプアーム止め具(1038)は、ピン(1045)がスロット(1043)の最上部と最下部との間にあるときに、小突起(1048)との接触が生じるように位置付けられる。ピン(1045)はスロット(1043)の最上部と最下部との間に配置されているため、クランプアーム(1044)及びブレード(1060)によって、間隙距離(d)が画定される。
間隙距離(d)は、前述した間隙(G)と同様に、クランプアーム(1044)とブレード(1060)との間に捕捉された組織に印加されるクランプ圧力を最小限にするように構成されており、ブレード(1060)が組織を封止又は溶接するが、この位置では組織を切断しないように動作可能であるようになっている。したがって、可動のクランプアーム止め具(1038)の箇所に応じて、クランプアーム(1044)を閉じることで組織を把持して、ブレード(1060)が組織を封止のみするか又は組織を切断及び封止するように動作可能となっていてもよい。任意の好適なユーザ入力特徴部を用いて、止め具(1038)を第1の長手方向位置と第2の長手方向位置との間で駆動してもよいことを理解されたい。止め具(1038)を第1の長手方向位置と第2の長手方向位置との間で駆動するために用いてもよい種々の好適な特徴部は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかである。
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得るいずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではない点は理解されるべきである。一切の放棄を意図するものではない。以下の実施例は単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると企図される。また、いくつかの変形例では、以下の実施例において言及される特定の要素を省略してもよいことも企図される。したがって、本発明者によって、又は本発明者の利益となる継承者によって、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は要素のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及される要素以外の更なる要素を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、これらの更なる要素は、特許性に関連するいずれの理由によって追加されたものとしても仮定されるべきではない。
(実施例1)
組織上で手術するための装置であって、(a)本体と、(b)シャフトアセンブリであって、本体から遠位に延在し、音響導波管を備え、導波管は、超音波トランスデューサと音響的に結合するように構成されている、シャフトアセンブリと、(c)エンドエフェクタであって、(i)導波管と音響通信する超音波ブレード、及び(ii)クランプアームであって、超音波ブレードに向かって、かつそれから離れて旋回するように構成され、旋回して第1の動作モードに付随する第1の閉位置で停止するように構成され、旋回して第2の動作モードに付随する第2の閉位置で停止するように構成されたクランプアーム、を備える、エンドエフェクタと、を備える、装置。
(実施例2)
クランプアームは、第1の旋回点の周りで超音波ブレードに向かって、かつそれから離れて旋回するように構成され、クランプアームは、開位置から第1の閉位置へと旋回するように構成され、クランプアームは、第2の旋回点の周りで、超音波ブレードに向かって、かつそれから離れて、第1の閉位置から第2の閉位置へと旋回するように更に構成され、第2の旋回点は、第1の旋回点の近位にあり、クランプアームは、第1の閉位置において超音波ブレードに平行である、実施例1の装置。
(実施例3)
クランプアームは、第2の閉位置において超音波ブレードに平行である、実施例2の装置。
(実施例4)
クランプアームは、開位置において、超音波ブレードに対して斜角で配向されている、実施例2〜3のいずれか1つ又は2つ以上の装置。
(実施例5)
シャフトアセンブリは、(i)外部シースと、(ii)第1の平行移動可能な部材であって、外部シースに対して長手方向に平行移動するように構成され、クランプアームは、第1の平行移動可能な部材の外部シースに対する長手方向の平行移動に応じて、超音波ブレードに向かって、かつそれから離れて、角経路に沿って、開位置から第1の閉位置へと旋回するように構成されている、第1の平行移動可能な部材と、を更に備える、実施例2〜5のうちのいずれか1つ又は2つ以上の装置。
(実施例6)
第1の平行移動可能な部材は、内側チューブを備え、内側チューブは、外部シース内に摺動可能に配置されている、実施例5の装置。
(実施例7)
シャフトアセンブリは、旋回アームを更に備え、旋回アームは、第2の旋回点において、外部シースと旋回可能に結合されている、実施例5〜6のいずれか1つ又は2つ以上の装置。
(実施例8)
第2の平行移動可能な部材を更に備え、第2の平行移動可能な部材は、外部シースに対して長手方向に平行移動するように構成され、旋回アームは、第2の平行移動可能な部材の外部シースに対する平行移動に応じて、外部シースに対して旋回するように構成されている、実施例7の装置。
(実施例9)
第2の平行移動可能な部材は、外部シースの周りに配置されている、実施例8の装置。
(実施例10)
第2の平行移動可能な部材は、ピンを備え、旋回アームはスロットを備え、ピンは、スロット内に配置され、ピン及びスロットは、第2の平行移動可能な部材の外部シースに対する平行移動に応じて、協働して、外部シースに対する旋回アームの旋回移動をもたらすように構成されている、実施例8〜9のうちのいずれか1つ又は2つ以上の装置。
(実施例11)
クランプアームは、第1の旋回結合部と、第2の旋回結合部と、を備え、クランプアームは、第1の旋回結合部を介して第1の平行移動可能な部材に結合され、クランプアームは、第2の旋回結合部を介して旋回アームに結合されている、実施例7〜10のいずれか1つ又は2つ以上の装置。
(実施例12)
第1の平行移動可能な部材は、細長いスロットを画定する遠位端を有し、第1の旋回結合部は、細長いスロット内に配置されたピンを備え、細長いスロットは、第2の位置と第3の位置との間で超音波ブレードに向かう、かつそれから離れるクランプアームの移動に適応するように構成されている、実施例11の装置。
(実施例13)
平行移動する部材を更に備え、平行移動する部材は、第1のモード位置と第2のモード位置との間で平行移動するように動作可能であり、平行移動する部材は、平行移動する部材が第1のモード位置にあるときに、第1の閉位置から第2の閉位置へのクランプアームの移動を防止するように構成され、平行移動する部材は、平行移動する部材が第2のモード位置にあるときに、第1の閉位置から第2の閉位置へのクランプアームの移動を可能にするように構成されている、請求項2に記載の装置。
(実施例14)
シャフトアセンブリは、止め具を更に備え、止め具は、非作動位置から作動位置へ移動するように構成され、止め具は、作動位置において、クランプアームが第2の閉位置に旋回することを制限するように構成されている、実施例2〜13のいずれか1つ又は2つ以上の装置。
(実施例15)
止め具は、音響導波管に対して、非作動位置から作動位置まで平行移動するように構成されている、実施例14の装置。
(実施例16)
止め具は導波管に固定され、導波管は、回転して、止め具を非作動位置から作動位置まで移動させるように構成されている、実施例14〜15のいずれか1つ又は2つ以上の装置。
(実施例17)
組織上で手術するための装置であって、(a)本体と、(b)シャフトアセンブリであって、本体から遠位に延在し、長手方向軸を画定し、(i)音響導波管であって、超音波トランスデューサと音響的に結合するように構成された音響導波管、(ii)第1の平行移動可能な部材であって、本体に対して平行移動するように構成された第1の平行移動可能な部材、及び(iii)第2の平行移動可能な部材であって、本体に対して平行移動するように構成された、第2の平行移動可能な部材、を備える、シャフトアセンブリと、(c)エンドエフェクタであって、(i)導波管と音響通信する超音波ブレード、及び(ii)クランプアームであって、クランプアームは、第1の平行移動可能な部材の本体に対する平行移動に応じて、第1の旋回点の周りで、超音波ブレードに向かって、かつそれから離れて、第1の角経路に沿って第1の位置から第2の位置に旋回するように構成され、クランプアームは、第2の平行移動可能な部材の本体に対する平行移動に応じて、第2の旋回点の周りで、超音波ブレードに向かって、かつそれから離れて、第2の角経路に沿って第2の位置から第3の位置に旋回するように構成されている、クランプアーム、を備える、エンドエフェクタと、を備える、装置。
(実施例18)
第1の平行移動可能な部材は、第1のチューブを備え、第2の平行移動可能な部材は、第2のチューブを備え、第1及び第2のチューブは、長手方向軸の周りで互いに同軸に整合されている、実施例17の装置。
(実施例19)
装置を用いて組織上で手術する方法であって、装置は、シャフトアセンブリと、エンドエフェクタとを備え、シャフトアセンブリは、長手方向軸を画定し、エンドエフェクタは、クランプアームと、超音波ブレードとを備え、本方法は、(a)超音波ブレードを組織の付近に位置付けることと、(b)クランプアームを第1の旋回点の周りで超音波ブレードに向かって旋回させることによって、クランプアームと超音波ブレードとの間で組織を圧縮することであって、クランプアームを旋回させる行為は、クランプアームを第1の角経路に沿って第1の位置から第2の位置へ駆動することを含む、圧縮することと、(c)クランプアームを第2の旋回点の周りで超音波ブレードに向かって旋回させることによって、クランプアームと超音波ブレードとの間で組織を更に圧縮することであって、クランプアームを平行移動させる行為は、クランプアームを第2の角経路に沿って第2の位置から第3の位置へ駆動することを含む、圧縮することと、(d)超音波ブレードを作動させて超音波周波数で振動させることによって、組織を超音波ブレードで切断することと、を含む、方法。
(実施例20)
装置は、トリガと、グリップとを更に備え、クランプアームを第1の旋回点の周りで超音波ブレードに向かって旋回させる行為は、トリガを第1の移動範囲にわたってグリップに向かって移動させることを含み、クランプアームを第2の旋回点の周りで超音波ブレードに向かって旋回させる行為は、トリガを第2の移動範囲にわたってグリップに向かって移動させることを含む、実施例19の方法。
V.その他
明細書に記載される器具のいずれの変形形態も、本明細書で上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、種々の他の特徴部を含んでもよいことを理解されたい。あくまで一例として、本明細書で説明する器具のどれもが、本明細書に参照により組み込まれる種々の参考文献のいずれかで開示される種々の特徴部の1つ又は2つ以上を含むこともできる。本明細書の教示は、本明細書の引用文献のいずれかの教示と多数の方法で容易に組み合わせ得るため、本明細書の教示は、本明細書の他の引用文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用され得ることが理解されよう。本明細書の教示が組み込まれ得る他の種類の器具が、当業者には明らかとなろう。
また、本明細書で言及する値の一切の範囲はかかる範囲の上下限を含むと読み取るべきであることを理解されたい。例えば、「約2.54センチメートル〜約3.8センチメートル(約1.0インチ〜約1.5インチ)」の範囲にわたると表現された範囲は、これらの上方及び下方境界の間の値を含むことに加えて、約2.54センチメートルと約3.8センチメートルと(約1.0インチと約1.5インチと)を含むと読まなければならない、
本明細書に参照により組み込まれると言及されたいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることを認識されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記載、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、援用文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
上述の装置の変形例は、医療専門家によって行われる従来の治療及び処置での用途だけでなく、ロボット支援された治療及び処置での用途も有することができる。あくまで一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。同様に、当業者には明らかとなることであるが、本明細書の種々の教示は、その開示が、本明細書において、参照することにより組み込まれる2004年8月31日公開の米国特許第6,783,524号、名称「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」の種々の教示と容易に組み合わされ得る。
上述の変形例は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよく、あるいは、それらは、複数回使用されるように設計されてもよい。いずれか又は両方の場合において、変形は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの形態は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部材又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換するか取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置のいくつかの変形例は、再調整用の施設で、又は手術の直前に操作者によって、その後の使用のために再組み立てされてもよい。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を使用できる点は認識するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本発明の範囲内にある。
あくまで一例として、本明細書に記載される各形態は、手術の前及び/又は後で滅菌されてもよい。1つの滅菌法では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなどの閉鎖かつ密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過する放射線場に置くことができる。放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管することができる。装置は、また、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の別の技術を用いて滅菌され得る。
以上、本発明の様々な実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、別の改変も当業者には明らかになるであろう。例えば、上記で論じた実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解されたい。
〔実施の態様〕
(1) 組織上で手術するための装置であって、
(a)本体と、
(b)シャフトアセンブリであって、前記本体から遠位に延在し、音響導波管を備え、前記導波管は、超音波トランスデューサと音響的に結合するように構成されている、シャフトアセンブリと、
(c)エンドエフェクタであって、
(i)前記導波管と音響通信する超音波ブレード、及び
(ii)クランプアームであって、前記超音波ブレードに向かって、かつそれから離れて旋回するように構成され、
旋回して第1の動作モードに付随する第1の閉位置で停止するように構成され、
旋回して第2の動作モードに付随する第2の閉位置で停止するように構成されたクランプアーム、を備える、エンドエフェクタと、を備える、装置。
(2) 前記クランプアームは、第1の旋回点の周りで前記超音波ブレードに向かって、かつそれから離れて旋回するように構成され、前記クランプアームは、開位置から前記第1の閉位置へと旋回するように構成され、前記クランプアームは、第2の旋回点の周りで、前記超音波ブレードに向かって、かつそれから離れて、前記第1の閉位置から前記第2の閉位置へと旋回するように更に構成され、前記第2の旋回点は、前記第1の旋回点の近位にあり、前記クランプアームは、前記第1の閉位置において、前記超音波ブレードに平行である、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記クランプアームは、前記第2の閉位置において、前記超音波ブレードに平行である、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記クランプアームは、前記開位置において、前記超音波ブレードに対して斜角で配向されている、実施態様2に記載の装置。
(5) 前記シャフトアセンブリは、
(i)外部シースと、
(ii)第1の平行移動可能な部材であって、前記外部シースに対して長手方向に平行移動するように構成され、前記クランプアームは、前記第1の平行移動可能な部材の前記外部シースに対する長手方向の平行移動に応じて、前記超音波ブレードに向かって、かつそれから離れて、角経路に沿って、前記開位置から前記第1の閉位置へと旋回するように構成されている、第1の平行移動可能な部材と、を更に備える、実施態様2に記載の装置。
(6) 前記第1の平行移動可能な部材は、内側チューブを備え、前記内側チューブは、前記外部シース内に摺動可能に配置されている、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記シャフトアセンブリは、旋回アームを更に備え、前記旋回アームは、前記第2の旋回点において、前記外部シースと旋回可能に結合されている、実施態様5に記載の装置。
(8) 第2の平行移動可能な部材を更に備え、前記第2の平行移動可能な部材は、前記外部シースに対して長手方向に平行移動するように構成され、前記旋回アームは、前記第2の平行移動可能な部材の前記外部シースに対する平行移動に応じて、前記外部シースに対して旋回するように構成されている、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記第2の平行移動可能な部材は、前記外部シースの周りに配置されている、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記第2の平行移動可能な部材は、ピンを備え、前記旋回アームは、スロットを備え、前記ピンは、前記スロット内に配置され、前記ピン及び前記スロットは、前記第2の平行移動可能な部材の前記外部シースに対する平行移動に応じて、協働して、前記外部シースに対する前記旋回アームの前記旋回移動をもたらすように構成されている、実施態様8に記載の装置。
(11) 前記クランプアームは、第1の旋回結合部と、第2の旋回結合部と、を備え、前記クランプアームは、前記第1の旋回結合部を介して前記第1の平行移動可能な部材に結合され、前記クランプアームは、前記第2の旋回結合部を介して前記旋回アームに結合されている、実施態様7に記載の装置。
(12) 前記第1の平行移動可能な部材は、細長いスロットを画定する遠位端を有し、前記第1の旋回結合部は、前記細長いスロット内に配置されたピンを備え、前記細長いスロットは、前記第2の位置と前記第3の位置との間で前記超音波ブレードに向かう、かつそれから離れる前記クランプアームの移動に適応するように構成されている、実施態様11に記載の装置。
(13) 平行移動する部材を更に備え、前記平行移動する部材は、第1のモード位置と第2のモード位置との間で平行移動するように動作可能であり、前記平行移動する部材は、前記平行移動する部材が前記第1のモード位置にあるときに、前記第1の閉位置から前記第2の閉位置への前記クランプアームの移動を防止するように構成され、前記平行移動する部材は、前記平行移動する部材が前記第2のモード位置にあるときに、前記第1の閉位置から前記第2の閉位置への前記クランプアームの移動を可能にするように構成されている、実施態様2に記載の装置。
(14) 前記シャフトアセンブリは、止め具を更に備え、前記止め具は、非作動位置から作動位置へ移動するように構成され、前記止め具は、前記作動位置において、前記クランプアームが前記第2の閉位置に旋回することを制限するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記止め具は、前記音響導波管に対して、前記非作動位置から前記作動位置に平行移動するように構成されている、実施態様14に記載の装置。
(16) 前記止め具は、前記導波管に固定され、前記導波管は、回転して、前記止め具を前記非作動位置から前記作動位置に移動させるように構成されている、実施態様14に記載の装置。
(17) 組織上で手術するための装置であって、
(a)本体と、
(b)シャフトアセンブリであって、前記本体から遠位に延在し、長手方向軸を画定し、
(i)音響導波管であって、超音波トランスデューサと音響的に結合するように構成された音響導波管、
(ii)第1の平行移動可能な部材であって、前記本体に対して平行移動するように構成された、第1の平行移動可能な部材、及び
(iii)第2の平行移動可能な部材であって、前記本体に対して平行移動するように構成された、第2の平行移動可能な部材、を備える、シャフトアセンブリと、
(c)エンドエフェクタであって、
(i)前記導波管と音響通信する超音波ブレード、及び
(ii)クランプアームであって、前記クランプアームは、前記第1の平行移動可能な部材の前記本体に対する平行移動に応じて、第1の旋回点の周りで、前記超音波ブレードに向かって、かつそれから離れて、第1の角経路に沿って第1の位置から第2の位置に旋回するように構成され、前記クランプアームは、前記第2の平行移動可能な部材の前記本体に対する平行移動に応じて、第2の旋回点の周りで、前記超音波ブレードに向かって、かつそれから離れて、第2の角経路に沿って前記第2の位置から第3の位置に旋回するように更に構成されている、クランプアーム、を備える、エンドエフェクタと、を備える、装置。
(18) 前記第1の平行移動可能な部材は、第1のチューブを備え、前記第2の平行移動可能な部材は、第2のチューブを備え、前記第1及び第2のチューブは、前記長手方向軸の周りで互いに同軸に整合されている、実施態様17に記載の装置。
(19) 装置を用いて組織上で手術する方法であって、前記装置は、シャフトアセンブリと、エンドエフェクタとを備え、前記シャフトアセンブリは、長手方向軸を画定し、前記エンドエフェクタは、クランプアームと、超音波ブレードとを備え、前記方法は、
(a)前記超音波ブレードを組織の付近に位置付けることと、
(b)前記クランプアームを第1の旋回点の周りで前記超音波ブレードに向かって旋回させることによって、前記クランプアームと前記超音波ブレードとの間で前記組織を圧縮することであって、前記クランプアームを旋回させる行為は、前記クランプアームを第1の角経路に沿って第1の位置から第2の位置へ駆動することを含む、圧縮することと、
(c)前記クランプアームを第2の旋回点の周りで前記超音波ブレードに向かって旋回させることによって、前記クランプアームと前記超音波ブレードとの間で前記組織を更に圧縮することであって、前記クランプアームを平行移動させる行為は、前記クランプアームを第2の角経路に沿って前記第2の位置から第3の位置へ駆動することを含む、圧縮することと、
(d)前記超音波ブレードを作動させて超音波周波数で振動させることによって、前記組織を前記超音波ブレードで切断することと、を含む、方法。
(20) 前記装置は、トリガと、グリップとを更に備え、前記クランプアームを前記第1の旋回点の周りで前記超音波ブレードに向かって旋回させる行為は、前記トリガを第1の移動範囲にわたって前記グリップに向かって移動させることを含み、前記クランプアームを前記第2の旋回点の周りで前記超音波ブレードに向かって旋回させる行為は、前記トリガを第2の移動範囲にわたって前記グリップに向かって移動させることを含む、実施態様19に記載の方法。