JP2017529360A - スキンケア製品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

約−400〜−600の反磁性磁化率を有するスキンケア活性物質を含有するスキンケア組成物を含むスキンケア製品を製造し、皮膚の対象部分にスキンケア組成物を塗布するためのアプリケータを構成し、小売販売用に組成物及びアプリケータを梱包する方法が提供される。アプリケータは、皮膚へのスキンケア活性物質の浸透性を促進するように調整された磁気アレイを含む。磁気アレイは、一方向磁気アレイ又は二方向磁気アレイであってもよい。

Description

本発明は概ね、皮膚へのスキンケア活性物質の浸透性を促進するスキンケア製品の製造方法に関する。より具体的には、本発明は、磁気アレイをスキンケア組成物と対にすることに関し、このスキンケア組成物は、磁気アレイとの使用に特に適した反磁性特性を有するスキンケア活性物質を含む。
皮膚に効果をもたらす活性物質を含有する局所用スキンケア組成物は周知である。美容スキンケア活性物質によってもたらされる皮膚の健康及び外観の効果は、活性物質が皮膚の中へより深く浸透することができる場合に向上させることができることもまた既知である。例えば、ペプチド(例えば、ジ−、トリ−、テトラ−、及びペンタペプチド)及びこれらの誘導体は、多様な皮膚の状態を調節する際に使用することが知られており、所望の効果をもたらすためには、典型的には皮膚に浸透させる必要がある。特定の1つの例において、皮膚老化の兆候を改善するために、ペプチド誘導体パリミトイル(palimitoyl)−リシン−トレオニン−トレオニン−リシン−セリン(「Pal−KTTKS」)がスキンケア組成物において使用されている。理論に束縛されるものではないが、Pal−KTTKSは、主にコラーゲンの生成を担う皮膚細胞である真皮繊維芽細胞でのコラーゲンの生成を促進し、小じわ、筋目、及びしわの外観を軽減させると考えられている。しかしながら、真皮繊維芽細胞に到達するには、Pal−KTTKSが皮膚の表皮層を貫通しなければならない。したがって、Pal−KTTKSのような美容スキンケア活性物質の皮膚浸透性を改善する好適な方法を発見することが所望されていると考えられる。
しかしながら、Pal−KTTKSなどのスキンケア活性物質の皮膚への効果的な送達は、まだ解決されていない課題である。スキンケア活性物質を、例えば、クリーム、ローション、及びエッセンスなどの局所的な塗布によって皮膚に導入することは珍しいことではない。しかしながら、Pal−KTTKSのようなスキンケア活性物質の実際の効果及び認知された効果は、皮膚の上層に浸透するスキンケア活性物質の量及びスキンケア活性物質が浸透する深さに大きく依存する。皮膚に浸透することができる活性剤の量を制限する様々な要因があり、現在は、皮膚への浸透後の活性剤の位置付け及び滞留をほとんど制御できない。
スキンケア組成物内に提供される活性剤の量は、様々な方法、例えば、スキンケア組成物内の活性剤の量を増加させることによって増加させることができる。しかしながら、これは、感触が良好ではない組成物をもたらし、処方の課題が増大し、安定性の問題が発生し、製造コストが増加する場合が多い。
スキンケア活性物質の効能を向上させるための1つのアプローチは、化学的浸透促進剤を使用して、皮膚浸透性の変化を容易にし、スキンケア活性物質の浸透性を促進させることである。しかしながら、化学的浸透促進剤の使用は、活性剤との未知の相互作用、並びに皮膚及び粘膜表面の刺激などの有害な副作用の可能性により、問題となる場合がある。
活性物質の皮膚浸透性を増大させるための機械的アプローチも研究されてきた。例えば、イオン導入として知られるこのような1つのアプローチは、電気エネルギー勾配を利用して、皮膚(又は他のバリア)にわたって(複数種の)荷電した活性剤を加速させることができる。イオン導入を用いる装置の一例は、米国特許第7,137,965号に記載されている。しかしながら、イオン導入は、あるイオン構造を有する特定の活性剤に対してのみ適しており、交換イオンの劣化によってある真皮バリアに害を与える場合がある。更に、イオン導入は、密接な電気接触及び接着性電極の使用が必要であり、これは、すべての対象表面又はバリアに対して好適であるというわけではない。
(複数種の)活性剤の動きの可動性及び/又は方向を生み出すための他の手法として、磁気運動及び磁気泳動が挙げられる。しかしながら、これらの手法は、性能の低さ、ハードウェア及びエネルギーの所要量の大きさ、並びに高コストにより、実施が困難であった。磁気泳動を利用する装置の一例は、米国特許出願公開第2009/0093669号に記載されている。これらの方法は、皮膚へのスキンケア活性物質の浸透量の増加を主張する一方、これらは、浸透量及び浸透の深さの両方に関して、制御された状態で、浸透性を促進するわけではない。
スキンケア活性物質を効果的に送達するための装置の設計の別の例において、国際公開第2011/156869号は、1つ又は2つ以上の変位した双極磁気要素を用いて真皮バリアを通ってスキンケア剤を送達する方法を開示している。しかしながら、この方法は依然、様々なスキンケア活性物質の独自の特性及び皮膚の効果を出したい対象区域を考慮に入れた、目標とするアプローチを提供するものではない。
米国特許第7,137,965号 米国特許出願公開第2009/0093669号 国際公開第2011/156869号
したがって、制御された状態で、特定の美容活性物質の皮膚への浸透性を向上させることができる美容製品を提供するニーズがある。
スキンケア製品の製造方法が、本明細書に開示されている。この方法は、約−400〜−600の反磁性磁化率を有するスキンケア活性物質を含むスキンケア組成物を提供する工程と、スキンケア組成物を皮膚の対象部分に塗布するためのアプリケータを構成する工程と、スキンケア組成物及びアプリケータのそれぞれをパッケージ内に配置する工程と、を含む。アプリケータを構成する工程は、材料を磁化して、磁気要素のアレイを提供する工程と、磁気要素を調整して、皮膚へのスキンケア活性物質の浸透性を促進する工程と、を含む。方法は、任意の組み合わせにおいて以下の特徴のうち1つ又は2つ以上を含むことができる。1.7〜2.5のピッチを有する磁気要素、約24.0〜36.0mTの磁場強度を有する磁気アレイ、0.8〜1.2mmの厚さを有する磁気アレイ、例えば、鉄、鉄含有材料、コバルト、コバルト含有材料、ストロンチウム、ストロンチウム含有材料、バリウム、バリウム含有材料、ニッケル、ニッケル含有材料、これらの合金及び酸化物、並びにこれらの組み合わせのような強磁性材料を含む磁気アレイ、ホウ素、炭素、ケイ素、リン、アルミニウム、ネオジウム、サマリウム、又はこれらの組み合わせを含むものから形成された磁気アレイ、Pal−KTTKS。方法は、材料を第2の深さまで磁化して、磁気要素の第2のアレイを提供する工程と、磁気要素の第1のアレイを磁気要素の第2のアレイ上に並置する工程と、並置した磁気要素の最初の第2のアレイを角度が付いてオフセットする工程と、を含む。第2の磁気アレイは、0.8〜1.3のピッチ及び約1〜20mTの磁場強度を有する、請求項10に記載の方法であって、方法は、スキンケア組成物及びアプリケータを同じパッケージ内に梱包する工程と、スキンケア組成物及びアプリケータを別個のパッケージ内に梱包し、スキンケア組成物のパッケージ及びアプリケータのパッケージのうち少なくとも一方に、アプリケータが、スキンケア組成物内のスキンケア活性物質の浸透性を促進する磁気アレイを含むことをユーザに伝達する標識を提供する工程と、アプリケータの皮膚対向面を覆うカバーを提供する工程と、カバーが覆う皮膚対向面よりも低い摩擦係数を有するカバーを提供する工程と、を含む。
磁気アレイは、Pal−KTTKSの特定の反磁性特性と共に作用するように設計されている。磁気アレイの全体的な磁場強度は、Pal−KTTKS内に誘起される反発力の量、ひいては、この力が及ぶ皮膚内の深さを決定する一方、磁極のピッチは、磁場の全体的なプロファイルを決定する。かかる磁気アレイを、Pal−KTTKSを含有する組成物と共に使用すると、a)ユーザの皮膚に浸透し、b)最も効果的である可能性がある皮膚の層に位置付けられる、Pal−KTTKSの量を増加させることができる。
本明細書に記載されるスキンケア製品のアプリケータの斜視図である。 本明細書に記載されるスキンケア製品のアプリケータの斜視図である。 本明細書に記載されるスキンケア製品のアプリケータの斜視図である。 本明細書に記載されるスキンケア製品のアプリケータの斜視図である。 N極及びS極を有する典型的な棒磁石を模式的に示す図である。 双極子対の磁石を模式的に示す図である。 磁気アレイにおける双極子対の様々な配置を模式的に示す図である。 磁気アレイにおける双極子対の様々な配置を模式的に示す図である。 磁化及びそれに対応する磁気アレイに生成された磁場の模式図である。 磁化及びそれに対応する磁気アレイに生成された磁場の模式図である。 磁化及びそれに対応する磁気アレイに生成された磁場の模式図である。 磁化及びそれに対応する磁気アレイに生成された磁場の模式図である。 磁化及びそれに対応する磁気アレイに生成された磁場の模式図である。 二方向磁気アレイの様々な構成方法の模式図である。 二方向磁気アレイの様々な構成方法の模式図である。 二方向アレイによって生成された磁場を表す模式図である。 磁気アレイを用いたPal−KTTKSの促進された浸透性のプロットである。 磁気アレイを用いたPal−KTTKSの促進された浸透性のプロットである。 Pal−KTTKSの能動的塗布に対する受動的塗布のプロットである。 摩擦係数法のための試験用の設定の図である。
本明細書に開示される方法は、特定のスキンケア活性物質の独自の反磁性特性を利用して、皮膚への活性物質の浸透性を促進する。反磁性とは、物体又は材料の特性であって、これらに外部から印加した磁場と反対の磁場を生成させることで、反発効果を引き起こす。驚くべきことに、特別に調整した磁気アレイを、特定のスキンケア活性物質と組み合わせることによって、皮膚への活性物質の浸透性が、制御可能な方法で促進することができることが発見された。この発見を利用して、1種又は2種以上のスキンケア活性物質が皮膚に送達される美容スキンケア製品を製造することが可能であり、従来のスキンケア製品よりも良好なスキンケア効果を提供することができる。
本明細書に開示される方法は、皮膚へのスキンケア活性物質の浸透性を促進するスキンケア製品、特に、Pal−KTTKSを含むスキンケア製品を提供する。かかる皮膚製品を使用する方法は、組成物内の少なくとも1種のスキンケア活性物質の浸透性を促進するように意図的に設計された磁気アレイを含むアプリケータと共に、局所用スキンケア組成物の使用を伴う。
定義
パラメータ又は範囲の文脈において「約」が使用される場合、記載された値の30%以内(例えば、25%、20%、15%、10%、5%、2%、又は更には1%以内)の値を意味する。
組成物に関連して使用される場合、「塗布する」又は「塗布」は、ケラチン組織の表面上に組成物を塗布するか、又は伸ばすことを意味する。
「誘導体」は、相対する分子と類似しているものの、特定の官能性部分が異なっている分子を指す。誘導体は既知の反応経路により生成され得る。好適な官能基としては、エステル、エーテル、アミド、アミン、カルボン酸、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール及び/又は関連する分子の塩誘導体が挙げられる。ペプチド誘導体は、脂肪酸鎖などの別の部分と接合されたペプチドを含む。
「配設された」は、別の要素に対する特定の場所又は位置に位置している要素を指す。
「接合された」は、要素を他の要素に直接固着することにより、要素を別の要素に直接固定する構成、及び要素を中間部材に固着し、これが次に他の要素に固着されることにより、要素が別の要素に間接的に固定される構成を意味する。
「ケラチン組織」は、哺乳類の最も外側の保護カバーとして配設されたケラチン含有層を指し、これには、皮膚、毛髪、爪、キューティクルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「磁場」及び「磁束密度」は、本明細書において互換的に使用され、テスラ単位で測定したベクトル場を指す。
「磁性材料」は、永久磁石を製造することができる材料を意味する。
「永久磁石」は、電源を使用することなくそれ自身の永続的な磁場を生成するように磁化された磁性材料を意味する。
「磁極」は、磁石の隣接領域よりも高い磁束密度を呈する磁石の部分を指す。例えば、従来の棒磁石は、磁束密度が最も高い両端に配設された2つの磁極を有する。
「皮膚の状態を調節する」とは、例えば、より滑らかな外観及び/又は感触のような効果を与えることによって、皮膚の外観及び/又は感触を改善することを意味する。本明細書で、「皮膚の状態を改善する」とは、皮膚の外観及び感触に対して、視覚的にかつ/又は触知的に知覚可能な好ましい変化をもたらすことを意味する。効果は、慢性効果であってもよく、又は急性効果であってもよく、以下のうち1つ又は複数を含み得る。しわ及び荒く深いしわ、小じわ、溝、隆起、及び大きい毛穴の外観の低減;ケラチン組織の肥厚(例えば、表皮及び/又は真皮及び/又は皮膚の真皮下の層、並びに当てはまる場合、皮膚、毛髪、又は爪の萎縮を低減させるために、爪及び毛幹のケラチン層を形成すること);(表皮突起としても知られている)真皮と上皮の境界のコンボリューションを上昇させること;皮膚若しくは毛髪の弾性の喪失、例えば、弾性線維症、たるみ、変形からの皮膚の喪失若しくは毛髪のはね返り等の症状を生じさせる機能的皮膚エラスチンの喪失、損傷、及び/又は不活性化に起因する皮膚若しくは毛髪の弾性の喪失の予防;セルライトの低減;皮膚、毛髪、又は爪に対する着色の変化、例えば、目の下のくま、しみ(例えば、例として、酒さに起因した不均一な赤い着色)、血色の悪さ、色素沈着過度等によって引き起こされた変色の改善。
「安全かつ有効な量」とは、本明細書で開示する効果を独立して又はその効果を組み合わせて含む、効果、好ましくは皮膚又は感触の効果を有意に誘導するのに十分であるが、重篤な副作用を避けるには十分少ない(すなわち、当業者の健全な判断の範囲内での妥当な効果対危険の比を提供するための)化合物又は組成物の量を意味する。
「皮膚老化の徴候」には、限定されるものではないが、外側へ視覚的にかつ触覚的に認知できる発現のすべて、並びに皮膚老化による任意の他のマクロ効果又はミクロ効果が含まれる。これらの徴候は、しわ及び粗く深いしわ、小じわ、皮膚のしわ、溝、隆起、大きい毛穴、凹凸、又は肌荒れ等の組織的欠陥の進行;皮膚の弾性の喪失;(目の下のくまを含む)変色;しみ;血色の悪さ;年齢によるしみ及びそばかす等の色素沈着した皮膚の部位;角質繊維;異常分化;過角化;弾性線維症;角質層、真皮、表皮、脈管系(例えば、毛細血管拡張又はクモ状血管)、及び下層組織(例えば、脂肪及び/又は筋肉)、特に、皮膚に近接しているものにおけるコラーゲンの分解、及び他の組織構造の変化を含むプロセスから生じ得るが、これらに限定されない。
「皮膚」は、ケラチノサイト、繊維芽細胞、及びメラノサイトなどの細胞で構成される、哺乳類の最も外側の保護カバーを意味する。皮膚は、外側の表皮層及びその下の真皮層を含む。皮膚には、毛髪及び爪、並びに一般に皮膚に関連付けられる、例えば、筋細胞、メルケル細胞、ランゲルハンス細胞、マクロファージ、幹細胞、脂腺細胞、神経細胞及び脂肪細胞などのその他の種類の細胞も含まれる。
「スキンケア」は、皮膚の状態を調節及び/又は改善することを意味する。いくつかの非限定的な例は、より滑らかで、より均一な外観及び/又は感触を提供し;皮膚の1つ又は2つ以上の層の厚さを増加させ;皮膚の弾性又は弾力性を向上させ;皮膚のはりを向上させ;皮膚の脂っぽい、てかてかした、かつ/若しくはくすんだ外観を軽減し、皮膚の外観及び/若しくは感触を改善し、皮膚の水和状態若しくは保水率を改善し、小じわ及び/若しくはしわの外観を改善し、皮膚剥脱若しくは落屑を改善し、皮膚を膨化させ、皮膚バリア特性を改善し、皮膚の色合いを改善し、赤み若しくは皮膚のしみの外観を減少させ、かつ/又は皮膚の明るさ、つや、若しくは透明感を向上させることによって、皮膚の外観及び/又は感触を向上させることを含む。
「スキンケア活性物質」は、皮膚に塗布すると、皮膚又は皮膚の中に通常見られる細胞の一種に急性効果及び/又は慢性効果をもたらす、化合物又は化合物の組み合わせを意味する。スキンケア活性物質は、皮膚又はそれに関連する細胞を調節及び/又は改善することができる(例えば、皮膚の弾性の改善、皮膚水分量の改善、皮膚の状態の改善、及び細胞代謝の改善)。
「スキンケア組成物」は、スキンケア活性物質を含み、皮膚の状態を調節及び/又は改善する組成物を意味する。
本明細書で使用するとき、「スキンケア製品」は、スキンケア組成物を含む製品を指す。「スキンケア製品」のいくつかの非限定的な例には、スキンクリーム、保湿剤、ローション、及びボディソープが挙げられる。
スキンケア製品
本明細書に記載されるスキンケア製品は、スキンケア組成物であって、1種又は2種以上のスキンケア活性物質を含有し、そのうち1種は、Pal−KTTKSである、スキンケア組成物と、皮膚へのPal−KTTKSの送達を促進するように調整された磁気アレイを含むアプリケータと、を含む。スキンケア組成物及びアプリケータは、単一の商品として共に梱包及び販売されてもよく、かつ/又は別個に梱包して個別に販売されてもよい。場合によっては、スキンケア組成物及びアプリケータは、後で、互いに結合されるか、又は単一の二次パッケージ内に配置される、別個のパッケージ(例えば、個別の一次パッケージ)に梱包されてもよい。アプリケータ、スキンケア組成物、及び/又はこれらのそれぞれの(複数の)パッケージ上に、アレイの磁気特性が、スキンケア組成物と共に使用するように調整されていることを示す標識を含むことが所望され得る。このような使用に適した標識としては、特に限定されないが、磁気アレイが対応する美容組成物との使用が意図されていることを消費者に伝える、例えば、単語、文字、数字、形状、色、絵、及び図を挙げることができる。
アプリケータ
本明細書に記載される美容スキンケア製品は、皮膚の対象部分にスキンケア組成物を塗布するか、又はスキンケア組成物が既に塗布された皮膚の対象部分の上に配置及び/若しくは接触させるか、いずれか一方に適したアプリケータを含む。アプリケータの形状は、皮膚への塗布の意図した対象区域に従って異なってもよい。例えば、スキンケア組成物が全身クリームの場合、アプリケータは、組成物をより広い面及び/又は身体部位(例えば、脚、腕、腹部、及び/又は背中)に塗布するようなサイズ及び/又は形状であってもよい。場合によっては、スキンケア組成物は、顔(例えば、頬、額、顎、鼻、及び眼窩周囲領域)などのより小さい面積での使用を意図されてもよい。このような場合、アプリケータは、より小さい表面積での使用に対応した形状及びサイズであってもよい。
本アプリケータに組み込むための磁気アレイは、アプリケータの皮膚接触面を提供するように構成することができる(すなわち、アプリケータが意図したとおりに使用されると、アプリケータが対象の皮膚表面と接触するように磁気アレイがアプリケータ上に配設される)。したがって、磁性材料が、皮膚での局所的使用、特に局所的スキンケア組成物と共に使用する際に安全であることが重要である。皮膚と接触した心地良さをもたらす磁性材料を選択することが所望され得る。例えば、磁気アレイは、アプリケータ及び磁気アレイが皮膚と接触する際に、滑らかで快適な表面を提供する単一装置となるように、アプリケータに埋設することができる。
場合によっては、アプリケータは、カバーがアプリケータの皮膚接触面となるように、磁気アレイ及び/又は皮膚接触面のうち少なくとも一部の上に配置される任意のカバーを含んでもよい。カバーは、アプリケータに恒久的に結合されてもよく、又はカバーは、取り外し可能、着脱可能、かつ/若しくは交換可能であってもよい。カバーは、磁気アレイの磁性基板の摩擦係数未満の摩擦係数を有することが所望され得、これにより、アプリケータでスキンケア組成物を塗布する際により望ましいユーザ体験をもたらすことができる。場合によっては、カバーは、以下の実施例3に記載される摩擦試験に従って、磁性基板よりも10〜50%未満(例えば、15%、20%、25%、30%、35%、40%、又は更には45%未満)の乾燥摩擦係数(dry coefficient of friction)(すなわち、組成物を用いることなく測定した摩擦係数)を有してもよい。スキンケア組成物を塗布するために使用するとき、カバーは、磁気アレイよりも最大で10倍未満(例えば、2倍〜10倍未満、3倍〜7倍、又は更には4倍〜6倍未満)の摩擦係数を呈してもよい。
任意のカバーが含まれる場合、これは、磁性基板よりも優れた冷却特性を有する皮膚接触面をもたらす材料から形成することができる。例えば、カバーは、例えば、少なくとも0.5W/cm℃、1W/cm℃、又は2W/cm℃(50W/mK、100W/mK、又は200W/mK)の高熱伝導性を有する材料から形成することができる。高熱伝導性を有するカバーを提供することにより、皮膚に接触した際に涼感を感じることができる。カバーの厚さは、特に非磁性材料で形成される場合、磁気アレイの磁束密度が延在する距離に影響するため、カバーの厚さが、適用した磁場強度を不要に妨げないことを確実にすることが重要である。好適なカバーの厚さは、非磁性材料では、0.1mm〜5mm(例えば、0.2〜4mm、0.5〜3mm、又は更には1〜2mm)である。
図1A、図1B、並びに図1C及び図1Dは、本スキンケア製品での使用のためのアプリケータ100、200、300、及び400の非限定的な例をそれぞれ示す。図1Aに示すアプリケータ100は、ベースにわたって延在する皮膚接触面104を有する実質的に円筒状のベース102を有する。ハンドル106は、皮膚接触面と実質的に垂直な方向にベースから延在する。磁気アレイは、使用時に、アプリケータが使用される任意の表面に実質的に平行になるように、ベースの内側(図示せず)に、皮膚接触面に隣接してかつ平行に配設されている。
図1Bに示すアプリケータ200は、目の周りの使用に好適であり得る丸みを帯びた先端部202を有する。丸みを帯びた先端部202は、ハンドル204と一体的に成形されてもよく、又はハンドル204の端部におけるソケット206内に保持されるボールとして成形されてもよい。可撓性基板で形成した磁気アレイ(図示せず)は、先端部202が皮膚の表面上を転がるように、丸みを帯びた先端部202の内側に配設され、磁気アレイは、皮膚の表面と実質的に平行となる。したがって、先端部202は、先端部202内に配設された磁気アレイのためのカバーとして機能する。
図1Cに示すアプリケータ300は、アプリケータ300の皮膚対向面306に配設した皮膚接触先端部304を有する細長いハンドル302を有する。磁気アレイ(図示せず)は、アプリケータ300が使用される任意の表面に実質的に平行になるように、アプリケータ300の内側に、皮膚接触先端部と隣接してかつ平行に配設することができる。
図1Dに示すアプリケータ400は、アプリケータ400の一端に配設された取り外し可能なカバー410と、アプリケータ400の他端に配設されたハンドル402と、を備える。カバー410は、アプリケータ400の皮膚対向面404に接合され、意図どおりに使用されると、アプリケータ400の皮膚接触面を形成する。カバー410は、所望により除去及び/又は交換することができる。場合によっては、カバー410は、除去及び再取り付けすることができ、例えば、カバー410及び/又はアプリケータ400の清掃を容易にする。場合によっては、カバー410は、使い捨てであってもよい。例えば、カバー410は、1回又は2回以上であるが、一般的には10回未満の使用後に除去及び破棄されて、別のカバーと交換することができる。カバー410は、当該技術分野において既知の任意の好適な手段によって、アプリケータ400に接合することができる。
本明細書におけるアプリケータを使用して、スキンケア組成物を直接的に塗布することができ、又は指による塗布など、いくつかの他の手段によるスキンケア組成物の塗布後に、スキンケア組成物内のスキンケア活性物質の浸透性を促進させることができる。例えば、アプリケータは、手動操作若しくは機械的手段(例えば、振動装置)のいずれか一方によって、皮膚の表面を横断して動くように設計されてもよく、又はスキンケア組成物が塗布された皮膚の対象区域の上で定位置に静止して保持されるように設計されてもよい。振動装置は、磁性材料の往復及び/又は回転運動に適合した電気的又は機械的な任意の機構を含むことができる。例えば、磁性材料を、往復運動が可能な駆動機構と関連付けることができる。
あるいは、アプリケータは、例えば、リーブオン式のパッチなどの形態に製造されてもよく、この場合、アプリケータは、柔軟性のある織布で形成することができる。パッチは、スキンケア組成物の塗布後に皮膚の表面に接着することができるように、又はスキンケア組成物がパッチ内に含有され得るように、接着部を有して形成することができる。
磁気アレイ
本アプリケータは、Pal−KTTKSなどの特定のスキンケア活性物質の浸透性を向上させるように特別に調整した磁気アレイを含む。本明細書に記載される磁気アレイは、選択的に磁化した永久磁石を使用して、磁場を生成する。磁石は、鉄又は鉄含有材料(例えば、バリウムフェライト、マグネタイト、又は軟鋼のようなフェライト)、コバルト材料、ストロンチウム材料、バリウム材料、ニッケル材料、これらの合金及び酸化物、並びにこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない、任意の好適な強磁性基板で形成することができる。場合によっては、磁気アレイ基板は、ホウ素、炭素、ケイ素、リン、又はアルミニウムなどのメタロイド成分を含んでもよい。ネオジウム又はサマリウムなどの希土類材料も使用することができる。
図2Aに図示されるような従来の棒磁石500において、磁場506は、磁石500の両端502Aと502Bとの間に延在する。従来の棒磁石と対照的に、本明細書に記載される(複数の)磁気アレイは、磁気要素の1つ又は2つ以上の双極子対で形成されており、逆極性の磁極(N及びS)が互いに隣接して位置付けられ、磁場は、隣接する対向極の間に延在する。明視化の目的で、双極子対は、その中心で劈開されて、結果として得られる部分が、北−南(NS)の並列構成にまとめられる従来のロッド磁石として考えられてもよい。
図2B、図2C、及び図2Dは、磁気アレイ510の例を図示する。図2B、図2C、及び図2Dにおける磁気アレイのそれぞれは、1つ又は2つ以上の双極子対510を含む。双極子対510の磁気的相互作用に対応する磁場512が曲線で表される。図2Bは、単一の対応する磁場512を有する1つの双極子対510を有する磁気アレイを図示し、図2C及び図2Dは、複数の対応する磁場512を有する直列に配列された複数の双極子対510を示す。図2C及び図2Dに図示されるように、磁気アレイが複数の双極子対510を含む場合、それぞれの双極子対510は、隣接する双極子対510の配向と同じ配向であってもよく、又は異なる配向でああってもよい(例えば、[NS][NS][NS]又は[NS][SN][NS])。使用する際、双極子対510によって生成された磁場512は、反磁性材料内の磁場を誘導することとなる。反磁性材料の誘導された磁場は、印加磁場512(すなわち、北又は南)の方向にかかわらず、双極子対510の印加磁場512と反発的に相互作用する。双極子対510の磁場512と反磁性材料との間の反発力の大きさは、対応する双極子対510の磁束密度と、反磁性材料、この場合ではスキンケア活性物質の反磁性磁化率と、によって決定される。磁束密度は、対応する磁極の間の中点515で概ね最大となるため、磁場512の強度は、典型的には、アレイがどのように構成されたかに応じて磁気アレイ全体にわたって変化することとなる。
実際には、本明細書で使用するための磁気アレイを形成するために使用される基板580は、典型的には、全体的に均一に磁化されない。図3Aに示すように、それぞれの磁極610は、基板580の上側皮膚対向面520から、対向する下面522に向かって(すなわち、基板580の厚さを通って)延在する。帰磁部(magnetic return)530は、それぞれの隣接する磁極610と基板580の第2の面522との間に設けられる。帰磁部530は、磁化されていない区域であり、基板580の面のそれぞれの磁極610によって生成された磁場612を一体化し、基板580の第2の面522の磁束を削減又は除去して、代わりにそれを皮膚対向面520へ転換させるために使用される。結果として生じる磁場612は、基板580の第1の面520から外側に向かって、基板580の表面に実質的に垂直な方向に延在し、隣接する対向する磁極610間の中点615で最も強くなる。
本明細書における磁気アレイは、一方向アレイ又は多方向アレイとして形成することができる。図3Cは、一方向アレイ700の例を図示する。一方向アレイ700は、単一層で互いに平行して整列した北(N)極及び南(S)極710を有する。隣接する磁極710は、磁気アレイ700のピッチを定義する磁極の中心間の距離Pだけ互いに離間している。
図3Dは、図3Cの磁気アレイ700によって、磁極710の整列に垂直な方向Wに生成された磁場712の一部を示す。図3Dに示される波形740は、磁場712の極性(すなわち、方向)の違いに対応する、正弦波パターンで+Bと−Bとの間で規則性を持って変化する磁場712の大きさを示す。波形740のピーク701及びトラフ703は、隣接する磁極710間の中点705に相当し、波形740の変曲点702は、磁極710の中心に相当する。換言すると、第1の最大磁束密度は、ピーク701によって示され、これは、第1のN極708と、隣接するS極706との間の中点705で発生し、変曲点702によって示される最小磁束密度は、S極706の中心(centerr)で発生し、トラフ703で示される第2の最大磁束密度は、S極706と、S極706に隣接する第2のN極707との間の中点705で発生する。
波形740の振幅は、磁性基板の選択、磁化した基板の厚さ又は深さ、及び磁極710の中心から磁極710の縁部までの距離によって決定される。所与の基板材料の磁化区域の深さが増大するにつれて、波形740の最大振幅が増大する。
波形740の頻度は、アレイ700のピッチPによって決定される。ピッチPが大きいとは、基板の面積あたりの磁束密度の「最大値」が小さいため、アレイ700に対する全体的な磁場強度がより低いことを意味する。しかしながら、ピッチPが小さいと、それぞれの磁極710が互いに非常に密接して凝集するので、任意の単一の磁極710が最大限の磁束密度に到達することができる。
図3Eは、波形750を示し、図3Dにおいて磁場712に曝露される反磁性材料が受ける反発力を示す。波形750によって示されるように、反磁性材料の誘導磁場は、印加磁場712の方向から独立しているため、反発力の大きさにおける変化は、印加磁場712の大きさにおける変化に対応している。
場合によっては、本明細書における磁気アレイは、多方向アレイ(例えば、二方向アレイ)として形成されてもよく、様々な役割を果たすように構成することができる平行な磁極の複数の層は、互いに対してある角度で並設されて、強め合うか、又は弱め合って互いに干渉する複数の磁場をもたらす。例えば、磁極の第1の層が最大磁場強度を決定することができる一方、第2の組の磁極は、磁場の全体的なプロファイルを円滑にするので、最小磁束密度及び無効な磁場強度の事例を低減することができる。一般的に、多方向アレイにおいて、磁気アレイ内の任意の一点における磁束密度は、その点における様々な層の磁極を組み合わせた磁束密度によって決まることとなる。場合によっては、これは、ある点での結果として生じる磁束密度が、それぞれの個々の層に対するその点での磁束密度よりも大きい、強め合う干渉をもたらすこととなる。他の場合、組み合わせは、ある点での結果として生じる磁束密度が、それぞれの個々の層に対するその点での磁束密度よりも小さい(時にゼロである)、弱め合う干渉をもたらす場合もある。
図4Aは、二方向アレイ800Aの例を図示し、磁極の第1及び第2の層802A及び804Aはそれぞれ、2つの別個の磁性基板801A及び803A内に形成され、これらは、互いからある角度でオフセットして並設している。基板801A及び803Aの帰磁部807A及び808Aは、磁極の両方の層802A及び804Aによって生成された磁場が、同じ方向に磁気アレイ800Aから離れる方向に延在するように、同じ方向に面して位置付けられている。磁極の層802A及び804Aは、互いに同一である(例えば、隣接する磁極間の同一のピッチ及び同一の最大磁場強度を有する)か、又は2つの層802A及び804Aは、特定のパラメータにおいて異なってもよい。2つの層802A及び804Aのパラメータが異なる場合、対象の反磁性材料に近接する層(図4Aでは、第2の層804A)は、遠位の層(図4Aでは、第1の層802A)より薄い基板で形成されていることが好ましく、そうでなければ、反磁性材料の誘導磁場は、主に、近位の層の磁場強度に基づくこととなる。
図4Bは、磁極の第1の層802B及び磁極の第2の層804Bが、同じ磁性基板805において形成される例を図示する。図4Bに示す構成は、ある方向において基板805を磁化して、平行に整列したN極及びS極の第1の層802Bを形成し、その後、基板805を異なる方向に再磁化して、平行に整列したN極及びS極の第2の層804Bを形成して、磁極の織りパターンを効果的に形成することによって、提供することができる。本実施形態において、第2の層604における磁極の深さd2は、第1の層802Bにおける磁極の深さd1以下である。磁極の第1の層802Bの深さd1は典型的には、磁性基板805の厚さTによって決定される。
図4Cは、二方向磁気アレイの三次元の磁場を表す波形を示す。反磁性材料の誘導磁場は、磁場の方向に依存しないため、正及び負の磁場強度のすべての区域は、反磁性材料に対する反発力として現れることとなる。
磁気アレイの組み合わせた全体的な磁場強度は、任意の既知のガウスメータを使用して、磁化プロセスの完了後に測定することができる。2つの別個の基板で作られた二方向磁気アレイについて、全体的な磁場強度は、最初、それぞれの層について測定し、その後、組み合わせた二方向磁気アレイについて測定してもよい。二方向磁気アレイにおいて、全体的な磁場強度は、個々の層の磁場強度の合計にほぼ等しくなるであろう。
磁性基板の双極子対は、磁気的断熱材(すなわち、比較的低い透磁率の材料)によって、隣接する双極子対から離間されてもよい。場合によっては、磁気要素は、磁化した強磁性材料の個々の区分又は部分として配置されてもよい。更には又はあるいは、磁気要素は、要求される磁気パターンが強磁性粒子又は強磁性要素に印加される固体又は半固体基板の中又は上に配設されてもよい。磁気要素は、アプリケータ自身の中にあるか、又は好適な基板の上に配設され、例えば、接着剤でアプリケータに接合された、剛性要素であってもよい。場合によっては、磁気要素を、ゴム又はシリコーンなどの可撓性のある基質に埋め込んで、結果として得たアレイをアプリケータの皮膚対向面に接合することが所望され得る。
スキンケア製品の特に好適な例において、磁気アレイは、Pal−KTTKSを含むスキンケア組成物と対にされる。Pal−KTTKSは、およそ−519の反磁性磁化率を有する。Pal−KTTKSの浸透性を促進するのに好適な磁気アレイとしては、約−400〜−600の反磁性磁化率を有する美容活性物質の浸透性を促進する一方向及び/又は二方向アレイが挙げられる。皮膚へのPal−KTTKSの浸透性を促進するための一方向磁気アレイの好適な例は、ポリ塩化ビニルPVC基材に含浸したストロンチウムフェライト粉末から形成した磁気アレイである。この例において、磁気アレイは、0.9〜1.3mm(例えば、1.0、1.1、又は1.2mm)の厚さと、1.7〜2.5mm(例えば、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、又は2.4mm)のピッチと、24.0〜36.0mT(例えば、約24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、31.5、32、32.5、33、33.5、34、34.5、又は更には約35mT)の全体的な磁場強度と、を有することができる。一方向磁気アレイの特に好適な例において、磁気アレイは、およそ27mTの全体的な磁場強度と、1.1mmの厚さと、約2.1mmのピッチ(例えば、25.4mmあたり12本の磁極)と、を有する。
皮膚へのPal−KTTKSの浸透性を促進するための好適な二方向アレイの例は、約0.3〜0.9mm(例えば、0.4、0.5、0.6、0.7、又は更には0.8mm)の第1の層の厚さと、1.7〜2.5mmの第1の層のピッチ又は約25.4mmあたり12本の磁極(例えば、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、又は2.4mm)と、を有してもよく、第1の層の磁場強度は、20mT〜26mT(例えば、21、22、23、24、又は更には25mT)、特に約23.2mTとなる。この例における二方向アレイは、0.05mm〜0.5mm(例えば、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、又は更には0.4mm)の第2の層の厚さと、約0.8mm〜約1.3mmの第2の層のピッチ又は25.4mmあたり25本の磁極(例えば、0.9〜1.2mm又は1.0〜1.1mmのピッチ)と、を有してもよく、第2の層の磁場強度は、1mT〜24mT(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、又は23mT)となる。二方向アレイの全体的な磁場強度は、14mT〜30mT(例えば、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、又は29mT)であってもよい。二方向アレイの全体的な磁場強度は、約19.0〜約25.0mT(例えば、20、21、22、23、又は更には24mT)であってもよい。典型的には、二方向アレイにおいて、第2の層の磁場強度は、第1の層の磁場強度以下となり、かつ/又は第2の層のピッチは、第1の層のピッチ以下となる。この例における二方向アレイの第1及び第2の層は、1〜179度(例えば、45〜135度、60〜120度、又は更には約90度)だけ角度が付いてオフセットされた一方向アレイから形成することができる。
スキンケア組成物
本明細書におけるスキンケア組成物は、小じわ、しわ、大きくなった毛穴、肌荒れ、乾燥、及び他の皮膚組織の欠陥を含む、哺乳類の皮膚における視覚的及び/又は触覚的欠陥の外観を改善させることができ、例えば、目に見える小じわ、しわ、及び加齢若しくは光線性皮膚障害に関連する凹凸があるか、又は荒れた表面組織の他の形態を減少又は消失させる。本スキンケア製品におけるスキンケア組成物は、哺乳類のケラチン組織、特に、ヒトの皮膚に塗布することができる。スキンケア組成物は、溶液、懸濁液、ローション、クリーム、ゲル、化粧水、スティック、ペンシル、スプレー、噴霧剤、軟膏、洗浄液及び固形棒、シャンプー及びヘアコンディショナ−、ペースト、泡、粉末、ムース、剃毛クリーム、ワイプ、ストリップ、パッチ、電動パッチ、創傷包帯及び絆創膏、ハイドロゲル、膜形成製品、顔用及び皮膚用パック、ファンデーション、アイライナー、アイシャドウのような化粧品などの、様々な形態をとってもよい。
本スキンケア組成物は、安全かつ効果的な量のPal−KTTKS、例えば、Sederma(France)から入手可能なMatrixyl(登録商標)又はPromatrixyl(登録商標)ブランドのPal−KTTKS(100ppmのPal−KTTKS)を含有する。Pal−KTTKSは、組成物の1×10−6重量%〜10重量%(例えば、1×10−6%〜0.1%、更には1×10−5%〜0.01%)の量で本スキンケア組成物に含まれていてもよい。Promatrixyl(登録商標)又はMatrixyl(登録商標)が使用される実施形態において、結果として得られる組成物は、好ましくは、結果として得られる組成物、Matrixyl(登録商標)、又はPromatrixyl(登録商標)の0.01重量%〜50重量%(例えば、0.05%〜20%、又は0.1%〜10%)を含有する。本スキンケア組成物は、スキンケア組成物(例えば、皮膚軟化剤、湿潤剤、ビタミン剤、ペプチド類、及び糖アミン、日焼け止め活性物質(又は日焼け止め剤)、紫外線吸収剤、着色剤、界面活性剤、膜形成組成物、及びレオロジー変性剤)での安全な使用のために既知の追加の任意の成分を含んでもよい。本組成物で使用するための任意の成分のいくつかの非限定的な例は、2008年2月28日にMillikin,et al.によって出願された米国特許出願公開第2008/0206373号に開示されている。
使用方法
本明細書に開示されるスキンケア製品は、ユーザの日課の一部として、1箇所又は2箇所以上の皮膚表面にスキンケア組成物を塗布するために使用することができる。更には又はあるいは、本明細書における美容組成物は、「必要に応じて」をベースに使用することができる。例えば、美容組成物は、処置が必要な顔のスキンケアの表面に塗布することができる。かかる顔の皮膚表面としては、顔の頬、額、及び眼窩周囲領域のうち1つ又は2つ以上が含まれる。いくつかの例において、これらの皮膚表面のうち1箇所又は2箇所以上は、皮膚老化の兆候が対象の皮膚表面上に観察される場合、処置を必要としているとして特定することができる。これらの事例において、本組成物は、対象の皮膚表面に塗布することができる。例えば、美容組成物は、少なくとも1日1回、1日2回、又は1日3回、7、14、21、又は28日間以上の期間にわたって顔の皮膚表面に塗布することもできる。別の例では、美容組成物は、異なる皮膚表面に塗布するか、又は顔の皮膚及び1箇所若しくは2箇所以上の異なる皮膚表面に塗布することができる。
製造方法
本明細書における組成物は、局所適用組成物を製造する当該技術分野において既知であるような従来の方法によって概ね調製される。かかる方法は、典型的には、加熱、冷却、真空の適用などを用いるか又はこれらを用いずに、成分を比較的均一な状態になるまで1つ又は2つ以上の工程で混合することを含む。典型的には、エマルションは、最初に水相物質を脂肪相物質とは別個に混合し、その後、2相を適宜混和して、所望の連続相を得ることにより調製される。組成物は、活性材料の安定性(物理的安定性、化学的安定性、光安定性)、及び/又は送達を最適化するように調製され得る。この最適化には、適切なpH(例えば7未満)、活性剤と複合体を形成して、安定性又は送達に有害な影響を与え得る材料の排除(例えば混入鉄の排除)、複合体形成を防止する手法(例えば、適切な分散剤又は二重区画包装)の使用、適切な光安定性の手法(例えば、日焼け止め剤/日焼け防止剤の配合、不透明包装の使用)の使用等を挙げることができる。
カバーなどの任意の構成要素を含む本明細書におけるアプリケータは、一般的には、アプリケータを製造する当該技術分野において既知であるような従来の方法(例えば、押出し成形、射出成形、吹込み成形、注型成形)で調製される。磁気アレイは、既知の手法を用いて、一方向及び多方向磁気アレイを製造するように磁化することができる。アプリケータは、既知の方法(接着剤、溶融接合、溶接、スナップフィットなど)を用いて、互いに永久的に又は取り外し可能に接合された2つ以上の要素(例えば、ハンドル、ベース、磁気アレイ、カバー)で形成された一体型装置であってもよい。
実施例1−Pal−KTTKSのエクスビボでの皮膚浸透性調査
エクスビボでの皮膚浸透性調査は、ヒトの皮膚の表皮へのPal−KTTKSの浸透性を促進するための異なる磁気アレイの性能を比較するために実施された。60〜65歳のドナーから得たヒトの皮膚試料の真皮及び表皮を熱分離し、真皮を破棄した。20μLのPal−KTTKS含有組成物(pH4でのPG:PBが50:50において400μg/mL)をフランツセル内のヒトの表皮の上に配置した。異なる磁気アレイを表皮試料のおよそ1.0mm上に位置付け、ユーザがスキンケア製品の塗布時に美容アプリケータを移動させると考えられる速度(例えば、約20〜25cm/秒)で試料の上を移動させた。試料を0、1、2、4、6、8、24時間で試料を採取及び測定した。試験したアレイのうち、以下の表1に示す2つの特定のアレイは、Pal−KTTKSの最良の浸透促進性を示した。本明細書における二方向アレイについて、「第1の層」は、アプリケータの皮膚接触面に最も近い層を指し、「第2の層」は、皮膚接触面に最も近い側と反対側の第1の層の側に配設された層を指す。
Figure 2017529360
実施例2−Pal−KTTKSのインビボでの皮膚浸透性調査#1
インビボでの皮膚浸透性調査は、磁気アレイを含むアプリケータで、Pal−KTTKSを含むスキンケア組成物を塗布することによる本発明のスキンケア製品の使用効果を立証するために実施された。この調査は、様々な磁気アレイと組み合わせた(能動的塗布)Pal−KTTKSの浸透性と、指で塗布した(受動的塗布)Pal−KTTKSの浸透性と、を比較した。本実施例でのPal−KTTKSの浸透性は、テープストリッピング法に従って判定される。本実施例において、それぞれのテープストリップからの抽出物に存在するPal−KTTKSのレベルは、HPLCを用いて測定され、その結果を、テープストリップ上で測定したタンパク質レベルに正規化した。受動的送達は、指を用いて遂行される一方、受動的送達はまた、Pal−KTTKSの浸透性を促進するように調整された磁気アレイを含まないアプリケータ又は他の装置を用いても遂行することができることを理解されたい。
テープストリッピング法
この方法は、皮膚内に存在するスキンケア活性物質の量を測定し、スキンケア活性物質の能動的塗布と受動的塗布を比較する、好適な手段を提供する。15cm2の2つの同一の矩形区域を、任意行為者の掌側の前腕にマークする。Pal−KTTKS製剤の計量された投与量(およそ30mg)を、ねじ調整型シリンジを用いて線引きした区域に塗布する。専用のアプリケータ(例えば、表2に示す磁気アレイのセットうち1つを示すアプリケータ)の4分の3のプロファイルを用いて、線引きした区域のうち1つに能動的塗布を実行する。能動的塗布と同一の弧を描く動きで指の先端を用いて、他方の線引きした区域に受動的塗布を遂行する。製剤は、およそ23cm/秒の固定速度で弧を描く動きを用いて、線引きした領域全体にわたって均一に広げられて、典型的な動作を模倣する。塗布時間は30秒であり、この間に目視検査を用いて均一な分布、及び皮膚による製剤の吸収を確実にする。塗布区域はその後、更に30分間被覆しないままにし、確実に完全に吸収させる。テープストリップの試料は、確実に完全に吸収させた直後、又は待機時間直後(例えば、複数時間又は複数日にわたる製剤の複数の塗布後)に回収及び/又は分析することができる。
テープストリッピング手順は、3.8cm2の接着面積を有する10本の商用プレカット22.1mmテープストリッピング接着性ディスク(例えば、Cuderm Corporationから入手可能なD−SQUAME、又は同等品)を用いて実行される。10本のテープストリップは、同じサンプリング部位に順次適用され、理想的には、それぞれのテープストリップが、それより前のテープストリップよりも深い角質層内から試料を取得することを可能にする。直径22.1mmの円形領域を、塗布区域の中心にマークする。テープストリッピング接着性ディスクをマークした領域の上に配置し、更に、例えば、ネオプレンローラを用いて接着性ディスクの上を10回転がし、加圧する。手動のピンセットを用いて1回の引っ張る動きで皮膚表面から接着性ディスクを除去する。更に皮膚試料の除去を確実にするために、以降のディスクを、通常の当業者の技術の範囲内である、「北、南、東、及び西」向きに除去する。好適な機器(例えば、Heiland Electronics Wetzlar(Germany)から市販されているSquameScan(商標)850機器、又はその同等品)を用いて、タンパク質含有量について非破壊的にそれぞれの接着性ディスクを分析する。その後、抽出剤を含有するガラスバイアル瓶内に直ちに接着性ディスクを配置し、その後の分析に備える。溶剤抽出は、当業者に周知の従来の抽出法を用いてそれぞれのテープストリップ上で実施され、例えば、高速液体クロマトグラフィ(「HPLC」)及び/又は質量分析などによって、抽出物内に存在するPal−KTTKSの量を測定する。
残りの9本のストリップに対してこの手順を繰り返す。スキンケア製剤の塗布の区域外から追加のストリップを取得して、盲検体試料として役立たせる。測定したタンパク質の量に活性物質の量を正規化する。
Pal−KTTKSの送達は、テープストリッピング法に従って判定される場合、活性物質の受動的送達に対する割合が1より大きい場合に促進されていると言える。換言すると、スキンケア組成物の能動的塗布が、対応する受動的塗布と比較してより多くのPal−KTTKSを産出する場合、送達が促進されていると言える。能動的塗布及び対応する受動的塗布の値は、個別に(例えば、単一のテープストリップの比較)、又は2以上の値の群として比較されてもよい(例えば、浸透性が促進されたかを判定するために、能動的塗布及び受動的塗布に対するテープストリップ8、9、及び10の総和及び/又は平均値を比較することができる)。本明細書における調整された磁気アレイは、Pal−KTTKSの送達を促進する。促進された送達は、1.5倍〜20倍(2倍、2.5、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、6倍、6.5倍、7倍、7.5倍、8倍、8.5倍、9倍、9.5倍、又は更には10倍以上)であってもよい。
表2は、以下により詳細に記載される試験で使用される磁気アレイを示す。表2に示す磁気アレイは、異なる磁気アレイがPal−KTTKSのインビボでの浸透性をどのように促進するのかを比較するために、多様な構成を提供している。表2の磁気アレイは、厚さ、ピッチ、及び/又は磁場強度が異なる。表2(すなわち、アレイ#8及び#9)に示す二方向アレイにおける磁気アレイの2つの層は、90度だけ角度が付いてオフセットされている。
Figure 2017529360
表3は、表2のアレイのうちいくつかを用いてPal−KTTKS製剤の能動的塗布後に第1の被験者からの10本のテープストリップ試料上で測定したPal−KTTKSの量(タンパク質含有量に関して正規化したng/ストリップ)を示す。表3に示すアレイ番号は、表2の同じ番号のアレイに対応する。表4は、指を使用して同じPal−KTTKS製剤の受動的塗布後に第1の被験者からの10本のテープストリップ試料上で測定したPal−KTTKSの平均量(ng/ストリップ)を示す。表4に示すアレイ番号は、受動的塗布が表3のどのアレイと比較されているかを示す。テープストリッピング及び結果として得られる試料の分析は、テープストリッピング法に従って実施され、4日間のPal−KTTKS製剤の8回の塗布(1日あたり2回の塗布)の終了時に開始した。アレイ#4を2回試験した。
Figure 2017529360
Figure 2017529360
表5は、表2のアレイのうちいくつかを使用してPal−KTTKS製剤の能動的塗布後に第2の被験者からの10本のテープストリップ試料上で測定したPal−KTTKSの量(ng/ストリップ)を示す。表5に示すアレイ番号は、表2の同じ番号のアレイに対応する。表6は、指を使用して同じPal−KTTKS製剤の受動的塗布後に第1の被験者からの10本のテープストリップ試料上で測定したPal−KTTKSの平均量(ng/ストリップ)を示す。表6に示すアレイ番号は、受動的塗布が表5のどのアレイと比較されているかを示す。Pal−KTTKS製剤の能動的塗布及び受動的塗布、並びにテープストリッピング及び結果として得られた試料の分析は、テープストリッピング法に従って実施され、4日間のPal−KTTKS製剤の8回の塗布(1日あたり2回の塗布)の終了時に開始した。アレイ#4及びアレイ#7をそれぞれ2回試験した。
Figure 2017529360
Figure 2017529360
表7は、表2のアレイのうちいくつかを用いてPal−KTTKS製剤の能動的塗布後に第3の被験者からの10本のテープストリップ試料上で測定したPal−KTTKSの量(ng/ストリップ)を示す。表7に示すアレイ番号は、表2の同じ番号のアレイに対応する。表8は、指を使用して同じPal−KTTKS製剤の受動的塗布後に第1の被験者からの10本のテープストリップ試料上で測定したPal−KTTKSの平均量(ng/ストリップ)を示す。表8に示すアレイ番号は、受動的塗布が表7のどのアレイと比較されているかを示す。Pal−KTTKS製剤の能動的塗布及び受動的塗布、並びにテープストリッピング及び結果として得られた試料の分析は、テープストリッピング法に従って実施され、4日間のPal−KTTKS製剤の8回の塗布(1日あたり2回の塗布)の終了時に開始した。アレイ#4を2回試験した。
Figure 2017529360
Figure 2017529360
磁気アレイ#9は、試験した他の磁気アレイの一部よりも良好な浸透促進性を示した。3人の被験者に能動的にかつ受動的に送達された平均的なPal−KTTKSが、図5に示すグラフにプロットされている。表9は、(表2に示すように)二方向磁気アレイ#9での能動的塗布及びこれに対応する受動的塗布のために、テープストリップ2、3、及び4と、5、6、及び7と、8、9、及び10と、で測定したPal−KTTKSの総量を示す。被験者及びストリップについて総量を平均化した。表9に示すように、受動的塗布と比較して、能動的塗布により、Pal−KTTKSの送達が有意に促進された。
Figure 2017529360
表10は、表9の最後の列に示す平均値に基づく能動的送達に対する受動的送達の統計的比較を提供する。
Figure 2017529360
磁気アレイ#4もまた、試験した他の磁気アレイのうち一部よりも良好な浸透促進性を示した。3人の被験者に能動的にかつ受動的に送達された平均的なPal−KTTKSが、図6に示すグラフにプロットされている。表11は、(表2に示される)一方向磁気アレイ#4での能動的塗布及びこれに対応する受動的塗布に関して、テープストリップ2、3、及び4と、5、6、及び7と、8、9、及び10と、で測定したPal−KTTKSの総量を示す。被験者及びストリップについて総量を平均化した。表11に示すように、受動的塗布と比較して、能動的塗布により、Pal−KTTKSの送達が有意に促進された。
Figure 2017529360
表12は、表11の最後の列に示される平均値に基づく能動的送達に対する受動的送達の統計的比較を提供する。
Figure 2017529360
実施例3−Pal−KTTKSのインビボでの皮膚浸透性調査#2
このインビボでの皮膚浸透性調査は、Pal−KTTKS含有組成物が磁性アプリケータで塗布された場合(能動的塗布)に対して、非磁性アプリケータで塗布された場合(受動的塗布)の皮膚へのPal−KTTKSの浸透性を比較する。この実施例において、5人の被験者(表13及び14のA〜E)が選択された。18mgのPal−KTTKS含有組成物(Procter & Gamble Company(Cincinnati,Ohio))から入手可能なOlay(登録商標)Deep Wrinkle Treatment(登録商標)ブランドのスキンクリーム)を、図1Cに図示するアプリケータを使用して、それぞれの被験者の内側前腕の3cm×3cmの2つの試験部位に塗布した。能動的塗布に使用したアプリケータは、表2からのアレイ#8を含んでいた。受動的塗布に使用したアプリケータは、磁気アレイを含まないこと除いて、能動的塗布に使用したものと同じものであった。それぞれの前腕は、合計10個の能動的試験部位及び10個の受動的部位のための能動的塗布試験部位及び受動的塗布部位を含んだ。塗布時間は、穏やかな摩擦作用に相当する1秒あたりおよそ3cmの動きの速度で30秒間であった。組成物の塗布の後、30分間の吸収期間が設けられた。受動的塗布及び能動的塗布の結果を以下の表13及び14に示す。Pal−KTTKSの浸透性をテープストリッピング法に従って判定した。それぞれのテープストリップから回収したPal−KTTKSのレベルをHPLCを用いて測定し、テープストリップ上で測定した総タンパク質レベルに正規化した。
表13及び表14は、それぞれのテープストリップから回収したPal−KTTKSの量を示す。表13は、非磁性アプリケータを用いて組成物を塗布した結果を示し、表14は、Pal−KTTKSの浸透性を促進するように構成された磁性アプリケータで組成物を塗布した結果を示す。すべての試験部位にわたる平均値は、行の最後から2番目のセルに示されている。標準誤差(SEM)は、表13及び表14の最後の列に示されている。標準偏差を試験部位の数の平方根で割ってSEMを計算する。表13及び表14の能動的塗布に対する受動的塗布の結果は、図7にグラフによって示されている。
Figure 2017529360
Figure 2017529360
表15は、テープストリップ2〜10及び6〜10から回収した、Pal−KTTKSの添加量に基づく能動的塗布に対する受動的塗布の結果を比較する。表15に示す促進値は、表14の能動的塗布の値を表13の受動的塗布の値で割ることで算出される。表15の最後の列に示す平均は、すべての試験部位の促進値を平均することで算出される。表13の受動的塗布の値がゼロであり、結果的にゼロ除算状態となる場合、その促進値は、平均算出の目的のためには含まない。対応のあるt検定(paired t-test)を用いてp値を算出する。表15に示すように、組成物の能動的塗布は、テープストリップ2〜10による受動的塗布と比較して皮膚にPal−KTTKSを平均約4倍送達し、テープストリップ6〜10による場合は、6倍以上送達した。これは、この実施例で使用した特定の磁性アプリケータが、皮膚のより深くにPal−KTTKSを運び、スキンケア効果を向上させることができることを示唆している。
Figure 2017529360
実施例4−摩擦係数
摩擦係数法
この方法は、本明細書における材料表面の摩擦係数を求める手段を提供する。湿潤摩擦係数(wet coefficient of friction)は、スキンケア組成物が存在する表面で測定した摩擦係数を指す。乾燥摩擦係数は、スキンケア組成物が存在しない表面で測定した摩擦係数を指す。
摩擦係数は、2つの物体間の摩擦力と、それらを押圧する力との比である。摩擦係数を求めるために使用される機器は、Bruker(登録商標)UMT−2摩擦計、又は同等品である。試験における2つの材料の1つとして紫色のニトリル手袋を使用する。この試験で使用される他の材料は、試験表面(例えば、アプリケータ又はカバーの皮膚接触面)である。摩擦計のプローブの上に紫色のニトリル手袋の材料を配置する。機器の、ニトリルで被覆したプローブと接触するように測定する試験表面を配置し、製造業者の機器の操作取り扱い説明書に従って力を測定する。
図8は、本実施例において摩擦係数を測定するために使用されるシステム900を図示する。図8に示すように、紫色のニトリル手袋材料で被覆したプローブ902は、アプリケータ910の皮膚接触面920と接触する。本実施例において、カバーは、アプリケータ910から除去されており、磁気アレイが皮膚接触面920を提供している。カバーの皮膚接触面(図示せず)も測定した。アプリケータ表面920及びカバーの両方を、スキンケア組成物(Procter & Gamble Co.(Ohio)から入手可能なOlay(登録商標)Deep Wrinkle Treatment(登録商標)ブランドのスキンクリーム)を用いてかつこれを用いることなく試験した。湿潤摩擦係数の測定のために、0.1gのスキンケア組成物を試験表面に広げた。プローブの速度を100グラムの力で1mm/秒に設定した。
試験のそれぞれの行程を3回繰り返した。摩擦係数の結果を以下の表16に示す。
Figure 2017529360
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。むしろ、別途記載のない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図されている。
本発明の発明を実施するための形態において引用されるすべての文書は、関連部分において参照により本明細書に組み込まれている。いかなる文書の引用も、本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれる文書における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいて、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が優先するものとする。
本発明の特定の実施形態を図示及び説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び変形を行なうことができる点は当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのようなすべての変更及び変形は、添付の特許請求の範囲にて網羅することが意図されている。

Claims (15)

  1. スキンケア製品の製造方法であって、
    a.スキンケア組成物を提供する工程であって、該スキンケア組成物は、約−400〜−600の反磁性磁化率及び皮膚科学的に許容可能な担体を有するスキンケア活性物質を含む、工程と、
    b.基板を第1の深さまで磁化して、交番磁極の双極子対の第1の層を提供する工程と、
    c.該磁化した基板をアプリケータに接合する工程と、
    d.該スキンケア組成物及び該アプリケータのそれぞれをパッケージ内に配置する工程と、を含む、方法。
  2. 前記交番磁極の双極子対の前記第1の層は、1.7〜2.5のピッチ及び約24.0〜36.0mTの磁場強度を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の層は、0.8〜1.2mmの厚さを有する、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記基板は、鉄、鉄含有材料、コバルト、コバルト含有材料、ストロンチウム、ストロンチウム含有材料、バリウム、バリウム含有材料、ニッケル、ニッケル含有材料、これらの合金及び酸化物、並びにこれらの組み合わせから選択される強磁性材料を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記基板は、ホウ素、炭素、ケイ素、リン、アルミニウム、ネオジウム、サマリウム、及びこれらの組み合わせのうち少なくとも1つを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記スキンケア活性物質は、パルミトイル−リシン−トレオニン−トレオニン−リシン−セリンペプチド(Pal−KTTKS)である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記磁性基板は、皮膚対向側及びこれに対向する遠位側を含み、帰磁部が該遠位側に提供されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記材料を第2の深さまで磁化して、交番磁極の双極子対の第2の層を提供する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記第1の層は、約90度だけ前記第2の層から角度が付いてオフセットされている、請求項8に記載の方法。
  10. 前記第1の層は、1.7〜2.5のピッチ及び約18〜30mTの磁場強度を有し、前記第2の層は、両方が前記第1の層の該ピッチ及び磁場強度以下であるピッチ及び磁場強度を有する、請求項8又は請求項9に記載の方法。
  11. 前記第2の層は、0.8〜1.3のピッチ及び約1〜20mTの磁場強度を有する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記第1の層は、約0.3〜1mmの厚さを有し、前記第2の層は、約0.005mm〜0.5mmの厚さを有する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記スキンケア組成物及び前記アプリケータは、別個のパッケージに梱包され、該スキンケア組成物のパッケージ及び該アプリケータのパッケージのうち少なくとも一方は、前記アプリケータが、前記スキンケア組成物中のスキンケア活性物質の浸透性を向上させる磁気アレイを備えていることをユーザに伝達する標識を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記第1の層上に交番磁極の双極子対の層を含む第2の基板を並置する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記交番磁極の双極子対の第1及び第2の層は、角度が付いてオフセットされて、二方向アレイを形成している、請求項14に記載の方法。
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