JP2017519799A - 低血圧の治療方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、低血圧、とりわけカテコールアミン抵抗性低血圧の治療のための治療法におけるアンジオテンシンIIの使用に関する。【選択図】なし

Description

関連出願
この出願は、2014年7月8日に出願された米国仮出願第62/022,054号に対する優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
発明の背景
低血圧(血圧低下)は、是正されない場合は生命を脅かし、外傷、敗血症性ショックまたは薬物反応などの様々な基礎状態の結果として起こる。最初の治療は静脈内輸液であり、この治療が低血圧を是正することができなかい場合は次に昇圧剤が利用される。最初に使用される昇圧剤はカテコールアミン注入である。カテコールアミンはアミノ酸のチロシンから誘導されるアミンであり、血圧を増加させるホルモンおよび神経伝達物質の両方として作用する、エピネフリン(アドレナリン)、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、フェニレフリン、およびドーパミンが挙げられる。カテコールアミンは低血圧の治療におおむね有効であるが、十分な用量に反応しない患者が存在し、カテコールアミン抵抗性と定義される。これらの患者は、死亡率が高い場合が多く、許容可能な代替手段は存在しない。
重篤な低血圧を有する患者における高用量のカテコールアミンの使用は、不良転帰を伴う。例えば、上記患者のうち、昇圧剤として0.1μg/kg/分を上回る用量のノルエピネフリンを必要とする患者の90日死亡率は50〜93%であり、100μg/分を超える用量のノルエピネフリンを必要とする患者の94%は死亡する。
従って、カテコールアミン抵抗性低血圧を有する患者において血圧を調節する代替的方法が必要とされている。
発明の要約
アンジオテンシンIIは、身体により天然に産生されるペプチドホルモンであり、血管収縮およびナトリウム再吸収を介して血圧を調節する。アンジオテンシンII投与の血行力学的効果は、多くの臨床研究の主題とされ、全身および腎臓の血流に対する顕著な効果が実証されている。本明細書中で開示される発明は、アンジオテンシンIIを患者に投与し、患者のその後の平均動脈圧を測定し、患者に投与されるカテコールアミンおよび/またはアンジオテンシンII投与を患者の血圧の変化に従って用量調整する(titrate)ことによって低血圧を治療する方法について記載している。
一部の態様において、本発明は、必要のある患者において低血圧(例えばカテコールアミン抵抗性低血圧)を治療する方法であって、該患者にアンジオテンシンIIを含む組成物を投与するステップを含む、方法に関する。本明細書中で使用される用語「カテコールアミン抵抗性低血圧」は、昇圧剤として15μg/kg/分超のドーパミン、0.1μg/kg/分超のノルエピネフリンまたは0.1μg/kg/分超のエピネフリンを必要とする患者を指す。ドーパミン、ノルエピネフリン、およびエピネフリンは、それぞれ15μg/kg/分より高い、0.1μg/kg/分より高い、または0.1μg/kg/分より高い速度で投与してもよいが、速度の上昇は死亡率の増加と相関する。
一部の実施形態において、本発明は、カテコールアミンの投与を受けており、且つ初期平均動脈圧を有するヒト患者において低血圧を治療する方法であって、以下のステップ:患者にアンジオテンシンIIを含む組成物を投与するステップ;一定時間後、患者の平均動脈圧を測定するステップ;測定された平均動脈圧が75mm Hg以上である場合、患者にカテコールアミンを投与する速度を低下させるステップを含む、上記方法に関する。特定のこのような実施形態において、測定された平均動脈圧が75mm Hg未満である場合、本方法は、アンジオテンシンIIの投与速度を増加させるステップを含む。
用語「平均動脈圧」または「MAP」は、単一心周期中の平均動脈圧を指す。
本明細書中で使用される用語「カテコールアミン」は、ドーパミン、ノルエピネフリン、フェニレフリンおよびエピネフリン、ならびに、ヒトにおいて類似の生理作用を誘導する(例えば、健康なヒト被験体において平均動脈圧を上昇させる)それらのプロドラッグ、構造類似体、または誘導体を指す。特定の実施形態において、カテコールアミンは、ドーパミン、ノルエピネフリン、またはエピネフリンであり得る。
一部の実施形態において、本発明は、カテコールアミンの投与を受けており、且つ初期平均動脈圧を有するヒト患者において低血圧を治療する方法であって、以下のステップ:患者にアンジオテンシンIIを含む組成物を投与するステップ;一定時間後、患者の平均動脈圧を測定するステップ;測定された平均動脈圧が閾値以上(例えば、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84または85mm Hg)である場合、患者にカテコールアミンを投与する速度を低下させるステップを含む、上記方法に関する。特定のこのような実施形態において、測定された平均動脈圧が閾値未満である場合、本方法は、アンジオテンシンIIの投与速度を増加させるステップを含む。
他の実施形態において、本発明は、カテコールアミンの投与を受けており、且つ初期平均動脈圧を有するヒト患者において低血圧を治療する方法であって、以下のステップ:患者にアンジオテンシンIIを含む組成物を投与するステップ;一定時間後、患者の平均動脈圧を測定するステップ;測定された平均動脈圧が初期平均動脈圧より少なくとも10mm Hg高い場合、患者にカテコールアミンを投与する速度を低下させるステップを含む、上記方法に関する。特定のこのような実施形態において、測定された平均動脈圧が初期平均動脈圧より10mm Hg未満高い場合、本方法は、アンジオテンシンIIの投与速度を増加させるステップを含む。
他の実施形態において、本発明は、カテコールアミンの投与を受けており、且つ初期平均動脈圧を有するヒト患者において低血圧を治療する方法であって、以下のステップ:患者にアンジオテンシンIIを含む組成物を投与するステップ;一定時間後、患者の平均動脈圧を測定するステップ;測定された平均動脈圧が初期平均動脈圧より高い(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45mm Hg高い)場合、患者にカテコールアミンを投与する速度を低下させるステップを含む、上記方法に関する。特定のこのような実施形態において、測定された平均動脈圧が初期平均動脈圧以下である場合、本方法は、アンジオテンシンIIの投与速度を増加させるステップを含む。
当業者であれば、本発明の文脈において、抗低血圧治療は任意の好適な方法で投与することができるが、典型的には連続注入によって投与されるということを認識するであろう。従って、投与速度の増加または低下は、静脈内点滴の流速を変化させること、静脈内点滴中の薬剤濃度を変化させること等により達成することができる。しかし、投与速度が変化する仕方は、治療薬の投与様式に依存するだろう。治療薬が経粘膜的にまたは経皮的に投与される場合、例えば、より高い放出速度のパッチまたは経皮組成物に変更することによって投与速度を増加させることができる。治療薬が経口的に投与される場合、例えば、より高用量の形態に切り替えるか、追加の用量を投与するか、またはより高い放出速度を有する制御放出剤形を投与することによって投与速度を増加させることができる。治療薬が吸入によって投与される場合、例えば、追加のボーラス、より濃縮されたボーラス、またはより高速で放出するボーラスを投与することによって投与速度を増加させることができる。他の投与様式(皮下注射ポンプ、坐剤等による)も類似の方法で調節することが可能であり、投与速度の低下は、治療薬の投与速度を増加させ得る行為の逆を行うことによって達成することができる。
アンジオテンシンIIは、有害である可能性のある用量の昇圧剤を必要とする患者に特に有用であり得る。従って、一部の実施形態において、本発明は、低血圧を治療する方法であって、本組成物の投与前に、患者が、昇圧剤としてドーパミン、ドブタミン、ノルエピネフリン、エピネフリン、フェニレフリン、テルリプレッシン、バソプレッシンまたはミドドリンの投与を受けている、上記方法に関する。
一部の実施形態において、本発明は、低血圧を治療する方法であって、患者が、アンジオテンシンII治療の開始前に心血管連続臓器不全評価スコア(「SOFAスコア」)1以上を有する、上記方法に関する。例えば、患者は、心血管SOFAスコア1、2、3または4を有し得る。一部の実施形態において、患者は、心血管SOFAスコア2、3または4を有する。他の実施形態において、患者は、心血管SOFAスコア3または4を有する。一部の実施形態において、患者は、アンジオテンシンII治療の開始前に、心血管SOFAスコア4を有する。
一部の実施形態において、患者は、アンジオテンシンIIの投与前に、少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9または5μg/kg/分のノルエピネフリンの投与を受けている。例えば、本組成物の投与前に、患者は、少なくとも0.1μg/kg/分のノルエピネフリンの投与を受けていてもよい。他の実施形態において、患者は、本組成物の投与前に、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100μg/分のノルエピネフリンの投与を受けていてもよい。
あるいは、低血圧は、エピネフリンによって治療することもできる。従って、一部の実施形態において、患者は、アンジオテンシンII治療の開始前に、少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9または5μg/kg/分のエピネフリンの投与を受けていてもよい。例えば、本組成物の投与前に、患者は、少なくとも0.1μg/kg/分のエピネフリンの投与を受けていてもよい。他の実施形態において、患者は、アンジオテンシンII治療の開始前に、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100μg/分のエピネフリンの投与を受けていてもよい。
あるいは、低血圧は、ドーパミンによって治療することもできる。従って、一部の実施形態において、患者は、アンジオテンシンII治療の開始前に、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25μg/kg/分のドーパミンの投与を受けていてもよい。例えば、本組成物の投与前に、患者は、少なくとも5μg/kg/分のドーパミンの投与を受けていてもよい。他の実施形態において、患者は、アンジオテンシンII治療の開始前に、少なくとも250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400または2500μg/分のドーパミンの投与を受けていてもよい。
アンジオテンシンIIまたはカテコールアミンのいずれかを用量調整するため、患者の平均動脈圧をモニターすることができる。例えば、患者の平均動脈圧は、留置動脈ラインを用いてまたは他の好適な方法によってモニターすることができる。一部の実施形態において、本組成物の投与前に初期平均動脈圧を測定し、本組成物を投与し、一定時間後、追加的な平均動脈圧を測定する。この一定時間は、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、135、150、165、180、195、210、225もしくは240分、または約4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0、19.5、20.0、20.5、21.0、21.5、22.0、22.5、23.0、23.5、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47もしくは48時間またはそれ以上であり得る。好ましくは、一定時間は2時間未満、最も好ましくは約1時間以下である。
特定の実施形態において、測定された平均動脈圧が標的値を達成するかまたは上回る場合、カテコールアミンの投与速度を低下させる。標的値は、例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79または80mm Hgであり得る。特定の好ましい実施形態において、測定された平均動脈圧が75mm Hg以上である場合、カテコールアミンの投与速度を低下させる。
他の実施形態において、測定された平均動脈圧と初期平均動脈圧間の差が標的値を達成するかまたは上回る場合、カテコールアミンの投与速度を低下させる。標的値は、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25mm Hgであり得る。特定の好ましい実施形態において、測定された平均動脈圧が初期平均動脈圧より少なくとも10mm Hg高い場合、カテコールアミンの投与速度を低下させる。
平均動脈圧は、2回以上測定することができる。例えば、平均動脈圧は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれ以上測定してもよいし、あるいは連続的にまたは実質的に連続的に測定してもよい。カテコールアミンの投与速度は、測定された平均動脈圧が標的値を達成するかまたは上回るか否かに応じて、各測定(またはアンジオテンシンIIの投与速度の低下、あるいはその両方)に対応して低下させることができる。同様に、カテコールアミンの投与速度は、測定された平均動脈圧が標的値未満である場合、測定(またはアンジオテンシンIIの投与速度の増加、あるいはその両方)の後、増加させることができる。同様に、カテコールアミンの投与速度は、測定された平均動脈圧と初期平均動脈圧間の差が標的値未満であるか否かに応じて、各測定(またはアンジオテンシンIIの投与速度の低下、あるいはその両方)の後、低下させることができる。同様に、カテコールアミンの投与速度は、測定された平均動脈圧と初期平均動脈圧間の差が標的値未満である場合、測定(またはアンジオテンシンIIの投与速度の増加、あるいはその両方)の後、増加させることができる。
一部の実施形態において、測定された患者の平均動脈圧が75mm Hg以上である場合、患者にカテコールアミンを投与する速度を低下させる。一部の実施形態において、測定された患者の平均動脈圧が65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84または85mm Hg以上である場合、患者にカテコールアミンを投与する速度を低下させる。一部の実施形態において、測定された平均動脈圧が初期平均動脈圧より少なくとも10mm Hg高い場合、患者にカテコールアミンを投与する速度を低下させる。一部の実施形態において、測定された平均動脈圧が初期平均動脈圧より少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25mm Hg高い場合、患者にカテコールアミンを投与する速度を低下させる。特定の実施形態において、カテコールアミンの投与速度を少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%またはそれ以上低下させる。従って、例えば、ノルエピネフリンの投与速度を少なくとも15%低下させる。他の実施形態において、カテコールアミンの投与速度を少なくとも60%低下させる。一部の実施形態において、カテコールアミンの投与速度を0μg/kg/分まで低下させる。
カテコールアミンは、患者のMAPをモニターしながら用量調整で減少させる(titrated down)ことが可能であり、用量調整は数分間〜数時間の期間にわたって行うことができる。従って、カテコールアミンの投与速度を、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、135、150、165、180、195、210、225もしくは240分間にわたって、または約4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0、19.5、20.0、20.5、21.0、21.5、22.0、22.5、23.0、23.5、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47もしくは48時間またはそれ以上にわたって、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%またはそれ以上低下させることができる。
アンジオテンシンIIは、1ng/kg/分超の濃度で、患者のMAPを増加させるのに有効である。従って、特定の実施形態において、アンジオテンシンIIを、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40ng/kg/分以上の速度で投与する。例えば、一部の実施形態において、アンジオテンシンIIを、5ng/kg/分の速度で投与する。他の実施形態において、本発明は、アンジオテンシンIIを20ng/kg/分の速度で投与する、低血圧を治療する方法に関する。さらなる他の実施形態において、アンジオテンシンIIを、40ng/kg/分の速度で投与する。
異なる患者は、治療目標を達成するために、より高速またはより低速のアンジオテンシンIIの投与を必要とする。投与速度は、アンジオテンシンIIを初期速度で投与し、投与速度を増加させるかまたは低下させることにより、異なる患者に最適化することができる。一部の場合、患者に初期ボーラスのアンジオテンシンIIを投与し、その後、より低速でアンジオテンシンIIを投与することができる。あるいは、患者にアンジオテンシンIIを低速で投与し、その後徐々に上昇させた速度で投与することができる。従って、一部の実施形態において、本方法はアンジオテンシンの投与速度を増加させることをさらに含み、また他の実施形態において、本方法はアンジオテンシンの投与速度を低下させることをさらに含む。例えば、アンジオテンシンIIを、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20ng/kg/分の初期速度で投与することが可能であり、さらに投与速度を、約5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59または60ng/kg/分の最終速度まで増加させることができる。あるいは、アンジオテンシンを、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59または60ng/kg/分の初期速度で投与することが可能であり、さらに投与速度を、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20ng/kg/分の最終速度まで低下させることができる。アンジオテンシンIIは、患者のMAPをモニターしながら用量調整することが可能であり、用量調整は、数分間〜数時間の期間にわたって行うことができる。従って、アンジオテンシンIIを投与する速度は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、135、150、165、180、195、210、225もしくは240分間にわたって、または約4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0、19.5、20.0、20.5、21.0、21.5、22.0、22.5、23.0、23.5、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47もしくは48時間またはそれ以上にわたって増加または低下させることができる。
アンジオテンシンIIは、標的値を上回るMAPを維持することが必要である限り投与することができる。あるいは、アンジオテンシンは、より低用量のカテコールアミンで患者のMAPを維持できるまで投与することができる。一部の実施形態において、本組成物を、0.1μg/kg/分未満のノルエピネフリン、0.1μg/kg/分未満のエピネフリン、または15μg/kg/分未満のドーパミンで患者の平均動脈圧を70mm Hg以上に維持することができるまで投与する。他の実施形態において、本組成物を、6時間未満、6時間〜24時間、または少なくとも24時間、から選択される一定時間にわたって連続投与する。他の実施形態において、組成物を、少なくとも1〜6日間(例えば1〜11日間)連続投与する。
本明細書中で開示される方法は、ヒト被験体においてMAPを増加させる所望の効果を示す任意の好適な形態または類似体のアンジオテンシンIIを用いることができる。一部の実施形態において、アンジオテンシンIIは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、列番号7または配列番号8に示される配列を有する。好ましくは、アンジオテンシンIIは、配列番号1に示される配列を有する。
一部の実施形態において、アンジオテンシンIIは、5-L-バリンアンジオテンシンII、1-L-アスパラギン-5-L-バリンアンジオテンシンII、1-L-アスパラギン-5-L-イソロイシンアンジオテンシンII、または1-L-アスパラギン-5-L-イソロイシンアンジオテンシンIIから選択され、好ましくは5-L-イソロイシンアンジオテンシンIIである。アンジオテンシンIIは、製薬上許容可能な塩として(例えばアセテート塩として)製剤化することができる。
本組成物は、様々な濃度のアンジオテンシンIIを用いて製剤化することができる。従って、特定の実施形態において、本組成物は、アンジオテンシンIIを、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000μg/mlの濃度で含む。他の実施形態において、本組成物は、アンジオテンシンIIを、約1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0、19.5、20.0、20.5、21.0、21.5、22.0、22.5、23.0、23.5、24.0、24.5または25.0mg/mlの濃度で含む。従って、特定の実施形態において、本組成物は、アンジオテンシンIIを約2.5mg/mLの濃度で含む。
特定の実施形態において、本組成物は、賦形剤(例えばマンニトール)を含む。
特定の実施形態において、本組成物は、非経口投与(例えば注射または静脈内注入、好ましくは静脈内注入)に適している。
一部の実施形態において、患者は敗血症を有する。患者は、敗血症性ショック、血液分布異常性ショックまたは心原性ショックを有し得る。
一部の実施形態において、患者は、哺乳動物(例えば霊長類、ヒツジ、ブタ、イヌ、または齧歯類、好ましくはヒト)である。
アンジオテンシンIIの投与速度は、治療中定期的にまたは散発的に得られる患者の平均動脈圧の測定値に応じて、例えば、平均動脈圧をこのレベルまたは所定範囲内(例えば、80〜110mm Hg)に維持するため、手動でおよび/または自動で調節することができる。
特定の実施形態において、本発明は、アンジオテンシンII治療に対する低血圧を有する患者(例えばヒト)の反応を評価する方法であって、患者にアンジオテンシンIIを含む初期用量(治療用量または治療用量未満、例えば1ng/kg/分未満または約1ng/kg/分の用量であり得る)の組成物を投与するステップと、治療パラメータ(例えば血圧)の変化について患者を試験するステップとを含む、上記方法を提供する。例えば、患者の治療パラメータは、初期用量の投与前、および初期用量の投与後(例えば、初期用量の投与の少なくとも30分後、好ましくは少なくとも1時間後および/または最大8時間後、好ましくは最大6時間後、例えば1〜6時間後)に再度、評価することができる。初期用量の投与後の治療パラメータの評価と、初期用量の投与前に行われた評価との比較は、アンジオテンシンII治療の結果としてそのパラメータが増加しているかまたは低下しているかを示すだろう。典型的には、患者の血圧の増加は、アンジオテンシンII治療に対するポジティブな反応を示す。特定の実施形態において、患者が治療に対してポジティブな反応を示す場合、本方法は、患者に追加用量のアンジオテンシンIIを投与するステップをさらに含む。患者がネガティブな反応(例えば、患者の血圧の低下)を示す場合、患者は、典型的には追加用量のアンジオテンシンII治療を受けない。患者が反応を示さないか、またはわずかな反応しか示さない場合、本方法は、初期用量より高い用量の本組成物を投与するステップと、このより高い用量に対する反応について患者をさらに試験するステップとをさらに含み得る。あるいは、患者が反応を示さないか、またはわずかな反応しか示さない場合、上記患者は、さらなる用量のアンジオテンシン治療を受けないこともあり得る。
アンジオテンシンII治療
アンジオテンシンIIは、身体によって天然に産生されるペプチドホルモンであり、血管収縮およびナトリウム再吸収を介して血圧を調節する。アンジオテンシンII投与の血行力学的効果は多くの臨床研究の対象とされ、全身および腎臓の血流に対する有意な効果を示している(Harrison-Bernard, L.M., The renal renin-angiotensin system. Adv Physiol Educ, (2009) 33(4):p. 270-74)。アンジオテンシンIIは、血管平滑筋緊張度および細胞外液ホメオスタシスの調節を介して血圧を調節するレニンアンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)によって産生されるホルモンである。アンジオテンシンIIは、血管収縮およびナトリウム保持を誘導することによって血管系に対するその作用を調節するため、多くの高血圧の治療法の標的である。アンジオテンシンIIは、その全身性作用に加え、腎臓の輸出細動脈に対して、血流が低下した場合に糸球体ろ過を維持するという顕著な作用を有する。アンジオテンシンIIはまた、近位尿細管中のNa+/H+交換輸送体を刺激し、アルドステロンおよびバソプレッシンの放出を誘導することにより、腎臓におけるナトリウム再吸収も調節する(Harrison-Bernard, L.M., The renal renin-angiotensin system. Adv Physiol Educ, 2009. 33(4):p. 270-4)。
本開示の組成物中で、また本開示の方法のために使用し得るアンジオテンシンII治療薬は、Asp-Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Phe(配列番号1)(5-イソロイシンアンジオテンシンIIとも呼ばれる)であり得る。配列番号1は、ヒトおよび他の種(例えばウマ、ブタ等)において天然に存在するオクタペプチドである。イソロイシンをバリンで置換して、5-バリンアンジオテンシンII(Asp-Arg-Val-Tyr-Val-His-Pro-Phe(配列番号2))を得ることもできる。他のアンジオテンシンII類似体、例えば[Asn1-Phe4]-アンジオテンシンII(配列番号3)、ヘキサペプチドVal-Tyr-Ile-His-Pro-Phe(配列番号4)、ノナペプチドAsn-Arg-Val-Tyr-Tyr-Val-His-Pro-Phe(配列番号5)、[Asn1-Ile5-Ile8]-アンジオテンシンII(配列番号6)、[Asn1-Ile5-Ala8]-アンジオテンシンII(配列番号7)および[Asn1-ジヨードTyr4-Ile5]-アンジオテンシンII(配列番号8)などを用いることもできる。アンジオテンシンIIは、例えば、C末端アミド化などの修飾を組み込むために固相ペプチド合成によって合成してもよい。用語「アンジオテンシンII」は、さらなる具体性を伴うことなく、これらの様々な形態ならびにそれらの組み合わせの任意のものを指すことを意図する。
本明細書中で開示される組成物および方法において用いられるアンジオテンシンIIの配列は、上記のアンジオテンシンIIの配列と相同であってもよい。特定の態様において、本発明は、配列番号1、2、3、4、5、6、7および/または8と少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一の単離、合成または組換えアミノ酸配列を包含する。任意のかかる変異配列を、先行の段落に記載されているアンジオテンシンIIの代わりに使用することができる。
一部の態様において、アンジオテンシンIIを含む組成物は、好ましくは、現在の優れた製造条件下(under currect good manufacturing conditions)(cGMP)で製造された、5-バリンアンジオテンシンII、5-バリンアンジオテンシンIIアミド、5-L-イソロイシンアンジオテンシンII、および5-L-イソロイシンアンジオテンシンIIアミドまたはその製薬上許容可能な塩から選択することができる。一部の態様において、本組成物は、異なる形態のアンジオテンシンIIを異なる割合で含み得る(例えば、ヘキサペプチドアンジオテンシンとノナペプチドアンジオテンシンとの混合物)。アンジオテンシンIIを含む組成物は、非経口投与(例えば、注射または静脈内注入)に好適であり得る。
同様に、アンジオテンシンII治療薬は、上記ペプチドの任意の好適な塩、脱保護形態、アセチル化形態、脱アセチル化形態、および/またはプロドラッグ形態として用いることが可能であり、例えば、米国特許公開第2011/0081371号(参照により組み込まれる)中に開示されるペグ化形態のペプチドまたはコンジュゲートが挙げられる。用語「プロドラッグ」は、生理的条件下で上記のペプチドを生成または放出することができる任意の前駆体化合物を指す。このようなプロドラッグは、本発明のペプチドを形成するために選択的に切断されるより大きなペプチドであり得る。例えば、一部の態様において、プロドラッグは、特定の内因性または外因性酵素の作用によりアンジオテンシンIIを生じさせることができるアンジオテンシノーゲン、アンジオテンシンI、またはその類似体であり得る。さらなるプロドラッグとしては、保護アミノ酸を有する(例えば、1つ以上のカルボン酸基および/またはアミノ基に保護基を有する)ペプチドが挙げられる。アミノ基に適した保護基は、ベンジルオキシカルボニル基、t-ブチルオキシカルボニル(BOC)基、フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)基、ホルミル基、およびアセチルまたはアシル基である。カルボン酸基に適した保護基は、エステル(例えばベンジルエステルまたはt-ブチルエステル)である。本発明は、アミノ酸の置換、欠失、付加を有するアンジオテンシンIIおよび/または前駆体ペプチドの使用も想定し、置換および付加としては標準的なDおよびLアミノ酸ならびに修飾アミノ酸(例えばアミド化アミノ酸およびアセチル化アミノ酸)が挙げられ、ここでベースペプチド配列の治療活性が薬理学的に有用なレベルに維持される。
治療上有効な物質の用量
一般的に、アンジオテンシンIIは血圧を増加させ、低血圧の患者は、正常な患者に観察される昇圧応答と同様の応答を示すためには、より多くの用量を必要とし得る。アンジオテンシン治療薬(例えばアンジオテンシンII)を含む組成物は、少なくとも約10〜15mm Hgの血圧の増加を達成するために十分な速度で投与することが可能であり、また場合により少なくとも投与されるアンジオテンシン治療薬は、他の生理学的パラメータ(例えば、腎臓血管抵抗性、腎臓血流、ろ過率、平均動脈圧等)の変化に応じて変動させることができる。例えば、アンジオテンシン治療薬の投与速度は、約2ng/kg/分〜約20ng/kg/分から開始することが可能であり、さらに平均動脈圧(「MAP」)に基づいて増加させる。一部の態様において、投与速度は、MAPが約70mm Hg、約80mm Hg、約90mm Hg、約100mm Hg、約110mm Hg等を超えないように増加させることができる。例えば、治療経過の一部または全体の間、患者を、MAPの連続的、周期的または一時的測定値を提供するモニターに連結することができる。投与速度は、患者のMAPを所望の範囲内(例えば、80〜110mm Hg)または(例えば上記に示される)所望の閾値未満に維持するために手動で(例えば医師もしくは看護師により)、または自動的に(例えば、モニターから受け取ったMAP値に応じて本組成物の送達を調節することができる医療機器により)調節することができる。
アンジオテンシン治療薬を含む組成物は、少なくとも8時間、少なくとも24時間、および8時間〜24時間、から選択される一定時間にわたって投与することができる。アンジオテンシン治療薬を含む組成物は、少なくとも2〜6日間(例えば2〜11日間)、2〜6日間、少なくとも2〜6日間(例えば2〜11日間)の期間にわたって1日8時間、連続投与することができる。長期間注入後は、ウィーニング期間(weaning period)(数時間〜数日間)が有利であり得る。
アンジオテンシン治療薬を含む組成物は、1種以上の追加的な医薬品をさらに含み得る。例えば、アンジオテンシンIIは、アルブミンと共に投与し得る。投与される追加的な医薬品の量は、アンジオテンシン治療薬および追加的な医薬品を含む治療の累積治療効果に応じて変動し得る。例えば、投与されるアルブミンの量は、第1日目に体重1キログラム当たりアルブミン1グラム、続いて毎日20〜40グラムの、静脈内投与であり得る。さらに他の追加的な医薬品は、ミドドリン、オクトレオチド、ソマトスタチン、バソプレッシン類似体、オルニプレッシン、テルリプレッシン、ペントキシフィリン、アセチルシステイン、ノルエピネフリン、ミソプロストール等の任意の1種以上であり得る。一部の態様において、上記疾患に伴うナトリウム排出機能障害を治療するために、他のナトリウム利尿ペプチドをアンジオテンシン治療薬と組み合わせて用いることもできる。例えば、ナトリウム利尿ペプチドとして、任意のタイプの心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、脳ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)、および/またはマンバ属ナトリウム利尿ペプチド等を挙げることができる。幾つかの利尿化合物をアンジオテンシン治療薬と組み合わせて用いて尿排出を誘導することもできる。例えば、キサンチン(例えばカフェイン、テオフィリン、テオブロミン)、トリアジド(例えばベンドロフルメチアジド、ヒドロクロロチアジド)、カリウム保持性利尿薬(例えばアミロライド、スピロノラクトン、トリアムテレン、カンレノ酸カリウム)、浸透性利尿薬(例えばグルコース(とりわけ制御不良の糖尿病において)、マンニトール)、ループ利尿薬(例えばブメタニド、エタクリン酸、フロセミド、トラセミド)、炭酸脱水酵素阻害薬(例えばアセタゾールアミド、ドルゾラミド)、Na-H交換体アンタゴニスト(例えばドーパミン)、水利尿薬(例えばゴールデンロッド、ビャクシン)、アルギニンバソプレッシン受容体2アンタゴニスト(例えばアムホテリシンB、クエン酸リチウム)、酸性化塩(例えばCaCl2、NH4Cl)、エタノール、水等の任意の1種以上を、アンジオテンシン治療薬と組み合わせて用いて患者を治療することもできる。上記の追加的な医薬品のリストは単なる例示にすぎず、低血圧および関連の病状の治療に有用であり得る任意の他の医薬品を含み得る。
賦形剤
本発明の医薬組成物は、当技術分野で周知の希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤および他の物質も含み得る。用語「製薬上許容可能な担体」は、本発明の治療上有効な物質(例えばアンジオテンシンII)と共に患者に投与することが可能であり、且つ治療上有効な物質の薬理学的活性を破壊しない非毒性担体を指す。用語「製薬上許容可能な」は、活性成分(1つまたは複数)の生物学的活性の有効性を妨げない非毒性物質を意味する。担体の特徴は、投与経路によって決まる。用語「賦形剤」は、製剤または組成物中の製薬上の活性成分ではない添加剤を指す。
当業者であれば、任意の1種の賦形剤の選択が、任意の他の賦形剤の選択に影響を及ぼし得るということを理解するであろう。例えば、特定の賦形剤の選択は、賦形剤の組み合わせが望ましくない作用を生じる可能性があるために1種以上のさらなる賦形剤の使用を排除し得る。当業者であれば、(用いる場合は)どの賦形剤を本発明の組成物中に含めるかを経験的に決定することができるであろう。本発明の賦形剤として、限定するものではないが、共溶媒、可溶化剤、緩衝剤、pH調整剤、増量剤、界面活性剤、カプセル化剤、張性調節剤、安定化剤、保護剤、および粘度調整剤を挙げることができる。一部の態様において、本発明の組成物に製薬上許容可能な担体を含めることが有利であり得る。
可溶化剤
一部の態様において、本発明の組成物に可溶化剤を含めることが有利であり得る。可溶化剤は、本製剤または組成物の成分のいずれか(例えば治療上有効な物質(例えばアンジオテンシンII)または賦形剤など)の溶解性を増加させるために有用であり得る。本明細書中に記載される可溶化剤は、網羅的リストを構成することを意図するものではなく、本発明の組成物中で使用し得る例示的可溶化剤としてのみ提供される。特定の態様において、可溶化剤としては、限定するものではないが、例えばエチルアルコール、tert-ブチルアルコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、および任意の製薬上許容可能な塩および/またはそれらの組み合わせが挙げられる。
pH調整剤
一部の態様において、本発明の組成物にpH調整剤を含めることによって本組成物のpHを調整することが有利であり得る。製剤または組成物のpHの改変は、例えば、治療上有効な物質の安定性または溶解性に有利な効果を有し得るか、または非経口投与に適した製剤または組成物の作成に有用であり得る。pH調整剤は、当技術分野において周知である。従って、本明細書中に記載されるpH調整剤は、網羅的リストを構成することを意図するものではなく、本発明の組成物中で使用し得る例示的pH調整剤としてのみ提供される。pH調整剤としては、例えば、酸および塩基が挙げられる。一部の態様において、pH調整剤としては、限定するものではないが、例えば酢酸、塩酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムおよびそれらの組み合わせなどが挙げられる。
本発明の組成物のpHは、本製剤または組成物に所望の特性を与える任意のpHであってよい。所望の特性としては、例えば、治療上有効な物質(例えば、アンジオテンシンII)の安定性、他のpHの組成物と比較した、治療上有効な物質の保持の増加、ろ過効率の改善を挙げることができる。一部の態様において、本発明の組成物のpHは、約3.0〜約9.0、例えば、約5.0〜約7.0であり得る。特定の態様において、本発明の組成物のpHは、5.5±0.1、5.6±0.1、5.7±0.1、5.8±0.1、5.9±0.1、6.0±0.1、6.1±0.1、6.2±0.1、6.3±0.1、6.4±0.1または6.5±0.1であり得る。
緩衝剤
一部の態様において、組成物中に1種以上の緩衝剤を含めることによってpHを緩衝することが有利であり得る。特定の態様において、緩衝剤は、例えば、約5.5、約6.0、または約6.5のpKaを有し得る。当業者であれば、本発明の組成物に含めるため、そのpKaおよび他の特性に基づいて適切な緩衝剤を選択し得ることを理解するであろう。緩衝剤は、当技術分野において周知である。従って、本明細書中に記載される緩衝剤は、網羅的リストを構成することを意図するものではなく、本発明の組成物中で使用し得る例示的緩衝剤としてのみ提供される。特定の態様において、緩衝剤は、以下:トリス、トリスHCl、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アルコルビン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムとリン酸カリウムの組み合わせ、トリス/トリスHCl、重炭酸ナトリウム、リン酸アルギニン、アルギニン塩酸塩、ヒスチジン塩酸塩、カコジル酸塩、コハク酸塩、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、マレイン酸塩、ビス-トリス、リン酸塩、炭酸塩、および任意の製薬上許容可能な塩および/またはそれらの組み合わせ、の1種以上を含むことができる。
界面活性剤
一部の態様において、本発明の組成物に界面活性剤を含めることが有利であり得る。界面活性剤は、一般的には液体組成物の表面張力を低下させる。界面活性剤は、ろ過の容易性の改善などの有利な特性を提供し得る。界面活性剤はまた、乳化剤および/または可溶化剤としても作用し得る。界面活性剤は、当技術分野において周知である。従って、本明細書中に記載される界面活性剤は、網羅的リストを構成することを意図するものではなく、本発明の組成物中で使用し得る例示的界面活性剤としてのみ提供される。含め得る界面活性剤としては、限定するものではないが、例えば、ポリソルベート(例えばポリソルベート20およびポリソルベート80)などのソルビタンエステル、リポ多糖、ポリエチレングリコール(例えばPEG400およびPEG3000)、ポロキサマー(すなわちプルロニック)、エチレンオキシドおよびポリエチレンオキシド(例えば、Triton X-100)、サポニン、リン脂質(例えばレシチン)およびそれらの組み合わせなどが挙げられる。
張性調節剤
一部の態様において、本発明の組成物に張性調節剤を含めることが有利であり得る。液体組成物の張性は、例えば非経口投与によって患者に本組成物を投与する場合の重要な考慮要因である。従って、張性調節剤は、投与に適した製剤または組成物の作製に役立てるために使用することができる。張性調節剤は、当技術分野において周知である。従って、本明細書中に記載される張性調節剤は、網羅的リストを構成することを意図するものではなく、本発明の組成物中で使用し得る例示的張性調節剤としてのみ提供される。張性調節剤は、イオン性であっても非イオン性であってもよく、例えば、限定するものではないが、無機塩、アミノ酸、炭水化物、糖、糖アルコール、および炭水化物が挙げられる。例示的無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、および硫酸カリウムが挙げられる。例示的アミノ酸は、グリシンである。例示的糖としては、糖アルコール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、グルコース、スクロース、ラクトース、およびマンニトール)が挙げられる。
安定化剤
一部の態様において、本発明の組成物に安定化剤を含めることが有利であり得る。安定化剤は、本発明の組成物における治療上有効な物質の安定性の増加に役立つ。この安定性の増加は、例えば、治療上有効な物質の分解を低下させるか、または凝集を妨げることによって起こり得る。理論に拘泥することを望むものではないが、安定性を高める機構としては、治療上有効な物質の溶媒からの隔離、またはアントラサイクリン化合物のフリーラジカル酸化の阻害が挙げられる。安定化剤は、当技術分野において周知である。従って、本明細書中に記載される安定化剤は、網羅的リストを構成することを意図するものではなく、本発明の組成物中で使用し得る例示的安定化剤としてのみ提供される。安定化剤としては、限定するものではないが、乳化剤および界面活性剤が挙げられる。
送達経路
本発明の組成物は、様々な従来の方法で投与することができる。一部の態様において、本発明の組成物は、非経口投与に適している。これらの組成物は、例えば、腹腔内、静脈内、腎臓内、または髄腔内に投与することができる。一部の態様において、本発明の組成物は静脈注射される。当業者であれば、本発明の治療上有効な物質の製剤または組成物の投与方法が、治療対象の患者の年齢、体重および健康状態などの因子、および治療対象の疾患または症状によって決定され得るということを理解するであろう。従って、当業者であれば、患者に最適な投与方法をケースバイケースで選択することができるであろう。
本明細書中で別段に定義されない限り、本出願において使用される科学用語および技術用語は、当技術分野において通常の技能を有する者に一般的に理解される意味を有するものとする。一般的には、本明細書中に記載される化学、分子生物学、細胞および癌の生物学、免疫学、微生物学、薬理学、ならびにタンパク質および核酸化学に関する命名法および技術は当技術分野において周知であり、且つ一般的に使用される命名法および技術である。
本明細書全体を通して、「含む(comprise)」との語または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などの変形は、記載される整数(もしくは成分)または整数(もしくは成分)の群を包含することを意味するが、任意の他の整数(もしくは成分)または整数(もしくは成分)の群を除外することは意味しないことが理解されるだろう。単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに別段に指示しない限り、複数形を包含する。用語「例えば、・・・が挙げられる(including)」は、「例えば、限定するものではないが・・・が挙げられる(including but not limited to)」を意味するために用いられる。「例えば、・・・が挙げられる(including)」と「例えば、限定するものではないが、・・・が挙げられる(including but not limited to)」とは、互換的に用いられる。用語「患者(patient)」および「個体(individual)」は互換的に用いられ、ヒトまたは非ヒト動物のいずれかを指す。これらの用語は、ヒト、霊長類、家畜動物(例えばウシ、ブタ)、コンパニオン動物(例えば、イヌ、ネコ)および齧歯類(例えば、マウス、ウサギおよびラット)などの哺乳動物を包含する。
「約(about)」および「約(approximately)」は、一般的には、測定値の性質または精度を考慮して、測定される量についての誤差の許容可能な程度を意味するものとする。典型的には、誤差の例示的程度は、所与の値または値の範囲の20%以内、好ましくは10%以内、またより好ましくは5%以内である。あるいは、特に生物学的系において、用語「約(about)」および「約(approximately)」は、所与の値の桁内(好ましくは5倍以内、またより好ましくは2倍以内)の値を意味し得る。本明細書中で示される数値量は、別段に記載されない限り近似であり、明確に記載されない場合、用語「約(about)」または「約(approximately)」を推測し得ることを意味する。
参照による組み込み
本明細書中で言及される全ての刊行物および特許は、各個別刊行物または特許が参照により組み込まれるように具体的に且つ個別に示されたかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。矛盾する場合、その具体的定義を含む本明細書が制御する。特許事項の具体的態様について考察したが、上記明細書は例示であり、限定ではない。本明細書および以下の特許請求の範囲を概観すれば、当業者には多数の変形が明らかとなるだろう。本発明の完全な範囲は、特許請求の範囲をそれらの完全な範囲の等価物と共に、また明細書をこのような変形と共に参照することにより、決定されるべきである。

Claims (51)

  1. カテコールアミンの投与を受けており、且つ初期平均動脈圧を有するヒト患者において低血圧を治療する方法であって、以下のステップ:
    患者にアンジオテンシンIIを含む組成物を投与するステップ;
    一定時間後、患者の平均動脈圧を測定するステップ;および
    測定された平均動脈圧が75mm Hg以上である場合、患者にカテコールアミンを投与する速度を低下させるステップ
    を含む、前記方法。
  2. 測定された平均動脈圧が75mm Hg未満である場合、アンジオテンシンIIの投与速度を増加させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. カテコールアミンの投与を受けており、且つ初期平均動脈圧を有するヒト患者において低血圧を治療する方法であって、以下のステップ:
    患者にアンジオテンシンIIを含む組成物を投与するステップ;
    一定時間後、患者の平均動脈圧を測定するステップ;および
    測定された平均動脈圧が初期平均動脈圧より少なくとも10mm Hg高い場合、患者にカテコールアミンを投与する速度を低下させるステップ
    を含む、前記方法。
  4. 測定された平均動脈圧が初期平均動脈圧より5mm Hg未満高い場合、アンジオテンシンIIの投与速度を増加させるステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
  5. カテコールアミンが、ドーパミン、ノルエピネフリン、またはエピネフリンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 組成物の投与前に、患者が少なくとも0.1μg/kg/分のノルエピネフリンの投与を受けている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 組成物の投与前に、患者が少なくとも0.2μg/kg/分のノルエピネフリンの投与を受けている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 組成物の投与前に、患者が少なくとも0.5μg/kg/分のノルエピネフリンの投与を受けている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  9. 組成物の投与前に、患者が少なくとも1.0μg/kg/分のノルエピネフリンの投与を受けている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  10. 組成物の投与前に、患者が少なくとも0.1μg/kg/分のエピネフリンの投与を受けている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  11. 組成物の投与前に、患者が少なくとも0.2μg/kg/分のエピネフリンの投与を受けている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  12. 組成物の投与前に、患者が少なくとも0.5μg/kg/分のエピネフリンの投与を受けている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  13. 組成物の投与前に、患者が少なくとも1.0μg/kg/分のエピネフリンの投与を受けている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  14. 組成物の投与前に、患者が少なくとも5μg/kg/分のドーパミンの投与を受けている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  15. 組成物の投与前に、患者が少なくとも15μg/kg/分のドーパミンの投与を受けている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  16. 組成物の投与前に、患者が少なくとも20μg/kg/分のドーパミンの投与を受けている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  17. 組成物の投与前に、患者が少なくとも25μg/kg/分のドーパミンの投与を受けている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  18. 患者が心血管連続臓器不全評価スコア(「SOFAスコア」)3または4を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  19. 患者が心血管SOFAスコア4を有する、請求項18に記載の方法。
  20. 初期平均動脈圧が65mm Hg以下である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 初期平均動脈圧が70mm Hg以下である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記一定時間が2時間未満である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記一定時間が約1時間以下である、請求項22に記載の方法。
  24. カテコールアミンの投与速度を少なくとも15%低下させる、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. カテコールアミンの投与速度を少なくとも60%低下させる、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  26. アンジオテンシンIIを5ng/kg/分以上の初期速度で投与する、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. アンジオテンシンIIを約20ng/kg/分の初期速度で投与する、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  28. アンジオテンシンIIを約40ng/kg/分の初期速度で投与する、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  29. アンジオテンシンIIの投与速度を増加させるステップをさらに含む、請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. アンジオテンシンIIの投与速度を40ng/kg/分以下の最終速度まで増加させる、請求項29に記載の方法。
  31. アンジオテンシンIIの投与速度を6時間以下の期間にわたって増加させる、請求項29または30に記載の方法。
  32. アンジオテンシンIIの投与速度を低下させるステップをさらに含む、請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
  33. アンジオテンシンIIの投与速度を5ng/kg/分以下の最終速度まで低下させる、請求項32に記載の方法。
  34. アンジオテンシンIIの投与速度を6時間以下の期間にわたって低下させる、請求項32または33に記載の方法。
  35. 前記組成物を、少なくとも1〜11日間、例えば1〜6日間連続投与する、請求項1〜34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記組成物を、6時間未満、6時間〜24時間、または少なくとも24時間から選択される一定時間にわたって連続投与する、請求項1〜34のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記組成物を、患者の平均動脈圧を0.1μg/kg/分未満のノルエピネフリン、0.1μg/kg/分未満のエピネフリン、または15μg/kg/分未満のドーパミンで70mm Hg以上に維持できるまで投与する、請求項1〜34のいずれか1項に記載の方法。
  38. アンジオテンシンIIが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、列番号7または配列番号8に示される配列を有する、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. アンジオテンシンIIが、配列番号1に示される配列を有する、請求項38に記載の方法。
  40. アンジオテンシンIIが、5-L-バリンアンジオテンシンII、1-L-アスパラギン-5-L-バリンアンジオテンシンII、1-L-アスパラギン-5-L-イソロイシンアンジオテンシンII、または 1-L-アスパラギン-5-L-イソロイシンアンジオテンシンIIである、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。
  41. アンジオテンシンIIが、5-L-イソロイシンアンジオテンシンIIである、請求項40に記載の方法。
  42. 前記組成物が、アンジオテンシンIIを約2.5mg/mLの濃度で含む、請求項1〜41のいずれか1項に記載の方法。
  43. 前記組成物が、賦形剤としてマンニトールをさらに含む、請求項1〜42のいずれか1項に記載の方法。
  44. 前記組成物が、マンニトールを約12.5mg/mLの濃度で含む、請求項43に記載の方法。
  45. 前記組成物が非経口投与に適している、請求項1〜44のいずれか1項に記載の方法。
  46. 非経口投与が注射または静脈内注入である、請求項45に記載の方法。
  47. 非経口投与が静脈内注入である、請求項46に記載の方法。
  48. 患者が敗血症を有する、請求項1〜47のいずれか1項に記載の方法。
  49. 患者が敗血症性ショックを有する、請求項48に記載の方法。
  50. 患者が血液分布異常性ショックを有する、請求項1〜49のいずれか1項に記載の方法。
  51. 患者が心原性ショックを有する、請求項1〜50のいずれか1項に記載の方法。
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