JP2017519323A - コヒーレントなホログラフィックデータチャネルのための方法および装置 - Google Patents

コヒーレントなホログラフィックデータチャネルのための方法および装置 Download PDF

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Abstract

コヒーレントなホログラフィックデータチャネル手法のための方法および装置を提示する。データ検出のためのコヒーレント手法としては、一般に、ホモダインおよびヘテロダイン検出が挙げられる。直交位相ホモダイン検出、リサンプリング直交位相ホモダイン検出、n値ホモダイン検出、および空間波面復調のための各手法を提示する。一方、コヒーレント検出手法は、また、位相変調等(例えば、二値位相偏移変調すなわちBPSK、直交位相ホログラフィック多重化すなわちQPSK、および直交位相振幅変調すなわちQAM等)のコヒーレントなチャネル変調技術を可能にする。また、コヒーレント検出により、部分応答最尤(PRML)、拡張PRMLの種々のクラス、および雑音予測最尤(NPML)検出の種々のクラス等、他のチャネル技術の実施および向上が可能となる。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2014年4月29日に出願され、「N値ホモダイン検出(N-Rature Homodyne Detection)」と題する米国特許出願第61/986,083号からの米国特許法第119条(e)による優先権を主張するものであり、この出願の全体を参照により本明細書に援用する。
本出願は、また、2014年9月11日に出願され、「コヒーレント光学データ検出およびコヒーレントデータチャネル変調のための方法及び装置(Methods and Devices for Coherent Optical Data Detection and Coherent Data Channel Modulation)」と題する米国特許出願第14/484,060号からの米国特許法第120条(e)による優先権を主張するものであり、この出願の全体を参照により本明細書に援用する。
ホログラフィックデータ記憶
情報記憶デバイスの開発者らは、記憶容量の向上を継続的に追求している。この開発の一部として、従来のメモリデバイスにかわるものとして、ホログラフィックメモリシステム、ホログラフィック記憶システム、およびホログラフィックデータ記憶システムと称する、ホログラフィック光学技術を用いるメモリシステムが提案されている。
ホログラフィックメモリシステムは、感光性記憶媒体に対してデータの読み出し/書き込みを行うことができる。データを記憶する際は、ホログラフィックメモリシステムは、多くの場合、一般に「ページ」と呼ばれる2次元(2D)アレイのホログラムを記憶することによりデータを記憶するが、この場合、2Dアレイの各要素がそれぞれ単一のデータビットを表す。このタイプのシステムは、多くの場合、「ページワイズ」メモリシステムと呼ばれる。ホログラフィックメモリシステムは、ホログラムを変化する屈折率のパターンおよび/または記憶媒体に刻まれた吸収率として記憶することができる。
ホログラフィックシステムによれば、記憶媒体内部の特定の箇所において、レーザビームなど、2つのコヒーレントな光ビームを合成(combine)することにより、データ書き込み(データ記録動作、データ記憶動作、または書き込み動作とも呼ぶ)を行うことができる。具体的には、データ符号化信号ビーム(データビームとも呼ぶ)を参照ビームと合成して、感光性記憶媒体において干渉パターンを生成する。干渉パターンは、記憶媒体中で材料の変造(material alteration)を誘発し、ホログラムを形成する。
ホログラフィックに記憶(格納)したデータは、記憶データの読み出し(すなわち再構築)を行うことによりホログラフィックメモリシステムから検索することができる。この読み出し動作は、そのデータを記録するために用いた参照ビームと同じ角度、波長、位相、位置等で、記憶媒体内に再構築ビームまたはプローブビームまたはその補償された等価物を投影することにより行い得る。ホログラムおよび参照ビームは相互作用し、信号ビームを再構築する。
そして、再構築信号ビーム(すなわち、再構築データビーム)をパワーセンシティブ検出器により検出して、出力デバイスに送り出すため処理を行う。検出器に当たる放射照度は次のように記載できる:
I(x,y)=|E(x,y)+E(x,y)|
I(x,y)=|E+|E+2|E||E|cosφS−N
式中、E(x,y)およびE(x,y)は、それぞれ、ホログラフィック信号およびコヒーレント光学雑音のスカラー複素振幅である。2つの領域φS−Nの相対位相差は比較的ランダムであり、最終項における余弦因子は+1と−1との間でランダムに振れる。この項は、雑音を加算したのではなく乗じた信号を有するが、ホログラフィックデータ記憶の実用化開発における制限雑音要因である。
直接検出にはいくつかの限界がある。第1に、記憶可能なページ数を最大化するためにはホログラム回折効率を可能な限り低くせざるを得ないため、読み出し信号が弱くなる場合があり、検出にかかる時間が長くなりうる。第2に、読み出しを行うのに用いるレーザ光は必然的にコヒーレントとなりうるため、散乱および符号間干渉(intersymbol interference(ISI)、すなわちブレによる画素間クロストーク)が、所望の光学信号とコヒーレントに混合して、同じパワーの相加性雑音に比べ品質が劣化する。よって、検出したホログラムの信号レベルを向上して信号対雑音比(signal-to-noise ratio(SNR))を改善する必要があり得る。
直交位相ホモダイン検出
SNRを増強する1つの方法としては、ホモダイン検出の使用がある。ホモダイン検出では、再構築信号ビームが、検出器において、局部発振(local oscillator(LO))またはLOビームとして知られるコヒーレントビームと干渉し、ホログラフィックメモリに記憶した所与のデータページを表す干渉パターンを生成する。検出器アレイは、検出した放射照度に比例する振幅を有する信号(例えば、光電流)を生成するが、これは次のように記載できる:
式中、ELOはLOの複素振幅である。LOの振幅が再構築信号ビームの振幅よりも非常に大きい場合、ELOと関係しない各項は無視できるようになる。これは、信号を増幅する効果があり、コヒーレント雑音の非線形効果を排除して、振幅はもとより位相の検出も可能となる。
しかしながら、データページを正確に再生するには、LOは、再構築データページ信号と、時間および空間の両方において、光学的に位相固定して、それによりLOが建設的にホログラム中のすべてのデータ画素と同時に干渉するようにしなければならない。しかしながら、アライメント公差、レンズ収差、波長および温度感度、その他多くの項目が完璧さからわずかに逸脱することにより、再構築データページが記録された「位相搬送」波面の平坦に小さな変動が生じうる。二値変調の場合、すべての画素が「1」状態(「ワン」ステート)にあったのであれば、「位相搬送」波面がデータページの波面として画定されうる。よって、ページワイドなホモダイン検出をこのようにうまく行うには、局部発振をホログラムに(またはその逆に)一致させるために高額高性能の適応光学素子を用いてアルゴリズムを制御しなければならない。このように、市販のホログラフィックデータ記憶システムにおいてホモダイン検出を行うのは、一般に実用的ではない。
再構築データページのSNRを増強する別のアプローチとしては、直交位相ホモダイン検出があるが、これは、2009年11月24日に出願された、「直交位相ホモダイン検出によるホログラフィックデータ検索方法(Method for holographic data retrieval by quadrature homodyne detection)」と題する米国特許第7,623,279号明細書に開示される。直交位相ホモダイン検出では、再構築信号ビームが、不正確な2種類の局部発振と干渉して、例えば、検出器アレイ上において次々と、一対の干渉パターンを生成する。この不正確な2種類の局部発振は、直交しており、すなわち、それらの間には90度の位相差がある。その結果、第1の種類の不正確な局部発振と再構築信号ビームとの間の干渉パターンにおける低コントラストエリアは、第2の種類の不正確な局部発振と再構築信号ビームとの間の干渉パターンにおいては高コントラストエリアとして出現する。同様に、第1の種類の不正確な局部発振と再構築信号ビームとの間の干渉パターンにおける高コントラストエリアは、第2の種類の不正確な局部発振と再構築信号ビームとの間の干渉パターンにおいては低コントラストエリアとして出現する。この2つの干渉パターンを合成することにより、再構築データページのすべての情報を符号化する完全に高コントラストな干渉パターンが生じる。
米国特許第7,623,279号 米国特許第7,742,209号 米国特許第7,092,133号 米国特許出願第2015/0062675号 米国特許第8,133,639号 米国特許第8,323,854号 米国特許出願第2006/0281021号 米国特許第7,532,374号 米国特許第7,848,595号
本発明者らは、直交位相ホモダイン検出は、直接検出および従来のホモダイン検出に対して有利であるにもかかわらず、いくつかの欠点も有していることを見い出した。特に、直交位相ホモダイン検出は、検出した画像の信号対雑音比(SNR)を減少しうる付加的な共通強度雑音項(additive common intensity noise term)をもたらす。本発明者らは、また、「n値ホモダイン検出」とよぶ技術を用いることにより、この付加的な共通強度雑音項を減少させ、抑制し、さらには完全に除去可能であることを見い出した。
n値ホモダイン検出の一例において、レーザ等のコヒーレント光源は、コヒーレント光のビームを生成し、このビームは、ビームスプリッタによりプローブビームと局部発振ビームとに分割される。プローブビームは、ホログラフィック記憶媒体における少なくとも1つのホログラムを照明して、少なくとも1つの再構築信号ビームを生成するが、この信号ビームはホログラフィック記憶媒体に記憶した情報の少なくとも一部を表す。再構築信号ビームは、局部発振ビームと干渉して複数の空間干渉パターンを生成し、各パターンを少なくとも1つの検出器によりそれぞれ結像して、複数の画像の各画像を形成する。(例えば、再構築信号ビーム/局部発振ビーム対が単数か複数かにより、空間干渉パターンを単一の検出器により連続して検出することも、複数の検出器で並行して検出することも可能である。)
結果として生じる複数の空間干渉パターンは、次のものを含む。すなわち、(i)少なくとも1つの再構築信号ビームと少なくとも1つの局部発振ビームとの間の第1の位相差において、再構築信号ビームが局部発振ビームと干渉することにより生じる第1の空間干渉パターン、および(ii)少なくとも1つの再構築信号ビームと少なくとも1つの局部発振ビームとの間の第2の位相差において、再構築信号ビームが局部発振ビームと干渉することにより生じる第2の空間干渉パターンを含む。第1の位相差および第2の位相差は、再構築信号ビームの光路中および/または局部発振ビームの光路中において1つまたは複数の位相リターダを用いて実施することができる。第1の位相差および第2の位相差は、ホログラム中の情報の表象(representation)における共通強度雑音を相殺するように選択する。この表象は、検出器に接続したプロセッサにより生成することもできる。
別の実施形態において、プローブビームは、ホログラフィック記憶媒体中の同位相ホログラムおよび直交位相ホログラムを照明して、同位相ホログラムおよび直交位相ホログラムの両方を表す少なくとも1つの再構築信号ビームを生成する。再構築信号ビームは、少なくとも1つの局部発振ビームと干渉して、少なくとも3つの空間干渉パターンを生成し、各パターンを検出器により検出する。検出器に接続したプロセッサは、少なくとも3つの空間干渉パターンに基づいて、第1の表象および第2の表象を形成する。第1の表象および第2の表象は、それぞれ、以下「N値ホモダイン検出画像を合成すること」の箇所で説明する
および
と類似する。第1の表象および第2の表象を直交位相画像対と総称することができる。
さらに別の実施形態において、プローブビームは少なくとも1つのプローブビームでホログラフィック記憶媒体を照明して、ホログラフィック記憶媒体に記憶した情報の少なくとも一部を表す少なくとも1つの再構築信号ビームを生成する。再構築信号ビームは、少なくとも1つの局部発振ビームと干渉して第1の干渉パターンを生成し、この第1の干渉パターンを、すでに説明したように、またはこれから説明するように、検出器で検知する。m=2・・・n(ここでnは3以上の整数)の場合、位相リターダは、局部発振ビームと再構築信号ビームとの間の位相差を約2π/nモジュロ(modulo)2πずつインクリメント(またはデクリメント)する。各位相差ごとに、再構築信号ビームは局部発振ビームと干渉し、第m番目の干渉パターンを生成する。検出器により、これらの干渉パターンをそれぞれ検出する。
さらに別の実施形態において、プローブビームは、少なくとも1つのプローブビームでホログラフィック記憶媒体を照明し、ホログラフィック記憶媒体に記憶されている情報の少なくとも一部を表す少なくとも1つの再構築信号ビームを生成する。検出器は、再構築信号ビームが少なくとも1つの局部発振ビームと干渉することにより生じる複数の空間干渉パターンを検知する。検出器に接続したプロセッサは、各空間干渉パターンから少なくとも1つのパターンからの再構築信号ビームの波面に対する局部発振波面のミスアライメント(位置ずれ)を表す空間波面変調を復調する。プロセッサは、また、空間干渉パターンに基づきホログラムから検索した情報の表象を生成する。
さらなる実施形態において、プローブビームは、少なくとも1つのプローブビームでホログラフィック記憶媒体を照明して、ホログラフィック記憶媒体に記憶されている情報の少なくとも一部を表す少なくとも1つの再構築信号ビームを生成する。検出器は、再構築信号ビームが少なくとも1つの局部発振ビームと干渉することにより生じる複数の空間干渉パターンを検知する。動作可能に検出器に接続したプロセッサは、ホログラム中に記憶された情報の表象を、空間干渉パターンに基づいて生成する。プロセッサは、また、少なくとも1つの局部発振の画像に基づくこの表象から非信号項を除去する。
さらに別の実施形態において、プローブビームは、少なくとも1つのプローブビームでホログラフィック記憶媒体を照明して、ホログラフィック記憶媒体に記憶されている情報の少なくとも一部を表す少なくとも1つの再構築信号ビームを生成する。検出器は、再構築信号ビームと局部発振ビームとの間の干渉の少なくとも1つの画像を取得する。検出器に接続したプロセッサは、当該画像の第1の部分をホログラム中の予約ブロックと比較する。プロセッサは、比較結果を、ホログラムに記憶した情報の空間分解能までアップサンプリングして、アップサンプリング比較を生成する。そして、プロセッサは、アップサンプリング比較に基づき、ホログラムに記憶された情報の空間分解能にて当該画像をリサンプリングする。
さらに別の実施形態において、プローブビームは、少なくとも1つのプローブビームでホログラフィック記憶媒体を照明して、ホログラフィック記憶媒体に記憶されている情報の少なくとも一部を表す少なくとも1つの再構築信号ビームを生成する。検出器は、再構築信号ビームと局部発振ビームとの間の干渉の少なくとも1つの画像を取得する。検出器に接続したプロセッサは、ホログラムに記憶されている情報の表象を画像に基づいて生成し、表象中の焦点誤りを推定し、表象中の焦点誤りを補償する。
上記の概念および以下に詳述する付加的な概念のすべての組み合わせは(各概念が相互に矛盾しない限りにおいて)、本明細書に開示した発明の主題の一部であると意図したものであることを理解されたい。特に、本開示の最後に掲載した発明の主題のすべての組み合わせは、本明細書に開示した発明の主題の一部であると意図したものである。本明細書において明示的に用いた専門用語であって、参照により援用した任意の開示にも含まれうる専門用語は、本明細書に開示した特定の概念と最も一致する意味を持つものであることも理解されたい。
コヒーレントチャネル変調(例えば、位相多重化ホログラフィ)および/またはn値(n-rature)ホモダイン検出を用いるホログラフィックデータ記憶用のモノキュラーシステムを示す図である。 コヒーレントチャネル変調(例えば、位相多重化ホログラフィ)および/またはn値ホモダイン検出を用いるホログラフィックデータ記憶用のモノキュラーシステムを示す図である。 コヒーレントチャネル変調(例えば、位相多重化ホログラフィ)および/またはn値ホモダイン検出を用いるホログラフィックデータ記憶用のモノキュラーシステムを示す図である。 n値ホモダイン検出を用いてホログラフィックデータ記憶からデータを読み出すシステムを示す図である。 位相直交多重化(phase quadrature holographic multiplexing(PQHM))を用いて、ホログラフィックデータ記憶にデータを記録する工程を示すフローチャートである。 部分応答最尤(partial response maximum likelihood(PRML))を用いて、ホログラフィック記憶データを記録または検索する工程を示すフローチャートである。 PRMLデータ変調(ここでは、部分応答クラス1(PR1)信号方式)を応答カーネルによる離散畳み込みとして示す図である。 ホログラフィック記憶データのコヒーレントチャネル変調に適したPR1信号方式の二次元一般化を示す図である。 PRMLデータ変調における光学均等化に用いる均等化光学フィルタのシングル正弦応答作用を示す図である。 PRMLデータ変調における光学均等化に用いる均等化光学フィルタのダブル正弦応答を示す図である。 空間波面復調を含む、n値ホモダイン検出の工程を示すフロー図である。 空間波面復調用の工程を示すフロー図である。 直接検出用の予約ブロック相互相関工程を示すフロー図である。 予約ブロック均等化を示すフロー図である。 n値ホモダイン検出および直交位相ホモダイン検出用の予約ブロック相互相関工程を示すフロー図である。 1対の直交位相ホモダイン検出画像における予約ブロックの相互相関ピーク強度マップである。 1対の直交位相ホモダイン検出画像における予約ブロックの相互相関ピーク強度マップである。 図7A〜図7Dは、再構築画像の焦点面に対して検出器の配置を異ならせた場合のビーム伝搬再合焦(Beam propagation refocusing)位置に対する信号対雑音比(signal-to-noise ratio(SNR))を示すグラフである(図1Cおよび図2参照)。 コヒーレント検出画像のリサンプリング用の第1の工程を示すフロー図である。 コヒーレント検出画像のリサンプリング用の第2の工程を示すフロー図である。 n値ホモダイン検出において検出される干渉パターンから経験的に構築した所定の空間波面復調パターンを示す図である。 所定の縞パターンの復調後の、復調ページにおける予約ブロックのサブセットの相互相関に対する二次波面の最小二乗フィットを示す図である。 空間波面復調の所定の最小二乗およびキャリブレーションページ成分を合計することにより生成した最終復調波面を示す図である。 図9Cに示す最終復調波面を除去した後のデータページ用のパターンを示す図である。 図11Aおよび図11Bは同位相(I)および直交位相(Q)復元データページについてのビットエラーマップを示す図である(白画像はビットエラーを示す)。 ホログラフィック記憶データページの直接検出用、直交位相ホモダイン検出用、および4−値ホモダイン検出用のシミュレートしたチャネル成果を示す図である。 ホログラフィック記憶データページの直接検出用、直交位相ホモダイン検出用、および4−値ホモダイン検出用の実験的なチャネル成果を示す図である。 空間波面復調を使用して(右曲線)または使用せずに(左曲線)n値ホモダイン検出を用いて復元したデータ用の、空間周波数(kx)に対するビットエラー率により決定するSNR(BSNR)のグラフである。
当業者は、各図面が主として例示を目的とするものであり、本明細書に記載した発明の主題の範囲を限定することを意図したものではないことを理解するであろう。各図面は必ずしも尺度通りではなく、いくつかの例においては、本明細書に開示する発明の主題の種々の態様を図面においては強調または拡大して示し、種々の特徴点の理解を促進する場合がある。各図面において、全体として、同様の機能(例えば、機能的に同様および/または構造的に同様の要素)には同様の参照符号を付して示す。
ホログラフィック記憶媒体は、入射光学信号ビームの照射野の位相および/または振幅における変化を符号化するホログラムを記録することができる。例えば、ホログラフィック記憶媒体は、位相偏移変調(phase shift keying(PSK))をホログラムとして用いてオプティカルキャリア上で符号化した情報を記録することができる。また、位相および振幅符号化の両方を用いて、例えば、直交位相振幅変調(quadrature amplitude modulation(QAM))等を用いて、オプティカルキャリア上で符号化した情報を記録することもできる。本明細書において、部分的または完全に符号化した情報を(例えばPSK、QAM等を用いて)信号ビームの位相中に記録することを、「コヒーレントチャネル変調」という。また、本明細書において、(例えば、QPSKおよびQAMのように)複合位相平面の両次元を用いてホログラフィック記憶媒体におけるホログラムを多重化することを「位相多重化ホログラフィー」という。
コヒーレントチャネル変調および/または位相多重化を、他のホログラフィック多重化技術、例えば、角度多重、空間多重、および/またはポリトピック多重等と組み合わせることにより、ホログラフィックデータ記憶に対する他のアプローチと比べいくつかの利点が得られる。第一に、位相多重化により、ホログラフィック記憶媒体の記憶密度が向上する。第二に、PSK変調により、再構築信号ビーム中の直流(DC)成分を減少または除去することができる。第三に、PSKによれば、ホログラフィック記憶媒体中の画素間に形成された格子により生じるクロストーク(信号間変調とも呼ぶ)を減少または除去することもできる。
コヒーレントチャネル変調および/または位相多重化の利点を最大限享受するため、記録されているホログラムをホモダイン検出等のコヒーレントチャネル技術を用いて読み出すことが一般的である。従来のホモダイン検出では、再構築信号ビームについての時間的および空間的位相内で、光波長の一部に固定した局部発振が必要であった。残念ながら、この程度にまで位相を安定化させるのは、通常の動作条件下においては非実用的でありうる。直交位相ホモダイン検出によれば、空間位相を厳密に固定する必要はないが、前述または後述するように、付加的な共通強度雑音の影響を受ける。
幸い、n値ホモダイン検出の動作は比較的大まかな空間位相固定により行われ、直交位相ホモダイン検出に影響する共通強度雑音を抑制または除去する。n値ホモダイン検出では、局部発振が再構築信号ビームと干渉して、第1のn>2干渉パターンが生じ、各パターンをそれぞれ検出器で検知する。局部発振と再構築信号ビームとの間のモジュロ2π位相差分を2π/nにより変更し、検出器により第2の干渉パターンを検知するなどして、n個の画像を検出するまで行う。検出した各画像を合成して、例えば同位相画像および直交位相画像とすることができ、その後処理を行って、ホログラフィック記憶システム内の構成要素のミスアライメント(位置ずれ)から生じる不要な空間波面変調、収差等を除去する。ホログラム中に記憶されたデータは復調画像から検索することができる。
直接検出と比べ、コヒーレント検出によれば、所与の光パワーレベルにおいて、高いSNR、高い感度、および/または低い符号ビットエラーレート(bit-error rate(BER))が得られる。さらに、局部発振の振幅を変化させることによりゲインを調節することができる。また、直接検出とは異なり、振幅変調データだけでなく、位相変調データの検索に用いることもできる。
ホログラフィックデータ記憶のためのコヒーレントチャネル変調
図1A〜図1Cに、ホログラフィックデータ記憶のための、および/または、ホログラフィックに記憶されたデータを読み出すn値ホモダイン検出用のコヒーレントチャネル変調を行うように構成したホログラフィックデータ記憶システム100を示す。このホログラフィックシステム100は、モノキュラーアーキテクチャを備え、信号ビーム143と参照ビーム133とは共通の対物レンズ145を共有する。モノキュラーアーキテクチャは、「モノキュラーホログラフィックデータ記憶システムアーキテクチャ(Monocular Holographic Data Storage System Architecture)」と題する米国特許第7,742,209号明細書に詳述される。光データ記録検出およびチャネル変調の方法を行うように構成したホログラフィックシステムの他の実施形態等によっては、モノキュラーアーキテクチャを含まない場合がある。ホログラフィックシステム100は、角度多重またはポリトピック多重を、それぞれ別個に、または組み合わせて行うように構成される。ポリトピック多重は当業者にはよく知られており、「ポリトピックマルチプレックスホログラフィ(Polytopic Multiplex Holography)」と題する米国特許第7,092,133号明細書に詳述される。この実施形態によれば、ダイナミックアパーチャホログラフィを行うこともでき、その詳細は、「ダイナミックアパーチャホログラフィ(Dynamic Aperture Holography)」と題する米国特許出願第2015/0062675号明細書に記載されている。
図1Aに示すように、システム100は、光ビーム112を生成するように構成した光源110を備える。光ビーム112はコリメーティングレンズ115を透過して、コリメート光ビーム121となる。光源110は、例えば、出力が40mWを超える外部発振シングルモードチューナブルダイオードレーザであってもよい。波長同調は、外部キャビティ構成における透過型格子を用いて行い、その結果として402nm〜408nmの同調範囲が得られる。電流同調および波長同調を用いるクローズドループのロッキングアルゴリズムを用いてモード安定性を実現し、シヤリング干渉計において観察される干渉縞の最小コントラスト比を0.75(0−1スケール)とする。レーザ光源110は、15℃〜35℃の温度範囲にわたって以下の仕様を維持するように設計および校正する。すなわち、同調範囲402nm〜408nmにわたる有効出力は40mWよりも大きく、絶対波長精度は+150pmP−Pであり、ビームサイズ=1.7mm±0.1mmであり、アスペクト比=1+0.1であり、ビームポインティング安定性は1分角未満、25秒角ノミナル未満であり、ビームセンタリングドリフトは50μm未満であり、直径1.5mmにわたるレーザ出力の波面は、0.050RMS未満であり、直径1.5mmにわたるコリメーションは+0.015波数(ツェルニケフォーカス)となるようにする。いくつかの実施形態においては、他の光源を備え、例えば、限定はしないが、ガスレーザ、ダイレーザ、外部キャビティのないダイオードレーザ、および非レーザ光源等が挙げられる。
システム100は、さらに、ビームスプリッタ120を備える。ビームスプリッタ120はコリメート光ビーム121を分割して、新生(nascent)参照/プローブビーム122および新生信号/局部発振ビーム123とする。新生信号/局部発振ビーム123と称するのは、システム100の構成に応じて、ホログラムを記録する新生信号ビーム126または(n値)ホモダイン検出用の局部発振125のいずれかを生成するのに用いることができるからである。新生参照/プローブビーム122と称するのは、システム100の構成に応じて、ホログラム記録用の参照ビーム133または再構築信号ビーム124を生成するプローブビーム134のいずれかを生成するのに用いることができるからである。
動作時は、新生参照/プローブビーム122がビーム指向デバイス127まで伝搬し、そこで参照ビーム収束レンズ151を介して参照ビーム133として指向される。ビーム指向デバイス127は、一般に、必ずしも限定はしないが、画定した範囲にわたり回転するように構成したミラーガルバノメータを備え、この回転を回転矢印129で示す。こうして、ビーム指向デバイス127は、参照ビーム収束レンズ151を介して参照ビーム133を様々な角度に指向するように構成される。
参照ビーム133は、参照ビーム収束レンズ151によりナイフエッジミラー156の反射斜縁上に集束され、そこでナイフエッジミラー156が参照ビーム133を反射することにより、当該ビーム133は対物レンズ145を介して記録媒体158内へと向けられる。ホログラフィックシステム100が(図1Cに示す)読み出しモードにある場合、ホログラム148を介して参照ビーム133を逆反射するように共役ミラー135を指向して、再構築信号ビーム124を生成する。
逆に、(図1Bに示す)記録モードである場合、共役ミラー135をビーム路の外に回転させて、プローブビーム134がホログラム148により反射されないようにする。したがって、共役ミラー135およびプローブビーム134は、図1C(読み出しモード)には図示されるが、図1B(記録モード)には図示されない。(代案として、システム100は、回転してビーム路内に出入りする共役ミラーに替えて、レンズ、非球面ミラー、およびシャッタを有する固定型コンジュゲータを用いてもよい。)記録モードは、書き込みモードと称する場合もある。
図1Bおよび図1Cに、対物レンズ145および記録媒体158を示す。参照ビーム133は、対物レンズ145から記録媒体158内へと伝搬する場合、平面波参照ビームである。ナイフエッジミラー156は、アルミニウムバーであり、その(図1A〜図1Cにおけるy軸に沿った)厚さは500μm、および(z軸に沿った)高さは10mmである。反射斜縁は高度に研磨し、反射斜縁に通常45.0度の角度で入射する参照ビーム133を反射する。したがって、反射斜縁は、参照ビーム133の向きを90.0度変えて、y軸に沿った向きからz軸に沿った向きとする。第1のx軸およびy軸は、第1の座標凡例102aに示すように、図1Aの紙面上にあり、一方、x軸およびz軸は、第2の座標凡例102bに示すように、図1Bおよび図1Cの紙面上にあることが、当業者には理解されるであろう。参照ビーム133は、したがって、図1Bおよび図1Cの紙面前方からナイフエッジミラー156上に投影されるため、図1Bおよび図1Cにおいては、ナイフエッジミラー156に反射される前の参照ビーム133は図示していない。
図1Bおよび図1Cに示すように、新生信号/局部発振ビーム123は可変位相遅延器130により指向される。可変位相リターダ130は、新生信号ビーム123を受光するが、新生信号ビーム123は、限定はしないが、通常p偏光されている。そして、可変位相リターダ130は、第1の切替可能な半波長板(第1SHWP)144を介して新生信号ビーム123を指向する。ホログラフィックシステム100についての記録モードおよび読み出しモードの各構成については、新生信号ビーム123はp偏光されており、第1SHWP144は、記録モードにおいて、p偏光を偏光ビームスプリッタ(polarizing beam splitter(PBS))139に向けて透過し、読み出しモードにおいて、s偏光をPBS139に向けて透過し、また、第2SHWP146は、記録モードにおいて、s偏光を透過し、読み出しモードにおいて、p偏光を透過するものとして以下に説明する。しかしながら、各図面および以下の記載において示す各構成は例示にすぎず、当業者の知識の範囲内における他の構成によっても本明細書に開示した光データ記録、検出、チャネル変調の方法および装置を実施可能であることが当業者には理解されるであろう。
モノキュラーホログラフィックデータ記憶−記録モード
図1Bに、記録モードであるモノキュラーホログラフィックシステム100を示す。ここで、当該システム100は、ホログラムを記録媒体158に記録するように構成したものである。このような構成により、第1SHWP144はp偏光を透過し、よって、新生信号/局部発振ビーム123はp偏光されて出射するが、その際、新生信号/局部発振ビーム123は、局部発振125ではなく、信号ビーム143になるはずであるため、新生信号光126と称することができる。もし、新生信号/局部発振ビーム123が信号ビーム143となるはずであり、可変位相リターダ130に位相調整されるものであるならば、信号ビーム143は可変位相リターダ130により位相調整されると言うことができる。
偏光ビームスプリッタ(PBS)139は、データ符号化素子140にp偏光した新生信号ビーム126を透過させるように構成する。データ符号化素子すなわち空間光変調器(SLM)140に新生信号ビーム126を照射して、そこにデータページを埋め込んで信号ビーム143とする。SLM140は、二値モードで動作する画素数が1216×1216のモハベ(Mohave)モデル反射型強誘電性液晶系SLMとして実装することができる。その画素ピッチは10.7μm×10.7μmであり、画素領域は13.0mm×13.0mmである。(モハベSLMの従前の製造業者はディスプレーテクノロジー社である。)他の実施形態は、種々のSLMを備え、例えば、限定はしないが、透過型SLM、他の反射型SLM、およびグレースケール位相SLM等が挙げられる。いくつかの実施形態において、データ符号化素子は、信号ビームにおけるデータを符号化する別の手段を備え、当該手段としては、例えば、限定はしないが、データマスクが挙げられる。
二値振幅偏移変調(binary amplitude shift keying(BASK))モードにおいて、SLM画素は、通常、各画素への印加電圧に応じて反射光の偏光角度を維持または偏光することにより動作して、明暗画素を生成する。一般に、暗状態のSLM画素は、新生信号ビーム126のp偏光を受光して、p偏光を反射し、反射されたp偏光は入射する新生信号ビーム126が通過したのと同じ光路(ただし反対方向)に沿ってPBS139を通って戻る。よって、暗状態の各画素からの光は記録媒体158から離れるように指向され、暗状態の各画素は媒体158に対して「暗」である。反対に、明状態のSLM画素は、一般に、入射するp偏光の偏光角度を回転させてs偏光を反射し、その後、そのs偏光は記録媒体158への光路上でPBS139により反射される。よって、明状態画素は媒体158に対して「明」である。半波長板(half-wave plate (HWP))138を取り外して、ホログラフィーシステム100をASKモードで動作してもよい。
PSKモードでの記録では、半波長板138を通常SLM140とPBS139との間に設ける。したがって、SLM140は、半波長板138がない場合には、二値強度変調用に構成され、二値位相変調に適合する。位相変調を行うためには、半波長板138をSLM140の前に図示のように12.25°の向きに設置する。したがって、0°の偏光角を有してPBSから到達する発生期の入射信号ビーム126は、SLM画素の光軸が0°か45°かに応じて+45°または−45°のいずれかに回転され、各極性状態はいずれもPBSにより同等の強度で透過する。SLM画素光軸が0°である場合、SLM画素光軸が45°である場合と比べた信号ビーム143の位相差は180°であり、よって、SLM画素が変調される。
ホログラフィックメモリシステム100は、入射新生信号ビーム126の位相および振幅をSLM140で変調することによりデータを記録してもよい。例えば、16相位相振幅変調(QAM)モードにおいて、各SLM画素により、入射する新生信号ビーム126の各部に4つの振幅状態のうちの1つ、およびIQ平面にわたって分布した4つの位相状態のうちの1つを与えてもよい。これにより、データページを4ビットの符号として符号化する信号ビーム143が生じ、ホログラフィック記憶媒体158に対して記録および読み出すことができる。他の好適な位相および振幅変調技術として部分応答最尤信号方式が挙げられるが、その詳細については以下に説明する。
システム100の信号ビームは、データ符号化素子140により復調されて画素画像を含んだ後、通常、PBS139により第2の切替可能な半波長板(第2SHWP)146を介して指向されるが、第2の切替可能な半波長板(第2SHWP)146は、ホログラフィックシステム100が記録モードであればs偏光を伝達するように構成したものである。よって、信号ビーム143は、第2SHWからs偏光されて出射する。信号ビーム143は、続いて、収束レンズ154を備える4Fイメージングアセンブリ150を通って伝搬する。図1Bおよび図1Cに開口板155として図示する光学フィルタをフーリエ面に設け、このとき、信号ビーム143は板155の開口157を通る。他の実施形態において、光学フィルタは角度フィルタである場合があり、例えば、限定はしないが、多層誘電体コーティングとすることができる。信号ビーム143は、第1の4Fイメージングアセンブリ150から出射し、続いてナイフエッジミラー156を透過し対物レンズ145を通って伝搬する。
ナイフエッジミラー156は信号ビーム143の光路中にあるため、ミラー156により信号ビーム143の一部が見えにくくなる。したがって、信号ビーム143がナイフエッジミラー156を通過する際に、ビーム143の一部がミラー156によって遮蔽されてしまう。しかしながら、ナイフエッジミラー156の(y軸に沿った)厚さは通常500μmであり、それによって遮蔽されてしまう信号ビーム143中の画素行は通常たった16行であり、信号ビームの劣化も比較的軽度である。システム100において、画素行16行〜32行は不活性化して、ナイフエッジミラーにより遮蔽された画素がデータを含むことがないようにする。さらに、遮蔽された画素をSLMデータフォーマットから削除して、遮蔽画素がデータを含まないようにすることができる。画素の省略による記録容量の損失は比較的小さい。
ナイフエッジミラー156を通過後、信号ビーム143は対物レンズ145を通り、それによって、信号ビーム143が記録媒体158内に誘導される。記録媒体は、通常、2つの基板構造163の間に挟まれた感光性記録相160を含む。信号ビーム143と参照ビーム133が干渉し合い、干渉パターンを生成する。干渉パターンが記録媒体158の感光性記録層160内にある場合、ホログラム148が記録される。基板構造163は、一般に、ゼオノア(登録商標)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂であり、また、感光性記録層は、一般に、重合体マトリックスの感光性モノマーを含む。変形例としては、限定はしないが、サファイア、ポリカーボネート、その他のポリマー、またはガラスを含む基板が挙げられる。好適な記録媒体は当業者には周知であり、記録媒体の実施形態は米国特許第8,133,639号明細書および第8,323,854号明細書に開示される。記録媒体の変形例としては、限定はしないが、分散したハロゲン化銀粒子を含有するフォトリフラクティブ液晶またはフィルム等が挙げられる。本明細書および添付の請求の範囲においては、記録媒体を感光性記録媒体、感光性記憶媒体、記憶媒体、フォトポリマー媒体、または媒体と称する場合がある。
モノキュラーホログラフィックデータ記憶−読み出しモード
図1Cに、読み出しモードであるホログラフィックシステム100を示す。ここで、当該システム100は、ホログラム148から再構築信号ビーム124を生成することによりデータを検索するように構成したものである。ホログラフィックシステム100をこのように構成すれば、第1SHWP144はs偏光を透過するように構成することにより、第1SWHPからは、新生信号/局部発振ビーム123に比べて局部発振125の偏光角度が90°回転した局部発振125が出射する。したがって、局部発振125がs偏光され、PBS139は、s偏光された局部発振125を分析器141および検出器142に向けて反射するように構成される。
ホログラフィックシステム100の目的、すなわち、新生信号/局部発振ビーム123をs偏光して第1SHWPから出射させることによって、PBS139によって検出器142に向けて反射されるように指向されるため、第1SHWPから出射するs偏光ビームは局部発振125と考えられる。新生信号/局部発振ビーム123が局部発振125となるはずであり、可変位相リターダ130により位相調節される場合、局部発振125が可変位相リターダ130により位相調節されると言うことができる。
n値ホモダイン検出を行う場合、可変位相リターダ130により局部発振125の位相を再構築信号ビーム124の位相に対して約2πm/nに等しい量遅延させる。ここで、n>2は特定の一のホログラムから取得した画像の総数であり、mは、検出されている現在の画像の指標である。例えば、n=4であるとき、システム100は、π/2、π、3π/2、および2πの各相対的位相差について4つの画像を収集する。これらの位相差は、可変位相リターダ130および/または検出器142に動作可能に接続したプロセッサ(図示せず)により測定および選択することができる。
可変位相リターダ130は、図1Bおよび図1Cに示すように、透過幾何学において、一または複数の構成要件として、または、反射部品および透過部品の好適な組み合わせとして実装可能である。これらの各構成要件は、図1Bおよび図1Cに示すように、局部発振の光路中、プローブビームの光路中、再構築信号ビームの光路中、またはこれら各光路を任意に組み合わせた中に配置することができる。例えば、図1Bおよび図1Cに示す透過型可変位相リターダ130は、液晶位相変調器(例えば、ネマティック液晶デバイス)として、2以上のカスケード式二値位相リターダ、または、電気光学結晶に印加する電圧によって屈折率が変化する電気光学変調器として実装してもよい。また、反射型可変位相リターダ130は、圧電素子に搭載したミラーとして実装可能であるが、この圧電素子は、印加された電圧に応じて各ミラーを動かし(したがって、光路長を増減する)ものである。印加する電圧を選択して、局部発振125と再構築信号ビーム124との間に所望の位相差を設けることができる。
再構築信号ビーム124は、ホログラム148にプローブビーム134を照光することにより生じる。再構築信号ビーム124はホログラフィックシステム100の一部を通って、信号ビーム143とは反対方向に伝搬する。第2SHWP146は、ホログラフィックシステム100が読み出しモードのとき、p偏光を透過するように構成する。したがって、s偏光された再構築信号ビームは、その偏光角度が第2SHWPによって90°回転されて、p偏光として射出する。よって、p偏光された再構築信号ビーム124は、PBS139を透過するように指向されて、局部発振125と合成されて合成ビーム131となる。したがって、合成ビーム131はp偏光した再構築信号ビームおよびs偏光した局部発振125を含む。分析器14は合成ビーム131に作用して、合成ビーム131を構成する再構築信号ビーム124および局部発振125の相対強度を変調する。分析器141は、光の偏光角度に応じて、透過させる光を増減するように指向可能な偏光器としてもよい。
一般に、限定はしないが、局部発振125の強度は、再構築信号ビーム124の強度の約100倍であり、分析器141は、合成ビーム131のうち局部発振(s偏光)部分の約16.7%、および合成ビーム131のうち再構築信号ビーム(p偏光)部分の約83.3%を透過するように指向させる。したがって、検出器142が合成ビーム131を検出する際の、合成ビームのうち局部発振部分の強度は、再構築信号ビーム部分の強度の約20倍である。検出器142により合成ビーム131を検出する際には、一般に、合成ビームの局部発振部分が合成ビームの再構築信号ビーム部分と干渉することにより生じる干渉パターンも検出される。
いくつかの実施形態において、分析器141が透過する合成ビーム131の局部発振部分と再構築信号ビーム部分との比率が異なる。例えば、一変形形態において、合成ビームの再構築信号ビーム部を45%〜98%、および局部発振部分を55%〜2%透過するように分析器を指向させる。別の変形例においては、合成ビームの再構築信号ビーム部分を60%〜93%、および局部発振部分を40%〜7%を透過するように分析器を指向させる。さらに別の変形例において、合成ビームの再構築信号ビーム部分を75%〜90%、および局部発振部分を25%〜10%を透過するように分析器を指向させる。いくつかの実施形態において、例えば、以下のような場合に分析器を省略可能である。すなわち、偏光ビームスプリッタにかえて非偏光ビームスプリッタを用い、局部発振および再構築信号ビームが同一の偏光状態にあり相互に干渉するような場合には、省略できる。
ホログラフィックシステム100によれば、位相遅延器により、信号ビームおよび局部発振からの光の両方の位相を調整可能な構成としたため、位相直交多重化およびホモダイン検出の両方を実施することが可能になる。システム100は、さらに、同じSLM140を用い、SLM140には半波長板138を設けたり設けなかったりして、それぞれ、ASKおよびPSKのいずれのモードでも記録を行うように構成することができる。ASKモードでは、例えば、半波長板138を回転させて、入射光の偏光状態を変更しないようにすることができる。
しかしながら、ホログラフィックシステム100は、本発明による光データを記録し、検出し、データチャネル変調を行うようにした構成要素の例示的な一実施形態に過ぎない。光源、データ符号化素子、デコーダー、半波長板、偏光ビームスプリッタ、および他のシステムコンポーネントを用いて、例えば、本明細書に記載したASK、PSK、位相直交多重化、およびホモダイン検出技術を用いてホログラムを記録および検索すること等を含む、光学データの記録、検索、チャネル変調が可能となることが当業者には理解されるであろう。
図1Bおよび図1Cに示すシステム100は、また、可変位相リターダ130、SLM140、およびSHWP144,146に動作可能に接続したコントローラすなわちプロセッサ182を備える。HWP138および分析器141は、一般に、限定はしないが、手動操作可能な回転マウント等に載置した受動光学素子である。プロセッサ182は、検出器142からデータを受け取り、本明細書に開示した手法により当該データを処理することができる。プロセッサ182は、また、SHWP144および146の動作を制御して、例えば、記録モードと読み出しモードの切り替えを行ってもよい。また、プロセッサ182は、可変位相リターダ130を介して局部発振ビーム125に与えた位相変調を制御し、局部発振ビーム125と再構築信号ビーム124との間に所望の位相差(等)を設けてもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ182は、また、分析器141の向きを制御して、局部発振ビーム125の再構築信号ビーム124に対するパワー比を変更してもよい。
読み出し専用ホログラフィックデータ記憶システム
図2に、動作中にn値ホモダイン検出を行う読み出し専用ホログラフィックメモリシステム200を示す。便宜上、ホログラフィックメモリシステム200の構成のうち、記憶媒体202と検出器220との間の光路中にあるもののみを示す。実際の実施においては、ホログラフィックメモリシステム200は例えば、追加の光源、ミラー、追加のビームスプリッタ等、他の多数の構成部品を備えることができる。例えば、ホログラフィックメモリシステム200は、2006年5月に出願された、本明細書にその全体を参照により援用する「ホログラフィック媒体の照明的処理(Illuminative Treatment of Holographic Media)」と題する米国特許出願第2006/0281021号明細書に開示されるようなホログラフィックメモリシステム中において用いてもよい。
図2に示すように、ホログラフィックメモリシステム200は、ホログラフィック記憶媒体202、対物レンズ204、半波長板(HWP)206、非偏光ビームスプリッタ(NPBS)208、別のレンズ210、ポリトピック開口212または他の光学フィルタ、別のレンズ214、偏光ビームスプリッタ(PBS)216、空間光変調器(spatial light modulator(SLM))218、検出器220、および可変位相リターダ222を備えてもよい。加えて、図2のホログラフィックメモリシステム200は、さらに、光源250、調整可能なHWP252、第2のPBS254、ミラー256、HWP257、ガルバノミラー258、およびプロセッサ280を備えてもよい。プロセッサ280は、市販のマイクロプロセッサ等のプロセッサとすることができ、可変位相リターダ222は、空間光変調器(SLM)、電気光学変調器、またはピエゾマウンテッドミラー等の、光線の位相偏移が可能なデバイスとすることができる。加えて、レンズ210、ポリトピック開口212、およびレンズ214の組み合わせは、「4Fリレー(4F relay)」と呼ぶこともできる。
図2に示す実施形態において、ホログラフィックメモリシステム200は、位相偏移変調(phase shift keying(PSK))等のコヒーレントチャネル変調技術を用い、ホログラフィック記憶媒体202において符号化された情報を記憶するが、コヒーレントチャネル変調技術は、デジタルデータを+1ビットおよび−1ビットのいずれかのデジタルデータとして記憶することを含む。たとえば、+1ビットは、ホログラムを記録するのに用いた信号ビームを変調するSLM218の特定の画素として表すことができ、特定の画素位置における信号ビームが特定の位相(例えば0度)を有するようにする。同様に、−1ビットは、ホログラムを記録するのに用いた信号ビームを変調するSLM218の特定の画素として表すことができ、信号ビームと+1画素との位相差が180度になるようにする。すなわち、+1画素および−1画素との間には180度の位相差がある。この手法は、(二値PSK(BPSK)と呼ぶ)2つの位相のみを使用する場合を例として説明したが、他の実施形態等においては、例えば、直角PSK(QPSK)等、他のPSK手法を用いることができ、各手法は4つの位相を使用することを含む。ホログラフィックメモリシステム200は、また、SLM画素の振幅を変調する振幅偏移変調(amplitude shift keying(ASK))、各SLM画素の振幅と位相を変調してマルチビットシンボルを生成する直角位相振幅(quadrature amplitude modulation(QAM))、および個々のSLMを分解するには不十分な光学解像度で解析SLMの画像を記録する部分応答最尤(partial response maximum likelihood(PRML)を用いることができ、制御下において、再構築画素が空間において重なり合う(共にブラーされる)ようにすることができる。
図2には、また、n値ホモダイン検出を用いて記憶データの読み出し(すなわち再構築)を行うことにより、ホログラフィック記憶媒体202からホログラフィックに記憶されたデータを検索する方法を示す。読み出し動作は、プローブビーム232を記憶媒体202上に、またはその中に、データを記録するのに用いた参照ビームの角度、波長、位置等またはそれらの補償等価物に基づく角度、波長、位置等またはそれらの補償等価物(compensated equivalents)等で投影することにより行うことができる。ホログラムおよび参照ビームは相互作用して、相互作用の幾何に応じて、信号ビームまたは信号ビームと共役の位相を再構築する。当業者には知られているように、再構築信号ビーム234は、位相搬送上の再構築データを含んでもよい。再構築信号ビーム234は、レンズ204および切替可能なHWP206を透過し、それにより再構築信号ビーム234の偏光状態を変換して、再構築信号ビーム234の光路をPBS216を介して変更する。図2における実施例において、切替可能なHWP206は必ずしも読み出しモードである必要はない。プローブビーム232、再構築信号ビーム234、および局部発振236がs偏光されているからであり、この偏光状態がPBS216から検出器220まで伝搬するからである。切替可能なHWP206は、SLM218からの光の偏光状態をp偏光からs偏光に変更して記録を行い、また、光路中の他の場所にも同様に容易に配置可能である。
対物レンズ204は、例えば、市販レンズまたは特定用途向けレンズ等の任意のタイプのレンズとすることができ、例えば、米国特許第7,532,374号明細書に開示されるが、その全体は本明細書において参照により援用する。レンズの例としては、例えば、開口数(NA)の高い非球面記憶レンズ等が挙げられる。レンズ204は、また、ホログラフィック記憶媒体202から1焦点距離(すなわち、レンズ204の焦点距離に相当する距離)を隔てて位置させて、記憶媒体がSLM218のフーリエ面に位置するようにしてもよい。これらのレンズおよびその位置は例示であり、図1A〜図1Cに示すモノキュラーシステムをはじめとする他の実施形態においては、各レンズおよび他の光学部品は異なる配置であってもよい。例えば、記憶媒体202がSLM218の像平面に位置するように、または、またはフーリエ面でも像平面でもない中間地点に位置するように、1または複数のレンズを配置または選択してもよい。
そして、NPBS208により再構築信号ビーム234を局部発振(LO)ビーム236と合成すればよい。局部発振ビーム236は、例えば、平面波とすることができる。さらに、局部発振ビーム236は、プローブビーム232の一部を生成して、局部発振ビーム236が再構築信号ビーム234と時間的にコヒーレントであるようにしてもよい。局部発振ビーム236を再構築オブジェクトパスに投入または導入して、再構築信号ビーム234と同じ偏光状態を有して同一直線状にあるようにするが、局部発振ビーム236は、再構築信号ビーム234に対し、何ら特別な位相関係を有する必要はない。反射された局部発振ビーム236のパワーは、所望の大きさの光学ゲインおよび動的信号範囲を生成または生じさせるような任意のレベルに設定することができる(例えば、再構築信号ビームの定格パワーの100倍)が、このパワーレベルは、プローブビーム232の生成に用いた主レーザビームの一部を、種々の固定または可変ビームスプリッタを用いて分割することにより達成できるが、このことは当該技術分野において容易に理解される。
図2は、光源250、調整可能なHWP252、PBS254、ミラー256、およびガルバノメータミラー258を用いて、局部発振ビーム236およびプローブビーム232を生成する手法を示す概略図を含む。光源250は、ホログラフィックメモリシステム等において一般に用いられるレーザとすることができ、HWP252を通って伝搬する主レーザビーム260を生成する。HWP252の複屈折軸角度の調節は、可能であればプロセッサ280からのコマンドに応じて行い、PBS254によって局部発振ビーム236に対する主光線256の一部が分割されるように主レーザ光線260の偏光を修正(modify)することができる。HWP252の複屈折軸の角度を設定することにより、局部発振ビーム236のパワーレベルがプローブビームのパワーに対して制御される。主レーザビーム260の残りの部分はPBS254を透過させ、ミラー256およびガルボミラー(galvo mirror)258に指向させて、参照ビーム232としてもよい。
局部発振ビーム236は、可変位相リターダ222を透過してから、信号路に投入または導入し、そこで、局部発振ビーム236を再構築信号ビーム234と合成してもよい。可変位相リターダ222は、局部発振ビーム236の位相を変更可能な任意のタイプのデバイスとすることができ、例えば、ネマティック液晶(Nematic Liquid Crystal(NLC))可変位相リターダ222とすることができる。例えば、可変位相リターダ222は、NLC材料のアクティブ軸を電気的に変調する3つ以上の状態を切り換えるように構成して、局部発振ビーム236と再構築信号ビーム234と間に所望の位相差(例えば、0°−120°−240°;0°−90°−180°−270°;等)を与えるようにすることができる。可変位相リターダ222は、プロセッサ280からの信号に応じて、これらの各状態を切り換えるようにしてもよい。
NPBS208は、局部発振ビーム236と再構築信号ビーム234とを合成して、合成ビーム238を生成する。NPBS208は、光の95%をNPBS208に透過させ5%を反射する部分反射コーティングを含んでもよい。そのような例において、再構築信号ビーム234の95%がNPBS208を透過し、5%が反射されることになる。同様に、局部発振ビーム236の95%がNPBS208を透過する一方、局部発振ビーム236の5%が反射されて再構築信号ビーム234と組み合わされる。よって、本実施例において、合成ビーム238は、95%の再構築信号ビーム234と、5%の局部発振ビーム236からなる。さらに、本実施例において、局部発振ビーム236の一部(すなわち、NPBS208を透過する部分)および再構築信号ビーム234の一部(すなわち、NPBS208により反射される部分)であって合成ビーム238の生成に用いられないものは、例えば、これらビーム234および236の未使用部分を吸収するビームブロック等のデバイスに渡してもよい。
その後、合成ビーム238をレンズ210に透過させて、合成ビーム238を集束することができる。レンズ210の位置は、例えば、その前方焦点面がレンズ204の後方焦点面となるようにする。そして、集束した合成ビーム238は、レンズ210から例えば1焦点距離を隔てたポリトピック開口212を透過させることができる。ポリトピック開口212を用いて、合成ビーム238からの雑音を除去(フィルタリング)することができる。そして、合成ビーム238は、ポリトピック開口212から例えば1焦点距離を隔てて位置するレンズ214を透過する。レンズ214により、合成ビーム238を拡張して、ビーム238の直径が一定となるようにする。そして、合成ビーム238をPBS216に透過させることにより、PBS216は、合成ビーム238の偏光によって、合成ビーム238を検出器220の方へ向け、検出器220は受信した画像を検出する。検出器220は、合成ビーム238を検出可能な任意のデバイスとすることができ、例えば、相補形金属酸化膜半導体(complementary metal-oxide-semiconductor(CMOS))検出アレイまたは電荷結合素子(charge coupled device(CCD))等とすることができる。本実施形態においては、図2に示すようにNPBS208を用いて局部発振ビーム236を再構築信号ビーム234と結合しているが、他の実施形態においては、ペリクルビームスプリッタまたはプレート型ビームスプリッタ等の他のデバイスを用いてもよい。
局部発振ビーム236および再構築信号ビーム234の位相が実質的に等しい場合、これらは強め合いの干渉(建設的干渉)をして、検出器220において再構築データページの表象を生成する。局部発振ビーム236および再構築信号ビーム234の位相が実質的に逆である場合、弱め合いの干渉(相殺的干渉)をして、検出器220において再構築データページの反転表象を生成する。局部発振ビーム236および再構築信号ビームの位相が実質的に直交している(すなわち、位相差が+90°付近である)場合、検出器220において再構築データページの白飛び(低コントラスト)表象を生成してもよい。
図2に簡略化して示すホログラフィックメモリシステム200は例示にすぎず、ホログラフィックメモリシステム200は、付加的なレンズ、ミラー等の他の部品を多数含むことができる。また、図2は、プローブビーム232および局部発振ビーム236を生成する一例を示すものであり、例えば、2つの独立した位相ロックレーザ等を用いる他の実施態様を用いてもよいことに留意されたい。つまり、ホログラフィックメモリシステム200の構造および部品は、本開示の技術の範囲内で偏光することができる。
データ記録用コヒーレントチャネル変調
以上、図1A〜図1Cおよび図2について説明したように、ホモダイン検出により、位相変調したデータページの再構築が可能となる。これにより、今度は、限定はしないが、位相直交多重化(PQHM)、QAM、および単側帯ホログラフィック記録等の位相多重化技術をはじめとするコヒーレントチャネル変調技術を用いて符号化した情報のホログラフィックデータ記憶が可能となる。ホモダイン検出は、また、部分応答最尤(PRML)および雑音予測最尤(NPML)の性能を向上させる。コヒーレントチャネル変調技術は、純振幅変調に比べ、多くの利点があり、その利点としては、例えば、限定はしないが、記憶密度が高いこと、コヒーレント検出を用いた所与のパワーレベルにおけるSNR/感度が高いこと、および所与のパワーレベルについてのビット誤り率(BER)が低いことが挙げられる。さらに、PSK変調により、信号ビーム中の直流成分を低減または除去することができ、ホログラフィック記録媒体中において画素間に形成された格子を原因とするクロストーク(いわゆる信号間変調)を低減または除去することができる。これらの技術を用いて記録したデータは、この前後に詳細に開示する従来のホモダイン検出、直交位相ホモダイン検出、およびn値ホモダイン検出を用いて再構築することができる。
直交位相ホモダイン検出
位相直交ホログラフィック多重化(PQHM)は、従来の通信理論における四位相偏移変調(quadrature phase shift keying(QPSK))に類似するものと考えることができる。ホログラムの位相を検出できることにより、記憶密度の増加の可能性が示される。第2のホログラムは、各参照ビーム(例えば、角度多重化のための各参照ビーム角度における2つのホログラム)を用いて記録することができ、位相差が90°であればホログラム間におけるクロストークはほとんど、または、全く生じない。我々は、これをPQHM方法と称する。より一般的には、直交する位相次元においてホログラムを記録する方法を我々は位相多重化と称する。位相多重化は、したがって、限定はしないが、PQHM(すなわち、QPSK)、高次PSK、およびQAMホログラフィック記録方法を用いて記録したホログラムを含む。その一方で、BPSKは位相多重化方法と考えない。PQHMにより、記録密度を2倍にすることができ、他の高度なチャネル技術を可能とする。さらに、PQHMを用いて記録速度および復元速度の両方を増加することができる。
式(2)から、干渉項の位相は、記録光の位相差を制御することにより制御することができることがわかる。Δφを90°変化させつつ同じ参照ビームおよび同じ信号ビーム
および
を用いて2つのホログラムを記録すると、各ホログラムは互いに直交関係を有することになる。これら2つのホログラムの干渉項のフーリエ分解における各平面格子成分は、もう一方の対応する成分と、位相差が90°であることを除き、同一になる。これは、第1のホログラムの各成分の格子縞に対して、第2のホログラムの各成分の格子縞間の位相が90°偏移していることを反映するものである。よって、記録された格子は、互いに空間的に実施的に直交している。同様に、媒体を適切なプローブビームで照射したときには、2つのホログラムは直交して再構築されることになる。各ホログラムの格子が直交しているため、これら2つのホログラムは、使用する角スペクトルの帯域が同じであったとしても、記録媒体のアドレス空間内において、実際には異なる自由度を占有する。
直交位相多重化したホログラムは、同位相(I)ホログラムおよび直交位相(Q)ホログラム(または同一ホログラムのI直交位相およびQ直交位相)と表すことができる。順次記録した2つのホログラムの信号ビームが同一でなく、2つの異なるデータパターンにより変調されている場合、変調手法が個々のホログラム中において生成する格子が直交でなくならない限り直交関係を維持することができる。例えば、振幅偏移変調(binary amplitude shift keying(ASK))がこの目的には好適である。なぜなら、Iホログラム中においては「1」が0°位相にある格子により表され、Qホログラム中においては「1」は90°位相にある格子により表されるからである(ここで、「ゼロ」は、いずれのホログラムにおいても格子の不存在により表される)。同様に、二値PSK変調(一実施形態においては、位相偏移変調)については、「1」および「ゼロ」は、それぞれ、Iホログラム中においては0°格子および180°格子により表され、Qホログラム中においては90°格子および270°格子により表される。よって、各フーリエ成分のIホログラムとQホログラムと間に、直交する±90°の関係が維持される。
位相直交位相記録は、1つ(または可能であれば2つ)の記録光の光路長を変化させて、Δφ=90°(または±90°に加えて波数の総数のいくつか)の純位相差を得ることにより物理的に行うことができる。例えば、ピエゾ、ガルバノメータまたは微小電気機械システム(micro-electro-mechanical system(MEMS))を用いてビーム路中における1または複数のミラーを移動することにより光路長を増加または減少することができる。切換可能な液晶SLM等の好適なSLMを用いて、一方または両方の光線を位相変調することができる。
IホログラムおよびQホログラムは、二値SLMによる一連の露光の間ずっと、またはグレースケールSLMによる個別の露光の間並行して、少なくとも4つの変調レベルを用いて変調および記録することができる。QPSK変調を用いる場合、例えば、グレースケールSLMにより各画素を、0°、90°、180°、および270°の4つの二次状態のうちの1つに変調する。この場合、I画像およびQ画像の画素の二値状態をともにグレースケール位相SLMの単一の状態に符号化して、シーケンシャル書込みにより生じた格子から識別可能な直交位相多重化した格子を生成するようにしてもよい。並行して直交位相記録を行うための1回の露光に必要な光エネルギーは、2つの連続した露光を記録するのに必要な光エネルギーの1/√ 2倍にすぎず、媒体の消費(M/♯使用)が、0.707の倍率で減少する。記録速度は、同倍率で増加することができる。
所望により、グレースケールSLMは、2つ以上の二値SLMを直列にカスケード接続することにより、または、非二値SLMを直列にカスケード接続することにより実装することができ、それにより4つ以上の位相/振幅状態を生成することができる。バイナリPSKとは異なる変調手法を用いる実施形態等においては、上記4つの状態は0°、90°、180°、および270°の4つの二次状態に相当しない場合がある。例えば、1つの二値ASK変調ホログラムを並行して位相直交記録するには、1/√2の振幅で0°および90°の位相において2つの明状態、単一振幅で45°の位相において明状態、および暗状態を生成するSLM(またはSLMのカスケード直列)を用いて行うことができる場合がある。
位相直交ホログラフィック多重化(PQHM)データページの記録
図3に、図1A〜図1Cに示すシステム100を用いてPQHMデータページを記録する工程を示す。図3に示すように、この工程を、角度多重化、ポリトピックス多重化、ダイナミックアパーチャ多重化、および空間多重化等の他の互換性のある多重化手法と組み合わせて、ホログラフィック記憶媒体158の面積記憶密度を増加することができる。本システムは、また、他のアーキテクチャ等を用いるホログラフィックデータ記憶システムを用いて実装することもできる。また、参照ビームと信号ビームと間の位相差を変調する基本的な手法は、他のコヒーレントチャネル変調技術、例えば、限定はしないが、直交位相振幅変調(QAM)に適用することができる。
図3に示すように、PQHM記録工程における第1の動作302は、第1の干渉パターンを第1のホログラムとしてホログラフィック記録媒体158に記録することを含む。図1Bに示すように構成したシステム100を用いて行う場合、第1SHWP144はp偏光を透過するように構成し、第2SHWP146は、s偏光を透過するように構成する。第1の干渉パターンは、第1の信号ビームが第1の参照ビームと干渉することにより生成される。
データは、第1の信号ビーム中において、第1のデータページの形で符号化される。第1のデータページは、一般に、図1Bに示すデータ符号化素子140(ASKモード)を用いて作成した強度の異なる画素を含む。データ符号化素子140は第1の信号ビーム中の第1のデータページを符号化するが、この場合、データ符号化素子140は反射型SLMである。いくつかの実施形態において、強度の異なる画素は、1つの強度状態、または他の2つの強度状態を有し、この2つの強度状態を、一般に、明暗(二値ASKモード)という。いくつかの実施形態において、第1のデータページは、異なる位相状態を有する画素(PSKモード)を含む。いくつかの実施形態において、異なる位相状態は、相互に180°の位相差を有する2つの位相状態(二値PSKモード)のうちの一方または他方に限定される。反射型SLM140はASKモードについて用いることができ、また、先に述べたように、PSK用の半波長板138と組み合わせて用いることができる。いくつかの実施形態において、他のデータ符号化素子の使用により信号ビームに埋め込んだデータの例としては、限定はしないが、透過型SLM等、グレースケールSLM等、グレースケール位相SLM等、およびデータマスク等が挙げられる。
第1の参照ビームは平面波参照ビームであり、記録媒体158は、一般に、限定はしないが、光活性重合性物質とサポートマトリックスとの組み合わせを含み、この組み合わせは、基板上に載置するか、または2つの基板で挟むことが一般的である。当業者に周知の他の記憶媒体を用いることもでき、その例として、例えば、限定はしないが、LiNbO結晶および分散したハロゲン化銀粒子を含むフィルム等が挙げられる。他の光データ記録方法においても、平面波参照ビームのほかに参照ビームを用いることができ、参照ビームの例としては、例えば、球状ビームおよび面内円筒波等が挙げられる。
第1の動作中302、図1Bの可変位相リターダ130を第1の位相位置に設定し、第1の参照ビームに対して第1の位相状態にある第1の信号ビームを用いて第1のホログラムを記録する。第1のホログラムの記録は、一般に、図示しないシャッタを開閉することにより行う。第1のホログラムは、同位相(I)ホログラムと呼ぶことができる。
第2の動作304において、記録媒体158は、第2の干渉パターンを記録するが、この第2の干渉パターンは直交位相(Q)ホログラムと呼ばれ、第2の参照ビームと第2の信号ビームとの干渉により生じたものである。可変位相リターダ130は、第2の動作304については第2の位相位置に設定し、第2のホログラムは、第2の位相状態にある第2の信号ビームを用いて記録媒体に記録する。第2の位相状態は第1の位相状態と90°異なる。すなわち、第1の信号ビームと第2の信号ビームとの位相差は90°である。第2のホログラムの記録は、一般に、図示しないシャッタの開閉により行う。
第2の動作304は、一般に、図1Bに示すように構成したシステム100を用いて行う。ここで、第1SHWP144はp偏光を透過するように構成し、第2SHWP146はs偏光を透過するように構成する。第2の参照ビームは、一般に、第1の参照ビームと同一である。第2の信号ビームは、SLMを用いて当該信号ビーム内に符号化された第2のデータページを含む。第2のデータページは、一般に、限定はしないが、第1のデータページとは異なる。
しかしながら、第1のデータページおよび第2のデータページはいずれも、既知の画素パターンからなる予約ブロックを含む。本明細書において、用語「予約ブロック」は、ホログラフィックデータ記憶媒体中に符号化された既知の画素パターンの一領域を指す。第1のデータページ中の特定の場所にある予約ブロックは、一般に、第2のデータページ中の同一の特定の場所にある補完的な予約ブロックと照合され、この場合、予約ブロックは相補的な画素パターンを有する。予約ブロックおよび予約ブロックを用いた処理については以下に詳述する。
第2の動作304において、第2のホログラムは感光性記憶媒体158内において、第1のホログラムと実質的に同じ位置に記録され、第1のホログラムおよびおよび第2のホログラムが完全に重複して共通の空間を共有するようにする。しかしながら、第1の信号ビームおよび第2の信号ビームは互いに90°の位相差を有するため、第1および第2のホログラムは互いに90°の位相差を有する。すなわち、第1および第2のホログラムの各フーリエ成分のすべての屈折率格子はそれぞれ± 90°の位相差を有する。第1および第2のホログラムは、したがって、位相直交位相多重化されたといえ、直交位相ホログラム対を形成し、場合によっては、位相直交対またはPQHM対と称する。位相直交対の各ホログラムは、位相多重化ホログラムの一種である。
別の実施形態等において、第1および第2のホログラムを、位相差を持たない第1および第2の信号ビームを用いて記録する。すなわち、第1および第2の信号ビームの位相差は互いに0°である。このような場合、位相直交対の第1のホログラムと第2のホログラムとの間に位相差を設けるには、互いに90°の位相差を有する第1および第2の参照ビームを用いる。当業者には、2つの参照ビームの間に位相差を設けるには、第1および第2の参照ビームの光路中に位相リターダを設ければよいことがわかるであろう。位相差は、信号ビームおよび参考ビーム両方の位相を調整することにより操作することができ、0°と90°との間で切り換わる相対的位相差を有することができる。
PQHM記録工程における第2の動作304が終了すると、ホログラフィックデータ記憶システム100に動作可能に接続されたプロセッサまたは他の好適な部品により、動作306において記録すべきデータページがさらにあるかどうかの判断を行う。記録すべきデータページがさらにあれば、続いてホログラフィックデータ記憶システム100は、動作308において、新たな角度、位置、動的アパーチャ設定、および/または他の多重化設定に偏移し、その後、動作302、304、および306を繰り返して所望の数の多重化データページを記録する。一旦多重化データページが記録されると、動作310において記録が終了する。
高次位相偏移変調(Higher-Order Phase Shift Keying(PSK))
別の実施形態において、本明細書に開示のホログラフィックメモリシステムを用いて、高次PSKコンステレーションで変調したデータを記録および復元することができる。PSK符号化を拡張して、一般に、任意の数の位相状態、例えば、8PSKを組み込むことができる。一実施形態において、グレースケール位相SLMを、例えば、0°、45°、90°、135°、180°、225°、270°、または315°の8つの位相状態のうちの1つをとる各画素とともに用いて構成したデータページを記録することにより8−PSK記録を行う。変更された直交位相ホモダイン検出またはn値ホモダイン検出アルゴリズムを用いて高次のPSKホログラムを検出することができる。よって、位相状態の任意の数および分布に対応することができる。
高次PSKホログラムは、二値位相SLM(0°および180°)、および別個の位相リターダを用いて、直前に開示したシーケンシャルPQHM記録方法と同様にして順次記録することができる。なお、しかしながら、次数が4よりも高いPSKについては、順次記録した画像は、個々の二値データページを構成しない場合がある。例えば、8−PSKは、4SLM画像を順次露光するが、生成される画素当たりのデータビット数は(4ではなく)3のみである。なぜなら、データビット数は位相状態の数のログベース2と等しい場合があるからである。
直交振幅復調(QAM)
本明細書に開示するホログラフィックメモリシステム等を用いて、振幅および位相の両方を変調したデータを記録および復元することもできる。例えば、16−QAMは、I−Q面において均一に分布する通常4×4状態のコンステレーションを用いてシンボル当たり4ビットの符号化を行う方法として周知である。一般に、適切な数の位相および振幅の状態を提供可能な位相および振幅変調SLMを用いて、または、二値位相SLMを用いて振幅および位相を変化させて順次露光することにより、任意のデジタルQAMコンステレーションをホログラフィックに記録することができる。したがって、各状態のいかなる数および分布にも適用することができる。
部分応答最尤(PRML)信号方式
部分応答最尤(PRML)信号方式を用いて、位相および振幅変調データをホログラフィック媒体に記憶する密度を増加することもできる。PRML信号方式は、通信および磁気記憶用途に用いられ、その場合、例えば、データトラック上の各ビットは高密度に集積されているため、4または6の個々の磁束リバーサル応答パルスは互いに重なり合う場合がある。これによって、各パルスが完全に分離していた場合と比べ、4倍または6倍の密度でのチャネル動作が可能になる。このような性能向上の代償として、畳み込み信号から元データを復元可能な復号器の形態が複雑化する。一般に、BCJR(ViterbiまたはBahl、Cocke、Jelinek、およびRaviv)復号器を用いて、観測された信号と一致する最適データパターンを選択する。ビタビ(Viterbi)復号の場合、復号器は最尤(maximum likelihood)の意味において最適であり、よって、用語を「部分応答、最尤」とする。
PRML信号方式において、部分応答リサンプリングフィルタは、ある特定のチャネルインパルス応答hを用いて、二値データパターンの畳み込みに類似する出力を生成する。ホログラフィックデータ記憶の場合、時間変化する画像についての1時間空間次元ではなく2空間次元において、このリサンプリングフィルタを用いることができる。特に、空間分解能が粗くなると、隣接するSLM画素画像の光学応答は互いに重なり合う(ブラー)。重なり合った画素領域は、PRML処理に適した線形畳み込みと類似する。ホモダイン検出により、最適振幅の検出が可能となるため、チャネル応答の線形化によるPRML信号方式が可能となる。別の言い方をすれば、重なり合う画素領域の最適振幅をホモダイン検出技術(例えば、n値ホモダイン検出)を用いて検出し、検出した最適振幅に対してPRML処理技術を適用することにより、ホログラフィックデータ記憶用のPRML信号方式を実施することができる。
部分応答信号方式の実施により、信号方式帯域を減少し、所与の帯域に対する信号方式容量を増加し、またその両方が可能となる。部分応答信号方式により、設計者は、チャネルの本来の物理的応答に近いターゲットチャネル応答を選択することも可能になり、攻撃的均一化(aggressive equalization)に起因する雑音増幅が減少する。
図4Aに、PRML信号方式を用いてデータをホログラフィックに記録および検出する工程を示す。動作402において、SLM(例えば、図1Bおよび図1CにおけるSLM140)は、適切な変調技術(例えば、PSK、ASK、QAM等)を用いて、位相、振幅、または信号の位相および振幅の両方を空間的に変調する。次に、動作404において、空間変調された信号ビームは、SLMのフーリエ面内(例えば、図1Bおよび図1Cに示すポリトピック開口の位置における)の光学フィルタ(例えば、適切に開放(アポダイズ)した開口)を通って伝搬する。開口の形状および大きさは、信号ビーム中の個々の画素を分解しないようなものとし、すなわち、信号ビームが開口を通って伝搬することにより、SLM上に示された画像が不鮮明になる。画像の不鮮明化は、1または2の空間次元(例えば、x、y、またはxおよびy)におけるものであり、例えば、静的開口、シャッタ、グレースケールSLM等を用いて実施することができる。場合によっては、開口の透過係数により二重同期応答(double-sinc response)の形状を示す場合があるが、二重同期応答については図4Eを参照して以下に説明する。不鮮明化した信号ビームは、ホログラフィック記憶媒体中の参照ビームと共に、動作406において、不鮮明化したSLM画像を表すホログラムを生成する。
ホログラムが正常に記録されたら、ホログラムはn値ホモダイン検出、直交位相ホモダイン検出、または再構築信号ビームの複素振幅をもたらす任意の他の技術を用いて読み出すことができる。まず、例えば、図1Cおよび図2を参照して説明したように、動作408において、ホログラムをプローブビームで照明することにより信号ビームを再構築する。再構築信号ビームは、動作410において元信号ビームを不鮮明化するのに用いた開口(例えば、図1Cのポリトピック開口155の位置に設けた2次元余弦矩形(2D cosine-rect)開口であって、二重同期点像分布関数を与えるもの)と通常同じ形状および大きさの開口を通って伝搬する。再構築信号ビームは検出器の局部発振と干渉し、結果として生じる干渉パターンを動作412において検出器で検知する。そして、この検出した干渉パターンを、動作414において、例えば、図4Cを参照して説明したように復号し、ホログラム中に記憶された情報のPRML推定値を生成する。例えば、応答h、および反復マルチストリップアルゴリズム等の等の適切な畳み込み技術を用いて干渉パターンを畳み込んでもよい。
図4Aの工程において好適に用いられる部分応答としては、部分応答クラス1(PR1)、またはデュオバイナリ変調など、種々の呼び名がある。個々のチャネル応答は、データシーケンスの多項式乗算により1+Dで表すことができ、ここでDはサンプル遅延演算子である。代案として、動作を、図4Bに示すような、チャネルインパルス応答カーネルh=√2/2[11]による個々の畳み込みと見ることができる。ASK二値入力に対する応答d[n]∈{0、1}は、三値化信号であり、以下の値をとる。
たいていの場合、図4Bの個々の応答シーケンスは、基本的な連続波形をサンプリングした結果として生じうる。この波形を均等化およびサンプリングすることにより、ターゲット応答と綿密に一致する標本化出力が生じる。カーネル中の√2/2(21/2/2)因数により、シンボル当たりの全エネルギーを信号単位が振幅である場合のものに正規化する。
ホログラフィックデータ記憶のページ指向チャネルについては、二次元応答を用いることができる。図4Cに、二次元ターゲット応答の実施例をPR1−2Dとして示す。これは、図4Bに示すPR1応答を2次元的に一般化したものにすぎない。この応答を実施する画素マッチングしたシステムは、検出器画素をSLM画素の各角にアライメントすることにより実施でき、この場合、その中心ではなく4領域が重なり合う(図4C参照)
しかしながら、画素マッチングしたホログラフィックデータ記憶システムはすべての使用について実用的ではない場合がある。このシステムをオーバーサンプリングした復号器とともに実装するためには、事後処理において、以下に開示するリサンプリング方法の修正版を使用してコーナーアライメント(corner alignment)を行うことができる。以下に開示する完全応答リサンプリング工程では、各SLM画素画像に最も近い4×4検出器画素窓を用い、最適化(選択)した係数を適用して、SLM画素のみの状態を判定する。それに反して、部分応答リサンプリング方法では、4つのSLM画素画像の角に最も近い4×4検出器画素窓を選択し、最適化(選択した)係数を適用して、4つのSLM画素応答の合計を求める。各係数は、図6A〜図6Dを参照して以下に説明するような完全応答リサンプリング係数の導出に使用したコンピュータコードの修正版を用いてシミュレーションにより求めることができる。
PRML用の光等化
フーリエ面において矩形ポリトピック開口を介して結像を行うと、画像面において、正弦波形の点拡がり関数(インパルス応答)が生成される。いかなる特定の理論にとらわれることなく、正弦関数は最低帯域幅応答と考えることができ、図4Dに示すように、結果的に、サンプリング点X=0における単離した非ゼロ値となるが他のすべての整数サンプリング点においてはゼロになるものである。すなわち、正弦関数は、部分応答チャネルではなく、フル応答チャネルについての所望の離散応答h=[1]に当然に一致する。
所望の離散応答形状をh=[11]とするため(便宜上、一空間次元のみを考慮)、図4Eに示すような2つの変位した正弦関数を含む低減(最小)帯域幅チャネルを用いることができる。このPR1−2D点拡がり関数は、ポリトピック開口の透過率をアポダイズすることにより、ホログラフィックデータ記憶システムにおいて物理的に実現することができる。光場透過率関数t(x)は(強度透過率関数とは逆に)、開口全体において、所望の点拡がり関数h(x)のフーリエ変換に類似するはずである。変調したデータパターンの解像に要求される空間ナイキスト周波数において正確に動作する開口については、所望の点拡がり関数について以下の式で表す:
式中、ΔpixはSLM画素間隔であり、λは光の波長であり、fはフーリエ変換レンズの焦点距離である。(ここでも、便宜上1つの次元のみを考慮する。)すなわち、矩形開口は、振幅透過率について、単一のヌル(null)からヌルへの半波余弦でアポダイズすべきであり、強度透過率における余弦の二乗に相当する。ポリトピック開口を介した二重路(記録時において一度、および読み出し時において再度)を用いる位相共役ポリトピックアーキテクチャについては、開口の強度透過率T(x)は次式で表される;
所望のPR1−2Dターゲットに類似する光学応答を生成した後、Bahlアルゴリズム、BCJRアルゴリズム、反復的マルチストリップアルゴリズム、または任意の他のアルゴリズムの二次元版を用いてデータを復号してもよい。
他の実施形態において、前述の分析をどのように修正すれば、他の特定の部分応答クラス、例えば、PR2(応答(1+D))またはPER2(応答(1+D))等を実施できるかについては当業者にとって容易に理解されるであろう。PR2部分応答の場合、離散部分応答形状はh=[1 2 1]である。EPR2部分応答の場合、離散部分応答形状はh=[1 2 2 1]である。同様に、雑音予測最尤検出(NPML)をどのように実施すればよいか当業者には容易に理解されよう。
単側波帯ホログラフィック記録
単単側波帯ホログラフィック記録は、記憶密度を増加するためにホログラフィック信号の冗長スペクトル成分を除去することを含む。ポリトピック多重化を用いるホログラフィックデータ記憶システムにおいて、例えば、ポリトピック開口の半分を遮断することにより冗長スペクトル成分を除去することができる。ポリトピック開口は信号ビームのフーリエ面に配置されているため、信号ビームが(PSKおよびASK等の二値変調手法において一般的なように)実数値である限りにおいて、当該面における複素振幅分布は原点について共役対称である。現実の世界の場合においては、信号が純粋な実数値にはならないが、かわりに鏡像力場にわたり徐々に変化する位相搬送波上に変調され(すなわち、信号が、0°位相についてではなく位相搬送波について共役対照とな)るが、コヒーレント検出(例えば、n値ホモダイン検出)によって分解された位相搬送波により単側帯ホログラフィック記録を実施することができる。n値ホモダイン検出において、分解能は予約ブロック感覚に応じて決まる(以下に説明する)。
図1A〜図1Cおよび図2の示すシステムにおいて、フーリエ面は、各周波数成分の少なくとも一側波帯を透過させる限りにおいて、その半分を限度として信号方式情報を除去することなくブロックすることができる。例えば、フーリエ面の半分であって、x方向またはy方向の負の周波数に対応する部分(例えば、ポリトピック開口の底部または左半分)は、ナイフエッジまたは他の好適な空間フィルタを用いてブロックすることができる。ページ系ホログラフィックデータ記憶システムについては、ポリトピック開口の大きさにより各ホログラムの大きさが決まるため、開口の面積を有することにより記録密度が2倍になる。
単側波帯多重化により、両側波帯記録の共役側波帯における虚数部は相殺されるため通常は存在しない虚数成分が検出信号中に導入される。元信号を復元するには、信号の虚数部(記録位相基底において表現される)を、例えば、信号の実数部のみを復元することにより、廃棄または抑制する。例えば、n値ホモダイン検出、直交位相ホモダイン検出、または任意の他の好適なデジタルまたは光学的再構築手法を用いて単側波帯ホログラムを読み出すことにより、信号の虚数部を伴わずに実数部を検索することができる。
n値ホモダイン検出
上記に導入したように、n値ホモダイン検出は、本明細書において開示するコヒーレントチャネル変調を用いて符号化したデータ等のホログラフィックに記憶したデータを再構築するためのコヒーレントなチャネル検出工程である。n値ホモダイン検出において、1または複数の検出器により、特定のデータページのn個の画像(例えばI、I、I等)を検知する。これら各画像は、それぞれ、ホログラフィック記憶媒体により回折された局部発振ビームと再構築信号ビームとの間の干渉パターンを検知することにより生成する。第m番目の画像Iについて、局部発振ビームと再構築信号ビームとの間の位相差は2πm/nであり、ここでn>3は画像の総数である。これは、例えば、局部発振と再構築信号ビームとの間のモジュロ2π位相差を、それ以後の画像について2π/nずつインクリメントまたはデクリメントすることにより実現することができる。この位相差は、局部発振ビーム、プローブビーム、または再構築データ(信号)ビームの光路中において、液晶系位相変調器、電気光学的変調器、可動ミラー、または任意の他の好適な変調器を用いて実施することができる。連続する画像の各位相差は、特定のシーケンスまたは順序になっている必要はなく、むしろ、位相差を所望に変更して、結果として生じるn個の画像が、位相差を2π/nずつインクリメントまたはデクリメントされて並ぶようにすることができる。
N値ホモダイン検出による共通強度雑音抑制
n値ホモダイン検出は、従来のホモダイン検出または直交位相ホモダイン検出よりもホログラフィック露光を多く含むが、共通の強度雑音の阻止等、他の利点を享有する。n値ホモダイン検出を用いて共通強度雑音を除去することにより、検出された信号のSNRが増加する。その理由としては、n値ホモダイン検出と直交位相ホモダイン検出を比較するとわかる。直交位相ホモダイン検出においては、検出器は、再構築信号ビームと局部発振ビームとの間の干渉の2つの画像IおよびIを取得する。再構築信号ビームと局部発振ビームとの間の位相差は、1つの画像につき90°偏移する。その結果、検出画像の放射照度は、次のように表される:
式中、Iは信号(再構築データ)ビーム放射照度であり、ILOは局部発振ビーム放射照度であり、Δφは信号ビームと局部発振との間の位相差である。|E|および|ELO|は、各光場の大きさ、すなわち、|E|=√ I,|ELO|=√ILOである。信号規模|E|は次式により見積もることができる:
式(6)における最終項は共通強度雑音を表し、|E|の見積もりにおける付加的な雑音源となる。共通強度雑音は、所望の干渉項に加え、直接強度項ILOおよびIに比例する検出画像の成分を含むため、そう呼ばれる。局部発振強度の増加は検出信号のSNRを増加させ得るが、それは必ずしも直交位相ホモダイン検出における共通強度雑音を除去することにはならない。
反対に、n値ホモダイン検出は共通強度雑音を抑制または除去して、検出信号のSNRを増加することができる。どのように増加するかを理解するため、n=3とした場合のn値ホモダイン検出を考える。検出器画像は以下のように表される:
そして、|E|を次式によって見積もることができる:

式中、Δφ、Δφ、およびΔφは、3対の局部発振ビームと信号ビームとの間の個々の位相差をそれぞれ表す。一般に、これらの位相差は、互いに120°偏移されるため、Eは次のように見積もられる:
式(9)により、共通強度雑音項が削除されたことがわかる。このアプローチは、任意のn>3について一般化できる。なぜなら、

は、単項に適用した定数因数であり、また、
は、共通強度雑音を含む項に適用される因数であるからである。理想的なケースでは、共通強度雑音が完全に相殺されたことを反映して、この因数の総和がちょうどゼロになる。2πを実際に実施すると実際の位相差は2π/nからわずかに逸脱するが、この因数はゼロ値に向かう傾向があるため、共通強度雑音が実質的に相殺される。しかしながら、実際の実施においてはこの因数は厳密にゼロにはならないのが一般的であり、共通強度雑音の実質的な相殺では、通常、共通強度雑音はわずかに残ってしまう。
上記のn値アルゴリズムを改善するため、相殺強制(cancelation forcing)を用いることができよう。実際には、式(8)の各画像を組み合わせるための各係数、cos(φ)、cos(φ)、およびcos(φ)は、検出された画像の相関演算により求めることができる。これらの係数の合計がゼロとなるとき共通強度雑音を完全に相殺することができるが、ただし実際には、そうではない場合がある。構成要素である各画像中における測定雑音または位相エラーがあるからである。そのような場合、例えば、各係数から平均の1/nを減算することによって各係数の合計をゼロ値に調整することにより相殺強制を行う。
N値ホモダイン検出を用いた、ホログラフィック記憶データの読み出し
図5Aに、n値ホモダイン検出を用いてホログラフィック記憶データを読み出す工程を示す。図1A〜図1Cに示すホログラフィックデータ記憶システム100に基づき本工程を説明するが、本方法は、図2のシステム200等の、任意の好適なホログラフィックデータ記憶システムで実施することができる。図5Aに示す動作は、例えば図3に示すようなPQHM工程を用いて記録した同位相(I)ホログラムおよび直交位相(Q)ホログラムからデータを検索することに基づく。Iホログラムは、図1Cに示すように、s偏光を透過するように構成した第1SHWP144およびp偏光を透過するように構成した第2SHWP146で検索することができる。PQHM対の直交位相(Q)ホログラムは同位相ホログラムと同時に検索され、同位相ホログラムと直交位相ホログラムはn値ホモダイン検出を用いて互いに区別される。
図5Aに示す実施形態において、n値ホモダイン検出は動作502で開始するが、これは再構築信号ビームなしに局部発振ビームの背景画像を取得することを含む。動作504において、ホログラフィックデータ記憶システム100は、第1のホログラムおよび第2のホログラムからそれぞれ再構築信号ビームを生成するのに用いるプローブビームを生成する。動作504のプローブビームは、第1の参照ビームおよび第2の参照ビームと実質的に同一の波長を有する平面波である。プローブビームは、第1の参照ビームおよび第2の参照ビームとと位相共役である。変形例として、その参照ビームのそれぞれについて位相共役でないプローブビームを含む。方法の他の実施形態において、プローブビームは必ずしも平面波ではないものを含む。例えば、プローブビームの変形例としては、限定はしないが、球状光および面内円筒波が挙げられる。
プローブビームは、同位相ホログラムおよび直交位相ホログラムから離れて回折し再構築信号ビームを生成し、この再構築信号ビームは、先に述べたように、局部発振と干渉する。検出器がこの干渉パターンを検知し、この検知した干渉パターンの表象をn値ホモダイン画像の1つとしてメモリに記憶する。任意選択の動作505において、メモリに接続したプロセッサにより、動作504で検知した干渉パターンから動作504で取得した背景画像を減算して、干渉パターンの表象から直達項(direct terms)(例えば、ILOおよびI等の非信号成分、)等を除去してもよい。動作505は検出器画像変形とも称するが、その例については以下に詳述する。
例えば、動作506において、さらに多くの復元すべき画像があるとプロセッサが判断した場合、局部発振と再構築信号ビームとの間の位相差を、動作508において可変位相リターダ130を用いて360°/n偏移する。別の言い方をすれば、n個の発振中第m番目の局部発振の相対位相を360°×m/nとする。したがって、n=3である場合、3つの局部発振の位相を、それぞれ、他の局部発振に対し120°(360°/3)偏移させる。システムは、n個の画像をすべて取り込むまで、360°/nインクリメントした位相差で動作504および動作506を交互に繰り返す。
動作509および512においてn個の画像に後処理を施す。任意選択の動作509において、プロセッサは、検出器により取り込んだn個の画像を組み合わせて、以下に説明するように、さらなる処理に好適な画像対とする。この組み合わせ動作509は、ASK、PSK、QAM、および単側帯記録技術を用いて記録したホログラムから復元した画像に適用することができる。結果として生じる画像対は、直交位相画像対と称し、動作512において空間波面復調を施す。(空間波面復調については、図5Bを参照してより詳細に説明する。)実際には、動作509および動作512は、プロセッサによる単一の処理動作として実施することができる。
図5Aに示す工程は、2よりも大きい任意の整数について実施することができる。n個の再構築信号ビームは、それぞれ、PQHM記録工程において用いた同位相および直交位相信号ビームの両方の再構築部分を含有してもよい。よって、n個の再構築信号ビームは、それぞれ、第1および第2のデータページの両方の再構築の部分を含有することが一般的である。n個の再構築信号ビームは、プローブビームを、記録媒体158中の(第1のホログラムおよび第2のホログラムを含む)位相直交ホログラム対に投影することにより生成されるが、この方法は当業者によく知られている。
図5Aに示す各動作は、必ずしもここで述べたような順序で生じる必要はなく、実際に、各動作はある程度時間的に交差してもよい。例えば、動作502における背景画像の取得を、動作504および506における干渉パターンの各取得の前、後、または間に行うことができる。同様に、各動作505、509、および512の少なくとも一部を動作504および506の間または後に行うことができる。
干渉パターンの生成と検出
図1Cは、各局部発振125を個々の再構築信号ビーム124を共線的に合成して、図6Aの動作504において検出器142上に干渉パターンを生成する合成ビーム131を形成する様子について示すものである。図1Cに示すように、ホログラフィックデータ記憶システム100は同位相および直交位相ホログラムをプローブビーム134で照明し、再構築信号ビーム124を生成する。プローブビーム134は、第1の(同位相)参照ビームおよび第2の(直交位相)参照ビームの位相共役であり、また、n個の再構築信号ビーム124はそれぞれs偏光され、ホログラフィックデータ記憶システム100の一部を入射信号ビーム143とは反対方向に透過する。
第2SHWP146は、ホログラフィックシステム100が読み出しモードにあるときに、p偏光を透過するように構成する。よって、n個のs偏光再構築信号ビームは、それぞれ、第2SHWPによりその偏光角度が90°回転され、p偏光として出現し、それにより検出器142に向かってPBS139を通って伝搬する。第1SWHP144はs偏光局部発振125を透過する向きとし、s偏光局部発振125はPBS139から離れて検出器142に向かって反射し、該当する再構築信号ビーム124と合成する。局部発振125と再構築信号ビーム124とがアライメントされている場合、各光は検出器142に向かって略共線的に伝搬することにより、合成ビーム131を形成する。
PBS139と検出器142との間の分析器141(例えば、線形偏光器)はs偏光した局部発振125およびp偏光した再構築信号ビーム124の投影光を透過して特定の偏光状態(例えば、線形対角(linear diagonal)偏光状態)とする。分析器から伝わる偏光状態を変更することにより(例えば、分析器141を合成ビーム131の光軸を中心に回転させることにより)、検出器142に送信されるn本の合成ビームの再構築信号ビーム部分および局部発振部分の相対的強度が変化する。これによって、検出された干渉パターンの変調深度および再構築信号ビームによって得られるゲインが変化する。検出器142は、局部発振および再構築信号ビームにより生成された干渉パターンを検知し、電気信号(例えば、電流または電圧)を生じさせるが、電気信号の振幅は振幅が検出された放射照度と比例する。
局部発振125は、同一、固定波長であって、プローブビーム134の波長と実質的に同一の波長において生成してもよい。固定の波長は、ホログラフィックシステム100が一定の波長を維持できる能力の範囲において、経時的に一定に維持すべきである。当業者には、波長の小さな意図しない変化は、通常不可避であることが理解されよう。例えば、あらゆるホログラフィックシステムにおいて、レーザモードホップ、電流変化、および温度変化により光の波長の安定性が制限されうる。
LOと信号ビームとの間の位相差をインクリメントすること
局部発振125と再構築信号ビーム124との間の位相差は、動作508において、図1Cに示す可変位相リターダ130によりインクリメントすることができる。例えば、n=3の場合、第2の局部発振位相は、第1の局部発振位相と比べて120°遅延され、第3の局部発振位相は、第2の局部発振位相と比べ120°遅延される。よって、上記の位相差が達成され、3つの局部発振は、3つの局部発振のうちの他の両方からそれぞれ120°の位相差を有する。
n局部発振のうち最初の発振の位相は調節しなくてもよい。しかしながら、変形例は、第1の局部発振の位相を調節する方法を含む。いくつかのコヒーレント光データ検出方法に関しては、可変位相リターダを用いて局部発振位相を調節する。いくつかの変形例において、限定はしないが、局部発振の光路長を変化させる等の他の手段により局部発振位相を調節してから、局部発振を再構築信号ビームと合成する。
光データ記録、検出、チャネル変調方法についての他の例示的な実施形態としては、限定はしないが、n=4、n=5、またはn=6とした場合が挙げられる。例えば、n=4(したがって、再構築信号ビーム、局部発振、および合成ビームの数がそれぞれ4)の場合のコヒーレント光データ検出の方法において、4つの局部発振は、それぞれ、当該4つの局部発振のうち2つの局部発振からの位相差が90°(360°/4)であり、4つの局部発振は、それぞれ、他の3つの局部発振からの位相差が少なくとも90°である。別の実施形態において、n=5である場合(したがって、再構築信号ビーム、局部発振、および合成ビームの数がそれぞれ5である場合)、5つの局部発振は、それぞれ、当該5つの局部発振のうち2つの局部発振からの位相差が72°(360°/5)であり、5つの局部発振は、それぞれ、他の4つの局部発振からの位相差が少なくとも72°である。さらに別の実施形態において、n=6である場合(したがって、したがって、再構築信号ビーム、局部発振、および合成ビームの数がそれぞれ6である場合)、6つの局部発振は、それぞれ、当該5つの局部発振のうち2つの局部発振からの位相差が60°(360°/6)であり、6つの局部発振は、それぞれ、他の5つの局部発振からの位相差が少なくとも60°である。
および
は、従来、信号の同位相成分および直交位相成分と呼ばれる。PQHMの場合、個別のデータページをそれぞれ各成分に書き込むことができ、その結果、記憶密度が二倍になる。さらに、
について用いたものと同一のアップサンプリングピーク強度マップを用いて、同一の直交位相画像対から
を 計算することができる。直交位相(Q)ページにおける予約ブロックパターンについて相関演算をする必要すらなく、この予約ブロックパターンは、同位相(I)ページにおけるものとは異なる場合がある。このようにして、PQHMシステムは、2つのホログラフィック露光から2つのデータページを復元することができ、直接検出と同様の検出を行うことができる。
代替的な実施形態において、直交位相ホモダイン再合成(quadrature homodyne recombination)を別々に2回行って、信号のそれぞれを復元することができる。この場合、Iページの予約ブロックパターンに加え、Qページの既知の予約ブロックパターンを用いて予約ブロックの相互相関を行う。Q予約ブロックパターン相互相関ピーク強度状態で、式(12)を用いてQ画像の再合成を行う。別の代替的な実施形態において、既知の予約ブロックパターンについての相互相関を行い、その結果を合成して検出位相基底の単一の低雑音推定値とし、それを用いて両画像を再合成する。
同様の原理を適用してn値ホモダイン検出および空間的縞復調を用いて復元したPQHMデータを再構築する。n値ホモダイン検出および空間的縞復調はいずれも上記に開示され、以下に詳述する。このようにして検出したn値画像は、上記のように合成して直交位相画像対としてもよく、または、
および
推定光場を以下のようにして直接求めるのに用いてもよい。n=3の場合のn値ホモダイン検出について、式(12)および(13)は次のように表される:
n値が高くても同様に対処できる。なお、これら式中において、P、P、・・・は、I画像予約ブロックパターンについてアップサンプリングした予約ブロックの相関に相当する。当業者は、また、式(14)および式(15)の体系を修正して、かわりにQ画像予約ブロックパターンについての相関を採用すること、またはその両方を組み込むことができることが理解されよう。
検出器画像変更
図5Aに示すn値検出工程の動作510において、局部発振のみを表す背景画像を検出画像から光学的に減算する。このように背景画像を減算することで、その後の処理の前に、同位相および直交位相画像から非信号項(局部発振)の寄与を低減または除去し、共通強度雑音相殺を向上することができ、それにより局部発振の寄与を低減することにもなる。この、非信号寄与除去工程を画像変形とよぶ。これは、対称信号に重畳された局部発振ビームを含む画像の検出およびその後の処理を含むn値ホモダイン検出、直交位相ホモダイン検出、および他のコヒーレントチャネル検出手法にも適用することができる。
当該装置により、原画像から参照画像を減算して変形画像を生成することもできる。この参照画像は分析的または経験的に生成されうる。一実施形態において、参照画像は、例えば、図5Aに示すn値ホモダイン検出工程の動作502等において行うように、再構築信号ビームの非存在下で局部発振の検出器画像を単純に撮像することにより生成する。この局部発振キャリブレーション画像は、さまざまな間隔で再生してもよい。一例では、局部発振キャリブレーション画像は工場出荷時に設定され、ドライブの動作寿命を通じて全く変化しないものとしてもよい。別の実施形態において、システムは、各復元動作の前、間、および/または後、または任意の特定の条件を満たす場合に新たな局部発振キャリブレーション画像を生成してもよい。場合により、n値ホモダイン画像を検出する間に用いたのと同じ局部発振ビームパワーおよび露光時間を用いて局部発振キャリブレーション画像を生成する。局部発振キャリブレーション画像を再正規化して、所望の露光条件を再現することもできる。
これら検出器画像変形の各実施形態は相互に排他的なものではない。すなわち、平均減算、空間フィルタリング、および参照画像減算の任意の組み合わせは、n値ホモダイン画像に適用することができる。
空間波面推定および復調
n値ホモダイン検出等のホモダイン検出は、信号位相キャリアと局部発振との間の位相差を、例えば、データページに亘って分布する予約ブロックを用いて推定することを含む。場合により、局部発振の波面と信号ビームの波面との間の不整合により、付加的な不要な位相差、または空間波面変調が生じ、検出画像において空間的な縞パターンとして現れる。空間波面変調の周期性と方向は、実世界の摂動、例えば、光路中の部品の振動、加熱、またはミスアライメントにより変化しうる。一般に、これらの摂動は、空間波面変調の周波数を増加させる傾向がある。空間波面変調の周波数が高くなりすぎると、エイリアシングにより位相差の推定の精度が低下する。
図5Bに、検出画像から不要な空間的縞パターンを除去する工程であって、空間波面復調と呼ばれる工程の一実施形態を示す。任意選択の動作552において、プロセッサは、ホログラフィック記憶媒体に保存された、検出された各キャリブレーションページの画像(以下に説明する)から所定の縞パターンを除去する。この所定の縞パターンは、以下にさらに詳細に説明するように、ホログラフィックメモリシステム内の光学部品の静的不整合の測定または推定に基づいてもよい。プロセッサは、また、各キャリブレーションページのn個の画像を組み合わせて、当該キャリブレーションページに対応する直交位相画像対とする。
任意選択の動作554において、プロセッサは、図6A〜図6Eを参照して以下に説明するように、各キャリブレーションページにおいて選択した予約ブロックの検出および相互相関(以下に記載)を行う。また、相互相関により表された波面に対して最小二乗二次元二次フィット(a least-squares two-dimensional quadratic fit)を行う。そして、プロセッサは、動作556において、該当するキャリブレーションページから最小二乗二次フィットを除去する。
動作558において、プロセッサは、各キャリブレーションページにおける予約ブロックをすべてまたは実質的にすべて検出し、これらの予約ブロックを用いて、該当するキャリブレーションページに作用する残存空間変調波面を推定する。動作560において、プロセッサは、残存する空間変調波面を所定の縞パターンおよび最小二乗二次フィットで合計する。そして、ホログラフィック記憶媒体から検出したデータページの画像から、得られた合計を除去し、動作562において、各データページの画像を組み合わせて対応する直交位相画像対とする。プロセッサは、動作564において、復調した直交位相画像対を復号し、データページにより表された情報を復元する。
媒体位置決め誤差による空間波面変調
復元の際の媒体位置決め誤差は、空間波面変調に大きな影響を与えやすい。例えば、SLMのフーリエ面またはその近くに置かれたホログラフィック記憶媒体を考える。そのような配置において、復元動作中の光場は、周知のフーリエ光学の原理を用いてフレネル近似として説明することができる。
式中、g(x,y)は、検出器における光場であり、F(v、v)は、媒体内に記録されたフーリエ面から完全に出射されたかのような、記録された光場のフーリエ変換である。慣例により、表記
は、x=λfVおよびy=λfVによりスケーリングしたこのフーリエ変換を示す。hはスカラー因子であり、λは記録用波長であり、および、fはフーリエ変換レンズ(すなわち、記録用対物レンズ)の焦点距離である。dはフーリエ面からレンズまでの伝搬距離であり、xおよびyは検出器におけるデカルト座標である。
式(17)は、レンズの古典的なフーリエ変換特性を表すが、また、記録されたフーリエ面がレンズの焦点面に正確に置かれていないとき、すなわちd≠fであるときに顕著になる四相因子を含む。この状態は、復元の際の、記録されたホログラムの位置の光学ヘッドに対する高さ(z軸)誤差を表しうる。よって、信号ビームと局部発振との間の位相差の測定および直交位相成分の抽出(例えば、ゼルニケ基底またはサイデル基底への投影による)により、媒体高さ誤差を高精度に推定することができる。一実施形態において、このような媒体高さ誤差の推定を用いて、例えば、位置誤差等を推定するプロセッサにより制御されたサーボ機構または他の好適なアクチュエータ等により、復元の際に媒体の相対高さを調節してもよい。別の実施形態によれば、媒体高さ誤差の推定を用いて、局部発振または参照ビーム中における直交位相因子を調節してもよい。
同様に、横方向の位置決め誤差(x軸およびy軸)により、Δφにおいて特徴的な傾き因子が生じる。フーリエ変換の偏移特性、
によれば、空間ドメインにおいて係数f(x)をxだけ偏移することにより、そのフーリエ変換F(kx)に位相因子exp(−jk)が導入される。同様に、係数をy方向にyだけ偏移することにより、因子exp(−jk)が導入される。よって、x方向およびy方向における媒体位置誤差は、それぞれの傾き成分を抽出することにより測定できる。これは、ゼルニケ係数またはサイデル係数、またはフーリエ変換によっても同様に行うことができる。本発明の各実施形態によれば、偏移誤差を用いて媒体の相対的なx,y位置を調節することができ、この場合も、横方向位置誤差等を推定するプロセッサにより制御されたサーボ機構または他の好適なアクチュエータを用いる。
所定の縞復調方法
図5Bに示す動作522において、プロセッサまたはコントローラは、所定の復調推定値(demodulation estimate)
を用いて画像を復調するが、この復調推定値はドライブコントローラまたはメモリに記憶してもよい。所定の波面としても知られる所定の復調推定値の生成方法は、干渉分光法等の工場での補正作業によるものであっても、数理モデリングまたはシミュレーションによるものであっても、および/またはフィールドにおける測定および/またはキャリブレーションによるものであってもよい。所定の波面は、図5Bに示すような空間波面復調に直接用いてもよく、および/または本明細書に開示する任意の動的空間波面復調手法とともに用いてもよい。例えば、キャリブレーションページを復調する間、所定の波面を
推定値として用い、結果として生じる経験的な
測定値を所定の波面と合算して精密な測定値を生成してもよい。
一実施形態において、光学システムの設計規準(the design-nominal)または施行完了時の性能(as-built performance)に相当する収差係数を所定の波面として用いる。このアプローチにより、より安価または小さいレンズまたは他の光学部品が利用可能になる。この所定の波面は、また、現状に応じて修正し、環境条件(例えば、温度、振動)、波長等の変化に対応するようにしてもよい。
一またはそれ以上の所定の波面を用いて、位相マスクにより与えられた既知の位相収差を除去することもできる。位相マスクは、一般に、ASK変調データにおける「DCホットスポット」および画素間雑音の影響を緩和するのに用いられる。所定の波面推定値とともに位相マスクを用いることにより、ASK復調および他の位相マスク等を用いる変調手法に空間波面復調を適用可能となる。
空間波面変調推定のための予約ブロック相互相関
図5Bにおける動作552、554、および556において、プロセッサまたはコントローラは空間変調Δφの推定値
を生成し、それに応じて各画像をデータページにおける予約ブロックを用いて復調する。本明細書において全体を参照により援用する米国特許第7,848,595号明細書において説明されるように、各予約ブロックは、所望の自己相関および相互相関特性を有するように選択した所定の画素パターン(例えば、8×8パターン)を含む。各予約ブロックは、各データページにわたって、例えば、所定の格子パターンで分布する。同位相または直交位相画像において検出した予約ブロックを所定の予約ブロックパターンと相互相関させることにより、空間変調Δφ(x,y)を推定するのに好適な情報が得られる。
予約ブロックは他の機能を有してもよい。例えば、オーバーサンプリング画像とともに用いれば、予約ブロックは画像アライメント測定用の基準とすることができる。予約ブロックデータパターンは既知であるため、信号対雑音比(SNR)の計算にも用いることができる。加えて、予約ブロックに用いられる特定のパターンを選択して、例えば、元の二値バージョンではなく、予約ブロックパターンの領域のオーバーサンプリングバージョン間の相互相関を低減することにより、パターンに依存した自己相関雑音を除去または低減することができる。
隣接するデータ画素からの雑音がアライメント測定に影響するのを防ぐため、予約ブロックの内部領域のみに対応するアップサンプリング予約ブロックターゲットパターンにわたり相互相関を計算してもよい。例えば、内側6×6画素サブブロックと任意の他の8つの境界を接する6×6画素サブブロックとの相互相関がゼロになるように8×8画素二値予約ブロックパターンを選択することができる。同様に、内側6×6画素サブブロックに対応する内部領域を用いて対象パターンを導出することができる。
図6Aに、アップサンプリングした予約ブロックターゲットパターンを相互相関させる工程を示す。プロセッサまたはコントローラは、検出画像602中における1または複数の対象ウィンドウ604を識別する。対象ウィンドウ604の形状、大きさ、および位置は、検出画像602に対応するデータページ中の予約ブロックの先験的な知識に基づく。プロセッサまたはコントローラは、対象ウィンドウ604を、それぞれ、図6Aにおいて、+1(または0°)二値位相値を表す白画素および−1(または180°)二値位相値を表す黒画素を表す黒画素を含む8×8画素二値予約ブロックパターン606として示す二値予約ブロックパターン606から導出したアップサンプリングした予約ブロック対象パターン626と相互相関
させる。(検出器の分解能は通常SLMの分解能よりも高いため、検出画像中の画素数は、データページ中の画素数よりも大きい。この差異を補償するため、データページ中の予約ブロックパターンを検出器の分解能までアップサンプリングしてから相互相関を行う。)
二値予約ブロックパターン606の内側6×6画素サブブロック上には、対象パターン画素に対応する位置を示す8×8格子616を重ね合わせる。アップサンプリングした予約ブロックターゲットパターン626は、重ね合わせた8×8格子616の各格子セル内で二値予約ブロックパターン606の値を単純に積分することにより内側6×6画素サブブロックをアップサンプリングした結果を示す。他の実施形態において、アップサンプリングする工程を強化して、当業者にとって容易に明らかな方法で光の点拡がり関数(optical point spread function(PSF))を組み込むようにしてもよい。
相互相関により、相互相関マトリックス610を生成し、該マトリックスにおいてサンプリングしたピーク612を最大値として識別する。位置612を用いて、リサンプリングにおける画像アライメントを行うことができる。プロセッサまたはコントローラは、相関ピーク612の位置を(例えば、セントロイド操作を用いて)サブ画素分解能用の補間位置614まで補間してもよい。相互相関ピーク位置情報および/または保管された相互相関ピーク位置情報の配列は、震動アライメント配列を構成する。
図6Bに、ホログラムを記録するのに用いた手法に基づいて、予約ブロックについての特定のパターンについてもどのように選択できるかを示す。例えば、予約ブロックを用いて、同位相ホログラムの予約ブロックと、直交位相多重化において記録された直交位相ホログラムの対応する予約ブロックとの間の直交位相クロストーク雑音を減少することができる。図6Bにおいて、直交位相クロストーク雑音は、二値8×8I予約ブロックパターン630を次のように選択することにより低減または除去することができる。すなわち、(1)二値8×8I予約ブロックパターン630と、二値Q予約ブロックパターン632の内側6×6サブブロック636との間の相互相関により生じたマトリックス638が中心3×3位置640においてゼロの値を有するようにし、また、反対に、(2)二値8×8Q予約ブロックパターン632と、二値I予約ブロックパターン630の内側6×6サブブロック634との間の相互相関により生じたマトリックスも、中心3×3位置において、ゼロの値を有するようにする。これらの付加的な制約は、各予約ブロック内で自己相関雑音を防ぐものと類似する。
PQHM記録のさらに別の実施形態において、同位相(I)および直交位相(Q)ページにおける各予約ブロックパターンは同一であり、その結果、I(またはQ)ホログラムと並んでではなく、IホログラムおよびQホログラムの中間である45°のオフセットを有するΔφが検出される。そのような場合、オフセットを減算することができ、直交位相ホモダイン検出は通常どおり行われる。
図6Cは、n値ホモダイン検出を用いて検出したn個の画像(例えば画像A、画像B、・・・)から相互相関ピーク強度マップを生成する工程を示す。相互相関ピーク強度は、予約ブロック画素パターン上に投影された検出信号の測定値であり、よって、予約ブロックを包含する領域内の画素についてのコントラスト情報を提供する。図6Aに示す工程と同様、プロセッサまたはコントローラは、個々の検出画像AおよびB(図示せず)における1または複数の対象ウィンドウ654および674を識別して特定する。そして、対象ウィンドウ654および674を、それぞれ、該当するアップサンプリングした予約ブロックターゲットパターン656および676と相互相関させて、対応するサンプリングした相関マトリックス658および678を生成する。プロセッサまたはコントローラは、(例えば、二乗平均平方根(RMS)の総和、各ピークマトリックスのXRMSを演算することにより)相関マトリックス658および678(X、X、・・・)を組み合わせて、サンプリングした相関マトリックスの組み合わせ662を生成する。
そして、このピークを、相関マトリックスの組み合わせ662(XRMS)における最大値、例えば画素664等として決定する。プロセッサは、続いて、ピーク近傍規則によりピーク近傍660を構成する画素の2×2、2×3、3×2または3×3ピーク近傍を選択する。例えば、ピーク近傍は、ピーク左側の画素およびピーク右側の画素の各値が互いの値の50%以内である場合、その両方を含みうる。そうでない場合は、両画素のうち、値の大きい方のみを含みうる。同様に、近傍は、ピークを上回る画素およびピークを下回る画素の各値が互いの値の50%以内である場合、その両画素を含みうる。そうでない場合は、両画素のうち、値の大きい方のみを含みうる。ピーク自体もピーク近傍に含まれる。先の規則によれば、ピークに対して対角にある画素も、ピーク近傍に含まれる3つの近傍を有するのであれば、ピーク近傍に含まれ、2×2、2×3、3×2、または3×3ピーク近傍となる。このようにしてピーク近傍が相関マトリックスの組み合わせ662において定まれば、プロセッサはサンプリングした相関マトリックス658および678における該当する近傍を特定し、これらの近傍における画素の値を合計してピーク強度P、P、・・・を得る。すべての予約ブロックのピーク強度を組み合わせてピーク強度マップを形成し、以下に説明するように、それを用いて空間変調を行うことができる。
図6Dおよび図6Eに、シミュレートした同位相画像Iおよびシミュレートした直交位相画像Iについての正規化した相互相関原ピーク強度マップをそれぞれ示す。ピーク強度マップは、各シミュレート画像に埋め込まれた14×14予約ブロックにおけるピーク強度をサンプリングすることにより生成した。図6Dおよび図6Eにおいては、ピーク強度値を正規化して−1・・・+1の範囲にわたるようにしたが、正規化は必須ではない。そして、原ピークマップをアップサンプリングして、例えば、双一次補間関数等の任意の好適な補間手法を用いて、アップサンプリングピーク強度マップP(x,y)、P(x,y)、・・・を生成する各カメラ画素の位置に各ピーク強度を補間してもよい。
いくつかの実施形態において、空間変調推定値
は、各画素または画素群等に対応する各サンプルを含む係数として表される。他の実施形態において、空間変調推定値
は、非サンプリング形式、例えば、対象となる成分についてのゼルニケ係数またはサイデル係数により表される。例えば、空間変調推定値
は、媒体位置決め誤差に対応する波面の先端、傾き、および焦点項を示す3つの「位置レジスタ」により簡潔に表すことができる。
空間波面復調用キャリブレーションページ
場合により、空間変調Δφは、データページにおける予約ブロックにより分解可能なものよりも高い周波数成分を含みうる。必要に応じ、他のホログラムに混ざって点在させたキャリブレーションホログラムにより、さらに高い周波数成分を検出および推定することができる。本手法の一実施形態において、キャリブレーションページは、データページよりも予約ブロックの密度が高く、したがって、より高い縞周波数を分解可能である。例えば、データページに、64×64予約ブロックサンプル格子上に点在する8×8画素予約ブロックが含まれる場合、キャリブレーションページは、予約ブロックに混ざって点在するデータとともに、8×8画素格子上に同一の形式で予約ブロックを含みうる。代案として、キャリブレーションページは、本質的に予約ブロックからなり、データページにおける予約ブロックよりも8倍高い空間周波数をサンプリングしうる。
推定値は、ホモダイン検出の際の方法とほぼ完全に同一の方法を用いて、例えば、式(18)、(19)、(20)、または(21)を適用することにより生成しうる。
代案として、均一な(すなわち、すべての画素が同一の状態にある)Δφキャリブレーションページを記録してもよく、検出された干渉パターンに基づいて位相
を求めうる。他の実施形態において、より大きい、またはより小さい予約ブロックを用い、複数の大きさを同時に使用しうる。例えば、予約ブロックの4×4画素サブセクションについて一連の相関動作の個別に行い、Δφの推定値は雑音が多いがより高い分解能を得てもよく、この推定値は標準分解能推定値と組み合わせて、より質の高い推定値を得てもよい。分解能が低いが雑音の低い推定値も、例えば16×16予約ブロックパターン等のより大きなパターンから同様に得ることができる。
必要であれば、キャリブレーションページを挿入して、空間位相変調Δφが著しく変化しそうな際にはいつでも空間位相変調推定値
を計算し直すことができるようにしてもよい。角度多重化ホログラムの各ブックについては、例えば、新たなブックに移動する際に、x,y(または、ディスク状の媒体の場合はr,θ)動作における機械的な不確定要素が原因で、Δφは著しく変化しうる。よって、Δφキャリブレーションページを各ブックの第1の回復角において含むことは有利である。少なくとも一実施形態において、各ブックの第1の角度アドレスにおいてΔφキャリブレーションが記録および回復され、結果として生じる
推定値を用いて、当該ブックにおける残りのページをすべて復調する。このような実施においては、1つのブック中に何百ものホログラムがあり得るため、Δφキャリブレーションページに係る費用は比較的低くすることができる。
他の実施形態において、キャリブレーションページの一部を増加して冗長性を持たせてもよく、または、空間波面変調が変化する他の原因を説明するようにしてもよい。例えば、x,y(またはr,θ)の機械的移動(「短距離積層)」がブック内で行われると、Δφキャリブレーションページが各短距離積層の第1の角度アドレスに記録される。
空間波面変調推定についてのブラインド・デエイリアシング(Blind De-Aliasing)
さらに別の実施形態において、空間波面変調のエイリアスした推定値についてブラインド・デエイリアシングを行うことにより、空間波面変調の高品質推定値
を生成することができる。例えば、エイリアスした推定値は、大きな傾き成分を有して復元された通常のデータページにおける予約ブロックサンプルを補間することにより得られると仮定する。このような場合、推定値
は、真の周波数をエイリアスしたバージョンである空間周波数においてフーリエピークを呈することになる。観察された周波数とエイリアスになる真の周波数のセットは離散しており、よって、観測された周波数をこのセットからの候補と盲目的に置き換えて、ページ複合化動作を再度試みることができる。記録データ内の巡回冗長検査(CRC)コードまたは同様のインテグリティチェックによりページが正しく復号されれば、選択した空間周波数の候補は、真の空間周波数である見込みがある。実際に繰り返しホログラフィック露光をするかしないかにかかわらず、正しい空間波長がわかるか、または、合理的な候補の空間波長のセットがなくなるまでこの手続きを繰り返すことができる。
空間波面復調(すなわちLO縞復調)
先に説明したように、不要な空間波面変調の推定値
を考慮すれば、
に対応する位相因子は、検出されたホログラフィック画像から、例えば、図5Bに示す空間は面復調工程の動作558および564と同様、好適なプロセッサを用いて復調(除去)すればよい。局部発振縞パターンの高周波数成分は、データページ予約ブロックによりサンプリングした際にエイリアシングの原因となり性能の劣化につながりうるが、局部発振空間波面復調によればこの高周波数成分を除去することができる。よって、局部発振空間波面復調を用いて、媒体位置決め誤差に対する公差、または、例えばホログラムの熱変形、製造上の欠陥、ホログラム復元中のブラッグのミスマッチ等の任意の他の理由により生じたΔφの不要な成分に対する公差を増加することができる。
局部発振空間波面復調は、検出したホログラフィック画像の取得および処理の異なる段階において行うことができる。例えば、(SLM分解能とは反対に)画像を検出器分解能に維持したまま、例えば、粗いアライメント測定(あるとすれば)の前、粗いアライメントの後だが予約ブロック相関動作の前、および/または予約ブロック相関動作の後等の、任意の段階において復調を行うことができる。実際には、任意の粗いアライメントまたは予約ブロック相関動作の前に検出器ドメイン局部発振縞復調を実施することが有利である。これらの動作は、縞復調に寄る利益を受けるからである。
n値ホモダイン検出(リサンプリングしたn値ホモダイン検出を含む、以下参照)については、復調工程を同様に行う。n=3の場合:
これらの工程は、本発明の範囲から逸脱しない限りにおいて、おそらく定位相オフセットまたは三角関数等を含んだ異なる説明をすることができる。
適応光学的縞復調
事後処理にかえて、または、事後処理に加えて、検出を行う間に、局部発振および/または信号ビームの波面を物理的に変化させて互いにより密接に一致させることにより縞復調を行ってもよい。例えば、ピエゾ素子ミラーまたは他のビームデフレクタ等のビーム掃引デバイスを用いて、局部発振および/または信号ビームの空間波面の傾き成分を調整することができる。局部発振および/または信号ビームの空間波面の直交位相成分は、ズームレンズ、SLM、可変形状ミラー、または他の好適な光学素子を用いて調整することができる。、同様に、SLMまたは可変形状ミラーなどの適応光学素子を用いて、Δφの任意の成分を例えばゼルニケ係数またはサイデル係数により決定したように調整する。
ビーム伝搬によるリフォーカシング
必要に応じて、好適なビーム伝搬アルゴリズムを用いて、ホログラムの焦点面に対する検出器の位置の誤差に関連する直交位相誤差(quadratic phase error)を推定および/または相殺することができる。一の横断面においてデジタル方式でサンプリングした復号光場分布を、ビーム伝搬アルゴリズムによりアルゴリズム的に変換して別の横断面の光場とすること周知である。よって、焦点誤差が存在する場合、焦点誤差がわかっていれば、焦点の合っていない検出画像を焦点画像に変換することができる。焦点誤差が不明の場合、コントローラは種々の伝搬距離を用いてビーム伝搬リフォーカシングを反復的に試み、検出信号のSNR等の所与の性能指数を最適化する距離を選択する。
図7A〜図7Dは、検出器の種々のアライメントについての、再構築ホログラムの焦点面に対するSNR対ビーム伝搬リフォーカシング距離のグラフである。4−値ホモダイン検出において復元され、キャリブレートした空間波面を除去する間に直交位相画像対に変換されたホログラムについてリフォーカシングを行った。E(x,y)=I’(x,y)+iI’(x,y)により複合波面を生成した。式中、I’およびI’は直交位相画像対であり、Eは複合光場である。そして、Eをビーム伝搬アルゴリズムにより変換した。続いてI’およびI’の値を変換したEの実部および虚部で置換して、処理を継続した。
図7Aは、焦点面から約0.5mm離れて位置する検出器を補償するため、数量的なリフォーカシングにより約6dB増加させたSNRを示す。図7Bは、焦点面から約1.0mm離れて位置する検出器につき、同一ホログラムに対し14dB〜16dB増加させたSNRを示す。(上部の曲線は、予約ブロックを用いて計算したSNRを示し、下部の曲線はBERを用いて計算したSNRを示す。)
図7Cおよび図7Dは、同一ホログラムについて、検出器が焦点面にある場合(図7C)および検出器が焦点面から約0.5mm離れて位置する場合(図7D)のSNR対リフォーカシング距離を示す。先と同様に、上部の曲線は予約ブロックを用いて計算したSNRを示し、下部の曲線はBERを用いて計算したSNRを示す。ピークSNRは、図7A〜図7Dにおいて示すすべての場合においてほぼ同じであり、ビーム伝搬から生じるSNR損失はほとんどまたは全く反映されていない。したがって、ビーム伝搬によるリフォーカシングは、工場アライメント誤差、環境的または動作条件の摂動による焦点の変化、または交換による焦点面の変化等の任意の原因により検出器焦点面誤差を原因とするSNR損失を回復する方法を表す。
位相直交多重化画像のリサンプリングおよび強化型リサンプリング
一般的なホログラフィックデータ記憶システムにおいて、検出器の分解能は、データページの分解能を上回ってもよい。図1A〜図1Cのシステム100において、例えば、検出器142はSLM130よりも多くの素子を有する。その結果、n値ホモダイン検出を用いて検出した画像の画素数は、基礎をなすデータページの画素数よりも多くなりうる。もっとも、この分解能の不一致は、検出画像を検出器分解能からデータページ分解能へとリサンプリング(ダウンサンプリング)することにより補償することができる。
図8Aおよび図8Bに、n値ホモダイン検出または別の好適な検出工程を用いてPQHMホログラフィック画像媒体から復元した同位相および直交位相画像をリサンプリングする工程を示す。図8Aおよび図8Bにおける各ブロックは、工程段階と関連するデータを含む2D配列を、特定の配列のサイズ/分解能とともに表す。大きさ/分解能「[det]」を付したアレイは、その中のデータが検出画素に相当することを示し、このアレイは、一般に、検出器アレイと同等の大きさを有し、例えば、例示的な実施形態において、画素数は1710行×1696列となりうる。大きさ/分解能「[SLM]」を付したアレイは、その中のデータがSLM画素に相当することを示し、そのアレイの大きさは、一般に、SLMと同等の大きさを有し、例えば、例示的な実施形態において、画素数は1200行×1200列となりうる。一般に、検出器の有する画素がSLMよりも多のは、検出器がSLMをオーバーサンプリングして、変調されたデータパターンを分解するからである。大きさ/分解能「[rb]」を付したアレイは、その中のデータが、ホログラフィックデータ画像フォーマット内に埋め込まれた既知のデータパターンである各予約ブロックに相当することを示す。これらのアレイは、例えば、例示的なデータページの18×19の予約ブロック分布に相当する18行×19列のエントリを有してもよい。
図8Aの工程はプロセッサまたはコントローラにより実施して、検出器分解能[det]を付した画像A802aと画像B802b(画像802と総称)とを合成し、SLM分解能でリサンプリングした画像816を形成することができる。画像802における各予約ブロックを相互相関させると、予約ブロック分解能[rb]において、相互相関ピークのアレイまたは震動ピーク(quiver peak)804aおよび804b(震動ピーク804と総称)を生じる。震動ピーク804のアレイを検出器分解能[det]までアップサンプリングして、アップサンプリングしたピークアレイ806aおよび806b(アップサンプリングしたピークアレイ806と総称)を形成し、これらのピークアレイを用いて検出器分解能[det]における直交位相合成画像814を形成する。相互相関により、予約ブロック分解能[rb]における震動アライメントアレイ810も生成される。震動アライメントアレイ810をデータページ分解能[SLM]までアップサンプリングして、直交位相合成画像814をデータページ分解能[SLM]にてリサンプリングするのに使用する。
図8Aの工程において、検出画像を検出器分解能において合成素するが、検出器分解能は一般にデータページ(SLM)分解能よりも高い。検出画像を検出器分解能で合成するため、予約ブロック相互相関ピークは必ずしも直線方向の画素格子上に来ない。その結果、相互相関ピークの箇所を検出器分解能[det]までアップサンプリングする場合、補間が比較的複雑になる場合がある。
反対に、図8Bに示す、強化型リサンプリングと呼ばれる別のリサンプリング工程の例では、アップサンプリングした震動ピークを、検出器分解能[det]ではなく、データページ分解能[SLM]において見つけることを含む。より具体的には、AおよびB震動ピーク804をアップサンプリングして、アップサンプリングした震動ピーク856aおよび856b(アップサンプリングした震動ピーク856と総称)をSLM分解能[SLM]にて生成する。強化型リサンプリングは、直交位相合成画像を生成しないが、そのかわり、画像806、アップサンプリングしたアライメント812、およびアップサンプリングした震動ピーク856からリサンプリング画像866がSLM分解能にて生成される。
予約ブロック分解能[rb]から検出器ページ/SLM分解能[SLM]へのアップサンプリングは、検出器分解能[det]へのアップサンプリングよりも計算的に単純である。なぜなら、予約ブロックはSLM画像内で直線方向格子上に位置しうるからである。よって、例えば、双一次補間アルゴリズムを用いて各次元に整数値を挿入する等の比較的簡易な工程によりアップサンプリングを行うことができる。それとは対照的に、予約ブロックからのアップサンプリングは、実際の画像歪により必ずしも直線方向格子上にない予約ブロック情報をアップサンプリングすることを含む。加えて、アップサンプリング率は、画像全体にわたって変化する非整数となる場合がある。よって、予約ブロック分解能[rb]からSLM分解能[SLM]へのアップサンプリングの工程は、予約ブロック分解能[rb]から検出器分解能へのアップサンプリングよりも簡易かつより正確でありうる。
図8Bに示す強化型アップサンプリング工程は、図8Aに示すリサンプリング工程に対して、他の利点を発揮することができる。例えば、SLM分解能アレイを記憶するメモリサイズは、一般に、検出器分解能アレイを記憶するものより小さい。その結果、図8Bに示す強化型リサンプリング工程は、図8Aのリサンプリング工程よりも必要とするメモリが小さくてよい。図8Bの強化型リサンプリング工程および図8Aのリサンプリング工程のどちらにおいても、予約ブロック([rb])からSLM([SLM])へのアップサンプリングにより、震動アライメント810からのアップサンプリングアライメント812が生じる。よって、RQHDの場合において、アップサンプリングおよびおそらくはハードウェア自体を両方の目的のために共有できる。
なお、n値ホモダイン検出については、図8Aおよび図8Bに示す各工程を、n値ホモダイン検出中に取り込んだすべてのn個の画像に適用することができる。すなわち、検出器画像I、I、I、・・・を用いて検出器画像の数を2から3以上に増加してもよい。
リサンプリングおよび強化型リサンプリングの数学的処理
直交位相ホモダイン検出またはn値ホモダイン検出用の直交位相合成画像のリサンプリングは、直接検出チャネル(direct detection channel)におけるリサンプリングと同様の方法で行いうる。このアプローチにおいて、ページ画像内の予約ブロックの位置を突き止めることにより、各SLM画素画像の位置を確立する。そして、SLM画素画像に近い検出器画素値I(例えば、検出器画素の4×4ウィンドウに最も近いもの)の集合を選択し、リサンプリング係数wの集合を適用することにより、リサンプリングを行う。すなわち、
式中、
は、SLM画素画像の推定データ値dであり、例えば、BPSKデータについてはd∈{−1,+1}である。wは、多数回の検出にわたり、dと実際のデータとの間の二乗誤差を最小となるように選択すればよい。さらに、異なるw係数の集合を最適化して異なるアライメントの場合に適用することができ、例えば、SLM画素画像に対して検出器画素のウィンドウが4×4である種々の2Dフラクショナル画素アライメントの場合に対応して、256の異なるw係数の集合を用いうる。
さらに他の各実施形態において、例えば、上記のように位相直交ホログラフィック多重化を行う際に、異なるデータページから予約ブロックを正弦投影することにより結合係数を求めてもよい。例えば、I(同位相)データページにおける対応するSLM画素のデータ値は、上述の等式(28)および(29)を適用することにより推定しうる。また、Q(直交位相)画像における対応するSLM画素画像データ値は、異なる結合係数を用いることにより推定しうる。例えば、
式中、φは、I画像とQ画像との間の既知の位相差であり、例えば、好ましくは90°である。こうすれば、別々の相関作業およびアップサンプリング作業をQ画像における予約ブロックパターンについて行う必要がなく、かわりに、I画像の予約ブロックパターンを用いてI画像の合成およびリサンプリング工程を全体的に行うことができる。
実験的なコヒーレントチャネル変調および検出
このセクションでは、面密度を2.0Tbit/inとした場合の、ホログラフィックデータの記録および復元の実験的実証結果を示す。この実証は、本発明の技術の一例にすぎず、本開示または添付の請求の範囲を限定するものととらえるべきではない。
この実証は、n=4としたn値ホモダイン検出を用いて位相直交ホログラフィック多重化データページを読み出すことを含む。この実証のため、角度多重化を用いて各「ブック」(空間的位置)に220のホログラムを記録した。ピッチ304μmでの6×9ブックの格子を、ポリトピック多重化を用いて上記のように記録し、未処理の面積ビット密度2.004Tbit/inを得た。また、ダイナミックアパーチャ多重化も採用した。各ホログラムは、全M/#(ダイナミックレンジ)を173とした感光性樹脂媒体の厚さ1.5mmの層に記録した。220のホログラムはそれぞれ、シーケンシャルPQHM記録を用いて記録したため、位相を90°分離した2つの別個のページ(同位相ページおよび直交位相ページを含む。220のホログラムには、4つのΔφキャリブレーションホログラムが含まれ、これもPWHMを用いて記録した。n=4としたn値ホモダイン検出を用いてホログラムを復元し、その後、本明細書に開示する手法を用いて復調および合成を行った。
図9A〜図9C、図10A、図10B、および図11に、第10の多重化角度(角度10)におけるキャリブレーションホログラムを用い、第2の多重化角度(角度2)においてホログラムの復号に用いた各動作のシーケンスを示す。第一に、データの取得および画像の復調に用いたのと同じ露光を用いて局部発振単体の検出器画像を撮像する。第二に、参照ビームをキャリブレーションホログラムと角度10でアライメントして、キャリブレーションホログラムの4つのn値復調検出器画像を露光した。第三に、4つの復調検出器画像から、それぞれ、局部発振画像を(画素単位で)減算する。
第五に、復調ページにおける予約ブロックのサブセットを選択し、相互相関を行って、空間的にサンプリングしたピーク強度および位相測定値を設定する。これらの測定値の最小二乗フィットを行って、
、すなわち、サンプリングしたデータに最良適合する二次波面を生成した。この最良適合二次波面を図9Bに示す。図9Aの波面は復調画像から既に復調済みであるため、図9Bの波面は、残存する残留二次波面を表し、よって、非常に低い縞周波数を呈する。
図11Aおよび図11Bに、例示的な復元(白画素を誤って検出)におけるIデータページおよびQデータページそれぞれについてのビットエラーマップを示す。IデータページおよびQデータページについての未処理のビットエラー率は、それぞれ、9.8×10−2および7.8×10−2である。各SNRは、埋め込まれた予約ブロックから求めればよく、それぞれ、2.56dBおよび3.66dBである。いずれの場合においても、各ページは、提案する軟判定復号器を用いて誤りなく復号を行うのに十分な品質である。さらに、これらのページの取得元であるブック全体もビットエラーなしに復号しうるため、このデータは、未処理の面ビット面積が2.0Tbit/inを超える場合における、ホログラフィックデータ記憶の実証を構成する。
図12Aおよび図12Bに、直接検出、直交位相ホモダイン検出、およびn値ホモダイン検出の性能を比較する実験の結果を示す。実験では、SLMを405nmのレーザ光で照明し、画素ピッチがSLM(すなわち、4/3オーバーサンプリング)の約0.75倍である検出器アレイ上に結像させる。直接検出では、SLMを二値ASK変調(すなわち、明画素および暗画素)用に構成した。直交位相ホモダイン検出およびn値ホモダイン検出では、SLMを二値PSK変調(±180°位相画素)用に構成し、コリメートした局部発振ビームであって、信号の約30倍の強度を有するものを信号と合成した。局部発振光路中のミラーを圧電素子アクチュエータに搭載して、直交位相ホモダイン検出およびn値ホモダイン検出アルゴリズムに必要な位相差を生じさせた。
加えて、拡散器(ディフューザー)を介してレーザ光の一部を分岐し、その後信号ビームと混合して、広角スペクトルを有するコヒーレント光学雑音をシミュレートした。光学信号の光学雑音パワーに対する比をテスト範囲にわたり変化させ、3つの検出形態のすべてについて検出器画像を収集して処理した。
図12Aは、ASKおよびPSK記録、直接検出、および直交位相ホモダイン検出の種々の組み合わせについての信号電力対雑音電力比に対する復元データページのシミュレートしたSNRのグラフである。同図から、ASK記録の場合、直接検出に代えて直交位相ホモダイン検出を用いると、所与の信号電力対雑音電力比についてページSNRが増加することがわかる。また、ASK記録ではなくPSK記録の場合は、所与の信号電力対雑音電力比についてのページSNRがさらに増加することもわかる。
図12Bは、実験的に測定した、直接検出(下部の曲線)、直交位相ホモダイン検出(中間部の曲線)、およびn=4のn値ホモダイン検出(上部の曲線)、すなわち4つの画像の組み合わせを用いたデータ読み出しについての雑音電力に対するページSNRのグラフである。直接検出曲線に対するn値曲線の左方移行は、直接検出により達成される性能と同一の性能をn値ホモダイン検出により達成する場合の光学SNRの劣化の許容量を表す。直接検出よりも9dB向上しているが、これは理論予測値と非常によく一致する。直交位相ホモダイン検出についての実験結果も、図12Aに示すシミュレーションにおける予測向上値(predicted improvements)(例えば、約5dB)と一致する。
図13は、水平縞周波数に対して実験的に測定したブックSNRのグラフである。局部発振縞(空間波面)復調がある場合と無い場合の両方について4−値ホモダイン検出を実施する間、水平方向縞頻度(kx)を変化させた。縞ピッチが縞復調なしに増加するとSNRが急激に減少するが、縞復調を有する曲線は3周期/mmまで劣化がほとんどないことに留意されたい。比較的安価な部品を使用する生産設計において±5μm以上の位置決め精度が達成可能であると予測され、本アルゴリズムを用いることにより容易に適用可能な数値である。
結論
本セクションにおいて括弧(引用符)(「」)中に示した用語および語句は、この専門用語セクションにおいてそれらの用語等に起因させた意味を有することを意図したものであり、文脈において明確に示さない限り、請求の範囲を含む本文献全体を通して適用する。さらに、該当する場合は、ここに述べた定義は、単語または句の場合に関わらず、定義した単語または句の単数形および複数形に適用するものである。
明細書において言及した「一実施形態」「実施形態」「別の実施形態」、「好ましい実施形態」、「代替的な実施形態」、「一変更例」「変更例」および同様の句は、実施形態または変更例に関連して記載した特定の機能、構造、または特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態または変更例に含まれることを意味する。「一実施形態において」、「一変更例において、」または同様の句を明細書の様々な箇所で用いているが、必ずしも、直接結合されていると認めるものの間に、他の要素、部品、またはオブジェクトが全く存在しない同一の実施形態または同一の変更例、部品、またはオブジェクトを意味するものではない。
本明細書および添付の請求の範囲において用いる用語「略(approximately)」は、所与の値から±10%の範囲をいう。
本明細書および添付の請求の範囲において用いる用語「約(about)」は、所与の値から正負20%の範囲をいう。
本明細書および添付の請求の範囲において用いる用語「一般に」および「実質的に」は、主として、または大部分を意味する。
本明細書において種々の発明的実施形態を記載し説明してきたが、当業者は、本明細書に記載した機能を実施し、および/または結果および/または1つまたは複数の利点を得るための種々の他の手段および/または構造を容易に予見するであろう。より一般的には、当業者は、本明細書に記載のすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成は例示であり、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、特定の用途または独創的な教示を用いる使用法により決まるものであることを容易に理解するであろう。当業者は、慣例的な実験作業のみにより、本明細書に記載の特定の発明的実施形態の多くの等価物を認めるか、または確認するであろう。したがって、上記の実施例は例示的な提示にすぎず、添付の請求の範囲およびその等価物等の範囲内において、具体的に記載および請求するものとは別の方法で各発明的実施形態を実施してもよいことが理解されよう。本会時の発明的実施形態は、本明細書に開示した個々の機能、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象としたものである。加えて、これらの機能、システム、物品、材料、キット、および/または方法のうちの2または複数の組み合わせも、それらの機能、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない限りにおいて、本開示の発明的範囲に含まれる。
上記の実施形態は、多数の方法のいずれによっても実施することができる。例えば、本明細書に開示の技術を設計および作成する各実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその組み合わせを用いて実施してもよい。ソフトウェアとして実施した場合、そのソフトウェアコードは、任意の好適なプロセッサまたはプロセッサの集合体上で実行することができ、単一のコンピュータに供給してもまたは複数のコンピュータ間に分配させてもよい。
また、コンピュータは、ラックマウント型コンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはタブレットコンピュータ等の幾多の様式のうち任意の様式で実施しうることを理解されたい。加えて、コンピュータは、携帯情報端末(Personal Digital Assistant(PDA))、スマートフォン、または他の任意の好適な携帯型または固定型電子機器等の、一般にコンピュータとはいえないものの好適な処理能力を有するデバイスとして実施してもよい。
また、コンピュータは、1つまたは複数の入力装置または出力装置を有してもよい。これら各装置を用いて、特に、ユーザインタフェースを呈示することができる。ユーザインタフェースを提供するのに使用可能な出力装置の例としては、出力の視覚的表象であるプリンタまたはディスプレイ画面等、およ出力の可聴性表象であるスピーカまたは他の音声発生装置等が挙げられる。入力装置の例としては、キーボード;マウス、タッチパッド等のポインティングデバイス;およびデジタル化タブレット等が挙げられる。別の例としては、コンピュータは、音声認識を介して、または他の可聴様式において入力情報を受け取ってもよい。
そのようなコンピュータは、1または複数のネットワークにより任意の好適な形式で相互接続してもよく、そのような形式として、エンタープライズネットワーク等のローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワーク、インテリジェントネットワーク(IN)またはインターネット等が挙げられる。そのようなネットワークは、任意の適切な技術に基くものであり、任意の好適なプロトコルに応じて動作させ、ワイヤレスネットワーク、有線ネットワーク、または光ファイバーネットワークを含んでもよい。
本明細書において概説した種々の方法または工程(例えば、先に開示した連結構造および回折光学素子を設計し作成するもの)は、オペレーティングシステムまたはプラットフォームのうち任意のものを使用する1つまたは複数のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとして符号化してもよい。加えて、そのようなソフトウェアは、多数の好適なプログラミング言語および/またはプログラミングツールまたは記述ツールのうち任意のものを用いて記述することができ、実行可能な機械語コードとして、またはフレームワークまたは仮想マシン上で実行する中間コードとしてコンパイルしてもよい。
この点に関し、種々の発明的な概念の実施には、1または複数のプログラムを用いて符号化した一のコンピュータ可読記憶媒体(または複数のコンピュータ可読記憶媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つまたは複数のフロッピーデスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイまたは他の半導体装置における回路構成、または他の非一過性媒体または有形コンピュータ記憶媒体)を用いることができ、当該プログラムは、1または複数のプロセッサ上で実施した場合に、先に説明した発明の種々の実施形態を実施する方法を行う。単数または複数のコンピュータ可読媒体は可搬式とすることができ、当該媒体上に記憶した1または複数のプログラムを1または複数の異なるコンピュータまたは他のプロセッサ上に読み込んで、先に説明した本発明の種々の態様を実施することができる。
本明細書において用いる用語「プログラム」または「ソフトウェア」は、包括的な意味において、コンピュータまたは他のプロセッサをプログラムして上記の各実施形態の種々の態様を実施するのに使用可能なコンピュータコードまたは1組のコンピュータ実行可能命令のうち任意のものをいう。加えて、一態様によれば、実行されると本発明の方法を行う1または複数のコンピュータプログラムは一つのコンピュータまたはプロセッサ上に常駐する必要はなく、多数の異なるコンピュータまたはプロセッサ間でモジュール式に分配して本発明の種々の態様を実施してもよいことを理解されたい。
コンピュータ実施可能命令は、1または複数のコンピュータまたは他のデバイスにより実行されるプログラムモジュール等、さまざまな形態をとることができる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを行い、また特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む。一般に、プログラムモジュールの機能性は、さまざまな実施形態において組み合わせまたは分配してもよい。
また、データ構造をコンピュータ可読媒体に任意の好適な形式で記憶してもよい。説明の便宜上、各データ構造は、データ構造における位置を介して関連する領域を有するものとして示している。そのような関係は、各領域についての記憶容量に、各領域間で関係を伝達するコンピュータ可読媒体における位置を割り当てることにより同様に達成してもよい。しかしながら、任意の好適なメカニズムを用いて、データ構造の領域における情報間の関係を確立してもよく、例えば、データ素子間に関係を確立するポインター、タグ、または他のメカニズムを介することができる。
また、様々な発明的概念を1または複数の方法として実施してもよく、その実施例を説明してきた。その方法の一部として行われる各行為は任意の好適な順序で行うことができる。よって、各実施形態においては、それぞれの行為が記載したのとは別の順序で行われるような構成としてもよく、例えば、例示的な実施形態においては連続する行為として示されているが、いくつかの行為を同時に行ってもよい。
本明細書において規定または用いた定義はすべて、定義した用語の辞書的定義、参照により組み込まれた文献中の定義、および/または通常の意味を支配するものであると理解すべきである。
本明細書および請求の範囲において用いる不定冠詞「a」および[an」は、特にそれとは反対の指示がない限り、「少なくとも1」を意味することを理解されたい。
本明細書および請求の範囲において使用する語句「および/または」は、そのように等位接続した各素子の「いずれか一方または両方」を示すもの、すなわち、各要素は、場合により連合的に存在し、また他の場合には分離して存在しうると理解すべきである。「および/または」とともに挙げた複数の要素も同様に、すなわち、「1または複数の」要素が等位接続すると、解釈すべきである。「および/または」節により具体的に特定した要素以外の他の要素も、これら具体的に特定した要素と関連するしないにかかわらず、任意選択で、存在しうる。よって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」という場合、「含む(comprising)」等のオープン・エンド言語とともに用いたときは、一実施形態においては、Aのみに言及し(任意選択で、B以外の要素を含む);別の実施形態においてはBのみに言及(任意選択で、A以外の要素を含む);更に別の実施形態においては、AおよびBの両方に言及する(人選択で、他の要素を含む)、等となる。
本明細書および請求の範囲において用いる「または」は、先に規定した「および/または」と同じ意味を有すると理解すべきである。例えば、リストの中の各項目を分離する際、「および」または「および/または」は、包括的なもの、すなわち、多数の要素またはリストにある要素のうち少なくとも1つの要素を含むことだけでなく、1つよりも多くの要素を含むものであり、また、任意選択で、付加的なリストにない項目も含むものであると解釈すべきである。「の1つのみ」または「厳密に1つの」等、または、請求項に使用した場合の「〜からなる(consisting of)」等、反対の意味を有することが明白に示された用語のみ、多数の要素またはリストにある要素のうち厳密に1つの要素を含むことを意味することになる。全体として、本明細書において用いる用語「または」は、「どちらか一方の(either)」「のうちの一つ(one of)」、「のうちの一つのみ(only one of)」または「のうちの厳密に1つ(exactly one of)」等の排他性の用語が前に付されているときは、排他的な選択肢(すなわち、「両方ではなく、一方または他方」)を示しているにすぎないと解釈すべきである。「本質的に〜からなる」を請求の範囲において用いた場合、その意味は、特許法の分野において通常用いられるような意味を有する。
本明細書および請求の範囲において用いられるように、1または複数の要素に関連する語句「少なくとも1」は、要素のリストの任意の1または複数の要素から選択した少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、必ずしも、要素のリスト中に具体的に挙げたすべての要素のうち少なくとも1を含むものではなく、要素のリスト中の要素のいかなる組み合わせをも排除するものでもない。この規定は、また、句「少なくとも1」と言及した要素のリスト中に具体的に挙げたすべての要素以外の要素も、具体的に特定したこれらの要素と関連するしないにかかわらず、任意選択で存在しうることを可能とする。よって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1」(または、同様に、「AまたはBの少なくとも1」、または同様に、「Aおよび/またはBの少なくとも1」)は、一実施形態において、少なくとも1を意味することができ、任意選択で、2以上のAを含み、Bは存在せず(および任意選択でB以外の要素を含み);別の実施形態において、少なくとも1、任意選択で1以上のBを含み、Aは存在せず(および任意選択でB以外の要素を含み);さらに別の実施形態において、少なくとも1、任意選択で2以上のAを含み、少なくとも1、任意選択で2以上のBを含む(および任意選択で他の要素を含む)ことを意味する。
請求の範囲において、上記の明細書同様、「含む(comprising)」、「含む(including)」「搬送する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「関する(involving)」、「保持する(holding)」、「構成される(composed of)」等の移行句はすべてオープン・エンド、すなわち、含むが限定されないことを意味すると解すべきである。「からなる(consisting of)」および「本質的に〜からなる」との移行句のみが、それぞれ、クローズまたは半クローズ移行句であると、米国審査便覧の221.03に定められている。)

Claims (38)

  1. ホログラフィック記憶媒体に記憶された情報を検索する方法であって、
    前記ホログラフィック記憶媒体における少なくとも1つのホログラムを少なくとも1つのプローブビームで照明して、ホログラフィック記憶媒体に記憶された情報の少なくとも一部を表す少なくとも1つの再構築信号ビームを生成するステップと、
    複数の画像を検出するステップであって、前記複数の画像のうちの各画像は複数の空間干渉パターンのうちの個々の空間干渉パターンを含み、
    前記複数の空間干渉パターンは、
    (i)前記少なくとも1つの再構築信号ビームが、少なくとも1つの局部発振ビームと、該少なくとも1つの再構築信号ビームと該少なくとも1つの局部発振ビームとの間に第1の位相差を有して干渉することにより生じる第1の干渉パターンと、
    (ii)前記少なくとも1つの再構築信号ビームが、少なくとも1つの局部発振ビームと、該少なくとも1つの再構築信号ビームと該少なくとも1つの局部発振ビームとの間に第2の位相差を有して干渉することにより生じる第2の干渉パターンと、を含む、検出するステップと、
    前記複数の画像に基づいて、前記情報の少なくとも一部の表象(representation)を生成するステップと、を含み、
    前記第1の位相差および前記第2の位相差は、前記情報の少なくとも一部の前記表象における共通強度雑音を実質的に相殺するように選択することを特徴とする、方法。
  2. 前記少なくとも1つのホログラムを照明するステップは、
    前記ホログラフィック記憶媒体に記録された少なくとも1つの位相多重化したホログラムを照明することを含む、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つの再構築信号ビームは、複数の位相多重化ホログラムに記憶された情報を表す、請求項2に記載の方法。
  4. 前記複数の空間干渉パターンに含まれる空間干渉パターンの数はn>2である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1の位相差と前記第2の位相差との間の差分モジュロ2πは約2π/nである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記複数の画像を検出するステップは、
    第1の画像を検出すること、
    前記少なくとも1つの局部発振ビームの位相を、前記少なくとも1つの再構築信号ビームの位相に対して2π/nモジュロ2πだけ変更することであって、nは前記複数の再構築信号ビームにおける空間干渉パターンの数である、変更すること、および
    第2の画像を検出すること、を含む、
    請求項1に記載の方法。
  7. 前記複数の画像を検出するステップは、前記少なくとも1つの再構築信号ビームを、所望の部分チャネル応答に基づいて空間的にフィルタリングすることを含み、
    前記表象を生成するステップは、前記所望の部分チャネル応答に基づいて前記表象を生成することを含む、
    請求項1に記載の方法。
  8. 前記複数の画像に含まれる画像の数はn>2であり、
    前記表象を生成するステップは、
    前記複数の画像に基づいて前記少なくとも1つのホログラムの第1の表象を生成すること、および
    前記複数の画像に基づいて前記少なくとも1つのホログラムの第2の表象を生成することを含む、
    請求項1に記載の方法。
  9. 前記表象を生成するステップは、前記複数の画像のうち少なくとも1つの画像からの空間波面変調を復調することを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記空間波面変調は、前記少なくとも1つの再構築信号ビームの波面に対する前記少なくとも1つの局部発振動器の波面のミスアライメント(位置ずれ)を表す、請求項9に記載の方法。
  11. 前記空間波面変調を復調するステップは、
    前記少なくとも1つの画像の少なくとも一部と、前記少なくとも1つのホログラムにおける予約ブロックとの比較を行うこと、および、
    前記比較の少なくとも一部に基づいて前記空間波面変調を推定することを含む、
    請求項9に記載の方法。
  12. 前記表象を生成するステップは、
    少なくとも1つの画像の第1の部分と、前記少なくとも1つのホログラムにおける予約ブロックとの比較を行うこと、
    前記少なくとも1つのホログラムに記憶された情報の空間分解能に対し、前記比較をアップサンプリングして、アップサンプリング比較を生成すること、および、
    前記アップサンプリング比較に基づいて、前記少なくとも1つのホログラムに記憶された情報の前記空間分解能で前記少なくとも1つの画像をリサンプリングすること、を含む、
    請求項1に記載の方法。
  13. 前記少なくとも1つの局部発振の画像を検出するステップをさらに含み、
    前記表象を生成するステップは、前記少なくとも1つの局部発振の前記画像に基づいて、少なくとも1つの直達項による貢献を前記表象から除去することを含む、
    請求項1に記載の方法。
  14. 前記表象における焦点ずれを推定するステップ、および
    前記表象における前記焦点ずれを補償するステップ、をさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  15. ホログラフィック記憶媒体に記憶された情報を検索する装置であって、
    コヒーレント光のビームを生成するコヒーレント光源と、
    前記コヒーレント光源および前記ホログラフィック記憶媒体と光伝搬するビームスプリッタであって、コヒーレント光のビームを少なくとも1つの局部発振ビームと少なくとも1つのプローブビームとに分割し、前記少なくとも1つのプローブビームは、前記ホログラフィック記憶媒体における少なくとも1つのホログラムを照明して、前記ホログラフィック記憶媒体に記録された情報の少なくとも一部を表す少なくとも1つの再構築信号ビームを生成する、ビームスプリッタと、
    前記ビームスプリッタおよび/または前記ホログラフィック記憶媒体と光伝搬する少なくとも1つの位相シフタであって、前記少なくとも1つの局部発振と前記少なくとも1つの再構築信号ビームとの間の位相差を変化させる位相シフタと、
    前記ビームスプリッタおよび前記ホログラフィック記憶媒体と光伝搬する少なくとも1つの検出器であって、該検出器は複数の画像を検出し、前記複数の画像は、それぞれ、複数の空間干渉パターンのうちの個々の空間干渉パターンを含み、前記複数の空間干渉パターンは、(i)前記少なくとも1つの再構築信号ビームが、少なくとも1つの局部発振ビームと、該少なくとも1つの再構築信号ビームと該少なくとも1つの局部発振ビームとの間に第1の位相差を有して干渉することにより生じる第1の干渉パターンと、(ii)前記少なくとも1つの再構築信号ビームが、少なくとも1つの局部発振ビームと、該少なくとも1つの再構築信号ビームと該少なくとも1つの局部発振ビームとの間に第2の位相差を有して干渉することにより生じる第2の干渉パターンと、を含む、検出器と、および
    前記少なくとも1つの検出器に動作可能に接続したプロセッサであって、前記複数の空間干渉パターンに基づいて前記少なくとも情報の一部の表象を生成するプロセッサと、を備え、
    前記第1の位相差および前記第2の位相は、前記情報の少なくとも一部の前記表象における共通強度雑音を実質的に相殺するように選択することを特徴とする、装置。
  16. 前記少なくとも1つのホログラムは、前記ホログラフィック記憶媒体に記録された少なくとも1つの位相多重化ホログラムを含む、請求項15に記載の装置。
  17. 前記少なくとも1つの再構築信号ビームは複数の位相多重化ホログラム中に記憶された情報を表す、請求項16に記載の装置。
  18. 前記複数の空間干渉パターンの数はn>2である、請求項15に記載の装置。
  19. 前記第1の位相差と前記第2の位相差との間の差分モジュロ2πは2π/nである、請求項18に記載の装置。
  20. 前記少なくとも1つの位相シフタは、前記複数の画像における次の画像を検出するまでの間に、前記少なくとも1つの局部発振ビームとの間の位相差を前記少なくとも1つの再構築信号ビームの位相に対して2π/nだけ変更するように構成される、請求項18に記載の装置。
  21. 前記複数の画像の含む画像干渉パターンの数はn>2であり、前記プロセッサは、前記複数の空間干渉パターンに基づいて前記少なくとも1つのホログラムの第1の表象および第2の表象を生成するように構成される、請求項15に記載の装置。
  22. 前記プロセッサは、前記複数の空間干渉パターンのうち少なくとも1つの空間干渉パターンからの空間波面変調を復調するように構成される、請求項15に記載の装置。
  23. 前記空間波面変調は、前記少なくとも1つの再構築信号ビームの波面に対する前記少なくとも1つの局部発振の波面のミスアライメントを表す、請求項22に記載の装置。
  24. 前記プロセッサは、さらに、
    少なくとも1つの画像の少なくとも一部と前記少なくとも1つのホログラムにおける予約ブロックとの比較を行い、および、
    前記比較の少なくとも一部に基づいて前記空間波面変調を推定するように構成される、
    請求項22に記載の装置。
  25. 前記プロセッサの構成は、
    少なくとも1つの空間干渉パターンの第1の部分と前記少なくとも1つのホログラムにおける予約ブロックとの比較を行い、
    前記少なくとも1つのホログラムに記憶された情報の空間分解能に対し、前記比較をアップサンプリングして、アップサンプリング比較を生成し、および、
    前記アップサンプリング比較に基づいて、前記少なくとも1つのホログラムに記憶された情報の前記空間分解能で前記少なくとも1つの空間干渉パターンをリサンプリングするようにした、
    請求項15に記載の装置。
  26. 前記ホログラフィック記憶媒体および前記少なくとも1つの検出器と光伝搬して、前記少なくとも1つの再構築信号ビームを所望の部分チャネル応答に基づいて空間的にフィルタリングする光学フィルタをさらに備え、
    前記プロセッサは、前記所望の部分チャネル応答に基づいて表象を生成するように構成される、
    請求項15の装置。
  27. 前記少なくとも1つの検出器は、前記少なくとも1つの局部発振の画像を検出するように構成され、
    前記プロセッサは、少なくとも1つの直達項による貢献を前記表象から除去するように構成される、
    請求項15に記載の装置。
  28. 前記プロセッサは、前記表象における焦点ずれを推定し、前記表象における前記焦点ずれを補償するように構成される、請求項15に記載の装置。
  29. ホログラフィック記憶媒体における位相直交多重化ホログラムを読み出す方法であって、
    前記ホログラフィック記憶媒体における同位相ホログラムおよび位相直交ホログラムを少なくとも1つのプローブビームで照明して、ホログラフィック記憶媒体に記憶された同位相ホログラムおよび位相直交ホログラムを生成する情報の少なくとも一部を表す少なくとも1つの再構築信号ビームを生成するステップと、
    少なくとも3つの空間干渉パターンを検出するステップであって、複数の空間干渉パターンのうちの各空間干渉パターンは、各前記少なくとも1つの再構築信号ビームが少なくとも1つの局部発振ビームと干渉することにより形成される、検出するステップと、
    前記少なくとも3つの空間干渉パターンに基づき第1の表象を形成するステップと、
    前記少なくとも3つの空間干渉パターンに基づき第2の表象を形成するステップと、を含む方法。
  30. 前記少なくとも3つの空間干渉パターンを検出するステップは、
    前記少なくとも3つの空間干渉パターンにおける第1の空間干渉パターンを検出すること、
    前記少なくとも1つの局部発振ビームの位相を前記少なくとも1つの再構築信号ビームの位相に対して約2π/3ラジアンを限度として変化させること、および
    前記少なくとも3つの空間干渉パターンにおける第2の空間干渉パターンを検出すること、を含む、
    請求項29に記載の方法。
  31. ホログラフィック記憶媒体に記憶された情報を検索する方法であって、
    前記ホログラフィック記憶媒体を少なくとも1つのプローブビームで照明して、ホログラフィック記憶媒体に記憶された情報の少なくとも一部を表す少なくとも1つの再構築信号ビームを生成するステップと、
    前記少なくとも1つの再構築信号ビームを前記少なくとも1つの局部発振ビームと干渉させて第1の干渉パターンを生成するステップと、
    前記第1の干渉パターンを少なくとも1つの検出器により検知するステップと、および、
    m=2・・・nであり、nは2以上の整数の場合、
    前記少なくとも1つの局部発振ビームと少なくとも1つの再構築信号ビームとの間の位相差を2π/nモジュロ2πずつインクリメントするステップと、および
    少なくとも1つの再構築信号ビームを少なくとも1つの局部発振ビームと干渉させて第m番目の干渉パターンを生成するステップと、および
    第m番目の干渉パターンを前記少なくとも1つの検出器で検知すること、を含む方法。
  32. ホログラフィック記憶媒体に記憶された情報を検索する方法であって、
    前記ホログラフィック記憶媒体における少なくとも1つのホログラムを少なくとも1つのプローブビームで照明して、ホログラフィック記憶媒体に記憶された情報の少なくとも一部を表す少なくとも1つの再構築信号ビームを生成するステップと、
    前記少なくとも1つの再構築信号ビームが少なくとも1つの局部発振ビームと干渉することにより生じる複数の空間干渉パターン画像を検出するステップと、
    複数の空間干渉パターンにおける少なくとも1つの空間干渉パターンからの空間波面変調を復調するステップであって、前記空間波面変調は、前記少なくとも1つの再構築信号ビームの波面に対する前記少なくとも1つの局部発振ビームの波面のミスアライメントを表す、復調するステップと、
    前記複数の干渉パターンに基づいて前記情報の少なくとも一部についての表象を生成するステップと、を含む、方法。
  33. 前記空間波面変調を復調するステップは、
    少なくとも1つの空間干渉パターンの少なくとも一部と前記少なくとも1つのホログラムにおける予約ブロックとの比較を行うこと、および
    前記比較の少なくとも一部に基づいて前記空間波面変調を推定すること、
    を含む、
    請求項32に記載の方法。
  34. 前記少なくとも1つのホログラムを復調するステップは、予約ブロックからなるページをキャリブレーションすることを含む、請求項33に記載の方法。
  35. 空間波面変調を復調するステップは、
    前記少なくとも1つの空間干渉パターンから空間波面変調の所定の推定値を除去することを含む、請求項32に記載の方法。
  36. ホログラフィック記憶媒体に記憶された情報を検索する方法であって、
    前記ホログラフィック記憶媒体における少なくとも1つのホログラムを少なくとも1つのプローブビームで照明して、前記ホログラフィック記憶媒体中に記録された情報の少なくとも一部を表す少なくとも1つの再構築信号ビームを生成するステップと、
    前記少なくとも1つの再構築信号ビームが少なくとも1つの局部発振ビームと干渉することにより生じる複数の空間干渉パターンを検出するステップと、
    前記複数の空間干渉パターンに基づいて、前記情報の少なくとも一部の表象を生成するステップと、および
    前記少なくとも1つの局部発振の画像に基づいて、少なくとも1つの直達項による貢献を前記表象から除去するステップと、
    を含む方法。
  37. ホログラフィック記憶媒体に記憶された情報を検索する方法であって、
    前記ホログラフィック記憶媒体における少なくとも1つのホログラムを少なくとも1つのプローブビームで照明して、前記ホログラフィック記憶媒体中に記憶された情報の少なくとも一部を表す少なくとも1つの再構築信号ビームを生成するステップと、
    前記少なくとも1つの再構築信号ビームと少なくとも1つの局部発振ビームとの干渉の少なくとも1つの画像を検出するステップと、
    前記少なくとも1つの画像の第1の部分と前記少なくとも1つのホログラムにおける予約ブロックとの比較を該予約ブロックの空間分解能にて行うステップと、
    前記少なくとも1つのホログラムに記憶された情報の空間分解能に対し、前記比較をアップサンプリングして、アップサンプリング比較を生成するステップと、および
    前記アップサンプリング比較に基づいて、前記少なくとも1つの画像を前記少なくとも1つのホログラムに記憶された情報の前記空間分解能でリサンプリングするステップと、を含む方法。
  38. ホログラフィック記憶媒体に記憶された情報を検索する方法であって、
    前記ホログラフィック記憶媒体における少なくとも1つのホログラムを少なくとも1つのプローブビームで照明して、前記ホログラフィック記憶媒体中に記憶された情報の少なくとも一部を表す少なくとも1つの再構築信号ビームを生成するステップと、
    前記少なくとも1つの再構築信号ビームと少なくとも1つの局部発振ビームとの干渉の少なくとも1つの画像を検出するステップと、
    少なくとも1つの画像に基づいて、前記情報の少なくとも一部の表象を生成するステップと、
    前記表象における焦点ずれを推定するステップと、および
    前記表象における前記焦点ずれを補償するステップと、を含む方法。
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