JP2017524356A - 特定の脂肪酸の製造 - Google Patents

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Abstract

本発明は、炭素源から吉草酸、ヘプタン酸、それらのエステル及び/又は塩を製造する方法であって、水性培地内において少なくとも1種の微生物を前記炭素源と接触させる工程を含み、前記炭素源がエタノール及びプロピオン酸であり、プロピオン酸の濃度が約10g/L以下であることを特徴とする方法に関する。

Description

本発明は、脂肪酸を合成する生物工学的方法に関する。具体的には、本発明は、少なくとも吉草酸、ヘプタン酸、それらのエステル及び/又は塩を製造する生物工学的方法に関する。
吉草酸又はペンタン酸は、化学式「C10」で表される直鎖アルキルカルボン酸である。吉草酸又はペンタン酸は、多年生の顕花植物であるカノコソウ(Valeriana officinalis)に含まれ、名称はカノコソウに由来する。吉草酸又はペンタン酸は、主としてエステルの合成に使用される。吉草酸の揮発性エステルは良好な香りを有する傾向があり、香水及び化粧料に使用されている。吉草酸エチル及び吉草酸ペンチルは、フルーツ香(吉草酸メチル:花のような香り、吉草酸エチル:フルーツ香(特にリンゴの香り)、吉草酸アミル:リンゴ及びパイナップルの香り)を有しており、食品添加物として使用されている。また、その他の用途にも使用することができる。具体的には、吉草酸、イソ吉草酸及びそれらのエステルは、可塑剤、潤滑剤、生分解性溶媒、滑剤、エンジニアリングプラスチック、エポキシ硬化剤、接着剤、粉末コーティング、腐食防止剤、電解質、ビニール用安定剤等の様々な産業用化合物の原料や、農薬用化学中間体として有用である。また、吉草酸及びそのエステルは医薬にも使用される場合がある。
吉草酸は短鎖カルボン酸であり、γ−ヒドロキシブチル酸(GHB)(4−ヒドロキシブタン酸)及び神経伝達物質であるγ−アミノ酪酸(GABA)と同様な構造を有しているが、GHB及びGABAの生物学的活性に寄与するアルコール及びアミノ官能基は有していない。吉草酸は、3−炭素側鎖を有していない点でバルプロン酸と異なる。
ヘプタン酸(エナント酸)は、カルボン酸を末端に有する7個の炭素からなる分子鎖からなる有機化合物である。ヘプタン酸は、水にほとんど溶解しない油状液体だが、エタノール及びエーテルには容易に溶解する。ヘプタン酸は、良好な腐食特性並びに高温及び低温における特有の性能レベルを有しており、通常はエステルとして製造され、主に産業用潤滑剤(冷凍機油、航空機用潤滑剤、自動車用潤滑剤等)に使用されている。また、フレーバー及び香料並びに化粧料業界でもエステルとして使用することができる。ヘプタン酸は、塩(ヘプタン酸ナトリウム)として腐食防止に使用されている。また、ヘプタン酸は、エナント酸テストステロン、エナント酸トレンボロン、エナント酸ドロスタノロン及びエナント酸メテノロン(Primobolan)等の医薬の製造においてステロイドをエステル化するために使用することもできる。さらに、ヘプタン酸はタバコの添加物としても使用されている。
従って、吉草酸、ヘプタン酸、それらの塩及びエステルは非常に有用である。これらのカルボン酸を製造する公知の方法は多大な労力を必要とし、効率が低い。例えば、トウゴマ油から得られるリシノール酸のメチルエステルは、商業的に使用されているヘプタン酸の主要な前駆体である。すなわち、リシノール酸のメチルエステルをウンデセン酸のメチルエステル及びヘプタナールに加水分解させ、空気酸化させてカルボン酸を製造している。この方法は効率が悪く、収率(収量)が低い。
ガソリン又は石油の分解によって得られる石油系中間体を使用する方法も知られている。しかしながら、このような方法は環境に悪影響を及ぼす。また、これらの酸の製造コストは石油価格に応じて変化する。石油価格が将来的に上昇することが予想されているため、これらの酸の製造コストは原油価格の上昇に応じて上昇する可能性がある。
非特許文献1には、エタノールの存在下又は非存在下においてプロパノールから吉草酸を製造する方法が開示されている。しかしながら、この場合にはかなりの量の副生成物(酢酸、酪酸等)が生じることになる。また、バレレート及び/又はヘプタノエートの収率(収量)も非常に低く、大規模な製造では非効率的であり、信頼性も低くなる可能性がある。
従って、より持続可能であって、環境に与える影響が少ない、純粋な石油系原料以外の原料から吉草酸、ヘプタン酸、それらの塩及びエステルを製造する方法が求められている。
Kenealy,W.R.,1985
本発明は、再生可能燃料からカルボン酸、そのエステル及び/又は塩を製造する生物工学的方法を提供する。具体的には、本発明の方法は、少なくとも微生物を使用して、合成ガスを少なくとも1種のカルボン酸、そのエステル及び/又は塩に転化させる工程を少なくとも含み、前記カルボン酸は、吉草酸及び/又はヘプタン酸である。
本発明の一態様は、微生物を使用して、炭素源から少なくとも1種のカルボン酸、そのエステル及び/又は塩を製造する方法であって、前記カルボン酸が吉草酸及び/又はヘプタン酸であることを特徴とする方法を提供する。
最も単純な炭素源としては、二酸化炭素又は一酸化炭素を使用することができる。具体的には、炭素源としては、炭素を含む任意の複合分子を使用することができる。より具体的には、炭素源は、アルコール、アルデヒド、グルコース、スクロース、フルクトース、デキストロース、ラクトース、キシロース、ペントース、ポリオール、ヘキソース、エタノール及び合成ガスからなる群から選択されてもよい。さらに具体的には、炭素源は、エタノール及び/又は少なくとも1種のプロピオネートの組み合わせであってもよい。本発明の各態様に係る方法は、公知の方法と比較して、プロピオネート及びエタノール等のより安価な炭素源を使用して吉草酸、ヘプタン酸、それらのエステル及び/又は塩を製造することができる。具体的には、炭素源は、プロピオン酸及びエタノール及び/又はそれらのエステルを含むことができる。
具体的には、本発明の一態様は、炭素源から吉草酸、ヘプタン酸、それらのエステル及び/又は塩を製造する方法であって、水性培地内において少なくとも1種の微生物を前記炭素源と接触させる工程を含み、前記炭素源がエタノール及びプロピオン酸であり、プロピオン酸の濃度が10g/L以下であることを特徴とする方法を提供する。炭素源中のエタノールの濃度は、10g/L以下であってもよい。
水性培地は、6以上のpHを有することができる。
本発明の方法を実施する際に上記特定の条件を使用することにより、発酵時間を短縮することができる。例えば、上記特定の条件を使用することにより、従来は18日間(450時間)必要な発酵時間を68時間に短縮することができる。
エタノール及びプロピオン酸は、微生物を含む水性培地に添加することができる。別の例では、水性培地中において、微生物をエタノール及びプロピオン酸と接触させる。エタノール及び/又はプロピオン酸の濃度は、公知の手段によって測定することができる。例えば、エタノールの濃度は、滴定、溶剤抽出及び二クロム酸塩酸化によって測定することができる。プロピオン酸の濃度は、公知の簡単な方法によって測定することができる。例えば、プロピオン酸の存在及び濃度は、NMR、HPLC等によって測定することができる。例えば、水性培地中のプロピオン酸の濃度は約10g/L以下であってもよい。「約10g/L以下」とは、水性培地及び/又は炭素源中の濃度が0.1g/L(その値を含む)〜10g/L(その値を含む)であることを意味する。プロピオン酸の濃度は、0.5〜10g/L又は1〜10g/Lであってもよい。例えば、水性培地中のプロピオン酸の濃度は、約10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1又は0.5g/L以下であってもよい。上記プロピオン酸の濃度は、本発明の各態様に係る方法の実施開始時における濃度であってもよい。別の例では、上記プロピオン酸の濃度は、本発明の各態様に係る方法の実施中に維持される濃度であってもよい。プロピオン酸の濃度は、反応時に間隔を置いて濃度をチェックし、所望の濃度に維持するようにプロピオン酸を添加することによって維持することができる。当業者であれば、公知の手段を使用してプロピオン酸の濃度を所望の濃度に維持することができると思われる。
例えば、水性培地中のエタノールの濃度は約10g/L以下であってもよい。「約10g/L以下」とは、濃度が0.1g/L(その値を含む)〜10g/L(その値を含む)であることを意味する。エタノールの濃度は、0.5〜10g/L又は1〜10g/Lであってもよい。例えば、水性培地中のエタノールの濃度は、約10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1又は0.5g/L以下であってもよい。上記エタノールの濃度は、本発明の各態様に係る方法の実施開始時における濃度であってもよい。別の例では、上記エタノールの濃度は、本発明の各態様に係る方法の実施中に維持される濃度であってもよい。エタノールの濃度は、反応時に間隔を置いて濃度をチェックし、所望の濃度に維持するようにエタノールを添加することによって維持することができる。当業者であれば、公知の手段を使用してエタノールの濃度を所望の濃度に維持することができると思われる。
従って、1Lの水性培地中に、10g以下のエタノール及び10g以下のプロピオン酸が含まれていてもよい。具体的には、水性培地中のエタノール及びプロピオン酸の濃度は、それぞれ、1g/Lよりも高く、10g/L以下であってもよい。例えば、水性培地中のエタノール及びプロピオン酸の濃度は、互いに独立して、1〜10g/Lであってもよい。上記濃度は反応開始時の濃度であってもよく、例えば、エタノール及びプロピオン酸の濃度は、反応時に減少して、反応の終了時に、吉草酸及び/又はヘプタン酸の製造によってエタノール及びプロピオン酸のほとんどが消費されていてもよい。別の例では、上記濃度を維持し、反応を維持するためにエタノール及びプロピオン酸を定常的に水性培地に供給する。
別の例では、水性培地中のエタノールの濃度は約10g/L以上であってもよい。
例えば、本発明の各態様に係る方法は、水性培地内において5〜8又は5.5〜7のpHで実施することができる。具体的には、水性培地は6以上のpHを有することができる。例えば、発酵プロセスにわたって6以上のpHを維持する。
圧力は、1〜10バールとすることができる。
本願明細書において使用する「接触」という用語は、工程(a)において本発明の各態様に係る細胞と炭素源を含む培地とを直接接触させること、及び/又は工程(b)において、微生物と工程(a)で得られた酢酸エステル又は塩及び/又はエタノールとを直接接触させることを意味する。例えば、工程(a)において、細胞と、炭素源を含む培地とは、異なる区画に存在していてもよい。具体的には、炭素源は気体状であって、本発明の各態様に係る細胞を含む培地に添加することができる。
具体的には、水性培地は、細胞と、エタノール及びプロピオン酸を含む炭素源と、を含むことができる。より具体的には、炭素源は、エタノール及びプロピオン酸を、それぞれ10g/L以下の濃度で含むことができる。
エタノール及びプロピオン酸は、1:1、2:1、2.1:1、2.5:1(5:2)、3:1等の割合で含まれていてもよい。より具体的には、エタノール及び/又はプロピオン酸の比率は2.13:1であってもよい。プロピオン酸は、反応混合物中においてエステルとして存在していてもよい。
本願明細書において使用する「約」という表現は、20%以内の差があり得ることを意味する。具体的には、本願明細書において使用する「約」という表現は、所与の測定値又は値の±20%、より具体的には±10%、さらに具体的には±5%を意味する。
例えば、炭素源は、エタノール及び/又は少なくとも1種のプロピオネートであり微生物は、エタノール−カルボキシレート発酵経路によって吉草酸及び/又はヘプタン酸を生成することができる任意の微生物であってもよい。エタノール−カルボキシレート発酵経路については、少なくともSeedorf,H.,et al.,2008に詳細に記載されている。微生物は、Clostridium kluyveri、C.Carboxidivorans等からなる群から選択されてもよい。これらの微生物には、野生型ではエタノール−カルボキシレート発酵経路を有していないが、遺伝子組み換えによってエタノール−カルボキシレート発酵経路を有するようになる微生物も含まれる。具体的には、微生物はClostridium kluyveriであってもよい。
本発明の各態様に係る微生物は、遺伝子組み換え微生物であってもよい。遺伝子組み換え細胞又は微生物は、野生型細胞又は微生物と遺伝子的に異なるものであってもよい。本発明の各態様に係る遺伝子組み換え微生物と野生型微生物との遺伝子的差異は、野生型微生物には存在していない場合がある、遺伝子組み換え微生物における完全な遺伝子、アミノ酸、ヌクレオチド等の存在であってもよい。例えば、本発明の各態様に係る遺伝子組み換え微生物は、微生物が少なくとも1種のカルボン酸を生成することを可能とする酵素を含むことができる。野生型微生物は、本発明の遺伝子組み換え微生物と比較して、遺伝子組み換え微生物が少なくとも1種のカルボン酸を生成することを可能とする酵素の検出可能な活性を有していないものであってもよい。本願明細書において、「遺伝子組み換え微生物」という用語は、「遺伝子組み換え細胞」という用語と同義で使用する。本発明の各態様に係る遺伝子組み換えは、微生物の細胞に対して行うことができる。
本願明細書において細胞又は微生物に関連して使用する「野生型」という用語は、天然に見られる型であるゲノムを有する細胞を意味する。「野生型」という用語は、細胞全体及び各遺伝子の両方に使用する。従って、「野生型」という用語は、遺伝子組み換え法を使用して遺伝子配列が少なくとも部分的に人為的に変更された細胞又は遺伝子には適用されない。
細胞又は微生物の遺伝子組み換えは、公知の任意の方法によって行うことができる。本発明の一態様によれば、遺伝子組み換え細胞は、所定の時間、例えば2時間、特に8時間又は24時間以内に、野生型細胞と比較して、少なくとも2倍、特に少なくとも10倍、少なくとも100倍、少なくとも1,000倍又は少なくとも10,000倍のカルボン酸及び/又はカルボン酸エステルを生成するように遺伝子組み換えされていてもよい。生成物の生成量の増加は、例えば、本発明の各態様に係る細胞及びその野生型細胞を、適当な培地内において、同一の条件(同一の細胞密度、栄養培地及び培養条件)で所定の時間にわたって別々に培養し、培地中における目的生成物(カルボン酸)の量を測定することによって決定することができる。
例えば、微生物は、E〜E10(ここで、Eはアルコールデヒドロゲナーゼ(adh)であり、Eはアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ald)であり、Eはアセトアセチル−CoAチオラーゼ(thl)であり、Eは3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(hbd)であり、Eは3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドラターゼ(crt)であり、Eはブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(bcd)であり、Eは電子伝達フラビンタンパク質サブユニット(etf)であり、Eは補酵素Aトランスフェラーゼ(cat)であり、Eは酢酸キナーゼ(ack)であり、E10はホスホトランスアセチラーゼ(pta)である)から選択される少なくとも1種の酵素を発現する野生型微生物であってもよい。具体的には、本発明の各態様に係る野生型微生物は、少なくともE、E及びEを発現する微生物であってもよい。より具体的には、本発明の各態様に係る野生型微生物は、少なくともEを発現する微生物であってもよい。
別の例では、本発明の各態様に係る微生物は、野生型微生物と比較して、E〜E10(ここで、Eはアルコールデヒドロゲナーゼ(adh)であり、Eはアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ald)であり、Eはアセトアセチル−CoAチオラーゼ(thl)であり、Eは3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(hbd)であり、Eは3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドラターゼ(crt)であり、Eはブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(bcd)であり、Eは電子伝達フラビンタンパク質サブユニット(etf)であり、Eは補酵素Aトランスフェラーゼ(cat)であり、Eは酢酸キナーゼ(ack)であり、E10はホスホトランスアセチラーゼ(pta)である)から選択される少なくとも1種の酵素を高発現する遺伝子組み換え微生物であってもよい。具体的には、本発明の各態様に係る遺伝子組み換え微生物は、少なくともE、E及びEを発現する微生物であってもよい。より具体的には、本発明の各態様に係る遺伝子組み換え微生物は、少なくともEを発現する微生物であってもよい。酵素E〜E10は、Clostridium kluyveriから単離されてもよい。
本願明細書において使用する「酵素に関して高い活性を示す」とは、当該酵素に関して高い細胞内活性を示すことを意味する。基本的に、酵素活性は、強力なプロモーターを使用するか、高い活性を有する酵素をコードする遺伝子又は対立遺伝子を使用するか、これらの手段を組み合わせることにより、酵素をコードする遺伝子配列のコピー数を増加させることによって高めることができる。本発明に係る方法に使用する遺伝子組み換え細胞又は微生物は、例えば、所望の遺伝子、所望の遺伝子の対立遺伝子又はその一部を含むベクター及び遺伝子の発現を可能とするベクターを使用した形質転換、形質導入、接合又はこれらの組み合わせによって得ることができる。異種発現は、遺伝子又は対立遺伝子を、細胞の染色体又は染色体外複製ベクターに導入することによって達成される。例えば、本発明の各態様において、酵素の高発現とは、野生型細胞における当該酵素の発現と比較して、5、10、15、20、25、30、25、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100%高いことを意味する。同様に、本発明の各態様において、酵素の低発現とは、野生型細胞における当該酵素の発現と比較して、5、10、15、20、25、30、25、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100%低いことを意味する。
本発明の各態様に係る細胞は、公知の任意の方法によって遺伝子的に形質転換する。具体的には、細胞は、国際公開第2009/077461号に開示されている方法に従って製造することができる。
本願明細書において、「遺伝子組み換え細胞は、その野生型と比較して、酵素に関して高い活性を示す」とは、各酵素の活性が、少なくとも2倍、少なくとも10倍、少なくとも100倍、少なくとも1,000倍又は少なくとも10,000倍高められていることを意味する。
本発明の各態様によれば、Eはエタノールデヒドロゲナーゼであってもよい。具体的には、Eは、アルコールデヒドロゲナーゼ1、アルコールデヒドロゲナーゼ2、アルコールデヒドロゲナーゼ3、アルコールデヒドロゲナーゼB及びそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。より具体的には、Eは、CKL_1075、CKL_1077、CKL_1078、CKL_1067、CKL_2967、CKL_2978、CKL_3000、CKL_3425及びCKL_2065からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50%の配列相同性を有していてもよい。さらに具体的には、Eは、CKL_1075、CKL_1077、CKL_1078及びCKL_1067からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50、60、65、70、75、80、85、90、91、94、95、98又は100%の配列相同性を有していてもよい。
本発明の各態様によれば、Eはアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼであってもよい。具体的には、Eは、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ1、アルコールデヒドロゲナーゼ2及びそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。より具体的には、Eは、CKL_1074、CKL_1076等からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50%の配列相同性を有していてもよい。さらに具体的には、Eは、CKL_1074及びCKL_1076からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50、60、65、70、75、80、85、90、91、94、95、98又は100%の配列相同性を有していてもよい。
本発明の各態様によれば、Eは、アセトアセチル−CoAチオラーゼA1、アセトアセチル−CoAチオラーゼA2、アセトアセチル−CoAチオラーゼA3及びそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。より具体的には、Eは、CKL_3696、CKL_3697、CKL_3698等からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50%の配列相同性を有していてもよい。さらに具体的には、Eは、CKL_3696、CKL_3697及びCKL_3698からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50、60、65、70、75、80、85、90、91、94、95、98又は100%の配列相同性を有していてもよい。
本発明の各態様によれば、Eは、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ1、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ2等であってもよい。より具体的には、Eは、ポリペプチドCKL_0458、CKL_2795等に対して少なくとも50%の配列相同性を有していてもよい。さらに具体的には、Eは、ポリペプチドCKL_0458又はCKL_2795に対して少なくとも50、60、65、70、75、80、85、90、91、94、95、98又は100%の配列相同性を有していてもよい。
本発明の各態様によれば、Eは、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドラターゼ1、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドラターゼ2又はそれらの組み合わせであってもよい。より具体的には、Eは、CKL_0454、CKL_2527等からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50%の配列相同性を有していてもよい。さらに具体的には、Eは、CKL_0454及びCKL_2527からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50、60、65、70、75、80、85、90、91、94、95、98又は100%の配列相同性を有していてもよい。
本発明の各態様によれば、Eは、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ1、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ2等からなる群から選択されてもよい。より具体的には、Eは、CKL_0455、CKL_0633等からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50%の配列相同性を有していてもよい。さらに具体的には、Eは、CKL_0455及びCKL_0633からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50、60、65、70、75、80、85、90、91、94、95、98又は100%の配列相同性を有していてもよい。
本発明の各態様によれば、Eは、電子伝達フラビンタンパク質αサブユニット1、電子伝達フラビンタンパク質αサブユニット2、電子伝達フラビンタンパク質βサブユニット1及び電子伝達フラビンタンパク質βサブユニット2からなる群から選択されてもよい。より具体的には、Eは、CKL_3516、CKL_3517、CKL_0456、CKL_0457等からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50%の配列相同性を有していてもよい。さらに具体的には、Eは、CKL_3516、CKL_3517、CKL_0456及びCKL_0457からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50、60、65、70、75、80、85、90、91、94、95、98又は100%の配列相同性を有していてもよい。
本発明の各態様によれば、Eは補酵素トランスフェラーゼ(cat)であってもよい。具体的には、Eは、ブチリル−CoA:酢酸CoAトランスフェラーゼ、スクシニル−CoA:補酵素Aトランスフェラーゼ、4−ヒドロキシブチリル−CoA:補酵素Aトランスフェラーゼ等からなる群から選択されてもよい。より具体的には、Eは、CKL_3595、CKL_3016、CKL_3018等からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50%の配列相同性を有していてもよい。さらに具体的には、Eは、CKL_3595、CKL_3016及びCKL_3018からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50、60、65、70、75、80、85、90、91、94、95、98又は100%の配列相同性を有していてもよい。
本発明の各態様によれば、Eは酢酸キナーゼA(ack A)であってもよい。具体的には、Eは、CKL_1391等のポリペプチド配列に対して少なくとも50%の配列相同性を有していてもよい。さらに具体的には、Eは、CKL_1391のポリペプチドに対して少なくとも50、60、65、70、75、80、85、90、91、94、95、98又は100%の配列相同性を有していてもよい。
本発明の各態様によれば、E10はホスホトランスアセチラーゼ(pta)であってもよい。具体的には、E10は、CKL_1390等のポリペプチド配列に対して少なくとも50%の配列相同性を有していてもよい。さらに具体的には、E10は、CKL_1390のポリペプチドに対して少なくとも50、60、65、70、75、80、85、90、91、94、95、98又は100%の配列相同性を有していてもよい。
例えば、野生型又は遺伝子組み換え微生物はE〜E10を発現する。具体的には、本発明の各態様に係る微生物は、野生型微生物と比較して、E、E、E、E、E、E、E、E、E、E10又はそれらの組み合わせを高発現する微生物であってもよい。例えば、遺伝子組み換え微生物は、野生型微生物と比較して、E、E、E、E、E、E、E、E、E及びE10を高発現する。より具体的には、微生物には任意の酵素E〜E10の組み合わせが存在し、少なくとも1種のカルボン酸を生成することができるものであってもよい。例えば、本発明の各態様において使用する遺伝子組み換え微生物は、微生物が少なくとも1種又は2又は3種のカルボン酸を(同時に)生成することを可能とする任意の酵素E〜E10の組み合わせを含むことができる。例えば、微生物は、ヘキサン酸、酪酸及び/又は酢酸を同時に生成することができるものであってもよい。同様に、微生物は、1種又は2種以上のカルボン酸を生成することを可能とする酵素E〜E10の組み合わせを発現するように遺伝子組み換えされていてもよい。いずれの場合にも、微生物は野生型又は遺伝子組み換え微生物のいずれであってもよい。
例えば、本発明の各態様に係る遺伝子組み換え微生物は、野生型微生物と比較して、ヒドロゲナーゼ成熟化タンパク質及び/又は電子伝達複合タンパク質を高発現する。具体的には、ヒドロゲナーゼ成熟化タンパク質(hyd)は、hydE、hydF及びhydGからなる群から選択されてもよい。より具体的には、ヒドロゲナーゼ成熟化タンパク質(hyd)は、CKL_0605、CKL_2330、CKL_3829等からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50%の配列相同性を有していてもよい。さらに具体的には、本発明の各態様に係るヒドロゲナーゼ成熟化タンパク質(hyd)は、CKL_0605、CKL_2330及びCKL_3829からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも50、60、65、70、75、80、85、90、91、94、95、98又は100%の配列相同性を有していてもよい。
例えば、本発明の各態様に係る微生物は、プロピオネート/プロピオン酸及びエタノールからなる炭素源から、少なくとも吉草酸、ヘプタン酸、それらのエステル及び/又は塩を生成することができる微生物であってもよい。例えば、吉草酸は、反応混合物中において50、60、70、80、90又は95%の濃度で生成される。別の例では、ヘプタン酸は反応混合物中において同時に生成される。別の例では、吉草酸のみが生成される。
本願明細書において、データベースコードは、特記しない限りにおいて、NCBIデータベースから入手可能な配列、より具体的には2014年6月12日のオンラインバージョンを意味し、配列がヌクレオチド配列である場合には、ヌクレオチド配列を翻訳することによって得られたポリペプチド配列を含む。
本発明の各態様によれば、カルボン酸イオンを必要に応じて単離することができる。吉草酸、ヘプタン酸、それらのエステル及び/又は塩は、例えば、溶媒による連続抽出によって発酵液から単離することができる。微生物は、例えば、発酵培地のデカンテーション又は濾過によって回収することもでき、プロピオネート及びエタノールからなる炭素源を含む水の新たなバッチを微生物と混合することができる。これにより、微生物を再使用することができる。
具体的には、本発明の各態様に係る方法は、公知の方法を使用して、反応混合物から、生成した吉草酸、ヘプタン酸、それらの塩及び/又はエステルを抽出する工程を含むことができる。例えば、Byoung,S.J et al.,2013のセクション2.3に記載されているカルボン酸の抽出方法を使用することが挙げられる。別の抽出方法としては、Kieun C.,et al.,2013の「Extraction Model」に記載されている方法が挙げられる。
好適な実施形態について説明したが、好適な実施形態には、請求項の範囲から逸脱することなく、設計、構成又は操作に関して様々な変更又は変形を行うことができる。これらの変更又は変形も請求項の範囲に含まれる。
実施例1
Clostridium kluyveriによる、プロピオン酸及びエタノールからの吉草酸及びヘプタン酸の生成
エタノール及びプロピオン酸を生体内変化させて吉草酸及びヘプタン酸を生成するために、細菌であるClostridium kluyveriを使用した。培養工程は、ブチルゴム製栓によって気密的に密閉可能な耐圧ガラス瓶内において嫌気的条件下で実施した。
予備培養として、250mLの瓶に入れた100mLのDMSZ52培地(pH:7.0;10g/Lの酢酸カリウム、0.31g/LのKHPO、0.23g/LのKHPO、0.25g/LのNHCl、0.20g/LのMgSO・7HO、1g/Lの酵母抽出物、0.50mg/Lのリザズリン、10μL/LのHCl(25%、7.7M)、1.5mg/LのFeCl・4HO、70μg/LのZnCl・7HO、100μg/LのMnCl・4HO、6μg/LのHBO、190μg/LのCOCl・6HO、2μg/LのCuCl・6HO、24μg/LのNiCl・6HO、36μg/LのNaMO・2HO、0.5mg/LのNaOH、3μg/LのNaSeO・5HO、4μg/LのNaWO・2HO、100g/LのビタミンB12、80μg/Lのp−アミノ安息香酸、20μg/LのD(+)−ビオチン、200μg/Lのニコチン酸、100μg/LのD−Ca−パントテン酸塩、300μg/Lの塩酸ピリドキシン、200μL/Lのチアミン−HCl・2HO、20mL/Lのエタノール、2.5g/LのNaHCO、0.25g/Lのシステイン−HCl・HO、0.25g/LのNaS・9HO)に5mLのClostridium kluyveriの凍結培養物を播種し、OD600nmが>0.2となるまで37℃で119時間培養した。
本培養として、500mLの瓶に入れた200mLのDMSZ52培地に、遠心分離を行った予備培養によって得た細胞を播種した(OD600nm:0.1)。OD600nmが>0.4となるまで37℃で21時間培養を行った。細胞懸濁液を遠心分離し、製造緩衝液(pH:6.0、1.0g/Lのプロピオン酸及び2.5g/Lのエタノール)で洗浄し、再び遠心分離した。
製造培養として、500mLの瓶に入れた200mLの製造緩衝液に、本培養によって得た洗浄済みの細胞を播種した(OD600nm:0.2)。ブチルゴム製栓でキャップし、開放振盪水浴(open water shaking bath)内において37℃で68時間培養を行った。培養期間の最初と最後にサンプルを採取し、光学濃度、pH及びNMR分析物に関して試験を行った。
その結果、製造段階では、プロピオン酸の量は1.08g/Lから0.04g/Lに減少し、エタノールの量は2.5g/Lから1.5g/Lに減少した。また、吉草酸の濃度は0.05g/Lから0.95g/Lに増加し、ヘプタン酸の濃度は0.00g/Lから0.29g/Lに増加した。

Claims (13)

  1. 炭素源から吉草酸、ヘプタン酸、それらのエステル及び/又は塩を製造する方法であって、水性培地内において少なくとも1種の微生物を前記炭素源と接触させる工程を含み、前記炭素源がエタノール及びプロピオン酸であり、プロピオン酸の濃度が10g/L以下であることを特徴とする方法。
  2. エタノールの濃度が10g/L以下であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水性培地が6以上のpHを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. エタノールの濃度がプロピオン酸に対して約2:1であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. エタノールの濃度がプロピオン酸に対して約5:2であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記微生物が、エタノール−カルボキシレート発酵によってカルボン酸を生成することができることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記微生物が、アルコールデヒドロゲナーゼE、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼE、アセトアセチル−CoAチオラーゼE、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼE、3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドラターゼE、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼE、電子伝達フラビンタンパク質サブユニットE、補酵素AトランスフェラーゼE、酢酸キナーゼE及びホスホトランスアセチラーゼE10からなる群から選択される少なくとも1種の酵素を発現することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記微生物が、E、E、E、E、E、E、E、E、E及びE10を発現することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 前記微生物が、Clostridium kluyveri及びC.Carboxidivoransからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記微生物が、ヒドロゲナーゼ成熟化タンパク質及び/又は電子伝達複合タンパク質を発現することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記微生物が遺伝子組み換えされており、前記遺伝子組み換え微生物が、野生型微生物と比較して、E、E、E、E、E、E、E、E、E、E10、ヒドロゲナーゼ成熟化タンパク質及び/又は電子伝達複合タンパク質からなる群から選択される少なくとも1種の酵素を高発現することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記遺伝子組み換え微生物が、野生型微生物と比較して、E、E、E、E、E、E、E、E、E及びE10を高発現することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法によって製造された、単離された吉草酸、ヘプタン酸、それらのエステル及び/又は塩。
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