JP2017519974A - 穿孔された二次元材料を有するフィルタ膜を使用した標的物質の分離及び分析 - Google Patents

穿孔された二次元材料を有するフィルタ膜を使用した標的物質の分離及び分析 Download PDF

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Abstract

穿孔されたグラフェン及び他の穿孔された二次元材料を、特定のサイズの範囲又は化学的特性を有する標的物質を隔離するために使用することができる。隔離された標的物質は、定量/定性を目的として更に分析可能である。複数のフィルタ膜を使用することにより、特定のサイズ範囲又は化学的特性を有する標的物質を隔離して更に分析することができる。標的物質、特に生物学的標的物質を分析するための方法は、互いに連続して配置された1つ以上のフィルタ膜を準備する工程と、流体を前記フィルタ膜に通過させる工程と、を有し、前記フィルタ膜は、穿孔された二次元材料を有し、前記フィルタ膜は、意図された流体の流れ方向において小さくなる有効孔サイズを有している。前記方法は、前記フィルタ膜上の少なくとも1つの標的物質を分析する工程を更に有し得る。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年5月1日に出願された米国仮出願第61/987,410号、及び、2014年2月28日に出願された米国出願第14/193,007号の優先権を主張する2015年2月27日出願された国際出願第PCT/US2015/18114号の優先権を主張する。これらの出願の各々は、参照により全内容をここに組み入れたものとする。
本開示は、概して、流体、特には医療用流体の引込み及び/又は分配、及びその分析用に構成された装置に関する。より具体的には、本開示は、1つ以上の2次元分離膜を利用する注射器又は他の装置、及び、種々のサイズ又は化学的活性を有する標的物質の分離及び分析において当該装置を使用する方法に関する。本開示の装置は、ナノサイズ材料を含むサブミクロン材料を流体から捕捉可能なものを含む。本開示の装置は、1つ以上の所定のサイズ範囲内の標的物質を選択的に収集するように機能し得る。これらの所定サイズ範囲は、特定標的タイプの代表、生体細胞(原生動物、菌類、細菌、哺乳類細胞、腫瘍細胞)、ウィルス(レトロウィルス、エンベロープウィルス)、生体分子(例えば、タンパク質、ポリペプチド、核酸、多糖、ペプチド毒素)、小分子(例えば、薬物、化学的毒素)、原子種(例えば、ハロゲン化物イオン、金属イオン)であり得る。サイズ範囲別に収集された標的物質に、収集された物質のタイプやサイズに適した1つ以上の分析を施すことができる。
種々の分析を実施する際、複数の成分を、それらのサイズ及び/又は化学的特性(例えば、荷電状態、他の化学的又は生物学的種と結合したり相互作用する能力等)に基づいて分離することが望ましいことが多い。マクロスケールにおいて、分離は多くの技術により達成され得る。これに対して、ナノメートル又は分子サイズのスケール(約1000ナノメートル〜0.5nm、特には500nm〜1nm)において、分離は顕著に困難な場合がある。特に、より大きい分子よりも小さい分子の通過を可能にすること、又は、標的サイズを有する分子の一部を標的サイズより大きい又は小さいサイズを有する複数の分子から分離すること、を可能にするのに十分な分離能を提供する細孔を有する分離膜を開発することは困難な場合がある。分離膜の閉塞サイズよりも小さい標的物質(本明細書において「検体」とも称される)が分離作業を実施するために使用されている膜を通過してしまった場合、標的物質は、特に生体材料を分析する際の分析において障害となることがある。標的物質が分析前にサイズ範囲別に分離されれば、分析における効率や選択性に対する利点が得られる。なぜならば、例えば生体細胞等の特定のサイズ範囲の標的物質にふさわしい分析が、より選択的に適用され得るからである。
分子スケールでの分離が望まれる多くの分野が存在するにもかかわらず、生体材料の種々の医学的応用や他の分離が、異なる分子サイズを有する標的物質、特には、例えば、ウィルス、細菌、原生動物、菌類、タンパク質、抗体、ペプチド、核酸(DNA、RNA)等の生体分子の分離や分析から恩恵を受けている。生体に危険であり得る種々の毒素も、分離や分析が望まれる場合がある。これらの材料は、サイズや形状が異なるとともに、異なる化学的特性を有している。
現在のところ、分子サイズや化学的特性に基づいて複数の標的物質を互いに分離して分析することが、非常に困難なことがある。例えば、血液サンプルや他の生体液から生体分子又は他の標的物質を分離して、そこから情報に基づく決断(例えば、提案治療法)をできるようにすることは困難なことがある。現状の医療試験技術は効果的なことも多いけれども、高度に専門的であって、試験の実施に多くの装置や方策が必要であることも多い。したがって、現状の医療試験技術は、長い時間をかけつつも特定タイプの分子物質に対してしかインプットを提供できないことが多い。更に、現状の医療試験技術は、生体液に存在する非標的物質から干渉を受け得る。
上記の事情を考慮して、流体から種々の標的物質を分離して分析する方法、特には体液又は医療用流体から生体分子を分離して分析するための方法は、当業界に多大な恩恵をもたらすであろう。より具体的には、特定のサイズ又は特殊な化学的特性を有する標的物質を流体や非標的物質から分離する、特には生体媒質から分離して分析するための装置及び方法は、当業界に多大な恩恵をもたらすであろう。更に、任意の流体中の異なるサイズの複数の標的物質を複数のサイズ範囲に応じて分離し、このようなサイズにより分離された標的物質を選択的に分析することができれば、当業界に更なる恩恵がもたらされる。場合により、このようなサイズ別分離と流体サンプルの引込み方法との組み合わせが、更なる恩恵を提供するであろう。ここで、例えば、分離装置は注射器又は他のサンプリング機構として実現される。本発明の開示は、上述の需要を満たすとともに関連する利点をも提供する。
本開示は、互いに異なるサイズ及び/又は化学的特性を有する標的物質を分離して分析するための濾過装置構造体及び方法を示す。いくつかの実施形態において、濾過装置構造体は、互いに連続して配置された1つ以上のフィルタ膜(分離膜とも呼ばれる)を有している。フィルタ膜は、穿孔された二次元材料(穿孔二次元材料)を含んでいる。フィルタ膜は、意図された流体の流れ方向において小さくなる有効孔サイズを有している。特定の実施形態において、濾過装置構造体は、サイズ分離のために機能する3つ以上のフィルタ膜を含んでいる。これらのフィルタ膜は、組み合わされて、(標的物質を含む)流体内の物質を、1つ又は好適には2つ以上の(1つ以上の標的物質を含む)物質のサイズ範囲で選択されたプールに分離する。
いくつかの実施形態において、本方法は、互いに連続して配置された1つ以上のフィルタ膜を準備する工程と、流体を前記フィルタ膜に通過させる工程と、任意に、前記フィルタ膜によって隔離された少なくとも1つの標的物質を分析する工程と、を有している。前記フィルタ膜は、穿孔二次元材料を含み、前記フィルタ膜は、意図された流体の流れ方向において小さくなる有効孔サイズを有している。分析は、少なくとも1つの標的物質がフィルタ膜に隔離されている間に、又は、標的物質がそこから解放された後に、実施することができる。関連する実施形態において、隔離された少なくとも1つの標的物質は、生成物質をもたらす変更処理が選択的に施され得る。この生成物質は、後続のサイズ分離に供される、及び/又は、1以上の適切な分析に供される。
更に具体的な実施形態において、3つ以上の濾過膜が連続的に配置される。フィルタの有効孔サイズは、流体の流れ方向において減少している。これらのフィルタ膜は、組み合わされて、流体内の複数の物質を(1つ以上の標的物質を含む)物質のサイズ範囲で選択されたプールに分離する又は隔離するように機能する。1つ以上のサイズ選択された物質のプールに対して、1以上の分析が適用され得る。分析は、少なくとも1つの標的物質がフィルタ膜に隔離されている間に、又は、物質がそこから解放された後に、実施することができる。
本開示は、患者に流体を投与するための方法も示している。種々の実施形態において、当該方法は、穿孔二次元材料を含む少なくとも1つのフィルタ膜を準備する工程と、流体を少なくとも1つのフィルタ膜に通過させた後で当該流体を患者に投与する工程と、を有し得る。少なくとも1つのフィルタ膜は、少なくとも1つの生体材料又は毒素を、前記流体から除去する。
上述の説明は、以下の詳細な説明をよりよく理解可能とするために本発明の開示を大まかに述べたものである。本発明の開示の更なる特徴及び利点が以下に記載される。これら及び他の利点及び特徴は、以下の説明から明らかになるであろう。
本発明の開示とその利点についてのより完全な理解のために、特定の実施形態を示す添付図面と併せて提供される以下の説明を参照されたい。
フィルタ膜を取り付け可能な標準的なインターフェースを含む注射器の例示的概略図。 フィルタ膜に取り付けられた穿孔二次元材料を含む取り外し可能なフィルタ膜を有する注射器の例示的概略図。 支持体の2つの層の間に配置された穿孔二次元材料を含むフィルタ膜の例示的概略図。 支持体の2つの層の間に配置された穿孔二次元材料を含むフィルタ膜の例示的概略図。 支持体の2つの層の間に配置された穿孔二次元材料を含むフィルタ膜の例示的概略図。 ルアーロックハウジングに配置されたグラフェンを主成分とするフィルタ膜の例示的概略図。 ルアーロックハウジングに配置されたグラフェンを主成分とするフィルタ膜の例示的概略図。 孔のサイズが同一又は異なり得る、連続して配置されたグラフェンを主成分とするフィルタ膜の例示的概略図。 有効孔サイズが意図された流体の流れの方向において減少している、連続して配設された複数のフィルタ膜の例示的概略図。 進むにつれてより小さな分子物質がフィルタ内で捕捉される、減少する孔サイズの効果の示す概略図。 図5のフィルタ膜構造体が、そこに捕捉された標的物質の解放と分析を促進するように電流により刺激を与えられている例示的概略図。 異なる有効サイズを有する生体物質を隔離するための、互いに積層された一連のフィルタ膜の例示的概略図。
本発明の開示は、一つには、二次元材料を収容する1つ以上のフィルタ膜を含む装置に関する。また一つに、本発明の開示は、各々が所定のサイズ又は化学的特性を有する標的物質を分離するように構成された1つ以上のフィルタ膜を使用して、所定のサイズ又は化学的特性を有する標的物質を流体媒質、特には生体液から分離して選択的に分析する方法に関する。
グラフェンは、その有利な機械的及び電子的特性による数々の適用例における使用により、幅広く注目を集めている。グラフェンは、炭素からなる原子的に薄い層であって、炭素原子が規則的な格子状に密集した原子として存在する層を意味する。規則的な格子状配置は、グラフェンを主成分とする平面に自然に発生するか意図的に導入される複数の欠陥を有し得る。このような欠陥は、本明細書において「細孔」、「穿孔」又は「穴」と同等に称される。「穿孔されたグラフェン(穿孔グラフェン)」という用語は、本明細書において、主平面に欠陥を有するグラフェンシートを指すものとして使用される。欠陥がもともと存在するか意図的に作られたかは問わない。このような細孔の他に、グラフェンや他の2次元材料は、多くの物質に対する不透過層を意味し得るものである。したがって、これらを適切にサイズ決めできれば、不透過層の細孔は、有効孔サイズよりも大きい標的物質を保持するのに有用であろう。この点について、グラフェンや他の二次元材料に複数の穿孔を導入するために、多くの技術が開発されてきた。穿孔は、その外周に関して所望のサイズ、個数及び化学的性質を有する。細孔の化学的特性を変更することにより、特定の化学的特性を有する標的物質を、選択的に保持したり排斥したりすることが可能となる。
本発明は、サブミクロン又はナノサイズの成分の分離を実施するよう、複数の細孔を有する穿孔二次元材料を含むフィルタ膜を採用する。本発明において有用である様々な二次元材料が、当分野において知られている。種々の実施形態において、二次元材料は、グラフェン、硫化モリブデン、又は窒化ホウ素からなる。一実施形態において、二次元材料は、グラフェンを主成分とする材料(グラフェンベース材料)である。より具体的な実施例において、二次元材料はグラフェンである。本開示の実施形態によれば、グラフェンは、単層グラフェン、複層グラフェン、又はこれらの組合せを含み得る。延長された二次元分子構造を有する他のナノ材料も、本開示の種々の実施形態において二次元材料を構成し得る。例えば、硫化モリブデンは、二次元分子構造を有する代表的なカルコゲナイドであるが、他の様々なカルコゲナイドも本開示の実施形態において二次元材料を構成し得る。特定の用途に対する好適な二次元材料の選択は、グラフェン又は他の二次元材料が最終的に配置される化学的及び物理的環境を含む多くの要因によって決定され得る。
一実施形態において、本発明の膜において有用な二次元材料は、グラフェンベース材料のシートである。グラフェンベース材料には、単層グラフェン、複層グラフェン、又は相互接続された単層又は複層グラフェンのドメイン、及びこれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態において、グラフェンベース材料は、単層又は複層グラフェンシートを積層して形成された材料も含む。いくつかの実施形態において、複層グラフェンは、2〜20個の層、2〜10個の層、又は2〜5個の層を含む。いくつかの実施形態において、グラフェンは、グラフェンベース材料の主要材料である。例えば、グラフェンベース材料は、少なくとも30%のグラフェン、又は少なくとも40%のグラフェン、又は少なくとも50%のグラフェン、又は少なくとも60%のグラフェン、又は少なくとも70%のグラフェン、又は少なくとも80%のグラフェン、又は少なくとも90%のグラフェン、又は少なくとも95%のグラフェンを含む。いくつかの実施形態において、グラフェンベース材料は、30%〜95%から、40%〜80%から、50%〜70%から、60%〜95%から、又は75%〜100%から選択された範囲のグラフェンを含む。
本明細書において、「ドメイン」とは、原子が均一に結晶格子状に整列されている材料の部位を称する。ドメインは、その境界の内側で同一であるが、隣接する部位からは異なっている。例えば、単結晶材料は、整列された原子の単独ドメインを有している。一実施形態において、少なくともいくつかのグラフェンドメインは、1〜100nm、又は10〜100nmのドメインサイズを有するナノ結晶である。一実施形態において、少なくともいくつかのグラフェンドメインは、100nm〜1ミクロン、又は200nm〜800nm、又は300nm〜500nmよりも大きいドメインサイズを有している。各ドメインの縁部の結晶学的欠陥により形成される「粒子境界(粒界)」は、隣接する結晶格子同士に違いを持たせる。いくつかの実施形態において、第1結晶格子は、第2結晶格子に対してシート面に直交する軸を中心とする回転によって回転されていることがあり、これにより2つの格子は、「結晶格子の方向」が異なっている。
一実施形態において、グラフェンベース材料からなるシートは、単層グラフェン、又は複層グラフェン、又はこれらの組合せからなるシートを含んでいる。一実施形態において、グラフェンベースのシート材料は、単層グラフェン、又は複層グラフェン、又はこれらの組合せからなるシートである。他の実施形態において、グラフェンベース材料からなるシートは、複数の相互接続された単層又は複層グラフェンドメインを含むシートである。一実施形態において、相互接続されたドメインは、互いに共有結合してシートを形成している。シート上の複数のドメインの結晶格子の方向が異なる場合、シートは多結晶である。
いくつかの実施形態において、グラフェンベース材料からなるシートの厚さは、0.34〜10nm、0.34〜5nm、又は0.34〜3nmである。一実施形態において、グラフェンベース材料からなるシートは、固有の欠陥を有している。固有の欠陥は、グラフェンベース材料からなるシート又はグラフェンからなるシートに選択的に導入された穿孔に対して、グラフェンベース材料の調製に起因する欠陥である。このような固有の欠陥には、格子異常、孔、裂傷、亀裂又は皺が含まれるがこれらに限定されない。格子異常には、6個以外の員環(例えば、5、7又は9個の員環)を有する炭素環、空孔、(非炭素原子包含格子を含む)格子間欠陥、及び粒界が含まれ得るがこれらに限定されない。
一実施形態において、グラフェンベース材料からなるシートの膜又は膜部は、更に、グラフェンベース材料のシートの表面に配置された非グラフェン炭素をベースとする材料(非グラフェン炭素ベース材料)を含んでいる。一実施形態において、非グラフェン炭素ベース材料は長い範囲オーダーを有さず、非結晶質として分類され得る。いくつかの実施形態において、非グラフェン炭素ベース材料は、炭素及び/又は炭化水素以外の元素を更に含んでいる。非グラフェン炭素に含まれ得る非炭素元素には、水素、酸素、ケイ素、銅及び鉄が含まれるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、非グラフェン炭素ベース材料は、炭化水素を含む。いくつかの実施形態において、炭素は、非グラフェン炭素ベース材料における主要材料である。例えば、非グラフェンベース材料は、少なくとも30%の炭素、又は少なくとも40%の炭素、又は少なくとも50%の炭素、又は少なくとも60%の炭素、又は少なくとも70%の炭素、又は少なくとも80%の炭素、又は少なくとも90%の炭素、又は少なくとも95%の炭素を含む。いくつかの実施形態において、非グラフェン炭素ベース材料は、30%〜95%、又は40%〜80%、又は50%〜70%から選択された範囲の炭素を含む。
本明細書において、孔が意図的に形成されている二次元材料を、例えば、「穿孔グラフェンベース材料」、「穿孔二次元材料」、又は「穿孔グラフェン」のように、「穿孔(された)」と称する。本開示は、また、穿孔グラフェン、穿孔グラフェンベース材料、及び、約5〜約100オングストロームのサイズ範囲を有する複数の細孔(又は穴)を含む他の穿孔二次元材料に関する。更なる実施形態において、穴のサイズは、100nm〜1000nm、又は100nm〜500nmの範囲に亘っている。本開示は、更に、一つには、穿孔グラフェン、穿孔グラフェンベース材料、及び約5〜1000オングストロームのサイズ範囲を有する複数の穴を含む他の穿孔二次元材料であって、1−10%のサイズ偏差又は1−20%のサイズ偏差を含むがこれに限定されない狭いサイズ分布を有する他の穿孔二次元材料に関する。一実施形態において、穴の特有の寸法は、5〜1000オングストロームである。円形の穴に関して、特有の寸法とは穴の直径である。非円形孔に関する実施形態において、特有の寸法とは、穴における最大距離、穴における最小距離、穴における最小距離及び最小距離の平均、又は孔の面内面積に基づく同等の直径として捉えられる。本明細書で使用されるように、穿孔グラフェンベース材料には、非炭素原子が孔の縁部において組み込まれている材料が含まれる。
上述のように、種々の標的物質の分離が、多くの例において、特に生物学的分離プロセスにおいて望まれ得る。
このような分離は、1つ以上のフィルタ膜、好適には互いに連続して配置されるとともに互いに離間して配置された2つより多いフィルタ膜を有するフィルタ装置を採用することで、達成可能である。フィルタ膜は、意図された流体の流れの方向において減少する選択された有効孔サイズを有している。フィルタの有効孔サイズは、流体成分を所定のサイズ範囲プールに分離を提供するように選択される。先行する1つ又は複数の膜の孔を通過する任意のサイズの物質が、当該物質を通過させないようにサイズ決めされた孔を有する後続の膜にトラップされるように又は捕捉されるように、フィルタ膜同士は離間している。一実施形態において、各フィルタ膜は、サイズ選択のために機能する穿孔二次元材料を含む。フィルタ膜が離間していることにより、流体からの分離後に、フィルタに捕捉された物質を閉じ込めるための空間又は包囲体が提供される。この空間又は包囲体には、一般に、補足された物質の収集、分析、及び/又は識別のために、例えば、捕捉された物質の全部又は一部の収集、分析を実施するための(選択された波長又は波長範囲を有する)光の導入、分析を実施するための試薬又は他の材料の導入、又は色や導入された光の波長又は他の分析に関連する他の指標の変化を観察するために、アクセス可能である。一実施形態において、空間又は包囲体に、その中に捕捉された1つ以上の物質を改質させるようにアクセス可能である。改質には、とりわけ、試薬又は他の追加の化学的分子又は生体分子との反応又は相互作用、1つ以上の結合を断つための照射、試薬の導入による結合の解放又は抑制、選択された波長を有する光の導入、結合するリガンド又は抗体の、捕捉された1つ以上の物質への導入、が含まれ得る。特定の実施形態において、改質は、1つ以上のフィルタ膜への電流の印加に関する。
一実施形態において、各フィルタ膜は機能付与された穿孔二次元材料からなり、フィルタ膜はサイズ及び/又は化学的特性による分離のために機能する。機能付与には、孔の近隣における機能付与、及び/又は、フィルタ膜の別の部分における機能付与が含まれる。フィルタ孔の機能付与は、当技術分野で公知のいかなる手段によっても達成され得る。機能付与には、カルボン酸塩又は関連する酸性化学種ないしマイナス電気を帯びた化学種を接着する、あるいは、アミン又は関連する基礎化学種又はプラス電気を帯びた化学種を接着する機能付与が含まれる。更なる機能付与には、疎水基への機能付与又は親水基への機能付与が含まれ、このような基は当技術分野で公知である。更なる機能付与には、極性基への機能付与又は非極性基への機能付与が含まれ、このような基は当技術分野で公知である。更なる機能付与には、とりわけ、ホウ酸塩、硫酸塩、スルホキシド及びオルガノシランが含まれる。機能付与には、有機ポリマー又は生体高分子への機能付与が含まれる。機能付与には、選択的に1つ以上の標的物質に結合するタンパク質受容体、リガンド、抗体、又は他の化学種や生体種を接着する機能の付与が含まれる。機能付与は、典型的には、フィルタ膜又はその孔に、フィルタ表面から機能付与を離間するリンキング(結合)種を介して接着される。当技術分野において多くのリンカーが公知であり、これには、炭化水素リンカー、エーテルリンカー、チオエーテルリンカーが含まれる。例えば、リンカーは、1つ以上の−O−、−S−、−CO−、−COO−、−NH−、−NH−CO−と組み合わされた複数の−CH−部分を含有し得る。例示的なリンカーは、2〜50個の炭素原子と、酸素、窒素、及び硫黄から選択された2〜20個のヘテロ原子を含有し得る。
例示的な有用サイズ範囲プールには、(1)無傷細胞を、残りの破壊された細胞(例えば、細胞小器官、細胞部分、細胞成分)、セルに含まれる生体分子(例えば、核酸、タンパク質、タンパク質凝集体)又は薬物や毒素などの小さな分子から分離するプール、(2)異なるサイズの生体分子(例えば、異なるサイズのタンパク質、異なるサイズの核酸、異なるサイズの炭水化物)を分離するプール、(3)重合生体分子(タンパク質、核酸、多糖)を、アミノ酸、小ペプチド、ヌクレオシド、(例えば、2〜20個の塩基を有する)小核酸、単糖、二糖等の非重合生体分子から分離するプール、(4)重合生体分子を、薬物又は非ペプチド毒素等の小分子から分離するプール、又は(5)タンパク質受容体を、このような受容体に結合する可能性のあるリガンドから分離するプール、が含まれる。当業者には、多くの他のサイズ範囲プールを提供することが有用であり得ることが理解されるであろう。
特定の実施形態において、サイズ範囲プールには、以下のようなサイズに亘る物質を含有する1つ以上のプールが含まれる。すなわち、1000nmより大きい;1000nmより小さい、500nmより大きい、500nmより小さい、100nmより大きい、100nmより小さい、50nmより大きい、50nmより小さい、20nmより大きい、20nmより小さい、10nmより大きい、10nmより小さい、5nmより大きい、5nmより小さい、1nmより小さい、1000〜500nmの間、500〜100nmの間の間、100〜20nmの間、20nm〜10nmの間、20nm〜5nmの間、5nm〜1nmの間、7〜15nmの間である。特定の実施形態において、100nmより大きい、又は500nmより大きい範囲が、生体細胞を捕捉するために採用され得る。特定の実施形態において、20より大きい範囲、100〜20nmの間の範囲、又は50〜20nmの間の範囲が、ウィルスを捕捉するために採用され得る。特定の実施形態において、20より小さい、又は4〜20nmの間の範囲が、タンパク質を捕捉するために採用され得る。フィルタ膜の有効孔サイズは、このような例示的なサイズ範囲プールへの分離を提供するように選択され得る。当業者には、多くの他のサイズ範囲プールが、関心の対象であり得、また、適切な有効孔サイズの選択により有利に提供され得ることが理解されるであろう。
特定の実施形態において、フィルタ装置は、意図された流体の流れの方向に沿って流体連通するとともに互いに連続的に配置された複数のフィルタモジュールを含んでいる。各フィルタモジュールは、穿孔二次元材料と、この穿孔二次元材料を所定位置に保持するためのフィルタハウジングと、を有している。連続的に配置されたモジュールの穿孔二次元材料の有効孔サイズは、意図された流れの方向において減少している。特定の実施形態において、フィルタハウジングは、隣接するフィルタハウジングに連続して係合する、又は接続するように構成されて、流体がフィルタ装置を通過する際に流体漏出を防止するシールをそれらの間に形成している。特定の実施形態において、各フィルタモジュールは、任意にバルブが設けられた入口と、任意にバルブが設けられた出口とを有して、装置を通過する流体の流れを促進している。バルブが設けられた入口及び出口は、所望のように選択的に開放又は閉鎖され得る。モジュール内で入口バルブ及び出口バルブを閉鎖することにより、その中の物質を他のモジュール内の物質から隔離することができる。特定の実施形態において、フィルタ装置は、最初のフィルタモジュールと、最後のフィルタモジュールと、介在フィルタモジュールと、を含んでいる。最初のモジュールは任意にバルブが設けられた流体入口を有して、装置を通過する流体の流れを促進している。(最小の孔サイズを有する)最後のモジュールは、任意にバルブが設けられた流体出口を有している。
本例における入口及び出口は任意にバルブが設けられており、それらを選択的に開放したり閉鎖したりすることができる。このようなバルブの作動は、公知手段によるものであってよく、当技術分野において公知のように自動化することができる。選択されたバルブの開放及び閉鎖を、当技術分野において公知のように任意に同期させることができる。本例における入口及び出口は、任意に例えば一方向バルブとして設けられ、選択された一方向における流体の流れ(又は優勢な流体の流れ)を実現する。
フィルタ装置の少なくとも1つのフィルタモジュールは、任意に、フィルタ膜に収集された物質へのアクセスを提供するアクセス開口部を更に備えている。一実施形態において、アクセス開口部は、装置を通過する流体の流れの意図された方向に沿わないように配置されている。一実施形態において、アクセス開口部の開口は、装置を通過する意図された流体の流れの方向に対して直交している。アクセス開口部は、フィルタモジュールの取外し又は追加のために使用され得る。アクセス開口部は、フィルタ膜の1つ以上の標的物質の全部又は一部を取り除くために用いられ得る。アクセス開口部は、光、特には選択された波長を有する光、例えば、1つ以上の標的物質の改質又は分析用のUV−VISを追加するために用いられ得る。アクセス開口部は、色の変化を観察するために、集光して波長及び/又は輝度を計測するために、フィルタ膜上に隔離された物質又は物質から生成された生成物を収集するために用いられ得る。
フィルタ装置の少なくとも1つのフィルタモジュールは、フィルタ膜に隣接して形成されたチャンバを更に備えている。フィルタ膜に収集された物質は、このチャンバの内部に封じ込まれ得る。このようなチャンバは、装置を通過する流体の流れが意図した流体の流れ方向に流れるようにするはずであり、それ事態、任意にバルブが設けられた入口及び出口を任意に有している。しかしながら、チャンバは、流体の漏出を防止するコネクタ又はシールを介して互いに連結された2つの隣接するフィルタモジュールの間に形成されてもよい。
フィルタモジュールは、任意にバルブが設けられた横断流(cross-flow)入口、及び/又は、任意にバルブが設けられた横断流出口を有し得る。このような入口又は出口は、標的物質がそこから分離又は隔離されるべき流体以外の、例えば洗浄流等の流体の横断方向の流れを許容する。横断流出口の操作は、流体の流れを、装置に配置された後続のフィルタモジュールを通過する流れから選択的にそらすために実施され得る。横断流入口及び出口の協調操作は、流体がフォルダを通過して例えばフィルタ膜に対して横切って流れるようにして、標的物質を含む物質を膜の表面から解放するために用いられ得る。横断流は、また、膜の表面上に分離された標的物質を含む物質の分析を容易にするために、選択された1つ以上の試薬又は反応物をフィルタモジュールに導入するように利用され得る。横断流出口から出る流れは、回収、廃棄、又は所望であれば更なる処理のために、装置の貯留部または他の容器に案内され得る。例えば、横断流出口から出る流れは、装置の別のフィルタモジュールに、又は別の濾過装置に、又は分析或いは更なる分析のために分析機器(すなわち、ガスクロマトグラフ(GC)、質量分析計(MS)、又はGC/MS)に案内される。濾過装置から流出する流れは、収集、廃棄、又は所望であれば更なる処理のために、貯留部、又は他の容器に案内され得る。或いは、流出した流れは、分離及び/又は分析のために、分析機器に案内され得る。
特定の実施形態において、フィルタ膜の有効孔サイズは、0.5nm〜1000nmのサイズ範囲に亘る。他の特定の実施形態において、フィルタ膜の有効孔サイズは、0.5〜500nm、又は0.5〜100nm、又は0.5〜50nm、又は0.5〜20nmの範囲に亘る。
一実施形態において、濾過装置のフィルタモジュールは、取外し可能、又は別のフィルタモジュールと交換可能である。一実施形態において、濾過装置の濾過モジュールの数は、選択された1つ以上のモジュールを取り外すことにより、又は1つ以上の更なるモジュールを追加することにより、選択的に変更することができる。したがって、特定のフィルタ装置が分離可能なサイズ範囲は、1つ以上のフィルタモジュールの追加又は除去により調整することができる。一実施形態において、濾過装置は、所定のサイズ範囲の分離の第1セットを提供するようにフィルタモジュールのセットを有し得るとともに、当該第1セット内ではない選択されたサイズ範囲のために1つ以上のフィルタモジュールの追加又は除去により変更されて、所定のサイズ範囲の分離の第2セットを提供し得る。フィルタ装置がモジュールから構成されているため、サイズ範囲プールに分離されるべきサイズ範囲を十分に柔軟に設定することができる。
特定の実施形態において、フィルタ装置の1つ以上のフィルタモジュールにおいて、1以上の分析が実施される。特定の実施形態において、1以上の比色分析が、本発明の1つ以上のフィルタモジュールにおいて実施される。一実施形態において、フィルタ装置の1つ以上のフィルタモジュールのハウジングは、透明であって、分析に伴う色の変化を観察することができるようになっている。種々の比色分析(色の変化により1つ以上の標的物質の特性が認定される分析)が当技術分野において公知であり、これらを本発明の装置及び方法における使用に簡単に適合させることができる。
特定の実施形態において、本発明のフィルタ装置は、注射器の構成において実現される。このような構成において、意図された方向における流体の流れの入口としてのルアーロック取付部(luer lock fitting)が採用され得る。別のこのような構成において、注射器筒内に収容されている流体が、フィルタ装置を通過する流体の流れを提供するように利用され得る。注射器の実施形態において、流体は、注射器のプランジャを操作することにより、フィルタ装置内に引き込まれ得る。或いは、注射器筒内に引き込まれた流体は、その後、注射器のプランジャを操作することにより、フィルタ装置に押し戻され得る。
2015年2月27日に出願された国際出願PCT/US2015/18114号、及び2014年2月28日に出願されたUS出願第14/193,007号は、本発明のフィルタ装置に適合した注射器の実施形態の実現に関する更なる記載を有している。本発明の濾過装置は、一実施形態において、上記の特許文献に記載のフィルタカートリッジを使用して実施され得るということに留意されたい。これらの各特許文献は、注射器及びその動作の記載のために、特定のフィルタカートリッジの記載のために、そして特定の濾過の適用例の記載のために、本明細書において参照されることによりその全体に組み入れられたものとする。
例えば、グラフェンを含む交換可能なフィルタカートリッジを有する注射器を、特定のサイズ範囲又は特定の化学的性質を有する標的物質を分離するために使用することが可能である。他の穿孔二次元材料が、同様に使用されてもよい。フィルタカートリッジは、所望の分離プロセスが実施されるように、異なる穿孔サイズ及び/又は化学的性質を有する濾過膜と置き換え可能である。
一実施形態において、上述のサイズを主とした適用における注射器及びフィルタモジュール又はカートリッジにおいて、第1穿孔サイズを有するフィルタ膜を注射器に挿入し、注射器本体内に流体を引き込むと、第1穿孔サイズより大きい標的物質が、膜上で除かれる。例えば、第1穿孔サイズより小さい標的物質が注射器本体内に引き込まれるように、血漿のサンプルを引き込むことができる。その後、フィルタ膜を、第1穿孔サイズより小さい第2穿孔サイズを有するフィルタ膜と取り換えることができる。注射器を空にすることにより、フィルタ膜において第2穿孔サイズより小さい標的物質が除かれ、第1穿孔サイズと第2穿孔サイズとの間の分子物質が、供給されて分析に供される。或いは、注射器内に引き込まれた流体を、後続の分離プロセスを経ずに(例えば、第2穿孔サイズを有するフィルタ膜を通して供給することなく)、更に分析することが可能である。ただし、この方法は、そうでなければ第2フィルタ膜により除去されたであろうより小さな標的物質から、干渉を受ける可能性がある。所望であれば、流体の更なる分離を、特定成分の分析前に実施してもよい。例えば、供給された流体から従来の生物学的分離技術によりウィルスを分離して、残りの成分を特定の定量的な又は定性的なタンパク質分析等の分析に供することができる。例えば、最近、ウィルス、原生動物、タンパク質、抗体等の生体物質のいくらでも、本明細書に記載の技術により分析することができる。
本明細書において、分析とは、特に分子物質である標的物質の存在、量又は機能的活動についての定性的分析又は定量的計測のための、研究医療、薬理学、環境生物学、及び分子生物学における調査/分析行為である。標的物質は、検体、又は測定量、又は分析標的とも称される。分析を実施する際、流体媒体等の媒体中の標的物質を、標的物質が十分な検出感度を以て更に分析されるように、蓄積したり他の流体成分から分離したりする必要がある。分離された標的物質の更なる分析の代表的なものは、従来の医学的分析又はナノ技術に基づく分析であり得る。
種々の実施形態において、好適なフィルタ膜を、種々のサイズのフィルタ膜を注射器に取付可能とする連結機構を使用して、注射器に挿入する又は取り付けることができる。好適な連結機構が、当業者に知られているであろう。いくつかの実施形態において、好適な連結機構にはルアーロック取付部が含まれ得る。例えば摩擦又は圧縮嵌めによる他の連結も、本明細書に記載の実施形態を実施するのに適している。
更に、本明細書に記載の特定の実施形態は、流体を引き込み且つ供給して、流体中の標的物質を分離し、その後任意で分析するための注射器を参照して説明されるが、流体の引込み及び/又は供給が可能ないかなる装置も、本明細書に記載の実施形態において使用可能であることを理解されたい。注射器の分野において、例えば流体の引込み及び/又は供給は、注射針を使用することなく実施可能である。同様に、他の好適な引込み及び供給装置が、IVバッグや類似の流体注入ポンプ等の標準的な皮下注射器の構成に酷似することなく、注射器と同様に機能し得る。本明細書における説明は、平易を期して注射器を参照してなされる。なぜならば、標準的な注射器が医療分野で一般に使用されており、そのような注射器は本明細書に記載の種々の実施形態を実施するのに安価なアプローチを示すからである。
更に、本明細書において説明は主に穿孔グラフェンについてなされるが、他の二次元材料又は略二次元材料を同様に扱うことができることを理解されたい。すなわち、他の穿孔二次元材料を含むフィルタ膜を、本明細書に記載の実施形態に関連して同様に使用することができる。
本明細書に記載の実施形態において、グラフェン及び/又は他の二次元材料を含む1つ以上のフィルタ膜を互いに積層することができる。いくつかの実施形態において、フィルタ膜同士の連結は、フィルタ膜が保持されているハウジングに対するルアーロック取付け等の標準的な取付けを介して実現可能である。フィルタ膜は、穿孔グラフェン又は他の二次元材料からなる単独のシート、又は(約20枚までの)複数のシートを含み得る。複数のシートが存在する場合、各シートにおける穿孔サイズ(有効孔サイズ)は、同一であっても異なっていてもよい。後者の場合、層間流が変更され得る。更に、各フィルタ膜における穿孔サイズは、後述のように、同一であっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、フィルタ膜を流体の流路(すなわち、流体の流れは、注射針を通過してフィルタ膜に入り、そして注射器本体に入る)に直交するように配置してもよい。他の実施形態において、横断流濾過構成が使用され得る。横断流は、直交して配置されたフィルタ膜の浄化又は洗浄のためにも使用され得る。
いくつかの実施形態において、グラフェン又は他の二次元材料は、機能付与され得る。特に、グラフェンの細孔の周囲が機能付与され得る。グラフェンに機能付与する好適な技術について、当業者は精通しているであろう。更に、本発明の開示の利点及び当業者に共通する理解を考慮すれば、当業者は、生体流体等の流体中の標的物質との所望の相互作用を生じさせる好適な機能を選択することができるであろう。例えば、グラフェンの細孔は、同様のサイズの他の生体物質よりもタンパク質又はタンパク質類と優先的に相互作用し、これにより化学的特性に基づく分離が実施されるように機能付与され得る。したがって、標的物質を、所望であれば、任意に膜材料に機能付与することにより、更なる分析のためにフィルタ膜内に捕捉することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、分析を実施するために、標的物質又はシグナル伝達物質を膜材料から解放する工程を有し得る。他の種々の実施形態において、標的物質がフィルタ膜に配置された状態で、分析が実施可能である。
いくつかの実施形態において、グラフェン又は他の二次元材料は、化学物質を有するように機能付与され得る。この機能付与は、特定種類の生体標的物質と(例えば化学的相互作用により)優先的に相互作用する。なんらかの実施形態において、グラフェン又は他の二次元材料は、生体標的物質と(例えば優先的な静電相互作用により)電子的に相互作用するように機能付与され得る。例えば、特定の成分が膜を通過することを許容又は促進しつつ、不要な成分の通過を阻む又は妨害するように、流体に含まれる成分の通過を阻む/妨害する、又は引き付ける/促進するように、グラフェン又は他の二次元材料が機能付与されるように処理してもよい。例えば、カルボキシレート基(−COO−)等のマイナスに帯電した構成成分により機能付与された孔は、プラスに帯電した(陽イオンの)種を阻む又は妨害することができる。或いは、プロトン化アミン基等のプラスに帯電した種により機能付与された孔は、マイナスに帯電した(陰イオンの)種を阻む又は妨害することができる。
いくつかの実施形態において、グラフェン又は他の二次元材料を多孔性基板に取り付けて、特に機械的支持に関するメリットを得ることができる。多孔性基板は、フィルタ装置において分離されることが意図されている物質の通過を許容するように十分大きい孔を有している。一実施形態において、大きい粒子材料を取り除くように、フィルタ装置を通過させられる流体の事前濾過工程が実施される。事前濾過工程は標的物質が除去されてしまうことを避けるように選択されるべきである、ということが理解される。一実施形態において、濾過装置を通過させた流体に対して、1以上の追加の濾過工程をその後実施してもよい。1以上の濾過工程は、同様の濾過装置構成又は異なる濾過装置構成を使用して実現され得る。例えば、本発明の濾過装置を通過させた流体を、次いで、不要な微生物の除去/排除を保証するように、(当技術分野で公知の)殺菌フィルタを通過させてもよい。
いくつかの実施形態において、グラフェン又は他の二次元材料を、単に特定の標的物質を隔離するだけでなく、検出を容易にする基板に取り付けることができる。検出を容易にする好適な基板は、可視性、比色分析性、蛍光性、UV−VIS性、又は、特定の標的物質、特にグラフェンの穿孔サイズより大きいサイズを有する標的物質の結合に関する他の確証及び数量化を提供する基板を包含する。例えば、時間、温度、電気的活性化等のあらゆる要因により、このような検出機構に関する分析活動を実施することができる。例えば、(例えば電池により供給される)電力を使用して、細胞を溶解させて分子を解放する、機能を変更して結合を示し得る色素分子又は他のシグナル伝達物質を解放する、又はグラフェンへの結合を単に促進することができる。例えば色素分子の解放は、グラフェンに標的物質が存在するか否かを示し得る。
上述のように、サイズ又は化学的特性が変化する標的物質の検出のために構成されたフィルタ膜を、互いに積層してもよい。ここで、フィルタ膜を通過する流路が、最大有効孔サイズから最小有効孔サイズへと徐々に変化する。例えば、非制限的な実施形態において、細菌(例えば大腸菌)、ウィルス(例えば肝炎又はHIV)、及び放射性同位体、又は重金属に関する被験者の血液を保持及び分析するように構成されたフィルタ膜を、図8に示すように、互いに連続的に配置することができる。抗体等の他の生体物質を、同様の方法で分離して分析することも可能である。
いくつかの実施形態において、分析すべき標的物質を含有する流体を、複数のフィルタ膜が取り付けられた注射器に引き込むことができる。ここで、フィルタ膜の有効孔サイズは、最大から最小へと変化する。例えば、注射針を最大有効孔サイズを有するフィルタ膜に取り付けることが可能であるとともに、注射器を最小有効孔サイズを有するフィルタ膜に取り付けることが可能である。フィルタ膜にトラップされた標的物質を、以下で述べるように更なる分析に供することができる、或いは、注射器内の流体を分析することができる。分析のためにフィルタ膜を互いから分離することにより、捕捉された標的物質を個々に分析することが可能となり、これにより分析の際に干渉が生じる機会を低減することができる。
他の実施形態において、分析すべき標的物質を含有する流体を、注射器又は同様の流体引込装置に、最初に濾過することなく引き込むことができる。その後、複数のフィルタ膜を注射器に取り付ける。ここで、フィルタ膜の有効孔サイズは最大から最小へと変化し、最大有効孔サイズを有するフィルタ膜が注射器に取り付けられる。別の実施形態において、フィルタ膜は、最初に注射器に接続されて同じ順番で互いに連結されるが、注射器に最初に流体を引き込むとき、フィルタ膜は迂回され得る。いずれの場合においても、注射器内の流体を、最大有効孔サイズから最小有効孔サイズへと進むようにフィルタ膜を通過させることができる。前述と同様に、次いで、捕捉された標的物質に対して更なる分析を実施することができる。
種々のフィルタ膜において標的物質がどのように隔離されたかということとは無関係に、本明細書に記載の実施形態によれば、標的物質はその後分析され得る。分析は、科学文献や実験室で繰り返し実施される共通の分析等の、当業者が精通している一般的な分析技術を用いて実施可能である。この点について、分析は、上述のように、時間、温度、電気的又は他の活性化機構によって活性化され得る。いくつかの実施形態において、この特徴により、グラフェン又は基板の固定/電気的不動化がもたらされ、種々のセクションが分離する。その後、分離された標的物質の分析を、ナノテクノロジーに基づく分析技術を含む好適な分析技術によって実施することができる。
したがって、本明細書に記載の実施形態は、特定の試験適用例に適合する種々のレベルのカスタマイズ及び変更を可能としつつ、モジュール試験を呈する使い捨てのキットを提供するとともに、理解しやすい結果を提供する。
更に、本明細書に記載のフィルタ膜は、患者の安全性を更に向上させるように使用可能である。例えば、ウィルス、細菌又は他の病原体を患者に投与される流体から除去するようにフィルタ膜を使用することができ、これにより病気の蔓延が防止される。注射器を患者に流体を投与するように使用することができるが、IVバッグや注入ポンプ等の他の分配装置が、同様に使用可能であることを理解されたい。
本明細書に記載の実施形態を、図面を参照しつつ更に述べる。
図1Aは、例えばフィルタモジュール(30)内でフィルタ膜が取り付け可能な標準的なインターフェースを収容する注射器(10)の概略図である。注射器は、注射器に取り付けられた注射針(20)を有している。図1Bは、注射器の概略図である。注射器は、図示のように、フィルタモジュール(30)内でこれに取り付けられた穿孔二次元材料を含む取外し可能なフィルタ膜を有している。図1A及び図1Bを参照すると、本発明に有用な注射器は参照符号10により示されている。注射器(10)は、筒状構成のバレル(12)を有している。バレル(12)は、注射針端部(16)に対向するプランジャ端部(14)を有している。バレル(12)は、開放された内部18を提供している。フランジ(19)が、プランジャ端部(14)から径方向に延出してプランジャ(24)の手動操作を容易にしている。ハブ(17)は、注射針(20)への連結を提供している。この連結は、ルアーロック連結(luer lock connection)を含む種々の標準的な連結インターフェース(21)により実現され得る。プランジャ(24)は、バレル(12)内にスライド可能に受容される。プランジャ(24)は、その一端に、内部(18)内でのスライド可能な動きを許容するようにサイズ決めされた外径を有するプランジャ先端部(26)を有している。当業者に理解されるように、プランジャ先端部(26)は、プランジャが引かれたときに、注射針端部(16)において吸引力を生成させるようにしつつ、内部(18)の中から材料が移動することを防止するのに十分なシールを形成するようにサイズ決めされている。プランジャ先端部(26)に対向して、押出端部(28)が存在する。プランジャを所望の方向に移動させるように、押出端部(28)は、ユーザにより、又は自動機構等により操作され得ることが理解される。バレル内部のプランジャ以外の吸引機構を、本明細書に開示されるように、フィルタモジュール又は孔を有するフィルタ膜を通して材料を押し出す又は引き込むように利用することもできる。
1つ以上のフィルタモジュール(30)が、バレル(1)の注射針端部(16)に保持されている。ハブ17は、バレルの注射針端部16に対向してフィルタカートリッジ30の端部に連結されている。フィルタモジュールには、(ルアーロック取付部のような、流体密閉性のいかなる標準的なインターフェースであってもよい)コネクタ31が設けられている。濾過は、図示の注射器装置内において、注射針に流体を引込み、フィルタモジュールを通過させ、注射器のバレルへと引き込むようにプランジャを操作することにより実現される。或いは、フィルタモジュールの取付け前に、流体を最初に注射器のバレルに引き込み、次いでフィルタモジュールを取り付けて、流体をフィルタモジュールを通して押し出すようにしてもよい。操作のこれらの他の態様における流体の流れ方向は、反対方向であり、サイズ範囲別に分離するための複数のフィルタモジュールの順番を適切に調整する。サイズ範囲分離において、フィルタ膜(及びこれらを収容するフィルタモジュール)が、フィルタ膜の孔サイズが流体の流れ方向において小さくなるように連続的に配置される。
以下でより詳しく説明するように、フィルタモジュール(30)は、所望サイズの分子等の成分、又はあるサイズ範囲の分子等の成分の保持を可能とするように、移動可能及び/又は交換可能である。本例の注射器の実施形態において、注射器は、フィルタモジュール、連続したフィルタモジュール、又はフィルタ装置を通した流体の流れを制御するように機能する。本発明の1つ以上のフィルタモジュールを、任意の流れ制御を有する1つ以上のポンプにおいて、例えば種々のフィルタ流れ制御装置とともに使用できること、及び適切な流体導管を流体の流れ制御を実現するように設けることができること、を理解されたい。
図2A〜2Cは、2つの多孔性支持体層(41A−Cと42A−C)の間に配置された穿孔二次元材料(45A−C)を含むフィルタ膜(40−A−C)の概略図である。フィルタ膜は特定の形状で図示されているが、いかなる形状であってもよい。流れの方向を43Aとして示す。単独の支持層(層41A−41C)が好適に利用され得ることに留意されたい。
図2Aのフィルタ膜は、穿孔されて細孔すなわち孔46を有する2次元材料45Aを有している。図2Bのフィルタ膜は、穿孔されて細孔すなわち孔47を有する二次元材料45Bを有している。異なるモジュールにおけるフィルタ膜の孔サイズは、典型的には異なっており、上述のごとく異なるように選択される。図2A及び2Bの図示の実施形態において、孔46は、孔47の有効孔サイズよりも大きい有効孔サイズを有している。流体の流れ方向において図2Aのフィルタ膜を1番目に、そして図2Bのフィルタ膜を2番目となるように、図2Aのフィルタ膜と図2Bのフィルタ膜とを連続して配置することにより、孔46の孔サイズと孔47の孔サイズとの間のサイズ範囲の物質のプールが捕捉されるであろう。
図2Cは、本発明に有用なフィルタ膜の特定の実施形態を示す。このフィルタ膜の使用法は、2014年2月28日に出願された米国出願第14/193,007号に基づく優先権を主張する2015年2月27日に出願された国際出願PCT/US2015/18114号に記載されている。これらの特許文献は、本件のフィルタ膜の説明のために参照されることにより、本明細書に組み入れたものとする。図示の本実施形態におけるフィルタ膜45Cは、2つの部分を有している。すなわち、1つの部分において、孔46が第2部分における孔47より大きい。このようなフィルタ膜は、フィルタ膜の2つの部分を流体の流れの中または外に配置するよう切り替える機械的機構を有するホルダにフィルタ膜が取り付けられたフィルタモジュールにおいて、使用可能である。このような種々の機構は、上記の特許文献に示されている。
図3A及び3Bは、ルアーロック取付部(33)を有するルアーロックハウジング(luer-lock housing)(32)に配置されたグラフェンを主成分とする穿孔フィルタ膜(40)の概略図である。ルアーロック取付部は、例示的な入口を提供する。フィルタ膜(40)は、多孔質支持層(41)に支持されて示されている。モジュールは、濾過後にフィルタ膜上で隔離された物質を閉じ込めるチャンバ49を有している。
図3Bは、モジュールを有するチャンバへのアクセスに使用され得る側方開口部(55)有する別のフィルタモジュールを示す。側方開口部は、任意にバルブが設けられた入口又は出口として機能し、それ自体、例えば、緩衝液等の他の成分を導入したり横断流による洗浄等に使用したりすることができる。このような側方開口部を、任意のフィルタモジュールに複数個設けてもよい。
図4は、連続して配置されたフィルタ膜をそれぞれ支持するグラフェンを主成分とするフィルタモジュール(30/50)の概略図である。孔サイズは、同じであっても違っていてもよい。特定の実施形態において、連続したモジュールの孔サイズは、フィルタモジュールを通過する流れ方向において小さくなっている。図示の流れ方向において、本実施形態では、孔サイズAは、細孔Bより大きく、細孔Bは孔サイズCより大きい。図示の複数のフィルタモジュールを、これらのモジュールが流体密閉的なシール機構を介して互いに連結されたフィルタ装置において使用することができる。このようなフィルタ装置は、フィルタを通過する流体の流れを促進するように、任意にバルブが設けられた種々の入口及び出口を更に有していてもよい。複数のフィルタモジュールが、流体の流れを提供するように注射器を使用するフィルタ装置において使用され得る。図5は、最初及び最後のモジュール並びに介在モジュール(30/50A−E)を有する、連続して配置された複数のフィルタ膜(30/50)の概略図である。有効孔サイズは、意図された流体の流れ方向において小さくなっている。特定の実施形態において、第1モジュールは、任意にバルブが設けられた入口(56)を有し得るとともに、連続配置された最後のモジュールは任意にバルブが設けられた出口(57)を有し得る。この構成により、フィルタ装置70が提供される。
図6は、孔サイズが小さくなっていることの効果を概略的に示す図である。次第に、より小さな分子物質がフィルタに閉じ込められている。
いくつかの実施形態において、標的物質のフィルタ膜に対する結合は、標的物質がフィルタ膜に存在しているか、いないか、又は飽和しているかを示唆するように検出可能な色素または同様の表示物質の放出をもたらす。いくつかの実施形態において、後述のように、また他で述べるように、色素をフィルタ膜の更なる刺激工程において放出することができる。いくつかの又は他の実施形態において、フィルタ膜による標的物質の閉じ込めにより、フェルスター共鳴エネルギー移動分析を実施することが可能となる。当業者には、このような測定は蛍光分子と消光剤との間の距離に基づくものであることが理解されるであろう。したがって、蛍光性を計測することにより、標的物質の存在や不存在を確定することができる。フィルタ膜上の標的物質に関する分析のための他の好適な分析技術も、構想可能である。
図7は、図5のフィルタ膜構成に収容された標的物質の解放及び/又は分析を促進するように電流による刺激を与え得る様子を示す概略図である。複数のフィルタモジュール(30/50)から構成されるフィルタ装置70への電池(62)の連結を容易にするように、任意のスペーサ(60及び61)が使用され得る。上述のように、電気刺激は、標的物質の更なる分析を実施できるようにする一手段である。交流電源又は直流電源、発電機、手回し発電機等に対する直接的な電気接続等の、他の電力源も想定可能である。図示の実施形態において、電圧の印加によりセルが溶解して分子が解放され、標的物質又は色素/可視化分子を放出するようにフィルタ膜が改質される、又はグラフェンの固定/不動化/シールによりフィルタ膜同士が互いから分離可能となる。図5及び図7の構成により提供される同時に実施される検出及び分析は、生体媒質にしばしば存在する複雑な混合体の分析において特別な利点を呈するものと確信される。
図8は、積層されて全体としてフィルタ装置80を形成している一連のフィルタモジュールの概略図である。フィルタモジュール構成を異なる有効サイズの生体物質を隔離するものとして示し、フィルタ膜の孔サイズは流れ方向において小さくなっている。モジュール75Aは、大腸菌等の生体細胞を隔離する(或いは、腫瘍細胞を含む哺乳類細胞が隔離され得る)。モジュール75B−75Cは、異なるサイズのウィルス/又はタンパク質等の生体ポリマーを隔離するものとして示されている。モジュール75Eは、重金属原子又はイオン等の小分子、原子又はイオンを分離するものとして示されている。図8は、実施可能な分析のタイプを任意のモジュール内で隔離された種のサイズやタイプに応じて適切に選択可能なことを示している。図8に示す分析は、例示的なものである。例えば、モジュール75Aにおいて隔離された細胞をモジュールから除去し、標準的な方法により特定することができる。或いは、モジュール75Aにおいて隔離された細胞を(化学的に又は電流の印加により)溶解して、周知の方法により分析可能な核酸や他の生体ポリマーを収集することができる。核酸について、交配分析またはPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法を利用して、捕捉された細胞を特定することが可能である。捕捉された細胞の特定を容易にするように、捕捉された細胞を培養する中間ステップが適用され得ることに留意されたい。
特定の実施形態において、細胞を第1フィルタモジュールで捕捉し、例えば電流をフィルタ膜に印加することにより、捕捉したセルを溶解させる。分散媒を別のフィルタモジュール又は一連のフィルタモジュールに適用することにより、細胞の溶解物を洗い流して、細胞の溶解物に対してサイズ範囲分離を実施する。放射性同位体分析、化学的分析、リガンド結合法等の種々の公知の分析を、サイズ範囲に基づいて選択された溶解成分に対して実施することができる。
所望により、ウィルスの存在に関する種々の分析を実施できる(HIVテスト、HepCテスト)。任意のタンパク質に対する選択的抗体分析等の、選択されたタンパク質の存在に関する種々の試験を実施できる。放射性同位体分析を、同位体内で濃縮された成分を含有する流体サンプル、又は1つ以上の選択された成分が特定の放射性同位体を含有するように処理された流体サンプルに対して採用することができる。
特定の実施形態において、一連の比色分析を、異なるモジュールにおいて捕捉された物質に対して実施し、モジュール内の、又は任意のフィルタ膜上の色の変化を観察することにより、色の変化の結果を観察することができる。一実施形態において、フィルタモジュールのハウジングは透明であり、このような色の変化の観察が可能とされている。別の実施形態において、蛍光性の変化をもたらす1以上の分析を採用し、モジュール内の、又はフィルタ膜上の蛍光性の変化を、当業界に知られた方法により観察又は検出することができる。別の実施形態において、モジュール内で、又は解放形状のフィルタ膜上で捕捉された物質をUV−VIS分光法等の光照射により分析可能とするように、フィルタ装置は構成されている。
本発明のフィルタ装置は、選択されたサイズ範囲の物質の分離のためのフィルタ装置の構成に合わせて選択されたサイズを有するフィルタが設けられた複数のフィルタモジュールを提供するキットにおいて使用することができる。例えば、キットは、孔サイズA1が最大孔サイズであり、孔サイズA20が最小孔サイズであるような孔サイズA1−A20を有するフィルタモジュールのセットを提供可能である。フィルタモジュールの孔サイズは、例えば1〜1000nmの所望のサイズ範囲をカバーするように選択することができる。モジュールの孔サイズは、当該範囲(例えば、A20が50nm、A19が100nm、A18が150nm … A1が1000nm)内の中間孔サイズにおいて設定できる。フィルタモジュールのうちの2つ以上を、サイズが小さくなる順に配列して、所望のサイズ範囲プール(例えば、A20、A15、A10、A5、A1を連続させるプール、又はA18、A7、A5、A2、A1を連続させるプール)を提供する選択されたフィルタ装置を形成することができる。フィルタモジュールの種々の組合せを組み合わせて所望のサイズ範囲分離を達成することができることを理解されたい。
任意のフィルタモジュールに対して電流を印加することに関し。フィルタ膜は、このような電流印加のための電極を有し得る。電流印加のための種々の手段及び適切な電極を用いるが、当業界で公知である。図7は、全てのフィルタモジュールに対する電流の印加を示している。しかしながら、全てのフィルタモジュールより少ないフィルタモジュールに、電流を印加することが可能であることを理解されたい。この実施形態において、電流が印加されるフィルタモジュールは、電流が印加されないフィルタモジュールから電気的に絶縁されている必要があることを理解されたい。電気的絶縁を達成する適切な絶縁方法及び材料が、当業界で公知である。グラフェンベース材料又はグラフェン等の導電性二次元材料がフィルタ膜において利用される場合、フィルタ膜に給電するようにフィルタ膜自体に導線が適切に設けられる。
本開示を開示された実施形態を参照しつつ説明したが、当業者にはこれらの実施形態が本開示の単なる例示であることがよく理解されるであろう。本開示の趣旨を逸脱せずに、種々の変形が可能であると理解されなくてはならない。本開示は、上述されないが本発明の要旨及び範囲と等しい種々の実施形態、変形例、置換例、又は同等構成を含むように変更され得る。更に、本発明の種々の実施形態について説明したが、本開示の態様は既述の実施形態のほんの一部を含み得ることが理解されなくてはならない。したがって、本開示は、上述の説明により制限されるものとしてみなされるべきでない。
記載された又は例示された構成要素のあらゆる変形又は組合せが、別段の記載がない限り、本発明を実施すべく使用可能である。構成要素の特定の名称は例示であると意図されており、当業者は同じ構成要素を異なる名称で称することがある。本明細書において構成要素が特定の異性体又は鏡像異性体を例えば化学式又は化学名で特定されずに記載されている場合、その説明は個々に又は組み合わせにおいて記載された構成要素の各異性体及び鏡像異性体を含むことを意図している。特に例示された以外の方法、装置要素、出発物質及び合成方法が、過度の実験を必要とすることなく、本発明の実施において利用され得ることが、当業者には理解されるであろう。当業界で公知の、このような方法、装置要素、出発物質及び合成方法の機能的に等価なものが、本発明に含まれることが意図されている。本明細書に示された範囲、例えば温度範囲、時間範囲、組成範囲、全ての中間範囲及び部分的範囲、並びに示された範囲に含まれる個々の数値等の範囲は、本開示に含まれることが意図されている。マーカッシュグループや他の分類が本明細書で使用される場合、グループの個々のものの全て、及びグループの全ての組合せ及び考えられ得るサブコンビネーションが、本開示に個別に含まれることが意図されている。
本明細書において、「備える」は「有する」、「含む」、又は「を特徴とする」と同義であり、包括的又は無制限的であって、追加の記載されていない要素や方法工程を排除しない。本明細書において、「からなる」は、クレーム要素で特定されていない要素、工程又は成分を排除する。本明細書において、「から本質的になる」は、クレームの本質的で新規な特徴に重大な影響を与えない材料や工程を排除しない。特に組成成分の記載又は装置の要素の記載における用語「備える」の記載は、記載の成分又は要素から本質的になる、又は記載の成分又は要素からなる組成及び方法を包含するものとして理解される。本明細書において好適な例示として記載された発明は、本明細書において具体的に開示されていない1つ又は複数の要素や1つ又は複数の制限なく実施可能である。
採用された用語及び表現は、説明のためであって制限的なものではなく、そのような用語及び表現において、図示及び記載の特徴の等価物又はその一部を排除する意図は全くない。しかし、請求項に記載された本発明の範囲内で種々の変形が可能であることを認識されたい。したがって、本発明は好適な実施形態及び選択的な特徴によって特に開示されたが、本明細書に開示された概念の変形例及び他の実施形態を当業者が利用可能であること、また、そのような変形例及び他の実施形態が、本願請求項により定義される本発明の範囲に含まれるとみなされることが理解されるべきである。
本明細書で使用される用語や表現は、概して、標準的なテキスト、刊行物及び当業者に公知の背景を参照することにより理解可能な、当業界において認められた意味を有している。上記の定義は、本発明の背景における特別な使用を明らかにするために提供される。
特許文献又は同様のもの、特許出願公開公報、及び非特許文献又は他の資料等の、本出願における全ての参考文献は、参照により個々に組み込まれているかのごとく、各参考文献が少なくとも部分的に本出願の開示と矛盾しない程度に、その全内容を参照して本明細書に組み込まれるものとする(例えば、部分的に矛盾する参考文献は、当該参考文献の部分的に矛盾する部分を除き、参照により組み込まれるものとする)。
本明細書に記載された全ての特許及び公報は、本発明が関する当業界の業者の技術レベルを示唆する。本明細書で引用した参考文献は、場合によっては出願日の技術水準を示唆するように、その全内容を参照して本明細書に組み込まれるものとする。必要であれば、この情報が本明細書において採用されて、従来技術の特定の実施形態を排除(例えば、放棄)可能であることが意図されている。例えば、ある化合物がクレームされる場合、本明細書に開示された参考文献において(特に参考特許文献において)開示された特定の化合物を含む、従来技術において公知の化合物がクレームに含まれることは意図されていないことが理解されるべきである。

Claims (35)

  1. 互いに連続して配置された1つ以上のフィルタ膜を準備する工程と、
    1つ以上の標的物質を含有する流体を、その中の少なくとも1つの標的物質を前記流体から分離するために、前記連続するフィルタ膜に通過させる工程と、を有し、
    前記フィルタ膜は、穿孔された二次元材料を有し、
    前記フィルタ膜は、意図された流体の流れ方向において小さくなる有効孔サイズを有している、方法。
  2. 2つ以上のフィルタ膜を準備する、前記方法であって、
    各フィルタ膜の有効孔サイズが、前記流体中の標的物質を所定のサイズ範囲のプールに分離することを提供するように選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 1つ以上のフィルタ膜上の少なくとも1つの標的物質を分析する工程を更に有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 1つ以上のフィルタ膜上の標的物質を変化させる工程と、
    前記変化させる工程の後、前記変化させる工程の少なくとも1つの生成物質を分析する工程と、を更に有する、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記標的物質の少なくとも1つは生体細胞である、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記標的物質の少なくとも1つは生体細胞であり、
    前記方法は、
    前記生体細胞を溶解する工程と、
    前記溶解する工程の後に、前記溶解する工程により前記細胞から放出された少なくとも1つの生成物質を分析する工程と、を更に有する、請求項1又は2に記載の方法。
  7. 1つ以上のフィルタ膜で隔離された1つ以上の標的物質を、洗浄流体の横断流を適用することにより当該フィルタ膜から洗い流す工程を更に有する、請求項1又は2に記載の方法。
  8. 前記少なくとも1つの標的物質は、生体物質を有している、請求項1又は2に記載の方法。
  9. 前記フィルタ膜に流体を通過させる工程は、吸引又は真空の適用により、流体を前記フィルタ膜を通過させて引き込む工程を有している、請求項1又は2に記載の方法。
  10. 前記フィルタ膜に流体を通過させる工程は、ポンプを利用して前記フィルタ膜を通過する流体の流れを制御する工程を有している、請求項1又は2に記載の方法。
  11. 前記フィルタ膜に流体を通過させる工程は、流体を注射器内に引き込む工程を有している、請求項1又は2に記載の方法。
  12. 前記フィルタ膜に流体を通過させる工程は、
    流体を注射器内に引き込む工程と、
    前記引き込む工程の後に前記流体をフィルタ膜を通過させて分配する工程と、を有している、請求項1又は2に記載の方法。
  13. 分析に関連して、少なくとも1つのフィルタ膜の少なくとも一部から成分を解放する工程を更に有する、請求項1又は2に記載の方法。
  14. 前記二次元材料は、穿孔されたグラフェンを主成分とする材料を有している、請求項1又は2に記載の方法。
  15. 前記二次元材料は、穿孔されたグラフェンを有している、請求項1又は2に記載の方法。
  16. 前記二次元材料は、穿孔されたグラフェンを主成分とする材料を有している、請求項3乃至13のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記二次元材料は、穿孔されたグラフェンを有している、請求項3乃至13のいずれか一項に記載の方法。
  18. 穿孔された二次元材料を有する少なくとも1つのフィルタ膜を準備する工程と、
    流体を前記少なくとも1つのフィルタ膜に通過させた後に、前記流体を患者に投与する工程と、を有し、
    前記少なくとも1つのフィルタ膜は、少なくとも1つの生体分子又は毒素を前記流体から除去する、方法。
  19. 2つ以上のフィルタ膜が準備される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記フィルタ膜の有効孔サイズは、0.5nm〜1000nmのサイズ範囲に亘る、請求項1乃至19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 互いに連続して配置された2つ以上のフィルタ膜を有するフィルタ装置であって、
    各フィルタ膜は、穿孔された二次元材料を有し、
    前記フィルタ膜は、意図された流体の流れ方向において小さくなる選択された有効孔サイズを有し、
    フィルタの有効孔サイズは、流体成分を所定のサイズ範囲のプールに分離することを提供するように選択されている、フィルタ装置。
  22. 意図された流体の流れ方向に沿って、流体連通するように互いに連続して配置された複数のフィルタモジュールを有し、
    各フィルタモジュールは、穿孔された二次元材料と、前記穿孔された二次元材料を所定位置に保持するフィルタハウジングと、を有し、
    前記連続して配置されたモジュールの前記穿孔された二次元材料の前記有効孔サイズは、意図された流方向において小さくなっている、請求項21に記載のフィルタ装置。
  23. 少なくとも1つのフィルタモジュールは、前記フィルタ膜において収集された物質へのアクセスを提供するアクセス開口部を更に有し、
    前記アクセス開口部は、前記意図された流体の流れ方向に沿わないように配置されている、請求項21又は22に記載のフィルタ装置。
  24. 少なくとも1つのフィルタモジュールが、前記フィルタ膜に隣接して形成されたチャンバであって、前記フィルタ膜において収集された物質が閉じ込められるチャンバを更に有する、請求項21又は22に記載のフィルタ装置。
  25. 少なくとも1つのフィルタモジュールが、前記フィルタ膜に隣接して形成されたチャンバであって、前記フィルタモジュールの前記フィルタ膜において収集された物質が閉じ込められるチャンバを更に有し、
    前記チャンバは、任意にバルブが設けられた横断流入口を有している、請求項21又は22に記載のフィルタ装置。
  26. 少なくとも1つのフィルタモジュールが、前記フィルタ膜に隣接して形成されたチャンバであって、前記フィルタモジュールの前記フィルタ膜において収集された物質が閉じ込められるチャンバを更に有し、
    前記チャンバは、任意にバルブが設けられた横断流出口を有している、請求項21又は22に記載のフィルタ装置。
  27. 少なくとも1つのフィルタモジュールが、前記フィルタ膜に隣接して形成されたチャンバであって、前記フィルタモジュールの前記フィルタ膜において収集された物質が閉じ込められるチャンバを更に有し、
    前記チャンバは、任意にバルブが設けられた横断流出口と、任意にバルブが設けられた出口と、を有している、請求項21又は22に記載のフィルタ装置。
  28. 少なくとも1つのフィルタモジュールが、内部の前記フィルタ膜に選択的に電流を印加するための電気接続部を更に有している、請求項21又は22に記載のフィルタ装置。
  29. 前記フィルタ膜の前記有効孔サイズは、0.5nm〜1000nmのサイズ範囲に亘る、請求項21又は22に記載のフィルタ装置。
  30. 前記フィルタ膜は、穿孔されたグラフェンを主成分とする材料を有している、請求項21又は22に記載のフィルタ装置。
  31. 前記フィルタ膜は、穿孔されたグラフェンを有している、請求項21又は22に記載のフィルタ装置。
  32. 前記意図された方向の流体の流れのための入口を更に有している、請求項21又は22に記載のフィルタ装置。
  33. 前記意図された方向の流体の流れのための入口としてのルアーロック取付部を更に有している、請求項21又は22に記載のフィルタ装置。
  34. 流体出口と、
    任意に、前記フィルタモジュール通過後に流体を受け入れるためのタンクと、を更に有している、請求項21又は22に記載のフィルタ装置。
  35. 流体出口と、
    注射器のバレルであるタンクと、を更に有している、請求項21又は22に記載のフィルタ装置。
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