本開示の実施形態は、矯正(オルソ的)装置についての技術及び構成、特に、例えば歩行中にユーザの足によって装置に印加される機械的な力により生じる圧力及び屈曲(flexing)の測定を提供するように構成された装置についての技術及び構成を提供する。実施形態によれば、矯正装置は、矯正装置本体と、該矯正装置本体の内部に空間的に配置された少なくとも2つのセンサとを含み得る。第1のセンサが、矯正装置本体への機械的な力の印加により生じる圧力に応答して第1の出力を提供するように構成され得る。第2のセンサが、矯正装置本体への機械的な力の印加により生じる屈曲に応答して第2の出力を提供するように構成され得る。
この装置は、第1及び第2の出力を受信して処理するために、矯正装置本体の内部で上記2つのセンサと通信可能に結合された制御ユニットを含み得る。第1及び第2の出力の処理は、電力収穫(ハーベスティング)のための、上記出力からの電力の取り出しを含むことができ、これが、例えば装置本体の内部又は外部に配置された電力貯蔵デバイスを用いて、ローカルに行われ得る。
以下の詳細な説明では、その一部を形成する添付の図面を参照する。図面においては、全体を通して同様の部分は似通った参照符号で指し示され、また、本開示に係る事項が実施され得る実施形態が例として示される。理解されるべきことには、他の実施形態が使用されてもよく、構造的又は論理的な変更が、本開示の範囲を逸脱することなく為され得る。故に、以下の詳細な説明は、限定的な意味でとられるべきでなく、実施形態の範囲は、添付の請求項とその均等範囲によって定められる。
本開示の目的では、“A及び/又はB”なる言い回しは、(A)、(B)、又は(A及びB)を意味する。本開示の目的では、フレーズ“A、B、及び/又はC”は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B及びC)を意味する。
本明細書は、例えば、頂部/底部、内/外、上/下、及びこれらに類するものなど、視点に基づく記述を使用することがある。そのような記述は、単に説明を容易にするために使用されるものであり、ここに記載される実施形態の適用を特定の向きに限定することを意図するものではない。
本明細書は、“一実施形態において”又は“実施形態において”なる言い回しを使用することがあるが、これらは各々、同じ又は異なる実施形態の1つ以上を指すものであるとし得る。また、“有する”、“含む”、“持つ”、及びこれらに類する用語は、本開示の実施形態に関して使用されるとき、同義語である。
用語“結合される”、及びその派生語が、ここで使用されることがある。“結合される”は、2つ以上の要素が直接的に、物理的、電気的、又は光学的に接触していることを意味し得る。しかしながら、“結合される”はまた、2つ以上の要素が、なおも互いに協働あるいは相互作用しながら互いに間接的にコンタクトをとることを意味することもあり、また、互いに結合されると言われる要素間に1つ以上のその他の要素が結合又は接続されることを意味することもある。
図1は、本開示の一部の実施形態に従った矯正装置100の一例のブロック図である。矯正装置100は、様々な実装で使用され得る。例えば、矯正装置100は、例えば歩くこと、走ること、ジャンプすること、又はこれらに類するものなどの、ユーザの活動に関係するデータのセンサ測定を提供するように構成されたウェアラブル装置を有し得る。より具体的には、矯正装置100は、例えばユーザの足によって矯正装置に与えられる機械的な力など、矯正装置への機械的な力の印加によって生じ得る圧力及び/又は屈曲に関係するデータを測定する1つ以上のセンサ(一部の実施形態において、2つ以上)を有し得る。実施形態において、矯正装置は、一品の履物とともに使用されるように構成され得る。例えば、矯正装置100は、履物に挿入可能又は埋込可能であるとしてもよいし、その他の方法で履物に内蔵されてもよい。
一部の実施形態において、矯正装置100は矯正装置本体(ボディ)101を有し得る。矯正装置本体101は、熱可塑性物質、ポリエチレンの発泡体、コルク、アクリル、ポリプロピレン、複合炭素繊維、又は、矯正装置を製造するのに一般的に使用されるその他の材料を有し得る。矯正装置100の矯正装置本体101は、制御ユニット102及びセンサユニット104を含み得る(例えば、封入し得る)。当業者が理解するように、制御ユニット102及びセンサユニット104は、必ずしも、物理的に分離された物でなくてもよい。矯正装置100のこれらコンポーネントの指定は、矯正装置本体101の内部におけるそれらの物理的な位置又は配置を意味するというよりむしろ、制御ユニット102とセンサユニット104との間の機能的な違いを明確に示すためのものである。例えば、制御ユニット102は、センサユニット104を管理するように構成され得る。制御ユニット102は、センサユニット104と通信可能に結合170され得る。
センサユニット104は、図2及び4−6を参照して更に詳細に後述するように、矯正装置本体101の内部に空間的に配置され得る1つ以上のセンサ106、108、110(一部の実施形態において、センサアレイ)を含み得る。センサ106、108、110は、図1において単に例示の目的で示されたものであり、理解されるように、如何なる数(例えば、1つ以上)のセンサがセンサユニット104内で使用されてもよい。センサ106、108、110は、機械的な力を印加する過程180と動作的に結合され得るとともに、過程180を指し示すデータを測定するように構成され得る。
一般に、過程180は、それぞれの検知デバイスによって読み取り可能な信号へと変換可能であり得る測定可能な物理量で定められ得るような、連続的又は周期的な如何なるタイプのデジタル又はアナログの過程であってもよい。例えば、過程180は、以下に限られないが、様々なタイプの動き、温度、重力、湿度、湿気、振動、電界、生体過程、及びその他の物理的側面を含み得る。過程を指し示す測定可能なデータは、複数の異なる物理特性及びパラメータを含み得る。従って、センサ106、108、110は、以下に限られないが、加速度計、ジャイロスコープ、圧力計、赤外線近接センサ、可視光センサ、トランスデューサ、アクチュエータ、及びこれらに類するものを含め、複数の異なるタイプのセンサを含み得る。本開示の目的で、過程180は、矯正装置100を含んだ履物への機械的な力の印加を含み得る(例えば、ユーザの足によって印加される)。従って、機械的な力は、例えば履物のソールの中又は周りで、履物の内部に配置された矯正装置本体上に、ユーザの足が実質的に置かれることによって、矯正装置本体101に印加されると考えられ得る。
一部の実施形態において、センサ106、108、110は、矯正装置本体101への機械的な力の印加によって生じる圧力に応答して第1の出力を提供する少なくとも1つのセンサ(例えば、106)を含み得る。例えば、センサ106は、例えば歩行中に、矯正装置100を含んだ履物にわたっての、ユーザの足の動きにより生じるリアルタイムの(例えば、動的な)バランス又は重量(荷重)分布に関する情報を提供し得る。
センサ106、108、110は、矯正装置本体101への機械的な力の印加180によって生じる屈曲に応答して第2の出力を提供する少なくとも1つのセンサ(例えば、108)を含み得る。例えば、センサ108は、矯正装置本体101に印加される曲げモーメントについての情報を提供し得る。このような測定は、例えば、歩くこと、走ること、若しくは、歩行を伴うその他の身体活動などの実使用条件下でのデータ収集又は医療診断(例えば、歩き方の補正)やゲーム産業及びそれに類するものにおいて使用され得る。このような診断情報は、例えば、足関節のずれ、脚の長さのアンバランス、股関節のずれ、及びこれらに類するものに由来する状態の処置のために、例えば、整形外科医、理学療法士、及びその他の医師によって使用され得る。
一部の実施形態において、センサ106、108、110は圧電デバイスを有し得る。圧電デバイスによって作り出される電力の量は、材料に印加される圧力又は曲げに正比例し得る。従って、センサ106、108、110として圧電デバイスを用いることは、圧力及び屈曲の測定と組み合わせて、センサの出力によって提供される電力の収穫を可能にし得る。
例えばマクロ繊維複合材(macro fiber composite;MFC)及び先端高分子構造など、一部の圧電材料は、可撓性のある圧電センサ106、108、110の提供を可能にし得る。MFCデバイスは、望ましい厚さを有し得る(例えば、超薄であり得る)とともに、矯正装置を製造するのに一般的に使用される材料への封入に適したものであり得る。
制御ユニット102は、センサ106、108、110によって提供されるデータ出力を処理するように構成され得る。例えば、制御ユニット102は、センサ106、108、110によって生成された電気信号を受け取って、荷重分布及び屈曲に関する出力を生成することができ、該出力が、更なる処理のために、例えば外部コンピューティング装置184に、接続160を介して渡され得る。一部の実施形態において、このような外部コンピューティング装置184は、ウェアラブル監視装置を有し得る。
より具体的には、制御ユニット102は、プロセッサ132と、プロセッサ132上で実行されるときに、センサ106、108、110によって提供されるデータ出力の処理と処理済み情報の格納及び/又は伝播とをプロセッサ132に実行させ得る命令(例えば、制御モジュール150でコンパイルされる)を有するメモリ134とを含み得る。
制御モジュール150は、プロセッサ132上で実行されるように構成されて、例えばメモリ134に格納された、ソフトウェアコンポーネントとして実装され得る。一部の実施形態において、制御モジュール150は、ソフトウェアコンポーネントとハードウェアコンポーネントとの組み合わせとして実装されてもよい。一部の実施形態において、制御モジュール150はハードウェア実装を含んでいてもよい。
プロセッサ132は、システム・イン・パッケージ(SiP)又はシステム・オン・チップ(SoC)を形成するように、例えば制御モジュール150によって実装される計算ロジックとともにパッケージングされて、例えばセンサ出力処理などの、ここに記載される実施形態の態様を実施するように構成され得る。プロセッサ132は、例えば中央演算処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ、及びこれらに類するものなど、如何なるタイプのプロセッサを含んでいてもよい。プロセッサ132は、例えばマルチコアマイクロプロセッサなど、複数のコアを持つ集積回路として実装されてもよい。メモリ134は、以下に限られないが、揮発性及び不揮発性のメモリや、光、磁気、及び/又は半導体の大容量ストレージなどを含め、如何なるタイプの一時的及び/又は永続的なストレージともし得る大容量記憶デバイスを含み得る。揮発性メモリは、以下に限られないが、スタティックランダムアクセスメモリ及び/又はダイナミックランダムアクセスメモリを含み得る。不揮発性メモリは、以下に限られないが、電気的消去・プログラム可能な読み出し専用メモリ、相変化メモリ、及び抵抗変化メモリなどを含み得る。メモリ134は、センサ106、108、110からの処理済み出力のストレージのために使用され得る。
制御ユニット102は、電力貯蔵デバイス130を含み得る。電力貯蔵デバイス130は、センサ106、108、110のうちの少なくとも一部(又は全て)と制御ユニット102とに電力を供給するように構成され得るとともに、制御ユニット102によって動作され得る。一部の実施形態において、電力貯蔵デバイス130は、矯正装置本体101の内部に配置されて配線接続(図示せず)を介して制御ユニット102と結合された電池(又はキャパシタ)を有し得る。
上述のように、センサ106、108、110は圧電デバイスを有し得る。制御ユニット102は、圧電センサ106、108、110によって提供される出力を処理することで、該出力を整流し(例えば、該出力から電力信号を取り出し)、且つ取り出した電力信号を、電力貯蔵デバイス130に、又は無線接続若しくは配線接続とし得る接続160を介して外部電力貯蔵部(例えば、外部コンピューティング装置184に含まれる)に、渡すように構成され得る。一部の実施形態において、電力貯蔵デバイスは更に、その他のセンサ及び制御ユニット102に電力を供給するように構成された圧電センサ106、108、110のうちの1つを有し得る。
制御ユニット102は、制御ユニット102が機能することのために必要なその他のコンポーネント144を含み得る。制御ユニット102の処理機能は、各センサの出力の変化の大きさ及び速さを測定する手段を含み得る。例えば、センサは、アナログ出力信号をデジタル信号へと変換し得るアナログ−デジタル変換器(ADC)とインタフェースをとることができ、このデジタル信号が、制御ユニット102によって処理され、あるいは、更なる処理のために制御ユニット102によって外部コンピューティング装置に渡され得る。
従って、その他のコンポーネント144は、無線接続160を提供するように構成されてもよく、例えば、制御ユニット102と外部コンピューティング装置184との間での情報交換を容易にするように構成された、送受信器と、例えば1つ以上の通信インタフェースなどの必要なその他の通信手段とを含み得る。通信インタフェースは、例えば無線若しくは有線の通信プロトコルなど、技術的に知られた通信プロトコルに従って動作するように構成され得る通信チップ(図示せず)を含み得る。
図2は、一部の実施形態に従った、履物内に置かれる矯正装置の内部の圧力センサ及び屈曲センサの空間的分布の一例を模式的に表現したものである。所望の精度での測定を提供するため、ユーザの足の複数の異なる領域に対応する矯正装置本体200の複数の異なる領域に(故に、その中に矯正装置が置かれた履物のそれぞれのソールの複数の異なる領域に)、複数のセンサが空間的に配置され得る。例えば、歩行中に人物の足によって履物に印加される圧力が、足の母指球又は踵の付近の領域で検出され得る。歩行中に人物の足によって履物に印加される屈曲(例えば、曲げモーメント)が、足の中央部付近の領域で検出され得る。
従って、図2に示すように、圧力センサ202は、ユーザの足の母指球領域210又は踵領域212に対応し得る矯正装置本体200の第1の領域に配置され得る。屈曲センサ206は、ユーザの足の母指球領域210の後方214に対応し得る矯正装置本体200の第2の領域に配置され得る。付随する処理コンポーネント208(例えば、プロセッサ132、メモリ134、電力貯蔵デバイス130、及び例えば送受信器ブロックなどのその他コンポーネント144を含む制御ユニット102)は、この図示した例では、ユーザの足の土踏まず領域216(これは、通常、最も小さい荷重を負っている領域である)に対応する領域に配置され得る。一部の実施形態において、例えば、扁平土踏まず症候群を持つ場合、この領域も、(1つ以上の)センサ106、108、110、及び/又は付随する処理コンポーネントを含んでいてもよい。一部の実施形態において、付随する処理コンポーネントは、矯正装置本体200のその他の領域に置かれ得る。一部の実施形態において、センサ及び処理機能は、個人の要求に基づいてカスタマイズされ得る。
図3は、一部の実施形態に従った、矯正装置300の一実施形態例の断面を例示する模式図である。図1を参照して説明したように、矯正装置300は矯正装置本体301を含み得る。矯正装置本体301は、熱可塑性物質(例えば、半硬質熱可塑性物質)、ポリエチレンの発泡体、コルク、アクリル、ポリプロピレン、複合炭素繊維、又は、矯正装置を製造するのに一般的に使用されるその他の材料から製造され得る。矯正装置本体301は、矯正装置コンポーネントを含み得る(例えば、封入し得る)。一部の実施形態において、矯正装置300は、装置コンポーネントの周りへの矯正装置本体材料の注入によって、又は矯正装置本体301の上側部分366と下側部分368との間にコンポーネントを“挟み込む”ことによって形成され得る。一部の実施形態において、矯正装置本体301の厚さは、およそ3mmと6mmとの間とし得る。他の実施形態において、この厚さは、例えば、歩き方の矯正又はその他の医学的問題に対処するために、医療上又はその他の要求によって決定され得る。
図1−2を参照して説明したように、矯正装置300は、1つ以上(一部の例において、2つ以上)のセンサ306と、制御ユニット302(プロセッサ、メモリ、及びその他のコンポーネントを持つ)と、制御ユニット302と結合された電力貯蔵デバイス(電池又はキャパシタ、例えば、スーパーキャパシタ)330とを含み得る。一部の実施形態において、電力貯蔵デバイス330は、およそ0.2mmと0.5mmとの間の厚さを持ち得る。
センサ306及び制御ユニット302コンポーネント(例えば、プロセッサ及び/又はメモリ)の一部は、フレキシブル印刷回路基板(PCB)(例えば、フレキシブルな形成材に包み込まれる)320に取り付けられ得る。一部の実施形態において、フレキシブルPCB(形成材)320は、約0.2mmの厚さを有し得る。フレキシブルPCB(形成材)320は、フレキシブル電気インターコネクト322を含み得る。一部の実施形態において、インターコネクト322は、例えば銅を有し得る。概して、インターコネクト322は、フレキシブルPCB(形成材)320上の金属付着物として実装され得る。一部の実施形態において、インターコネクト322は、埋込配線接続として実装されてもよい。
装置コンポーネント(例えば、センサ306及び制御ユニット302)の一部は、電気インターコネクト322とのセンサ306及び制御ユニット302の電気コンタクトが維持され得るように、柔軟な接着材(アタッチ)324によってフレキシブルPCB(形成材)に取り付けられ得る。一部の実施形態において、電池330は、図示のように、フレキシブルPCB(形成材)320から離して置かれて、フレキシブルコネクタ318を介して装置コンポーネントに接続され得る。コンタクトの過度な屈曲及び剥離を防止するために、フレキシブルPCB(形成材)320の少なくとも一部(例えば、センサ306の領域又は制御ユニット302の領域)に、強固にするためのオプションの素材326が取り付けられ得る。
センサ306は、圧電デバイスを有することができ、およそ0.1−0.3mmの幅を有し得る。制御ユニット302(例えば、プロセッサチップとして実装される)は、約0.1mmの厚さを有し得る。送受信器(図示せず)用のアンテナが、例えば、フレキシブルPCB(形成材)320上でのパターニングによって形成され得る。同様に、外部の電力貯蔵デバイス(図示せず)への電力のワイヤレス伝送のために使用され得るコイルも、フレキシブルPCB(形成材)320上でのパターニングによって形成され得る。
図4は、一部の実施形態に従った、矯正装置400の他の一実施形態例の断面を例示する模式図であり、併せて、幾つかの装置コンポーネントの空間配置を背面図450にて示している。図4は、圧力センサ406及び屈曲センサ408を含むように、また、これらが、足にわたって与えられる異なるタイプの動き及び力についてのフィードバックを提供するために、矯正装置400内でどのように配置され得るかを示すように拡張されている。図3を参照して説明したように、矯正装置400は、例えば圧力センサ406、屈曲センサ408、制御ユニット402、及び電池(フレキシブルコネクタ418を介して装置コンポーネントに接続され得る)などの装置コンポーネントの少なくとも一部を封入する矯正装置本体401を含み得る。矯正装置400は、フレキシブルPCB(形成材)420を含むことができ、その上に、図3を参照して記述したように、装置コンポーネントの一部が配置され得る。矯正装置400は、インターコネクト422及び強化材426を含み得る。
図示のように、圧力センサ406は、ユーザの足の母指球に対応する領域410付近に配置されることができ、屈曲センサ408は、ユーザの足の母指球の後部に対応する領域414付近に配置され得る。制御ユニット402及び電池430は、ユーザの足の土踏まずに対応する領域416に配置され得る。当業者が理解するように、記載される実施形態は、特定のセンサタイプの配置を所与の領域に限定することを意味するものではない。例えば、つま先領域448付近での曲げ動作についてのフィードバックを提供するために、圧力センサ406の付近(例えば、前方)に屈曲センサ(408と同様)が配置されてもよい。
図3−4は、複数のセンサを担持するように1つのフレキシブルPCB(形成材)を示しているが、一般に、フレキシブルPCB(形成材)は、矯正装置300又は400内の複数の領域のうちの1つ以上に含められる又は含められないようにしてもよい。
一部の実施形態において、例えば圧電センサなどの、矯正装置のセンサは、エネルギーハーベスティングの目的で使用されてもよく、その場合、センサの出力は主として電力信号を取り出すのに使用され得る。一部の実施形態において、センサ出力はまた、例えばユーザの体の上といったその他の場所に置かれ得る外部装置(例えば、図1の外部装置184)へのエネルギー伝送を最大化するために、足の向きを決定することにも使用され得る。例えば、外部電力貯蔵デバイスがユーザの足首の周りに着用されてもよく、例えば電力のワイヤレス伝送の場合に、この外部装置への電力伝送を最大化するために、矯正装置向き情報を使用して、足首に対する矯正装置の位置を決定し得る。一部の実施形態において、矯正装置は、格納されたデータ及び/又は収穫されたエネルギーの外部装置へのダウンロードを可能にするために、例えばマイクロ−ユニバーサルシリアルバス(USB)ポートなどのコネクタを含んでいてもよい。
図5−6は、一部の実施形態に従った、履物内に置かれる矯正装置の内部の圧力センサ及び屈曲センサの空間的分布の例を模式的に表したものを示している。図5は、圧力測定及びエネルギーハーベスティングを可能にするように構成された矯正装置500の一実施形態を例示している。従って、矯正装置500は、複数の圧電デバイス(圧力センサ)506を含み得る。圧力センサ506は、足の母指球領域510、踵領域512、及び足の外側領域520の付近に配置され得る(例えば、埋め込まれ得る)。しかしながら、図5に図示した例は、センサの忠実な配置として意図されたものではなく、むしろ、多数のセンサが矯正装置にわたってどのように分布され得るかを指し示すことで、足底が負う荷重の分布の情報を供するものである。
付随する処理、電荷貯蔵、及び送受信器のブロック(制御ユニット502に含まれる)は、足の土踏まず領域516(これは、通常、最も小さい荷重を負っている領域である)に配置され得る。一部の実施形態において、例えば、扁平土踏まず症候群を持つ場合、この領域も(1つ以上の)センサを含むことができ、且つ/或いは、付随する処理、電荷貯蔵、及び送受信器はその他に配置され得る。例えば、センサ及び処理機能は、個人の要求に基づいてカスタマイズされ得る。
処理機能は、センサ506の各々の出力の変化の大きさ及び速さを測定する手段を含み得る。例えば、図2を参照して説明したように、センサ506は、アナログ出力信号をデジタル信号へと変換するADCとインタフェースをとることができ、このデジタル信号が、制御ユニット502内で処理され、あるいは、制御ユニット502によって例えば送受信器を介して外部装置に渡され得る。加えて、あるいは代わりとして、センサ出力の一部は、エネルギーハーベスティング機能(例えば、電力信号を取り出して蓄えることによる)を実行するように処理され得る。
図6は、屈曲測定及びエネルギーハーベスティングを可能にするように構成された矯正装置600の一実施形態を例示している。収穫される電荷が、直接的な圧力ではなく、屈曲を通じて生成され得る。従って、矯正装置600は、足のうち歩行に伴って最大の撓みを持つ領域(参照符号610によって指し示されている)に配置された圧電デバイス(屈曲センサ)608を含み得る。電池630は踵領域612付近に配置され、制御ユニット602は土踏まず領域616に配置され得る。矯正装置600はまた、蓄えられた電荷をダウンロードするためのコネクタ又は無線周波数(RF)エネルギー共有のためのコイル(図示せず)を含んでいてもよい。
図7は、一部の実施形態に従った、他の一実施形態例に係る矯正装置700の断面を例示する模式図である。矯正装置700は、矯正装置700を収容する履物への機械的な力の印加に応じた圧力及び屈曲の測定を実行するように構成されたキャパシタデバイスを含み得る。
図3−6を参照して記述した実施形態と同様に、矯正装置700は、例えば圧力センサ706、屈曲センサ708、及び制御ユニット702などの装置コンポーネントの少なくとも一部を封入する矯正装置本体701を含み得る。矯正装置700は、フレキシブルコネクタ718を介して装置コンポーネントに接続され得る電池730を含み得る。矯正装置700は、図3−4を参照して記述したように装置コンポーネントの一部を含み得るフレキシブルPCB(形成材)720を含むことができる。矯正装置700は、図示のように、インターコネクト722及び強化材726を含み得る。
圧力センサ706は、圧力に応答して変形可能な誘電体材料740を持つキャパシタを有し得る。変形可能な誘電体740は、例えば堆積された金属(上側層)742と部分(下側層)744など、金属層同士の間に挟み込まれ得る。
屈曲センサ708は、屈曲に応答して圧縮可能な誘電体材料を持つインターディジテート型キャパシタを有し得る。センサ708の構造を拡大図750に例示している。図示のように、センサ708は、2つのグリル状の部分的に絡み合わされた部分756及び758を有する金属構造754間に挟み込まれた、屈曲応答誘電体材料752を有し得る。
矯正装置700は、例えば圧力センサ706及び屈曲センサ708など、双方のタイプのキャパシタセンサを含むように示されているが、当業者が理解するように、図7を参照して記述したものと同様の矯正装置は、圧力に応答する複数のキャパシタデバイス、屈曲に応答する複数のキャパシタデバイス、又はこれらの組み合わせ(図7によって例示したように)を含み得る。
図8は、一部の実施形態に従った、矯正装置を製造するためのプロセスフロー図800である。
プロセス800は、ブロック802で開始することができ、矯正装置の本体の内部の第1の領域に第1のセンサが配置され得る。第1のセンサは、ユーザの足によって該第1の領域に印加される圧力に応答して第1の電力信号を生成するように構成され得る。
ブロック804にて、矯正装置の本体の内部の第2の領域に第2のセンサが配置され得る。第2のセンサは、ユーザの足によって該第2の領域に印加される屈曲に応答して第2の電力信号を生成するように構成され得る。
ブロック806にて、矯正装置の本体の内部の第3の領域に制御ユニットが配置され得る。
ブロック808にて、矯正装置の本体への圧力及び屈曲の印加に応答して第1及び第2のセンサによって生成される第1及び第2の電力信号の処理を可能にするために、第1及び第2のセンサが制御ユニットと通信可能に結合され得る。
ブロック810にて、矯正装置本体の内部に、又は矯正装置の外部に、電力貯蔵デバイスが配置され得る。
ブロック812にて、制御ユニットによる第1及び第2の電力信号の処理の結果として得られる電荷の収穫を可能にするために、電力貯蔵デバイスが制御ユニットと通信可能に結合され得る。
ここに記述された実施形態を更に、以下の例によって例示する。例1は、矯正装置本体と、前記矯正装置本体の内部に空間的に配置された少なくとも2つのセンサであり、当該少なくとも2つのセンサのうちの第1のセンサが、前記矯正装置本体への機械的な力の印加により生じる圧力に応答して第1の出力を提供し、当該少なくとも2つのセンサのうちの第2のセンサが、前記矯正装置本体への機械的な力の前記印加により生じる屈曲に応答して第2の出力を提供する、少なくとも2つのセンサと、前記矯正装置本体の内部で前記少なくとも2つのセンサと通信可能に結合され、前記矯正装置本体への機械的な力の前記印加により生じる圧力及び屈曲に応答して前記少なくとも2つのセンサによって提供される前記第1及び第2の出力を受信して処理する制御ユニットと、を有する矯正装置である。
例2は、例1の事項を含み得るとともに、前記少なくとも2つのセンサは、ユーザの足が前記矯正装置本体上に実質的に置かれることによって前記矯正装置本体に印加される機械的な力を検知することを更に規定する。
例3は、例1の事項を含み得るとともに、前記少なくとも2つのセンサは、1つ以上のフレキシブル圧電デバイスを有することを更に規定する。
例4は、例3の事項を含み得るとともに、前記少なくとも2つのセンサのうちの前記第1のセンサは、前記圧力に応答して第1の電力信号を生成することで、前記第1の出力を提供することを更に規定する。
例5は、例4の事項を含み得るとともに、前記少なくとも2つのセンサのうちの前記第2のセンサは、前記屈曲に応答して第2の電力信号を生成することで、前記第2の出力を提供することを更に規定する。
例6は、例5の事項を含み得るとともに、前記制御ユニットは、電力収穫のために前記第1及び第2の電力信号から電力を取り出して前記第1及び第2の出力を処理することを更に規定する。
例7は、例6の事項を含み得るとともに、当該装置は更に、取り出された前記電力を収穫するため、前記制御ユニットと結合された電力貯蔵デバイスを有することを更に規定する。
例8は、例7の事項を含み得るとともに、前記電力貯蔵デバイスは、前記矯正装置本体の内部に置かれて配線接続を介して前記制御ユニットと結合された電池、又は前記矯正装置本体の外部に置かれて無線接続若しくは配線接続を介して前記制御ユニットと結合された外部電力貯蔵デバイス、の一方を有することを更に規定する。
例9は、例8の事項を含み得るとともに、前記電池は、ユーザの足の土踏まず領域に対応する前記矯正装置本体の領域に配置されていることを更に規定する。
例10は、例1の事項を含み得るとともに、前記少なくとも2つのセンサはキャパシタデバイスを有し、前記少なくとも2つのセンサのうちの前記第1のセンサは、前記圧力に応答して変形可能な誘電体を持つキャパシタを有することを更に規定する。
例11は、例10の事項を含み得るとともに、前記少なくとも2つのセンサのうちの前記第2のセンサは、前記屈曲に応答して圧縮可能な誘電体を持つインターディジテート型キャパシタを有することを更に規定する。
例12は、例1の事項を含み得るとともに、前記第1及び第2のセンサ並びに前記制御ユニットのうちの少なくとも1つが、フレキシブル印刷回路基板(PCB)形成材にて、前記矯正装置本体の内部に配置されていることを更に規定する。
例13は、例1の事項を含み得るとともに、前記第1のセンサは、ユーザの足の母指球領域又は踵領域に対応する前記矯正装置本体の第1の領域に配置されていることを更に規定する。
例14は、例1の事項を含み得るとともに、前記第2のセンサは、ユーザの足の母指球領域の後部に対応する前記矯正装置本体の第2の領域に配置されていることを更に規定する。
例15は、例1の事項を含み得るとともに、当該装置がさらに、前記第1及び第2のセンサと結合されて、前記第1及び第2の出力をアナログ形式から前記制御ユニット用のデジタル形式に変換するアナログ−デジタル変換器(ADC)を有することを更に規定する。
例16は、例15の事項を含み得るとともに、前記制御ユニットは、処理した出力を、当該矯正装置の外部のコンピューティング装置に提供することを更に規定する。
例17は、例15の事項を含み得るとともに、当該装置が更に、前記処理した出力を外部の前記コンピューティング装置に送信する送受信器を有することを更に規定する。
例18は、例1乃至17の事項を含み得るとともに、当該矯正装置は履物に合体され、当該矯正装置は、前記履物に挿入可能又は埋込可能であることを更に規定する。
例19は、矯正装置を有する履物であって、前記矯正装置は、矯正装置本体と、前記矯正装置本体の内部に空間的に配置された少なくとも2つのセンサであり、当該少なくとも2つのセンサのうちの第1のセンサが、前記矯正装置本体への機械的な力の印加により生じる圧力に応答して第1の出力を提供し、当該少なくとも2つのセンサのうちの第2のセンサが、前記矯正装置本体への機械的な力の前記印加により生じる屈曲に応答して第2の出力を提供する、少なくとも2つのセンサと、前記矯正装置本体の内部で前記少なくとも2つのセンサと通信可能に結合され、前記矯正装置本体への機械的な力の前記印加により生じる圧力及び屈曲に応答して前記少なくとも2つのセンサによって提供される前記第1及び第2の出力を受信して処理する制御ユニットとを有する、履物である。
例20は、例19の事項を含み得るとともに、前記少なくとも2つのセンサのうちの前記第1のセンサは、前記圧力に応答して第1の電力信号を生成することで前記第1の出力を提供し、前記少なくとも2つのセンサのうちの前記第2のセンサは、前記屈曲に応答して第2の電力信号を生成することで前記第2の出力を提供し、前記第1及び第2のセンサは圧電デバイスを有することを更に規定する。
例21は、矯正装置を提供する方法であって、矯正装置の本体の内部の第1の領域に第1のセンサを配置する第1配置ステップであり、前記第1のセンサは、ユーザの足によって前記第1の領域に印加される圧力に応答して第1の電力信号を生成するものである、第1配置ステップと、前記矯正装置の前記本体の内部の第2の領域に第2のセンサを配置する第2配置ステップであり、前記第2のセンサは、前記ユーザの足によって前記第2の領域に印加される屈曲に応答して第2の電力信号を生成するものである、第2配置ステップと、前記矯正装置の前記本体の内部の第3の領域に制御ユニットを配置する第3配置ステップと、前記矯正装置の前記本体への前記圧力及び屈曲の印加に応答して前記第1及び第2のセンサによって生成される前記第1及び第2の電力信号の処理を可能にするために、前記第1及び第2のセンサを前記制御ユニットと通信可能に結合するステップと、を有する方法である。
例22は、例21の事項を含み得るとともに、当該方法が更に、前記矯正装置の前記本体の内部に、又は前記矯正装置の外部に、電力貯蔵デバイスを配置するステップと、前記制御ユニットによる前記第1及び第2の電力信号の前記処理の結果として得られる電荷の収穫を可能にするために、前記電力貯蔵デバイスを前記制御ユニットと通信可能に結合するステップとを有することを更に規定する。
例23は、例21の事項を含み得るとともに、当該方法が更に、前記矯正装置の前記本体の内部で送受信器を前記制御ユニットと通信可能に結合するステップと、前記矯正装置の外部にある電力貯蔵デバイスを設けるステップと、前記制御ユニットによる前記第1及び第2の電力信号の前記処理の結果として得られる電荷の収穫を可能にするために、前記送受信器を介して前記電力貯蔵デバイスを前記制御ユニットと通信可能に結合するステップとを有することを更に規定する。
例24は、例21の事項を含み得るとともに、前記第1、第2及び第3配置ステップは、前記第1及び第2のセンサ並びに前記制御ユニットのうちの少なくとも一部をフレキシブル印刷回路基板(PCB)形成材に配置することを含むことを更に規定する。
例25は、例21乃至24の事項を含み得るとともに、第1の領域に第1のセンサを配置する前記第1配置ステップは、ユーザの足の踵又は前記ユーザの足の母指球のうちの少なくとも一方に対応する前記第1の領域に前記第1のセンサを配置することを有し、第2の領域に第2のセンサを配置する前記第2配置ステップは、前記ユーザの足の前記母指球の後部に対応する前記第2の領域に前記第2のセンサを配置することを有し、第3の領域に制御ユニットを配置する前記第3配置ステップは、前記ユーザの足の土踏まず領域に対応する前記第3の領域に前記制御ユニットを配置することを有することを更に規定する。
様々な処理が、特許請求に係る事項を理解するに際してとても役立つ手法にて、複数の別個の処理として順番に記載されている。しかしながら、記載の順序は、それらの処理が必ず順序依存であることを意味するように解されるべきでない。本開示の実施形態は、所望のように構成するのに適した如何なるハードウェア及び/又はソフトウェアを用いてシステムに実装されてもよい。
ここでは説明目的で特定の実施形態を図示して説明してきたが、本開示の範囲を逸脱することなく、同じ目的を達成するように計算された多様な代替的且つ/或いは均等な実施形態又は実装が、図示して説明した実施形態の代わりに使用され得る。本出願は、ここで議論した実施形態の如何なる適応例又は変形例をもカバーするものである。故に、はっきりと意図されることには、ここに記載された実施形態は請求項及びそれに均等なものによって限定されるのみである。