JP2017517251A - ドリメノールシンターゼ及びドリメノールの製造方法 - Google Patents

ドリメノールシンターゼ及びドリメノールの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1つのポリペプチドとファルネシル二リン酸とを接触させることにより、ドリメノール及び/又はドリメノール誘導体を製造する方法に関する。前記方法をin vitro又はin vivoで実施してよい。本発明は、本発明の方法において有用なポリペプチドのアミノ酸配列、及び本発明のポリペプチドをコードする核酸も提供する。前記方法は、さらに、本発明のポリペプチドを発現するために遺伝的に改質され、ドリメノール及び/又はドリメノール誘導体を製造するために有用な宿主細胞又は宿主生物を提供する。

Description

本願発明は、ドリメノールの製造方法に関し、該方法は、少なくとも1つのポリペプチドとファルネシルピロリン酸(FPP)との接触を含む。特に、前記方法は、香料の分野において非常に有用な化合物であるドリメノールを製造するためにin vitro又はin vivoで実施してよい。本明細書において提供される方法において有用なポリペプチドのアミノ酸配列も本明細書において提供される。本明細書における一実施形態のポリペプチドをコードする核酸及び該核酸を含有する発現ベクターも本明細書において提供される。ドリメノールの製造方法において使用されるべきヒトでない宿主生物又は形質転換させた細胞が、本明細書においてさらに提供される。
テルペンは、ほとんどの生物(微生物、動物及び植物)において見出される。これらの化合物は、5個の炭素単位、いわゆるイソプレン単位から製造され、それらの構造に存在するこれらの単位の数によって分類される。従って、モノテルペン、セスキテルペン及びジテルペンは、それぞれ炭素原子10個、15個及び20個を含むテルペンである。例えばセスキテルペンは、植物界において広く見出せる。多くのセスキテルペン分子は、それらのフレーバー及びフレグランス特性、並びにそれらの化粧品効果、医薬品効果及び抗菌効果について公知である。多数のセスキテルペン炭化水素及びセスキテルペノイドが、同定されている。
テルペンの生合成生成物は、酵素、いわゆるテルペンシンターゼを含む。事実上、植物界に存在する無限のセスキテルペンシンターゼがあり、全て同一の基質(ファルネシルピロリン酸、FPP)を使用するが、異なる生成物プロフィールを有する。セスキテルペンシンターゼをコードする遺伝子及びcDNAは、クローンを生じ、かつ相応する組換え酵素を特徴付ける。
一般に、ドリメノールについての主な源は、天然にドリメノールを含む植物であり、これらの天然源におけるドリメノールの含有率は低い。化学合成のアプローチが開発されているが、未だ複雑であり、かつ費用効果がない。
本明細書において、
i)非環式テルペンピロリン酸と、ドリメノールシンターゼ活性を有し、かつ配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択される配列に対して少なくとも、又は少なくとも約70%の配列同一性を有するポリペプチドとを接触させて、ドリメノールを製造すること;及び
ii)任意にドリメノールを単離すること
を含むドリメノールの製造方法が提供される。
さらに、本明細書において、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択される配列のアミノ酸配列に対して、少なくとも又は少なくとも約70%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むドリメノール活性を有する単離されたポリペプチドを提供する。
本明細書において、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択される配列に対して、少なくとも、又は少なくとも約70%の配列同一性を有するポリペプチドをコードする単離された核酸分子も提供する。
ドリミス・ランセオレータ(Drimys lanceolata)及びドリミス・ウィンテリ(Drimys winteri)の葉のGCMS分析を示す図。 組換えDlTps589シンターゼによってin vitroアッセイで生成されたセスキテルペンのGCMS分析を示す図。A.組換えDlTps589のFPPでのインキュベートのセスキテルペンプロフィールの合計イオンクロマトグラム。B.空のプラスミドで形質転換した大腸菌で同一の条件で実施した陰性対照。C.11.76分でのピークの質量スペクトル。D.(−)−ドリメノールの標準の質量スペクトル。 遺伝子操作した細菌細胞における組換えDlTps589シンターゼによりin vitroで生成されたセスキテルペンのGCMS分析を示す図。A.合計イオンクロマトグラム。B.11.49分でのピークの質量スペクトル。C.(−)−ドリメノールの標準の質量スペクトル。10.98分で溶出する化合物は、DlTps589酵素によって製造されるか、又は大腸菌細胞によって製造される過剰なFPPの加水分解から得られるファルネソールである。 組換えDlTps589シンターゼにより製造される(−)−ドリメノールの構造を示す図。 組換え酵素により製造された(−)−ドリメノール(上段)、化学的に得られたラセミ体ドリメノール(中段)及び標準(−)−ドリメノール(下段)のキラルGC FIDクロマトグラムを示す図。 組換えタンパク質SCH51−3228−9(A)、SCH51−998−28(B)又はSCH52−13163−6(C)によりin vitroアッセイで製造されたセスキテルペンのGCMS分析の合計イオンクロマトグラムを示す図。 異なる組換えタンパク質SCH51−3228−9(A)、SCH51−998−28(B)又はSCH52−13163−6(C)を発現する遺伝子操作した細菌細胞によりin vivoで製造されたセスキテルペンのGCMS分析の合計イオンクロマトグラムを示す図。検出したファルネソールは、大腸菌細胞により製造された過剰なFPPの加水分解からもたらされ、又は組換えタンパク質によって製造された一部であってよい。
発明の詳細な説明
明細書及び付属の特許請求の範囲について、“又は”の使用は、特に明記されない限り“及び/又は”を意味する。同様に、“含有する(comprise)”、“含有する(comprises)”、“含有している(comprising)”、“含む(include)”、“含む(includes)”及び“含んでいる(including)”は、置き換えることができ、かつ制限することを意図しない。
さらに、種々の実施態様の記載が“含有している(comprising)”の用語を使用する場合に、当業者は、ある特定の例において、一実施態様が“実質的にからなる(consisting essentially of)”又は“からなる(consisting of)”の言語を使用して代わりに記載されてよいことを理解していることを、さらに理解すべきである。一態様において、
i)非環式テルペンピロリン酸、特にファルネシル二リン酸(FPP)と、ドリメノールシンターゼ活性を有し、かつ配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択される配列に対して少なくとも、又は少なくとも約70%、特に少なくとも80%、特に少なくとも85%、特に少なくとも90%、特に少なくとも95%、特に少なくとも96%、特に少なくとも97%、特に少なくとも98%又は特に少なくとも99%以上の配列同一性を有するポリペプチドとを接触させて、ドリメノールを製造すること;及び
ii)任意にドリメノールを単離すること
を含むドリメノールの製造方法が提供される。
一態様において、ドリメノールが単離される。
さらに、本明細書において、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択される配列のアミノ酸配列に対して、少なくとも又は少なくとも約70%、特に75%、特に80%、特に85%、特に90%、特に95%、特に96%、特に97%、特に98%又はより特に99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むドリメノール活性を有する単離されたポリペプチドを提供する。
さらに、本明細書において、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択される配列のアミノ酸配列に対して、少なくとも又は少なくとも約70%、特に75%、特に80%、特に85%、特に90%、特に95%、特に96%、特に97%、特に98%又はより特に99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単離された核酸配列を提供する。
さらに、本明細書において、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13及び配列番号15からなる群から選択される配列を含む核酸分子を提供する。
さらに、本明細書において、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択される配列に対して、少なくとも、又は少なくとも約70%、特に75%、特に80%、特に85%、特に90%、特に95%、特に96%、特に97%、特に98%又は特に99%以上の配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸で、宿主細胞又はヒトでない宿主生物を形質転換する工程、及び宿主細胞又は宿主生物をポリペプチドの製造を可能にする条件下で培養する工程を含む、請求項1に記載の方法を提供する。
さらに、記載された核酸分子を含む少なくとも1つのベクターが提供される。
さらに、本明細書において、原核ベクター、ウィルスベクター及び真核ベクターの群から選択されるベクターが提供される。
さらに、本明細書出、発現ベクターであるベクターが提供される。
“ドリメノールシンターゼ”に関して、又は“ドリメノールシンターゼ活性を有するポリペプチド”に関して、本明細書で、非環式テルペンピロリン酸、特にFPPから出発して、その立体異性体又はそれらの混合物の任意の形で、ドリメノールの合成を触媒作用できるポリペプチドを意味する。ドリメノールは、単独の生成物であってよく、又はセスキテルペンの混合物の一部であってよい。
特定のセスキテルペン(例えばドリメノール)の合成を触媒作用するポリペプチドの能力は、実施例2〜5において詳述されるように酵素アッセイを実行することによって単純に確認できる。
ポリペプチドは、それらのドリメノールシンターゼ活性を維持することが提供された短縮ポリペプチドを含むことも意味する。
本明細書において以下で意図されるように、“配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13又は配列番号15を改質することによって得られるヌクレオチド配列又はそれらの補体”は、当業者に公知の任意の方法を使用して、例えば任意のタイプの突然変異を導入すること、例えば消失、挿入又は置換の突然変異によって、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10又は配列番号12の又はそれらの補体の配列を変更することによって得られる任意の配列を包含する。かかる方法の例は、変異体ポリペプチド及びそれらの製造方法に関する記載の一部に挙げられている。
2つのペプチド配列又はヌクレオチド配列の同一性のパーセンテージは、2つの配列のアライメントが生じる場合に2つの配列において同一であるアミノ酸残基又はヌクレオチド残基の数の関数である。同一残基は、アライメントの与えられた一で2つの配列において同一である残基と定義される。配列同一性のパーセンテージは、本明細書において使用されるように、最も短い配列における残基の合計数によって分ける2つの配列間の同一の残基の数をとり、100をかけることによって最適なアライメントから算出される。最適なアライメントは、同一性のパーセンテージが最も高い可能性があるアライメントである。ギャップは、1つ又は双方の配列中に、最適なアライメントを得るためにアライメントの1つ以上の位置で導入される。これらのギャップは、同一でない残基として、配列同一性のパーセンテージの計算のために考慮に入れられる。アミノ酸又は核酸の配列同一性のパーセンテージを測定する目的のためのアライメントは、コンピュータプログラム及び例えばウェブ上で入手できる公的に入手可能なコンピュータプログラムを使用する種々の方法で得られてよい。有利には、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/bl2seq/wblast2.cgiで国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information(NCBI))から入手できるデフォルトパラメータに対するBLASTプログラム(Tatiana et al, FEMS Microbiol Lett., 1999, 174:247−250, 1999)セットは、ペプチド配列又は核酸配列の最適なアライメントを得るため、及び配列同一性のパーセンテージを算出するために使用されてよい。
使用した省略形
bp 塩基対
kb キロベース(kilo base)
BSA ウシ血清アルブミン
DNA デオキシリボ核酸
cDNA 相補的DNA
DTT ジチオトレイトール
FID 水素炎イオン化検出器
FPP ファルネシルピロリン酸
GC ガスクロマトグラフ
IPTG イソプロピル−D−チオガラクト−ピラノシド
LB 溶原性培地(LB培地)
MS 質量分析器
MVA メバロン酸
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
RMCE レコンビナーゼ媒介カセット変換(recombinase-mediated cassette exchange)
3'-/5'-RACE 3’及び5’のcDNAの急速増幅(rapid amplification of cDNA ends)
RNA リボ核酸
mRNA メッセンジャーリボ核酸
miRNA マイクロRNA
siRNA 低分子干渉RNA
rRNA リボソームRNA
tRNA 転移RNA。
定義
“ポリペプチド”の用語は、連続して重合させたアミノ酸残基、例えば、少なくとも15残基、少なくとも30残基、少なくとも50残基のアミノ酸配列を意味する。本明細書において提供されるいくつかの実施形態において、ポリペプチドは、酵素、又はそれらの断片、又はそれらの変異体であるアミノ酸配列を含む。
“単離された”ポリペプチドの用語は、その自然環境から、任意の方法、又は当業者に公知であり組換え法、生化学的方法及び合成法を含む方法の組合せによって取り出されたアミノ酸配列をいう。
“タンパク質”の用語は、天然に生じようと合成であろうと、アミノ酸が、共有ペプチド結合によって連結されており、かつオリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド及び完全鎖のタンパク質を含む、任意の長さのアミノ酸配列をいう。
“ドリメノールシンターゼ”又は“ドリメノールシンターゼタンパク質”の用語は、ファルネシル二リン酸(FPP)をドリメノールに変換することができる酵素をいう。
“生物学的機能”、“機能”、“生物学的活性”又は“活性”の用語は、ドリメノールシンターゼの、FPPからドリメノールの形成を触媒作用する能力をいう。
“核酸配列”、“核酸”及び“ポリヌクレオチド”の用語は、区別なく、ヌクレオチドの配列を意味するために使用される。核酸配列は、一本鎖又は二本鎖のデオキシリボ核酸、又は任意の長さのリボ核酸であってよく、遺伝子のコード配列及び非コード配列、エキソン、イントロン、センス及びアンチセンスの相補的配列、ゲノムDNA、cDNA、miRNA、siRNA、mRNA、rRNA、tRNA、組換え核酸配列、単離された及び精製された天然に生じるDNA及び/又はRNA配列、合成DNA及びRNA配列、断片、プライマー及び核酸プローブを含む。当業者は、RNAの核酸配列が、種々のチミン(T)をウラシル(U)によって置き換えたDNAの配列と同一であることに気付いている。
“単離された核酸”又は“単離された核酸配列”は、核酸又は核酸配列が天然に生じる環境とは異なる環境である核酸又は核酸配列として定義される。本明細書において使用される核酸に適用される“天然に生じる”の用語は、天然に細胞中で見られる核酸をいう。例えば、生物において、例えば生物の細胞において存在し、天然の源から単離されてよく、研究室においてヒトによって意図的に改質されていない核酸配列が、天然に生じる。
“組換え核酸配列”は、天然に生じず、かつそうでなければ生物学的生物において見られない核酸配列を生じる、1種以上の源からの遺伝物質と一緒にもたらすための実験的方法(分子クローニング)の使用から生じる核酸配列である。
“組換えDNA技術”は、例えば、Weigel及びGlazebrookによって編集されたLaboratory Manuals(2002 Cold Spring Harbor Lab Press)、並びにSambrookら(1989 Cold Spring Harbor, NY: Cold Spring Harbor Laboratory Press)において記載されているような組換え核酸配列を製造するための分子生物学的方法をいう。
“遺伝子”の用語は、適した調節領域、例えばプロモーターに操作可能に連結された、RNA分子、例えば細胞中のmRNAに転写された領域を含むDNA配列を意味する。遺伝子は、従って、いくつかの操作可能に連結された配列、例えばプロモーター、例えば翻訳開始において含まれる配列を含む5’リーダー配列、cDNA又はゲノムDNAのコード領域、イントロン、エキソン、及び/又は例えば転写末端部位を含む3’非翻訳配列を含んでよい。
“キラル遺伝子”は、通常、種において天然に見られないあらゆる遺伝子、特に、核酸配列の1以上の部位が互いに天然に関連せずに存在する遺伝子をいう。例えば、プロモーターは、転写領域の一部もしくは全てと又は他の調節領域と天然に関連しない。“キラル遺伝子”の用語は、プロモーター又は転写調節配列が、1つ以上のコード配列に、もしくは1つのアンチセンス、すなわちセンス鎖の逆相補鎖に操作可能に連結され、又は繰り返し配列を逆転させる(センス及びアンチセンス、それによりRNA転写が転写に対して二本鎖RNAを形成する)、発現構築物を含むと解される。
“3’UTR”又は“3’非翻訳配列”(“3’非翻訳領域”又は“3’末端”とも言われる)は、例えば転写末端部位及び(ほとんど、しかし全てではないが真核imRNAの)ポリアデニル化シグナル、例えばAAUAAA又はそれらの変異体を含む、遺伝子のコード配列の下流に見られる核酸配列をいう。転写の終了後に、mRNA転写は、ポリアデニル化シグナルの下流で裂けてよく、かつ転写部位、例えば細胞質へのmRNAの輸送中に含まれるポリ(A)末端が付加されてよい。
“遺伝子の発現”は、タンパク質中への遺伝子の転写及びmRNAの翻訳を含む。過剰発現は、同一の遺伝的背景の非形質転換細胞又は非形質転換生物における生成物のレベルを超える、トランスジェニック細胞又はトランスジェニック生物におけるmRNA、ポリペプチド及び/又は酵素活性のレベルによって測定される遺伝子生成物の生成をいう。
本明細書において使用される“発現ベクター”は、宿主細胞中へ異物又は外因性のDNAを導入するための分子生物学的方法及び組換えDNA技術を使用して設計された核酸分子を意味する。発現ベクターは、典型的に、ヌクレオチド配列の適正な転写のために要求される配列を含む。コード領域は、通常、関心のあるタンパク質についてコードするが、RNA、例えばアンチセンスRNA、siRNA等についてもコードしてよい。
本明細書において使用される“発現ベクター”は、制限されることなく、ウィルスベクター、バクテリオファージ及びプラスミドを含む、あらゆる線状又は環状の組み換えベクターを含む。当業者は、発現系に従って適したベクターを選択することができる。一実施形態において、発現ベクターは、転写、翻訳、開始及び終止を調節する少なくとも1つの調節配列、例えば転写プロモーター、オペレーター又はエンハンサー、又はmRNAリボソーム結合部位に操作可能に連結され、及び任意に、少なくとも1つの選択マーカーを含む、本明細書における一実施形態の核酸を含む。ヌクレオチド配列は、調節配列が、本明細書における一実施形態の核酸に機能的に関連する場合に、“操作可能に連結”される。“調節配列”は、本明細書の一実施形態の核酸配列の発現レベルを決定し、かつ調節配列に操作可能に連結される核酸配列の転写の割合を調整することができる核酸配列をいう。調節配列は、プロモーター、エンハンサー、転写因子、プロモーター要素等を含む。
“プロモーター”は、RNAポリメラーゼのための結合部位、及び制限なく転写因子結合部位、リプレッサー及び活性タンパク質結合部位を含む適正な転写のために要求される他の因子を提供することにより、コード配列の発現を制御する核酸配列をいう。プロモーターの用語の意味は、“プロモーター調節配列”の用語も含む。プロモーター調節配列は、転写、RNAプロセッシング又は関連してコードする核酸配列の安定性に影響してよい、上流及び下流の要素を含んでよい。プロモーターは、天然由来の配列及び合成の配列を含む。コード核酸配列は、通常、転写開始位置で出発する転写の方向に関連してプロモーターの下流に配置される。
“構成性プロモーター”は、操作可能に連結される核酸配列の連続的な転写を可能にする非調節性プロモーターをいう。
本明細書において使用されるように、“操作可能に連結”の用語は、機能的関連でのポリヌクレオチド要素の連結をいう。核酸は、それが他の核酸配列と機能的関連に置かれる場合に“操作可能に連結”される。例えば、プロモーター、むしろ転写調節配列は、コード配列の転写に影響する場合に、コード配列に操作可能に連結される。操作可能に連結は、連結されているDNA配列が典型的に隣接することを意味する。プロモーター配列に関連するヌクレオチド配列は、形質転換されるべき植物に関して相同性又は非相同性の起源のものであってよい。前記配列は、全体的に又は部分的に合成されているものでもよい。起源に関わらず、プロモーター配列に関連する核酸配列は、本明細書における一実施形態のポリペプチドへの結合後に連結されるプロモーター特性に従って発現されるか又は発現抑制される。関連する核酸は、全ての時間で又は代わりに特定の時間で生物を通じて、又は特異的な組織、細胞もしくは細胞コンパートメント中で、発現又は抑制されるべきであることが所望されるタンパク質についてコードしてよい。かかるヌクレオチド配列は、特に、それらで改変された又は形質転換された宿主細胞又は宿主生物に対して所望の表現型の特徴を付与するタンパク質をコードする。より詳述すれば、関連するヌクレオチド配列は、生物中でドリメノールの製造を導く。特に、ヌクレオチド配列は、ドリメノールシンターゼをコードする。
“標的ペプチド”は、タンパク質、又は細胞内オルガネラ、すなわちミトコンドリア、もしくは色素体に対するポリペプチド、又は細胞外空間(分泌シグナルペプチド)に対するポリペプチドを標的とするアミノ酸配列をいう。標的ペプチドをコードする核酸配列は、タンパク質又はポリペプチドのアミノ末端、例えばN−末端をコードする核酸配列に融合してよく、又は天然の標的ポリペプチドを置き換えるために使用されてよい。
“プライマー”は、鋳型の核酸配列にハイブリダイズされ、かつ鋳型に対して相補的な核酸配列の重合のために使用される、短い核酸配列をいう。
本明細書において使用されるように、“宿主細胞”又は“形質転換細胞”の用語は、転写に対してドリメノールを製造するために有用なドリメノールシンターゼタンパク質をもたらす、少なくとも1つの核酸分子、例えば所望のタンパク質又は核酸配列をコードする組換え遺伝子を宿すために改変された細胞(又は生物)をいう。宿主細胞は、特に細菌細胞、真菌細胞又は植物細胞である。宿主細胞は、宿主細胞の核ゲノム又はオルガネラゲノムに組込まれる組換え遺伝子を含んでよい。代わりに、宿主は、組換え遺伝子を染色体外で含んでよい。相同配列は、オルソガス配列又はパラロガス配列を含む。系統学的方法、配列類似性、及びハイブリダイゼーション法を含む、オルソガス又はパラロガスを同定する方法は、当業者に公知であり、本明細書において記載されている。
パラログは、類似した配列及び類似した機能を有する2以上の遺伝子を生じる遺伝子重複から生じる。パラログは、典型的に、一緒にクラスター形成し、関連する植物種内で遺伝子の重複によって形成される。パラログは、ペアワイズのBlast解析を使用して類似の遺伝子の群で見出されるか、又はプログラム、例えばCLUSTALを使用した遺伝子ファミリーの系統発生解析中に見出される。パラログにおいて、コンセンサス配列は、関連する遺伝子内の配列及び遺伝子の類似の機能を有する配列に対して特徴的に同定されうる。
オルソログ、又はオルソガス配列は、それらが共通祖先の子孫である種において見出されるため、互いに類似する配列である。例えば、共通祖先を有する植物種は、類似した配列及び機能を有する多くの酵素を含むことが公知である。当業者は、オルソガス配列を同定することができ、かつオルソログの機能を、例えばCLUSTAL又はBLASTプログラムを使用して1つの種の遺伝子ファミリーについてのポリジーン系図(polygenic tree)を構築することによって予測することができる。相同配列中の類似した機能を同定又は確認するための方法は、関連するポリペプチドを過剰発現する又は(ノックアウト/ノックダウンで)欠失する植物中で転写プロフィールを比較することによる。当業者は、通常50%より多くの調節された転写で、又は通常70%より多くの調節された転写で、又は通常90%より多くの調節された転写で類似した転写プロフィールを有する遺伝子が類似した機能を有することを理解している。ホモログ、パラログ、オルソログ及び本発明における配列のあらゆる他の変異体は、ドリメノールシンターゼタンパク質を製造する植物を作成することによって類似する方法において機能することが予期される。
本明細書において提供される一実施形態は、オルソログ及びパラログを含むドリメノールシンターゼタンパク質のアミノ酸配列、並びに他の生物におけるドリメノールシンターゼのオルソログ及びパラログを同定及び単離するための方法を提供する。特に、ドリメノールシンターゼの同定されたオルソログ及びパラログは、ドリメノールシンターゼ活性を保持し、かつFPP前駆体から出発してドリメノールを製造することができる。
“選択可能なマーカー”の用語は、発現に対して、選択可能なマーカーを含む1つの細胞又は複数の細胞を選択するために使用されてよい任意の遺伝子をいう。選択可能なマーカーの例を以下に記載する。当業者は、種々の抗生物質、殺菌剤、栄養要求性又は除草剤の選択可能なマーカーが種々の標的種に適用可能であることを周知している。
この適用の目的のための“ドリメノール”は、(−)−ドリメノール(CAS:468−68−8)をいう。
“生物”の用語は、任意のヒトでない多細胞生物又は単細胞生物、例えば植物又は微生物をいう。特に、微生物は、細菌、酵母、藻類又は真菌である。
“植物”の用語は、植物プロトプラスト、植物組織、再生植物を生じる植物細胞組織培養物、又は植物の一部、又は植物器官、例えば根、茎、葉、花、花粉、胚珠、胚、果実等を含む植物細胞を含むために区別なく使用される。任意の植物が、本明細書における一実施形態の方法を実施するために使用されうる。
in vitroで、非環式ピロリン酸、例えばFPPと接触されるべきポリペプチドは、標準のタンパク質又は酵素抽出技術を使用して、それを発現する任意の生物から抽出することにより得られうる。宿主生物が単細胞生物又は培地中に本明細書における一実施形態のポリペプチドを放出する細胞である場合に、ポリペプチドは、培地から、例えば遠心分離、続いて場合により洗浄工程及び適した緩衝溶液中での再懸濁によって簡単に採取されてよい。前記生物又は細胞が、その細胞内でポリペプチドを蓄積する場合に、ポリペプチドは、細胞の破壊又は溶解、及び細胞溶解物からポリペプチドのさらなる抽出によって得られてよい。
ドリメノールシンターゼ活性を有するポリペプチドは、単離された形で又は他のタンパク質と一緒に、例えば培養細胞又は微生物から得られた粗タンパク質抽出物中で、至適pHで緩衝溶液中で懸濁されてよい。適宜、塩、DTT、無機カチオン及び他の種類の酵素補因子を、酵素活性を最適化するために添加してよい。前駆体FPPを、ポリペプチド懸濁液に添加し、そして至適温度、例えば15〜40℃、特に25〜35℃、より特に30℃でインキュベートする。インキュベート後に、製造したドリメノールを、場合により溶液からポリペプチドを取り出した後に、標準の単離方法、例えば溶媒抽出及び蒸留によってインキュベートした溶液から単離してよい。
他の特定の実施形態に従って、任意の前記実施形態の方法を、in vivoで実施する。この場合、工程a)は、ドリメノールの製造を導く条件下で、FPPを製造することができ、かつ配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択される配列に少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含有し、ドリメノールシンターゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドを発現するために形質転換されるヒトでない宿主生物又は宿主細胞を培養することを含む。
さらに特定の一実施形態に従って、前記方法は、さらに、工程a)の前に、FPPを製造できるヒトでない生物又は細胞を、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択される配列に少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含有し、ドリメノールシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする少なくとも1つの核酸で形質転換して、前記生物が前記ポリペプチドを発現することを含む。
本明細書において提供されるこれらの実施形態は、予めポリペプチドを単離することなくin vivoで前記方法を実施することができるため、特に有利である。前記反応は、形質転換した生物又は細胞内で直接生じて、前記ポリペプチドを発現する。
より特定の実施形態に従って、前記実施形態のいずれかにおいて使用される少なくとも1つの核酸は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13もしくは配列番号15又はそれらの相補体を改質することによって得られるヌクレオチド配列を含む。他の実施形態に従って、少なくとも1つの核酸は、シキミモドキ科又はカネラ科の植物から、特にドリミス・ウィンテリ(Drimys Winteri)又はドリミス・ランセオレータ(Drimys lanceolata)から単離される。
前記生物又は宿主細胞は、ポリペプチドを“発現”することを意味するが、但し前記生物又は宿主細胞は、該ポリペプチドをコードする核酸を宿すために形質転換され、この核酸は、mRNAに転写され、そしてポリペプチドは、宿主生物又は宿主細胞中で見出される。“発現”の用語は、“異種発現”及び“過剰発現”を含み、後者は、形質転換していない生物又は細胞中で測定されるものを超える、及びそれより多いmRNA、ポリペプチド及び/又は酵素の活性のレベルをいう。ヒトでない宿主生物又は宿主細胞を形質転換するための適した方法のより詳細な記載は、かかる形質転換したヒトでない宿主生物又は宿主細胞について記載された明細書の一部で以下に記載されている。
特定の生物又は細胞は、天然にFPPを製造する場合に、又は天然にFPPを製造しないがFPPを製造するために形質転換される場合に、本明細書において記載された核酸で形質転換する前に、又は前記核酸と一緒に、“FPPを製造できる”ことを意味する。生物又は細胞を天然に生じるよりも高い量のFPPを製造するために形質転換させた生物又は細胞は、“FPPを製造することができる生物又は細胞”にも包含される。生物、例えば微生物を形質転換して、それらがFPPを製造するための方法は、当業者に既に公知である。
本明細書における一実施形態をin vivoで実施するために、宿主生物又は宿主細胞を、ドリメノールの製造を導く条件下で培養させる。従って、宿主がトランスジェニック植物である場合に、最適な成長条件、例えば最適な光条件、水条件及び栄養条件を提供する。宿主が単細胞生物である場合に、ドリメノールの製造の助けとなる条件は、宿主の培地への適した補因子の添加を含んでよい。さらに、培地は、ドリメノール合成を最大化するように選択されてよい。最適な培養条件は、次の実施例でより詳細な方法で記載されている。
本明細書における一実施形態の方法をin vivoで実施するために適したヒトでない宿主生物は、任意のヒトでない多細胞又は単細胞生物であってよい。特定の一実施態様において、本明細書における一実施形態をin vivoで実施するために使用されるヒトでない宿主生物は、植物、原核生物又は真菌である。あらゆる植物、原核生物又は真菌を使用できる。特に有用な植物は、多量のテルペンを自然に製造するものである。より特定の一実施形態において、本明細書における一実施形態の方法をin vivoで実施するために使用されるヒトでない宿主生物は、微生物である。あらゆる微生物を使用できるが、さらにより特定の実施形態に従って、該微生物は細菌又は酵母菌である。最も特に、前記細菌は大腸菌(Escherichia coli)であり、かつ前記酵母は、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)である。
これらの生物のいくつかは、天然にFPPを製造しない。本明細書における一実施形態の方法を実施するために適切であるために、これらの生物は、前記前駆体を製造するために形質転換される。それらは、前記で説明されているように、前記実施形態のいずれかに従って記載された核酸での改質前、又は同時に、形質転換されてよい。
単離された高次真核細胞を、完全な生物の代わりに、本明細書における一実施形態の方法をin vivoで実施するための宿主としても使用できる。適した真核細胞は、あらゆるヒトでない細胞であってよいが、しかし特に植物細胞又は真菌細胞である。
他の特定の実施形態において、ポリペプチドは、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択される配列に対して、少なくとも又は少なくとも70%、特に少なくとも75%、特に少なくとも80%、特に少なくとも85%、特に少なくとも90%、特に少なくとも95%、特に少なくとも96%、特に少なくとも97%、特に少なくとも98%又はより特に少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。さらにより特定の一実施形態に従って、前記ポリペプチドは、配列番号からなる。
他の特定の実施形態に従って、前記実施形態のいずれかにおいて使用されるドリメノールシンターゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチド、又は前記実施形態のいずれかにおいて使用される核酸によりコードされる少なくとも1つのポリペプチドは、遺伝子工学によって得られる、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11又は配列番号14の変異体であるアミノ酸配列を含み、該変異体は、前記されたようなそのドリメノールシンターゼ活性を維持しており、かつ必要なパーセンテージの配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11又は配列番号14に対する同一性を有する。他の場合、前記ポリペプチドは、特に、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13もしくは配列番号15又はそれらの相補体を改質することによって得られるヌクレオチド配列によってコードされたアミノ酸配列を含む。より特定の一実施形態に従って、前記実施形態のいずれかにおいて使用されるドリメノールシンターゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチド、又は前記実施形態のいずれかにおいて使用される核酸によりコードされる少なくとも1つのポリペプチドは、遺伝子工学によって得られる、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11又は配列番号14の変異体であるアミノ酸配列、すなわち、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13もしくは配列番号15又はそれらの相補体を改質することによって得られるヌクレオチド配列によってコードされたアミノ酸配列からなる。
他の特定の一実施形態に従って、前記実施形態のいずれかにおいて使用されるドリメノールシンターゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチド、又は前記実施形態のいずれかにおいて使用される核酸によりコードされる少なくとも1つのポリペプチドは、他の生物、例えば他の植物種において天然に見出される配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11又は配列番号14の変異体であり、但し、それは、前記のようにそのドリメノールシンターゼ活性維持し、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11又は配列番号14に対する同一性の要求されたパーセンテージを有する。
本明細書において使用されるように、ポリペプチドは、本明細書において同定されるアミノ酸配列を含むポリペプチド又はペプチド断片、並びに短縮されたポリペプチド又は変異体ポリペプチドとして意図され、但し、それらは、前記で定義したようなそれらのドリメノールシンターゼ活性を維持し、かつ少なくとも配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11又は配列番号14の対応する断片と定義したパーセンテージの同一性を共有する。
変異体ポリペプチドの例は、代わりのmRNAスプライシングから又は本明細書において記載されたポリペプチドのタンパク質切断からもたらされる天然に生じるタンパク質である。タンパク質分解による変異は、例えば、本明細書における一実施形態のポリペプチドからの1つ以上の末端アミノ酸のタンパク質分解性除去による、種々のタイプの宿主細胞における発現に対するN末端又はC末端での差異を含む。以下に記載されているように、本明細書における一実施形態の核酸の天然又は人工の突然変異によって得られた核酸によってコードされたポリペプチドも、本明細書における一実施形態によって含まれる。
アミノ末端及びカルボキシル末端で追加のペプチド配列の融合から得られるポリペプチド変異体も、本明細書における一実施形態の方法で使用されうる。特に、かかる融合は、ポリペプチドの発現を高めることができ、タンパク質の精製において有用であり、又は所望の環境又は発現系でポリペプチドの酵素活性を改良する。かかる追加のペプチド配列は、例えばシグナルペプチドであってよい。従って、変異体ポリペプチド、例えば他のオリゴペプチド又はポリペプチドとの融合によって得られたもの、及び/又はシグナルペプチドに連結させたものを使用する方法が本明細書において含まれる。他の機能性タンパク質、例えばテルペン生合成経路からの他のタンパク質との融合から得られるポリペプチドは、有利には、本明細書における一実施形態の方法においても使用されうる。
他の一実施形態に従って、前記実施形態のいずれかにおいて使用されるドリメノールシンターゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチド、又は前記実施形態のいずれかにおいて使用される核酸によってコードされたポリペプチドは、シキミモドキ科又はカネラ科の植物から、特にドリミス・ウィンテリ又はドリミス・ランセオレータから単離される。
本明細書における一実施形態の方法を実施するために重要な手段は、ポリペプチド自体である。従って、ドリメノールシンターゼ活性を有し、かつ配列番号2に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドが、本明細書において提供される。
特定の一実施形態に従って、ポリペプチドは、セスキテルペンの混合物を製造することができ、その際、ドリメノールは、少なくとも20%、特に少なくとも30%、特に少なくとも35%、特に少なくとも90%、特に少なくとも95%、より特に少なくとも98%の製造されたセスキテルペンを示す。本明細書で提供される他の態様において、ドリメノールは、95%以上、より特に98%以上の選択性で製造される。
特定の一実施形態に従って、ポリペプチドは、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択される配列に対して、少なくとも70%、特に少なくとも75%、特に少なくとも80%、特に少なくとも85%、特に少なくとも90%、特に少なくとも95%、特に少なくとも96%、特に少なくとも97%、特に少なくとも98%及びより特に少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含む。より特定の一実施形態に従って、ポリペプチドは、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
他の特定の一実施形態に従って、ポリペプチドは、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択される配列に対して、少なくとも70%、特に少なくとも75%、特に少なくとも80%、特に少なくとも85%、特に少なくとも90%、特に少なくとも95%、特に少なくとも96%、特に少なくとも97%、特に少なくとも98%又はより特に少なくとも99%同一のアミノ酸配列からなる。より特定の一実施形態に従って、ポリペプチドは、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11又は配列番号14からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。
少なくとも1つのポリペプチドは、遺伝子工学によって得られるか、又はドリミス植物においてもしくは他の植物種において天然に見出される配列番号2の変異体であるアミノ酸配列を含む。他の場合、変異体ポリペプチドが遺伝子工学により得られる場合に、前記ポリペプチドは、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13もしくは配列番号15又はそれらの相補体を改質することによって得られるヌクレオチド配列によってコードされたアミノ酸配列を含む。より特定の一実施形態に従って、ドリメノールシンターゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドは、遺伝子工学によって得られる、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11又は配列番号14の変異体であるアミノ酸配列、すなわち、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13もしくは配列番号15又はそれらの相補体を改質することによって得られるヌクレオチド配列によってコードされたアミノ酸配列からなる。
他の実施形態に従って、ポリペプチドは、シキミモドキ科又はカネラ科の植物から、特にドリミス・ウィンテリ又はドリミス・ランセオレータから単離される。本明細書において使用されるように、ポリペプチドは、本明細書において同定されるアミノ酸配列を含むポリペプチド又はペプチド断片、並びに短縮されたポリペプチド又は変異体ポリペプチドとして意図され、但し、それらは、前記で定義したようなそれらの活性を維持し、かつ少なくとも配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11又は配列番号14の対応する断片と定義したパーセンテージの同一性を共有する。
前記のように、本明細書における一実施形態のポリペプチドをコードする核酸配列は、前記方法がin vivoで実施される場合に使用されるべきであると意図されるヒトでない宿主生物又は宿主細胞を改質するために有用な手段である。
従って、前記実施形態のいずれかに従ってポリペプチドをコードする核酸が、本明細書においても提供される。
特定の一実施形態に従って、核酸は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13もしくは配列番号15又はそれらの相補体からなる群から選択される配列からなる群から選択される配列に対して、少なくとも50%、特に少なくとも55%、特に少なくとも60%、特に少なくとも65%、特に少なくとも70%、特に少なくとも75%、特に少なくとも80%、特に少なくとも85%、特に少なくとも90%、特に少なくとも95%、特に少なくとも96%、特に少なくとも97%、特に少なくとも98%及びさらにより特に少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む。より特定の一実施形態に従って、核酸は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13もしくは配列番号15又はそれらの相補体からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む。
他の特定の一実施形態に従って、核酸は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13もしくは配列番号15又はそれらの相補体からなる群から選択される配列に対して、少なくとも70%、特に少なくとも75%、特に少なくとも80%、特に少なくとも85%、特に少なくとも90%、特に少なくとも95%、特に少なくとも96%、特に少なくとも97%、特に少なくとも98%又はより特に少なくとも99%以上同一のヌクレオチド配列からなる。さらにより特定の一実施形態に従って、核酸は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13もしくは配列番号15又はそれらの相補体からなる群から選択される配列からなる。
本明細書における一実施形態の核酸は、一本鎖形又は二本鎖形(DNA及び/又はRNA)でのデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドポリマーを含むと定義されうる。“ヌクレオチド配列”の用語は、別々のフラグメントの形で、又はより大きい核酸の成分としてポリヌクレオチド分子又はオリゴヌクレオチド分子を含むとも解されるべきである。本明細書における一実施形態の核酸は、実質的に内因性材料を汚染することを有さないものを含むある単離されたヌクレオチド配列も含む。本明細書における一実施形態の核酸は短縮されてよいが、但し、前記のように本明細書において含まれるポリペプチドをコードする。
一実施形態において、本明細書における一実施形態の核酸は、ドリミス種もしくは他の種の植物中で天然に存在するか、又は配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13もしくは配列番号15もしくはそれらの相補体を改質することによって得られてよい。特に、前記核酸配列は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13もしくは配列番号15又はそれらの相補体を改質することによって得られるヌクレオチド配列からなる。
配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13もしくは配列番号15又はそれらの相補体の突然変異によって得られた配列を含む核酸は、本明細書における一実施形態に含まれるが、但し、それらを含む配列は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13もしくは配列番号15又はそれらの相補体の相応する断片との定義されたパーセンテージの同一性を少なくとも共有し、但し、それらは、前記実施形態のいずれかにおいて定義されたように、ドリメノールシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする。突然変異は、これらの核酸のあらゆる種類の突然変異、例えば点突然変異、欠失突然変異、挿入突然変異及び/又はフレームシフト突然変異であってよい。変異体核酸は、そのヌクレオチド配列を特定の発現系に適応するために製造されてよい。例えば、細菌発現系は、アミノ酸が特定のコドンによってコードされる場合に、ポリペプチドをより効率的に発現することが公知である。
遺伝子コードの縮重によって、1つ以上のコドンが、同一のアミノ酸配列をコードしてよく、多重核酸配列は、同一のタンパク質又はポリペプチドについてコードでき、その際、全てのこれらのDNA配列は、本明細書における一実施形態に含まれる。適宜、ドリメノールシンターゼをコードする核酸配列は、宿主細胞中で増加させた発現について最適化されてよい。例えば、本明細書における一実施形態のヌクレオチドを、改良された発現のために特に宿主によってコドンを使用して合成してよい。
本明細書における一実施形態の方法をin vivoで実施するために適した宿主生物又は宿主細胞を形質転換するための他の重要な手段は、本明細書における一実施形態のあらゆる実施形態に従った核酸を含む発現ベクターである。従って、かかるベクターも、本明細書において提供される。
本明細書において提供される発現ベクターは、さらに以下で開示されるように、本明細書における一実施形態の核酸を宿す宿主生物及び/又は宿主細胞中で遺伝子的に形質転換された宿主生物及び/又は宿主細胞を製造するための方法において、並びにドリメノールシンターゼ活性を有するポリペプチドを製作するための方法において使用されてよい。
本明細書における一実施形態の少なくとも1つの核酸を宿すために形質転換させて、本明細書における一実施形態の少なくとも1つのポリペプチドを非相同的に発現又は過剰発現する組換えたヒトでない宿主生物及び宿主細胞は、本明細書における一実施形態の方法を実施するための非常に有用な手段でもある。従って、かかるヒトでない宿主生物及び宿主細胞も、本明細書において提供される。
前記実施形態のいずれかに従った核酸は、ヒトでない宿主生物及び宿主細胞を形質転換するために使用されてよく、かつ発現させたポリペプチドは、前記ポリペプチドのいずれかであってよい。
本明細書における一実施形態のヒトでない宿主生物は、任意のヒトでない多細胞又は単細胞生物であってよい。特定の一実施形態において、ヒトでない宿主生物は、植物、原核生物又は真菌である。あらゆる植物、原核生物又は真菌が、本明細書において提供される方法に従って形質転換されるために適している。特に有用な植物は、多量のテルペンを自然に製造するものである。
より特定の一実施形態において、ヒトでない宿主生物は、微生物である。あらゆる微生物が本明細書における使用に適しているが、さらにより特定の実施形態に従って、該微生物は細菌又は酵母菌である。最も特に、細菌は大腸菌であり、かつ前記酵母は、サッカロミセス・セレビジエである。
単離された高次真核細胞を、完全な生物の代わりに、形質転換させることもできる。高次真核細胞とは、ここで酵母菌細胞を除いたあらゆるヒトでない真核細胞を意味する。特定の高次真核細胞は、植物細胞又は真菌細胞である。
変異体は、ポリペプチド骨格に共有結合又は非共有結合する改質基の付着により、本明細書における一実施形態のポリペプチドとも異なる。変異体は、導入されたN結合した又はO結合したグリコシル化部位、及び/又はシステイン残基の付加によって本明細書に記載のポリペプチドとは異なるポリペプチドも含む。当業者は、どのようにアミノ酸配列を改質するか、及び生物学的活性を保持するかを認識している。
あらゆるドリメノールシンターゼタンパク質、変異体又は断片の機能性又は活性を、種々の方法を使用して測定してよい。例えば、植物、細菌又は酵母菌の細胞における一過性の又は安定した過剰発現が、タンパク質が活性化されているかどうか、すなわちFPP前駆体からドリメノールが製造されているかどうかを試験するために使用されてよい。ドリメノールシンターゼ活性は、機能性を示すドリメノールの製造に対して、微生物発現系で、例えば本明細書における実施例2又は3において記載されるアッセイで評価されてよい。本明細書における一実施形態のドリメノールシンターゼポリペプチドの変異体又は誘導体は、FPP前駆体からドリメノールを製造するための能力を保持している。本明細書において提供されるドリメノールシンターゼの変異体のアミノ酸配列は、例えば変更された基質利用、反応速度、生成物分布又は他の変更を含む、追加の所望の生物学的機能を有してよい。
本明細書における一実施形態は、in vitro又はin vivoでFPP前駆体と本明細書における一実施形態のポリペプチドとを接触することによりドリメノールを製造するための方法において使用されるべき本明細書における一実施形態のポリペプチドを提供する。
本明細書において提供されるポリペプチド又は変異体ポリペプチドをコードする単離された組換え又は合成ポリヌクレオチドも本明細書において提供される。
本明細書における一実施形態は、FPP前駆体から細胞中でドリメノールの製造を触媒作用する配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11もしくは配列番号14又はそれらの断片からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列を有するドリメノールシンターゼについてコードする、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13もしくは配列番号15又はそれらの変異体の単離された組換え核酸配列又は合成核酸配列を提供する。本明細書において提供される実施形態は、制限されることなく、cDNA、ゲノムDNA及びRNA配列を含む。ドリメノールシンターゼをコードするあらゆる核酸配列又はそれらの変異体は、ドリメノールシンターゼをコードする配列として本明細書に挙げられる。
特定の一実施形態に従って、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13又は配列番号15の核酸配列は、実施例において記載されているように得られるドリメノールシンターゼをコードするドリメノールシンターゼ遺伝子のコード配列である。
配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13又は配列番号15のポリヌクレオチドの断片は、本明細書における一実施形態のポリヌクレオチドの長さで特に少なくとも15bp、少なくとも30bp、少なくとも40bp、少なくとも50bp及び/又は少なくとも60bpである連続ヌクレオチドをいう。特にポリヌクレオチドの断片は、本明細書における一実施形態のポリヌクレオチドの連続ヌクレオチドを少なくとも25、より特に少なくとも50、より特に少なくとも75、より特に少なくとも100、より特に少なくとも150、より特に少なくとも200、より特に少なくとも300、より特に少なくとも400、より特に少なくとも500、より特に少なくとも600、より特に少なくとも700、より特に少なくとも800、より特に少なくとも900、より特に少なくとも1000含む。本明細書におけるポリヌクレオチドの断片は、PCRプライマーとして、及び/又はプローブとして、又はアンチセンス遺伝子のサイレンシング又はRNAiのために使用されてよい。
本明細書における一実施形態のポリヌクレオチドを含む遺伝子を、当業者に公知の方法により、利用できるヌクレオチド配列情報、例えば付属の配列表において見出される情報に基づいてクローン作製できることは、当業者に明らかである。これらは、例えば、センス方向で生じ、かつセンス鎖の合成を開始し、かつ他は逆相補的な方法で作製され、かつアンチセンス差を生じる、かかる遺伝子のフランキング配列を示すDNAプライマーの設計を含む。熱安定性のDNAポリメラーゼ、例えばポリメラーゼ連鎖反応において使用されるものは、かかる実験を実施するために一般に使用される。代わりに、遺伝子を表すDNA配列は、化学的に合成され、続いて、例えば適合性の細菌、例えば大腸菌によって増殖されてよいDNAベクター分子中で導入されてよい。
本明細書における一実施形態の関連する一実施形態において、ドリメノールシンターゼをコードする核酸配列を検出するためのPCRプライマー及び/又はプローブが提供される。当業者は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13又は配列番号15に基づいて、ドリメノールシンターゼをコードする核酸配列又はそれらの断片を増幅するための縮重した又は特異的なPCRプライマー対を合成するための方法を認識している。ドリメノールシンターゼをコードする核酸配列のための検出キットは、ドリメノールシンターゼをコードする核酸配列について特異的なプライマー及び/又はプローブ、並びに試料中でドリメノールシンターゼをコードする核酸配列を検出するためにプライマー及び/又はプローブを使用するための関連するプロトコルを含んでよい。かかる検出キットは、植物が改質されているかどうか、すなわちドリメノールシンターゼをコードする配列で形質転換されているかどうかを測定するために使用されてよい。
本明細書において、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13又は配列番号15の突然変異によって得られる核酸配列が提供され、かかる突然変異は、常に生じうる。1つ以上のヌクレオチドの突然変異、欠失、挿入、及び/又は置換を、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13又は配列番号15のDNA配列に導入することができることは、当業者に明らかである。一般に、突然変異は、製造されたポリペプチドのアミノ酸配列を変更できる遺伝子のDNA配列における変化である。
本明細書における一実施形態に従った変異体DNA配列の機能を試験するために、関心のある配列は、選択可能な又はスクリーニング可能なマーカー遺伝子に操作可能に連結され、かつレポーター遺伝子の発現が、プロトプラストでの一過性の発現アッセイで、又は安定して形質転換された植物で試験される。当業者は、発現を操作できるDNA配列が、モジュールとして構築されることを認識している。従って、より短いDNA断片からの発現レベルは、最も長い断片からの発現レベルとは異なってよく、かつ互いに異なってよい。さらに、ドリメノールシンターゼタンパク質をコードする核酸配列、すなわち、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13又は配列番号15の核酸配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列の機能的当量も本明細書において提供される。当業者は、他の生物における相同配列を同定するための方法、及び相同配列間の配列同一性のパーセンテージを決定するための方法(本明細書における定義の段落において関連づけられる)を認識している。シーケンスされてよいかかる新たに同定されたDNA分子及び配列を、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13又は配列番号15の核酸配列と比較し、そして機能当量について試験してよい。本明細書において、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13又は配列番号15のヌクレオチド配列に対して、少なくとも70%、特に75%、特に80%、特に85%、特に90%、特に95%、特に96%、特に少なくとも97%、特に98%又はより特に99%以上の配列同一性を有するDNA分子が提供される。
関連する一実施形態は、配列番号1又は配列番号3に従った核酸配列、例えば抑制性RNAsに相補的である核酸配列、又はストリンジェントな条件下で配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13又は配列番号15に従ったヌクレオチド配列の少なくとも一部にハイブリダイズする核酸配列を提供する。
本明細書において提供される代わりの一実施形態は、宿主細胞中で遺伝子発現を変更するための方法を提供する。例えば、本明細書における一実施形態のポリヌクレオチドは、宿主細胞又は宿主生物中で、ある状況で(例えば、昆虫が噛むか刺し、又は特定の温度に曝すことで)高められるか又は過剰発現されるか又は誘発されてよい。
本明細書において提供されるポリヌクレオチドの発現の変更は、変更させた生物における、及び対照又は野生型の生物における種々の発現パターンである“異所性発現”ももたらす。発現の変更は、本明細書における一実施形態のポリペプチドと外因性又は内因性修飾因子との相互作用から生じるか、又はポリペプチドの化学的修飾の結果として生じる。その用語は、検出レベル以下又は完全に抑制された活性を変更する、本明細書における一実施形態のポリヌクレオチドの変更された発現パターンもいう。
一実施形態において、いくつかのドリメノールシンターゼをコードする核酸配列は、単独の宿主で、特に種々のプロモーターの制御下で、同時発現される。代わりに、いくつかのドリメノールシンターゼタンパク質をコードする核酸配列は、単独の形質転換ベクターで存在してよく、又は別々のベクターを使用して、及び双方のキメラ遺伝子を含む形質転換体を選択して、同時に同時形質転換されてよい。同様に、1つ以上のドリメノールシンターゼをコードする遺伝子は、例えば害虫耐性又はその他を高める他のタンパク質をコードする、他のキメラ遺伝子と一緒に単独の植物で発現されてよい。
ドリメノールシンターゼタンパク質をコードする本明細書における一実施形態の核酸配列は、宿主細胞又は宿主生物中でドリメノールシンターゼタンパク質を製造するために、発現ベクター中に挿入されてよく、及び/又は発現ベクター中で挿入されたキメラ遺伝子において含まれてよい。宿主細胞のゲノム中へ導入遺伝子を挿入するためのベクターは、当業者に周知であり、かつプラスミド、ウィルス、コスミド及び人工染色体を含む。キメラ遺伝子が挿入される二元の又は同時組み込み型のベクターも、宿主細胞を形質転換するために使用される。
本明細書において提供される一実施形態は、ドリメノールシンターゼ遺伝子の核酸配列を含む組換え発現ベクター、又は関連する核酸配列、例えばプロモーター配列に操作可能に連結したドリメノールシンターゼ遺伝子の核酸配列を含むキメラ遺伝子を提供する。例えば、キメラ遺伝子は、配列番号1又は配列番号3の核酸配列を含むか、又は場合により3’非翻訳核酸配列に連結した植物細胞、細菌細胞もしくは真菌細胞中での発現に適したプロモーター配列に操作可能に連結してよい。
代わりに、プロモーター配列は、ベクター中で既に存在していてよく、その結果、転写されるべき核酸配列は、プロモーター配列の下流のベクター中に挿入される。ベクターは、典型的に遺伝子操作されて、複製、マルチクローニング部位、及び選択可能なマーカーの起点を有する。
次の実施例は、単に例証されるのみであり、特許請求の範囲又は本明細書において記載された一実施形態を制限することを意図しない。
実施例
実施例1
ドリミス・ランセオレータ及びドリミス・ウィンテリの植物材料及び葉のトランスクリプトームのシーケンス
ドリミス・ウィンテリ及びドリミス・ランセオレータの植物を、Bluebell Nursery(Leicestershire、UK)から得た。テルペン分子における組成の分析のために、葉を採取し、溶媒をMTBE(メチルtert−ブチルエーテル)を使用して抽出した。その抽出物を、Agilent 5975質量検出器に連結したAgilent 6890 Series GCシステムを使用してGCMSにより分析した。GCを、30m DB−1msキャピラリーカラム(Agilent)によって0.25mm内部直径で満たした。キャリヤーガスは、1mL/分の一定流でHeであった。開始炉温度は、50℃(1分保持)、続いて10℃/分〜300℃/分の勾配であった。注入を、260℃に設定し、スプリットレスモードを使用してスプリット/スプリットレスインジェクター中で実施した。生成物の同定は、質量スペクトル及び保持指数の、確実な基準及び内部質量スペクトルのデータベースとの比較に基づいた。2つの植物の葉は、(−)−ドリメノール、ポリゴジアール及びエピポリゴジアールを含む著しい量のドリマンセスキテルペン化合物を含んだ(図1)。
そして、D.ウィンテリ及びD.ランセオレータの小さい葉を、トランスクリプトーム分析のために取った。全てのRNAを、ConcertTM 植物RNA試薬(Invitrogen)を使用して抽出した。この全てのRNAを、Illumina Total RNA−Seq技術及びIllumina HiSeq 2000シーケンサーを使用して加工した。全てで101〜105×106の2×100bpのpaired−readsを、それぞれD.ウィンテリ及びD.ランセオレータについて生じた。読取りを、Velvet de novoゲノムアセンブラー(http://www.ebi.ac.uk/~zerbino/velvet/)及びOasesソフトウェア(http://www.ebi.ac.uk/~zerbino/oases/)を使用して構築した。D.ウィンテリについて1080bpの平均サイズで40586コンティグが構築され、かつD.ランセオレータについて1179bpの平均サイズで28255コンティグが得られた。コンティグを、tBlastnアルゴリズム(Altschulら、J. Mol. Biol. 215、403〜410、1990年)を使用して、及び公知のセスキテルペンシンターゼのアミノ酸配列を問合せとして使用して調べた。このアプローチは、37個の新たな推定セスキテルペンシンターゼについての配列を提供した。これらのシンターゼの酵素活性を、ドリメノールシンターゼ活性を示すシンターゼについての次の実施例において記載されたよう評価した。
実施例2 D.ランセオレータからのDlTps589の機能的発現及び特徴付け
選択されたセスキテルペンシンターゼDlTps589の1つのDNA配列を、コドン最適化し、in vitroで合成し、そしてpJ444−SR発現プラスミドでクローニングした(DNA2.0、Menlo Park、CA、USA)。
DlTps589シンターゼの非相同発現を、KRX大腸菌細胞(Promega)中で実施した。pJ444SR−DlTps589発現プラスミドで形質転換した細胞の単コロニーを使用して、55mlのLB培地に植え付けた。37℃で5〜6時間のインキュベート後に、培養物を20℃のインキュベーターに移し、そして平衡のために1時間置いた。そしてタンパク質の発現を、1mM IPTG及び0.2%L−ラムノースを添加することにより誘発し、20℃で一夜インキュベートした。翌日、細胞を遠心分離により採取し、50mM MOPSO(pH7、10%グリセロール)の0.1容量中で再懸濁し、そして超音波破砕により分解した。抽出物を遠心分離(20000gで30分)により清浄し、そして可溶性タンパク質を含む上清を、他の実験のために使用した。
組換えタンパク質を含む粗大腸菌タンパク質抽出物を、酵素活性の特徴付けのために使用した。アッセイを、50mM MOPSO(pH7、10%グリセロール)、1mM DTT、15mM MgCl2(80μΜのファルネシル−ジホスフェート(FPP、Sigma)の存在下で)及び0.1〜0.5mgの粗タンパク質の2mL中で実施した。その管を、12〜24時間30℃でインキュベートし、そしてペンタン1容量で2回抽出した。窒素流下での濃縮後に、抽出物を、GC及びGC−MSにより分析し、そして対照タンパク質でのアッセイからの抽出物と比較した。酵素により形成された生成物の分析を、実施例1において記載したようにGCMSにより実施した。陰性対照を、空のプラスミドで形質転換した大腸菌を使用して同一の条件で実施した。これらの条件において、DlTps589組換え酵素は、98%を超える選択性で主な生成物として(−)−ドリメノールを生成した(図2)。(−)−ドリメノールの同定を、Sandalwood Oil West(アミリス・バルサミフェラ)から単離した標準ドリメノール基準の質量スペクトル及び保持時間を突き合わせることにより確認した。
実施例3 DlTps589を使用した大腸菌細胞中での(−)−ドリメノールのin vivoでの製造
非相同細胞における(−)−ドリメノールのin vivoでの製造を評価するために、大腸菌細胞を、pJ444SR−DlTps589発現プラスミドで形質転換し、そして内因性FPPプールからのセスキテルペンの製造を評価した。細胞の生産性を高めるために、非相同FPPシンターゼ及び完全な非相同メバロン酸(MVA)経路からの酵素も、同一の細胞中で発現させた。FPPシンターゼ遺伝子を含む発現プラスミド、及び完全MVA経路のための遺伝子の構築は、特許文献WO2013064411号において、又はSchalkら(2013) J. Am. Chem. Soc. 134、18900−18903において記載されている。簡潔に、発現プラスミドを、完全なメバロン酸経路のための酵素をコードする遺伝子から構成される2つのオペロンを含んで製造した。大腸菌アセトアセチル−CoAチオラーゼ(atoB)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)HMG−CoA合成酵素(mvaS)、黄色ブドウ球菌HMG−CoAレダクターゼ(mvaA)及びサッカロミセス・セレビジエFPP合成酵素(ERG20)遺伝子からなる第一の合成オペロンを、in vitroで合成し(DNA2.0、Menlo Park、CA、USA)、そしてNcoI−BamHIで消化したpACYCDuet−1ベクター(Invitrogen)を連結して、pACYC−29258を得た。メバロン酸キナーゼ(MvaK1)、ホスホメバロン酸キナーゼ(MvaK2)、メバロン酸ジホスフェートデカルボキシラーゼ(MvaD)、及びイソペンテニルジホスフェートイソメラーゼ(idi)を含む第二のオペロンを、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)のゲノムDNA(ATCC BAA−334)から増幅し、そしてプラスミドpACYC−29258−4506を提供するpACYC−29258の第二のマルチクローニング部位にライゲーションした。従って、このプラスミドは、アセチル補酵素AからFPPを読み取る生合成経路の全ての酵素をコードする遺伝子を含む。
KRX大腸菌細胞(Promega)を、プラスミドpACYC−29258−4506及びプラスミドpJ444SR−DlTps589で同時形質転換した。形質転換させた細胞を、カルベニシリン(50μg/ml)及びクロラムフェニコール(34μg/ml)LBアガロースプレート上で選択した。単コロニーを使用して、同一の抗生物質で補足した5mLの液体LB培地をインキュベートした。その培養物を37℃で一夜インキュベートした。翌日、同一の抗生物質で補った2mLのTB培地を一夜培養物の0.2mLに植えた。37℃での培養の6時間後に、その培養物を28℃まで冷却させ、そして0.1mM MIPTG及び0.2%ラムノースをそれぞれの管に添加した。その培養物を48時間28℃でインキュベートした。そして、その培養物を、MTBEの2容量で2回抽出し、その有機相を500μLに濃縮し、そして実施例2において記載されたようにGC−MSにより分析した。
このin vivoでの条件において、DlTps589組換え酵素は、実施例2において記載されたin vitroアッセイと同一の見かけの選択性で主な生成物として(−)−ドリメノールを製造した。これらの遺伝子操作した大腸菌細胞のより多い(1L)培養物を、図4において示される(−)−ドリメノールの構造としてNMR分析及び特異的回転測定により構造を確認するために十分な量で酵素により製造されたセスキテルペンを精製するために使用した。高光学純度(enantiopurity)を、ChiraSilカラム(Agilent)を備えたVarian CP−3800 GCシステムで125〜180℃まで3.0℃/分の炉の勾配温度を使用して、キラルGC分析により確認した(図5)。
実施例4 D.ウィンテリからのSCH51−3228−9及びSCH51−3228−11の機能的発現及び特徴付け
SCH51−3228−9及びSCH51−3228−11は、セスキテルペンシンターゼについてコードする推定の2つの他のDNA配列であり、ドリミス・ウィンテリのトランスクリプトーム配列から単離される。推論されるアミノ酸配列は、それぞれ、DlTps589アミノ酸配列と92.6%及び95.1%を有する。2つの配列を、コドン最適化し、in vitroで合成し(Invitrogen)、そしてpETDuet−1(Novagen)発現プラスミド(Invitrogen)のNdeI及びKpnI制限酵素認識部位間でクローニングした。
SCH51−3228−9及びSCH51−3228−11シンターゼの非相同発現を、BL21(DE3)大腸菌細胞(Invitrogen)で実施した。pETDuet−SCH51−3228−9又はpEDTDuet−SCH51−3228−11発現プラスミドで形質転換された細胞の単コロニーを使用して、実施例2において記載されるように組換え酵素を製造した。組換えタンパク質を含む粗大腸菌タンパク質抽出物を、以下のように実施したGCMS分析条件を除いて実施例2において記載されたように、酵素活性の特徴付けのために使用した。GCMS分析を、Agilent 59755975質量検出器に連結したAgilent 6890 Series GCシステムで実施した。GCを、30m DB−1msキャピラリーカラム(Agilent)によって0.25mm内部直径で満たした。キャリヤーガスは、1mL/分の一定流でHeであった。開始炉温度は、50℃(5分保持)、続いて5℃/分〜300℃/分の勾配であった。注入を、スプリットモードで、250℃で、5:1のスプリット比で実施した。
2つの組換え酵素は、高い選択性で主な生成物として(−)−ドリメノールを製造した。(−)−ドリメノールの同定を、Sandalwood Oil West(アミリス・バルサミフェラ)から単離した標準ドリメノール基準の質量スペクトル及び保持時間を突き合わせることにより確認した(図6)。
全大腸菌細胞システム及び実施例3において記載された方法(前記されたGCMS分析条件を除く)を使用して、ドリメノールを、SCH51−3228−9及びSCH51−3228−11組換えタンパク質を使用してin vivoで細菌培養物中でも製造できた(図7)。
実施例5 D.ウィンテリからのSCH51−998−28及びD.ランセオレータからのSCH52−13163−6の機能的発現及び特徴付け
実施例4に類似して、2つのcDNAのSCH51−998−28及びSCH52−13163−6を最適化し、pETDuet発現プラスミドでクローニングした。
組換えタンパク質を、BL21(DE3)大腸菌細胞(Invitrogen)中で製造し、そしてin vitroアッセイを基質としてFPPを使用して、実施例2及び4において記載されたように実施した。これらのアッセイは、SCH51−998−28及びSCH52−13163−6についてのドリメノールシンターゼ活性を示した。組換えメバロン酸経路(実施例2及び4)からFPPを過剰製造する大腸菌細胞を使用して、ドリメノールを、SCH51−998−28及びSCH52−13163−6タンパク質を使用してin vivoでも製造できた(図7)。
実施例6 ドリミス種からのドリメノールシンターゼの配列比較
ドリミス・ウィンテリ及びドリミス・ランセオレータからのドリメノールシンターゼのアミノ酸配列を、ClustalW Multipleアライメントプログラム(Thompsonら、1994、Nucleic Acid Res. 22(22)、4673−4680)を使用して配列し、そして配列同一性を、このアライメントを基に算出した。
ドリミス種からの種々のドリメノールシンターゼ間のパーセントでの同一性(%):
Figure 2017517251

Claims (16)

  1. 以下、
    i)非環式ピロリン酸、特にファルネシル二リン酸(FPP)と、ドリメノールシンターゼ活性を有し、かつ配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択される配列に対して少なくとも、又は少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するポリペプチドとを接触させて、ドリメノールを製造すること;及び
    ii)任意にドリメノールを単離すること
    を含むドリメノールの製造方法。
  2. ドリメノールを単離する、請求項1に記載の方法。
  3. ドリメノールが、30%以上の選択性で製造される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ドリメノールと少なくとも1つの酵素とを接触して、ドリメノール誘導体を製造することを含む、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 化学合成を使用してドリメノールをドリメノール誘導体に変換することを含む、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも又は少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むドリメノール活性を有する単離されたポリペプチド。
  7. 請求項6に記載のポリペプチドをコードする単離された核酸分子。
  8. コードされるポリペプチドが、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13又は配列番号15からなる群から選択される配列を有する、請求項7に記載の核酸分子。
  9. 配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号11及び配列番号14からなる群から選択される配列に対して、少なくとも、又は少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸で、宿主細胞又はヒトでない宿主生物を形質転換し、宿主細胞又は宿主生物をポリペプチドの製造を可能にする条件下で培養する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 請求項7又は8に記載の核酸分子を含むベクター。
  11. ベクターが、原核ベクター、ウィルスベクター又は真核ベクターである、請求項10に記載のベクター。
  12. 発現ベクターである、請求項10又は11に記載のベクター。
  13. 細胞が原核細胞である、請求項9に記載の方法。
  14. 細胞が細菌細胞である、請求項9に記載の方法。
  15. 細胞が真核細胞である、請求項9に記載の方法。
  16. 真核細胞が酵母菌細胞又は植物細胞である、請求項9に記載の方法。
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