JP2017526890A - 不等ブローを有する磁気冷凍システム - Google Patents

不等ブローを有する磁気冷凍システム Download PDF

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Abstract

磁気冷凍装置には、各々が高温側及び低温側を有する1つ以上の磁気熱量材料のベッドが含まれる。装置には、時間変動磁場を1つ以上の磁気熱量材料のベッド、熱伝達流体、熱伝達流体を循環させるための手段、高温側熱交換器(HHEX)、及び低温側熱交換器(CHEX)に印加するための磁石も含まれる。【選択図】図3

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年9月15日出願の米国仮特許出願第62/050,284号の利益を主張する2014年12月11日出願の米国特許出願第14/567,835号の優先権を主張し、参照によりそれら両方の全体が本明細書に組み込まれる。
連邦政府資金提供に関する記述
本発明は、米国エネルギー省により与えられたDE−AR0000128のもと、政府の援助を受けて行われた。米国政府は、本発明において特定の権利を有する。
磁気冷凍(MR)とは、一般的にある特定の磁気熱量材料の磁気熱量効果を利用する冷凍システムを指す。磁気熱量効果は、一部には、磁気熱量材料を変化する磁場に曝露することにより生じる磁気熱量材料の温度変化を指す。現代の室温磁気冷凍(MR)システムは、能動型磁気再生器(AMR)サイクルを用いて冷却を行うことがある。
磁気冷凍システムには、各々が高温側及び低温側を有する1つ以上の磁気熱量材料のベッドと、時間変動磁場を高状態及び低状態で1つ以上のベッドに印加するように構成された磁石とが含まれる。システムは、熱伝達流体、高温側熱交換器(HHEX)、低温側熱交換器(CHEX)、ならびに熱伝達流体を1つ以上のベッド、HHEX、及びCHEXを通して循環させるように構成されたポンプを更に備え得る。システムには、それぞれのベッドに印加される時間変動磁場が高状態である場合、持続期間ΔtHにわたって、1つ以上のベッドの低温側からHHEXを通してそれぞれのベッドの高温側への熱伝達流体の流れをΦHの平均流量に制御するように構成された弁も、含まれ得る。弁は、それぞれのベッドに印加される時間変動磁場が低状態である場合、持続期間ΔtCにわたって、1つ以上のベッドの高温側からCHEXを通してそれぞれのベッドの低温側への熱伝達流体の流れをΦCの平均流量に制御するように更に構成され得る。流量と持続期間との関係には、ΔtC>ΔtH、ΦC<ΦH、及びΔtHΦH=ΔtCΦCが含まれ得る。
磁気冷凍装置には、各々が高温側及び低温側を有する複数の磁気熱量材料のベッドと、時間変動磁場を高状態及び低状態で複数のベッドに印加するように構成された磁石とが含まれ得る。装置には、熱伝達流体、高温側熱交換器(HHEX)、低温側熱交換器(CHEX)、ならびに熱伝達流体を複数のベッド、HHEX、及びCHEXを通して循環させるように構成されたポンプが更に含まれ得る。装置には、複数のベッドのうちのあるベッドの低温側に各々接続されている一連の孔を有する第1の部分とCHEXに流体接続された溝穴を有する第2の部分とを備えた第1の入口弁と、複数のベッドのうちのあるベッドの高温側に各々接続されている一連の孔を有する第1の部分とHHEXに流体接続された溝穴を有する第2の部分とを備えた第1の出口弁と、複数のベッドのうちのあるベッドの高温側に各々接続されている一連の孔を有する第1の部分とHHEXに流体接続された溝穴を有する第2の部分とを備えた第2の入口弁と、複数のベッドのうちのあるベッドの低温側に各々接続されている一連の孔を有する第1の部分とCHEXに流体接続された溝穴を有する第2の部分とを備えた第2の出口弁と、も含まれ得る。第1の入口弁内の溝穴と第1の出口弁内の溝穴とは、それぞれのベッドに印加される磁場が高状態である場合、持続期間ΔtHにわたって、ベッドの各々の低温側からベッドの各々の高温側への熱伝達流体の流れをΦHの平均流量で許容するように構成され得る。第2の入口弁内の溝穴と第2の出口弁内の溝穴とは、それぞれのベッドに印加される磁場が低状態である場合、持続期間ΔtCにわたって、ベッドの各々の高温側からベッドの各々の低温側への熱伝達流体の流れをΦCの平均流量で許容するように構成され得る。流量と持続期間との関係には、ΔtC>ΔtH、ΦC<ΦH、及びΔtHΦH=ΔtCΦCが含まれ得る。
磁気冷凍装置は、各々が高温側及び低温側を有する複数の磁気熱量材料のベッドと、時間変動磁場を複数のベッドに印加するように構成された磁石とを備え得る。装置には、熱伝達流体、高温側熱交換器(HHEX)、低温側熱交換器(CHEX)、ならびに熱伝達流体を複数のベッド、HHEX、及びCHEXを通して循環させるように構成されたポンプも含まれ得る。装置は、低温側弁であって、低温側弁の中心からの第1の半径と低温側弁の中心からの第2の半径とを有し、第1の半径沿いの第1の一連の孔と第2の半径沿いの第2の一連の孔とを有する第1の部分であって、第1の一連の孔が各々複数のベッドの各々の低温入口管に流体接続し、第2の一連の孔が各々複数のベッドの各々の低温出口管に接続する、第1の部分と、CHEXの出口に流体接続されている第1の半径沿いの第1の溝穴と、CHEXの入口に流体接続されている第2の半径沿いの第2の溝穴とを有する第2の部分と、を備えた低温側弁、を更に含み得る。装置は、高温側弁であって、高温側弁の中心からの第3の半径と高温側弁の中心からの第4の半径とを有し、第3の半径沿いの第3の一連の孔と第4の半径沿いの第4の一連の孔とを有する第1の部分であって、第3の一連の孔が各々複数のベッドの各々の高温入口管に流体接続し、第4の一連の孔が各々複数のベッドの各々の高温出口管に流体接続する、第1の部分と、HHEXの出口に流体接続されている第3の半径沿いの第3の溝穴と、HHEXの入口に流体接続されている第4の半径沿いの第4の溝穴とを有する第2の部分と、を備えた高温側弁、も更に含み得る。第1の溝穴、第2の溝穴、第3の溝穴、及び第4の溝穴は、それぞれのベッドに印加される磁場が高状態である場合、持続期間ΔtHにわたって、複数のベッドの各々の低温側からそれぞれのベッドの高温側への熱伝達流体の流れをΦHの平均流量で許容するように構成され得る。第1の溝穴、第2の溝穴、第3の溝穴、及び第4の溝穴は、それぞれのベッドに印加される磁場が低状態である場合、持続期間ΔtCにわたって、複数のベッドの各々の高温側からそれぞれのベッドの低温側への熱伝達流体の流れをΦCの平均流量で許容するように更に構成され得る。流量と持続期間との関係には、ΔtC>ΔtH、ΦC<ΦH、及びΔtHΦH=ΔtCΦCが含まれ得る。
磁気冷凍及び流体チリング装置には、各々が高温側及び低温側を有する1つ以上の磁気熱量材料のベッドと、時間変動磁場を高状態及び低状態で1つ以上のベッドに印加するように構成された磁石とが含まれ得る。装置には、熱伝達流体、高温側熱交換器(HHEX)、低温側熱交換器(CHEX)、流体チリング熱交換器(HEX)、ならびに熱伝達流体を1つ以上のベッド、HHEX、CHEX、及びHEXを通して循環させるように構成されたポンプが更に含まれ得る。装置には、それぞれのベッドに印加される磁場が高状態である場合、持続期間ΔtHにわたって、1つ以上のベッドの各々の低温側から1つ以上のベッドの各々の高温側への熱伝達流体の流れをΦHの平均流量に制御するように構成された弁も含まれ得る。弁は、それぞれのベッドに印加される磁場が低状態である場合、持続期間ΔtCにわたって、1つ以上のベッドの各々の高温側から1つ以上のベッドの各々の低温側への熱伝達流体の流れをΦCの平均流量に制御するように更に構成され得る。弁は、それぞれのベッドに印加される磁場が低状態である場合、1つ以上のベッドの各々の低温側から出現する熱伝達流体のうちのある分画fをHEXに、及びそれぞれのベッドの高温側に方向付けるように更に構成され得る。流量、持続期間、及び熱伝達流体の分画fの関係には、ΔtC>ΔtH及びΔtHΦH=(1−f)ΔtCΦCが含まれ得る。
方法には、複数の磁気熱量材料のベッドを磁石の磁場の内側及び外側へ回転させて、高状態及び低状態を有する時間変動磁場を作製するステップであって、時間変動磁場が複数のベッドの各々に印加される、作製するステップが含まれ得る。方法には、それぞれのベッドに印加される時間変動磁場が高状態である場合、持続期間ΔtHにわたって、複数のベッドの各々の低温側からそれぞれのベッドの高温側への熱伝達流体の流れをΦHの平均流量に制御するように弁を回転させるステップも含まれ得る。弁は、それぞれのベッドに印加される時間変動磁場が低状態である場合、持続期間ΔtCにわたって、複数のベッドの各々の高温側からそれぞれのベッドの低温側への熱伝達流体の流れΦCの平均流量を制御し得る。流量と持続期間との関係には、ΔtC>ΔtH、ΦC<ΦH、及びΔtHΦH=ΔtCΦCが含まれ得る。
方法には、磁石の磁場を複数の磁気熱量材料のベッドを中心として回転させ、複数のベッドの各々に対して高状態及び低状態を有する時間変動磁場を作製するステップが含まれ得る。方法には、それぞれのベッドに印加される時間変動磁場が高状態である場合、持続期間ΔtHにわたって、複数のベッドの各々の低温側からそれぞれのベッドの高温側への熱伝達流体の流れをΦHの平均流量に制御するように弁を回転させるステップも含まれ得る。弁は、それぞれのベッドに印加される時間変動磁場が低状態である場合、持続期間ΔtCにわたって、複数のベッドの各々の高温側からそれぞれのベッドの低温側への熱伝達流体の流れΦCの平均流量を制御し得る。流量と持続期間との関係には、ΔtC>ΔtH、ΦC<ΦH、及びΔtHΦH=ΔtCΦCが含まれ得る。
AMRサイクルを使用する磁気冷凍器システムを示す。 AMRサイクルを使用する磁気冷凍器システムを示す。 AMRサイクルを使用する磁気冷凍器システムを示す。 AMRサイクルを使用する磁気冷凍器システムを示す。 部分的な円環の形状のギャップ容積を特徴付けるために使用され得る、例示的な実施形態によるパラメータを図示する。 部分的な円環の形状のギャップ容積を特徴付けるために使用され得る、例示的な実施形態によるパラメータを図示する。 例示的な実施形態による等ブローシステムの最小ベッド容積及び不等ブローシステムの最小ベッド容積を、磁石組立体の高磁場領域の角度範囲の関数として図示する。 例示的な実施形態による不等ブロー最適化プロセスから得られた3500Wシステムのための最適化された高温ブローの持続期間及び低温ブローの持続期間を、高磁場領域の角度範囲の関数として図示する。 最適化プロセスから得られた、例示的な実施形態による高温ブロー流量及び低温ブロー流量を図示する。 2つの同一のリニアディスプレーサを有する、例示的な実施形態による磁気冷凍システムの概略図を図示する。 2つの同一のリニアディスプレーサを有する、例示的な実施形態による磁気冷凍システムの概略図を図示する。 4つの被制御弁を有し、2つを低温側に、2つを高温側に有する、例示的な実施形態による磁気冷凍システムの概略図を図示する。 4つの被制御弁を有し、2つを低温側に、2つを高温側に有する、例示的な実施形態による磁気冷凍システムの概略図を図示する。 例示的な実施形態による、ディスクの中心からある半径距離に中心がある円形孔を有する固定子と、ディスクの中心から固定子の孔と同じ半径距離に中心があり、ある特定の角度範囲を有する内側溝穴を有する回転子とを図示する。 例示的な実施形態による、高温入口弁の回転子溝穴及び低温出口弁の回転子溝穴よりも小さい角度範囲を有する低温入口弁の回転子溝穴及び高温出口弁の回転子溝穴を図示する。 高温ブロー及び低温ブローの不等な持続期間及び流量を提供する修正された回転ディスク弁を有する、例示的な実施形態による磁気冷凍システムを図示する。 図10の実施形態の弁において使用される、例示的な実施形態による回転子ディスク及び固定子ディスクを図示する。 ベッドの数に等しい孔のペアを有する、例示的な実施形態による低温側回転子及び高温側回転子を図示する。 例示的な実施形態による磁気冷凍システム内の被選択ベッドを通る高温流体経路を図示する。 高温ブローを経ている第1の被選択ベッドと、同時に低温ブローを経ている第2のベッドとを有する、例示的な実施形態による磁気冷凍システムを図示する。 例示的な実施形態による、ある特定の角度範囲を有する溝穴を有する回転子と、8孔のリングを有する固定子とを図示する。 例示的な実施形態による固定子内の孔とベッドの弁との関連付けをN=8の場合について図示する。 低温ブローを経ている第1の被選択ベッドと、同時に高温ブローを経ている第2のベッドとを有する、例示的な実施形態による磁気冷凍システムを図示する。 例示的な実施形態による、様々な異なる角度範囲に対するNdFeBの質量を図示する表である。 流体チラーとして動作する、例示的な実施形態による磁気冷凍システムの概略図を図示する。 流体チラーとして動作する、例示的な実施形態による磁気冷凍システムの概略図を図示する。
磁気冷凍(MR)は、磁気熱量効果、すなわち磁場内に置かれると加熱され、場が除去されると冷却される特定の材料が呈する特性に基づく先進の冷却技術である。磁気冷凍は、現在最も広範に使用されている冷却方法である蒸気圧縮と比べて、いくつかのはっきりと異なる利点を提供する。第一に、MRは、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、クロロフルオロカーボン(CFC)、または任意の他の材料ガスを使用しない。むしろ、MRシステム内の冷媒は、多孔質固体の形態である。いかなるガスも存在しないことは、蒸気圧縮システムに共通する問題である漏れの可能性を大いに低減する。結果として、MRシステムは、保守及びダウンタイムが低減されるため、より高い信頼性を有し得る。HFC及びCFCはオゾンを枯渇させ、地球温暖化に寄与するため、これらのガスの排除は、環境に対する恩恵を有する。最後に、MRシステムは、特にオフピーク負荷条件下において、蒸気圧縮よりもエネルギー効率が高くなり得ることが理論的研究により証明されている。
現代の室温MRシステムは、米国特許第4,332,135号に開示されているように、いわゆる能動型磁気再生器(AMR)サイクルを実現して冷却を行う。このサイクルは、図1に概略的に示すように、4つの段階を有する。この図中のMRシステムには、磁気熱量材料(MCM)190の多孔質ベッドと、ベッドを貫流する際にMCMと熱を交換する熱伝達流体とが含まれる。ベッドの左側は低温側である一方、高温側は右側にある(あるいは、配向が異なる場合がある)。流体の流れのタイミング及び方向(高温から低温または低温から高温)は、磁場192の印加及び除去により調整される。サイクルの第1の段階(「励磁」)、すなわち図1Aでは、ベッド190内の流体が停滞している間、磁場192がMCMに印加され、それを加熱させる。次の段階(「高温ブロー」)、すなわち図1Bでは、磁場192がベッドの上方に維持される間、温度TCi(低温入口温度)の流体が、低温入口182を介して、低温側からベッド190を通して高温側へ圧送される。この流体は、ベッドを通過しながらベッド内のMCMから熱を引き出し、昇温する。高温ブローの間、流体は、温度THo(高温出口温度)で高温出口186を介してベッドを出て行き、熱交換器194にわたって循環され、熱交換器194において周囲環境に熱を引き渡し、温度THi(高温入口温度)<THoに戻る。次の段階(「消磁」)、すなわち図1Cでは、流体の流れは終了し、磁場は除去される。これは、ベッド190を更に冷やす。最後の段階(「低温ブロー」)、すなわち図1Dでは、磁場が引き続き存在しなければ、温度THiの流体は、高温入口188を介して、高温側からベッドを通して低温側へ圧送される。流体は、ベッド190内のMCMを通過する際に冷やされ、温度TCo(低温出口温度)<TCiに到達する。低温ブローの間に低温出口184を介してベッドを出て行くより低温の流体は、低温側熱交換器196にわたって循環され、冷凍環境から熱を獲得し、冷凍環境がより低い温度を維持することを可能にする。流体は、温度TCiで低温側熱交換器196を出て行き、AMRサイクルを完了する。MRシステムの冷却力QCは、以下の式1により表され得る。
式1:QC=(TCi−TCo)ρCΦC
暖かい周囲環境に排出される熱QHは、以下の式2により表され得る。
式2:QH=(THo−THi)ρCΦH
式中、ρは、熱伝達流体の密度であり、Cは、その熱容量であり、ΦH、ΦCは、それぞれ高温ブロー及び低温ブローの間におけるシステムにわたっての平均体積流量である。本明細書において、記号ΔtH及びΔtCは、それぞれ高温ブローの持続期間及び低温ブローの持続期間を指すために使用される。AMRサイクルの4つの段階の実行のために必要とされる時間はサイクル周期と呼ばれ、その逆数はサイクル周波数として知られている。MRシステムの温度範囲は、入口流体温度間の差分、すなわちTHi−TCiとして定義される。
図1は、単一ベッドMRシステムの動作を図示する。代替的な実施形態では、各々同じAMRサイクルを経ている複数のベッドは、冷却力を増加させ、システムサイズを低減し、または別の方法によりサイクルの性能を改善するために、単一のシステムに組み合わせられ得る。
AMRサイクルを実現するため、磁気冷凍器は、1つ以上のMCMベッド、熱伝達流体、ベッドにわたって流体を駆動するためのポンプ、磁場をベッドにわたって印加及び除去するためのプロセス、ならびにベッドを通る流体の流れのタイミング及び方向をベッドに対する磁場の印加及び除去により調整する流れ制御システムを利用する。磁気冷凍器におけるAMRサイクルの一実装では、別々の同一のベッドから形成されたホイールを、永久磁石組立体内のギャップを通るように回転させる。この配置では、磁場は、所与のベッドが磁石組立体内のギャップに入るにつれてそのベッドに印加され、場は、ベッドがギャップを通るように回転する間維持され、ベッドの上方の場は、ベッドがギャップの外側へ出るように回転するにつれて除去される。ベッドは、磁石組立体のギャップの外側にある間、磁場を受けない。「回転ベッド」磁気冷凍器またはRBMRと呼ばれるこの配置は、米国特許第6,526,759号に記載されている。
磁気冷凍器におけるAMRサイクルの第2の実装では、ギャップを有する磁石組立体が、MCMの固定ベッドの上方を回転する。磁場は、磁石組立体が所与のベッドの上方を回転するとき、そのベッドに印加される。場は、ベッドが磁石ギャップ内にとどまる間、そのベッドの上方に維持される。磁石が所与のベッドから離れるように回転するにつれて、磁場は除去される。回転磁石磁気冷凍器またはRMMRと呼ばれるこの配置は、米国特許第6,668,560号に記載されている。
典型的に、1〜2テスラの磁場を利用して、商業に関連する冷凍のために磁気熱量効果を効果的に活用する。この磁場は、通常、強力なNdFeB磁石の組立体と、所望のパターンに磁束を案内する高い透磁率を有する元素(軟鉄等)とにより提供される。磁気冷凍システムにおいて使用される1種類の磁石組立体が、米国特許第6,946,941号に記載されている修正ハルバッハ配列である。この組立体は、回転するアーキテクチャのために適切な弧形状の領域の上方に大きな磁場を生成するように設計される。NdFeB磁石は、希土類元素Nd及びDyを使用するため高価であり、磁気冷凍システムの費用においては、使用するNdFeB磁石の費用が最も顕著である。その結果、商業的に成立するために、磁気冷凍システムは、最小限の質量のNdFeBを使用すべきである。
RBMRまたはRMMR等の、ベッドと磁石ギャップとの間の相対回転を用いて磁場をベッドに印加及び除去する磁気冷凍システムでは、磁石組立体は、磁気熱量材料を収容するベッドが置かれるギャップ容積内に高い磁場を生成するように設計される。例示的な実施形態では、このギャップ容積2は、部分的な円環の形状であり、図2a(平面図)及び2b(2aに示す線A−Aにおける断面)に示す4つのパラメータ、すなわちギャップ高さH、ギャップ内半径R1、ギャップ外半径R2、及びギャップ角度範囲D(度で測定される)により特徴付けられ得る。これらのパラメータがあれば、高磁場領域2の容積は、式3により表され得る。
式3:Vhf=Hπ(R2 2−R1 2)D/360°
高磁場容積2において所望の磁場強度を維持するために必要とされるNdFeBの質量は、この容積が増加するにつれて増加する。したがって、磁石組立体により必要とされるNdFeBの質量を最小限にするために、高磁場容積2は最小限にされ得る。本明細書に記載の主題は、高磁場領域2の容積を、その角度範囲Dを低減することにより、低減する。しかしながら、この作用自体が、ベッドから得られ得る冷却力を減少させ(以下で説明する理由のため)、MRシステムの所望の冷却力目標を満たすためにベッドサイズの増大を必要とする。次に、このベッドサイズの増大は、より大きなベッド(複数可)を収容するために、ギャップ高さHまたはギャップ半径方向のギャップ深さR2−R1の増大を必要とする。本出願の主題は、高磁場領域の角度範囲の低減と、不等な持続期間及び不等な流量を有する高温ブロー及び低温ブローの使用とを組み合わせて、冷却力の減少及びベッドサイズの増大を最小限にする。高温ブロー及び低温ブローの持続期間及び流量が不等であるため、Dの減少に関連するギャップ容積2の低減は、より大きいベッドにより必要となるH及び半径方向のギャップ深さの増加を補償して余りあり、それにより、ギャップ容積2と磁石組立体のNdFeB質量との正味低減をもたらす。
磁石組立体とベッドとの間の相対回転を有する磁気冷凍システムでは、ベッドは持続時間ΔtM=D/ωにわたって励磁され、式中、ωはベッドと磁石組立体との間の相対回転速度(1秒当たりの角度)である。ベッドが励磁される間、高温ブローが行われ、高温ブローの持続期間ΔtHがΔtMを超える場合、ベッドが低温(被消磁)である間、低温から高温への流体の流れが行われる。これは、高温から低温への流体の流れからのみ得られる低温(被消磁)ベッドの冷却力の一部を浪費する。一方、ΔtHがΔtMより小さい場合、磁気熱量材料からの熱除去のために利用可能な時間の一部は、利用されないであろう。この場合、被励磁ベッドにおいて磁気熱量効果から生成される熱の一部は、完全には排出されないことがあり、ベッドは、必要なよりも温かい状態にとどまり、したがって場が除去される際にそれほど冷却力を提供しない。よって、適切に設計された磁気冷凍システムでは、
であると予想される。
今日までの全ての磁気冷凍システムは、等しいブロー持続期間を用いており、ΔtH=ΔtCである。磁気冷凍器は閉鎖流体循環システムを使用するため、流体の質量保存は、ブローの間の流量も等しくなければならない、すなわちΦH=ΦCでなければならないと要求する。本出願において、等しいブロー持続期間及び速度を有するシステムを「等ブロー」システムと呼ぶ。このようなシステムに関しては、約180度であるできるだけ大きいDの値により最大冷却力が得られることは明らかである。Dがこの最大値未満に減少すると、高温ブローの持続期間は減少する。ブローが等しい持続期間を有するため、低温ブローの持続期間も減少する。したがって、システムでは、いかなるブローも発生しないブローの間の時間(滞留時間)が増加する。流れが存在しなければ、MRシステムは熱を排出し、または冷却力を収穫することができない。ゆえに、滞留時間が増加するにつれて、システム性能は悪化する。この理由のため、等ブローシステムの性能は、大きな角度範囲を有する磁石組立体に有利である。なお、等ブローシステム、特に少数のベッドのみを有するシステムにおいて流れ制御及び配管を実現することは相対的に簡単である。
これらの点を定量的に図示するため、K.Engelbrecht、「A Numerical Model of an Active Magnetic Regenerator Refrigerator with Experimental Validation」、博士論文、ウィスコンシン大学マディソン校(2008)に記載されているような等ブロー磁気冷凍システムの理論的モデルを使用することができる。このようなモデルは、磁気冷凍システムの性能を精確に予測することが知られている。このモデルを使用して、所望の目標冷却力を満たすために必要な最小ベッド容積を、磁石組立体により生成される高磁場領域の角度範囲Dの関数として、求めることができる。
磁気冷凍システムの性能を評価するためには、その動作条件を規定する全てのパラメータ、ベッドの幾何形状、ベッドの組成、及び磁場の形状が、熱伝達流体の特性と共に、指定されるべきである。これらのパラメータとしては、冷凍サイクルの周波数、高磁場領域の角度範囲、高磁場領域内のピーク磁場、高温ブロー及び低温ブローの流量、持続期間、及び開始時間、サイクル開始時における磁石に対するベッドの位置、ベッド内のMCMの粒径及び充填空間率、ならびにこのMCMの特性(熱容量、密度、熱伝導率、エントロピー)が挙げられる。加えて、性能を改善するために、ベッドは、一般的に、異なる特性を有するいくつかのMCM層を含み、これらの層の特性(例えば、それらのキュリー温度及び厚さ)も指定されるべきである。したがって、所与のDについて特定の冷却力目標を満たすために必要とされる最小ベッド容積の評価は、ベッド容積を最小限にする値が見出されるまでシステムを規定するパラメータが体系的に変更され得る最適化問題を意味する。加えて、最適化プロセスはまた、システムが、所望される他の性能上の制約と共に、所望の冷却力を必ずもたらすようにすべきである。一例として、磁気冷凍システムは、24.7Cの温度範囲にわたって成績係数(COP)=4で3500Wの冷却力を提供するように設計され得る。冷凍システムのエネルギー効率性に関する一般的に使用される尺度であるCOPは、システムにより供給される冷却力の、システムの総電力消費量に対する比率である。この例で使用されている性能目標は、高効率な家庭用空気調和システムにおいて典型的なものである。ギャップ容積の上方の平均の場は、1.5テスラに固定され得る。またシステムは、12個の同一のベッドを使用し得(各ベッドが、3500Wの総冷却力の1/12をもたらす)、各ベッドが、14個のMCM層を有する。
図3は、この等ブローシステムが必要とする最小ベッド容積(すなわち、システム内の全12個の同一のベッドの最小合計容積)を、磁石組立体の高磁場領域の角度範囲(上の曲線)の関数として図示する。この最小ベッド容積は、例えば、P.Gill、W.Murray、及びM.Wright、Practical Optimization、Academic Press(1981)で論じられている自動数値最適化プロセスの使用により得られ得る。
本発明者らは、高磁場領域の角度範囲が増加するにつれて所与のベッド容積からより多くの冷却力が得られ得、ゆえに3500Wの冷却力目標を満たすために必要とされる最小ベッド容積は高磁場領域の角度範囲が増加するにつれて減少すると決定した。この減少は重大な意味を持つ。ここで考察する例の場合、必要とされるベッド容積は、角度範囲が100度から170度に変わると、2分の1に低下する。
上記のように、等ブローの場合、高磁場領域の角度範囲が減少するにつれて、高温ブローの持続期間ΔtHも減少し、磁場の印加からベッドにおいて生成された全ての熱を排出するための時間は少なくなる。しかしながら、低温ブローの持続期間または流量を(当座は)変えることなしに、磁石の角度範囲を低減することと、高温ブローの持続期間を低減することと、等ブローの制限を除去することと、低減された高温ブローの持続期間をこの低減された高温ブローの持続期間の間流量を増加することにより補償しようと試みることとにより、上記の例が修正されると仮定しよう。これらの修正は、2つの効果を有することになる。第一に、一般的に流量の増加関数である、熱伝達流体とベッド内のMCM固体粒子との間の表面熱伝達係数は、高温ブローの場合により大きくなり、ゆえに流体は、MCMからより多くの熱を取り出すことができるようになる。第二に、ベッドを通過する流体の増加した体積は、より多くの熱を運び去ることができるようになる。したがって、高温ブローの間の流量の増加は、高温ブローがより効果的になることを可能にし、被励磁ベッドからの熱排気を増加させ、場が除去される際にベッドが降温することを可能にするであろう。これは、高温ブローの持続期間(こちらは、高磁場領域の角度範囲の低減に関連する)の低減に関連する冷却性能の低下を、ある程度まで、軽減するであろう。
磁気冷凍器は閉鎖流体循環システムを用いるため、高温ブローの間にベッドを通して送られる熱伝達流体の量は、低温ブローの間にベッドを通して送られる流体の量に等しくなければならず、ゆえにブローの流量及び持続期間は、以下の式4に定める関係を満たさなければならない。
式4:ΔtHΦH=ΔtCΦC
高温ブローの持続期間が減少し、高温ブローの流量が増加する場合、低温ブローの持続期間及び流量は、それらの等ブロー時の値のままにされてもよい。しかしながら、これは、ブローの間に不必要に長い滞留時間をつくることになり、冷凍サイクルの一部分を浪費する。高磁場領域が低減された角度範囲を有する場合、ベッドは、より長い持続期間にわたって低温(被消磁)になる。この余分の時間は、低温ブローの持続期間ΔtCを増加することにより活用され得、これは、サイクルの冷却力を収穫するためのより多くの時間を提供するであろう。この場合、式4を満たすために、低温ブローの間の流量は減少され得る。熱伝達流体の粘度が最大である場合、流量を低減することは、低温ブローの間の粘性消散を低減するという更なる(通常はわずかであるものの)恩恵を有する。
これらの一般的な考慮事項から、本発明者らは、式4をすっかり満たす様式で不等ブローを導入することにより(不等ブローにおいては、高温ブローの持続期間が減少すると、低温ブローの持続期間が増加し、高温ブローの流量が増加し、低温ブローの流量が減少する)、等ブローの場合における高磁場領域の角度範囲の減少に関連する冷却力の喪失の一部は回復され得ると提案する。等ブローの場合におけるこの冷却力の喪失は、図3の上の曲線により証明されており、3500Wの冷却力をもたらすために利用される最小ベッド容積は、高磁場領域の角度範囲が低減されるにつれて、増大しなければならなかった。
この予想を検証するため、3500Wの冷却力を24.7Cの範囲にわたってCOP=4で提供するように制約された磁気冷凍システムという上記で考察した例に理論的モデルを適用することができる。具体的には、これらの性能条件を満たすための最小ベッド容積は、等ブローの制限を撤廃し、2つのブローの持続期間及び流量が、式4の制約のみを条件として、独立して変化することを可能にすることにより決定され得る。この不等ブローの場合においてシステム性能要件を満たすために必要とされる最小ベッド容積を、図3の下の曲線として示す。170度では、不等ブローは、等ブローに比べてわずかな優位性を提供するのみであるが、この優位性は、角度範囲が減少するにつれて急速に増大する。また、予想されるように、高磁場領域の角度範囲が減少するにつれて、不等ブローの使用は、等ブローの場合に対して顕著な性能改善をもたらす。100度の角度範囲の場合、例えば、不等ブローの使用は、500cm3のベッド容積のみを必要とする一方、等ブローの制限が実施される場合は800cm3のベッド容積が必要とされる。
図4は、不等ブロー最適化プロセスから得られた、3500Wシステムのための最適化された高温ブローの持続期間及び低温ブローの持続期間を、高磁場領域の角度範囲Dの関数として図示する。ブローの持続期間は、サイクル周期により除算することにより正規化されている。図5は、最適化プロセスから得られた高温ブローの流量及び低温ブローの流量をDの関数として図示する。上記の一般的な考慮事項から予想されるように、角度範囲が減少するにつれて、最適化された高温ブローの持続期間は減少し、流量は増加する一方、低温ブローの持続期間は増加し、流量は減少する。
商業的に成立するために、MRシステムはできるだけ少量のNdFeBを使用すべきであり、これは一般的に、式3により与えられるギャップ容積を最小限にすることにより得られる。このギャップ容積は、角度範囲Dに比例し、Dが減少する際に図3で起きることと考えられる。角度範囲が減少すると、等ブローの場合(上の曲線)または不等ブローの場合(下の曲線)の両方において、システム性能要件を満たすために必要とされるベッド容積は増加し、より大きなベッド容積を収容するために、ギャップ高さH、半径方向のギャップ深さR2−R1、または両方が増加され得る。したがって、式3の項Hπ(R2 2−R1 2)は増加する。この項における微増がDの微減よりも小さい場合、ギャップ容積は、Dの減少の結果として減少する。この場合、NdFeBの質量は、高磁場領域の角度範囲を低減させることにより低減され得るが、これは、ベッド容積の増加をもたらすであろう。よって、図3に関連して、不等ブローが用いられる場合、角度範囲の減少に対するベッド容積の増大の割合は等ブローの場合よりもはるかに小さいことは明らかである。例えば、等ブローの場合、角度範囲を170度から140度に減少することは、ベッド容積を21%増加させる。不等ブローの場合、ベッド容積は4%のみ増加する。これは、不等ブローの場合、角度範囲の減少は、等ブローの場合に必要になるであろうよりもはるかに小さいギャップ高さまたは半径方向の深さの増加により補償されるべきであることを意味する。したがって、不等ブローの場合、高磁場領域の角度範囲を低減することにより、総ギャップ容積及びNdFeBの質量の一層大きな低減が達成され得る。実際、等ブローの場合、角度範囲の低減により少しでもギャップ容積の低減が得られるのか明らかではない。したがって、本明細書に開示される主題は、磁石組立体と1つ以上のベッドとの間の相対回転を用いた磁気冷凍システムであって、高温ブローの持続期間が高磁場領域の角度範囲に比例し、式4により限定される高温ブロー及び低温ブローの不等な持続期間及び流量を、高磁場領域の角度範囲の低減と組み合わせてギャップ容積及びしたがって磁石組立体のNdFeBの質量を低減する、磁気冷凍システム、を必要とする。
不等ブローと組み合わせた角度範囲の低減により可能であるNdFeBの質量の顕著な低減を証明するため、市販の磁石シミュレーションソフトウェアを使用して、図3の不等ブロー曲線に沿ったいくつかの角度範囲について修正ハルバッハ配列の形態の磁石組立体を設計した。図18には、高磁場領域の異なる角度範囲に対して最適化されたシステムのための、算出されたNdFeBの質量を図示する表が含まれている。これらの全ての設計について、ギャップ高さHは、26.4mmに固定して保持した。あるいは、異なるギャップ高さが使用されてもよい。
不等ブローの場合、高磁場領域の角度範囲を160度から110度に低減すると、算出されるNdFeBの質量が56.7kgから42.4kgに低減されたことが分かる(25%の質量低減)。図18におけるNdFeBの質量低減の数値はここで考察する特定のMRシステム及び修正ハルバッハ磁石組立体のみに当てはまるものの、上述した低減された角度範囲及び不等ブローを有するMRシステムの性能に関する一般原理は、本主題が、磁石組立体により必要とされるギャップ容積及びNdFeBの質量の低減を一般的にもたらすことを示唆している。
第1の実施形態
第1の実施形態では、RMMR構成の磁気冷凍システムは、4つの弁及び2つの同一のリニアディスプレーサを使用して、高温ブロー及び低温ブローの不等な持続期間及び流量を提供する。弁及びリニアディスプレーサは、プログラマブルなマイクロプロセッサにより制御される。熱伝達流体は、水等の相対的に非圧縮性の液体であると想定される。あるいは、異なる熱伝達流体が使用されてもよい。第1の実施形態(図6a及び6b)は、磁気熱量材料の単一の固定ベッド30を用いている。ベッド30は、4つの流体ポート、すなわち低温入口ポート(Ci)32、低温出口ポート(Co)34、高温入口ポート(Hi)36、及び高温出口ポート(Ho)38を有する。
この実施形態は、図2に図示するように、円環の一部分であるギャップを有する回転する磁石組立体を用いる。このギャップ内で、磁石組立体は高い磁場を生成する。固定ベッド及び磁石ギャップは、磁石組立体がベッドの上方を回転するとき、ベッドがギャップの内側に嵌合するように配置される。磁気冷凍器としての動作中、磁石組立体がベッドの上方を回転するとき及びベッドがギャップに入るとき、ベッドは励磁される。磁石組立体は、ベッドから離れるように回転するにつれて、消磁される。システム内の流れは、ベッドが励磁されるときに(すなわち、ベッドが磁石組立体のギャップ内にあるときに)発生する冷凍サイクルの高温ブロー段階の間、流れが低温入口ポートから高温出ポートへとベッドを通って進み、ベッドが消磁される(すなわち、ベッドが磁石組立体のギャップの完全に外側にある)冷凍サイクルの低温ブロー段階の間、流れが高温入口ポートから低温出口ポートへとベッドを通って進むように、構成される。この実施形態の概略図を図6a及び6bで提供する。
システムを通る流れは、図6a及び6bの上部に示す2つの同一のリニアディスプレーサにより提供され、1つは低温側40用、1つは高温側42用である。各ディスプレーサは、以下の式5に示す流体変位体積A×Lが共通の高温ブロー体積及び低温ブロー体積に等しいような断面積A及び変位長Lを有する、流体体積区画44及び46を有する。
式5:A×L=ΔtHΦH=ΔtCΦC
リニアディスプレーサは、図に示されていない2つの別々のモータ(例えば、ステッパーモータ)により駆動される。各リニアディスプレーサは、流体が圧力下でディスプレーサから出現する出力ポート48及び50と、それを通して流体がディスプレーサの流体チャンバを満たし得る入口ポート52及び54とを有する。入力ポート及び出力ポートを通る一方向性の流れは、例えば逆止弁により、またはマイクロプロセッサにより制御される弁により確立され得る。
先ず、図6a及び6bに示すような、低温側56及び58の2つと高温側60及び62の2つとの、4つの逆止弁を有するシステム6を考察する。低温側では、低温入口逆止弁56がベッド30の低温入口ポート32への流れを許容する一方、低温出口逆止弁58がベッド30の低温出口ポート34からの流れを許容する。高温側では、高温入口逆止弁60がベッド30の高温入口ポート36への流れを許容する一方、高温出口逆止弁62がベッド30の高温出口ポート38からの流れを許容する。最後に、システム6は、冷凍対象の環境から熱を吸収する低温側の熱交換器(CHEX)64と、より暖かい周囲環境に熱を排出する高温側の熱交換器(HHEX)66との、2つの熱交換器64及び66を有する。
ベッド30が消磁される低温ブローの間のシステム6の動作を図6aに図示する。低温ブローの開始時に、冷凍サイクルのこの段階の間流れを駆動する高温側リニアディスプレーサ42の流体チャンバ46は、温度THiの流体で満たされている。高温側リニアディスプレーサのモータは、ディスプレーサが低温ブローの所望の持続期間ΔtCにわたって総変位長L駆動されるように、マイクロプロセッサにより制御される。すなわち、モータは、以下の式6により表される略定速で高温側リニアディスプレーサを駆動する。
式6:vC=L/ΔtC
低温ブローの間、高温入口逆止弁60は、ディスプレーサにより駆動される流れを、被消磁ベッド30の高温入口ポート36に方向付ける。高温出口逆止弁62は、低温ブローの間、ベッド30の高温出口ポート38への流れを封鎖する。低温出口逆止弁58は、流れが、ベッド30の低温出口ポート34から低温側熱交換器64へ進むことを許容する。低温入口逆止弁56は、低温ブローの間、ベッド30の低温入口ポート32からの流れを封鎖する。
高温側リニアディスプレーサ42からの流体は、高温入口ポート36から低温出口ポート34へベッド30を通過する際に冷却され、ベッド内の低温の被消磁MCMに熱を引き渡す。この流体は、低温出口ポート34において温度TCoで出現し、低温出口逆止弁58を通過して低温側熱交換器64に至り、低温側熱交換器64において冷凍環境から熱を吸収し、この環境がより低い温度を維持することを可能にする。流体は、低温側熱交換器64を温度TCiで出て行き、低温側リニアディスプレーサ40の流体チャンバ44を満たす。
低温ブローの完了後(すなわち、時間間隔ΔtCの後)、磁石はベッドの上方を回転し、ベッド内のMCMは磁気熱量効果から加熱する。この時点で、図6bに図示する冷凍サイクルの高温ブロー段階が始まる。低温側リニアディスプレーサ40は、先行する低温ブローからの温度TCiの流体で満たされており、高温ブローの間流れを駆動する。低温側リニアディスプレーサのモータは、ディスプレーサが高温ブローの所望の持続期間ΔtHにわたって総変位長L駆動されるように、マイクロプロセッサにより制御される。すなわち、モータは、以下の式7により表される略定速で低温側リニアディスプレーサを駆動する。
式7:vH=L/ΔtH
高温ブローの間、低温入口逆止弁56は、ディスプレーサ40からの流体が、被励磁ベッド30の低温入口ポート32に流れることを許容する。低温出口逆止弁58は、ベッド30の低温出口ポート34への流れを封鎖する。高温出口逆止弁62は、流れが、ベッド30の高温出口ポート38から高温側熱交換器66へ進むことを許容する。最後に、高温入口逆止弁60は、高温入口ポート36からの流れを封鎖する。低温側リニアディスプレーサ40からの流体は、高温の被励磁磁気熱量材料から熱を獲得し、低温入口ポート32から高温出口ポート38へベッド30を通過しながら昇温する。この流体は、高温出口ポート38において温度THoで出現し、高温出口逆止弁62を通過して高温側熱交換器66に至る。熱交換器66において、流体は、周囲環境に熱を排出する。流体は、高温側熱交換器66を温度THiで出て行き、高温側リニアディスプレーサ42の流体チャンバ46を満たし、冷凍サイクルを完了する。この流体は、今や、次の冷凍サイクルの低温ブロー段階に利用可能である。
システムの代替的な配置は、図7a及び7bに示すような、低温側の2つと高温側の2つとの、4つの被制御弁を有する。低温側では、低温入口弁76がベッド30の低温入口ポート32への流れを制御する一方、低温出口弁78がベッド30の低温出口ポート34への流れを制御する。高温側では、高温入口弁80がベッドの高温入口ポート36への流れを制御する一方、高温出口弁82がベッド30の高温出口ポート38への流れを制御する。最後に、システム7は、冷凍対象の環境から熱を吸収する低温側の熱交換器64(CHEX)と、より暖かい周囲環境に熱を排出する高温側の熱交換器66(HHEX)との、2つの熱交換器を有する。
ベッドが消磁される低温ブローの間のシステムの動作を図7aに図示する。低温ブローの開始時に、冷凍サイクルのこの段階の間流れを駆動する高温側リニアディスプレーサ42の流体チャンバ46は、温度THiの流体で満たされている。高温側リニアディスプレーサのモータは、ディスプレーサが低温ブローの所望の持続期間ΔtCにわたって総変位長L駆動されるように、マイクロプロセッサにより制御される。すなわち、モータは、式6により与えられる略定速で高温側リニアディスプレーサを駆動する。
低温ブローの間、マイクロプロセッサは、ディスプレーサ42により駆動される流れが、被消磁ベッド30の高温入口ポート36へと高温入口弁80を通って進むことができるように、高温入口弁80を開放する。マイクロプロセッサは、同時に高温出口弁82を低温ブローの間閉鎖し、ベッド30の高温出口ポート38を出入りする流れを封鎖する。マイクロプロセッサは、低温出口弁78を開放し、流れがベッド30の低温出口ポート34から低温側熱交換器64へ進むことを可能にする。マイクロプロセッサは、低温入口弁76を低温ブローの間閉鎖し、ベッド30の低温入口ポート32を出入りする流れを封鎖する。
高温側リニアディスプレーサ42からの流体は、高温入口ポート36から低温出口ポート34へベッド30を通過する際に冷却され、ベッド30内の低温の被消磁MCMに熱を引き渡す。この流体は、低温出口ポート34において温度TCoで出現し、開放された低温出口弁78を通過して低温側熱交換器64に至り、低温側熱交換器64において冷凍環境から熱を吸収し、この環境がより低い温度を維持することを可能にする。流体は、低温側熱交換器64を温度TCiで出て行き、低温側リニアディスプレーサ40の流体チャンバ44を満たす。
低温ブローの完了後(すなわち、時間間隔ΔtCの後)、磁石はベッドの上方を回転し、ベッド内のMCMは磁気熱量効果から加熱する。この時点で、図7bに図示する冷凍サイクルの高温ブロー段階が始まる。低温側リニアディスプレーサ40は、先行する低温ブローからの温度TCiの流体で満たされており、高温ブローの間流れを駆動する。低温側リニアディスプレーサのモータは、ディスプレーサが高温ブローの所望の持続期間ΔtHにわたって総変位長L駆動されるように、マイクロプロセッサにより制御される。モータは、式7により与えられる略定速で低温側リニアディスプレーサ40を駆動する。
高温ブローの間、マイクロプロセッサは、低温入口弁76を開放し、ディスプレーサからの流体が、低温入口弁76を通過し、被励磁ベッド30の低温入口ポート32へ進むことを可能にする。マイクロプロセッサは、同時に低温出口弁78を閉鎖し、ベッドの低温出口ポート34を出入りする流れを封鎖する。マイクロプロセッサは、高温出口弁82を開放し、流れがベッド30の高温出口ポート38から高温側熱交換器66へ進むことを可能にする。最後に、マイクロプロセッサは、高温入口弁80を閉鎖し、高温入口ポート36を出入りする流れを封鎖する。低温側リニアディスプレーサ40からの流体は、高温の被励磁磁気熱量材料から熱を獲得し、低温入口ポート32から高温出口ポート38へベッド30を通過しながら昇温する。この流体は、高温出口ポート38において温度THoで出現し、開放された高温出口弁38を通過して高温側熱交換器66に至る。熱交換器66において、流体は、周囲環境に熱を排出する。流体は、高温側熱交換器66を温度THiで出て行き、高温側リニアディスプレーサ42の流体チャンバ46を満たし、冷凍サイクルを完了する。この流体は、今や、次の冷凍サイクルの低温ブロー段階に利用可能である。
逆止弁または被制御弁のいずれかを有するこれらの実施形態では、低温ブローの平均流量は、以下により与えられる。
式8:ΦC=AvC=AL/ΔtC
一方、高温ブローの平均流量は、以下により与えられる。
式9:ΦH=AvH=AL/ΔtH
式8及び9から、低温ブローの持続期間及び高温ブローの持続期間のいかなる選択についても、式5の流量条件が満たされることが分かる。ひとたびこれらの持続期間が選択されると、ディスプレーサのパラメータA及びLの適切な選択により、任意の所望の高温ブローの流量及び低温ブローの流量が得られ得る。
一方が低温側にあり、他方が高温側にある2つのディスプレーサ40及び42は、低温側及び高温側を有する1つの複動式ディスプレーサにより置き換えることができる。この場合、ディスプレーサピストンは、2つの異なる方向に動く際、不等なブロー持続期間及び速度を実現するために、異なる速度で駆動され得る。
被制御弁を有する第1の実施形態の代替的なバージョンでは、4つの弁は、回転セラミックディスク弁であってもよい。この代替的な実施形態の各回転セラミックディスク弁は、磁石組立体と共に回転し、回転子と呼ばれる第1のディスクと、固定子と呼ばれる第2の静止ディスクとの、2つのディスクを用いる。図8(左)に示す固定子90は、ディスク90の中心からある特定の半径距離に中心がある円形孔92を有する。同様に図8(右)に示す回転子94は、ディスク94の中心から固定子の孔92と同じ半径距離に中心があり、ある特定の角度範囲を有する内側溝穴96を有する。したがって、2つのディスク90及び94が重なり合う場合、回転子94は、その溝穴96が固定子90の孔92を露出させるように回転され得る。
本実施形態における使用のための弁を形成するため、回転子94ディスク及び固定子90ディスクは、重ね合わせられ、相互に圧迫され(例えば、ばねを使用して)、2つの端部を有する円筒形ハウジング内に封じ込められる。回転子94の中心は、弁ハウジングの一方の端部から延出するシャフトにシール(例えば、シャフトシール)を通して取り付けられる。回転子シャフトは、回転子シャフト及び回転子が磁石組立体と共に回転するように、回転する磁石組立体のシャフトに接続される(例えば、ベルト及び滑車により)。各弁は、回転子溝穴96と連通している弁内のチャンバから加圧流体を収集または供給する流体ポートを有する。2つの弁ディスク90及び94の相互に接している面は、高度に磨き上げられているため、相互に圧迫されると、面シールを形成する。このように、弁を通過する流れのための唯一の経路は、流体ポートから回転子溝穴96を通り、回転子溝穴96により露出された固定子孔92を通ることである。回転子溝穴96が固定子孔92を露出させない位置にある場合、弁を通る流れは阻止される。流れは、固定子孔92から、回転子溝穴94を通り(弁が固定子孔を露出させる場合)、弁の流体ポートへ、弁を通って反対方向にも進み得る。
低温入口弁の固定子内の孔は、流体管によりベッドの低温入口ポート(Ci)に接続される。低温出口弁の固定子内の孔は、流体管によりベッドの低温出口ポート(Co)に接続される。高温入口弁の固定子内の孔は、流体管によりベッドの高温入口ポート(Hi)に接続される。高温出口弁の固定子内の孔は、流体管によりベッドの高温出口ポート(Ho)に接続される。
低温入口弁の回転子の角位置と磁石組立体の角位置との間の関係を設定するため、ベッドが組立体のギャップにちょうど入り始めるように磁石組立体を回転させる。磁石組立体がこの位置にある状態で、回転子溝穴が低温入口固定子孔をちょうど露出させ始めるように、回転子の角位置を調節する。高温出口弁は、低温入口弁と同じ回転子及び固定子を有し、高温出口弁の回転子及び固定子の位置を、低温入口弁の回転子及び固定子の位置に正確に一致するように設定する。
高温入口弁の回転子の角位置と磁石組立体の角位置との間の関係を設定するため、ベッドがもはや組立体のギャップ内にないようになるように、磁石組立体をベッドをちょうど通り過ぎるまで回転させる。磁石組立体がこの位置にある状態で、回転子溝穴が高温入口固定子孔をちょうど露出させ始めるように、高温入口回転子の角位置を調節する。低温出口弁は、高温入口弁と同じ回転子及び固定子を有し、低温出口弁の回転子及び固定子の位置を、高温入口弁の回転子及び固定子の位置に正確に一致するように設定する。
ディスクの角位置が先ほど説明した様式で設定されている場合に、高温入口弁及び低温出口弁の回転子内の溝穴により画定される角が、低温入口弁及び高温出口弁の回転子内の溝穴により画定される角と重なり合わないように、低温入口弁及び高温出口弁の回転子内の溝穴ならびに高温入口弁及び低温出口弁の回転子内の溝穴を位置決めする。この所望の構成を、磁石組立体との位置合わせ後の低温入口弁/高温出口弁の回転子100及び高温入口弁/低温出口弁の回転子102を示す図9に図示する。この構成の場合、低温入口弁及び高温出口弁内の回転子溝穴104がそれらの固定子孔を露出させても、高温入口弁及び低温出口弁内の回転子がそれらに対応する固定子孔を封鎖している。同様に、高温入口弁及び低温出口弁内の回転子溝穴106がそれらの固定子孔を露出させても、低温入口弁及び高温出口弁内の回転子がそれらに対応する固定子孔を封鎖している。
持続期間ΔtHの高温ブローを実現するため、低温入口弁及び高温出口弁内の回転子溝穴の角度範囲はΔθH=ωΔtHになるように選択される。式中、ωは、磁石組立体及び回転子の共通の角速度(1秒当たりの度数で測定された)である。持続期間ΔtC>ΔtHの低温ブローを実現するため、高温入口弁及び低温出口弁内の回転子溝穴106の角度範囲はΔθC=ωΔtCになるように選択される。高温ブローの持続期間は低温ブローの持続期間よりも短いため、低温入口弁及び高温出口弁の回転子溝穴104は、図9に示すように、高温入口弁及び低温出口弁の回転子溝穴106よりも小さい角度範囲を有する。
低温入口弁の流体ポート(これは、低温入口回転子溝穴と連通している弁内のチャンバに接続する)は、低温側リニアディスプレーサ44の出力ポート48に接続される。したがって、低温入口回転子溝穴が低温入口固定子孔を露出させると、低温側リニアディスプレーサ40の出力からベッド30の低温入口ポート32への経路74が確立される(図7b)。
低温出口弁の流体ポート(これは、低温出口回転子溝穴と連通している弁内のチャンバに接続する)は、低温側熱交換器64の入口に接続される。したがって、低温出口回転子溝穴が低温出口固定子孔を露出させると、ベッド30の低温出口ポート34から低温側熱交換器64の入口への経路72が確立される(図7a)。
高温入口弁の流体ポート(これは、高温入口回転子溝穴と連通している弁内のチャンバに接続する)は、高温側リニアディスプレーサ46の出力ポート50に接続される。したがって、高温入口回転子溝穴が高温入口固定子孔を露出させると、高温側リニアディスプレーサ46の出力からベッド30の高温入口ポート36への経路70が確立される(図7a)。
高温出口弁の流体ポート(これは、高温出口回転子溝穴と連通している弁内のチャンバに接続する)は、高温側熱交換器66の入口に接続される。したがって、高温出口回転子溝穴が高温出口固定子孔を露出させると、ベッド30の高温出口ポート38から高温側熱交換器66の入口への経路68が確立される(図7b)。
本実施形態におけるベッドの冷凍サイクルの実現の一例として、磁石がベッドの上方をちょうど回転したところであると仮定しよう。上記の回転子の位置合わせのため、低温入口回転子溝穴は低温入口固定子孔をちょうど露出させ、低温側リニアディスプレーサ40からベッド30の低温入口ポート32への流体の経路を提供する(図7b)。同時に、高温出口回転子溝穴は高温出口固定子孔を露出させ、ベッド30の高温出口ポート38から高温側熱交換器66の入口への流体の経路を提供する。低温出力78弁及び高温入口80弁は、いかなる流れについても、ベッド30の低温出口34ポート及び高温入口36ポートを出入りするのを阻止する。高温ブローを行うため、マイクロプロセッサにより制御される低温側リニアディスプレーサ40は、温度TCiの流体を低温入口弁76を通して被励磁ベッド30の低温入口ポート32に駆動する。この流体は、ベッド30を貫流し、温度THoでベッド30の高温出口ポート38から出て行く。この流体は、高温出口弁82を通過し、高温側熱交換器66を貫流し、高温側熱交換器66において周囲環境に熱を排出する。流体は、温度THiで熱交換器66を出て行き、高温側リニアディスプレーサ46の流体チャンバを満たす。低温入口回転子溝穴及び高温出口回転子溝穴の角度範囲に関する上記の選択のため、この高温ブローは、所望の持続期間ΔtHにわたって継続する。
磁石組立体がベッドから完全に外れるように回転するにつれて、ベッドは消磁され、降温する。このとき、上記の回転子の位置の設定のため、高温入口回転子溝穴は高温入口固定子孔を露出させ、高温側リニアディスプレーサ42からベッド30の高温入口ポート36への流体の経路を提供する(図7a)。同時に、低温出口回転子溝穴は低温出口固定子孔を露出させ、ベッド30の低温出口ポート34から低温側熱交換器64の入口への流体の経路を提供する。低温入口弁76及び高温出口弁82は、いかなる流れについても、ベッド30の低温入口32ポート及び高温出口38ポートを出入りするのを阻止する。低温ブローを行うため、マイクロプロセッサにより制御される高温側リニアディスプレーサ42は、温度THiの流体(これは、先行する高温ブローの間にこのディスプレーサの流体チャンバ46内に蓄積された)を高温入口弁80を通してベッド30の高温入口ポート36に駆動する。この流体は、ベッド30を貫流し、温度TCoで低温出口ポート34から出現する。この流体は、低温出口弁78を通って進み、低温側熱交換器64を通過し、低温側熱交換器64において周囲環境から熱を吸収する。流体は、温度TCiで熱交換器64を出て行き、低温側リニアディスプレーサ40の流体チャンバ44に戻り、冷凍サイクルを完了する。この流体は、今や、次の冷凍サイクルの次の高温ブローに利用可能である。高温入口回転子溝穴及び低温出口回転子溝穴の角度範囲に関する上記の選択のため、この低温ブローは、所望の持続期間ΔtCにわたって継続する。このように、この実施形態の4つの回転ディスク弁76、78、80、82は、冷凍を行うために必要とされる図6a及び6bに示す所望の流れの経路及び流れのタイミングを実現する。
本実施形態の流体圧力低下を低減するため、低温ブローよりも高い流量を用いる高温ブローのために使用される流体管の濡れ直径は、低温ブローのために使用される流体管と比較して、サイズを大きくされてもよい。例えば、低温入口固定子孔及び高温出口固定子孔の直径、ならびに対応する回転子溝穴の半径方向幅は、高温入口弁及び低温出口弁の回転子及び固定子内の対応する開口部と比較して、サイズを大きくされてもよい。本実施形態の圧力低下のこの低減は、リニアディスプレーサを駆動するために必要とされる電力と粘性消散による望ましからざる流体加熱との両方を低減させ、それにより、システムの性能を改善するであろう。
第2の実施形態
本主題の第2の実施形態では、RBMR構成の磁気冷凍システムが、修正された回転ディスク弁を使用して、高温ブロー及び低温ブローの不等な持続期間及び流量を提供する。この第2の実施形態では、ほぼ一定の流量を生成するように構成された単一のポンプが、システムにわたって流れを駆動し、先行する実施形態で使用された2つのリニアディスプレーサに取って代わる。
第2の実施形態は、N個の同一のベッドを用い、Nは2以上の任意の整数であり得る。例えば、Nは、2、3、4、5、8、12、24でもよく、または更に大きくてもよい。これらのベッドは、ベッドの中心が円周部に沿って位置し、等角度間隔で配されるように、ホイール状に配置される。すなわち、各ベッドの中心は、隣接するベッドの中心から360°/Nの角度で隔てられている。本実施形態におけるN個の同一のベッドの各々は、低温入口ポート(Ci)、低温出口ポート(Co)、高温入口ポート(Hi)、及び高温出口ポート(Ho)の4つの流体ポートを有する。
第2の実施形態は、図2に図示するように、円環の一部分であるギャップを有する静止した磁石組立体を有する。ギャップ内で、磁石組立体は高い磁場を生成する。磁気冷凍器としての動作中、ベッドホイールは、静止した磁石組立体内のギャップを通るように回転する。所与のベッドは、このギャップに入るとき、励磁される。ベッドは、ギャップの外へ出るように回転するとき、消磁される。システム内の流れは、ベッドが励磁されるとき(すなわち、ベッドが磁石組立体のギャップ内にあるとき)に発生する所与のベッドの冷凍サイクルの高温ブロー段階の間、流れが低温入口ポートから高温出口ポートへベッドを通って進むように、構成される。ベッドが消磁される(すなわち、ベッドが磁石組立体のギャップの完全に外側にある)冷凍サイクルの低温ブロー段階の間、流れは、高温入口ポートから低温出口ポートへベッドを通って進む。この実施形態の概略図を図10で提供する。明瞭性のため、この図には2つのベッドのみが示されており、一方が高温ブローを経ている一方、他方は同時に低温ブローを経ている。
第2の実施形態は、高温側弁及び低温側弁の2つの弁を使用して、ベッドにわたって所望の流れの構成を供給する。これらの弁を図10に概略的に示す。これらの弁の各々は、回転子と呼ばれる回転するディスクと固定子と呼ばれる静止したディスクとの2つのディスクを有する。この実施形態の弁内で使用される回転子110は、N=8の場合に図11(左)に示すような、N個の孔を有する内側リング112とN個の孔を有する外側リング114との、2つの孔のリングを有する。内側リング112の各孔116は、外側リング114の孔118とペアを組み、ペアを組む両孔は、所与の角位置により規定されるディスクの中心からの光線沿いに位置する中心を有する。図に図示するように、外側リング114の孔の直径は、内側リング112の孔の直径とは異なってもよい。加えて、図に示す孔は円形であるものの、これは弁の動作には必ずしも必要ではなく、いくつかの場合には、非円形孔(例えば、楕円形状等を有する孔)を使用することが有利であり得る。ベッドと同様に、内側リング112及び外側リング114の孔の中心は、それらの中心が隣接する孔の中心から360°/Nの角度で隔てられるように、リングに沿って等角度間隔で配されている。よって、固定子内の孔の配置は、ベッドの配置によく似ている。
固定子ディスク120は、図11(右)に示すように、内側溝穴122及び外側溝穴124の、2つの溝穴を有する。固定子の内側溝穴122は、ある特定の角度範囲を有し、回転子110の孔112の内側リングと同じディスク中心からの半径距離に位置する。固定子120の外側溝穴124は、内側溝穴122の角度範囲とは一般的に異なる角度範囲を有する。外側溝穴124は、回転子110上の孔114の外側リングと同じディスク中心からの半径距離に位置する。よって、回転子110が固定子120と重なり合うとき、固定子122の内側溝穴が回転子110上の内側リングの孔112のうちのいくつかの孔を露出させる一方、固定子124の外側溝穴は回転子110上の外側リングの孔114のうちのいくつかの孔を露出させる。なお、固定子120上の溝穴122、124は、それらが画定する角度範囲が重なり合わないように配置される。したがって、回転子110の任意の角位置において、任意の所与の回転子孔のペアに関して(内側リング112上のもの(116)及び外側リング114上のもの(118))、これら2つの回転子孔のうちの1つのみが固定子溝穴により露出され得る。ペアのうちの一方の孔116が固定子溝穴により露出される場合、他方の孔118は被覆される。
本実施形態における使用のための弁を形成するため、回転子110ディスク及び固定子120ディスクは、重ね合わせられ、相互に圧迫され(例えば、ばねを使用して)、2つの端部を有する円筒形ハウジング内に封じ込められる。回転子110の中心は、弁ハウジングの一方の端部から延出するシャフトにシール(例えば、シャフトシール)を通して取り付けられる。回転子シャフトは、回転子シャフト及び回転子がベッドホイールと共に回転するように、回転するベッドホイールに接続される。弁は、外側固定子溝穴124と連通しているチャンバから加圧流体を収集または供給する1つの流体ポートを有する。弁は、内側固定子溝穴122と連通している第2の別個のチャンバから流体を収集または供給する第2の流体ポートを有する。これら2つのチャンバは連通していない。相互に接触している2つの弁ディスクの面々は、相互に圧迫されると面シールを形成するように、高度に磨き上げられている。このように、弁を通過する流れのための唯一の経路は、固定子溝穴を通り、かつ固定子溝穴により露出された任意の回転子孔を通る流体ポートのうちの1つからである。流れは、回転子孔を通り、この回転子孔を露出させる固定子溝穴を通り、この固定子溝穴と連通している弁の流体ポートのうちの1つへ、弁を通って反対方向にも進み得る。
低温側弁の回転子の内側リング及び外側リングの孔のN個のペアの各々は、N個のベッドのうちの1つに関連付けられている。同様に、高温側弁の回転子の内側リング及び外側リングの孔のN個のペアの各々は、N個のベッドのうちの1つに関連付けられている。低温側回転子の外側リングの各孔は、流体管によりそれに関連付けられたベッドの低温入口ポートに接続されている一方、それとペアを組むこの回転子の内側リングの孔は、流体管により関連付けられたベッドの低温出口ポートに接続されている。この構成をN=8の場合について図12aに図示する。代替的な実施形態では、Nはより大きくても、またはより小さくてもよい。
高温側回転子の外側リングの各孔は、流体管によりそれに関連付けられたベッドの高温出口ポートに接続されている一方、それとペアを組むこの回転子の内側リングの孔は、流体管により関連付けられたベッドの高温入口ポートに接続されている。この構成を図12bに示す。両方の弁に関して、回転子の孔をベッドのポートに接続する流体管は、回転子及びベッドホイールと共に回転する。
低温側弁において、外側固定子溝穴と連通しているチャンバに接続された流体ポートを、弁の入口ポートと呼ぶ。磁気冷凍システムの動作中、低温入口温度TCiの流体が、この入口ポートを通して低温側弁に入る。内側固定子溝穴と連通しているチャンバに接続された流体ポートを、弁の出口ポートと呼ぶ。磁気冷凍システムの動作中、低温出口温度TCoの流体が、このポートを通して弁から出て行く。これらの入口156ポート及び出口142ポートを図10に示す。この図に図示するように、低温側熱交換器148は、低温側弁138の出口142ポートと入口156ポートとの間に配管される。
高温側弁において、外側固定子溝穴と連通しているチャンバに接続された流体ポートを、弁の出口ポートと呼ぶ。磁気冷凍システムの動作中、高温出口温度THoの流体が、このポートを通して高温側弁を出て行く。内側固定子溝穴と連通しているチャンバに接続された流体ポートを、弁の入口ポートと呼ぶ。磁気冷凍システムの動作中、高温入口温度THiの流体が、このポートを通して弁に入る。これらの入口132ポート及び出口160ポートを図10に示す。図に図示するように、高温側熱交換器146は、高温側弁134の出口160ポートと入口132ポートとの間に配管される。
ベッドホイールの角位置に対する低温側弁の回転子の角位置を設定するため、流体管により低温側弁の固定子の外側リングの特定の孔に接続された低温入口ポートを有する、ホイール内の1つのベッドを選択する。被選択ベッドが磁石組立体のギャップにちょうど入り始める位置にベッドホイールを回転させる。ベッドホイールがこの位置に保持された状態で、被選択ベッドの低温入口ポートに接続された外側回転子孔が外側固定子溝穴によりちょうど露出され始めるように、低温側回転子を回転させる。次に、被選択ベッドが磁石組立体内のギャップからちょうど出現するまで、ベッドホイールを回転させる。固定子の内側溝穴は、ベッドホイールがこの位置にある状態で、被選択ベッドの低温出口ポートに接続された固定子の内側リングの孔が内側固定子溝穴によりちょうど露出され始めるように、構成されるべきである。例示的な実施形態では、高温側弁の回転子及び固定子は、低温側弁の回転子及び固定子と同一であり、低温側弁の回転子及び固定子と正確に同じ位置を有するように設定する。
回転子内の孔の角度配置はベッドホイール内のベッドの角度配置によく似ているため、かつ回転子はベッドホイール内のベッドと共に回転するため、1つの被選択ベッドに基づいて位置合わせを設定すれば、全てのベッドについて正しい位置合わせが確立されることは明らかである。この位置合わせの場合、システム内の各ベッドは同じ冷凍サイクルを経ることになるが、隣接するベッド間の時間遅延が360°/(N×ω)により与えられることも明らかである。式中、ωは、ベッドホイール及び回転子の共通の角速度である(1秒当たりの度数で測定される)。
持続期間ΔtHの高温ブローを実現するため、外側固定子溝穴の角度範囲はΔθH=ωΔtHになるように選択される。持続期間ΔtCの低温ブローを実現するため、内側固定子溝穴の角度範囲はΔθC=ωΔtCになるように選択される。高温ブローの持続期間は低温ブローの持続期間よりも短いため、外側固定子溝穴124の角度範囲は、図11に示すように、内側固定子溝穴122の角度範囲よりも小さい。
ポンプ144は本実施形態において連続運転されるため、いかなる瞬間においても、システムにわたって完全な流体回路が存在しなければならない。これを達成するため、システム内のベッド数(したがって、回転子の内側リング及び外側リングの孔の数)ならびに固定子溝穴の角度範囲は、いかなる所与の瞬間においても少なくとも1つのベッドが高温ブロー段階を経ているところであり、少なくとも1つのベッドが低温ブロー段階を経ているところであるように、選択されなければならない。この動作を図10に図示し、システムにわたっての完全な流体回路を黒の実線で表す。この要件は、N、ΔtC、及びΔtHのうちのいかなる望ましい選択肢に関しても一般的に満たされおり、ゆえにこの要件は通常これらのパラメータの選択を制限しない。
本実施形態における被選択ベッドのための冷凍サイクルの実現について以下に説明する。この被選択ベッド130が磁石組立体内のギャップから完全に離れるまで回転すると、図10の右手側にベッド130に関して概略的に示すように、高温側弁134の内側固定子溝穴は、このベッドの高温入口ポートに接続された内側リングの回転子孔を露出させ始める。よって、高温側弁134の入口ポート132(これは、内側固定子溝穴と連通している弁内のチャンバに接続する)から被選択ベッド130の高温入口ポート136への開放された流体経路が、ベッド130が消磁されている間、確立される。低温側弁138は高温側弁134と同じディスク位置合わせを有するため、低温側弁138の固定子の内側溝穴は、被選択ベッド130の低温出口ポート140に接続された内側リングの回転子孔を同時に露出させる。よって、ベッドの低温出口ポート140から低温側弁138の出口ポート142への開放された流体経路が、被選択ベッド130が消磁されている間、確立される。図10において高温側熱交換器146と直列に配管されて示されているポンプ144により提供される加圧流体は、高温側熱交換器146を離れ、高温側弁134の入口ポート132に入る。この流体は、温度THiで、内側固定子溝穴を通過し、回転子内の内側リングの露出された孔を通り、被選択ベッド130の高温入口ポート136に供給される。この流体は、ベッド130を通過し、ベッド内の低温の被消磁磁気熱量材料に熱を引き渡しながら降温する。この流体は、被選択ベッド130の低温出口ポート140から温度TCoで出現し、低温側回転子の内側リングの露出された孔を貫流し、内側固定子溝穴を通り、低温側弁138の出口ポート142に至る。そこから、流体は、低温側熱交換器148を貫流し、低温側熱交換器148において冷凍完了から熱を引き出し、この環境がより低い温度を維持することを可能にする。流体は、温度TCiで低温側熱交換器148から出現する。
この低温ブローの間、高温側弁134の回転子110の内側回転子リング112の孔116が内側固定子溝穴122により露出されるため、それとペアを組む高温側回転子110の外側リング114の孔118は固定子120により封鎖される(図11)。この孔118は、被選択ベッド130の高温出口ポート166に接続される(図10)。したがって、高温側弁134は、被選択ベッド130の高温入口ポート136に流れを供給する際、流れがベッド130の高温出口ポート166を出入りするのを同時に阻止する。同様に、低温側弁138の内側回転子リング112の孔116は内側固定子溝穴122により露出されるため、それとペアを組む低温側回転子110の外側リング114の孔118は固定子120により阻止される。この孔118は、被選択ベッド130の低温入口168ポートに接続されている。したがって、低温側弁138は、被選択ベッド130の低温出口ポート140から流れを収集する際、流れがベッド130の低温入口ポート168を出入りするのを同時に阻止する。弁により阻止される流体経路を、図10に黒の破線として示す。したがって、この第2の実施形態の弁は、被選択ベッド130の高温入口ポート136から低温出口ポート140への所望の流れをベッド130が消磁されている間確立し、ベッド130を通るいかなる他の種類の流れも阻止する。2つの弁134及び138の内側固定子溝穴122の角度範囲に関する上記の選択のため、この所望の流れのパターンは、低温ブロー段階の所望の持続期間ΔtCにわたって継続する。
実施例を続けると、被選択ベッド130が低温ブロー段階を経ている際に高温ブロー段階を経ているベッドのうちの1つについて以下で説明する。この他のベッド150は、図10に図示するように励磁されており、低温側弁ディスクの位置合わせならびにそれらのベッドホイール及び磁石組立体152の位置に対する位置決めのため、低温側弁138の外側固定子溝穴は、このベッド150の低温入口ポートに接続された外側回転子リングの孔を露出させたに違いない。高温側弁ディスクは低温側弁ディスクと同じ位置合わせを有するため、ベッド150の高温出口ポート154に接続された高温側回転子の外側リングの孔も、高温側固定子の外側溝穴により露出される。低温側熱交換器148を温度TCiで出て行く加圧流体は、外側固定子溝穴と連通している弁のチャンバに接続された低温側弁138の入口ポート156に入る。この流体は、低温側弁138の外側固定子溝穴を通過し、回転子の外側リングの露出された孔を通り、ベッド150の低温入口ポート158に供給される。次いで、流体は、ベッドの低温入口ポート158からベッド150を通って進み、ベッド150内の高温の被励磁磁気熱量材料から熱を獲得しながら昇温する。この高温の流体は、温度THoで高温出口ポート154からベッド150を出て行き、高温側回転子の外側リングの対応する孔を通過し、高温側固定子の外側溝穴を通り、高温側弁134の出口ポート160から出て行く。次いで、この流体は、図10に図示するようにポンプ144に戻り、高温側熱交換器146を通って進み続け、周囲環境に熱を引き渡し、温度THiに戻るこれにより流体回路は完了し、この流体は、今や、被選択ベッド130を含む任意の被消磁ベッドのための低温ブローを行うために利用可能である。
時間の経過に伴って、ベッドの高温入口ポート及び低温出口ポートに接続された内部回転子孔が固定子の内側溝穴を通り過ぎるように回転するにつれて、被選択ベッド130の低温ブローは終了する。ベッド130が磁石組立体152のギャップに入るように回転するにつれて、被選択ベッドの低温入口ポート及び高温出口ポートに接続されている低温側138弁及び高温側134弁の外側回転子孔は、外側固定子溝穴により露出され、高温ブローがベッドを通って進むことを許容する。この高温ブローを、図13に概略的に図示する。この図の黒の実線は、システムにわたっての流体経路を図示する。
高温ブローは、外側固定子溝穴により露出されている高温側134弁及び低温側138弁内の回転子の外孔を通って進む。外側回転子孔は露出されているため、対応する内孔は、したがって、固定子により阻止される。よって、低温側弁138が、高温ブローを経ているベッドの低温出口ポート162を出入りするいかなる流れも阻止するのと同時に、高温側弁は、このベッドの高温入口ポート164を出入りするいかなる流れも阻止する。流れは、高温ブローについて所望されるように、低温入口ポート158から高温出口ポート154へと被選択ベッド130を通って進むことができるだけである。弁により阻止される流体経路を、図13に黒の破線として示す。被選択ベッド130のための高温ブローは、外側固定子溝穴がベッドの低温入口ポート及び高温出口ポートに接続された外側回転子孔を露出させる限り、持続する。外側回転子溝穴の角度範囲に関する上記の選択のため、この高温ブローは、所望の持続期間ΔtHにわたって続く。
N個のベッドがシステム内にある場合、固定子の外側溝穴は、高温ブローが同時にいくつかのベッドに対して行われるように、一般的に回転子の外側リングのいくつかの孔を曝露する。同様に、固定子の内側溝穴は、低温ブローが同時にいくつかのベッドに対して行われるように、一般的に回転子の内側リングのいくつかの孔を曝露する。現在説明している主題では、高温ブローの持続期間は低温ブローの持続期間よりも短く、ゆえに外側固定子溝穴124の角度範囲は、図11に図示するように、内側固定子溝穴122の角度範囲よりも小さくなる。この角度範囲の相違のため、外側固定子溝穴124により露出される外側リング114の外側回転子孔の数は、内側固定子溝穴122により露出される内側リング112の内側回転子孔の数よりも少ない。したがって、任意の所与の時間に高温ブロー段階を経ているベッドの数は、低温ブロー段階を経ているベッドの数よりも一般に少ない。nHが高温ブロー段階を経ているベッドの数を表し、nC>nHが低温ブロー段階を経ているベッドの数を表すとする。ポンプはシステムにわたってほぼ一定の流量Φを確立するため、かつこの流れは流れに対して開放されているベッド間で均等に分割されるため、高温ブローの間にベッドを通る流量はnHに反比例する一方、低温ブローの間にベッドを通る流量はnCに反比例する。不等ブローについては、所望により、nC>nH、したがってΦC<ΦHである。
Hが外側固定子溝穴124の角度範囲ΔθHに比例する一方、nCが内側固定子溝穴122の角度範囲ΔθCに比例することは明らかである。したがって、高温ブローの流量はΔθHに反比例し、低温ブローの流量はΔθCに反比例する。したがって、高温ブローの流量の低温ブローの流量に対する比率は、ΔθCのΔθHに対する比率に等しくなる。この後者の比率は、固定子溝穴の角度範囲に関する上記選択により、ΔtCのΔtHに対する比率に等しい。したがって、以下の式が決定された。
式10:ΦH/ΦC=ΔtC/ΔtH
この関係を使用して、式4の流量条件を満たすことができる。したがって、ディスク弁の固定子溝穴に不等な角度範囲を使用すると、高温ブロー及び低温ブローの不等な持続期間及び流量が実現され、所望により式4の流量条件を満たす。ポンプにより確立されるほぼ一定の流量Φを調節することにより、高温ブローの流量ΦHまたは低温ブローの流量ΦCについて任意の所望の値が確立され得る。ひとたびこれらのブロー流量のうちの一方がΦの選択を通して確立されると、他方のブロー流量は式10により決定される。
本実施形態の流体圧力低下を低減するため、低温ブローよりも高いベッド流量を用いる高温ブローのための弁とベッドとの間で流体を運搬する流体管の濡れ直径は、低温ブローのための弁とベッドとの間で流体を運搬する流体管と比較して、サイズを大きくされてもよい。例えば、高温弁及び低温弁内の外側固定子溝穴124の半径方向幅及び外側回転子孔118のサイズは、図11に図示するように、内側固定子溝穴122の半径方向幅及び内部回転子孔116のサイズと比較して、サイズを大きくされてもよい。結果として得られる本実施形態の圧力低下の低減は、ポンプを駆動するために必要とされる電力と粘性消散による望ましからざる流体加熱との両方を低減させ、それにより、システムの性能を改善するであろう。
本実施形態では、高温ブローは弁の外側固定子溝穴124及び外側回転子孔118を通して運ばれる一方、低温ブローは内側固定子溝穴122及び内側回転子孔116を通して運ばれる。この割り当ては、弁の基本性能を改変することなしに切り替えることができる。しかしながら、内孔116よりも回転子ディスク110の中心から長い半径距離に位置する外側回転子孔118は内孔よりも速い速度で動いているため、本実施形態において使用される選択肢が好ましい。このより速い孔の速度は、外側回転子孔が初めて外側固定子溝穴により露出されるときのベッドへの流れのより速い立ち上がりと、外側回転子孔の端部がこの固定子溝穴の別の端部を通り過ぎて行くときの流れのより立ち下がりとを可能にし得る。これは、より短い高温ブローの持続期間の間、ベッドの流れのより厳密な制御を可能にし得る。
第3の実施形態
第3の実施形態では、RMMR構成の磁気冷凍システムが、修正された回転ディスク弁を使用して、高温ブロー及び低温ブローの不等な持続期間及び流量を提供する。この第3の実施形態では、ほぼ一定の流量を生成するように構成された単一のポンプが、システムにわたって流れを駆動する。
第3の実施形態は、N個の同一の固定ベッドを用い、Nは2以上の任意の整数であり得る。例えば、Nは、2、3、4、5、8、12、25でもよく、または更に大きくてもよい。これらの固定ベッドは、ベッドの中心が円周部に沿って位置し、等角度間隔で配されるように配置される。すなわち、各ベッドの中心は、隣接するベッドの中心から360°/Nの角度で隔てられている。本実施形態におけるN個の同一のベッドの各々は、低温入口ポート(Ci)、低温出口ポート(Co)、高温入口ポート(Hi)、及び高温出口ポート(Ho)の4つの流体ポートを有する。
この実施形態は、図2に図示するように、円環の一部分であるギャップを有する回転する磁石組立体を用いる。このギャップ内で、磁石組立体は高い磁場を生成する。固定ベッド及び磁石ギャップは、磁石組立体が任意の所与のベッドの上方を回転するとき、そのベッドがギャップの内側に嵌合するように配置される。磁気冷凍器としての動作中、磁石組立体は、ベッドの円形配置の上方を回転する。磁石組立体は、所与のベッドの上方を回転するとき、したがって所与のベッドが磁石組立体内のギャップに入るとき、励磁される。磁石組立体は、所与のベッドから離れるように回転するとき、消磁される。システム内の流れは、ベッドが励磁されるとき(すなわち、ベッドが磁石組立体のギャップ内にあるとき)に発生する所与のベッドの冷凍サイクルの高温ブロー段階の間、流れが低温入口ポートから高温出口ポートへベッドを通って進むように、構成される。ベッドが消磁される(すなわち、ベッドが磁石組立体のギャップの完全に外側にある)冷凍サイクルの低温ブロー段階の間、流れは、高温入口ポートから低温出口ポートへベッドを通って進む。この実施形態の概略図を図14で提供する。明瞭性のため、この図には2つのベッドのみが示されており、一方が高温ブローを経ている(左)一方、他方は同時に低温ブローを経ている(右)。
第3の実施形態は、高温入口弁204、高温出口弁206、低温入口弁200、及び低温出口弁202の4つの弁を使用して、ベッドにわたって所望の流れの構成を供給する。これらの弁を図14に概略的に示す。これらの弁の各々は、回転子240と固定子242との2つのディスクを有する(図15)。磁石組立体と共に回転する回転子240は、図15(右)に示すように、ある特定の角度範囲を有する溝穴244を有する。固定子242は、N=8の場合に図15(左)に示すような、N個の孔246のリングを有する。固定子孔246の中心は、隣接するベッドの中心から360°/Nの角度で隔てられている。よって、固定子孔の配置はベッドの配置によく似ている。固定子242の中心からそのリングの孔246までの半径距離は回転子240の中心からその角溝穴244までの半径距離に等しく、ゆえに回転子240と固定子242とが重なり合うとき、回転子240内の溝穴244は固定子242内の孔246のうちのいくつかを露出させる。低温入口200弁及び高温出口206弁は、同一の回転子及び固定子を有する。高温入口204弁及び低温出口202弁も同一の回転子及び固定子を有するが、これらの回転子及び固定子は一般的に低温入口弁及び高温出口弁の回転子及び固定子とは異なる。持続期間ΔtHの高温ブローを実現するため、低温入口200弁及び高温出口206弁内の回転子溝穴の角度範囲はΔθH=ωΔtHになるように選択される。式中、ωは、磁石組立体208及び回転子の共通の角速度(1秒当たりの度数で測定された)である。持続期間ΔtC>ΔtHの低温ブローを実現するため、高温入口204弁及び低温出口202弁内の回転子溝穴の角度範囲はΔθC=ωΔtCになるように選択される。高温ブローの持続期間は低温ブローの持続期間よりも短いため、低温入口200弁及び高温出口206弁の回転子溝穴は、高温入口204弁及び低温出口202弁の回転子溝穴よりも小さい角度範囲を有する。
本実施形態における使用のための弁を形成するため、回転子ディスク及び固定子ディスクは、重ね合わせられ、相互に圧迫され(例えば、ばねを使用して)、2つの端部を有する円筒形ハウジング内に封じ込められる。回転子の中心は、弁ハウジングの一方の端部から延出するシャフトにシール(例えば、シャフトシール)を通して取り付けられる。回転子シャフトは、回転子シャフト及び回転子が磁石組立体と共に回転するように、回転する磁石組立体のシャフトに接続される(例えば、ベルト及び滑車により)。各弁は、回転子溝穴と連通している弁内のチャンバから加圧流体を収集または供給する流体ポートを有する。相互に接触している2つの弁ディスクの面々は、相互に圧迫されると面シールを形成するように、高度に磨き上げられている。このように、弁を通過する流れのための唯一の経路は、流体ポートから回転子溝穴を通り、回転子溝穴により露出された任意の固定子孔を通ることである。流れは、固定子孔から、この固定子孔を露出させる回転子溝穴を通り、この回転子溝穴と連通している弁の流体ポートへ、弁を通って反対方向にも進み得る。
弁の固定子内のN個の孔の各々は、N個のベッドのうちの1つに関連付けられている。この関連付けを、N=8である1つの固定子242について図16に図示する。低温入口弁200の固定子242内の各孔246は、流体管により、それに関連付けられたベッドの低温入口ポート(Ci)に接続される。低温出口弁202の固定子242内の各孔246は、流体管により、それに関連付けられたベッドの低温出口ポート(Co)に接続される。高温入口弁204の固定子242内の各孔246は、流体管により、それに関連付けられたベッドの高温入口ポート(Hi)に接続される。高温出口弁206の固定子242内の各孔246は、流体管により、それに関連付けられたベッドの高温出口ポート(Ho)に接続される。
低温入口弁200の回転子及び固定子の角位置と磁石組立体208の角位置との関係を設定するため、1つのベッド210を選択し、被選択ベッド210が組立体208のギャップにちょうど入り始めるように、磁石組立体208を回転させる。磁石組立体208がこの位置にある状態で、回転子溝穴244が被選択ベッド210の低温入口ポート224に接続された固定子孔246をちょうど露出させ始めるように、回転子240の角位置を調節する(図14及び15)。高温出口弁206の同一の回転子240及び固定子242の位置を、低温入口弁200の回転子240及び固定子242の位置に正確に一致するように設定する。
高温入口弁204の回転子及び固定子の角位置と磁石組立体208の角位置との関係を設定するため、1つのベッド210を選択し、被選択ベッド210が組立体208のギャップからちょうど出現し始めるまで、磁石組立体208を回転させる(図17)。磁石組立体208がこの位置にある状態で、回転子溝穴244が被選択ベッド210の高温入口ポート230に接続された固定子孔246をちょうど露出させ始めるように、回転子240の角位置を調節する(図15及び18)。低温出口弁202の同一の回転子及び固定子の位置を、高温入口弁の回転子及び固定子の位置に正確に一致するように設定する。
回転子240は磁石組立体208と共に回転するため、かつこの実施形態におけるベッドの位置は固定子孔246の位置によく似ているため、1つの被選択ベッド210に基づいて回転子240の位置を設定すれば、全てのベッドについて正しい位置合わせが確立されることは明らかである。システム内の各ベッドは同じ冷凍サイクルを経ることになるが、隣接するベッド間の時間遅延が360°/(N×ω)により与えられることも明らかである。
ディスクの角位置合わせが先ほど説明した様式で設定されている場合に、高温入口弁及び低温出口弁の回転子内の溝穴により画定される角が、低温入口弁及び高温出口弁の回転子内の溝穴により画定される角と重なり合わないように、低温入口弁及び高温出口弁の回転子内の溝穴ならびに高温入口弁及び低温出口弁の回転子内の溝穴を位置決めする。この所望の構成を、磁石組立体との位置合わせ後の低温入口弁/高温出口弁の回転子100及び高温入口弁/低温出口弁の回転子102を示す図9に図示する。この構成の場合、低温入口弁及び高温出口弁内の回転子溝穴104が固定子孔246を露出させても(図15)、高温入口弁及び低温出口弁内の回転子102が後者の弁の固定子内の対応する孔246を封鎖している。逆に、高温入口弁及び低温出口弁内の回転子溝穴106が固定子孔246を露出させても、低温入口弁及び高温出口弁内の回転子100が固定子内の対応する孔246を封鎖している。
本実施形態では、ポンプ222は連続運転され、したがって、いかなる瞬間においても、システムにわたって完全な流体回路が存在しなければならない。これを達成するため、システム内のベッド数(したがって、弁の固定子内の孔の数)ならびに回転子溝穴の角度範囲は、いかなる所与の瞬間においても少なくとも1つのベッドが高温ブロー段階を経ているところであり、少なくとも1つのベッドが低温ブロー段階を経ているところであるように、選択されなければならない。この動作を図14に図示し、システムにわたっての完全な流体回路を黒の実線で表す。この要件は、N、ΔtC、及びΔtHのうちのいかなる望ましい選択肢に関しても一般的に満たされおり、ゆえにこの要件は通常これらのパラメータの選択を制限しない。
低温入口弁及び高温入口弁のポートであって、それらの回転子溝穴244と連通しているこれらの弁のチャンバに接続されたポートを、これらの弁の入口ポートと呼ぶ。流体は、これらのポートを通して弁に入り、回転子溝穴244により、露出された固定子孔246へ、及び関連付けられたベッドの対応する入口ポートへ方向付けられる。低温出口弁及び高温出口弁のポートであって、それらの回転子溝穴と連通しているこれらの弁のチャンバに接続されたポートを、これらの弁の出口ポートと呼ぶ。これらの弁の回転子溝穴を通過する流体は、これらのポートを通して弁を出て行く。入口ポート及び出口ポートを図14で特定する。
本実施形態における被選択ベッド210のための冷凍サイクルの実現について以下に説明する。図14の左手側に概略的に示すように、磁石組立体208がこのベッド210の上方をちょうど回転したとき、低温入口弁200の回転子溝穴は、このベッド210の低温入口ポート224に接続された固定子孔を露出させ始める。よって、低温入口弁200の入口ポート214(これは、固定子溝穴と連通している弁内のチャンバに接続する)から被選択ベッド210の低温入口ポート224への開放された流体経路が確立される。高温出口弁206は低温入口弁200と同じディスク位置合わせを有するため、高温出口弁206の回転子の溝穴は、被選択ベッド210の高温出口ポート226に接続された固定子孔を同時に露出させる。よって、ベッド210の高温出口ポート226から高温出口弁206の出口ポート220への開放された流体経路が、被選択ベッド210が励磁される間、確立される。図14において高温側熱交換器238と直列に配管されて示されているポンプ222により提供される加圧流体は、低温側熱交換器236を温度TCiで離れ、低温入口弁200の入口ポート214に入る。この流体は、弁の回転子溝穴を通過し、固定子内の露出された孔を通り、被選択ベッド210の低温入口ポート224に供給される。この流体は、ベッド210を通過し、ベッド210内の高温の被励磁磁気熱量材料から熱を引き出しながら昇温する。この流体は、被選択ベッド210の高温出口ポート226から温度THoで出現し、高温出口弁206の固定子内の露出された孔を貫流し、回転子溝穴を通り、高温出口弁206の出口ポート220に至る。そこから、流体は、ポンプ222に戻り、高温側熱交換器238を通して送られ、高温側熱交換器238において周囲環境に熱を排出する。流体は、高温側熱交換器から温度THiで出現し、任意の被消磁ベッドを通して低温ブローを行うために利用可能である。
被選択ベッド210のための高温ブローの間(図14)、ベッド210の低温入口224ポート及び高温出口226ポートに接続された低温入口200弁及び高温出口206弁の固定子内の孔は 対応する回転子溝穴により露出されるため、被選択ベッド210の高温入口230ポート及び低温出口228ポートに接続された高温入口204弁及び低温出口202弁の固定子内の孔は、これらの弁の回転子により阻止されなければならない。したがって、低温入口弁200が被選択ベッド210の低温入口ポート224に流れを供給する際、低温出口弁202は、流れがベッド210の低温出口ポート228を出入りするのを同時に阻止する。同様に、高温出口弁206が被選択ベッド210の高温出口ポート226からの流れを通す際、高温入口弁204は、流れがベッド210の高温入口ポート230を出入りするのを同時に阻止する。これらの阻止される流れの経路を、図14において破線として表す。したがって、この第3の実施形態の弁は、被選択ベッド210の低温入口ポート224から高温出口ポート226への所望の流れをベッド210が励磁される間確立し、ベッド210を通るいかなる他の種類の流れも阻止する。低温入口200弁及び高温出口206弁の回転子溝穴の角度範囲に関する上記の選択のため、この所望の流れのパターンは、高温ブロー段階の所望の持続期間ΔtHにわたって継続する。
実施例を続けると、被選択ベッドが高温ブロー段階を経ている際に低温ブロー段階を経ているベッドのうちの1つについて以下で説明する。図14の右手側に図示するように、この他のベッド212は消磁される。磁石組立体208の位置に対しての、高温入口204弁及び低温出口202弁の回転子の共通の位置決めのため、高温入口弁204の回転子溝穴は、この他のベッドの高温入口ポート232に接続された高温入口固定子内の孔を露出させたに違いなく、低温出口弁202の回転子溝穴は、このベッドの低温出口ポート234に接続された固定子孔を露出させたに違いない。高温側熱交換器238を温度THiで出て行く加圧流体は、この弁の回転子溝穴と連通している弁のチャンバに接続された高温入口弁204の入口ポート218に入る。この流体は、高温入口弁204の回転子溝穴を通過し、高温入口固定子内の露出された孔を通り、ベッド212の高温入口ポート232に供給される。次いで、流れは、高温入口ポート232から、ベッド212を通って進み、ベッド212内の低温の被消磁磁気熱量材料に熱を引き渡しながら降温する。この流体は、温度TCoで低温出口ポート234からベッド212を出て行き、低温出口弁202の固定子内の対応する孔を通過し、低温出口弁202の回転子溝穴を通り、低温出口弁202の出口ポート216から出て行く。次いで、この流体は、低温側熱交換器236に入り、冷凍環境から熱を吸収し、この環境がより低い温度を維持することを可能にする。この流体は、低温側熱交換器236を温度TCiで出て行き、流体回路を完了する。この流体は、今や、被選択ベッド210を含む任意の被励磁ベッドのための高温ブローを行うために利用可能になる。
時間の経過に伴って、低温入口200弁及び高温出口206弁の回転子溝穴がベッド210の低温入口224ポート及び高温出口226ポートに接続された固定子孔を通り過ぎるように回転するにつれて、かつ磁石組立体208が被選択ベッド210から離れるように回転するにつれて、被選択ベッド210の高温ブローは終了する。ひとたび磁石組立体208が被選択ベッド210から完全に離れるように回転すると、被選択ベッド210の高温入口230ポート及び低温出口228ポートに接続されている高温入口204弁及び低温出口202弁の固定子孔は、対応する回転子溝穴により露出され、低温ブローがベッド210を通って進むことを許容する。この低温ブローを、図17に概略的に図示する。
低温ブローは、被選択ベッド210の高温入口230ポート及び低温出口ポート228に接続されている高温入口204弁及び低温出口202弁内の固定子の孔を通って進む。これらの孔は、これらの弁の回転子溝穴により露出される。これらの固定子孔は高温入口204弁及び低温出口202弁の回転子により露出されるため、低温入口弁及び高温出口弁の固定子内の対応する孔は、これらの弁内の回転子により阻止される。よって、低温入口200弁が、流れが被選択ベッド210の低温入口ポート224を出入りするのを阻止するのと同時に、高温出口弁206は、流れがベッド210の高温出口ポート226を出入りするのを阻止する。これらの阻止される流れの経路を、図17に破線として示す。流れは、低温ブローについて所望されるように、高温入口ポート230から低温出口ポート228へと被選択ベッド210を通って進むことができるだけである。被選択ベッドのための低温ブローは、高温入口回転子溝穴及び低温出口回転子溝穴がベッド210の高温入口230ポート及び低温出口228ポートに接続された固定子孔を露出させる限り、持続する。これらの回転子溝穴の角度範囲に関する上記の選択のため、この低温ブローは、所望の持続期間ΔtCにわたって続く。
ポンプ222がシステムにわたってほぼ一定の流量Φを提供するため、低温入口弁/高温出口弁内の回転子溝穴の角度範囲が(高温入口弁/低温出口弁内の溝穴の角度範囲と比較して)より短くなると、より少ない数の固定子孔が露出され、したがって、先行する実施形態に関して説明したのと同じ様式で、低温ブローの間よりも大きいベッドを通る流量が高温ブローの間に生成されることは明らかである。先行する実施形態と同様に、高温ブロー及び低温ブローの間にベッドを通る不等な流量が所望により式10、したがって式4を満たすことも明らかである。ここでも、ポンプ222により確立されるほぼ一定の流量Φを調節することにより、高温ブローの流量ΦHまたは低温ブローの流量ΦCについて任意の所望の値が確立され得る。ひとたびこれらのブロー流量のうちの一方がΦの選択を通して確立されると、他方のブロー流量は式10により決定される。
ここで図19a及び19bに目を転じると、流体チラーとして使用されている、本開示の少なくともいくつかの実施形態による別の磁気冷凍システムが示されている。具体的には、いくつかの冷却用途(例えば、換気空気調和または冷却水生成)において、所望されるものは、Tcの冷温リザーバからThの高温リザーバへ熱をくみ出すことではなく、気流または流体流をThからTcへ冷却すること(例えば、「流体チラー」)である。流体が温度非依存の熱容量Cを有する場合、流体から除去されるべき総熱量QCは、QC=C(TH−TC)である。なお、可逆冷凍機を介して所与の熱量Qcを冷温の絶対温度Tcから高温の絶対温度Thへ移動させるために必要とされる最小理論仕事Wは、W=QC(TH−TC)/TCであり、成績係数(COP)は、Qc/Wとして定義され得る。絶対温度TcからThの全ての熱をくみ出す単段冷凍機を使用して流体を冷却するために必要とされる最小理論仕事量は、以下の通りである。
式11:W=C(TH−TC2/TC
式12:COP=QC/W=TC/(TH−TC
実際の冷凍機は、相対的にそれほど効率的ではないことがあり、主要な損失は、冷媒の圧縮及び膨張における粘性損失により発生する。
もし流体が多数の別々の冷凍機により冷却され、第1の冷凍機が流体をTHからTH-dに冷却して熱をTHにくみ出し、次の冷凍機が流体をTH-dからTH-2dに冷却して熱をTHにくみ出す等し、ここでd<<(TH−TC)であるならば、より少ない仕事が必要とされ得る。このようなことが起きるのは、流体の冷却のほとんどが、小さい温度差にわたって作動し、したがって高効率で作動する冷凍機により達成されるためである。各々が理想的な効率を有する、無限数の連続する冷凍機から構成される理想的な流体チラーの場合、必要とされる仕事は、以下のようになるであろう。
式13:
結果として得られるCOPは、以下の通りである。
式14:COP=QC/W=(TH/(TH−TC)ln(TH/TC)−1)-1
当初は温かい流体流が低温の熱交換器に接触する際に発生するエントロピーの生成がもはや存在しないため、仕事入力は単段冷凍機よりも低い。TCがTHに接近している場合、最良の単段冷凍機は、理想的な多段チラーの2倍の仕事入力を必要とし得る。比率TH/TCが大きくなるにつれて、効率上のペナルティはわずかに増加し得る。例えば、TH=100°F及びTC=45°Fの場合、最良の単段冷凍機は、理想的な多段チラーの2.07倍の入力された仕事を消費し得る。
被励磁ベッド260の低温256端から高温258端へ戻されるよりも多くのAMR熱伝達流体を、全体で1サイクルにおいて、被消磁ベッド250の高温252端から低温254端へ送ることにより、AMR型磁気冷凍器は流体チラー(図19a及び19b)として作動するようにセットアップされ得る。低温端254に蓄積する余分な熱伝達流体は、ほぼ可逆の様式において、高温入口温度THiから低温出口温度TCoに冷やされる。この余分な熱伝達流体は、外部流体流264をTHiよりわずかに高い温度TfiからTCoよりわずかに高い温度Tfoに冷やす向流熱交換器262において再び温められ得る。外部流体流は、冷水ループ用の水、または建物を空気調和するための換気空気であってもよい。温かい余分な熱伝達流体は、被消磁AMRベッド250の高温端252に戻されて、AMRベッド250の高温端から低温端へ流れる余分な熱伝達流体に再びなってもよい。比率fが高過ぎない場合、流体チラーも、従来の冷凍負荷を運ぶために使用することができ、低温入口温度TCiよりわずかに高い温度の低温空間から低温熱交換器236を介して熱を除去する。
高温ブローの持続期間を減少させ、低温ブローの持続期間を増加させることによる磁石質量の低減という恩恵は、流体チラーAMRの場合に依然として当てはまり得るが、高温ブロー及び低温ブローにおける流量に関する支配方程式は変化する。fを、流体チリング熱交換器(HEX)へと逸らされAMRベッドの高温側に戻される、被消磁ベッドから出現する流体の流れの分画とする。流体導通は、流体チラーHEXへと逸らされる低温ブロー流体の分画fを説明するために、式4が修正されることを必要とし、戻り高温ブローのために利用可能な流れの分画1−fが後に残る。
式15:ΔtHΦH=(1−f)ΔtCΦC
式中、ΦHは高温ブローの流量であり、ΦCは低温ブローの流量であり、ΔtH及びΔtCは高温ブローの持続期間及び低温ブローの持続期間であり、ならびにfは流体チラーHEXへと逸らされる低温ブロー流体の分画である。
本明細書に記載の磁気冷凍システムのいずれの態様も、コンピュータメモリ等のコンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータ可読命令により少なくとも部分的に制御され得る。プロセッサベースの計算装置によるコンピュータ可読命令の実行の際、MRシステムの動作を制御するための作業が行われる。
例示的な実施形態を説明するために、1つ以上の流れ図及び/またはブロック図が使用されている。いずれの流れ図の使用も、行われる作業の順序に関して限定的であることを意図しない。模範的な実施例に関する上記の説明は、例示及び説明の目的のために提示されている。それは、網羅的であること、または開示された厳密な形態に対して限定することを意図せず、修正及び変形は、上記の教示に照らして可能であるか、または開示された実施形態の実施により習得され得る。本発明の範囲は本明細書に添付される請求項及びそれらの等価物により画定されることを意図する。

Claims (30)

  1. 磁気冷凍システムであって、
    各々が高温側及び低温側を有する1つ以上の磁気熱量材料のベッドと、
    時間変動磁場を高状態及び低状態で前記1つ以上のベッドに印加するように構成された磁石と、
    熱伝達流体と、
    高温側熱交換器(HHEX)と、
    低温側熱交換器(CHEX)と、
    前記熱伝達流体を前記1つ以上のベッドと、前記HHEXと、前記CHEXとを通して循環させるように構成されたポンプと、
    前記それぞれのベッドに印加される前記時間変動磁場が前記高状態である場合、持続期間ΔtHにわたって、前記1つ以上のベッドの前記低温側から前記HHEXを通して前記各ベッドの前記高温側への前記熱伝達流体の流れをΦHの平均流量に制御するように構成された弁と、を備え、
    前記弁は、前記それぞれのベッドに印加される前記時間変動磁場が前記低状態である場合、持続期間ΔtCにわたって、前記1つ以上のベッドの前記高温側から前記CHEXを通して前記各ベッドの前記低温側への前記熱伝達流体の流れをΦCの平均流量に制御するように更に構成されており、
    ΔtC>ΔtH、ΦC<ΦH、及びΔtHΦH=ΔtCΦC
    である、磁気冷凍システム。
  2. ΔtH<0.8×ΔtCかつΦC<0.8×ΦHである、請求項1に記載の磁気冷凍システム。
  3. ΔtH<0.5×ΔtCかつΦC<0.5×ΦHである、請求項1に記載の磁気冷凍システム。
  4. 前記1つ以上のベッドに印加される前記時間変動磁場が、前記1つ以上のベッドと前記磁石の磁場との相対回転により達成される、請求項1に記載の磁気冷凍システム。
  5. 前記1つ以上のベッドと前記磁石の前記磁場との前記相対回転が、前記1つ以上のベッドを前記磁石の前記磁場の内側及び外側へ回転させることにより達成される、請求項4に記載の磁気冷凍システム。
  6. 前記1つ以上のベッドと前記磁石の前記磁場との前記相対回転が、前記磁石の前記磁場を前記1つ以上のベッドを中心として回転させることにより達成される、請求項4に記載の磁気冷凍システム。
  7. 前記磁石が、円環状ギャップの一部分を含み、
    前記円環状ギャップの前記一部分が、前記磁石が前記時間変動磁場を前記高状態で前記1つ以上のベッドのうちのあるベッドに印加する持続時間に比例した角度範囲を有する、請求項1に記載の磁気冷凍システム。
  8. 前記円環状ギャップの前記角度範囲が170度未満である、請求項7に記載の磁気冷凍システム。
  9. 前記円環状ギャップの前記角度範囲が150度未満である、請求項7に記載の磁気冷凍システム。
  10. 前記円環状ギャップの前記角度範囲が130度未満である、請求項7に記載の磁気冷凍システム。
  11. 第1の濡れ直径を有する高温ブロー流体経路であって、前記熱伝達流体を前記1つ以上のベッドから前記HHEXへ方向付けるように構成される、高温ブロー流体経路と、
    第2の濡れ直径を有する低温ブロー流体経路であって、前記熱伝達流体を前記1つ以上のベッドから前記CHEXへ方向付けるように構成される、低温ブロー流体経路と、を更に備え、
    前記第1の濡れ直径が、前記第2の濡れ直径よりも大きい、請求項1に記載の磁気冷凍システム。
  12. 前記弁が、第1の回転子及び第1の固定子を備え、
    前記第1の固定子が、内側溝穴及び外側溝穴を備え、
    前記第1の回転子が、前記第1の固定子の前記内側溝穴に対応する内孔と、前記第1の固定子の前記外側溝穴に対応する外孔とを備え、
    前記第1の固定子の前記内側溝穴が、前記第1の回転子の前記内孔の一部分を露出させるように構成され、前記第1の固定子の前記外側溝穴が、前記第1の回転子の前記外孔の一部分を露出させるように構成され、
    前記第1の回転子の各内孔が、前記第1の回転子の外孔に対応し、
    前記第1の回転子の内孔が前記第1の固定子の前記内側溝穴により露出される場合、前記第1の回転子の前記対応する外孔が前記第1の固定子の前記外側溝穴により露出されないように、かつ前記第1の回転子の外孔が前記第1の固定子の前記外側溝穴により露出される場合、前記第1の回転子の前記対応する内孔が前記第1の固定子の前記外側溝穴により露出されないように、前記第1の固定子及び前記第1の回転子が相互に対して回転するように構成されている、請求項1に記載の磁気冷凍システム。
  13. 前記第1の固定子の前記内側溝穴が、第1の角度範囲を有する第1の円環部の一部分を含み、
    前記第1の固定子の前記外側溝穴が、第2の角度範囲を有する第2の円環部の一部分を含んでいる、請求項12に記載の磁気冷凍システム。
  14. 前記第1の角度範囲が、前記第2の角度範囲よりも大きい、請求項13に記載の磁気冷凍システム。
  15. 前記第1の角度範囲が、前記第2の角度範囲と重なり合わない、請求項13に記載の磁気冷凍システム。
  16. 前記弁が、第2の回転子及び第2の固定子を更に備え、
    前記第2の固定子が、内側溝穴及び外側溝穴を備え、
    前記第2の回転子が、前記第2の固定子の前記内側溝穴に対応する内孔と前記第2の固定子の前記外側溝穴に対応する外孔とを備え、
    前記第2の固定子の前記内側溝穴が、前記第2の回転子の前記内孔の一部分を露出させるように構成され、前記第2の固定子の前記外側溝穴が、前記第2の回転子の前記外孔の一部分を露出させるように構成され、
    前記第2の回転子の各内孔が、前記第2の回転子の外孔に対応し、
    前記第2の回転子の内孔が前記第2の固定子の前記内側溝穴により露出される場合、前記第2の回転子の前記対応する外孔が前記第2の固定子の前記外側溝穴により露出されないように、かつ前記第2の回転子の外孔が前記第2の固定子の前記外側溝穴により露出される場合、前記第2の回転子の前記対応する内孔が前記第2の固定子の前記内側溝穴により露出されないように、前記第2の固定子及び前記第2の回転子が相互に対して回転するように構成されている、請求項12に記載の磁気冷凍システム。
  17. 前記第2の固定子の前記内側溝穴が、第3の角度範囲を有する第3の円環部の一部分を含み、
    前記第2の固定子の前記外側溝穴が、第4の角度範囲を有する第4の円環部の一部分を含み、
    前記第3の角度範囲が、前記第4の角度範囲よりも大きい、請求項16に記載の磁気冷凍システム。
  18. 磁気冷凍装置であって、
    各々が高温側及び低温側を有する複数の磁気熱量材料のベッドと、
    時間変動磁場を高状態及び低状態で前記複数のベッドに印加するように構成された磁石と、
    熱伝達流体と、
    高温側熱交換器(HHEX)と、
    低温側熱交換器(CHEX)と、
    前記熱伝達流体を前記複数のベッドと、前記HHEXと、前記CHEXとを通して循環させるように構成されたポンプと、
    前記複数のベッドのうちのあるベッドの低温側に各々接続されている一連の孔を有する第1の部分と、前記CHEXに流体接続された溝穴を有する第2の部分と、を備える、第1の入口弁と、
    前記複数のベッドのうちのあるベッドの高温側に各々接続されている一連の孔を有する第1の部分と、前記HHEXに流体接続された溝穴を有する第2の部分と、を備える、第1の出口弁と、
    前記複数のベッドのうちのあるベッドの高温側に各々接続されている一連の孔を有する第1の部分と、前記HHEXに流体接続された溝穴を有する第2の部分と、を備える、第2の入口弁と、
    前記複数のベッドのうちのあるベッドの低温側に各々接続されている一連の孔を有する第1の部分と、前記CHEXに流体接続された溝穴を有する第2の部分と、を備える、第2の出口弁と、を備え、
    前記第1の入口弁内の前記溝穴と前記第1の出口弁内の前記溝穴とは、前記それぞれのベッドに印加される前記磁場が前記高状態である場合、持続期間ΔtHにわたって、前記ベッドの各々の前記低温側から前記ベッドの各々の前記高温側への前記熱伝達流体の流れをΦHの平均流量で許容するように構成され、
    前記第2の入口弁内の前記溝穴と前記第2の出口弁内の前記溝穴とは、前記それぞれのベッドに印加される前記磁場が前記低状態である場合、持続期間ΔtCにわたって、前記ベッドの各々の前記高温側から前記ベッドの各々の前記低温側への前記熱伝達流体の流れをΦCの平均流量で許容するように構成され、
    ΔtC>ΔtH、ΦC<ΦH、及びΔtHΦH=ΔtCΦC
    である、磁気冷凍装置。
  19. 前記1つ以上のベッドに印加される前記時間変動磁場が、前記1つ以上のベッドと前記磁石の磁場との相対回転により達成される、請求項18に記載の磁気冷凍システム。
  20. 前記1つ以上のベッドと前記磁石の前記磁場との前記相対回転が、前記1つ以上のベッドを前記磁石の前記磁場の内側及び外側へ回転させることにより達成される、請求項19に記載の磁気冷凍システム。
  21. 前記1つ以上のベッドと前記磁石の前記磁場との前記相対回転が、前記磁石の前記磁場を前記1つ以上のベッドを中心として回転させることにより達成される、請求項19に記載の磁気冷凍システム。
  22. 前記磁石が、円環状ギャップの一部分を含み、
    前記円環状ギャップの前記一部分が、前記磁石が前記時間変動磁場を前記高状態で前記1つ以上のベッドのうちのあるベッドに印加する持続時間に比例した角度範囲を有する、請求項18に記載の磁気冷凍システム。
  23. 磁気冷凍装置であって、
    各々が高温側及び低温側を有する複数の磁気熱量材料のベッドと、
    時間変動磁場を前記複数のベッドに印加するように構成された磁石と、
    熱伝達流体と、
    高温側熱交換器(HHEX)と、
    低温側熱交換器(CHEX)と、
    前記熱伝達流体を前記複数のベッドと、前記HHEXと、前記CHEXとを通して循環させるように構成されたポンプと、
    低温側弁であって、前記低温側弁の中心からの第1の半径と、前記低温側弁の前記中心からの第2の半径とを有し、
    前記第1の半径沿いの第1の一連の孔と前記第2の半径沿いの第2の一連の孔とを有する第1の部分であって、前記第1の一連の孔が各々、前記複数のベッドの各々の低温入口管に流体接続し、前記第2の一連の孔が各々、前記複数のベッドの各々の低温出口管に接続する、第1の部分と、
    前記CHEXの出口に流体接続されている前記第1の半径沿いの第1の溝穴と、前記CHEXの入口に流体接続されている前記第2の半径沿いの第2の溝穴とを有する第2の部分と、を備えた低温側弁と、
    高温側弁であって、前記高温側弁の中心からの第3の半径と、前記高温側弁の前記中心からの第4の半径とを有し、
    前記第3の半径沿いの第3の一連の孔と前記第4の半径沿いの第4の一連の孔とを有する第1の部分であって、前記第3の一連の孔が各々、前記複数のベッドの各々の高温入口管に流体接続し、前記第4の一連の孔が各々、前記複数のベッドの各々の高温出口管に流体接続する、第1の部分と、
    前記HHEXの出口に流体接続されている前記第3の半径沿いの第3の溝穴と、前記HHEXの入口に流体接続されている前記第4の半径沿いの第4の溝穴とを有する第2の部分と、を備えた高温側弁と、を備え、
    前記第1の溝穴、前記第2の溝穴、前記第3の溝穴、及び前記第4の溝穴は、前記それぞれのベッドに印加される前記磁場が前記高状態である場合、持続期間ΔtHにわたって、前記複数のベッドの各々の前記低温側から前記それぞれのベッドの前記高温側への熱伝達流体の流れをΦHの平均流量で許容するように構成され、
    前記第1の溝穴、前記第2の溝穴、前記第3の溝穴、及び前記第4の溝穴は、前記それぞれのベッドに印加される前記磁場が前記低状態である場合、持続期間ΔtCにわたって、前記複数のベッドの各々の前記高温側から前記それぞれのベッドの前記低温側への熱伝達流体の流れをΦCの平均流量で許容するように更に構成され、
    ΔtC>ΔtH、ΦC<ΦH、及びΔtHΦH=ΔtCΦC
    である、磁気冷凍装置。
  24. 前記1つ以上のベッドに印加される前記時間変動磁場が、前記1つ以上のベッドと前記磁石の磁場との相対回転により達成される、請求項23に記載の磁気冷凍システム。
  25. 前記1つ以上のベッドと前記磁石の前記磁場との前記相対回転が、前記1つ以上のベッドを前記磁石の前記磁場の内側及び外側へ回転させることにより達成される、請求項24に記載の磁気冷凍システム。
  26. 前記1つ以上のベッドと前記磁石の前記磁場との前記相対回転が、前記磁石の前記磁場を前記1つ以上のベッドを中心として回転させることにより達成される、請求項24に記載の磁気冷凍システム。
  27. 前記磁石が、円環状ギャップの一部分を含み、
    前記円環状ギャップの前記一部分が、前記磁石が前記時間変動磁場を前記高状態で前記1つ以上のベッドのうちのあるベッドに印加する持続時間に比例した角度範囲を有する、請求項23に記載の磁気冷凍システム。
  28. 磁気冷凍及び流体チリング装置であって、
    各々が高温側及び低温側を有する1つ以上の磁気熱量材料のベッドと、
    時間変動磁場を高状態及び低状態で前記1つ以上のベッドに印加するように構成された磁石と、
    熱伝達流体と、
    高温側熱交換器(HHEX)と、
    低温側熱交換器(CHEX)と、
    流体チリング熱交換器(HEX)と、
    前記熱伝達流体を前記複数のベッドと、前記HHEXと、前記CHEXと、前記HEXとを通して循環させるように構成されたポンプと、
    前記それぞれのベッドに印加される前記磁場が前記高状態である場合、持続期間ΔtHにわたって、前記1つ以上のベッドの各々の前記低温側から前記HHEXを通して前記それぞれのベッドの前記高温側への前記熱伝達流体の流れをΦHの平均流量に制御するように構成された弁と、を備え、
    前記弁は、前記それぞれのベッドに印加される前記磁場が前記低状態である場合、持続期間ΔtCにわたって、前記1つ以上のベッドの各々の前記高温側から前記CHEXを通して前記それぞれのベッドの前記低温側への前記熱伝達流体の流れをΦCの平均流量に制御するように更に構成されており、
    前記弁は、前記それぞれのベッドに印加される前記磁場が前記低状態である場合、前記1つ以上のベッドの各々の前記低温側から出現する前記熱伝達流体のうちのある分画fを前記HEXに、及び前記それぞれのベッドの前記高温側に方向付けるように更に構成されており、
    ΔtC>ΔtHかつΔtHΦH=(1−f)ΔtCΦC
    である、磁気冷凍及び流体チリング装置。
  29. 複数の磁気熱量材料のベッドを磁石の磁場の内側及び外側へ回転させて、高状態及び低状態を有する時間変動磁場を作製するステップであって、前記時間変動磁場が前記複数のベッドの各々に印加される、作製するステップと、
    前記それぞれのベッドに印加される前記時間変動磁場が前記高状態である場合、持続期間ΔtHにわたって、前記複数のベッドの各々の低温側から前記それぞれのベッドの高温側への熱伝達流体の流れをΦHの平均流量に制御するように弁を回転させるステップと、を含み、
    前記弁を回転させるステップはまた、前記それぞれのベッドに印加される前記時間変動磁場が前記低状態である場合、持続期間ΔtCにわたって、前記複数のベッドの各々の前記高温側から前記それぞれのベッドの前記低温側への前記熱伝達流体の流れをΦCの平均流量に制御し、
    ΔtC>ΔtH、ΦC<ΦH、及びΔtHΦH=ΔtCΦC
    である、方法。
  30. 磁石の磁場を複数の磁気熱量材料のベッドを中心として回転させ、前記複数のベッドの各々に対して高状態及び低状態を有する時間変動磁場を作製するステップと、
    前記それぞれのベッドに印加される前記時間変動磁場が前記高状態である場合、持続期間ΔtHにわたって、前記複数のベッドの各々の低温側から前記それぞれのベッドの高温側への熱伝達流体の流れをΦHの平均流量に制御するように弁を回転させるステップと、を含み、
    前記弁を回転させるステップはまた、前記それぞれのベッドに印加される前記時間変動磁場が前記低状態である場合、持続期間ΔtCにわたって、前記複数のベッドの各々の前記高温側から前記それぞれのベッドの前記低温側への前記熱伝達流体の流れをΦCの平均流量に制御し、
    ΔtC>ΔtH、ΦC<ΦH、ΔtHΦH=ΔtCΦC
    である、方法。
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