JP2017523033A - 新規な担持されたアントラキノン系触媒およびクラフト蒸解のためのそれらの使用 - Google Patents

新規な担持されたアントラキノン系触媒およびクラフト蒸解のためのそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、スチレン、遊離基を発生させる少なくとも1種の開始剤、少なくとも2官能性である少なくとも1種の架橋剤、少なくとも1種の細孔形成剤、および少なくとも1種の、式(I)のアントラキノン系モノマー式中、nは1〜5の範囲の整数である、を含む反応混合物のラジカル重合によって得られる、担持されたアントラキノン系触媒に関する。【選択図】なし

Description

本発明の目的は、新規な担持されたアントラキノン系触媒、それらの調製方法、および特に木屑のクラフト蒸解のためのそれらの使用である。
特にフランスのアキテーヌ地方においては、林業−木材工業−製紙工業の経済的影響は重要である。これらの工業では、製紙工業、およびより具体的にはセルロースパルプの製造工業は、重要な経済的部門を形成している。
パルプの最大の生産は、セルロースを抽出するための方法としてクラフトプロセスを使用する。ソーダおよび硫化ナトリウムの溶液の使用を基にして、クラフトプロセスは、今日では化学紙パルプの製造のための一般的なプロセスである。後者は、多くの利点、例えば残留リグニンの低含有量ならびに繊維の良好な機械的および物理化学的特性を有している。また、この方法は、エネルギーが自給自足であり、そして無機の反応剤の再生で、反応剤の消費の低減を可能とする。
それらの利点にかかわらず、クラフトプロセスは無視できない欠点:ヘミセルロースおよびセルロースの一部が分解するための低収率(約45%)、不快な臭気の原因となる揮発性の硫黄含有誘導体の形成...、を有している。
環境上の制約が、製紙工業がより清潔な化学およびより安全に向かわせるが、しかしながら競争力が残るようにさせる(森林資源の枯渇、人間および環境に対する有害な汚染)。持続可能な開発に含まれる努力は、既に森林の植林、紙および厚紙の再利用、バイオマスへの依存、バイオ精油所の構想、それらのプロセスの改良...を達成している。
特に、触媒量のアントラキノンの使用は、ソーダおよびクラフト蒸解操作の改良に、非常に実行性があることが証明されている。それは、セルロースパルプの収率および脱リグニンの促進の両方を改善する可能性を与える。このような有効性にもかかわらず、アントラキノンの非再生およびその高過ぎる費用は、今のところは一般化された工業的な使用には好ましくない。
従って、木材のクラフト蒸解のための有効な再利用できる触媒を有することへの必要性が存在している。
従って、本発明の目的は、特に木材のクラフト蒸解に向けた新規なアントラキノン系触媒を提供することである。
また、本発明の目的は、新規な完全に再利用可能なアントラキノン系触媒を提供することである。
また、本発明の目的は、木材のクラフト蒸解に有効で、そしてこのプロセスの収率を向上させる可能性を与えるアントラキノン系触媒を提供することである。
従って、本発明は、少なくとも1つのアントラキノン単位を表面に有するポリマー担体を含む担持されたアントラキノン系触媒に関し、この担持されたアントラキノン系触媒は、以下のものを含む反応混合物のラジカル重合によって得ることができる。
−スチレン、
−遊離基を発生する少なくとも1種の開始剤、
−ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジ(エチレングリコール)ジメタクリレート、アルキル鎖を含む化合物であって、1つもしくは幾つかの基、−((CHO)(ここで2≦k≦5、1≦m≦3)で中断され、アクリレート、メタクリレート、ビニルもしくはスチレン系官能基でαまたはω位が置換されたアルキル鎖を含む化合物、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種の少なくとも2官能性の架橋剤、
−少なくとも1種の細孔形成剤、ならびに、
−少なくとも1種の式(I)のアントラキノン系スチレン系モノマー
Figure 2017523033
式中、nは1〜5の範囲の整数である。
また、本発明は、以下のものを含む反応混合物のラジカル重合による、上記のような担持されたアントラキノン系触媒の調製方法に関する。
−スチレン
−有機基を発生させる少なくとも1種の開始剤、
−上記で規定した、少なくとも2官能性である少なくとも1種の架橋剤、
−少なくとも1種の細孔形成剤、および、
−上記で規定した、式(I)の少なくとも1種のアントラキノン系スチレン系モノマー
ラジカル重合
本発明によるアントラキノン系触媒は、ラジカル重合として当業者に良く知られ得た方法によって得られる。この方法は、成長およびマクロラジカルの成長によって行われる。非常に短い寿命を与えられたそれらのマクロラジカルは、結合または不均化によって不可逆的に再結合する。
そのような方法は、連鎖重合からなり、それは活性種としてラジカルを含んでいる。この方法は、開始、成長、停止および連鎖移動反応を含んでいる。
そのような方法の第1の工程は、以下に規定されるようなラジカル開始剤による、いわゆる一次ラジカルの発生からなっている。
1つの態様によれば、用いられる方法は、いわゆる「制御」または「リビング」ラジカル重合であることができ、それはまた当業者によく知られたプロセスである。制御ラジカル重合のよく知られたそれらのプロセスの中で、例えば、RAFT(可逆的な付加−分裂による連鎖移動)またはNMRP(窒素酸化物による制御ラジカル重合プロセス)を挙げることができる。
1つの態様によれば、重合は、単純な加熱によって型内で行われる。反応混合物は、上記で規定したとおりであり、そして架橋剤を含む1種もしくは幾つかのモノマー、1種もしくは幾つかの細孔形成剤、および開始剤を含んでいる。重合の最後に、触媒はモノリスとして得られ、これが、より沸点の高い細孔形成剤および未反応の試薬を除去するために、より揮発性の溶媒で精製される。
触媒の調製に用いられるモノマーとして、スチレンが特に用いられる。
1つの態様によれば、前述の反応混合物は、反応混合物の総質量を基準として10質量%〜30質量%のスチレンを含んでいる。好ましくは、反応混合物中のスチレンの質量含有量は、15質量%〜25質量%の範囲、そして好ましくは20質量%〜25質量%の範囲である。
開始剤
上記のように、重合方法は、重合開始剤を添加することによって開始される。それらの開始剤は、「遊離基を発生する開始剤」と称される。
それらの開示剤の中で、熱開始剤、レドックス開始剤または制御ラジカル重合のための更なる開始剤を挙げることができる。
熱開始剤は、熱分解によってラジカルを発生する開始剤の中から選択される。例としては、有機過酸エステル(peresters)(t−ブチルペルオキシピバレート、t−アミルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートなど)、アゾ型の有機化合物、例えば、アゾ−ビス−アミジノ−プロパンヒドロクロリド、アゾ−ビス−イソブチロニトリル、アゾ−ビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなど、無機および有機過酸化物、例えば過酸化水素、ベンゾイルペルオキシドおよびブチルペルオキシドが挙げられる。
本発明の有利な態様によれば、用いられる開始剤は、有機過酸化物またはアゾ型の有機化合物である。そのような開始剤は、好ましくはベンゾイルペルオキシドまたはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)であり、そして優先的にはAIBNである。
開始剤の中では、レドックス開始剤もまた挙げることができ、レドックス開始剤では、ラジカルの生成は、酸化−還元反応からもたらされる。レドックス開始剤の系、例えば、酸化剤、例えば、過硫酸塩(特には、過硫酸アンモニウムまたはアルカリ金属過硫酸塩など)、塩素酸塩および臭素酸塩(例えば、無機もしくは有機塩素酸塩および/または臭素酸塩)、還元剤、例えば、亜硫酸塩および亜硫酸水素塩(例えば無機および/または有機亜硫酸塩および亜硫酸水素塩)、シュウ酸およびアスコルビン酸ならびに2種もしくは3種以上のそれらの化合物の混合物を含むものを特に挙げることができる。
1つの態様によれば、前述の反応混合物は、反応混合物の総質量を基準として0.1質量%〜5質量%の開始剤を含んでいる。好ましくは、反応混合物中の開始剤の質量含有量は、0.5質量%〜3質量%を構成する。
架橋剤
上記のように、反応媒体はまた、少なくとも1種の架橋剤を含んでいる。
この架橋剤は、少なくとも2官能性物質である。
1つの態様によれば、この架橋剤は、1つもしくは幾つかの基−((CHO)(ここで、2≦k≦5、1≦m≦3)で中断され、αもしくはω位を少なくとも1つのアクリレート、メタクリレート、ビニルまたはスチレン系官能基で置換された、アルキル鎖を含む化合物である。
本発明による架橋剤は、例えば、特にはアクリレート、メタクリレート、ビニルおよびスチレン系官能基から独立して選択された少なくとも2つの官能基を含んでいる。
特に、本発明による架橋剤は、少なくとも2つのビニル官能基または少なくとも2つの(メタ)アクリレート官能基を含んでいる。
1つの態様によれば、架橋剤は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジ(エチレングリコ―ル)ジメタクリレート、およびそれらの混合物からなる群から選択された架橋剤である。
好ましくは、本発明による架橋剤は、ジ(エチレングリコール)ジメタクリレートである。
1つの態様によれば、前述の反応混合物は、反応混合物の総質量を基準として10質量%〜30質量%の架橋剤を含んでいる。好ましくは、反応混合物中の架橋剤の質量含有量は、12質量%〜25質量%の範囲、そして好ましくは15質量%〜20質量%の範囲である。
細孔形成剤
また、反応混合物は、少なくとも1種の細孔形成剤、そして好ましくは少なくとも2種の細孔形成剤を含んでいる。
1つの態様によれば、細孔形成剤は、本発明の方法の温度において、触媒がその中に不溶性であり、そして式(I)のアントラキノン系スチレン系モノマーがその中に可溶性である化合物から選択される。
細孔形成剤は、重合の間には反応しないが、しかしながら細孔の形成に関与する。細孔形成剤は、細孔中に捕捉され、反応の最後まで、ポリマー塊によって取り囲まれたままである。それらの体積分率は、多孔性に関係する。
1つの態様によれば、それらの化合物の沸点は、重合温度よりも高い。
1つの態様によれば、細孔形成剤は、トルエン、少なくとも10個の炭素原子、そして好ましくは10〜20個の炭素原子を含む長鎖アルコール、少なくとも10個の炭素原子、そして好ましくは10〜20個の炭素原子を含む長鎖アルカン、エチレングリコールオリゴマーおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の範囲内では、用語「エチレングリコールオリゴマー」は、少なくとも2つのエチレングリコール単位からなる化合物を表している。そのような化合物は、例えば、式、H−(OCHCH−OH(ここで、iは2以上、そして好ましくは4未満の整数である)で表すことができる。
好ましくは、本発明による担持されたアントラキノン系触媒は、少なくとも2種の細孔形成剤の混合物の適用を含む前述の方法によって得られる。
1つの態様によれば、細孔形成剤は、トルエン、少なくとも10個の炭素原子を含む長鎖炭素質鎖を有するアルコール、少なくとも10個の炭素原子を含む長鎖を有するアルカン、およびエチレングリコールオリゴマーからなる群から選択された少なくとも2種の化合物の混合物である。
1つの態様によれば、反応混合物は、細孔形成剤として、ドデカノールおよび/またはトルエンを含んでいる。好ましくは、細孔形成剤は、ドデカノールのおよびトルエンの混合物である。
1つの態様によれば、前述の反応混合物は、反応混合物の総質量を基準として、10質量%〜60質量%の細孔形成剤を含んでいる。好ましくは、反応混合物中の細孔形成剤の質量含有量は、30質量%〜60質量%の範囲、そして好ましくは50質量%〜60質量%の範囲である。
式(I)のモノマー
また、本発明による反応混合物は、上記で規定された式(I)の少なくとも1種のモノマーを含んでいる。
このモノマーは、アントラキノンの族からのモノマーである。
好ましくは、式(I)で、nは2である。
1つの態様によれば、前述の反応混合物は、10質量%未満の、式(I)のアントラキノン系スチレン系モノマーを含んでいる。好ましくは、反応混合物中の式(I)のアントラキノン系スチレン系モノマーの質量含有量は、0.01質量%〜10質量%の範囲、そして好ましくは5質量%〜10質量%の範囲である。
好ましい態様によれば、前述の反応混合物は、以下のものを含んでいる。
−反応混合物の総質量を基準として10質量%〜30質量%のスチレン、
−反応混合物の総質量を基準として0.1質量%〜5質量%の開始剤、特にはAIBN、
−反応混合物の総質量を基準として10質量%〜30質量%の架橋剤、特にはジ(エチレングリコール)ジメタクリレート、
−反応混合物の総質量を基準として10質量%〜60質量%の細孔形成剤、好ましくはドデカノールおよびトルエンの混合物、ならびに、
−少なくとも10質量%の式(I)の、特には式中でn=2の、アントラキノン系スチレン系モノマー
触媒
本発明による触媒は、表面に少なくとも1つのアントラキノン単位を有するポリマー担体を含む、担持された触媒である。このアントラキノン単位は、前述の式(I)のモノマーに由来している。
従って、それらの触媒は、ポリマー質の担体を含んでおり、その上にアントラキノン単位がグラフトされている。
1つの態様によれば、本発明による担持されたアントラキノン系触媒は、担持されたアントラキノン触媒の総質量を基準として、5質量%〜20質量%、好ましくは8質量%〜11質量%のアントラキノンを含んでいる。
本発明による触媒は、特にはモノリスの形態である。
モノリスは、単一の片に形成された多孔質および中実の材料である。本発明によれば、モノリスはポリマー(有機)質である。
また、本発明による触媒は、「マクロ多孔質硬質有機モノリス」、またはモノリスのアントラキノン系触媒またはモノリスの触媒と称することができる。
本発明によるモノリス触媒は、エマルジョンで、すなわち粒子として通常用いられる触媒とは異なっている。本発明による触媒は、粒子の形態ではなく、しかしながら上記のようにモノリスとして存在している。
それらのモノリスの主な特徴は、それらの多孔性であり、それが乾燥状態においても存続している。それらは、クラスター(粒子凝集体)として凝集した幾つかの粒子(微小球)からなり、そして細孔を有しており、細孔のサイズは重合混合物(反応混合物)の組成に強く依存している。「細孔」は、クラスターの間およびクラスター中に形成された不規則な空間である。それらは、相互連結されており、そしてそれらは経路を形成し、それが、モノリスが、溶質および溶媒によってその深部まで侵入されることを可能にする。
それらの材料の機械的性質は、それらの格子の架橋に非常に強く関係する。
従って、本発明によって得られる触媒は、種々の形状およびサイズの細孔からなる多孔質材料である。細孔は、それらのサイズによって以下の3つの部類に分類できる。
− 2nm未満の細孔直径(dpores)を有するマイクロ細孔、
− 2nm〜50nmの範囲のdporesを有するメソ細孔、
− 50nm超のdporesを有するマクロ細孔。
1つの態様によれば、本発明の触媒はメソ多孔性のモノリスである。
モノリスの多孔質構造は、以下の幾つかの技術を用いることによって評価することができる。
1)窒素吸着および脱着測定法(BET)、これは比表面積の測定を可能にする。
2)水銀侵入でのポロシメトリー測定(PIM)、これは細孔のサイズ分布の測定を可能にする。
3)走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)および原子間力顕微鏡(AFM)、これはモノリスのモルフォロジーを評価する可能性を与える。
4)固定相と考えられるモノリスカラムを通した、一連の既知のモル質量標準の溶出時間からの数学的な計算による多孔質構造の測定に用いられる逆立体排除クロマトグラフィー(ISEC)。ISEC測定は、湿潤状態でのモノリスの多孔性を示しており、一方で他の全ての方法は、乾燥材料の多孔性を特徴付け、そしてそれらの多孔性は、それらが液相の存在の下にあっても変わらないと想定されている。更に、窒素吸着および脱着測定法の場合には、吸着等温線の状態が、その材料の多孔性の種類、マクロ−、メソ−、またはマイクロ−多孔性の指標を与える。
本発明によれば、乾燥状態の触媒の細孔の平均直径は、BET法によって測定して、5nmから10nmまで変わることができ(以下に実験の部で詳述する)、そして水銀多孔性によって測定して50nmから300nmまで変わることができる(以下に実験の部で詳述する)。
本発明によるモノリス触媒は、重合反応器(管またはカラム)の形状を呈し、重合反応器は、異なる材料、ガラス、鋼、シリコーン、合成ポリマーなどからなることができる。
それらの触媒を調製するのに用いられる型の性質によって、それらは幾つかの幾何学的な形状、例えば円筒またはビーズ、を有することができる。好ましい態様によれば、本発明の触媒は、円筒形状を有している。
合成されたモノリスの直径は、例えばクロマトグラフィーカラム用では10マイクロメートル、そして例えば反応媒体用では25ミリメートル、更には200ミリメートル以下の範囲であることができる。
1つの態様によれば、担持されたアントラキノン系触媒は、BET法によって測定して、20m/g以上、そして好ましくは20〜200m/gの範囲の比表面積を有している。
単位質量当たりの粒の表面に関付けられた細孔の表面は、多孔質材料の比表面積を表す。比表面積への主要な寄与は、マイクロ細孔および次いでメソ細孔に由来する。マイクロ細孔が多くなればなるほど、比表面積がより大きくなる。マクロ細孔は、それ自体は比表面積に無視できる貢献を有しているが、しかしながら、比較的に低い圧力でモノリス内部で液体が循環することを可能にする。それらは、モノリス中の流体もしくは電気浸透流速を支持する可能性を与え、そして対流の物質移動を可能にする可能性を与えるものである。
本発明による担持されたアントラキノン系触媒は、興味深い機械的性質を有している。特には、それらの触媒のヤング率は、100MPa〜400MPaの範囲であることができる。
材料の弾性的挙動を特徴付けるヤング率は、10mmの幅および高さ有する長方形のモノリスならびに35mmの支持体間の長さを考慮して、評価された。
また、本発明による触媒は、再利用できるという利点を有している、すなわち、それらは1回目の使用の後に少なくとも1度使用することができ、そしてこれはそれらの触媒特性を維持したままである。それらは、有利には、1回目の使用の後に、数回再使用できる。好ましくは、それらは、少なくとも4回、または更には5回、または更には6回、再利用、すなわち再使用される。
この再利用性は、特に慣用の粒子の触媒と比較して、特に有利である。
用途
また、本発明は、木材の、あるいはリグノセルロース系バイオマスのクラフトまたはアルカリ蒸解を触媒するための、上記の担持されたアントラキノン系触媒の使用に関する。
木材のアルカリ蒸解(またはソーダプロセス)は、最も単純なアルカリ蒸解プロセスであり、そこでは木材は水酸化ナトリウムの水溶液で、150℃〜170℃の範囲の温度で処理される。蒸解の最後に、有機および無機の溶解された誘導体を含む黒液は、蒸発によって濃縮され、そして焼却される。得られた残渣は炭酸ナトリウムであり、これは水酸化カルシウムでの苛性化によってソーダに転換される。この方法は、リグニンの、そしてヘミセルロースの大部分を除去した後にセルロース繊維を単離する可能性を与える。
クラフトプロセスはまた、一般に硫酸塩法とも称されているが、硫酸ナトリウムが蒸解液の再生における化学薬品として用いられる方法である。この方法は、今日、ほとんどの製紙工業において用いられているが、このことは蒸解の間に形成される揮発性の硫黄含有化合物の臭気によって容易に認識される。
典型的には、木屑は、160℃〜180℃の温度(8〜9バールの圧力)で、2〜3時間に亘って、蒸解器と称される化学反応器中で、「白液」と称されるソーダ(NaOH)および硫化ナトリウム(NaS)の水溶液の存在下で処理される。
「黒液」と称される、蒸解操作の最後に回収される液は、無機塩ならびにリグニンおよび分解によって得られた多糖からなる有機化合物を主に含むが、しかしながら少量の抽出可能物も含む。この蒸解の間に、リグニンはセルロース系繊維を放出しながら溶解する。
また、本発明は、木屑もしくはリグノセルロース系バイオマスの、130℃〜180℃の範囲の温度での、30分間〜120分間に亘る、水、上記の担持されたアントラキノン系触媒、ならびにソーダおよび/または硫化ナトリウムの水溶液の存在下での、クラフトまたはアルカリ蒸解工程を含むセルロース系パルプの調製方法に関する。
従って、本発明はまた、本発明による触媒を用いた上記のソーダ法またはクラフトプロセスの用途に関する。
この方法は、木屑またはリグノセルロース系バイオマスを水、前記の触媒ならびにソーダおよび/または硫化ナトリウム(適用された技術によって)の水溶液と存在せしめることからなっている。
1つの態様によれば、活性アルカリの質量含有量、すなわちソーダおよび硫化ナトリウムの質量含有量は、NaOHまたはNaOの相当グラム数で表され、乾燥木材(木屑またはリグノセルロース系バイオマス)の総質量を基準として9質量%〜26質量%の範囲である。
1つの態様では、硫化度Sは、硫化ナトリウムと活性アルカリの比として規定される存在する硫黄の水準に相当し、25%〜35%の範囲である。
1つの態様では、希釈係数は3〜4.5の範囲である(希釈係数は、水の全量(木材パルプ中に含有される水に白液の体積を加えた合計)と乾燥木材の量の比を表す)。
1つの態様によれば、本発明によるアントラキノン系触媒の含有量は、用いられる乾燥木材の質量を基準として、0.5質量%未満である。
本発明による触媒の使用は、従来技術によるアントラキノン系触媒でのクラフトプロセスと比較して、収率が改善されるので、クラフトプロセスの範囲内において特に有利である。
更に、それらの触媒は、従来技術によるアントラキノン系触媒でのクラフトプロセスと比較して、薬品(ソーダおよび硫化ナトリウム)のより少ない量の使用の可能性を与える。
また、本発明は、上記の担持されたアントラキノン系触媒の水素化工程、それに続く空気からの酸素での酸化工程を含む、過酸化水素の調製方法に関する。
用いられる薬品は、Sigma-Aldrichで商業的に入手可能である。
例1:式(I)のアントラキノン系スチレン系モノマーの調製
この例は、以下の式のモノマーの調製に関する。
Figure 2017523033
これ以降、AQwittigと表記される、このモノマーの合成は、下記のスキームによる4つの工程で行われる。
Figure 2017523033
第1の工程は、ミルセンとナフトキノンの間のディールス・アルダー反応であり、これが2−(4−メチル−ペント−3−エニル)−アントラキノン、1Aの形成をもたらす。この製品は、「Derives Resiniques et Terpeniques」社によって合成されている。
ミルセンとナフトキノンはトルエンまたはトルエンとブタノールの混合物に溶解される。この溶液は、これらの薬品の消尽まで90℃に加熱される。次いで、酸素をバブリングさせながらこの混合物を70℃に維持しながら、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの50%の溶液を加えることによって、芳香族化が成し遂げられる。溶媒の蒸発の後に、誘導体1Aが90%超の収率で得られる。
この合成手順が、Cazeilsによって記載された(”Synthese de nouveaux catalyseurs de cuisson papetiere. Etude de leurs mecanismes d'action”, Thesis No. 3477, University of Bordeaux 1, 2007)。このモノマーの合成の第2の工程は、アントラキノンの側鎖の二重結合のエポキシ化、それに続くエポキシ基の酸化開裂(エポキシ基の親電子的開環)によるアルデヒドの形成である。最後の工程は、相間移動剤の存在下でのアルデヒドの4−ビニルベンジルトリフェニルホスホニウムクロリドとのWittig反応である。
第2の工程は、2−[2−3,3−ジメチル−オキシラニル)−エチル]−アントラキノン(1B)の合成からなっている。
Figure 2017523033
Figure 2017523033
冷却材、二窒素の入口および磁気バーを備えた1リットルの3首フラスコ中に、CHCl中の化合物1Aの溶液、メタ−クロロ過安息香酸(m−CPBA)および炭酸水素ナトリウムが導入され、そして室温(RT)で1時間二窒素の雰囲気下で激しく撹拌される。有機相がCHClで抽出され、Naの水溶液で、中性まで洗浄され、そして次いで硫酸ナトリウムで乾燥され、ろ過され、そして蒸発される。化合物1Bは、黄色固体(13.2g、43ミリモル)が、94%の収率で得られる。これは、いずれの精製もなしに、次の工程で用いられる。
第3の工程は、3−(9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロ−アントラセン−2イル)−プロピオン−アルデヒド(1C)の合成からなっている。
Figure 2017523033
Figure 2017523033
冷却材および磁気バーを備えた1リットルの3首フラスコ中に、化合物1B、過ヨウ素酸ナトリウム、tert−ブタノール、ギ酸、および蒸留水が導入され、そして二窒素雰囲気下で、室温で24時間強く撹拌される。有機相が、酢酸エチルで抽出され、炭酸ナトリウム水溶液で中性まで洗浄され、そして次いで硫酸ナトリウムで乾燥され、ろ過および蒸発される。化合物1Cが、淡黄色の固体(5.55g、21.02ミリモル)として、93%の収率で得られる。これは、いずれかの精製なしに、次工程で用いられる。
本方法は、4−ビニル−ベンジル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド(1E)の合成からなる中間工程を更に含んでいる。
Figure 2017523033
Figure 2017523033
冷却材、二窒素入口および磁気バーを備えた100mLの3首フラスコ中に、p−クロロメチルスチレンのトルエン溶液、およびトリフェニルホスフィンが導入され、そして溶媒を還流しながら、20時間に亘って強く撹拌される。形成された白色沈殿をろ過し、そしてPの存在下で真空で乾燥される。化合物1Eが、白色固体(12.39g、29.93ミリモル)として、91%の収率で得られる。これは、いずれかの精製なしに、次工程で用いられる。
本方法の最後の工程は、2−[4−(4−ビニル−フェニル)−ブト−3−エニル]−アントラキノン(1D)の合成である。
Figure 2017523033
Figure 2017523033
冷却材および磁気バーを備えた3首フラスコ中に、塩1Eおよび炭酸カリウム水溶液が導入され、そして室温で3時間強く撹拌される。そして次いでジクロロメタンに溶解された化合物1Cおよび相変換触媒、BuHSO が加えられ、反応混合物は、室温で24時間強く撹拌される。有機相がCHClで抽出され、3%の塩酸の水溶液で中性まで洗浄され、そして次いで硫酸ナトリウム上で乾燥され、ろ過され、そして蒸発される。シリカカラムでのクロマトグラフィー(溶離液はCHCl)による精製の後に、化合物1Dが、黄色固体(225mg、0.621ミリモル)として82%の収率で純粋に得られる(TLC)。
例2: 担持されたアントラキノン系触媒の調製
本発明によるアントラキノン系触媒(モノリス)の合成の重合反応の全体的な体系が、以下に示されている。モノリスの担体が、種々の寸法(直径×高さ=6×40mmまたは10×50mm)のガラス管中に調整される。
Figure 2017523033
以下の表に、この例に従って直径10mmのモノリスのSt−DVB−AQの合成に用いた薬品の量が示されている(ジビニルベンゼンを架橋剤としたモノリス)。
Figure 2017523033
スチレン、架橋剤(DVB、EGDMAまたはDEGMDA)、トルエン、ドデカノール、AQwittig、およびAIBN(50℃のエタノール中で精製され、そして0℃で再結晶された)からなる反応混合物が、管の中に導入され、そしてセプタムによって密封される。管中の自由空間は、開始剤の分解によって放出される気体の体積に比較して非常に小さいので、薄いゴムの風船とセプタムを刺し貫く針によって更なる体積を付加することが必要である。反応媒体は、超音波で50℃で均質化され(10分間)、そして重合を阻害する二酸素を除去するために、窒素のバブリングによって脱気される(10分間)。媒体は、真空で引かれ、そして次いで70℃にされたオイルバス中に、24時間浸漬される。重合の後に、このモノリスは、液体窒素に接触された管から注意深く引き抜かれ、そして次いで細孔形成剤および未反応のモノマーを除去するために、ソックスレーで700mLのTHFで約8時間洗浄される。精製の後に、それは真空で、200℃で12時間乾燥される。合成の収率は、UV−可視光分光法による間接法によって決定される。抽出溶媒は、モノリスのAQ官能性を定めるために、UV分光測定法によって、その中の未反応のAQwittigモノマーを分析するために、濃縮される。このモノリスは、UV、GC、SEM、TEMおよびPIMで分析される。
AIBNは、エタノールからの結晶化によって精製される。5gのAIBNを50℃で50mLのエタノール中に溶解させた後に、この溶液は直ちに濾過され、そしてロ液は、0℃に冷却される。このAIBNは、迅速に結晶化し、そしてろ過によって得られた結晶は、室温で真空で乾燥され、そして光を避けてビンの中に保存される。
上記の詳細な例は、架橋剤としてジビニルベンゼンを用いたモノリスの調製に関するが、しかしながら、架橋剤のEGDMAまたはDEGDMAでも同様に適用され、そしてそれはモル数で同じ量の薬品を用いて適用される。
例3: 分析
例2に示したように、抽出溶媒は、モノリスのアントラキノン官能性(AQ)を定めるために、UV分光測定法によって、その中の未反応のAQwittigモノマーを分析するために、濃縮される。
グラフト化AQの分析は、未反応であるAQの量を評価することにより、間接的な分析によって行われる。AQwittigは、327nmに特徴的なバンドを有しており、これが、較正の後で、非グラフト化AQの濃度を推測する可能性を与える。グラフト化AQwittigの量は、初期の量と分析された量との間の差である。
UV−可視光分光測定法: AQwittigモノマーの分析
UV−可視光分析が、Perkin Elmer Lambda 18装置で行われる。
グラフト化アントラキノンは、以下の洗浄混合物中のUV−可視光吸収によって測定される:モノリスを精製するために用いられたTHF溶媒をジクロロメタンで希釈。この溶液の327nmの吸収度を測定した後に、AQの量が、濃度の分かっているAQwittig溶液で予め行われた較正を基に決定される。較正の直線性は、ランベルト・ベールの法則の適用の可能性を与える。
Figure 2017523033
式中、lは、光学経路の長さ(クオーツ槽の厚さは1cm)、ε327は、327nmおよび25℃での、較正直線からの線形回帰によって定められたモル減衰係数であり(57000Lモル−1cm−1のε327)そしてCは、AQwittigの濃度(mMでの)(y=0.57x+0.02)である。
ランベルト・ベールの法則は、洗浄混合物中のAQwittig等価物の濃度を決定する可能性を与える。
AQwittigの質量収率(Y)は、グラフト化質量と初期に導入された質量の間の比をとることによって決定される。グラフト化AQの水準(TAQ)は、以下の式に従って、AQwittigの残留質量(m)を計算した後に決定される。
Figure 2017523033
得られた結果が、下記の表に示されている。
Figure 2017523033
モノリス上のグラフト化AQの水準(TAQ)は、モノリスのグラム当たりにAQが8〜11%である。UVによって決定されるグラフト化AQwittigの質量収率(Y)は、これらの3種類のモノリスの場合には、99%超である。
例4: 触媒の特性
1.触媒の熱安定性
触媒の熱安定性が、熱重量分析(TGA)によって試験された。
TGAは、島津の装置、version TGA-50TAによって行われた。生成物の約10mgの量が、白金ボートの上に置かれ、そして次いで、窒素雰囲気もしくは酸化雰囲気(空気)下で10℃/分の勾配で500℃に加熱された。
この分析は、本発明によるモノリス触媒が、300℃まで安定であること、そしてそれらが従って蒸解の間に用いられることができることを示す可能性がある。
2.触媒の機械的安定性
本発明による触媒の機械的安定性が以下に記載した試験に従って試験された。
三点曲げ:モノリスの機械的安定性
用いられた装置は、最大力が25kNのMTS QTest25 Elite型の引張試験機である。これは、ソフトウエアTestWorks 4によってヤング弾性率を計算する可能性を与える。測定は、円筒形試料(半径10mm、高さ40mm)で、1mm/分の初期の付加圧縮速度で行われた。支持体の間の長さは35mmである。
3.モノリスのモルフォロジー
モノリス触媒のモルフォロジーは、以下に記載された異なる技術に従って分析することができる。
走査型電子顕微鏡(SEM)
モノリスの内部構造が、2〜5kVの範囲の電界放出型のJOEL JMS-6700走査型電子顕微鏡で観察された。乾燥モノリスは、表面での電子の放出を促進するように、JOEL-JFC-1200 Fine Coaterで20秒間堆積された金の層で先ず金属化された。
透過型電子顕微鏡(TEM)
透過型電子顕微鏡での観察が、モノリスの内部構造を観察するために、80kVでMET CM 10 (FEI)型の装置で行われた。
50nmと75nmの厚さを有する試料の試片を超ミクロトーム、ultracut E(Leica)で、1mm/秒の速度でダイヤモンドナイフによって作られ、水上に浮遊させた。それらの試片は、微細な六角形の桟を備えた600メッシュの銅製の格子上に堆積され、そして顕微鏡で観察された。
特に、SEM写真は、モノリスが多孔質であり、そして均質であること、そしてアントラキノンの存在が、粒子のサイズおよび粒子間の空間のサイズを変化させることを確認する可能性を与える。
例5:触媒の多孔性および比表面積
これらの2つのパラメータを測定するために用いられる方法が、以下に記載される。
1.窒素吸着による多孔度測定:モノリスの多孔性(BET)
モノリスの比表面積が、77Kで、Micrometrics ASAP2100装置での窒素吸着によって、単一の窒素分子のサイズが16.2オングストロームであると仮定して、測定された。これらの試料は、それぞれの測定の前に、脱気され、そして真空下で120℃で24時間乾燥された。
圧力を観測することによって、吸着された分子の数が決定され、そして等温吸着曲線が得られ、これが、実験的に定められた等温吸着曲線の解析計算を基にしたBET(Brunauer, Emmett, Teller)モデルによる比表面積の計算を可能にする。この方法は、モノリスの表面での、それの液体窒素での冷却の間の窒素の吸着(多分子の)および脱着を測定し、そして等温線からの多孔性の推測の可能性を与える。
与えられた温度での、吸着されたガスの量(質量または体積による)とその圧力との関係は、吸着等温平衡と称される。それは、気体相と固体相との間の熱力学的平衡を表している。
等温吸着の特徴は、その材料の特徴を表す。文献には、6つの等温吸着曲線が記載されている(Rouquerol, F.; Llewellyn, P.; Rouquerol, J.; Luciani, L.; Denoyel, R. Techniques de l'ingenieur 2003, p.1050)。
− タイプIの等温線は、マイクロ細孔を専ら有する材料で得られ、マイクロ細孔は、それらの直径はより小さいので、より低い圧力で充填される。
− タイプIIの等温線は、多分子吸着の特徴であり、そしてそれは非多孔性吸着体あるいは、その表面で、吸着された層が徐々に厚くなるマクロ多孔性吸着体で得られる。
− タイプIVの等温吸着は、メソ多孔性吸着体で得られ、そこでは毛管凝縮が起こる。メソ細孔中で毛管現象によって凝縮された窒素の脱着は、可逆性ではない:吸着に比して、脱着のヒステリシスが通常観察される。
− タイプIIIおよびVの等温吸着は、疎水性表面による水蒸気の吸着の場合に観察される。それらは、低い吸着体/被吸着体相互作用を有する材料では非常にまれである。
− タイプVIの等温吸着は、エネルギー的に均質な表面による吸着の場合により最近観察され、その表面では、吸着層が次々に形成される。
BET法は、乾燥状態におけるモノリスの全多孔性、マイクロ細孔、メソ細孔およびマクロ細孔、を決める可能性を与える。
2.水銀の侵入によるポロシメトリー:モノリスの多孔性(PIM)
水銀の侵入によるポロシメトリーが、細孔のサイズの分布およびマクロ多孔性材料の多孔性の特性を決定するために用いられる。それらの測定が、Micrometrics AutoPore IV 9500装置で、0.4〜1gの範囲の質量の試料について行われる。非湿潤水銀(水銀の接触角、θHgは、関連する表面に応じて、通常110〜160°の範囲に入る)の体積が、水銀に付加される圧力に応じて試料の細孔中に(真空下で)侵入する。
水銀がその中に侵入することができる細孔の直径は、付加される圧力に反比例する可能性があり、細孔が小さければ小さい程、より高い圧力が必要とされる(Krajnc, P.; Leber, N.; Stefanec, D.; Kontrec, S.; Podgornik, A. Journal of Chromatography A 2005, 1065, (1), p.69-73)。円筒形細孔モデルおよび圧力に応じた侵入体積の変化は、細孔の平均直径を計算する可能性を与える。
この技術は、マクロ細孔のみを測定する可能性を与え、それは、これも小細孔を測定するBET法とは比較することができない(Svec, F.; Frechet, J. M. J. Chemistry of Materials 1995, 7, (4), p.707-715)。
3.結果
異なる架橋剤でのAQの存在の、多孔性への影響
Figure 2017523033
条件:M/P=2/3(モノマーと細孔形成溶媒の間の体積比);1.5%のAIBN;24%のSt;16%の架橋剤;50%のDod;10%のTol;dmonolith=10mm、1)PIMによる細孔の平均直径、2)BETによる細孔の平均直径。
得られた結果は、疎水性モノリスSt−DVB−AQ中のAQwittigモノマーの存在は、比表面積を増加させ、そして細孔の直径を低下させることを示している。
EGDMAを基にしたより親水性モノリスの場合には、アントラキノンの存在が、比表面積の増加を引き起こすが、しかしながら多孔性には何ら影響しない。
DEGDMAに基づくモノリスの多孔性は、PIM法によっては、水銀の侵入がないので、測定可能ではない。このモノリスは、いずれのマクロ多孔性も有しない。EGDMAを基にした、またはDVBを基にしたモノリスのPIM測定によって得られた結果によれば、それらのモノリスの種類の両方とも、マクロ細孔を有し、EGDMAを基にしたモノリスの場合には、更にメソ細孔を有する。
例6:本発明の触媒の存在下でのクラフト蒸解
蒸解は、スマーフィットカッパセルロースドゥピンの回転式蒸解器によって行われる。カイガンショウ(pin maritime)のロータリーカット木材を木屑として、7mmの直径および4mmの厚さを備えた画分を用いるために、異なる寸法の篩によって区分けした。蒸解器は、6つのシェルからなるオートクレーブであり、それらはオイルバス中に浸漬されている。必要とされる湿潤木材の量を決めるために、200gの湿潤木材について、105℃のオーブンに24時間で乾燥度が測定される。それぞれのシェルの中に、4mmの厚さを180g(40%)そして7mmの直径を270g(60%)を含む、450gの木屑(乾燥状態で表して)が導入される。それぞれの蒸解について、我々は、いずれの触媒も含まない3つの対照シェルおよび、触媒の存在する3つのシェルを用意した。
蒸解条件は、目標とされるカッパ価に応じて異なる。この例は、目標とするカッパ価を25として行った。白液がプラント(工業的リーチング)で採取される。活性アルカリ(NaOHの当量およびNaOの当量で表されたソーダおよび硫化ナトリウムの合計量)および硫化度(硫化ナトリウムと活性アルカリの間の比率として規定される、存在する硫黄量に相当する)が、2つの試験で、白液の分析法によって測定される。蒸解に用いられる活性アルカリ量は、9〜22%の範囲で変化し、そして硫化度は25〜30%の範囲で変化する。全ての蒸解について、我々は同じ水含有量を維持した。3.5である希釈係数は、シェル中に含まれる水の合計量(木材の水分、白液の体積、および供給水の合計)と乾燥木材の量の間の比率を表す。
シェルなしで回転された蒸解器が、80℃に予備加熱される。この温度で、木材、液、水、そして場合によっては触媒を充填されたシェルが導入される。例えば、20%のアルカリでは、対照のシェルで、4mmの厚さを有する約360gの湿潤木材、7mmの直径の湿潤木材520g、116g/LのNaOの活性アルカリの、770mLの白液、および380mLの水が導入される。
蒸解の最後に、これらのシェルは、それらを冷水中に浸漬させることによって急激に冷却される。モノリス(触媒)を備えたシェルの場合には、モノリスは回収され、そして黒液中に保持される。それぞれのシェルについて、木屑は一晩予備洗浄され、2分間繊維を離解され、洗浄および絞られる。この一連の操作の最後に紙パルプが得られる。収率は、パルプの乾燥を考慮に入れて、50gを秤量することによって計算される。
50gの量の回収されたパルプは、2.5Lの水に希釈され、そして10分間繊維を離解される。シートが、Noble Wood型(Formette)によって、1リットルの希釈された懸濁液で作られる。このシートの、Noble and Wood乾燥機での120℃での恒量までの乾燥の後に、シートの乾燥質量が、秤量することによって測定される。これが、次いで、カッパ価を測定するための、1グラムのパルプをサンプリングするために必要な体積の計算を可能にする。
漂白されていないパルプの脱リグニン度の指標である、パルプのカッパ価を測定するために、以下の手順が用いられた。所定の時間、パルプと接触させた特定の体積の過マンガン酸カリウムの存在下での残留するリグニンの酸化によって、カッパ価が得られる。リグニンの存在下で、初期の量の20%〜60%の範囲にある必要がある過マンガン酸塩の消費がある。反応は、ヨウ化カリウム溶液の添加によって阻止される。放出されたヨウ素は、次いで酸性媒体中のチオ硫酸ナトリウム溶液によって分析される(ISO 302:2004 standard、パルプ―カッパ価試験方法;第2版; French Standardization Association(Association Francaise de Normalisation)(AFNOR), 2004)。
全体の体積(パルプ+水)を910mLに低減させた後に、それを撹拌して放置し、そして同時に40mLの0.6NのKMnOおよび50mLの8NのHSOが注がれる。2分後にストップウォッチが始動され、温度計によって温度Cが測定される。反応は5分間までさせておき、そして次いで反応は、20mLのKI(160g/L)を添加することによって停止される。放出されたヨウ素は、繊維の存在下で、0.6NのNa溶液によって滴定される。数滴のデンプンペーストが分析の最後に向けて加えられる。
この溶液の変色に必要とされるNaの体積Vは、以下の関係に従ってカッパ価の計算を可能にする。
カッパ価=(V−Vwhite)×6×{1+[(25−C)×0.013]}
式中、Vwhiteは、水のみを用いて(いずれのパルプなしに)消費されたNaの体積に相当する。
下記の表に対照の蒸解およびモノリスを用いた蒸解の全ての結果が列挙されている。
Figure 2017523033
この結果の表は、本発明の触媒の収率に関しての有効性を確かめる可能性を与える。
上記の触媒(DVB、EGDMAおよびDEDGMA)は以下の特徴を有している。
Figure 2017523033
モノリス、St−DVB−AQ、St−EGDMA−AQおよびSt−DEGDMA−AQは、蒸解条件の下で耐性があり、そして分解されない。
例7:触媒の再利用
例7.1.
モノリスは、第1の蒸解の間にいずれの損失もなしに、完全に回収され、そして第2の蒸解の間に再度試験される。2回の蒸解の間に、モノリスは、黒液中に保持され、そしていずれかの精製工程なしに用いられる。黒液は、蒸解の最後に、モノリスが同じ膨潤条件および水和条件に保持されることを可能にする。
得られた結果は、下記の表に示されている(例6と同じ条件)
Figure 2017523033
この結果の表は、本発明による触媒の、それらが再利用された場合の、有効性を確かめる可能性を与える。
例7.2.同じモノリスの再利用によるカッパ価の蒸解数に対する経時変化の検討
繊維上の残留リグニン量を考慮するカッパ価(小さければ小さいほどより多く脱リグニンが成し遂げられている)が、分類されたパルプで測定された。この分類は、蒸解されてない繊維から繊維を分離することからなっている。
分類されたカッパ価の測定結果は、未蒸解なしでの、本方法の出口でのカッパ価の測定結果に相当する。
Figure 2017523033
22%の活性アルカリの質量含有量で、カッパ価への効果は、本方法に関する変動の発生源にもかかわらず、3回の蒸解の後も保持される。モノリスの物理的な崩壊は観察されなかった。
Figure 2017523033
最初の2回の蒸解は、最後の3回の蒸解とは異なる木材のバッチでなされた。
このことにも拘わらず、26%の活性アルカリの質量含有量では、カッパ価への効果は、そして本方法に関する変動の発生源にもかかわらず、5回の蒸解の後にも保持される。モノリスの物理的な崩壊は観察されなかった。
これらの全ての結果は、本発明によるモノリス触媒の有効性を示しており、そしてこのことは数回の使用の後にさえも示される。
上記の触媒(DVB、EGDMAおよびDEGDMA)は以下の特徴を有している。
分類されたカッパ価の測定結果は、未蒸解の成分の考慮なしでの、蒸解プロセスの最後でのカッパ価の測定結果に相当する。

Claims (11)

  1. 少なくとも1つのアントラキノン単位を表面に有するポリマー担体を含む、モノリスとしての担持されたアントラキノン系触媒、該担持されたアントラキノン系触媒は、
    −スチレン、
    −遊離基を発生する少なくとも1種の開始剤、
    −ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジ(エチレングリコール)ジメタクリレート、アルキル鎖を含む化合物であって、1つもしくは幾つかの基、−((CHO)(ここで2≦k≦5、1≦m≦3)で中断され、少なくとも1つのアクリレート、メタクリレート、ビニルもしくはスチレン系官能基でαまたはω位が置換されたアルキル鎖を含む化合物、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種の、少なくとも2官能性の架橋剤、
    −少なくとも1種の細孔形成剤、ならびに、
    −少なくとも1種の式(I)のアントラキノン系スチレン系モノマー
    Figure 2017523033
    式中、nは1〜5の範囲の整数である、
    を含む反応混合物のラジカル重合によって得ることができる。
  2. 前記細孔形成剤が、トルエン、少なくとも10個の炭素原子を含む長鎖アルコール、少なくとも10個の炭素原子を含む長鎖アルカン、エチレングリコールオリゴマー、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の担持されたアントラキノン系触媒。
  3. 前記細孔形成剤が、トルエン、少なくとも10個の炭素原子を含む長鎖アルコールおよび少なくとも10個の炭素原子を含む長鎖アルカンからなる群から選択された少なくとも2種の化合物の混合物である、請求項1または2記載の担持されたアントラキノン系触媒。
  4. 前記細孔形成剤が、ドデカノールおよびトルエンの混合物である、請求項1〜3のいずれか1項記載の担持されたアントラキノン系触媒。
  5. 前記担持されたアントラキノン系触媒の全質量を基準として、5質量%〜20質量%、好ましくは8質量%〜11質量%のアントラキノンを含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の担持されたアントラキノン系触媒。
  6. 前記反応混合物が、
    − 前記反応混合物の全質量を基準として、10質量%〜30質量%のスチレン;
    − 前記反応混合物の全質量を基準として、0.1質量%〜5質量%の開始剤;
    − 前記反応混合物の全質量を基準として、10質量%〜30質量%の架橋剤;
    − 前記反応混合物の全質量を基準として、10質量%〜60質量%の細孔形成剤;および、
    − 10質量%未満の、式(I)のアントラキノン系スチレン系モノマー、
    を含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の担持されたアントラキノン系触媒。
  7. BET法によって測定された比表面積が20m/g以上、そして好ましくは20〜200m/gの範囲である、請求項1〜6のいずれか1項記載の担持されたアントラキノン系触媒。
  8. ヤング率が100MPa〜400MPaの範囲である、請求項1〜7のいずれか1項記載の担持されたアントラキノン系触媒。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の担持されたアントラキノン系触媒の、木材のクラフト蒸解またはアルカリ蒸解を触媒するための使用。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項記載の担持されたアントラキノン系触媒のモノリスとしての調製方法であって、
    −スチレン、
    −遊離基を発生する少なくとも1種の開始剤、
    −ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジ(エチレングリコール)ジメタクリレート、アルキル鎖を含む化合物であって、1つもしくは幾つかの基、−((CHO)(ここで2≦k≦5、1≦m≦3)で中断され、少なくとも1つのアクリレート、メタクリレート、ビニルもしくはスチレン系官能基でαまたはω位が置換されたアルキル鎖を含む化合物、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種の、少なくとも2官能性の架橋剤、
    −少なくとも1種の細孔形成剤、ならびに、
    −少なくとも1種の式(I)のアントラキノン系スチレン系モノマー
    Figure 2017523033
    式中、nは1〜5の範囲の整数である、
    を含む反応混合物のラジカル重合による、調製方法。
  11. セルロース系パルプの調製方法であって、木屑の、またはリグノセルロース系バイオマスの、130℃〜180℃の範囲の温度での、30分間〜120分間の、水、請求項1〜8のいずれか1項記載の担持されたアントラキノン系触媒、ならびにソーダおよび/または硫化ナトリウム水溶液の存在下でのクラフト蒸解もしくはアルカリ蒸解工程を含む、調製方法。
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