JP2017525968A - 気泡特性の音響推定用の方法及びデバイス - Google Patents

気泡特性の音響推定用の方法及びデバイス Download PDF

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Abstract

液体様媒体中の気泡の1つ以上の特性を推定する音響方法及び関連するデバイスが提供される。主として、音響方法は、液体様媒体中の1つ以上の気泡を共振周波数で振動するように音響的に励起することと、音源から発せられ、1つ以上の気泡を音響的に励起するように配列された第1の信号を検出することと、1つ以上の気泡振動から生成された第2の信号を検出することと、検出された第1及び第2の信号に対して周波数ドメイン解析を行なうことによって少なくとも第1及び第2の特徴を導き出すことであって、第1の特徴は周波数干渉最小f1minを含み、及び第2の特徴は気泡共振基本周波数最大f1maxを含む、導き出すことと、少なくとも第1及び第2の特徴から1つ以上の気泡特性を推定することと、を含む。さらに、液体様媒体中の1つ以上の気泡の平衡サイズ及び位置を推定する音響方法が提供される。【選択図】図11a

Description

関連出願の相互参照
本出願は、オーストラリア仮特許出願第2014903402号(2014年8月27日に出願)、オーストラリア仮特許出願第2014905193号(2014年12月22日に出願)からの優先権を主張する。なお、これらの文献の内容は本明細書において参照により取り入れられている。
実施形態は、液体様媒体中の気泡の特性を推定する音響方法及びデバイスに関する。気泡特性の例としては、気泡平衡サイズ、付着固体質量負荷、及び封入層膨張粘性が挙げられる。さらなる実施形態は、液体様媒体の1つ以上の特性を推定する音響方法に関する。本方法では、媒体中のガス気泡のアクティブ音響応答を用いる。
液体、スラリー状物質中または流体もしくは組織中の気泡のバックグラウンド検出及び/または気泡の特性を推定することは、種々の工業プロセス及び医療分野において必要なことである。たとえば、泡沫浮選を利用する採鉱の分野では、液体または液体様媒体内の気泡サイズ及び分布を決定することは、泡沫浮選性能を最適化する際の主要な決定要素である。このような場合、浮遊させるべき対象粒子のサイズに基づいて正確な直径の気泡を発生させて、その粒子が気泡に確実に付着するようにすることは重要である。
泡沫浮選を利用する用途における気泡特性を決定するための技術の1つは、音響放出の受動検知である。センサ(タンクの外部に取り付けられている)から音響信号がタンク内の媒体を通して送信され、受信された音波は、媒体内に配置されたロッド上に取り付けられたハイドロホンによってモニタされる。次に統計分析技術を用いて受信信号から情報を取り出す。受信音波の周波数は、気泡の質量、したがって気泡に対する負荷を示している。
他の技術としては、特に気泡のサイズを決定するために用いられる光学的方法が挙げられる。このような方法の1つとしては、レーザが照射された後にマイクロ気泡から発せられる散乱光強度を検知することが挙げられる。他の技術たとえばマギル気泡サイズ分析器は、浮選システムにおける気泡の画像を取り込んで分析する。この後者の技術は、およそ0.5〜3mmの範囲の気泡粒度分布に対して効果的であることが分かっており、この方法の精度は、画像処理、計数方法、及びフィルタを用いることに基づく。しかし、光学技術は非不透明な液体をイメージングするときが最良の状態であると考えられ、したがって限定された技術である。
他のデバイス及び方法ではサンプリング技術を用いる。このようなデバイスの1つは、持ち運びできるアングロップ気泡寸法測定器(APBS)である。これは、サンプリングチューブが、シールされた観察チャンバ(プラスチックPVCで形成され、単一の強化ガラス窓を伴う)の底部に取り付けられている。気泡はサンプリングチューブからチャンバへ導かれる。チャンバは、重なりを抑えるように気泡を単層内に拡散させ、はっきりとした焦点面が得られるように傾いている。気泡のサンプルを写真に撮り、画像解析ソフトウェアによって画像を処理して気泡粒度分布を導き出す。しかし、サンプリング技術に基づく気泡分析器及び寸法測定器は、異なるサイズの気泡の母集団のサイジングを考えるときにバイアスが導入される傾向がある。さらに、サンプリングデバイスは気泡の粉砕及び合体が生じる傾向があり、いずれかによって粒度分布推定にさらなる誤差が導入される場合がある。
多くのアクティブな音響分光学技術が、気泡粒度分布を決定するために存在する。このような技術としては、幾何学的(非共振)散乱、基本共振励起、及び二重または結合周波数(撮像幾何学的及び共振基本または低調波)励起が挙げられる。気泡粒度分布を測定するためのアクティブな音響デバイスであって、現時点で商業的に販売されているものは、音響式気泡分布計測システム(ABS)(ダイナフロー社)である。ABSの原理は、気泡サイズ母集団に対する逆問題の解に基づいている。逆問題自体は音響位相速度及び減衰に基づいている。しかし、これは不良設定逆問題であり、測定した音速度または減衰に小さい誤差があると、推定した気泡サイズ母集団分布における大きな誤差になる可能性があることが知られている。
本明細書の全体に渡って、用語「comprise」、または変形たとえば「comprises」もしくは「comprising」には、記載した要素、整数、もしくはステップまたは要素、整数、もしくはステップのグループを含めるという意味が含まれていると理解するが、任意の他の要素、整数、もしくはステップまたは要素、整数、もしくはステップのグループを排除するものではない。
本明細書に含まれる、文献、作用、材料、デバイス、物品などについてのどんな説明も、これらの問題の一部もしくは全部が先行技術基準の一部を形成しているか、またはそれが本出願の各請求項の優先日の前に存在したかのように本開示に関連する分野における良く知られた一般知識であったことを認めるものであると理解してはならない。
液体様媒体中の気泡の1つ以上の特性を推定する音響方法であって、液体様媒体中の1つ以上の気泡を共振周波数で振動するように音響的に励起することと、音源から発せられ、1つ以上の気泡を音響的に励起するように配列された第1の信号を検出し、気泡振動から生成された第2の信号を検出することと、検出された第1及び第2の信号に対して周波数ドメイン解析を行なうことによって少なくとも第1及び第2の特徴を導き出すことであって、第1の特徴は周波数干渉最小f1minを含み、第2の特徴は気泡共振基本周波数最大f1maxを含む、導き出すことと、少なくとも第1及び第2の特徴から1つ以上の気泡特性を推定することと、を含む音響方法が提供される。
本方法は、第2高調波共振応答周波数f2maxを含む第3の特徴を導き出すことを含んでいても良い。
周波数ドメイン解析を、パワースペクトル解析アルゴリズムを介して、たとえば高速フーリエ変換を通して行なっても良い。
1つ以上の形成された気泡を共振周波数で振動するように音響的に励起するステップは、音源を駆動してパルス信号、トーンバースト信号、チャープ信号、または広帯域音源信号を発生させることを含んでいても良い。
一実施形態として、気泡特性が気泡平衡半径Rを含み、気泡が自由かまたは封入されている場合には、Rは、f1max及びf1minから、関係
を用いて推定しても良い。ここで、
は関係
によって規定される無次元係数であり、

によって規定される係数であり、Eは
によって規定される無次元係数であり、

によって規定される無次元係数である。ここで、ガスポリトロープ指数κ、周囲圧力p、平衡気泡半径における表面張力σ、弾性圧縮係数χ、液体粘性μ、液体密度ρ、及び封入層膨張粘性κは予め決まっており、気泡と受信部との間の距離r及び音源と気泡との間の距離rSBは近似する。
このような実施形態では、気泡は負荷がかかっていても良いしまたは負荷がかかっていなくても良い。
さらなる気泡特性、付着固体質量負荷Mを、f1max及びf1min及びRから、関係
を用いて推定しても良く、ここで、固体密度係数δは、
と規定され、ρは固体密度である。
任意的に、一実施形態として、κが予め与えられていない場合は、付着固体質量負荷Mは、f1max及びf1min及びRから、以下の関係を用いて推定しても良い。

またさらなる気泡特性、封入層膨張粘性κを、f1max及びf1min及びRから、関係
を用いて推定しても良く、ここで、無次元係数

と表現される。
一実施形態として、気泡特性が気泡平衡半径Rを含み、気泡がきれいな非負荷気泡である場合には、Rをf1maxから、関係
を用いて推定しても良く、ここで、
は関係
によって規定される無次元係数であり、
は関係
によって規定される係数であり、Eは関係
によって規定される無次元係数であり、
は関係
によって規定される無次元係数であり、ガスポリトロープ指数κ、周囲圧力p、平衡気泡半径における表面張力σ、弾性圧縮係数χ、液体粘性μ、液体密度ρ及び封入層膨張粘性κは予め決まっており、気泡と受信部との間の距離r及び音源と気泡との間の距離rSBは近似する。
任意的に、一実施形態では、気泡特性は気泡平衡半径Rを含み、気泡はきれいな非負荷気泡であり、Rは、f1max及びf1minから、関係
を用いて推定しても良く、ここで、ガスポリトロープ指数κ、周囲圧力p、表面張力σ、弾性圧縮係数χ、及び液体密度ρは予め決まっており、気泡と受信部との間の距離rと、音源と気泡との間の距離rSBとは近似する。
任意的に、「きれいな」(非負荷)気泡の場合、封入層膨張粘性κは、f1max及びf1min及び既知のまたは推定された平衡半径Rから、関係
を用いて推定しても良く、ここで、液体粘性μ及び密度
、ガスポリトロープ指数κ及び気泡表面張力パラメータは予め決まっており、r及びrSBは近似する。
一実施形態として、気泡特性が気泡平衡半径Rを含み、気泡が自由(未封入)気泡で、気泡特徴に対する液体粘性効果が無視できる場合には、Rは、f1max及びf1minから、関係
用いて推定しても良く、ここで、ガスポリトロープ指数κ、周囲圧力p、表面張力σ、及び液体密度ρは予め決まっており、r及びrSBは近似する。
ゼロ付着固体の場合、自由気泡で気泡特徴に対する液体粘性効果が無視できる場合には、気泡平衡半径Rを、f1max及びf1minから、関係
または
を介して推定しても良く、ここで、この場合は、
であり、ガスポリトロープ指数κ、周囲圧力p、表面張力σ、及び密度ρは予め決まっている。
さらなる気泡特性、付着固体質量負荷Mを、自由気泡で気泡特徴に対する液体粘性効果が無視できる場合に、関係
を用いて推定しても良い。ここで、
であり、ρ、気泡表面に付着した単一固体粒子の密度は予め決まっている。
任意的に、付着固体質量負荷Mを、関係
を用いて推定しても良く、ここで、
であり、ρ、気泡表面に付着した単一固体粒子の密度は予め決まっている。
さらなる実施形態では、自由または封入気泡の付着固体質量負荷Mを、第2高調波ピーク周波数f2max及びRから、関係
を用いて推定しても良い。ここで、
であり、ガスポリトロープ指数κ、周囲圧力p、表面張力σ、弾性圧縮係数χ、ρ、及び密度ρは予め決まっている。
この実施形態では、平衡気泡半径Rを、3つの特徴f1max、f1min、及びf2max(それぞれ、基本共振最大、干渉最小、及び第2高調波最大の周波数)から、式
によって推定する。ここで、ガスポリトロープ指数κ、周囲圧力p、表面張力σ、弾性圧縮係数χ、及び密度ρは予め決まっており、r及びrSBは近似する。任意の封入層の膨張粘性を式
によって推定しても良く、ここで、無次元係数

から推定され、係数

によって規定される。
この実施形態は、第2高調波ピーク周波数f2maxによって付加情報(
)が得られる場合に適用可能である。これは、たとえば水中のO(1〜10)ミクロン平衡半径気泡に対してそうである。しかし、水中の気泡がもっと大きくなるとそうではない。
本方法はさらに、1つ以上の気泡の移動を行なうことを含んでいても良い。移動を行なうことは、液体流によって1つ以上の気泡を駆動することを含んでいても良い。
当然のことながら、受信部における音響パワー応答曲線の3つの特徴f1max、f1min、及びf2maxは、気相及び液相の特性とモニタリングシステムの幾何学的配置との関数である。以下に示す表1〜4は、3つの特徴を、以下の場合において気泡平衡サイズ及び付着固体質量負荷の関数として示す。(i)大気圧における水中の封入マイクロ気泡(デフィニティ(商標)特徴)、(ii)体温及び大気圧における完全ヒト血液中の封入マイクロ気泡(デフィニティ(商標)超音波造影剤特徴)、(iii)大気圧における水中の自由(未封入)マクロ気泡、及び(iv)大気圧におけるブレント原油中の自由(未封入)マクロ気泡。
表1に、大気圧における水中のデフィニティ(商標)マイクロ気泡に対して、平衡気泡半径が範囲0.5〜10μmに渡って増加すると、f1max特徴が範囲約1.54X10〜3.6X10kHzに渡って減少する様子を示す。任意の所定の平衡気泡サイズにおいて、f1max特徴は、固体質量負荷が増えると減る。たとえば、付着固体質量負荷が1μmの平衡気泡半径に対して範囲0〜10pgに渡って増えると、約6.55X10から6.35X10kHzへとなる。

表1音響応答のf1max、f1min、及びf2max特徴の周波数(kHz)を、平衡半径R_0(μm)及び付着固体(脂質/ポリマー層)質量負荷M_S(ピコグラム)の関数として、大気圧における水中の封入マイクロ気泡(デフィニティ(商標)特徴)の強制振動に対して示す(
)。連続する行を、付着固体質量負荷の各レベルにおいてf1max、f1min、及びf2max特徴のそれぞれに対して示す。NAとマーキングされた入力は、薄い付着層近似に違反している。

表2音響応答のf1max、f1min、及びf2max特徴の周波数(kHz)を、平衡半径(μm)及び付着固体(脂質/ポリマー層)質量負荷M_S(ピコグラム)の関数として、体温及び大気圧における完全ヒト血液中の封入マイクロ気泡(デフィニティ(商標)特徴)の強制振動に対して示す(
)。連続する行を、付着固体質量負荷の各レベルにおいてf1max、f1min、及びf2max特徴のそれぞれに対して示す。NAとマーキングされた入力は薄い付着層近似に違反している。
表2に、体温及び大気圧における完全ヒト血液中のデフィニティ(商標)マイクロ気泡に対して、平衡気泡半径が範囲0.75〜10μmに渡って増加すると、f1max特徴が範囲約8.23X10〜3.4X10kHzに渡って減少する様子を示す。任意の所定の平衡気泡サイズにおいて、f1max特徴は、固体質量負荷が増えると減る。たとえば、付着固体質量負荷が1μmの平衡気泡半径に対して範囲0〜10pgに渡って増えると、約5.76X10から5.7X10kHzへとなる。

表3音響応答のf1max、f1min、及びf2max特徴の周波数(kHz)を、平衡半径(mm)及び付着固体(ガラスバロティーニ)質量負荷(mg)の関数として、大気圧における水中の自由(未封入)マクロ気泡(
)の強制振動に対して示す。連続する行を、付着固体質量負荷の各レベルにおいてf1max、f1min、及びf2max特徴のそれぞれに対して示す。「NA」とマーキングされた入力は、薄い付着層近似に違反している。「Inf」とマーキングされた入力は、干渉最小応答周波数f1minの位置が、非負荷気泡の平衡半径が5mmに近づくにつれて、無限値の方に移ることを示す。
表3に示すのは、平衡気泡半径が大気圧における水中の自由気泡に対して範囲0.05〜5mmに渡って増加すると、f1max特徴が範囲約66.33から0.65kHzに渡って減少する様子である。任意の所定の平衡気泡サイズにおいて、f1max特徴は、固体質量負荷が増えると減る。たとえば、付着固体質量負荷が1mm平衡気泡半径に対して範囲0〜10mgに渡って増えると、約3.28から2.74kHzへとなる。

表4音響応答のf1max、f1min、及びf2max特徴の周波数(kHz)を、平衡半径(mm)及び付着固体(ガラスバロティーニ)質量負荷(mg)の関数として、大気圧におけるブレント原油中の自由(未封入)マクロ気泡(
)の強制振動に対して示す。連続する行を、付着固体質量負荷の各レベルにおいてf1max、f1min、及びf2max特徴のそれぞれに対して示す。「NA」とマーキングされた入力は、薄い付着層近似に違反している。「Inf」とマーキングされた入力は、干渉最小応答周波数f1minの位置が、非負荷気泡の平衡半径が5mmに近づくにつれて、無限値の方に移ることを示す。
表4に示すのは、平衡気泡半径が大気圧におけるブレント原油中の自由気泡に対して範囲0.05〜5mmに渡って増加すると、f1max特徴が範囲約68.91から0.68kHzに渡って減少する様子である。任意の所定の平衡気泡サイズにおいて、f1max特徴は、固体質量負荷が増えると減る。たとえば、付着固体質量負荷が1mm平衡気泡半径に対して範囲0〜10mgに渡って増えると、約3.46から2.74kHzへとなる。
液体または液体様媒体中の気泡の1つ以上の特性を推定するデバイスであって、液体または液体様媒体を収容するかまたはそれらの通過を可能にするチャンバまたは容器であって、液体または液体様媒体は1つ以上の気泡を支持する、チャンバまたは容器と、1つ以上の気泡を共振周波数で振動するように音響的に励起するように構成された少なくとも1つの音源と、音源から発せられた第1の信号を検出し、気泡振動から生成された第2の信号を検出する少なくとも1つの広帯域音響検出器と、(i)検出された第1及び第2の信号に対して周波数ドメイン解析を行なうことによって少なくとも第1及び第2の特徴を導き出すことであって、第1の特徴は周波数干渉最小f1minを含み、第2の特徴は気泡共振基本周波数最大f1maxを含む、導き出すことと、(ii)少なくとも第1及び第2の特徴から1つ以上の気泡特性を推定することと、を行なう制御手段と、を含むデバイスが提供される。
制御手段はさらに、第2高調波共振応答周波数f2maxを含む第3の特徴を導き出しても良い。
制御手段は、周波数ドメイン解析を、検出された第1及び第2の信号、または第1、第2、及び第3の信号に対して行なって、第1f1min及び第2特徴f1max、または第1f1min、第2f1max、及び第3の特徴f2maxを決定するように動作しても良い。
一実施形態では、デバイスは配列内で整合的に動作するように構成された複数の音源を含んでいても良い。
前記または各音源は、測定すべき気泡の十分な音響励起に適した性能特性を有する音響トランスデューサの1つであっても良い。トランスデューサが気泡位置において十分な音響パワーをもたらして、好適な音響受信部によって検出可能な軽い音響励起を発生させる必要である。好ましくは、音源音響パワーを、解析中のシステムに対して起こり得る平衡サイズ、付着固体質量負荷、及び封入層特性の気泡の軽い音響励起に対応付けられる基本共振励起周波数及び音源気泡応答干渉最小周波数(f1max及びf1min特徴)の範囲に渡って分配する。
当然のことながら、軽い音響励起が生じるのは、気泡が基本応答周波数及び結合高調波の両方において励起されて安定振動になるときである。これは、より高いレベルの励起において不安定または過渡的キャビテーションが生じる状況を除外している。安定な応答の場合、気泡壁の挙動を、共振解析によって決定すべき周波数及び振幅を伴う振動関数の形で表現することができる。数学的に言えば、軽い音響励起は以下の2つの状態下で生じる。
解析で用いる摂動パラメータ
は1と比べて小さい(
)。これを用いて、気泡の音響強制振動の振幅
に対する制限不等式を、環境バックグラウンド圧力に対して、
と書くことができる。ここで、
は平衡気泡半径
における表面張力であり、
は環境局部圧力である。一気圧における水の場合、これは、平衡半径
(気泡壁において約101.3kPa励起圧力振幅)を伴う自由気泡に対して
、及びデフィニティ(商標)特徴及び平衡半径
を伴う封入気泡に対して
(気泡壁において〜243kPa励起圧力振幅)となる。
気泡壁振動のスケール変更された最大振幅応答
は、気泡壁の振動のごく一部が共振励起状態下であることを確実にするために、1と比べて小さい(
)と仮定する。気泡振動動力学の解析において平衡気泡サイズに関連する質量負荷非線形因子に対して特徴値を採用することによって、気泡壁部分振動応答不等式
が提案される。被負荷気泡(
)の気泡振動の基本周波数における気泡壁応答の最大振幅を用いて、環境バックグラウンド圧力に対する気泡の音響強制振動の振幅
に対する上限値を推定して、気泡壁部分振動応答不等式を満たすことができる。この上限値を以下のように書くことができる。
。ここで、振動する気泡のスケール変更された固有角振動数
、液体減衰項
、及び封入層減衰項
は、以下によって規定される。
たとえば、一気圧における水の場合、これは、平衡半径
(気泡壁において約20Pa励起圧力振幅)を伴う自由気泡に対して
、及びデフィニティ(商標)特徴及び平衡半径
(気泡壁において約160kPa励起圧力振幅)を伴う封入気泡に対して
となる。当然のことながら、気泡サイズが大きくなると、これは、気泡位置における音響刺激の最大許容振幅に対して、かなり、より制限のある限定である。しかし、さらに当然のことながら、基準は、正確な共振励起周波数で生じる最大気泡壁音響振幅応答に基づいている。ミリメートルサイズの気泡の場合、共振応答の品質係数は高く、したがって高振幅気泡壁振動のみが小さい周波数範囲に渡って生じる。実際には、音響パワーは音源によって励起周波数の周りのより広範囲の周波数に渡って送出されるため、状態はより緩和される。また、特徴周波数は音源強度とは無関係であるため、質量負荷非線形因子が気泡振動に対して著しく変わっているときでも、気泡音響応答の基本周波数は変わらない。
第1の例として、浅水中の封入(デフィニティ(商標)特徴)マイクロ気泡で、平衡サイズが範囲R=0.5〜10μm、付着固体質量負荷が範囲M=0〜1000pgの場合、音響励起周波数の範囲は、ほぼ0.3〜50MHである必要がある(表1を参照)。平衡サイズ範囲がR0=0.05〜2.5mmで付着固体質量負荷が範囲MS=0〜100mgである浅水中の自由気泡の場合、音響励起周波数の範囲は〜1〜70kHzである必要があろう(表3を参照)。気泡のより高い密度と整合してガス空隙率が増加すると、受信部によって検出可能な十分な送信音響パワーを発生させるために、より高い電力変換器が(音源と検出器との間の固定距離に対して)必要となる場合がある。
音響検出器は広帯域である必要があり、少なくとも、音源が発生させる所定の範囲の超音波照射周波数によって解析中のシステムが発生させることができるf1max及びf1min特徴の範囲と一致する周波数の範囲に渡って、平坦な応答であるような特徴を有する必要がある。実施形態としてf2max特徴も要求される場合、応答周波数の音響検出器範囲は、封入マイクロ気泡に対する音源が生成する範囲とほぼ同じであり、マクロ気泡に対する音源が生成する範囲のほぼ2倍である。たとえば、平衡サイズが範囲R=0.5〜10μmに渡り、付着固体質量負荷が範囲M=0〜1000pgに渡る浅水中の封入(デフィニティ(商標)特徴)マイクロ気泡の場合、音響検出器応答周波数の範囲は約0.3〜50MHである必要があろう。平衡サイズが範囲R0=0.05〜2.5mmであり、付着固体質量負荷が範囲MS=0〜100mgである浅水中の自由気泡の場合、音響検出器応答周波数の範囲は約1〜140kHzである必要があろう(表3を参照)。
好適な侵入型及び非侵入型音響及び超音波センサとして、応答周波数のこれらのすべての範囲に渡って分光分析に適した平坦な周波数応答を有するものが市販されている。マクロ気泡特徴の侵入型測定の場合、ブリュエル&ケアタイプ8103〜8106範囲またはベントウェーブBII−7000シリーズと同様の特徴を伴うハイドロホンが、用途の詳細に応じて適切である可能性がある。封入マイクロ気泡特徴の侵入型測定を行なう場合、プレシジョンアコースティックスの40ミクロン〜1.0mmプローブまたはフォーステクノロジの小型超音波ハイドロホンと同様の特徴を伴う針ハイドロホンが、用途の詳細に応じて適切である可能性がある。マクロ気泡特徴の非侵入型測定の場合、広帯域加速度計、たとえばエンデブコ7259B−10が、より大きい気泡を特徴付けるのに適している可能性があり、より高い周波数の広帯域音響放出センサ、たとえばキストラー8152B(バレンシステメ、またはフィジカルアコースティックス社)において、範囲がより小さいマクロ気泡を特徴付けるのに適している可能性がある。封入マイクロ気泡特徴の非侵入型測定の場合、広帯域高周波圧電センサに基づく超音波センサ(たとえばウルトラン範囲におけるもの)が用途の詳細に応じて適切である可能性がある。
前記または各音源は、チャンバの内壁もしくはチャンバの外壁上に、または気泡を収容する液体のボディ内に位置していても良い。
チャンバの内壁は1つ以上の無響材料層を含んでいても良い。
デバイスはマイクロ流体デバイスであっても良い。
なお、用途の前述の主題の種々の特徴のいずれかを、好適に所望通りに組み合わせることができる。
優位なことに、本発明の実施形態はまた、侵入的な影響が最小の状態で広範囲の物理的位置で、その場で、オンラインで用いることもできる。本発明の実施形態では、トランスデューサ及び受信部システムの特殊性が生じる傾向がある振幅またはパワーの大きさの情報を用いることを回避している。
提案する方法によって、低〜中程度の音響パワーにおいて超音波照射強度とは無関係な特徴周波数の音響特徴に基づいて気泡特性に対する一意で堅固な解が得られる。これに関連して、中程度の音響パワーは、共振基本及び第2の周波数において定常振動として現れる軽い非線形応答を発生させるが過渡的キャビテーションを回避すると言われる。本発明の実施形態では、気泡特性に対する不良設定逆問題の解に基づく技術に付随する問題を回避している。たとえば位相速度及び減衰に基づく音響方法に付随するものである。
さらに、液体様媒体の1つ以上の特性を推定する音響方法であって、音源を駆動して、液体様媒体中の少なくとも1つの気泡を共振周波数で振動するように音響的に励起することと、検出器内で、音源から発せられて少なくとも1つの気泡を音響的に励起するように配列された第1の信号を検出し、気泡振動から生成された第2の信号を検出することと、検出された第1及び第2の信号に対して周波数ドメイン解析を行なうことによって少なくとも第1及び第2の特徴を導き出すことであって、第1の特徴は周波数干渉最小f1minを含み、第2の特徴は気泡共振基本周波数最大f1maxを含む、導き出すことと、少なくとも第1及び第2の特徴から液体様媒体の1つ以上の特性を推定することと、を含み、音源から検出器までの距離と、音源から少なくとも1つの気泡までまたは検出器から少なくとも1つの気泡までの距離とは、予め決まっている音響方法。
「きれいな」気泡(ゼロ付着固体であるもの)の場合、このような特性として媒体密度(固体体積濃度)及び粘性を挙げても良い。封入マイクロ気泡の場合、このような特性としては表面膨張粘性及び液体粘性を挙げても良い。
前述したようなデバイスを用いて本方法を行なっても良い。優位なことに、この方法によって、アクティブな音響刺激に対する媒体中の非負荷気泡の応答に基づいて、推定を液体様媒体の固体質量分率(たとえば、原油スラリの砂量)で形成することができる。
第1の実施形態では、気泡平衡半径Rを、以下の関係を用いて推定しても良い。


ここで、rSBは音源と気泡との間の距離を示し、rは音源から検出器までの距離を示す。
この実施形態では、液体様媒体の密度を以下の関係を用いて推定しても良い。


ここで、媒体周囲圧力p、平衡気泡半径における表面張力σ、及びガスポリトロープ指数
は予め決まっている(未封入気泡に対してゼロ弾性圧縮係数を仮定する)。
さらに、固体容積割合を以下の関係を用いて推定しても良い。


ここで、少なくとも1つの気泡と検出器との間の液体様媒体は二相であり、固体(粒子)及び純液体相(密度
及び
はそれぞれ知られている)を含んでいる。
第2の実施形態では、本方法はさらに、第2高調波共振応答周波数f2maxを含む第3の特徴を導き出すことを含んでいても良い。
第2の実施形態では、気泡平衡半径Rは以下の関係を用いて推定しても良い。

液体様媒体の密度
は以下の関係を用いて推定しても良い。


ここで、媒体周囲圧力p、平衡気泡半径における表面張力σ、封入層弾性圧縮係数
、及びガスポリトロープ指数
は予め決まっている。
さらに、正味粘性
は以下の関係を用いて推定しても良い。


ここで、
である。係数

によって規定され、ここで
である。
さらに、液体様媒体中の少なくとも1つの非負荷気泡の平衡サイズ及び位置を推定する音響方法であって、液体様媒体中の1つ以上の気泡を共振周波数で振動するように音響的に励起することと、音源から発せられ、1つ以上の気泡音響的に励起するように配列された第1の信号を検出し、1つ以上の気泡振動から生成された第2の信号を検出することと、検出された第1及び第2の信号に対して周波数ドメイン解析を行なうことによって少なくとも第1、第2、及び第3の特徴を導き出すことであって、第1の特徴は周波数干渉最小f1minを含み、第2の特徴は気泡共振基本周波数最大f1maxを含み、第3の特徴第2高調波共振応答周波数f2maxを含む、導き出すことと、Rを、3つの特徴のそれぞれから、気泡表面膨張粘性(
)、液体粘性(μ)、及び液体様媒体の密度(
)の演繹的知識に基づいて推定することと、少なくとも1つの気泡の位置を、Rを用いて推定することと、を含む音響方法が提供される。
気泡の平衡半径
を以下のように表現しても良い。

、ここで

気泡の位置を次に以下の関係により推定しても良い。

本方法はさらに、液体様媒体の環境圧力または気泡ガスポリトロープ指数を推定することを含んでいても良い。気泡ガスポリトロープ指数が分かっていると、気泡の内部の未知のガスの化学種を突き止めることができる。
液体様媒体の環境圧力(
)を以下の式から決定しても良い。

代替的に、気泡ガスポリトロープ指数(
)を以下の式から決定しても良い。

この方法の優位な点は、気泡平衡半径を、気泡から音源までの距離とは無関係に、または気泡から音響受信部までの距離とは無関係に、決定できることである。
さらにまた、液体様媒体中の少なくとも1つの被負荷気泡の平衡サイズ、付着固体質量負荷、及び位置を推定する音響方法であって、液体様媒体中の1つ以上の気泡を共振周波数で振動するように音響的に励起することと、音源から発せられ、1つ以上の気泡を音響的に励起するように配列された第1の信号を検出し、1つ以上の気泡振動から生成された第2の信号を検出することと、検出された第1及び第2の信号に対して周波数ドメイン解析を行なうことによって少なくとも第1、第2、及び第3の特徴を導き出すことであって、第1の特徴は周波数干渉最小f1minを含み、第2の特徴は気泡共振基本周波数最大f1maxを含み、第3の特徴第2高調波共振応答周波数f2maxを含む、導き出すことと、Rを、3つの特徴のそれぞれから、気泡表面膨張粘性(
)、液体粘性(μ)、気泡表面張力(σ)、気泡ガスポリトロープ指数(
)、及び液体様媒体の環境圧力(
)に演繹的知識に基づいて推定することと、付着固体質量負荷MをRを用いて推定し、R及びMを用いて前記1つ以上の気泡の位置を推定することと、を含む音響方法が提供される。
気泡の平衡半径
と3つの各特徴との間の関係は、あるパラメータの演繹的知識に基づいて、関係
を用いて決定しても良く、ここで、
である。
気泡表面質量負荷(
)を、質量負荷係数(
)から、関係
を用いて推定しても良く、ここで、δは、
によって規定される表面固体密度係数であり、
である。
次に気泡の位置を、関係
により推定しても良く、ここで、係数
は、表面質量被負荷気泡の場合は、式
よって規定される。
この方法の優位な点は、気泡平衡半径及び付着固体質量負荷を、気泡から音源までの距離とは無関係に、または気泡から音響受信部までの距離とは無関係に、決定できることである。
本発明をより明瞭に把握し得るように、次に実施形態を、添付図面を参照して一例として説明する。
液体中、付着固体で覆われた封入弾性層によって囲まれた単一のガス気泡が音源によるアクティブな音響刺激及び受信部によるモニタリングを受けている状態を示す概念モデルの概略図である。 平衡気泡サイズの辺りの部分振動半径の関数として質量負荷係数に対する曲線例を例示するグラフである。 自由気泡基本共振周波数付近での受信部周波数の関数としての受信部圧力パワースペクトルのグラフである(1mm平衡気泡半径ならびに0、1及び10mg付着固体質量負荷)。 自由気泡第2高調波共振周波数付近での受信部周波数の関数としての受信部圧力パワースペクトルのグラフである(1mm平衡気泡半径ならびに0、1及び10mg付着固体質量負荷)。 封入マイクロ気泡基本共振周波数付近での受信部周波数の関数としての受信部圧力パワースペクトルのグラフである(1μm平衡気泡半径ならびに0、10及び100pg付着固体質量負荷)。 封入マイクロ気泡第2高調波共振周波数付近での受信部周波数の関数としての受信部圧力パワースペクトルのグラフである(1μm平衡気泡半径ならびに0、10及び100pg付着固体質量負荷)。 音響受信部平均圧力パワースペクトルにおける最大の周波数(共振基本周波数付近)の、平衡気泡半径及び付着固体質量負荷(0.25〜2.5mm平衡気泡半径及び0〜10mg付着固体質量負荷)の関数としての等高線図である。 音響受信部平均圧力パワースペクトルにおける最小の周波数(共振基本周波数付近)の、平衡気泡半径及び付着固体質量負荷(0.25〜2.5mm平衡気泡半径及び0〜10mg付着固体質量負荷)の関数としての等高線図である。 共振最小及び最大の受信した平均音響パワーの周波数の関数としての気泡半径の等高線図である(1.8〜5.0kHz共振最小及び1.3〜5.0kHz共振最大)。 気泡付着固体質量負荷の、共振最小周波数と最大及び最小受信平均音響パワーの周波数間の差の周波数との関数としての等高線図である(1.3〜5.0kHzの共振最大ならびに0.0〜0.6kHzの共振最大及び最小間の差)。 掃引音響信号によって超音波照射される気泡(約0.9mm平衡半径及び約0.85mg付着固体)の総音響応答のパワースペクトルのグラフである。 図6aの気泡応答パワースペクトルをバックグラウンド(気泡不在の)パワースペクトルによって規格化したグラフである。 適切な繰り返しバースト音響信号により超音波照射された同様のサイズの気泡の単一上昇流の総音響応答の規格化パワースペクトルのウォーターフォールプロットのグラフである。パワースペクトルは、周波数及び気泡生成速度の関数である。 適切な繰り返しバースト音響信号によって超音波照射される同様のサイズの上昇する気泡の雲または群れの総音響応答のパワースペクトルのグラフである。 本発明の一実施形態による音響スペクトロメーターの概略図である。 本発明のさらなる実施形態による音響スペクトロメーターの概略的な平面図である。 図4Aに示す音響スペクトロメーターの概略的な正面断面図A−Aである。 本発明のさらに別の実施形態による音響スペクトロメーターの概略的な平面図である。
実施形態は全般的に、音響分光法を利用して液体中の気泡の種々の特性を測定する方法及び装置に関する。
本明細書の全体に渡って、用語「自由気泡」は周囲の液体からの空気または他のガスまたはガス蒸気が満たされた空洞を指す。自由気泡には、気泡自体からの空気またはガスの漏れを防止する人工的な境界は全くなく、その結果、不安定である傾向がある。自由気泡は、液体の最上部まで浮いて重力の影響下で消滅しても良いし、または表面張力に起因して液体に溶解しても良い。自由気泡は、固体粒子によって、部分的であろうと完全であろうと、負荷がかかっている/覆われていても良いし、または負荷がかかっていない/覆われていなくても良い。これに対し、用語「封入気泡」は、急速なガス溶解を防止して気泡を安定にする封入弾性シェルを伴う気泡を指す。封入気泡は同様に、固体粒子によって負荷がかかっている/覆われていても良いし、または負荷かかっていない/覆われていなくても良い。封入気泡が覆われている場合、固体粒子は典型的に封入弾性材料内に埋め込まれている。このような封入シェルの形成を担う技術は、当業者であれば理解する。用語「きれいな気泡」は、自由であっても良いしまたは封入されていても良いが、負荷が全くない気泡を指す。
実施形態は全般的に、次のような原理で動作する。すなわち、液体中の気泡は、音源からの音響エネルギーで超音波照射されると、共振応答を示し、この応答は、周波数及び超音波照射音響エネルギーの大きさによって変化し、気泡の種々の特性、任意の封入可塑性層、任意の固体粒子負荷、及び周囲の液体媒体に依存する。気泡から送信される音響信号(並びに音源信号)を次に、受信部によって検出して、分析し、超音波照射された気泡のある特性を決定しても良い。フーリエ周波数パワースペクトル解析を、受信した音響信号に適用しても良く、ピークとして、気泡の基本及び第2高調波共振周波数に対応付けられ、またいくつかの実施形態では、受信部の位置における音源及び気泡音波の重ね合わせに起因して生じる干渉最小にも対応付けられるピークを特定しても良い。
信号解析によって、基本共振周波数f1max、干渉最小f1min、及び第2高調波最大f2maxが決定されたら、これらの値を用いて、超音波照射された気泡のある特性、たとえば平衡半径R、付着固体質量負荷M、及び封入層膨張粘性κを推定することができる。
誤差限界を、種々の方法による種々の気泡特性の推定値に対して求めることができる。これらには、各気泡特性及び同じ方程式における各従属変数(受信部周波数特徴、ガスの特性、任意の封入可塑性層、固体粒子負荷、周囲の液体媒体、及びシステムの幾何学的配置)の推定値の変動に対する既知の解析解に基づいて誤差伝播式を用いることが含まれる。別のアプローチは、モンテカルロ法を用いて、種々の気泡特性に対して従属変数にランダム誤差を導入することに基づいて誤差推定値を得ることとすることができる。気泡特性の推定値の精度を、受信部スペクトルデータの周波数分解能及び音響パワー感度を増加させることによって向上させることができる。より小さい気泡サイズに対して音源、気泡(複数可)、及び受信部(複数可)間の距離を短くし、音源信号のパワーを増加させる(軽い音響励起を維持したまま)ことによっても、気泡パラメータ推定値の確実性を上げることができる。最適形式の音源信号であれば、関心のある用途に対して予想される平衡サイズ、付着固体質量負荷、及び表面層弾力性の範囲にある気泡に対する周波数の範囲に渡って一様な音響励起が得られる。気泡特性を、超音波照射される気泡の音響応答の理論モデルから以下に導き出す方程式を用いて推定することができる。
気泡半径非線形強制振動モデル
モデル公式化
図1は、液体104中、付着固体で覆われた単一のガス封入気泡102が、音源によるアクティブな音響刺激と受信部(図示せず)によるモニタリングとを受けている状態を示す概念モデル100の概略図である。共振周波数において低駆動音場にさらされた固体被負荷気泡は、最小気泡半径108と最大気泡半径110との間で平均半径R106の辺りで単振動を受ける。気泡ガス102と周囲の疑似固体層112との間の境界は、気泡を封入する薄い弾性単層シェル114からなり、その結果、ミクロンサイズの気泡の場合、気泡は長時間存続することができる。図1に例示する代替的な視点は、疑似固体層自体112が、封入弾性材料114内に埋め込まれた固体粒子からなるということである。理解されるように、自由気泡の場合には、気泡ガスと周囲の疑似固体層との間の境界は直接の相界面である。
気泡壁は、任意の時点(平衡半径R)において半径R(t)であり、また厚さε(t)及び密度ρatt(t)の疑似固体の層によって囲まれている。疑似固体の層は、気泡表面に付着した密度ρの固体粒子と、隙間にある密度ρの非圧縮性液体とを含んでいる。
いくつかの主要なモデル仮定は以下の通りである。a)付着固体粒子サイズは気泡サイズよりも著しく小さい。b)疑似固体層は気泡サイズよりも著しく小さい。c)付着固体は気泡の表面上に一様に拡散している。d)気泡に付着する固体の質量は常に一定であると仮定する。e)疑似固体層の外側では、非圧縮性液体が無限距離まで延びている。f)音源から直線が気泡を通って音響受信部まで存在していて、音源から受信部までの音線経路に気泡から受信部までの音線経路が含まれるようになっている。
したがって受信部は、送信中の音源及び気泡応答の両方を検出しても良い。
なお、重力及びスラリーに対する気泡の動きの、気泡及び疑似固体層の両方の形状に対する効果は、この解析では考慮していない。
気泡は駆動音響圧力場にさらされると、非線形発振器として挙動する。変更された形式のレイリープレセット方程式を、可能な封入弾性シェル、周囲の疑似固体層における粒子としての固体の付着質量、及び音源による正弦的な強制振動の場合における単一気泡の非線形の球形振動に対して、導き出すことができる。
平衡半径Rの気泡を囲む液体が、気泡が印加圧力場P(t)に起因して半径R(t)に変化するときに得る運動エネルギーは、以下のように書くことができる。

(1)
疑似固体層の厚さε(t)は以下のように書くことができる。

(2)
ここで、δは付着固体体積分率であり、ρattは付着疑似固体密度である。付着層及び純粋な固体密度は
によって関係する。ここで、φは付着固体質量分率である。それらはまた、構成関係式
に従う。疑似固体及び周囲の液体層は両方とも非圧縮性であると仮定する。この結果、気泡の外側の任意の半径方向位置における液体流を、気泡壁における流れと等しくする以下の非圧縮性条件が得られる。

(3)
方程式(2)及び(3)を方程式(1)に導入することによって、気泡を囲む液体の運動エネルギーに対する以下の式が、任意の時点における気泡の半径及び疑似固体層の厚さの形で導かれる。

(4)
ここで、疑似固体対液体密度の比は以下によって規定される。

(5)
任意の時点において「薄い」疑似固体層を仮定することによって(
)、気泡を囲む液体の運動エネルギーに対して以下の式が得られる。

(6)
ここで、質量負荷係数Γは次のように規定される。

(7)
また方程式(7)を、方程式(5)及び付着疑似固体と純粋固体密度との間の以下の構成関係式を用いて書くことができる。

(8)
気泡から遠くで圧力
(印加された強制振動音響圧力
及び周囲圧力
)によって行なわれる仕事と、気泡壁のすぐ外側のスラリー中で圧力
によって行なわれる仕事との差は以下で与えられる。

(9)
任意の時点において、液体が得る運動エネルギーは、プロセス中に行なわれる仕事の差に等しい。

(10)
付着固体負荷層の特性に対する気泡振動半径の効果に対して2つの場合が考えられる。a)気泡表面上に球対称に配列された粒子の単層、及びb)互いの最上部上で詰められて気泡表面上に球対称に配列された粒子の「薄い」多層。
(a)の場合、気泡が膨張及び収縮すると付着固体体積分率δは変化する(
)が、疑似固体層厚さ
は一定で、個々の固体粒子の半径
の2倍に等しい。これには以下の意味が含まれる。

(11)
(b)の場合、互いの最上部上で詰められて気泡表面上に球対称に配列された粒子の「薄い」多層。この場合、疑似固体層厚さεは気泡が膨張及び収縮すると変化するが、付着固体体積分率δは一定である。この場合、弾性層内に埋め込まれた固体粒子の状況をより綿密にモデル化しても良い。方程式(2)及び付着固体の質量が一定であるという仮定を用いて、以下の関係が得られる。

(12)
しかし両方の場合において、方程式(7)から、気泡振動半径に対する質量負荷係数の依存性は同じであることを示すことができる。これはまた、方程式(8)(両方の場合で適用される)から直接定めることができる。質量負荷係数の気泡振動半径についての微分を、両方の場合において以下のように書くことができる。

(13)
方程式(6)及び(9)を方程式(10)に代入し、そして気泡振動半径について微分する。方程式(13)を考慮すると、単層及び「薄い」多層付着固体負荷の両方に対して有効な以下の関係が得られる。

(14)
気泡壁のすぐ外側のスラリー中の液体圧力pは、気泡内部の気体圧力から、気泡壁界面に渡る境界条件を介して求まる。ガスポリトロープ指数κ、表面張力σ、液体粘性μ、及び任意の弾性層の表面膨張粘性κを考慮して、気泡のすぐ外側の液体圧力を次のように書いても良い。

(15)
ここで、
は平衡気泡半径における表面張力である。
総局部圧力(周囲プラス音響強制振動)に対する方程式(15)及び式
を、方程式(14)に代入する。結果は、粘性液体中の単一気泡が、封入弾性層及び外部疑似固体付着層の場合に、音響励起を受けたときの非線形球形振動に対する以下の変更された形式のレイリープレセット常微分方程式である。

(16)
方程式(16)は、ゼロ付着固体質量負荷及びゼロ液体及び弾性層粘性の場合はレイリープレセット方程式に戻る。これは、強力な強制振動の場合に高度に非線形であることが良く知られている。
弾性層封入気泡に対する方程式(16)における気泡半径依存性の表面張力係数σ(R)を、弾性圧縮係数χとR平衡値からの気泡半径の差とに線形比例しているとしてモデル化する。

(17)
方程式(17)は、封入気泡の小さい振動に対する弾性領域表面張力モデルに従う。自由気泡の場合、方程式(17)は平衡気泡サイズに関係する表面張力に戻る。
単色の正弦波圧力強制振動項を以下のように書くことができる。

(18)
ここで、ηは気泡位置における環境バックグラウンド圧力に対する気泡の音響強制振動の振幅であり、Ωは圧力強制振動の角振動数であり、tはスケール変更されていない時間である。なお、この解析では正弦的な音響励起を用いている。なぜならば、それは比較的従順な形式の強制振動(摂動解析に対する)で、主要な結果を示すのを助けるからである。
摂動法によるモデル解
軽い音響励起に対する音響特徴と気泡物理特性との間の主要な関係に対する見識を得ることができる方程式(15)の解に対するアプローチは、定常振動に対する近似解析解を求めることに基づいている。ここでは線形化方法を用いて、変更されたレイリープレセット方程式を小振幅励起の場合の解析解に対して従順にしている。その結果、気泡応答が基本及び第2高調波の定常振動解に分離される。
線形化手順における第1のステップは、気泡振動の振幅に対する付着固体質量負荷非線形因子
の依存性を試験することである。気泡平衡半径
の分数
としての気泡の半径方向振動が以下によって規定される。

(19)
図2に示すのは、平衡気泡サイズの辺りの部分振動半径の関数としての質量負荷係数
(無次元)に対する曲線例である。この例は、質量M=1mgの固体粒子から負荷を受けるサイズR=1mmの気泡、または同等に質量M=1pgの固体粒子から負荷を受けるサイズR=1μmのマイクロ気泡の両方に該当する(方程式(8)を参照)。液体及び固体密度はそれぞれ
及び
である。実線210は、気泡振動半径に対する質量負荷非線形因子(方程式(8))の変化を表す。点線220は、平衡気泡半径に関連する質量負荷非線形因子の特徴(一定)値である。質量負荷非線形性の特徴値は、非負荷気泡に対しては1の値よりも約5%だけ大きい。大きな値の振動分数半径(x〜1)に対しては、1に向かう非線形因子漸近線である(方程式(8)を参照)。この意味は、気泡がその平衡サイズから膨張すると、気泡の振動動力学に対する付着固体質量の影響が小さくなるということである。他方では、気泡がその平衡サイズから収縮すると(x<0)、質量負荷係数は急速に大きくなる。この意味は、気泡振動動力学は気泡平衡半径に対して非対称であり、大きな振動に対する収縮段階の間に固体質量負荷によって強く影響されるということである。ここでは、平衡気泡サイズに関連する質量負荷非線形因子に対する特徴値を、気泡振動動力学の以後の解析に対して採用する。ただし、これが適正な近似であるのは、小振幅気泡振動(−0.25≦χ≦0.25)の場合だけであることに注意されたい。これは、O(1mg)固体質量の負荷を受けるO(1mm)半径気泡または同等にO(1pg)固体質量の負荷を受けるO(1μm)半径気泡のいずれか(両方ともこの検討に潜在的に関連する状況)に対応付けられる質量負荷非線形性項に対して適正な第1の近似であると思われる。
小振幅強制振動及び気泡音響応答の場合、封入弾性層及び外部疑似固体付着層を伴う粘性液体中の半径Rの単一気泡の非線形振動を記述する変更したレイリープレセット方程式を、以下のように近似することができる。

(20)
ここで、
は、気泡平衡半径に関連する質量負荷非線形因子の特徴値であり、
に対して方程式(8)によって与えられる通りである。この場合も、方程式(16)は封入気泡の弾性振動に対する表面張力を規定する。
方程式(20)(方程式(17)及び(18)を取り入れている)を、二次精度を伴う正則摂動アプローチ用いて気泡半径の定常振動運動に対して解析的に解く。同じアプローチを以前に用いて、種々のタイプの低振幅強制振動の状態下でレイリープレセット方程式を介してモデル化された非負荷気泡の誘導された非線形振動を分析している。正則摂動線形化によって、気泡壁の安定した基本及び第2高調波によって誘導される振動に対する解析式が得られる。
気泡壁のその平衡半径
の辺りの小さい部分半径方向振動(
)に対する摂動モデルを以下のように書くことができる。

(21)
ここで、x及びxはそれぞれ、部分半径方向振動振幅(方程式(18)で規定される)のゼロ次及び一次の摂動解である。ここで、ξは以下のように音響強制振動振幅ηの形で規定される摂動パラメータ(ξ<<1)である。

(22)
またPは、周囲気体圧力と平衡表面張力等価圧力との和であり、以下のように規定される。

(23)
方程式(18)の摂動解析から導き出された線形常微分方程式は、音響励起に対するゼロ及び一次の摂動気泡応答の時間挙動を記述している(方程式(17)及び(22)における定義を利用する)。強制され減衰された発振器方程式の結果として得られる結合対を、(部分半径方向振動における二次精度まで)以下のように書いても良い。

(24)

(25)
ここで、スケール変更された時間
及び角振動数
、時間及び角振動数スケーリング因子
、システムのスケール変更された固有角振動数
、液体及びシェル粘性減衰項
及び
は、それぞれ、以下のように規定される。

(26)
時間及び周波数スケーリングは
のように規定される。
二次の解の振幅を一次の解の振幅の二乗に結びつける結合係数αは、以下のように規定される。

(27)
弾性層封入された付着固体質量被負荷気泡の軽い音響非線形励起の場合の気泡の部分半径に対する摂動モデルの振動定常解は以下のようになる。
O(ξ):

(28)
方程式(28)によって与えられる一次の摂動解は、軽い音響励起に対する封入された固体被負荷気泡の基本共振応答を記述する。解の振幅は、音源スケール変更された強制振動角振動数、システムのスケール変更された固有角振動数、ならびに液体及び封入シェル粘性減衰項の振幅の関数である。角振動数ω*におけるシェル壁の一次の摂動応答の最大振幅

によって与えられる。ここで

O(ξ):

(29)
方程式(29)によって与えられる二次の摂動解は、軽い音響励起に対する封入された固体被負荷気泡の第2高調波(非線形)応答を記述する。解振幅係数

、及び
は、音源スケール変更された強制振動角振動数、システムのスケール変更された固有角振動数、ならびに液体及び封入シェル粘性減衰項の振幅の関数である。スケーリング因子を以下のように書いても良いことを示すことができる。

(30)

(31)及び、

(32)
ここで、係数β及びγは以下のように規定される。

(33)
受信部圧力モデル
非圧縮性液体中の球面振動気泡によって放射される圧力Pを、オイラーの流体力学方程式から導き出すことができる。この結果、以下の非線形常微分方程式が得られる。

(34)
ここで、変数rは気泡から受信部までの距離である。なお、圧力場モデリングにおける非圧縮性仮定の結果として、液体中の音速は無限であり、したがって気泡振動は液体を通って受信部まで即座に送信される。
このモデルでは、気泡と音響受信部との両方が励起源のビーム内で位置合わせされ、気泡は音源と受信部との間にある。したがって受信信号は、送信中に検出される音源及び気泡応答の両方に起因する成分の重ね合わせである。音源と気泡との間に距離rSBが存在する。さらに、音源から気泡を通って音響受信部までの直線経路の場合、音源から気泡及び気泡から受信部までの距離は、音源と受信部との間の固定距離(
)の形で単純に規定しても良い。
気泡壁部分振動に対する正則摂動モデル(方程式(21))を放射気泡応答圧力場に対する方程式(34)に導入すると、受信部における気泡に起因する音響圧力に対する以下の方程式が導かれる。

(35)
気泡応答圧力場に対する方程式(35)に対する摂動解は、気泡部分振動に対して第1及び第2高調波解(方程式(28)及び(29))を挿入することによって求めることができる。
受信部における総(測定)圧力は、その時点での気泡(応答)と音源(強制)圧力との合計である。気泡応答部分振動の第1及び第2高調波に対する音源及び摂動モデル解に起因する全圧Ptotは以下のように書いても良い。

(36)
この受信部の全圧の解の振幅係数を以下のように書いても良いことを示すことができる。

(37)
なおこのモデルでは、圧力振幅Pは、音源(気泡応答を励起する)に起因するが、ここでは受信部位置に適した値を用いている。音源を点としてモデル化して、気泡位置(r=0)において、圧力外乱振幅が方程式(17)で用いたものと一致して気泡強制振動項を規定するようにする。これには、励起源に起因する圧力変動が、受信部までの見通し線に沿った気泡からの半径方向距離に反比例するという意味が含まれている。この場合も、波速度を無限としてモデル化することで、音源、気泡、及び受信部間の有限の外乱移動時間に起因する圧力相差を考慮しない。方程式(26)における位相差φは純粋に、気泡における音源圧力変動と気泡壁応答との間の遅延(液体粘性によって生じる(方程式(28)を参照))に起因する。
受信部圧力平均パワーモデル
受信部における圧力場における総平均パワーを、一定のバックグラウンド(
)、音源励起周波数(
)、及び二重励起周波数(
)寄与の形で、以下のように書いても良い。

(38)
スケール変更された角振動数ω及び2ωにおける平均の圧力寄与を、全受信部圧力の振幅係数(方程式(37))及び強制励起に対する気泡壁振動応答の位相角φの形で、以下のように規定することができる。

(39)及び

(40)
方程式(39)及び(40)は、受信部位置における圧力場における総平均パワーを、直交成分の形で、励起源の周波数及び同じ周波数の2倍の両方において、点音源及び音源と受信部との間に配置された単一気泡の励起応答に起因して、規定する。これらには、音源圧力振動と気泡応答との間の位相角に起因する干渉効果が含まれる。方程式(39)及び(40)を用いて、音響励起に対する気泡共振応答の基本及び第2高調波の周波数と、受信部位置における音源及び気泡応答平均パワー圧力場間の最大の相殺的干渉の周波数とを、特定することができる。
周波数の関数としての受信部圧力平均パワーにおける局値の位置
音源励起周波数における受信部圧力場における総平均パワー
音源励起周波数における受信部圧力場における総平均パワー(方程式(39))の解析を、音源周波数の関数として受信部圧力パワーにおける任意の最大及び最小の周波数位置を決定するために始めた。
最大圧力パワー応答の周波数は、音響的に励起された気泡の強制共振の基本波を用いて特定される。最小圧力パワー応答の周波数を、アクティブビームの音波と受信部位置で検出した気泡応答との間の最大の相殺的干渉の位置として特定する。この解析に対する動機は、可能性として軽い音響励起を受ける封入された固体被負荷気泡の音響共振最大及び干渉最小の周波数を予測する順問題に対する解を、気泡ガス、液体、固体、及び封入弾性層特性の関数として得ることである。気泡の強制音響共振干渉に関係する受信圧力パワーの最大及び最小の周波数の理論及び実験推定値の間の比較を用いて、気泡サイズ及び付着固体質量負荷を推定しても良い。これは、強制音響共振干渉モニタリング特徴に基づく気泡パラメータの推定に対する逆問題の解に対する前置きである。順問題を解くためにやはり詳しく調べた別のアプローチは、圧力高調波のモデル振幅の比に対する解析式を求めることに基づいている。しかし、関心のある多くの状況において、これは以下の両方に対して精度問題に至る可能性があることが分かっている。すなわち、理論推定値(気泡振動方程式の線形化において暗黙の気泡振動振幅制限の違反)及び実験推定値(活性化ビームと基本共振気泡応答との間の干渉があるため)である。それに応じて、この検討における順問題の解析は、音響的に励起された気泡の応答の周波数特徴を気泡特徴に関係付けることに集中している。
ここで、スケール変更された角振動数値
を、気泡音響励起の周波数において、受信部周波数の関数として受信部圧力場における総平均パワーでの変向点に対して求める。方程式(39)に対応付けられる変向点のスケール変更された角振動数は、以下の式を満たす
によって与えられる。

(41)
方程式(41)を、気泡半径振動振幅
及び位相角
(方程式(28))に対する最低次の摂動モデル解と、圧力方程式係数
及び
(方程式(37))の定義とを導入することによって評価する。この結果、受信部圧力場(励起周波数における)における最大及び最小の総平均パワーに対応付けられる受信部周波数に対応する2つの正値解を許す
の二次方程式が導かれる。この二次方程式は以下のように書くことができる。

(42)
ここで、変数
及び係数
は以下によって規定される。

(43)
係数
(全封入シェルの相対強度とシステムのスケール変更された固有角振動数に対する液体粘性減衰効果との二乗)は以下によって与えられる。

(44)
方程式(42)は、順モデルパラメータ値に関するどんな仮定も伴うことなく、一般的な場合の励起周波数での受信部圧力場における総平均パワーにおける極値の周波数位置について解くことができる。これは行なっており、また予想されるように、方程式(42)をその全体において解くことによって予測される極値周波数と、方程式(39)から順モデルパラメータに対するすべての値に対して算出される受信部圧力場の励起周波数成分(及び総)平均パワーにおける極値の観察値との間に正確な一致が存在する。受信部圧力場における総平均パワーの最大及び最小の周波数に対する順問題の一般的な場合の解を、関連性のある気泡、液体、ガス、固体及び封入弾性層特性の関数として示したものを以下に与える。これらの解は、生物医学的用途で用いる固体被負荷封入マイクロ気泡に適しており、またすべてのサイズの自由固体被負荷気泡にも適している。解を特別な場合
における順問題に対しても得る。これは、液体及び封入層膨張粘性が無視できる場合(またゼロ弾性層圧縮弾性率)に対応している(多くの産業用途において関心のある比較的大きな自由気泡に適している)。
なお、付加的な値情報も、気泡音響励起の2倍周波数における受信部圧力パワー曲線において任意の極値の理論上の周波数位置を設定することを目的とした同様の解析を始めることによって求めることができる。
すべてのサイズの封入及び自由気泡に対する一般的場合の解
方程式(42)の厳密解は、励起周波数での受信部圧力場における総平均パワーに対する最大及び最小の周波数
(ここで
)に対する以下の一般的場合の方程式になる。

(45)及び

(46)
方程式(45)及び(46)を用いて、軽く音響的に励起された固体被負荷気泡に対して受信部圧力場における基本共振最大及び干渉最小の総平均パワーの周波数を予測することができる。これは、任意のサイズの自由または封入気泡に適用される。
自由気泡及び無視できる液体粘性に対する特定の場合の解
比較的無視できる液体粘性に対する自由または未封入気泡(付着固体から負荷を受けていても良い)の音響応答の場合が、多くの工業状況において関心を持たれている。これは、
を方程式(45)及び(46)に代入した場合に起こる。液体粘性を無視するこのようなモデルによって予測される局値周波数と、受信部圧力場における総平均パワーに対するフルモデルの一般的な場合の解によって予測される極値周波数とを比較することによって、液体粘性は水中の気泡の場合にのみ
に対して合理的に無視できることが示唆される。これは、ゼロ液体粘性及びフルモデル予測の極値周波数間の差を、極値周波数自体の間の差によってスケール変更したものの相対誤差が10%未満であることに基づいている。
液体粘性が無視できる場合、軽く音響的に励起された固体被負荷気泡に対する受信部圧力場における最大及び最小の総平均パワー(基本気泡共振最大及び干渉最小に対応付けられる)の周波数に対する自由気泡解を、以下のように書くことができる。

(47)
及び

(48)
ここで、無次元係数
は音源及び受信部からの気泡の距離の形で、以下によって規定される

(49)
音源から受信部までの全距離が演繹的に分かっているならば、
は、気泡平衡半径と、音源から気泡までまたは気泡から受信部までの距離のいずれか一方とにのみ依存する。
方程式(47)及び(48)によって、気泡基本共振励起に起因する最大及び最小の受信部圧力パワー応答の周波数を、音源及び受信部の両方からの指定した距離における気泡に対して、気泡サイズ、付着固体質量負荷、及び表面張力の関数として予測する。これは、液体粘性が無視できる自由気泡で、音源から気泡を通って受信部までの音響送信が直線の場合に対するものである。方程式(47)は、「きれいな」気泡に対する半径と音響共振周波数との間の典型的なミンナルト関係の粒子状固体質量被負荷類似を、表面張力を含むように拡張したものである。なお、音源、気泡、及び受信部が直線でない場合には、原理的には、受信部までのアクティブビーム及び気泡応答ビームの別個の経路を、干渉最小の周波数の正確な推定を行なうために考慮しなければならない。しかし、水中の約3kHz音波(R〜1mm気泡に対するミンナルト共振周波数)の伝搬の場合、波長は約0.5メータである。したがって、受信部が気泡から〜1〜5cmの距離に位置している場合、任意の音響経路差に起因する音源と応答ビームとの間の位相差は、気泡と受信部との間の直線に対して音源がどこに配置されているかに関係なく相当に小さい。この状況では、方程式(48)は、音源、気泡、及び受信部構成の幾何学的配置とは関係なく、有効のままであろう。
受信部圧力平均パワーにおける極値の周波数の関数としての気泡平衡半径、付着固体質量負荷、及び封入層膨張粘性
考慮中の試料のいくつかの主要なパラメータを推定するためにモニタリングを行なう場合は多い。このプロセスは多くの場合に、観察から導き出された音響変数の推定値に基づいたパラメータ推定に対するモデルベースの逆問題の解を伴っている。アクティブな音響共振干渉モニタリングでは、送信構成の受信部圧力場の総平均パワーにおける極値の周波数位置(
)(気泡基本共振最大及び干渉最小に対応する)を、音響的観測から推定することができる。これは、気泡が十分に刺激を受けて、安定した振動応答(しかし過渡的キャビテーションに至るほど過剰ではない)を、最大及び最小受信部パワー応答の周波数を信頼性高く推定できる十分な時間、ある範囲の周波数に渡って誘導するように与えられる。おおよその気泡サイズが演繹的には分からない場合、パルス状掃引周波数またはホワイトノイズ励起の方策が適切な場合がある。したがって目標は、受信したAEパワー信号における極値の観察された周波数を入力変数として用いて、気泡パラメータ(たとえば、気泡サイズ、付着固体質量負荷、及び封入層膨張粘性)を推定する逆問題を解くことであろう。
ここで閉形式の解析的推定値を、気泡平衡半径、付着固体質量負荷、及び封入層膨張粘性に対して、音響共振基本最大、干渉最小、場合によっては第2高調波最大周波数の変数の形で示す。任意の気泡平衡サイズ、液体、及び封入層膨張粘性の効果に対して有効な一般的な場合の解を提示する。気泡平衡半径及び付着固体質量負荷に対する特定の場合の解も、全体的な粘性の効果が無視できるときに大きな気泡に対して提示する。
気泡サイズ、固体質量負荷、及び封入層膨張粘性に対する一般的な場合の解
方程式(45)及び(46)を組み合わせて、任意のサイズの自由または封入気泡の一般的な場合における気泡平衡半径(付着固体質量負荷とは無関係)に対する推定値が得られる。一般的な場合の平衡気泡半径が以下の式によって与えられることを示すことができる。

(50)
分母における無次元係数
は以下によって規定される。

(51)
係数
は、受信部周波数の関数としての総平均パワーの共振最大及び干渉最小の周波数の純粋に関数として以下のように規定される。

(52)
無次元係数
は、以下のように規定され、非ゼロ液体粘性または封入層膨張粘性のいずれかに対してのみ有限である。

(53)
方程式(50)〜(53)によって与えられる平衡気泡半径に対する推定値は、関連ガス、液体、及び封入層特性(たとえば膨張粘性)に加えて受信部における総平均パワーの基本共振最大及び干渉最小の周波数が分かっていることに依存する。なお方程式(50)は、付着固体質量負荷の演繹的知識は必要ではない。方程式は、付着固体及び封入層が存在する場合または不在の場合の両方において有効である。
付着固体質量負荷を、以下の式(方程式(50)〜(53)から推定される所定のRに対する)から求めることができる。

(54)
ここで、固体密度係数δは以下の式によって規定される。

(55)
方程式(54)は、
パラメータにはっきりと依存しており、したがって封入層膨張粘性に対する既知の値である。液体及び層膨張粘性に対する値にはっきりとは依存していない付着固体質量負荷に対する代替的な式は以下の通りである。

(56)
方程式(56)によって、平衡半径が分かっている気泡の付着固体質量負荷に対する一般的な場合の推定値が得られる。
方程式(50)〜(53)自体を反転して、封入層膨張粘性に対する推定値を、気泡平衡半径と受信部総平均パワーにおける基本共振最大及び干渉最小の周波数との関数として得ても良い。方程式(51)及び(53)を並べ替えることによって、封入層膨張粘性を以下のように書くことができることを示すことができる。

(57)
ここで、方程式(50)を用いて無次元係数
を以下のように書く。

(58)
「きれいな」気泡に対するパラメータ推定は、多くの用途において関心のあることである。方程式(54)をゼロ付着固体質量に対して並べ替えて、気泡平衡半径に対する推定値を得ても良い。

(59)
これは、「きれいな」気泡半径と音響共振周波数との間の典型的なミンナルト関係の拡張形式である。この場合、気泡は非負荷であるけれども、弾性層によって封入しても良い。方程式(59)における気泡平衡半径は、液体粘性と任意の表面層膨張粘性とにはっきりと依存している。
方程式(56)はまた、ゼロ付着固体質量の場合に対して並べ替えて以下を得ても良い。

(60)
方程式(60)は、「きれいである」が可能性として封入気泡の平衡半径に対する代替的な推定値である。任意の封入層膨張粘性は演繹的に分かっている必要はない。
「きれいな」気泡の場合、封入層膨張粘性を、方程式(60)から推定される平衡気泡半径自体に対する一般的な場合の推定値(方程式(57))を介して求めることができる。代替的に、封入層膨張粘性を、
(「きれいな」気泡)の場合に方程式(45)及び(46)の比から求めて、以下の推定値に至ることができる。

(61)
方程式(61)によって、既知の平衡半径の「きれいな」気泡の封入層膨張粘性に対する推定値が、所定の基本共振最大及び干渉最小の周波数、ガスポリトロープ指数、気泡表面張力パラメータ、モニタリングシステムの幾何学的配置、ならびに液体密度ρ及び粘性に対して得られる。
自由気泡及び無視できる液体粘性に対する気泡サイズ及び固体質量負荷に対する特定の場合の解
方程式(47)及び(48)を組み合わせて、自由気泡の場合(液体粘性は無視でき、受信部における圧力の総平均パワーの極値の周波数に対して弾性層圧縮弾性率の効果が存在する)の気泡平衡半径(付着固体質量負荷とは無関係)に対する推定値を得ることができる。この推定値は、ゼロ値の液体粘性及びシェル層膨張粘性(方程式(53)を介して
に至る)に加えてゼロシェル弾性層圧縮弾性率に対して、方程式(50)から直接求めることもできる。これらの状況における平衡気泡半径は以下の式によって与えられる。

(62)
気泡平衡半径に対するこの推定値はまた、気泡から音源または(ハイドロホン)受信部までの距離が分かっていることに依存する(方程式(49)を参照)。なお、方程式(62)は、付着固体が存在する場合または不在の場合の両方において有効である。
この場合の付着固体質量負荷は、方程式(47)及び(48)から、以下の等価な式のいずれかとして求めることができる。

(63)
及び

(64)
付着固体質量負荷に対する方程式(63)を(非負荷気泡共振応答周波数を推定するために方程式(47)を用いる)、方程式(14)と同等であると示すことができる。方程式(14)は、単層付着した高密度固体質量負荷を、ゼロ付着固体質量負荷における演繹的に分かっている気泡平衡半径及び共振応答周波数に対する固体被負荷気泡共振応答周波数から推定するために導き出された。
ゼロ付着固体に対する気泡サイズの場合はこの場合も関心がある。方程式(47)及び(63)は両方とも、ゼロ付着固体質量の場合に対して以下のように並べ替えても良い。

(65)
この場合も、これは「きれいな」未封入気泡の平衡半径と音響共振の基本周波数(通常、自由振動気泡を記述するために用いる)との間の典型的なミンナルト関係であり、ここでは表面張力を含むように拡張している。
方程式(65)を(62)に導入することによって、ゼロ付着固体の場合における平衡気泡の半径に対する以下の式が得られる。

(66)
方程式(65)及び(66)を組み合わせると、粘性が無視できる液体中の「きれいな」自由気泡の場合の無次元係数
に対する以下の式が導かれる。

(67)
方程式(67)を方程式(62)及び(66)に導入する結果、予想されるように方程式(65)の拡張されたミンナルト関係が得られる。
方程式(62)を用いて、未封入気泡で気泡サイズに対する液体粘性効果が無視できる特定の場合の任意の付着固体質量負荷に対する気泡平衡半径を推定することができる。音響受信部平均パワー応答の基本共振最大及び干渉最小の周波数の信頼性の高い実験推定値が必要である。方程式(63)または(64)のいずれかを次に用いて、気泡付着固体質量負荷を推定することができる。これらの式は、基本共振周波数付近の周波数における低振幅強制音響励起を受けたときの点音源及び好適な音響受信部から既知の距離にある気泡に対しては有効である。方程式(62)、(65)、及び(66)をすべて用いて、非負荷気泡の平衡サイズを推定することができる。
二重励起周波数における共振応答に基づくさらなる推定値
2つの音響特徴(受信部総平均パワーにおける基本共振最大及び干渉最小の周波数)を気泡パラメータ逆問題に対する入力として用いることによって可能になるのは、単一気泡の2つの別個なパラメータを一意に推定できることだけである。したがって気泡平衡半径と付着固体質量負荷とを、封入層膨張粘性と音源または受信部からの気泡の距離との既知の値に対して推定することができる。代替的に、気泡半径と封入層膨張粘性とを、ゼロ付着固体質量負荷に対して一意に推定することができる。しかし、二重励起周波数における受信部総平均音響パワーに対応付けられる共振最大の周波数によって、O(1〜10)ミクロンサイズの気泡の場合の気泡サイズ及び付着質量に対する代替的な推定値も得られることに注意されたい。方程式(40)の変向点解析をすれば、気泡及びモニタリングシステム特性の関数としての第2高調波音響応答最大の周波数に対する閉形式の解析式に至る場合がある。代替的に、方程式(40)を用いて、二重励起周波数における受信部総平均パワーを受信部周波数の関数としてプロットすることができる。この解析によって明らかなのは、第2高調波最大の周波数が、同じ平衡サイズ及び付着固体質量負荷気泡であるが封入層及び液体粘性が無視できる気泡に対応付けられる第1高調波ピーク共振周波数のほとんど倍であり、これは気泡が実際には自由なのかまたは封入層を有しているのかとは関係ないということである。この結果、軽く音響的に励起された固体負荷(可能性として、封入)気泡に対する気泡共振の第2高調波に対応付けられる受信部圧力場における最大の総平均パワーのピーク周波数
を、以下のように書けることが示唆される。

(68)
方程式(68)から、付着固体質量負荷に対する以下のさらなる推定値が、第2高調波ピーク周波数f2max、気泡平衡半径、及び他のシステム特性の形で導かれる。

(69)
なお、水中のO(1〜10)ミクロン平衡半径気泡に対してf2max≠2f1maxである。しかし、気泡サイズがさらに増加すると、第2高調波共振最大の周波数は基本共振最大の周波数の2倍に収束して、気泡パラメータ推定を助ける付加情報は何ら得られない。その結果、方程式(69)は方程式(63)に戻る。この結果の意味合いは、2つの気泡特性(たとえば
及び
)のみが、大きい(マクロ)気泡に対して、2つの特徴f1min及びf1maxまたはf1min及びf2maxのいずれかから、同時に決定できるということである。
方程式(56)及び(69)における付着固体質量負荷に対する推定値を今度は等しくして、任意の付着固体質量負荷及び封入層膨張粘性における気泡平衡半径に対するさらなる一般的な場合の推定値を得ることができる。この気泡平衡半径推定値は以下のように書くことができる。

(70)
方程式(70)における平衡気泡半径は、強制音響共振干渉分光法に対応付けられる受信部総パワーの3つの特徴の関数である。これらの特徴は、受信部総平均パワーにおける基本共振最大、干渉最小、及び第2高調波最大の周波数である。予想されるように、f2max=2f1maxを方程式(70)に挿入すると、単純にそれを縮小して、Θ=1(ゼロ液体粘性及びシェル膨張粘性)の場合に対する方程式(50)の縮小形になる。方程式(57)及び(69)を次に用いて、任意の封入層の膨張粘性及び付着固体質量負荷をそれぞれ一意に推定することができる。
シミュレーション結果−気泡特徴の関数としての音響応答に対する順問題の例示的解
周波数の関数としての受信部総平均音響パワー
自由気泡−負荷あり
ミリメートルサイズの未封入だが付着固体質量被負荷の気泡の、軽い音響励起に対する応答に対するシミュレーション結果をここに示す。図3及び4に示すのは、受信部周波数の関数としての、第1及び第2の強制高調波応答それぞれに対応付けられる受信部総平均音響パワーに対するモデル結果である。各プロットにおいて、別個の曲線を、3つの異なる付着固体質量負荷(密度2200kgm−3の0,1及び10mgの固体粒子(ガラスバロティーニを模擬している))に対して示す。この場合、気泡は1mm半径であり、気泡中心から点音源及びハイドロホン受信部の両方までの距離は両方とも10mm(反対方向)である。音響励起は気泡位置における圧力振幅が100Paであり、範囲2.5〜7.5kHzに渡って周波数に対して正弦的である。表面張力は7.2e−2kgs−2であり、水中の気泡に適している。ガスポリトロープ指数は気泡に対して必要に応じて1.4である。液体粘性は、水に対して必要に応じて、8.94e−04kgm−1−1である。液体粘性の値がもっと小さいと、励起周波数の関数としての全受信部圧力パワーのプロファイルは変わらない。
圧力パワー応答スペクトルにおけるピークは、気泡強制共振の基本周波数及び第2高調波において見てすぐに分かる。ピークの周波数は、付着固体質量負荷(及び気泡平衡サイズ)とともに明らかに減少する。したがって、潜在的に共振ピーク周波数を用いて、気泡パラメータたとえばサイズ、付着固体質量負荷、及び封入層膨張粘性(さらに気泡と音源または受信部との間の距離)を推定することができる。基本及び第2高調波共振周波数の両方のすぐ上の受信部圧力パワーにおける最小も非常に明瞭である。この場合も、これらの最小は、音源音響ビームと受信部で検出される気泡音響応答との間の相殺的干渉に起因する。これらの最小の両方の位置を、気泡パラメータ(たとえばサイズ、付着固体質量負荷、及び封入層膨張粘性)に関係づけることができる。この解析では、基本共振最大応答のすぐ上の最小の周波数位置のみを気泡パラメータ推定に対して用いる。なお、実際の用途では、気泡の広帯域励起は、複数の周波数における同時励起に起因する第1高調波及び第2高調波応答のオーバーラップに至る可能性がある。この場合、オーバーラップする第1及び第2高調波周波数の範囲内の任意の周波数における総平均音響パワーは実際には、非干渉的に加算される励起周波数及び二重励起圧力寄与からなるであろう。
この場合の共振励起に起因する基本及び第2高調波ピークは実際には、正則摂動モデルの有効性の限界を超える気泡壁半径方向振動に対応する。したがって基本及び第2高調波周波数における受信部圧力信号の(相対)強度は、気泡の固体質量負荷を正確に決定することに対しては信頼性が高くない場合がある。しかし、基本及び第2高調波最大ならびに関係する干渉最小の周波数に対する解析解は、音源及び気泡共振応答の両方の強度に影響されず、付着固体質量負荷及び気泡サイズの両方によって強く変化する。このことは、受信部周波数の関数としての基本及び第2高調波の総平均音響パワーに対するシミュレーション結果を、音源振幅を1〜10Pa範囲に渡って変えて試験することによって確認した。受信部における強制音響スペクトル内の特徴の周波数から気泡パラメータを推定することは、受信部における高調波の強度に基づく任意のモデルよりもはるかに広い範囲の音源振幅に渡って、有効で正確であることが予想される。
封入マイクロ気泡−負荷あり
ミクロンサイズの封入及び付着固体質量負荷のマイクロ気泡の軽い音響励起に対する応答に対して、ここでシミュレーション結果を示す。図5及び6に、第1及び第2の強制高調波応答それぞれに対応付けられる全受信部圧力パワーに対するモデル結果を、受信部周波数の関数として示す。各プロットにおいて、密度1100kgm−3の固体から全体としてなる付着層に対する3つの異なる付着固体質量負荷(0、10、及び100pg)に対する別個の曲線を示し、脂質封入層の質量効果を模擬している。必要に応じてデフィニティ(商標)超音波造影剤に対して、封入層膨張粘性は2.4X10−9kgs−1であり、シェル弾性層圧縮弾性率は0.38kgs−2である。この場合、気泡は、デフィニティ超音波造影剤の母集団の光学的に決定した平均サイズにより1μm半径である。気泡中心から点音源及びハイドロホン受信部の両方までの距離は両方とも100μm(反対方向)である。音響励起は気泡位置における圧力振幅が1000Paであり、範囲3〜12MHに渡って周波数に対して正弦的である。平衡表面張力は7.2e−2kgs−2であると測定されている。ガスポリトロープ指数は、デフィニティ超音波造影剤において用いるC気泡コアに対して必要に応じて、1.06である。液体粘性は、必要に応じて水に対して、8.94e−04kgm−1−1である。
ピークはこの場合も、第1高調波(約5〜7MH)及び第2高調波(約11〜15MH)の総平均音響パワー応答スペクトルにおいてはっきり見える。しかし、ピークは、封入マイクロ気泡の場合、ミリメートルサイズの自由気泡の場合と比べてはるかに広くて低い振幅である。これは、ミクロンサイズの気泡に対する比較的強力な全体的な粘性の音響減衰効果の結果である。この粘性減衰は、液体粘性及び封入層膨張粘性の両方に起因する。これにもかかわらず、ピークの周波数位置をやはり用いて、気泡パラメータたとえばサイズ、付着固体質量負荷、及び封入層膨張粘性(さらに気泡と音源または受信部との間の距離)を推定することができる。なお、予想されるように、ピークの周波数位置は封入層弾性層圧縮弾性率によって強く増加する[方程式(45)及び方程式(68)を参照]。約5〜7MHzにおける第二極大が、図(6)において第2高調波応答において明らかである。これは、第1高調波(励起周波数)応答に対応付けられるものの付近(だが同じではない)周波数にある。受信部圧力パワーにおける干渉最小が、図(5)において基本共振周波数の上方に明かである。またこの最小の位置を、気泡パラメータ(たとえばサイズ、付着固体質量負荷、及び封入層膨張粘性)に関係づけることができる。図(6)において第2高調波最大応答の上方の周波数には局所最小は存在しない。
気泡サイズ及び固体負荷の関数としての基本最大及び干渉最小の周波数
気泡平衡半径及び付着固体質量負荷の関数としての受信部総平均音響パワーの基本共振最大及び干渉最小の周波数の例を示す。これらのモデル予測は、自由気泡で音響パワー応答に対する液体粘性効果が無視できる場合の方程式(47)及び(48)に基づいている。
図7は、音響受信部平均圧力パワースペクトルにおける最大の周波数(気泡共振基本周波数付近)の、自由気泡で気泡共振周波数に対する液体粘性効果が無視できる場合の平衡気泡半径及び付着固体質量負荷の関数としての塗りつぶした等高線図である。プロット軸境界は
mmで
mgである。
予想されるように、最大音響パワーの周波数は気泡平衡半径及び付着固体質量負荷の両方とともに強く変化する。
に対する最大の可能な値は、
軸上で原点付近にある。かなり関心がある特徴は、任意の所定の固体質量負荷における最大周波数の「隆起部」であり、これはプロットの原点付近の
軸から気泡平衡半径及び付着固体質量負荷の両方の点で正方向に延びている。この隆起部の重要性は、任意の所定の固体質量負荷に対して、同じ周波数の最大音響応答になる2つの値の気泡半径が存在し得ることである。たとえ気泡に付着した固体の量が演繹的に分かっていても、2つの可能なサイズの気泡によって同じ最大音響パワー応答周波数が形成される可能性がある。この非一意性は、気泡に付着した固体質量の結果である。たとえ既知量の固体から負荷を受ける気泡の状況でも、気泡サイズを一意に推定するために
及び
の両方を測定する必要がある。
基本共振周波数付近の最大周波数応答の「隆起部」を記述する方程式を求めることができる。任意の所定の
対する最大
の位置を、気泡平衡半径に対するに方程式(47)の変向点
を求めることによって、求めることができる。これによって以下の三次方程式が得られる。

(71)
方程式(71)に対して解析解を求めることができる。しかし、表面張力が無視できる場合を考慮することによって、もっと多くの見識を得ることができる。この場合、音響最大周波数応答の「隆起部」は次式によって記述される。

(72)
固体質量が気泡に付着したらすぐに、気泡平衡半径に対する一意解から双対解までの分岐が現れる(音響最大応答周波数のみから導き出される)。基本共振応答だけの周波数に基づく気泡平衡サイズに対する解は、「きれいな」気泡の場合にのみ一意である。
図8は、音響受信部平均圧力パワースペクトルにおける最小の周波数(共振基本周波数付近)の、平衡気泡半径及び付着固体質量負荷の関数としての塗りつぶした等高線図である。この場合も、予測が基本共振応答付近の干渉最小の周波数のみに基づくならば、気泡半径に対する非一意解(固体被負荷気泡の場合)が可能である。
受信部総平均音響パワーにおける極値の周波数の関数としての気泡サイズ及び付着固体質量負荷に対する逆問題の例示的な解
受信部総平均音響パワーの基本共振最大及び干渉最小の周波数に対応付けられる推定した平衡気泡サイズ及び付着固体質量負荷の例を示す。
これらのモデル予測は、自由気泡で音響パワー応答に対する液体粘性効果が無視できる場合の方程式(62)及び(63)に基づいている。ニュートンラフソン反復法を用いて、方程式(62)を
に対して解く(気泡平衡半径の四次方程式)。これは、気泡半径が小さい場合(O(1)μm以下)(気泡音響振動に対して表面張力が重要な効果を有する)においてますます重要である。
図9は、基本共振最大及び干渉最小の受信した総平均音響パワーの周波数の関数としての気泡半径の塗りつぶした等高線図である。プロット軸境界は
kHz及び
kHzである。気泡平衡半径の等高線は、範囲0〜10mgに渡る付着固体質量負荷に対して、範囲0.25〜2.5mmである。気泡平衡半径に対する解は、この範囲の最大及び最小の第1高調波(励起周波数)音響パワー応答周波数に対して一意である。
図10は、第1高調波共振最大の周波数と、第1高調波干渉最小及び共振最大の受信した総平均音響パワーの周波数間の差との関数としての、気泡付着固体質量負荷の塗りつぶした等高線図である。プロット軸境界は
kHz及び
kHzである。気泡付着固体質量負荷の等高線は、範囲0.25〜2.5mmに渡る気泡平衡半径に対して、範囲0〜10mgである。
気泡付着固体質量負荷に対する解は、この範囲の最大及び最小の第1高調波音響パワー応答周波数に対して一意である。しかし、解が存在する
及び
の範囲は帯域に限定され、付着固体負荷の等高線は
空間のいくつかの領域では密に詰まっている。実験的に、最小及び最大の第1高調波音響圧力パワー応答の周波数分解能における精度を上げることが、気泡平衡半径と比べて付着固体質量負荷の推定において同じ相対誤差を得るには必要であろう。
図10に示すように、
の関数として付着固体質量をプロットすると、付着固体質量と音響共振干渉第1高調波局値周波数との間の関係の複雑さが明らかに示される。共振最大周波数が比較的低くて、音響パワー極値の周波数間の差が小さいところでは、高付着固体質量はゆっくりと変化する関数である。
の低い方の値における等高線の外側の三角形領域は、等高線図の10mg上限のわずかに上方にある付着固体質量負荷に対応付けられる。音響パワー共振最大の周波数の比較的大きな変化と、最小及び最大周波数間の差とは、この領域における付着固体質量の比較的小さい変化に対応付けられる。これらの状況において、共振周波数と共振及び干渉最小周波数間の差とを観察すれば、付着固体質量を堅固に予測することになるであろう。しかし、音響応答極値周波数間の差に対する非常に低い値において、また比較的低い共振周波数だが高い周波数差において、付加質量の等高線は高密度に詰まっている。これらの状況では、付着固体質量負荷の予測に対して、はるかに大きい誤差マージンがあるであろう。
気泡アクティブ音響応答に基づく液体様媒体の特性の推定
発明者はさらに、液体様媒体中のガス気泡のアクティブ音響応答自体を次に、液体様媒体のある特性を推定するために使用できることを明らかにした。「きれいな」(ゼロ付着固体)気泡のアクティブ音響応答に基づく液体様媒体の特性に対する推定値を、液体と任意の気泡表面層との組み合わせに対して粘性が無視できる場合及び著しい場合を表す2つの場合に対して、ここに示す。
1.「きれいな」気泡(ゼロ付着固体)ならびに無視できる液体及び気泡表面膨張粘性
以前に示した方程式(49)及び(67)を組み合わせて、最初の2つの特徴(共振基本最大及び干渉最小応答の周波数)及びアクティブモニタリングシステムの幾何学的配置に純粋に基づいて気泡平衡半径に対する以下の推定値を導き出すことができる。

(73)
次に方程式(65)によって、周囲の液体様媒体の密度(ここでは
と示す)を

、媒体周囲圧力p、平衡気泡半径における表面張力σ、及びガスポリトロープ指数
から、以下のように推定することができる(未封入気泡に対してゼロ弾性圧縮係数を仮定する)。

(74)
気泡と音響受信部との間のスラリー(液体様媒体)が2つの相であり、固相(粒子)及び純液体相(密度がそれぞれ
及び
)からなると仮定する。
(固体容積割合)に対する以下の方程式が容易に導き出される。

(75)
方程式(73)、(74)、及び(75)を用いて、気泡平衡サイズ、液体様媒体密度、及び媒体の固体容積割合をそれぞれ、気泡アクティブ音響応答特徴
及び
から推定することができる。これらの方程式は、気泡アクティブ音響応答特徴に対する媒体の粘性の影響が無視できるときの「きれいな」(ゼロ付着固体)未封入気泡の場合に適用される。
2.「きれいな」気泡(ゼロ付着固体)及び著しい液体または気泡表面膨張粘性
方程式(68)によって、「きれいな」気泡の場合の周囲の液体様媒体の密度を以下のように書くことができる、

、媒体周囲圧力p、平衡気泡半径における表面張力σ、封入層弾性圧縮係数
、及びガスポリトロープ指数
から、推定することができる。

(76)
方程式(76)を方程式(70)に挿入して気泡平衡半径に対して以下の方程式を、最初の3つの特徴(共振基本最大、干渉最小、及び第2高調波最大応答の周波数)及びアクティブなモニタリングシステムの幾何学的配置に純粋に基づいて、導き出すことができる。

(77)
方程式(77)は、任意の媒体粘性及び気泡封入層膨張粘性に適用可能である。なお、液体及び気泡膨張粘性が無視できる
の場合には、予想されるように方程式(77)は方程式(73)に縮小される。
気泡の周りの媒体及び封入層を組み合わせたものの正味粘性
を、媒体の剪断粘性
と気泡を封入する任意の弾性層の表面膨張粘性
との形で、以下によって規定することができる。

(78)
次に正味粘性を、以下のように方程式(61)を並べ替えることによって推定することができる。

(79)
ここで、方程式(49)によって規定される無次元係数
は、方程式(77)を用いることによって以下のように規定される。

(80)
係数
は方程式(52)によって以下のように規定される。

(81)
方程式(77)、(76)、(79)、及び(75)を用いて、媒体の気泡平衡サイズ、液体様媒体密度、正味粘性、及び固体容積割合をそれぞれ、気泡アクティブ音響応答特徴

、及び
から推定する。これらの方程式は、気泡アクティブ音響応答特徴に対する気泡媒体システムの正味粘性の影響が著しいときの「きれいな」(ゼロ付着固体)可能性として封入気泡の場合に適用される。
気泡音響共振干渉モニタリングの方法の実験例
一連の気泡アクティブ音響モニタリング実験を行なって、ミリメートル径の程度の適切に超音波照射した気泡の音響応答を見た。
第1の一連において、付着固体から負荷を受ける単一気泡を用いて実験を行なった。単一気泡を、ガラス水槽内で注射器の先端に発生させて、付着固体(疎水性バロティーニ)により負荷をかけた。気泡は、注射器開口部から離された後に、近くの音響トランスデューサからの掃引(チャープ)音響信号(2.8〜3.8kHz)によって超音波照射される。上昇する気泡の音響応答を、近くの広帯域ハイドロホンによって検出した。撮影装置を用いて、比較目的で気泡サイズ及び付着固体質量負荷を視覚的に推定した。
図11aに、気泡(約0.9mm平衡半径で約0.85mg付着固体)の典型的な音響応答のパワースペクトルを周波数の関数として例示する。音響パワー応答は、音源掃引信号に対応付けられる周波数領域によって占められている。基本励起最大(f1max)1105、干渉最小(f1min)1110、及び第2高調波最大(f2max)総音響応答1115の周波数位置を、グラフ上に示す。音源ビームに起因するバックグラウンド(すなわち気泡が不在だった)パワースペクトルによって規格化された気泡応答パワースペクトルを、図11(b)に示す。図では、総音響応答信号における対応する極値の位置が非常に明瞭に示されている。
超音波照射される気泡の応答と音源ビームとの相互作用に起因する受信部パワースペクトル応答の極値の周波数位置は、気泡特性を推定するために用いる音響パラメータである。
第2の一連の実験では、同様のサイズの上昇する気泡(それぞれ約0.9mm平衡半径)の単一ストリームまたは塔を、ガラス水槽の底部付近に取り付けた注射器を通して少量の空気をポンピングすることによって発生させた。これらの上昇する気泡に、バースト音響信号を繰り返して用いて超音波照射して、応答の検出を、タンク内のわずかにより高い位置でほぼ音源と気泡との間の見通し線(送信構成)に取り付けた広帯域ハイドロホンによって行なった。気泡生産速度をこれらの実験の間に変化させて、音響データを収集した。
図12に示すのは、周波数及び気泡生産速度(BPR−Hz)の両方の関数としての音響応答の典型的なパワースペクトルである。第1高調波(基本)最大f1max1210及び干渉最小f1min1220音響パワー応答の周波数は、全ての気泡生産速度において見てすぐに分かる。気泡生産速度が増加すると、第1高調波ピークの周波数位置においてわずかに下向きのシフトがある。これはおそらく、気泡グループ音響効果に起因しており、気泡サイズ及び固体質量負荷を予測する目的に対して容易に考慮することができる。干渉最小の位置は、気泡生産速度によって(比較的)変わらないように見える。したがって超音波照射された気泡のストリームの総音響応答のパワースペクトルをやはり用いて、気泡の特性を推論することができる。
第3の一連の実験では、気泡の群れまたは雲を、ガラス水槽の基部付近に取り付けられて連続的な空気源に接続された気泡拡散器プレートによって発生させた。音響トランスデューサと広帯域ハイドロホンとを既知の分離距離で取り付けて、全AE応答を、エアレーションレート、トランスデューサ−ハイドロホン分離、及び音源特徴の関数として調べた。図13に示すのは、超音波照射される気泡及び受動的に放出される気泡の両方の音響応答の典型的なパワースペクトルのグラフである。この図では、励起ビームと超音波照射される気泡共振とに起因する強力な総音響応答を明らかに示している。この場合も、気泡のサイズに適した周波数における音源による気泡基本共振励起に起因する、総応答の明かな最大周波数が存在する。わずかにより高い周波数において強力な干渉最小が存在する。また干渉最小よりも高い周波数において強力な総音響応答が存在するが、これは主として励起音源の特徴を表している。総音響パワースペクトルにおける極値の周波数をやはり用いて気泡特性を推論することが、気泡の雲または群れ場合であっても、適切な音響励起及びモニタリング構成であるならば可能である。
音響応答から気泡特性を決定するための本明細書で説明する全般的な方法は、以下の通りである。音源を駆動して液体中の1つ以上の気泡に超音波照射することと、気泡(複数可)を共振応答で振動するように励起することと、気泡振動によって発生された応答信号並びに音源信号を、音響受信部を用いて測定することと、受信信号を分析して、基本共振周波数f1max、干渉最小f1min、及び任意的に第2高調波最大f2maxに対応付けられる受信信号の総パワーにおける極値の周波数位置を決定することと、最後に、要求される気泡特性を、前述で導き出した方程式を用いて計算/推定すること。
本発明の方法を、複数のデバイス構成のうちの1つで具体化しても良い。最初に、図14を参照して、本発明の一実施形態による音響スペクトロメーター1400の概略図を例示する。音響スペクトロメーター1400は、単一音源1410及び単一受信部1430を含み、これらは制御手段1440に、ケーブル1411及び1431を介してそれぞれ接続されている。音源1410及び受信部1430は搭載手段(図示せず)を有しているため、測定すべき気泡1420を伴う液体を収容する容器の内壁または外壁1450に取り付けることができる。
制御手段1440は、パワーを音源1410及び受信部1430に与え、音源1410の信号出力を制御し、受信部1430によって検出された信号を受信して解析に備える電子回路構成を含んでいる。制御手段1440はまた、受信信号を分析するためのソフトウェアと、音響スペクトロメーター1400を制御して気泡特性の測定値を読み出すためのユーザインターフェースとを伴うコンピュータを含んでいる。
音響スペクトロメーター1400の動作には、音源信号1413を音源1410から受信部1430に向かって送信して、そこで検出することが伴う。標的気泡1420(音源1410と受信部1430と実質的に位置合わせされ、それらの間に存在する)は、音源信号1413によって音響エネルギーが超音波照射され、励起されて共振応答になる。音響エネルギーの一部は、気泡1420から応答信号1423として再送信される。音源信号1413及び応答信号1423の両方が受信部1430によって検出され、解析用に制御手段1440に転送される。
可動デバイス1500としての音響スペクトロメーターの別の実施形態を、図15A(平面図)及び図15B(正面図、断面A−A)に例示する。音源1510、受信部1530、及び可能性として制御手段(図示せず)も、支持構造物1501内に取り付けられている。支持構造物1501は、気泡を支持する液体を通して動かすことができる。分光計1500は、複数の音源1510を含んでいる。これらは整合的に動作して、分光計1500を通って移動する気泡1520が、受信部1530の領域に達する前に、超音波照射され励起されて共振応答で振動するようになっている。この動作は、システム内の気泡の滞留時間の流量推定か、関心のある用途で予想されるタイプの気泡に対する音源励起に対して安定した音響応答を実現する特徴時間よりも大きいことに基づいている。分光計1500は、無響壁または境界1570を含んでいても良く、これらは、少なくとも部分的に、受信部位置においてバックグラウンドノイズを超えて検出可能な音響応答を実現するように気泡が音源によって十分に超音波照射される領域として規定される超音波照射体積を囲んでいる。制御手段を、支持構造物1501内またはデバイスの外部に含めて、ケーブルを介して接続しても良い。
可動デバイス1600としての音響スペクトロメーターの別の実施形態を、図16に概略的に例示する。音源1610を支持構造物1601に、音響受信部1630と並べて取り付ける。音響スペクトロメーターは、気泡を支持する液体を収容する容器1650の外壁の周りに移動可能である。制御手段1640(図示せず)を構造物1601内に収容しても良いし、またはケーブルを介してデバイスに接続しても良い。音響信号1613が、音源1610によって送信され、気泡1620を励起して共振振動させる。次に応答信号1623が、振動する気泡1620によって送信されて、解析用に受信部1630によって検出される。気泡から受信部1630の位置までの後方散乱信号は、反射(音源)及び共振励起(気泡)成分の両方を含んでいる。これらの結合信号の好適なスペクトル解析によって、気泡基本及び第2高調波共振応答ならびに気泡応答と反射音源ビームとの間の干渉最小(気泡特性の推定を可能にする)を含む音響特徴の検出が可能になる。
前述したものに対する代替的な実施形態では、1つ以上の音源及び1つ以上の受信部が存在していても良い。制御手段をデバイスの構造物内に含めても良いし、またはケーブルを介してデバイスに接続しても良い。制御手段を別個のコンピュータに接続して、リモートコントロール及び解析を行なっても良い。デバイスに電池または外部電源によってパワー供給しても良い。音源を駆動するための制御手段は、音響受信部から信号を受信する解析装置とは別個のデバイスであっても良い。音源、受信部、及び/または制御手段は、測定すべき気泡を支持する液体中に浸漬可能であっても良いし、または液体を収容する容器の外側で用いても良い。デバイスは異なる用途に対する異なるサイズにスケール変更しても良い。デバイスはマイクロ流体デバイスであっても良い。デバイスは無響境界を含んでいても良い。音源及び/または受信部は強い指向性であっても良いし、またはある範囲の方向に送信/検出しても良い。デバイスは、オンラインモニタリングツール(信号解析用のソフトウェアを含んでいても良い)と通信状態にあっても良い。
当然のことながら、異なる用途に対して異なる音源及び受信部を選択しても良い。異なる用途は、異なるタイプ及び液体量の気泡特性を異なる範囲で伴っていても良い。異なる気泡サイズ、異なる付着固体質量負荷、ならびに異なる表面層膨張粘性及び表面張力に対して、異なる周波数範囲が要求される。音源の要求される送信パワーは、気泡内に共振応答を励起するために要求されるエネルギー(前述で列記した特性に依存する)並びに音源、気泡、及び受信部間の距離、及び流体内での信号減衰に関係づけられる。音源パワーは、過渡的キャビテーションまたは気泡崩壊を引き起こし得るほど高くてはいけない。受信部の要求感度は、周波数範囲に渡る音源からの信号及び気泡の大きさ、並びに音源及び気泡からの受信部の距離、及び液体を通る間の信号の減衰に依存する。音源及び受信部は、それらの性能特性が意図した動作範囲に適するように選択しなくてはいけない。
前述で導き出された方程式を用いて、音響応答信号から気泡特性を推定する。また方程式を用いて、気泡特性の予想範囲が演繹的に分かっている特定の用途に対する動作の要求される周波数範囲を推定しても良い。音源及び受信部の性能特性は、少なくとも、最も低い予想される基本周波数f1maxの下方から最も高い予想される第2高調波f2maxの上方までの周波数範囲に渡って十分に強力/高感度でなくてはならない。音源の要求される音響パワーを、種々の手段によって推定することができる。理論と、関心のある状況に対する気泡、付着固体、及び液体媒体の特性の起こり得る範囲の演繹的知識に加えて、音響分光分析システムの幾何学的配置、超音波照射特徴(パルス状、掃引周波数、ホワイトノイズまたは他の励起)及び受信部システムの感度とを組み合わせたものを用いることで、受信部音響パワーにおける基本共振応答最大及び干渉最小がノイズを超えて明らかに検出可能であることを確実にするのに必要な音源音響パワーを推定することができる。実際には、最良のアプローチは、関心のある状況(既知の気泡及び付着固体質量負荷)、システムの幾何学的配置、及び受信部特徴において生じる可能性がある気泡の範囲に対して試験システムを使用して、与えられた音源のパワーが、受信部において明らかに検出可能な音響特徴となるか否かを観察することであっても良い。音響受信部に要求される感度の程度を同様に、理論と、関心のある状況に対する気泡、付着固体、及び液体媒体の特性の起こり得る範囲の演繹的知識に加えて、音響分光分析システムの幾何学的配置、音源トランスデューサのパワー、超音波照射特徴、及び音源の音響パワーとを組み合わせたものから推定しても良い。この場合も、関心のある状況と同様の試験システムを用いる実験が、受信部を選択する際の最良のガイドである場合がある。音源及び受信部特徴は整合しなければならない。その結果、関心のある状況に対する音響受信部パワー応答が、十分に感度が高くなって、関心のある気泡特性の堅固な推定値を得るために分光計によって十分な精度で分解できる周波数において気泡基本共振最大及び干渉最小を明白に含むようになる。
デバイスは、液体中のガス気泡の種々の特性を測定するために用いても良いし、または異なる液体中の液滴(たとえば、水中の油滴)の種々の特性を測定するように適応させても良い。液体は固体粒子(気泡または液滴に付着していても良い)を含んでいても良い。
本発明を用いる分野は広範囲に及び、たとえば、ある実施形態を以下に適用することができると考えられる。(i)選鉱における浮選分離効率のモニタリング(パルプ気泡サイズ、付着固体質量負荷分布、局所空隙率及び位置)、(ii)気泡塔及び他の多相反応器における気泡サイズ、付着固体質量負荷分布、局所空隙率及び位置のモニタリング、及び(iii)マイクロ気泡水処理(気泡シェルへの疎水性汚染物質固体の付着)の効率のモニタリング。さらにまた、本発明を用いる分野を、医療用マイクロ気泡/ミクロスフェアを生体外及び生体内でモニタリングして気泡特徴(たとえば平衡サイズ、封入弾性層膨張粘性、及び付着固体質量負荷並びに気泡位置)を調べることに拡張できることが考えられる。さらに潜在的な用途としては以下を決定することが挙げられる。超音波造影剤特徴、薬及び遺伝子治療送達の効率(滞留時間に対する封入シェル固体付着の減少)、ならびに血清を含む液体及び血流中の化合物またはウィルス負荷の存在及び質量濃度の推定(封入層の外側に含浸された好適な検体/受容器官に対する滞留時間を伴う封入シェル固体付着の増加)。
別の液体内に含まれる固体で覆われた(及び可能性として弾性層封入された)液滴のアクティブな音響共振干渉分光法に対する理論がさらに発展するものと想定される。本発明を、液滴サイズ、付着固体質量負荷、及び任意の封入層膨張粘性を推定するためのこのさらなる理論とともに用いることができる。この発展には、血液細胞成分のモニタリング、ならびに石油化学工業(油及び水混合物)及び他の化学工業(たとえば、選鉱における溶媒抽出プロセス)における多成分液体流のモニタリングにおいて用途がある場合がある。
当業者であれば分かるように、本開示の幅広い一般的な範囲から逸脱することなく前述の実施形態に多くの変形及び/または変更を行なっても良い。したがって、本実施形態をすべての点において例示的であって限定的ではないと考えるべきである。
当業者であれば分かるように、本開示の幅広い一般的な範囲から逸脱することなく前述の実施形態に多くの変形及び/または変更を行なっても良い。したがって、本実施形態をすべての点において例示的であって限定的ではないと考えるべきである。
明細書の全体に渡って用いた符号のリスト
R(t) 時間tにおける気泡壁半径
気泡平衡半径
個々の固体粒子の半径
ε(t) 気泡表面に付着した疑似固体層の厚さ
ρatt(t) 気泡表面に付着した疑似固体層の密度
ρ気泡表面に付着した単一固体粒子の密度
ρ粒子間の隙間における非圧縮性液体の密度
δ付着固体体積分率
P(t) 印加圧力場
周囲圧力
κ ガスポリトロープ指数
σ 表面張力
μ 液体粘性
κ任意の弾性層の表面膨張粘性
χ弾性圧縮係数
η 環境バックグラウンド圧力に対する気泡の音響強制振動の振幅
Ω 圧力強制振動の角振動数

付着固体質量負荷非線形因子

質量負荷非線形因子の特徴値
ξ 摂動パラメータ

スケール変更された時間

角振動数

時間及び角振動数スケーリング因子

システムのスケール変更された固有角振動数


液体及びシェル粘性減衰項
α 結合係数
SB 音源と気泡との間の距離
tot 音源と受信部との間の距離
Φ 強制励起に対する気泡壁振動応答の位相角
C 気泡半径振動振幅

音源励起周波数

二重励起周波数
1min 周波数干渉最小
1max 気泡共振基本周波数最大
2max 第2高調波共振応答周波数

Claims (35)

  1. 液体様媒体中の気泡の1つ以上の特性を推定する音響方法であって、
    液体様媒体中の1つ以上の気泡を共振周波数で振動するように音響的に励起することと、
    前記1つ以上の気泡を音響的に励起するように配列された音源から発せられた第1の信号を検出し、前記1つ以上の気泡振動から生成された第2の信号を検出することと、
    前記検出された第1及び第2の信号に対して周波数ドメイン解析を行なうことによって少なくとも第1及び第2の特徴を導き出すことであって、前記第1の特徴は周波数干渉最小f1minを含み、前記第2の特徴は気泡共振基本周波数最大f1maxを含む、前記導き出すことと、少なくとも前記第1及び第2の特徴から1つ以上の気泡特性を推定することと、
    を含む前記音響方法。
  2. 第2高調波共振応答周波数f2maxを含む第3の特徴を導き出すことをさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記1つ以上の形成された気泡を共振周波数で振動するように音響的に励起する前記ステップは、前記音源を駆動してパルス信号、トーンバースト信号、チャープ信号、及び広帯域音源信号のうちの1つを発生させることを含む請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記気泡特性は気泡平衡半径Rを含み、Rはf1max及びf1minから、関係


    を用いて推定され、ここで、
    は、関係
    によって規定される無次元係数であり、
    は、
    によって規定される係数であり、
    Eは、
    によって規定される無次元係数であり、
    は、
    によって規定される無次元係数であり、
    ガスポリトロープ指数κ、周囲圧力p、平衡気泡半径における表面張力σ、弾性圧縮係数χ、液体粘性μ、液体密度ρ、及び封入層膨張粘性κは予め決まっており、前記気泡と受信部との間の距離rと、前記音源と気泡との間の距離rSBとは近似し、前記気泡は自由かまたは封入されている先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 付着固体質量負荷Mを、f1max及びf1min及びRから、関係


    を用いて推定し、ここで、固体密度係数δは、
    と規定され、
    ρは固体密度である請求項4に記載の方法。
  6. 付着固体質量負荷Mを、f1max及びf1min及びRから、関係

    を用いて推定する請求項4に記載の方法。
  7. 前記封入層膨張粘性κを、f1max及びf1min及びRから、関係

    を用いて推定し、
    前記無次元係数
    は、
    と表現される請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記気泡特性は気泡平衡半径Rを含み、Rをf1maxから、関係

    を用いて推定し、ここで、
    は、関係
    によって規定される無次元係数であり、
    は、
    によって規定される係数であり、
    Eは、関係
    によって規定される無次元係数であり、
    は、関係
    によって規定される無次元係数であり、
    ガスポリトロープ指数κ、周囲圧力p、平衡気泡半径における表面張力σ、弾性圧縮係数χ、液体粘性μ、液体密度ρ、及び封入層膨張粘性κは予め決まっており、前記気泡と受信部との間の距離rと、前記音源と気泡との間の距離rSBとは近似し、前記気泡はきれいな非負荷気泡である先行請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記気泡特性は気泡平衡半径Rを含み、Rは、f1max及びf1minから、関係

    用いて推定され、
    ここで、ガスポリトロープ指数κ、周囲圧力p、表面張力σ、弾性圧縮係数χ、及び液体密度ρは予め決まっており、前記気泡と受信部との間の距離rと、前記音源と気泡との間の距離rSBとは近似し、前記気泡はきれいな非負荷気泡である先行請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  10. 封入層膨張粘性κを、f1max及びf1min及び既知のまたは推定した平衡半径Rから、関係

    を用いて推定し、
    ここで、液体粘性μ及び密度
    、ガスポリトロープ指数κ、ならびに気泡表面張力パラメータは予め決まっており、r及びrSBは近似し、前記気泡は「きれいな」(非負荷)気泡である先行請求項1〜3または9のいずれか1項に記載の方法。
  11. を、f1max及びf1minから、関係

    を用いて推定し、
    ガスポリトロープ指数κ、周囲圧力p、表面張力σ、及び液体密度ρは予め決まっており、r及びrSBは近似し、前記気泡は自由な(未封入)気泡であり、前記気泡特徴に対する液体粘性効果は無視できる先行請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  12. を、f1max及びf1minから、関係

    または

    を介して推定し、
    ここで、
    であり、
    ガスポリトロープ指数κ、周囲圧力p、表面張力σ、及び密度ρは予め決まっており、自由気泡で前記気泡特徴に対する液体粘性効果が無視できる場合にゼロ付着固体である先行請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  13. 付着固体質量負荷Mを、自由気泡で前記気泡特徴に対する液体粘性効果が無視できる場合に、関係

    を用いて推定し、
    ここで、
    であり、
    気泡表面に付着した単一固体粒子の密度ρは予め決まっている請求項12に記載の方法。
  14. を、関係

    を用いて推定し、
    ここで、
    であり、
    気泡表面に付着した単一固体粒子の密度ρは予め決まっている請求項12に記載の方法。
  15. 自由または封入気泡の付着固体質量負荷Mを、f2max及びRから、関係

    を用いて推定し、
    ここで、
    であり、
    ガスポリトロープ指数κ、周囲圧力p、表面張力σ、弾性圧縮係数χ、ρ及び密度ρは予め決まっている請求項2に従属するときに請求項13または請求項14に記載の方法。
  16. 平衡気泡半径Rを、式


    によって推定し、
    ガスポリトロープ指数κ、周囲圧力p、表面張力σ、弾性圧縮係数χ、及び密度ρは予め決まっており、r及びrSBは近似する請求項2に記載の方法。
  17. 任意の封入層の膨張粘性を、式

    によって推定し、
    ここで、無次元係数
    は、
    から推定し、
    係数
    は、
    によって規定する請求項16に記載の方法。
  18. 前記1つ以上の形成された気泡を共振周波数で振動するように音響的に励起する前記ステップは、前記音源を駆動して、パルス信号、トーンバースト信号、チャープ信号、及び広帯域音源信号のうちの1つを発生させることを含む先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  19. 液体または液体様媒体中の気泡の1つ以上の特性を推定するデバイスであって、
    液体または液体様媒体を収容するかまたはそれらの通過を可能にするチャンバまたは容器であって、前記液体または液体様媒体は1つ以上の気泡を支持する前記チャンバまたは容器と、
    前記1つ以上の気泡を共振周波数で振動するように音響的に励起するように構成された少なくとも1つの音源と、
    前記音源から発せられた第1の信号を検出し、前記気泡振動から生成された第2の信号を検出する少なくとも1つの広帯域音響検出器と、
    (i)前記検出された第1及び第2の信号に対して周波数ドメイン解析を行なうことによって少なくとも第1及び第2の特徴を導き出すことであって、前記第1の特徴は周波数干渉最小f1minを含み、前記第2の特徴は気泡共振基本周波数最大f1maxを含む、前記導き出すことと、(ii)少なくとも前記第1及び第2の特徴から1つ以上の気泡特性を推定することと、を行なう制御手段と、
    を含む前記デバイス。
  20. 前記制御手段が、第2高調波共振応答周波数f2maxを含む第3の特徴を導き出すように動作する請求項19に記載のデバイス。
  21. 前記制御手段は、前記検出された第1及び第2の信号、または前記第1、第2、及び第3の信号に対して周波数ドメイン解析を行なって、前記第1f1min及び第2の特徴f1max、または第1f1min、第2f1max、及び第3の特徴f2maxを決定するように動作する請求項19または20に記載のデバイス。
  22. 配列内で整合的に動作するように構成された複数の音源をさらに含む請求項19〜21のいずれか1項に記載のデバイス。
  23. 前記または各音源は、(i)前記チャンバの内壁上、(ii)前記チャンバの外壁上、または(iii)気泡を収容する液体のボディ内に位置する請求項19〜22のいずれか1項に記載のデバイス。
  24. 前記チャンバの内壁は無響材料の1つ以上の層を含んでいても良い請求項19〜23のいずれか1項に記載のデバイス。
  25. 液体様媒体の1つ以上の特性を推定する音響方法であって、
    音源を駆動して、液体様媒体中の少なくとも1つの気泡を共振周波数で振動するように音響的に励起することと、
    検出器内で、前記音源から発せられて前記少なくとも1つの気泡を音響的に励起するように配列された第1の信号を検出し、前記気泡振動から生成された第2の信号を検出することと、
    前記検出された第1及び第2の信号に対して周波数ドメイン解析を行なうことによって少なくとも第1及び第2の特徴を導き出すことであって、前記第1の特徴は周波数干渉最小f1minを含み、前記第2の特徴は気泡共振基本周波数最大f1maxを含む、前記導き出すことと、
    少なくとも前記第1及び第2の特徴から前記液体様媒体の1つ以上の特性を推定することと、を含み、
    前記音源から前記検出器までの距離と、前記音源から前記少なくとも1つの気泡までまたは前記検出器から前記少なくとも1つの気泡までの距離とは、予め決まっている前記音響方法。
  26. 気泡平衡半径Rを、関係
    から推定することをさらに含み、
    ここで、rSBは、前記音源と前記気泡との間の距離を示し、rは前記前記音源から前記検出器までの距離を示す請求項25に記載の方法。
  27. 前記液体様媒体の特性は前記液体様媒体の密度(
    )を含み、
    を関係

    を用いて推定し、ここで、前記媒体周囲圧力p、平衡気泡半径における表面張力σ、及び前記ガスポリトロープ指数
    は予め決まっている(未封入気泡に対してゼロ弾性圧縮係数を仮定する)請求項26に記載の方法。
  28. 前記液体様媒体の特性は固体容積割合(
    )を含み、
    を関係

    を用いて推定し、
    ここで、前記少なくとも1つの気泡と前記検出器との間の前記液体様媒体は二相であり、固体(粒子)と純液体相とを含み、それぞれの密度

    とは既知である請求項27に記載の方法。
  29. 第2高調波共振応答周波数f2maxを含む第3の特徴を導き出すことを含む請求項26に記載の方法。
  30. 前記気泡平衡半径Rを、関係

    を用いて推定する請求項29に記載の方法。
  31. 前記液体様媒体の密度
    を、関係
    を用いて推定し、
    ここで、前記媒体周囲圧力p、平衡気泡半径における表面張力σ、封入層弾性圧縮係数
    、ガスポリトロープ指数
    は予め決まっている請求項30に記載の方法。
  32. 正味粘性
    を、関係
    を用いて推定し、ここで、
    であり、
    係数

    によって規定し、ここで、
    である請求項31に記載の方法。
  33. 液体様媒体中の少なくとも1つの非負荷気泡の平衡サイズ及び位置を推定する音響方法であって、液体様媒体中の1つ以上の気泡を共振周波数で振動するように音響的に励起することと、音源から発せられ、前記1つ以上の気泡を音響的に励起するように配列された第1の信号を検出し、前記1つ以上の気泡振動から生成された第2の信号を検出することと、前記検出された第1及び第2の信号に対して周波数ドメイン解析を行なうことによって少なくとも第1、第2、及び第3の特徴を導き出すことであって、前記第1の特徴は周波数干渉最小f1minを含み、前記第2の特徴は気泡共振基本周波数最大f1maxを含み、及び前記第3の特徴は第2高調波共振応答周波数f2maxを含む、前記導き出すことと、Rを、前記3つの特徴のそれぞれから、前記気泡表面膨張粘性、液体粘性(μ)、及び前記液体様媒体の密度(
    )に演繹的知識上に基づいて推定することと、前記少なくとも1つの気泡の位置を、Rを用いて推定することと、を含む前記音響方法。
  34. 前記液体様媒体の周囲圧力または気泡ガスポリトロープ指数を推定することをさらに含む請求項33に記載の方法。
  35. 液体様媒体中の少なくとも1つの被負荷気泡の平衡サイズ、付着固体質量負荷、及び位置を推定する音響方法であって、液体様媒体中の1つ以上の気泡を共振周波数で振動するように音響的に励起することと、音源から発せられ、前記1つ以上の気泡を音響的に励起するように配列された第1の信号を検出し、前記1つ以上の気泡振動から生成された第2の信号を検出することと、前記検出された第1及び第2の信号に対して周波数ドメイン解析を行なうことによって少なくとも第1、第2、及び第3の特徴を導き出すことであって、前記第1の特徴は周波数干渉最小f1minを含み、前記第2の特徴は気泡共振基本周波数最大f1maxを含み、及び前記第3の特徴は第2高調波共振応答周波数f2maxを含む、前記導き出すことと、Rを、前記3つの特徴のそれぞれから、前記液体様媒体の前記気泡表面膨張粘性、液体粘性(μ)、気泡表面張力(σ))、気泡ガスポリトロープ指数(
    )、及び周囲圧力(
    )の演繹的知識に基づいて推定することと、前記付着固体質量負荷Mを、Rを用いて推定し、Mを用いて前記1つ以上の気泡の位置を推定することと、を含む前記音響方法。
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