JP2017529868A - バクテリオファージの改変 - Google Patents

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Abstract

溶菌性標的ファージのゲノムを改変する方法、方法の使用、およびその産物を記述する。そのようなファージを含む組成物も同様に記述する。組成物は、ヒトの治療に有用である薬剤として調合されてもよく、細菌感染症を含む様々な状態を治療しうる。

Description

本発明は、溶菌性標的ファージのゲノムを改変する方法、方法の使用、およびその産物に関する。
バクテリオファージは、世界中で最も豊富な生物であり、常に1030個存在すると推定されている。バクテリオファージは、想像可能なあらゆる環境に住むことができると報告されており(Brabbanら、2005)、このため、生物工学において使用するために生物学的多様性の巨大な宝庫を提供することができる。ファージは、タンパク質−タンパク質相互作用を特徴付けするためのファージディスプレイ(Smith and Petrenko、1997)、細菌病原体を迅速に同定するための診断試験(Dobozi−Kingら、2005)、および「ファージ療法」による細菌感染症の治療(Harperら、2011)などの多様な応用において使用されている。ファージの別の用途は、標的病原性細菌に毒性タンパク質をコードする遺伝子を送達するために使用することができる、ニーズに合わせた遺伝子送達ビヒクルを作製するための改変の基礎としての使用である。そのようなアプローチは、SASPjectシステム(国際公開第2009/019293号パンフレット)に記述されており、このシステムでは、バクテリオファージを非溶菌性となるように、このため最終的に非生存となるように、およびSASP遺伝子発現カセットを有するように改変し、これを標的細菌に送達して、それによって迅速にSASPを発現させる。SASPは、休眠時のグラム陽性菌芽胞のDNAを保護する低分子酸可溶性芽胞タンパク質である。しかし、栄養細胞においてSASPが発現されると、SASPが非配列特異的に細胞DNAに急速に結合することにより、急速な細胞死が起こる(Nicholsonら、1990)。
ファージは、テンペレートファージと非テンペレートファージに広く分類することができる(Abedon、2008)。テンペレートファージは、2つの異なる生活環で存在することができる。1つの生活環において、テンペレートファージは、「溶菌的」に複製する−すなわち、ファージは宿主細胞に感染して、複製し、新しいファージ子孫を作製し、このプロセスは、細胞の溶解および成熟ファージ粒子の放出で終わる。他の生活環において、テンペレートファージは、細胞に感染して、通常、特異的結合部位で宿主細胞ゲノムに組み込まれ、「プロファージ」となる。その際に、ファージは、宿主細胞ゲノムの一過性の一部となり、宿主細胞DNAと共に複製される。組み込まれたプロファージは一般的に、その組み込まれた状態ではその宿主細胞に対して無害であり、細胞に追加の遺伝子を提供することによって、しばしば細胞に対して選択的利点を提供することができ、例えばCTX毒素遺伝子は、CTXプロファージによってビブリオ・コレラ(Vibrio Cholera)に提供され、非毒素遺伝子を有する株と比較してそのような株のビルレンスを増加させる(Waldor and Mekalanos、1996)。これに対し、非テンペレートファージは、「溶菌性ファージ」としても知られ、上記の溶菌性の生活環に限って複製することができ、宿主DNAに組み込まれることはなく、したがって、決して宿主細胞ゲノムの一部となることはない。本明細書において以降、そのようなファージを、溶菌的複製とプロファージ複製の両方を行うことができるテンペレートファージと区別するために、「絶対溶菌性」として記述する。
遺伝子改変のためのファージを選択する場合、例として、そのようなファージがSASPなどの抗菌タンパク質をコードする遺伝子の送達ベクターとして作用する場合には、遺伝子改変に対するファージの従順性は重要な要因である。概して、テンペレートバクテリオファージは、細菌宿主種を、組み換えおよび耐性マーカー選択、またはリコンビニアリングシステム(Thomasonら、2014)を伴う標準的な分子遺伝子学技術によって操作することができる限り、容易に遺伝子改変される。
組み込まれたファージDNAをプロファージとして有する溶原菌の形態でのテンペレートファージを、抗生物質耐性または重金属耐性マーカーなどの任意の多様な選択可能マーカーに結合した外因性のDNAを有するように改変することができる。そのようなマーカーを、外因性のDNAに結合させて、プロファージDNAの領域に隣接させ、細菌宿主(溶原菌)において複製できない適切なベクター(自殺ベクター)にクローニングすることができる。そのようなプラスミドを、接合または化学もしくは電気的形質転換などの一般的な方法により細菌溶原菌に導入した後、プラスミドに存在する相同な配列を介して組み込まれた組み換え体を、外因性のDNAに結合した耐性マーカーを介して選択することができる。カウンターセレクタブルマーカーも同様にテンペレートファージを改変するために使用することができる。耐性マーカーを保持している組み換え型ファージを、PCRなどの一般的な方法によってスクリーニングすることができる。あるいは、sacBなどのカウンターセレクタブルマーカーによって、そのようなファージを改変するために使用されるプラスミドの骨格を改変することができ、外因性のDNAに結合した耐性マーカーを選択し、カウンターセレクタブルマーカーを選択しないことによって、外因性のDNAのみを有する組み換え型プロファージを単離することができる。遺伝子型はPCRによって確認することができる。そのようなベクターは市販されている。そのような改変ファージは、例えばマイトマイシンCの添加によって溶原化した株から誘導することができ(Williamsonら、2002)、ファージが宿主染色体から切り離されてその溶菌相に入ると、保持されたマーカーをもはや選択することができないが、マーカーおよび外因性のDNAはファージゲノムにとどまることができる。
しかし、遺伝子改変された溶菌性ファージの単離は、上記の同じ方法を使用して達成することはできない。例えば、細菌に耐性を付与する抗生物質耐性および重金属耐性マーカーは、ファージの絶対溶菌性の生活環により選択することができないことから、改変された絶対溶菌性ファージを単離するために通常の正の選択を使用することは不可能である。ファージのDNAは、決して宿主細胞ゲノムの一部とならず、したがって宿主に耐性を伝達する選択可能耐性マーカーは、絶対溶菌性ファージに存在する場合は選択可能ではない。
溶菌性ファージを改変するためにいくつかの技術が開発されている。そのような1つの例は、BRED技術(電気穿孔DNAのバクテリオファージリコンビニアリング)(Marinelliら、2008)であり、これは「リコンビニアリング」アプローチを使用して、マイコバクテリウム(Mycobacterium)ファージの改変に関して記述されている。細菌ゲノムを操作するためのリコンビニアリング法は、λRedシステムで最初に記述された(Yuら、2000)。この技術において、組み換えタンパク質ExoおよびBetaは、形質転換により宿主細胞に導入される直線状のDNA配列の効率的な組み換えを触媒する。BREDアプローチも同様に、ファージゲノムがM.スメグマティス(M.smegmatis)細胞に直線状の「標的化」DNA断片と同時形質転換される場合に、高レベルの組み換えを促進するために、組み換え促進タンパク質−マイコバクテリウムバクテリオファージ由来のRecE/RecT様タンパク質gp60およびgp61を利用する。それによって、組み換え型ファージをスクリーニングすると、高い効率の組み換えにより比較的容易に同定される。しかし、そのようなアプローチは、選択された細菌種における効率的なリコンビニアリングシステムの開発に依存する。さらに、ファージゲノムは大きく(Hendrix、2009)、大きいDNA分子の形質転換は、大腸菌などの容易に形質転換可能な細菌においても非効率的であり(Shengら、1995)、効率的な形質転換技術は、多くの細菌種で開発されていない。
特定のバクテリオファージを改変するために特異的な技術が開発されている。例として、RIPh(ファージ複製のRho媒介阻害)として知られる技術が、ファージT4に関して開発されている(Pouillotら、2010)。ファージ複製に必須の初期遺伝子は、初期タンパク質を産生するために宿主転写ターミネーター因子Rhoを必要とするコンカテマー化ランスルーRNAとして転写される。大腸菌を、Rhoと呼ばれるRhoの誘導物質制御過剰発現変異コピーを含有するように改変すると、初期T4タンパク質の産生を阻害し、このように、T4ファージ複製を可逆的に阻害するが、宿主細胞生存率に及ぼす効果は最小限であることが見出された。この状態では、T4ゲノムは複製せず、ファージの生活環を成熟ファージ合成および溶解まで継続させないが、細胞から失われることはなく、組み換えのための基質である。RIPh技術において、λRedシステムは、この安定な中断状態にある間にT4ゲノムへの組み換えを標的化するために使用される。誘導物質を除去すると、ファージはその生活環を継続して成熟することができ、改変されたファージが形成される。
特異的絶対溶菌性ファージ改変システムのもう1つの例は、T7ファージにおいて見出される。大腸菌遺伝子trxAおよびcmkは、ファージT7の増殖にとって必要であるが、宿主細胞の増殖にとっては必要ではない(Qimronら、2006;Mark、1976)。したがって、T7は、マーカー遺伝子を欠如する改変宿主細胞上で組み換え型ファージを選択することによって、これらの「マーカー」遺伝子のいずれかを有するように改変することができる。しかし、T4およびT7の例のいずれにおいても、ファージの複製機構、またはファージ複製に特に必要な宿主細胞遺伝子に関する非常に具体的で詳細な知識が必要である。
ファージの複製経路に関係する遺伝子または細胞におけるファージ増殖に必要な宿主細胞の遺伝子に関する具体的で詳細な知識に依存しない、溶菌性ファージのゲノムを改変する技術があれば望ましい。そのような技術は、任意の細菌種由来のファージに広く応用可能であることがさらに望ましい。
国際公開第2009/019293号パンフレット 国際公開第02/40678号パンフレット
Brabban AD,Hite E,Callaway TR.(2005).Evolution of Foodborne Pathogens via Temperate Bacteriophage−Mediated Gene Transfer.Foodborne Pathogens and Disease.2:287−303. Smith GP,Petrenko VA.(2005).Phage Display. Chem. Rev.97:391−410. Dobozi−King M,Seo S,Kim JU,Young R,Cheng M,Kish LB.(2005).Rapid detection and identification of bacteria:SEnsing of Phage−Triggered Ion Cascade(SEPTIC).Journal of Biological Physics and Chemistry.5:3−7. Harper DR,Anderson J,Enwright MC.(2011).Phage therapy:delivering on the promise.Ther Deliv.2:935−47. Nicholson WL,Setlow B,Setlow P.(1990).Binding of DNA in vitro by a small,acid−soluble spore protein from Bacillus subtilis and the effect of this binding on DNA topology.J. Bacteriol.172:6900−6906. Abedon ST.(2008).Bacteriophage Ecology:Population Growth,Evolution, an Impact of Bacterial Viruses.Cambridge.Cambridge University Press.Chapter 1. Waldor M,Mekalanos J.(1996).Lysogenic conversion by a filamentous phage encoding cholera toxin.Science.272:1910−1914. Thomason LC Sawitzke JA,Li X,Costantino N,Court DL.(2014).Recombineering:genetic engineering in bacteria using homologous recombination.Curr. Protoc. Mol. Biol.106:1−16. Williamson SJ,Houchin LA,McDaniel L,Paul JH.(2002).Seasonal variation in lysogeny as depicted by prophage induction in Tampa Bay,Florida.Appl.Environ.Microbiol.68:4307−14. Marinelli LJ,Piuri M,Swigonova Z,Balachandran A,Oldfield LM,van Kessel JC,Hatfull GF.(2008).BRED:a simple and powerful tool for constructing mutant and recombinant bacteriophage genomes.PLoS One.3:e3957. Yu D,Ellis HM,Lee EC,Jenkins NA,Copeland NG,et al.(2000).An efficient recombination system for chromosome engineering in Escherichia coli.Proc. Natl. Acad. Sci.USA.97:5978−5983. Hendrix RW.(2009).Jumbo Bacteriophages.Curr. Topics Microbiol.Immunol.328:229−40. Sheng Y,Mancino V,Birren B.(1995).Transformation of Escherichia coli with large DNA molecules by electroporation.Nucl.Acids Res.23:1990−6. Pouillot F,Blois H,and Iris F.(2010).Biosecurity and Bioterrorism:Biodefense Strategy, Practice,and Science.Biosecurity and Bioterrorism.8:155−169. Qimron U,Marintcheva B,Tabor S,Richardson CC.(2006).Genomewide screens for Escherichia coli genes affecting growth of T7 bacteriophage.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.103:19039−44. Mark DF,Richardson CC.(1976). Escherichia coli thioredoxin:a subunit of bacteriophage T7 DNA polymerase.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.73:780−4. Gill JJ,Hyman P.(2010).Phage Choice, Isolation and Preparation for Phage therapy.Current Pharmaceutical Biotechnology.11:2−14. Rakhuba DV,Kolomiets EI,Szwajcer Dey E,Novik EI.(2010).Bacteriophage Receptors,Mechanisms of Phage Adsorption and Penetration into Host Cell.Polish Journal of Microbiology.59:145−155. Ceyssens P,Miroshnikov K,Mattheus W,Krylov V,Robben J,Noben J,Vanderschraeghe S,Sykilinda N,Kropinski AM,Volckaert G,Mesyanzhinov V,Lavigne R.(2009). Comparative analysis of the widespread and conserved PB1−like viruses infecting Pseudomonas aeruginosa.Env. Microbiol.11:2874−2883.
本発明は、第一の標的配列と第二の標的配列とを含む溶菌性標的ファージのゲノムを改変する方法であって:
(a)標的ファージの宿主域決定因子とは異なる、マーカーファージの宿主域決定因子を含むファージ標的化領域を含有するベクターであって、ファージ標的化領域が、標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列と相同な第一および第二の隣接配列に隣接する、ベクターを提供するステップと;
(b)標的ファージの宿主である第一の宿主細胞にベクターを導入するステップと;
(c)第一の宿主細胞に標的ファージを感染させるステップと;
(d)ファージを複製および組み換えさせて、それによって標的ファージのゲノムを改変するステップと;
(e)得られたファージを、マーカーファージの宿主であるが標的ファージの宿主ではない第二の宿主細胞において増殖させるステップと
(f)得られたファージを回収するステップと
を含む方法を提供する。
意外にも、ファージの宿主域決定因子を、関連ファージのゲノムを改変するための選択可能マーカーとして使用できることが見出されている。本発明者らは、この技術をHOst宿主域決定因子選択(HORDS)と命名する。本発明は、宿主細胞の特徴を選択することに依存せず、その代わりにその溶菌状態でファージによって受け継がれる特徴に関して選択する遺伝子選択手段を提供することから、溶原菌を形成することができない絶対溶菌性ファージの遺伝子改変にとって特に有用である。
この技術は、ファージの複製経路に関係する遺伝子および/または細胞におけるファージの増殖にとって必要な宿主細胞遺伝子に関する具体的で詳細な知識に依存せず、したがって、操作の前にファージに対して過度の実験を必要としない。さらに、この技術は、任意の細菌種由来のファージに広く応用可能である。この技術は、関連ファージ由来の因子と共に、その宿主域を指示するファージ由来の因子の同定を必要とする。このことは、本出願によって示されるように、当業者が容易に実行することができる。
溶菌性標的ファージのゲノムは、外因性のDNA配列をその中に組み込むことによって、点突然変異などの変異を組み込むことによって、または欠失を作製することによって改変することができる。これらの改変の組み合わせも同様に行うことができる。
ファージ標的化領域の第一および第二の隣接配列は、標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列と相同であることから、第一の宿主細胞がベクターと標的ファージの両方を含有する場合、ファージは複製することができ、互いに相同な配列が対を形成する部位で組み換えが起こりうる。組み換え後、マーカーファージの宿主域決定因子を有する、それらの得られたファージのみが、第二の宿主細胞において増殖することができる。これによって、マーカーファージの宿主域決定因子を含有する、得られた所望のファージを選択することができる。
標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列は、連続であっても不連続であってもよい。1つの構成において、標的ファージの第一および第二の標的配列は、一般的に不連続である。この構成に従って、組み換え事象が第一および第二の隣接配列と第一および第二の標的配列の間で起こる場合、第一および第二の標的配列の間のDNAの領域が標的ファージゲノムから切除されて、その結果、欠失が起こる。都合のよいことに、標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列が、ファージ遺伝子またはその一部に隣接する場合、そのような欠失によって、組み換え後に遺伝子の不活化が起こる。1つの構成において、ファージ遺伝子は、エンドライシンなどの溶菌遺伝子である。このようにして、溶菌性の標的ファージを非溶菌性にすることができる。
溶菌性の標的ファージのゲノムの改変が、外因性のDNA配列の組み込みを伴う場合、ベクターのファージ標的化領域は、標的ファージのゲノムに組み込むための外因性のDNA配列をさらに含む。外因性のDNA配列およびマーカーファージの宿主域決定因子はいずれも、ファージ標的化領域の第一および第二の隣接配列内に入ることから、宿主域決定因子に関して選択するためのファージの組み換えによって、得られたファージにおける外因性のDNA配列の取り込みが起こる。この構成に従って、標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列は、連続または不連続でありうる。それらが不連続である場合、外因性のDNA配列の取り込みによって、ゲノム領域の欠失が同時に起こる。第一および第二の標的配列がファージ遺伝子に存在する、またはそれらがファージ遺伝子もしくはその一部に隣接する場合には、外因性のDNA配列の取り込みによって同時に、組み換え後の遺伝子の不活化が起こる。
点突然変異などの変異を溶菌性の標的ファージに組み込む必要がある場合、ファージ標的化領域における第一および第二の隣接配列の少なくとも1つは標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列と比較して変異を含む。ファージの複製および組み換えによって、標的ファージのゲノムは変異を組み込むように改変される。このようにして、マーカーファージの宿主域決定因子を有するファージが単離され、これを変異の存在に関してスクリーニングすることができる。
上記のように、そのような変異の導入を、任意選択で標的ファージの欠失と共に、外因性のDNA配列の組み込みと組み合わせることができる。
典型的には、ファージ標的化領域を含有するベクターはプラスミドである。そのようなベクターは、第一の宿主細胞において複製することができる。
本発明に従って、マーカーファージの宿主域決定因子は典型的には、基盤タンパク質または尾繊維タンパク質、またはその領域をコードする。一般的に、尾繊維タンパク質の場合、それぞれは標的細菌に結合するためのC末端受容体結合領域と、C末端受容体結合領域をバクテリオファージのボディに結合させるN末端領域とを含む。1つの構成において、Phi33および関連ファージを例とすると、N末端領域は尾繊維タンパク質のアミノ酸1〜628位を含み、C末端領域は尾繊維タンパク質のアミノ酸629〜964位を含む。
C末端領域は、バクテリオファージPhi33のC末端領域と96%以下のアミノ酸配列同一性を有してもよく、バクテリオファージPhi33、LBL3、SPM−1、F8、PB1、KPP12、LMA2、SN、14−1、JG024、NH−4、PTP47、C36、PTP92、およびPTP93のいずれか1つに由来しうる。C末端領域のアミノ酸配列同一性がより低いことが好ましい。配列同一性は、90%未満であることが都合がよく、80%未満であることがより都合がよく、好ましくは70%未満、より好ましくは60%未満、さらにより好ましくは50%未満、特に好ましくは40%未満、より特に好ましくは30%未満である。N末端領域はバクテリオファージPhi33のN末端領域と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有し、少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有することが都合がよく、バクテリオファージPhi33、LBL3、SPM−1、F8、PB1、KPP12、LMA2、SN、14−1、JG024、NH−4、PTP47、C36、PTP92、およびPTP93のいずれか1つに由来しうる。典型的には、それぞれの尾繊維タンパク質は、バクテリオファージPhi33の尾繊維アミノ酸配列と80%超のアミノ酸配列同一性を有し、85%超であることが都合がよく、好ましくは90%超、より好ましくは95%超の配列同一性を有する。N末端領域とC末端領域が同じバクテリオファージに由来して、同種の尾繊維タンパク質を提供してもよい。あるいは、N末端領域とC末端領域が異なるバクテリオファージ尾繊維タンパク質に由来して、異種尾繊維タンパク質を提供してもよい。ファージ尾繊維タンパク質が同種である1つの構成において、それぞれの尾繊維タンパク質は、Phi33、LBL3、SPM−1、F8、PB1、KPP12、LMA2、SN、14−1、JG024、NH−4、PTP47、C36、PTP92、およびPTP93から選択されるバクテリオファージに由来する。
1つの構成において、本発明を使用して、絶対溶菌性バクテリオファージを改変することができる。もう1つの構成において、本発明を使用して、溶菌的増殖の際にテンペレートファージを改変することができる。
さらなる構成において、本発明は、遺伝子送達ビヒクルとして使用するための絶対溶菌性バクテリオファージの改変において特に有用である。好ましい構成において、本発明を使用して、抗菌タンパク質の遺伝子を有するように溶菌性ファージを改変することができる。
従来の抗生物質に対する代替として、細菌内部で広いスペクトルの抗菌活性を証明する1つのタンパク質ファミリーは、α/β型の低分子酸可溶性芽胞タンパク質(今後SASPとして知られる)を含む。細菌内部で、SASPは、細菌DNAに結合し、クライオ電子顕微鏡を使用するこのプロセスの可視化により、最も研究されているSASPであるSspCが、DNAを被覆して、突出ドメインを形成し、DNA構造(Francesconiら、1988;Frenkiel−Krispinら、2004)をB様(ピッチ3.4nm)からA様(3.18nm;A様DNAは2.8nmのピッチを有する)に改変することが示されている。突出するSspCモチーフは、隣接するDNA−SspCフィラメントと相互作用して、フィラメントを核タンパク質ヘリックスの堅固なアセンブリに詰め込む。2008年に、Leeらは、10bp DNA二本鎖に結合したα/β型SASPの結晶構造を2.1Åの解像度で報告した。複合体において、α/β型SASPは、ヘリックス−ターン−ヘリックスモチーフを採用し、副溝の接触を通してDNAと相互作用し、二量体としてDNAのおよそ6bpに結合し、DNAはA−B型コンフォメーションで存在する。このようにして、DNAの複製は停止し、SASPが結合している場合、SASPは、DNAの転写を防止する。SASPは、非配列特異的にDNAに結合し(Nicholsonら、1990)、そのため細菌DNAに変異があっても、SASPの結合に影響を及ぼさない。α/β型SASPの配列は、好ましいα/β型SASPであるバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)のSASP−Cを含む、国際公開第02/40678号パンフレットの付録1に見出されうる。国際公開第02/40678号パンフレットは、SASP遺伝子を取り込むように改変されたバクテリオファージの抗菌剤としての使用を記述する。
SASP遺伝子を含有するように改変されたバクテリオファージベクターは、一般的にSASPjectベクターと呼ばれている。SASP遺伝子が標的細菌に送達されると、SASPがそれらの細菌内で産生され、細菌DNAに結合して、DNAのコンフォメーションをB様からA様に変化させる。標的細菌細胞内で十分量のSASPが産生されると、感染細胞の生存率の低下を引き起こす。
特に好ましい実施形態において、本発明の方法を使用して、SASP発現カセットによりファージを改変してSASPjectベクターを作製することができ、この技術を同様に使用して、SASP発現カセットによりファージを改変すると同時に溶菌遺伝子を欠失させて、SASPjectベクターを作製することもできる。
したがって、本発明に従う1つの構成において、外因性のDNAは、α/β型低分子酸可溶性芽胞タンパク質(SASP)をコードする遺伝子を含む。このようにして、本発明の方法を使用して、複数の異なる標的細菌に感染することができる改変バクテリオファージを産生することができる。改変バクテリオファージは、標的細菌に対して毒性であるSASPを含み、バクテリオファージは典型的には非溶菌性である。
1つの態様において、本明細書において使用される用語「SASP」は、α/β型SASP活性、すなわちDNAに結合してその構造をそのB型からA型に改変する能力を有するタンパク質を指し、国際公開第02/40678号パンフレットの付録1に記載のタンパク質を含むのみならず、その任意の相同体、ならびに同様にα/β型SASP活性を有する任意の他のタンパク質も含む。代わりの態様において、本明細書において使用される用語「SASP」は、国際公開第02/40678号パンフレットの付録1に記載の任意のタンパク質、または国際公開第02/40678号パンフレットの付録1に記載のタンパク質の任意の1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、92%、94%、95%、96%、98%、もしくは99%配列同一性を有する任意の相同体を指す。別の代替の態様において、本明細書において使用される用語「SASP」は、国際公開第02/40678号パンフレットの付録1に記載の任意のタンパク質を指す。
SASP遺伝子は、国際公開第02/40678号パンフレットの別紙1に開示されるSASPをコードする遺伝子のいずれか1つから選択することができる。好ましい構成において、SASPはSASP−Cである。SASP−Cは、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)に由来しうる。
SASP遺伝子は、改変バクテリオファージが標的細菌に複数のコピーで存在する場合に、毒性レベルのSASPの産生を促進するために十分に強力であることが都合がよい構成的プロモーターの制御下に存在することが好ましい。有用な構成的プロモーターには、ピルビン酸デヒドロゲナーゼE1成分αサブユニットのpdhA、30Sリボソームタンパク質S2のrpsB、グルコース−6−リン酸イソメラーゼのpgi、およびフルクトース二リン酸アルドラーゼ遺伝子プロモーターfdaが挙げられる。感染の際に活性な好ましい調節型プロモーターは、エラスターゼのlasBである。これらのプロモーターは、典型的には緑膿菌に由来する。これらのプロモーター配列と少なくとも90%の配列同一性を示す配列を有するプロモーターも同様に使用することができる。
本発明の方法を使用して改変バクテリオファージを提供する場合、改変バクテリオファージは、それぞれの宿主域決定因子が異なる細菌宿主特異性を有する、複数の異なる宿主域決定因子を発現することができる。あるいは、改変バクテリオファージは、複数の異なるバクテリオファージ由来のアミノ酸配列を含むハイブリッド宿主域決定因子タンパク質を発現することができる。それぞれの宿主域決定因子は、尾繊維タンパク質であってもよい。宿主域決定因子の細菌宿主特異性は、同じ細菌種内であることが都合がよい。
さらなる態様において、本明細書において定義される改変バクテリオファージまたはその混合物とその担体とを含む細菌細胞増殖を阻害または予防する組成物が提供される。そのような組成物は、広範囲の用途を有し、したがって意図される使用に従って調合される。組成物は、薬剤、特にヒト治療のための薬剤として調合されてもよく、細菌感染症を含む様々な状態を治療しうる。本発明に従って治療可能な感染症は、血流中の感染症、局所感染症、虫歯、呼吸器感染症、および眼の感染症を含む、局所組織および臓器の感染症、または多臓器感染症である。担体は、薬学的に許容されるレシピエントまたは希釈剤でありうる。そのような組成物の成分の正確な性質および量は、経験的に決定されてもよく、組成物の投与経路に一部依存する。
レシピエントに対する投与経路には、静脈内、動脈内、経口、口腔内、舌下、鼻腔内、吸入、局所(眼科を含む)、筋肉内、皮下、および関節内が挙げられる。使用の便宜上、本発明に従う投薬量は、治療または予防される感染症の部位およびタイプに依存する。呼吸器感染症は吸入投与によって治療され、眼の感染症は点眼液を使用して治療されうる。改変バクテリオファージを含有する口腔内衛生製品も同様に提供される。歯垢の形成に関連する細菌を消失させるように調合された、本発明に従う改変バクテリオファージを含有するマウスウォッシュまたは練り歯磨きを使用してもよい。
本発明に従って産生された改変バクテリオファージは、例えば表面細菌汚染の処理ならびに土壌の改良または水の処理における除菌剤として使用されうる。バクテリオファージは、医療従事者および/または患者の処置において、例えばハンドウォッシュ中の除菌剤として使用されうる。特に病院での手順または食品調製に使用する作業表面および機器の処置も同様に提供される。1つの特定の実施形態は、1人の個体から他の個体への細菌の伝達および汚染を予防、消失、または低減するために、局所使用のために調合された組成物を含む。これは、特に従来の抗生物質に対して耐性の細菌が流行している病院の環境において微生物感染症の伝播を制限するために重要である。そのような使用に関して、改変バクテリオファージを、Tris緩衝生理食塩水もしくはリン酸緩衝生理食塩水に含めてもよく、またはゲルもしくはクリームに調合してもよい。何回も使用する場合、保存剤を添加してもよい。あるいは、製品を凍結乾燥して、賦形剤、例えばスクロースなどの糖を添加してもよい。
(技術の詳細な説明)
本発明において、同種の宿主域決定因子を有する複数のファージを同定することができることが見出されている。そのようなファージは単離することができる。例として、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)株上でプラークを形成することができる環境起源由来のファージに関してスクリーニングすることによって、緑膿菌に感染するファージを単離することができる(Gill and Hyman、2010)。単離されたファージの全ゲノムをシークエンシングして、アノテーションを行ってもよい。あるいは、DNA配列データベースを宿主域決定因子に関して検索することができる。2014年9月現在、National Centre for Biotechnology Information(NCBI)データベースに寄託されたファージゲノム配列は約1400個であった。
HRDは、例としてファージT4、T5、およびT7において宿主細菌に対する最初の認識/結合を担うタンパク質であることが一般的に見出されている尾繊維タンパク質でありうる(Rakhubaら、2010)。あるいは、他のHRDは基盤タンパク質でありうる。BLAST検索を使用して、公知の配列に対するファージゲノム中の全てのタンパク質の相同性を評価することによって、ファージゲノムを、可能性があるHRD配列に関して検索することができる。相同であるファージ尾繊維タンパク質を同定することが都合がよい。例えば、緑膿菌株に関して広い宿主域を有するいくつかのファージPhi33、PTP47、PTP92、およびC36が同定されて、そのゲノムがシークエンシングされている。Phi33、PTP47、PTP92、およびC36のゲノム配列の分析により、それらが、高レベルの配列同一性(カッコ内はアミノ酸同一性)を有する推定の尾繊維タンパク質をコードする遺伝子を含有することが判明している:C36(96%)、PTP47(86%)、PTP92(83%)。BLAST検索により、これらの4つのファージは、他の寄託された10個のファージゲノム配列:PB1、SPM1、F8、LBL3、KPP12、LMA2、SN、JG024、NH−4、14−1に関連することが示されており、これらは共にPB1様ファージのファミリーを形成する(Ceyssensら、2009)。これらの推定の尾繊維タンパク質の相同性を評価した。2配列BLASTアライメント後にPhi33尾繊維タンパク質と比較した(カッコ内はアミノ酸同一性):LBL3(96%)、SPM−1(95%)、F8(95%)、PB1(95%)、KPP12(94%)、LMA2(94%)、SN(87%)、14−1(86%)、JG024(83%)、NH−4(83%)。上記のファージの14個全てのアライメントを図6に示す。
これら14個のファージ由来のアノテーションを行った尾繊維タンパク質の分析により、Phi33尾繊維アミノ酸1〜628位と同等のタンパク質のN末端領域が、14個全てのタンパク質に関して96〜100%の範囲で、その全長に対するこれらのタンパク質の配列同一性よりアミノ酸レベルでさらにより高いレベルの配列同一性を示すことが判明している。2配列BLASTアライメント後に、Phi33尾繊維タンパク質のN末端アミノ酸1〜628位(カッコ内はアミノ酸同一性)と比較した:LBL3(96%)、SPM−1(96%)、F8(96%)、PB1(96%)、KPP12(98%)、LMA2(99%)、SN(99%)、14−1(97%)、JG024(97%)、NH−4(97%)、PTP47(98%)、C36(96%)、PTP92(97%)。しかし、Phi33尾繊維アミノ酸629〜964位と同等のタンパク質のC末端領域は、いくつかのタンパク質ではN末端領域ほど保存されず、配列同一性の範囲は、典型的に57〜96%である。2配列BLASTアライメント後、Phi33尾繊維タンパク質のC末端アミノ酸629〜964位(カッコ内はアミノ酸同一性)と比較した:LBL3(94%)、SPM−1(93%)、F8(93%)、PB1(94%)、KPP12(87%)、LMA2(85%)、SN(65%)、14−1(65%)、JG024(57%)、NH−4(57%)、PTP47(64%)、C36(96%)、PTP92(57%)。他の十分に特徴づけされたファージのファージ尾繊維の分析により、それらがN末端尾部基盤結合領域とC末端受容体結合領域とを有することが示されている(Veesler and Cambillau,2011)。プラークアッセイまたは増殖阻害試験を使用するそれらの細菌株宿主域の実験的分析において、ファージPhi33、PTP47、PTP92、およびC36は、重なり合うが同一ではない宿主域を有する(表1)。ファージ尾繊維のC末端領域の役割が細菌宿主受容体結合に関係しているという確立された証拠と、これらの4つのファージのC末端領域の配列多様性およびその類似であるが同一でない宿主域と共に考慮すると、C末端の多様性は、評価されるファージの宿主域に関連すると推定される。
本発明に従って、同種の尾繊維タンパク質の遺伝子を、N末端領域におけるその高レベルの配列同一性に基づいて、1つのファージから採取して別のファージに付加できることがさらに提供される。N末端領域は、尾繊維のファージ尾部への結合に関係すると考えられており(Veesler and Cambillau,2011)、宿主域がドナーファージの尾繊維に関連する生存ファージを形成することができる。あるいは、本明細書に記述される遺伝子などの尾繊維遺伝子を使用して、異種ドナーファージ尾繊維タンパク質由来の多様なC末端受容体結合領域と共に、レシピエントファージ由来の尾繊維の保存されたN末端尾部結合領域を有するハイブリッド尾繊維遺伝子を作製してもよい。そのような尾繊維ハイブリッド遺伝子を使用して、ファージの尾繊維のいくつかを置換することができる。これは、(レシピエントファージ由来の)ハイブリッド尾繊維のN末端領域を提供して、宿主域がドナーファージ尾繊維のC末端受容体結合領域に関連する生存ファージを形成することができる。標準的な分子遺伝学技術を使用して、Phi33は、以下のファージPTP92、PTP47、LBL3、SPM−1、F8、PB1、KPP12、LMA2、SN、14−1、NH−4由来の異種尾繊維ハイブリッドを有するように改変されている。全ての改変ファージは、生存しており、緑膿菌上でプラークを形成できることが示されている(尾繊維ハイブリッドの命名は以下のとおりである:一例として、Phi33のN末端尾部結合領域がPTP47のC末端受容体結合領域とハイブリダイズしているハイブリッド遺伝子は、Phi33(N)PTP47(C)である)。
ファージPhi33およびPTP92は、類似であるが同一ではない宿主域を有する。したがって、PTP92の宿主域は、Phi33の尾繊維遺伝子(ORF32と命名)をハイブリッドPhi33(N)PTP92(C)尾繊維遺伝子に置換することによって、Phi33に受け継ぐことができると仮定した。ハイブリッド遺伝子を、Phi33のN末端領域(アミノ酸1〜628位と等しい)およびPTP92のC末端領域(アミノ酸629〜962位と等しい)をコードするDNA配列を使用して作製し、このようにハイブリッド尾繊維遺伝子を作製した。このハイブリッド遺伝子を作製するためにこれらの領域を使用する根拠は、これらのタンパク質に関する過去の分析から明白である。ファージの結合に関係すると考えられている両方の尾繊維タンパク質のN末端領域は、97%同一であり、宿主細胞受容体結合に関係すると考えられている両方の尾繊維タンパク質のC末端領域は57%同一である。ハイブリッド尾繊維遺伝子を、Phi33 ORF32(ネイティブPhi33尾繊維遺伝子)のいずれかの側の約1000bpの配列を使用して、Phi33 DNAに隣接させて、プラスミドにクローニングした。プラスミドを、Phi33感染症に対して感受性がある緑膿菌株に導入して、得られた株にPhi33を感染させて、ファージ溶解物を産生した。この溶解物内に、Phi33ネイティブ尾繊維ではなくてハイブリッド尾繊維を有する組み換え型ファージが存在する。ファージ溶解物を使用して、PTP92においてプラーク形成することができるが、Phi33においてプラーク形成することができない株に感染させた。したがって、非組み換え型Phi33ファージは、この宿主において増殖せず、選択されない。一方、組み換え型Phi33−PTP92ハイブリッド尾繊維遺伝子を有するPhi33プラークは、増殖することができ、選択される。プラークを単離して、PCRによってスクリーニングして、その遺伝子型を評価した。試験したプラークは全てPhi33由来のN末端領域とPTP92由来のC末端領域とを有することが見出され、このようにPTP92の宿主域がPhi33に伝達された。
Phi33は、以下のファージ:PTP92、PTP47、LBL3、SPM−1、F8、PB1、KPP12、LMA2、SN、14−1、NH−4由来の尾繊維ハイブリッド(Phi33のN末端領域を有する)を有するように類似に改変されている。改変されたファージは全て、生存して、緑膿菌においてプラークを形成することができることが示されている。
本発明を、単なる例として、以下の添付の図面を参照してさらに詳細に記述する。
lacZ△M15およびエンドライシン遺伝子を含有するプラスミドの構築を示す概略図(その1)である。 lacZ△M15およびエンドライシン遺伝子を含有するプラスミドの構築を示す概略図(その2)である。 SASP−CまたはlacZαマーカーに加えてSASP−Cを付加するようにファージを遺伝子改変するための、置換された尾繊維部分を有するプラスミドの構築を示す概略図(その1)である。 SASP−CまたはlacZαマーカーに加えてSASP−Cを付加するようにファージを遺伝子改変するための、置換された尾繊維部分を有するプラスミドの構築を示す概略図(その2)である。 SASP−CまたはlacZαマーカーに加えてSASP−Cを付加するようにファージを遺伝子改変するための、置換された尾繊維部分を有するプラスミドの構築を示す概略図(その3)である。 SASP−CまたはlacZαマーカーに加えてSASP−Cを付加するようにファージを遺伝子改変するための、置換された尾繊維部分を有するプラスミドの構築を示す概略図(その4)である。 組み換え型ファージを選択する手段としてHORDSを使用して、組み換えによって、SASP−CまたはlacZαマーカーに加えてSASP−Cがファージに付加されているファージの産生を示す概略図(その1)である。 組み換え型ファージを選択する手段としてHORDSを使用して、組み換えによって、SASP−CまたはlacZαマーカーに加えてSASP−Cがファージに付加されているファージの産生を示す概略図(その2)である。 エンドライシン遺伝子をSASP−CまたはSASP−CおよびlacZαマーカーに置換するようにファージを遺伝子改変するための、置換された尾繊維部分を有するプラスミドの構築を示す概略図(その1)である。 エンドライシン遺伝子をSASP−CまたはSASP−CおよびlacZαマーカーに置換するようにファージを遺伝子改変するための、置換された尾繊維部分を有するプラスミドの構築を示す概略図(その2)である。 エンドライシン遺伝子をSASP−CまたはSASP−CおよびlacZαマーカーに置換するようにファージを遺伝子改変するための、置換された尾繊維部分を有するプラスミドの構築を示す概略図(その3)である。 エンドライシン遺伝子をSASP−CまたはSASP−CおよびlacZαマーカーに置換するようにファージを遺伝子改変するための、置換された尾繊維部分を有するプラスミドの構築を示す概略図(その4)である。 組み換え型ファージを選択する手段としてHORDSを使用して、組み換えによって、エンドライシン遺伝子が欠失されていて、SASP−CまたはSASP−CおよびlacZαマーカーに置換されているファージの産生を示す概略図(その1)である。 組み換え型ファージを選択する手段としてHORDSを使用して、組み換えによって、エンドライシン遺伝子が欠失されていて、SASP−CまたはSASP−CおよびlacZαマーカーに置換されているファージの産生を示す概略図(その2)である。
図6は関連するファージの尾繊維遺伝子のマルチプル配列アライメントを示す。
以下の実施例は、外因性のDNAの絶対溶菌性ファージへの付加におけるHORDS技術の有用性を示すために示される。
一例として、代替ファージ由来の尾繊維遺伝子または尾繊維遺伝子の一部と、緑膿菌fdaプロモーターによって制御されるバチルス・メガテリウム由来のSASP−C遺伝子とを含むDNA領域を、広い宿主域の大腸菌/緑膿菌ベクターにおいて、ネイティブ尾繊維領域またはその一部に隣接するPhi33 DNAの2つの領域の間にクローニングすることができる。このプラスミドを緑膿菌に導入して、得られた株にPhi33を感染させることができる。子孫ファージの回収後、ネイティブPhi33尾繊維または尾繊維部分が新しい尾繊維または尾繊維部分に置換されていて、DNAのfda−SASP−C領域が導入されている二重組み換え型バクテリオファージを、新しい組み換え型バクテリオファージの宿主であるが、Phi33の宿主ではない適切な緑膿菌株におけるプラーク形成によって単離することができる。
もう1つの例として、外来DNAの2つの無関係な部分がゲノムに導入されているPhi33誘導体の構築に関して、本明細書において、単なる例として、相同組み換えによって、大腸菌由来のlacZαマーカーと共に緑膿菌fdaプロモーターの制御下でバチルス・メガテリウム由来のSASP−C遺伝子を同時に付加しながら、既存の尾繊維またはその一部を、異なるバクテリオファージ由来の代替の尾繊維または尾繊維部分に置換する方法が示される。
代替ファージ由来の尾繊維遺伝子または尾繊維遺伝子の一部、緑膿菌fdaプロモーターによって制御されたバチルス・メガテリウム由来のSASP−C遺伝子、および大腸菌lacZαレポーター遺伝子を含むDNA領域を、広い宿主域の大腸菌/緑膿菌ベクターにおいてネイティブ尾繊維領域またはその一部に隣接するPhi33 DNAの2つの領域の間にクローニングすることができる。このプラスミドを緑膿菌に導入して、得られた株にPhi33を感染させることができる。子孫ファージの回収後、ネイティブPhi33尾繊維または尾繊維部分が新しい尾繊維または尾繊維部分に置換されていて、fda−SASP−CおよびlacZα領域が導入されている二重組み換え型バクテリオファージを、新しい組み換え型バクテリオファージの宿主であるが、Phi33の宿主ではない適切な緑膿菌株におけるプラーク形成によって単離することができる。lacZαマーカーの可視化が必要である場合、使用する緑膿菌宿主株は、宿主株ゲノムにおける適した位置で大腸菌lacZ△M15対立遺伝子を有しなければならない。
もう1つの例として、外来DNAの一部をゲノムに同時に導入しながら、バクテリオファージゲノムの領域が欠失しているPhi33誘導体の構築に関して、本明細書において、単なる例として、相同組み換えによって、ネイティブエンドライシン遺伝子を同時に欠失させてファージを非溶菌性にして、および緑膿菌fdaプロモーターの制御下でバチルス・メガテリウム由来のSASP−C遺伝子を同時に導入しながら、既存の尾繊維またはその一部を、異なるバクテリオファージ由来の代替の尾繊維または尾繊維部分に置換しうる方法が示される。成功した組み換え体を、新しい宿主域決定因子を有する組み換え型ファージの宿主であるが、元のネイティブファージの宿主ではなく、Phi33エンドライシン遺伝子が緑膿菌ゲノムに存在するように同様に改変されている緑膿菌株においてプラークを形成するバクテリオファージの選択によって同定することができる。
代替ファージ由来の尾繊維遺伝子または尾繊維遺伝子の一部、および緑膿菌fdaプロモーターによって制御されたバチルス・メガテリウム由来のSASP−C遺伝子を含むDNA領域を、広い宿主域の大腸菌/緑膿菌ベクターにおいてネイティブ尾繊維領域に隣接するPhi33 DNAおよびエンドライシン遺伝子またはその一部の2つの領域の間にクローニングすることができる。このプラスミドを緑膿菌に導入して、得られた株にPhi33を感染させることができる。子孫ファージの回収後、ネイティブPhi33尾繊維または尾繊維部分が新しい尾繊維または尾繊維部分に置換されていて、DNAのfda−SASP−C領域が導入されていて、そこからネイティブエンドライシン遺伝子が欠失されている二重組み換え型バクテリオファージを、新しい組み換え型バクテリオファージの宿主であるが、Phi33の宿主ではない適切な緑膿菌(エンドライシン)株におけるプラーク形成によって単離することができる。
この方法によって溶菌性バクテリオファージの非溶菌バージョンを作製するために、新しい宿主域決定因子を有する組み換え型バクテリオファージの宿主であるが、ネイティブバクテリオファージの宿主ではなく、さらに緑膿菌ゲノムにおける適した位置でバクテリオファージエンドライシン遺伝子を有する適切な緑膿菌宿主株が必要である。同様に、バクテリオファージが有するlacZαレポーターの可視化が必要である場合、新しい宿主域決定因子を有する組み換え型バクテリオファージの宿主であるが、ネイティブバクテリオファージの宿主ではなく、さらに適した位置で大腸菌lacZ△M15対立遺伝子を有する緑膿菌宿主株が必要である。これらのようなトランスジーンの挿入のためのゲノム位置は、必須の遺伝子が影響を受けないように、および隣接する遺伝子の発現に対する極性効果の結果として望ましくない表現型が生成されないように、選択すべきである。一例として、1つのそのような位置には、緑膿菌株のphoA遺伝子のすぐ下流が挙げられうる。
一例として、Phi33エンドライシン遺伝子は、緑膿菌において複製できない大腸菌ベクターにおいて、phoAの3’末端に隣接する緑膿菌株PAO1ゲノムDNAの2つの領域の間にクローニングすることができる。このプラスミドを緑膿菌に導入して、ゲノムに全プラスミドを組み込むために1回の相同組み換えを受けている単離体を、テトラサイクリン(50μg/ml)耐性の獲得に従って選択することができる。次に、2回目の相同組み換え事象を受けた単離体(エンドライシン、lacZ△M15)を、10%スクロースを含有する培地において単離することができる(プラスミド骨格に存在するsacBカウンターセレクタブルマーカーを利用する)。
一例として、大腸菌lacZ△M15対立遺伝子を、緑膿菌において複製できない大腸菌ベクターにおいて、phoAの3’末端に隣接する緑膿菌株PAO1ゲノムDNAの2つの領域の間にクローニングすることができる。このプラスミドを緑膿菌に導入して、ゲノムに全プラスミドを組み込むために1回の相同組み換えを受けている単離体を、テトラサイクリン(50μg/ml)耐性の獲得に従って選択することができる。次に、2回目の相同組み換え事象を受けた単離体(エンドライシン、lacZ△M15)を、10%スクロースを含有する培地において単離することができる(プラスミド骨格に存在するsacBカウンターセレクタブルマーカーを利用する)。
(実験技法)
クローニング目的でDNAを生成するためのPCR反応は、プライマーの融解温度(T)に応じて、Herculase II Fusion DNAポリメラーゼ(Agilent Technologies)を使用して、製造元の説明書に従って実施することができる。スクリーニング目的のPCR反応は、プライマーの融解温度(T)に応じて、Taq DNAポリメラーゼ(NEB)を使用して、製造元の説明書に従って実施することができる。特に明記していない限り、制限酵素消化、アガロースゲル電気泳動、T4 DNAリガーゼ依存的ライゲーション、コンピテント細胞の調製および形質転換などの一般的な分子生物学技術は、Sambrookら、(1989)に記述される方法に基づくことができる。酵素は、New England BiolabsまたはThermo Scientificから購入することができる。DNAは、酵素反応から精製して、Qiagen DNA精製キットを使用して細胞から調製することができる。プラスミドは、接合ヘルパー株である大腸菌HB101(pRK2013)によって媒介される接合によって大腸菌株から緑膿菌株に伝達することができる。β−ガラクトシダーゼの色素生成基質であるS−galはSigma(S9811)から購入することができ、これはβ−ガラクトシダーゼによる消化によって、鉄イオンとキレートを形成すると黒色の沈殿物を形成する。
プライマーは、Sigma Life Scienceから得ることができる。プライマーが制限酵素の認識配列を含む場合、PCR増幅DNAの消化を確実にするために、さらなる2〜6ヌクレオチドを5’末端に付加することができる。
クローニングは全て、特に明記していない限り、他所で記述されるように(Sambrookら、1989)、T4 DNAリガーゼによってDNAを一晩ライゲートした後、DH5αまたはTOP10などの大腸菌クローニング株にそれらを形質転換して、選択培地で単離することによって行うことができる。
pSM1080などの広い宿主域の大腸菌/緑膿菌ベクターを使用して大腸菌と緑膿菌の間で遺伝子を伝達させることができる。pSM1080は、pRK2由来の、緑膿菌における複製を可能にする広い宿主域の複製開始点oriT、プラスミドpRK415由来の、大腸菌および緑膿菌の両方で使用するためのtetAR選択可能マーカー、ならびにプラスミドpUC19由来の、高コピー数の大腸菌複製開始点oriVを結合させることによって既に産生された。
緑膿菌において複製することができない大腸菌ベクターpSM1104を使用して、対立遺伝子交換によって緑膿菌変異体を生成することができる。pSM1104は、pRK2由来のoriT、プラスミドpRK415由来の、大腸菌および緑膿菌の両方で使用するためのtetAR選択可能マーカー、プラスミドpUC19由来の高コピー数の大腸菌複製開始点oriV、ならびに枯草菌(Bacillus subtilis)株168由来のsacB遺伝子を、カウンターセレクタブルマーカーとして使用するために、強力なプロモーターの制御下で結合させることによって既に産生された。
(細菌ゲノムのphoA座のすぐ下流にPhi33エンドライシン遺伝子または大腸菌lacZ△M15対立遺伝子のいずれかを有する緑膿菌株を生成する、プラスミドの構築)
1.緑膿菌PAO1 phoA相同体の3’末端に隣接するDNAを有するpSM1104を含むプラスミドpSMX301(図1)は、以下のように構築することができる。
緑膿菌由来のphoA遺伝子の末端のおよそ1kbを含む領域を、プライマーB4300およびB4301を使用してPCRによって増幅することができる(図1)。次にPCR産物を精製して、SpeIおよびBglIIによって消化することができる。緑膿菌由来のphoA遺伝子の下流のおよそ1kbを含む第二の領域は、プライマーB4302およびB4303を使用してPCRによって増幅することができる(図1)。次に、この第二のPCR産物を精製して、BglIIおよびXhoIによって消化することができる。2つの消化物を再度精製して、SpeIおよびXhoIによって消化されているpSM1104に3方式のライゲーションでライゲートして、プラスミドpSMX301を得ることができる(図1)。
プライマーB4300は、5’SpeI制限部位(下線)と、その後に続く緑膿菌株PAO1由来のphoAの終止コドンのおよそ1kb上流に位置する配列とからなる(図1)。プライマーB4301は、5’BglIIおよびAflII制限部位(下線)と、その後に続く緑膿菌株PAO1由来のphoA遺伝子の末端と相補的な配列とからなる(終止コドンを小文字で示す;図1)。プライマーB4302は、5’BglIIおよびNheI制限部位(下線)と、その後に続く緑膿菌株PAO1由来のphoA遺伝子の終止コドンのすぐ下流の配列とからなる(図1)。プライマーB4303は、5’XhoI制限部位(下線)と、その後に続く緑膿菌株PAO1由来のphoA遺伝子のおよそ1kb下流の配列と相補的な配列とからなる(図1)。
Figure 2017529868
2.エンドライシン遺伝子プロモーターの制御下で、Phi33由来のエンドライシン遺伝子を有するpSMX301を含むプラスミドpSMX302(図1)は以下のように構築することができる。
エンドライシン遺伝子プロモーターを、プライマーB4304およびB4305を使用してPhi33からPCRによって増幅することができる(図1)。エンドライシン遺伝子そのものは、プライマーB4306およびB4307を使用してPhi33からPCRによって増幅することができる(図1)。次に、2つのPCR産物を、2つの外側のプライマーB4304およびB4307を使用してSplicing by Overlap Extension(SOEing)PCRによって共に結合することができる。得られたPCR産物をAflIIおよびBglIIによって消化して、同様にAflIIおよびBglIIによって消化されているpSMX301にライゲートして、プラスミドpSMX302を得ることができる(図1)。
プライマーB4304は、5’AflII制限部位(下線)と、その後に続く二方向転写ターミネーター(soxRターミネーター、Genbank受託番号DQ058714の60〜96塩基)と、エンドライシンプロモーター領域の開始部の配列(下線、太字)とからなる(図1)。プライマーB4305は、Phi33由来のエンドライシン遺伝子の開始コドンと重なり合う領域と相補的な配列の5’領域と、その後に続くエンドライシンプロモーター領域の末端と相補的な配列(下線、太字;図1)とからなる。プライマーB4306は、プライマーB4305の逆相補体である(同様に図1を参照されたい)。プライマーB4307は、5’BglII制限部位(下線)と、その後に続くPhi33エンドライシン遺伝子の末端と相補的な配列とからなる(図1)。
Figure 2017529868
3.lacプロモーターの制御下でlacZ△M15を有するpSMX301を含むプラスミドpSMX303は、以下のように構築することができる。
lacプロモーターの制御下のlacZ△M15遺伝子を、プライマーB4308およびB4309を使用して大腸菌株DH10BからPCRによって増幅することができる(図1)。次に、得られたPCR産物を、BglIIおよびNheIによって消化して、同様にBglIIおよびNheIによって消化されているpSMX301にライゲートして、プラスミドpSMX303を得ることができる(図1)。
プライマーB4308は、5’BglII制限部位(下線)と、その後に続くlacプロモーターの配列とからなる(図1)。プライマーB4309は、5’NheI制限部位(下線)と、その後に続く二方向転写ターミネーターおよびlacZ△M15の3’末端と相補的な配列とからなる(下線、太字;図1)。
Figure 2017529868
(細菌ゲノムのphoA座のすぐ下流にPhi33エンドライシン遺伝子を導入する、緑膿菌の遺伝子改変)
1.プラスミドpSMX302(図1)を、接合によって、新しい宿主域決定因子を有するバクテリオファージの宿主であるが、元のバクテリオファージの宿主ではない適切な緑膿菌株に伝達して、テトラサイクリン(50μg/ml)に対する耐性の獲得によって一次組み換え体に関して選択することができる。
2.二重組み換え体を、10%スクロースを含有する培地に播種することによって、sacB媒介カウンターセレクションによって選択することができる。
3.次に、10%スクロースで増殖する単離体をPCRによってスクリーニングして、Phi33エンドライシン遺伝子が緑膿菌phoA遺伝子の下流に導入されていることを確認することができる。
4.単離体(PAX31)の確認後、この株をエンドライシン変異の相補が必要であるバクテリオファージのさらなる改変のための宿主として使用することができる。
(細菌ゲノムのphoA座のすぐ下流に大腸菌lacZ△M15対立遺伝子を導入する、緑膿菌の遺伝子改変)
1.プラスミドpSMX303(図1)を、接合によって、新しい宿主域決定因子を有するバクテリオファージの宿主であるが、元のバクテリオファージの宿主ではない適切な緑膿菌株に伝達して、テトラサイクリン(50μg/ml)に対する耐性の獲得によって一次組み換え体に関して選択することができる。
2.次に、二重組み換え体を、10%スクロースを含有する培地に播種することによってsacB媒介カウンターセレクションによって選択することができる。
3.次に、10%スクロースで増殖する単離体をPCRによってスクリーニングして、大腸菌lacZ△M15対立遺伝子が緑膿菌phoA遺伝子の下流に導入されていることを確認することができる。
4.単離体(PAX32)の確認後、lacZαレポーターの相補が望ましい場合には、この株をバクテリオファージの宿主として使用することができる。
(選択可能マーカーとして代替の宿主域決定因子を利用してバクテリオファージPhi33のゲノムにDNA(fda−SASP−C)の新しい部分を導入する、プラスミドの構築)
1.関連するバクテリオファージPTP92の尾繊維宿主域決定因子の配列に隣接するPhi33配列を有するpSM1080を含むプラスミドpSMX304(図2)は、以下のように構築することができる。
Phi33尾繊維のすぐ下流の領域は、プライマーB4333およびB4334を使用してPCRによって増幅することができる(図2)。バクテリオファージPTP92の尾繊維のC末端受容体結合領域をコードする領域は、プライマーB4335およびB4336を使用してPCRによって増幅することができる(図2)。次に、これらの2つのPCR産物を、外側のプライマーB4333およびB4336を使用してSOEing PCRによって共に結合することができる。Phi33尾繊維のN末端領域をコードする領域、およびPhi33尾繊維のすぐ上流の領域を、プライマーB4337およびB4338を使用してPCRによって増幅することができる(図2)。次に、このPhi33尾繊維領域を、外側のプライマーB4333およびB4338を使用してSOEing PCRによって、Phi33尾繊維の下流の領域とPTP92宿主域決定因子とを含むPCR産物に結合することができる。得られたPCR産物を精製して、NheIによって消化して、再度精製し、NheIによって消化されていて、ライゲーション前にアルカリホスファターゼによって処理されて精製されたpSM1080にライゲートすることができる。この構築物により、プラスミドpSMX304が得られる(図2)。
プライマーB4333は、5’NheI−AflII−PacI制限部位(下線)と、その後に続くPhi33尾繊維のおよそ1kb下流の領域と相補的な配列とからなる(図2)。プライマーB4334は、PTP92尾繊維のC末端受容体結合領域をコードする領域の末端の5’配列と、その後に続くPhi33尾繊維のすぐ下流の配列(下線、図2)とからなる。プライマーB4335は、プライマーB4334の逆相補体である。プライマーB4336は、PTP92尾繊維のC末端受容体結合領域の一部をコードする領域と相補的な5’配列と、その後に続くPhi33尾繊維と相補的な配列(下線、図2)とからなる。プライマーB4337は、プライマーB4336の逆相補体である(図2)。プライマーB4338は、5’NheI制限部位(下線)と、その後に続くPhi33尾繊維の上流の領域の配列とからなる(図2)。
Figure 2017529868
2.fda−SASP−C外来DNAの挿入のために選択された位置である、エンドライシン遺伝子のすぐ下流のPhi33 DNAの領域を有するpSMX304を含むプラスミドpSMX305(図2)は、以下のように構築することができる。
fda−SASP−C外来DNAの挿入のために選択された位置である、エンドライシン遺伝子のすぐ下流に位置するPhi33 DNAのおよそ1kbの領域を、プライマーB4339およびB4340を使用してPCRによって増幅することができる(図2)。次に、得られたPCR産物を、AflIIおよびPacIによって消化し、精製して、同様にAflIIおよびPacIによって消化されていて、ライゲーション前に精製されたpSMX304にライゲートして、プラスミドpSMX305を得ることができる(図2)。
プライマーB4339は、5’AflII制限部位(下線)と、その後に続くfda−SASP−C DNAの挿入のために本明細書において選択された位置のおよそ1kb下流のPhi33配列とからなる(図2)。プライマーB4340は、5’PacI−KpnI−SacI制限部位(下線)と、その後に続くfda−SASP−C DNAの挿入のために選択された位置のすぐ下流に位置するPhi33配列と相補的な配列とからなる(図2)。
Figure 2017529868
3.fda−SASP−Cを有するpSMX305を含むプラスミドpSMX306(図2)は以下のように構築することができる。
バチルス・メガテリウム株KM(ATCC 13632)由来のSASP−C遺伝子は、プライマーB4341およびB4342を使用してPCRによって増幅することができる(図2)。次に、得られたPCR産物を精製し、KpnIおよびNcoIによって消化して、再度精製した。緑膿菌fdaプロモーターは、プライマーB4343およびB4344を使用してPCRによって増幅することができる(図2)。得られたPCR産物を精製して、NcoIおよびPacIによって消化して、再度精製することができる。次に、2つのPCR産物を、KpnIおよびPacIによって消化されていて、ライゲーション前に精製されたpSMX305に3方式のライゲーションでライゲートして、プラスミドpSMX306を得ることができる(図2)。
プライマーB4341は、5’KpnI制限部位(下線)と、その後に続く二方向転写ターミネーター(tonBターミネーター)と、その後に続くバチルス・メガテリウム株KM(ATCC 13632)由来のSASP−Cの末端と相補的な配列(下線、太字;図2)とからなる。プライマーB4342(図2)は、5’NcoI制限部位(下線)と、その後に続くバチルス・メガテリウム株KM(ATCC 13632)由来のSASP−C遺伝子の開始部の配列とからなる。プライマーB4343は、5’NcoI制限部位(下線)と、その後に続くfdaプロモーターの配列とからなる(図2)。プライマーB4344は、5’PacI制限部位(下線)と、その後に続くfdaプロモーターと相補的な配列とからなる(図2)。
Figure 2017529868
(選択の手段としてPTP92宿主域決定因子を利用してバクテリオファージゲノムにfda−SASP−Cを付加する、Phi33の遺伝子改変)
1.プラスミドpSMX306(図2)を、接合によって、元のファージと宿主域決定因子ドナーファージの両方の宿主である緑膿菌株に導入して、テトラサイクリン耐性(50μg/ml)に基づいて接合伝達体を選択し、株PTA31を得ることができる。
2.株PTA31に、ファージPhi33を感染させて、子孫ファージを回収することができる。
3.PTP92宿主域決定因子がPhi33に伝達されている組み換え型ファージは、PTP92宿主域決定因子を有する組み換え型ファージの宿主であるが、親バクテリオファージPhi33の宿主ではない緑膿菌株2726においてステップ(2)の溶解物をプラーク形成させることによって同定することができる。
4.PCRスクリーニングをさらに行って、PTP92由来の宿主域決定因子に加えて、fda−SASP−Cを同時に獲得した単離体を同定することができる。
5.確認された単離体(PTPX31;図2;図3)の同定後、この単離体を、さらに使用する前にさらに2回プラーク精製することができる。
(選択可能マーカーとして代替の宿主域決定因子を利用して、バクテリオファージPhi33のゲノムにDNAの新しい2つの部分(fda−SASP−CおよびlacZα)を導入する、プラスミドの構築)
1.プラスミドpUC19由来のlacZαレポーターを有するpSMX306を含むプラスミドpSMX307(図2)は、以下のように構築することができる。
lacZαレポーターは、プライマーB4345およびB4346を使用してpUC19からPCRによって増幅することができる(図2)。次に、得られたPCR産物を精製して、SacIおよびKpnIによって消化し、再度精製して、SacIおよびKpnIによって消化されていて、ライゲーション前に精製されたpSMX306にライゲートして、プラスミドpSMX307を得ることができる(図2)。
プライマーB4345は、5’SacI制限部位(下線)と、後に続くlacZαの3’末端と相補的な配列とからなる(図2)。プライマーB4346は、5’KpnI制限部位(下線)と、その後に続くlacプロモーターの配列とからなる(図2)。
Figure 2017529868
(選択の手段としてPTP92宿主域決定因子を利用して、バクテリオファージゲノムにfda−SASP−CおよびlacZαを付加する、Phi33の遺伝子改変)
1.プラスミドpSMX307(図2;図3)を、接合によって、元のファージと宿主域決定因子ドナーファージの両方の宿主である緑膿菌株に導入して、テトラサイクリン耐性(50μg/ml)に基づいて接合伝達体を選択し、株PTA32を得ることができる。
2.株PTA32に、ファージPhi33を感染させて、子孫ファージを回収することができる。
3.PTP92宿主域決定因子がPhi33に伝達されている組み換え型ファージは、PTP92宿主域決定因子を有する組み換え型ファージの宿主であるが、親バクテリオファージPhi33の宿主ではない緑膿菌株2726においてステップ(2)の溶解物をプラーク形成させることによって同定することができる。
4.PCRスクリーニングをさらに行って、PTP92由来の宿主域決定因子に加えてfda−SASP−CおよびlacZαを同時に獲得した単離体を同定することができる。
5.lacZαを獲得した単離体を、β−ガラクトシダーゼの色素生成基質であるS−gal(Sigma)を含有する培養培地を使用して、緑膿菌株PAX32(図1)におけるプラーク形成によってさらに確認することができる。この培養培地を使用して、lacZαレポーターを有するバクテリオファージは、この宿主において黒色のプラークを生成するが、lacZαレポーターを欠如するバクテリオファージのプラークは透明なままである。
6.確認された単離体(PTPX32;図3)の同定後、この単離体を、さらに使用する前にさらに2回プラーク精製することができる。
(選択可能マーカーとして代替の宿主域決定因子を利用して、バクテリオファージPhi33(エンドライシン遺伝子)の一部を欠失させて、同時にバクテリオファージPhi33のゲノムにDNAの新しい部分(fda−SASP−C)を導入する、プラスミドの構築)
1.関連するバクテリオファージPTP92の尾繊維宿主域決定因子の配列に隣接するPhi33配列を有するが、エンドライシン遺伝子の欠失を含むpSM1080を含むプラスミドpSMX308(図4)は、以下のように構築することができる。
Phi33尾繊維のすぐ下流の領域は、プライマーB4347およびB4334を使用してPCRによって増幅することができる(図4)。バクテリオファージPTP92のC末端受容体結合領域をコードする領域は、プライマーB4335およびB4336を使用してPCRによって増幅することができる(図4)。次に、これらの2つのPCR産物を、外側のプライマーB4347およびB4336を使用してSOEing PCRによって共に結合することができる。Phi33尾繊維のN末端領域をコードするPhi33配列、および尾繊維の上流の領域を、プライマーB4337およびB4338を使用してPCRによってPhi33から増幅することができる。次に、このPhi33尾繊維領域を、外側のプライマーB4347およびB4338を使用してSOEing PCRによって、Phi33尾繊維の下流の領域とPTP92宿主域決定因子とを含むPCR産物に結合することができる。得られたPCR産物を精製して、NheIによって消化して、再度精製した後、NheIによって消化されていて、ライゲーション前にアルカリホスファターゼによって処理され、精製されたpSM1080にライゲートすることができる。この構築により、プラスミドpSMX308が得られる(図4)。
プライマーB4347は、5’NheI−AflII−PacI制限部位(下線)と、その後に続くPhi33尾繊維のおよそ1kb下流の領域と相補的な配列とからなる(図4)。プライマーB4334は、PTP92尾繊維宿主域決定因子の5’配列と、その後に続くPhi33尾繊維のすぐ下流の配列(下線、図4)とからなる。プライマーB4335は、プライマーB4334の逆相補体である(図4)。プライマーB4336は、PTP92の宿主域決定因子と相補的な5’配列と、その後に続くPhi33尾繊維と相補的な配列(下線、図4)とからなる。プライマーB4337は、プライマーB4336の逆相補体である(図4)。プライマーB4338は、5’NheI制限部位(下線)と、その後に続くPhi33尾繊維の上流の領域の配列とからなる(図4)。
Figure 2017529868
2.fda−SASP−C外来DNAの挿入のために本明細書において選択された位置である、エンドライシン遺伝子のすぐ下流のPhi33 DNAの領域を有するpSMX308を含むプラスミドpSMX309(図4)は、以下のように構築することができる。
fda−SASP−C外来DNAの挿入のために本明細書において選択された位置である、エンドライシン遺伝子のすぐ下流に位置するPhi33 DNAのおよそ1kbの領域を、プライマーB4339およびB4340を使用してPCRによって増幅することができる(図4)。次に、得られたPCR産物を、AflIIおよびPacIによって消化し、精製して、同様にAflIIおよびPacIによって消化されていて、ライゲーション前に精製されたpSMX308にライゲートして、プラスミドpSMX309を得ることができる(図4)。
プライマーB4339は、5’AflII制限部位(下線)と、その後に続くfda−SASP−C DNAの挿入のために本明細書において選択された位置である、エンドライシン遺伝子のおよそ1kb下流のPhi33配列とからなる(図4)。プライマーB4340は、5’PacI−KpnI−SacI制限部位(下線)と、その後に続くfda−SASP−C DNAの挿入のために本明細書において選択された位置である、エンドライシン遺伝子のすぐ下流に位置するPhi33配列と相補的な配列とからなる(図4)。
Figure 2017529868
3.fda−SASP−Cを有するpSMX309を含むプラスミドpSMX310(図4)は以下のように構築することができる。
バチルス・メガテリウム株KM(ATCC 13632)由来のSASP−C遺伝子は、プライマーB4341およびB4342を使用してPCRによって増幅することができる(図4)。次に、得られたPCR産物を精製し、KpnIおよびNcoIによって消化して、再度精製することができる。緑膿菌fdaプロモーターは、プライマーB4343およびB4344を使用してPCRによって増幅することができる(図4)。得られたPCR産物を精製して、NcoIおよびPacIによって消化して、再度精製することができる。次に、2つのPCR産物を、KpnIおよびPacIによって消化されていて、ライゲーション前に精製されたpSMX309に3方式のライゲーションでライゲートして、プラスミドpSMX310(図4)を得ることができる。
プライマーB4341は、5’KpnI制限部位(下線)と、その後に続く二方向転写ターミネーター(tonBターミネーター)と、その後に続くバチルス・メガテリウム株KM(ATCC 13632)由来のSASP−Cの末端と相補的な配列(下線、太字;図4)とからなる。プライマーB4342(図4)は、5’NcoI制限部位(下線)と、その後に続くバチルス・メガテリウム株KM(ATCC 13632)由来のSASP−C遺伝子の開始部の配列とからなる。プライマーB4343は、5’NcoI制限部位(下線)と、その後に続くfdaプロモーターの配列とからなる(図4)。プライマーB4344は、5’PacI制限部位(下線)と、その後に続くfdaプロモーターと相補的な配列とからなる(図4)。
Figure 2017529868
(選択の手段としてPTP92宿主域決定因子を利用して、Phi33エンドライシン遺伝子を欠失させて、同時にバクテリオファージゲノムにfda−SASP−Cを付加する、Phi33の遺伝子改変)
1.プラスミドpSMX310(図4)を、接合によって、元のファージと宿主域決定因子ドナーファージの両方の宿主である緑膿菌株に導入して、テトラサイクリン耐性(50μg/ml)に基づいて接合伝達体を選択し、株PTA33を得ることができる。
2.株PTA33に、ファージPhi33を感染させて、子孫ファージを回収することができる。
3.PTP92宿主域決定因子がPhi33に伝達されている組み換え型ファージは、PTP92宿主域決定因子を有する組み換え型ファージの宿主であるが、親バクテリオファージPhi33の宿主ではなく、Phi33エンドライシン遺伝子をトランスに有する緑膿菌株PAX31(エンドライシン:図1)、すなわち株2726誘導体においてステップ(2)の溶解物をプラーク形成させることによって同定することができる。
4.PCRスクリーニングをさらに行って、PTP92由来の宿主域決定因子に加えてfda−SASP−Cを同時に獲得した単離体を同定することができる。
5.エンドライシンの除去に成功したファージ単離体は、非改変緑膿菌株2726(エンドライシン)においてプラークを形成できないことから、単離体を、この株におけるプラーク形成によって、エンドライシン欠失に関してさらに試験することができる。
5.確認された単離体(PTPX33;図5)の同定後、この単離体を、さらに使用する前に、エンドライシン緑膿菌株においてさらに2回プラーク精製することができる。
表1.緑膿菌の44個のヨーロッパ臨床単離体に対するPhi33、PTP92、C36、およびPTP47の宿主域
粗ファージ溶解物10μlを、細菌を接種した軟寒天重層プレート上に滴下することによって、株を各ファージに対する感受性に関して試験した。プレートを32℃で一晩増殖させて、接種点でのクリアランスゾーンを評価することによって、株を各ファージに対する感受性に関して採点した。ファージが、菌叢のクリアランスによって認められるように増殖を阻害した場合、株を感受性(+)と記し、増殖の阻害が認められない場合、株を非感受性(−)と記した。
Figure 2017529868
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Claims (35)

  1. 第一の標的配列と第二の標的配列とを含む溶菌性の標的ファージのゲノムを改変する方法であって:
    (a)標的ファージの宿主域決定因子とは異なる、マーカーファージの宿主域決定因子を含むファージ標的化領域を含有するベクターであって、ファージ標的化領域が、標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列と相同な第一および第二の隣接配列に隣接する、ベクターを提供するステップと;
    (b)標的ファージの宿主である第一の宿主細胞にベクターを導入するステップと;
    (c)第一の宿主細胞に標的ファージを感染させるステップと;
    (d)ファージを複製および組み換えさせて、それによって標的ファージのゲノムを改変するステップと;
    (e)得られたファージを、マーカーファージの宿主であるが標的ファージの宿主ではない第二の宿主細胞において増殖させるステップと
    (f)得られたファージを回収するステップと
    を含む方法。
  2. 標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列が連続していない、請求項1に記載の方法。
  3. 標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列が、組み換え後の遺伝子の不活化のためにファージ遺伝子またはその一部に隣接する、請求項2に記載の方法。
  4. ファージ遺伝子が溶菌遺伝子である、請求項3に記載の方法。
  5. ベクターのファージ標的化領域が、標的ファージのゲノムに組み込むための外因性のDNA配列をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 外因性のDNAが抗菌タンパク質をコードする、請求項5に記載の方法。
  7. 外因性のDNAがα/β型低分子酸可溶性芽胞タンパク質(SASP)をコードする遺伝子を含む、請求項6に記載の方法。
  8. SASPがSASP−Cである、請求項7に記載の方法。
  9. 遺伝子が構成的プロモーターの制御下にある、請求項7または請求項8に記載の方法。
  10. 構成的プロモーターがpdhA、rpsB、pgi、fda、lasB、およびそれらと90%超の配列同一性を有するプロモーターから選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 第一および第二の隣接配列の少なくとも1つが、標的ファージゲノムの第一および第二の標的配列と比較して変異を含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 変異が点突然変異である、請求項11に記載の方法。
  13. マーカーファージの宿主域決定因子が、尾繊維タンパク質またはその領域をコードする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 尾繊維タンパク質が、第二の宿主細胞に結合するための受容体結合領域と、受容体結合領域をファージのボディに結合させる領域とを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 受容体結合領域が、C末端受容体結合領域であり、C末端受容体結合領域をファージのボディに結合させる領域がN末端領域である、請求項14に記載の方法。
  16. 第二の宿主細胞がシュードモナス(Pseudomonas)宿主細胞である、請求項14または請求項15に記載の方法。
  17. シュードモナスが緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)である、請求項16に記載の方法。
  18. N末端領域が、バクテリオファージPhi33のアミノ酸配列に基づいて、尾繊維タンパク質のアミノ酸1〜628位を含み、C末端領域が尾繊維タンパク質のアミノ酸629〜964位を含む、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. C末端領域が、バクテリオファージPhi33のC末端領域と96%以下のアミノ酸配列同一性を有する、請求項15〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. C末端領域が、バクテリオファージPhi33、LBL3、SPM−1、F8、PB1、KPP12、LMA2、SN、14−1、JG024、NH−4、PTP47、C36、PTP93、およびPTP92のいずれか1つに由来する、請求項19に記載の方法。
  21. C末端領域アミノ酸配列同一性が80%未満である、請求項19または請求項20に記載の方法。
  22. C末端領域アミノ酸配列同一性が70%未満である、請求項21に記載の方法。
  23. C末端領域アミノ酸配列同一性が60%未満である、請求項22に記載の方法。
  24. N末端領域がバクテリオファージPhi33のN末端領域と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有する、請求項15〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. N末端領域が、バクテリオファージPhi33、LBL3、SPM−1、F8、PB1、KPP12、LMA2、SN、14−1、JG024、NH−4、PTP47、C36、PTP92、およびPTP93のいずれか1つに由来する、請求項24に記載の方法。
  26. 尾繊維タンパク質がバクテリオファージPhi33の尾繊維アミノ酸配列と80%超のアミノ酸配列同一性を有する、請求項15〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 各尾繊維タンパク質が、Phi33、LBL3、SPM−1、F8、PB1、KPP12、LMA2、SN、14−1、JG024、NH−4、PTP47、C36、PTP92、およびPTP93から選択されるバクテリオファージに由来する、請求項26に記載の方法。
  28. アミノ酸配列同一性が85%超である、請求項26または請求項27に記載の方法。
  29. アミノ酸配列同一性が90%超である、請求項28に記載の方法。
  30. アミノ酸配列同一性が95%超である、請求項29に記載の方法。
  31. バクテリオファージが標的細菌に対して毒性であるSASPを含み、非溶菌性である、複数の異なる標的細菌に感染することができる改変バクテリオファージを産生するための、請求項7〜30のいずれか1項に記載の方法の使用。
  32. バクテリオファージが複数の異なる宿主域決定因子を発現し、それぞれの宿主域決定因子が異なる細菌宿主特異性を有する、請求項31に記載の使用。
  33. バクテリオファージが複数の異なるバクテリオファージ由来のアミノ酸配列を含む宿主域決定因子タンパク質を発現する、請求項31に記載の使用。
  34. 前記またはそれぞれの宿主域決定因子が尾繊維タンパク質である、請求項32または請求項33に記載の使用。
  35. 宿主域決定因子の細菌宿主特異性が、同じ細菌種内である、請求項32〜34のいずれか1項に記載の使用。
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