本出願は、同時係属中の2011年3月16日出願の米国特許出願第13/049,701号の一部継続出願であり、当該出願は、2010年3月11日に出願され、現在米国特許第8,353,826号、発明の名称「Tissue Retractor and Methods of Uses」として発行されている米国特許出願第12/722,100号の一部継続出願であり、これらの開示全体は、それらの全体として、参照により本明細書に組み込まれる。
図1〜4は、本発明の一実施形態による、外科手技において組織を牽引するために使用され得る牽引器システム10を図示する。本牽引器システム10は、第1のブレード12、第2のブレード14、及び第3のブレード16を備える。第1、第2、及び第3のブレード12、14、16はそれぞれ、牽引器フレーム18に連結される。牽引器フレーム18は、第1のブレード12を保持し、位置付けるための第1のブレード取設部材22を有する第1の回転可能なアーム20を備える。牽引器フレーム18は、第2のブレード14を保持し、位置付けるための第2のブレード取設部材26を有する第2の回転可能なアーム24を更に備える。牽引器フレーム18は、第3のブレード16を保持し、位置付けるための第3のブレード取設部材30を有する直線的に並進可能なアーム28を更に備える。第1及び第2の回転可能なアーム20、24ならびに直線的に並進可能なアーム28を、ブレード12、14、16が相互に所望の距離分離され得るように作動させることができる。加えて、ブレード取設部材22、26、及び30は、ブレード12、14、16に角度を付け、ブレード12、14、16の遠位端間の距離を増加させるように作動することができる。この様式において、切開口の周りの組織が牽引され、外科手術部位へのアクセスを提供する。実施形態では、第1、第2、及び第3のブレード12、14、16を個々に作動させることができる。
図1〜2は、本発明の一実施形態による、「閉鎖」または非牽引構成の牽引器システム10を図示する。閉鎖構成では、第1、第2、及び第3のブレード12、14、16が中央孔31の周囲に半径方向に配置され、実質的に閉鎖された管形状構造を形成する。
図3〜4は、本発明の一実施形態による、「開」または牽引構成の牽引器システム10を図示する。開構成では、第1、第2、及び第3のブレード12、14、16が移動されているため、実質的に閉鎖された管形状構造をもはや形成しない。むしろ、第1及び第2のブレード12、14は回転され、角度が付けられており、第3のブレード16は、直線的に並進され、角度が付けられており、ブレード12、14、16が配置される中央孔の直径を拡大している。
第1の回転可能なアーム20は、作動装置32の回転により作動させることができる。作動装置32は、六角ネジ(例えば、(10mmの六角ネジ)等の留め具であり得る。作動装置32は、第1の太陽ギア34と係合する歯を有する遊星ギア180(図9に示される)に連結され得る。作動装置32、遊星ギア180、及び第1の太陽ギア34間の係合は、本発明の実施形態による遊星ギア機構として説明され得る。図示される実施形態では、第1の太陽ギア34上で歯と係合するラチェットロック機構38が含まれる。作動装置32が回動すると、第1の回転可能なアーム20は矢印36により示されるように回転し、アーム20の遠位端を弧状に移動させる。例えば、反時計回り方向への作動装置32の回転は、矢印36により示されるように、第1の回転可能なアーム20の回転を駆動し、それによって、第2及び第3のブレー14、16から離れて第1のブレード12を弧状に回転させる。ある実施形態では、第1の太陽ギア34は動かず、遊星ギア180は第1の太陽ギア34に沿って1歯ずつ回転する。ある実施形態では、ラチェットロック機構38は、第1の回転可能なアーム20の反時計回り方向への回転を防止するために、第1の太陽ギア34と係合する。第1の回転可能なアーム20は、第1の回転可能なアーム20がその初期位置(図1〜2)に戻ることができるように、ラチェットロック機構38のレバーを押し下げることにより、その回転状態(図3〜4)から解放され得る。
第1の回転可能なアーム20と同様の様式で、作動装置40の回転により、第2の回転可能なアーム24を作動させることができる。作動装置40は、例えば六角ネジ(例えば、10mmの六角ネジ)等の留め具であり得る。作動装置40は、第2の太陽ギア42と係合する歯を有する遊星ギア182(図9に示される)に連結され得る。作動装置40、遊星ギア182、及び第2の太陽ギア42間の係合は、本発明の実施形態による遊星ギア機構として説明され得る。用語「太陽」は、第1及び第2の太陽ギア34、42は形状が円形であるが、むしろギアは、一般に遊星ギアと称されるものと同様の様式の他の構成要素と共に機能することを示唆するものではないことを理解されたい。図示される実施形態では、第2の太陽ギア42上で歯と係合するラチェットロック機構44が含まれる。作動装置40が回動すると、第2の回転可能なアーム24は矢印46により示されるように回転し、第2の回転可能なアーム24の遠位端を弧状に移動させるはずである。例えば、反時計回り方向への作動装置40の回転は、矢印46により示されるように、第2の回転可能なアーム24の回転を駆動し、それによって、第1及び第3のブレード12、16から離れて第2のブレード14を弧状に回転させる。ある実施形態では、第2の太陽ギア42は動かず、遊星ギア182は第2の太陽ギア42に沿って1歯ずつ回転する。ある実施形態では、ラチェットロック機構44は、第2の回転可能なアーム24の反時計回り方向への回転を防止するために、第2の太陽ギア42と係合する。第2の回転可能なアーム24は、第2の回転可能なアーム24がその初期位置(図1〜2)に戻ることができるように、ラチェットロック機構44のレバーを押し下げることにより、その回転状態(図3〜4)から解放され得る。
作動装置48の回転により、直線的に並進可能なアーム28を作動させることができる。作動装置48は、例えば六角ネジ(例えば、10mmの六角ネジ)等の留め具であり得る。作動装置48は、直線的に並進可能なアーム28のラック部分50上の歯と係合するピニオンギア(図示せず)に連結され得る。図示されるように、ラック部分50は、第3のブレード取設部材30とは反対の直線的に並進可能なアーム28の端上であり得る。作動装置48、ピニオンギア、及びラック部分50間の係合は、本発明の実施形態によるラックピニオンギア機構として説明され得る。図示される実施形態では、ラック部分50上で歯と係合するラチェットロック機構52が含まれる。作動装置48が回動すると、直線的に並進可能なアーム28は、図3〜4に図示されるように直線移動する。これは、第3のブレード16と第1及び第2のブレード12、14との間の距離を増加させる。ある実施形態では、ラチェットロック機構42は、ブレード12、14、16間の距離を縮めるだろう反対方向の並進を防止するために、ラック部分50に係合する。直線的に並進可能なアーム28は、作動装置48を回動させることなく、直線的に並進可能なアーム28がその初期位置(図1〜2)に戻ることができるように、ラチェットロック機構52のレバーを押し下げることにより、その並進状態(図3〜4)から解放され得る。
本実施形態によると、作動装置54のそれぞれの回転により、第1、第2、及び第3のブレード12、14、16に角度を付けることができる。本明細書で使用される、ブレード12、14、16の角度形成は、ブレード12、14、16を外向き及び内向きに回転させ、遠位端の分離をもたらすことを指す。作動装置54は、例えば六角ネジ(例えば、10mmの六角ネジ)等の留め具であり得る。図3〜4に図示されるように、作動装置54のそれぞれは、それぞれ、第1、第2、及び第3のブレード12、14、16に角度を付けるために回転することができる。図13に関してより詳細に論じられるように、作動装置54の回転は、ブレード12、14、16の対応する角度形成をもたらすようにブレード取設部材22、26、30に角度を付けることにより、この角度形成を容易にする。ある実施形態では、使用される角度形成は、螺合により制御される無限角度調節機構である。
牽引器システム10の第1、第2、及び第3のブレード12、14、16は、それらのそれぞれの長軸に沿って、ブレード12、14、16を通って延伸する1つ以上の穴58を有することができる。穴58は、軽量の構成要素、kワイヤ、または他の適切な機器がブレード12、14、16の通過を可能にするように構成され得る。ブレードの端は、例えば、牽引した組織の損傷のリスクを最小にするために、丸くされてもよい。3つのブレードが図示されるが、当業者は、牽引器システム10が、特定の用途のために、所望に応じて移動するように構成される3よりも多い、または少ないブレードを含むことができることを理解する。例えば、2つの直線的に並進可能なアーム及び2つの回転可能なアームを有する4つのブレードを備える牽引器システムが使用され得る。代替的に、2つの回転可能なアーム、または代替的に、1つの直線的に並進可能なアーム及び1つの回転可能なアームを備える牽引器が使用され得る。
作動装置32、40、48、54は、所望の回転を容易にするために、様々な異なる器具と係合するように構成され得ることを理解されたい。例えば、作動装置32、40、48、54を回転させるために、レンチ、スクリュードライバー、またはあらゆる他の適切な器具が使用され得る。加えて、作動装置32、40、48、54は、留め具として示されるが、留め具は、移動を容易にするために必要ではないことを理解されたい。所望の移動を容易にするために、クランク等の他の適切な装置が使用され得る。
本発明の実施形態は、外科手技において組織を牽引するために、牽引器システム10を使用することを含む。例えば、牽引器システム10は、閉鎖位置の牽引器システム10で、患者の組織の開口部(例えば切開口)の中に設置され得る。次いで、外科医(または他の操作者)は、それぞれ、第1の回転可能なアーム20及び第2の回転可能なアーム24を回転させるために、作動装置32及び作動装置40を別個に回転させ、よって第1及び第2のブレード12、14を弧状に移動させることができる。外科医は、直線的に並進可能なアーム28を移動させるために作動装置48を回転させ、よって第3のブレード16を直線に移動させることもできる。この様式では、第1、第2、及び第3のブレード12、14、16は、外科手術部位へのアクセスの強化を提供するために、牽引(または拡張)され得る。アクセスを更に強化するために、外科医は、第1、第2、及び第3のブレード12、14、16に角度を付けるために、作動装置54のそれぞれを回転させることができる。
ここで図5〜11を参照すると、牽引器フレーム18は、本発明の実施形態により、より詳細に図示される。前述のように、牽引器フレーム18は、第1の回転可能なアーム20、第2の回転可能なアーム24、及び直線的に並進可能なアーム28を備えることができる。第2の回転可能なアーム24の一部は、牽引器フレーム18の内部構成要素を図示するために、図11上では取り除かれている。加えて、牽引器フレーム18は、中央ギアハウジング60を更に備えることができる。図示されるように、中央ギアハウジング60は、第1の太陽ギア34及び第2の太陽ギア42を収容する。本発明の実施形態によると、第1の太陽ギア34及び第2の太陽ギア42は、それぞれ、第1の回転可能なアーム20及び第2の回転可能なアーム24の回転を容易にするように構成され得る。
第1の回転可能なアーム20は、近位端62及び遠位端64を有する第1のブレード取設部材22を備えることができる。第1の回転可能なアーム20は、近位端68及び遠位端70を有する基部66を更に備えることができる。第1のブレード取設部材22の近位端62は、基部66の遠位端70の上に配置され得る。第1のブレード取設部材22は、旋回ピン(図示せず)により基部66に固定され得る。第1のブレード取設部材22の遠位端64は、第1のブレード12(図1及び3上に示される)を受容するように構成され得る。例えば、遠位端64は、第1のブレード12を受容するスロット72を有することができる。遠位端64の切欠部74は、第1のブレード12の対応する突出部を受容することができる。留め具76は、ブレード取設部材22に第1のブレード12を固定することができる。図示されるように、留め具76は、1つ以上の半径方向に延伸する突出部78を含むことができる。第1のブレード12を固定するために、第1のブレード12は、ブレード12の突出部分が切欠部74上に収まるまでスロット72内に挿入され得る。留め具76は、スロット72からそれが外れるのを防止するために、突出部78のうちの1つが第1のブレード12の上部を超えて延伸するまで回転させることができる。
基部66は、ラチェットロック機構38を押し下げた後に、第1の回転可能なアーム20の戻りの制御を容易にするために使用され得るつまみを近位端68に有することができる。上部及び底部の環形状部材80、82は、第1の回転可能なアーム22から横方向に延伸することができる。スロット84は、中央ギアハウジング60を受容するために、第1の回転可能なアーム20に形成され得る。ピン86は、第1の太陽ギア34の歯が遊星ギア180と係合状態でスロット84内に中央ギアハウジング60を固定するために、環形状部材80、82を通って延伸することができる。留めネジ87は、中央ギアハウジング60にピン88を固定するべきである。ピン88は、基部66の上部及び下部92、94の穴90を通って延伸することができる。ピン88は、第1の回転可能なアーム20をバネ負荷するためにバネ170に連結されるべきである。上部スロット96は、牽引器フレーム18の中央ギアハウジング60及び他の構成要素へのアクセスを提供するために、基部66の上部92に形成され得る。図9に図示されるように、牽引器フレーム18の中央ギアハウジング60及び他の構成要素へのアクセスを提供することができる基部66の下部94に形成される、対応する下部スロット98が存在し得る。
第2の回転可能なアーム24は、近位端100及び遠位端102を有する第2のブレード取設部材26を備えることができる。第2の回転可能なアーム24は、近位端106及び遠位端108を有する基部104を更に備えることができる。第2のブレード取設部材26の近位端100は、基部104の遠位端108の上に配置され得る。第2のブレード取設部材26は、旋回ピン105(図12上に示される)により基部104に固定され得る。第2のブレード取設部材26の遠位端102は、第2のブレード14(図1及び3上に示される)を受容するように構成され得る。例えば、遠位端102は、第2のブレード14を受容するスロット110を有することができる。遠位端102の切欠部112は、第2のブレード14の対応する突出部を受容することができる。留め具114は、第2の取設部材26に第2のブレード14を固定することができる。図示されるように、留め具114は、1つ以上の半径方向に延伸する突出部116を含むことができる。第2のブレード14を固定するために、それは、ブレード14の突出部分が切欠部112上に収まるまでスロット110内に挿入され得る。次いで、留め具114は、スロット110からそれが外れるのを防止するために、突出部116のうちの1つが第2のブレード14の上部を超えて延伸するまで回転させることができる。
基部104は、ラチェットロック機構38を押し下げた後に、第2の回転可能なアーム24の戻りの制御を容易にするために使用され得るつまみを近位端106に有することができる。上部及び底部の環形状部材118、120は、第2の回転可能なアーム26から横方向に延伸することができる。スロット122は、中央ギアハウジング60を受容するために、第2の回転可能なアーム24に形成され得る。ピン86は、第2の太陽ギア42の歯が遊星ギア182と係合した状態のスロット122内に中央ギアハウジング60を固定するために、環形状部材118、120を通って延伸することができる。ピン124は、基部104の上部及び下部128、130の穴126を通って延伸することができる。ピン124は、第2の回転可能なアーム24をバネ負荷するためにバネ168に連結されるべきである。上部スロット132は、牽引器フレーム18の中央ギアハウジング60及び他の構成要素へのアクセスを提供するために、基部104の上部128に形成され得る。図9に図示されるように、牽引器フレーム18の中央ギアハウジング60及び他の構成要素へのアクセスを提供することができる基部104の下部130に形成される、対応する下部スロット134が存在する。
直線的に並進可能なアーム28は、第3のブレード取設部材30、及び溝付き中央部分136により第3のブレード取設部材30から分離されるラック部分50を備えることができる。ある実施形態では、ラック部分50は、少なくとも部分的に溝付きであってもよい。第3のブレード取設部材30は、近位端138及び遠位端140を有することができる。溝付き中央部分136は、第3のブレード取設部材30の近位端138が配置され得る遠位端142を備えることができる。ピンは、第3のブレード取設部材30を溝付き中央部分136に固定することができる。第3のブレード取設部材30の遠位端140は、第3のブレード16(図1及び3上に示される)を受容するように構成され得る。例えば、遠位端140は、第3のブレード16を受容するスロット144を有することができる。遠位端140の切欠部146は、第3のブレード16の対応する突出部を受容することができる。留め具148は、第3のブレード取設部材30に第3のブレード16を固定することができる。図示されるように、留め具148は、1つ以上の半径方向に延伸する突出部150を含むことができる。第3のブレード16を固定するために、それは、ブレード16の突出部分が切欠部146上に収まるまでスロット144内に挿入され得る。次いで、留め具148は、スロット144からそれが外れるのを防止するために、突出部150のうちの1つが第3のブレード16の上部を超えて延伸するまで回転させることができる。スロット144の底部の突出部160は、第3のブレード16をスロット144に更に固定することができる。
溝付き中央部分136は、その遠位端142で第3のブレード取設部材30に連結され、ラック部分50がその他方の端上にある。図示されるように、溝付き中央部分136は、中央ギアハウジング60の通し通路152内に延伸することができる。溝付き中央部分136は、ラック部分50を第3のブレード取設部材30から分離する。図示されるように、ラック部分50は、中央ギアハウジング60の通し通路152から延伸することができる。ラック部分50は、作動装置/ピニオンギア48と係合するべきラック歯153を更に備えることができる。ラチェットロック機構52は、ラック部分50上の歯154と更に係合することができる。ラック部分50は、牽引器システム10をアーム(図示せず)に固定するための特徴を更に含むことができる。当業者は、アームが、例えば、牽引器システム10と操作テーブルとの間の接続を提供するために使用され得ることを理解するべきである。牽引器システム10をアームに固定するための特徴は、ラック部分50の反対側上に例えば1対のスロット156及び半楕円開口部158を含むことができる。
中央ギアハウジング60は、第1の側面上に第1の太陽ギア34、及び第2の側面上に第2の太陽ギア42を備えることができる。図示される実施形態では、中央ギアハウジング60は、第1の太陽ギア34及び第2の太陽ギア42が個々に回転可能であるリム162を有する略円板形状である。図示されるように、リム162は、第2の回転可能なアーム24のラチェットロック機構44と係合する歯164を更に備えることができる。図示されないが、第1の回転可能なアーム20用のラチェットロック機構38に係合するために、リム162の反対側上に対応する歯が存在し得る。中央開口部は、ピン86が挿入され得る中央ギアハウジング60内に配置され得る。中央ギアハウジング60は、矩形断面を有する通し通路152を更に備えることができる。中央ギアハウジング60は、チャネル166を更に備えることができる。図示される実施形態では、バネ170は、ラチェットロック機構38が解放されるとき、第1の回転可能なアーム20をその初期位置に戻すための力を提供するために、ピン88に連結され得る。更に図示されるように、ピン124は、チャネル166の他方の中に挿入され得る。バネ168は、ラチェットロック機構44が解放されるとき、第2の回転可能なアーム24をその初期位置に戻すための力を提供するために、ピン124に連結され得る。中央ギアハウジング60は、アーム取設プレート174が取設され得る上向きに延伸するアーム172を更に備えることができる。アーム取設プレート174は、牽引器システム10をアーム等のテーブルコネクタに取設するための特徴を備えることができる。例えば、アーム取設プレート174は、スロット176及び半楕円開口部178を備えることができる。図示されるように、ラチェットロック機構52は、直線的に並進可能なアーム28のラック部分50上の歯154と係合するように、中央ギアハウジング60に連結され得る。更に図示されるように、作動装置48は、接続されたピニオンギア(図示せず)がラック歯153も係合するように、中央ギアハウジング60の開口部を通って延伸することができる。
図12は、本発明の一実施形態によるラチェットロック機構44をより詳細に図示する。ある実施形態では、ラチェットロック機構44は、レバー180及びノーズ182を含む。図示されるように、ラチェットロック機構44のノーズ182は、中央ギアハウジング60上の歯164と係合する。前に論じたように、反時計回り方向への作動装置54の回転は、第2の太陽ギア52に沿って1歯ずつ遊星ギア182を駆動させるべきである。作動装置54の回転は、第2の回転可能なアーム24の対応する回転を反時計回り方向に駆動させるべきである。ラチェットロック機構44のノーズ182は、一方向、即ち反時計回り方向への第2の回転可能なアーム24の移動を可能にするために、第2の太陽ギア52の歯164と係合するべきである。第2の回転可能なアーム24は、レバー180を押し下げることにより、この回転位置から解放され得る。バネ168は、一般に、レバー180が解放されるとき、第2の回転可能なアーム24をその初期位置に戻すために必要な力を提供するべきである。図12の先行の考察は、ラチェットロック機構44に関してであるが、ラチェットロック機構38が、第1の回転可能なアーム20の回転を制御するために、同様の様式で操作され得ることを理解されたい。先行の考察はラチェットロック機構を説明するが、一方向への回転可能なアームの移動を可能にするための他の適切な装置が本発明により使用され得ることに更に留意されたい。
図13は、本発明の一実施形態によるブレード取設部材22の角度形成を説明する。前に論じられるように、第1の回転可能なアーム20は、基部66の遠位端70に連結されるブレード取設部材22を備える。図示されるように、作動装置54は、ブレード取設部材22を基部66上に固定することができる。作動装置54は、例えば、基部66の対応する開口部184の中に螺合されてもよい。ピン107(図12上に示される)は、取設部材22を作動装置54のスクリュー軸に枢動可能に接続する。第2のピン105(図13上に示される)は、66の基部を通して取設部材22と接続する。作動装置のネジ頭は、取設部材が作動装置の頭部内に保持される部分と共に提供され、作動装置54が操作されるとき、枢動可能に回転可能である。ピン107及びピン105は、2つの別個の回転軸を作製する。作動装置が操作されると、取設部材22は、ピン105の回転軸に沿って回転する。ある実施形態では、開口部184は、開口部184の軸が第1の回転可能なアーム20のz軸に対して斜めであり得るという点で斜めであり得る。したがって、作動装置54が回転するとき、ブレード取設部材22は旋回するべきである。この様式では、ブレード取設部材22、したがって第1のブレード12に角度を付けることができる。図12及び図13の先行の考察は第1のブレード取設部材22の角度形成に関してであるが、第2及び第3のブレード取設部材26、30も類似する様式で角度を付けることができることを理解されたい。先行の考察は、ブレード取設部材22、26、及び30の角度形成のための斜めの作動装置を説明するが、所望のブレード角度形成を容易にするための他の適切な機構が本発明により使用され得ることを更に留意されたい。
図14は、本発明の一実施形態によるシム装置200及び牽引器ブレード202を図示する。ある実施形態では、シム装置200は、牽引器ブレード202に取り外し可能に連結され得る。当業者は、本開示の利益により、シム装置200が、例えば牽引器システム10(図1〜4上に示される)を患者の脊椎に固定するために使用され得ることを理解するべきである。ある実施形態では、シム装置200は、牽引器アーム(図1〜4上に示される直線的に並進可能なアーム28等)に固定される牽引器ブレード202に連結され得る。ある実施形態では、シム装置200は、牽引器ブレード202に連結され得、シム装置200の遠位部分は、牽引器ブレード202から遠位に延伸し、患者の椎間腔266内に入り(図24上に示される)、牽引器システム10を脊椎に固定する。牽引器システム10を脊椎に固定することにより、牽引器システム10が安定し、本発明の実施形態において、意図される標的から移動する可能性を少なくすることができる。
当業者は、本開示の利益により、図14上に図示される牽引器ブレード202が図1〜13に関して上述される牽引器システム10、または特定の用途に所望される他の牽引器システムと共に使用され得ることを理解するだろう。
図15〜17を更に参照すると、牽引器ブレード202は、本発明の一実施形態により、より詳細に説明される。図示されるように、牽引器ブレード202は、ブレード部分204及び牽引器取設部分206を備えることができ、ブレード部分204は近位端208及び遠位端210を有する。ブレード部分204は、内側表面212及び外側表面214を更に含むことができ、側面215は、内側表面212及び外側表面214を接続する。図16に最もよく見られるように、ブレード部分204の内側表面212は、本発明の一実施形態により、凹状に略湾曲し得る。内側表面212は、別の実施形態では、略平坦(図示せず)であり得ることも想定される。図示されるように、内側表面212は、近位端208から長手方向に延伸する、そこに形成されるチャネル216を有することができる。停止部218(例えば、座部)は、チャネル216の遠位端、即ち牽引器ブレード202の近位端208から最も遠いチャネル216の端のブレード部分204に形成され得る。以下により詳細に論じられるように、停止部218は、シム装置200がブレード部分204の遠位端210を極端に遠位に超えて延伸するのを防止するために、シム装置200に係合され得る。加えて、内側表面212は、チャネル216により形成される陥凹した表面220を有することができる。
図15〜17により図示されるように、牽引器取設部分206は、ブレード部分204の近位端208に連結され得る。更に図示されるように、牽引器取設部分208は、近位端208の外側表面214から突出することができる。ある実施形態では、牽引器取設部分206は、ブレード部分204と一体に形成される。
牽引器取設部分214は、側面222及び外側表面224を有することができる。一実施形態では、牽引器取設部分206の外側表面224は、形状が略矩形であり得る。図示されるように、側面222は、ブレード部分204の近位端208から延伸することができ、牽引器取設部分206の外側表面224は、突出する側面226を有する。一実施形態では、突出する側面226は、牽引器取設部分206の側面222を超えて突出する。図示される実施形態では、牽引器取設部分206は、牽引器ブレード202の牽引器フレーム18への移動を制限するために、外側表面224の一端230に切欠部228を含む。一実施形態では、牽引器ブレード202は、直線的に並進可能なアーム28に固定され得る。牽引器ブレード202の移動を制限するために、切欠部228が、スロット144における牽引器ブレード202の更なる移動を防止するために、スロット144の底部の突出部160と係合するまでスロット144の中に挿入され得る。牽引器取設部分206は、そこを通って延伸する1つ以上の穴232を更に備えることができる。穴232は、例えば、軽量な構成要素、kワイヤ、または牽引器ブレード202を通る他の適切な機器の通過を可能にするように構成され得る。
図15〜17に最もよく見られるように、牽引器ブレード202は、貫通孔231を更に含むことができる。図示される実施形態では、貫通孔231は、牽引器取設部分206の外側表面224からブレード部分204の内側表面212に延伸する。一実施形態では、貫通孔231は、牽引器ブレード202を通って、牽引器ブレード202の長手方向軸に対して斜角で延伸する。貫通孔231は、例えば、牽引器システム10から牽引器ブレード202を取り外すための器具を受容するように構成され得る。図18及び19を参照すると、牽引器ブレード202のブレード部分204は、1つ以上のロックタブ234を更に備えることができる。以下により詳細に論じられるように、ロックタブ234は、シム装置200に係合するように構成され、シム装置200が、例えば外科手技中に椎間腔266(図24上に示される)から後退するのを防止する。換言すれば、ロックタブ234は、牽引器ブレード202上にシム装置200を係止するように構成され得る。ブレード部分204は、2つのロックタブ234を備えることができ、一実施形態では、ロックタブ234のそれぞれがブレード部分204の側面215のうちの1つから突出する。図示される実施形態では、ロックタブ234は、ブレード部分204の内側表面212のチャネル216の遠位端で形成される停止部218の上に位置する。図19に最もよく見られるように、ロックタブ234は、外側表面236を有することができる。ある実施形態では、外側表面236の少なくとも一部は傾斜している。
別の実施形態では、図18Aに最もよく見られるように、表面212は、チャネル216または停止部218有しない場合がある。代わりに、牽引器ブレード202は、ロックタブ234の遠位に位置する1つ以上の追加のロックタブ235を含むことができる。ロックタブ235は、停止部218と同じ機能を提供する、つまり、ロックタブ235は、シム装置200がブレード部分204の遠位端210を極端に遠位に超えて延伸するのを防止するために、シム装置200に係合することができる。ロックタブ235は、外側表面237を有することができる。ある実施形態では、外側表面237の少なくとも一部は傾斜している。
ここで図14及び20〜22を参照すると、シム装置200は、本発明の一実施形態により、より詳細に説明される。図21は、図20の線240に沿って取られたシム装置200の横断面図である。図示されるように、シム装置200は、近位端244及び遠位端246を有するシム部分242を含む。遠位先端248は、一実施形態では、シム部分242の遠位端246で形成され得る。シム部分242は、内側表面250及び外側表面252を更に備えることができる。図22に最もよく見られるように、本発明の一実施形態により、シム部分242の内側表面250は凹状に略湾曲することができ、シム部分242の外側表面252は、凸状に略湾曲することができる。内側表面250及び/または外側表面252は、別の実施形態では、略平坦(図示せず)であり得ることも想定される。図示されるように、外側表面252は、外側表面252から外に、及び近位端244から縦方向に延伸する突出部分254を有することができる。突出部分254は、シム部分242の長さの一部にのみ延伸するべきである。一実施形態では、突出部分254は、凸状に略湾曲することができる。突出部分254は、牽引器ブレード202の内側表面212に形成されるチャネル216と係合するように寸法決定され得る。別の実施形態では、突出部分254は、牽引器ブレード202の内側表面212に隣接し、それに対して載置され得る。以下により詳細に開示されるように、一実施形態では、突出部分254の下端は、シム装置200が牽引器ブレード202の遠位端210を極端に超えて延伸するのを防止するために、牽引器ブレード202の停止部218と係合するべきである(図25及び26上に示される)。別の実施形態では、牽引器ブレード202は、停止部218を有するチャネル216の代わりに、ロックタブ234の遠位に位置する1つ以上の追加のロックタブ235を含むことができる。ロックタブ235は、停止部218と同じ機能を提供する、つまり、ロックタブ235は、シム装置200がブレード部分204の遠位端210を極端に遠位に超えて延伸するのを防止するために、シム装置200に係合することができる。一実施形態では、第2の突出部分256は、シム部分242の外側表面250に形成される。
更に図示されるように、シム装置200は、側面258を更に含むことができる。図示される実施形態では、側面258はそれぞれ、シム部分242から横方向に延伸する。図20及び21に最もよく見られるように、側面258はそれぞれ、シム部分242の長さも有し、その長さの一部に沿って延伸する。一実施形態では、側面258の端は屈曲され、これにより、例えば残りの側面258から約90°の角度で延伸する屈曲端260が形成される。図示されるように、チャネル262は、屈曲端260により、シム装置200内に形成され得る。以下により詳細に論じられるように、シム装置200の側面258は、牽引器ブレード202の側面215の周囲に配置され(図25上に示される)、シム装置200を定位置に保持する。
図21及び22を参照すると、穴264は、シム装置200内に形成され得る。図示される実施形態では、穴264は、シム装置200の最初から最後まで延伸しないため、止まり穴である。一実施形態では(図示せず)、穴264は、例えば器具を受容するためにネジ山が付けられてもよい。図示されるように、穴200は、シム部分242の近位端244に形成され、シム部分242内の長手方向に延伸することができる。図27に関して以下により詳細に論じられるように、器具は、穴200と係合し、例えば、側面258を外向きに動かし、ロックタブ234(図19上に示される)と側面258との間の係止係合を解放するように構成され得る。
ここで図23〜26を参照すると、シム装置200の牽引器ブレード202上への装着は、本発明の一実施形態により説明される。図23により図示されるように、シム装置200は、シム装置200の最大長が牽引器ブレード202の最大長と略平行に延伸し、シム装置200の近位端244が牽引器ブレード202の近位端208を超えて延伸するように設置されるべきである。次いで、シム装置200は、シム装置200の側面262が牽引器ブレード202の側面215と係合するように、シム装置200の外側表面252を牽引器ブレード202の内側表面212に向けて牽引器ブレード202上で摺動することができる。一実施形態では、シム装置200の側面262は、図25に最もよく見られるように、牽引器ブレード202の側面215の周囲に配置され、屈曲端260が係合位置に牽引器ブレード202を保持する。この様式では、牽引器ブレード202の側面215は、側面262によりシム装置200に形成されるチャネル262内に乗る。次いで、シム装置200は、図24に最もよく見られるように、シム装置200の遠位先端246が牽引器ブレード202の遠位端210を遠位に超えて延伸された位置に延伸するように、牽引器ブレード202を更に下に摺動することができる。図示される実施形態では、遠位先端246は、脊椎の椎間板266を貫通し、牽引器ブレード202を患者の脊椎に固定する。前述のように、停止部218は、ある実施形態では、牽引器ブレード202のチャネル216の遠位端で形成され得る。図25及び26に最もよく見られるように、シム装置200の突出部分254は、シム装置200の遠位先端246が牽引器ブレード202の遠位端210を極端に超えて延伸するのを防止するために、停止部218に係合することができる。
別の実施形態では、図18Aに最もよく見られるように、表面212は、チャネル216または停止部218有しない場合がある。代わりに、牽引器ブレード202は、ロックタブ234の遠位に位置する1つ以上の追加のロックタブ235を含むことができる。ロックタブ235は、停止部218と同じ機能を提供する、つまり、ロックタブ235は、シム装置200がブレード部分204の遠位端210を極端に遠位に超えて延伸するのを防止するために、側面258に隣接することによりシム装置200と係合することができる。
前述のように、牽引器ブレード202は、本発明の一実施形態により、延伸後のシム装置200の近位移動を防止するために、ロックタブ234を含むことができる。シム装置200が牽引器ブレード202を下に摺動するとき、牽引器ブレード202の側面215上のロックタブ234は、シム装置200の側面258と係合するべきである。図25に最も良く見られるように、ロックタブ234は傾斜しているため(図19上に示される)、一実施形態では、シム装置200に適用される軸力は、ロックタブ234を超えてシム装置200を延伸された位置にさせる場合がある。図27及び28に最もよく見られるように、一実施形態では、器具300は、シム装置200に係合し、シム装置200の側面258がロックタブ234を超えて摺動することができるように、側面258を外向きに動かすように使用され得る。特定の一実施形態では、1つ以上のスロット268は、側面258が外向きに動くことを可能にするシム装置200の近位端244で提供され得る。ロックタブ234は、シム装置200が一旦ロックタブ234を超えて摺動すると、シム装置200の遠位先端246が牽引器ブレード202の遠位端210に向かって後退するのを防止するべきである。この様式では、牽引器ブレード202が固定位置に留まっている間は、シム装置200の遠位先端246が脊椎の椎間板266の外に後退するのを防止するべきである。
図27及び28を参照すると、シム装置200を牽引器ブレード202から取り外すために、一実施形態では、器具300は、シム装置200と係合し、側面258を外向きに動かすために使用され得る。一実施形態では、器具300は、傾斜した表面304ならびにネジ山が付けられてもよい中心軸308を含む係合部材302を含むことができる。器具300は、シム装置200上の穴264に螺合係合する中心軸308を有することにより、シム装置200と係合する。器具300が前進すると、係合部材302は、スロット268と係合し、傾斜した表面がスロット268の側面に対して乗る。これは、側面を外向きに動かす。側面258を外向きに動かすことにより、シム装置200は、シム装置200が牽引器ブレード202から取り外されるまで、牽引器ブレード202に沿って近位に摺動することができる。
図29〜36は、本出願の実施形態による、牽引器ブレードに永久に取設された代替のシム装置の様々な図を例示する。有利に、牽引器ブレードは、1つ以上のラッチ機構を利用してシム装置が牽引器ブレードに固定されるように維持する。シム装置の故意でない後退が起こらないように、1つ以上のラッチ機構は、望ましくはシム装置を牽引器ブレード内に永久的な様式で維持する。更に、牽引器ブレードの内部チャネル内に受容され、その中にシム装置を保持する、1つ以上のラッチ機構の設計は、システム全体の嵩を低減させる一方で、それでもなお、その中にシム装置を固定的に維持する。
図29及び30は、本出願の実施形態による、牽引器ブレード202に永久に受容される代替のシム装置200(例えばアンカー)の様々な図を例示する。図29は、近位の「係合解除」構成のシム装置200を示し、これによりシム装置200は、椎間板部材と係合しない。図30は、遠位の「係合」構成のシム装置200を示し、これによりシム装置200は、所望の場合、椎間板部材と係合することができる。
図29で示されるように、代替のシム装置200は、牽引器ブレード202のチャネル279内に位置付けられる。シム装置200は、近位端244及び遠位端246を含む。いくつかの実施形態では、シム装置200の近位端244は、遠位端246よりも広い幅を備える。図29で示されるように、シム装置200の近位部分は、牽引器ブレード202上に位置する停止部218と接触するように設計された、1対の広い停止端269を含む。有利に、停止部218は、シム装置200が牽引器ブレード202のあまりにも下の方まで移動することを防止するように設計されている。換言すれば、シム装置200が第1の牽引された(またはタップされていない)構成(図33で示される)から第2の延伸された(またはタップされた)構成(図34で示される)まで延伸するように設計され、このため有利に組織内へ据え付けられ、アクセス経路を提供する場合、牽引器ブレード202上の停止部218は、シム装置200が牽引器ブレード202の長さのあまりにも下の方まで移動することを防止するように設計される。いくつかの実施形態では、シム装置200の遠位端は、椎間板部材内に据え付けられるように構成される。
いくつかの実施形態では、シム装置200は、事前に組み立てて、牽引器ブレード202に固定するように設計する。いくつかの実施形態では、シム装置200は、牽引器ブレード200に永久に固定するように設計する。換言すれば、シム装置200は、牽引器ブレード202から取り外すことができず、図29の第1の構成と図30の第2の構成との間を並進することができるのみである。牽引器ブレード202に永久に固定されたシム装置200を作製することにより、これは有利に、シム装置200が、例えば手術手順中に、不注意で牽引器ブレード202から除去されることを防止する。
いくつかの実施形態では、シム装置200を牽引器ブレード202に固定するために、牽引器ブレード202は、シム装置200の内壁内に形成される1つ以上のポケット321、324に嵌合するように設計される、ばね負荷ラッチ317(図35で示される)を有するように構成される。図35で示されるように、シム装置200の表面は、牽引器ブレード202のばね負荷ラッチ317を受容し得る、第1のポケット321及び第2のポケット324を含む。第1のポケット321は、第2のポケット324よりも近位に位置付けられ、シム装置200が第1の牽引された構成にある場合、ばね負荷ラッチ317を受容する。第2のポケット324は、第1のポケット321よりも遠位に位置付けられ、シム装置200が第2の延伸された構成にある場合、ばね負荷ラッチ318を受容する。牽引器ブレード202のばね負荷ラッチ318がシム装置200のポケット321、324に挿入された場合、シム装置200は牽引器ブレード202に固定的に固定され、2つの構成間でのみ移動することができる。当業者は、シム装置200の表面が2つのポケット321、324のみを有するように示されているが、他の実施形態では、表面は、シム装置200が牽引器ブレード202の下の方へ徐々に移動する一方で、それでも有利に牽引器ブレード202に永久に固定されていることを可能にする、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上のポケットを含んでよいことを理解するであろう。
図31及び32は、牽引器システム10の部品としての、シム装置200及び関連付けられる牽引器ブレード202を例示する。図31は、第1の牽引された構成のシム装置200を示し、一方で、図32は、第2の延伸された構成のシム装置200を示す。図で示されるように、シム装置200及び牽引器ブレード202は、1つ以上の他の牽引器ブレードと共に使用して、組織を分離し、アクセス経路を創出することができる。いくつかの実施形態では、これらの他の牽引器ブレードは、以下のもの:シム部材を有しない牽引器ブレード;除去され得る牽引可能なシム部材を有する牽引器ブレード;または牽引器ブレードに永久に固定された牽引可能なシム部材を有する牽引器ブレードのいずれかを含んでよい。図31及び32を参照して、組織を分離し、手術部位(例えば椎間腔)へのアクセスを提供するために、牽引器ブレードの各々は、それら自体の個々の方向に移動するように構成することができ、それら自体の個々の作動機構により制御することができる。
図33及び34は、いくつかの実施形態によるシム装置200及び関連付けられる牽引器ブレード202の上面斜視図を示す。図33は、第1の牽引された構成のシム装置200を示し、一方で、図34は、第2の延伸された構成のシム装置200を示す。これらの図から、牽引器ブレード202が、牽引器ブレード202を牽引器システム10に取設するために使用され得る作動部材またはノブ315を含む延伸された部分をどのように含むかが分かる。
図35及び36は、いくつかの実施形態によるシム装置200及び関連付けられる牽引器ブレード202の側面図を示す。図35では、シム装置200は、牽引器ブレード202のばね負荷ラッチ317を受容するための、第1のポケット321及び第2のポケット324を含む。シム装置200は、ばね負荷ラッチ317が第1のポケット321内にある第1の牽引された構成と、ばね負荷ラッチ317が第2のポケット324内にある第2の拡張された構成との間で移動することができる。
図35で示されるように、第1のポケット321は、第1の端部322及び第2の端部323を有する開口部を含む。いくつかの実施形態では、第1のポケット321の第1の端部322は、それを通るばね負荷ラッチ317を受容するように設計される。第1のポケット321の第2の端部323は、シムツール400(図37で示される)の少なくとも一部を受容するように設計される。同様に、第2のポケット324は、第1の端部325及び第2の端部326を有する開口部を含む。いくつかの実施形態では、第2のポケット324の第1の端部325は、それを通るばね負荷ラッチ317を受容するように設計される。第2のポケット324の第2の端部326は、シムツール400の少なくとも一部を受容するように設計される。シムツール400の目的は、牽引器ブレード202のばね負荷ラッチ317を押して解放することである。有利に、ばね負荷ラッチ317のばねがシムツール400により圧縮された場合、これはシム装置200を自由にし、これによりシム装置200が2つのポケット321、324間を並進することを可能にする。
図36は、シム装置200及び関連付けられる牽引器ブレード202のクローズアップ側面図を示す。この図から、ばね負荷ラッチ317がシム装置200の1つのポケット321内にある場合の、ばね付きラッチ317のより接近した図を見ることができる。
図37〜39は、本出願の実施形態によるシムツール400の様々な図を例示する。シムツール400は有利に、いくつかの機能を提供する。第1に、シムツール400は、牽引器ブレード202のばね負荷ラッチ317を押して解放して、これにより牽引器ブレード202に対するシム装置200の並進を可能にするように設計される。第2に、ばね負荷ラッチ317内で押した後、シムツール400は、フック機構として働き、牽引器ブレード202に対してシム装置200を並進させることができる。これらの機能は、以下により詳細に説明する。
図37で示されるように、シムツール400は、ハンドル410と、本体420と、本体420から延伸するフック端部430とを備える。フック端部430は、曲線部分の終点に遠位係合部分434を備える。遠位係合部分434は有利に、多数の機能を行うように構成される。第1に、シムツール400の遠位係合部分434は、ばね負荷ラッチ317を、ポケット(例えばポケット321、324)の1つから押し出し、これによりラッチ317が内側に圧縮することをもたらすように設計される。その後、フック端部430の遠位係合部分434の少なくとも一部は、ポケット内にあるであろう。次に、ポケット内の遠位係合部分434により、使用者(例えば外科医)は、シムツール400のハンドル410を使用して、シム装置200を牽引器ブレード202の下の方へ(例えば第1のポケット321から第2のポケット324への方向に)押すか、またはシム装置200を牽引器ブレード202の上の方へ(例えば第2のポケット324から第1のポケット321への方向に)引くことができる。したがって、シムツール400は、牽引器ブレード202のラッチ317をシム装置200のポケットから解放すること、及びシム装置200を並進させることの両方のための便利な手段を提供する。
シムツール400は、手術部位、特に椎間腔へのアクセスを提供するキットの部品として、シム装置200及び牽引器ブレード202と共に提供することができる。手術部位へのアクセスを提供することにより、いくつかの器具及びインプラントを、牽引器システムの下の方へ送達することができる。牽引器システムの下の方へ送達し得る器具の中で、とりわけ、追加の牽引器、伸延具、切断ツール、接合ツール、MIS移植片送達ツール、及び脊髄手術で使用される任意の他の手術器具が挙げられる。牽引器システムの下の方へ送達され得るインプラントの中で、とりわけ、運動可能な補綴インプラント、及び(例えば人工材料及び骨等の天然材料から形成された)スペーサ、ケージ、プレート−スペーサ組み合わせ、プレート、ロッド、及びねじ等の融合インプラント、ならびに脊髄手術で使用される任意の他の外科用インプラントが挙げられる。いくつかの実施形態では、シム装置200を利用する牽引器システムは、椎間腔へのアクセスを提供するために使用することができ、したがって、椎間腔へ挿入可能な融合装置は、本明細書で説明する牽引器システムに関して特に優れた利用性を見出すであろう。かかる融合装置は、拡張可能及び拡張不能スペーサ;歯状部、うね織模様、または他の表面テクスチャ加工を伴うまたは伴わない上部及び下部プレートを有するスペーサ;同種移植片骨等の人工及び天然材料から作製されるスペーサ;ならびにプレート−スペーサ組み合わせであって、プレートはスペーサとは異なる材料から作製してもよい、プレート−スペーサ組み合わせを含んでよい。
本明細書に開示される発明は、上述される目的を満たすために十分に計算されていることは明らかであるが、多くの修正及び実施形態が当業者により考案され得ることを理解する。個々の実施形態が論じられるが、本発明は、それらすべての実施形態を網羅する。