パケット伝送ネットワーク(Packet Transfer Network、PTNと略称される)はパケットスイッチングサービスに基づく多種の両方向ピアツーピア接続チャネルをサポートし、各種の太さの粒度サービス、エンドアンドエンドに適するネットワーキング能力を備え、IPサービス特性により適する伝送チャネルを提供する。保護特性はPTNの特徴の1つであり、豊富な保護方式を備え、ネットワーク故障の場合に、50msに基づくキャリアグレードサービス保護スイッチングを実現し、伝送グレードのサービス保護と復旧を実現することができる。
PTN装置は『パケット伝送ネットワーク(PTN)装置技術仕様』の関連説明に従い、10.3.7.2節には、リングネットワークノードAPS(自動保護スイッチング)プロトコル状態とステートマシンの具体的な方案が詳細に説明される。既存のAPSプロトコルの実現には、下記不備が存在する(保護ロッキングと強制スイッチングを例とする)。図1は関連技術におけるAPSステートマシンの各状態間に移行するトポロジー構造図であり、図1に示すように、該トポロジー図は簡単に、A(西方向)--(東方向)B(西方向)--(東方向)C(西方向)--(東方向)Aである。
ステップ1、Aの西方向で保護ロッキングを送信し、Bの東方向で強制スイッチングを送信する。
保護ロッキングの優先度が高いため、この時、A点でのAPSプロトコル要求はLP(保護ロッキング)であり、BでのAPSプロトコル要求はLP(保護ロッキング)である。
ステップ2、状態が安定した後、この時、Aの西方向と東方向はいずれも保護ロッキングのリクエストコードを送信すべきであり、Bは東方向の短い経路でRR(リバースリクエスト)を応答し、西方向の長い経路でLPリクエストコードを送信する。
ステップ3、ある時刻で、B点のAPSバイトがちょうど送信され、メッセージがまだAに到達しなく、この時、A点のユーザはLP設定を取り消し、NR(ノーリクエスト)を送信する。
ステップ4、BはAが送信したノーリクエストコードを受信し、この時、設定されたFS(強制スイッチング)の優先度が最も高く、スイッチング状態に入り、Aの西方向がRRコードを受信し、東方向がLPを受信し、再びLPに入る。
ステップ5、Aの西方向がRRコードを送信し、東方向がLPを送信し、Bの東方向がFSを送信し、西方向がFSを送信する。
ステップ6、Aは相手が送信したAPSを受信した後に、西方向がRRコードを送信し、東方向がFSを送信し、スイッチング状態に入り、Bの東方向がRRを送信し、西方向がLPを送信し、保護ロッキング状態に入る。
ステップ7、ABは再び相手が送信したAPSを受信した後に、西方向がRRコードを送信し、東方向がLPを送信し、Bの東方向がRRを送信し、西方向がFSを送信する。
その後ずっとステップ6、7の間に循環し、最終にノードのAPS状態はずっと保護ロッキングLPと強制スイッチングFSとの間に繰り返して切り替え、サービスパケットロスを招き、サービスの安定に影響を与える。
このため、関連技術において、ノードのAPS状態には保護ロッキングLPと強制スイッチングFSとの間に繰り返して切り替える状態が存在し、サービスパケットロスを招き、サービスの安定に影響を与える問題が存在する。
以下、図面を参照して実施例を組合わせて、本発明を詳細に説明する。なお、衝突しない場合に、本願における実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせることができる。
本実施例では自動保護スイッチングAPS状態処理の方法を提供し、図2は本発明の実施例による自動保護スイッチングAPS状態処理の方法のフローチャートであり、図2に示すように、該フローは下記ステップS202〜S204を含む。
ステップS202、自動保護スイッチングAPSノードのノード状態が、APSノードがリバースリクエストRRコードを送信して、非信号失効SFと非信号劣化SDのリバースリクエストコード、及び該APSノード以外の他のノードが送信したRRコードを受信した状態、APSノードがリバースリクエストRRコードを送信して、信号失効SFと信号劣化SDのリバースリクエストコード、及び該APSノード以外の他のノードが送信したRRコードを受信した後に、復旧待ちWTR時間に入り、且つ該WTR時間を超える状態、のうちの少なくとも1つであることを確定する。
ステップS204、APSノードのスイッチング状態を取り消す。
関連技術においてノードがずっと繰り返して切り替える循環にあって、サービスパケットロスを招くことに対して、上記ステップにより、ノード状態に基づいて、APSノードがエンドレスループにあって取り消す必要がある状態にあるかどうかを判断し、即ちノード状態がプリセットの条件を満たすかどうかを判断し、APSノードがリバースリクエストRRコードを送信して、非信号失効SFと非信号劣化SDのリバースリクエストコード、及び該APSノード以外の他のノードが送信したRRコードを受信した場合、又は該APSノードがリバースリクエストRRコードを送信して、信号失効SFと信号劣化SDのリバースリクエストコード、及び該APSノード以外の他のノードが送信したRRコードを受信した後に、復旧待ちWTR時間に入り、且つ該WTR時間を超える場合、APSノードに対してスイッチング状態の変更処理を実行する必要があることを確定でき、その後該APSノードのスイッチング状態を取り消す。上記処理により、関連技術における上記問題を効果的に解決するだけでなく、ある程度に保護スイッチングの処理時間を節約し、サービスの安定性を向上させる効果を達成する。
好ましくは、ノード状態が、APSノードがリバースリクエストRRコードを送信して、非信号失効SFと非信号劣化SDのリバースリクエストコード、及び該APSノード以外の他のノードが送信したRRコードを受信した状態である場合、APSノードにおいてセクションレイヤー故障を検出したかどうか及び/又は人工スイッチング操作コマンドを受信したかどうかを確定し、ただ該APSノードにおいてセクションレイヤー故障を検出していない、及び/又は人工スイッチング操作コマンドを受信していない場合にのみ、ノード状態がプリセットの条件を満たすことを確定する。
また、ノード状態が、APSノードがリバースリクエストRRコードを送信して、非SFと非SDのリバースリクエストコード、及び該APSノード以外の他のノードが送信したRRコードを受信した状態である場合、ノード状態がプリセットの条件を満たすことを確定すると、APSノードが、短い経路でリバースリクエストコードを受信し、長い経路で非SFと非SDのリバースリクエストコードを受信したことを確定することができる。
及び、ノード状態が、APSノードがリバースリクエストRRコードを送信して、SFとSDのリバースリクエストコード、及び該APSノード以外の他のノードが送信したRRコードを受信した状態である場合、ノード状態がプリセットの条件を満たすことを確定すると、APSノードが、短い経路でリバースリクエストコードを受信し、長い経路でSFとSDのリバースリクエストコードを受信したことを確定することができる。
APSノードのスイッチング状態を取り消すことは、APSノードのスイッチング状態をアイドル状態に切り替えることであってもよい。
本実施例では自動保護スイッチングAPS状態処理の装置を更に提供し、該装置は上記実施例及び好適な実施形態を実現するためのものであり、説明したものは繰り返して説明しない。以下使用する「モジュール」という用語は、プリセットの機能のソフトウェア及び/又はハードウェアの組合せを実現することができる。以下の実施例に記載の装置は好ましくはソフトウェアにより実現されるが、ハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアとの組合せによる実現も可能であり、想定されることができる。
図3は本発明の実施例による自動保護スイッチングAPS状態処理の装置の構造ブロック図であり、図3に示すように、該装置は第1確定モジュール32と取消モジュール34とを含み、以下該装置を説明する。
第1確定モジュール32は、自動保護スイッチングAPSノードのノード状態が、APSノードがリバースリクエストRRコードを送信して、非信号失効SFと非信号劣化SDのリバースリクエストコード、及び該APSノード以外の他のノードが送信したRRコードを受信した状態、APSノードがリバースリクエストRRコードを送信して、信号失効SFと信号劣化SDのリバースリクエストコード、及び該APSノード以外の他のノードが送信したRRコードを受信した後に、復旧待ちWTR時間に入り、且つ該WTR時間を超える状態、のうちの少なくとも1つであることを確定するように設定され、取消モジュール34は、上記第1確定モジュール32に接続され、APSノードのスイッチング状態を取り消すように設定される。
図4は本発明の実施例による自動保護スイッチングAPS状態処理の装置の好適な構造ブロック図であり、図4に示すように、該装置は図3に示すモジュール以外、第2確定モジュール42を更に含み、以下該第2確定モジュール42を説明する。
第2確定モジュール42は、上記第1確定モジュール32と取消モジュール34に接続され、ノード状態が、APSノードがリバースリクエストRRコードを送信して、非信号失効SFと非信号劣化SDのリバースリクエストコード、及び該APSノード以外の他のノードが送信したRRコードを受信した状態である場合、APSノードにおいてセクションレイヤー故障を検出していない、及び/又は人工スイッチング操作コマンドを受信していないことを確定するように設定される。
図5は本発明の実施例による自動保護スイッチングAPS状態処理の装置における第1確定モジュール32の好適な構造ブロック図一であり、図5に示すように、該第1確定モジュール32は第1確定ユニット52を含み、以下該第1確定ユニット52を説明する。
第1確定ユニット52は、APSノードが、短い経路で該APSノード以外の他のノードが送信したRRコードを受信し、長い経路で非SFと非SDのリバースリクエストコードを受信したことを確定するように設定される。
図6は本発明の実施例による自動保護スイッチングAPS状態処理の装置における第1確定モジュール32の好適な構造ブロック図二であり、図6に示すように、該第1確定モジュール32は第2確定ユニット62を含み、以下該第2確定ユニット62を説明する。
第2確定ユニット62は、APSノードが、短い経路で該APSノード以外の他のノードが送信したRRコードを受信し、長い経路でSFとSDのリバースリクエストコードを受信したことを確定するように設定される。
図7は本発明の実施例による自動保護スイッチングAPS状態処理の装置における取消モジュール34の好適な構造ブロック図であり、図7に示すように、該取消モジュール34は切替ユニット72を含み、以下該切替ユニット72を説明する。
切替ユニット72は、APSノードのスイッチング状態をアイドル状態に切り替えるように設定される。
図8は本発明の実施例による自動保護スイッチングAPSノードの構造ブロック図であり、図8に示すように、該APSノード80は上記いずれか1項によるAPS状態処理の装置82を含む。
関連技術におけるノードのAPS状態の不安定によりスイッチング状態が繰り返し切り替える問題に対して、リングネットワークの保護状態の安定性を向上させる方案は提案される。該方案は主に下記内容を含む。
1、『パケット伝送ネットワーク(PTN)装置技術仕様』に記載のリングネットワーク保護スイッチングAPSステートマシンの記述。
2、ノードが非SFとSDのリバースリクエストコードを受信し、且つ自身も同時にリバースリクエストコードを送信する場合、該ノードの元のスイッチング状態を取り消す。
3、ノードがSFとSDのリバースリクエストコードを受信し、且つ自身も同時にリバースリクエストコードを送信する場合、WTR時間に入るべき、且つWTR時間が終った後に該ノードのスイッチング状態を取り消す。
以下、実例を参照しながら説明する。
該リングネットワーク保護状態の安定を向上させる方案は下記ステップを含む。
トポロジー図は簡単に、A(西方向)--(東方向)B(西方向)--(東方向)C(西方向)--(東方向)Aである。
ステップ1、Aの西方向で保護ロッキングを送信し、Bの東方向で強制スイッチングを送信する。
保護ロッキングの優先度が高いため、この時、A点でのAPSプロトコル状態は保護ロッキングであり、BでのAPSプロトコル状態は保護ロッキングである。
ステップ2、状態が安定した後、この時、Aの西方向と東方向はいずれも保護ロッキングのリクエストコードを送信すべきであり、Bは東方向の短い経路でRRを応答し、西方向の長い経路でLPリクエストコードを送信する。
ステップ3、ある時刻で、B点の保護ロッキングAPSバイトがちょうど送信され、メッセージがまだAに到達しなく、この時、A点のユーザはLP設定を取り消し、ノーリクエストコードを送信する。
ステップ4、Aの西方向がRRコードを受信し、東方向がLPコードを受信し、再び保護ロッキング状態に入り、BはAが送信したノーリクエストコードを受信し、この時、設定されたFSの優先度が最も高く、強制スイッチング状態に入る。
ステップ5、Aの西方向がRRコードを送信し、東方向がLPを送信し、Bの東方向がFSを送信し、西方向がFSを送信する。
ステップ6、Aノードの西方向がRRコードを受信し、東方向がFSコードを受信し、この時、モジュール2に基づいて、保護ロッキング状態を取り消し、ノースイッチング状態に入り、この時、Bの東方向がRRコードを受信し、西方向がLPコードを受信し、この際に、スイッチング状態を再計算し、依然として強制スイッチング状態を保持する。
ステップ7、ABは再び相手が送信したAPSを受信した後に、Aノードの西方向がRRコードを送信し、東方向がFSを送信し、Bの東方向がFSを送信し、西方向がFSを送信する。
ここに至って、リングネットワークのスイッチング状態は強制スイッチング状態に安定した。
上記実施例及び好適な実施形態により、ノードの保護状態が繰り返し切り替える問題を解決するだけでなく、保護スイッチングの処理時間を節約し、サービス安定性を向上させる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。
図9は本発明の好適な実施形態によるスイッチング状態がアイドル状態に移行するフローチャートであり、図9に示すように、該フローは下記ステップS902〜S916を含む。
ステップS902、WTRがタイムアウトするかどうかを判断し、WTRがタイムアウトする場合、ブリッジングとスイッチングを諦め、アイドル状態に移行し、且つ東と西方向にNRリクエストコードを送信する。
ステップS904、外部から開始した人工スイッチングコマンドがクリアされるかどうかを判断し、外部から開始した人工スイッチングコマンドがクリアされる場合、ブリッジングとスイッチングを諦め、アイドル状態に移行し、且つ東と西方向にNRリクエストコードを送信する。
ステップS906、東と西方向でいずれもNRリクエストを受信したかどうかを判断し、東と西方向でいずれもNRリクエストを受信した場合、ブリッジングとスイッチングを諦め、アイドル状態に移行し、且つ東と西方向にNRリクエストコードを送信する。
ステップS908、自身が送信したAPSリクエストを受信したかどうかを判断し、東方向又は西方向で自身が送信したAPSリクエストを受信した場合、同時に他のAPSリクエストを受信したかどうかを判断する。
ステップS910、同時に他のAPSリクエストを受信していない場合、直ちにアイドル状態に移行し、且つ東と西方向にNRリクエストコードを送信する。
ステップS912、他のAPSリクエストを受信した場合、現在に受信した最高のAPSリクエストに基づいて動作する。
ステップS914、ノードは短い経路でRRコードを受信し、長い経路で非SF/SDのスイッチングコードを受信し、この時ノードはセクションレイヤー故障を検出せず、外部の人工操作コマンドも受信していない場合、アイドル状態に入り、NRコードを送信する。
ステップS916、短い経路でRRコードを受信し、長い経路でSF/SDのスイッチングコードを受信した場合、スイッチングを取り消さなく、WTR状態に入る。
もちろん、当業者が理解するように、上記本発明の各モジュール又は各ステップは汎用のコンピュータ装置により実現されることができ、それらは単一のコンピュータ装置に集中し、又は複数のコンピュータ装置からなるネットワークに分布してもよく、選択的に、それらはコンピュータ装置が実行可能なプログラムコードにより実現されることができ、それらを記憶装置に記憶してコンピュータ装置により実行されることができ、そしてある場合に、これと異なる順序で示された又は記載されたステップを実行することができ、又はそれらをそれぞれ各集積回路モジュールに製作し、又はそれらにおける複数のモジュール或いはステップを単一の集積回路モジュールを製作して実現することができる。このように、本発明はいずれの特定形式のハードウェアとソフトウェアの組み合わせに限定されたものではない。
以上は本発明の好適な実施例だけであり、本発明を制限するものではなく、当業者にとって、本発明は様々な変更と変化を有することができる。本発明の精神と原則にある限り、行ったいずれかの修正、等同置き換え、改善等は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。