本発明の特に好ましい実施形態によれば、往復運動素子又は回転素子を磁場の中で使用する電磁デバイスの改善が提供される。
図1〜図5は、(矢印によって示される強度及び方向の)駆動背景磁場における通電バー10の一般的原理、及び通電バー10での大きい力の生成の例示に関する。
通電している導電性バー10は、殆ど均一な場の強度の背景磁場に配置される。バー10の電流は、バー10に対する力を生成し、該力は、バー10が自由に運動するか、又はある地点を中心に枢動する場合の運動をもたらす。このバー10の電流は、バー10を通る通電経路の周囲に場を生成する。バー10を取り囲む場の強度がその最外径を超えるか、又は縁部が背景場の強度を超えた場合、バーは、非常に大きい力を生成する。この力は、電気機械デバイスの動力及び効率を高めるために使用することができる。
図1は、1Tの均一な背景場においていかなる通電もない導体バー10の端面を示す磁場プロットである。この実施例において、バー10の周囲にいかなる場も存在せず、バー10を通って存在する場の矢印によって示されるように背景場が導体バーを横断するので、バー10は、より小さい反発力を生成する。
図2は、1Tの均一な背景場において200Aを通電する導体バー10の端面を示す磁場プロットである。この実施例では、背景場において陰影を介して例示されるバーの周囲の場の強度が低いため、バー10は、より小さい反発力を生成する。
図3は、1Tの均一な背景場において約0.2Tの導体の周囲の磁場強度を有する通電導体バーの端面を示す磁場プロットである。ここでも、この実施例では、バー10の磁場がより顕著であるにもかかわらず、バー10の周囲の場の強度が低いため、バー10は、より小さい反発力を生成する。
図4は、1Tの均一な背景場において約1Tの導体バー10の周囲の磁場強度を有する通電導体バー10の端面を示す磁場プロットである。この実施例では、バー10を通しではなくバー10の周囲のバーの場によって偏向されていることが背景磁場の矢印によって示されるように、バー10の周囲の場の強度が等しいため、バー10は、大きい反発力を生成する。
図5は、1Tの均一な背景場において約2Tの導体バー10の周囲の磁場強度を有する通電導体バー10の端面を示す磁場プロットである。この実施例では、バー10の周囲の場の強度が高いため、バー10は、非常に大きい反発力を生成する。
図6〜図13は、2コイル及び3コイルの往復運動システムに関する。
これらの図は、2つ又は3つのいずれかの超電導コイル11で構成され、いずれか1つの往復運動コイルが、図12に例示されるように1つの固定コイルに対して反発するか、又は図13に例示されるように2つの固定コイルの間で反発する、往復運動スタイルのエンジンを例示する。アセンブリのコイルの各々が等しい場の強度を保有する場合は、固定コイル間の相対運動が大きい反発力を生成する。
モーターの基本的な構成要素は、超電導コイルの使用を含む。現在まで実験されてきたコイルは、1G HTS BSCCOテープを使用する一連のパンケーキ巻回コイルで作製されていた。これらのコイルは、該コイルを使用する2つの主な特性を有する。具体的には、これらのコイルは、該コイルの臨界温度未満に冷却したときに、ほぼゼロの電気抵抗を示し、したがって、ほぼ完璧なインダクタとして振る舞い、そして、電流密度(したがって、達成可能な磁場)は、類似したサイズの従来の銅製コイルを使用して達成できる電流密度をはるかに超える。
この設計の別の重要な態様は、起電力又はEMFの性質である。簡単に言えば、EMFは、磁場の変化に応じて導体に生じる電圧である。EMFの特性は、電圧を電磁コイルに誘導するために運動場源が使用される発電機において最も目立って使用される。電磁モーターでは、プロセスが逆になり、機械的仕事を発生させるために運動場が使用される。この運動の結果、電磁コイルにおける電流の流れの方向と反対のEMF、いわゆる逆EMFが生成される。
従来の電気モーターのように、永久磁石又はコイルのいずれかを通した永久場と、印加される一定の電流との相互作用に対する要件、及び運動コイルに印加される電流の方向の変化を通して達成される変化場に対する要件が残っている。この変化は、物理的又は電子的に整流された直流電流の供給又は交流電流の供給のいずれかを通して達成することができる。
主な試験は、2つのコイルが固定素子として作用し、第3のコイルが電流の交互極性を受ける、3つのHTSコイル又は類似する形態から成るコイル構成を含んでいた。コイルは、設計に関して進化を示しており、最初は単層から成り、現在は4つの単一の層を連続的に接合してパンケーキコイルを形成するという最終形態に進歩している。この進歩は、実験を通して部分的にもたらされたものであり、最適な断面が(場の強度と、ワイヤの長さによる抵抗との関係に関して)正方形である従来の銅製コイルと対照的である。抵抗が問題にならないHTSコイルにこのガイドラインを適用するかどうかに関していくつかの問題があった。より薄いコイルからより広い断面を有するコイルへ向かう傾向は、主に、現在のコイル製造技術のパラメータの範囲内でありながら、所与の長さのワイヤから最大の場の強度を得るためのものであった。
好ましいパンケーキコイルは、図6〜図8に、及び図9の断面に例示される。
図10は、単一のパンケーキコイルの軸対称磁場プロファイルを示す。コイルの深さを増加させると、コイルの表面に対して垂直に運動させたときに、より大きい場の投影をもたらす。これは、より大きい場の投影が、運動コイルに印加される力の変動をより少なくすることから重要であり、その結果、試験装置を通じてストロークに沿ったより滑らかな動力送達をもたらす。したがって、図11に例示されるようなパンケーキコイルが好ましい。その構成は、コイルの冷却を向上させるために、追加的な間隙を有する4つのHTSパンケーキコイル層を含む。
使用した3つのパンケーキコイルは、各々が172〜180mmの外径及び80mmの内径を有した。各パンケーキは、単一のパンケーキアセンブリを形成するために、4つのコイルから成る。各コイル層は、約4mmの幅であり、より良好な冷却を促進するために内側の2つのコイルの間に約4mmの間隙を有し、より良好な場の性能を提供する。これは全て、各パンケーキに関して20mmの総深さをもたらす。各パンケーキは、約169巻きのHTSテープを有し、アセンブリ全体は、ニュージーランドのHTS−110によって巻回し、製作した。コイルが通常の導電状態に復帰する臨海電流(Ic)は、77Kで約44Aである。これらの寸法は、実験の目的で用いられるコイルに典型的であるが、鍵となる考慮事項は、コイルによって生成される寸法及び場が、デバイスに用いられる全てのコイルの組に関して等しいことであることに留意されたい。この制約が遵守されるのであれば、任意の超伝導ワイヤ又はコイルの幾何学的形状を使用して同等の結果が予想される。
図12は、同じ入力動力が与えられる2つの同じコイルを示す。例示されるように、場の線が整合し、その結果、隣接する場の線を中断することなく互いに離れて曲がる。場の線は、実際には、等しくかつ対向する。例示される構成は、2コイル配設の跳ね返しの事例を示す。
図13に例示される構成に関して、基本構成は、3つの実質的に同じコイルが単一の運動線に沿って作用することを含む。コイルのうちの2つは、2つの固定子間を往復する第3の振動でストロークの端部における固定子を形成する。中間コイルの進行範囲は、クランクシャフトによって決定される。中間コイルの出力は、動力出力を測定するために、中間のコイルに対する180度毎の電流の反転を制御する整流子、及び組み合わせたトルク変換器及びブレーキアセンブリに送給される。
図13はまた、外側コイルが固定コイルで、内側コイルが運動コイルである、3コイル配設の磁場の相互作用も示す。
以前に説明されたデバイスの更なる変形例は、回転コイル又はワイヤが回転する背景場以上の場を生成する回転コイル又はワイヤの生成を含む。図14〜図29は、回転構成で等しい/より大きい場の使用に関する。本質的には、デバイスは、背景駆動場を生成する1組のコイルから成る。背景駆動場が存在するこの領域内には、別のコイルが配置され、背景場の支配的な方向に対して垂直な軸を中心に回転することを可能にする。
図14は、本発明によるデバイスの回転構成の好ましい実施形態の主要な構成要素を示し、磁場発生器又は背景場コイルを含む外側固定クライオスタット12と、導電性素子又は回転コイル14を含む回転クライオスタット13とを含む。
図15は、一次背景場コイル15、並びに回転コイル及びクライオスタットアセンブリがスピンする背景場を作り出す二次場均一性コイル16の配設を示す。矢視17は、固定磁場コイルに対する回転クライオスタット13の回転方向を示す。一次コイル15及び二次コイルの固定クライオスタットは、明確にするために残りの図には示されない。
以前の実施例と同様に、単一のワイヤ又はリニアコイル配設の場合、コイルからより大きい力/トルクを生成するために、回転コイル14の周囲の磁場強度は、背景磁場よりも大きくなければならない。
回転コイル14の外周の周囲に高い磁場強度を生成するために、コイル14は、超電導ワイヤ又はバルクなどの非常に高い電流密度が可能な材料から構築される。回転コイル14に対する超電導材料の使用は、コイルがその超電導状態を維持するために正しい温度に保たれることを確実にするために、回転クライオスタット13を必要とする。
一次背景場コイル15及び二次背景場コイル16は、超電導ワイヤを使用して構築される場合、固定クライオスタット12も必要とする。
回転クライオスタット13、コイル14及び(図18において詳細に例示される)電流送達システムの構成要素は、渦電流の形成及び損失を最小にする様式で設計され、構築される。渦電流の損失を防止するための方策としては、以下が挙げられる。
・可能な場所(すなわち、支持構造体及びクライオスタット)での非導電性材料の使用
・渦電流経路の形成を最小にするための、導電素子(バスバー、冷却バルクなど)の積層
・回転コイルにおける小さいワイヤ断面の使用
図16は、回転コイル14が回転クライオスタット13のアセンブリ内に含まれて示される、好ましい実施形態の完全なアセンブリの中央を通る断面図である。また、回転寒剤及び電流システム18も例示される。
この例示される実施形態の回転コイル14を駆動させたときに連続した回転を維持するために、回転コイル14の電流の流れの方向を180度毎に反転させる。この電流の反転は、回転コイル14が一次駆動コイル15によって生成される場と磁気的に整列したとき(図15において上で示される回転コイル14の配向)と同時期に起こるように調整される。
回転導電性コイル14の周囲の磁場の強度が、一次コイル及び二次コイルによって生成される背景駆動磁場の強度よりも高くなることを確実にするために、回転コイルにおける電流波形は、できる限り方形波に近くなければならない。回転コイル14に急速に充電し、回転中の回転コイルにおける電流を維持することによって、コイル場の強度は、好ましい習慣的な反転期間を除いて、回転中のいずれの時点においても背景場よりも弱くならない。
図17は、駆動期間のできる限り多くにわたって回転コイル14の周囲の場の強度が背景場以上であることを確実にするための、回転コイル14における好ましい電流波形(方形波)の概略図である。
別の重要な考慮事項は、場のレベルを確立し、素早く反転させることができるように、回転素子が、電流の迅速な増加及び電流の迅速な反転(低インダクタンス)に寄与する回路特性を有するように設計されることである。加えて、(モーターとして駆動されるときの)デバイスへの電源は、この迅速な確立及び電流の反転を生じさせるために、回転コイル14のインダクタンスに対して十分に高い電圧のものであることが必要になる。上の波形は、完全反転DC信号(又は方形波AC電流信号)である。非反転方形波DC電流波形を使用することができるが、半サイクルのドエル時間中に駆動コイルが開回路であることを条件とする。
背景場が何らかの理由で脈動又は変化している場合、ピーク背景場強度は、コイルから最大動力を生成するために、回転コイル14の周囲の場の強度未満の状態を維持しなければならない。
図18は、回転コイル14内の電流経路及び好ましい電流送達システムを示す、回転コイル14及びクライオスタットアセンブリ13の断面図である。回転を維持するために、電流の方向は、180度毎に反転される。
例示される実施形態において、回転コイル14への電流は、方形波電源からの固定電流リードから送達される。この電流送達は、回転コイル14に接続される、電流入力スリーブ19及び同心の電流出力スリーブ20に提供される、1組の滑り電流接点を介して達成される。電流入力スリーブ19及び電流出力スリーブ20は、絶縁スリーブ21を使用して、互いから、及びクライオスタット自体から絶縁される。好ましい実施形態の滑り電流接点はそれぞれ、環状液体金属ブラシである。したがって、電流入力ブラシ22及び電流出力ブラシ23は、図19に例示される。
図19はまた、回転超電導コイル14を冷却するために使用される液体寒剤の固定送達経路、並びに膨張ガスとしての寒剤の戻り経路を示す、回転クライオスタット13のアセンブリの詳細な半断面図も示す。
クライオスタットの冷却は、固定送達チューブ24を介した、ヘリウムなどの液体寒剤の送達を介して達成される。液体寒剤は、クライオスタット13の回転によって作り出される遠心力を介して、コイルアセンブリの外側部品に送達される。加熱された極低温ガスを収集するために、二次固定外側パイプ25が使用され、該極低温ガスは、閉ループ極低温システムの一部として極低温ガスが回転クライオスタット13を出て、再冷却されるように戻されるときに、電流入力スリーブ19及び電流出力スリーブ20に対して追加的な冷却を与えるために使用される。このシステムは、極低温流体の追加的なポンピングを必要としないように構成することができる。固定境界と回転境界との間には、回転極低温シール26が必要とされるある地点がある。
図20は、回転コイル14の作業領域にわたる磁場強度をより良く示すために、一次駆動コイル15及び二次駆動コイル16を部分的に切り取って示す、3D場プロット画像である。
図20はまた、好ましい実施形態の作業領域の中心にわたる磁場の相対的強度も示す。背景場は、単純な分割した矩形ソレノイドの使用によって、単純に作り出すことができる。ソレノイドの半部の間の間隙は、単純に、電流及び寒剤送達構成要素、並びに任意のシャフトマウンティング及び軸受を収容するのに十分大きくなければならない。
図20に例示される好ましい実施形態は、矩形の一次コイル15の長辺に沿った背景場の均一性を向上させる、二次超電導コイル16を含む。これらの二次コイル16がなければ、矩形の一次コイル15の長辺の中間付近で、磁場の強度の大幅な低下が起こる。
図21は、一次駆動コイル15及び二次駆動コイル16、並びに回転コイル14の完成したアセンブリの半断面図を示す場プロットである。回転コイル14は、水平に対して45度の角度で変位する。
論じられた以前の実施形態と同様に、このデバイスの特徴は、回転コイル14のコイル巻線の周囲の場が、コイル14が回転している背景場以上の状態を維持することである。
図22〜図26の画像配列は、様々な回転角での、回転コイル14の巻線の周囲の場の拡大詳細図を示す。
図14〜図26に示される例示的な回転デバイスの全ては、180度毎に極性を切り替える単一の回転コイルだけを示している。この単一の巻線は、共通軸を中心に回転する複数の等間隔のコイルに容易に拡張することができる。これらの巻線に供給される電流の反転は、多重コイル回転子アセンブリの連続回転をもたらすように、順次的に調整される。複数の共回転コイルの利点は、出力トルクのより滑らかな送達である。
図27〜図29は、2つの二次コイル16がベッドステッドスタイルの戻り経路を有する変形例を例示し、該戻り経路は、極低温及び電流送達システムが側部間隙を通過することを可能にするが、それでも矩形の一次コイル15の中央領域における場の均一性を高める。より少ない総数の二次コイル16は、4つの二次コイル16を有した以前の実施形態と比較したときに、より少ない超電導ワイヤの使用及びより小さい全体寸法に役立つ。しかしながら、この実施形態のベッドステッド形状の二次コイルは、以前の実施形態で使用される標準的なレーストラックコイルよりも作製が困難になる。
図30は、室温の液体金属ブラシと低温の超電導素子との間に好ましい中間断熱ステージを含む、超電導回転子の主要な構成要素を示す。この形態の回転子は、電流入力に使用される外側液体金属ブラシと、システムから電流を取り出すために使用される内側液体金属ブラシとの間に、超電導電流伝送素子を有する。
図30に例示される回転子301は、内側導電素子302及び外側導電性素子303を含む、一対の同心の環状導電素子を含む。内側導電性素子302及び外側導電性素子303は、熱的に最適化された通常の導電素子、又は制限された熱伝導率を有する中間電流伝達ステージとしてのHTSバルク若しくはワイヤ304を使用して連結される。
回転子301は、中央シャフトアセンブリ305に対して載置される。好ましい実施形態において、単一の一次HTS駆動素子306は、中央シャフトアセンブリ305から内側導電素子302まで放射状に広がる、放射スポークとして構成される。一次HTS駆動素子306を形成するために使用されるHTSワイヤ又はテープの多重ストランドの適切な構成が、通常は、トルクを伝達するのに十分剛性ではないので、一次HTS駆動素子306及び中央マウンティング点が非導電性支持構造体内に封入され、追加的なトルク伝達が非導電放射スポーク307によって提供される。
図30に例示される本発明の実施形態の代替形態では、内側超電導素子305と外側導電性素子302との間に多重HTS駆動素子306が用いられる。好ましい実施形態において、これらのHTS駆動素子の各々は、背景磁場の強度以上のコイルの周囲の場の強度を生成する。
電気電流は、一対の液体金属ブラシ308を通して、図30に例示される構成に提供され、好ましい電流の流れの方向は、外側導電性素子303を取り囲むより大きい半径の金属ブラシから、HTSバルク304を通って内側導電素子302に入り、一次HTS駆動素子306を通り、中央シャフトアセンブリ305に提供されるHTS電流戻り経路309を通って外へ出て、そして、より小さい半径液体金属ブラシを通って外に出る。
このデバイスの1つの重要な実現形態は、超電導ワイヤ/テープの多重ストランドで作製される単一の超電導電流リードが、回転子301の回転をもたらす一次HTS駆動素子306を通る電流の流れに対して一次駆動場が垂直である領域において、一次HTS駆動素子306の各々として使用される形態である。背景場に単一のバーを含む以前の実施形態を踏まえて、この構成は、回転子301が位置する背景場の強度よりも磁場の強度が高いことを確実にするのに電流密度が十分に高い、単一の電流経路を使用する。
一実施例として、0.5Tの背景場は、約180〜200A/mm2の電流密度を有する10mm×10mmの正方形を形成する、一次HTS駆動素子306によって対応することができる。結果として生じる電流経路は、一次HTS駆動素子306の10mm×10mm断面の外端部の周囲に0.5Tの場を作り出す。
図31に例示されるように、二重壁の又は2ステージの回転クライオスタットによって回転子301を封入することができることが想定される。2つのステージのうちの第1のステージは、回転子301と、作業電流を回転軸に沿って外に輸送する電流戻り経路309とを含む、内側超電導ステージである。この内側超電導ステージは、好ましくは、内側回転クライオスタット310内に含まれる。
第2のステージは、内側ステージ(約40〜60K)の温度と、室温の液体金属ブラシとの間を移行する、断熱ステージである。この移行ステージは、銅などの導電材料で構成することができ、その経路長さは、高温超電導ワイヤ若しくはバルクにより、又は2つのいくつかの組み合わせにより、電流伝送及び熱損失の双方に関して最適化されている。図31に例示されるように、外側クライオスタットは、2つの部分、すなわち、回転子自体を取り囲む1つの部分311’と、電流戻り経路309を取り囲むより小さい直径部分311’’とを有する。より小さい直径部分311’’において、戻り経路の断熱には、熱的に最適化された通常の導電素子、HTSバルク、又はワイヤ312が使用される。ここでも、この構成において、電流は、より大きい直径の液体金属ブラシ313を通り、電流戻り経路309から回転子アセンブリを通り、そして、より小さい直径の液体金属ブラシ314を通る。
超電導回転子の更なる利点は、出力電流が一次HTS駆動素子306を通って電流出力ブラシ314に方向付けられるという事実に起因する。従来の回転子の配設において、電流は、デバイスの電流レベル(約20kA)に適応するのに十分な直径のものでなければならない、通常の導電出力シャフトを通って流れる。出力シャフトの直径が増加するにつれて、回転子の駆動素子の有効長さが減少し、デバイスの出力トルクを減少させる。一次HTS駆動素子306(好ましい実施形態は、10mm×10mmのリードを使用する)を通して電流をチャネリングすることによって、駆動素子の有効長さが増加する。この効果は、より小さいサイズのデバイスに特に顕著である−超電導回転子の開発の成功は、より小さいスケールのデバイスの実現可能性を大幅に増加させる。
図32は、背景場生成コイルシステム内に統合された、図31に例示される回転子の構成を示す。例示されるように、一次場超電導コイル315は、図31の回転子の考慮事項が位置する一次場を発生させるために使用される。好ましい一次場超電導コイル315の特定の場所は、回転子301が位置する対象の場所において有効な駆動場を生成する。この場は、二次場超電導コイル316の提供によって更に制御され、成形される。
図33に例示されるデバイスの動作の基本的原理は、通電導体と背景磁場との間の相互作用である。この相互作用は、デバイスにおいて生じる出力トルク(モーターの場合)、又は発電機の場合には出力電圧及び電流をもたらす。
背景磁場は、基本的なレベルにおいて、電磁コイルによって、又は永久磁石によって作り出される磁極から成る。極は、N配向及びS配向の磁場を有する。全極機械の背景場が構築されるこの基本ユニットは、図33に示される。
この文書において提示されるデバイスの、及び以前の特許出願において策定され、示される全てのデバイスの1つの鍵となる進歩は、デバイスにおける磁場が2回以上使用される様式である。すなわち、電気機械の動力密度を大幅に増加させるために、通電導体によって背景磁場を通して複数の経路が描かれる様式である。
背景場の基本的な構築ブロックが電磁コイルから成る場合には、角形電磁コイルを互いに隣接して配置し、一方で、コイルの周囲の電流の流れの方向を同一に保つことで(したがって、双方のコイルにおいて磁場の方向が同一であることを確実にすることで)、2つのコイルの間の磁場の戻り経路の圧縮をもたらす。この現象は、図34に例示される。
通電導体が、電磁石において作り出される一次磁極に対して垂直な、導体の頂部を横断する経路を描く場合、通電導体は、効果的に以下の4つの磁極に遭遇する。
・第1に、第1の電磁石によって作り出されるN極
・第2に、2つの電磁石の間の戻り経路の圧縮によって作り出されるS極
・第3に、第2の電磁石によって作り出されるN極
・第4に、及び最後に、第2の電磁石を出るときの最終的なS極
この文書の全体を通して、示された実施形態は、背景磁場を生成するために、角形「レーストラック」スタイルの電磁コイルを使用することに留意されたい。当業者には、間入型極が2つの電磁石の間に作り出されるように電磁コイルを直線状に又は円弧の周りに隣接して配置することを可能にする任意のコイルの幾何学的形状を、この文書において説明されるデバイスに用いることができることが明らかになるであろう。
隣接する電磁石という概念が、場又は回転電気機械の最大限の論理的応用に拡張された場合は、結果として、あるピッチ円直径の周囲に円形に配列された一連の隣接する電磁コイルとなる。角形電磁石のこの円形アレイの完全な展開は、図35に例示される。
図34に示される2つの隣接する電磁コイルは、コイルの完成した円形アレイを形成するように、上の画像において拡張されている。この円形アレイは、全ての極機械において使用される背景磁場を作り出す。
上のレーストラックスタイルの電磁石の円形アレイにおいて、隣接するが背景場コイル配設されるピッチ円直径から外方又は内方にオフセットされた円形経路を横断する通電導体は、背景場コイルの数の2倍に等しいいくつかの磁極を通って進行する。これは、コイルが、隣接するコイルの間の磁場の戻り経路の圧縮のため、コイルの中央の1つの一次極及び1つの間入型極を形成するからである。通電導体が遭遇する極は、その後に配向が順次的に逆になる。
図36は、次のセクションにおいてより詳細に説明されるタイプの発電経路/巻線とともに、レーストラックコイルの完成した円形アセンブリを示す。上で示される発電機は、発電機経路巻線の出力端子から交流電圧及び電流を生成する。電流及び電圧の反転の頻度は、デバイスの磁極の数及び発電機の回転速度に比例する。
図37は、図36のデバイスの磁場プロットを示す断面図である。上記において、場プロット電流は、外部ジグザグ巻線を通過し、背景場コイルと相互作用し、そして、トルクをもたらす。
デバイスに電流が供給され、モーターとして駆動されたとき、という逆のシナリオにおいて、デバイスには、駆動経路が(背景場コイルに対して)極の間を運動するときに反転する交流電流(AC−好ましくは、方形波AC)が供給されなければならない。モーターの実現形態の場プロットは、図37に示される。
駆動又は発電経路
この文書において説明される機械の第2の基本的な構築ブロックは、駆動又は発電経路である。この経路は、基本的に、その一次駆動又は発電素子が、背景場コイルがその周囲に配列される軸に対して平行に位置付けられるいくつかの通電導体の配設及び相互接続部から成る。これらの通電導体は、背景コイルの周囲で、以前に開示された様式で場を横断する。
好ましい実施形態では、背景場によって作り出される極の数に等しいいくつかの導体が、以前のパラグラフにおいて説明されたように位置付けられる。連続する極の場の方向が反転されるときには、バーの電流の方向も、デバイスの直径の周囲で連続して反転させることが必要である。この電流方向の反転を達成するために、通電導体は、デバイスの各端部において交互に接続され、一連の接続された「ジグザグ」スタイルの駆動又は発電経路を背景場生成コイルの周囲に形成する。この一連のジグザグ接続はまた、デバイスが発電機として動作している場合には、通電導体の各々で発生する電圧の一連の追加ももたらす。ジグザクスタイルの駆動又は発電経路を有するデバイスの一実施例は、図38に示される。
上の実施形態において、駆動又は発電経路は、背景場コイルの外部に位置付けられる。全般に、動力密度は、作業半径が増加するため、駆動又は発電経路の外部への配置によって増加し、モーターとして給電されるときには、トルクの増加をもたらし、又は発電機として機能するときには、通電バーの表面速度の増加をもたらす(その結果、出力電圧を増加させる)。
この実施形態の更なる変形例は、背景場コイルの内部に駆動又は発電経路を配置することである。この変形例は、サイズの制約がある場合に、又は入力若しくは出力機械シャフトによって課される制約により駆動又は発電経路の内部の位置付けが左右される場合に適している。この変形例は、図39に示される。
上の実施形態の更に別の変形例は、背景場コイルを中心に外部及び内部の双方に駆動又は発電経路を配置することを含む。2つのジグザグ経路は、直列に接続することができ、又はモーター動作の場合には並列に接続することができ、又は発電するときには電圧を増加させるために直列に接続することができる。この変形例は、駆動又は発電経路の電流が、内側経路及び外側経路に分割することを可能にし−潜在的に、駆動又は発電経路の巻線において生じるピーク場を低下させる。場の低減がワイヤの通電容量の増加及び使用される超電導ワイヤの総量の低減をもたらすので、この場の低下は、超電導巻線が用いられる場合に特に好都合である。
代替的に、外部及び内部双方の駆動又は発電経路は、これらの経路の総電流容量の増加を可能にすることができ、それによって、デバイスの動力定格及び動力密度の増加をもたらす。デバイスの動作モード(モーター又は発電)、及び駆動又は発電経路が接続される様式は、経路の間で負荷をバランスさせるために、又は内側経路によって送達されるトルク及び電圧の全般的な低下を補うために、外部経路に対する内部経路の巻線の数の差を必要とし得る。この実施形態は、図40に例示される。
外部電流経路及び内部電流経路はまた、二重反転モーター又は発電機として機能するように、逆に接続することもできる。この実施形態において、図41に示されるように、内部巻線の回転方向は、外部巻線の回転方向に対して逆になる。
図41は、図40の発電機又はモーターアセンブリを示し、内部及び外部双方のジグザグスタイルの駆動又は発電経路が示される。上の実施形態において、外部及び内部の経路/巻線は、モーター又は発電機として二重反転動作を行うように構成される。
駆動又は発電巻線の基本的なジグザク配設に関する更なる変形例は、これらの巻線がここでも分割され、混交されるものである。この変形例は、「編んだ」又は混交した巻線として知られている。
この巻線の変形例を説明する最も単純な方法は、標準的なジグザグスタイルの巻線を半分に分割し、巻線の半分を機械の極の間の角度に等しい角度だけ回転させた場合である。この第2の半部の巻線における電流の方向は、経路の新しく隣接する軸方向の構成要素が、同じ方向に電流を輸送するか、又は電圧を発生するように反転される。端部接続部は、この時点で、1つの極によって変位する2つの半部に効果的に分割される。この駆動又は発電経路/巻線の変形例は、図42に最も良く示される。
駆動又は発電巻線の別の変形例は、ジグザグスタイルの一連の相互接続した巻線から、円形ループ又はコイルの使用への移行を含む。この実施形態では、隣接する通電バー/巻線の2つが各端部で接合される。これらの端部巻線は、2つのバーの間で電流を輸送し、該バーの間の相互接続及び電流の流れの正しい方向を確実にする。一連の巻線においてこの接続が行われたときに、駆動又は発電経路は、小さい電流経路によって順次的に接続される(又は代替的に、並列接続された電源によって給電される)一連の電磁コイルに類似する。超電導巻線を使用するときに、このワイヤの相互接続は、駆動又は発電経路のコイル部に使用される多数の巻線に対して非常に少なくすることができる。この実施形態は、図43に例示される。
別の変形例において、駆動又は発電経路の巻線は、いくつかの別個の相を形成する1組の等間隔の巻線に分割することができる。モーター及び発電機の3相動作は、よく見られるものであり、この3相又は多相動作は、この文書によって説明されるデバイス及び巻線まで拡張することができる。図44は、このような多相の実施形態を示す。
駆動又は発電経路の多相巻線には、以下のいくつかの利点がある。
・デバイスの定格動力及び動力密度を増加させるために、追加的な巻線を容易に追加することができる
・多相にわたって巻線を分割することで、巻線が遭遇するピーク磁場密度を低下させることができ、超電導である場合に、巻線の通電容量の増加につながる。これは、所与の動力密度に使用される超電導ワイヤの量の減少につながる
・多相巻線は、モーターのときに所与の出力レベルに対してより滑らかなトルク送達を有する
・多相巻線は、発電機のときに生じるピーク電圧及び電流を減少させる傾向があり、その結果、駆動又は発電経路巻線が経験するAC損失を減少させる
・モーターとして動作するときに、多相巻線が始動するときに潜在的なトルク「不感帯」の影響を受けない
以前の実施形態の更なる拡張
提示される実施形態は、多重で同心の背景場生成電磁コイルを含むように更に拡張することができる。多重同心背景コイルの使用は、駆動又は発電巻線が横断することができる一連の同心経路を作り出す。以前に説明された二重内部及び外部経路と同様に、この多重同心ステージの使用は、デバイスの定格動力又は動力密度を増加させることができ、また代替的に、モーター又は発電機としての二重反転動作をもたらすように構成することができる。図45は、多重同心ステージで構成されるデバイスの一実施例を示す。
図45は、図46に示されるように同じ方向に回転するように構成することができる、又は図47に示されるように二重反転するように構成することができる、両頭デバイスの2つの同心層がある、例示的なモーター/発電機を示す。
コイルの幾何学的形状及び巻線に関する更なる考察
背景場コイルは、いくつかの巻線から成るレーストラックスタイルの電磁コイルとして示されている。場の強度及び極間の均一性に関して同じ又はより良い結果を達成するために、類似するコイルの幾何学形状を使用することができることに留意されたい。許容可能な代替の幾何学的形状としては、角度付き直線セクション、及び螺旋状又は一定の外周湾曲端部を有するコイルが挙げられる。
駆動又は通電バーは、最も好ましくは、単一の固体バーではなくいくつかの巻線から成る。ジグザグ又はコイルの幾何学的形状の幅がその厚さよりも幾らか広い巻線の幾何学的形状が、巻線が経験する低減されたピーク場に関して好都合であることが証明されているが、これらの巻線がこの幾何学的形状によって例示されるという事実は、駆動又は通電巻線における他のアスペクト比の使用を除外するべきではない。
この文書に示されるデバイスの好ましい実施形態において、背景場コイル及び駆動又は発電経路は、超電導ワイヤのいくつかの巻線から成る。このワイヤは、NbTi、Nb3Sn、又はMgB2などの低温超電導(LTS)類、又はBSCCO若しくはYBCOなどの高温超電導(HTS)ワイヤとすることができる。当業者には、これらの巻線のいずれか又は双方を、銅又はアルミニウムなどの通常の導電材料から容易に作製することができることも容易に明らかになるであろう。
実例に示された巻線の矩形又は正方形の形状に加えて、巻線の形状は、容易に、ケーブルのような円形とするか、又は任意の他の所望の形状とすることができること、及びこのような形状が以下のような改善を提供することができることも留意されたい。
・連続する極の場の強度の均一性の向上
・いずれかの組の巻線が遭遇するピーク場の低減、それによる、使用される超電導ワイヤの量の低減
・巻線のパッキングファクタの向上
様々な実施形態の実例は、8つの背景場コイルを使用し、合計で16の極を作り出す。コイルの数は、単に例示の目的で示されているものとみなすべきである。この技術の実用的な応用において、背景場コイル及び極の数は、以下のようないくつかの要因に依存する。
・デバイスのサイズ−より大きいデバイス(風力タービン発電機、船舶用モーター)は、より多数の背景場コイルにより適している(10コイルが典型的である)。より小さいデバイスは、多数の隣接する背景コイルを阻む、幾何学的形状の制約を有する
・ワイヤが経験する磁場を与えられるコイルの最適な数。ワイヤ使用量の観点から、コイルにおいてより低いピーク磁場を動作させるより多い数のコイルは、より高い場を動作させるより少ない数のコイルよりも、より効率的であることが分かっている
・必要とされる出力又は入力の周波数−より多い数の背景コイルは、所与のRPMに関してより高い動作周波数をもたらす。この動作周波数は、超電導又は通常の電導巻線のAC損失を低減させるために、駆動回路又は負荷の要件と、動作周波数を低減させるという要望との間の最適化訓練である
始動の考慮事項
磁場を低減させた領域において回転構成要素を始動する、始動中の潜在的なトルクの「不感帯」を緩和するために、いくつかの手法をとることができる。そうした手法としては、以下が挙げられる。
・始動中にデバイスから負荷を切り離し、外部スターターモーターを係合するクラッチ
・駆動又は発電経路に対する多相巻線の使用
・固定子及び回転子の極の数の不整合を作り出すための、始動手順中の背景場コイルに対する段階的スイッチング
回転及び固定構成要素に関する考察
説明される回転機械(モーター及び発電機)は、以下を有する。
・回転及び固定構成要素、又は、
・回転及び逆回転構成要素、又は、
・回転及び逆回転及び固定構成要素の組み合わせ
好ましい実施形態では、駆動又は発電経路を固定したままにし、一方で、背景場電磁コイルが回転する。駆動又は発電巻線が運動し、背景場コイルが固定されたる逆のシナリオも完璧に許容可能であるが、好ましい実施形態の利点は、駆動又は発電コイルの極性を絶えず反転させているより高い電流を、滑り接点又はブラシを介して伝送する必要がなく、デバイスの電気損失を低減することである。
一方で、迅速な停止、始動、加速、及び減速を可能にするためにデバイスのスピン質量を低減するという用途要件がある場合は、背景場コイルの変わりに駆動又は発電経路をスピンさせる際に利点となるであろう。この場合、機械の設計は、背景場コイルにおけるより多い数の巻線、及び駆動又は発電経路の巻線の相応した低減が好ましくなる。
この文書において提示される機械の動作方向は、背景場コイル又は駆動/発電機経路の巻線における電流方向の反転によって反転させることができる。
この文書の画像及び説明は、回転電気機械に関する設計を提示しているが、当業者には、提示される原理をリニア機械並びに回転デバイスに適用することができることが明らかになるであろう。
ジグザグの外側巻線とレーストラックスタイルのコイル巻線との置き換え
以前の実施形態では、外側駆動/発電経路が一連のジグザクの巻線として示されている。これらの実施形態の変形例において、ジグザクの巻線は、発電又はモーターの目的で直列又は並列に接続される、レーストラックスタイルのコイルと置き換えられる。
鍵となる観察は、機械の回転軸と整列され、一次駆動又は発電素子である、レーストラックコイル又はジグザグ巻線の直線セクションである。デバイスのいずれかの端部での相互接続巻線は、その後の駆動/発電素子へ正しい方向に電流を伝送する任意の様式で作製することができる。理想的には、この相互接続部は、巻線が経験するピーク場を最小にし、それによって、所与の動力レベルに対する、デバイスによって使用されるワイヤの長さを最小にするように作製されるべきである。
レーストラック巻線の分割
この変形例では、デバイスのレーストラック巻線(以前に説明された背景場レーストラックコイル及び新しい駆動/発電レーストラックの変形例の双方)を、反対の極性の2つのコイルに分割することができる。これは、以前は1つの直接極及び1つの間入型極を作り出す1つのコイルが存在したが、ここではそれぞれが1つの極を作り出す反対の電流極性の2つのコイルが存在することを意味する。これらの極は、巻線の表面の周囲で半径方向の経路を横断するときに、極性が順次的に反対になる。
レーストラックコイルを分割することの第1の利点は、巻線の周囲を横断する通電バーが経験する場の変動(したがって、デバイスの出力トルク又は発生動力の変動)を低減させることである。コイルを分割することによって、横断部材が経験する場は、1つの極から次の極まで等しい。この同一性は、モーターであっても発電であっても出力動力のより滑らかな送達を生成し、その結果、所与の動力レベルに必要とされるワイヤの量を低減させる。
第2の利点は、超電導ワイヤの通電容量の場依存に関係する。超電導巻線を使用しているときに、巻線の通電容量は、これらの巻線が経験するピーク磁場によって制限される。以前に説明された単一のコイルの実施形態において、ピーク場は、通常、作業長さの端部に向かって、巻線の隅部に見出されていた。巻線を2つのレーストラックコイルに分割することによって、1つの作業長さから次の作業長さへの電流の伝達は、作業長さの2つの端部の間で分割され、巻線のより低いピーク場をもたらす。このより低いピーク場は、超電導ワイヤのより高い電流容量をもたらし、所与の出力レベルに必要とされるワイヤの総量を低減させる。
図48は、以前に例示された実施形態の2つの更なる変形例を示す。外側駆動/発電巻線は、レーストラックコイルとして示される。このバージョンはまた、いずれかの巻線組のコイル数が各コイルが磁場を順次的に反転させる極の数に等しくなるように、分割されたコイル配設も組み込む。
図49は、連続するレーストラックコイルの間の電流の流れの相対的方向を強調表示する。外側巻線の方向は、これらの巻線が交流電流(AC)を受けるものとして示されていることに留意されたい。
同心レーストラックコイルの幾何学的形状
以下は、以前に開示された実施形態の変形例を説明する。この変形例は、同心レーストラックの間に間隙を伴ってレーストラックが同心状に配設されるように、レーストラックコイルの更なる分割を含む。
図50は、図48に示される実施形態に用いられるタイプの従来のレーストラックコイル、及び二重同心レーストラックコイルを示す。二重同心レーストラックコイルの幾何学的形状は、所与の出力レベルに必要とされるワイヤ長を10〜15%低減させることができる。
以下のリストは、この変形例を使用する潜在的な実施形態を説明する。
・同心状に分割した背景場レーストラック巻線(好ましい)
・同心状に分割した駆動/発電レーストラック巻線
・同心状に分割した背景場及び駆動/発電レーストラック巻線の双方
レーストラック巻線を一連の同心レーストラック巻線に分割することは、所与の動力レベルに関して、巻線のより低いピーク磁場、及び超電導ワイヤのより少ない使用量をもたらす。これらの同心レーストラック巻線は、同じ電圧及び電流位相で動作する。電流の流れの方向は、同心巻線の全てのコイルについて同じである。ワイヤ使用量の最も大きい低減は、駆動/発電巻線を同心状に分割することなく、背景場巻線を同心状に分割した実施形態に認められた。この好ましい実施形態は、使用される超電導ワイヤの長さを10〜15%低減させることができる。
図51は、図48の実施形態であるが、背景場コイルが同心レーストラックコイルから構築されることを示す。以前に示されたジグザグ巻線とは対照的に、外側駆動/発電コイルもレーストラックコイルである。
図52は、内側背景レーストラックコイルが同心状に分割された、図51に示されるデバイスの背景場及び駆動/発電巻線を示す。
図53は、二重同心背景場コイルと駆動/発電コイルとの間の相互作用を示す、図51に示されるデバイスの磁場プロットを示す図である。
図54は、同心レーストラックコイルを使用して構築された背景場作成巻線及び駆動/発電巻線の双方を有するデバイスの更なる実施形態を例示する。
更なる改善:
直径と長さとが等しい正方形構成と、及びデバイスの長さが直径よりも長い構成とを比較して、直径を増加させ、長さを低減させたデバイスを構築することには、いくつかの利点がある。好ましいタイプのオーバースクエアデバイスは、所与の出力動力に関して、低減したワイヤ使用量をもたらすことができる。この好ましい実施形態は、傾向を示すものとみなすべきではないこと、及び保護が求められるデバイスのタイプを限定しないことに留意されたい。
3相及び多相の実施形態の更なる変形例:
以前に開示された技術の3相の実施形態の構築に関する1つの更なる変形例は、駆動/発電巻線に対するベッドステッド形状のコイルの使用を含む。これらのコイルは、駆動/発電巻線の作業長さが同じピッチ円径上に位置するように保つために、該コイルの「作業長さ」の終端で、すなわち、デバイスのいずれかの端部で隆起する。駆動/発生コイルのこの隆起した端部、すなわち、ベッドステッドは、コイル上のピーク磁場を最小にするように設計され、したがって、所与の出力レベルに対して使用される超電導ワイヤの量を低減させる。
この文書に提示される追加的な3相の実施形態は、分割したレーストラックコイルの使用、及び1組の同心レーストラックコイルとしての背景場コイルの構築などの、以前に説明された変形例及び改善のいくつかを含む。
図55は、二重同心レーストラック背景場コイルの幾何学形状及びベッドステッドスタイルの駆動/発電コイルの双方を用いた3相デバイスの一実施形態を示す。
図56は、ベッドステッドスタイルの多相巻線の拡大詳細図を伴う、図55の3相デバイスを示す。
図57は、図55に示されるタイプの3相スタイルのモーター/発電機の一実施形態のコイル配設を示す。内側背景場巻線は、二重同心レーストラックコイルである。外側駆動/発電巻線のセクションだけが示される(明確にするため強調表示される)。これらの外側巻線は、ベッドステッドスタイルのコイルから形成される。
図58は、図55に示されるデバイスの磁場プロットである。場プロットは、背景場コイル及び3相駆動/発電巻線によって作り出される磁場の相互作用を示す。
以前に示されたデバイスの更なる変形例では、全極駆動のバージョンを構築することが可能であり、該バージョンにおいて、駆動巻線の外部の周囲の磁場の強度は、背景場巻線によって生成される背景場の強度以上である。このデバイスにおいて、駆動巻線は、通電巻線上に大きい力を生成し、それによって、デバイスの動力及び/又は効率を増加させる。
この文書において開示された発明及び変形例はまた、電気電圧及び電流の入力からの機械的作業の生成(モーター)、又は電気電圧の生成及び機械的作業(発電機)の印加(発電機)にも関する。開示されたデバイスに基づくモーター及び発電機は、総称的にGuinaのトロイダル駆動として知られている。
モーター/発電機は、回転部(回転子)及び固定部(固定子)から成る。開示されたデバイスにおいて、固定子の主要機能は、回転子が回転する高強度背景磁場を提供することである。回転子は、モーターの場合、背景場の磁場方向の相対的変化と協調して(すなわち、1つの磁極から次の磁極まで回転子が運動するときに)方向を変える電流で駆動することができる。発電機の場合、回転子の運動は、交流電圧及び電流の発生をもたらす。
トロイダル駆動の基本要素は、トロイド形状である1組の背景場巻線又は永久磁石、及び1組の回転子巻線である。このコイル/磁石の形状は、トロイド自体の断面内に磁場の大部分を含む。回転子巻線は、トロイドの断面内部に配置され、この含まれた場の中で動作する。
回転子巻線の最も単純な実施形態は、超電導又は通常の導電材料の多重巻線から成る単一のレーストラックスタイルのコイルから成る。巻線は、トロイダル固定子内に位置し、一対の入力及び出力スリップリングを介して動力が巻線に送達されるか、又は巻線から取り出される。巻線は、巻線の回転を可能にする機械的シャフトの軸受に載置される。シャフト及び動力送達/抽出接続部は、固定子の側部巻線に間隙を必要とする。この単一相回転子の最も単純な実施形態は、図59に示される。
トロイダル巻線/磁石は、磁場を作り出し、磁場では、正方形の又は正方形にしたトロイドの場合、丸みのあるトロイドの作業半径を中心に同心状に、又は巻線の壁に対して平行に場線が実質的に流れる。回転子巻線は、一般に、1回転あたり2つの磁極を経験する。これは、回転子巻線自体の1組の動力スリップリングを有する独立した回転子巻線から成る多相巻線を用いることによって、トルク及び動力の送達をはるかに一貫させることができることを意味する。巻線リードの各々の交流電流は、巻線の間の分離角度と比例して、他の巻線を先行又は遅行させる。3つの独立した相から成る実施形態は、図60に示される。
巻線あたりの個々の相は、動作電圧及び電流の所望の組み合わせを生成するように、直列又は並列に巻回することができる。
回転子巻線は、トルクを経験するので、機械的支持体、並びにそれを中心に回転子が回転し、かつそれを通して動力が送達される接続シャフトも有しなければ成らない(図61を参照されたい)。
図61は、回転子本体及び動力伝送シャフトの支持構造体を有する、3相回転子巻線を示す。巻線は、シャフトの端部を中心に変位されて示される。
巻線は、銅など通常の導電材料から、又は超電導材料から作製することができる。回転子巻線における超電導材料の使用は、巻線材料の温度を超電導状態が達成される点まで下げるために、回転クライオスタットを必要とする。
通常の銅製巻線が使用される場合、デバイスの動力密度は、より高い銅の電流密度及び強制空冷又は水冷/油冷の使用を通して増加させることができる。冷却液をポンピングすることができる冷却チャネルを組み込む回転子アセンブリの一実施例は、図62に示される。冷却チャネルは、回転子巻線の液体冷却、及びそれに応じたより高い電流密度を可能にする。
いくつかの個々の、多相回転子アセンブリを1つのトロイダル固定子内に収めることが可能である。これは、デバイスの動力密度を、所与の量の回転子巻線/磁石材料に対して大幅に増加させることを可能にする。好ましい実施形態において、回転子は、トロイダル固定子の中心軸を中心にピッチ円直径上に配列される。
この好ましい実施形態において、背景磁場は、この中心軸を中心に横断し、大部分がトロイダル固定子内に含まれる。単一の場線は、トロイドの周囲で連続して回転子アセンブリの各々を通って進行すると想定することができる。この様式で、磁場は、発電又は動力の送達において2回以上用いられ、磁場は、大体がモーター/発電デバイス内に含まれる。
図63は、固定子巻線の正方形トロイダルの一実施形態を示す。巻線は、回転子の機械出力及び電気出力に適応するように、いずれかの側部に間隙を有する。
代替的に、固定子巻線/アセンブリは、丸みのある、又は円形トロイドとして構築することができる。図64は、固定子が円形トロイダル巻線から構築された、図63に示される固定子巻線の変形例を示す図である。全般に、真円形巻線は、トロイドの外側に生成する浮遊磁場が少ない。
正方形トロイド、及び僅かにより大きい範囲の円形トロイドは、トロイド巻線の内部の周囲を進行する磁場を生成する。場は、大部分がトロイダル固定子巻線に含まれる。図65は、参照のために6回転子アセンブリ巻線が含まれる、円形トロイダル巻線からの場プロットを示す。磁場は、固定子アセンブリの内部の周囲を横断し、固定子内に含まれる。
図66に例示される場プロットは、200ガウス(桃色)、5ガウス(青色)制限の場の境界を示す。完全性のために、回転子巻線の場の寄与が含まれている。
固定子及び回転子アセンブリは、トロイダル駆動モーター及び発電機を生成するように組み合わせられる。トロイダル固定子及び多重回転子の一実施形態は、図67に示され、正方形トロイダル固定子巻線及びトロイダル固定子内に位置する4組の多相回転子巻線を組み込む。
図67は、正方形トロイド配設の矩形コイル巻線として固定子素子を示しているが、以下に留意することが重要である。
・コイルの配設は、正方形トロイドではなく丸みのあるトロイドとすることができる
・コイルは、類似するトロイダル場プロファイルを生成するように配列された永久磁石と置き換えることができる
・コイルの断面は、必ずしも矩形とする必要はなく、回転子巻線のための十分な隙間が残るのであれば、円形断面を有するコイルも用いることができる
図68は、回転子アセンブリの各々がどのようにトロイダル固定子内に収容されるのかを示す、図67に示されるデバイスの完成図である。
好ましい実施形態において、多重回転子アセンブリは、中央回転シャフトへのプラネタリギヤの接続を通して、単一の機械的入力又は出力に組み合わせられる。このプラネタリギヤ接続の一実施例は、以下の図69及び図70に示される。これらの図に示されるギヤ比は1:1であるが、所望の回転子速度又は最終駆動速度を与えるために、ステップアップ又はセットダウンしたギヤ比を用いることができる。最終ギヤ比は、ギヤトレイン、インラインプラネタリギヤボックス、又はこれらのギヤボックス配設の組み合わせの使用を通して、中央ギヤ及びピニオンの配設によって直接生成することができる。
図69は、プラネタリギヤのシステムを介した4つの個々の回転子アセンブリの中央動力入力/出力シャフトへの接続を示す、Guinaのトロイダル駆動の断面図を示す。
図70は、プラネタリ及び主シャフトの回転の相対的方向を強調表示する、図69に示されるデバイスの代替図である。
図69及び図70において以前に示されたデバイスは、シャフトの2つの端部の間で生じるトルクを分配するために、個々の回転子アセンブリの機械的シャフトの両端部に載置されるギヤを有する。代替の実施形態において、図71に示されるように、トルクは、回転子シャフトの一方の端部だけを介して伝送される。
以下の図は、背景場生成トロイダル固定子及び回転子に関して異なる構築材料を組み込む、トロイダル駆動の異なる実施形態を示す。これらの実施形態は、単に示したものであり、また、モーター/発電機を作り出すために使用することができる超電導材料、通常の導電材料、及び永久磁気材料の物理的配設又は組み合わせに関して限定するものとみなすべきではない。
図72は、高強度背景磁場を作り出すために、超電導巻線から作製されたトロイダル固定子を組み込んだ一実施形態を示す。回転子巻線は、銅製のワイヤから作製される。
図73は、背景磁場を作り出すために、通常の導電銅製巻線から作製されたトロイダル固定子を組み込む、一実施形態を示す。回転子巻線は、同様に、銅製のワイヤから作製される。
図74は、高強度背景磁場を作り出すために超電導巻線から作製されたトロイダル固定子を組み込んだ一実施形態を示す図である。回転子巻線は、同様に、超電導ワイヤ又はテープから作製される。
等しくかつ反対の場
以前に示されたデバイスの更なる変形例では、トロイダル駆動のバージョンを構築することが可能であり、該バージョンにおいて、回転子巻線の外部の周囲の磁場の強度は、固定子によって生成される背景場の強度以上である。このデバイスにおいて、回転子巻線は、大きい反発力を経験し、デバイスの動力及び/又は効率を増加させる。
図75は、背景磁場を作り出すために、通常の導電銅製巻線及び永久磁気材料の双方から作製されたハイブリッドトロイダル固定子を組み込んだ一実施形態を示す。回転子巻線は、同様に、銅製のワイヤから作製される。
永久磁気材料及び追加的な銅製の巻線を使用するハイブリッド固定子の構築を示す上記の図75に加えて、永久磁気材料だけを使用した、又は永久磁気材料と鉄若しくは鋼などの磁気透過性材料との組み合わせを使用したトロイダル固定子を構築することが可能である。
図76は、トロイダル固定子が永久磁石のアセンブリで構築された、トロイダル駆動の変形例を示す。
図77において、トロイダル固定子は、永久磁気材料から構築される。磁場の追加的な案内は、固定子トロイドの隅部セクションにおけるより小さい間入型永久磁石の配置を介して達成される。これらのより小さい間入型磁石は、以下の図78により明確に示される。
図77には、図76に示されるデバイスの3/4の断面図が提供される。この実現形態において、固定子トロイドは、永久磁石の最も薄い寸法を通して磁化される一連のプレートスタイルの永久磁石から成る。より小さい間入型磁石は、磁束を回転子アセンブリへ案内するのを支援するために、隅部に用いられる。回転子アセンブリを取り囲む磁石は、物理的に回転子を収容するように切り取られる。
図78は、図77に示されるデバイスの詳細図である。この図は、磁化の方向、及び回転子アセンブリを収容するために永久磁気材料が除去された領域を示す。
図79は、図75に示されるデバイスの3/4の断面図を示す。この図は、回転子アセンブリを収容するために永久磁気材料が除去された領域を示す。
更なる調査は、回転子アセンブリの近くの磁石材料の除去をできる限り少なくし、回転子巻線の近くに高強度磁場を保存することを可能にすることで、かなりの利点があったことを示した。加えて、磁石材料に回転子アセンブリを完全に封入させない方が良いことが見出された。回転子半径の外側の、及び回転子のいずれかの端部の追加的な材料は、磁場の大部分を回転子巻線から離れるように方向付け、それによって、デバイスの動力を低減させる傾向があった。
最終的に、デバイスの動力の大幅な増加は、回転子巻線の内部に位置する円筒形の永久磁石を導入することによって達成された。この内部磁気質量は、図78に示される磁石と同一線上で分極され、回転子に対して固定したままである。これらの進歩の各々は、図80に示され、具現化される。この時点で、回転子アセンブリを取り囲む磁石材料は、回転子アセンブリの外部輪郭に密に従い、デバイスの動力を増加させる。個々の回転子の間に固定子トロイドの相互接続を形成する磁石材料は、デバイスの重量を低減させるために中空にされている。
内部固定永久磁気質量は、同心シャフトの配設を必要とし、該配設において、機械的動力伝送は、外部スリーブ付きシャフトを介して起こり、内部シャフトが内部磁気質量に対する静的支持体を提供する。
図81は、図80に示されるデバイスの側断面図である。切り取りは、回転子巻線がどのように磁石材料の別の円筒質量を収容するのかを示す。この追加的な磁気質量は、固定されており、また、回転子巻線に対して垂直であるように磁場を案内するのを補助し、したがって、デバイスの動力を増加させる。
追加的な磁気質量の主な効果は、回転子アセンブリのいずれかの側の磁気質量からの、又は該磁気質量への場の引力に由来する。この引力は、回転子巻線に対して磁場を強化し、直線にし、デバイスの動力の大幅な増加をもたらす。図81のデバイスの磁場プロットは、以下の図82に示される。
図80に示される4回転子デバイスの更なる変形例は、単一の回転子アセンブリ及び低減させたトロイドスタイルの戻り経路を組み込む。この変形例の一実施形態は、図83に示される。示されるデバイスは、背景磁場を含み、戻すために長方形場の永久磁石アセンブリを有する単一の回転子アセンブリの周囲を基礎とする。
この単一の回転子の変形例は、最終動力伝送シャフトへのギヤリングシステムを必要としない、という利点を有する。デバイスの背景磁場を含むために、低減したトロイダル戻り経路が使用される。
図84は、図83に示される単一回転子の永久磁石トロイダル駆動の磁場プロットを示す。
本明細書で示されたデバイスの回転子巻線は、構築を容易にするために通常の導電巻線として、又は動力密度を増加させるために超電導巻線として、容易に構築することができることに留意することが重要である。
示された実施形態は、永久磁気材料から完全に構築された固定子セクションを有するが、トロイドのセクションは、鋼又は鉄などの磁気透過性材料から容易に構築することができる。磁気透過性材料から構築するための候補としては、回転子アセンブリを相互接続するトロイドの隅部、及び回転子アセンブリの内部に配置される材料が挙げられる。鍵となる構成要素と磁気透過性材料との置き換えは、動力レベル及び重量の双方にペナルティを有する場合があるが、永久磁気材料の専属的使用に勝る幾らかのコスト節減になり得る。
以前に示された実施形態において使用される正方形トロイド背景場固定子に加えて、背景場固定子コイルはまた、図85に示されるように、円形の又は丸みのあるトロイダル形状で容易に構築することもできる。一般的な意味において、正方形トロイダル固定子の使用は、丸みのあるトロイダル固定子と比較して、磁場のより多くの「漏れ」を犠牲にして、所与の量の固定子材料に対して僅かにより高い動力出力を生成する。丸みのあるトロイダル固定子の改善された閉じ込めは、デバイスの周囲の5ガウス及び200ガウスの磁場境界線の低減において認められる。
図85〜図93は、背景場固定子が円形の又は丸みのあるトロイドとして構築されているトロイダル駆動の実施形態を示す。
図85は、円形の又は丸みのあるトロイダル背景場固定子を伴う4回転子アセンブリを有するトロイダル駆動を示す。
図86は、4回転子アセンブリを有し、円形の又は丸みのあるトロイダル背景場固定子を有する、図85に示される実施形態の3/4断面図を示す。
背景場固定子の周囲に配置することができる回転子アセンブリの数は、主に、個々の回転子アセンブリの機械的制限及び隙間の制限によって制限される。以前に示された正方形トロイダル背景場の場合、背景場の直線状側部の数は、回転子アセンブリの数の増加とともに増加する。
図87は、円形の又は丸みのあるトロイダル背景場固定子を伴う6回転子アセンブリを有するトロイダル駆動の一実施形態を示す。
図88は、図87に示される6回転子アセンブリを有する実施形態の2/3断面図を示す。ここでも、円形の又は丸みのあるトロイダル背景場固定子が用いられている。
図89は、図87に示される6回転子アセンブリを有する実施形態の代替図である。主シャフト及び個々の回転子シャフトの回転の相対的方向が矢印によって示されている。
図90は、円形トロイダル固定子及び6回転子アセンブリを有するトロイダル駆動モーター/発電機を示す。このデバイスは、高速動作用に設計され、また、超電導固定子巻線及び銅製回転子巻線を組み込む。
図90に示される実施形態は、6回転子アセンブリを、超電導材料から巻回される円形トロイドスタイルの固定子に組み込む。このデバイスは、トロイダル駆動モーター/発電機の高速、高動力密度の一実現形態である。動力伝送シャフトのいずれかの側を変形させる巻線は、所与の量の超電導材料に対して超電導巻線が経験するピーク場を低減させ、かつデバイスの動力密度を増加させるために、超電導トロイダル巻線の大部分の面からある距離オフセットされる。
図91は、回転子アセンブリの多相巻線を特徴とする、図90に示される実施形態の断面図である。
高速トロイダル駆動デバイスの回転子巻線は、銅から作製され、また、出力動力のリップルの量を低減させるために多相である。超電導回転子巻線の使用が可能であるが、高速の動作は、超電導巻線におけるAC損失を最小にするために慎重な設計が必要であることを意味する。
図92には、以前の実施形態の更なる変形例が示される。この実施形態は、直接駆動式風力タービン発電機としての用途に適している低速発電機として動作するように設計される。このデバイスは、風力タービン発電機としての使用を含む、低速動作用に設計され、超電導固定子巻線及び超電導回転子巻線を組み込む。
低速の動作は、低周波数の動作をもたらし、その結果、回転子巻線におけるAC損失の低減をもたらす。この結果、固定子巻線及び回転子巻線は、超電導材料から構築される。
このデバイスは、直接駆動(1:1)構成又はステップアップ(1:25以上)構成のいずれかとして、以前の実施形態に示されるプラネタリギヤ構成によって使用される。ステップステップアップ構成は、より高い動作周波数をもたらすが、比例的により少ない量の超電導材料を使用する。最終結果は、回転子巻線におけるAC損失がほぼ同じ状態を維持する。
図93は、図92に示される実施形態の3/4の断面図を示す。超電導回転子巻線は、AC損失を低減するように最適化されている。
超電導回転子巻線におけるAC損失を最小にする必要性は、極低温度での熱による損失を除去するときに起こる大きいペナルティ要因に由来する。熱損失を除去するために必要とされるエネルギーは、動作温度及び使用される超電導材料に応じて、実際のエネルギー損失よりも10〜1000倍高くなり得る。
以前に開示された実施形態の更なる変形例は、個々の回転子アセンブリの回転軸を変更することを含む。以前は、トロイダル回転子が巻回/構築される軸に対して平行である軸上で、回転子アセンブリを回転させたが、以下の実施形態において、この回転軸は、この時点で、トロイドの軸に対して垂直である。次いで、個々の回転子アセンブリの動力伝送を、ベベルギヤアセンブリを使用して組み合わせることができる。この変形例の実施例は、図94及び図95に示される。
図94は、この時点でトロイダル背景固定子の中心軸に対して垂直であるように個々の回転子アセンブリの回転軸が変更された、以前に提示された実施形態に関する変形例を示す。
図95は、図94に示されるようなデバイスの3/4断面図である。個々の回転子アセンブリにおける相の数が、動力送達/発電を滑らかにするために、24相に増加されていることに留意されたい。
図90〜図100は、回転子素子、及び回転子アセンブリを取り囲みその中に含まれるすぐ隣の永久磁気材料を示す。これらの変形例は、トロイダル駆動の基本駆動又は発電素子を表すが、トロイダル場の戻り素子がない。
図96は、隣接する内部永久磁石材料を有する単一の回転子アセンブリを示す。図97は、図96に示される磁石アセンブリの場プロットを示す。
図96に示される基本アセンブリの更なる変形例は、図98に示されるように、回転子アセンブリの外部に隣接する磁石質量の湾曲部を含む。内側磁石アセンブリは、以前に示されたように中実円筒とすることができ、又は図99の場プロットにおいて強調表示されるように内部孔を有するチューブ状とすることができる。
磁気材料の磁化方向は、示されるデバイスの場プロットにおいて一方向である。また、湾曲した外部磁気材料を、デバイスの回転軸を中心に半径方向に分極することも可能である。
以前に述べたように、永久磁気材料は、アセンブリの内側部分及び外側部分の磁石アセンブリを通って一直線に、又は機械の軸を中心に半径方向に磁化させることができる。1つの有益な変形例は、回転子巻線の外側の磁石アセンブリを半径方向に磁化させるものである。図100の場プロットは、回転子のいずれかの側の外側磁気素子が回転軸を中心に半径方向に磁化された磁場に対する、この半径方向の磁化の効果を示す。
更なる変形例は、外側磁石アセンブリの取り外しを含む。この変形例において、通電巻線は、内部永久磁気材料に反発する。この反発は、モーターの場合はトルクを生成し、発電機の場合は電流を生成する。
以下の変形例では、以前の回転巻線が固定され、内部永久磁石が回転する。回転子と固定子とを逆にする利点としては、通電巻線のためのスリップリング又は回転電気接点に対する必要性を除去すること、及び液体のポンピング又は強制空気による固定巻線の冷却がより容易であるという事実が挙げられる。
図101は、以前に開示された変形例に類似するが、外側磁気材料を取り外した、永久磁石モーターを示す。回転子巻線は、この時点で、固定された状態に保たれ、ブラシレスDC(方形波)又はAC巻線として動作する。内部磁石がデバイスの回転素子になる。
図102は、図101に示されるデバイスの断面図である。外側巻線が固定巻型の周囲に形成される。巻線内部に載置された永久磁石回転子は、機械的動力伝送のためのシャフトに載置される。
これらのデバイスは、固定子巻線及び永久磁石回転子とともに示されるが、回転巻線及び固定内部磁気アセンブリの逆の配設も可能であり、また、場合によっては望ましくなり得る。
図103は、図101及び図102に示されるデバイスの磁場のプロットである。永久磁石回転子は、材料の1つの中実円筒として示される。
図104は、図103のものに類似する、永久磁石モーターの場プロットである。内部磁石は、中実円筒ではなく、内部孔を有する磁気材料のチューブである。
以下の資料は、以前に開示された永久磁石機械の更なる変形例を詳述する。
図105に描写される第1の変形例は、内部永久磁石及び1組の外部多相巻線を有する、単一回転子の永久磁石機械である。以前に開示された実施例と比較したときの主な変化は、端部の巻線である。この巻線は、磁石アセンブリのための支持シャフトが通ることを可能にするために、中空孔の周囲に順次的に配設されている。この図は、以前に開示された単一回転子機械に類似するが、支持シャフトを収容するために修正された端部巻線を有する、永久磁石機械を示す。
開示されたデバイスの鍵となる利点の1つは、磁気巻線の中間にある大きい永久磁気質量が、磁気質量の外側半径からある距離をおいて、かなりの量の磁場を生成することである。磁場のこの大きい「投影距離」は、多数の導電性巻線を磁気質量の周囲に配置することを可能にする。巻線の高い電流密度及びこれらの巻線の有効な能動的冷却と組み合わせたときに磁場の中で動作するこの多数の巻線は、デバイスの優れた動力密度をもたらす。代替的に、より低い電流密度が供給されるより多数の巻線は、より高いデバイス効率につながり得る。
図105に示されるデバイスの更なる変形例は、個々の巻線を有する単一の永久磁石を、中心軸の周りに配列された複数の磁石及び回転子アセンブリから成る単一のデバイスに組み込む。
代替的に、これらの変形例は、個々の回転子アセンブリの位置付けが密にされ、相互接続(又は磁束ガイド)する磁気材料を除去した、以前に開示された永久磁石トロイダル駆動の変形例とみなすことができる。相互接続材料の除去は、デバイスの重量の大幅な節減を表し、浮遊場境界の小さい変化だけをもたらす。
図106に描写される第2の変形例は、中央シャフト及びギヤに接続された3つの永久磁石及び巻線アセンブリを有するデバイスを示す。この変形例において、中央シャフト及び外側回転素子の回転速度は同じである。
図106に示されるデバイスの更なる変形例において、磁石及び巻線アセンブリの動作速度は、中央接続シャフトの動作速度からステップアップ又はダウンさせることができる。これは、外側アセンブリが、はるかに高い速度で動作することを可能にし、その結果、より高いシステムの動力密度をもたらすが、それでも、所望の入力又は出力に適している動力及びトルクレベルを送達する。
図107は、図106に示されるデバイスの磁場プロットを示す。磁石と巻回アセンブリとの近接は、アセンブリの外側境界内に大部分が含まれる磁場プロファイルをもたらす。
図108は、図106に示されるものに類似するデバイスを示す。この変形例において、回転子アセンブリは、中央シャフトよりも高い回転速度で動作する。
図106に示されるデバイスは、任意の数の磁石及び巻線アセンブリにあてはめることができる。図109〜図114は、以下のいずれかである4つ及び6つのアセンブリの変形例を包括的に示す。
・中央シャフト及び個々のアセンブリシャフトの速度が同程度である、又は
・外側アセンブリシャフトの回転速度が中央シャフトに対してステップアップされている
図109は、個々のアセンブリと同じ速度でスピンする中央シャフトに接続された4つの磁石及び巻線アセンブリから成るデバイスを示す。
図110は、図109に示されるデバイスの磁場プロットである。
図111は、図109に示されものに類似するデバイスを示す。この変形例において、回転子アセンブリは、中央シャフトよりも高い回転速度で動作する。
図112は、個々のアセンブリとほぼ同じ速度でスピンする中央シャフトに接続された6つの磁石及び巻線アセンブリから成るデバイスを示す。
図113は、図112に示されるデバイスの磁場プロットである。
図114は、図112に示されるものに類似するデバイスを示す。この変形例において、回転子アセンブリは、中央シャフトよりも高い回転速度で動作する。
図109及び図112に示されるデバイスの更なる変形例は、トロイダルスタイルのアセンブリの中間に(中心軸に沿って)、追加的な永久磁石及び巻線アセンブリを有する。これは、完成したデバイスを形成する、合計で5つ及び7つの個々のアセンブリをもたらす。
中央シャフトの周囲に配列される個々のアセンブリの近傍は、磁石が固定された状態に保たれ、巻線が回転するときに、デバイス全体のトルク/動力を増加させる。この構成において、個々のアセンブリの間の距離が増加するにつれて、システムのトルク/動力レベルは、自由空間において同じサイズにした個々のアセンブリと同じ動力/トルクレベルを個々のアセンブリが示す時点まで減少する。
中心軸の周りにおける個々のアセンブリの互いに対する近さは、デバイスの物理的境界を超える浮遊磁場の閉じ込めの改善と相関する。
本明細書で提示される設計のブラシレスの変形例は、永久磁石構成要素を回転させ、巻線を固定した状態に保つことによって達成することができる。この変形例において、磁気アセンブリの位置付けは、該磁気アセンブリが回転するときに互いに影響を及ぼし、トルクリップルを低減させ、かつ回転子巻線によって印加されるトルクが連続する永久磁石の間の力に打ち勝つことができることを確実にするために、該磁気アセンブリの間の距離を増加させることを望ましくする。スピン磁石を有する個々のアセンブリからの結果として生じるトルク及び動力は、自由空間において単一の永久磁石及び巻線アセンブリから成るデバイスに関するものと同じである。
個々の巻線がデバイスの回転素子を形成し、磁石を固定した状態に保つ場合、動力は、回転巻線に送達するか、又は該回転巻線から取り出さなければならない。これは、スリップリング又はブラシ機構を介して達成することができる。代替的に、動力は、固定構成要素と回転構成要素との間の電気動力の伝達を可能にするDC励磁機又は回転変圧器を介して、巻線に及び巻線から供給することができる。
更なる単一モーターの変形例
以前に開示された単一の永久磁石デバイスの更なる変形例は、磁極が回転軸の周囲を360度横断するときに2つを超える該磁極が導体と遭遇するように磁化された巻線内に位置する、永久磁石を有する。磁石の周囲の巻線は、極数を増加させることによって、該巻線の極性をより頻繁に変化させることを必要とする。例えば、以前に示された2極デバイスは、個々の巻線を180度毎に切り替えることを必要とし、極数を4つに増加させることは、極性の反転が90度毎に生じなければならないことを意味する。
図115は、開示された実施形態による永久磁石の構築の2つの変形例を示す。背景の磁石は、「一直線に」磁化し、2極デバイスをもたらす。前景の磁石は、4つの磁化されたセクションから作製され、4極デバイスをもたらす。
磁極の数を変化させることに加えて、更なる変形例は、示されるデバイスの単一又は複数のアセンブリの実施形態双方の周囲での鋼製のシールド又はシュラウドの使用を含む。鋼又はフェライトシュラウドの使用は、デバイスの動力/トルクレベルを増加させることができる、一方で、任意の浮遊磁場も含む。
図116は、外側巻線の周囲に鋼製のシールド/シュラウドを有する、2極永久磁石及び回転子アセンブリを示す。
図117は、巻線及び2極永久磁石を示すために鋼製シュラウド及び一部の巻線を切り取った、図116に示されるデバイスを示す。
図118は、個々の巻線を示すために鋼製シュラウドを切り取った、図16に示されるデバイスを示す図である。
図119は、デバイスの外側の周囲に鋼製シュラウドを有する、2極永久磁石及び個々の巻線アセンブリの磁場プロットである。シュラウドは、浮遊磁場を含み、デバイスの動力を増加させるのを補助する。
図120は、外側巻線の周囲に鋼製シールドを有する4極永久磁石及び回転子アセンブリを示す。残りの巻線及び2極永久磁石を示すために、鋼製シュラウド及びいくつかの巻線が切り取られている。
図121は、デバイスの外側の周囲に鋼製シュラウドを有する、4極永久磁石及び個々の巻線アセンブリの磁場プロットである。シュラウドは、浮遊磁場を含み、デバイスの動力を増加させるのを補助する。
極の数は、示された実施形態に限定されるものとみなすべきではない。極の数を増加させることは、鋼製シュラウド/シールディングの効果を増加させ、より低いデバイス重量をもたらす。
図122は、図120に示されるものに類似するが、鋼製シールディング/シュラウドを伴わない、4極デバイスを示す。図123は、図122に示されるデバイスの磁場プロットである。
鋼製のシュラウド又はシールディングはまた、多重モーターアセンブリにも用いることができる。図124及び図125は、外部の周囲に単層の鋼製シュラウドを有する、図112による6モーター/発電機アセンブリを示す。
これらのシールディングシュラウドは、高い磁気透過性を有するフェライト材料又は他の材料を使用して作製することができる。単一の層から構築されているように描写されているが、シールディングはまた、層の間の間隙の有無にかかわらず、多層の材料を使用して構築することもできる。
シールディング材料はまた、渦電流及びヒステリシス損を最小にするために、薄シートから積層することもできる。図125は、鋼製シールド/シュラウドに起因する磁場の改善された閉じ込めを示す、図124に示されるデバイスの場プロットである。
多極磁石の物理的構築は、交互する磁気極性を有する一連の角度セグメントとして以前に示されている。以下の画像は、多極永久磁石を物理的に構築するための異なる手法を示す。
図126は、分割平面に対して平行な方向に磁化された2つの半部から構築される、4極永久磁石アセンブリを示す。
図127は、図126に示される4極磁石の更なる変形例を示す。この変形例では、アセンブリの分割平面に対して平行な方向に磁化される一連の磁石を組み立てることによって、4つの磁極が作り出される。
図128は、磁気極性が半径方向に交互に並ぶ一連の円弧セグメントから構築された、6極永久磁石アセンブリを示す。構築の様式は、図120の4極磁石に使用されたものに類似する。
図129は、アセンブリの分割平面に対して平行に磁化される磁石から構築された、6極磁気アセンブリを示す。磁石は、組み立ての目的で更に細分化することができるが、画像に示される磁化の方向が保存されることを条件とする。
図130は、4極永久磁石アセンブリの構築の変形例に関する磁場プロットを示す。図130のプロットにおいて、永久磁石アセンブリは、永久磁気材料のセクターの間に間隙を伴って構築される。これらの間隙は、永久磁石自体の中に磁場のより高い均一性をもたらす。これらの間隙は、以前に開示された他の磁石アセンブリのいずれにも容易に適用することができる。
図131は、磁気材料のセクターの間に小さい間隙を組み込む4極永久磁石アセンブリを示す。各セクターを通る磁化の方向は、それぞれのセクターの端面上の矢印によって示される。磁化のこの方向は、図130に見られる磁場を生成する。
磁場の局所的変動による磁気シールディング又は支持構造体における渦電流の形成による寄生エネルギー損失は、一連の積層シートの外にシールディング又は支持構造体を構築することによって緩和することができる。
以前に開示された永久磁石デバイスの変形例において、図132のデバイスは、鋼又は他の磁気透過性若しくは強磁性材料の多重積層体から構築された外部鋼製シールディングを示す。
構築に使用される各シートは、隣接するシートから電気的に絶縁され、それによって、シールディング又は支持構造体の大きい渦電流の形成を阻止する。フェライトシールディングが用いられない場合、支持構造体は、大部分を非導電性材料から構築することができ、更に寄生損失を低減させる。
別の変形例において、鋼製シールディングは、非磁性材料の間隙を含む一連の同心積層アセンブリから構築することができる。この構築方法は、シールディング材料の容積の大幅な低減を可能にし、磁気シールディングの有効性及びデバイスの出力動力の低減を最小にする。
鋼製シールディングが積層シールディング材料の1組の同心円層から作り出される、図132に示されるデバイスの更なる変形例を示す。中間空気間隙を有する多重層の使用は、必要とされるシールディング材料の質量の低減を可能にし、場の閉じ込め及びデバイスの動力出力への影響が最小である。
以前に開示されたブラシレスの実施形態において、永久磁石アセンブリの高い回転速度での回転は、アセンブリ材料にかなりの遠心力負荷をかける。以下の変形例は、この力を含み、高速での永久磁気材料の構造的完全性を保存するために、高強度材料(ケブラー又は炭素繊維など)の外部層又はラップを使用する。
図134は、ケブラー、炭素繊維、又はチタニウムなどの他の高強度で低電気伝導率の材料の外部ラップを有する、永久磁石を示す。外部材料は、高い回転速度での磁気材料への遠心力を含む。
図102に示されるアセンブリの別の変形例において、アセンブリの永久磁石材料は、一群の同心リングに更に細分化される。高強度材料は、磁気材料に及ぼされる遠心力に対する追加的な支持体のいくつかの層を提供するために、これらの環状間隙の中に位置する。図135には、外部支持体層及び追加的な内部支持体層を有する変形例が示される。
永久磁石アセンブリの構築に関するこの変形例は、永久磁気材料が、同心円層の間にケブラー又は炭素繊維材料を有するいくつかの同心円層に分割されるものである。層の間のこの追加的な材料は、高い回転速度での遠心力を抑えるように設計され、永久磁石アセンブリの構造的完全性を確実にする。
この文書において提示される実施形態とモーター及び発電機の設計のための従来の手法との鍵となる差は、永久磁気材料から支配的に構築される円筒磁気アセンブリの使用に関する。これは、磁気材料が永久磁石アセンブリの半径方向の端部に配置されたより薄い材料層から成る永久磁石を使用したモーター/発電機の設計のためのより従来的な手法とは対照的である。この配置は、図136に示され、結果として生じる半径方向の場の強度のプロットは、図137に示される。
モーターの場合には、この半径方向の磁場と、出力トルクを生成する永久磁石を中心に円形に配列される導体を流れる電流との相互作用であるので、半径方向の場の強度が重要である。同じ様式において、発電機の場合には、半径方向の磁場と、印加されたトルクに対応する電流を導体に発生させる運動導体との相互作用である。
永久磁気材料でその全体が構成される(すなわち、「完全に満たされた」)円筒磁石に関する半径方向の磁場の強度は、図138に示される。第1の観察は、半径方向の磁場の強度が、デバイスの半径の周りにより均一分布することである。これは、実際には、360度の回転にわたって単一の相からのより均一なトルクの送達/動力の発生をもたらす。
第2の観察は、磁気材料の容積の増加が、半径方向の磁場の強度を増加させることである。実際には、デバイスの動力出力は、その構築において用いられる磁気材料の容積に比例する。所与の容積内で最も高い動力を得るために、デバイスの内部アセンブリのできる限り多くを、永久磁気材料から作製しなければならず、場所的又は機械的支持の目的でだけ、この材料の幾らかの低減を伴う。
磁気材料の所与の容積に対するデバイスの動力出力は、磁極の数の増加とともに減少し、すなわち、4極デバイスが2極デバイスよりも低い出力を有する、などである。
図138は、以前に開示されたアセンブリに類似する全厚さ2極永久磁石アセンブリによって生成される半径方向の磁場の強度の断面場プロットを示す。半径方向の高い場の強度の領域は、図137のものと比較したときに、デバイスの外周の周りでより均等に広がる。
この開示は、単極スタイルのタービンモーター及び発電機の開発に関する。具体的には、駆動磁場(単極回転子が動作する)を提供する電磁コイル又は磁気材料と、バルク超電導材料を、又は持続的な磁場を生成する超電導材料の積層体と置き換える、タービンの構築に関する。
バルク超電導材料を使用した磁場の生成は、外部磁場又は励磁磁場の存在下で材料が冷却されたときに起こる。この外部の場が除去されると、超電導材料の反磁性の性質が、超電導体内の持続的な循環電流を作り出す結果となる。これらの持続的な循環電流は、外部磁場を効果的に作り出し、材料が超電導状態の範囲内に保たれている間はその場の生成能力を保持する、永久超電導磁石をもたらす。
図139の第1の実施形態は、2つのバルク超電導磁石の間の単極回転子アセンブリを示す。超電導磁石への、及び該超電導磁石からの通電リードの除去は、超電導状態を維持するために必要とされる冷却能を大幅に低減させる。簡素化されたクライオスタットは、随意に、回転子に固定して、回転することを可能にすることができる。デバイスは、それでも、ファラデーパラドックスの結果として動作する。
図139は、励起された超電導バルク材料を介して駆動磁場が作り出される、単極スタイルの電磁タービンを示す。バルク材料は、それがあるタイプの超電導永久磁石を形成するように誘導される、持続的な磁場を有する。
図140の第2の実施形態において、バルク超電導磁石は、超電導材料の積層体から構築される。これらの積層体は、所望の磁場プロファイルを作り出すために必要とされる方向に循環電流を形成し、流すことを可能にするように整列される。図140は、図139に示されるものに類似する単極電磁タービンを示す。バルク超電導材料は、超電導材料の積層体を使用して作り出されている。
以前に開示された実施形態において、通電巻線は、固定のオフセット又は隙間によって永久磁石アセンブリを取り囲む。このオフセットのため、デバイスの幅の広いアスペクト比は、主に、永久磁気アセンブリのアスペクト比によって決定される。このアスペクト比、すなわち永久磁石の長さとその直径との関係は、所与の容積の磁気及び通電材料に利用できる出力電力への影響を有する。
デバイスの出力動力(デバイスアスペクト比の関数として)は、以下の2つの考慮事項に従う。
第1に、特定の幾何学的形状から得ることができる動力は、デバイスの回転速度、すなわちRPMとともに増加する。実際には、ピークの回転速度は、回転材料に対する遠心負荷によって課される物理的限度を受け、その結果、材料の外側半径での表面速度に依存する。これは、より小さい回転子直径を有するデバイスの幾何学的形状が、高い速度で回転することができ、動力の増加をもたらすことを意味する。
第2に、磁気アセンブリの長さは、通電巻線上に結果として生じるトルクの大部分を作り出し、(モーターとして動作するときに)ほんの僅かなトルクが、端部巻線によって「取り込まれた」磁場から生じる。デバイスがそれらの直径に対してより長くなるにつれて、端部巻線からのトルク寄与が低減する。発電機の場合、端部巻線から生成された電圧への寄与は低減する。
図141〜図144は、同じ量の磁気材料及び通電巻線を使用するが、デバイスの直径とデバイスの長さとの比率が異なる、2つの実施形態を示す。
図141は、以前に開示されたデバイスのものに類似するアスペクト比を有する永久磁石デバイスの一実施形態を示す。明確にするため、いくつかの巻線が隠されている。
図142は、図141に示されるデバイスの磁場プロットである。場は、永久磁石アセンブリの磁化の方向に対して平行に整列される、デバイスの水平断面を通してプロットされる。
図143は、図141に示されるデバイスと同じ容積の磁気材料及び通電巻線を使用するが、直径がより小さく、それに応じて長さがより長い、永久磁石デバイスの一実施形態を示す。明確にするため、いくつかの巻線が隠されている。
図144は、図143に示されるデバイスの対応する磁場プロットを示す。場は、永久磁石アセンブリの磁化の方向に対して平行に整列される、デバイスの水平断面を通してプロットされる。
図141に示されるデバイスの図143の磁場プロットにおいて、磁場を示すベクトルは、デバイス(「S」極)に進入し、磁気材料の磁化の方向に沿って出る(「N」極)。中間点のいずれかの側の磁石の長さのかなりの部分に関して、磁場は、永久磁石を出て、「面内」の最も近い反対の極に戻る。したがって、場は、この文書において以前に示された断面場プロットと同様に振舞う。
磁石のいずれかの端部において、磁場は、「面内」の円筒磁石の外周の周囲に戻らないが、デバイスの端部の周囲で曲がり、最も近い反対の極への最も短い磁束戻り経路をとる。
比較として、図144は、図141の実施形態に対してより小さいデバイスの直径及びそれに応じてより長い長さを有する、図143に示される実施形態の磁場プロットを示す。デバイスの長さの延長は、より大きい割合のデバイス長さをもたらし、場の戻りがデバイスの外周の周囲の面内にあり、端部の周囲での磁場の曲がりの相対的寄与を減弱させる。
同じ容積の材料の場合、より小さい直径及びより長い作業長さを有するデバイスは、回転構成要素の同じ外面速度であれば、より多くの動力を生成することができる。
以下の実施形態は、以前に開示された技術の変形例を示す。以下の変形例は、通電巻線の一次トルク素子が単一の巻線相又は束を形成するように相互接続される方法の修正を組み込む。一次トルク素子は、永久磁石の軸方向長さを横断し、また、永久磁石の半径を中心に配置される、通電巻線のセクションである。これらの一次トルク素子を永久磁石のいずれかの端部において接続する巻線は、「端部巻線」と称される。
以前の実施形態において、端部巻線は、永久磁石の端部の周囲で曲げることによって一次トルク素子に相互接続し、一方で、磁石の中心の低減した障害物のない内孔がトルク伝送シャフトを収容することを可能にする。
以下の実施形態において、一次トルク巻線の単一の層は、2つの層に更に細分化されている。端部巻線は、特定の相の外側層と、同じ相の対応する戻り素子の内側層とを接続する。極の数に対応してデバイスを中心にある角度だけ変位させた(2極デバイスの場合は、180°、4極の場合は、90°、など)別の層が、単一の相の巻線を完成する。
図145は、修正した6相巻線を組み込んだ、以前に開示された永久磁石デバイスの一実施形態を示す。通電巻線は、デバイスのいずれかの端部の戻り巻線が、この時点で、一次トルク素子と同じ円筒プロファイル内に閉じ込められるよう修正されている。
巻線を細分化することは、内側層と外側層との間の分離角度の半分にわたって一次トルク素子の端部から螺旋形に巻線を捻り、中間点で巻線自体の上に巻線背面を折り返し、そして、反対側の一次トルク巻線の内側層を再度螺旋状に横断させることによって、端部巻線を形成することができることを意味する。これは、一次トルク素子を拘束する内側半径及び外側半径の外側で巻線を下方に曲げることを必要とすることなく達成することができ、永久磁石アセンブリを組み立てることができる障害物のない内孔が残る。
図146は、示された実施形態に描写される通電巻線の1つの相からの単一の層を示す。一次トルク素子は、それ自体の上に折り返される螺旋経路から成る端部巻線によって接続されることに留意されたい。
新しい巻線によってもたらされるデバイスの内孔の追加的な隙間はまた、巻線の周りの冷却チャネル及び巻線の支持構造体の提供も支援する。
図147は、通電巻線を伴わない、図145のデバイスを示す。外側構造体は、1組の積層巻線支持体又は巻型から成る。これらの支持体は、支持体における寄生渦電流の発生を低減させるために積層される。巻線支持体を封入するのは、巻線において発生する熱を除去するために冷却液が通される内側及び外側螺旋経路又はチャネルである。外側構造体は、巻線において発生する熱を除去するために冷却液が通される内側及び外側螺旋チャネルから成る。また、積層巻線支持体も示される。
図148は、螺旋冷却チャネルの開始を示す、図147に示されるデバイスの断面端面図である。
図149は、螺旋冷却チャネルの間の積層コイル支持構造体の追加的な詳細図を有する、図147の実施形態を示す。
図150は、デバイスの軸に沿って螺旋経路を形成する外側冷却チャネルを示すために外側カバーを取り外した、図145〜図147に示されるデバイスを示す図である。
通電巻線の冷却に関する更なる変形例は、図151に示される。この変形例において、外側支持構造体は、一連の積層体から構築される。積層体の各々は、積層体の周囲のピッチ円直径上に位置付けられる一連の切り欠きを有する。連続する積層体の中へ角度スキューを導入して積層体が組み立てられると、積み重ねた積層体内に1組の螺旋チャネルが形成される。図151は、寄生渦電流による損失を最小にするために、外側構造体が一連の積層板から成るデバイスを示す図である。多重螺旋チャネルは、積層体にスタンプ加工された切り欠きを段階的に捻ることによって形成される。
図152は、通電巻線が適所にある、図151のデバイスを示す。図153は、図152に示されるデバイスの異なる半断面図である。
以前に示された実施形態に類似する様式で、通電巻線を任意の数の電気相に分割することができる。図154は、通電巻線が更に12相に分割された、図153のデバイスを示す。
当業者は、図154に示される12電気相の巻線を、12束の通電巻線とみなすことができること、また、相電流が多重巻線束にわたって共有される3相又は6相のデバイスとして動作させることができることを認識するであろう。
多層永久磁石モーター/発電機:
以前に提示された実施形態の更なる変形例では、通電導電性巻線の追加的な層をデバイスに加えることができる。巻線の追加的な層は、永久磁石によって生成される磁場と相互作用し、モーター又は発電機であるときにデバイスからより多くの動力を生成する。巻線の追加的な層の増加した作業半径のため、個々の巻線束の幅を増加させることができ、ここでも、デバイスの動力レベルを増加させる。
図155は、通電巻線の追加的な層が含まれている、永久磁石デバイスの一実施形態を示す図である。追加的な層は、デバイスの動力レベルを増加させる。また、3層の冷却チャネルも存在し、1つの層が通電巻線の上側にあり、1つの層が通電巻線の下側にあり、第3の層が巻線層の間にある。
1つの大きい層の代わりに多層の巻線を使用することは、巻線に発生する熱をより効果的に除去するために、該巻線層の間を通して冷却液をポンピングすることができるチャネルを、巻線層の間に作り出すことを可能にする。
巻線の層の間の間隙の寸法は、より大きい冷却容量を可能にするために増加させることができる。間隙を増加させることによって得られる追加の冷却容量と、永久磁石に対して巻線の半径を増加させたときに起こる、結果として生じる磁場の減少との間で最適化を行わなければならない。追加の冷却容量は、巻線のより大きい電流密度を可能にし、したがって、所与の巻線領域におけるより大きい総電流を可能にする。したがって、間隙の距離は、間隙の増加によって利用できる増加した電流容量と、間隙の増加によって利用できる減少した磁場強度との間の最適化の問題である。
図156は、通電巻線を取り外して巻線支持構造体の中の螺旋冷却チャネルの3つの層を示す、図155の実施形態の半断面図である。
図157は、3組の冷却チャネルを示す追加的な詳細図を有する、図156の実施形態を示す図である。以前に示された内側チャネル及び外側チャネルは、通電巻線の内側層と外側層との間に位置する第3のチャネルによって拡張される。
図158は、図155に示される多相通電巻線の半断面端面図を示す。図159は、図158に示される2層のデバイスによって生成される磁場プロットである。
詳述された変形例を、多極の変形例を含む−以前に提示された他の実施形態に容易に適用することができることが当業者に明らかになるであろう。
図160は、修正された端部巻線及び冷却チャネルを組み込んだ、単層永久磁石デバイスの4極の変形例を示す。
図161は、4極通電巻線の1つの相からの単一の層を示す。4極機械の端部巻線は、2極デバイスと比較したときに、永久磁石の端部を大幅に超えて延在しない。
図162は、支持構造体及び冷却構造体が適所にある、この文書に示されるタイプの永久磁石モーターを示す。これらの構造体は、巻線を環境から密閉し、一方で、巻線への又は該巻線からの電流の送達、及び巻線からの熱の除去に対する要求を満たす。
多重回転子超電導トロイダル技術の改善及び変形例
以下の材料は、背景磁場又は「駆動」磁場、及び外側トロイド内に位置する複数の通常の導電通電巻線を作り出すために超電導外部トロイダル巻線を利用する、以前に説明されたトロイダルモーター及び発電機の変形例及び改善を詳述するものである。以下の実施形態は、超電導トロイダル巻線及び通常の導電回転子巻線とともに示されるが、当業者には、巻線のいずれか又は全てを、超電導材料又は通常の導電材料のいずれかから容易に構築することができることが明らかになるであろう。
図163は、多重回転子トロイダルスタイルのモーター/発電機を示す。外側トロイダル巻線は、内部回転子巻線の周囲でのトロイドの構築を容易にするために、別個のクライオスタット内に含まれるセクションに分割される。
主な変形例の1つは、駆動場生成トロイドのセグメントへの分割である。各セグメントは、セグメントの各々を内部回転子巻線の周囲に組み立てることを可能にする、それ自体のクライオスタットを有する。
図163の巻線は、各セグメント内で連続的である−以前に開示されたトロイダルスタイルの駆動デバイスの実施形態と比較して、際立った特徴である。セグメントの巻線の連続的な性質は、磁場のトロイドの本体内への改善された閉じ込めにつながり、より多くの動力及びデバイス外部のより少ない浮遊磁場を生成する。
例示されるデバイスには、中央シャフトと多重回転子駆動シャフトとの間でトルクを伝送するための螺旋ギヤも示される。
図164は、内部通電回転子巻線を示すために1つのトロイダルセグメントの半セクションを取り外した、図163の実施形態を示す。図165は、内部回転子巻線を更に詳細に示す、図163の1/4断面図を示す。
図163に示される実施形態の説明は、外側トロイドを構成するセグメント化された巻線及びクライオスタットの物理的構築に関する。外側トロイドを個々のクライオスタットにセグメント化することによって、クライオスタット内に含まれる超電導巻線とクライオスタット自体の外面との間に必要とされる隙間は、個々のトロイドセグメントを互いに機械的に締め付ける、巻線の間の間隙を必要とする。
図166は、示されるトロイドの隣接する巻線セグメントの間の間隙が示される、多重回転子トロイダル駆動システムの一実施形態を示す。これらの間隙は、超電導巻線とクライオスタットの外壁との間に必要とされる隙間に起因する。
図167は、トロイダル巻線の連続するセグメントの間の間隙を示す、図166に示される実施形態の端面図を示す。
図168は、図166に示される、間隙のあるトロイダル巻線によって生成される磁場プロットである。
図169は、図163及び図165に示されるデバイスの内部回転子アセンブリを示す。6つの回転子が、螺旋ギヤを介して中央駆動シャフトに接続されて示される。以前に開示されたように、回転子駆動シャフトは、中央シャフトとほぼ同じ速度でスピンさせるか、又は、中央シャフトに対する回転速度をステップダウン又はステップアップ(図示)することができる。
図170は、図169に示される多重回転子アセンブリの端面図である。
多重回転子永久磁石トロイダル技術:
単一の永久磁石の実施形態に関してこの文書で開示された変形例は、多重回転子アセンブリを組み込むトロイダル永久磁石技術に容易に適用することができる。適用可能な変形例としては、障害物のない内孔を生成する、すなわち、流体を介して、又は層間液体冷却チャネルを有する多層巻線の使用を介して、デバイスにおいて発生する熱を除去するために、デバイスを通る追加的な冷却チャネルを生成する、修正された端部巻線が挙げられる。
図171は、通電巻線を液体冷却するための修正した端部巻線及びチャネルを組み込む、3回転子トロイダル永久磁石モーター/発電機を示す。
図172は、通電巻線を液体冷却するための修正した端部巻線及びチャネルを組み込む、4回転子トロイダル永久磁石モーター/発電機を示す。
図173は、通電巻線を液体冷却するための修正した端部巻線及びチャネルを組み込む、6回転子トロイダル永久磁石モーター/発電機を示す。
通電巻線への電流送達のタイミング変形例
以前に開示された実施形態では、通電巻線の電流が、方形波の形状をとり、電流の極性反転が、連続する磁極の間の角度中間点において起こると想定されている。例えば、永久磁石のN極が0°であり、S極が180°である場合、巻線の電流の反転は、90°において起こる。以下の実例は、2極デバイスの通電巻線の単一の相に関する。多極デバイスへの適用は、スイッチ点の間の角度を減少させることを含む。
図174は、提示された実施形態において意図される、デフォルトの方形波電流パターンを示す。永久磁石の極は、0°及び360°を通して整列する。
永久磁石の周囲の通電巻線の数(したがって、電流の総量)が増加するにつれて、巻線によって生成される磁場は、永久磁石によって生成される磁場を歪ませる。この場の歪みは、デバイスの極をシフトさせ、よって、厳密な方形波電流プロファイルの適用が、意図するトルク又は電流の生成方向とは逆のトルク及び電流を生成する通電巻線の素子をもたらす。
この場の歪み及び非生産的な影響を緩和するための1つの手法は、通電巻線の電流信号のタイミングを変化させることである。手法としては、以下が挙げられる。
− 巻線と永久磁石によって生成される極との間の角度に対する方形波のスイッチ点を進行又は遅延させる(図175及び図176)
− スイッチ点の前及び/又は後のある期間にわたって巻線の電流を効果的にゼロにするように、電流反転の際にドエル期間を導入する(図177)
− 方形波信号を、スイッチ点に到達したときに巻線の電流のレベルが自然に漸減する、同等の正弦又は余弦電流信号と置き換える(図178)
図175は、図174のタイミングに対して遅延させた電流反転のタイミングを有する方形波電流送達を示す。
図176は、図174のタイミングに対して進行させた電流反転のタイミングを有する方形波電流送達を示す。
図177は、いかなる電流も巻線に流れていない、電流反転中のドエル区間を有する方形波電流送達を示す。
図178は、方形波電流送達と、正弦波電流送達のための余弦波と同等の電流波形との比較を示す。
更に、提示されるタイミングの変形例はまた、例えば、正弦波電流波形又は先行若しくは遅延させたタイミングを有するドエル区間を有する電流波形を使用して、一緒に使用することもできる。また、厳密に正弦波ではないスイッチ点に電流が到達したときに、電流の段階的な低減を用いることも許容できる。重要な点は、電流の振幅及びタイミングの変動が、通電巻線によって引き起こされる磁場への大きい歪みによって引き起こされるデバイスの出力動力に対する非生産的な影響を低減させることである。
提示される電流波形は、示したものであり、導電性巻線における潜在的な電流波形を限定するものとみなすべきではない。
以下の材料は、トロイダル技術の変形例に関する。通電トロイダル巻線を含む、以前に開示された実施形態において、生成される背景場は、一定−背景場コイルのDC電流の関数−である。回転巻線の電流は、正弦波又は方形波AC信号として交互する。
この実施形態の変形例において、トロイダル巻線は、交流電流を受け、回転巻線は、固定DC電流を受ける。トロイダル巻線の交流電流は、モーターとして用いられたときに、回転巻線の回転をもたらす。代替的に、DC駆動の回転巻線は、発電機として用いられたときに、AC信号をトロイダル巻線に誘導する。
以前に開示されたデバイスの更なる変形例において、回転巻線は、永久磁石回転子と、又は持続的に磁化される超電導バルクと置き換えられる。磁気材料の回転は、トロイダル背景場巻線を通過する同じ交流電流を通して達成される。
図179は、AC源によってトロイダル背景巻線が駆動され、極性が交互する背景場をもたらす、トロイダル技術の一実施形態を示す。回転子は、以前に通電巻線/電磁石が使用された永久磁石である。
図180は、図179に示されるデバイスの磁場プロットを示す。永久磁石回転子は、トロイダル背景巻線の磁場と整列されて示される。
図181は、図179に示されるデバイスの磁場プロットを示す。永久磁石回転子は、トロイダル背景巻線からの磁場の接線方向に対して45度回転させて示される。
図182は、図179に示されるデバイスの磁場プロットを示す。永久磁石回転子は、トロイダル背景巻線からの磁場の接線方向に対して90度回転させて示される。
以前にいくつかの潜在的な電流波形が開示された。開示された波形は、単一相における電流信号に関する。当業者には、これらの波形が多重独立相巻線に印加されたときに、連続する相巻線に波形の位相シフトを印加しなければならないことが明らかになるであろう。
図183及び図184は、多相動作の文脈において開示されたデバイスの交流又は通電巻線における潜在的な電流波形を示す。示される印加された入力波形から連続的なトルクを生成するために、6相の巻線が、12のトルク生成素子又は電流発生素子をもたらすことに留意されたい。
図183は、2極、6相デバイスの必要とされる位相シフトを示す通電巻線の潜在的な正弦波電流波形を示す。
図184は、2極、6相デバイスの必要とされる位相シフトを示す通電巻線の潜在的な方形電流波形を示す。
通電巻線を駆動するためにAC正弦波を使用する際には、同等の方形波に勝る更なる利益がある。方形波及び正弦波が同等の動力を送達する(すなわち、送達される電流のRMS値が同じである)とき、正弦波電流で動作するデバイスの動力出力は、モーターであるときに送達されるトルクにおいてより少ないリップルを生成し、また、約8〜11%多い動力を生成する。この傾向は、図185に示される。
図185は、各々が同じRMS電流値を有する、巻線が方形波電流で動作するデバイスからの出力動力と、巻線が正弦波電流で動作するデバイスからの出力動力との差を示す。正弦波電流を使用するデバイスは、リップルがより低く、動力がより高いことに留意されたい。
多重回転子永久磁石機械がデバイスの外周の周囲に鋼製シールディングを有する以前の実施形態に加えて、以下の実施形態は、この外部シールディングがデバイスの外部輪郭に従う変形例に関する。このシールディングの形態は、デバイスから外へ延在する浮遊磁場の量を低減させる。このシールディングはまた、機械の動力レベルを増加させる。この形態及び以前の形態のシールディングはどちらも、渦損失及びヒステリシス損失を低減させるために、積層鋼製シートから構築することができる。更に、本特許において提示されたデバイスの全てにおけるヒステリシス損失は、シリコン鋼などの低ヒステリシス材料の使用を通して最小にすることができる。
図186は、永久磁石の長さだけ延在し、各端部が開いているシールディングを示す。これは、いかなる形であれ、鋼シールディングの形状又は範囲を限定するものとみなすべきではない。シールディングは、巻線及び支持構造体の端部まで延在させることができる。また、磁場を更に含むために、鋼製端部キャップをデバイスのいずれかの端部に使用することもできる。シールディングの厚さもまた、より多い又はより少ない場の閉じ込めが必要とされる領域において変化させることができる。
図186には、3回転子システムの外部輪郭に従う積層鋼製シールドを有する、3回転子永久磁石トロイダル機械が例示される。明確にするために、シールディングは、永久磁石の長さだけ延在するが、更なるシールディングが必要であると考えられた場合は、代替的に、巻線の端部まで延在させ、いずれかの端部で囲むことができる。
図187は、機械の外部輪郭に従う追加的な鋼製シールディングを有する、図186に示される3回転子トロイダルデバイスの磁場プロットである。追加的な鋼が磁場を更に含み、デバイスの動力出力を増加させる。
図188は、機械の外部輪郭に従う追加的な鋼製シールディングを有する、4回転子トロイダルデバイスの磁場プロットである。追加的な鋼が磁場を更に含み、デバイスの動力出力を増加させる。
図189は、機械の外部輪郭に従う追加的な鋼製シールディングを有する、6回転子トロイダルデバイスの磁場プロットである。追加的な鋼が磁場を更に含み、デバイスの動力出力を増加させる。
図190は、図189に示されるが、磁場の閉じ込めを示すために示される200ガウス及び5ガウスの磁場線境界を有する、6回転子トロイダルデバイスの磁場プロットである。
上で述べた実施形態において、磁石は、アセンブリ内に整列され、よって、磁場は、大部分がトロイダルパターンのアセンブリ内に含まれた。以下の実施形態において、磁石が回転しているときに、この連続する磁極の配設は、デバイスの出力のより大きい変動をもたらす。以下の実施形態は、出力トルク又は動力の非常に低いリップルを生成するために、隣接する永久磁気回転子の間で異なる極性の相対的角度を使用する。
連続する回転子極性の斬新な配設もまた、永久磁石の全てが場を同時に外方に「投じ」ないことを確実にすることによって必要とされる、シールディング鋼の量を低減させる。
以前に開示されたトロイダルの場合、アセンブリの連続する永久磁石の間の磁極の角度の差は、360o/(アセンブリの数)に等しかった。これは、永久磁石が固定されているときに、有効な場の閉じ込めをもたらした。
以下の実施形態において、アセンブリの連続する永久磁石の間の磁極の角度の差は、2×360o/(アセンブリの数)に等しい。例えば、4つのアセンブリクラスタの場合、角度は、2×360o/4=180oこの関係は、低いリップルを生成するが、いかなる形であれ、類似する位相不一致の関係及び出力トルク又は動力の低いリップルを生成する、連続する磁気極性の代替の配設を、限定するものとみなすべきではない。
デバイスの更なる強化を以前に提示したが、この文書は、始動中のデバイスの挙動に関する。低減したトルク容量の領域にデバイスを停止させるシナリオを回避するために、アセンブリ又はクラスタ部材の1つを、その「通常の」位置に対して僅かにシフトさせて、追加的な始動トルクを生成することができる。代替的に、巻線に電流を供給するコントローラは、より高いレベルの始動トルクを生成し、かつ失速始動条件の可能性を低減させるために、巻線における電流の流れの相対的タイミングを進行又は遅延させることができる。
図191は、6つの回転子を有するブラシレス永久磁石クラスタアセンブリを示す。画像は、永久磁石の詳細を示すために、外側鋼製積層体及び巻線を部分的に切り取って示す。
図192は、図191に示されるデバイスの端面図である。矢印及び角度は、ある回転位置でのクラスタアセンブリ内の連続する永久磁石の相対的極性を示す。
図193は、単一回転子位置に関する、図191に示されるデバイスの磁場プロットである。
図194は、4つの回転子を有するブラシレス永久磁石クラスタアセンブリを示す画像は、永久磁石の詳細を示すために、外側鋼製積層体及び巻線を部分的に切り取って示す。
図195は、図194に示されるデバイスの端面図である。矢印及び角度は、ある回転位置でのクラスタアセンブリ内の連続する永久磁石の相対的極性を示す。
図196は、単一回転子位置に関する、図194に示されるデバイスの磁場プロットである。
図197は、3つの回転子を有するブラシレス永久磁石クラスタアセンブリを示す。画像は、永久磁石の詳細を示すために、外側鋼製積層体及び巻線を部分的に切り取って示す。
図198は、図197に示されるデバイスの端面図である。矢印及び角度は、ある回転位置でのクラスタアセンブリ内の連続する永久磁石の相対的極性を示す。
図199は、単一回転子位置に関する、図197に示されるデバイスの磁場プロットである。
様々な形態の単極デバイスもまた、エネルギー貯蔵及びパルスエネルギー送達の形態、すなわち、単極デバイスのデューティサイクルが100%以下である動作モードとして使用することができる。
電磁リニア加速度モーター(リニアモーター)は、広範囲に使用されている。動力及びエネルギー送達レベルの増加とともに、エネルギー供給及びスイッチングデバイスが問題を含むようになり、大規模なデバイスの採用を制限する。この文書内で開示された先進の単極技術は、レールガン及びコイルガン用途が挙げられるがこれらに限定されない、リニアモーター及びパルスエネルギー送達用途に非常に適している。
開示されたパルス動力システムの基本要素は、以下の通りである。
1.エネルギー貯蔵のためのフライホイール
2.単極発電機、及び
3.高電流パルス状スイッチングシステム
フライホイールは、回転エネルギーを貯蔵するために使用される、回転機械的デバイスである。エネルギーは、異なる期間にわたって効率的に貯蔵することができ、また、負荷の下で発電機に接続されたシャフトを介して放出することができる。デバイスに貯蔵されるエネルギーは、回転部の形状、回転速度、及び重量に依存する。新しい材料及び技術は、フライホイールを、利用可能な最も効率的なエネルギー貯蔵システムのフライホイールの1つにする。フライホイールシステムに含まるエネルギーは、以下のように説明することができる。
回転エネルギー:
慣性(選択した実施例):
固体等方性円筒:
等方円筒チューブ:
単極発電機は、回転速度、磁気場、寸法、及び負荷に応じて純粋な直流動力を生成する。ディスクタイプの発電機では、大きいディスクが、外部磁場の中を回転していて、シャフトと外側リムとの間に電圧を発生させる。
好ましい実施形態では、回転子の回転質量もまた、回転子と固定子との間にいかなる電気的接触もないときに、フライホイールに類似するエネルギー貯蔵デバイスを形成することができる。この「フリーホイーリング」モードにおいて、電圧は、回転子の内側半径と外側半径との間に発生するが、いかなる電流も回転子と固定電流送達経路との間に流れない。回転子と固定電流経路との間に瞬間的な接続が形成されたときに、電流が流れ、フライホイールに貯蔵された機械的エネルギーから電気エネルギーのパルスを送達する。高い動力又はパルスエネルギーレベルの場合、スイッチングは、2〜3ミリ秒〜数秒の時間フレームにわたって正確なパルス幅を送達するために、高い電流に耐えるようにロバストであり、かつ制御可能でなければならない。
好ましい実施形態において、このスイッチングは、カソードとアノードとの間に電流経路を提供する液体金属スイッチを使用して達成される。回転舌状部及び固定溝におけるある量の液体金属の引き込みに依存する液体金属ブラシの以前に開示された実施形態と対照的に、液体金属スイッチは、電流接点のカソードとアノードとの間で、液体金属の制御されたスプレー又はフィルムを送達する。この送達は、加圧ガスによって液体金属をポンピング又は加圧することによって達成することができる。これらの液体金属スイッチシステムは、高い電流伝達密度が可能であり、また、間欠的動作にもよく適している。
図200は、カソードとアノードとの間で液体金属材料のスプレー又は材料のフィルムを使用して電流伝達経路を作製する、又は遮断するという原理に基づく、固定液体金属スイッチの2つの形態を示す。
液体金属スイッチの2つの基本形態は、液体金属材料のスプレー又は液体金属材料の加圧フィルムのいずれかに基づく。上の実施例において、カソード及びアノードは、固定されている。
全般に、図200に示されるスプレーシステムは、非常に短い接触時間にわたって使用することができるが、より多い量の液体を必要とする。接触時間は、主に、液体の速度(圧力)及びシャッターの動作時間に依存する。
これに対して、ブラシシステムは、カソードとアノードとの間のより大きい接触領域を可能にし、したがって、全体的により少ない液体を使用する。スイッチング時間は、ここでも、液体の速度(圧力)、シャッターの動作時間、及び2つの接触領域の間で液体を放出するために必要とされる時間に依存する。
このスイッチングはまた、単極デバイスの回転子と固定通電経路との間に間欠的液体金属接点を実現することによって達成することができる。このタイプの液体金属スイッチのスプレーシステム及びブラシシステムの実現形態は、それぞれ、図201及び図202に示される。
図201は、固定カソードと回転アノードとの間のスプレーシステム液体金属スイッチ又は接点を示す。
図202は、固定カソードと回転アノードとの間のブラシシステム液体金属スイッチ又は接点を示す。
図201に示されるスプレーシステムは、高い電流密度を有する非常に短いパルスを可能にするために開発された。オンとオフとの間の接触時間は、2〜3ミリ秒程度の短さにすることができる。これに対して、図202のブラシシステムは、2〜300ミリ秒のスイッチング時間を有する高い電流密度での連続動作又はパルス動作を可能にするために開発された。
以前に述べたように、パルス動力システムのフライホイールは、単極発電機の回転子を形成することができる。大量のエネルギーを単極回転子に貯蔵するためのこのようなデバイスの一実施形態は、以下の図203に示される。発電機/フライホイールの回転子に直接連結される外部モーター又は単極モーターのディスクを、システムに充電するために使用することができる。
一実施形態において、図203の複合フライホイール/発電機は、図204に示される完成したパルス動力システムの一部を形成する。この実施形態において、エネルギーパルス持続時間の最終制御は、液体金属スイッチによって行われ、該液体金属スイッチは、単極発電機/フライホイールの固定構成要素と回転構成要素との間で電流を伝達する液体金属接点又はブラシとは別体である。スイッチング機構を分離することで、エネルギーパルス幅変調及び持続時間のより細かい制御を可能にする。
発電機/フライホイール構成要素における摩擦損失を最小にするために、回転部品と固定部品との間に用いられる液体金属ブラシはまた、動作に際して間欠的にすることもでき、別個の液体金属スイッチによって決定される電流パルス持続時間のいずれかの側を延長する、より長い接触時間を形成する。
図204に示される負荷又は潜在的応用は、レールガン及びコイルガンを含む−これらの負荷は、示唆的なものであり、正確なパルス動力/エネルギー送達が必要とされる用途を限定するものとみなすべきではない。
図204では、出力電気エネルギーパルスの最終制御が別個の固定液体金属スイッチによって行われる、パルス動力システムが示される。この別個のスイッチは、エネルギーパルスの持続時間にわたる微調整を可能にする。
更なる実施形態において、液体金属スイッチは、単極発電機/フライホイールアセンブリの一部を形成する。「フリーホイーリング」モードでは、回転子/フライホイールと固定通電経路との間にはいかなる接点も作製されない。エネルギーパルスが必要とされるときには、液体金属が、図201及び図202に示されるタイプの回転液体金属スイッチを通してポンピング又は加圧下で送達され、その結果、取り付けられた負荷に電流パルスが送達される。このシステムの実施例は、図205に示される。このシステムは、場合によっては正確なエネルギーパルスの持続時間の達成を犠牲にして、図204に描写されるものよりも幾らか簡素である。図205のパルス動力システムにおいて、液体金属スイッチは、単極発電機/フライホイールアセンブリに統合される。
更なる実施形態において、ツインディスク単極発電機は、2つの液体金属スイッチシステムを用いることができる。このシステムは、順次的な電流パルスの即座の提供を可能にする。このタイプの動力送達は、しばしば、リニアモーターのパルス固定子コイルの供給に必要とされる。回転子が二重反転である場合、電流パルスは、交互極性とすることができる。二重反転回転子の更なる利益は、マウンティング点に対する総トルク負荷が低減されることである。ディスクの間の共通点を描写する実施形態は、図206に示される。
示されるデバイスは、単極回転子に統合されるフライホイールを使用するが、当業者は、回転シャフトを介して発電機に接続される別個のフライホイールを用いることができることを容易に認識するであろう。図206は、電気動力の順次的なパルスをリニアモーターの一連の固定子コイルに供給するための、ツインディスクパルス動力システムを示す。二重反転回転子を用いることによって、順次的なパルスを反対の極性とすることができる。
以下の実施形態は、以前に開示された永久磁石技術の実用的な構築に関する。効率的な動作を可能にする様式でこれらのデバイスを構築するために、デバイスを構成する様々な構成要素における渦電流又は寄生損失の発生を最小にするための慎重な考慮を行わなければならない。支持構造体の大部分は、非導電導体又は低電気導体のいずれかである材料を使用して構築することができるが、磁気要件は、機械の外側部品における鋼製積層体の使用を求めており、熱に関する考慮事項は、通電巻線を支持するために、アルミニウムなどの導電性材料を使用することを必要とする場合がある。
全般に、渦電流損失は、固体バルクの代わりに薄い積層体からこれらのセクションを構築することによって低減させることができる。これは、デバイスの半径の周りの面内に作用する磁場によって誘導される渦電流に対しては効果的であるが、この半径方向の面から作用する場成分によって大幅な渦電流損失が発生し得る。これは、永久磁石のいずれかの端部の領域において特に明らかである。
導電性巻線のための支持構造体を含む典型的な実施形態は、図207に示され、該図は、積層鋼製磁束ガイド及び積層アルミニウム製巻線支持体の双方を含む、永久磁石モーター/発電機を示す。
これらの追加的な渦電流によって引き起こされるエネルギー損失の大幅な低減は、巻線支持構造体及び積層鋼製磁束ガイドの双方に円形の切れ目を追加することによって達成することができる。円形の切れ目に加えて、渦電流損失の更なる低減は、積層体を半径方向に切れ目を入れることによって達成することができる。積層体の切れ目は、完成した電気的絶縁を隣接するセグメント化された構成要素の間に提供する様式で入れなければならない。この切れ目は、渦電流を形成することができる経路長さを低減させ、それによって、渦電流の強度及び関連するエネルギー損失を低減させる。図208、図209、及び図210は、図207に描写される実施形態において使用される追加的な切れ目を強調表示する。
図208は、渦電流損失を低減させるための、巻線支持体及び鋼製磁束ガイドの円形及び半径方向に分離する切れ目の詳細を示す、図207の実施形態の端面図である。また、デバイスに流体をまっすぐに通過させるための冷却チャネルを形成する、積層体の一連の楕円形の切れ目も示される。
半径方向の切れ目の場所は、完成した積層アセンブリの寸法安定性、強度、及び材料の挙動の均一性を改善するために、連続する積層体において順次的に千鳥状にすることができる。
積層体に対する追加的な円形及び半径方向の切れ目は、積層スタックの端部において最も大きい影響を有する。示された実施形態の更なる変形例において、積層スタックの中心付近の積層体の一部分は、損失の大幅な増加を引き起こすことなく、追加的な切れ目を伴わずに構築することができる。
図209は、アルミニウム製巻線支持構造体の端部で半径方向に分離する切れ目の詳細な吹き出しを示す。
図210は、鋼製磁束ガイドに適用された円形及び半径方向の切れ目の詳細な吹き出しを示す。上の図における半径方向の切れ目は、積層材の特性及び強度の均一性を改善するために、連続する積層体において順次的にオフセットされている。
液体金属電流コレクタの設計の更なる変形例
以下の実施形態は、加圧液状金属再循環システムの一部として動作するように設計された、液体金属電流コレクタの幾何学的形状の変形例を示す。
第1の変形例(図211に示される)において、液体金属材料は、固定子自体の共通のリザーバ又は加圧供給チャネルから、回転子内の一連の注入ポートに対して平行に送給される。共通の加圧供給チャネルの入口と出口との間の壁は、液体金属がこのチャネルを再循環するのを防止するために使用することができる。
図211は、液体金属電流コレクタシステムの回転子及び固定子の半断面図である。システムの固定子は、液体金属材料のリザーバが固定子の角度付き孔を通して分配される、共通の加圧供給チャネルを含む。
注入ポートは、ある回転の方向における動作に適している角度で示される。これらのポートは、双方向の動作のために、固定子の外周に対して90度(すなわち、外周に対して垂直)にすることができる。この変形例において、余分な液体金属を回転子ディスクの側部で収集することができる。代替的に、各組が回転の特定の方向に適するように角度が付けられる2組の注入ポートは、電流の回転方向に対する正しい組のポートの動作を確実にする、逆止め弁を用いることができる。
図212は、図211の実施形態の半側断面図である。共通の加圧供給チャネル及び角度付き注入孔は、固定子と回転子との間の間隙に液体金属を送達するために使用される。供給チャネル自体は、加圧液状金属が送達及び抽出することができる、入口及び出口を有する。入口及び出口は、液体金属が供給チャネルの中を循環し続けることを防止する壁によって分離される。
図213は、図211の実施形態の更なる断面の変形例である。共通の加圧供給チャネル及び角度付き注入孔は、固定子と回転子との間の間隙に液体金属を送達するために使用される。供給チャネル自体は、加圧液状金属が送達及び抽出することができる、複数の入口及び出口を有する。
第2の変形例では、共通の加圧供給チャネルが取り外され、角度付き注入ポートが、回転子の外面に出ている。これらの注入ポートへの液体金属の送達は、外部リザーバから、又は各注入ポートの個別制御の調整器を介して平行に行うことができる。以下の実施形態では、固定子と回転子との間の間隙に送達される引き込まれた液体金属のための追加的な放出経路を促進することができる、角度のないポートが示される。
図214は、角度付き注入ポートが固定子の外側縁部上の個々のオリフィスに導かれる、代替の一実施形態を示す。また、角度のない液体金属放出ポートも示される。
図215は、図214の実施形態の半側断面図である。この実施形態では、共通の加圧供給チャネルが取り外され、角度付き注入孔が、固定子の外面に延在している。角度のない孔は、随意に、回転子−固定子の間隙領域からの液体金属の放出を支援するために使用することができる。
以下のデバイスにおいて、電気エネルギーは、機械的作業に変換され、又は、背景磁場内を移動する通電導体のアクションを通して電気エネルギーを作り出すために、機械的作業が使用される。
以下の実施形態において、この背景磁場は、一連の隣接する電磁コイルによって作り出され、該電磁コイルは、通電導体が移動する作業領域又は一連の作業領域の中へ磁場を方向付けるために、トロイド又はトロイドのセクションの形態に巻回される。これらのトロイダルセクションはどちらも、通電導体/巻線における電流流れの方向に対して実質的に垂直であり、かつ磁場の大部分をデバイス自体の中に含むように磁場を方向付ける。この様式で、鋼製又は強磁性磁束ガイドを必要とすることなく、高動力デバイスを構築することができる。
トロイダル巻線セクションの間には、通電導体の機械的配置及び動作を可能にするために、間隙領域が存在する。
示された実施形態の全てでは、トロイダル巻線セクション及び配設が超電導ワイヤから構築され、通電導体が銅などの通常の導電材料から構築される。当業者には、デバイスのいずれかの部分を、超電導材料又は通常の導電材料のいずれかから容易に構築することができることが明らかになるであろう。
加えて、提示される実施形態に示される通電導体は、回転子外周の周囲の連続ジグザグ巻線として示される。一連のベッドステッド又はレーストラックスタイルのコイルを使用する代替の実施形態も用いることができることが明らかである。この代替の巻線のスタイルは、この文書において以前に開示されている。
提示される実施形態において、隣接するトロイダルセクターによって生成される磁場は、一定のままであり、かつトロイダルセクターコイルに送給される一定の直流によって生成される。通電巻線の電流は、それがトロイダルセクターの配設によって作り出される連続する磁極に接近するにつれて、極性を変化させる。電流波形は、正弦波、方形波、又は生成される動力を最大にし、かつ出力動力のリップルを低減させる任意の他の波形とすることができる。
当業者には、背景場の極性が順次的に変更され、通電回転子アセンブリの電流が一定に保たれる、逆のシナリオも可能であることが明らかになるはずである。
通常の場合、作業領域又は間隙領域の磁場を作り出す「背景場コイル」が固定され、通電導体又は巻線がこの間隙領域又は作業領域を通って回転子支持構造体上を運動する。また、通電巻線が固定され、背景場コイルが運動する、逆のシナリオも可能である。
図216〜図234は、「星形トロイダル」デバイスと称される一連のデバイスを開示する。これらのデバイスは、作業領域を流れる電流が機械の回転軸に対して平行に流れる、多極ACモーター又は発電機から成る。星形トロイダル巻線によって生成される背景磁場は、主に、半径方向に作用する。
これらのデバイスは、多極であり、回転子は、多重電気相巻線から成る。実施形態は、任意の数の極及び電気相に容易に拡張することができる。
図216は、トロイダル巻線セクションの星形配設を示す。この配設は、作業領域又は間隙の外周の周囲の印において順次的に反対になる8つの極を生成する。
図217は、作業領域の通電導体を通る磁場の配向を示す、図216の実施形態によって発生する磁場プロットを示す。
図218は、図216に示される実施形態の変形例を示す。この変形例では、連続する磁極の総数が18個に増加している。
図219は、図218に示される変形例の磁場プロットである。
図220は、通電巻線の回転子アセンブリの等角図を示す。示される実施形態において、通電巻線は、デバイスの作業半径の外周の周囲に位置付けられるジグザグ巻線の6つの電気相から成る。
図221は、図220に示される回転子アセンブリと組み合わせた図216のトロイダルセクターアセンブリから成る、星形トロイダルデバイスの完成した一実施形態の端面図である。
図222は、図221の完成した実施形態の等角図である。
好ましい実施形態において、星形トロイダルコイルは、超電導ワイヤ又はテープで作製され、クライオスタットに収容される。図223に描写されるように、このクライオスタット筐体は、星形トロイドの内側素子及び外側素子の別個のクライオスタットから成ることができる。
代替の実施形態において、内側及び外側クライオスタットは、極低温構成要素の全てのための単一の一体化されたクライオスタットを作り出すために、一方の端部で接合することができる。通電回転子アセンブリへの物理的及び機械的アクセスは、クライオスタットが接合される場所の反対側の端部からになる。この実施形態は、図225に例示される。
更なる実施形態において、各トロイダルセクター素子は、内側か外側かにかかわらず、モジュール様式で、それ自体の別個のクライオスタット内に含むことができる。この配設は、より大きいデバイスに、又は個々のクライオスタットモジュールの故障の後に動作を続けることができることが望ましくなる場合によく適している。この実施形態は、図226〜図228に描写される。
図223は、一部を断面にした超電導星形トロイダルアセンブリの内側及び外側クライオスタット、並びに通電巻線を含む回転子アセンブリの支持構造体を示す、図221の実施形態を示す。
図224は、図223の完成したクライオスタット及び回転子アセンブリを示す。
図225は、内側及び外側星形トロイダルセクターが1つの接合されたクライオスタットに収容された実施形態の半断面図を示す。
図226は、内側及び外側星形トロイダルセクターの各々がモジュールスタイルの個々のクライオスタット収容される、完成した18極の実施形態を示す。
図227:モジュール式クライオスタット素子の概要が示される、図228に示される完成した18極デバイスの等角図。
図228は、図226の実施形態の外部等角図である。
以下の実施形態は、以前に開示された星形トロイダル駆動の更なる変形例を描写する。これらの変形例は、いかなる形であれ、開示された原理に基づいてデバイスを構築する潜在的応用又は方法を限定するものとみなすべきではない。
第1の変形例において、以前に外側トロイダル経路に相互接続された内側トロイダルセクターは、中心軸を中心に45度回転されているが、現在の配向は、磁場が個々のトロイドの周囲の円形に近い経路に方向付けられ、作業間隙領域を通るように設定される。
図229は、単一の1組の内側及び外側トロイドセクターの周囲に方向付けられる磁場によって各磁極対がこの時点で作り出されるように、内側トロイダルセクターを45度回転させた、星形トロイダルデバイスの変形例を示す。
図230は、トロイダルセクター及び通電回転子巻線とともに示される、図229の実施形態を示す。
別の実施形態では、内側トロイドが、作業領域から各連続する外側トロイドセクターへ磁束を案内するために使用される、鋼製の又は強磁性体に基づく磁束ガイドと置き換えられる。この手法は、内部トロイドをデバイスに収めることが困難になる、より小さいデバイスによく適している。
図231は、内部トロイダルセクターを、連続する外側トロイダルセクターの間に磁場を案内する鋼製又は強磁性材料のリングと置き換えた変形例を示す。
図232は、通電回転子巻線を加えて示される、図231の実施形態を示す。
図233は、連続するトロイダル素子の間に磁場を方向付けるために内部鋼製磁束ガイドが円形のセクターのように成形される、更なる変形例を示す。
図234は、通電回転子巻線を加えて示される、図233の実施形態を示す。
以下のデバイスは、通電回転子アセンブリを、星形トロイダルアセンブリのより大きい作業領域又は間隙において動作するトロイダルコイルアセンブリと置き換える。このトロイダルコイルアセンブリは、単相の、又は交互配置したトロイドの多重電気相から成ることができる。
図235は、内側円形トロイドが位置付けられ、回転する背景場を生成するために星形トロイダルアセンブリを利用する、代替の実施形態を示す。
図236は、図223のアセンブリから分離した内側トロイダル回転子アセンブリを示す。
図237は、内側トロイダル回転子の支持構造体、及び星形トロイダルアセンブリのクライオスタット構造体の範囲を示す、図236の代替の実施形態の図である。
以前に開示された星形トロイダルデバイスの別の変形例では、作業電流の方向がデバイスの半径方向に延在し、背景磁場が作業領域又は間隙のデバイスの軸に対して支配的に平行であるように、背景場の配向及び作業電流の方向がシフトされている。実際には、以前に開示された半径方向磁束の星形トロイダルデバイスの軸方向磁束の一実施形態である。
この実施形態において、背景磁場は、ここでも、作業領域において磁場の高い集中を生成する一連のトロイダルセクターによって、連続する作業領域の間に方向付けられるが、この磁場の大部分をデバイス自体の範囲内に含む。
図238は、デバイスの作業外周の周囲の交互に並ぶ軸方向極性の背景場を生成するコイルの波状トロイダル配設を示す。
図239は、通電導体/巻線が配置される2つの半部の間の間隙を示す、波状トロイダルコイルの側面図である。
図240は、図238及び図239に示されるコイルの作業間隙にわたって生成される磁場の断面プロットである。
図241は、デバイスの外周の周囲の作業間隙の場所における磁場強度のプロットである。高い磁場の連続する半径方向領域の極性は、ページ中への正に、及びページの外への負に交互する。
図242は、波状トロイドから分離した通電巻線を示す。巻線は、6つの電気相から成るジグザグ巻線として描写される。
図243は、完成したデバイスを形成するために、図242の回転子アセンブリと組み合わせた、図238の波状トロイダルコイルアセンブリを示す。
図244は、支持構造体を加え、波状トロイダルコイルを封入するクライオスタットの境界を概説する、図243の完成したデバイスを示す。
図245は、図244に示されるクライオスタット及び回転子アセンブリの外観図である。
トロイダルスタイルのデバイスの別の実施形態において、背景磁場は、円形アセンブリを形成するために一緒に配設される一連のC字形トロイドによって作り出される。円形アセンブリの隣接するトロイドにおける電流の流れの方向は、デバイスの外周の周囲で一連の交互の極を作り出すために反転される。以前に開示された波状トロイダルデバイスに類似して、作業領域/間隙の磁束は、主に、デバイスの回転軸に対して平行である。
個々のトロイダルセクターは、C字形であり、完全に閉じたトロイダルコイルを形成する代わりに、通電巻線を運動させて機械的又は電気的作業を行わせることができる間隙が、トロイドの1つのセクションの中に作り出される。
示された実施形態において、この間隙は、トロイダルアセンブリの内側に位置させて、通電巻線による内側半径方向に連続する磁極の横断を可能にするか、又はトロイダルアセンブリの外側に位置させることができ、この場合は、通電巻線が外側半径を横断する。当業者には、デバイスが、おそらくは内側回転子及び外側回転子の双方を有する内側作業領域及び外側作業領域の双方を有することができることが明らかになるであろう。
C字形トロイダルセクターは、最終的な円形アセンブリにより密接にインターロックするように成形された楔形として描写される。代替の実施形態において、これらのセクターは、構築を簡単にするために、一定の矩形断面を使用して構築することができる。
示された実施形態の更なる改良において、デバイスの外周に接するトロイダルセクターの直線状の巻線は、楔のそれぞれの縁部の半径方向の場所に整合するように湾曲させることができ、したがって、デバイスが、より円形の外観に見えることを可能にする。
図246は、C字形トロイダルデバイスの背景場コイルの正面図である。トロイダルセクターは、それらが一連のインターロッキング楔として一緒に収まるように成形される。
図247は、図246に例示されるC字形トロイダルコイルの磁場プロットである。磁場の極性は、トロイダルセクター毎にページの中へ、及びページの外へ交互する。
図248は、図246のC字形トロイダルコイルの端面図である。
図249は、C字形トロイダルデバイスの1つのセクターにおける磁場のプロットである。この実施形態において、通電導体が位置する作業領域/間隙は、内側回転子及び外側回転子の実施形態に関して示される。
図250は、背景磁場を生成するC字形の楔形トロイダルコイル、及び波状トロイダルデバイスに用いられるものに類似する多相通電回転子アセンブリの双方によって完成した、C字形トロイダルデバイスを示す。内側アセンブリを示すために、C字形トロイドの1つのセクターを取り外している。
図251は、分離して示される図250の多相回転子巻線を示す。
図252は、C字形コイル及び回転子支持体アセンブリのクライオスタットが適所に示される、図250の完成したデバイスを示す。
図253は、作業領域をC字形トロイドの外側へ移した、更なる一実施形態を示す。通電巻線は、この時点で、この外側半径において回転する。
図254は、C字形コイル及び回転子支持体アセンブリのクライオスタットが適所にある、図253の実施形態を示す。
以下の実施形態は、星形トロイダルセクションにおいて開示されたものに類似するが、2極デバイスとして動作するように適合させたデバイスを示す。固定子コイルは、図255に示されるように配設される。固定子コイルは、通常はクライオスタットに囲まれる、超電導レーストラックコイルとすることができる。これらの固定子コイルは、回転子アセンブリを形成する通電巻線が位置するが、それでも、デバイス自体の範囲内に磁場の大部分を含む領域に、集中した磁場が送達されるように磁場を方向付ける。
図256は、2極固定子巻線の場プロファイルを示す。トロイダルセクションは、浮遊磁場を含み、方向付け、一方で、回転子を位置付けることができる直線状の磁場を生成する。固定子トロイダルセクターには、図256に示されるように磁場を生成するために、DC電流が供給される。
2極トロイダルデバイスの回転子巻線は、3相ジグザグ巻線とするか、又は代替的に、ベッドステッドコイルスタイルの巻線を使用することができる。この回転子巻線はまた、ベッドステッドコイル又は重ね合わせコイルの配設から作製することもできる。電流は、回転子の回転を維持するために、180度毎に反転される(又は正弦波AC電流が供給される)。回転子巻線は、回転子のトルクに適応させるために、適切な回転子支持構造体によって支持される。また、渦電流の形成を最小にし、回転子巻線の冷却に適応させる目的で設計されなければならない。巻線回転子は、AC損失を最小にする方法(例えば、リッツワイヤ、薄い編み紐状にしたもの)で、銅から構築される。
図257は、2極トロイダルデバイスの完成したアセンブリから分離した多相回転子巻線を示す。上述の回転子は、図258に示されるように、2つのトロイダルセクションの間の直線状の場の部分に位置付けられる。
図259に示されるように、2極レイアウトは、トロイダル固定子コイルを更に分離し、トロイドの半径を低減させることによって変形させることができる。この分離は、より少ない超電導材料の使用、及びより小さいデバイスの全体的なサイズにつなげることができるが、それでも、良好な磁場の閉じ込めを可能にする。
図259に描写される実施形態の更なる変形例では、磁場を増強し、より多く含むために、代替の2極トロイダルデバイスのトロイダルセクターによって作り出される外側間隙に、追加的なコイルを配置することができる。
図260は、図259に例示される代替の2極トロイダルデバイスレイアウトの場プロットを示す。
また、構築又は組み立てを支援するために、クライオスタットの形状又は構築部品数も変動させることができる。この代替の2極トロイダルの配設は、図261においてそのクライオスタットとともに示される。
別の実施形態において、トロイダル駆動は、レーストラックコイルの3つのトロイダルアセンブリを使用することによって形成することができる。外側の2つのトロイダルアセンブリは、レーストラックコイルからの場が図262に示される方向でトロイドの周囲に生成されるように、固定コイルを形成し、また、DC電流が供給される。レーストラックコイルは、超電導とすることができ、また、適切なクライオスタットに収容することができる。
中央コイルセットは、回転子コイルアセンブリを形成し、また、適切な回転子構造体によって支持される。回転子コイル巻線は、通常、銅で構築される。コイルのレイアウトは、図263に示され、また、3相で構成され、各相には交流電流が供給される。
図264には、固定子トロイドの完成したアセンブリ、及びトロイダル回転子コイルアセンブリの双方が示される。
図265は、回転子支持構造体が示される、図264の完成した3トロイダル層駆動を示す。
図266は、固定外側トロイドのクライオスタットが示される、図264の完成した3トロイダル層駆動を示す。
以下のデバイスは、図267に描写される様式で、大きいトロイダル磁場を発生させるための超電導レーストラックコイルの中央トロイド、及びより小さいレーストラックトロイドの上に置かれる「U字形」であるコイルで構成される外側トロイドを用いる。
適切な電流波形が外側U字形トロイドに印加されると、内側トロイドの場と外側U字形トロイドの場との相互作用が、外側トロイドのスピンを引き起こす。代替的に、トロイドの1つをスピンさせることは、他のトロイドに電気エネルギーを発生させる。
図268は、内側固定子コイルを分離し、クライオスタットの境界を示す、図267のU字形トロイダル駆動を示す。
図269は、回転子トロイドが示される、図267のU字形トロイダル駆動を示す。コイルのU字形プロファイルを示すために、回転子トロイドの1つのセグメントを取り外している。
図270は、回転子の支持構造体が示される、U字形トロイダル駆動を示す。
図271は、完成した外部アセンブリを有する、U字形トロイダル駆動を示す。
以下の開示は、作業領域又は間隙の磁束がデバイスの回転軸に対して支配的に垂直である方向に作用する背景磁場を作り出すために、永久磁石材料を使用する、デバイスに関する。この磁場は、鋼製又は強磁性の磁束ガイドによって磁極と作業領域との間で方向付けられる。
その作業長さが回転軸に対して平行に配向される通電導体は、作業領域又は間隙の中央線を中心に周方向経路を横断し、印加された機械的エネルギーから電気を発生させるか、又は印加された電気エネルギーから機械的作業を行う。
このデバイスの1つの実施形態は、作業領域に隣接する同じ極性の2つの永久磁石、及び2つの永久磁石の背面に接続するC字形の鋼製磁束ガイドで構成される、個々の極アセンブリによって形成される形状のため、「C字形駆動」として知られている。
図272は、背景磁場を生成する永久磁石及び鋼アセンブリの単極素子を示す。示された磁石の極性は、単一の素子に関する磁化の相対的方向を示す。完成したアセンブリの隣接する極素子では、極性が反転される。
完成したデバイスは、これらの個々の極素子をデバイスの回転軸の周囲に円形アレイに配設することによって作り出される。このアレイにおいて、隣接する極素子の極性は、通電導体がその周方向経路を横断するときに、該通電導体がN極−S極−N極−S極・・・という磁場極性の進行を経験するように反転される。
描写された実施形態は、多重電気相に配設されたジグザグスタイルの巻線で構成される通電巻線を示す。代替的に、これらの巻線は、ベッドステッドコイルから容易に構築することができる。通電巻線には、位相及び極を整列させた交流電流が送給される。この電流は、正弦波形若しくは方形波形、又は出力動力レベルを最大にし、かつ出力リップルを最小にする任意の他の波形とすることができる。
描写された鋼製磁束ガイドは、単に示したものであり、飽和を伴わずに磁場を効果的に案内するために、厚さ、形状、及び断面が変動することが予期される。
図273は、12の磁極素子及び通電巻線の3つの電気相から成る、完成したC字形駆動アセンブリを示す。
図274は、通電巻線を示すために1つの極素子を取り外した、図273の完成したアセンブリを示す。
図275は、図274に例示されるデバイスの端面図である。部分断面図は、ジグザグスタイルの通電巻線の端部の突出を例示する。
図276は、アセンブリの残部から分離した、図274の実施形態による多相通電巻線を示す。
更なる変形例では、C字形駆動デバイスの2つが、同じ回転軸上に組み合わせられる。この2つのC字形駆動サブアセンブリの通電巻線は、単一の多相巻線を形成するように相互接続される。この完了したデバイスは、T字形駆動と称される。代替的に、2つの通電巻線を独立させることができる−デバイスが二重反転することを可能にする。
図277は、同じ回転軸に載置された2つのC字形駆動モーター/発電機から成る実施形態を例示する。2つの個々のC字形駆動サブアセンブリの多相通電巻線は、デバイスのための単一組の多相巻線を形成するように相互接続される。
以前に提示されたC字形駆動の実施形態の更なる変形例では、以前に用いた磁束の源(永久磁石材料)が、電磁石と置き換えられる。通電導体の円形巻線(ソレノイド巻線)は、電流が該巻線を通して送給されたときに、導体の周囲に磁場を作り出す。この磁場は、1組のC字形の鋼製又はフェライト系磁束ガイドによって封入され、該磁束ガイドは、磁場を集中させ、該磁場を第2の1組の通電巻線が配置される空隙に方向付ける。
単一ソレノイド巻線から空隙の中に作り出される場の方向のため、このタイプの単一のデバイスは、通電巻線が該空隙を通って回転したときに、電圧のパルスを発生する。巻線に供給される交流電流からの電流の発生又は機械的仕事の生成を滑らかにするために、好ましくは、2つのデバイスを使用することができる。
提示された実施形態において、デバイスは、同じ軸上に背中合わせに載置されて示されるが、該デバイスはまた、2つの電磁及び鋼製アセンブリが同じ組の通電巻線上で動作するようにインターロックすることもできる。
図278は、背景磁場を発生し、方向付ける電磁コイル及び鋼製磁束ガイド、並びに空気間隙を通して動作又は回転する通電巻線を特徴とする、完成した電磁C字形駆動の一実施形態を示す。
図279は、多層通電巻線の詳細を示すために電磁背景場アセンブリの1つを取り外した、図278の実施形態を示す。
図280は、背景場発生ソレノイドを示すために鋼製/フェライト系磁束ガイドの1つを取り外した、図278の実施形態を示す。
図281は、図278のデバイスの端面図である。この図では、鋼製/フェライト系磁束ガイドの「C字形」を示すために、1組の通電巻線が取り外されている。
図282は、波状トロイダルデバイスのトロイダルセクターの代替の配設を描写する。この実施形態において、トロイダルセクターは、トロイドの一対の間隙を通して一連の円形トロイドの周囲に背景磁場が方向付けられるように位置付けられている。一対の磁極は、単一の円形トロイダル本体によって作り出される2つの作業領域に形成される。
以前に開示されたC字形トロイダル駆動はまた、半径方向磁束機械として構築することもでき、すなわち、トロイダルセクターによって生成される背景場が、デバイスの回転軸に対して垂直な方向に支配的に送達されるように、作業領域/間隙が位置付けられる。
これは、これらの作業領域/間隙における通電巻線の位置付けを可能にし、巻線における電流の流れの作業方向は、デバイスの回転軸に対して平行である。内側巻線及び外側巻線を用いることができる以前の軸方向磁束バージョンのように、通電巻線は、デバイスのいずれかの端部に、又は図284に示されるように、デバイスの両端部に構築することができる。
図283は、代替のC字形トロイダルデバイスの実施形態の修正したC字形セクターの1つの端面図である。以前に垂直であったトロイドの作業領域/間隙は、この時点で、水平である。
図284は、C字形トロイダルデバイスの完成した代替の半径方向磁束バージョンを示す。この実施形態では、2組の通電巻線によって2つの軸方向作業領域が作り出されている。
以下のデバイスは、円形の中央経路を横断する螺旋を形成する、1組のコイル巻線を用いる。以前に開示された実施形態のように、間隙は、通電巻線を位置付け、回転させることができる作業領域/間隙を作り出すために、円形の螺旋経路の中へ導入される。
螺旋の周囲での間隙の位置付けは、内側通電回転子巻線及び/又は外側通電回転子巻線を有する軸方向磁束の実施形態、又は回転巻線に軸方向の電流の流れを有する半径方向磁束の実施形態を含む、デバイスの様々な可能な実施形態を左右する。
図285は、螺旋トロイダル駆動の半径方向磁束の実施形態を示す。通電巻線は、レーストラックスタイルのコイルで構成される単一の相として描写される。
図286は、背景場巻線がどのように円形経路の周囲を螺旋に進行するのかを示す、図285に描写される実施形態から背景場を作り出すコイルの単一の螺旋素子を示す。
図287は、図285の半径方向磁束の実施形態に関して描写される、通電巻線の分離した単一の相を示す。
図288は、図285に描写されるものに類似するが、デバイスのいずれかの端部に通電巻線を有する、螺旋トロイダル駆動の半径方向磁束の一実施形態を示す。
図289は、図288の半径方向磁束の実施形態に関して描写される、通電巻線の2組の分離した単一の相を示す。
図290は、軸方向磁束機械(垂直作業領域/間隙)として動作するように構成される、螺旋トロイドを示す。
図291は、デバイスの外側半径で一連の通電巻線と組み合わせられた、図290の螺旋トロイドを示す。
図292は、図291の軸方向磁束の実施形態に関して描写される、通電巻線の分離した単一の相を示す。
以下のデバイスは、通電巻線が回転する一連の間隙を有する、円筒楕円形又は円環体の永久磁気材料から成る。
図293は、楕円形の永久磁石の円形アレイを示す。永久磁石は、間隙を有し、該永久磁石の磁場を間隙領域の中へ方向付ける。
図294は、間隙の位置付けを示す、図293に示される円形アレイからの個々の楕円形の永久磁石を示す。
図295は、3層の多相通電巻線がデバイスのいずれかの側の間隙に位置付けられた、完成した多重間隙の永久磁石デバイスを示す。
以下のデバイスは、背景場アセンブリの円形アレイから成り、該背景場アセンブリは、デバイスの外側作業半径に巻線の180度のトロイダルセクターを有し、デバイスの内側作業半径に巻線の90度トロイダルセクターを有する、長い直線セクションからなる。
この内側作業半径と外側作業半径との間の隙間において、レーストラックスタイルの通電巻線の円形アレイが回転する。この回転子配設は、多相の多重レーストラックから成ることができる。単一の通電レーストラック巻線が背景場を通って回転すると、巻線に電圧が発生する−適切な負荷に接続されたときには、機械的作業の印加によって巻線に電流が生じる。
好ましくは、背景場アレイのコイルの電流は、通電巻線において発生する電圧及び電流が同じ極性の一連の順次的なパルスから成るように、同じ方向に流れる。
代替的に、連続する素子における電流の流れの方向は、反転させることができ、発生した電圧及び電流のパルスは、交互極性である。
また、単極性パルス又は交互極性パルスのいずれかによって回転巻線を駆動することによって、この配設からモーターを構築することも容易に可能である。
図296は、1組の回転通電巻線が配置される作業領域の中へ磁場を方向付ける、成形されたコイルの円形アレイから成るDC駆動の一実施形態を示す。
図297は、分離して示される、図296の成形された背景場生成巻線の円形アレイを示す。
図298は、分離して示される、多相のレーストラックコイル巻線から成る、図296の通電回転子アセンブリを示す。
図299は、図296からの1組の成形されたコイルの端面図である。
図300は、通電レーストラック巻線を示す、図299の成形されたコイルを示す。矢印は、背景場コイルを出る磁場の支配的な方向を示す。
図296の実施形態の更なる変形例において、成形されたコイルの円形アレイの形状は、コイルが、この時点で、インターロックを向上させるために角度付きの側部を有するように修正されている。この配設において、磁場は、回転子の回転期間のより長い部分にわたって回転子素子に方向付けられる。
図305及び図306に示される更なる変形例では、磁場が通電回転子巻線の上部セクションに方向付けられる地点が、示されるようにシフトされており、図306において、通電回転子巻線の上部セクションの形状は、角度ピークに達するように修正した。
図301は、背景場生成コイルがより楔状に成形され、より完全にインターロックする、図296の実施形態の変形例を示す。
図302は、通電巻線を示すために、この時点で、現在の楔形背景場コイルの片側を取り外した、図301の実施形態を示す。
図303は、状況に関して楔形コイルの1つのセクターが示される、図301の通電巻線を示す。
図304は、背景場生成巻線及び通電回転子巻線の双方を示す、図301に提示される楔形の1つのセクターの変形例の断面である。矢印は、背景場コイルを出る磁場の支配的な方向を示す。
図305は、図296及び図301のデバイスの背景場生成コイルの位置付けにおける更なる変形例を示す。この変形例において、磁場は、通電巻線の上部垂直部に方向付けられる。矢印は、背景場コイルを出る磁場の支配的な方向を示す。
図306は、図296及び図301のデバイスの背景場生成コイルの位置付けにおける更なる変形例を示す。この変形例において、通電巻線の上部水平セクションは、示されるように、この修正された上部セクションにわたって垂直に磁場が方向付けられるように修正されている。矢印は、背景場コイルを出る磁場の支配的な方向を示す。
3トロイダル層駆動の更なる変形例において、通常は導電材料から普通に構築される回転中間トロイドは、AC電流波形によって駆動され、該AC電流波形は、2つの外側トロイダルセクターの間を横断するときに中間地点で最大であり、また、外側トロイダルアセンブリの構成コイルを超えて運動するときにはゼロである。通常は超電導材料から作製される外側トロイドは、円形アレイの周囲で順次的に反転される電流の方向を有する。内側トロイドへのAC波形の印加は、この内側トロイドの回転をもたらす。
当業者には、内側トロイダル回転子をスピンさせ、トルクを印加することによって、内側トロイダル巻線においてAC電気エネルギーを発生させることができることが明らかになるであろう。
図307は、2つの外側トロイダル層のコイル素子の極性が交互し、内側回転子層がAC電流で動作する、3トロイダル層デバイスの変形例を示す。
以下の実施形態は、以前に提示された半径方向磁束のC字形トロイダルデバイスに関する2つ〜3つの変形例を示す。提示されたデバイスは、デバイスの2つの作業領域/間隙における通電巻線の回転を利用する。以前に描写された実施形態からの主な変形例は、以下の通りである。
・背景トロイダル巻線によって生じる磁極の数が大幅に増加し、したがって、これまで提示された全ての多極デバイス又はACデバイスに適用することができるデバイス構築における変形例を示す
・背景場トロイドの2つのバージョンが提示される
・第1は、一連のレーストラックスタイルの個々の巻線から構築される(図308)
・第2は、極対を生成するトロイド巻線の内側半部及び外側半部がそれぞれ連続巻線として巻回される(図310)この連続巻線は、トロイダルセクター内で生成される磁束を封止するのを補助する。
提示された実施形態に示される回転通電巻線は、2組の多相ベッドステッドスタイルのコイルとして描写される。好ましい実施形態において、2組の巻線は、連続する磁極の間の角度に等しい、接続された巻線の角度変位があるように相互接続される。この様式において、2つの巻線は、1つの多相巻線として制御することができる。
代替の実施形態において、2つの多相巻線の各々は、別々であり、また、別々に制御される。
本開示に照らせば、以下のことが当業者に明らかになるであろう。
・トロイダルコイルに依存するこれまでに開示された技術のいずれかを、離散的なサブコイルの配設を使用して、又はトロイド若しくはトロイダルセクター(密閉した又は閉じた巻線/トロイド)における導電性材料の連続的な巻回によって、容易に構築することができる
・磁束を空隙又は作業領域に方向付けるためにトロイダル巻線が使用されている場合には、これらの巻線を、強磁性磁束ガイドの有無にかかわらず、同様な様式で磁束をこれらの領域に方向付ける永久磁石材料と置き換えることができる
・デバイスの一部が「回転子」であり、別の部分が「固定子」であると考えることに帰属すると考えた場合、これらの指示は、単純に、2つの部分の間の相対的な回転を意味し、回転及び固定の役割又は指示は、以前の固定部が回転し、回転部が固定されるように、容易に逆にすることができる
・1つのDC又は固定(背景)磁場、及び1つの交流磁場を維持するという原則に基づいて動作するデバイスに関して、極性が交互する背景場及び以前に交流場を生成した通電巻線が固定場を生成することを等しく許容することができる
・交流電流が用いられる場合は、デバイスの連続回転又は発電がもたらされるように、その電流の波形を、適切に、任意の波形の形状とすることができ、またこのような波形は、モーター又は発電機の動力出力における最小限のリップルを生成するように成形することができる
・デバイスが、電気エネルギーの印加に応じて機械的作業を生成するモーターとして説明されている場合は、機械的作業の印加に対して電気エネルギーを生成する発電機という逆のシナリオも主張される
・デバイスが発電機として説明されている場合は、デバイスがモーターとして動作するという逆のシナリオも主張される
図308は、離散的な組の「レーストラック」スタイルの巻線から構築された背景場コイルを特徴とする80極デバイスである、C字形トロイダルデバイスの半径方向磁束の一実施形態を示す。
図309は、2組のベッドステッドスタイルの多相通電巻線の配設を示すために、1つを除く全ての背景場生成コイルを取り外した、図308のC字形トロイダルデバイスを示す。
図310は、図308に描写されるものに類似するが、背景場コイルの組が、離散的なサブコイルの配設ではなく、連続する楔形巻線として示される、半径方向磁束のC字形デバイスを示す。
図311は、巻線の配置を示すために極対の1つのセクターを示す、図310のデバイスの通電巻線を示す。
図312は、星形トロイダルデバイスの代替の配設を示す。この実施形態では、以前に開示した回転子が取り外されており、代わりに、回転子が内側トロイダルセグメントによって形成される。外側トロイダル巻線は、固定され、DC背景場を提供する。これらの外側トロイダル巻線は、好ましくは、超電導ワイヤから構築される。内側トロイダル巻線は、好ましくは、銅から構築されるが、AC電流に適している超電導ワイヤから作製することもできる。これらの内側トロイダル回転子巻線の電流は、モーターのときには連続回転を提供するために、又は代替的に、発電機モードのときにはAC電流を生成するために切り替えられる。
図313に示されるように、固定外側トロイド巻線は、クライオスタットに収容され、内側トロイダル巻線は、適切な回転子構造体によって支持される。
回転子はまた、単一よりも多い相から構築することもできる。3相の変形例は、図314に示される。3相回転子は、より滑らかなトルクの送達を可能にし、任意の回転子位置においてモーターが自己始動することを可能にする。
図315は、内側トロイダル3相回転子巻線の3次元図を示す。
図316は、磁気力による機械的接触を伴わずに機械的トルクが入力と出力との間で伝達されるように極性を交互させる、入力シャフト及び出力シャフトに載置された永久磁石セグメントを利用する、磁気ギヤボックスを描写する。開示された磁気ギヤボックスは、先に開示されたギヤ付きトロイダル駆動によって実現することができ、それによって、複数の回転子の出力が単一のシャフト出力及び所与のギヤ比に組み合わせられる。6入力ギヤボックスは、出力シャフトに対して4:1の比で示される。
図317は、トルクを伝達するために、交互極性の磁気セグメントの好ましい配設を示す。明確にするため、作業磁気面の有効な極性だけが示されている。磁石は、半径方向に磁化される。磁石の強度、入力シャフトと出力シャフトとの間の間隙、及びギヤボックスの軸方向長さは、全て、ギヤボックスのトルク容量に影響を及ぼす。この概念はまた、軸方向の形成において当業者が容易に構築することもできる。ギヤボックスはまた、逆方向に動かすこともできる。
図318は、以前の永久磁気材料の直線状の楔形が、ここでは「S字形」である、すなわち、内側及び外側ギヤ要素の長さに沿った一連の屈曲を特徴とする、図316のデバイスの変形例を示す。これらの屈曲は、デバイスの全長を低減させるのを補助する。個々のギヤ磁石の磁化の方向は、図317に示される様式と同じ様式で交互する。明確にするため、磁石だけが描写され、必要とされる支持構造体は示されない。
図319は、ギヤ作業磁場の支配的な方向が回転軸に沿っている磁気ギヤシステムの軸方向スタイルの一実施形態を描写する。
図320は、相対的磁化の方向を示す、図319のデバイスの詳細を描写する。
図321は、ギヤの半径の周囲でのインターロックを向上させる、図319のものに類似するが、楔形永久磁気素子を有する、軸方向スタイルの一実施形態を描写する。
図322は、永久磁気素子が「S字形」である、すなわち、デバイスの容積を低減させるための一連の屈曲を特徴とする、図319に示されるデバイスの更なる変形例を描写する。
更なる変形例は、ギヤシステムのトルク容量を増加させるために、デバイスの回転軸に沿った多重軸方向スタイルのギヤの積み重ねである。
当業者には、ギヤの間の間隙領域に磁場を方向付け、含め、そして強化するために、鋼製又は強磁性の裏打ちを磁石アセンブリに使用することができることが明らかになるであろう。
示された実施例は、リングギアの内部に6つのピニオン回転子を有するが、任意の数のピニオン及び任意のギヤ比に容易に拡張することができる。ピニオンは、リングギアの外部に載置することもできる。
本明細書及び特許請求の範囲(該当する場合)において、「備えている(comprising)」という用語、並びに「備える(comprises)」及び「備える(comprise)」を含むその派生語は、所定の完全体の各々を含むが、1つ以上の更なる完全体の包含を除外しない。
本明細書の全体を通して「1つの実施形態」又は「一実施形態」に言及することは、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。しかたがって、本明細書の全体を通して様々な場所における「1つの実施形態において」又は「一実施形態において」という句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、任意の適切な様式で1つ以上の組み合わせに組み合わせることができる。