JP2017519017A - 癌の治療及び癌薬剤耐性の防止方法 - Google Patents
癌の治療及び癌薬剤耐性の防止方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017519017A JP2017519017A JP2016573937A JP2016573937A JP2017519017A JP 2017519017 A JP2017519017 A JP 2017519017A JP 2016573937 A JP2016573937 A JP 2016573937A JP 2016573937 A JP2016573937 A JP 2016573937A JP 2017519017 A JP2017519017 A JP 2017519017A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cancer
- therapeutic agent
- antagonist
- antibody
- individual
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/335—Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin
- A61K31/337—Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin having four-membered rings, e.g. taxol
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/395—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
- A61K31/495—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
- A61K31/505—Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
- A61K31/517—Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim ortho- or peri-condensed with carbocyclic ring systems, e.g. quinazoline, perimidine
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/395—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
- A61K31/40—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom, e.g. sulpiride, succinimide, tolmetin, buflomedil
- A61K31/403—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom, e.g. sulpiride, succinimide, tolmetin, buflomedil condensed with carbocyclic rings, e.g. carbazole
- A61K31/404—Indoles, e.g. pindolol
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/395—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
- A61K31/435—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
- A61K31/4353—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom ortho- or peri-condensed with heterocyclic ring systems
- A61K31/437—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom ortho- or peri-condensed with heterocyclic ring systems the heterocyclic ring system containing a five-membered ring having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. indolizine, beta-carboline
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K45/00—Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
- A61K45/06—Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K2300/00—Mixtures or combinations of active ingredients, wherein at least one active ingredient is fully defined in groups A61K31/00 - A61K41/00
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Abstract
例えば、個体における癌治療及び/または薬剤耐性の防止のための、G9a拮抗剤の使用方法が、本明細書に提供される。例えば、個体に、G9a拮抗剤を単独でまたは癌治療剤と組み合わせて投与することを含む、個体における癌の治療方法が、提供される。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤は、癌感受性の期間を増大させる、及び/または癌耐性の発生を遅らせる。いくつかの実施形態では、個体は癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を用いる治療のために選択される。いくつかの実施形態では、個体は、癌治療剤による治療の前にG9a拮抗剤を投与することを含む治療を開始する。いくつかの実施形態では、個体は、G9a拮抗剤及び癌治療剤を含む治療を同時に受ける。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤は、癌感受性の期間を増大させる、及び/または癌耐性の発生を遅らせる。
Description
関連出願の相互参照
本特許出願は、2014年6月23日に出願された米国特許出願第62/015,932号の優先権の利益を主張し、この出願は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
本特許出願は、2014年6月23日に出願された米国特許出願第62/015,932号の優先権の利益を主張し、この出願は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載されるG9a拮抗剤を使用した、癌薬剤耐性の治療方法及び/または防止方法が、本明細書に提供される。
癌薬剤に対する耐性の比較的早い獲得は依然として、功を奏する癌治療への主な障害となっている。かかる薬剤耐性に対する分子的基盤を明らかにする相当な努力により、薬剤排出、薬剤結合が不十分な、標的の突然変異体の獲得、代わりとなる生存経路の関与、及びエピジェネティックな変化を含む種々の機構が明らかとなっている。かかる機構は一般に、薬剤治療中に選択される腫瘍細胞集団内において希少で確率的な、耐性を付与する遺伝子変化があることを反映すると考えられている。Sharma et al.,Cell 141(1):69−80(2010)を参照のこと。癌治療でますます観察される現象は、いわゆる「再治療応答」である。例えば、EGFR(上皮成長因子受容体)チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)での治療に良好に応答し、後で治療の失敗を経験した非小細胞肺癌(NSCLC)の患者の中には、「休薬期間」の後でのEGFR TKI再治療に対して、二次応答を示した者もいる。Kurata et al.,Ann.Oncol.15:173−174(2004)、Yano et al.,Oncol.Res.15:107−111(2005)を参照のこと。同様の再治療応答は他のいくつかの癌治療剤に対しては十分に確立されている。Cara and Tannock,Ann.Oncol.12:23−27(2001)を参照のこと。かかる研究結果は、癌薬剤に対する獲得耐性が、基本メカニズムが未だに確立されていないままの可逆的な「薬剤耐性」状態に関係があり得ることを示唆している。
特異的な耐性を付与する突然変異体の中には、獲得薬剤耐性を示す多くの癌患者で特定されたものもあるが、薬剤耐性に対する突然変異及び非突然変異的機構の相対的な関与、ならびに腫瘍細胞亜集団の役割は未だに、多くが不明瞭なままである。新規の治療方法が、癌細胞集団内での異質性及び薬剤治療に耐性を示す癌細胞の発生に上手く対処するために必要とされている。
特異的な耐性を付与する突然変異体の中には、獲得薬剤耐性を示す多くの癌患者で特定されたものもあるが、薬剤耐性に対する突然変異及び非突然変異的機構の相対的な関与、ならびに腫瘍細胞亜集団の役割は未だに、多くが不明瞭なままである。新規の治療方法が、癌細胞集団内での異質性及び薬剤治療に耐性を示す癌細胞の発生に上手く対処するために必要とされている。
Sharma et al.,Cell 141(1):69−80(2010)
Kurata et al.,Ann.Oncol.15:173−174(2004)
Yano et al.,Oncol.Res.15:107−111(2005)
Cara and Tannock,Ann.Oncol.12:23−27(2001)
例えば、個体における癌治療及び/または薬剤耐性の防止のための、G9a拮抗剤の使用方法が、本明細書に提供される。例えば、個体に、G9a拮抗剤を単独でまたは癌治療剤と組み合わせて投与することを含む、個体における癌の治療方法が、提供される。いくつかの実施形態では、個体は癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を用いる治療のために選択される。いくつかの実施形態では、個体は、癌治療剤による治療の前にG9a拮抗剤を投与することを含む治療を開始する。いくつかの実施形態では、個体は、G9a拮抗剤及び癌治療剤を含む治療を同時に受ける。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤は、癌感受性の期間を増大させる、及び/または癌耐性の発生を遅らせる。
G9a拮抗剤ならびに癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を用いた併用療法もまた、本明細書に提供される。
具体的には、個体に、(a)G9a拮抗剤、ならびに(b)癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を投与することを含む、個体における癌の治療方法が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤のそれぞれの量は、癌治療剤に対する癌感受性の期間を増大させる、及び/または癌細胞の耐性の発生を遅らせるのに有効である。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤のそれぞれの量は、癌治療剤を含む癌治療の有効性を増大させるのに有効である。例えば、いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤のそれぞれの量は、G9a拮抗剤を含まない(不在下での)有効量の癌治療剤の投与を含む治療(例えば標準ケア治療)(例えば標準ケア治療)と比較して、有効性を増大させるのに有効である。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤のそれぞれの量は、G9a拮抗剤を含まない(不在下での)有効量の癌治療剤を投与することを含む治療(例えば標準ケア治療)と比較して、応答(例えば完全寛解)を増大させるのに有効である。
個体において癌治療剤を含む、癌治療の有効性を増大させる方法であって、該個体に(a)有効量のG9a拮抗剤、及び(b)有効量の癌治療剤を含む癌治療剤を投与することを含む方法もまた、本明細書に提供される。
癌治療は、個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤、及び(b)有効量の癌治療剤を投与することを含み、癌治療は、G9a拮抗剤を含まない(不在下での)有効量の癌治療剤を投与することを含む治療(例えば標準ケア治療)と比較して、増大した有効性を有する、個体における癌の治療方法が、本明細書に提供される。
更に、個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤、及び(b)有効量の癌治療剤を投与することを含む、個体における癌治療剤に対する耐性を有する癌の発生を遅らせる、及び/またはそれを防止する方法が、本明細書に提供される。
個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤、及び(b)有効量の癌治療剤を投与することを含む、癌治療剤に対する耐性が発生する増大した可能性を有する癌を患う個体の治療方法が、本明細書に提供される。
更に、個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤、及び(b)有効量の癌治療剤を投与することを含む、癌を患う個体における癌治療剤に対する感受性を増大させる方法が、本明細書に提供される。
個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤、及び(b)有効量の癌治療剤を投与することを含む、癌を患う個体における癌治療剤の感受性の期間を延ばす方法もまた、本明細書に提供される。
個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤、及び(b)有効量の癌治療剤を投与することを含む、癌を患う個体における癌治療剤に対する応答の持続時間を延ばす方法が、本明細書に提供される。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、癌治療剤は標的療法剤である。いくつかの実施形態では、標的療法剤は、EGFR拮抗剤、RAF阻害剤、及び/またはPI3K阻害剤のうちの1種以上である。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、標的療法剤はEGFR拮抗剤である。いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、EGFR拮抗剤は、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン及び/またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、EGFR拮抗剤はN−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミンである。いくつかの実施形態では、EGFR拮抗剤は、N−(4−(3−フルオロベンジルオキシ)−3−クロロフェニル)−6−(5−((2−(メチルスルホニル)エチルアミノ)メチル)フラン−2−イル)キナゾリン−4−アミン、ジ4−メチルベンゼンスルホネート、またはその薬学的に許容される塩(例えばラパチニブ)である。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、標的療法剤はRAF阻害剤である。いくつかの実施形態では、RAF阻害剤はBRAF阻害剤である。いくつかの実施形態では、RAF阻害剤はCRAF阻害剤である。いくつかの実施形態では、BRAF阻害剤はベムラフェニブである。いくつかの実施形態では、RAF阻害剤は、3−(2−シアノプロパン−2−イル)−N−(4−メチル−3−(3−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−イルアミノ)フェニル)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩(例えばAZ628(CAS#878739−06−1))である。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、標的療法剤はPI3K阻害剤である。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、癌治療剤は化学療法剤である。いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、化学療法剤はタキサンである。いくつかの実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。いくつかの実施形態では、タキサンはドセタキセルである。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、化学療法剤は白金製剤である。いくつかの実施形態では、白金製剤はカルボプラチンである。いくつかの実施形態では、白金製剤はシスプラチンである。いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、化学療法剤はタキサン及び白金製剤である。いくつかの実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。いくつかの実施形態では、タキサンはドセタキセルである。いくつかの実施形態では、白金製剤はカルボプラチンである。いくつかの実施形態では、白金製剤はシスプラチンである。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、化学療法剤はビンカアルカロイドである。いくつかの実施形態では、ビンカアルカロイドはビノレルビンである。いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、化学療法剤はヌクレオシド類似体である。いくつかの実施形態では、ヌクレオシド類似体はゲムシタビンである。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、癌治療剤は放射線治療剤である。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、G9a拮抗剤はG9a低分子拮抗剤である。
ある種の実施形態の実施に際して有用であり得るG9a低分子拮抗剤の例としては、式Iの化合物、その異性体若しくは異性体の混合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグが挙げられる。UNC0638としても知られ、本明細書では、G9ai−2と称される式Iの化合物は、G9a及びGLPに対して強力かつ選択的な細胞透過性化学プローブであり、濃度依存性様式でH3K9me2レベルを低減させる。かかる化合物、ならびにかかる化合物の調製に有用な工程及び中間体は、Vedadi et al.,Nat.Chem.Biol.,7,566−574(2011)及びSweis et al.,ACS Med.Chem.Lett.,5,205−209(2014)に記載されている。
いくつかの実施形態では、G9a阻害剤は、Bix−01294、UNC0321、UNC0646、及び/またはUNC0224である(Vedadi et al.,Nat.Chem.Biol.,7,566−574(2011)を参照のこと)。Bix−01294はまた、本明細書では、G9ai−2と称される。
いくつかの実施形態では、G9a阻害剤は、2−(ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)−6,7−ジメトキシ−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]−4−キナゾリンアミンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態では、G9a阻害剤は、2−(ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)−6,7−ジメトキシ−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]−4−キナゾリンアミン三塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、G9a阻害剤は、7−[3−(ジメチルアミノ)プロポキシ]−2−(ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)−6−メトキシ−N−(1−メチル−4−ピペリジニル)−4−キナゾリンアミンまたはその塩である。
いくつかの実施形態では、G9a阻害剤は、
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、G9a阻害剤は、
を含み、式中、R1及びR2は、以下のもの(任意の組み合わせを含む)のうちの1つ以上である。
いくつかの実施形態では、G9A阻害剤は、ワールドワイドウェブサイトのsciencedirect.com/science/article/pii/S0960894X12015399(Fujishiro et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,23,733−736(2013))に記載されている阻害剤であり、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、G9a拮抗剤は癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)と同時に投与される。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤は、癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の前に、及び/またはそれと同時に投与される。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、癌は、肺癌、乳癌、膵臓癌、結腸直腸癌、及び/または黒色腫である。いくつかの実施形態では、癌は肺癌である。いくつかの実施形態では、肺癌はNSCLCである。いくつかの実施形態では、癌は乳癌である。いくつかの実施形態では、癌は黒色腫である。
I.定義
対象ポリペプチドの「拮抗剤」(互換的に「阻害剤」と称される)とは、対象ポリペプチドの活性化または機能に干渉する、例えば、対象ポリペプチドが仲立ちする生物活性を部分的に若しくは完全に遮断、阻害、または中和する作用物質である。例えば、ポリペプチドXの拮抗剤とは、ポリペプチドXが仲立ちする生物活性を部分的に若しくは完全に遮断、阻害、または中和する任意の分子を指し得る。阻害剤の例としては、抗体、リガンド抗体、低分子拮抗剤、アンチセンス及び阻害RNA(例えばshRNA)分子が挙げられる。好ましくは、阻害剤は対象ポリペプチドに結合する抗体または低分子である。特定の実施形態では、阻害剤は対象ポリペプチドに対して、約1,000nM以下の結合親和性(解離定数)を有する。別の実施形態では、阻害剤は対象ポリペプチドに対して約100nM以下の結合親和性を有する。別の実施形態では、阻害剤は対象ポリペプチドに対して約50nM以下の結合親和性を有する。特定の実施形態では、阻害剤は対象ポリペプチドに共有結合している。特定の実施形態では、阻害剤は対象ポリペプチドのシグナル伝達を1,000nM以下のIC50で阻害する。別の実施形態では、阻害剤は対象ポリペプチドのシグナル伝達を500nM以下のIC50で阻害する。別の実施形態では、阻害剤は対象ポリペプチドのシグナル伝達を50nM以下のIC50で阻害する。ある種の実施形態では、拮抗剤は少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上、対象ポリペプチドの発現レベルまたは生物活性を低減または阻害する。いくつかの実施形態では、対象ポリペプチドはG9aである。「ポリペプチド」という用語は本明細書で使用する場合、特に指示がない限り、霊長類(例えばヒト)ならびに齧歯類(例えばマウス及びラット)等の哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源からの任意の天然の対象ポリペプチドを指す。この用語は「完全長」の未処理ポリペプチドに加え、細胞中の処理で生じる任意の形態のポリペプチドを包含する。この用語はまた、ポリペプチドの自然発生変異体、例えばスプライス変異体またはアレリック変異体も包含する。
対象ポリペプチドの「拮抗剤」(互換的に「阻害剤」と称される)とは、対象ポリペプチドの活性化または機能に干渉する、例えば、対象ポリペプチドが仲立ちする生物活性を部分的に若しくは完全に遮断、阻害、または中和する作用物質である。例えば、ポリペプチドXの拮抗剤とは、ポリペプチドXが仲立ちする生物活性を部分的に若しくは完全に遮断、阻害、または中和する任意の分子を指し得る。阻害剤の例としては、抗体、リガンド抗体、低分子拮抗剤、アンチセンス及び阻害RNA(例えばshRNA)分子が挙げられる。好ましくは、阻害剤は対象ポリペプチドに結合する抗体または低分子である。特定の実施形態では、阻害剤は対象ポリペプチドに対して、約1,000nM以下の結合親和性(解離定数)を有する。別の実施形態では、阻害剤は対象ポリペプチドに対して約100nM以下の結合親和性を有する。別の実施形態では、阻害剤は対象ポリペプチドに対して約50nM以下の結合親和性を有する。特定の実施形態では、阻害剤は対象ポリペプチドに共有結合している。特定の実施形態では、阻害剤は対象ポリペプチドのシグナル伝達を1,000nM以下のIC50で阻害する。別の実施形態では、阻害剤は対象ポリペプチドのシグナル伝達を500nM以下のIC50で阻害する。別の実施形態では、阻害剤は対象ポリペプチドのシグナル伝達を50nM以下のIC50で阻害する。ある種の実施形態では、拮抗剤は少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上、対象ポリペプチドの発現レベルまたは生物活性を低減または阻害する。いくつかの実施形態では、対象ポリペプチドはG9aである。「ポリペプチド」という用語は本明細書で使用する場合、特に指示がない限り、霊長類(例えばヒト)ならびに齧歯類(例えばマウス及びラット)等の哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源からの任意の天然の対象ポリペプチドを指す。この用語は「完全長」の未処理ポリペプチドに加え、細胞中の処理で生じる任意の形態のポリペプチドを包含する。この用語はまた、ポリペプチドの自然発生変異体、例えばスプライス変異体またはアレリック変異体も包含する。
「ポリヌクレオチド」、または「核酸」は本明細書で互換的に用いられ、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指し、DNA及びRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチド若しくは塩基、及び/若しくはそれらの類似体、またはDNA若しくはRNAポリメラーゼ、若しくは合成反応によりポリマー中に導入可能な任意の基質であり得る。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びそれらの類似体等の修飾ヌクレオチドを含んでもよい。存在する場合、ヌクレオチド構造への修飾はポリマーの構築の前後において付与されてよい。ヌクレオチド配列には、非ヌクレオチド成分が間に入ってもよい。ポリヌクレオチドは合成後、標識結合等によって更に修飾されてよい。他のタイプの修飾には、例えば、「キャップ」、1つ以上の自然発生ヌクレオチドの類似体による置換、ヌクレオチド間修飾、例えば非荷電性連鎖を有するもの(例えばメチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメート等)及び荷電性連鎖を有するもの(例えばホスホロチオエート、ホスホロジチオエート等)、ペンダント部分、例えばタンパク質(例えばヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ply−L−リジン等)を含むもの、インターカレーター(例えばアクリジン、ソラレン等)を有するもの、キレート剤(例えば金属、放射性金属、ホウ素、酸化的金属等)を含むもの、アルキル化剤を含むもの、修飾された連結を含むもの(例えばアルファアノマー核酸等)等と置換したもの、加えてポリヌクレオチド(複数を含む)の未修飾形態が含まれる。更に、糖類中に通常存在するヒドロキシル基のうちのいずれかを、例えばホスホネート基、ホスフェート基で置換してよく、標準的な保護基で保護してよく、若しくは更なるヌクレオチドへの更なる連鎖を調製するために活性化してよく、または固体若しくは半固体の支持体に結合してもよい。5’及び3’末端のOHは、リン酸化またはアミン基または1〜20個の炭素原子の有機キャッピング基部位で置換することができる。他のヒドロキシルもまた、標準的な保護基に誘導体化してもよい。ポリヌクレオチドはまた、当該分野で一般的に知られているリボースまたはデオキシリボース糖類の類似形態も含むことができ、これらには例えば2’−O−メチル−、2’−O−アリル、2’−フルオロ−または2’−アジド−リボース、炭素環式糖の類似体、α−アノマー糖、エピマー糖、例えばアラビノース、キシロース類またはリキソース類、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース類、非環式類似体、及びメチルリボシド等の脱塩基ヌクレオシド類似体が含まれる。1つ以上のホスホジエステル結合は代わりの連結基で置換されてよい。これらの代替の連結基には、限定されるものではないが、ホスフェートがP(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、「(O)NR2」(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、COまたはCH2(「ホルムアセタール」)で置換されている実施形態が含まれ、式中、各RまたはR’は独立して、水素、または任意にエーテル(−O−)結合、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、若しくはアラルジルを含有する置換若しくは非置換のアルキル(炭素数1〜20)である。ポリヌクレオチド内のすべての結合が同一である必要はない。前述の説明は、RNA及びDNAを含む、本明細書で言及するすべてのポリヌクレオチドに適用される。
「低分子」という用語は、約2000ダルトン以下、好ましくは約500ダルトン以下の分子量を有する任意の分子を指す。
「単離した」抗体は、その自然環境における成分から分離した抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、例えば電気泳動(例えばSDS−PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)、またはクロマトグラフィー(例えばイオン交換若しくは逆相HPLC)により求められるように、純度95または99%を超えて精製される。抗体純度の評価のための方法についての概説については、例えばFlatman et al.,J.Chromatogr.B 848:79−87(2007)を参照のこと。
「抗体」という用語は、本明細書において最も広範な意味で用いられ、それらが所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、及び抗体断片を含むが、これらに限定されない、種々の抗体構造を包含する。
「対象となる抗ポリペプチド抗体」及び対象ポリペプチド「に結合する抗体」という用語は、抗体が、対象ポリペプチドを標的にする診療及び/または治療剤として有用となるように、十分な親和性で対象ポリペプチドに結合可能な抗体を指す。一実施形態では、対象となる抗ポリペプチド抗体の、無関係の対象となる非ポリペプチドのタンパク質への結合の程度は、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定されるように、抗体の対象ポリペプチドへの結合の約10%未満である。ある種の実施形態では、対象ポリペプチドに結合する抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、または≦0.001nM(例えば10−8M以下、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある種の実施形態では、対象となる抗ポリペプチド抗体は、異なる種からの対象ポリペプチド内で保存された、対象ポリペプチドのエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、対象ポリペプチドはG9aである。
「遮断抗体」または「アンタゴニスト抗体」は、それが結合する抗原の生物活性を阻害するまたは低減させる抗体である。好ましい遮断抗体またはアンタゴニスト抗体は、抗原の生物活性を実質的にまたは完全に阻害する。
「親和性」とは、分子(例えば抗体)の単一の結合部位とその結合パートナー(例えば抗原)との間の、総計の非共有結合性相互作用の強度を指す。特に指示がない限り、本明細書で使用する場合、「結合親和性」とは、結合対のメンバー(例えば抗体及び抗原)間の1:1の相互作用を反映する、本来の結合親和性を指す。分子Xの、そのパートナーYに対する親和性は、一般に、解離定数(Kd)によって表すことができる。親和性は、本明細書に記載される方法を含む、当該技術分野において既知の一般的な方法によって測定することができる。結合親和性を測定するために具体的な例示説明及び例となる実施形態は、以下に記載されている。
「抗体断片」とは、無傷抗体が結合する抗原と結合する無傷抗体の一部分を含む無傷抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2;ダイアボディ;直鎖状抗体;一本鎖抗体分子(例えばscFv);及び抗体断片から形成される多重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
参照抗体と「同一のエピトープに結合する抗体」とは、競合アッセイにおいて、参照抗体のその抗原への結合を50%以上遮断する抗体、及び逆に、競合アッセイにおいて、この抗体のその抗原への結合を50%以上遮断する参照抗体を指す。
「キメラ」抗体という用語は、重及び/または軽鎖の一部が特定の源または種に由来する一方で、重及び/または軽鎖の残部が異なる源または種に由来する抗体を指す。
「完全長抗体」、「無傷抗体」、及び「全抗体」という用語は、本明細書で同じ意味で用いられ、自然抗体の構造と実質的に同様の構造を有する、またはFc領域を含有する重鎖を有する抗体を指す。
「モノクローナル抗体」という用語は、本明細書で使用する場合、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、その集団に含まれる個々の抗体は、同一であり、かつ/または同一のエピトープと結合するが、例えば、自然発生の突然変異体を含有する、またはモノクローナル抗体調製物の産生中に発生する、可能性のある変異型抗体は例外であり、かかる変異体は一般に少量で存在する。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的に含む、ポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対するものである。故に、「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものとして解釈されないものとする。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座のすべてまたは一部を含むトランスジェニック動物を利用する方法、モノクローナル抗体を作製するためのかかる方法及び他の例となる方法を含むが、これらに限定されない、様々な技術によって作製され得る。
「ヒト抗体」とは、ヒト若しくはヒト細胞によって産生された、またはヒト抗体レパートリーを利用する非ヒト源に由来する、抗体のアミノ酸配列、または他のヒト抗体コード配列に対応する、アミノ酸配列を保有するものである。ヒト抗体のこの定義は、具体的には、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を除外する。
「ヒト化」抗体とは、非ヒトHVRからのアミノ酸残基及びヒトFRからのアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。ある種の実施形態では、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、そのHVR(例えばCDR)のすべてまたは実質的にすべてが、非ヒト抗体のものに対応し、そのFRのすべてまたは実質的にすべてが、ヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、任意に、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部分を含んでもよい。抗体、例えば非ヒト抗体の、「ヒト化形態」とは、ヒト化を経た抗体を指す。
本明細書で使用する場合、「標的治療剤」という用語は、対象ポリペプチド(複数を含む)に結合し、特定の対象ポリペプチド(複数を含む)の活性及び/または活性化を阻害する治療剤を指す。かかる薬剤の例としては、対象ポリペプチドに結合する抗体及び低分子が挙げられる。
「化学療法剤」とは、癌治療に有用な化合物を指す。化学療法の例としては、以下が挙げられる:チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))等のアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファン等のアルキルスルホネート;ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、及びウレドーパ等のアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド及びトリメチロメラミンを含むエチレンイミン及びメチラメラミン;アセトゲニン(特にブラタシン及びブラタシノン);δ−9−テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール、MARINOL(登録商標));β−ラパコン;ラパコール;コルヒチン;ベツリン酸;カンプトテシン(合成類似体トポテカン(HYCAMTIN(登録商標))、CPT−11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標))、アセチルカンプトテシン、スコポレクチン、及び9−アミノカンプトテシンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン及びビゼレシン合成類似体を含む);ポドフィロトキシン;ポドフィリン酸;テニポシド;クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW−2189及びCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンギスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニマスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード等のナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチン等のニトロソウレア;エンジイン抗生物質(例えばカリケアマイシン、特にカリケアマイシンγ1I及びカリケアマイシンωI1(例えばNicolaou et al.,Angew.Chem Intl.Ed.Engl.,33:183−186(1994));経口α−4インテグリン阻害剤のCDP323;ジネミシンAを含むジネミシン;エスペラミシン、加えてネオカルチノスタチン発色団及び関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標)、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム注射剤(DOXIL(登録商標))、リポソームドキソルビシンTLC D−99(MYOCET(登録商標))、ペグ化リポソームドキソルビシン(CAELYX(登録商標))、及びデオキシドクソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンC等のマイトマイシン、マイコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン等の抗生物質;メトトレキサート、ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標))、テガフール(UFTORAL(登録商標))、カペシタビン(XELODA(登録商標))、エポチロン、及び5−フルオロウラシル(5−FU)等の代謝拮抗剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキセート等の葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン等のプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジネン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン等のピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン等のアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン等の抗副腎剤;フロリン酸等の葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン;デメコルチン;ジアジクオン;エルフォルニチン;エリプチニウムアセテート;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン;メイタンシン及びアンサマイトシン等のメイタンシノイド;ミトグアゾン;マイトキサントロン;モピダンモール;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖類複合体(JHS Natural Products,Eugene,OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT−2毒素、ベラキュリンA、ロリジンA及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標));ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);チオテパ;タキソイド、例えばパクリタキセル(TAXOL(登録商標))、パクリタキセルのアルブミン組換えナノ粒子製剤(ABRAXANE(商標))、及びドセタキセル(TAXOTERE(登録商標));クロランブシル;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチン、オキサリプラチン(例えばELOXATIN(登録商標))、及びカルボプラチン等の白金製剤;チューブリン重合を微小管形成から保護するビンカ(ビンブラスチン(VELBAN(登録商標))、ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標))、ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標))、及びビノレルビン(NAVELBINE(登録商標))を含む);エトポシド(VP−16);イホスファミド;マイトキサントロン;ロイコボリン;ノバントロン;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロネート;トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸等のレチノイド(ベキサロテン(TARGRETIN(登録商標)を含む);クロドロネート(例えばBONEFOS(登録商標)若しくはOSTAC(登録商標))、エチドロネート(DIDROCAL(登録商標))、NE−58095、ゾレドロン酸/ゾレドロネート(ZOMETA(登録商標))、アレンドロネート(FOSAMAX(登録商標))、パミドロネート(AREDIA(登録商標))、チルドロネート(SKELID(登録商標))、またはリセドロネート(ACTONEL(登録商標))等のビスホスホネート;トロキサシタビン(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);ならびに製薬上許容できる上述のいずれかの塩、酸または誘導体;加えてCHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾロンの併用療法の略語)等の、上記の2つ以上の組み合わせ;ならびにFOLFOX(5−FU及びロイコボリンを混ぜ合わせたオキサリプラチン(ELOXATIN(商標))による治療レジメンの略語)。
「細胞毒性剤」という用語は、本明細書で使用する場合、細胞機能を阻害若しくは妨げる、及び/または細胞死若しくは細胞破壊を引き起こす物質を指す。該用語は、放射性同位元素(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212、及びLuの放射性同位元素)、化学療法剤または薬物(例えばメトトレキサート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシン、若しくは他の挿入剤)、成長阻害剤、核酸分解酵素等の酵素及びその断片、抗生物質、ならびに微生物、菌類、植物、若しくは動物由来の低分子毒素または酵素活性毒素等の毒素を含むことを目的とし、これには、その断片及び/または変異体、ならびに以下に開示される種々の抗腫瘍剤または抗癌剤が含まれる。他の細胞毒性剤を以下に記載する。腫瘍崩壊剤は、腫瘍細胞の破壊の原因となる。
「免疫複合体」は、細胞毒性剤を含むが、これに限定されない、1つ以上の異種分子(複数を含む)に結合した抗体である。
「個体応答」または「応答」は、(1)減速及び完全停止を含む、疾患の進行(例えば癌の進行)をある程度阻害すること、(2)腫瘍サイズの減少、(3)隣接した末梢臓器及び/若しくは組織中への癌細胞の侵入阻害(すなわち低減、減速または完全停止)、(4)転移阻害(すなわち低減、減速または完全停止)、(5)疾患または障害(例えば癌)に関連する1つ以上の症状のある程度の回復、(6)無進行生存の長さの増加、ならびに/または(7)治療後のある時点での死亡率の低下を含む、個体への有効性を示す任意の終点を用いて評価することが可能であるが、これらに限定されない。
「実質的に同じ」という用語は、本明細書で使用する場合、2つの数値の類似性の程度が、当業者が、該値(例えばKd値または発現)により測定した生物学的特性の背景の中で、2つの値の差に生物学的、及び/または統計的有意性がない、若しくはほとんどないと考えるように、十分に大きいことを表す。該2つの値の差は、例えば、参照/コンパレータ値の関数として、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、及び/または約10%未満である。
「実質的に異なる」という語句は、本明細書で使用する場合、2つの数値の差の程度が、当業者が、該値(例えばKd値)により測定した生物学的特性の背景の中で、2つの値の差が統計的に有意であると考えるように、十分に大きいことを意味する。該2つの値の差は、例えば、参照/コンパレータ分子に対する値の関数として、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、及び/または約50%超である。
物質/分子、例えば医薬組成物の「有効量」とは、必要な用量及び期間で所望の治療または予防結果を達成するのに有効な量を指す。
物質/分子の「治療的有効量」は、個体の病状、年齢、性別、及び体重、ならびに物質/分子が個体内で所望の応答を誘発する能力等の要因によって変化し得る。「治療的有効量」とはまた、物質/分子の任意の毒性または有害作用より、治療的に有益な効果が上回る量である。「予防的有効量」とは、必要な用量及び期間で、所望の予防効果を達成する有効量を指す。必ずしもではないが通常、予防的用量は疾患の初期段階時または前に対象において使用されるため、予防的有効量は治療的有効量よりも少ない。
「薬学的製剤」という用語は、その中に含まれる有効成分の生物活性を有効にするような形態であり、かつ製剤が投与される対象に対して許容されない毒性を有する追加の成分を含まない配合物を指す。
「薬学的に許容される担体」とは、有効成分以外の、対象に無毒の製剤処方中の成分を指す。薬学的に許容される担体としては、緩衝液、賦形剤、安定剤、または防腐剤が挙げられるが、これらに限定されない。
「薬学的に許容される塩」という語句は、本明細書で使用する場合、化合物の薬学的に許容される有機または無機の塩を指す。
本明細書で使用する場合、「治療」(及び例えば「治療する」または「治療すること」等の文法的な変形)とは、治療される個体の自然経過を変えることを目的とした臨床介入を指し、予防のために、または臨床病理の過程の間に行うことができる。治療の望ましい効果としては、疾患の発症または再発の防止、症状の緩和、疾患の任意の直接的または間接的な病理学的結果の減少、転移の予防、疾患進行度の低減、病状の回復または緩和、及び寛解または予後の改善が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、疾患の発症を遅らせる、または疾患の進行を遅くするために使用される。
「個体」または「対象」は哺乳動物である。哺乳動物としては、家畜(例えばウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、及びウマ)、霊長類(例えばヒト、及びサル等の非ヒト霊長類)、ウサギ、ならびに齧歯類(例えばマウス及びラット)が挙げられるが、これらに限定されない。ある種の実施形態では、個体または対象はヒトである。
「同時に」という用語は、本明細書において、2つ以上の治療剤の投与において、それらの個体への治療効果の時間が重複するように、時間の近接性が十分に高いことを指すために用いられる。したがって、同時投与には1つ以上の他の作用物質の投与を中止した後で、1つ以上の作用物質の投与を継続する投与レジメンが含まれる。いくつかの実施形態では、同時投与は、並行的、逐次的、及び/または同時的である。
「低減または阻害する」とは、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれ以上の全体的な減少を引き起こす能力を意味する。低減または阻害するとは、治療される障害の症状、転移の存在若しくはサイズ、または原発腫瘍のサイズを指すことができる。
「添付文書」という用語は、適応症、使用法、用量、投与、併用療法、かかる治療製品の使用に関する禁忌及び/または警告に関する情報を含む、治療製品販売用パッケージに通常含まれる説明書を指すために使用される。
「製品」とは、少なくとも1つの試薬、例えば疾患若しくは障害(例えば癌)の治療用薬剤、または本明細書で記載される生体指標を特異的に検出するプローブを含む任意の製造物(例えばパッケージ若しくは容器)またはキットである。ある種の実施形態では、製造物またはキットは本明細書記載の方法を実施する一単位として促進、配布、または販売されてよい。
当業者により理解される通り、本明細書における「約」の値またはパラメータへの言及には、その値またはパラメータ自体に向けられる実施形態が含まれる(かつそれについて記載する)。例えば、「約X」を指す説明には、「X」の説明が含まれる。
本明細書に記載される発明の態様及び実施形態には、態様及び実施形態「からなる」及び/または「から本質的になる」が含まれることが理解される。本明細書で使用する場合、特に指示がない限り、単数形「a」、「an」及び「the」には複数への言及が含まれる。
II.方法及び使用
例えば、癌治療及び/または薬剤耐性の防止(例えば単剤及び/または併用療法)に対するG9a拮抗剤の使用方法が、本明細書に提供される。例えば、個体にG9a拮抗剤を単独でまたは他の癌治療剤と組み合わせて投与することを含む、個体における癌の治療方法。いくつかの実施形態では、個体は癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を用いる治療のために選択される。いくつかの実施形態では、個体は、癌治療剤による治療前に、G9a拮抗剤を投与することを含む治療を開始する。いくつかの実施形態では、個体は、G9a拮抗剤及び癌治療剤を含む治療を同時に受ける。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤は、癌感受性の期間を増大させる、及び/または癌耐性の発生を遅らせる。
例えば、癌治療及び/または薬剤耐性の防止(例えば単剤及び/または併用療法)に対するG9a拮抗剤の使用方法が、本明細書に提供される。例えば、個体にG9a拮抗剤を単独でまたは他の癌治療剤と組み合わせて投与することを含む、個体における癌の治療方法。いくつかの実施形態では、個体は癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を用いる治療のために選択される。いくつかの実施形態では、個体は、癌治療剤による治療前に、G9a拮抗剤を投与することを含む治療を開始する。いくつかの実施形態では、個体は、G9a拮抗剤及び癌治療剤を含む治療を同時に受ける。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤は、癌感受性の期間を増大させる、及び/または癌耐性の発生を遅らせる。
G9a拮抗剤及び癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の利用方法もまた、本明細書に提供される。
具体的には、個体に、(a)G9a拮抗剤、ならびに(b)癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を投与することを含む、個体における癌の治療方法が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤のそれぞれの量は、癌治療剤に対する癌感受性の期間を増大させる及び/または細胞耐性の発生を遅らせるのに有効である。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤のそれぞれの量は、癌治療剤を含む癌治療の有効性を増大させるのに有効である。例えば、いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤のそれぞれの量は、G9a拮抗剤を含まない(不在下での)有効量の癌治療剤を投与することを含む治療(例えば標準治療の治療)と比較して、有効性を増加させるのに有効である。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤のそれぞれの量は、G9a拮抗剤を含まない(不在下での)有効量の癌治療剤を投与することを含む治療(例えば標準ケア治療)と比較して、応答(例えば完全寛解)を増大させるのに有効である。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態では、癌治療剤は、標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤である。いくつかの実施形態では、標的療法剤及び/または化学療法剤は、EGFR拮抗剤、RAF阻害剤、PI3K阻害剤、タキサン、及び白金製剤の1つ以上である。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)EGFR拮抗剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)RAF阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)PI3K阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)タキサン(例えばパクリタキセル)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、(b)タキサン(例えばパクリタキセル)、及び(c)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。
更に、個体に(a)有効量のG9a拮抗剤、及び(b)有効量の癌治療剤を投与することを含む、個体への癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を含む癌治療の有効性を増大させる方法が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態では、癌治療剤は、標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤である。いくつかの実施形態では、標的療法剤及び/または化学療法剤は、EGFR拮抗剤、RAF阻害剤、PI3K阻害剤、タキサン、及び白金製剤の1つ以上である。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)EGFR拮抗剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)RAF阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)PI3K阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)タキサン(例えばパクリタキセル)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、(b)タキサン(例えばパクリタキセル)、及び(c)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。
癌治療は、個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤、及び(b)有効量の癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を投与することを含み、該癌治療は、G9a拮抗剤を含まない(不在下での)有効量の癌治療剤を投与することを含む治療(例えば標準ケア治療)と比較して、増大した有効性を有する、個体における癌の治療方法が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態では、癌治療剤は、標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤である。いくつかの実施形態では、標的療法剤及び/または化学療法剤は、EGFR拮抗剤、RAF阻害剤、PI3K阻害剤、タキサン、及び白金製剤の1つ以上である。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)EGFR拮抗剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)RAF阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)PI3K阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)タキサン(例えばパクリタキセル)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、(b)タキサン(例えばパクリタキセル)、及び(c)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。
更に、個体に(a)有効量のG9a拮抗剤、及び(b)有効量の癌治療剤を投与することを含む、個体における癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)に対する耐性を有する癌の発生を遅らせる、及び/または防止する方法が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態では、癌治療剤は、標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤である。いくつかの実施形態では、標的療法剤及び/または化学療法剤は、EGFR拮抗剤、RAF阻害剤、PI3K阻害剤、タキサン、及び白金製剤の1つ以上である。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)EGFR拮抗剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)RAF阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)PI3K阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)タキサン(例えばパクリタキセル)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、(b)タキサン(例えばパクリタキセル)、及び(c)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。
個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤、及び(b)有効量の癌治療剤を投与することを含む、癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)に対する耐性の発生の可能性を増大した癌を患う個体の治療方法が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態では、癌治療剤は、標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤である。いくつかの実施形態では、標的療法剤及び/または化学療法剤は、EGFR拮抗剤、RAF阻害剤、PI3K阻害剤、タキサン、及び白金製剤の1つ以上である。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)EGFR拮抗剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)RAF阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)PI3K阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)タキサン(例えばパクリタキセル)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、(b)タキサン(例えばパクリタキセル)、及び(c)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。
更に、個体に(a)有効量のG9a拮抗剤、及び(b)有効量の癌治療剤を投与することを含む、癌を患う個体において癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)に対する感受性を増大させる方法が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態では、癌治療剤は、標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤である。いくつかの実施形態では、標的療法剤及び/または化学療法剤は、EGFR拮抗剤、RAF阻害剤、PI3K阻害剤、タキサン、及び白金製剤の1つ以上である。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)EGFR拮抗剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)RAF阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)PI3K阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)タキサン(例えばパクリタキセル)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、(b)タキサン(例えばパクリタキセル)、及び(c)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。
更に、個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤、及び(b)有効量の癌治療剤を投与することを含む、癌を患う個体における癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の感受性の期間を延ばす方法が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態では、癌治療剤は、標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤である。いくつかの実施形態では、標的療法剤及び/または化学療法剤は、EGFR拮抗剤、RAF阻害剤、PI3K阻害剤、タキサン、及び白金製剤の1つ以上である。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)EGFR拮抗剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)RAF阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)PI3K阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)タキサン(例えばパクリタキセル)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、(b)タキサン(例えばパクリタキセル)、及び(c)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。
個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤、及び(b)有効量の癌治療剤を投与することを含む、癌を患う個体における癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)に対する応答の持続期間を延ばす方法もまた、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態では、癌治療剤は、標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤である。いくつかの実施形態では、標的療法剤及び/または化学療法剤は、EGFR拮抗剤、RAF阻害剤、PI3K阻害剤、タキサン、及び白金製剤の1つ以上である。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)EGFR拮抗剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)RAF阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)PI3K阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)タキサン(例えばパクリタキセル)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、(b)タキサン(例えばパクリタキセル)、及び(c)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。
向上した癌治療の提供に加え、本明細書に記載されるある種の組み合わせの投与により、異なる治療を受ける同一の患者が経験する生活の質と比較して、患者の生活の質が向上し得る。例えば、本明細書に記載されるように、個体にG9a拮抗剤及び癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の組み合わせを投与することにより、癌治療剤のみを治療として受けた場合に同一の患者が経験する生活の質と比較して、向上した生活の質が提供され得る。例えば、本明細書に記載される組み合わせによる併用療法により、必要な癌治療剤の投与量が減少し得、それにより、治療に関係する副作用(例えば悪心、嘔吐、脱毛、発疹、食欲減退、体重減少等)が減少する。組み合わせにより、腫瘍量、及び疼痛、臓器機能不全、体重減少等の関連する有害事象の低下もまた、引き起こされ得る。したがって、一態様は、癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)により癌治療をした患者の生活の質を向上するための、治療上の使用のためのG9a拮抗剤を提供する。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び癌治療剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態では、癌治療剤は、標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤である。いくつかの実施形態では、標的療法剤及び/または化学療法剤は、EGFR拮抗剤、RAF阻害剤、PI3K阻害剤、タキサン、及び白金製剤の1つ以上である。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)EGFR拮抗剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)RAF阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)PI3K阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)タキサン(例えばパクリタキセル)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、(b)タキサン(例えばパクリタキセル)、及び(c)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、G9a拮抗剤は、自然または合成由来である。いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、G9a拮抗剤は、抗体、結合ポリペプチド、結合低分子、またはポリヌクレオチドである。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、癌治療剤は標的療法剤である。いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、癌治療剤は化学療法剤である。いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、癌治療剤は放射線治療剤である。
本明細書で使用する治療に対して耐性を有する癌としては、治療に対する応答性のない、及び/または著しい応答(例えば部分応答及び/若しくは完全応答)を生み出す能力が低下した癌が挙げられる。耐性は、治療法の過程において生じる獲得耐性であってよい。いくつかの実施形態では、獲得薬剤耐性は、一過性、及び/または可逆的薬剤耐性である。治療に対する一過性及び/または可逆的薬剤耐性としては、治療法の中断後に、治療に対する感受性を回復可能な薬剤耐性が挙げられる。いくつかの実施形態では、獲得耐性は持続耐性である。治療に対する持続耐性としては、薬剤耐性を付与する遺伝子変化が挙げられる。
本明細書で使用される治療剤に対して感受性を有する癌としては、応答性がある、ならびに/または著しい応答(例えば部分応答及び/または完全応答)を生み出すことが可能な癌が挙げられる。
治療剤に対する耐性の獲得及び/または感受性の維持を評価する測定方法は、当技術分野において既知であり、実施例に記載されている。薬剤耐性及び/または感受性は、(a)G9a拮抗剤の存在下、及び/若しくは不存在下で、比較癌細胞または細胞集団を癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/若しくは放射線治療剤)に曝露すること、ならびに/または(b)例えば、癌細胞の増殖、細胞生存能、アポトーシスのレベル及び/若しくは割合、ヒストン3 リジン9(H3K9)のメチル化状態(例えばモノメチル化、ジメチル化、及び/若しくはトリメチル化)、ならびに/若しくは反応のうちの1つ以上をアッセイすることにより測定されてもよい。
薬剤耐性及び/または感受性は、時間の経過と共に、及び/または種々の濃度の癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/若しくは放射線治療剤)、及び/または種々の量のG9a拮抗剤で測定されてもよい。薬剤耐性及び/または感受性を更に測定して、かつ/または親細胞、薬剤耐性のある生残細胞、及び/または薬剤耐性が拡大した細胞株の生残細胞を含む比較細胞株(例えばPC9及び/またはH1299)と比較してもよい。いくつかの実施形態では、細胞生存能をCyQuant Direct細胞増殖アッセイによりアッセイしてもよい。薬剤耐性等の耐性の獲得及び/または感受性の維持における変化を、実施例及びSharmaらにて記載されたようにして、薬剤耐性がある存続生物の成長をアッセイすることにより評価してもよい。持続耐性及び/または拡大した存続生物等の耐性の獲得及び/または感受性の維持における変化は、実施例及びSharmaらにて記載されたようにして、薬剤耐性がある拡大した耐性生物の成長をアッセイすることにより評価されてもよい。いくつかの実施形態では、耐性は、IC50、EC50の変化、または薬剤耐性がある存続生物及び/若しくは薬剤耐性がある拡大した存続生物における腫瘍成長の減少で示されてもよい。いくつかの実施形態では、変化は、約50%、約100%、及び/または約200%のいずれかより大きい。加えて、耐性の獲得及び/または感受性の維持における変化を、例えば、応答、応答の持続時間、及び/または治療に対する、進行までの時間(例えば部分応答及び完全応答)を評価することにより、インビボで評価してもよい。耐性の獲得及び/または感受性の維持における変化は、応答の変化、応答の持続時間、及び/または個体の集団における治療に対する、進行までの時間、例えば部分応答及び完全応答に基づいてよい。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、癌は固形腫瘍癌である。いくつかの実施形態では、癌は、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、大腸癌、黒色腫、及び/または膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は肺癌(例えば非小細胞肺癌(NSCLC))である。いくつかの実施形態では、癌は乳癌である。いくつかの実施形態では、癌は、高いレベルのH3K9のトリメチル化を有する。いくつかの実施形態では、癌は、高いレベルのH3K9のジメチル化を有する。いくつかの実施形態では、癌は、高いレベルのH3K9のモノメチル化を有する。いくつかの実施形態では、癌は、増加するレベルのH3K9のトリメチル化を発生させる危険性がある。いくつかの実施形態では、癌は、増加するレベルのH3K9のジメチル化を発生させる危険性がある。いくつかの実施形態では、癌は、増加するレベルのH3K9のモノメチル化を発生させる危険性がある。
本明細書に記載される併用療法のいずれかにおいて、G9a拮抗剤及び癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を含む治療方法を開始する際に、癌は、癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を単独で含む治療方法に対して感受性を有してもよい(感受性の例としては、応答性があること、ならびに/または著しい応答(例えば部分応答及び/または完全応答)を生み出すことが可能であることが挙げられるが、これらに限定されない)。本明細書に記載される併用療法のいずれかにおいて、G9a拮抗剤及び癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を含む治療方法を開始する際に、癌は、癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を単独で含む治療方法に対して耐性を有していなくてもよい(耐性の例としては、応答性がないこと、ならびに/または著しい応答を生み出す能力(例えば部分応答及び/若しくは完全応答)の低下、及び/若しくはそれが不可能なことが挙げられるが、これらに限定されない)。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、上記の実施形態のうちのいずれかに従う個体は、ヒトであってもよい。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、併用療法は同時に投与されてもよい。いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、併用療法は、併用投与(2つ以上の治療剤が同一または別々の製剤に含まれる)、及び個別投与を包含してよく、この場合、G9a拮抗剤ならびに癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の投与は、追加の治療剤及び/またはアジュバントの投与前に、同時に、逐次的に、並行的に、及び/またはそれに続いて実施してもよい。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤は、癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の前に、及び/またはそれと同時に投与される。いくつかの実施形態では、併用療法は、更に、放射線治療及び/または追加の治療剤を含む。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、G9a拮抗剤ならびに癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)は、経口、非経口、肺内、及び経鼻投与、ならびに局所治療のために所望される場合、病巣内投与を含む任意の好適な手段により投与することができる。非経口注入としては、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与が挙げられる。投薬は、部分的には、投与が短期的なものか長期にわたるものかに応じて、例えば静脈内または皮下注射等の注射による、任意の好適な経路により行うことができる。種々の時点における単一または複数投与、ボーラス投与、及びパルス注入が挙げられるがこれらに限定されない種々の投与スケジュールが、本明細書において企図される。
いずれかの方法におけるいくつかの実施形態では、本明細書に記載されるG9a拮抗剤(例えば抗体、結合ポリペプチド、及び/または結合低分子)ならびに癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)は、良好な医療実務に合わせた方法で配合、投薬、及び投与してもよい。本文脈で考慮すべき要因としては、治療される特定の障害、治療される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、作用物質の送達部位、投与方法、投与スケジュール、及び医師に公知の他の要因が挙げられる。G9a拮抗剤ならびに癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)は、必ずしもではないが、所望により、問題の疾患の予防または治療に現在使用されている1つ以上の作用物質と配合する。かかる他の作用物質の有効量は、製剤中に存在するG9a拮抗剤ならびに癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の量、疾患または治療の種類、ならびに上述の他の要因によって異なる。これらは通常、本明細書に記載される同一用量及び投与経路、若しくは本明細書で記載される1〜99%の用量、または実験的/臨床的に適切と決定される任意の用量及び任意の経路で使用される。
疾患の予防または治療に対し、本明細書に記載されるG9a拮抗剤ならびに癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の適切な用量(単独で、または1つ以上の他の追加の治療剤と組み合わせて使用する場合)は、治療される疾患のタイプ、疾患の重症度及び経過、G9a拮抗剤ならびに癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)が予防または治療目的で投与されるかどうか、薬歴、治療歴、患者の病歴ならびにG9a拮抗剤ならびに癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)に対する応答、ならびに主治医の自由裁量に依存する。G9a拮抗剤ならびに癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)は、一度にまたは一連の治療において患者に好適に投与される。数日間またはそれ以上にわたる反復投与において、状態に応じ、治療は通常、病徴の所望の抑制が生じるまで続けられる。かかる用量は、断続的に、例えば毎週または三週間ごとに(例えば、患者がG9a拮抗剤ならびに癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の投与を約2〜約20回、または例えば約6回受け取るように)投与してもよい。最初の多めの投与量、それに続くより少ない用量を一回以上投与してもよい。代表的な投与レジメンには投与が含まれる。しかし、他の投薬レジメンも有用であり得る。この治療の進行は、従来技術及びアッセイによって容易に監視される。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)EGFR拮抗剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)RAF阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)PI3K阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)タキサン(例えばパクリタキセル)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、及び(b)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、(a)G9a拮抗剤、(b)タキサン(例えばパクリタキセル)、及び(c)白金製剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチン)を含む。
上記の製剤または治療法のうちのいずれかが、免疫複合体をG9a及び/または癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)として使用して実施してもよいことを理解されよう。
III.治療用組成物
本明細書に記載される方法での使用のための、G9a拮抗剤ならびに癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を含む組み合わせが、本明細書に提供される。ある種の実施形態では、組み合わせにより、単独で投与される癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の有効性が増大する。ある種の実施形態では、組み合わせは、癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)に対する癌耐性の発生を遅らせる、及び/または防止する。ある種の実施形態では、組み合わせは、癌を患う個体における癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の感受性の期間を延ばす。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び/または癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)(例えばEGFR拮抗剤、PI3K拮抗剤、及び/またはRAF阻害剤)は、抗体、結合ポリペプチド、結合低分子、及び/またはポリヌクレオチドである。G9Aは、ユークロマチンにおいて、ヒストンH3の「Lys−9」を特異的にモノ及びジメチル化(それぞれ、H3K9me1及びH3K9me2)するヒストンメチルトランスフェラーゼである。H3K9meは、メチル化ヒストンにHP−1タンパク質を動員することによってエピジェネティックな転写抑制のための特異的なタグを表す。G9aはまた、ラミン関連ドメインへの動員を媒介し、及び/またはDNAのメチル化を開始する、ヘテロクロマチンにおける役割を果たし得る。
本明細書に記載される方法での使用のための、G9a拮抗剤ならびに癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を含む組み合わせが、本明細書に提供される。ある種の実施形態では、組み合わせにより、単独で投与される癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の有効性が増大する。ある種の実施形態では、組み合わせは、癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)に対する癌耐性の発生を遅らせる、及び/または防止する。ある種の実施形態では、組み合わせは、癌を患う個体における癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の感受性の期間を延ばす。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び/または癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)(例えばEGFR拮抗剤、PI3K拮抗剤、及び/またはRAF阻害剤)は、抗体、結合ポリペプチド、結合低分子、及び/またはポリヌクレオチドである。G9Aは、ユークロマチンにおいて、ヒストンH3の「Lys−9」を特異的にモノ及びジメチル化(それぞれ、H3K9me1及びH3K9me2)するヒストンメチルトランスフェラーゼである。H3K9meは、メチル化ヒストンにHP−1タンパク質を動員することによってエピジェネティックな転写抑制のための特異的なタグを表す。G9aはまた、ラミン関連ドメインへの動員を媒介し、及び/またはDNAのメチル化を開始する、ヘテロクロマチンにおける役割を果たし得る。
G9a拮抗剤のいずれかに関するいくつかの実施形態では、G9a拮抗剤は、IC50が約4μΜ、約2μΜ、約1μΜ、約500nM、約250nM、約200nM、約150nM、約100nM、約75nM、約50nM、及び/または約30nMのうちのいずれかより良好な(例えば未満の)G9aを有する。化合物に対するG9a IC50の測定方法は、当技術分野において既知である。
G9a拮抗剤のいずれかに関するいくつかの実施形態では、G9a拮抗剤は、約5μΜ、約7.5μΜ、約10μΜ、約15μΜ、及び/または約20μΜのうちのいずれかよりも大きいIC50を有する。
G9a拮抗剤のいずれかに関するいくつかの実施形態では、G9a拮抗剤は、約25μΜ、約15μΜ、約10μΜ、約7.5μΜ、約5μΜ、約4μΜ、約3.5μΜ、約3μΜ、約2.5μΜ、約2μM、及び/または約1μMのうちのいずれかより良好な(例えば未満の)H3K9me(例えばme1、me2、及び/またはme3)のEC50を有する。化合物に対するH3K9me EC50の測定方法は、当技術分野において既知であり(world−wide−web jbc.org/cgi/doi/10.1074/jbc.M112.419861で入手可能なSayegh et al.JBC Manuscript M112.419861(2013)、及びKristensen et al.FEBS J.279:1905−1914(2012)を参照されたく、それらの全体が参照することにより本明細書に組み込まれる)、かつ本明細書に記載される。
ペプチド依存性の代謝回転率は、基質ペプチド存在下での代謝回転率から、ペプチド不在下での代謝回転率を減ずることにより計算される。阻害率及びIC50は、所定の阻害剤濃度におけるペプチド依存性の代謝回転率を用いて計算される。各阻害剤のIC50値の計算は、GraFitソフトウェア(Erithacus Software Ltd.,Surrey UK)を使用して行われる。
本明細書に記載される方法において有用なEGFR拮抗剤もまた、本明細書に提供される。EGFRは、Ullrich et al,Nature(1984)309:418425に記載される、受容体型チロシンキナーゼポリペプチドの上皮成長因子受容体(あるいは、Her−1及びc−erbB遺伝子産物と呼ばれる)ならびにEGFRvIII等の変異体を意味する。EGFRの変異体にはまた、欠失、置換及び挿入変異体、例えばLynchら(NEJM 2004,350:2129)、Paezら(Science 2004,304:1497)、Paoら(PNAS 2004,101:13306)に記載されるものが挙げられる。いくつかの実施形態では、EGFRは野生型EGFRであり、通常は自然発生のEGFRタンパク質のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。いくつかの実施形態では、EGFR拮抗剤は、抗体、結合ポリペプチド、結合低分子、及び/またはポリヌクレオチドである。
例となるEGFR拮抗剤(抗EGFR抗体)としては、ニモツズマブ(YM Biosciences)として知られるヒト化モノクローナル抗体等の抗体、完全ヒトABX−EGF(パニツムマブ、Abgenix Inc.)、ならびにE1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3、及びE7.6.3として知られ、US6,235,883に記載されている完全ヒト抗体、MDX−447(Medarex Inc)が挙げられる。ペルツズマブ(2C4)は、HER2に直接結合するが、HER2−EGFRの二量体化を妨げることにより、EGFRのシグナル伝達を阻害するヒト化抗体である。EGFRに結合する抗体の他の例としては、GA201(RG7160;Roche Glycart AG)、MAb 579(ATCC CRL HB 8506)、MAb 455(ATCC CRL HB8507)、MAb 225(ATCC CRL 8508)、MAb 528(ATCC CRL 8509)(Mendelsohnらの米国特許第4,943,533号を参照)及びその変異体(キメラ化225(C225またはセツキシマブ;ERBUTIX(登録商標)))ならびに再構成ヒト225(H225)(WO96/40210,Imclone Systems Inc.を参照;完全ヒトEGFR標的抗体、IMC−11F8(Imclone);II型変異型EGFRと結合する抗体(米国特許第5,212,290号);米国特許第5,891,996号に記載されているような、EGFRと結合するヒト化及びキメラ抗体;ならびにEGFRと結合するヒト抗体、例えばABX−EGF(WO98/50433,Abgenixを参照);EMD 55900(Stragliotto et al.Eur.J.Cancer 32A:636−640(1996));EGFR結合に対してEGF及びTGF−αの両方と競合するEGFRに対するヒト化EGFR抗体、EMD7200(マツズマブ);ならびにmAb 806またはヒト化mAb 806(Johns et al.,J.Biol.Chem.279(29):30375−30384(2004))が挙げられる。抗EGFR抗体は、細胞毒性剤と結合して、免疫複合体を産生する場合がある(例えば、EP659,439A2,Merck Patent GmbHを参照)。いくつかの実施形態では、抗EGFR抗体はセツキシマブである。いくつかの実施形態では、抗EGFR抗体はパニツムマブである。いくつかの実施形態では、抗EGFR抗体は、ザルツムマブ、ニモツズマブ、及び/またはマツズマブである。
本方法で有用な抗EGFR抗体としては、EGFRに対して十分な親和性及び特異性を持って結合し、かつEGFR活性を低減または阻害可能な任意の抗体が挙げられる。選択された抗体は通常、EGFRに対して十分強力な結合親和性を有し、例えば、該抗体はヒトc−metと、100nM〜1pMのKd値で結合してもよい。抗体親和性は例えば、表面プラズモン共鳴に基づくアッセイ(PCT出願公開第WO2005/012359号)に記載されているようなBIACoreアッセイ等);酵素結合免疫吸着測定法(ELISA);及び競合アッセイ(例えばRIA)により測定してもよい。好ましくは、本発明の抗EGFR抗体は、EGFR/EGFRリガンド活性が関係する疾患または状態を標的にし、かつ妨げる治療剤として使用することが可能である。また、例えば治療剤としての有効性を評価するために、該抗体に他の生物活性アッセイを行ってもよい。かかるアッセイは、当技術分野において既知であり、標的抗原及び抗体の使用目的によって異なる。いくつかの実施形態では、EGFR発現細胞に対する細胞防御機構に焦点を当てるために、EGFRアームは、T細胞受容体分子(例えばCD2若しくはCD3)等の白血球へのトリガー分子、またはFcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)、及びFcγRIII(CD16)等の、IgG(FcγR)に対するFc受容体と結合するアームと組み合わせてもよい。更に、EGFRを発現する細胞に対して細胞毒性剤を局在化するために、二重特異性抗体を使用してもよい。これらの抗体は、EGFR結合アーム、及び細胞毒性剤(例えばサポリン、抗インターフェロンα、ビンカアルカロイド、リシンA鎖、メトトレキサート、または放射性同位体ハプテン)と結合するアームを有する。二重特異性抗体は、完全長抗体または抗体断片(例えばF(ab’)2二重特異性抗体)として調製することができる。
例となるEGFR拮抗剤はまた、US5616582、US5457105、US5475001、US5654307、US5679683、US6084095、US6265410、US6455534、US6521620、US6596726、US6713484、US5770599、US6140332、US5866572、US6399602、US6344459、US6602863、US6391874、WO9814451、WO9850038、WO9909016、WO9924037、WO9935146、WO0132651、US6344455、US5760041、US6002008、及び/またはUS5747498に記載される化合物等の結合低分子も挙げられる。特定の結合低分子EGFR拮抗剤としては、OSI−774(CP−358774、エルロチニブ、OSI Pharmaceuticals);PD 183805(CI 1033、2−プロペンアミド、N−[4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[3(4−モルホリニル)プロポキシ]−6−キナゾリニル]−、ジヒドロクロリド、Pfizer Inc.);Iressa(登録商標)(ZD1839、ゲフィチニブ、AstraZeneca);ZM 105180((6−アミノ−4−(3−メチルフェニル−アミノ)−キナゾリン、Zeneca);BIBX−1382(N8−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−N2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリミド[5,4−d]ピリミジン−2,8−ジアミン、Boehringer Ingelheim);PKI−166((R)−4−[4−[(1−フェニルエチル)アミノ]−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−フェノール);(R)−6−(4−ヒドロキシフェニル)−4−[(1−フェニルエチル)アミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン);CL−387785(N−[4−[(3−ブロモフェニル)アミノ]−6−キナゾリニル]−2−ブチンアミド);EKB−569(N−[4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−3−シアノ−7−エトキシ−6−キノリニル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド);ラパチニブ(タイケルブ、GlaxoSmithKline);ZD6474(ザクティマ、AstraZeneca);CUDC−101(Curis);カネルチニブ(CI−1033);AEE788(6−[4−[(4−エチル−1−ピペラジニル)メチル]フェニル]−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、WO2003013541、Novartis)、及びPKI166 4−[4−[[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−フェノール、WO9702266 Novartis)が挙げられる。いくつかの実施形態では、EGFR拮抗剤は、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン、及び/またはその薬学的に許容される塩(例えば、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン塩酸塩)である。いくつかの実施形態では、EGFR拮抗剤は、ゲフィチニブ、及び/またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、EGFR拮抗剤は、ラパチニブ、及び/またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、EGFR拮抗剤は、ゲフィチニブ及び/またはエルロチニブである。
いくつかの実施形態では、EGFR拮抗剤は、EGFRに対する特異的阻害剤であってもよい。いくつかの実施形態では、該阻害剤は、EGFR拮抗剤がEGFR及び1つ以上の他の標的ポリペプチドを阻害する二重阻害剤または汎阻害剤であってもよい。
ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)は、主要な生化学機能が、ホスホイノシチドの3−ヒドロキシル基をリン酸化することである脂質キナーゼのファミリーである。PI3K阻害剤の例は、当技術分野において既知であり、ワートマニン、LY294002、SF1126(低分子プロドラッグであって、インテグリン結合成分に連結した、LY294002の複合体)、NVP−BEZ235(イミダゾキノリン誘導体)、NVP−BGT226、XL765、GDC−0980、PF−04691502、PF−05212384、PKI−587、NVP−BKM120、XL147、PX−866、GDC−0941、GSK615、及び/またはCAL−101が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、PI3K阻害剤は、WO2009/114874、WO2009/088990、US7511041、US7666901、US7662977、WO2010/046639、US20100105711、WO2010/037765、US20100087440、WO2010034414、US20100075965、US20100075951、US20100075947、WO2010/038165、WO2010/036380、WO2010/059788、WO2010/049481、WO2009/134825、WO2009/123971、WO2009/099163、及び/またはWO2009/042607に記載されている化合物であり、参照することによりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載される方法において、癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)として有用なRAF阻害剤もまた、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、RAF阻害剤はBRAF阻害剤である。いくつかの実施形態では、RAF阻害剤はCRAF阻害剤である。例となるBRAF阻害剤は、当技術分野において既知であり、例えばソラフェニブ、PLX4720、PLX−3603、ダブラフェニブ(GSK2118436)、GDC−0879、RAF265(Novartis)、XL281、AZ628、ARQ736、BAY73−4506、ベムラフェニブ、ならびにWO2007/002325、WO2007/002433、WO2009111278、WO2009111279、WO2009111277、WO2009111280及び米国特許第7,491,829号に記載されているものが挙げられる。いくつかの実施形態では、BRAF阻害剤は、選択的BRAF阻害剤である。いくつかの実施形態では、BRAF阻害剤は、BRAF V600の選択的阻害剤である。いくつかの実施形態では、BRAF V600は、BRAF V600E、BRAF V600K、及び/またはV600Dである。いくつかの実施形態では、BRAF V600はBRAF V600Rである。いくつかの実施形態では、BRAF阻害剤はベムラフェニブである。いくつかの実施形態では、BRAF阻害剤はベムラフェニブである。
ベムラフェニブ(RG7204、PLX−4032、CAS登録番号1029872−55−5)は、種々の癌細胞株、例えば黒色腫細胞株でプログラム細胞死を引き起こすことが示されている。BRAFが共通のV600E変異体を有する場合、ベムラフェニブはBRAF/MEK/ERK経路におけるBRAF/MEKステップを妨げる。ベムラフェニブは患者、例えば癌がV600E BRAF変異体を有する、FDAにより承認された黒色腫の患者内で作用する(すなわち、BRAFタンパク質のアミノ酸位置番号600において、正常なバリンがグルタミン酸で置換される)。黒色腫の約60%は、V600E BRAF変異体を有する。V600E変異体は、リンパ腫、大腸癌、黒色腫、甲状腺癌及び肺癌を含む他の種々の癌に存在する。ベムラフェニブは以下の構造を有する。
ZELBORAF(登録商標)(ベムラフェニブ)(Genentech,Inc.)は、アメリカで承認された製剤であり、FDAが承認する試験により検出されたBRAF V600E変異体を有する切除不能な、または転移性黒色腫を患う患者の治療に用いられている。ZELBORAF(登録商標)(ベムラフェニブ)は、BRAF V600E変異体を欠失した黒色腫(野生型BRAF黒色腫)の患者での使用は推奨されない。
本明細書に記載される方法において癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)として有用な白金系薬剤もまた、本明細書に提供される。白金系薬剤の例としては、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチン、ネダプラチン、及び/またはトリプラチンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、白金系薬剤はシスプラチンである。いくつかの実施形態では、白金系薬剤はカルボプラチンである。
本明細書に記載される方法において癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)として有用なタキサンもまた、本明細書に提供される。タキサンは、チューブリンに結合し、微小管集合及び安定を促進し、かつ/または微小管の解重合を防ぎ得るジテルペン類である。本明細書に含まれるタキサンとしては、タキソイド10−デアセチルバッカチンIII及び/またはその誘導体がある。タキサンの例としては、パクリタキセル(すなわち、タキソール、CAS番号33069−62−4)、ドセタキセル(すなわち、タキソテール、CAS番号114977−28−5)、ラロタキセル、カバジタキセル、ミラタキセル、テセタキセル、及び/またはオルタタキセルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。いくつかの実施形態では、タキサンはドセタキセルである。いくつかの実施形態では、タキサンは、クレモフォア(例えばTaxol(登録商標))及びポリソルベート80(例えばTaxotere(登録商標))等のTween中に配合される。いくつかの実施形態では、タキサンはリポソーム封入タキサンである。いくつかの実施形態では、タキサンは、プロドラッグ形態である、かつ/またはタキサンの結合形態(例えばパクリタキセル、パクリタキセルポリグルメックス、及び/またはリノレイルカーボネート−パクリタキセルに共有結合したDHA)である。いくつかの実施形態では、パクリタキセルは、実質的に界面活性剤を用いずに(例えばTocosol Paclitaxel等のクレモフォア及び/またはTweenの不存在下で)配合される。いくつかの実施形態では、タキサンは、アルブミンでコーティングされたナノ粒子(例えばアブラキサン及び/またはABI−008)である。いくつかの実施形態では、タキサンはTaxol(登録商標)である。
本明細書に記載される方法において癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)として有用なビンカアルカロイドが、本明細書に提供される。ビンカアルカロイドは、本来ニチニチソウ由来の抗有糸分裂剤及び微小管阻害剤のまとまりである。ビンカアルカロイドの例としては、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、及びビノレルビンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ビンカアルカロイドはビノレルビンである。
本明細書に記載される方法において癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)として有用なヌクレオシド類似体が、本明細書に提供される。ヌクレオシド類似体としては、ゲムシタビン、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジネン、ドキシフルリジン、エノシタビン、及び/またはフロクスウリジンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ヌクレオシド類似体はゲムシタビンである。
A.抗体
本明細書に記載される方法における使用のための、G9a等の対象ポリペプチドに結合する単離抗体が、本明細書に提供される。上記の実施形態のうちのいずれかにおいて、抗体はヒト化している。更に、上記の実施形態のうちのいずれかによる抗体はモノクローナル抗体であり、キメラ、ヒト化またはヒト抗体を含む。一実施形態では、抗体は、抗体断片、例えばFv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ、またはF(ab’)2断片である。別の実施形態では、抗体は完全長抗体、例えば「完全IgG1」抗体、または本明細書に定義する他の抗体クラス若しくはアイソタイプである。
本明細書に記載される方法における使用のための、G9a等の対象ポリペプチドに結合する単離抗体が、本明細書に提供される。上記の実施形態のうちのいずれかにおいて、抗体はヒト化している。更に、上記の実施形態のうちのいずれかによる抗体はモノクローナル抗体であり、キメラ、ヒト化またはヒト抗体を含む。一実施形態では、抗体は、抗体断片、例えばFv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ、またはF(ab’)2断片である。別の実施形態では、抗体は完全長抗体、例えば「完全IgG1」抗体、または本明細書に定義する他の抗体クラス若しくはアイソタイプである。
更なる態様では、上記の実施形態のいずれかによる抗体は、以下の項に記載する機能のいずれかを、単独でまたは組み合わせて、導入してもよい。
1.抗体親和性
ある種の実施形態では、本明細書に提供される抗体は、≦1μΜ、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、または≦0.001nMの解離定数(Kd)(例えば、10−8M以下、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)を有する。一実施形態では、Kdは、放射性標識抗原結合アッセイ(RIA)により測定される。一実施形態では、RIAは、対象抗体のFab版、及びその抗原と共に実施する。例えば、抗原に対するFabの溶液結合親和性は、非標識抗原の滴定系の存在下で、最小濃度の(125I)標識抗原によりFabを平衡化し、次いで、結合した抗原を抗Fab抗体でコーティングされたプレート(例えばChen et al.,J.Mol.Biol.293:865−881(1999)を参照)で捕捉することにより測定する。アッセイについての条件を確立するために、MICROTITER(登録商標)マルチウェルプレート(Thermo Scientific)を、50mMの炭酸ナトリウム(pH9.6)中の5μg/mLの捕捉抗Fab抗体(Cappel Labs)で一晩コーティングし、その後室温(約23℃)で2〜5時間、PBS中の2%(w/v)ウシ血清アルブミンで遮断した。非吸着プレート(Nunc#269620)中で、100pMまたは26pMの[125I]抗原を、対象Fabの連続希釈液と混合する(例えばPresta et al.,Cancer Res.57:4593−4599(1997)にある、抗VEGF抗体であるFab−12の評価と一致する)。次いで、対象Fabを一晩インキュベートするが、確実に平衡状態に到達するように、インキュベーションを更に長い期間(例えば約65時間)継続してもよい。その後、室温でのインキュベーションのため、混合物を捕捉プレートに移す(約1時間)。次いで、溶液を次いで除去し、プレートをPBS中の0.1%ポリソルベート20(TWEEN−20(登録商標))で8回洗浄する。プレートが乾燥すると、150μL/ウェルのシンチラント(MICROSCINT−20(商標);Packard)を添加し、プレートをTOPCOUNT(商標)ガンマカウンター(Packard)で10分間計数する。最大結合が20%以下となる各Fabの濃度を、競合結合アッセイでの使用のために選択する。
ある種の実施形態では、本明細書に提供される抗体は、≦1μΜ、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、または≦0.001nMの解離定数(Kd)(例えば、10−8M以下、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)を有する。一実施形態では、Kdは、放射性標識抗原結合アッセイ(RIA)により測定される。一実施形態では、RIAは、対象抗体のFab版、及びその抗原と共に実施する。例えば、抗原に対するFabの溶液結合親和性は、非標識抗原の滴定系の存在下で、最小濃度の(125I)標識抗原によりFabを平衡化し、次いで、結合した抗原を抗Fab抗体でコーティングされたプレート(例えばChen et al.,J.Mol.Biol.293:865−881(1999)を参照)で捕捉することにより測定する。アッセイについての条件を確立するために、MICROTITER(登録商標)マルチウェルプレート(Thermo Scientific)を、50mMの炭酸ナトリウム(pH9.6)中の5μg/mLの捕捉抗Fab抗体(Cappel Labs)で一晩コーティングし、その後室温(約23℃)で2〜5時間、PBS中の2%(w/v)ウシ血清アルブミンで遮断した。非吸着プレート(Nunc#269620)中で、100pMまたは26pMの[125I]抗原を、対象Fabの連続希釈液と混合する(例えばPresta et al.,Cancer Res.57:4593−4599(1997)にある、抗VEGF抗体であるFab−12の評価と一致する)。次いで、対象Fabを一晩インキュベートするが、確実に平衡状態に到達するように、インキュベーションを更に長い期間(例えば約65時間)継続してもよい。その後、室温でのインキュベーションのため、混合物を捕捉プレートに移す(約1時間)。次いで、溶液を次いで除去し、プレートをPBS中の0.1%ポリソルベート20(TWEEN−20(登録商標))で8回洗浄する。プレートが乾燥すると、150μL/ウェルのシンチラント(MICROSCINT−20(商標);Packard)を添加し、プレートをTOPCOUNT(商標)ガンマカウンター(Packard)で10分間計数する。最大結合が20%以下となる各Fabの濃度を、競合結合アッセイでの使用のために選択する。
別の実施形態によれば、BIACORE(登録商標)表面プラズモン共鳴アッセイを使用してKdを測定する。例えば、約10の応答単位(RU)にて固定化抗原CM5チップを用いて、BIACORE(登録商標)−2000またはBIACORE(登録商標)−3000(BIAcore,Inc.,Piscataway,NJ)を用いるアッセイを25℃にて実施する。一実施形態では、供給業者の取扱説明書に従って、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM5、BIACORE、Inc.)をN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)、及びN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)により活性化する。5μL/分の流量で注入する前に、10mMの酢酸ナトリウム(pH4.8)により、抗原を5μg/mL(約0.2μM)まで希釈して、約10応答単位(RU)の共役タンパク質を得る。抗原の注入後、1Mのエタノールアミンを注入して未反応基を遮断する。動力学測定のために、0.05%ポリソルベート20(TWEEN−20(商標))界面活性剤(PBST)と共に、25℃にて、約25μL/分の流量で、2倍のFab連続希釈液(0.78nM〜500nM)をPBS中に注入する。簡単な1:1のラングミュア結合モデル(BIACORE(登録商標)Evaluationソフトウェアバージョン3.2)を使用して、会合及び解離センサーグラムを同時に一致させることにより、会合速度(kon)及び解離速度(koff)を計算する。平衡解離定数(Kd)をkoff/konの比率として算出する。例えばChen et al.,J.Mol.Biol.293:865−881(1999)を参照のこと。上記表面プラズモン共鳴アッセイにより会合速度が106M−1s−1を超える場合、会合速度は、ストップトフロー分光光度計(Aviv Instrument)または撹拌キュベットを備えた8000−シリーズSLM−AMINCO(商標)分光光度計(ThermoSpectronic)等の分光計で測定されるように、抗原濃度が増加する存在下で、25℃における、PBS中の20nMの抗抗原抗体(Fab形態)(pH7.2)の蛍光発光強度における増減を測定する蛍光消光技術(励起=295nm、発光=340nm、16nmバンドパス)を使用することによって測定され得る。
2.抗体断片
ある種の実施形態では、本明細書において提供する抗体は抗体断片である。抗体断片としては、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、Fv、及びscFv断片、ならびに以下に記載する他の断片が挙げられるがこれらに限定されない。ある特定の抗体断片の概説については、Hudson et al.Nat.Med.9:129−134(2003)を参照のこと。scFv断片の概説については、例えば、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,(Springer−Verlag,New York),pp.269−315(1994)中のPluckthunを参照のこと;また、WO93/16185;ならびに米国特許第5,571,894号及び第5,587,458号も参照のこと。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、インビボ半減期が増加したFab及びF(ab’)2断片の考察については、米国特許第5,869,046号を参照のこと。
ある種の実施形態では、本明細書において提供する抗体は抗体断片である。抗体断片としては、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、Fv、及びscFv断片、ならびに以下に記載する他の断片が挙げられるがこれらに限定されない。ある特定の抗体断片の概説については、Hudson et al.Nat.Med.9:129−134(2003)を参照のこと。scFv断片の概説については、例えば、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,(Springer−Verlag,New York),pp.269−315(1994)中のPluckthunを参照のこと;また、WO93/16185;ならびに米国特許第5,571,894号及び第5,587,458号も参照のこと。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、インビボ半減期が増加したFab及びF(ab’)2断片の考察については、米国特許第5,869,046号を参照のこと。
ダイアボディとは、二価または二重特異的であり得る2つの抗原結合部位を有する抗体断片である。例えば、EP404,097;WO1993/01161、Hudson et al.,Nat.Med.9:129−134(2003)、及びHollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:6444−6448(1993)を参照のこと。また、トリアボディ及びテトラボディは、Hudson et al.,Nat.Med.9:129−134(2003)にも記載されている。
単一ドメイン抗体とは、抗体の重鎖可変領域の全部若しくは一部、または軽鎖可変領域の全部若しくは一部を含む抗体断片である。ある種の実施形態では、単一ドメイン抗体はヒト単一ドメイン抗体である(Domantis,Inc.,Waltham,MA;例えば、米国特許第6,248,516号を参照)。
抗体断片は、本明細書に記載されるように、無傷抗体のタンパク分解消化、及び組換え宿主細胞(例えば大腸菌またはファージ)による産生を含むが、これらに限定されない、各種技術により製造可能である。
3.キメラ及びヒト化抗体
ある種の実施形態では、本明細書において提供する抗体はキメラ抗体である。ある特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号、及びMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851−6855(1984))に記載されている。一実施例では、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えばマウス、ラット、ハムスター、ウサギ、またはサル等の非ヒト霊長類由来の可変領域)、及びヒト定常領域を含む。更なる実施例では、キメラ抗体は、クラスまたはサブクラスが親抗体のそれらから変更されている「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体としては、その抗原結合断片が挙げられる。
ある種の実施形態では、本明細書において提供する抗体はキメラ抗体である。ある特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号、及びMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851−6855(1984))に記載されている。一実施例では、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えばマウス、ラット、ハムスター、ウサギ、またはサル等の非ヒト霊長類由来の可変領域)、及びヒト定常領域を含む。更なる実施例では、キメラ抗体は、クラスまたはサブクラスが親抗体のそれらから変更されている「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体としては、その抗原結合断片が挙げられる。
ある種の実施形態では、キメラ抗体はヒト化抗体である。一般的に、非ヒト抗体は、親非ヒト抗体の特異性及び親和性を保持しながら、ヒトに対する免疫原性は低下させるためにヒト化される。通常、ヒト化抗体は、HVR、例えばCDR(またはその一部)が非ヒト抗体に由来し、FR(またはその一部)はヒト抗体配列に由来する1つ以上の可変領域を含む。ヒト化抗体はまた、任意に、ヒト定常領域の少なくとも一部も含むであろう。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体におけるいくつかのFR残基は、非ヒト抗体(例えばHVR残基が由来する抗体)からの対応する残基で置換され、例えば、抗体の特異性または親和性が回復または改善される。
ヒト化抗体及びその作成方法は、例えば、Almagro及びFransson,Front.Biosci.13:1619−1633(2008)に概説されており、更に、例えば、Riechmann et al.,Nature 332:323−329(1988)、Queen et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA86:10029−10033(1989)、米国特許第5,821,337号、第7,527,791号、第6,982,321号、及び第7,087,409号、Kashmiri et al.,Methods 36:25−34(2005)(特異性決定領域(SDR)グラフティングを記載)、Padlan,Mol.Immunol.28:489−498(1991)(「リサーフェシング(resurfacing)」を記載)、Dall’Acqua et al.,Methods 36:43−60(2005)(「FRシャッフリング」を記載)、ならびにOsbourn et al.,Methods 36:61−68(2005)及びKlimka et al.,Br.J.Cancer,83:252−260(2000)(FRシャッフリングに対する「誘導選択(guided selection)」アプローチを記載)に詳しく記載されている。
ヒト化に使用され得るヒトフレームワーク領域としては、「ベストフィット」法を用いて選択されたフレームワーク領域(例えば、Sims et al.J.Immunol.151:2296(1993)を参照)、軽鎖または重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワーク領域(例えば、Carter et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);及びPresta et al.J.Immunol.,151:2623(1993)を参照);ヒト成熟(体細胞変異した)フレームワーク領域またはヒト生殖細胞系列フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619−1633(2008)を参照);ならびにFRライブラリーをスクリーニングすることによって誘導されるフレームワーク領域(例えば、Baca et al.,J.Biol.Chem.272:10678−10684(1997)及びRosok et al.,J.Biol.Chem.271:22611−22618(1996)を参照)が挙げられるが、これらに限定されない。
4.ヒト抗体
ある種の実施形態では、本明細書において提供する抗体はヒト抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野において既知の種々の技術を使用して産生することができる。ヒト抗体は、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.5:368−74(2001)及びLonberg,Curr.Opin.Immunol.20:450−459(2008)に全般的に記載されている。
ある種の実施形態では、本明細書において提供する抗体はヒト抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野において既知の種々の技術を使用して産生することができる。ヒト抗体は、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.5:368−74(2001)及びLonberg,Curr.Opin.Immunol.20:450−459(2008)に全般的に記載されている。
ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答してヒト可変領域を有する無傷なヒト抗体または無傷抗体を産生するように修飾されたトランスジェニック動物に、免疫原を投与することにより調製してもよい。かかる動物は、典型的に、内因性免疫グロブリン遺伝子座を置き換えるか、または染色体外に存在する、若しくは動物の染色体に無作為に組み込まれるヒト免疫グロブリン遺伝子座のすべてまたは一部を含む。かかるトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、概して、不活性化されてきた。トランスジェニック動物からヒト抗体を得る方法の概説については、Lonberg,Nat.Biotech.23:1117−1125(2005)を参照のこと。例えば、XENOMOUSE(商標)技術を記載する米国特許第6,075,181号及び第6,150,584号;HuMab(登録商標)技術を記載する米国特許第5,770,429号;K−M MOUSE(登録商標)技術を記載する米国特許第7,041,870号、及びVelociMouse(登録商標)技術を記載する米国特許出願公開第US2007/0061900号)も参照のこと。かかる動物により生成される無傷抗体のヒト可変領域を、例えば異なるヒト定常領域と組み合わせることにより、更に修飾してもよい。
ヒト抗体はまた、ハイブリドーマに基づく方法によっても作製することができる。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫及びマウス−ヒトヘテロ骨髄腫細胞株が記載されている。(例えば、Kozbor J.Immunol.,133:3001(1984)、Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51−63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987)、及びBoerner et al.,J.Immunol.,147:86(1991)を参照のこと。)ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されたヒト抗体も、Li et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557−3562(2006)に記載されている。更なる方法としては、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の産生を記載)、及びNi,Xiandai Mianyixue,26(4):265−268(2006)(ヒト−ヒトハイブリドーマを記載)に記載されるようなものが挙げられる。ヒトハイブリドーマ技術(Trioma technology)も、Vollmers and Brandlein,Hist.&Histopath.,20(3):927−937(2005)及びVollmers and Brandlein,Methods Find Exp.Clin.Pharmacol.,27(3):185−91(2005)に記載されている。
ヒト抗体は、ヒト由来のファージディスプレイライブラリーから選択されたFvクローン可変ドメイン配列を単離することによっても生成され得る。その後、かかる可変領域配列を、所望のヒト定常領域と組み合わせてもよい。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択する技術を以下に記載する。
5.ライブラリー由来の抗体
抗体は、コンビナトリアルライブラリーを所望の活性(複数を含む)を有する抗体についてスクリーニングすることによって単離され得る。例えば、ファージディスプレイライブラリーを生成し、かかるライブラリーを所望の結合特徴を所有する抗体についてスクリーニングするために、種々の方法が、当技術分野において既知である。かかる方法は、例えば、Hoogenboom et al.Methods Mol.Biol.178:1−37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2001)において概説されており、例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552−554、Clackson et al.,Nature 352:624−628(1991)、Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581−597(1992)、Marks and Bradbury,Methods Mol.Biol.248:161−175(Lo,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2003)、Sidhu et al.,J.Mol.Biol.338(2):299−310(2004)、Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073−1093(2004)、Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467−12472(2004)、ならびにLee et al.,J.Immunol.Methods 284(1−2):119−132(2004)に記載されている。
抗体は、コンビナトリアルライブラリーを所望の活性(複数を含む)を有する抗体についてスクリーニングすることによって単離され得る。例えば、ファージディスプレイライブラリーを生成し、かかるライブラリーを所望の結合特徴を所有する抗体についてスクリーニングするために、種々の方法が、当技術分野において既知である。かかる方法は、例えば、Hoogenboom et al.Methods Mol.Biol.178:1−37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2001)において概説されており、例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552−554、Clackson et al.,Nature 352:624−628(1991)、Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581−597(1992)、Marks and Bradbury,Methods Mol.Biol.248:161−175(Lo,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2003)、Sidhu et al.,J.Mol.Biol.338(2):299−310(2004)、Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073−1093(2004)、Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467−12472(2004)、ならびにLee et al.,J.Immunol.Methods 284(1−2):119−132(2004)に記載されている。
ある種のファージディスプレイ法では、VH及びVL遺伝子のレパートリーがポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により別々にクローニングされ、ファージライブラリーにおいて無作為に再結合され、これを、その後、Winter et al.,Ann.Rev.Immunol.,12:433−455(1994)に記載されているように、抗原結合ファージについてスクリーニングすることができる。ファージは、典型的に、抗体断片を、一本鎖Fv(scFv)断片またはFab断片のいずれかとして提示する。免疫化された供給源からのライブラリーは、ハイブリドーマを構築することを必要とせずに、免疫原に対して高親和性の抗体を提供する。あるいは、Griffiths et al.,EMBO J,12:725−734(1993)に記載されるように、ナイーブレパートリーを(例えばヒトから)クローニングして、いかなる免疫付与もなしに、単一供給源の抗体から広範囲の非自己抗原及び自己抗原まで提供することができる。最終的に、ナイーブライブラリーは、Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381−388(1992)に記載されるように、幹細胞から再構成されていないV遺伝子セグメントをクローニングして、高度可変CDR3領域をコードし、かつインビトロでの再構成を達成するランダム配列を含むPCRプライマーを用いることによって合成的に作製することもできる。ヒト抗体ファージライブラリーを記載している特許文献としては、例えば、米国特許第5,750,373号、ならびに米国特許公開第2005/0079574号、同第2005/0119455号、同第2005/0266000号、同第2007/0117126号、同第2007/0160598号、同第2007/0237764号、同第2007/0292936号、及び同第2009/0002360号が挙げられる。
本明細書において、ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体または抗体断片は、ヒト抗体またはヒト抗体断片と見なす。
6.多重特異性抗体
ある種の実施形態では、本明細書において提供する抗体は、多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる部位に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体である。ある種の実施形態では、結合特異性のうちの1つは、G9a等の対象ポリペプチドであり、他の結合特異性は、任意の他の抗原に対するものである。ある種の実施形態では、二重特異性抗体は、G9a等の対象ポリペプチドの2つの異なるエピトープに結合してもよい。二重特異性抗体はまた、G9a等の対象ポリペプチドを発現する細胞に細胞毒性剤を局在化させるために使用してもよい。二重特異性抗体は、完全長抗体または抗体断片として調製することができる。
ある種の実施形態では、本明細書において提供する抗体は、多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる部位に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体である。ある種の実施形態では、結合特異性のうちの1つは、G9a等の対象ポリペプチドであり、他の結合特異性は、任意の他の抗原に対するものである。ある種の実施形態では、二重特異性抗体は、G9a等の対象ポリペプチドの2つの異なるエピトープに結合してもよい。二重特異性抗体はまた、G9a等の対象ポリペプチドを発現する細胞に細胞毒性剤を局在化させるために使用してもよい。二重特異性抗体は、完全長抗体または抗体断片として調製することができる。
多重特異性抗体を作製するための技術としては、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の組換え共発現(Milstein and Cuello,Nature 305:537(1983)を参照)、WO93/08829、及びTraunecker et al.,EMBO J.10:3655(1991)、ならびに「ノブ−イン−ホール」技術(例えば米国特許第5,731,168号を参照)が挙げられるが、これらに限定されない。多重特異性抗体はまた、抗体Fcヘテロ二量体分子を作製するための組換え静電的ステアリング効果(WO2009/089004A1);2つ以上の抗体または断片の架橋(例えば、米国特許第4,676,980号、及びBrennan et al.,Science,229:81(1985)を参照);二重特異性抗体の産生のためのロイシンジッパーの使用(例えば、Kostelny et al.,J.Immunol.,148(5):1547−1553(1992)を参照);二重特異性抗体断片を作製するための「ダイアボディ」技術の使用(例えばHollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444−6448(1993)を参照);ならびに一本鎖Fv(sFv)二量体の使用(例えば、Gruber et al.,J.Immunol.,152:5368(1994)を参照);ならびに、例えば、Tutt et al.J.Immunol.147:60(1991)に記載されているような三重特異性抗体の調製により作製してもよい。
「オクトパス抗体」を含む3つ以上の機能的抗原結合部位を有する組換え抗体もまた、本明細書に含まれる(例えばUS2006/0025576A1を参照)。
本明細書における抗体または断片は、G9aならびに他の異なる抗原等の対象ポリペプチドに結合する抗原結合部位を含む「二重作用Fab」または「DAF」も含む(例えばUS2008/0069820を参照)。
7.抗体変異体
a)グリコシル化変異体
ある種の実施形態では、本明細書において提供する抗体は、抗体がグリコシル化される度合いを増大または減少させるように改変される。抗体へのグリコシル化部位の付加または欠失は、アミノ酸配列を、1つ以上のグリコシル化部位が作製または除去されるように改変させることによって、簡便に達成され得る。
a)グリコシル化変異体
ある種の実施形態では、本明細書において提供する抗体は、抗体がグリコシル化される度合いを増大または減少させるように改変される。抗体へのグリコシル化部位の付加または欠失は、アミノ酸配列を、1つ以上のグリコシル化部位が作製または除去されるように改変させることによって、簡便に達成され得る。
抗体がFc領域を含む場合、そこに結合される炭水化物が改変され得る。哺乳動物細胞により産生される自然抗体は、典型的には、Fc領域のCH2ドメインのAsn297に対してN結合により一般的に結合する分枝状、二分岐のオリゴ糖を含む。例えば、Wright et al.TIBTECH 15:26−32(1997)を参照のこと。オリゴ糖は、種々の炭水化物、例えばマンノース、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、及びシアル酸、ならびに二分岐オリゴ糖構造の「幹」のGlcNAcに結合するフコースを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本発明の抗体におけるオリゴ糖の修飾が、ある種の改善された特性を有する抗体変異体を作製するために、なされ得る。
一実施形態では、Fc領域に(直接または間接的に)結合したフコースを欠く炭水化物構造を有する抗体変異体が提供される。例えば、かかる抗体におけるフコースの量は、1%〜80%、1%〜65%、5%〜65%、または20%〜40%であってもよい。フコースの量は、例えばWO2008/077546に記載されるMALDI−TOF質量分析により測定されるように、Asn297に結合したすべての糖鎖構造(例えば複合体、ハイブリッド、及びハイマンノース構造体)の合計に対してAsn297の糖鎖内のフコースの平均量を計算することによって測定される。Asn297とは、Fc領域内の約297位(Fc領域残基のEU番号付け)に位置するアスパラギン残基を指すが、Asn297はまた、抗体中の軽度の配列変異により、297位のアミノ酸約±3つ分上流または下流に、すなわち、294位〜300位の間に位置してもよい。かかるフコシル化変異体は改善されたADCC機能を有し得る。例えば、米国特許公開第US2003/0157108(Presta,L.);US2004/0093621(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)を参照のこと。「脱フコシル化」または「フコース欠失」抗体変異体に関連した公報の例としては、US2003/0157108、WO2000/61739、WO2001/29246、US2003/0115614、US2002/0164328、US2004/0093621、US2004/0132140、US2004/0110704、US2004/0110282、US2004/0109865、WO2003/085119、WO2003/084570、WO2005/035586、WO2005/035778、WO2005/053742、WO2002/031140、Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239−1249(2004)、Yamane−Ohnuki et al.,Biotech.Bioeng.87:614(2004)が含まれる。脱フコシル化抗体を産生可能な細胞株の例としては、タンパク質フコシル化が欠失したLec13 CHO細胞(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533−545(1986)、米国特許出願第US2003/0157108A1号、Presta,L、及びWO2004/056312A1、Adamsらの特に実施例11)、及びα−1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞等のノックアウト細胞株(例えば、Yamane−Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)、Kanda,Y.et al.,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680−688(2006)、及びWO2003/085107を参照)が含まれる。
抗体変異体は、更に、例えば抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖がGlcNAcにより二分されている二分オリゴ糖と共に提供される。かかる抗体変異体は、フコシル化が低減され、及び/またはADCC機能が改善され得る。かかる抗体変異体の例は、例えば、WO2003/011878(Jean−Mairetら)、米国特許第6,602,684号(Umanaら)、及びUS2005/0123546(Umanaら)に記載されている。Fc領域に結合したオリゴ糖内の少なくとも1つのガラクトース残基を有する抗体変異体もまた、提供される。かかる抗体変異体は、改善されたCDC機能を有し得る。かかる抗体変異体の例は、例えば、WO1997/30087(Patelら)、WO1998/58964(Raju,S.)、及びWO1999/22764(Raju,S.)に記載されている。
b)Fc領域変異体
ある種の実施形態では、1つ以上のアミノ酸修飾を、本明細書において提供する抗体のFc領域に導入し、それにより、Fc領域変異体を生成してもよい。Fc領域変異体は、1つ以上のアミノ酸位置においてアミノ酸修飾(例えば置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 Fc領域)を含んでもよい。
ある種の実施形態では、1つ以上のアミノ酸修飾を、本明細書において提供する抗体のFc領域に導入し、それにより、Fc領域変異体を生成してもよい。Fc領域変異体は、1つ以上のアミノ酸位置においてアミノ酸修飾(例えば置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 Fc領域)を含んでもよい。
ある種の実施形態では、本発明は、エフェクター機能をいくつか有するがすべては有さない抗体変異体を企図し、これは、抗体を、インビボでの抗体の半減期は重要であるが、ある特定のエフェクター機能(例えば、補体及びADCC)は不要かまたは有害である用途のために望ましい候補とする。インビトロ及び/またはインビボ細胞毒性アッセイを実施して、CDC及び/またはADCC活性の低下/枯渇を確認することができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイを実施して、抗体がFcγR結合を欠失している(そのためADCC活性も欠失している可能性がある)が、FcRn結合能は保持していることを確認することができる。NK細胞の仲立ちをする主な細胞であるADCCは、Fc(RIII)のみを発現するが、単球はFc(RI)、Fc(RII)、及びFc(RIII)を発現する。造血細胞上でのFcR発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457−492(1991)の464頁、表3に要約されている。対象分子のADCC活性を評価するインビトロアッセイの非限定例は、米国特許第5,500,362号(例えば、Hellstrom,I.et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 83:7059−7063(1986)を参照)及びHellstrom,I et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 82:1499−1502(1985)、同第5,821,337号(Bruggemann,M.et al.,J.Exp.Med.166:1351−1361(1987)を参照)に記載されている。あるいは、非放射性アッセイ法を用いてもよい(例えば、フローサイトメトリー用ACTI(商標)非放射性細胞毒性アッセイ(CellTechnology,Inc.Mountain View,CA、及びCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞毒性アッセイ(Promega,Madison,WI)を参照のこと)。かかるアッセイに有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。あるいは、または更に、対象分子のADCC活性は、例えば、Clynes et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 95:652−656(1998)に開示されているような動物モデルにおいて、インビボで評価してもよい。また、C1q結合アッセイを実施して、抗体がC1qと結合できず、そのためCDC活性を欠失することを確認してもよい。例えば、WO2006/029879及びWO2005/100402におけるC1q及びC3c結合ELISAを参照のこと。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを実施してもよい(例えば、Gazzano−Santoro et al.,J.Immunol.Methods 202:163(1996)、Cragg,M.S.et al.,Blood 101:1045−1052(2003)、及びCragg,M.S.and M.J.Glennie,Blood 103:2738−2743(2004)を参照のこと)。当該技術分野において既知の方法を使用して、FcRn結合及びインビボクリアランス/半減期の決定も行うことができる(例えば、Petkova,S.B.et al.,Int’l.Immunol.18(12):1759−1769(2006)を参照)。
低減したエフェクター機能を有する抗体は、Fc領域残基238、265、269、270、297、327、及び329のうちの1つ以上の置換を有するものを含む(米国特許第6,737,056号)。かかるFc変異体は、アミノ酸位265、269、270、297及び327のうちの2つ以上での置換を有するFc変異体を含み、アラニンへの残基265及び297の置換を有するいわゆる「DANA」Fc変異体を含む(米国特許第7,332,581号)。
FcRへの改善または低下した結合を有するある種の抗体変異体が記載されている。(例えば、米国特許第6,737,056号、WO2004/056312、及びShields et al.,J.Biol.Chem.9(2):6591−6604(2001)を参照のこと。)ある種の実施形態では、抗体変異体は、ADCCを改善する1つ以上のアミノ酸置換、例えばFc領域の位置298、333、及び/または334(残基のEU番号付け)で置換を有するFc領域を含む。いくつかの実施形態では、例えば、米国特許第6,194,551号、WO99/51642、及びIdusogie et al.J.Immunol.164:4178−4184(2000)に記載されるように、C1q結合及び/または補体依存性細胞傷害(CDC)の改変(すなわち、改善または低下のいずれか)をもたらす改変が、Fc領域になされる。
半減期が増大し、母体IgGを胎児に移行する役割を果たす新生児Fc受容体(FcRn)への結合が改善した抗体(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)及びKim et al.,J.Immunol.24:249(1994))が、US2005/0014934A1(Hintonら)に記載されている。これらの抗体は、FcRnへのFc領域の結合を改善する1つ以上の置換を有するFc領域を含む。かかるFc変異体は、238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424、または434のFc領域残基のうちの1つ以上での置換、例えばFc領域残基434の置換を有するものを含む(米国特許第7,371,826号)。Fc領域変異体のその他の例に関しては、Duncan & Winter,Nature 322:738−40(1988)、米国特許第5,648,260号、米国特許第5,624,821号、及びWO94/29351も参照のこと。
c)システイン操作抗体変異体
ある種の実施形態では、システイン操作抗体、例えば抗体の1つ以上の残基がシステイン残基により置換されている「thioMAb」を作製するのが望ましい場合がある。特定の実施形態では、置換される残基が、抗体の接触可能な部位で生じる。これらの残基をシステインで置換することによって、反応性チオール基が抗体の接触可能な部位に配置され、抗体を他の部分、例えば薬物部分、またはリンカー−薬物部分に結合させ、本明細書で更に記載されるように免疫複合体を作製するために使用され得る。ある種の実施形態では、任意の1つ以上の以下の残基をシステインで置換してもよい:軽鎖のV205(カバット番号付け);重鎖のA118(EU番号付け);及び重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)。システイン操作抗体は、例えば、米国特許第7,521,541号に記載されているように産生してもよい。
ある種の実施形態では、システイン操作抗体、例えば抗体の1つ以上の残基がシステイン残基により置換されている「thioMAb」を作製するのが望ましい場合がある。特定の実施形態では、置換される残基が、抗体の接触可能な部位で生じる。これらの残基をシステインで置換することによって、反応性チオール基が抗体の接触可能な部位に配置され、抗体を他の部分、例えば薬物部分、またはリンカー−薬物部分に結合させ、本明細書で更に記載されるように免疫複合体を作製するために使用され得る。ある種の実施形態では、任意の1つ以上の以下の残基をシステインで置換してもよい:軽鎖のV205(カバット番号付け);重鎖のA118(EU番号付け);及び重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)。システイン操作抗体は、例えば、米国特許第7,521,541号に記載されているように産生してもよい。
B.免疫複合体
更に、G9aまたはEGFR等の対象ポリペプチドと結合する抗体を含み、化学療法剤若しくは薬物、成長阻害剤、毒素(例えば、タンパク質毒素、微生物、菌類、植物、若しくは動物由来の酵素活性毒素、またはこれらの断片)、あるいは本明細書に記載される方法で使用する放射性同位元素等の1つ以上の細胞毒性剤に結合した免疫複合体が、本明細書に提供される。
更に、G9aまたはEGFR等の対象ポリペプチドと結合する抗体を含み、化学療法剤若しくは薬物、成長阻害剤、毒素(例えば、タンパク質毒素、微生物、菌類、植物、若しくは動物由来の酵素活性毒素、またはこれらの断片)、あるいは本明細書に記載される方法で使用する放射性同位元素等の1つ以上の細胞毒性剤に結合した免疫複合体が、本明細書に提供される。
一実施形態では、免疫複合体は、抗体薬物複合体(ADC)であり、抗体が、マイタンシノイド(米国特許第5,208,020号、同第5,416,064号、及び欧州特許第EP0425235号を参照);モノメチルオーリスタチン薬物部分DE及びDF(MMAE及びMMAF)等のオーリスタチン(米国特許第5,635,483号、同第5,780,588号、及び同第7,498,298号を参照);ドラスタチン;カリケアマイシンまたはその誘導体(米国特許第5,712,374号、同第5,714,586号、同第5,739,116号、同第5,767,285号、同第5,770,701号、同第5,770,710号、同第5,773,001号、及び同第5,877,296号、Hinman et al.,Cancer Res.53:3336−3342(1993)、及びLode et al.,Cancer Res.58:2925−2928(1998)を参照);ダウノマイシンまたはドキソルビシン等のアントラサイクリン(Kratz et al.,Current Med.Chem.13:477−523(2006)、Jeffrey et al.,Bioorganic & Med.Chem.Letters 16:358−362(2006)、Torgov et al.,Bioconj.Chem.16:717−721(2005)、Nagy et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:829−834(2000)、Dubowchik et al.,Bioorg.& Med.Chem.Letters 12:1529−1532(2002)、King et al.,J.Med.Chem.45:4336−4343(2002)、及び米国特許第6,630,579号を参照);メトトレキサート;ビンデシン;ドセタキセル、パクリタキセル、ラロタキセル、テセタキセル、及びオルタタキセル等のタキサン;トリコテセン;ならびにCC1065を含む1つ以上の薬物に結合している。
別の実施形態では、免疫複合体は、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、エキソトキシンA鎖(Pseudomonas aeruginosaからのもの)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、αサルシン、シナアブラギリのタンパク質、ジアンチンタンパク質、ヨウシュヤマゴボウのタンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP−S)、ツルレイシ阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン(enomycin)、ならびにトリコテセンが含まれるが、これらに限定されない、酵素活性毒素またはこれらの断片に結合する本明細書に記載される抗体を含む。
別の実施形態では、免疫複合体は、放射性原子に結合して、放射性複合体を形成する本明細書に記載される抗体を含む。種々の放射性同位元素が、放射性複合体の産生に利用可能である。例としては、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212、及びLuの放射性同位元素が含まれる。放射性複合体を検出用に用いる場合、例えば、Tc99m若しくはI123等のシンチグラフィ検査用放射性原子、または、ここでもヨウ素123、ヨウ素131、インジウム111、フッ素19、炭素13、窒素15、酸素17、ガドリニウム、マンガン、若しくは鉄等の核磁気共鳴(NMR)画像法(磁気共鳴映像法、mriとしても知られている)用のスピン標識を含んでもよい。
N−サクシニミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、サクシニミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチルアジプイミデート塩酸塩等)、活性エステル(ジスクシンイミジルスベレート等)、アルデヒド(グルタルアルデヒド等)、ビスアジド化合物(ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン等)、ビスジアゾニウム誘導体(ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン等)、ジイソシアネート(トルエン2,6−ジイソシアネート等)、及びビス活性フッ素化合物(1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)等の、種々の二官能性タンパク質カップリング剤を用いて、抗体及び細胞毒性剤の複合体を作製してもよい。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta et al.,Science 238:1098(1987)に記載されているようにして調製することができる。炭素14で標識した1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、抗体への放射性ヌクレオチドの結合用の代表的なキレート剤である。WO94/11026を参照のこと。リンカーは、細胞中の細胞毒性薬の放出を促進する「開裂可能なリンカー」であってもよい。例えば、酸に不安定なリンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、感光性リンカー、ジメチルリンカー、またはジスルフィド含有リンカー(Chari et al.,Cancer Res.52:127−131(1992)、米国特許第5,208,020号)を使用してもよい。
本明細書における免疫複合体またはADCは、限定されないが、(例えばPierce Biotechnology,Inc.,Rockford,IL.,U.S.Aから)市販されているBMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC−SMCC、MBS、MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホEMCS、スルホGMBS、スルホKMUS、スルホMBS、スルホSIAB、スルホSMCC、及びスルホSMPB、及びSVSB(スクシンイミジル−(4−ビニルスルホン)ベンゾエート)を含むが、これらに限定されない、架橋試薬を用いて調製されたかかる複合体を明示的に企図する。
C.結合ポリペプチド
結合ポリペプチドは、対象ポリペプチドを結合するポリペプチドであり、これには、本明細書に記載される方法で使用するために提供されるG9aが含まれる。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドは、G9a拮抗剤拮抗剤である。結合ポリペプチドは、既知のポリペプチド合成法を用いて化学合成を行ってもよく、または組換え技術を用いて調製及び精製を行ってもよい。結合ポリペプチドは、通常、少なくとも約5個の長さのアミノ酸である、あるいは少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、若しくは100個の長さのアミノ酸またはそれ以上であり、ここで、好ましくは、本明細書に記載されるように、標的、例えばG9aまたはEGFRに特異的に結合可能なかかる結合ポリペプチド。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはG9aメチルトランスフェラーゼ活性を阻害する。
結合ポリペプチドは、対象ポリペプチドを結合するポリペプチドであり、これには、本明細書に記載される方法で使用するために提供されるG9aが含まれる。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドは、G9a拮抗剤拮抗剤である。結合ポリペプチドは、既知のポリペプチド合成法を用いて化学合成を行ってもよく、または組換え技術を用いて調製及び精製を行ってもよい。結合ポリペプチドは、通常、少なくとも約5個の長さのアミノ酸である、あるいは少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、若しくは100個の長さのアミノ酸またはそれ以上であり、ここで、好ましくは、本明細書に記載されるように、標的、例えばG9aまたはEGFRに特異的に結合可能なかかる結合ポリペプチド。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはG9aメチルトランスフェラーゼ活性を阻害する。
結合ポリペプチドは、既知の技術を用いて過度な実験をすることなく同定され得る。これに関し、ポリペプチド標的に特異的に結合可能な結合ポリペプチドについてポリペプチドライブラリーをスクリーニングするための技術は、当該技術分野において周知であることに留意すべきである(例えば、米国特許第5,556,762号、同第5,750,373号、同第4,708,871号、同第4,833,092号、同第5,223,409号、同第5,403,484号、同第5,571,689号、同第5,663,143号;PCT公開第WO84/03506及びWO84/03564、Geysen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,81:3998−4002(1984)、Geysen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,82:178−182(1985)、Geysen et al.,in Synthetic Peptides as Antigens,130−149(1986)、Geysen et al.,J.Immunol.Meth.,102:259−274(1987)、Schoofs et al.,J.Immunol.,140:611−616(1988)、Cwirla,S.E.et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:6378、Lowman,H.B.et al.(1991)Biochemistry,30:10832、Clackson,T.et al.(1991)Nature,352:624、Marks,J.D.et al.(1991),J.Mol.Biol.,222:581、Kang,A.S.et al.(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:8363、ならびにSmith,G.P.(1991)Current Opin.Biotechnol.,2:668を参照のこと)。
ペプチドライブラリーの生成及びこれらのライブラリーのスクリーニング方法は、米国特許第5,723,286号、同第5,432,018号、同第5,580,717号、同第5,427,908号、同第5,498,530号、同第5,770,434号、同第5,734,018号、同第5,698,426号、同第5,763,192号、及び同第5,723,323号にも開示されている。
D.結合低分子
上記の方法にて使用する、G9a等の対象ポリペプチドの結合低分子拮抗剤として使用するための結合低分子が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、結合低分子拮抗剤はG9aメチルトランスフェラーゼ活性を阻害する。
上記の方法にて使用する、G9a等の対象ポリペプチドの結合低分子拮抗剤として使用するための結合低分子が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、結合低分子拮抗剤はG9aメチルトランスフェラーゼ活性を阻害する。
結合低分子は、好ましくは本明細書に記載するG9a及び/またはEGFRに特異的に結合する、本明細書に定義する結合ポリペプチドまたは抗体以外の有機分子であることが好ましい。
ある種の実施形態の実施に際して有用であり得るG9a低分子拮抗剤の例としては、式Iの化合物、その異性体若しくは異性体の混合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグが挙げられる。UNC0638としても知られ、本明細書では、G9ai−2と称される式Iの化合物は、G9a及びGLPに対して強力かつ選択的な細胞透過性化学プローブであり、濃度依存性様式でH3K9me2レベルを低減させる。かかる化合物、ならびにかかる化合物の調製に有用な工程及び中間体は、Vedadi et al.,Nat.Chem.Biol.,7,566−574(2011)及びSweis et al.,ACS Med.Chem.Lett.,5,205−209(2014)に記載されている。
いくつかの実施形態では、G9a阻害剤は、Bix−01294、UNC0321、UNC0646、及び/またはUNC0224である(Vedadi et al.,Nat.Chem.Biol.,7,566−574(2011)を参照。Bix−01294はまた、本明細書では、G9ai−2と称される。
いくつかの実施形態では、G9a阻害剤は、2−(ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)−6,7−ジメトキシ−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]−4−キナゾリンアミンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態では、G9a阻害剤は、2−(ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)−6,7−ジメトキシ−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]−4−キナゾリンアミン三塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、G9a阻害剤は、7−[3−(ジメチルアミノ)プロポキシ]−2−(ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)−6−メトキシ−N−(1−メチル−4−ピペリジニル)−4−キナゾリンアミンまたはその塩である。
いくつかの実施形態では、G9a阻害剤は、
またはその塩である。
いくつかの実施形態では、G9a阻害剤は、
を含み、式中、R1及びR2は、以下のもの(任意の組み合わせを含む)のうちの1つ以上である。
いくつかの実施形態では、G9A阻害剤は、ワールドワイドウェブサイトのsciencedirect.com/science/article/pii/S0960894X12015399(Fujishiro et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,23,733−736(2013))に記載されている阻害剤であり、これは、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
結合低分子は、周知の方法を用いて同定及び化学的に合成されてもよい(例えばPCT公開第WO00/00823及びWO00/39585を参照)。結合低分子は、通常サイズが約2000ダルトン未満、あるいはサイズが約1500、約750、約500、約250、または約200ダルトン未満であり、ここで、好ましくは本明細書に記載されるポリペプチドに特異的に結合可能なかかる低分子は、既知の技術を使用して過度な実験をすることなく、同定してもよい。これに関し、対象ポリペプチドに結合可能な分子に対する有機低分子ライブラリーのスクリーニング技術は当該技術分野において周知であることに留意すべきである(例えばPCT公開第WO00/00823及びWO00/39585を参照)。結合有機低分子は、例えば、アルデヒド、ケトン、オキシム、ヒドラゾン、セミカルバゾン、カルバジド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、N−置換ヒドラジン、ヒドラジド、アルコール、エーテル、チオール、チオエーテル、ジスルフィド、カルボン酸、エステル、アミド、尿素、カルバメート、炭酸塩、ケタール、チオケタール、アセタール、チオアセタール、ハロゲン化アリール、スルホン酸アリール、ハロゲン化アルキル、スルホン酸アルキル、芳香族化合物、複素環式化合物、アニリン、アルケン、アルキン、ジオール、アミノアルコール、オキサゾリジン、オキサゾリン、チアゾリジン、チアゾリン、エナミン、スルホンアミド、エポキシド、アジリジン、イソシアネート、塩化スルホニル、ジアゾ化合物、酸塩化物等であり得る。
E.拮抗剤ポリヌクレオチド
本明細書に記載される方法で使用するポリヌクレオチド拮抗剤もまた、本明細書に提供される。ポリヌクレオチドは、アンチセンス核酸及び/またはリボザイムであってもよい。アンチセンス核酸は、本明細書に記載されるG9a遺伝子(例えば、UNIPROT番号Q96KQ7−1、Q96KQ7−2、及び/またはQ96KQ7−3のアミノ酸配列、これらは参照することによりそれらの全体が組み込まれる)等の、対象遺伝子のRNA転写産物の少なくとも一部に相補的な配列を含む。しかし、完全な相補性は、好ましいものの必要ではない。
本明細書に記載される方法で使用するポリヌクレオチド拮抗剤もまた、本明細書に提供される。ポリヌクレオチドは、アンチセンス核酸及び/またはリボザイムであってもよい。アンチセンス核酸は、本明細書に記載されるG9a遺伝子(例えば、UNIPROT番号Q96KQ7−1、Q96KQ7−2、及び/またはQ96KQ7−3のアミノ酸配列、これらは参照することによりそれらの全体が組み込まれる)等の、対象遺伝子のRNA転写産物の少なくとも一部に相補的な配列を含む。しかし、完全な相補性は、好ましいものの必要ではない。
本明細書で言及される「RNAの少なくとも一部に相補的な」配列とは、RNAをハイブリダイズさせて安定した二本鎖を形成可能な十分な相補性を有する配列を指し、したがって、二本鎖のアンチセンス核酸の場合、二本鎖DNAの一本鎖を試験してもよい、または三本鎖形成をアッセイしてもよい。ハイブリダイゼーション能力は、アンチセンス核酸相補性の程度、及び長さの両方に依存する。通常、核酸のハイブリダイゼーションが大きくなればなるほど、より多くの塩基が含み得るRNAとミスマッチするが、依然として安定した二本鎖(または場合により三本鎖)を形成する。当業者は、ハイブリダイズした複合体の融点を測定する標準的な手順を使用して、許容範囲のミスマッチの程度を確認することができる。
メッセージの5’末端、例えばAUG開始コドンまでの及びそれを含む5’未翻訳配列に相補的であるポリヌクレオチドは、翻訳阻害で最も効率的に作用するはずである。しかし、mRNAの3’未翻訳配列に相補的な配列も同様に、mRNAの翻訳阻害に効果的であることが示されている。一般にはWagner,R.,1994,Nature 372:333−335を参照のこと。したがって、遺伝子の5’または3’未翻訳、未コード領域のいずれかに相補的なオリゴヌクレオチドは、内因性mRNAの翻訳を阻害するアンチセンスアプローチに使用され得る。mRNAの5’未翻訳領域に相補的なポリヌクレオチドは、AUG開始コドンの補体を含まなければならない。mRNAコード領域に相補的なアンチセンスポリヌクレオチドは、さほど効果のない翻訳阻害剤であるが、本発明に従って使用することができる。mRNAの5’、または3’コード領域をハイブリダイズするように設計されたか否かに関わらず、アンチセンス核酸は少なくとも6個の長さのヌクレオチドを有さなければならず、好ましくは6〜50個にわたる長さのヌクレオチドのオリゴヌクレオチドである。特定の態様では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも17個のヌクレオチド、少なくとも25個のヌクレオチド、または少なくとも50個のヌクレオチドである。
F.抗体及び結合ポリペプチド変異体
ある種の実施形態では、本明細書で提供する抗体及び/または結合ポリペプチドのアミノ酸配列変異体が企図される。例えば、結合親和性、ならびに/または抗体及び/または結合ポリペプチドの他の生物学的性質を改善するのが望ましい場合がある。抗体及び/または結合ポリペプチドのアミノ酸配列変異体を、抗体及び/若しくは結合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に適切な修飾を導入することで、またはペプチド合成により調製してもよい。かかる修飾には例えば、抗体及び/または結合ポリペプチドのアミノ酸配列内での残基の欠失、及び/または挿入、及び/または置換が挙げられる。最終構築物が所望の特性、例えば抗原結合を有することを条件として、欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせを行い、最終構築物に到達することができる。
ある種の実施形態では、本明細書で提供する抗体及び/または結合ポリペプチドのアミノ酸配列変異体が企図される。例えば、結合親和性、ならびに/または抗体及び/または結合ポリペプチドの他の生物学的性質を改善するのが望ましい場合がある。抗体及び/または結合ポリペプチドのアミノ酸配列変異体を、抗体及び/若しくは結合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に適切な修飾を導入することで、またはペプチド合成により調製してもよい。かかる修飾には例えば、抗体及び/または結合ポリペプチドのアミノ酸配列内での残基の欠失、及び/または挿入、及び/または置換が挙げられる。最終構築物が所望の特性、例えば抗原結合を有することを条件として、欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせを行い、最終構築物に到達することができる。
ある種の実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換を有する抗体変異体及び/または結合ポリペプチド変異体を提供する。置換の突然変異を誘発させる対象部位としては、HVR及びFRが挙げられる。表1において、見出し「好ましい置換」の下に保存的置換を示す。更に相当の変更を表1の見出し「代表的置換」の下に、かつアミノ酸側鎖クラスに関して以下に更に記載をする通りに示す。アミノ酸置換を抗体及び/または対象ポリペプチド、ならびに所望の活性、例えば抗原結合の維持/向上、免疫原性の低下、またはADCC若しくはCDCの向上についてスクリーニングをした生成物に導入してもよい。
アミノ酸を一般的な側鎖の特性に従って分類してもよい:
(1)疎水性:ノルロイシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン
(2)中性親水性:システイン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン
(3)酸性:アスパラギン酸、グルタミン酸
(4)塩基性:ヒスチジン、リジン、アルギニン
(5)鎖配向に影響を与える残基:グリシン、プロリン
(6)芳香族:トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン。
(1)疎水性:ノルロイシン、メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン
(2)中性親水性:システイン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン
(3)酸性:アスパラギン酸、グルタミン酸
(4)塩基性:ヒスチジン、リジン、アルギニン
(5)鎖配向に影響を与える残基:グリシン、プロリン
(6)芳香族:トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン。
非保存的置換には、これらのクラスの1つのメンバーを別のクラスと交換することを伴う。
G.抗体及び結合ポリペプチド誘導体
ある種の実施形態では、本明細書において提供する抗体及び/または結合ポリペプチドを更に修飾して、当技術分野において既知であり容易に入手可能な、更なる非タンパク質性部分を含ませてもよい。抗体及び/または結合ポリペプチドの誘導体化に好適な部分としては、水溶性ポリマーが挙げられるが、これに限定されない。水溶性ポリマーの非限定例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1、3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーまたはランダムコポリマーのいずれか)、及びデキストランまたはポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロプロピレングリコールホモポリマー、プロリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチレン化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、その水中での安定性のため、製造において利点を有し得る。ポリマーは任意の分子量であってよく、かつ分枝または非分枝であってよい。抗体及び/または結合ポリペプチドに結合したポリマーの数は異なり得、1つを超えるポリマーが結合している場合、それらは、同一であるかまたは異なる分子であることができる。一般に、誘導体化に使用されるポリマーの数及び/または種類は、限定されるわけではないが、改善される抗体及び/または結合ポリペプチドの特定の性質または機能、抗体誘導体及び/または結合ポリペプチド誘導体が規定される状態下の治療に使用されるかどうか、等を含む事項に基づき決定することができる。
ある種の実施形態では、本明細書において提供する抗体及び/または結合ポリペプチドを更に修飾して、当技術分野において既知であり容易に入手可能な、更なる非タンパク質性部分を含ませてもよい。抗体及び/または結合ポリペプチドの誘導体化に好適な部分としては、水溶性ポリマーが挙げられるが、これに限定されない。水溶性ポリマーの非限定例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1、3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーまたはランダムコポリマーのいずれか)、及びデキストランまたはポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロプロピレングリコールホモポリマー、プロリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチレン化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、その水中での安定性のため、製造において利点を有し得る。ポリマーは任意の分子量であってよく、かつ分枝または非分枝であってよい。抗体及び/または結合ポリペプチドに結合したポリマーの数は異なり得、1つを超えるポリマーが結合している場合、それらは、同一であるかまたは異なる分子であることができる。一般に、誘導体化に使用されるポリマーの数及び/または種類は、限定されるわけではないが、改善される抗体及び/または結合ポリペプチドの特定の性質または機能、抗体誘導体及び/または結合ポリペプチド誘導体が規定される状態下の治療に使用されるかどうか、等を含む事項に基づき決定することができる。
別の実施形態では、放射線照射により選択的に加熱され得る、非タンパク質性部分への抗体及び/または結合ポリペプチドの複合体が提供される。一実施形態では、非タンパク質性部分はカーボンナノチューブである(Kam et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102:11600−11605(2005))。放射線は任意の波長であってよく、限定するものではないが、通常の細胞に害を与えないが、抗体及び/または結合ポリペプチド−非タンパク質様部分に近位の細胞が死滅させられる温度まで非タンパク質様部分を加熱する波長が含まれる。
IV.所望の機能を有するG9a拮抗剤のスクリーニング及び/または同定方法
抗体、結合ポリペプチド、及び/または低分子を含む、本明細書に記載される方法において使用するG9a等の対象ポリペプチドの更なる拮抗剤が上に記載された。本明細書において提供する抗G9a抗体、結合ポリペプチド、及び/または結合低分子等の更なる拮抗剤は、当該技術分野において既知の種々のアッセイにより、その物理的/化学的性質及び/または生物活性を同定、スクリーニング、または特性決定してもよい。
抗体、結合ポリペプチド、及び/または低分子を含む、本明細書に記載される方法において使用するG9a等の対象ポリペプチドの更なる拮抗剤が上に記載された。本明細書において提供する抗G9a抗体、結合ポリペプチド、及び/または結合低分子等の更なる拮抗剤は、当該技術分野において既知の種々のアッセイにより、その物理的/化学的性質及び/または生物活性を同定、スクリーニング、または特性決定してもよい。
ある種の実施形態では、G9aポリペプチドの原子座標を含むメモリを含むコンピュータシステムが、G9aのリガンド結合部位を化合物を合理的に同定するモデルとして有用である。かかる化合物は、例えば、新規に設計するか、または既知の化合物の改質により設計するかのいずれかであってもよい。他の場合、結合化合物を、既知の化合物がG9aの分子モデルと「ドッキングする」かどうかを判定する試験をすることにより同定してもよい。かかるドッキング法は一般に、当該技術分野において既知である。
G9aの結晶構造データをコンピュータモデリング技術と共に使用し、結晶構造データの分析により、種々のG9a結合化合物の結合モデルを開発することができる。部位モデルは、部位表面の三次元トポグラフィー、ならびにファン・デル・ワールス接触、静電相互作用、及び水素結合機会等の要因を特徴付ける。次に、コンピュータシミュレーション技術を使用して、モデル部位と相互作用するように設計されている、プロトン、ヒドロキシル基、アミン基、二価のカチオン、芳香族及び脂肪族官能基、アミド基、アルコール基等が挙げられるが、これらに限定されない、官能基の相互作用位置をマッピングする。これらの基を、候補化合物が部位に特異的に結合するであろうという予測を立てて、ファーマコフォアまたは候補化合物の中に設計してもよい。したがって、ファーマコフォアの設計には、ファーマコフォアに含まれる候補化合物の、水素結合、ファン・デル・ワールス、静電、及び共有結合の相互作用を含む利用可能な種類の化学的相互作用のいずれかまたはそのすべてにより、部位と相互作用する能力を考慮することを伴うが、一般に、ファーマコフォアは非共有結合機構により部位と相互作用する。
ファーマコフォアまたは候補化合物の、G9aポリペプチドへの結合能力は、実際の合成に加え、コンピュータモデリング技術の使用により分析することができる。十分な結合エネルギー(一実施例では、約10−2Mまたはそれ以上の標的の解離定数に対応する結合エネルギー)により標的(例えばG9aポリペプチド結合部位)と結合することがコンピュータモデリングにより示される化合物のみを合成して、それらのG9aポリペプチドへの結合能力及びG9a阻害能力、また該当する場合、当業者に既知の、及び/または本明細書に記載される酵素アッセイを使用した酵素機能を試験してもよい。したがって、コンピュータによる評価ステップは、十分な親和性でG9aポリペプチドと結合する可能性が低い化合物の不必要な合成を回避する。
G9aファーマコフォアまたは候補化合物を、化学成分または断片を、G9aポリペプチドにおける個々の結合標的部位と会合する能力についてスクリーニングして選択する一連のステップを用いてコンピュータにより評価し、設計してもよい。当業者は、化学成分または断片の、G9aポリペプチド、より詳細にはG9aポリペプチドの標的部位と会合する能力をスクリーニングするいくつかの方法の1つを使用してもよい。該工程は例えば、G9aポリペプチド座標に基づく、コンピュータスクリーン上の標的部位、または当該技術分野において既知のこれらの座標のサブセットの目視検査により開始してもよい。
癌細胞死を誘発する拮抗剤を選択するために、例えばヨウ化プロピジウム(PI)、トリパンブルーまたは7AADの取り込みにより示される膜の完全性の喪失を、基準物質と比較して評価してもよい。PI取り込みアッセイを、補体及び免疫エフェクター細胞の不存在下で実施してもよい。腫瘍細胞を培地のみ、または適切な併用療法剤を含有する培地でインキュベートする。細胞を3日間インキュベートする。各処理の後、細胞集塊除去のために、細胞を洗浄して、35mmのストレーナを取り付けた12×75チューブ(チューブ当たり1mL、処理群当たり3チューブ)中に分取する。次いで、チューブにPI(10μg/mL)を入れる。試料はFACSCAN(登録商標)フローサイトメーター及びFACSCONVERT(登録商標)CellQuestソフトウェア(Becton Dickinson)を使用して分析してもよい。PI取り込みにより測定されるように、培地のみ及び/または単剤療法と比較して、統計的に有意なレベルの細胞死を誘発するような拮抗剤を、細胞死誘発抗体、結合ポリペプチド、または結合低分子として選択してもよい。
スクリーニング及び/または同定法のいずれかにおけるいくつかの実施形態では、G9aの候補拮抗剤は、抗体、結合ポリペプチド、結合低分子、またはポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤は抗体である。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤は結合低分子である。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤はG9aメチルトランスフェラーゼ活性を阻害する。
V.薬学的製剤
本明細書に記載されるG9a拮抗剤及び/または癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の薬学的製剤は、所望の程度の純度を有するような抗体を、1つ以上の任意の薬学的に許容される担体と混合することにより、凍結乾燥製剤または水溶液の形態で調製される(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980))。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び/または標的療法剤は、結合低分子、抗体、結合ポリペプチド、及び/またはポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、癌治療剤はEGFR拮抗剤である。いくつかの実施形態では、癌治療剤はタキサンである。いくつかの実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。いくつかの実施形態では、タキサンはドセタキセルである。
本明細書に記載されるG9a拮抗剤及び/または癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の薬学的製剤は、所望の程度の純度を有するような抗体を、1つ以上の任意の薬学的に許容される担体と混合することにより、凍結乾燥製剤または水溶液の形態で調製される(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980))。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び/または標的療法剤は、結合低分子、抗体、結合ポリペプチド、及び/またはポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、癌治療剤はEGFR拮抗剤である。いくつかの実施形態では、癌治療剤はタキサンである。いくつかの実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。いくつかの実施形態では、タキサンはドセタキセルである。
薬学的に許容される担体は、一般に、使用される用量及び濃度でレシピエントに対して無毒であり、これらには、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸塩等の緩衝液;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル若しくはベンジルアルコール;メチル若しくはプロピルパラベン等のアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;及びm−クレゾール等);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、若しくは免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、若しくはリジン等のアミノ酸;グルコース、マンノース、若しくはデキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物;EDTA等のキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース、若しくはソルビトール等の糖類;ナトリウム等の塩形成対イオン;金属錯体(例えば亜鉛−タンパク質複合体);ならびに/またはポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書における例となる薬学的に許容される担体は、更に、可溶性中性活性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)等の介在性薬剤分散剤、例えば、rHuPH20(HYLENEX(登録商標)、Baxter International,Inc.)等のヒト可溶性PH−20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質を含む。rHuPH20を含む、ある種の例となるsHASEGP及び使用方法は、米国特許公開第2005/0260186号及び同第2006/0104968号に記載されている。一態様では、sHASEGPは、コンドロイチン分解酵素等の、1つ以上の更なるグルコサミノグリカナーゼと結合する。
例となる凍結乾燥製剤は、米国特許第6,267,958号に記載されている。水性抗体製剤としては、米国特許第6,171,586号及びWO2006/044908に記載されるものが挙げられ、後者の製剤には、ヒスチジンアセテート緩衝液が含まれる。
本明細書における製剤はまた、治療される特定の適応症で必要に応じて1つを超える有効成分、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない相補的な活性を有するものを含んでもよい。かかる有効成分は、意図する目的に対して有効な量の組み合わせで適切に存在する。
有効成分は、例えば、液滴形成技術または界面重合によって配合されたマイクロカプセル、例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセル及びポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセル中、コロイド薬物送達系(例えばリポソーム、アルブミン小球体、マイクロエマルション、ナノ粒子及びナノカプセル)中、あるいはマクロエマルション中に封入されてもよい。かかる技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に開示されている。
持続放出配合物を配合してもよい。持続放出配合物の好適な例は、G9a拮抗剤ならびに/または癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/若しくは放射線治療剤)を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスを含み、そのマトリックスは、造形品、例えばフィルムまたはマイクロカプセルの形態である。
インビボ投与で使用する製剤は通常滅菌されている。滅菌は例えば、滅菌濾過膜を通す濾過により容易に達成され得る。
VI.製造物品
本発明の別の態様では、上記疾患の治療、予防及び/または診断に有用な材料を含む製造物品を提供する。該製造物品は、容器、及び容器上にあるまたは付属するラベルまたは添付文書を含む。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、静注液バッグ等が挙げられる。容器はガラスまたはプラスチック等の種々の材料から形成してもよい。容器は組成物それ自体、または状態の治療、予防及び/若しくは診断に効果的な別の組成物と組み合わせた組成物を保持し、かつ、滅菌アクセス口を有してもよい(例えば、容器は静注液バッグまたは皮下注射針で貫通可能なストッパを有するバイアルであってよい)。組成物における少なくとも1つの活性剤は、本明細書で記載されるG9a拮抗剤である。ラベルまたは添付文書は、組成物が最適な状態の治療に使用されることを示す。更に、製造物品は(a)中に組成物を含有する第1の容器(ここで組成物はG9a拮抗剤を含む)、ならびに(b)中に組成物を含有する第2の容器(ここで組成物は癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を含む)を含んでもよい。
本発明の別の態様では、上記疾患の治療、予防及び/または診断に有用な材料を含む製造物品を提供する。該製造物品は、容器、及び容器上にあるまたは付属するラベルまたは添付文書を含む。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、静注液バッグ等が挙げられる。容器はガラスまたはプラスチック等の種々の材料から形成してもよい。容器は組成物それ自体、または状態の治療、予防及び/若しくは診断に効果的な別の組成物と組み合わせた組成物を保持し、かつ、滅菌アクセス口を有してもよい(例えば、容器は静注液バッグまたは皮下注射針で貫通可能なストッパを有するバイアルであってよい)。組成物における少なくとも1つの活性剤は、本明細書で記載されるG9a拮抗剤である。ラベルまたは添付文書は、組成物が最適な状態の治療に使用されることを示す。更に、製造物品は(a)中に組成物を含有する第1の容器(ここで組成物はG9a拮抗剤を含む)、ならびに(b)中に組成物を含有する第2の容器(ここで組成物は癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)を含む)を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、製造物品は容器、該容器上のラベル、及び該容器内に含まれる組成物を含み、ここで、組成物は、1つ以上の試薬(例えば、1つ以上の生体指標若しくはプローブに結合する一次抗体、及び/または本明細書に記載される1つ以上の生体指標に結合するプライマー)、試料内に1つ以上の生体指標が存在することを評価するために組成物を使用可能であることを示す、容器上のラベル、ならびに試料内に1つ以上の生体指標が存在することを評価するための試薬の使用説明書を含む。製造物品は更に、試料の調製及び試薬の利用のための取扱説明書及び材料のセットを含むことができる。いくつかの実施形態では、製造物品は更に一次及び二次抗体の両方といった試薬を含んでもよく、ここで二次抗体は標識、例えば酵素標識に結合している。いくつかの実施形態では、製造物品は、本明細書に記載される1つ以上の生体指標に対する、1つ以上のプローブ及び/またはプライマー。
製造物品のいずれかに関するいくつかの実施形態では、G9a拮抗剤及び/または癌治療剤は、抗体、結合ポリペプチド、結合低分子、またはポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、癌治療剤はタキサンである。いくつかの実施形態では、タキサンはパクリタキセルである。いくつかの実施形態では、癌治療剤はEGFR拮抗剤である。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤の拮抗剤は結合低分子である。いくつかの実施形態では、EGFR結合低分子拮抗剤はエルロチニブである。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤の拮抗剤は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト、ヒト化、またはキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は抗体断片であり、抗体断片はG9a及び/または阻害剤と結合する。いくつかの実施形態では、G9a拮抗剤はG9aメチルトランスフェラーゼ活性を阻害する。
本発明の本実施形態における製造物品は更に、組成物を特定の状態の治療に使用可能であることを示す添付文書を含んでもよい。いくつかの実施形態では、添付文書は、G9a拮抗剤を、癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/若しくは放射線治療剤)の前に、ならびに/またはそれと同時に投与するための取扱説明書を含む。あるいは、または更に、製造物品は更に、注射用静菌水(BWFI)、リン酸塩−緩衝生理食塩水、リンゲル液及びデキストロース溶液等の製薬上許容できる緩衝液を含む第2(または第3)の容器を含んでもよい。更に、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、及びシリンジを含む、商業的及び使用者の視点から所望の他の物質を含んでもよい。
製造物品内のその他の任意成分としては、1つ以上の緩衝液(例えば遮断緩衝液、洗浄緩衝液、基質緩衝液等)、酵素標識により化学的に変化する基質等の他の試薬(例えば色素体)、エピトープ回収溶液、対照試料(陽性及び/または陰性対照)、対照スライド等(複数を含む)が挙げられる。
上記の製造物品のうちのいずれかが、G9a拮抗剤ならびに癌治療剤(例えば標的療法剤、化学療法剤、及び/または放射線治療剤)の代わりに、またはそれに加えて、本明細書に記載される免疫複合体を含み得ることが理解される。
以下は本発明の方法及び組成物の実施例である。上述の概略的な記載を考慮して、種々の他の実施例を実施してもよいことが理解される。結果もまた、図及び図の凡例に表示及び記載している。
(実施例1)
材料及び方法
細胞培養
すべての細胞を、5%のウシ胎仔血清(FBS)及びL−グルタミンを補充したRPMI培地(高グルコース)中に、5% CO2、37℃にて保持する。
材料及び方法
細胞培養
すべての細胞を、5%のウシ胎仔血清(FBS)及びL−グルタミンを補充したRPMI培地(高グルコース)中に、5% CO2、37℃にて保持する。
細胞生存アッセイ
2×105個の細胞を、6ウェルのクラスターディッシュの各ウェルに播種した。播種から24時間後、培地を取り除き、薬剤を含む培地と交換した。未処理細胞がコンフルエンスに達するまで、新鮮な培地に2日ごとに交換した。次いで培地を除去し、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した後、PBS中で4%ホルムアルデヒドにより15分間固定した。次いで細胞をPBSで洗浄し、蛍光性核酸着色剤Syto60(PBS中1nM;分子プローブ)で15分間染色した。染料を除去し、細胞単一膜をPBSで洗浄し、Odyssey Infrared Imager(Li−Cor Biosciences)により700nmで蛍光定量化を実施した。いくつかの設定では、Syto60ではなく、RFP nuc赤色細胞を使用した。
2×105個の細胞を、6ウェルのクラスターディッシュの各ウェルに播種した。播種から24時間後、培地を取り除き、薬剤を含む培地と交換した。未処理細胞がコンフルエンスに達するまで、新鮮な培地に2日ごとに交換した。次いで培地を除去し、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した後、PBS中で4%ホルムアルデヒドにより15分間固定した。次いで細胞をPBSで洗浄し、蛍光性核酸着色剤Syto60(PBS中1nM;分子プローブ)で15分間染色した。染料を除去し、細胞単一膜をPBSで洗浄し、Odyssey Infrared Imager(Li−Cor Biosciences)により700nmで蛍光定量化を実施した。いくつかの設定では、Syto60ではなく、RFP nuc赤色細胞を使用した。
薬剤耐性がある存続生物(DTP)の発生
薬物感受性のある細胞を、本明細書に記載した関係する薬物により、確定したIC50値の100倍を超える濃度で3ラウンド処理した。各処理は72時間続けた。関係する薬物処理の第3ラウンドの終了時にディッシュに付着したままの生存細胞をDTPとし、分析のために収集した。
薬物感受性のある細胞を、本明細書に記載した関係する薬物により、確定したIC50値の100倍を超える濃度で3ラウンド処理した。各処理は72時間続けた。関係する薬物処理の第3ラウンドの終了時にディッシュに付着したままの生存細胞をDTPとし、分析のために収集した。
特に、タルセバ、GDC−0980、GDC−0973、AZ628、及びラパチニブDTPについて、細胞を播種して60〜70%のコンフルエンシーになるまで成長させ、次いでタルセバ(0.1、0.2、0.5、及び/または1uM)、GDC−0980(2uM)、GDC−0973(1uM)、AZ628(2uM)、及びラパチニブ(1uM)で処理した。化学療法の最終投与から1週間後にDTPを回収し、分析した。
siRNA及びshRNAノックダウン
siRNAノックダウンのために、0.0625uLのDharmaFECT 1トランスフェクション脂質(Dharmacon、カタログ番号T−2001)、及び最終濃度が12.5nMの単一siRNA(Dharmacon siGENOME)を使用して、黒色96ウェルの底が透明なプレート(Corning、カタログ番号3603)中で、ウェルあたり1000個の細胞で、細胞をリバーストランスフェクションした。その後細胞を48〜72時間トランスフェクトした後、トランスフェクション培地を、培地中の関係する1μMの薬物療法、または培地のみのいずれかと交換した。72時間のインキュベーションの後、薬物を含む/含まない培地を新鮮な培地と交換し、関係する薬物療法後に生存した、薬剤耐性のある存続生物(DTP)の回復(回復フェーズ)を可能にした。3日間の回復フェーズの後、CyQuant Direct細胞増殖アッセイ(Molecular Probes)を使用して、メーカーのプロトコールに従って最終的な細胞生存度を測定した。CyQuant蛍光シグナルを、GE IN Cell Analyzer 2000(対物レンズ4倍)を使用して検出し、GE Developer Tollbox 1.9.1.を用いて開発した画像解析アルゴリズムを使用して、ウェルあたりの細胞数として定量化した。次いでデータをMicrosoft Excelで処理し、各細胞株を二度、完全に独立した条件にて実行した。
siRNAノックダウンのために、0.0625uLのDharmaFECT 1トランスフェクション脂質(Dharmacon、カタログ番号T−2001)、及び最終濃度が12.5nMの単一siRNA(Dharmacon siGENOME)を使用して、黒色96ウェルの底が透明なプレート(Corning、カタログ番号3603)中で、ウェルあたり1000個の細胞で、細胞をリバーストランスフェクションした。その後細胞を48〜72時間トランスフェクトした後、トランスフェクション培地を、培地中の関係する1μMの薬物療法、または培地のみのいずれかと交換した。72時間のインキュベーションの後、薬物を含む/含まない培地を新鮮な培地と交換し、関係する薬物療法後に生存した、薬剤耐性のある存続生物(DTP)の回復(回復フェーズ)を可能にした。3日間の回復フェーズの後、CyQuant Direct細胞増殖アッセイ(Molecular Probes)を使用して、メーカーのプロトコールに従って最終的な細胞生存度を測定した。CyQuant蛍光シグナルを、GE IN Cell Analyzer 2000(対物レンズ4倍)を使用して検出し、GE Developer Tollbox 1.9.1.を用いて開発した画像解析アルゴリズムを使用して、ウェルあたりの細胞数として定量化した。次いでデータをMicrosoft Excelで処理し、各細胞株を二度、完全に独立した条件にて実行した。
結合低分子阻害剤実験
一般に、G9a阻害剤実験に関しては、化学療法の治療前に3〜5日間、0.1、0.2、0.5、及び/または1uMの活性化合物、G9a阻害剤UNC0638で細胞を処理し、研究期間中、薬物上に保持した。
一般に、G9a阻害剤実験に関しては、化学療法の治療前に3〜5日間、0.1、0.2、0.5、及び/または1uMの活性化合物、G9a阻害剤UNC0638で細胞を処理し、研究期間中、薬物上に保持した。
細胞収穫及びタンパク質分析
細胞溶解物をLaemmli試料緩衝液中で調製され、前述の免疫ブロット法により分析した。H3の修飾に対する商業用抗体(Abcam,Active Motif,and Cell Signaling Technologies)を使用して、細胞溶解物を分析した。
細胞溶解物をLaemmli試料緩衝液中で調製され、前述の免疫ブロット法により分析した。H3の修飾に対する商業用抗体(Abcam,Active Motif,and Cell Signaling Technologies)を使用して、細胞溶解物を分析した。
質量分析用試料調製
1000万個の細胞を有する試料を溶解させ、Active Motif Histone Purificationキット(ワールドワイドウェブ activemotif.com/catalog/171.html)を使用して細胞溶解物からヒストンを単離した。Qubit蛍光プラットフォーム(Invitrogen)を使用して、単離後のタンパク質定量化を行った。目標収率は、細胞500万個当たり精製ヒストンが少なくとも20μg、またはそれ以上であった。次に、試料を誘導体化して、d0/d10無水プロピオン酸及びトリプシン消化を用いた2進比較を実施した。具体的には、各試料の5μgのアリコートをd0無水プロピオン酸により誘導体化し、リジン及びモノメチル化リジン残基を遮断した。対照試料には15μgを使用した。試料をトリプシンで消化した。d0無水プロピオン酸で、対照試料を(ペプチドN末端上にさらして)再度誘導体化した。d10無水プロピオン酸で、試験試料を(N末端上にさらして)再度誘導体化した。各試験試料は独立して、対照試料と1:1でプールした。次いで試料を多酵素消化した。試料当たり3つで1組の酵素を使用して、特性決定されるPTM部位周辺に大きなペプチド、及び全部位周辺において、付随する重複配列一致を作製した。
1000万個の細胞を有する試料を溶解させ、Active Motif Histone Purificationキット(ワールドワイドウェブ activemotif.com/catalog/171.html)を使用して細胞溶解物からヒストンを単離した。Qubit蛍光プラットフォーム(Invitrogen)を使用して、単離後のタンパク質定量化を行った。目標収率は、細胞500万個当たり精製ヒストンが少なくとも20μg、またはそれ以上であった。次に、試料を誘導体化して、d0/d10無水プロピオン酸及びトリプシン消化を用いた2進比較を実施した。具体的には、各試料の5μgのアリコートをd0無水プロピオン酸により誘導体化し、リジン及びモノメチル化リジン残基を遮断した。対照試料には15μgを使用した。試料をトリプシンで消化した。d0無水プロピオン酸で、対照試料を(ペプチドN末端上にさらして)再度誘導体化した。d10無水プロピオン酸で、試験試料を(N末端上にさらして)再度誘導体化した。各試験試料は独立して、対照試料と1:1でプールした。次いで試料を多酵素消化した。試料当たり3つで1組の酵素を使用して、特性決定されるPTM部位周辺に大きなペプチド、及び全部位周辺において、付随する重複配列一致を作製した。
質量分析
LTQ Orbitrap Velosタンデム質量分析計上で、データ依存モードのナノLC/MS/MSによりペプチド消化を分析した。CID、HCD及びETDフラグメンテーション方式を用いて、データを得た。データの取得に際し、Mascot(Matrix Science)を用いるデータベース検索を使用して、アセチル化、メチル化、ジメチル化、トリメチル化、リン酸化、及びユビキチン化を測定した。新規の配列決定を含む手動でのデータ分析を使用して、コンピュータによる推定アサインメントを確認し、Mascotで一致しない修飾ペプチドに関する生データを調査した。正確な質量フルスキャンLC/MSデータを統合して、試料間での修飾ペプチドの相対的な存在量を求めた。トリプシン消化したプロピオニル化試料を、d0/d5対を比較することによって作動する各LC/MSで定量化した(Garcia et al.,JPR,8,5367−5374(2009)の作業による)。代わりとなる酵素試料を、LC/MSの操作間に標識なしで定量化した。
LTQ Orbitrap Velosタンデム質量分析計上で、データ依存モードのナノLC/MS/MSによりペプチド消化を分析した。CID、HCD及びETDフラグメンテーション方式を用いて、データを得た。データの取得に際し、Mascot(Matrix Science)を用いるデータベース検索を使用して、アセチル化、メチル化、ジメチル化、トリメチル化、リン酸化、及びユビキチン化を測定した。新規の配列決定を含む手動でのデータ分析を使用して、コンピュータによる推定アサインメントを確認し、Mascotで一致しない修飾ペプチドに関する生データを調査した。正確な質量フルスキャンLC/MSデータを統合して、試料間での修飾ペプチドの相対的な存在量を求めた。トリプシン消化したプロピオニル化試料を、d0/d5対を比較することによって作動する各LC/MSで定量化した(Garcia et al.,JPR,8,5367−5374(2009)の作業による)。代わりとなる酵素試料を、LC/MSの操作間に標識なしで定量化した。
結果
G9aは、ヒストンH3のリジン9のモノ及びジメチル化を特異的に触媒するヒストンメチルトランスフェラーゼである。G9aはまた、EHMT2、BAT8、GAT8、KMT1C、及びNG36としても周知である。H3K9 KMT G9a(KMT1C)は、インビトロ及びインビボでH3K27をメチル化することが知られている。G9a及びG9a様タンパク質(GLPまたはKMT1D)は、主に、G9a−GLP異種複合体として存在し、インビボで機能的H3K9メチルトランスフェラーゼであるように思われる。上昇したレベルのG9A発現が、多くの型のヒト癌において観察されている。
G9aは、ヒストンH3のリジン9のモノ及びジメチル化を特異的に触媒するヒストンメチルトランスフェラーゼである。G9aはまた、EHMT2、BAT8、GAT8、KMT1C、及びNG36としても周知である。H3K9 KMT G9a(KMT1C)は、インビトロ及びインビボでH3K27をメチル化することが知られている。G9a及びG9a様タンパク質(GLPまたはKMT1D)は、主に、G9a−GLP異種複合体として存在し、インビボで機能的H3K9メチルトランスフェラーゼであるように思われる。上昇したレベルのG9A発現が、多くの型のヒト癌において観察されている。
図1Bに示すように、G9aは、親PC9細胞と比較してヒト非小細胞肺癌細胞株PC9の薬剤耐性がある存続生物(DTP)中で上方制御される。薬剤耐性の確立のためにG9aメチル化活性が必要であることを確認するために、3’−UTR−GFPノックダウンでのG9aショートヘアピンの発現が、PC9薬剤耐性細胞を除去することが示された。図1Cを参照のこと。図2Cに示すように、G9aの発現レベルの変化に一致して、ウェスタンブロッティング及び質量スペクトルの両方により、H3K4me3はPC9親細胞と比較してPC9 DTP中で増加する。
図3Aに示す低分子G9a拮抗剤UNC0638及び図示しないデータは、ウェスタンブロッティング法及び質量分析によって観察されるように、H3K9のメチル化を阻害することができた。更に、図3Bに示すように、低分子G9a拮抗剤UNC0638は、G9aK185me3の自己メチル化を阻害する。図4に示すように、G9A−K185me 0/1/2/3ペプチドプルダウンの質量スペクトルデータを用いて、CDYL1及びLRWD1は、H3K9またはG9aK185のメチル化ペプチドによってプルダウンされ、メチル化K9またはメチル化G9aのいずれかが、機能がこの集団へのヘテロクロマチン形成において重要であり得るタンパク質を動員することができることを示唆した。
低分子G9a拮抗剤UNC0638(G9ai−2)は、H3K9のメチル化を阻害することが可能であり、広範な範囲の癌細胞型にわたり、様々な薬剤を用いて生成されたDTPにわたるDTP形成の低減が、図に示される。図5及び7に示すように、UNC0638(G9ai−2)による処理により、タルセバによる処理を介して生成された、非小細胞肺癌細胞株PC9、DTPの数が低減する。更に、UNC0638(G9ai−2)は、ウェスタンブロット法によって示されるH3K9のメチル化を低減させ、かつPC9 DTPの数を低減させた(図6を参照)。UNC0638(G9ai−2)によるH3K9のメチル化及びDTP形成の低減が、図8(乳癌細胞株EVSA−T/GDC−0980)、図9(乳癌細胞株SKBR3/ラパチニブ)、図10(黒色腫癌細胞株M14/GDC−0973)、及び図11(結腸直腸癌細胞株Colo205/AZ628)に示すように、複数の細胞株及び治療レジメンにわたって見られる。
前述の発明が実例として、かつ理解を明瞭にする目的のための実施例として、ある程度詳細に記載されてはいるが、これらの説明及び実施例は本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書で引用したすべての特許及び科学文献の開示は、それら全体が参照することにより明示的に組み込まれる。
Claims (27)
- 個体における癌の治療方法であって、前記個体に、(a)G9a拮抗剤、及び(b)癌治療剤を投与することを含む、前記方法。
- 前記G9a拮抗剤及び前記癌治療剤のそれぞれの量が、前記癌治療剤に対する癌感受性の期間を増大させる及び/または細胞耐性の発生を遅らせるのに有効である、請求項1に記載の方法。
- 個体における癌治療剤を含む癌治療の有効性を増大させる方法であって、前記個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤を投与することを含む、前記方法。
- 個体における癌の治療方法であって、癌治療が、前記個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤及び(b)癌治療剤を投与することを含み、前記癌治療は、前記G9a拮抗剤を含まない(不在下での)有効量の前記癌治療剤を投与することを含む治療(例えば標準ケア治療)と比較して増大した有効性を有する、前記方法。
- 個体における癌治療剤に対する耐性を有する癌の発生を遅らせる、及び/または防止する方法であって、前記個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤を投与することを含む、前記方法。
- 癌治療剤に対する耐性の発生の増大した可能性を有する癌を患う個体の治療方法であって、前記個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤、及び(b)有効量の前記癌治療剤を投与することを含む、前記方法。
- 癌を患う個体における癌治療剤に対する感受性を増大させる方法であって、前記個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤を投与することを含む、前記方法。
- 癌を患う個体における癌治療剤の感受性の期間を延ばす方法であって、前記個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤を投与することを含む、前記方法。
- 癌を患う個体における癌治療に対する応答持続期間を延ばす方法であって、前記個体に、(a)有効量のG9a拮抗剤を投与することを含む、前記方法。
- (b)前記個体に、有効量の前記癌治療剤を投与することを更に含む、請求項3、5、7、8、または9のいずれか1項に記載の方法。
- 前記G9a拮抗剤が、抗体阻害剤、結合低分子阻害剤、結合ポリペプチド阻害剤、及び/またはポリヌクレオチド拮抗剤である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記G9a拮抗剤がG9aと結合し、G9aメチルトランスフェラーゼ活性を阻害する、請求項11に記載の方法。
- 前記癌治療剤が化学療法剤である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 前記癌治療剤が化学療法剤であり、前記化学療法剤がタキサンを含む、請求項13に記載の方法。
- 前記タキサンがパクリタキセルまたはドセタキセルである、請求項14に記載の方法。
- 前記癌治療剤が化学療法剤であり、前記化学療法剤が白金製剤を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
- 前記癌治療剤が標的療法剤である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 前記癌治療剤が標的療法剤であり、前記標的療法剤がEGFR拮抗剤を含む、請求項17に記載の方法。
- 前記EGFR拮抗剤が、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、エルロチニブ)である、請求項18に記載の方法。
- 前記癌治療剤が標的療法剤であり、前記標的療法剤がRAF阻害剤である、請求項17に記載の方法。
- 前記RAF阻害剤が、BRAF及び/またはCRAF阻害剤である、請求項20に記載の方法。
- 前記RAF阻害剤が、ベムラフェニブである、請求項21に記載の方法。
- 前記癌治療剤が標的療法剤であり、前記標的療法剤がPI3K阻害剤である、請求項17に記載の方法。
- 前記G9a拮抗剤が低分子G9a拮抗剤である、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
- 前記G9a拮抗剤及び前記癌治療剤が同時に投与される、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
- 前記G9a拮抗剤が、前記癌治療剤の前に、及び/または同時に投与される、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
- 前記癌が、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、黒色腫、結腸直腸癌、膵臓癌、及び/または乳癌である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201462015932P | 2014-06-23 | 2014-06-23 | |
US62/015,932 | 2014-06-23 | ||
PCT/US2015/037189 WO2015200329A1 (en) | 2014-06-23 | 2015-06-23 | Methods of treating cancer and preventing cancer drug resistance |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017519017A true JP2017519017A (ja) | 2017-07-13 |
Family
ID=54938739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016573937A Pending JP2017519017A (ja) | 2014-06-23 | 2015-06-23 | 癌の治療及び癌薬剤耐性の防止方法 |
Country Status (10)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20170209444A1 (ja) |
EP (1) | EP3157524A4 (ja) |
JP (1) | JP2017519017A (ja) |
KR (1) | KR20170017996A (ja) |
CN (1) | CN106456627A (ja) |
BR (1) | BR112016030064A2 (ja) |
CA (1) | CA2952474A1 (ja) |
MX (1) | MX2016016667A (ja) |
RU (1) | RU2017101809A (ja) |
WO (1) | WO2015200329A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021500334A (ja) * | 2017-10-18 | 2021-01-07 | エピザイム,インコーポレイティド | Ehmt2阻害剤としてのアミン置換複素環化合物、その塩、及びそれらの合成方法 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA3037587A1 (en) | 2016-09-30 | 2018-04-05 | Epizyme, Inc. | Substituted fused bi- or tri- heterocyclic compounds as ehmt2 inhibitors |
AU2018209164B2 (en) | 2017-01-17 | 2021-11-04 | Heparegenix Gmbh | Protein kinase inhibitors for promoting liver regeneration or reducing or preventing hepatocyte death |
US11672800B2 (en) | 2017-04-21 | 2023-06-13 | Epizyme, Inc. | Combination therapies with EHMT2 inhibitors |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20090137516A1 (en) * | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Wyeth | Compositions and methods of treating dyslipidemia |
-
2015
- 2015-06-23 WO PCT/US2015/037189 patent/WO2015200329A1/en active Application Filing
- 2015-06-23 JP JP2016573937A patent/JP2017519017A/ja active Pending
- 2015-06-23 US US15/321,625 patent/US20170209444A1/en not_active Abandoned
- 2015-06-23 BR BR112016030064A patent/BR112016030064A2/pt not_active Application Discontinuation
- 2015-06-23 EP EP15810899.3A patent/EP3157524A4/en not_active Withdrawn
- 2015-06-23 CN CN201580033855.7A patent/CN106456627A/zh active Pending
- 2015-06-23 MX MX2016016667A patent/MX2016016667A/es unknown
- 2015-06-23 CA CA2952474A patent/CA2952474A1/en not_active Abandoned
- 2015-06-23 RU RU2017101809A patent/RU2017101809A/ru not_active Application Discontinuation
- 2015-06-23 KR KR1020177000139A patent/KR20170017996A/ko unknown
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021500334A (ja) * | 2017-10-18 | 2021-01-07 | エピザイム,インコーポレイティド | Ehmt2阻害剤としてのアミン置換複素環化合物、その塩、及びそれらの合成方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
MX2016016667A (es) | 2017-08-21 |
US20170209444A1 (en) | 2017-07-27 |
BR112016030064A2 (pt) | 2017-08-22 |
RU2017101809A (ru) | 2018-07-23 |
CA2952474A1 (en) | 2015-12-30 |
KR20170017996A (ko) | 2017-02-15 |
EP3157524A4 (en) | 2017-12-06 |
CN106456627A (zh) | 2017-02-22 |
EP3157524A1 (en) | 2017-04-26 |
WO2015200329A1 (en) | 2015-12-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2016520528A (ja) | 癌の治療及び抗癌剤耐性の防止方法 | |
US20160160213A1 (en) | Methods of treating cancer and preventing cancer drug resistance | |
US9925240B2 (en) | Methods of treating and preventing cancer drug resistance | |
JP2019535237A (ja) | がんのための治療方法及び診断方法 | |
KR20150118159A (ko) | 암의 치료 방법 및 약물 내성의 예방 방법 | |
RU2587619C2 (ru) | Антагонисты неурегулина и применение их в лечении злокачественного новообразования | |
JP2017517558A (ja) | 癌薬剤耐性の治療方法及び防止方法 | |
US20140363438A1 (en) | Neuregulin antibodies and uses thereof | |
JP2017519017A (ja) | 癌の治療及び癌薬剤耐性の防止方法 | |
JP2017517552A (ja) | 抗癌剤耐性の治療及び防止方法 |